JP2021526800A - 熱安定性ルシフェリンと共に生物発光アッセイに使用するためのルシフェラーゼ酵素 - Google Patents

熱安定性ルシフェリンと共に生物発光アッセイに使用するためのルシフェラーゼ酵素 Download PDF

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Abstract

明細書において、熱安定性ルシフェリンアナログと共に生物発光アッセイに使用するための増強されたルシフェラーゼ酵素が提供される。特に、本開示は、5,5−二置換ルシフェリンアナログなどの熱安定性ルシフェリンに適合する増強された高活性ルシフェラーゼ酵素を使用した生物発光アッセイを実行するための組成物、アッセイ、及び方法を提供する。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月5日に出願の米国特許仮出願第62/680,899号の優先権及び利益を主張し、これはその全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書において、熱安定性ルシフェリンアナログと共に生物発光アッセイに使用するための増強されたルシフェラーゼ酵素バリアントが提供される。特に、本開示は、5,5−二置換ルシフェリンアナログなどの熱安定性ルシフェリンに適合する増強された高活性ルシフェラーゼ酵素を使用した生物発光アッセイを実行するための組成物、アッセイ、及び方法を提供する。
生物発光アッセイは、細胞生理、遺伝子発現、タンパク質−タンパク質相互作用の研究、及び分析物検出において広範に使用される。特に、ルシフェラーゼレポーター酵素は、この分野において非常に有用なツールであり、現在まで、精力的なタンパク質改変が、低分子、頑強、安定、かつ環境に非感受性である、生物発光アッセイに有用であり得るルシフェラーゼを取得するために行われてきた。ホールセルバイオセンサー測定、ハイスループットスクリーニングによる医薬品の発見、及びインビボイメージングを容易にする多数の効果的なルシフェラーゼレポーターが存在し、これらは生細胞におけるタンパク質−タンパク質相互作用、アポトーシス、及び細胞生存率の研究も可能にする。ルシフェリン及びルシフェリンアナログを基質として使用するルシフェラーゼは、その明るさ及びホールセルへの適用が受け入れられていることに起因して広く使用されているシステムである。ホタルルシフェラーゼ及び様々な甲虫ルシフェラーゼは、例えば、ルシフェリン、マグネシウムイオン、酸素、及びATPの存在下で発光を生成する。しかしながら、現行のルシフェリンベースの生物発光試薬は、ルシフェリン基質のラセミ化及びルシフェラーゼの活性に対して阻害性であり得る生成物への分解に起因するその熱不安定性により制限される。特に、ルシフェリンの分解は、製品の性能及び寿命、ならびにこれらの試薬を利用する、特に、構成成分が液体として、及び/または周囲温度で保存されるフォーマットでのアッセイの性能及び寿命の制限をもたらし得る。
本明細書において、熱安定性ルシフェリンアナログと共に生物発光アッセイに使用するための増強されたルシフェラーゼ酵素バリアントが提供される。特に、本開示は、5,5−二置換ルシフェリンアナログなどの熱安定性ルシフェリンに適合する増強された高活性ルシフェラーゼ酵素バリアントを使用した生物発光アッセイを実行するための組成物、アッセイ、及び方法を提供する。
本開示の実施形態には、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のPhoturis pennsylvanica(Ppe)の熱安定性ルシフェラーゼバリアントにより生成される生物発光シグナルと比較して、増加した生物発光シグナルを当該5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドであって、天然に存在しない当該ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドが含まれる。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号2との少なくとも70%の配列同一性及び配列番号1との100%未満の配列同一性を含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して244位、249位、337位、及び339位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、H244W、H244G、及びH244R、及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して240位、254位、及び344での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、I240L、Y254S、及びT344A、及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して300位及び396位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、V300G及びI396K及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して245位、285位、及び315位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、G245A、L285I、及びG315A、及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して109位、193位、214位、218位、228位、234位、262位、287位、294位、305位、306位、309位、316位、335位、及び533位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、I109V、S193A、I214L、F218L、N228D、S234T、V262A、V287I、L294H、L305F、S306P、K309E、A316S、V335G、及び/またはV553M、及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して133位、233位、236位、及び503位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、Q133H、T233S、I236V、及び/またはS503R、及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較して107位及び121位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、K107Q及び/またはK121N及び/または少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、表1に列挙する配列番号2〜124のいずれかにおけるアミノ酸置換を含む。
幾つかの実施形態では、上記のルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドのうちの1種以上は、配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドのデヒドロルシフェリン及びその誘導体による阻害と比較して、当該デヒドロルシフェリン及びその誘導体による阻害に対して耐性を示す。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドにより生成される生物発光シグナルは、配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して少なくとも10倍増加する。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換I240L、Y254S、T344A、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換N74N、H244R、V300G、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、及びI396K、及び/またはアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、I396K、V300G、L305P、及びS306P、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、I396K、S193A、N228D、L305F、S306P、及びI109V、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、I230F、V335G、及びI410M、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38S、Y108F、及びT376I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38S、F55I、V262A、及びI422V、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、Y108F、V261A、N427D、及びF431V、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びI230F、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びQ487R、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、N154S、V261A、及びI410M、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、Y183C、V261A、及びT289S、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びY32C、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、F246Y、及びV261A、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びI230F、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、K121Q、F246Y、及びV261A、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、K121Q、V261A、及びV287I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してV348I、A316M、A316W、Y339M、T342S、A344I、K121Q、V261A、V287I、K107N、及びT289Sからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸置換、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換A316W及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してC38R、F55I、A316W、T342S、V348I、K205N、I396I、K121Q、Y339M、T344I、及びY108Fからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸置換、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換C38R、F55I、A316W、T342S、及びV348I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、及びT344I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してT344I、C38R、F55I、A316W、T342S、V348I、Y108F、Y339M、I240V、T284A、T289R、T289S、K353R、D435G、L437R、W510R、C257R、及びS313Tからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸置換、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344I、I396K、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、A316W、T342S、及びV348I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換C38R、F55I、Y108F、A316W、及びY339M、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、A316W、T342S、及びV348I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、T342S、及びV348I、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、T342S、V348I、T289S、K353R、D435G、及びW510R、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、T342S、V348I、C257R、T284A、T289S、S313T、K353R、D435G、L437R、及びW510R、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む。
本明細書において、生物発光アッセイを実行するための組成物及び方法が提供される。これらの実施形態によれば、組成物は、配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドによって、5,5−二置換ルシフェリンアナログ及び当該ルシフェラーゼポリペプチドの基質の存在下で生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを当該5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドを含む。幾つかの実施形態では、基質は、ラセミ体ルシフェリンである。幾つかの実施形態では、基質は、ルシフェリンアナログである。幾つかの実施形態では、ルシフェリンアナログは、5,5−二置換ルシフェリンアナログである。幾つかの実施形態では、組成物は、マグネシウムを更に含む。幾つかの実施形態では、組成物は、緩衝液、脱泡剤、ATPアーゼインヒビター、L−ルシフェリン、アザチオチミン(ATT)、酵素安定剤、界面活性剤、ATP生成酵素のインヒビター、細胞溶解剤、ATP抽出剤、補酵素A、チオール試薬、金属イオンキレート剤、プロテアーゼインヒビター、ピロリン酸、フッ化ナトリウム、デヒドロルシフェリン、及び塩からなる群から選択される1種以上の追加の構成成分を更に含む。幾つかの実施形態では、試薬組成物は、単一の液体試薬である。幾つかの実施形態では、試薬組成物は、単一の乾燥試薬である。幾つかの実施形態では、組成物は、固体構成成分及び液体構成成分を含む。
本明細書において、上記の試薬組成物のいずれかを含むキットが提供される。幾つかの実施形態では、キットは、生物発光アッセイを実行するための使用説明書を含む。幾つかの実施形態では、生物発光アッセイにより、カスパーゼ活性、キナーゼ活性、CYP450酵素活性、活性酸素種、ヌクレオチド検出もしくは定量化、細胞生存率、細胞障害性、または過酸化水素検出もしくは定量化が測定/検出される。
本明細書において、配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドによって、5,5−二置換ルシフェリンアナログ及び当該ルシフェラーゼポリペプチドの基質の存在下で生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを当該5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドを含むキットが提供される。
本明細書において、配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドによって、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを当該5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドを含む試薬組成物、当該ルシフェラーゼポリペプチドの基質、及びATPを含むか、または含むことが疑われる試料を含む、試料中のATPを検出または定量するためのアッセイ系が提供される。幾つかの実施形態では、アッセイ系は、生物発光の検出及び/または測定のための装置を更に含む。幾つかの実施形態では、試料は、細胞可溶化試料、無細胞調製試料、または精製酵素配合試料のうちの1種以上である。幾つかの実施形態では、試料は、環境試料、土壌試料、水試料、工業化学試料、法医学試料、食品ベースの試料、液体試料、飲料ベースの試料、または生化学試料のうちの1種以上である。
本明細書において、上記のアッセイ系のいずれかを使用して試料中のATPを検出または定量化する方法が提供される。幾つかの実施形態では、アッセイは、ATPを含むか、または含むことが疑われる試料に対して実行され、生物発光シグナルを検出または定量化することを含む。
本明細書において、試料における標的酵素活性を検出または定量化するためのアッセイ系が提供される。これらの実施形態によれば、アッセイ系は、配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドによって、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを当該5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドを含む試薬組成物、当該ルシフェラーゼポリペプチドの基質、及び標的酵素を含むか、または含むことが疑われる試料を含む。幾つかの実施形態では、5,5−二置換ルシフェリンアナログは、標的酵素の基質に結合されている。幾つかの実施形態では、標的酵素は、プロテアーゼ、カスパーゼ、キナーゼ、シトクロム450(CYP450)、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、またはモノアミンオキシダーゼである。幾つかの実施形態では、アッセイは、生物発光の検出及び/または測定のための装置を更に含む。幾つかの実施形態では、試料は、細胞可溶化物である。幾つかの実施形態では、試料は、環境試料、工業化学試料、法医学試料、食品ベースの試料、または生化学試料である。
本明細書において、試料における標的酵素活性を検出または定量化する方法が提供される。これらの実施形態によれば、本方法は、上記のアッセイ系のいずれかを、標的酵素活性を含むか、または含むことが疑われる試料に添加すること、及び生物発光シグナルを検出または定量化することを含む。
は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの代表的な構造を含む。 は、本開示のルシフェラーゼポリペプチド間の関係をPpeの熱安定性バリアント(配列番号1;ATG−2287)と比較したそれらのアミノ酸置換に基づいて示す代表的な模式図を含む。 は、本開示のルシフェラーゼポリペプチド間の関係をPpeの熱安定性バリアント(配列番号1;ATG−2287)と比較したそれらのアミノ酸置換に基づいて示す代表的な模式図を含む。 は、本開示のルシフェラーゼポリペプチド間の関係をPpeの熱安定性バリアント(配列番号1;ATG−2287)と比較したそれらのアミノ酸置換に基づいて示す代表的な模式図を含む。 は、ルシフェラーゼポリペプチド(配列番号1)に対する高親和性を有するルシフェリンアナログを同定するための、ルシフェリンアナログがラセミ体ルシフェリンと競合する競合阻害アッセイの結果の代表的なグラフを含む。 は、配列番号1のルシフェラーゼの活性部位の代表的画像(左)、示された位置での様々なアミノ酸置換を含む表(中央)、及びラセミ体ルシフェリンを基質として使用して試験されたバリアントの各々の活性レベルを示すグラフ(右)を含む。 は、CS0333を用いて試験されたルシフェラーゼバリアントの活性レベル及びそれらの配列番号1の244位でのアミノ酸置換の比較を示す代表的な表(左)及び対応するグラフ(右)を含む。 は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下でPpeの熱安定性バリアント(配列番号1)及びコメツキムシ緑色(CBG99)の活性を比較している代表的なグラフを含む。 は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下でPpeの熱安定性バリアント(配列番号1)及びコメツキムシ緑色(CBG99)の活性を比較している代表的なグラフを含む。 は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下でPpeの熱安定性バリアント(配列番号1)及びコメツキムシ緑色(CBG99)の活性を比較している代表的なグラフを含む。 は、配列番号1の244位及び339位でのアミノ酸置換を有するルシフェラーゼ酵素バリアントの、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2624及びATG−2625の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2877、ATG−2624、及びATG−2890の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2877、ATG−2624、及びATG−2890の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2877、ATG−2624、及びATG−2890の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2877、ATG−2624、及びATG−2890の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。 は、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性に対するアミノ酸置換の効果を評価している代表的なグラフを含む。 は、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性に対するアミノ酸置換の効果を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2889及びコメツキムシ緑色(CBG99)と共に使用した、CS0333ルシフェリンアナログのアミノバージョン及びフルオロバージョンの効果を評価している代表的なグラフを含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2889及びコメツキムシ緑色(CBG99)と共に使用した、CS0333ルシフェリンアナログのアミノバージョン及びフルオロバージョンの効果を評価している代表的なグラフを含む。 は、CS0333でのATG−2889活性に対する異なる緩衝液組成物の効果を評価している代表的なグラフを含む。 は、epPCR及びDNAシャフリングにより同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの5,5−二置換ルシフェリンアナログでの活性試験の代表的結果を含む。 は、epPCR及びDNAシャフリングにより同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの5,5−二置換ルシフェリンアナログでの活性試験の代表的結果を含む。 は、アミノ酸置換V300G、L305F、及びS306PのCS0333アナログでの酵素活性に対する効果の代表的なグラフを含む。 は、線形回帰及び組み合わせ解析を使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの5,5−二置換ルシフェリンアナログでの活性試験の代表的結果を含む。 は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2671のD/L−ルシフェリンでの動力学的活性の代表的なグラフを含む。 は、2種の緩衝液組成物における、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のルシフェリンでの動力学解析及びATG−2289バリアントのCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。 は、2種の緩衝液組成物における、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のルシフェリンでの動力学解析及びATG−2289バリアントのCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。 は、2種の緩衝液組成物における、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント、ATG−2889、ATG−3552、及びC4584D7(P1B10)酵素のルシフェリン及びCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。 は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−3674酵素の、それぞれATPと組み合わせたルシフェリン及びCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。飽和基質でのATPに対するKmが測定された。 は、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性データ及び動力学解析の代表的結果を含む。 は、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性データ及び動力学解析の代表的結果を含む。バリアントATG−3707のCS0333基質での増強された活性を強調する。 は、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性データ及び動力学解析の代表的結果を含む。バリアントATG−3707のCS0333基質での増強された活性を強調する。 は、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性データ及び動力学解析の代表的結果を含む。バリアントATG−3707のCS0333基質での増強された活性を強調する。 は、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性データ及び動力学解析の代表的結果を含む。バリアントATG−3707のCS0333基質での増強された活性を強調する。 は、増加する濃度のデヒドロルシフェリン、及びDetection Reagent緩衝液(図20A)の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの発光のグラフを含む。 は、増加する濃度のデヒドロルシフェリン、及びBright−Glo(商標)緩衝液(図20B)の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの発光のグラフを含む。 は、増加する濃度のデヒドロルシフェリン、及びDetection Reagent緩衝液(図20A)またはBright−Glo(商標)緩衝液(図20B)の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの発光のグラフから得られたIC50値(μM)を示す表(図20C)を含む。 は、増加する濃度のデヒドロルシフェリン、及びDetection Reagent緩衝液(図21A)の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの発光のグラフを含む。 は、増加する濃度のデヒドロルシフェリン、及びBright−Glo(商標)緩衝液(図21B)の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの発光のグラフを含む。 は、増加する濃度のデヒドロルシフェリン、及びDetection Reagent緩衝液(図21A)またはBright−Glo(商標)緩衝液(図21B)の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの発光のグラフから得られたIC50値(μM)を示す表(図21C)を含む。 は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−2671バリアントに対するCS0280(ジメチルルシフェリン)の阻害効果を実証する代表的結果を含む。 は、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。 は、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。 は、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。 は、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。 は、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。 は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)、ATG−2889、及びATG−3552のCS0333及びその分解生成物の存在下でのKi値の要約を含む。 は、アミノ酸置換V300Gを含むルシフェラーゼ酵素バリアントのデヒドロ−F−ルシフェリンの存在下でのIC50値を含む。 は、カスパーゼ−3活性化アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログ及びATG−3707バリアントの有効性を実証する代表的結果を含む。 は、カスパーゼ−3活性化アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログ及びATG−3707バリアントの有効性を実証する代表的結果を含む。 は、β−グルコシダーゼ活性化アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログ及びATG−3707バリアントの有効性を実証する代表的結果を含む。 は、β−グルコシダーゼ活性化アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログ及びATG−3707バリアントの有効性を実証する代表的結果を含む。 は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−2877バリアントの示差走査蛍光定量(DSF)解析の代表的結果を含む。
本開示の実施形態は、熱安定性ルシフェリンアナログと共に生物発光アッセイに使用するための増強されたルシフェラーゼ酵素バリアントを含む。特に、本開示は、5,5−二置換ルシフェリンアナログなどの熱安定性ルシフェリンに適合する増強された高活性ルシフェラーゼ酵素バリアントを使用した生物発光アッセイを実行するための組成物、アッセイ、及び方法を提供する。
現行のルシフェリンベースの生物発光試薬は、ルシフェリン基質のラセミ化及びルシフェラーゼの活性に対して阻害性であり得る生成物への分解に起因するその熱不安定性により制限される。特に、ルシフェリンのデヒドロルシフェリンへの分解は、ナノモルレベルでさえルシフェラーゼ酵素(例えば、UltraGlo(登録商標)ルシフェラーゼ;Promega Corporation)の強力な阻害をもたらすことを示した。この分解は、特に、構成成分が液体として、及び/または周囲温度(またはより低い温度、非凍結温度、もしくはより高い温度など)で保存される場合などの保存条件下で、最終的にこれらの試薬を使用した製品の性能及び寿命を制限する。様々な化学修飾によりデヒドロルシフェリンに分解しないルシフェリンアナログが作製されてきた。例えば、ルシフェリンを含有する生物発光試薬の安定性を改善及び増強するためにルシフェリンの5位に修飾が組み込まれたルシフェリンアナログが開発されてきた(例えば、米国特許出願第15/829,581号/PCT出願番号第PCT/US2017/064284号(これらは全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の5,5−二置換ルシフェリン及びルシフェリンアナログ)。しかしながら、これらのルシフェリンアナログは、多数のルシフェラーゼ酵素の貧基質であり(Miller,S.C.,et al.“Lessons Learned from Luminous Luciferins and Latent Luciferases.” ACS Chem Biol.2018 Feb 19(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))、非常に少ない生物発光を示すか、または生物発光を示さず、場合によっては、ルシフェラーゼ酵素のその天然の基質(ルシフェリン)に対する競合阻害を示す。
この項及び本明細書における全ての開示内容において使用されている見出しは、単に編成のためであり、限定することを意図しない。
定義
特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含め、本文書が優先する。本明細書に記載されるものと同様または同等な方法及び材料が本開示の実施または試験に使用され得るが、好ましい方法及び材料を以下に記載する。本明細書に記載の全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書において開示される材料、方法、及び例は例示にすぎず、限定することを意図しない。
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含む(contain(s))」、及びこれらの変化形は、追加の行為または構造の可能性を排除しない開放型の移行句、専門用語、または単語であることを意図する。単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈で明確に指示されない限り、複数形を含む。本明細書における多数の実施形態が、オープンランゲージ「含む(comprising)」を使用して記載される。かかる実施形態は、複数のクローズドな「からなる(consisting of)」及び/または「本質的にからなる(consisting essentially of)」実施形態を包含し、代替的に、これらはかかるランゲージを使用して特許請求または記載される。本開示はまた、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、本明細書において述べられる実施形態または要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、及び「から本質的になる(consisting essentially of)」他の実施形態も意図する。
本明細書における数値範囲の記載では、それらの間にある同程度の精度の各数値が明示的に意図される。例えば、6〜9の範囲では、6及び9に加えて7及び8の数値が意図され、6.0〜7.0の範囲では、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0の数値が明示的に意図される。
「アミノ酸」は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、及びアミノ酸アナログを指し、特に明記しない限り、全てがD及びL立体異性体である(それらの構造がかかる立体異性体形態を可能にする場合)。
天然アミノ酸としては、アラニン(AlaまたはA)、アルギニン(ArgまたはR)、アスパラギン(AsnまたはN)、アスパラギン酸(AspまたはD)、システイン(CysまたはC)、グルタミン(GlnまたはQ)、グルタミン酸(GluまたはE)、グリシン(GlyまたはG)、ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、ロイシン(LeuまたはL)、リジン(LysまたはK)、メチオニン(MetまたはM)、フェニルアラニン(PheまたはF)、プロリン(ProまたはP)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、トリプトファン(TrpまたはW)、チロシン(TyrまたはY)、及びバリン(ValまたはV)が挙げられる。
非天然アミノ酸としては、アゼチジンカルボン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、β−アラニン、ナフチルアラニン(「naph」)、アミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸、三級ブチルグリシン(「tBuG」)、2,4−ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’−ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、N−エチルグリシン、N−エチルアスパラギン、ホモプロリン(「hPro」または「homoP」)、ヒドロキシリジン、アロ−ヒドロキシリジン、3−ヒドロキシプロリン(「3Hyp」)、4−ヒドロキシプロリン(「4Hyp」)、イソデスモシン、アロ−イソロイシン、N−メチルアラニン(「MeAla」または「Nime」)、N−メチルグリシンが含まれるN−アルキルグリシン(「NAG」)、N−メチルイソロイシン、N−メチルペンチルグリシンが含まれるN−アルキルペンチルグリシン(「NAPG」)、N−メチルバリン、ナフチルアラニン、ノルバリン(「Norval」)、ノルロイシン(「Norleu」)、オクチルグリシン(「OctG」)、オルニチン(「Orn」)、ペンチルグリシン(「pG」または「PGly」)、ピペコリン酸、チオプロリン(「ThioP」または「tPro」)、ホモリジン(「hLys」)、及びホモアルギニン(「hArg」)が挙げられるが、これらに限定されない。
「アミノ酸アナログ」は、C末端カルボキシ基、N末端アミノ基、及び側鎖生理活性基のうちの1つ以上が可逆的もしくは不可逆的に、化学的にブロックされているか、またはそうでない場合には別の生理活性基に修飾されている天然または非天然アミノ酸を指す。例えば、アスパラギン酸−(β−メチルエステル)は、アスパラギン酸のアミノ酸アナログであり、N−エチルグリシンは、グリシンのアミノ酸アナログであり、アラニンカルボキサミドは、アラニンのアミノ酸アナログである。他のアミノ酸アナログとしては、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S−(カルボキシメチル)−システイン、S−(カルボキシメチル)−システインスルホキシド、及びS−(カルボキシメチル)−システインスルホンが挙げられる。
「見かけのシグナル安定性」は、特定の一連の条件下(例えば、インヒビターの存在下)での酵素(例えば、ルシフェリン及びATPと組み合わせたルシフェラーゼ)からのシグナル(例えば、発光)の持続性を指す。「増強された見かけのシグナル安定性」は、参照条件下でルシフェリン及びATPと組み合わせた酵素(例えば、ルシフェラーゼ)からのシグナルの持続性と比較した、特定の一連の条件下でのルシフェリン及びATPと組み合わせた同一酵素からのシグナル(例えば、発光シグナル)の持続性の増加を指す。例えば、ルシフェリン及びATPと組み合わせたバリアントルシフェラーゼは、インヒビターの存在下で増強された見かけのシグナル安定性を示し得る(例えば、ルシフェラーゼからの最初のシグナルを低下させることによって、時間経過によるシグナルの損失が減少する)。幾つかの実施形態では、ルシフェリン及びATPと組み合わせたバリアントルシフェラーゼが、ルシフェリン及びATPと組み合わせた参照ルシフェラーゼと比較して(例えば、配列番号1などの参照ルシフェラーゼと比較して)、見かけのシグナル安定性のより大きな増強を示す場合、ルシフェリン及びATPと組み合わせたバリアント酵素は、「見かけのシグナル安定性の増強の増加」を示す。
「生物発光」は、酵素、タンパク質、タンパク質複合体、または他の生体分子(例えば、生物発光複合体)により触媒されるか、または可能にされる化学反応による光の生成及び放出を指す。典型的な実施形態では、生物発光主体(例えば、生物発光タンパク質または生物発光複合体)の基質は、当該生物発光主体によって不安定な形態に変換され、その後に当該基質が発光する。
「増強された」は、特定の特性における、参照のそれと比較した改善を指す。例えば、ルシフェラーゼバリアントの特性(例えば、発光、シグナル安定性、生体適合性、タンパク質安定性(例えば、酵素安定性)、またはタンパク質発現)を記載するために使用する場合、「増強された」は、参照ルシフェラーゼ(配列番号1など)と比較したその特性における改善(例えば、1%、2%、5%、10%、20%、25%、50%、75%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、もしくはそれ以上、またはそれらの間の範囲)を指す。バリアントルシフェラーゼは、「増強された発光」、「増強されたシグナル安定性」、「増強された酵素安定性」、「増強されたタンパク質発現」などのうちの1つ以上を示し得る(例えば、配列番号2)。
「増強されたシグナル安定性」は、シグナル持続時間(例えば、ルシフェリン及びATPと組み合わせた参照酵素(例えば、配列番号1)と比較した、酵素(例えば、ルシフェリン及びATPと組み合わせたルシフェラーゼ)からのシグナル強度(例えば、発光シグナル)の持続性)の増加を指す。
「酵素安定性」は、特定の一連の条件(例えば、温度、pH、イオン濃度、インヒビターなど)への曝露後に活性を維持する酵素の能力を指す。例えば、対照酵素と比較して増強された安定性を示す酵素は、一連の条件への曝露に際して、当該対照酵素と比べて活性のより小さな損失を示す。
「インヒビター耐性」及び「インヒビターに対する増強された耐性」は、インヒビターまたは酵素活性の存在下で、酵素の参照バージョン(例えば、当該酵素の天然の野生型バージョン)と比べてより高い活性を保持する当該酵素を指す。インヒビター耐性酵素は、必ずしもインヒビターに対して100%耐性があるわけではない。例えば、「インヒビター耐性ルシフェラーゼ」は、参照ルシフェラーゼ(例えば、配列番号1)と比較した場合に、ATP及びルシフェラーゼインヒビター(例えば、デヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、L−ルシフェリンなど)の存在下で、より高いルシフェラーゼ活性(例えば、ルシフェリンのオキシルシフェリンへの変換、RLU出力など)を保持する(例えば、より小さな損失百分率を示す)ポリペプチドである。
本明細書で使用する場合、「単離ポリヌクレオチド」とは、ポリヌクレオチド(例えば、ゲノム、cDNA、もしくは合成由来のポリヌクレオチド、またはそれらの組合せ)であって、その供給源によって、当該単離ポリヌクレオチドが、当該「単離ポリヌクレオチド」が天然に見出されるポリヌクレオチドの全てもしくは一部と会合していないか、天然に連結されていないポリヌクレオチドに操作可能に連結されているか、またはより長い配列の一部として天然に生じない、当該ポリヌクレオチドを意味する。
「ルシフェリン」は、以下の構造:
Figure 2021526800
を有する化合物を指す。
ルシフェリンは「L−ルシフェリン」もしくは「D−ルシフェリン」またはL形態及びD形態のルシフェリンのラセミ混合物として存在し得る。特に明記しない限り(例えば、「L−ルシフェリン」、「ラセミルシフェリン混合物」など)、用語「ルシフェリン」はD−形態を指す。用語「ルシフェリン類」は、ホタルルシフェラーゼの基質として機能する生物発光化合物(またはそのキラル姉妹)のクラスをより広範に指し、これには、例えば、ルシフェリンの誘導体、例えば、アミノルシフェリン、フルオロルシフェリンなどが含まれる。
「ルシフェリン誘導体」または「ルシフェリンアナログ」は、構造的にルシフェリンに関連し、同様の環状構造を有し、同様であるが、必ずしも同一ではない置換基を有する化合物のクラスを指す。ルシフェリン誘導体は、通常、環状構造における二重結合の存在もしくは非存在及び/または異なる置換基(例えば、ハロゲン基、オキソ基、アミノ基、OH基、CH3基、CNなど)の存在によってルシフェリンと異なる。一部のルシフェリン誘導体は、ホタルルシフェラーゼの基質であり、他はホタルルシフェラーゼのインヒビターである。ルシフェリン誘導体及びルシフェリンアナログを開示している参考文献としては、例えば、Miller,S.C.,et al.“Lessons Learned from Luminous Luciferins and Latent Luciferases.” ACS Chem Biol.2018 Feb 19;及びRathbun,C.M.and J.A.Prescher (2017).“Bioluminescent Probes for Imaging Biology beyond the Culture Dish.“ Biochemistry 56(39):5178−5184が挙げられる。更なるアナログが、Rathbun,C.M.,et al.(2017).“Parallel Screening for Rapid Identification of Orthogonal Bioluminescent Tools.” ACS Central Science 3(12):1254−1261に記載されている。
「ルシフェリン反応生成物」は、ホタルルシフェラーゼの基質ではないルシフェリン誘導体を指し、ルシフェリンからのこれらの生成は、光生成反応においてルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ)により触媒される。ルシフェリン反応生成物の例としては、オキシルシフェリン、アミノオキシルシフェリン、フルオロオキシルシフェリンなどが挙げられる。
「ルシフェリン分解生成物」は、ホタルルシフェラーゼの基質ではないルシフェリン誘導体を指し、これらの生成は、通常、ルシフェラーゼにより触媒されず、顕著な光の生成をもたらさない反応においてルシフェリンの化学的分解により起こる。ルシフェリン反応生成物の例としては、デヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリンなどが挙げられる。
「ペプチド」は、ペプチド結合によって互いに連結されたアミノ酸のオリゴマーから短いポリマーまでを指す。他のアミノ酸ポリマー(例えば、タンパク質、ポリペプチドなど)とは対照的に、ペプチドは約50アミノ酸長以下である。ペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、アミノ酸アナログ、及び/または修飾アミノ酸を含み得る。ペプチドは天然に存在するタンパク質または非天然(人工的な)配列の部分配列であり得る。
「ポリペプチド」は、約50アミノ酸長を超える、ペプチド結合によって互いに連結されたアミノ酸のポリマーを指す。ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、アミノ酸アナログ、及び/または修飾アミノ酸を含み得、天然に存在する配列もしくは非天然(人工的な)配列、または天然に存在するタンパク質もしくは非天然(人工的な)配列の部分配列であり得る。「人工的な」は、人によって設計または調製され、かつ天然に存在しない組成物及びシステムを指す。例えば、人工的な配列は、天然に存在しないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列(例えば、天然に存在するタンパク質またはその断片と100%同一でないポリペプチド)を指す。「保存的」アミノ酸置換は、ペプチドまたはポリペプチドにおけるアミノ酸の、同様の化学的性質、例えば、サイズまたは電荷を有する別のアミノ酸との置換を指す。本開示の目的では、以下の8つの群の各々は、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)及びグリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)及びグルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)及びグルタミン(Q);
4)アルギニン(R)及びリジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、及びバリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)及びトリプトファン(W);
7)セリン(S)及びトレオニン(T);ならびに
8)システイン(C)及びメチオニン(M)。
天然に存在する残基は、共通する側鎖の性質に基づいて、例えば、以下のクラスに分類され得る:極性正電荷(または塩基性)(ヒスチジン(H)、リジン(K)、及びアルギニン(R));極性負電荷(または酸性)(アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E));極性中性(セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q));非極性脂肪族(アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M));非極性芳香族(フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W));プロリン及びグリシン;ならびにシステイン。本明細書で使用する場合、「半保存的」アミノ酸置換は、ペプチドまたはポリペプチドにおけるアミノ酸の、同一クラス内の別のアミノ酸との置換を指す。
幾つかの実施形態では、特に明記しない限り、保存的または半保存的アミノ酸置換は、天然の残基と同様の化学的性質を有する天然に存在しないアミノ酸残基も包含し得る。これらの非天然の残基は、通常、生物学的系における合成ではなく化学的なペプチド合成によって組み込まれる。これらとしては、ペプチド模倣体、及び他の反転形態または逆形態のアミノ酸部分が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における実施形態は、幾つかの実施形態では、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、及び/またはアミノ酸アナログに限定され得る。非保存的置換は、1つのクラスのメンバーの、別のクラスのメンバーとの交換を伴い得る。
本明細書で使用する場合、「試料」、「試験試料」、「検体」、「対象由来の試料」、及び「患者試料」は、互換的に使用され得、全血などの血液試料、組織、尿、血清、血漿、羊水、脳脊髄液、胎盤細胞もしくは組織、内皮細胞、白血球、または単球であり得る。試料は、患者から取得される際に直接使用され得るか、または本明細書において述べられるか、もしくはそうでなければ当該技術分野において公知の幾つかの様式に試料の特徴を改変するために、例えば、濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、干渉する構成成分の不活性化、試薬の添加などによって前処理され得る。
「シグナル持続時間」は、例えば、時間経過におけるシグナルの減衰の半減期、または(例えば、検出可能な減衰の前の)シグナルが一定を維持する時間の長さよって測定される、シグナルの持続性を指す。用語「シグナル安定性」は、酵素(例えば、ルシフェラーゼ)の固有のシグナル持続時間を指す。
「配列同一性」は、2つのポリマー配列(例えば、ペプチド、ポリペプチド、核酸など)が同一の単量体サブユニットの配列組成を有する程度を指す。用語「配列類似性」は、2つのポリマー配列(例えば、ペプチド、ポリペプチド、核酸など)が類似のポリマー配列を有する程度を指す。例えば、類似のアミノ酸とは、同一の生物物理学的特性を共有するものであり、例えば、酸性(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、及び非荷電極性(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)ファミリーに分類され得る。「配列同一性パーセント」(または「配列類似性パーセント」)は、(1)2つの最適にアラインメントした配列を比較ウインドウ(例えば、より長い配列の長さ、より短い配列の長さ、指定されたウインドウ)にわたって比較すること、(2)同一の(類似の)単量体を含む位置(例えば、同一のアミノ酸が両方の配列に見出される位置、類似のアミノ酸が両方の配列に見出される位置)の数を決定して、一致した位置の数を得ること、及び(3)一致した位置の数を比較ウインドウ(例えば、より長い配列の長さ、より短い配列の長さ、指定されたウインドウ)内の位置の総数で割ること、(4)結果に100を乗じて配列同一性パーセントまたは配列類似性パーセントを得ること、により算出される。例えば、ペプチドA及びペプチドBが両方とも20アミノ酸長であり、1つの位置を除いて同一のアミノ酸を有する場合、ペプチドA及びペプチドBは95%の配列同一性を有する。同一でない位置でのアミノ酸が同一の生物物理学的特性(例えば、両方が酸性である)を共有する場合、ペプチドA及びペプチドBは100%の配列類似性を有する。別の例として、ペプチドCが20アミノ酸長であり、ペプチドDが15アミノ酸長であり、ペプチドDにおける15アミノ酸のうち14アミノ酸がペプチドCの一部のアミノ酸と同一である場合、ペプチドC及びペプチドDは70%の配列同一性を有するが、ペプチドDはペプチドCの最適な比較ウインドウに対して93.3%の配列同一性を有する。本明細書における「配列同一性パーセント」(または「配列類似性パーセント」)を算出する目的上、アラインメントされた配列における任意のギャップはその位置でのミスマッチとして処理される。参照配列ID番号との特定の配列同一性パーセントまたは配列類似性パーセント(例えば、少なくとも70%)を有すると本明細書に記載されるいずれのポリペプチドも、その参照配列に対して最大数の置換(または末端欠失)を有すると表現され得る。例えば、「配列番号Zと少なくともY%の配列同一性を有する」配列は、配列番号Zと比較してXまでの置換を有し得、従って、「配列番号Zと比較してX以下の置換を有する」とも表現され得る。
「保存安定性」は、様々な時点で測定される場合(例えば、終点測定)の酵素(例えば、ルシフェリン及びATPと組み合わせたルシフェラーゼ)からのシグナル(例えば、発光)の一貫性を指す。例えば、保存されたルシフェラーゼ(例えば、基質と共に水溶液中に保存された)のアリコートの発光が、ルシフェラーゼの保存に関連する様々な時点(例えば、日、週など)で、(例えば、ルシフェリン及びATPの存在下で)測定され、経時的により一貫性(例えば、より少ないシグナル損失、減衰前のより長い持続時間など)をもたらす酵素または一連の条件は、「増強された保存安定性」を示す。バリアント酵素(例えば、インヒビター耐性バリアント)が野生型酵素と比較して増強された保存安定性を示し得、及び/または特定の一連の条件(例えば、インヒビターの存在下)が参照条件と比較して増強された保存安定性をもたらし得る。一部のルシフェラーゼは、ルシフェリンの存在下で保存した場合、ルシフェラーゼに対して阻害性であるルシフェリン分解生成物の形成に起因して、制限された保存安定性を示す。幾つかの実施形態では、インヒビター耐性ルシフェラーゼは、増加した保存安定性を示す。幾つかの実施形態では、ルシフェリン基質及びインヒビター(例えば、デヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、L−ルシフェリンなど)の両方を含む保存条件は、例えば、早い時点のシグナルを減少させて、遅い時点のシグナルをより密接に反映することによって増強された保存安定性をもたらす。
本明細書で使用する場合、「対象」及び「患者」は、哺乳動物及びヒトが含まれるがこれらに限定されない任意の脊椎動物を互換的に指す。幾つかの実施形態では、対象は、ヒトまたはヒト以外であり得る。対象または患者は、複数の処置法を受けていてもよい。本明細書で使用する場合、「哺乳動物」は、限定されるものではないが、ヒトならびにチンパンジーならびに他の類人猿及びサル種などの非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラマ、ラクダ、及びウマなどの家畜;イヌ及びネコなどの家庭用動物;げっ歯動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどが含まれる実験動物が挙げられる哺乳綱の任意のメンバーを指す。この用語は、特定の年齢または性別を意味しない。従って、雄性または雌性にかかわらず、胎児に加えて成体及び新生児の対象が、この用語の範囲内に含まれることを意図する。
「部分配列」は、別のより長いペプチドまたはポリペプチドと100%の配列同一性を有するペプチドまたはポリペプチドを指す。部分配列は、より長いアミノ酸鎖の一部と完全に配列が一致する。
本明細書で使用する場合、「実質的に」は、記載された特性、パラメータ、及び/または値が正確に達成される必要はないが、例えば、許容誤差、測定誤差、測定精度限界、及び当業者に公知の他の要因を含む偏差または変動が、特徴が提供することを意図した効果を排除しない量で起こり得ることを意味する。実質的に存在しない(例えば、実質的に非発光性の)特性または特徴とは、ノイズの範囲内であるか、バックグラウンドより低いか、使用されているアッセイの検出能力未満であるか、または顕著な特性(例えば、生物発光タンパク質または生物発光複合体の発光強度)のほんの小数(例えば、<1%、<0.1%、<0.01%、<0.001%、<0.00001%、<0.000001%、<0.0000001%)である、特性または特徴である。
「バリアント」は、アミノ酸の挿入、欠失、または保存的置換によりアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物活性を保持するペプチドまたはポリペプチドを表現するために本明細書において使用される。「SNP」は、一塩基多型であるバリアントを指す。「生物活性」の代表例としては、特異的抗体により結合されるか、または免疫反応を促進する能力が挙げられる。またバリアントは、少なくとも1つの生物活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を表現するために本明細書において使用される。アミノ酸の保存的置換(例えば、アミノ酸を、同様の特性(例えば、荷電領域の親水性、程度、及び分布)の異なるアミノ酸と置き換えること)は、微小な変化を一般的に伴うものと当該技術分野において認識されている。これらの微小な変化は、当該技術分野において理解されている通り、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することによって、ある程度同定され得る。アミノ酸の疎水性親水性指標は、その疎水性及び電荷の考慮に基づく。同程度の疎水性親水性指標のアミノ酸が置換されてもまだ、タンパク質機能を保持できることが、当技術分野において公知である。一態様では、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。またアミノ酸の親水性は、生物学的機能を保持するタンパク質をもたらすであろう置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドという文脈でのアミノ酸の親水性の考慮は、抗原性及び免疫原性とよく相関することが報告されている有用な尺度である、そのペプチドの最大の局所的平均親水性の算出を可能にする。同程度の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該技術分野において理解されているように、生物活性、例えば、免疫原性を保持するペプチドをもたらし得る。互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸での置換が実施され得る。アミノ酸の疎水性指標と親水性値のいずれも、そのアミノ酸の特定の側鎖によって影響を受ける。この知見と一致して、生物学的機能に適合するアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさ、及び他の性質によって明らかにされる、アミノ酸、特にそのアミノ酸の側鎖の相対的類似性に依存することが理解されよう。
本明細書で定義されない限り、本開示に関して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。例えば、本明細書に記載される、細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質及び核酸化学、ならびにハイブリダイゼーションに関して使用される任意の専門用語及びそれらの技術は、当該技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。用語の意味及び範囲は明確でなければならない。しかしながら、潜在的な曖昧さがある場合には、本明細書において提供される定義が任意の辞書または外部からの定義に優先する。更に、文脈により必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含む。
熱安定性ルシフェリンアナログ
本開示の実施形態は、熱安定性5,5−二置換ルシフェリンアナログと組み合わされる場合に高い活性(例えば、10倍〜100,000,000倍の改善)を付与する変異を含有する改善及び増強されたルシフェラーゼ酵素バリアント(例えば、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントのバリアント)を含む。これらの増強されたルシフェラーゼ酵素の熱安定性ルシフェリンアナログとの組み合わせは、改善された熱的安定性、活性、及び寿命を有する生物発光アッセイを実行するための生物発光アッセイ系/プラットフォームを含む。この増強された生物発光アッセイ系/プラットフォームは、例えば、現行の制限を越える幅広い温度領域で一定期間安定している簡略化された単一の液体試薬配合物を最小限の性能の損失で可能にすることによって、現在利用可能なシステム/プラットフォームを超える顕著な利点を提供する。熱安定性ルシフェリンアナログとしては、図1に示す5,5−二置換ルシフェリンまたはルシフェリンアナログが挙げられる。5,5−二置換ルシフェリンまたはルシフェリンアナログは予想外の熱的安定性を示し、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)によって引き起こされる阻害が実質的に低減されたルシフェラーゼ検出システムを提供し得る。
D−ルシフェリンは、ホタルルシフェラーゼ及びコメツキムシルシフェラーゼの天然の基質であり、ルシフェラーゼレポーター酵素を用いた生物発光アッセイにおいて基質として使用され得る。しかしながら、D−ルシフェリンは、熱的に不安定であり、周囲温度にて原液中で経時的に分解する。デヒドロルシフェリンは、ルシフェリンの分解生成物として同定された。これらのデヒドロルシフェリンはルシフェラーゼの強力なインヒビターであり、ルシフェラーゼベースの生物発光アッセイにおいて光出力の減少を引き起こし得る。幾つかの実施形態では、5,5−二置換ルシフェリンは、ルシフェリンが長期間にわたり周囲温度で溶液中に保存されることを必要とする用途に特に有用である。幾つかの実施形態では、5,5−二置換ルシフェリンは、多数の生細胞生物発光アッセイまたは生細胞イメージング法において増加した安定性及び反応性を提供する。幾つかの実施形態では、5,5−二置換ルシフェリンは、甲虫(例えば、Photinus pyralis(Ppy)及びPhoturis pennsylvanica(Ppe)(北米のホタル)、Pyrophorus plagiophthalamus(Ppl)(ジャマイカのコメツキムシ))、Renilla reniformis(シーパンジー)、及び幾つかの細菌(例えば、Xenorhabdus luminescens及びVibrio属菌種)などの様々な生物において見出されるルシフェラーゼ及び発光タンパク質が含まれるが、これらに限定されない、ルシフェリンを利用して発光を生じるルシフェラーゼ酵素(「ルシフェリンを利用する酵素」)の基質である。5,5−二置換ルシフェリンは、歴史的に、ホタルルシフェラーゼにより媒介されるプロセスにより光を生成することができないと考えられている。具体的には、5,5−二置換ルシフェリンは、一般に、酵素プロセスによって(例えば、ホタルルシフェラーゼによって)ではなく、化学発光プロセスによってのみ光を生成すると考えられている。幾つかの実施形態では、本開示の化合物は、コメツキムシルシフェラーゼにより利用されて酵素プロセスにより発光を生じることができる。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼは、様々な立体異性体形態及び混合物(例えば、L−型及びD−型)の5,5−二置換ルシフェリンアナログを効率的に利用して生物発光を生じ、広範なpH範囲にわたり機能する。幾つかの実施形態では、これは、ラセミ化によりシグナル安定性が損なわれ得る用途におけるラセミ体の使用を提供する。
熱安定性
幾つかの実施形態では、5,5−二置換ルシフェリンは、他の公知のルシフェリンより優れた熱的安定性を示す。デヒドロルシフェリンは、溶液中での経時的なD−ルシフェリンの分解によりもたらされる主な生成物として同定された。デヒドロルシフェリンはルシフェラーゼを阻害し、このことは、光出力の減少をもたらし、ルシフェラーゼアッセイへの顕著な影響を引き起こす。5,5−ジメチルルシフェリンでは(例えば、6−OH化合物及び6−NH2化合物では)ごくわずかな分解しか起こらないが、非置換ルシフェリンでは、対応するデヒドロルシフェリンの生成を伴う顕著な分解が起こるために、本開示の5,5−二置換ルシフェリンアナログは、溶液中で改善された熱的安定性を示す。幾つかの実施形態では、5,5−二置換は、デヒドロルシフェリン形成の可能性を排除することにより、ルシフェリンアナログ化合物の全体的な熱的安定性を改善する。
本明細書で使用する場合、ルシフェリン/ルシフェリンアナログに関する「熱的安定性」または「熱安定性」は、一般に、ルシフェリンアナログ化合物が、ある期間にわたり溶液中でどの程度ルシフェラーゼ存在下(例えば、ルシフェラーゼを使用した生細胞アッセイが含まれる)で光を生成する能力を維持するように安定しているかを指す。ルシフェリンアナログの溶液としては、ルシフェラーゼが存在する液体培地、例えば、ルシフェラーゼアッセイに使用するための水性緩衝液系が挙げられ得る。本開示の化合物の安定性は、特定の環境における化合物の経時的な分解百分率により実証され得る。幾つかの実施形態では、特定の化合物の純度百分率は、当業者に公知の種々の技術により決定される。これらの技術としては、例えば、核磁気共鳴(NMR)及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が挙げられる。幾つかの実施形態では、本開示の化合物の熱的安定性は、特定の化合物の溶液が、ある温度にてある一定期間にわたりルシフェラーゼの非存在下または存在下で保存された後に決定される。保存中の温度は、5℃以上、10℃以上、15℃以上、20℃以上、30℃以上、40℃以上、50℃以上、60℃以上、または70℃以上であり得る。幾つかの実施形態では、ルシフェリンアナログ化合物は、なんらのヌクレオチド三リン酸(例えば、ATP)またはヌクレオチド三リン酸を形成することができる化学種も含有しない溶液中でルシフェラーゼ(またはルシフェラーゼを含有する試料)と組み合わされ得、一定期間ある温度(20℃〜70℃など)で維持され得る。
5,5−二置換ルシフェリンアナログ化合物は、5,5−二置換を欠くルシフェリンアナログと比較して、同一期間にわたる優れた熱的安定性を実証する。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、ルシフェリンまたは5,5−二置換を欠くルシフェリンアナログと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%改善された熱的安定性を示す。これらのルシフェリンアナログ化合物の顕著な安定性により、ルシフェリンアナログが分解することなくより長い保存が可能となり、これは発光アッセイの種々の強化のために使用され得る。
幾つかの実施形態では、本発明の化合物の熱安定性は、本発明の化合物を添加剤と共に溶液中で保存することにより増強され得る。これらの添加剤は、酸化的分解または他の形態の分解を防止することによりルシフェリンアナログ化合物の安定性を増強し得る。安定性の増強は、還元により酸化化合物を変換し元の化合物に戻すことによって、または他の機構によって、酸素または過酸化水素などの活性酸素種を除去することによるものであり得る。幾つかの実施形態では、これらの添加剤は、本発明のルシフェリンアナログ化合物とルシフェラーゼとの反応に適合し、光生成の減少を引き起こさない。幾つかの実施形態では、これらの添加剤は、米国特許出願番号第62/541,350号(これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような、アザチオチミジン(ATT)またはそのアナログである。幾つかの実施形態では、添加剤は、チオ尿素または別の炭素−硫黄二重結合含有化合物である。
本明細書で使用する場合、本明細書に記載される酵素バリアントに関する「熱的安定性」または「熱安定性」は、一般に、様々な温度及び様々な時点で測定される場合の、酵素バリアント(例えば、ルシフェリン及びATPと組み合わせたルシフェラーゼバリアント)からのシグナル(例えば、発光)の一貫性を指す。例えば、(例えば、基質と共に水溶液中に保存された)ルシフェラーゼバリアントのアリコートの発光は、様々な時点(例えば、分、時間、日、週など)及び様々な温度で、(例えば、ルシフェリン及びATPの存在下で)測定され、経時的に、かつ所与の温度でより一貫性(例えば、より少ないシグナル損失、減衰前のより長い持続時間など)をもたらす酵素または一連の条件は、「熱安定性」を示し得る。場合によっては、酵素バリアントの熱安定性は、参照ルシフェラーゼ酵素または参照ルシフェラーゼバリアント酵素の熱安定性と対照して、またはそれらと比較して測定され、熱安定性は、参照酵素を基準として、経時的に、かつ所与の温度で改善または増強され得る(例えば、より少ないシグナル損失、減衰前のより長い持続時間など)。
光生成
5,5−二置換ルシフェリンアナログ化合物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントと共に使用された場合に十分な光を生成して、ルシフェラーゼアッセイに使用するための好適な基質となる。幾つかの実施形態では、本明細書において開示されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、様々な条件下のルシフェラーゼアッセイにおいて、5,5−ジメチルルシフェリンを用いて他のルシフェラーゼにより見られるよりも非常に強い光シグナルを提供する。本開示以前では、任意の特定の5,5−二置換ルシフェリンアナログがルシフェラーゼアッセイで有用となるのに十分な光を生成するかどうかが、以前の研究からは明らかでなかった。
幾つかの実施形態では、ルシフェリンアナログ化合物は、周囲温度または高い温度(例えば、30〜70℃)にて溶液中で、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも80時間、少なくとも100時間、少なくとも120時間、少なくとも150時間、少なくとも200時間、少なくとも250時間、少なくとも300時間、少なくとも350時間、または少なくとも400時間の間、安定した発光シグナルを提供する。幾つかの実施形態では、ルシフェリンアナログ化合物は、周囲温度にてルシフェラーゼアッセイ培地中で100〜400時間の間、安定した発光シグナルを提供する。溶液中での改善された熱的安定性を有する本開示のルシフェリンアナログ化合物により、ルシフェリン溶液中の周囲温度での経時的な長期保存が必要とされる用途が可能となる。ルシフェリンアナログ化合物は、デヒドロルシフェリンの形成が顕著かつ有害である用途、例えば、活性酸素種(ROS)検出アッセイまたはチトクロームP450(CYP450)アッセイに特に有用であり得る。
増強されたルシフェラーゼ酵素
本開示の実施形態は、生物発光アッセイにおいて熱安定性5,5−二置換ルシフェリンアナログと組み合わされた場合に高い活性(例えば、10倍〜1,000,000倍以上の改善)を付与するアミノ酸置換を含有する、改善及び増強されたルシフェラーゼ酵素バリアント(例えば、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントのバリアント)を提供する。熱安定性5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して改善された活性(例えば、生物発光シグナル)を有するバリアントを同定する試みの一部として、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドが、図2A〜2Bに示すように、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(ATG−2287または配列番号1)の配列に基づいて作製された。図2A及び2Bは、活性部位飽和スクリーニング、合理的突然変異誘発、デヒドロLH2耐性スクリーニング、組み合わせ解析、線形回帰解析、ならびにエラープローンPCR及びDNAシャフリングを使用した、これらのルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドの作製を要約する。本開示のルシフェラーゼポリペプチドにおいて同定される配列番号1と比較したアミノ酸置換を、以下の表1に提供する。
表1:増強されたルシフェラーゼポリペプチド
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幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下でPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)により生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼポリペプチドを含む。これらの実施形態によれば、ルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドは、天然に存在しない。幾つかの実施形態では、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドにより生成される生物発光シグナルは、ほぼバックグラウンドレベル(例えば、発光基質の非存在下で生成される生物発光シグナルの量)であるか、またはバックグラウンドレベル未満(ルシフェリンアナログにより阻害される)である。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号2のポリペプチドとの少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列同一性を含むルシフェラーゼポリペプチドを含む。幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1のポリペプチドとの100%未満(例えば、99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、またはそれらの間で範囲)の配列同一性を含むルシフェラーゼポリペプチドを含む。幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1との少なくとも70%(例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはそれらの間の範囲)の配列類似性(例えば、保存的または半保存的)を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して100以下(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれらの間の範囲)のアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して100以下(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれらの間の範囲)の非保存的置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して100以下(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれらの間の範囲)の半保存的置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して100以下(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれらの間の範囲)の保存的置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して244位、249位、337位、及び339位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して244位、249位、337位、及び339位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してH244W置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してH244G置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してH244R置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して240位、254位、及び344位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して240位、254位、及び344位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してI240L置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してY254S置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してT344A置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して300位及び396位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して300位及び396位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してV300G置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してI396K置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して245位、285位、及び315位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して245位、285位、及び315位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してG245A置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してL285I置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してG315A置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して109位、193位、214位、218位、228位、234位、262位、287位、294位、305位、306位、309位、316位、335位、及び533位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して109位、193位、214位、218位、228位、234位、262位、287位、294位、305位、306位、309位、316位、335位、及び533位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してI109V置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してS193A置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してI214L置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してF218L置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してN228D置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してS234T置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してV262A置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してV287I置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してL294H置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してL305F置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してS306P置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してK309E置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してA316S置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してV335G置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してV553M置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して133位、233位、236位、及び503位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較して133位、233位、236位、及び503位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してQ133H置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してT233S置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してI236V置換を含む。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してS503R置換を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のルシフェラーゼ酵素バリアントは、表1に列挙するルシフェラーゼ酵素バリアントに対応するアミノ酸置換の組み合わせのいずれかが含まれる、上述のアミノ酸置換の任意の組み合わせを含む。
幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換I240L、Y254S、T344A、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−2624)。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換N74N、H244R、V300G、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−2625)。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−2877)。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−2879)。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、及びI396K、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−2889)。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、I396K、V300G、L305P、及びS306P、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−3552)。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、及びI109V、及び/または当該アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む(例えば、ATG−3707)。
幾つかの実施形態では、本明細書において、熱的に安定である(例えば、0℃を超える保存温度(例えば、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、またはそれらの間の範囲)で安定である)ルシフェラーゼ酵素バリアントが提供される。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、0℃を超える温度(例えば、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、またはそれらの間の範囲)で1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書において、熱的に安定である(例えば、室温を超えるインキュベーション温度(例えば、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、またはそれらの間の範囲)で安定である)ルシフェラーゼ酵素バリアントが提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、室温を超える温度(例えば、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、またはそれらの間の範囲)での1〜100分間(例えば、1分、2分、5分、10分15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、またはそれらの間の範囲)のインキュベーション後に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン(例えば、D−ルシフェリン、ラセミ体ルシフェリン混合物)及び/またはルシフェリン誘導体(例えば、5,5−二置換ルシフェリンアナログ)の存在下で保存される場合に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書におけるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン及び/またはルシフェリン誘導体(例えば、5,5−二置換ルシフェリンアナログ)の存在下で、1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン及び/またはルシフェリン誘導体(例えば、5,5−二置換ルシフェリンアナログ)の存在下で、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、フルオロデヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下で安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、フルオロデヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下で1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、フルオロデヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)による阻害に対する、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された耐性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下で安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下で1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物による阻害に対する、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された耐性を示す。幾つかの実施形態では、配列番号1のルシフェラーゼは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下での1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)の保存後に、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントと比較して減少した活性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン(例えば、D−ルシフェリン、ラセミ体ルシフェリン混合物)及び/またはルシフェリン誘導体(例えば、フルオロルシフェリン、アミノルシフェリン、ラセミ体ルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログなど)の存在下で保存される場合に、熱的に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン(例えば、D−ルシフェリン、ラセミ体ルシフェリン混合物)及び/またはルシフェリン誘導体(例えば、フルオロルシフェリン、アミノルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログなど)の存在下で、0℃超(例えば、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、またはそれらの間の範囲)で1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン(例えば、D−ルシフェリン、ラセミ体ルシフェリン混合物)及び/またはルシフェリン誘導体(例えば、フルオロルシフェリン、アミノルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログなど)の存在下で、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、フルオロデヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下で熱的に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下で、0℃超(例えば、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、またはそれらの間の範囲)で1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下で、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下で熱的に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼバリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下で、0℃超(例えば、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、またはそれらの間の範囲)で1〜365日間(例えば、1日、2日、5日、10日、20日、30日、40日、50日、75日、100日、150日、200日、250日、300日、350日、365日、またはそれらの間の範囲)保存される場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下で、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリンの存在下でインキュベートされる場合に、熱的に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリンの存在下で、室温超(例えば、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、またはそれらの間の範囲)で、1〜100分間(例えば、1分、2分、5分、10分15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、またはそれらの間の範囲)インキュベートされる場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリンの存在下でインキュベートされる場合に、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下でインキュベートされる場合に、熱的に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下で、室温超(例えば、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、またはそれらの間の範囲)で、1〜100分間(例えば、1分、2分、5分、10分15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、またはそれらの間の範囲)インキュベートされる場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、ルシフェリン分解生成物(例えば、デヒドロルシフェリン)及び/またはルシフェリン誘導体の分解生成物(例えば、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログの分解生成物など)の存在下でインキュベートされる場合に、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下でインキュベートされる場合に、熱的に安定である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼバリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下で、室温超(例えば、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、またはそれらの間の範囲)で、1〜100分間(例えば、1分、2分、5分、10分15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、またはそれらの間の範囲)インキュベートされる場合に、20%未満(例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下、またはそれらの間の範囲(例えば、5%以下))の活性の損失を示す。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、L−ルシフェリン及び/またはラセミ体ルシフェリン混合物の存在下でインキュベートされる場合に、配列番号1のルシフェラーゼと比較して増強された熱的安定性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、1種以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10種以上、またはそれらの間の範囲)のルシフェリン分解生成物、ルシフェリン反応生成物、及び他の非基質の(例えば、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ)の基質でない)ルシフェリン誘導体、例えば、限定されるものではないが、デヒドロルシフェリン、アミノデヒドロルシフェリン、フルオロデヒドロルシフェリン、L−ルシフェリン、オキソルシフェリン、フルオロオキソルシフェリン、アミノオキソルシフェリン、5,5−二置換ルシフェリンアナログなどによる阻害に対する耐性を示す。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、参照ルシフェラーゼ(例えば、配列番号1)と比較される場合に、増強されたシグナル安定性を示す(例えば、時間経過におけるシグナルの減衰の半減期により測定される(例えば、10%の増加、20%の増加、30%の増加、40%の増加、50%の増加、60%の増加、70%の増加、80%の増加、90%の増加、2倍の増加、3倍の増加、4倍の増加、5倍の増加、6倍の増加、7倍の増加、8倍の増加、9倍の増加、10倍の増加、20倍の増加、50倍の増加、100倍の増加、1000倍以上の増加、またはそれらの間の範囲))。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、インヒビターの非存在下での見かけのシグナル安定性と比較される場合に、当該インヒビターの存在下で、増強された見かけのシグナル安定性を示す(例えば、時間経過におけるシグナルの減衰の半減期により測定される(例えば、10%の増加、20%の増加、30%の増加、40%の増加、50%の増加、60%の増加、70%の増加、80%の増加、90%の増加、2倍の増加、3倍の増加、4倍の増加、5倍の増加、6倍の増加、7倍の増加、8倍の増加、9倍の増加、10倍の増加、20倍の増加、50倍の増加、100倍の増加、1000倍以上の増加、またはそれらの間の範囲))。幾つかの実施形態では、インヒビターは、デヒドロルシフェリン(例えば、デヒドロルシフェリン、デヒドロオキソルシフェリン、デヒドロアミノルシフェリン、及びデヒドロアミノオキソルシフェリン)のうちの1種以上である。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントは、インヒビターの存在下での参照ルシフェラーゼ(例えば、配列番号1)のシグナル安定性の増強と比較される場合に、当該インヒビターの非存在下での見かけのシグナル安定性と比較した時に、当該インヒビターの存在下で、見かけのシグナル安定性の増強の増加を示す(例えば、時間経過におけるシグナルの減衰の半減期により測定される(例えば、10%の増加、20%の増加、30%の増加、40%の増加、50%の増加、60%の増加、70%の増加、80%の増加、90%の増加、2倍の増加、3倍の増加、4倍の増加、5倍の増加、6倍の増加、7倍の増加、8倍の増加、9倍の増加、10倍の増加、20倍の増加、50倍の増加、100倍の増加、1000倍以上の増加、またはそれらの間の範囲))。
幾つかの実施形態では、配列番号69〜134が含まれ、配列番号2〜124のポリペプチド配列をコードする、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNA、RNAなど)が、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNA、RNAなど)を含むベクターが、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドを発現する細胞が、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントポリペプチドを含む融合タンパク質が、本明細書において提供される。
幾つかの実施形態では、発光を測定し、これにより、特定のルシフェラーゼ酵素バリアント(またはルシフェラーゼ酵素バリアントを含む試薬組成物)の活性を決定するために、試薬組成物が試料と組み合わされた後に、ルシフェラーゼ酵素バリアント反応により生成される関心対象の時点での相対発光量(RLU)の値が測定され得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ルシフェラーゼの活性の安定性を決定するために)相対光出力が対照の値と比較され得る。
アッセイ構成成分、キット、及び配合物
幾つかの実施形態では、試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及び/またはルシフェリンアナログ(及び場合によりルシフェリンアナログ分解生成物)に加えて、保存(例えば、酵素安定性のため)、取り扱い(例えば、試薬組成物の分配を容易にするため)、及び/またはアッセイ性能のための追加の構成成分を更に含む。幾つかの実施形態では、試薬組成物は、塩または金属イオン(例えば、Mg2+)、界面活性剤、緩衝液などを追加的に含む。幾つかの実施形態では、追加の構成成分は、試薬組成物の一部であり、ルシフェラーゼ酵素バリアント及びルシフェリンと同一の容器に保存される。幾つかの実施形態では、試薬組成物(例えば、ルシフェラーゼ酵素バリアント及びルシフェリンを含む)は、キットの一部として提供され、当該キットは、当該試薬組成物とは別個の容器に保存される追加の構成成分/試薬を含む。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、ならびにチオ尿素及び/またはアザチオチミジン(ATT)、またはチオ尿素及びATTの1種以上のアナログもしくは誘導体を含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、ATT、及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、ATT、5,5−二置換ルシフェリンアナログ、及びMg2+を含む。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、D−ルシフェリン、及びATTを含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、D−ルシフェリン、及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、D−ルシフェリン、ATT、及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及びラセミ体ルシフェリン混合物を含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及びラセミ体ルシフェリン混合物を含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、5,5−二置換ルシフェリンアナログ、及びラセミ体ルシフェリン混合物を含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、ATT、及びラセミ体ルシフェリン混合物を含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、ATT、5,5−二置換ルシフェリンアナログ、及びラセミ体ルシフェリン混合物を含む。上述の実施形態のいずれかにおいて、ルシフェリンは、他のルシフェリン基質(例えば、アミノルシフェリン、フルオロルシフェリンなど)と置き換えられ得、及び/または5,5−二置換ルシフェリンアナログは、5,5−二置換ルシフェリンアナログ分解生成物と置き換えられ得る。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント、ルシフェリン(例えば、D−ルシフェリン)、及び1種以上の5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物が1種以上の5,5−二置換ルシフェリンアナログを含むことにより、発光シグナル持続時間、発光シグナル強度、見かけの酵素安定性(例えば、熱安定性)、及び/または保存安定性のうちの1つ以上の増強が提供される。幾つかの実施形態では、1種以上の5,5−二置換ルシフェリンアナログに対するルシフェラーゼ酵素バリアントの増強された活性は、増強された発光シグナル持続時間、発光シグナル強度、見かけの酵素安定性(例えば、熱安定性)、及び/または保存安定性のうちの1つ以上を有すると共にアッセイ及び他の用途において有用となるのに十分なシグナルを提供する試薬組成物またはキットを提供する。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、1種以上の好適な緩衝液(例えば、Bright−Glo(商標) BufferまたはReagent Detection Buffer)を含む。検量線用溶液に好適なpHを維持し、ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応を顕著に妨害しない任意の緩衝液が意図される。好ましいpH範囲は、約pH4.5〜約pH9.0(例えば、約pH6.0〜約pH8.0(例えば、6.0、6.2、6.4、6.6、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、及びそれらの間の範囲))である。好適な緩衝液としては、MES、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、トリス−N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、ホウ酸塩が挙げられ、当業者に公知の任意の他の緩衝液が好適であり得る。適切な緩衝液の選択は、pH緩衝能及びルシフェラーゼ−ルシフェリン反応との相互作用によって決まる。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、1種以上の脱泡剤を含む。脱泡剤は、特に発光を定量する用途において、泡が生物発光の検出に干渉することを防止するために望ましい。MAZUなどの脱泡剤は、有機系またはシリコーン系であり得る。脱泡剤の選択は、ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応に干渉することなく泡を除去するそれらの能力によって決まる。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、マグネシウムを含む。ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応は、ATPにだけでなく、マグネシウムイオンにも依存する。幾つかの実施形態では、ルシフェラーゼ活性を確実にするために、マグネシウムが外来的に供給される。硫酸マグネシウムに加えて、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどのマグネシウムの他の塩、または試薬組成物もしくは試料中で解離してルシフェラーゼが利用できるMg2+イオンを生じ、ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応に干渉しない任意のマグネシウム錯体が、意図される。幾つかの実施形態では、マグネシウムに加えて、またはその代わりに、カルシウム及びマンガンなどの他の陽イオンが提供される。幾つかの実施形態では、試料の内在的なマグネシウムが、ATPの存在下でルシフェラーゼ−ルシフェリン生物発光を可能にするのに十分であり、かかる実施形態では、マグネシウムが、キットまたは試薬組成物に含まれていなくてもよい。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、溶液中の1種以上のATPアーゼインヒビターを含有する構成成分を含み、この溶液は、他の機能的構成成分、例えば、緩衝液、脱泡剤、酵素安定剤などを任意に含有する。この構成成分は、検量線用溶液または濃縮物として供給され得る。幾つかの実施形態では、ATPアーゼインヒビターは、荷電基を有する界面活性剤(例えば、カチオン界面活性剤(例えば、DTAB(臭化ドデシルトリメチルアンモニウム)、塩化ベンザルコニウム、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、BDDABr(臭化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム)など)、アニオン界面活性剤(例えば、デオキシコール酸塩またはSDS)、または両性イオン界面活性剤(例えば、スルホベタイン3−10)など)である。かかるインヒビターは、例えば、ルシフェラーゼがATPをルシフェラーゼ−ルシフェリン反応に利用できる前に、試料中のATPアーゼがATPをアデノシン二リン酸(ADP)及びアデノシン一リン酸(AMP)にプロセシングすることを防止する。ATPアーゼインヒビターは、直接または間接的にATPアーゼを不活性化し得る。それらは活性部位においてATPアーゼに結合し、これにより基質の結合を防止し得るか、もしくは例えば、変性界面活性剤によりATPアーゼを変性させ得るか、またはそれらは基質からATPアーゼを選択的に隔離し得る。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、ATP生成酵素の1種以上のインヒビターを含有する構成成分を含む。一部の試料において、キナーゼなどの酵素は活性であり得、ATPの継続的な生成を可能にする。ATP濃度は特定の時点で決定されるため、かかる酵素活性はATP濃度の過剰評価をもたらし得る。幾つかの実施形態では、かかるATP生成活性に対処するために、本明細書における試薬組成物及び/またはキットは、ATP生成のインヒビターを含む。有用な化合物の例としては、NaFが挙げられ、これは、少なくとも1mM、2mM、5mM、10mM、20mM、50mM、100mM以上、またはそれらの間の範囲の濃度で有用である。任意のかかるインヒビターが使用され得、ただし、それは本明細書における実施形態の有用性の範囲を超えるようにルシフェラーゼに有害な影響を及ぼさない場合である。ATP生成酵素の他のインヒビターとしては、バナジン酸、パラニトロフェニルリン酸、及びジクロロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は、細胞溶解剤及び/またはATP抽出剤を含む。試料が細胞を含み、細胞内ATPの検出/定量化が望まれる実施形態では、細胞を溶解するため、及び/または細胞からATPを遊離させるための試薬が提供され得る。幾つかの実施形態では、細胞内のATPを遊離させるため、及び/または試料中の細胞を溶解させるために、非イオン性界面活性剤などの細胞溶解剤が含まれる。他の非イオン性界面活性剤(例えば、トリトン系界面活性剤)、カチオン、アニオン、及び両性イオン界面活性剤、胆汁酸塩、カオトロープ、及びオキシリジンなどの細菌毒素が含まれる細胞膜を破壊する任意の他の薬剤が含まれる、任意の細胞溶解剤が意図される。あるいは、細胞からのATP抽出を可能にする任意の薬剤(例えば、CTAB)が意図される。細胞からのATPの抽出を可能にする薬剤としては、細胞膜を透過性にし、細胞内のATPが周囲の培地に浸出するのを可能にする濃度で存在するが、細胞可溶化物を生成する濃度では存在しない界面活性剤が挙げられる。
幾つかの実施形態では、キットまたは試薬組成物は1種以上の安定化剤を含む。幾つかの実施形態では、安定化剤は、ルシフェラーゼが分解しないように安定化する任意の化合物であり得る。好適な安定化剤としては、タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン、ゼラチンなど)、界面活性剤(例えば、THESITなどの非イオン性界面活性剤)などが挙げられる。
幾つかの実施形態では、他の薬剤が本明細書におけるキットまたは試薬組成物に含まれ得る。例えば、キットまたは試薬組成物は、ルシフェラーゼ反応に起因する発光の持続時間を増強することが知られている物質、例えば、補酵素A(CoA)、チオール試薬、例えば、ジチオトレイトール、βメルカプトエタノール、及びシグナルを延長するためのEDTAなどの金属イオンキレート剤、プロテアーゼインヒビター、または塩(例えば、NaCl、KCl、Na2SO4、NAHCO3、NaH2PO4など)を含み得る。
幾つかの実施形態では、試薬組成物及び/またはキットの他の構成成分は、1つ以上の容器または入れ物に含まれる。幾つかの実施形態では、試薬組成物の構成成分は単一の容器または入れ物の中に含まれる。幾つかの実施形態では、キットは、試薬組成物を含む複数の容器または入れ物を含み得る。幾つかの実施形態では、キットは、試薬組成物(上記を参照のこと)以外の試薬を含む1つ以上の容器または入れ物を含む。幾つかの実施形態では、キットに含まれる構成成分及び試薬は、種々の構成成分の寿命が保たれ、容器の材料により吸着または変化されないような任意の種類の容器で供給される。容器または入れ物は、任意の好適な材料、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの有機ポリマー、セラミック、金属、または試薬を保持するのに通常用いられる任意の他の材料を含んでもよく、またはそれらから構成されていてもよい。好適な容器の例としては、アンプル、ボトル、薬袋、試験管、バイアル、フラスコ、ビン、シリンジなどが挙げられる。
幾つかの実施形態では、キットは適切な使用説明資料を含み、及び/または試薬組成物は適切な使用説明資料と共に提供される。使用説明書は、紙もしくは他の基材に印刷され得、及び/または電子読み取り可能な媒体、例えば、フロッピーディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどとして供給され得る。詳細な使用説明書はキットに物理的に付随していなくてもよく、その代わりに、ユーザーはキットの製造者もしくは販売業者によって指定されたインターネットウェブサイトに誘導されてもよく、または電子メールとして供給されてもよい。幾つかの実施形態では、使用説明書は、試薬組成物(例えば、ルシフェラーゼとルシフェリンとを含む)を試料と組み合わせてATPを検出または定量化するようにユーザーに指示する。
幾つかの実施形態では、試薬組成物は、液体試薬として提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される安定なルシフェラーゼ酵素バリアント及びルシフェリンを単一の予備混合された液体試薬で提供することによって、凍結乾燥された試薬を再水和することによりもたらされるばらつきが排除される。他の実施形態では、試薬組成物は、凍結乾燥形態で提供される。幾つかの実施形態では、本明細書におけるキットの他の構成成分は、1つまたは複数の液体組成物または乾燥組成物として提供され得る。
幾つかの実施形態では、生物発光アッセイのための試薬組成物は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアント、及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。幾つかの実施形態では、試薬組成物は、マグネシウムを含む。幾つかの実施形態では、試薬組成物は、緩衝液、脱泡剤、ATPアーゼインヒビター、L−ルシフェリン、アザチオチミジン、酵素安定剤、界面活性剤、ATP生成酵素のインヒビター、細胞溶解剤、ATP抽出剤、補酵素A、チオール試薬、金属イオンキレート剤、プロテアーゼインヒビター、及び塩からなる群から選択される1種以上の追加の成分を含む。これらの実施形態によれば、緩衝液は、Detection Reagent Buffer及びBright−Glo(商標) Bufferから選択される。
幾つかの実施形態では、試薬組成物は、本明細書に記載されるようにキットに含まれる。幾つかの実施形態では、キットは、生物発光アッセイ、例えば、限定されるものではないが、ATP検出及び/または定量化のためのアッセイ、カスパーゼ活性を測定するためのアッセイ、またはキナーゼ活性を測定するためのアッセイを実行するための使用説明書を含む。幾つかの実施形態では、キットは、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアント、及び当該5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。
生物発光アッセイ及び方法
本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及び試薬組成物(例えば、ルシフェラーゼバリアント及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む)は、なんらの特定の方法または用途における使用に限定されないが、それらの安定性及び活性(分解生成物の存在下での安定性及び活性を含む)のために、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及び試薬組成物は、試料中のATPの検出及び標的酵素活性の検出または定量化に特に有用である。
ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応はATP依存性であるため、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及び試薬組成物は、ATPを検出及び/または定量化するためのアッセイに使用される。ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応は、わずか10〜16モルのATPまたはそれ以下のATPを含有する試料におけるATPを検出することを可能にする。幾つかの実施形態では、本明細書において、細胞のATPレベルを効率的かつ正確に検出及び定量するために使用される方法、組成物、及びキットが提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及び試薬組成物は、衛生監視などのための非細胞性試料(例えば、水)における表面のATPの検出に使用される。
幾つかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及びルシフェリン(及び任意に5,5−二置換ルシフェリンアナログ)を含む単一の試薬組成物の、試料(例えば、ATPを含むか、またはおそらく含むと疑われる試料)への添加、及び発光を検出することを含む。幾つかの実施形態では、追加の構成成分及び/または試薬(上記を参照のこと)が試薬組成物と共に含まれるか、または別々に添加される(例えば、キナーゼインヒビター、ATPの蓄積を防止する化合物、細胞溶解剤(例えば、THESITなどのポリオキシエチレン)、ATP抽出剤、マグネシウム、緩衝液、塩など)。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント及びルシフェリンを単一の試薬に含めることにより、ATPの検出が早まり、アッセイ及び取り扱いが簡略化され、及び/または再現性が高まる。
本明細書において述べるように、本明細書における方法、組成物、及びキットは、試料中のATP(またはルシフェラーゼ基質として機能することができるATPアナログ)の定性的または定量的検出に特に有用である。幾つかの実施形態では、試薬組成物(例えば、本明細書に記載されルシフェラーゼ酵素バリアント及び5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む)を使用して試料中で発光が生成される単純な定性的実験は、ATPの存在を示す。幾つかの実施形態では、試料中のATPの量が定量化されるアッセイが提供される。本明細書におけるルシフェラーゼ、試薬組成物、及び/またはキットを使用して、単一の時点で、複数の時点で、またはリアルタイムでATPが検出(例えば、定性的に)及び/または定量化され得る。
幾つかの実施形態では、試料は、ATPまたは好適なATPアナログを含有するか、または含有することが疑われるあらゆるもの、例えば、細胞可溶化物、インタクトな細胞、生検、食物、飲料、水、表面、例えば、動物、植物、または無生物の表面を拭ったスワブなどである。幾つかの実施形態では、試料は、細胞可溶化試料、無細胞調製試料、または精製酵素配合試料のうちの1種以上である。他の実施形態では、試料は、環境試料、土壌試料、水試料、工業化学試料、法医学試料、食品ベースの試料、液体試料、飲料ベースの試料、または生化学試料のうちの1種以上である。
試料の他の例としては、既知のATP濃度の組成物が挙げられる。細胞または細胞可溶化物は、任意の原核生物または真核生物に由来し得る。試料には、精製酵素の調製物(例えば、細胞成分を含まない)も含まれ得る。真核細胞は、植物、動物、真菌、昆虫など、またはかかる生物由来の培養細胞に由来し得る。これらの例は、例としてのみ提供され、限定することを意図しない。
細胞可溶化物は、認識できるインタクトな細胞構造にもはや組織化されない細胞成分を含む。細胞可溶化物は、可溶性成分及び不溶性成分を有し得、これらのいずれも可溶化物を使用する前に除去され得る。可溶化物は、超音波処理、ダウンス型ホモジナイザー、乳鉢及び乳棒、凍結融解サイクル、または細胞の物理的完全性を破壊する他の装置またはプロセスを使用する物理的破壊を含む任意の手段によって;または界面活性剤、例えば、ルシフェラーゼ活性が維持される界面活性剤、例えば、両性イオン及び非イオン性界面活性剤、もしくはカチオン界面活性剤DTABもしくはCTABによる溶解によって調製され得る。好ましくは、細胞可溶化物は、細胞が収集された時点でのATP濃度の完全性が保持されるような方法で作製される。
幾つかの実施形態では、試料中のATPを正確に検出するために、細胞のATPを分解する酵素またはATPを生成する酵素は、好ましくは阻害されるか、または除去される。ATP生成酵素、例えば、キナーゼの活性のなどの、生成物または副産物としてATPを有する酵素のインヒビターが、試薬組成物(例えば、ルシフェラーゼバリアント及びルシフェリンアナログを含む)または試薬組成物を含むキットに組み込まれ得る。
本明細書におけるルシフェラーゼ、試薬組成物、方法、及びキットは、ユーザーが、発光の量を定量化することによって試料中のATPの量を定量化するのを可能にする。幾つかの実施形態では、関心対象の試料を試験するために、(単一の組成物中の)ルシフェラーゼバリアント及びルシフェリンアナログが適用される。幾つかの実施形態では、(単一の組成物中の)ルシフェラーゼバリアント及びルシフェリンアナログは、既知の量のATPを含有する試料(対照)にも適用される。試験試料から生成されるシグナルの大きさは、試料中のATPの濃度と相関する。幾つかの実施形態では、未知のATP濃度の試料からの発光シグナルの大きさが、内部標準(既知の量のATPの試料への添加及びその後の発光を測定すること)または既知のATP濃度の幾つかの試料の発光を測定し、それらをグラフにプロットすることにより生成される外部標準曲線のいずれかによって生成されるシグナルと相関される。
幾つかの実施形態では、試料中のATPを検出または定量するためのアッセイ系は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントを含む試薬組成物、5,5−二置換ルシフェリンアナログ、及びATPを含むか、または含むことが疑われる試料を含む。幾つかの実施形態では、アッセイ系は、生物発光の検出及び/または測定のための装置を含む。
幾つかの実施形態では、本開示のアッセイ及び方法は、試料中のATPを検出または定量化する方法を含む。これらの実施形態によれば、本方法は、本明細書に述べる試薬組成物のいずれかを、ATPを含むか、または含むことが疑われる試料に添加すること、及び生物発光シグナルを検出または定量化することを含む。
幾つかの実施形態では、本開示は、試料中の標的酵素活性を検出または定量化するためのアッセイ系を含む。これらの実施形態によれば、アッセイ系は、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼ酵素バリアントを含む試薬組成物、当該5,5−二置換ルシフェリンアナログ、及び標的酵素を含むか、または含むことが疑われる試料を含む。幾つかの実施形態では、アッセイ系は、標的酵素の基質に結合されている1種以上の5,5−二置換ルシフェリンアナログを含む。これらの実施形態によれば、標的酵素は、プロテアーゼ、カスパーゼ、キナーゼ、シトクロム450(CYP450)、またはモノアミンオキシダーゼである。幾つかの実施形態では、アッセイ系は、生物発光の検出及び/または測定のための装置を更に含む。
幾つかの実施形態では、本開示のアッセイ及び方法は、試料中の標的酵素活性を検出または定量化する方法を含む。これらの実施形態によれば、本方法は、本明細書に述べる試薬組成物のいずれかを、標的酵素活性を含むか、または含むことが疑われる試料に添加すること、及び生物発光シグナルを検出または定量化することを含む。
Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及び本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアント(例えば、配列番号1のバリアント)の発光は、E.coliなどの細胞において酵素を発現させること、及び寒天プレート上で個々のコロニーを成長させることにより測定され得る。次いで、寒天プレート上のコロニーに、ルシフェリン及び/またはルシフェリンアナログが噴霧され得、目またはCCDカメラなどの光学装置による発光の目視が可能となり得る。ルシフェリンアナログのプロルシフェリンバージョンも、プロルシフェリンを分解させてルシフェリンまたはルシフェリンアナログを修飾部分から分離することによりプロルシフェリンを活性化する酵素を含むアッセイにおいて利用され得る。これらのアッセイとしては、カスパーゼ及びB−ガラクトシダーゼ(例えば、図27A〜27B及び28A〜28Bを参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、これらの方法により酵素活性を分析することは、様々な病原体の存在を同定及び/または検出するために使用され得る。
本明細書に記載される本開示の方法の他の好適な改変及び適合が容易に適用可能かつ明らかであり、本開示の範囲または本明細書において開示される態様及び実施形態を逸脱しない範囲で好適な等価物を使用してなされ得ることが当業者にとって容易に明らかとなるであろう。以上、本開示を詳細に記載したが、同じことが、単に本開示の幾つかの態様及び実施形態を例示することのみを目的とし、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきでない以下の実施例を参照することでより明確に理解されるであろう。本明細書において参照される全ての学術誌参考文献、米国特許、及び刊行物の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、以下の非限定的な実施例により例示される複数の態様を有する。
ルシフェリンアナログの活性
本開示のルシフェリンアナログ化合物(例えば、米国特許出願番号第15/829,581号/PCT出願第PCT/US2017/064284号に記載されている(これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))を試験して、コメツキムシ緑色ルシフェラーゼ、コメツキムシ赤色ルシフェラーゼ、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント、及びホタルルシフェラーゼが含まれる様々なルシフェラーゼ酵素の基質としてのそれらの活性を決定した。各酵素の0.05mg/mLの溶液を、3mMのATPを含有するBRIGHT−GLO(商標)アッセイ緩衝液(Promega E263A)中に調製した。次いで、各酵素の3倍連続希釈物を、3mMのATPを含有するBRIGHT−GLO(商標)アッセイ緩衝液中に調製し、各ストックの300μLを、700μLの緩衝液中に連続希釈した。各基質の溶液(0.5mM)を、ルシフェリンを含まない水中に調製し、50μLの各基質溶液を、50μLの酵素希釈物と組み合わせた。試料を室温で1分間インキュベートし、発光をGLOMAX(登録商標)−Multi+プレートルミノメーターで測定した。試験された酵素(コメツキムシ緑色ルシフェラーゼ、コメツキムシ赤色ルシフェラーゼ、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント、及びホタルルシフェラーゼ)は、本開示のジメチル基質を利用して光を生成することができた。これらの試験において、コメツキムシ酵素は、ジメチル基質を利用して、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びホタルルシフェラーゼよりも強いシグナルを生成した。
基質の結合親和性を比較する手段として、亜飽和D−ルシフェリンの存在下で、更なる試験を、様々な基質濃度で実施した。0.005mg/mlのコメツキムシ緑色ルシフェラーゼ(CBG)またはPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の溶液を、3mMのATPを含有するBright−Glo(商標)アッセイ緩衝液(Promega E263A)中に調製した。次いで、各基質の2mMの溶液を、D−ルシフェリン(亜飽和)を含有する水中に調製した。場合によっては、基質はラセミ体ルシフェリン(D/L混合物)を含んだ。各基質を、ルシフェリンを含まない水中に2倍連続希釈した。50μLの各基質希釈物の試料を、50μLの酵素溶液と組み合わせた。試料を室温で1分間インキュベートし、発光をGLOMAX(登録商標)Multi+プレートルミノメーターで測定した。5,5位置により大きな側鎖を有する基質は、より高い見かけのRLUmax値を有し、このことは、それらがより小さな5,5二置換側鎖と比較してD−ルシフェリンに対する阻害性が低いことを示す。見かけのKm値は、より小さな5,5位側鎖を有するアナログが、より大きな5,5位の置換と比較して、D−ルシフェリンの存在下でより密接にルシフェラーゼ酵素に結合することを示唆する。
様々なpHでのルシフェリンアナログ化合物の活性も試験した。25mMの緩衝液:クエン酸、MES、PIPES、HEPES、及びTAPSのうちの1つを含有するストック緩衝液を調製した。この緩衝液は、0.5%(v/v)のTergitol、0.05%のMazu DF204、及び10mMのMgSO4も含有した。緩衝液を分取し、NaOHを様々な量で添加して、pH系列を得た。各溶液の正確なpHを、pHメーターにより決定した。ATP(1mM)及びコメツキムシ緑色ルシフェラーゼ(CBG、0.01mg/mL)をpH系列の各緩衝液に添加した。各ジメチル基質(0.2mM)のラセミ混合物を、ルシフェリンを含まない水中に調製した。希釈された各基質(50uL)及びpH系列の各緩衝液(50uL)を三重反復で組み合わせ、即時に(t=0)及び室温での15分のインキュベート後にGLOMAX(登録商標)−Multi+プレートルミノメーターを使用して発光を測定した。結果は、ジメチル基質のラセミ混合物が、約pH5.6から約pH8.3までのpH範囲にわたり活性なルシフェラーゼ基質であることを示した。従って、本開示の化合物は、L及びD形態の両方において、広範囲なpHにわたりホタルルシフェラーゼまたはコメツキムシルシフェラーゼにより利用されて、生物発光を生成し得る。
5,5位での置換を有するルシフェリンアナログが、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアントの基質であり得るかを決定するため、アルキル基の様々な二置換及び閉環構造を含有するアナログを発光アッセイに用いて試験を実行した。1×TBS+1%のPrionex中に調製された0.005mg/mlのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の溶液を、Bright−Glo(商標)アッセイ緩衝液(Promega E263A)中の0.5mMのATPと組み合わせた。全ての基質をDMSO中に20mMまで別々に希釈した。室温での30分間のインキュベート後、希釈された基質を1mMの最終濃度となるように反応物に添加し、ピペット操作により混合した。反応物を室温で更に1分間インキュベートし、GLOMAX(登録商標)−Multi+プレートルミノメーターで発光を測定した。5,5位により大きな置換(例えば、シクロヘキシル(CS0392)、ジベンジル(CS0396)、及びジエチル(CS0388))を有するルシフェリンアナログの幾つかは、全て測定可能な発光値を示し、Ppeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)がこれらを基質として利用することができることを実証した。
ルシフェラーゼ酵素バリアントの活性部位飽和スクリーニング
図3は、Ppeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)に対して高親和性を有するルシフェリンアナログを同定するための競合阻害アッセイの結果の代表的なグラフを含む。より具体的には、図3は、ルシフェリンアナログCS0280、CS0333、CS0510、CS0326、CS0325、及びCS0431の非存在または存在下でのD/L−ルシフェリンによるPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の正規化された発光を含む。これらの生物発光実験のための試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液(Promega E263A)中の0.005mg/mLの配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント、0.5mMのATP、及び100nMのLH2を含み、これに0または1mMの5,5−二置換ルシフェリンアナログが添加された。
配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアントの5,5−二置換ルシフェリンアナログでの試験は、ほとんど発光を示さず、ルシフェリンの存在下では減少した光出力を示し、このことは、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアントの競合阻害を示した。これらの実験の結果に基づいて、以下の5,5−二置換ルシフェリンアナログが、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアントの活性部位に対するそれらの親和性に基づいて、更なる実験のために選択された:CS0280(5,5−ジメチル)、CS0333(5,5−シクロプロピル)及びCS0326(5,5−シクロブチル)。これらの5,5−二置換ルシフェリンアナログを使用して、生物発光アッセイに使用するための改善または増強された特性を有する、配列番号1のルシフェラーゼ酵素のバリアントを作製した。
図4は、配列番号1のルシフェラーゼの活性部位の代表的画像(左)、示された位置での様々なアミノ酸置換を含む表(中央)、及び試験されたバリアントの各々の活性レベルを示すグラフ(右)を含む。Ppeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(ATG−2287;配列番号1)の12個の位置を、それらが活性部位に近いことから部位飽和スクリーニングに選択した。バリアントは、20種のアミノ酸全てを使用して作製された。ライブラリーを、Detection Reagent(Promega、V8921)中のATPと共に100nMのD/L−ルシフェリンを含有するE.coli可溶化液でスクリーニングした。示すように、244、249、337、及び339位での変異が明るさの改善を示した。
図5は、CS0333を用いて試験されたルシフェラーゼ酵素バリアントの活性レベル及びそれらのアミノ酸置換の比較を示す代表的な表(左)及び対応するグラフ(右)を含む。Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の近縁ホモログであるL.cruciataのルシフェラーゼの構造解析に基づいて、発光基質(例えば、5,5−二置換ルシフェリンアナログ)が結合すると予測される酵素の活性部位近くの残基を標的とした、部位飽和変異誘発ライブラリーを構築した。これらの実験のための試薬組成物は、Detection Reagent緩衝液中の100nMのD、L−ルシフェリン、または0.25uMのCS0333を含んだ。244位の部位飽和ライブラリーを、Detection Reagent緩衝液中のATPと共にCS0333を含有するE.coli可溶化液でスクリーニングし、改善された活性を有する変異を配列決定した。示すように、244位でのTrp、Arg、及びGlyのアミノ酸置換(H244W、H244R、H244G)は、Ppeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)において見出されるHisと比較して改善された活性を有した。これは、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアントのATG−2889(H244W)バリアント(配列番号5)をもたらした。
図6A〜6Cは、5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下でのPpeの熱安定性バリアント(配列番号1)及びコメツキムシ緑色(CBG99)の活性を比較している代表的なグラフを含む。試薬組成物は、1×TBS+1%のPrionex中に希釈した0.005mg/mlのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)またはCBG99(コメツキムシ緑色ルシフェラーゼ)酵素を含んだ。ATPを、1mMまで緩衝液(図6A及び6BについてBright−Glo(商標)緩衝液及び図6CについてDetection Reagent Buffer)中に希釈し、ルシフェラーゼアナログ化合物を、緩衝液+1mMのATP中に希釈し、50μlの希釈された化合物と組み合わせた50μlの希釈された化合物を、緩衝液+ATP中に希釈した。発光を、GloMax(登録商標) Multiルミノメーターを使用して3分の時点で読み取った。基質を含有しない対照試料(「ルシフェリン無し」対照)において観察された多量の発光は、真の基質特異的なシグナルを明らかにするために反応の間に使い尽くされる(「消費し尽くされる」)必要があった反応緩衝液中のルシフェリンが混入したためである可能性が高かった。図6Aに示すように、対照レベルより低いルシフェリンアナログを含有する試料は、Ppeバリアント及びCBG99の両方の活性の阻害を示す。
図6B〜6Cにおいて、混入したルシフェリンがベースラインレベルまで30分間消費し尽くされ、次いで、特異的な発光活性を測定するために基質が添加された。図6Bにおいて実証されるように、Ppeバリアントでは、Bright−Glo(商標)緩衝液中のルシフェリンアナログでごくわずかなシグナルしか検出されなかった。しかしながら、顕著な発光がCBG99及びルシフェリンアナログにより観察された。図6Cに示すように、Bright−Glo(商標)緩衝液の代わりのDetection Reagent Bufferの使用は、Ppeバリアントでより高い量の活性をもたらしたが、傾向は同様である。
増加した活性及びデヒドロルシフェリンに対する耐性を有するルシフェラーゼ酵素バリアントの組み合わせ
図7は、配列番号1の244位及び339位でのアミノ酸置換を有するルシフェラーゼ酵素バリアントの、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。アッセイは、酵素を発現するE.coliの一晩培養物をDetection Reagent+ATP+基質(ルシフェリンアナログ化合物CS0280、CS0333、CS0510、及びCS0326)と組み合わせることにより調製し、発光を3分の時点で読み取った。試薬組成物は、配列番号1のPpeバリアントの熱安定性ルシフェラーゼバリアントの50μlの可溶化液、0.5mMの基質、及び1mMのATPを含んだ。これらのデータは、E.coli可溶化液を使用した実験が、ATG−2889(H244W)の活性が、CS0333でバックグラウンドの約285倍超であり、その活性は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のCS0333でのバックグラウンドより低かった(阻害された)活性より顕著に高かったことを実証することを示す。
図8は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2624及びATG−2625の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の244(H244R)位での変異が、デヒドロルシフェリンに対する耐性を示すだけでなく、改善された活性も示したため、同様の変異を有するバリアントも試験した。具体的には、ATG−2624(I240L+Y254S+T344A+I396K)及びATG−2625(H244R+V300G+I396K)を、細胞可溶化物中でのルシフェリンアナログに対する活性について試験した。アッセイは、酵素を発現するE.coliの一晩培養物をDetection Reagent+ATP+基質(ルシフェリンアナログ化合物CS0280、CS0333、CS0510、及びCS0326)と組み合わせることにより調製し、発光を3分の時点で読み取った。試薬組成物は、Ppeルシフェラーゼ可溶化液(配列番号1)の熱安定性ルシフェラーゼバリアントの50μlの可溶化液、0.5mMの基質、及び1mMのATPを含んだ。これらのデータは、ATG−2624バリアントがルシフェリンアナログ化合物で観察可能な活性を示したことを示し、その変異のうちの1つ以上が活性を付与したことを示す。
部位飽和スクリーニングの間に同定されたPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)におけるH244Wアミノ酸置換をデヒドロルシフェリン耐性バリアントであるATG−2624と組み合わせて、5,5−二置換ルシフェリンアナログでのその活性を試験し、これらのアミノ酸置換が相加効果を有したかどうか決定した(ATG−2890)。図9Aは、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2877、ATG−2624、及びATG−2890の、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での活性を評価している代表的なグラフを含む。ルシフェリンアナログ化合物を、反応緩衝液(Bright−Glo(商標)またはDetection Reagent緩衝液のいずれか)中で50mM〜20mMに希釈した。ルシフェラーゼ酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈した。試薬組成物は、50μlのReaction Buffer+ATPを含み、これを50μlの希釈された酵素と組み合わせた。プレートを室温で30分間インキュベートして、バックグラウンドを最小限にし、5μlのルシフェリンアナログ基質を1mMの最終濃度に添加した。プレートを、化合物添加前後の3分及び20分時点で読み取った。精製酵素フォーマットでのこれらの実験の結果は、ATG−2890が、Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液の両方において、CS0280及びCS0333の両方で光出力の相加的改善を示し、その活性は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のこれらのアナログでのバックグラウンドより低かった(阻害された)活性より顕著に高かったことを示す。
図9Aと同様の設定を使用して実験を実施して、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2877(H244W)及びATG−2890(ATG−2624+H244W)の活性に対するCS0280及びCS0333ルシフェリンアナログの両方の効果を試験した(図9B)。これらの結果により、ATG−2877(H244W)及びATG−2890(ATG−2624+H244W)バリアントのジメチル及びシクロプロピルルシフェリンアナログでの改善された光出力が確認された。ATG−2877及びATG−2890の両方で、これらのアナログでの酵素活性は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性より顕著に高かった。
図9C及び9Dにおいて、これらの結果を確認するために更なる実験を実施した。図9Cに示すように、ATG−2890バリアントは、Bright−Glo(商標) Bufferにおいて、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比較してCS0280で活性の120倍の増加及びCS0333で活性の1,470倍の増加を示した。更に、図9Dに示すように、ATG−2890バリアントは、Detection Bufferにおいて、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)を比較してCS0280で活性の6倍の増加及びCS0333で活性の3,050倍の増加を示した。
増強されたルシフェラーゼ酵素活性に重要なアミノ酸置換の決定
図10A〜10Bは、5,5−二置換ルシフェリンアナログ基質の存在下での様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性に対するアミノ酸置換の効果を評価している代表的なグラフを含む。具体的には、図10Aは、Detection Reagent緩衝液を使用した実験の結果を含み、図10Bは、Bright−Glo(商標)緩衝液を使用した実験の結果を含む。ルシフェリンアナログ化合物は、DMSO中で50mM〜20mMに希釈された。ルシフェラーゼ酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈した。試薬組成物は、50μlのBright−Glo(商標)またはDetection Reagent緩衝液中1mMのアナログ化合物+1mMのATP+0.5mMの化合物を含み、これを1×TBS+1%のPrionex中に希釈された50μlの酵素と組み合わせた。プレートを3分の時点で読み取った。図10A及び10Bの両方に示すように、アミノ酸置換の試験された全ての組み合わせは、CS0280(ジメチルルシフェリン)またはCS0333(シクロプロピルルシフェリン)のいずれかの利用において、Ppe(配列番号1)の熱安定性ルシフェラーゼバリアントと比較して改善された活性を有するルシフェラーゼ酵素バリアントをもたらした。ATG−2889バリアントは、Detection Reagent Bufferにおいて両方のアナログに対して最も高い活性を有するため、これを更なる進化スクリーニングに選択した。
CS0333のアミノバージョン及びフルオロバージョンの効果
ルシフェラーゼバリアントATG−2889(H244W+T344A+I396K)の活性を、ルシフェリンアナログで活性を示した唯一の既知のルシフェラーゼであったコメツキムシ緑色(CBG99)と比較した。図11A〜11Bは、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2889及びコメツキムシ緑色(CBG99)と共に使用した、CS0333ルシフェリンアナログのアミノバージョン(6916−01)及びフルオロバージョン(9626−01)の効果を評価している代表的なグラフを含む。具体的には、図11Aは、Detection Reagent緩衝液を使用した実験の結果を含み、図11Bは、Bright−Glo(商標)緩衝液を使用した実験の結果を含む。ルシフェリンアナログ化合物は、Detection Reagent BufferまたはBright−Glo(商標)緩衝液中で50mM〜20mMに希釈された。ルシフェラーゼ酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈した。試薬組成物は、50μlのReaction Buffer+ATPを含み、これを50μlの希釈された酵素と組み合わせた。プレートを室温で30分間インキュベートして、バックグラウンドを最小限にし、5μlのルシフェリンアナログ基質を1mM(OH−ルシフェリンについては100nM)の最終濃度に添加した。プレートを、化合物添加前後の3分及び20分時点で読み取った。図11A及び11Bの両方に示すように、ATG−2889バリアントは、ルシフェリンアナログでCBG99と比較して増強された活性を示し、またATG−2889は、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントのバリアントであるため、CBG99と比較して増強された熱安定性及び緩衝液に対する耐性も示す。更に、CS0333のアミノバージョン(6916−01)及びフルオロバージョン(9626−01)は、それらがCBG99で同程度の活性を示した場合であっても、ATG−2889バリアントではより明るくなかった。
図11Cは、CS0333でのATG−2889活性に対する異なる緩衝液組成物の効果を評価している代表的なグラフを含む。Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液を試験することに加えて、Applied Buffer#1及びApplied Buffer#2も試験した。Applied Buffer#1は、100mMのMES(pH6.5)、10mMのMgCl2、5mMのクエン酸ナトリウム、0.2%のTergitol、10%のグリセロール、及び0.2mg/mlのBSAを含んだ。Applied Buffer#2は、100mMのMES(pH6.5)、10mMのMgCl2、0.2%のTergitol、0.4%のPrionex、及び1mMのDTTを含んだ。示すように、ATG−2889の活性は、試験された緩衝液の間で顕著な差はなかった。
epPCR、DNAシャフリング、及び組み合わせ解析を使用して同定されたルシフェラーゼ酵素バリアントの評価
Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)に基づいたエラープローンPCR(epPCR)ライブラリー、続いて、アミノ酸置換の最適な組み合わせを見つけるためのトップヒットのDNAシャフリングを使用して、指向性進化(DE)スクリーニングにより酵素活性の更なる改善を付与するアミノ酸置換を有するバリアントを同定した。図12Aは、CS0280、CS0333、及びCS0510ルシフェリンアナログを使用したこれらのバリアントの活性試験の代表的な結果を含む。これらの実験を実施するために、試薬組成物は、Bright−Glo(商標)(BG)緩衝液またはDetection Reagent(DR)緩衝液中の0.005mg/mlの酵素+1mMのATP+1mMの基質を含んだ。示すように、幾つかのクローンがスクリーニングにより同定され、精製されたタンパク質を用いて、CS0280(ジメチルルシフェリン)及びCS0333(シクロプロピルルシフェリン)による改善された明るさを有することが確認された。テーブルは、各列の中での相対的な発光値に従って赤色〜緑色のスペクトルにわたる色がつけられており、最も低い値は赤色に着色され、最も高い値は緑色に着色されている。
epPCRの後に、DNAシャフリングを使用して、同定されたルシフェラーゼ酵素バリアントの改善された活性を付与するアミノ酸置換を同定した。図12Bに示すように、Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液の両方において、N228D、V300G、L305F、及びS306Pが含まれるATG−2889バリアントの明るさと比較して、CS0333での改善された明るさを付与した幾つかの追加のアミノ酸置換が同定された。
図13は、アミノ酸置換V300G、L305F、及びS306PのCS0333アナログでの酵素活性に対する効果の代表的なグラフを含む。試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液中の0.005mg/mlの酵素+1mMのATP+100nM〜1mMの基質を含んだ。示すように、ATG−2889、ATG−3549、ATG−3550、ATG−3551、ATG−3552、及びATG−3553含め、全ての試験したバリアントは、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比較して、CS0333での改善された活性を示し、ATG−3550が最も高い活性を示した。
上記のDNAシャフリング実験からの配列データの線形回帰解析により、CS0333での改善された酵素活性に関連する追加のアミノ酸置換が予測された。図14は、線形回帰及び組み合わせ解析を使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの5,5−二置換ルシフェリンアナログでの活性試験の代表的結果を含む。試薬組成物は、Detection Reagent緩衝液中の50μlの0.005mg/mlの酵素+50μlの1mMの5,5−シクロプロピルルシフェリン+1mMのATPを含んだ。示すように、少数の組み合わせを試験することにより、ATG−2889バリアントバックグラウンドにS193A+N228D+L305Fを組み込むことによって、Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液の両方におけるCS0333での明るさが更に改善されるという発見がもたらされた。
ルシフェラーゼ酵素バリアントの動力学的試験
合理的突然変異誘発を使用して、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2671(G245A+L285I+G315A)におけるアミノ酸置換が同定され、改善された活性を付与すると仮定された。これを試験するために、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−2671の両方のVmax及びKmを比較した。図15は、ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2671のD/L−ルシフェリンでの動力学的活性の代表的なグラフを含む。試薬組成物は、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈された酵素、Bright−Glo(商標)緩衝液中に2mMまで希釈されたATP、Bright−Glo(商標)緩衝液+ATP中に連続希釈されたOH−ルシフェリンを含み、Bright−Glo(商標)緩衝液+ATP中の50μlの基質が、1×TBS+1%のPrionex中に希釈された50μlの酵素と組み合わされた。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。ATG−2671は、ルシフェリンアナログ(データ非表示)では活性を示さなかったが、D/L−ルシフェリンではPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と同程度の活性及び動力学を示し、ATG−2671がルシフェリンアナログを利用することができないのは酵素活性の欠如のためではなかったことを示唆する。
図16A〜16Bは、2種の緩衝液組成物における、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のルシフェリンでの動力学解析及びATG−2289バリアントのCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。図16Aに示すように、ATG−2889は、Detection Reagent緩衝液において、D/L−ルシフェリンでは、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)とほぼ同じ動態を示すが、Bright−Glo(商標)緩衝液では、明るさがわずかに小さい。ATG−2889の基質に対するKmは、両方の緩衝液において、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントと比較して改善されている。CS0333(シクロプロピルルシフェリン)では、ATG−2889は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比較して顕著に高い活性も示す。(CS0333は、熱安定性ルシフェラーゼであるPpeバリアントの活性を阻害する)
図16Bは、同様の結果を提供する。試薬組成物は、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈された酵素、Bright−Glo(商標)緩衝液中に2mMまで希釈されたATP、Bright−Glo(商標)緩衝液+ATP中に連続希釈されたOH−ルシフェリンを含み、(Bright−Glo(商標)緩衝液+ATP中の)50μlの基質が、1×TBS+1%のPrionex中に希釈された50μlの酵素と組み合わされた。組成物を、定量化の前に3分間インキュベートした。示すように、CS0333(CS0333−02及びCS0333−02−Na)では、ATG−2889の活性は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントと比較して顕著に高かった(CS0333は、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントの活性を阻害する)。しかしながら、ATG−2889のCS0333(CS0333−02及びCS0333−02−Na)でのVmaxは、Bright−Glo(商標)緩衝液においてルシフェリンでのVmaxより23.1倍低く、Detection Reagent緩衝液においてルシフェリンでのVmaxより42.9倍低かった。
図17は、2種の緩衝液組成物(Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液)における、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント、ATG−2889、ATG−3552、及びC4584D7(P1B10)酵素のルシフェリン及びCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。示すように、いずれの緩衝液においても、ATG−2889、ATG−3552、及びC4584D7(P1B10)バリアントは、ルシフェリンでPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と同様であるか、またはそれと比較して改善された動力学を示す。
更に、保存的または半保存的とみなされないものが含まれる、幾つかの他のアミノ酸置換が、以下の表2に示すように、ATG−2889になされた。ATG−2889のこれらのバリアントは、CS0333で、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比較して顕著に高い活性を示した(右端の列)。
表2:熱安定性ATG−2889バリアントの増強された活性
Figure 2021526800
図18は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−3674酵素の、それぞれATPと組み合わせたルシフェリン及びCS0333での動力学解析の代表的結果を含む。試薬組成物は、1mMの基質、100fM〜100uMのATP(10倍希釈物)、及び0.1mg/mlの酵素を含んだ。示すように、ATG−3674のCS0333との組み合わせは、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のルシフェリンとの組み合わせと比較して、ATPに対する同等のKm値〜改善されたKm値を示し、ATG−3674におけるアミノ酸置換がATP検出の感度に影響を及ぼさないことを示した。従って、ATG−3674ルシフェラーゼ酵素バリアントの熱安定性ルシフェリンアナログ基質CS0333との組み合わせは、ATP検出/定量化アッセイに効果的であろう。
様々なアミノ酸置換を有するルシフェラーゼ酵素バリアントの更なる解析は、ATG−3707バリアント(H244W+Y254S+T344A+S193A+N228D+L305F+S306P+I109V)の同定をもたらした。図19A〜19Dは、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性データ及び動力学解析の代表的結果を含み、図19B〜19Cは、バリアントATG−3707の増強された活性を強調する。
図19Aは、epPCRを使用して同定された様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの、5,5−シクロプロピルルシフェリンを使用した動力学解析の代表的結果を含む。試薬組成物は、1×TBS+0.5%のPrionex中の0.005mg/mlの酵素、1mMのATP、及び10fM〜1mMの基質を含んだ(Detection Reagent緩衝液中の連続希釈物)。示すように、epPCRの間に同定されたバリアントからの追加のアミノ酸置換組み合わせは、I109Vも酵素活性も更に改善し、ATG−3707(H244W+Y254S+T344A+S193A+N228D+L305F+S306P+I109V)をもたらすことを明らかにした。加えて、109位、214位、335位でのアミノ酸置換の全てが、Vmaxを増加させた。
図19B〜19Cは、3種の緩衝液組成物において、ルシフェリンを用いたPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びCS0333を用いたATG−3707バリアントを比較した活性試験の代表的結果を含む。試薬組成物は、1xTBS+0.5%Prionex中の0.005mg/mlの酵素、緩衝液中の1mMの基質、及び1mMのATPを含んだ。図19Bにおいて、ATG−3707バリアントは、バリアント間で最も高い活性を示し、示すようにCS033でのその活性は、Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液の両方において、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のルシフェリンでの活性と同等(例えば、10倍以内)であった。図19Cにおいて、ATG−3707バリアントは、CS0333で最も高い活性を示し、CS0280及びCS0510が後に続き、D/L−ルシフェリンでよりもCS0333でより高い活性を示した。これは、ATG−3707バリアントにおけるアミノ酸置換が、ルシフェリンの代わりにCS0333及び他のルシフェリンアナログを高効率で利用する能力を付与することを実証する。図19Dは、CS0333と比較したD/L−ルシフェリンでのATG−3707の性能の一部の損失(約1対数暗い)を実証している代表的な動力学データ、600nmでの光出力の赤方偏移した波長ピーク、及び試験された精製バリアントの最も高いVmaxを含む。
図19Eは、ルシフェリンまたはCS0333のいずれか、及び様々なヌクレオチド(ATP、CTP、GTP、UTP、dATP及びdGTP)を用いて、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−3707バリアントを比較している活性試験の代表的結果を含む。試薬組成物は、1×TBS+0.5%Prionex中に0.01mg/mlまで希釈された酵素を含んだ。基質を、Bright−Glo(商標)緩衝液中に2mMまで希釈し、個々のヌクレオチドを水中に22mMまで希釈した。約50μlの希釈された酵素を、50μlの希釈された基質と組み合わせた。反応物を、室温で約90分間インキュベートした。約11μlのヌクレオチドを、示された反応物に添加し、発光を3分後に読み取った。これらのデータは、ルシフェラーゼバリアントATG−3707が(Ppeバリアントと同様に)全てのヌクレオチドを触媒作用に利用できることを実証する。しかしながら、Ppeバリアントとは異なり、ATG−3707は、CS0333が基質として存在する場合も全てのヌクレオチドを触媒作用に利用することができる。
Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−3707(配列番号2)の異なる基質でのVmax及びKmの要約を、表3(以下)に提供する。ATG−3707バリアントは、Bright−Glo(商標)緩衝液及びCellTiterGlo緩衝液において、ラセミ体ルシフェリンで、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)より低いKmを示す。
表3:配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント及びATG−3707のVmax及びKm値
Figure 2021526800
ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−3707の改善された活性を付与するアミノ酸置換を同定するために、epPCRの第2ラウンドを実行した。以下の表4に示すように、Bright−Glo(商標)緩衝液、CellTiterGlo(登録商標)緩衝液、及びDetection Reagent緩衝液における、CS0333での改善された明るさを付与した幾つかの追加のアミノ酸置換が同定された(図2Cも参照のこと)。試薬組成物は、2mMのATPを含有する反応緩衝液中に20mM〜2mMに希釈されたCS0333を含んだ。精製酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈し、50μlの希釈された酵素を、各ウェル中で反応緩衝液中に混合された50μlの希釈されたCS0333+ATPと組み合わせた。反応物を25℃で3分間インキュベートし、発光を読み取り、次いで、並行して試験されたATG−3707の活性に正規化した。示すように、同定された全てのルシフェラーゼ酵素バリアントは、試験された緩衝液のうちの1種以上において、ATG−3707と比較して少なくとも10%の改善を示した。
表4:改善された活性を有するATG−3707のバリアント
Figure 2021526800
更に、表5(以下)は、上記に示したATG−3707のバリアントの動力学解析を含む。試薬組成物は、2mMのATPを含有する反応緩衝液中で1mMから10fMまで10倍に連続希釈されたCS0333を含んだ。精製酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈し、50μlの希釈された酵素を、各ウェル中で反応緩衝液中に混合された50μlの希釈されたCS0333+ATPと組み合わせた。反応物を25℃で3分間インキュベートし、発光を読み取り、次いで、並行して試験されたATG−3707の活性に正規化した。示すように、C2157D2を除く全てのバリアントは、ATG−3707と比較して改善されたVmax値を示した。C2157D2は、CellTiterGlo(登録商標)緩衝液におけるATG−3707と比較して改善された明るさのために選択されたため、依然として有益な特性を有した。これらのATG−3707のバリアントの幾つかは、CS0333基質に対するより低いKm値を示し、従って、それらが基質とより密接に結合しそうであることを示す。
表5:ATG−3707バリアントの動力学解析
Figure 2021526800
CS0280(ジメチルルシフェリン)及びCS0333(シクロプロピルルシフェリン)アナログに対する改善された活性を付与するアミノ酸置換を同定するために、epPCR/DNAシャフリング実験により得られた結果に対して更なるスクリーニングを実行した(表6)。これらの実験は、各ルシフェラーゼ酵素バリアントを発現するE.coli細胞を、1mMのATP+500μMの基質を含有するDetection Reagent中に溶解させることを含んだ。細胞可溶化物を、室温で3分間インキュベートし、発光を読み取った。生の発光測定値を、このスクリーニングにおいて対照として使用したATG−2889のプレート上での発光に正規化した。(正規化された発光=(変異体のRLU/ATG2889のRLU))。以下の表6に示すように、全てのルシフェラーゼ酵素バリアントは、試験された2種の基質の一方または両方で少なくとも3.5倍以上の発光を示し、幾つかのクローンは明るさの顕著な増加を示した。
表6:CS0280及びCS0333で改善された活性を示すバリアント
Figure 2021526800
ルシフェラーゼ酵素バリアントの阻害
図20A〜20B及び21A〜21Bは、ATG−2624及びATG−2625がデヒドロ−F−ルシフェリンにより阻害されるが、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントよりは阻害されず、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントと比べてデヒドロ−F−ルシフェリンに対する増強された耐性を示すが、完全な耐性は示さないことを示す。図20C及び21Cは、図20A〜20B及び21A〜21Bのデータの定量化を提供し、それぞれの緩衝液における、これらのルシフェラーゼ酵素バリアントのデヒドロ−F−ルシフェリンに対するKi値を示す。変異酵素のより高い値により、それらがPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比べてより耐性を示すことが確認された(すなわち、それらを阻害するのにより多くのデヒドロ−F−ルシフェリンを必要とする)。
以前の実験は、ルシフェリン依存的な発光の阻害を示すために、1つの高い濃度のルシフェリンアナログを使用したが、図22に示す実験は、任意の阻害を観察するのに必要なアナログの相対量を決定するためにCS0280の濃度範囲を試験した。図22は、ATG−2671(幾つかは活性部位にある合理的変異を有する)がルシフェリンアナログでの増強された発光活性を有さないが、低濃度のCS0280により阻害されることを示し、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントより密接にこのアナログに結合することを示唆する。
図23A〜23Cは、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。より具体的には、図23A〜23Cは、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のCS0280−01、CS0325−03、CS0325−02−R、及びCS0431−02−Rでの阻害を試験した。試薬組成物は、DMSO中で50mM〜20mMに希釈されたルシフェリンアナログ化合物を含んだ。酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈した。Bright−Glo(商標)緩衝液+ATP中の約50μlのルシフェリンアナログ化合物を、1×TBS+1%のPrionex中に希釈された50μlの酵素と組み合わせた。約5μlのルシフェリンアナログ化合物を添加して、1mMの最終濃度にした。酵素活性を、ルシフェリンアナログ化合物の添加前後で読み取った。図23Aは、0nMの出発濃度のルシフェリンを含み、図23Bは、10nMの出発濃度のルシフェリンを含み、図23Cは、100nMの出発濃度のルシフェリンを含んだ。実証されるように、ルシフェリンアナログ化合物の添加有り無しの両方において、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)による発光は、ほとんどまたは全く生成されない(図23A)。ルシフェリンの濃度が10nM(図23B)から100nM(図23C)まで増加するにつれて、ルシフェリンアナログ化合物の存在下でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)による発光が減少し、ルシフェリンアナログ化合物がPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)に結合しており、ルシフェリンと競合していることを示す。
図24A〜24Bは、ルシフェリン及び様々な5,5−二置換ルシフェリンアナログ有り無しの両方でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)の活性試験の代表的結果を含む。より具体的には、図24A〜24Bは、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)のCS0280−01、CS0333−01−2、CS0510−01−2、及びCS0326−01−2での阻害を試験した。試薬組成物は、DMSO中で50mM〜20mMに希釈されたルシフェリンアナログ化合物を含んだ。酵素を、1×TBS+1%のPrionex中に0.01mg/mlまで希釈した。Bright−Glo(商標)緩衝液+ATP中の約50μlのルシフェリンアナログ化合物を、1×TBS+1%のPrionex中に希釈された50μlの酵素と組み合わせた。約5μlのルシフェリンアナログ化合物を添加して、1mMの最終濃度にした。酵素活性を、ルシフェリンアナログ化合物の添加前後で読み取った。図24Aは、0nMの出発濃度のルシフェリンを含み、図24Bは、100nMの出発濃度のルシフェリンを含んだ。実証されるように、ルシフェリンの濃度が0nM(図24A)から100nM(図24B)まで増加するにつれて、ルシフェリンアナログ化合物の存在下でのPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)による発光が減少し、ルシフェリンアナログ化合物がPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)に結合しており、ルシフェリンと競合していることを示す。またCS0333は、最も強いインヒビターであると思われ、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアントに最も高い親和性で結合することを示唆した。
CS0333の結合強度を考慮して、その分解生成物の酵素活性を阻害する能力を調査するために、更なる試験を実施した。より具体的には、図25は、配列番号1のPpeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント、ATG−2889、及びATG−3552のCS0333及びその分解生成物の存在下でのKi値の要約を含む。試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液の10nMのOH−ルシフェリン、1mMのATP、0.005mg/mlの酵素、及び0.0032〜2380.95μMのデヒドロルシフェリンを含んだ。CS0333の分解生成物としては、CS0565−1、CS0565−2、CS0565−3、及びCS0565−4が挙げられる。図25において実証されるように、5,5−シクロプロピルルシフェリンの分解生成物の幾つか(CS0565−3、CS0565−4)は、ラセミ体ルシフェリンの存在下で、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比べてATG−2889バリアントに対してより強い競合因子である。ATG−2889では、全ての分解生成物が、ルシフェリンと比べて5,5−シクロプロピルルシフェリンの存在下でより阻害性が低い。加えて、全ての分解生成物は、デヒドロ−OH−ルシフェリンと比較される場合に少なくとも16倍以下の阻害を有し、これらの分解生成物は阻害性であるが、阻害は1桁高い濃度を超える濃度で起こり、溶液中でデヒドロルシフェリンよりもゆっくりと蓄積するため、それらが完全に液体の試薬として、ルシフェリンベースの配合物と比較して改善された安定性をもたらすはずであることを示す。
ルシフェラーゼ酵素バリアントATG−2889(H244W+T344A+I396K)を使用して、デヒドロ−F−ルシフェリン(図26)による阻害に対する耐性を付与したV300Gアミノ酸置換を含む追加のルシフェラーゼ酵素バリアント(ATG−3550、ATG−3551、ATG−3552、及びATG−3553)を作製した。試薬組成物は、0.022μM〜366.97μMまで漸増するデヒドロ−F−ルシフェリン、1mMのATP、1μMのF−ルシフェリン、及び0.005mg/mlの酵素を含む。図26に示すように、ルシフェラーゼ酵素バリアントにおける試験された全てのアミノ酸置換の組み合わせは、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)と比較したインヒビターに対するより高いIC50値により認められるように、(使用された緩衝液にかかわらず)デヒドロ−F−ルシフェリンに対する改善された耐性を示した。アミノ酸置換L305F及びS306Pの両方は、個別に及び組み合わせにおいて、インヒビターに対する改善された耐性を付与した。
酵素アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログの使用
ルシフェリンアナログのプロルシフェリンバージョンも、プロルシフェリンを分解させて、ルシフェリンまたはルシフェリンアナログから修飾部分を分離する(次いで、ルシフェリンまたはルシフェリンアナログは、本明細書に記載されるルシフェラーゼ酵素バリアントの発光基質として機能する)ことによってプロルシフェリンを活性化する酵素(例えば、カスパーゼ−3、β−グルコシダーゼなど)と共に使用され得る。図27A〜27Bは、カスパーゼ−3活性化アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログ及びATG−3707バリアントの有効性を実証する代表的結果を含む。試薬組成物は、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、10mMのMgSO4、2mMのATP中に50mMから1mMまで希釈されたルシフェリンアナログ化合物を含んだ。ATG−3707を、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、10mMのMgSO4中に0.2mg/mlまで希釈した。カスパーゼ−3を、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、10mMのMgSO4中に1U/μlから0.001U/μlまで10倍連続希釈した。次に、50μlの希釈されたATG−3707を、50μlの希釈されたCS0670+ATP混合物と組み合わせた。(図27AにおけるHEPESベースの緩衝液の代わりに、再構成緩衝液(100mMのMES(pH6.5)、5mMのMgCl2、0.2%のTergitol、0.002%のアジ化ナトリウム)を、図27Bにおいて使用した)。発光測定を60秒毎に行いながら、反応物を25℃で73分間インキュベートした。約50μlのカスパーゼ−3の各連続希釈物を反応物に添加し、混合し、152分の総実験時間の間、発光を60秒毎に測定した。示すように、発光はカスパーゼ−3の添加後に増加し、カスパーゼ−3は、CS0670アナログの対応する前駆体からの分離を促進し、ATG−3707の活性化を可能にした。従って、プロルシフェリンアナログ(例えば、シクロプロピルアナログ)は、本明細書に記載されるルシフェラーゼバリアントに対する効果的な基質であり得る。
図28A〜28Bは、β−グルコシダーゼ活性化アッセイにおける、プロルシフェリンである5,5−二置換ルシフェリンアナログ及びATG−3707バリアントの有効性を実証する代表的結果を含む。試薬組成物は、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、10mMのMgSO4、2mMのATP中に50mMから1mMまで希釈されたルシフェリンアナログ化合物を含んだ。ATG−3707を、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、10mMのMgSO4中に0.2mg/mlまで希釈した。β−グルコシダーゼを、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、10mMのMgSO4中に2500U/μlから2.5U/μlまで10倍連続希釈した。次に、50μlの希釈されたATG−3707を、50μlの希釈されたCS0673+ATP混合物と組み合わせた。(図28AにおけるHEPESベースの緩衝液の代わりに、再構成緩衝液(100mMのMES(pH6.5)、5mMのMgCl2、0.2%のTergitol、0.002%のアジ化ナトリウム)を、図28Bにおいて使用した)。発光測定を60秒毎に行いながら、反応物を25℃で73分間インキュベートした。約50μlのβ−グルコシダーゼの各連続希釈物を反応物に添加し、混合し、152分の総実験時間の間、発光を60秒毎に測定した。示すように、発光はβ−グルコシダーゼの添加後に増加し、β−グルコシダーゼは、CS0673アナログの対応する前駆体からの分離を促進し、ATG−3707の活性化を可能にした。従って、プロルシフェリンアナログ(例えば、シクロプロピルアナログ)は、本明細書に記載されるルシフェラーゼバリアントに対する効果的な基質であり得る。
示差走査蛍光定量(DSF)解析
図29は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)及びATG−2877バリアントの示差走査蛍光定量(DSF)解析の代表的結果を含む。実験を実施するために、Sypro Orange(5000X)を水中に3倍希釈し、50mMのHEPES(pH7.5)、100mMのNaCl、2mMのEDTA中に5×の最終濃度で保存された酵素と組み合わせた。反応物を1分毎に1℃で30〜95℃に加熱しながら蛍光を60秒間隔で読み取った。各分での蛍光の変化を算出し、上記範囲の各温度に対してプロットした。示すように、ATG−2877におけるH244Wアミノ酸置換は、DSF解析による精製タンパク質の融解転移温度を変化させず、このアミノ酸置換が熱安定性の損失変化を引き起こさないことを示した。
ルシフェラーゼ酵素バリアントの評価
追加のルシフェラーゼ酵素バリアントを作製し、それらの安定性及び活性を評価した。追加のルシフェラーゼ酵素バリアントを評価するために、0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアントを、Bright−Glo(商標)(BG)緩衝液またはDetection Reagent(DR)緩衝液中の1mMのATP+1mMの基質と混合した。以下の表7A及び7Bに示すように、幾つかのバリアントは、ATG−3707と比較してCS0280及びCS0333基質で改善された明るさを示した。(表7Aは、各列の中での相対的な発光値に従って赤色〜緑色のスペクトルにわたる色がつけられており、最も低い値は赤色に着色され、最も高い値は緑色に着色されている。)
表7A:CS0280及びCS0333で改善された活性を示すバリアント
Figure 2021526800
表7B:CS0280及びCS0333で改善された活性を示すバリアント
Figure 2021526800
上記の表7A及び7Bに提供される代表的結果に示すように、作製されたルシフェラーゼ酵素バリアントを、DSF解析も使用して評価した。実験を実施するために、Sypro Orange(5000X)を水中に3倍希釈し、20mMのHEPES(pH7.5)、200mMのNaCl、1mMのEDTA中に5×の最終濃度で保存された酵素と組み合わせた。反応物を1分毎に1℃で30〜95℃に加熱しながら蛍光を60秒間隔で読み取った。各分での蛍光の変化を算出し、上記範囲の各温度に対してプロットした。これらのデータにより実証されるように、酵素バリアントの幾つかは、熱安定性を保持すると共に、ATG−3707と比較して改善された明るさを示した。
これらのルシフェラーゼ酵素バリアントの動力学的試験も実施した。同定されたルシフェラーゼ酵素バリアントが改善された活性を示すかどうかを調べるために、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)、ATG−3707、及びATG−4117のVmax及びKmを比較した。試薬組成物は、Bright−Glo(商標)(BG)緩衝液またはDetection Reagent(DR)緩衝液中の0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアント+1mMのATP、及び0.1fM〜1mMの基質を含んだ。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。
以下の表8は、Ppeの熱安定性ルシフェラーゼバリアント(配列番号1)、ATG−3707、及びATG−4117の動力学解析の代表的結果を含む。Ppeバリアント(配列番号1)をD/L−ルシフェリンで試験し、ATG−3707及びATG−4117を、CS0280及びCS0333で試験した。実証されるように、ATG−4117は、ATG−3707と比較してルシフェリンアナログCS0280及びCS0333でより高い最大発光(Vmax)を示した。
表8:ATG3707及びATG4117のCS0280及びCS0333での活性
Figure 2021526800
個々のアミノ酸変異の効果を含む、様々なルシフェラーゼ酵素バリアントの活性を評価及び比較するための実験も実施した。ルシフェラーゼ酵素バリアントに対する個々の変異の効果を評価するために、0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアントを、Detection Reagent(DR)緩衝液中の1mMのATP+10fM〜1mMのCS0333と混合した。以下の表9A及び9Bに示すように、ATG−3707を構成する個々の点変異のPpeバリアントへの導入は、バックグラウンドを約5倍超える改善を示したH244W変異を除いて、PpeバリアントのCS0333での最大発光を顕著に増加させなかった。代替法として、ATG−3707を構成する点変異からの個々の点変異の除去は、CS0333での最大発光に対する個々の変異の寄与を示した。H244W及びT344A置換は、それらの置換をPpeバリアントにおける元のアミノ酸に戻した際に、CS0333での活性の最大の減少を示した。
表9A:個々のアミノ酸置換及びアミノ酸置換の様々な組み合わせのCS0333でのルシフェラーゼ酵素バリアントに対する効果
Figure 2021526800
表9B:個々のアミノ酸置換及びアミノ酸置換の様々な組み合わせのCS0333でのルシフェラーゼ酵素バリアントに対する効果
Figure 2021526800
ルシフェラーゼ酵素バリアントの動力学的試験
上記のPpe(配列番号1)の様々な熱安定性ルシフェラーゼバリアントの活性(すなわちVmax及びKm)を評価するための実験も実施した。これらの実験の代表的結果を以下に表に提供する。
表10及び11は、熱安定性バリアントのD/Lルシフェリン、CS0333、及びCS0280での動力学解析の代表的結果を含む。示すように、MK0133は、Bright−Glo(商標)緩衝液及びDetection Reagent緩衝液において、D/L−ルシフェリンでのPpeバリアントを超えるCS0333での最大発光(Vmax)値という予想外な特性を示した代表的なバリアントである。MK0134は、同程度の高い活性を示したが、CS0280に対してより特異的であり、Bright−Glo(商標)緩衝液におけるPpeバリアントとD/L−ルシフェリンの組み合わせでの明るさに近かった。MK0135及びMK0137は、それぞれMK0133及びMK0134と比較して熱安定性を改善するアミノ酸置換を有すると共に、ルシフェリンアナログCS0333及びCS0280に対する活性を保持する。
表10:試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液またはDetection Reagent緩衝液中の0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアント+1mMのATP、及び100fM〜1mMの基質を含んだ。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。
Figure 2021526800
表11:試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液またはDetection Reagent緩衝液中の0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアント+1mMのATP、及び1mMの基質を含んだ。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。
Figure 2021526800
表12は、熱安定性バリアントの400fM〜4mMのCS0280での動力学解析の代表的結果を含む。酵素バリアントのこのパネルは、それらの原型の酵素バリアントであるMK134及びMK137と比較してCS0280での改善された熱安定性及び明るさの組み合わせを有する。
表12:試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液またはDetection Reagent緩衝液中の0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアント+4mMのATP、及び400fM〜4mMの基質を含んだ。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。
Figure 2021526800
表13及び14は、熱安定性バリアントのD/Lルシフェリン、CS0333、及びCS0280での動力学解析の代表的結果を含む。酵素バリアントのパネルは、異なる緩衝液における、試験された異なる基質(D/L−ルシフェリン、CS0333、及びCS0280)でのMK0137の最大発光(Vmax)またはKmを更に改善するアミノ酸置換を強調する。特に、酵素バリアントMK0151及びMK153は、複数の緩衝液にわたって、複数の基質でMK0137と比較した改善を示す。
表13:試薬組成物は、Detection Reagent緩衝液中の0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアント+2mMのATP、及び200fM〜2mMの基質を含んだ。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。
Figure 2021526800

Figure 2021526800
表14:試薬組成物は、Bright−Glo(商標)緩衝液中の0.005mg/mlのルシフェラーゼ酵素バリアント+2mMのATP、及び200fM〜2mMの基質を含んだ。組成物を、3分間インキュベートし、GloMax(登録商標) Multi+プラットフォーム上で読み取った。
Figure 2021526800

Figure 2021526800
前述の発明を実施するための形態及び付随する実施例は単に例示的なものであり、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ定義される本開示の範囲に対する限定とみなされるべきではないことが理解されよう。
本開示の実施形態に対する様々な変更及び改変が、当業者には明らかとなるであろう。かかる変更及び改変は、限定されるものではないが、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、配合物、または本開示の使用方法に関するものを含め、本開示の要旨及び範囲を逸脱しない範囲でなされ得る。

Claims (76)

  1. 5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを前記5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼポリペプチドであって、天然に存在しない前記ルシフェラーゼポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが、配列番号2との少なくとも70%の配列同一性、及び配列番号1との100%未満の配列同一性を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して、244位、249位、337位、及び339位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、H244W、H244G、及びH244R、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して、240位、254位、及び344位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリペプチド。
  6. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、I240L、Y254S、及びT344A、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して300位及び396位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1〜3及び5のいずれかに記載のポリペプチド。
  8. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、V300G及びI396K、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項7に記載のポリペプチド。
  9. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して245位、285位、及び315位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1〜3、5及び7のいずれかに記載のポリペプチド。
  10. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、G245A、L285I、及びG315A、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して109位、193位、214位、218位、228位、234位、262位、287位、294位、305位、306位、309位、316位、335位、及び533位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1〜3、5、7、及び9のいずれかに記載のポリペプチド。
  12. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、I109V、S193A、I214L、F218L、N228D、S234T、V262A、V287I、L294H、L305F、S306P、K309E、A316S、V335G、及び/またはV533M、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項11に記載のポリペプチド。
  13. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して133位、233位、236位、及び503位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1〜3、5、7、9、及び11のいずれかに記載のポリペプチド。
  14. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、Q133H、T233S、I236V、及び/またはS503R、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項13に記載のポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して107位及び121位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1〜3、5、7、9、11、及び13のいずれかに記載のポリペプチド。
  16. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換が、K107Q及び/またはK121N、及び/または前記少なくとも1つのアミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションから選択される、請求項15に記載のポリペプチド。
  17. 前記ポリペプチドが、表1に列挙する配列番号2〜124のいずれか1つにおけるアミノ酸置換を含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  18. 前記ポリペプチドが、配列番号1の前記ルシフェラーゼポリペプチドのデヒドロルシフェリン及びその誘導体による阻害と比較して、前記デヒドロルシフェリン及びその誘導体による阻害に対する耐性を示す、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  19. 前記ルシフェラーゼポリペプチドにより生成される前記生物発光シグナルが、配列番号1の前記ルシフェラーゼポリペプチドにより生成される前記生物発光シグナルと比較して少なくとも10倍増加する、請求項1〜18のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  20. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換I240L、Y254S、T344A、及びI396K、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  21. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換N74N、H244R、V300G、及びI396K、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  22. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  23. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、及びI396K、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  24. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、及びI396K、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  25. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、I396K、V300G、L305P、及びS306P、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  26. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344A、I396K、S193A、N228D、L305F、S306P、及びI109V、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  27. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、I230F、V335G、及びI410M、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  28. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38S、Y108F、及びT376I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  29. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38S、F55I、V262A、及びI422V、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  30. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、Y108F、V261A、N427D、及びF431V、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  31. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びI230F、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  32. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びQ487R、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  33. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、N154S、V261A、及びI410M、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  34. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、Y183C、V261A、及びT289S、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  35. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びY32C、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  36. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、F246Y、及びV261A、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  37. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、及びI230F、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  38. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、K121Q、F246Y、及びV261A、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  39. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、Y254S、T344A、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、K121Q、V261A、及びV287I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  40. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してV348I、A316M、A316W、Y339M、T342S、A344I、K121Q、V261A、V287I、K107N、及びT289Sからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸置換、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  41. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換A316W、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを更に含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  42. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してC38R、F55I、A316W、T342S、V348I、K205N、I396I、K121Q、Y339M、T344I、及びY108Fからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸置換、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  43. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換C38R、F55I、A316W、T342S、及びV348I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを更に含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  44. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、及びT344I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを更に含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  45. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較して、T344I、C38R、F55I、A316W、T342S、V348I、Y108F、Y339M、I240V、T284A、T289R、T289S、K353R、D435G、L437R、W510R、C257R、及びS313Tからなる群から選択される少なくとも1つの追加のアミノ酸置換、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  46. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、T344I、I396K、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、A316W、T342S、及びV348I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  47. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換C38R、F55I、Y108F、A316W、及びY339M、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを更に含む、請求項26に記載のポリペプチド。
  48. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、A316W、T342S、及びV348I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  49. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、T342S、及びV348I、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  50. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、T342S、V348I、T289S、K353R、D435G、及びW510R、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  51. 前記ポリペプチドが、配列番号1と比較してアミノ酸置換H244W、S193A、N228D、L305F、S306P、I109V、C38R、F55I、Y108F、A316W、Y339M、T342S、V348I、C257R、T284A、T289S、S313T、K353R、D435G、L437R、及びW510R、及び/または前記アミノ酸置換の任意の保存的もしくは半保存的バリエーションを含む、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
  52. 生物発光アッセイのための試薬組成物であって、
    5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを前記5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼポリペプチドと、
    前記ルシフェラーゼポリペプチドの基質と、を含む前記試薬組成物。
  53. 前記基質がラセミ体ルシフェリンである、請求項52に記載の試薬組成物。
  54. 前記基質がルシフェリンアナログである、請求項52に記載の試薬組成物。
  55. 前記ルシフェリンアナログが5,5−二置換ルシフェリンアナログである、請求項52に記載の試薬組成物。
  56. マグネシウムを更に含む、請求項52に記載の組成物。
  57. 緩衝液、脱泡剤、ATPアーゼインヒビター、L−ルシフェリン、アザチオチミン、酵素安定剤、界面活性剤、ATP生成酵素のインヒビター、細胞溶解剤、ATP抽出剤、補酵素A、チオール試薬、金属イオンキレート剤、プロテアーゼインヒビター、ピロリン酸、フッ化ナトリウム、デヒドロルシフェリン、及び塩からなる群から選択される1種以上の追加成分を更に含む、請求項52または請求項53に記載の組成物。
  58. 前記試薬組成物が、単一の液体試薬である、請求項52〜57のいずれかに記載の組成物。
  59. 前記試薬組成物が、単一の乾燥試薬である、請求項52〜57のいずれかに記載の組成物。
  60. 固体成分及び液体成分を含む、請求項52〜57のいずれかに記載の組成物。
  61. 請求項52〜57のいずれかに記載の試薬組成物を含むキット。
  62. 生物発光アッセイを実行するための使用説明書を更に含む、請求項61に記載のキット。
  63. 前記生物発光アッセイが、カスパーゼ活性アッセイ、キナーゼ活性アッセイ、P450アッセイ、活性酸素種の測定、ヌクレオチドの検出もしくは定量化、細胞生存率の検出もしくは定量化、細胞障害性の検出もしくは定量化、または過酸化水素の検出もしくは定量化を含む、請求項61に記載のキット。
  64. 5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを前記5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼポリペプチドと、
    5,5−二置換ルシフェリンアナログと、を含むキット。
  65. 試料中のATPを検出または定量化するためのアッセイ系であって、
    5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを前記5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼポリペプチドを含む試薬組成物と、
    5,5−二置換ルシフェリンアナログと、
    ATPを含むか、または含むことが疑われる試料と、を含む、前記アッセイ系。
  66. 生物発光の検出及び/または測定のための装置を更に含む、請求項65に記載のアッセイ系。
  67. 前記試料が、細胞可溶化物試料、無細胞調製物試料、または精製酵素配合試料のうちの1種以上である、請求項65または請求項66に記載のアッセイ系。
  68. 前記試料が、環境試料、土壌試料、水試料、工業化学試料、法医学試料、食品ベースの試料、液体試料、飲料ベースの試料、または生化学試料のうちの1種以上である、請求項65または請求項66に記載のアッセイ系。
  69. 試料中のATPを検出または定量化する方法であって、
    請求項65〜68のいずれかに記載のアッセイ系を、ATPを含むか、または含むことが疑われる前記試料に添加することと、
    前記生物発光シグナルを検出または定量化することと、を含む前記方法。
  70. 試料中の標的酵素活性を検出または定量化するためのアッセイ系であって、
    5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で配列番号1のルシフェラーゼポリペプチドにより生成される生物発光シグナルと比較して増加した生物発光シグナルを前記5,5−二置換ルシフェリンアナログの存在下で生成することができるルシフェラーゼポリペプチドを含む試薬組成物と、
    5,5−二置換ルシフェリンアナログと、
    標的酵素を含むか、または含むことが疑われる試料と、を含む前記アッセイ系。
  71. 前記5,5−二置換ルシフェリンアナログが、前記標的酵素の基質に結合されている、請求項70に記載のアッセイ系。
  72. 前記標的酵素が、プロテアーゼ、カスパーゼ、キナーゼ、シトクロム450、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、またはモノアミンオキシダーゼである、請求項70または請求項71に記載のアッセイ系。
  73. 生物発光の検出及び/または測定のための装置を更に含む、請求項70〜72のいずれかに記載のアッセイ系。
  74. 前記試料が細胞可溶化物である、請求項70〜73のいずれかに記載のアッセイ系。
  75. 前記試料が、環境試料、工業化学試料、法医学試料、食品ベースの試料、または生化学試料である、請求項70〜73のいずれかに記載のアッセイ系。
  76. 試料中の標的酵素活性を検出または定量化する方法であって、
    請求項70〜75のいずれかに記載のアッセイ系を、標的酵素活性を含むか、または含むことが疑われる前記試料に添加することと、
    前記生物発光シグナルを検出または定量化することと、を含む前記方法。
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