JP2021527397A - 造血幹細胞を生成するための方法 - Google Patents

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Abstract

一部の態様および実施形態において、本発明は、例えばHSCTのための造血幹細胞を作製するための方法を提供する。本方法は、HSCの形成を刺激するために十分な条件下で、造血性内皮(HE)細胞または内皮細胞を含む細胞集団を用意すること、ならびにHE細胞および/または内皮細胞における、DNA(シトシン−5−)−メチルトランスフェラーゼ3ベータ(Dnmt3b)および/またはGTPase IMAPファミリーメンバー6(Gimap6)の活性または発現を増大させることを含む。

Description

優先権の主張
本願は、2018年6月7日に出願された米国仮特許出願番号第62/681,982号の利益を請求する。当該出願の全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
連邦政府の資金による研究
本発明は、米国国立衛生研究所によって付与された登録番号HL131645、DK085217、およびDK100672の下での政府支援を伴ってなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
造血幹細胞(HSC)は、胚発生の間に、特異的誘導事象が中胚葉を血液幹細胞および血液前駆細胞に変換させる他とは異なる領域において派生する。HSCは、造血と呼ばれるプロセスにおいて、骨髄系およびリンパ系の両方の血球を生じさせることができる。
HSC移植(HSCT)は、血液疾患、骨髄疾患、代謝性疾患、および免疫疾患を有する患者を処置するために広く使用されている。臍帯血およびハプロタイプ一致の幹細胞の移植が進歩しているにもかかわらず、HSC移植の治療的使用は、ヒト白血球抗原(HLA)が適合する適切なドナーを適時に、特に少数民族の国において見つけることの困難性、および国内での非血縁ドナー登録がないことから、制限されていることが多い。混血の人は米国人口の1.6パーセント(9700万人)を占めているが、複合人種のボランティアは登録されている700万人のうちわずか3パーセント(21000人)であり、6000人の患者が、骨髄が適合しないままである。適切な適合が見つかる場合でも、移植片対宿主病(GVHD)、ドナー拒絶、および処置に関連する高い死亡率などの免疫学的合併症が、患者の生存を危うくし得る。しかし、これらの合併症は、自家移植によって排除される。自家HSCは同種異系HSCの全てに代わるわけではないが、特に血液悪性腫瘍の状況では、自家HSCは、ドナーアベイラビリティの欠如、ならびに広範囲の悪性および非悪性の血液学的障害、免疫障害、および代謝障害を有する患者でのGVHDを含む、HSCTにおける大きなハードルを克服する。
したがって、HSCTのための、自家HSCを含むHSCを生成することが必要とされている。
本開示は、機械感受性受容体(例えば、ピエゾ1)の生体力学的および/または薬理学的活性化が造血幹細胞(HSC)の形成のためのDnmt3bの発現を増強させるという発見に、少なくとも部分的に基づいている。本明細書において実証されているように、cdh5−モルファント(cdh5−MO)胚は、心拍出量および活性な血流を伴わずに、血管において、心拍動が介在する脈動を有する。脈動に由来する伸展は、ピエゾ1機械感受性チャネルを活性化させ、このチャネルは、大動脈−性腺−中腎(AGM)領域におけるDnmt3bの発現をさらに増強させて、造血性内皮細胞からHSCへの転換を刺激する。脈動の刺激またはピエゾ1の薬理学的活性化はまた、3倍多い量のHSCを生じさせ、このHSCは、連続移植で、正常な機能的な多細胞系成人血液を再構成する。一部の実施形態において、本開示に従って生産される造血幹細胞は長期造血幹細胞(LT−HSC)を含み、これは、優れた生着を示し、レシピエントにおいて、機能的な多細胞系成人血液を再構成する。
一部の態様において、本発明は、HSCの形成を刺激するために十分な条件下で、内皮細胞(例えば、造血性内皮(HE)細胞)を含む集団を用意すること、ならびに、細胞におけるDNA(シトシン−5−)−メチルトランスフェラーゼ3ベータ(Dnmt3b)および/またはGTPase IMAPファミリーメンバー6(Gimap6)の活性または発現を増大させることを含む、HSCを作製するための方法を提供する。HSCは、患者に投与するために回収することができる。
一部の実施形態において、内皮細胞は、有効量の、Dnmt3bの活性または発現を増大させるアゴニストと接触させられる。一部の実施形態において、アゴニストは、機械感受性受容体または機械感受性チャネルのアゴニストである。一部の実施形態において、機械感受性受容体は、ピエゾ1である。典型的なピエゾ1アゴニストは、Yoda1である。一部の実施形態において、有効量のYoda1アゴニストは、約5μMから約200μM、もしくは約5μMから約100μM、または一部の実施形態において、約25μMから約100μM、もしくは約25μMから約50μMの範囲である。
あるいは、Dnmt3bの活性または発現は、内皮細胞において直接増大させることができる。例えば、Dnmt3bのmRNA発現は、mRNA転写産物を細胞に送達することによって、または、活性を増大させるためもしくは変化させるための1つもしくは複数の修飾を有し得るDnmt3b導入遺伝子および/もしくはエピソームを導入することによって、増大させることができる。一部の実施形態において、遺伝子編集を利用して、内皮細胞またはHE細胞におけるDnmt3b発現エレメントに遺伝子修飾を導入して、例えば、プロモーターの強度、リボソーム結合、またはRNAの安定性を増大させる。
一部の実施形態において、本発明は、内皮細胞におけるGimap6の活性または発現を、単独でまたはDnmt3bと組み合わせて増大させることを含む。Gimap6の活性または発現を増大させるために、Gimap6のmRNA転写産物、または代わりにGimap6導入遺伝子および/もしくはエピソームを細胞に導入することができ、ならびに/あるいは細胞におけるGimap6発現エレメントの遺伝子修飾(プロモーターの強度、リボソーム結合、またはRNAの安定性を増大させるための1つまたは複数の修飾など)の導入も行うことができる。
様々な実施形態において、内皮細胞(例えば、造血性内皮(HE)細胞)を含む細胞集団が、バイオリアクターに導入される。一部の実施形態において、バイオリアクターは、繰り返しひずみによる生体力学的伸展(cyclic-strain biomechanical stretching)をもたらす。繰り返しひずみによる生体力学的伸展は、Dnmt3bおよび/またはGimap6の活性または発現を増大させる。例えば、底が柔らかい培養プレートのナイロン膜、PDMS膜、または類似の生体適合性生物模倣膜に取り付けられている、コンピュータ制御された真空ポンプシステム(例えば、FlexCell(商標)Tension System、Cytostretcher System、または類似のもの)を使用して、2Dまたは3Dの円周方向の伸展を、エクスビボで、規定されたおよび制御された繰り返しひずみ条件下で、HE細胞に与えることができる。
様々な実施形態において、HSCの転換は、ピエゾ1の活性化;機械的伸展;Dnmt3bに対する、導入遺伝子による修飾を伴うもしくは伴わない(すなわち、導入遺伝子フリー)、エピソームによる修飾を伴うもしくは伴わない、または遺伝子修飾を伴うもしくは伴わない、mRNAの導入;および/あるいは、Gimap6に対する、導入遺伝子による修飾を伴うもしくは伴わない(すなわち、導入遺伝子フリー)、エピソームによる修飾を伴うもしくは伴わない、または遺伝子修飾を伴うもしくは伴わない、mRNAの導入;から選択される1つまたは複数によって誘発される。
一部の実施形態において、HE細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)、非造血幹細胞、または線維芽細胞もしくは内皮細胞などの体細胞から得られるかまたはそれに由来する。一部の実施形態において、HE細胞は、HLAヌル細胞、HLA修飾細胞、および/もしくは導入遺伝子フリーの細胞から、または内皮細胞からHE細胞への遺伝的誘導から得られるかまたはそれに由来する。同種異系ドナーの源細胞に由来する、またはHSCで処置される対象に由来するものを含む、造血性内皮細胞(例えば、Flkl+CD45+細胞、Flkl+CD41+細胞、またはCD31+CD43+細胞)は、あらゆる様式で得ることができる(すなわち、自家細胞または同種細胞から造血性内皮細胞への、化学的誘導、遺伝的誘導、mRNA誘導、導入遺伝子フリーの誘導、またはエピソーム誘導;一部の実施形態において、HE細胞は、レシピエントの細胞または万能適合ドナーの細胞を使用して作製されたiPSCから生成される)。一部の実施形態において、発生的に柔軟な(developmentally plastic)内皮細胞が利用される。
様々な実施形態において、本明細書において記載される方法によって調製されたHSCの集団および薬学的に許容されるビヒクルを含む、細胞療法のための医薬組成物が調製される。医薬組成物は、少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも10個のHSCを含み得る。例えば、一部の実施形態において、レシピエントの体重1キログラム当たり約10万から約40万個のHSC(例えば、約20万細胞/kg)を含む医薬組成物が投与される。
一部の実施形態において、本明細書において記載される方法によって調製されたHSCの集団を含む細胞療法が準備される。一部の実施形態において、細胞療法は、薬学的に許容されるビヒクルを含む。細胞療法は、少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも10個のHSCを含み得る。例えば、一部の実施形態において、レシピエントの体重1キログラム当たり約10万個から約40万個のHSC(例えば、約20万個細胞/kg)を含む医薬組成物が投与される。HSC細胞の数は、患者の年齢および体重に基づいて変化させることができる。
移植のためのHSCは、一部の実施形態において、約2ヶ月間未満、または約1ヶ月未満(例えば約4週間)、または約2週間未満、または約1週間未満、または約6日間未満、または約5日間未満、または約4日間未満、または約3日間未満などの、比較的短い期間で生成させることができる。一部の実施形態において、Dnmt3bおよび/またはGimap6の活性または発現が増大した発生的に柔軟な内皮細胞またはHE細胞が、1から4週間培養される。
本明細書において記載される方法によって調製されたHSCは、例えば静脈内注入または骨髄内移植によって、対象(レシピエント)に投与される。本方法は、骨髄破壊的な、非骨髄破壊的な、または免疫毒素に基づく(例えば、抗c−Kit、抗CD45など)前処置レジメンの後に行うことができる。
本明細書において記載される方法は、血液疾患(悪性および非悪性の)、骨髄疾患、代謝性疾患、ならびに免疫疾患を例えば処置するための移植プロトコルにおいて使用するためのHSCの集団を生成するために使用することができる。一部の実施形態において、HSC集団は自家細胞に由来し、例えば、レシピエント対象の細胞を使用して作製されるiPSCから生成される。一部の実施形態において、HSC集団は、万能適合ドナー細胞またはHLAヌル造血性内皮細胞または正常なHSCをもたらす類似の細胞に由来する。
本発明のこれらのおよび他の態様および実施形態は、以下の本発明の詳細な説明によって記載される。
図1Aは、26〜42hpfの間の、トランスジェニック胚のflk1:mCherry内皮細胞から生じたcd41:eGFPHSCの低速度撮影共焦点イメージングを示す。データは、ピエゾ1のサイレンシングが内皮からHSCへの転換を弱め、その一方で、ピエゾ1の薬理学的活性化(Yoda1)が対照胚におけるHSC形成を刺激し、また、sih−MO胚におけるHSC形成を回復させることを実証している。群当たりn=5。対照に対してP<0.05、sih−MOに対してP<0.05。 図1Bは、繰り返しひずみおよびピエゾ1アクチベーター(Yoda1)で処置されたE11.5 AGM細胞における発現変動遺伝子のヒートマップであり、これは、繰り返しひずみおよびピエゾ1の活性化が、内皮細胞から造血細胞への転換の際のAGMにおいて類似の遺伝子発現パターンを有していることを示している。群当たりn=3。 図1Cは、E11.5 AGM細胞での造血コロニー形成単位(CFU)アッセイのグラフであり、これは、ピエゾ1の、Yoda1介在性の薬理学的活性化が、内皮細胞から造血細胞への転換を刺激することを実証している。群当たりn≧6。対照に対してP<0.05。略記:GEMM(顆粒球、赤血球系、マクロファージ、巨核球)、GM(顆粒球マクロファージ)、G(顆粒球)、M(マクロファージ)、E(赤血球系)。 図1Dは、E11.5 AGM細胞での造血CFUアッセイのグラフであり、これは、ピエゾ1の、GsMtX4介在性の薬理学的阻害が、内皮からHSCへの転換に対する繰り返しひずみの誘発的影響を弱めることを実証している。群当たりn≧6。対照に対してP<0.05。略記:GEMM(顆粒球、赤血球系、マクロファージ、巨核球)、GM(顆粒球マクロファージ)、G(顆粒球)、M(マクロファージ)、E(赤血球系)。 図2Aは、実験の概要(上部)および折れ線グラフ(下部)を示す図である。実験の概要(上部)は、E11.5マウスAGMに由来するHSCの連続移植と、その後の、骨髄破壊的な免疫不全マウスへの10%繰り返しひずみまたはYoda1での処置を表す図式を示す。折れ線グラフ(下部)は、一次移植体(レシピエント)における、8〜16週目の間の4週間隔の、E11.5 AGM(ドナー、3胚当量(embryo equivalent))に由来するHSCの再構成で生じる、末梢血のキメリズムのパーセンテージを示し、これは、E11.5 AGMに対する繰り返しひずみまたはピエゾ1の薬理学的活性化(Yoda1処置)が、HSCの形成を刺激することを示している。群当たりn≧5の一次レシピエント。対照に対してP<0.05、8週目のキメリズムに対してP<0.05。3胚当量(e.e.)のAGMドナー細胞を、各レシピエントに注射した。 図2Bは、16週目の一次移植体(レシピエント)における、E11.5 AGM(ドナー、3胚当量)に由来するHSCからMac1Gr1骨髄細胞、Cd8Cd3T細胞、およびB220Cd19B細胞への再構成のパーセンテージを示すグラフであり、これは、E11.5 AGMに対する繰り返しひずみまたはピエゾ1の薬理学的活性化(Yoda1)が、血液に再構成するHSCの形成を刺激することを示している。群当たりn≧5の一次レシピエント。 図2Cは、二次移植体(レシピエント)における、8〜12週目の間の4週間隔の、一次移植体(ドナー)に由来するフローソーティングされたLinSca1c−KitHSPC(n=2000)の再構成で生じる、末梢血のキメリズムのパーセンテージを示す折れ線グラフであり、これは、E11.5 AGMの繰り返しひずみまたはYoda1処置が、連続生着および自己再生能を有するHSCを生産することを示している。群当たりn≧5の二次レシピエント。対照に対してP<0.05。 図2Dは、12週目の二次移植体(レシピエント)における、一次移植体(ドナー)に由来するHSCからMac1Gr1骨髄細胞、Cd8Cd3T細胞、およびB220Cd19B細胞への再構成のパーセンテージを示すグラフであり、これは、E11.5 AGMの繰り返しひずみまたはYoda1処置が、血液に連続的に再構成し得るHSCを生産することを示している。群当たりn≧5の二次レシピエント。 図3Aは、実験の概要(上部)およびグラフ(下部)を示す図である。実験の概要(上部)は、一次移植体(レシピエントマウス)の造血組織における、ドナー由来の血液系統の機能分析および表現型分析のための戦略を示す。グラフ(下部)は、骨髄に由来する、選別されたCd71Ter119(ドナー)赤血球系細胞における、β−メジャー(成人)型、εγ(胚)型、およびβ−H1(胚)型のヘモグロビンの発現のパーセンテージを示す。データは、E11.5 AGMの生体力学的伸展またはYoda1処置の後に生産されたドナーHSCが、成人ヘモグロビンを含有する赤血球に再構成されることを示す。群当たりn≧6。 図3Bは、骨髄由来の選別されたGr1Mac1(ドナー)好中球の一晩の培養(O/N)、およびその後の、ELISAに基づくミエロペルオキシダーゼ(MPO)タンパク質の定量を示すグラフである。データは、E11.5 AGMの生体力学的伸展またはYoda1処置の後に、十分なMPOレベルを示す機能的骨髄細胞に再構成するドナーHSCが生産されたことを実証している。群当たりn≧5。 図3Cは、一次移植体(レシピエント)マウスの末梢血における、免疫化前の免疫グロブリン(Ig)アイソタイプのELISA分析を示すグラフである。データは、一次移植体が、完全な免疫グロブリンレパートリーを有するB細胞を生産することを示している。群当たりn≧6。 図3Dは、脾臓選別型Cd3T細胞(ドナー)(上部)またはMac1骨髄細胞(ドナー、陰性対照)(下部)のT細胞受容体(TCRβ)遺伝子座分析を示す2つのゲル写真の画像である。データは、E11.5 AGMの生体力学的伸展またはYoda1処置の後に、ドナーHSCが、脾臓に移動し、そしてTCRβ遺伝子座を再編成するために十分な機能的組換え機構を有するT細胞に再構成される、T細胞を生産し、T細胞受容体β(TCR β)の再編成を示すことを示す。 図3Eは、遅延型過敏反応アッセイを示すドットプロットであり、これは、生体力学的伸展をしているまたはYoda1処置されたE11.5 AGMに由来するドナーHSCで再構成された一次移植体(レシピエント)マウスが、T細胞介在性の免疫応答を有することを実証している。群当たりn≧6。右足蹠(陰性対照)に対してP<0.05。 遺伝子がEC対HSC((1))、EC対HEC((2))、およびHEC対HSC((3))の最中に上方調節された状況における、繰り返しひずみおよび/またはYoda1で処置されたE11.5 AGM細胞において上方調節された遺伝子のベン図である。上記の分析((1)対(2)対(3))において共通して上方調節された遺伝子のベン図での比較は、円周方向の伸展およびピエゾ1の活性化の両方が、内皮からHSCへの転換の際のDnmt3b転写産物の発現およびGimap6転写産物の発現を特異的に刺激することを実証している。 図5Aは、繰り返しひずみまたはYoda1で処置されたE11.5マウスのAGM細胞の核画分におけるDnmt3bおよびDnmt3aのタンパク質レベルの2つのグラフを示す図である。データは、円周方向の伸展またはピエゾ1の活性化が、Dnmt3aの発現に影響を与えることなくDnmt3bタンパク質の発現レベルを特異的に刺激することを実証している。群当たりn≧3。対照に対してP<0.05。 図5Bは、ナナオマイシン(Nana)の存在下で繰り返しひずみまたはYoda1で処置されたE11.5マウスのAGM細胞の造血CFUアッセイのグラフである。データは、Dnmt3bの薬理学的阻害が、円周方向の伸展またはピエゾ1の活性化によって刺激される内皮からHSCへの転換を弱めることを示している。群当たりn≧6の胚。対照に対してP<0.05。伸展に対してP<0.05。Yoda1に対してP<0.05。 図5Cは、26〜42hpfの間の、トランスジェニック胚のflk1:mCherry内皮細胞から生じたcd41:eGFPHSCの低速度撮影共焦点イメージングの結果を示すグラフである。データは、dnmt3bb.1のサイレンシングが、ピエゾ1の活性化によって刺激される内皮からHSCへの転換を弱めること、およびナナオマイシンがDnmt3aよりもDnmt3bに対して特異的であることを実証している。群当たりn≧5。対照に対してP<0.05。Yoda1に対してP<0.05。
胎児の発生の間、大動脈−性腺−中腎(AGM)における内皮細胞のサブセットは造血性内皮細胞であり、これは、その運命を変化させて、胎児の肝臓および骨髄を最終的にコロニー形成するHSCとなる。しかし、造血性内皮細胞を刺激する因子の個性は依然として不明確であり、機能的HSCの潜在的由来源としての、造血性内皮細胞の利用性を制限している。内膜に対する、血流が介在するずり応力は、HSCの内皮性の出現を刺激する。しかし、Cdh5ヌルゼブラフィッシュモデルおよびマウスモデルを使用して、早期の循環停止にもかかわらず、機能的HSCが生じることが確認された。Anderson H, et al., Hematopoietic stem cells develop in the absence of endothelial cadherin 5 expression. Blood 2015。これらのcdh5がサイレンシングされたモデルを、機能的HSCの出現を引き起こす、ずり応力および/または一酸化窒素シンターゼ(NOS)非依存性の生体力学的力を研究するための中心として、本開示に従って使用して、脈圧が介在する円周方向の伸展がそれによってHSCの出現を左右するさらなるメカニズムを調べた。
実験室において造血性内皮細胞からHSCを生成するための試みは、造血性内皮細胞からのHSCの出現を刺激する因子についての知識が欠如していることに一部には起因して、広く不成功に終わっている。現在は、拍動している心臓からの脈動に起因する血管の円周方向の伸展が、造血性内皮細胞からの機能的HSCの出現を引き起こし、この機能的HSCが最終的に生着し、確定的な細胞系に分化し得ることが確認されている。加えて、伸展感受性の一過性受容体電位型陽イオンチャネルサブファミリーバニロイドメンバー4(Trpv4)チャネルの活性化は、サイレントな心臓(tnnt2、sih)、すなわち、心拍動および血流が不存在のサイレンシングされた胚における、HSCの形成を回復させた。参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2017/096215号パンフレットを参照されたい。
本開示は、機械感受性受容体(例えば、ピエゾ1)の生体力学的および/または薬理学的活性化が、造血幹細胞(HSC)の形成のためのDnmt3bの発現を増強させるという発見に、少なくとも一部は基づいている。本明細書において実証されているように、cdh5−モルファント(cdh5−MO)胚は、心拍出量および活性な血流を伴わずに、血管において、心拍動が介在する脈動を有する。脈動に由来する伸展は、ピエゾ1機械感受性チャネルを活性化させ、これはさらに、AGMにおけるDnmt3bの発現を増強させて、内皮からHSCへの転換を刺激する。脈動の刺激またはピエゾ1の薬理学的活性化はまた、少なくとも3倍多い量のLT−HSCを生じさせ、これは、連続移植で、正常な機能的な多細胞系の成人血液に再構成する。
したがって、本開示の結果は、心拍動が介在する生体力学的力が、いかにして、機械感受性チャネルおよびエピジェネティックな機構を活性化することによって、細胞運命の転換および幹細胞の形成を刺激するかを実証している。LT−HSCの開発、増殖、および幹細胞性の維持は、血液疾患および骨髄疾患を処置するためのHSC移植および細胞療法における主要な目的である。本開示は、LT−HSCを開発するための遺伝的および薬理学的標的を提供する。
一部の態様において、本発明は、HSCの形成を刺激するために十分な条件下で、内皮細胞(例えば、HE細胞)を含む集団を用意すること、ならびに、内皮細胞におけるDNA(シトシン−5−)−メチルトランスフェラーゼ3ベータ(Dnmt3b)および/またはGTPase IMAPファミリーメンバー6(Gimap6)の活性または発現を増大させることを含む、HSCを作製するための方法を提供する。HSCは、患者に投与するために回収することができる。
Dnmt3b(DNA(シトシン−5−)−メチルトランスフェラーゼ3ベータ)は、DNAメチルトランスフェラーゼである。Dnmt3bは核に主に局在し、その発現は、発生的に調節されている。Gimap6は、免疫関連タンパク質(GIMAP)ファミリーのGTPaseのメンバーである。GIMAPタンパク質は、GTP結合モチーフおよびコイルドコイルモチーフを有する。
一部の実施形態において、内皮細胞は、有効量の、Dnmt3bの活性または発現を増大させる機械感受性受容体または機械感受性チャネルのアゴニストと接触させられる。一部の実施形態において、機械感受性受容体は、ピエゾ1である。典型的なピエゾ1アゴニストは、Yoda1である。
Yoda1(2−[5−[[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]チオ]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−ピラジン)は、機械感受性イオンチャネルであるピエゾ1のために開発された低分子アゴニストである。Syeda R, Chemical activation of the mechanotransduction channel Piezo1. eLife (2015)。Yoda1は、以下の構造を有する。
Figure 2021527397
Yoda1の誘導体は、様々な実施形態において利用することができる。例えば、2,6−ジクロロフェニル核を含む誘導体が、一部の実施形態において利用されている。典型的なアゴニストは、Evans EL, et al., Yoda1 analogue (Dooku1) which antagonizes Yoda1-evoked activation of Piezo1 and aortic relaxation, British J. of Pharmacology 175(1744-1759): 2018において開示されている。
一部の実施形態において、有効量のYoda1アゴニストまたは誘導体は、約5μMから約500μM、もしくは約5μMから約200μM、もしくは約5μMから約100μMの範囲、または一部の実施形態において、約25μMから約150μM、もしくは約25μMから約100μM、もしくは約25μMから約50μMの範囲である。
あるいは、Dnmt3bの活性または発現は、内皮細胞またはHE細胞において直接増大させることができる。例えば、Dnmt3bのmRNA発現は、Dnmt3bをコードする転写産物を細胞に送達することによって、またはDnmt3bをコードする導入遺伝子を導入することによって、または、細胞へのエピソームの導入に限定されない、活性を増大させるもしくは変化させるための1つもしくは複数のヌクレオチド修飾(もしくはコードされているアミノ酸の修飾)を有し得る導入遺伝子フリーの方法によって、増大させることができる。一部の実施形態において、遺伝子編集を、遺伝子修飾を内皮細胞内のDnmt3b発現エレメントに導入するために利用して、例えば、プロモーターの強度、リボソーム結合、RNAの安定性を増大させる、またはRNAスプライシングに影響を与える。
一部の実施形態において、本発明は、内皮細胞におけるGimap6の活性または発現を、繰り返しひずみまたはピエゾ1の活性化の際に、単独でまたはDnmt3bおよび/または他の修飾された遺伝子と組み合わせて増大させることを含む。Gimap6の活性または発現を増大させるために、Gimap6をコードするmRNAの転写産物を細胞に導入することができ、導入遺伝子フリーのアプローチもまた利用することができ、これには、限定はしないが、細胞へのエピソームの導入が含まれ、または代わりに、活性を増大させるもしくは変化させるための1つもしくは複数のヌクレオチド修飾(もしくはコードされているアミノ酸の修飾)を有し得る、Gimap6をコードする導入遺伝子を利用することができる。一部の実施形態において、遺伝子編集が、遺伝子修飾を内皮細胞内のGimap6発現エレメントに導入する(プロモーターの強度、リボソーム結合、RNAの安定性を増大させる、またはRNAスプライシングに影響を与えるための、1つまたは複数の修飾など)ために利用される。
一部の実施形態において、mRNAおよび/またはエピソーム(例えば、Dnmt3bまたはGimap6をコードする)は、例えば直接的な化学合成またはインビトロでの転写によって、合成的に生産され、内皮細胞に導入される。既知の化学的修飾を使用して、細胞における自然免疫応答を避けることができる。例えば、基準的なヌクレオチドのみを含む合成RNAは、パターン認識受容体に結合することができ、細胞において強力な免疫応答を引き起こすことができる。この応答は、翻訳の遮断、炎症性サイトカインの分泌、および細胞死を生じさせ得る。ある特定の基準的でないヌクレオチドを含むRNAは、自然免疫系による検出を回避し得、高い効率でタンパク質に翻訳され得る。特に、自然免疫応答を避けるためのヌクレオチド修飾に関しては、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第9,181,319号明細書を参照されたい。mRNAは、既知の方法によって、HSC生産の間に1回または定期的に細胞に導入することができる。
一部の実施形態において、Dnmt3bおよび/またはGimap6の発現は、所望のレベルの過剰発現を導き得る導入遺伝子を細胞に導入することによって増大する(様々なプロモーター強度、または発現調節エレメントの他の選択を伴って)。導入遺伝子は、当技術分野において知られている様々なウイルスベクターまたはトランスフェクション試薬を使用して導入することができる。一部の実施形態において、Dnmt3bおよび/またはGimap6の発現は、導入遺伝子フリーの方法(例えば、エピソーム送達)によって増大する。
一部の実施形態において、Dnmt3bおよび/またはGimap6の発現または活性は、例えば、1つまたは複数の修飾を導入して、プロモーターの強度、リボソーム結合、またはRNAの安定性を増大させるための遺伝子編集技術を使用して増大させられる。様々な編集技術が知られており、これらの技術としては、CRISPR、ジンクフィンガー(ZF)、および転写活性化因子様エフェクター(TALE)が含まれる。一部の実施形態において、Dnmt3bおよび/またはGimap6の発現または活性は、導入遺伝子フリーの方法(例えば、エピソーム送達)によって増大する。これらのDNA結合ドメインの1つまたは複数およびFoklエンドヌクレアーゼの切断ドメインを有する融合タンパク質を使用して、細胞内のDNAの所望の領域において二本鎖切断を生じさせることができる(例えば、これらのうち全ての内容が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0064620号明細書、米国特許出願公開第2011/0239315号明細書、米国特許第8,470,973号明細書、米国特許出願公開第2013/0217119号明細書、米国特許第8,420,782号明細書、米国特許出願公開第2011/0301073号明細書、米国特許出願公開第2011/0145940号明細書、米国特許第8,450,471号明細書、米国特許第8,440,431号明細書、米国特許第8,440,432号明細書、および米国特許出願公開第2013/0122581号明細書を参照されたい)。一部の実施形態において、遺伝子編集は、当技術分野において知られているCRISPR結合Casシステムを使用して行われる。例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,697,359号明細書、米国特許第8,906,616号明細書、および米国特許第8,999,641号明細書を参照されたい。
様々な実施形態において、発生的に柔軟な内皮細胞またはHE細胞を含む細胞集団が、バイオリアクターに導入される。一部の実施形態において、バイオリアクターは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/096215号パンフレットにおいて記載されているように、繰り返しひずみによる生体力学的伸展を提供する。繰り返しひずみによる生体力学的伸展は、Dnmt3bおよび/またはGimap6の活性または発現を増大させる。これらの実施形態において、機械的手段が伸展力を細胞に与える。例えば、底が柔らかい培養プレートのナイロン膜または類似の生体適合かつ生物模倣膜に接続された、コンピュータ制御される真空ポンプシステム(例えば、FlexCell(商標)Tension System、Cytostretcher System、または類似のもの)を使用して、規定され制御された繰り返しひずみ条件下で、2Dまたは3Dの円周方向の伸展をエクスビボでHE細胞に与えることができる。
様々な実施形態において、HSCの転換は、ピエゾ1の活性化、機械的伸展、mRNAの導入、Dnmt3bに対する、mRNA、導入遺伝子による修飾、導入遺伝子フリーの(例えば、エピソームによる)修飾、もしくは遺伝子修飾の導入、および/または、Gimap6に対する、mRNA、導入遺伝子による修飾、導入遺伝子フリーの(例えば、エピソームによる)修飾、もしくは遺伝子修飾の導入、から選択される少なくとも手段によって誘発される。
HE細胞は、血液疾患、骨髄疾患、代謝性疾患、または免疫疾患を有する対象から得ることができるかまたはそれに由来し得る。一部の実施形態において、対象は、血液の悪性腫瘍を有していない。HSCの集団をレシピエントに投与することができる。自家HSC移植では、HE細胞はレシピエントに由来している。
一部の実施形態において、HE細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)、非造血幹細胞、または限定はしないが線維芽細胞および内皮細胞を含む体細胞から得られるかまたはそれに由来する。一部の実施形態において、HE細胞は、HLAヌル細胞、HLA修飾細胞、および/もしくは導入遺伝子フリーの細胞から、または内皮細胞からHE細胞への遺伝的誘導から得られるかまたはそれに由来する。造血性内皮細胞(例えば、FlklCD45細胞、FlklCD41細胞、またはCD31CD43細胞)は、例えば同種異系のドナーのまたはHSCで処置される対象の源細胞から、任意の様式で得ることができる。例えば、HE細胞は、自家細胞または同種細胞から造血性内皮細胞への化学的誘導、遺伝的誘導、導入遺伝子フリーの誘導、またはエピソームによる誘導によって得ることができる。一部の実施形態において、HE細胞は、レシピエントの細胞から、またはHLA修飾されている細胞から、またはHLAヌル細胞である細胞から作製されたiPSCから生じる。一部の実施形態において、HE細胞は、万能適合ドナーである対象の細胞から得られるかまたはそれに由来する。造血性内皮細胞を調製するための方法は、当技術分野において知られており、この方法としては、ヒト多能性幹細胞からの生成が含まれる。参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2017/096215号パンフレットおよび米国特許出願公開第2019/0119643号明細書を参照されたい。また、Ditadi et al., Nature Cell Biol. 17(5) 580-591 (2015)、Sugimura et al., Nature 2017; 545(7655):432-438、Nakajima-Takagi et al, Blood. 2013; 121(3):447-458、Zambidis et al., Blood. 2008 Nov 1; 112(9):3601-14、およびPark et al, Cytometry A. 2013 Jan; 83(1): 114-126(効率的なhiPSC分化のための、ヒト胚様体(hEB)に基づく血液−内皮分化方法);Choi et al., Cell Rep. 2012 Sep 27; 2(3): 553-567(OP9との共培養におけるhPSC分化);Sandler et al, 2014 July 17; 511(17509):312-318(内皮細胞から造血細胞)も参照されたく、また、Sluvkin, Blood 2013 122:4035-4046も参照されたい。一部の実施形態において、HSCの生産を開始するためのHE細胞の数は、少なくとも約10個の細胞、約10個の細胞、または少なくとも10個の細胞である。一部の実施形態において、本開示に従って生産される造血幹細胞は、レシピエントにおいて優れた生着を示し、機能的な多細胞系成人血液を再構成する、長期造血幹細胞(LT−HSC)を含む。一部の実施形態において、HSCは、Lin−/Sca1+/c−kit+細胞を含む。
様々な実施形態において、本明細書において記載される方法によって調製されたHSCの集団および薬学的に許容されるビヒクルを含む、細胞療法のための医薬組成物が調製される。医薬組成物は、少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも約10個のHSC、または少なくとも10個のHSCを含み得る。例えば、一部の実施形態において、レシピエントの体重1キログラム当たり約10万から約40万個の(CD34+)HSC(例えば、約20万個細胞/kg)を含む医薬組成物が投与される。
治療または移植のためのHSCは、一部の実施形態において、2ヶ月間未満、または1ヶ月間未満、または約2週間未満、または約1週間未満、または約6日間未満、または約5日間未満、または約4日間未満、または約3日間未満などの、比較的短い期間で生成させることができる。一部の実施形態において、Dnmt3bおよび/またはGimap6の活性または発現が増大した内皮細胞が、1から4週間にわたり培養される。
細胞組成物は、静脈内注入または他の投与経路に適した薬学的に許容される担体またはビヒクルをさらに含み得、また、適切な凍結保護物質を含み得る。典型的な担体は、DMSO(例えば、約10%DMSO)である。細胞組成物は、単位バイアルまたは袋で提供され得、使用まで凍結状態で保存され得る。ある特定の実施形態において、組成物の容積は、約1液量オンスから1パイントである。
本明細書において記載される方法を使用して生成されたHSCは、例えば静脈内注入または骨髄内移植によって、対象(レシピエント)に投与される。本方法は、骨髄破壊的な、非骨髄破壊的な、または免疫毒素に基づく(例えば、抗c−Kit、抗CD45など)前処置レジメンの後に行うことができる。
本明細書において記載される方法は、例えば、血液疾患(悪性および非悪性の)、骨髄疾患、代謝性疾患、ならびに免疫疾患を処置するための移植プロトコルにおいて使用するためのHSCの集団を生成するために使用することができる。一部の実施形態において、HSC集団は、自家細胞または万能適合ドナー細胞またはHLA修飾細胞またはHLAヌル細胞に由来する。すなわち、HSC集団は、レシピエント対象の細胞から調製されたまたはドナー細胞(例えば、万能ドナー細胞、HLA適合細胞、HLA修飾細胞、もしくはHLAヌル細胞)から調製された、発生的に柔軟な内皮細胞またはiPSCに由来するHE細胞から生成される。一部の実施形態において、自己に由来する細胞が使用され、レシピエント対象は、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、胚細胞腫瘍、自己免疫障害(全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症)、骨髄異形成症候群、アミロイドーシス、または自家HSC移植を使用して処置可能な他の状態から選択される状態を有している。一部の実施形態において、自己に由来する細胞(例えば、HSCは、レシピエント対象の細胞から生成される)が使用され、レシピエント対象は、血液の悪性腫瘍を有していない。
一部の実施形態において、レシピエント対象は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、再生不良性貧血、純赤血球無形成症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、ファンコニ貧血、サラセミアメジャー、鎌状赤血球性貧血、重症複合免疫不全(SCID)、ウィスコット・オルドリッチ症候群、血球貪食性リンパ組織球症、先天性代謝異常、表皮水疱症、重症先天性好中球減少症、シュワッハマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンド・ブラックファン貧血、および白血球接着不全症から選択される状態を有している。一部のこのような実施形態において、同種異系由来細胞または万能適合ドナー細胞またはHLA修飾細胞またはHLAヌル細胞が、HE細胞の生成に使用される。例えば、HSCは、ドナー対象、すなわちレシピエント対象以外の対象の細胞から生成される。一部の実施形態において、ドナー対象は、血液型およびヒト白血球抗原(HLA)タイピングに基づいてレシピエント対象と適合している。
本明細書において使用される場合、用語「約」は、それが伴う数値の±10%を意味する。
本発明のこれらの態様および他の態様をここで、以下の非限定的な実施例で説明する。
二次造血の際、第1のセットのHSCが、胎児発生の間にAGMにおいて造血性内皮細胞から生じる。したがって、内皮細胞および/または造血性内皮細胞は、AGM微小環境に存在する内因性因子および外因性因子のレパートリーが確立されていれば、臨床的使用のためのHSCを発生または増殖させるための源であり得る。
7つの転写因子(ERG、HOXA5、HOXA9、HOXA10、LCOR、RUNX1、およびSPI1)の誘発、ならびにTGFβおよびCXCR7の阻害またはBMPおよびCXCR4の活性化は、ヒトの内皮からHSPCへの転換を増強させる。しかし、これらのアプローチは、内皮細胞または造血性内皮細胞にLT−HSCの機能および特性を付与しない。血流が介在するずり応力と、その後のNOSの活性化とは、HSC形成に関与する唯一の知られている生体力学的因子である。しかし、cdh5−MO胚は、血流の欠如、およびL−NAME介在性のNOS阻害にもかかわらず、HSCを生産する。したがって、HSC形成の調節においてクロストークするだけではなく長期の(LT)自己再生HSCの開発における有用性も有する、生体力学的力、機械感受性経路、およびエピジェネティックなメカニズムを同定することが重要である。
心拍動は循環の先に生じ、血管内での脈動を生じさせることによって循環を引き起こす。しかし、血管の大動脈内膜からの循環の不存在下での、HSC形成における、心拍動が介在する生体力学的力の直接的な役割は、依然として不明なままである。脈動は、血管の生体力学的伸展を生じさせ、一過性受容体電位型(TRP)チャネル、ピエゾチャネル、デジェネリン/上皮ナトリウムチャネル(DEG/ENaC)、およびK1−ファミリーメンバーなどの機械感受性受容体を活性化させる。しかし、脈動または機械感受性受容体の活性化がHSC形成を刺激し得るかどうかは未知である。Lis et al. (Lis R, et al. Conversion of adult endothelium to immunocompetent haematopoietic stem cells Nature 2017)およびSugimura et al. (Sugimura et al. Haematopoietic stem and progenitor cells from human pluripotent stem cells Nature 2017)は、ヒト造血性内皮細胞細胞からHSPCに変換させる方法を実証したが、どのメカニズムが、LT−HSCになるためのその内皮のエピジェネティックランドスケープを永続的に消し得るかは、未知である。
本明細書において開示されているように、本開示は、心拍動および/または脈動介在性の生体力学的伸展および/またはピエゾ1機械感受性経路の薬理学的活性化がいかにしてDnmt3bの発現を増強し、このことによってHSC(例えば、LT−HSC)を形成するための内皮のエピジェネティックランドスケープを消すかを実証している。さらに、脈動様状態を模倣するバイオリアクターを開発し、ピエゾ1を、LT−HSC形成を刺激し、スケールアップするための薬理学的標的であると定めた。
心拍動が介在する脈動は、内皮からHSCへの転換を刺激する。
不偏のゼブラフィッシュエチルニトロソウレア(ENU)突然変異生成のスクリーニングによって、カドヘリン−5(cdh5、ve−cdh)のゼブラフィッシュ突然変異体であるmalbec(bw209mlb)を得た。malbec胚およびcdh5−モルファント(MO)胚は、循環不全にもかかわらず、正常な一次造血および二次造血を示す。
内皮からHSCへの転換を刺激する、血流およびずり応力に依存しない生体力学的力を同定するために、cdh5欠損胚における心臓の機能および解剖学ならびに血管を分析した。
微細血管造影を、蛍光デキストランビーズをゼブラフィッシュ胚の2腔心臓の心房に注射することによってまず行い、デキストランビーズを次いで、循環内で追跡した。蛍光デキストランビーズは、対照胚では房室(AV)弁および心室を経由して全身循環に入るが、このビーズは、cdh5−モルファント胚の心房で捕捉された。
心臓の構造を調べるために、心臓を、対照胚およびcdh5がサイレンシングされた胚から単離し、免疫組織化学を、内膜(gfp)および心筋細胞(mf20)について行った。心房(A)、房室(AV)弁、心室(V)、および流出路(OT)がcdh5−モルファントでは形成されたが、AV弁は延び、歪んでいることが分かった。
cdh5がサイレンシングされた胚においてなぜ循環が弱まったかを調べるために、cdh5がサイレンシングされた胚における血管構造、ならびに血液循環、心拍数、心拍出量、および心臓タンポナーデを分析した。
mlb×kdr:dsRED胚において、内膜の完全性を分析した。動脈および静脈の構造がcdh5欠損胚において無傷であることが分かった。
心臓の経時的発生、心拍動、血管、血液循環、およびHSC形成は、ゼブラフィッシュ、マウス、およびヒトにおいて保存されている。ゼブラフィッシュの発生の間、心臓は受精の約23時間後(hpf)に拍動し始め、血液循環はおよそ24〜26hpfで開始され、確定的なHSCは、30〜48hpfの間にAGM領域において造血性内皮細胞から生じる。
心臓が拍動を開始する前後の血管内の循環を分析するために、対照胚およびcdh5がサイレンシングされたlcr:eGFP×flk1:mCherry胚の低速度撮影共焦点イメージングを行った。
心臓が拍動を開始した後でも、lcr:eGFP赤血球が、cdh5がサイレンシングされた胚の血管内に蓄積していたことが分かった。このことは、心拍動が開始し、血管が形成されているにもかかわらず、cdh5−モルファントにおいて活性な循環が不存在であることを実証している。
cdh5がサイレンシングされた胚における心臓の機能を調べるために、電気生理学的評価および心臓超音波による評価を行った。cdh5−MO胚における心拍数は対照に匹敵していたが、一回拍出量はcdh5−MO胚においてほとんど存在しなかった。したがって、心拍出量(=一回拍出量×心拍数)は、cdh5−MO胚において減少していることが確認された。
cdh5−MO胚は、心腔内に、心臓からの血液の逆流に起因し得る心膜液貯留を有していた。心膜腔における体液の蓄積によって、心室充満が低減し、その後、血行動態が悪化する。心臓タンポナーデが心膜腔内での体液の蓄積における因子であったかどうかを調べるために、cdh5−MO胚の心腔を、心膜穿刺のように穿刺し、次いで、心膜液を吸入して、心臓に与えられる流体圧力を低減させた。しかし、cdh5−モルファント心臓の心拍出量の欠乏は回復させることができなかった。
心拍動はcdh5−モルファントにおいて正常であったが、cdh5−モルファントの心拍出量は、心臓の構造的欠陥に起因して損なわれており、その結果、囲心腔に血液が蓄積した。cdh5−MO胚は正常な造血を有しているため、心拍動に由来する生体力学的力が活性循環の不存在下でのHSC形成に影響することが仮定された。
cdh5−MO胚は拍動している心臓を有しており、活性な循環は有していないが、cdh5−MO胚は、その血管の大動脈内皮でのHSC形成を有する。対照ゼブラフィッシュ胚のAGMを拡大すると、血管の、他とは異なる脈動が確認された。循環血球に依存しない、血管内での脈動の存在と、おそらく血流であると思われるものとを区別するために、血管の脈動周波数と、循環血球の脈動周波数および血流に起因する動きとを比較した。具体的には、flk1:mCherry血管内の循環lcr:eGFP赤血球を有するダブルトランスジェニック系の低速度撮影共焦点イメージング、ならびに、両血管および循環血球からのシグナルのフーリエ分析を行った。血管の周波数スペクトルは、別個のピークを有することが分かった。したがって、血管内の脈動および血流は共存するが、これらの存在および性質は、互いに独立している。
36hpfでのAGMにおける脈動の時間的、空間的、および機能的存在を調べるために、対照ゼブラフィッシュ胚における血管領域のライトシート顕微鏡法と、その後のフーリエ分析とを行った。データは、AGMが、flk1:eGFP内皮細胞から生じるrunx1:mCherryHSPCの低速度撮影共焦点イメージングで見られる内皮細胞から造血細胞への転換のための時間および位置である36hpfで、他とは異なる脈動周波数を有することをさらに裏付けている。総合すると、AGM領域は拍動していることが分かり、AGMにおける脈動は、内皮細胞から造血細胞への転換と同時に発生する。
血管は、円周方向の壁応力および内皮のずり応力を生じさせる、心拍動が介在する血圧および血流からの一定の機械的ロード下にある。血流は内皮細胞にずり応力を与え、血管拡張を誘発するが、心拍動が介在する脈動は内皮細胞および平滑筋細胞の両方に対して円周方向の伸展を生じさせ、機械的膨張を生じさせる。
HSC由来のcdh5−MO胚が血流介在性のおよびずり応力介在性のNOS活性化を経由するかまたはそれに依存しないかを分析するために、HSPCの発現を、NOS阻害剤であるL−NAMEで処置した対照胚およびcdh5−MO胚において分析した。NOSの阻害は対照胚においてHSPC形成を弱めるが、cdh5−MO胚においてはHSPC形成に影響を与えないことが実証された。したがって、HSC由来のcdh5−MO胚は、NOSの活性化に依存しない。
総合すると、心拍動が介在する脈動は、循環に依存しない内皮からHSCへの形成を刺激する。
伸展は、HSC形成のためにピエゾ1を活性化させる。
生体力学的力は、細胞の形状および運命の転換を刺激するため、造血性内皮細胞の脈動介在性の周期的伸展がHSC形成を刺激すると仮定した。
内皮からのHSCの形成における脈動の機能を試験するために、E11.5マウス胚から採取したAGM細胞に対して繰り返しひずみを与え得るバイオリアクターを開発した(図2A、上部のパネル)。造血コロニーの形成およびフローの分析アッセイは、10%繰り返しひずみが多能性造血前駆細胞の形成を強化し、この形成が、伸展活性化受容体(SAR)の、GdCl介在性の全ての薬理学的阻害によって弱められることを実証した。GdClはまた、ゼブラフィッシュ胚におけるHSPCの発現を、sih−MO胚のレベルまで弱めた。
SARファミリーメンバーは、4つの下位カテゴリー:K1−ファミリーメンバー、ならびにピエゾチャネル、TRPチャネル、およびDEG/ENaCチャネルを有する。組織の発現およびコンピュータ分析は、内皮組織および造血組織においてピエゾ1およびTrpv4を示し、したがって、内皮からHSCへの転換におけるこれらの役割を試験した。
trpv4およびピエゾ1の機能喪失分析および薬理学的阻害は、HSPCマーカーの発現および内皮からHSCへの転換をなくした(図1A)。逆に、trpv4またはピエゾ1の薬理学的活性化は、対照胚におけるHSPCマーカーの発現を増強させ、sih胚におけるHSPCの発現を回復させた。時間的および空間的分析では、trpv4は36hpfでゼブラフィッシュ胚のAGM領域において検出されず、その一方で、ピエゾ1は、E11.5 AGMにおいてCd31(内皮)およびc−Kit(造血)と共局在化していた。
伸展が介在するHSC形成の基にある分子メカニズムを確認するために、繰り返しひずみまたはピエゾ1の薬理学的アクチベーターのいずれかで処置したAGMの全トランスクリプトーム分析を行った。繰り返しひずみおよびピエゾ1の活性化が類似の遺伝子シグネチャーを生じさせたことが分かった(図1B)。
ピエゾ1の薬理学的活性化は、多能性造血前駆細胞の形成をさらに増強させたが(図1C)、その一方で、ピエゾ1の薬理学的阻害は、HSPC形成の繰り返しひずみ介在性の誘発を弱めた(図1D)。総合すると、繰り返しひずみが介在する生体力学的伸展は、ピエゾ1を活性化して、内皮からHSCへの転換を刺激する。
生体力学的伸展またはピエゾ1の活性化は、LT−HSCを生産する。
繰り返しひずみまたはピエゾ1の活性化が長期自己再生HSC(LT−HSC)を生産するかを分析するために、連続移植アッセイを行った。繰り返しひずみまたはピエゾ1のアクチベーターで処置されたAGMの一次移植体は、より高い生着および正常な多細胞系の再構成を示した(図2A、図2B)。また、繰り返しひずみまたはピエゾ1のアクチベーターで処置されたAGMを移植された一次レシピエントの骨髄は、2倍から3倍多い量のLinSca1c−KitCd48Cd150HSCを示した。免疫不全の二次レシピエントへの一次レシピエント由来の選別されたLinSca1c−KitHSPCの移植もまた、より高い生着および正常な多細胞系の再構成をもたらした(図2C、図2D)。したがって、繰り返しひずみおよび/またはピエゾ1の活性化の両方が、より多い量の正常なLT−HSCを生産することが予想された。この仮説を試験するために、限界希釈アッセイを、段階的な量のLinSca1c−KitHSPCを免疫不全の三次レシピエントに移植することによって行った。三次移植体の分析は、繰り返しひずみが2倍から3倍多い量のLT−HSCを生産したことを実証した。
AGM−HSC(ドナー)が生着し、正常な成人血液に再構成するかを調べるために、再構成した血液系の分子特徴および機能的特性を次いで、対照、繰り返しひずみ、またはピエゾ1のアクチベーターで処置されたAGMを移植された一次レシピエントにおいて分析した。骨髄におけるドナー由来の赤血球系細胞の分析は、Bcl11aの存在下での、Cd71/Ter119の発現、および、胚のグロビンを利用した成人グロビンマーカーの発現の増強を示した(図3A)。骨髄および血清における、ドナー由来の骨髄細胞のさらなる分析は、十分な量のGr1/Mac1骨髄細胞、およびそれらのミエロペルオキシダーゼ(MPO)生産を示した(図3B)。次に、リンパ節、胸腺、および脾臓における、ドナー由来のキメリズム、Mac1骨髄細胞、Cd19B細胞、およびCd4/Cd8T細胞の分析は、ドナーHSC由来の前駆細胞が循環し、造血ニッチにおいてコロニー形成して、成人血液系を再構成することを実証した。一次移植体由来の血清の分析では、これらが、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgA、およびIgMなどの免疫化前の免疫グロブリン(Ig)の正常なレパートリーを生産したことも分かった(図3C)。脾臓のドナー由来Cd3T細胞の選別は、脾臓のドナー由来Mac1骨髄細胞(陰性対照)では不存在の、T細胞受容体β(TCRβ)の再編成を実証した(図3D)。一次移植体におけるT細胞の機能的特性を分析するために、遅延型過敏反応アッセイは、一次移植体をヒツジ赤血球の注射で感作することによる、足蹠における抗原特異的な機能的T細胞の成功裏の動員を実証した(図3E)。したがって、AGMまたは造血性内皮細胞の繰り返しひずみまたはピエゾ1活性化はHSCを生産し、このHSCは、造血ニッチにおいて生着し、機能的な多細胞系成人血液を再構成した。
生体力学的伸展およびピエゾ1の活性化は、内皮からHSCへの転換のためにDnmt3bを上方調節する。
AGMは異種組織であるため、伸展が介在するピエゾ1の活性化がいかにしてHSCへの大動脈内皮細胞の運命の転換を刺激するかは不明であった。E10.5 AGM選別型内皮細胞、造血性内皮細胞、およびHSCからの変動遺伝子発現シグネチャーが得られた。AGMに由来する内皮細胞、造血性内皮細胞、およびHSCの状況における、AGMの繰り返しひずみまたはピエゾ1の活性化で誘発される遺伝子シグネチャーの階層的クラスタリングは、さらに、過剰発現した生物学的プロセス、分子経路、遺伝子発現クラスター、およびこれらの遺伝子オントロジー(GO)タームについての定量的概要を示した。内皮からHSCへの転換の間に上方調節された、周期的伸展および/またはピエゾ1の活性化が介在する遺伝子の、ベン図分析は、Dnmt3bを、HSC形成に必要な内皮機構のサイレンシングに関与する潜在的候補メカニズムとして同定した(図4)。加えて、Gimap6もまた、HSC形成に必要な内皮機構のサイレンシングに関与する潜在的候補メカニズムとして同定された。
バイオインフォマティクスおよびコンピュータ分析を検証するために、E11.5 AGMにおけるDnmt3bの時間的および空間的タンパク質発現を分析した。免疫組織化学アッセイは、Dnmt3bがCd31内皮およびc−Kit造血細胞と共局在化することを実証した。したがって、Dnmt3bが内皮からHSCへの転換を刺激し得ると仮定された。
Dnmt3bおよびDnmt3aは高度に相同であり、HSCの維持または分化において他とは異なる機能を有するが、AGMでの内皮からHSCへの転換におけるこれらの潜在的役割は未知であった。遺伝子シグネチャーおよび組織発現の分析は、AGMにおけるHSC形成におけるDnmt3aのあらゆる関与を排除した。Dnmt3bおよびDnmt3aの別個のまたは重複する造血性の役割を区別するために、Dnmt3bおよびDnmt3aタンパク質のレベルを、繰り返しひずみ処置またはYoda1処置されたAGM細胞の核画分において分析し、これは、繰り返しひずみまたはピエゾ1の活性化が、E11.5 AGM細胞においてDnmt3bタンパク質の発現を刺激し、Dnmt3aは刺激しないことを明らかにした(図5A)。
血流の不存在下での血管の脈動が、Dnmt3bの活性化を介するHSC形成を刺激したかどうかを分析するために、HSPCマーカーの発現を、Dnmt3b阻害剤であるナナオマイシンで処置されたcdh5−MO胚において測定した。Dnmt3bの薬理学的阻害は、対照胚およびcdh5−MO胚においてHSPCマーカーの発現を弱めた。
次に、この実施例の実験は、生体力学的伸展またはピエゾ1の活性化が、Dnmt3bの活性化を介する内皮細胞から造血細胞への転換を刺激したかどうかを分析した。Dnmt3bの阻害が、多能性造血前駆細胞形成の、生体力学的伸展が介在するまたはピエゾ1の活性化が介在する誘発(図5B)、および内皮細胞から造血細胞への転換(図5B)を弱めたことが分かった。ナナオマイシン処置は造血細胞を表現型内皮細胞に戻すが、このような内皮細胞は機能的ではなかった。HSPCマーカーのホールマウントin situハイブリダイゼーション、および、Yoda1と同時に処置されたまたはYoda1を伴わずに処置された、ナナオマイシン処置されたまたはdnmt3b−MOを注射されたゼブラフィッシュ胚における、内皮からHSCへの転換の低速度撮影イメージングはさらに、dnmt3bの阻害または喪失が、ピエゾ1活性化が介在するHSC形成の増大を弱めたことを確認した(図5C)。総合すると、脈動が介在するピエゾ1の活性化は、AGMにおけるDnmt3bの発現を増強して、内皮からHSCへの転換を刺激した。
ヒトiPSCから生成したHE細胞からのHSCの生産
胚様体および造血性内皮細胞の分化を、(Sugimura et al. 2017、Ditadi et al. 2015)において記載されているように行った。簡潔に述べると、hiPSCコロニーを0.05%トリプシンで5分間、37℃で解離し、PBS+2%FBSで洗浄し、そして、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン/ストレプトマイシン(10ng/ml)、アスコルビン酸(1mM)、ヒトホロ−トランスフェリン(150μg/ml、Sigma T0665)、モノチオグリセロール(MTG、0.4mM)、BMP4(10ng/ml)、およびY−27632(10μM)を添加したStemPro−34(Invitrogen、10639−011)中に再懸濁した。500万個の細胞を、10cmのディッシュ(Ezsphere、旭硝子株式会社)に播種して、スフェロイドを形成させた。1日目に、bFGF(5ng/ml)およびBMP4(10ng/ml)を培地に添加した。2日目に、培地を、SB431542(6μM)、CHIR99021(3μM)、bFGF(5ng/ml)、およびBMP4(10ng/ml)を添加したStemPro−34で交換した。3日目に、培地を、VEGF(15ng/ml)およびbFGF(10ng/ml)を添加したStemPro−34で置き換えた。6日目に、培地を、bFGF(5ng/ml)、VEGF(15ng/ml)、インターロイキン(IL)−6(10ng/ml)、IGF−1(25ng/ml)、IL−11(5ng/ml)、SCF(50ng/ml)、およびEPO(2IU)を添加したStemPro−34に交換した。細胞を、5%CO、5%O、および95%湿度のインキュベーター内で維持した。全てのサイトカインは、Peprotechから購入した。
CD34細胞を単離するため、胚様体(8日目に得た)を0.05%トリプシンによって解離し、70μmのストレーナーを通して濾過し、CD34細胞をCD34磁気ビーズ染色によって単離し、その後、LSカラム(Miltenyi)に通した。全てのバッチのサンプルをFACSによって試験して、その純度をパネルで検証した。以下の抗体を利用した:CD34−PEcy7(Clone 581、Biolegend)、FLK1−PE(CLONE#89106、BD)、および4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)。
単離されたCD34細胞を、Y−27632(10μM)、TPO(30ng/ml)、IL−3(10ng/ml)、SCF(50ng/ml)、IL−6(10ng/ml)、IL−11(5ng/ml)、IGF−1(25ng/ml)、VEGF(5ng/ml)、bFGF(5ng/ml)、BMP4(10ng/ml)、およびFLT3(10ng/ml)を含有するStemPro−34培地中で再懸濁した(Ferrel et al 2015)。細胞を、ウェル当たり50000個細胞の密度で薄層マトリゲルコーティング24−ウェルプレートに播種した。播種の1日後、Yoda1(6.25から100μMの間)を培養物に添加した。7日後、浮遊細胞を回収し、FACS分析を行った。FACS分析では、細胞をCD34−PEcy7(Clone 581、Biolegend)およびCD45−APC(クローン2D1、Biolegend)で染色した。全てのサイトカインは、Peprotechから購入した。
Yoda1は、ヒトiPSCに由来するHE細胞における内皮細胞から造血細胞への転換を誘発した(データは示していない)。この影響は用量依存性であった。
結論
長期HSCの発生、増殖、および維持は、幹細胞の生物学および造血において、非常に求められていたものであった。ゼブラフィッシュにおける低速度撮影共焦点、ライトシート、およびフーリエ変換分析に基づいて、血管内の脈動を刺激するスケーラブルバイオリアクターが確立されただけではなく、ピエゾ1の活性化が、内皮細胞をLT−HSCに変換するための薬理学的な標的として同定された。この研究は、連続移植の際に生着し得、自己再生し得、および多細胞系の機能的な成人血液に再構成し得るLT−HSCを開発するための、導入遺伝子フリーの新規なアプローチを提供する。
心拍動が介在する脈動は、内皮細胞および平滑筋細胞の両方に対して円周方向の伸展を生じさせ、機械的膨張を生じさせた。しかし、ピエゾ1は、E11.5 AGMにおいて内皮細胞と造血細胞との間で共発現するが、血管の血管平滑筋細胞においては共発現せず、このことは、生体力学的伸展およびピエゾ1の活性化の造血性の役割が、AGM−内皮細胞に対して固有であることを示唆した。
血管の生体力学的伸展は、ピエゾ1、Trpv4、K1−ファミリーメンバー、およびDEG/ENaCチャネルを活性化し得た。ピエゾ1およびTrpv4の両方の活性化は、内皮細胞から造血細胞への転換を刺激した。しかし、ピエゾ1阻害だけが、伸展が介在する造血効果を弱め、このことは、ピエゾ1およびTrpv4が部分的に余分な役割を有し得ることを示唆した。
Dmnt3bの活性化は、内皮機構による、HSCへの自己再生能力および多細胞系再構成能力の付与をなくした。Dnmt3bの阻害は造血細胞を表現型内皮細胞に戻すが、これらの細胞は、機能的内皮特性を欠いていた。このことは、内皮細胞から造血細胞への転換におけるDnmt3bの時間的および空間的役割が不可逆であったことを示唆した。生体力学的伸展またはピエゾ1の活性化は、Dnmt3aの発現に影響を与えることなく、Dnmt3bの時間的および空間的発現を増強した。データは、HSCの発生および分化の間の、Dnmt3bの造血性の役割とDnmt3aの白血病性の役割との間の区別を実証した。
本明細書において開示されている所見は、いかにして生体力学的力が細胞の運命の転換を刺激し、エピジェネティックな機構を引き起こすことによって幹細胞に自己再生能力を付与することを実証している。この研究はまた、多能性幹細胞(PSC)またはドナー細胞に由来する内皮細胞または造血性内皮細胞からLT−HSCを誘導するためのプラットフォームを提供する。目的は万能適合HSCを開発することであるが、本明細書において開示されているバイオインスパイアードバイオリアクターは、万能適合の導入遺伝子フリーの源細胞が良性および悪性の血液疾患、代謝性疾患、免疫疾患、および骨髄疾患を有する患者を処置するために利用可能となる足掛かりである。
材料および方法
全ての手順は、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびボストン小児病院の動物実験委員会によって承認された。
マウスCd45.2(C57BL6/J)およびCd45.1(SJL)はジャクソン研究所から購入し、ゼブラフィッシュモルフォリノはGeneToolsから購入した。微細血管造影を、蛍光標識したデキストラン色素をゼブラフィッシュの心臓の心房に注射することによって行い、その通過を、ライブイメージングを使用して記録した。ゼブラフィッシュの心臓およびマウスのAGMの免疫染色を、倒立型蛍光顕微鏡を使用して分析した。ゼブラフィッシュ胚における心臓タンポナーデ、心拍数、および脈動周波数を、明視野イメージングまたは低速度撮影共焦点顕微鏡法を使用して分析した。ゼブラフィッシュトランスジェニック胚における血管内の赤血球の動きおよび内皮からHSCへの転換を、低速度撮影共焦点イメージングを使用して分析した。
脈動血管様の状態を、Flexcell FX−4000機を使用してインビトロで刺激した。内皮からHSCへの転換の調節における薬理学的標的の役割を分析するために、マウス胚に由来するAGMまたは全マウス胚を、生体力学的伸展、化学物質、または薬剤にエクスビボで曝露した。次に、造血コロニー形成アッセイを、マウスAGMに由来する細胞をStemCell M3434培地中で7日間インキュベートすることによって行った。致死線量照射したSJLマウスにおいて、AGM由来のHSCの連続移植を行った。生体力学的伸展の際の幹細胞頻度を、限界希釈アッセイを使用して分析した。一次移植体におけるAGM−HSC由来の血球の特性を特徴付けるために、キメリズムおよび再構成のパーセンテージを、FACSを使用して測定し、グロビン転写産物を、定量的逆転写酵素PCRを使用して分析し、ミエロペルオキシダーゼの量を、PicoKine ELISAキットを使用して測定し、TCR−βの再編成を、TCR−β遺伝子座についてのPCRを使用して分析し、免疫前IGの検出を、Thermo−Fisher Mouse Ig Isotypingキットを使用して分析し、そして遅延型過敏反応を、ヒツジRBC(Rockland Immunochemicals)を感作前のマウスの足蹠に注射することによって分析した。
RNAシーケンシング分析を行って、繰り返しひずみまたは薬理学的調節物質で処置したマウスAGMにおける遺伝子発現パターンを測定した。コンピュータアルゴリズムを使用して、発現変動遺伝子の階層的クラスタリングを行い、これらの過剰に出現している生物学的プロセスおよび経路を測定した。発現変動遺伝子の遺伝子発現クラスターを分析し、細胞集団ごとのこれらの平均発現レベルを比較した。次に、アップ遺伝子およびダウン遺伝子のベン図比較を構築して、繰り返しひずみまたは薬理学的調節物質が介在する内皮からHSCへの転換に重要な候補を分析した。さらに、Dnmt3bタンパク質およびDnmt3aタンパク質の発現を、マウスAGM細胞の核画分において、EqiQuickアッセイキットを使用して分析した。データは、別段の記載がない限り、平均±s.d.として表されている。統計分析は、対応のあるまたは対応のないスチューデントt検定によって行った。有意性は、P<0.05で設定された。
動物
実験では、野生型AB、Casper、およびトランスジェニックゼブラフィッシュ系統lcr:eGFP、flk1:mCherry、flk1:eGFP、cd41:eGFPを使用した。胚は、受精後4日間までを使用した。実験では、ジャクソン研究所のCd45.2(C57BL6/J)マウスおよびCd45.1(SJL)マウスを使用した。
モルフォリノ
モルフォリノアンチセンスオリゴを入手し(Gene Tools、以下の配列)、一細胞期のcasperゼブラフィッシュ胚に注射した。注射された胚および注射されていない胚を、固定するまで、E3培地において28℃でインキュベートした。
cdh5−MO(5’−TACAAGACCGTCTACCTTTCCAATC−3’、配列番号1)
sih−MO(5’−CATGTTTGCTCTGATCTGACACGCA−3’、配列番号2)
ピエゾ1−MO(5’−CAAAGTTCAGTTCAGCTCACCTCAT−3’、配列番号3)
dnmt3bb.1−MO1(5’−TTATTTCTTCCTTCCTCATCCTGTC−3’、配列番号4)
dnmt3bb.1−MO2(5’−CTCTCATCTGAAAGAATAGCAGAGT−3’、配列番号5)
胚の化学的処置
ゼブラフィッシュの胚を、E3 fish培地中の以下の化学調節物質で処置した:100uMのL−NAME(Fisher Scientific)、50uMのジギトキシゲニン(Sigma)、25〜50uMのYoda1(Cayman Chemical)、1uMのナナオマイシン(Nana、Fisher Scientific)、100uMの塩化ガドリニウム(GdCl、Sigma)、5〜10uMの4α−ホルボール12,13−ジデカン酸塩(4Αpdd、Sigma)、またはGSK205(10uM)。
微細血管造影
蛍光色素標識したデキストランビーズを対照胚およびcdh5−MO胚の心房に注射し、リアルタイムな明視野ビデオを、Nikkon SMZ1500実体顕微鏡を使用して捕捉した。
心拍数および心拍出量
生きたゼブラフィッシュ心臓の画像を、組み込み型の白熱照明を使用して、5×対物レンズを有するAxioplan(Zeiss)正立顕微鏡、および512×480ピクセルのグレースケールイメージセンサーを有するFastCam−PCIハイスピードデジタルカメラ(Photron)で得た。画像は1秒当たり250フレームで得られ、1088フレーム(8回の心周期)が条件ごとに得られた。カスタムソフトウェアを使用して(MATLAB(登録商標)において実装された)、連続イメージファイルから心拍数を決定した。心室の長軸および短軸を、各ビデオについての拡張期および収縮期の両方で、ImageJを使用して手動で測定し、これを使用して、標準的な幾何学的仮定を使用して心腔容積を推定した。モルフォリノ用量当たり少なくとも10個の胚について、心拍出量を、拡張期の心室容積から収縮期の心室容積を差し引き、そこに心拍数をかけたものとして測定した(Shin et al., 2010)。
周期性の分析
ゼブラフィッシュCasperの胚を、トリカイン(Sigma)を有する0.8%低融点アガロースに包埋し、ペトリ皿に載せた。次に、NIS Elements(株式会社ニコン)ソフトウェアを備えたNikon SMZ1500実体顕微鏡を使用して、AGM領域における拍動する血管のリアルタイムな明視野ビデオを捕捉した。ビデオを使用して、血管内の脈動周波数を定量した。
明視野のライブイメージング
明視野のライブイメージングを行うために、ゼブラフィッシュCasperの胚を、トリカイン(Sigma)を有する0.8%低融点アガロースに包埋し、ペトリ皿に載せた。NIS Elements(株式会社ニコン)ソフトウェアを備えたNikon SMZ1500実体顕微鏡を使用して、リアルタイムな明視野のビデオおよび静止画像を捕捉した。
共焦点顕微鏡法
cd41:eGFPをflk1:mCherryゼブラフィッシュと交配し、flk1:mCherryをlcr:eGFPゼブラフィッシュと交配し、モルフォリノをこれらのトランスジェニック胚に注射した。トランスジェニック胚を低融点アガロースに載せ、スピニングディスク共焦点顕微鏡を使用して、30から42hpfのflk1内皮から生じるcd41:eGFPHSCの低速度撮影共焦点イメージングを行った。lcr:eGFP赤血球の相対的な動きを、flk1:mCherry内皮の状況で分析した。本発明らは、Imaris(Bitplane)ソフトウェアを使用して画像分析を行った。
ホールマウントin situハイブリダイゼーション
ホールマウントin situハイブリダイゼーションを、以前に記載されているように行った。
心臓タンポナーデ
マイクロインジェクション針を使用して心膜を穿刺し、48hpfのcdh5−MOを注射したゼブラフィッシュ胚の心臓の周辺を構成する体液を放出させた。
免疫染色
E10.5キメラマウス胚を採取し、パラフィンブロックに包埋し、横断面を作製し、そして一次抗体であるピエゾ1(ウサギ抗マウスIgG、Abcam)、Cd31(ロバ抗マウスIgG、R&D Systems)、c−Kit(ウサギ抗マウスIgG、R&D Systems)、またはDnmt3b(ロバ抗マウスIgG、Abcam)、および4,6ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)抗体、ならびに二次抗体であるAlexa Fluor 488(ロバ抗ウサギIgG、Fisher Scientific)およびAlexa Fluor 647(ロバ抗ヤギIgG、Abcam)で免疫染色して、E10.5 AGM領域におけるこれらの発現を検出した。
flk1(GFP)、mf2(mCherry)、およびDAPI(violet)の発現を、対照胚およびcdh5−MOをサイレンシングしたゼブラフィッシュ胚から単離した心臓において測定した。
AGM外植片
E11.5 AGMをC57BL6/J Cd45.2マウス胚から採取し、細胞の3胚同等物の単一細胞懸濁液を、BioFlex 6ウェル培養プレート(FlexCell)の各ウェルに播種した。本発明らは、細胞を一晩、繰り返しひずみ(Flexcell(登録商標)FX−4000(商標)Tension System)、および/または化学調節物質(25〜50μMのYoda1、1μMのナナオマイシン、100μMのGdcl、1uMのGsMTx4、5〜20μMの4αPDD、10uMのGSK205)での処置を適用して培養した。次に、採取した細胞を使用して、移植、蛍光活性化細胞選別(FACS)分析、およびコロニー形成単位(CFU)アッセイを行った。
薬剤での胚のエクスビボでのインキュベーション
E11.5マウス胚を、タイミングを合わせて交配した(time−mated)妊娠したメスの子宮から採取し、FBS、1mMのグルコース、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、および/または選択された化学調節物質(25〜50μMのYoda1、1μMのナナオマイシン、5〜20μMの4αPDD、もしくは10uMのGSK205)を含有する無菌のガラスバイアルに入れた。本発明らは、ガラスバイアルを、ローラー器具(≒30rpmで回転する)、一定のガス供給(21%O、5%CO、残部N)、および37℃の一定温度で構成されるエクスビボインキュベーター(BTC Engineering、Cambridge、UK)内に置いた。24時間後、AGMを採取して、FACSアッセイおよびCFUアッセイによって造血細胞の形成を分析した。
移植体
一次移植では、未処置のまたは処置された(繰り返しひずみまたは25μMのYoda1)AGMの3胚同等物と、脾臓ヘルパー細胞(マウス当たり≒50万個)とを、致死線量照射した(分割線量10.5cGy)Cd45.1(SJL)マウスに、眼窩後注射によって注射した。二次移植および三次移植では、移植されたマウスから骨髄を単離した(脚、腕、骨盤骨、脊椎、胸骨)。骨髄をフィコール勾配(Histopaque(登録商標)−1083、Sigma−Aldrich)にロードし、バフィーコートから得た細胞を、ビオチンコンジュゲート型系統抗体およびストレプトアビジンマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)とインキュベートした。次に、細胞系陰性の(Lin)細胞をMACS LSカラム(Miltenyi Biotec)で分離し、ドナーCd45.2のLinSca1c−Kit(LSK)細胞を、MoFlo Beckman Coulterソーターで選別した。その後、選別されたCd45.2 LSK細胞をCd45.1脾臓ヘルパー細胞(≒マウス当たり50万個)と混合し、放射線照射した(分割線量10.5cGy)Cd45.1 SJLマウスに、眼窩後注射によって移植した。
生存しているレシピエントを、限界希釈アッセイに対する応答としてカウントした:信頼区間1/(幹細胞頻度)を、ポアソン分布に従って、ELDAによって計算した。
CFUアッセイおよびFACSアッセイ
CFUアッセイでは、AGM外植片のまたはエクスビボの細胞を、MethoCult GF M3434培地(StemCell Technologies)において平板培養した。播種の7日後、本発明らは、顆粒球、赤血球系、マクロファージ、巨核球(GEMM)、顆粒球マクロファージ(GM)、顆粒球(G)、マクロファージ(M)、および赤血球系(E)コロニーを作るこれらの能力を分析した。
外植片のおよびエクスビボのAGM細胞を、Sca1−Pacific−Blue(E13−161.7、Biolegend)およびFlk1−APC−Cy7(Avas 12α1、BD)で染色した。移植されたマウスの血液を、以下の抗体カクテルで染色した:Cd45.2−Pacific−Blue(104、Biolegend)、Cd45.1−FITC(A20、Biolegend)、Cd3−PE(145−2C11、Biolegend)、Cd8−PE(53−6.7、Biolegend)、Mac1−APC(M1/70、Biolegend)、Gr1−APC(108412、Biolegend)、Cd19−APC−CY7(6D5、Biolegend)、B220−APC−CY7(RA3−6B2、Biolegend)。
E11.5 AGM細胞を移植したマウスの骨髄、脾臓、胸腺、およびリンパ節の細胞を、以下の抗体パネルで染色した:骨髄LT−HSC:Cd45.2−FITC(104、Biolegend)、Ter119−ビオチン(TER−119 BD)、Gr1−ビオチン(RB6−8C5、BD)、Cd5−ビオチン(53−7.3、BD)、Cd8a−ビオチン(53−6.7、BD)、B220−ビオチン(RA3−6B2、BD)、ストレプトアビジン−パシフィックブルー(eBioscience)、Sca1−PE−CY7(D7、eBioscience)、cKit−APC(2B8、eBioscience)、Cd48−APC−CY7(HM48−1、BD)、Cd150−PE−CY5(TC15−12F12.2、Biolegend)。骨髄における赤血球系分化RI−RV:Cd45.2−Pacific−Blue(104、Biolegend)、Cd45.1−FITC(A20、Biolegend)、Ter119−APC(TER−119、Biolegend)、Cd71−PE(R17217、eBioscience)。骨髄顆粒球:Cd45.2−Pacific−Blue(104、Biolegend)、Cd45.1−FITC(A20、Biolegend)、Gr1−PE(RB6−8C5、BD)、Mac1−APC(M1/70、Biolegend)。脾臓、胸腺、およびリンパ節T細胞:Cd45.2−Pacific−Blue(104、Biolegend)、Cd45.1−FITC(A20、Biolegend)、Cd8−PE(53−6.7、Biolegend)、Cd4−APC(RM4−5、eBioscience)。脾臓、胸腺、およびリンパ節の骨髄細胞およびB細胞:Cd45.2−Pacific−Blue(104、Biolegend)、Cd45.1−FITC(A20、Biolegend)、Cd19−APC−CY7(6D5、Biolegend)、Mac1−APC(M1/70、Biolegend)。本発明らは、全てのFACS分析を、BD Fortessaサイトメーターで行った。本発明らは、造血器官分析を、移植の16週間後に行った。
定量的逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応分析(qRT−PCR)
FACSを使用して、AGM移植マウスから単離された未溶解の骨髄から得た赤血球前駆体(Cd45.2、Ter119、Cd71)を選別した。全RNAを、RNAeasy Minikit(QIAGEN)を使用して単離し、cDNA合成を、Superscript III(Invitrogen)を使用して行った。定量的リアルタイムPCRを、MX3000P機でSYBR Green(QuantaBio)を指示されたプライマー(Sankaran et al., 2009)と共に使用して行った。本発明らは、発現を、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)の発現に対して正規化した(Ochida et al., 2010)。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の発現
好中球(Cd45.2、Gr1、Mac1)を、16週齢の一次移植されたマウスの単離された骨髄からFACS選別し、10%FBSを有するIMDM中で一晩(50万個細胞/mL)、24ウェルプレートにおいて培養した。上清を回収し、MPO濃度を、マウスMPO/ミエロペルオキシダーゼPicoKine(商標)ELISAキット(Boster)を使用して測定した。MPO濃度はまた、血清においても測定した。
TCR−βの再編成についてのPCRアッセイ
T細胞(Cd45.2、Cd3)および骨髄細胞(Cd45.2、Mac1)を、16週齢の一次移植されたマウスの脾細胞からFACS選別した。次に、ゲノムDNAを抽出し、PCRを、TCR−β遺伝子座内のDH β2.1−JH β2.7の再編成について行った。本発明らのサンプルは、変性させ(94℃、1分間)、アニーリングし(63℃、2分間)、そして35サイクル伸長させた(72℃、2分間)ものであった。プライマーの配列は以下の通りである:DH β2.1の5’:5’−GTAGGCACCTGTGGGGAAGAAACT−3’;配列番号6、およびJH β2.7の3’:5’TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT;配列番号7(Lu et al., 2017)。
免疫前Igの検出
血清を16週齢の一次移植されたマウスから単離し、免疫前Igのアイソタイプを、マウスIgアイソタイピングキット(Thermo Fisher)によって定量した。
遅延型過敏反応
移植体マウスを、皮下注射(腰背部)および皮内注射(右足蹠)を介して、ヒツジ赤血球(sRBC、10個細胞/mL、部位当たり50μL、Rockland Immunochemicals)で感作した。感作の6日後、感作前のマウスを、左足蹠では2×10個RBC/mLで、また右足蹠では等容積のPBSで(対照として)チャレンジした。チャレンジの48時間後、足蹠の厚みをマイクロキャリパーで測定した。本発明らは、6日目の変化のパーセントを、各足蹠のチャレンジ前の厚みで正規化した。
DNAメチルトランスフェラーゼの発現
AGM外植片からの核抽出物を、EpiQuik Nuclear Extractionキット(Epigentek Group Inc.)を使用して採取した。Dnmt3bタンパク質およびDnmt3aタンパク質のレベルを、比色分析EpiQuikアッセイキット(Epigentek Group Inc.)を製造者の指示に従って使用して分析した。Dnmt3bおよびDnmt3aの濃度は、1μgの核抽出タンパク質と関連している。
RNAseq分析およびコンピュータ分析
E11.5マウスのAGM外植片培養物の全RNAを、RNAeasy MiniKit(QIAGEN)で単離した(対照条件、伸展条件、Yoda1条件、および4αPDD条件)。本発明らのcDNAライブラリーは、BGI Americas Corporationによって作製され、HiSeq4000装置(Illumina)でレーン当たり8つのサンプルでシーケンシングされた。本発明らは、本発明らのシーケンシングされた読み取り断片を、Genomic Short−Read Nucleotide Alignmentプログラム(バージョン2012−07−20)を使用して、マウス参照ゲノムGRCm38(ENSEMBLリリース69)に対してマッピングした。DESeq2およびDEXSeqを使用して、それぞれ発現変動(FDR=0.1)およびエキソン使用の変動について試験した。発現変動遺伝子の遺伝子発現クラスターを分析し、細胞集団ごとのこれらの平均発現レベルを比較した。次に、アップ遺伝子およびダウン遺伝子のベン図比較を行って、繰り返しひずみまたは薬理学的調節物質が介在する内皮からHSCへの転換に重要な候補を分析した。具体的には、本発明らは、R(R Development Core Team、2012)におけるgplotsパッケージ(Warners et al., 2017)を使用するブートストラップ分析で階層的クラスタリングを行った。GO分析では、本発明らは、GOカテゴリーまたはパスウェイでの本発明らの発現変動遺伝子の過剰な出現について、フィッシャーの正確確率検定を使用して試験し、ボンフェローニ法を使用して複数の試験について補正した。本発明らは、P値0.001を統計的に有意なエンリッチメントの最小として使用して、以前に記載されているように、GOタームエンリッチメント分析を行った。
統計分析
データは、別段の記載がない限り、平均±平均の標準誤差(平均±SEM)として表されている。統計分析は、対応のあるまたは対応のないスチューデントt検定によって行った。有意性は、P<0.05で設定された。

Claims (32)

  1. 造血幹細胞(HSC)の集団を調製する方法であって、
    HSCの形成を刺激するために十分な条件下で、
    内皮細胞および/または造血性内皮(HE)細胞を含む集団を提供すること、ならびに、前記細胞におけるDNA(シトシン−5−)−メチルトランスフェラーゼ3ベータ(Dnmt3b)および/またはGTPase IMAPファミリーメンバー6(Gimap6)の活性または発現を増大させることを含む、方法。
  2. 前記HSCを回収することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記内皮細胞および/またはHE細胞を、有効量の、Dnmt3bの前記活性または発現を増大させるアゴニストと接触させることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記アゴニストが、機械感受性受容体または機械感受性チャネルのアゴニストである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記機械感受性受容体がピエゾ1である、請求項4に記載の方法。
  6. ピエゾ1のアゴニストがYoda1である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記有効量の前記Yoda1アゴニストが、5から500uMの範囲、または5から100μMの範囲である、請求項6に記載の方法。
  8. Dnmt3bの活性または発現の前記増大が、前記内皮細胞および/またはHE細胞において、Dnmt3bのmRNA発現を増大させること、Dnmt3b導入遺伝子および/もしくはエピソームを導入すること、ならびに/またはDnmt3b発現エレメントの遺伝子修飾を導入することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記内皮細胞および/またはHE細胞が、HLA修飾細胞もしくはHLAヌル細胞、および/または導入遺伝子フリーの細胞に由来する、および場合によって、iPS細胞または体細胞の遺伝的もしくは化学的誘導によって導出される、請求項1に記載の方法。
  10. 源細胞が、対象から得られるかまたはそれに由来し、前記対象は、場合によって万能適合ドナーである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記源細胞が、血液疾患、骨髄疾患、代謝性疾患、または免疫疾患を有する対象から得られるかまたはそれに由来する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記対象が血液の悪性腫瘍を有していない、請求項11に記載の方法。
  13. 前記HSCの集団がレシピエントに投与される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記源細胞が前記レシピエントに由来していた、請求項13に記載の方法。
  15. 前記造血幹細胞が長期造血幹細胞(LT−HSC)を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 生体力学的な刺激を提供してDnmt3bの前記活性または発現を増大させることを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記内皮細胞におけるGimap6の前記活性または発現を増大させることをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. Gimap6の活性または発現の前記増大が、前記HE細胞において、Gimap6のmRNA発現を増大させること、Gimap6導入遺伝子を導入することおよび/もしくはエピソームを導入すること、ならびに/またはGimap6発現エレメントの遺伝子修飾を導入することを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 造血性内皮(HE)細胞を含む集団をバイオリアクターに提供することを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記バイオリアクターが、繰り返しひずみによる生体力学的伸展を提供する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記繰り返しひずみによる生体力学的伸展が、Dnmt3bの前記活性または発現を増大させる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記繰り返しひずみによる生体力学的伸展が、Gimap6の前記活性または発現を増大させる、請求項20に記載の方法。
  23. 前記HSCが造血ニッチにおいて生着し、機能的な多細胞系成人血液を再構成する、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. HE細胞が、人工多能性幹細胞(iPSC)、非造血幹細胞、体細胞、または内皮細胞から得られる、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 請求項1から24のいずれか一項に記載の方法によって調製されたHSCの集団、および薬学的に許容されるビヒクルを含む、医薬組成物。
  26. 少なくとも10個の細胞を含む、請求項25に記載の医薬組成物。
  27. 造血幹細胞の治療法または移植を必要とする対象を処置する方法であって、治療有効量の、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法によって調製された造血幹細胞(HSC)、または請求項25もしくは26に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  28. 前記対象が、悪性形態のまたは非悪性形態の血液疾患、骨髄疾患、代謝性疾患、または免疫疾患を有する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記対象が、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、胚細胞腫瘍、自己免疫障害(全身性エリテマトーデス(SLE)もしくは全身性硬化症)、骨髄異形成症候群、またはアミロイドーシスを有する、請求項27または28に記載の方法。
  30. 造血幹細胞の治療法または移植を必要とする対象の処置における使用のための、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法によって調製された造血幹細胞(HSC)、または請求項25もしくは26に記載の医薬組成物。
  31. 前記対象が、悪性形態または非悪性形態の血液疾患、骨髄疾患、代謝性疾患、または免疫疾患を有する、請求項30に記載の使用のためのHSCまたは医薬組成物。
  32. 前記対象が、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、胚細胞腫瘍、自己免疫障害(全身性エリテマトーデス(SLE)もしくは全身性硬化症)、骨髄異形成症候群、またはアミロイドーシスを有する、請求項30または31に記載の使用のためのHSCまたは医薬組成物。
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