此処で、本開示の主題が此れ以降でより詳しく記載される。一貫して、同類の番号は同類の要素を言う。本開示の主題は多くの異なる形態で実施され得、本願に記される実施形態に限定されると解釈されるべきではない;寧ろ、此れ等の実施形態は本開示が然るべき法的要件を満足させる様に提供される。実に、前述の記載に於いて提出された教示の利益を有する本開示の主題が該当する分野の業者には、本願に記される本開示の主題の多くの改変及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。故に、本開示の主題は開示されている具体的な実施形態に限定されるべきではない事と、改変及び他の実施形態は添付の請求項の範囲内に包含される事を意図される事とは理解される筈である。
幾つかの実施形態では、組成物又は方法は指定されている構成要素又はステップを含む。幾つかの実施形態では、組成物又は方法は指定されている構成要素又はステップから成る。他の実施形態では、組成物又は方法は指定されている構成要素又はステップから本質的に成る。本願に於いて用いられる指定されている構成要素又はステップ「から本質的に成る」は、組成物が、少なくとも指定されている構成要素又はステップを包含し、且つ本発明の基本的な且つ新規の特徴に実質的には影響しない他の構成要素又はステップをもまた包含し得ると言う事を意味する。
本願に記載される態様は、血液脳関門を通した親油性活性薬剤の送達の向上の為の食品及び飲料品組成物等の可食製品並びに方法に関し、特に、親油性活性薬剤を含ませた可食製品は、コントロール組成物と比較して対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤のより多大な濃度を生ずる。本発明は、対象に於ける向上したバイオアベイラビリティを提供する親油性活性薬剤を含ませた可食製品をもまた対象とし、特に、親油性活性薬剤の不快な味がマスキングされる。可食製品を作る為のプロセスと、本願に於いて開示される組成物の何れかを其の必要がある対象に投与する事を含む中枢神経系障害、疾患、又は状態を処置する為の方法とが提供される。
驚くべき事に、親油性活性薬剤の典型的な経口摂取と比較して、親油性活性薬剤を含ませた組成物の脂質含量及びコロイド特性が対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを増大させると言う事が見い出された。親油性活性薬剤を含ませた組成物は、食品及び飲料品とは別個の製剤中の親油性活性薬剤の投与に関連する投薬及びコンプライアンスの問題なしに、親油性薬物及び脂質含有食品の同時投与に関連する向上した経口バイオアベイラビリティをもまた許す。加えて、驚くべき事に、紅茶等の抗酸化剤をもまた含有する食品及び飲料品と組み合わせられた時に、親油性活性薬剤は腸粘膜を通してより有効に輸送され、其れに依って、親油性活性薬剤の吸収及びバイオアベイラビリティに対して相乗的な効果を生ずる。
本発明は、部分的には、1つ以上の親油性活性薬剤味マスキング剤を含む親油性活性薬剤を含ませた組成物にもまた関する。多くの親油性活性薬剤は不味い味プロファイルを有し、此れは治療処置としての経口摂取される親油性活性薬剤の使用を邪魔し得る。1つの態様では、驚くべき事に、本発明の親油性活性薬剤を含ませた可食組成物を作る為のプロセスに用いられるドライミルクが、バイオアベイラビリティ向上剤及び親油性活性薬剤味マスキング剤両方として作用する事が見い出された。
更に驚くべき事に、本願に於いて開示される組成物及び方法に於いて、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油が親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティ向上剤として作用する事が見い出された。
I.プロセス及び方法
A.血液脳関門を通した活性薬剤の送達
血液脳関門(BBB)は、循環する毒素からの有効な保護を脳に提供し乍らも、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び脳腫瘍等の脳疾患の薬理学的処置に於ける大きな困難をもまた作り出す。殆どの荷電分子及びサイズが700ダルトン超の殆どの分子は関門を通り抜ける事が出来ず、より小さい分子は肝臓に於いて抱合され得る。此れ等の因子は、脳及び中枢神経系(CNS)の疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、細菌及びウイルス感染、並びに癌の薬理学的処置に於ける大きな困難を作り出す。
脳及びCNSの疾患及び障害の処置の為の多くの治療薬剤は、BBBを通した直接的な輸送を妨害する為に十分に親水性である。更に其の上、此れ等の薬物及び薬剤は血中及び末梢組織に於ける分解をされ易い。此れは、治療上有効な血清中濃度を達成する為に必要なドーズを増大させる。然し乍ら、上に記載されている通り、一般的には、親油性は血液脳関門を容易に抜ける事が出来る分子に関連しているが、親油性は血液脳関門を横断する分子の主たる特徴ではない。シーリグ(Seelig)等は、親油性、ギブス吸着等温線、Co−CMCプロット、並びに水及び空気に対する薬物の表面積を包含する、分子が血液脳関門を通して拡散する能力との異なる因子の関連を研究した(シーリグ(Seelig)等著(1994年)米国科学アカデミー紀要第91巻:p.68−72)。其れ等の結果は、関門透過性(permittivity)が分子の相対的サイズ及び表面活性の間の複雑な相互作用に基づいており、此れに於いて表面活性は疎水性の及び荷電の残基両方の分子特性を包含すると言う事を示した(シーリグ(Seelig)等著(1994年)米国科学アカデミー紀要第91巻:p.68−72)。
脳への薬物の送達は、血液脳関門を抜ける幾つかの化合物が、脳組織に於ける此れ等の化合物の治療上有効量を齎さないやり方で其れをすると言う事実に依ってもまた複雑化する(ダドパルバール(Dadparvar)等著(2011年),トキシコロジー・レターズ(Toxicology Letters),第206巻:p.60−66)。幾つかのケースでは、血流中に於ける化合物のバイオアベイラビリティは、小量の化合物のみが血液脳関門を通り抜ける為に利用可能である程に低い(ダドパルバール(Dadparvar)等著(2011年),トキシコロジー・レターズ(Toxicology Letters),第206巻:p.60−66)。他のケースでは、化合物は血液脳関門を通り抜け得るが、化合物を不活性にする脳組織内の分解プロセスを克服する為に十分な濃度に於いてではない(ダドパルバール(Dadparvar)等著(2011年),トキシコロジー・レターズ(Toxicology Letters),第206巻:p.60−66)。
BBBを通した送達薬物の為の従来の方法には3つの一般的なカテゴリーが関わる:(1)治療薬剤が担体内にカプセル化される、リポソームに基づく方法;(2)精密に定められたサイズ特徴を達成する様に合成ポリマーを用いて粒子が作り出される、合成ポリマーに基づく方法;及び(3)治療薬剤がインスリン等の担体に共有結合される、薬物への担体の直接的なコンジュゲーション。其れ等の大きい運搬容量故に、リポソームはBBBを通して薬物を輸送する事に取って魅力的である。然し乍ら、一般的には、リポソームは有効にBBBを抜ける為には大き過ぎ、本来的に不安定であり、其れ等の構成成分脂質は血漿中の脂質結合蛋白質に依る吸収に依って次第に失われる。薬物は、脳実質中に出されると言う所望の結果の代わりに、細胞中を運搬されて内皮細胞又はリソソーム内にトラップされるのみであり、合成ポリマーは困難に遭遇している。
インスリン等のBBBを通して輸送され得る物質との薬理学的な薬剤の直接的なコンジュゲーションもまた試みられている。インスリン及びインスリン様成長因子は特殊化した容易化した拡散系に依って血液脳関門を抜ける事が公知である(ラインハルト(Reinhardt)等著(1994年)エンドクリノロジー(Endocrinology)第135巻(5):p.1753−1761)。グルコース及びトリプトファン等の大きいアミノ酸では、特異的輸送体もまた存在する。然し乍ら、インスリン輸送体の特異性は、共有結合的にインスリンにリンクされた薬理学的な薬剤が脳へと抜ける事を許す為には高過ぎる事が判明している。類似の結果がグルコース及びアミノ酸コンジュゲートで得られている。此れ等の取り込みは他の低分子量物質と同じ一般的な原理に従う事が観察されており、700Daよりも下の非荷電分子のみが脳への有意なアクセスを達成する。
本発明は、部分的に、血液脳関門を通した親油性活性薬剤の送達の向上にもまた関し、特に、親油性活性薬剤を含ませた可食組成物はコントロール組成物と比較して対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤のより多大な濃度を生ずる。驚くべき事に、本開示の製剤は、平均で、血中に於いて、濃度をマッチしたコントロールよりも親油性活性薬剤(ニコチン)の高速の吸収、高いピーク吸収、及び高い総体的数量を達成する事が見い出された。更に其の上、驚くべき事に、本開示の製剤は、ラット脳組織の分析に於いて、マッチしたコントロール製剤に依って回収されるよりも最高で5.6倍多いニコチンを達成する事が見い出された。
B.血液脳関門を通した送達を向上させる為のプロセス
対象の血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含ませた可食製品を作る為のプロセスが提供され:
(a)治療上有効量の親油性活性薬剤を提供する事と;
(b)バイオアベイラビリティ向上剤を提供する事と;
(c)可食基材を提供する事と;
(d)可食基材を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させる事と;
(e)可食基材を脱水する事と;
を含み、
其れに依って、対象の血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含ませた可食製品を生じ;バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み、此れは親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを向上させ、且つ対象の血液脳関門を通した送達を向上させる。
幾つかの実施形態では、可食製品は、ピル、錠剤、ロゼンジ、ミニロゼンジ、カプセル、カプレット、パウチ、ガム、スプレー、食品、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、可食基材は、イヌリン、澱粉、化工澱粉、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コンニャク、キトサン、トラガカント、カラヤ、ガティ、ラーチ、カラギーナン、アルギン酸、化学修飾アルギン酸、寒天、グアー、ローカストビーン、サイリウム、タラ、ゲラン、カードラン、プラン(pullan)、アラビアガム、ゼラチン、ペクチン、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、可食製品は、バニラ、バニリン、エチルバニリン、オレンジ油、フルーツ及びベリー型フレーバー剤、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ラベンダー、シナモン、チャイ、カルダモン、アピウム・グラベオレンス(apium graveolents)、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、レモン油、ニホンハッカ、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、生姜、アニス、チャイ、コリアンダー、コーヒー、ペパーミント、ウィンターグリーン、ハッカ属の種からのミントオイル、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択されるフレーバー剤を更に含む。
幾つかの実施形態では、可食製品は、非ニコチンアルカロイド、ミネラル、ビタミン、ダイエタリー・サプリメント、ダイエタリー・ミネラル、ニュートラシューティカル、滋養強壮剤、スージング剤、着色剤、アミノ酸、化学的身体感覚(chemsthetic)薬剤、抗酸化剤、食品グレード乳化剤、pH調整剤、ボタニカル、歯ホワイトニング剤、治療薬剤、甘味料、フレーバー剤、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される添加物を更に含む。
幾つかの実施形態では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍、5倍、又は10倍多大である。幾つかの実施形態では、対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度は、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度よりも少なくとも1.5倍、2倍、又は5倍多大である。
幾つかの実施形態では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油はオメガ−6脂肪酸を実質的に不含である。
幾つかの実施形態では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸はオレイン酸、ウンデカン酸、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、親油性活性薬剤を含ませた可食製品を作る為のプロセスが提供され:
(a)治療上有効量の親油性活性薬剤を提供する事と;
(b)バイオアベイラビリティ向上剤を提供し、バイオアベイラビリティ向上剤が長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み、且つ親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを向上させる事と;
(c)可食基材を提供する事と;
(d)可食基材を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させる事と;
(e)可食基材を脱水する事と;
其れに依って、親油性活性薬剤を含ませた可食製品を生ずる事、
を含む。
幾つかの実施形態では:
(i)上に記載されている親油性活性薬剤を含ませた可食製品を提供し、親油性活性薬剤を含ませた可食製品が親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーであるステップと;
(ii)親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸けるステップと;
其れに依って、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずる事、
に依って得られ得る親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品が提供される。幾つかの実施形態では、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品は:
(i)上に記載されている親油性活性薬剤を含ませた可食製品を提供し、親油性活性薬剤を含ませた可食製品が親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーであるステップと;
(ii)親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸けるステップと;
其れに依って、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずる事、
に依って得られ得る。
他の態様では、親油性活性薬剤を含ませた食品製品を作る為のプロセスが提供され:(i)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;(ii)食品製品を脱水するステップと;其れに依って、親油性活性薬剤を含ませた食品製品を生ずる事を含み;親油性活性薬剤を含ませた食品製品は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み、更に:(a)バイオアベイラビリティ向上剤は親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを向上させ;(b)食品製品は茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される。別の態様では、ステップ(i)は、親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油を食品製品に含浸させる事を含む。別の態様では、ステップ(i)は食品製品をフレーバー剤と接触させる事を更に含み、特に、フレーバー剤はバニラ、バニリン、エチルバニリン、オレンジ油、フルーツ及びベリー型フレーバー剤、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ラベンダー、シナモン、チャイ、カルダモン、アピウム・グラベオレンス(apium graveolents)、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、レモン油、ニホンハッカ、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、生姜、アニス、チャイ、コリアンダー、コーヒー、ペパーミント、ウィンターグリーン、ハッカ属の種からのミントオイル、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される。別の態様では、プロセスは親油性活性薬剤を含ませた食品製品を凍結乾燥するステップを更に含む。
更なる態様では、親油性活性薬剤を含ませた食品製品が、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーである所では、プロセスは、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーをシングル又はマルチサーブ送達デバイス、例えばティーバッグ、水透過性膜、パッケージング済み飲料品ポッド、例えばウェイクフィールド,MAのキューリグ社(Keurig Inc.)に依って製造及び販売されているK−CUP(登録商標)パック、並びに同類にパッケージングする事を更に含む。例は、例えば米国特許第3,450,024;5,325,765;5,840,189;及び6,606,938号に記載されている送達デバイス及び関連する系を包含するが、此れ等に限定されない。特定の態様では、親油性活性薬剤を含ませた食品製品は茶葉であり、プロセスは茶葉をティーバッグにパッケージングする事を更に含む。
別の態様では、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を作る為のプロセスが提供され、本願に記載されているプロセスの何れかに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作る事を含み;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む。
更なる態様では、開示されるプロセス及び方法は、誘電エネルギー、特にマイクロ波エネルギーを用いる脱水方法を用いる。幾つかの態様では、誘電エネルギーは無線周波数エネルギー、低周波数マイクロ波エネルギー、及び高周波数マイクロ波エネルギーから成る群から選択される。幾つかの態様では、脱水方法は真空下で誘電エネルギーを用いる事を更に含む。尚更なる態様では、脱水方法は70℃未満の温度で撹拌する事を更に含む。尚更なる態様では、開示されるプロセス及び方法は噴霧乾燥テクノロジーを用いる脱水方法を用いる(例えば、高温ガスに依って急速に乾燥する事に依って液体又はスラリーから乾燥粉末を生ずる方法;一般的には、ムジュムダル(Mujumdar)著(2007年)「産業乾燥ハンドブック(Handbook of Industrial Drying)」,CRCプレス(CRC Press)を見よ)。
幾つかの実施形態では、親油性活性薬剤は:カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン又は其のアナログ、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル又は其のアナログ、ブプレノルフィン又は其のアナログ、スコポラミン又は其のアナログ、抗酸化剤、ニコチン化合物、及びイメージング剤から成る群から選択される。
C.可食基材
用語「可食基材」は硬質又は軟質の何れかの可食材料を意味し、様々な度合いの硬質度又は軟質度を包含する。好適な基材の例は、イヌリン、澱粉、化工澱粉、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コンニャク、キトサン、トラガカント、カラヤ、ガティ、ラーチ、カラギーナン、アルギン酸、化学修飾アルギン酸、寒天、グアー、ローカストビーン、サイリウム、タラ、ゲラン、カードラン、プラン(pullan)、アラビアガム、ゼラチン、ペクチン、及び其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
他の好適な可食基材は、チューインガム、バブルガム、例えば参照に依って本願に組み込まれる米国特許出願公開第US20080057155号に記載されている脂肪に基づくガム、例えば夫々が参照に依って本願に組み込まれる米国特許出願公開第US20080166449及びUS20080199564号に記載されているクランチガム及びマシュマロガムを包含するキャンディーガム、咀噛後に硬質/軟質に変ずるか又は軟質/硬質の儘である相対的に軟質/硬質のガム、キャンディー、チョコレート、並びに其れ等の組み合わせを包含し、様々な度合いの歯触りを有する軟質及び硬質層又は領域、上で定義されている層形成材料の層又は領域、従来の方法、例えばハードパンニング及びソフトパンニングに依って適用される従来の材料の硬質若しくは軟質層又は領域を包含する可食組成物に使用され得る何れかの他の可食材料、或いは同類を包含するガム及びキャンディーの組み合わせを包含する。
追加の可食基材は、ガムベース、粘着性ガム基材、並びに吸湿性の、感湿性の、及び/又は感熱性の基材を包含する。
D.フレーバー剤及び添加物
幾つかの実施形態では、可食製品は、バニラ、バニリン、エチルバニリン、オレンジ油、フルーツ及びベリー型フレーバー剤、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ラベンダー、シナモン、チャイ、カルダモン、アピウム・グラベオレンス(apium graveolents)、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、レモン油、ニホンハッカ、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、生姜、アニス、チャイ、コリアンダー、コーヒー、ペパーミント、ウィンターグリーン、ハッカ属の種からのミントオイル、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択されるフレーバー剤を更に含む。
幾つかの実施形態では、可食製品は、更に、非ニコチンアルカロイド、ミネラル、ビタミン、ダイエタリー・サプリメント、ダイエタリー・ミネラル、ニュートラシューティカル、滋養強壮剤、スージング剤、着色剤、アミノ酸、化学的身体感覚(chemsthetic)薬剤、抗酸化剤、食品グレード乳化剤、pH調整剤、ボタニカル、歯ホワイトニング剤、治療薬剤、甘味料、フレーバー剤、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される添加物を含む。
E.バイオアベイラビリティ
幾つかの実施形態では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍、5倍、又は10倍多大である。幾つかの実施形態では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油はオメガ−6脂肪酸を実質的に不含である。幾つかの実施形態では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸はオレイン酸、ウンデカン酸、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、バイオアベイラビリティ向上剤は保護コロイド、可食油又は脂肪、及び親油性活性薬剤味マスキング剤である。幾つかの実施形態では、保護コロイド、可食油又は脂肪、及び親油性活性薬剤味マスキング剤であるバイオアベイラビリティ向上剤は無脂肪ドライミルクである。
バイオアベイラビリティは、活性部分(薬物又は代謝物質)が全身循環に入り、其れに依って作用部位にアクセスする程度及び速度を言う。所与の製剤のバイオアベイラビリティは、全身循環中へと吸収される経口投与されたドーズの相対的分画の概算を提供する。不良に水溶性の低速で吸収される薬物の経口剤形では、低いバイオアベイラビリティが最も普通である。胃腸管に於ける不十分な吸収時間は低いバイオアベイラビリティの普通の原因である。薬物が容易に溶解しないか又は上皮膜から浸透し得ない場合には(例えば、其れが高度にイオン化されている及び極性である場合には)、吸収部位に於ける時間が不十分であり得る。経口投与された薬物は腸壁、其れから肝臓への門脈循環を通り抜けなければならず、此れ等の両方は初回通過代謝(薬物が全身循環に到達する前に生起する代謝)の普通の部位である。其れ故に、多くの薬物は充分な血漿中濃度が到達される前に代謝され得る。
通常は、バイオアベイラビリティは血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)を決定する事に依って評価される。AUCは全身循環に到達する未変化の薬物の合計量に直接的に比例する。血漿中薬物濃度は吸収の程度と共に増大する;最大(ピーク)血漿中濃度は、薬物消失速度が吸収速度に等しい時に到達される。ピーク時間は吸収速度の最も広く用いられる一般的な指標である;吸収がより低速であれば、ピーク時間はより遅い。
幾つかの薬物、特に生物薬剤学分類系に於いてクラスII薬物であるカンナビノイド等の薬剤のバイオアベイラビリティは、食品と同時投与される時に増大する(ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361−372;アミドン(Amidon)等著(1995年)ファーマシューティカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)第12巻:p.413−420;シャーマン(Charman)等著(1997年)ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Journal of Pharmaceutical Sciences)第86巻:p.269−282;ウィンスタンリー(Winstanley)等著(1989年)ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・クリニカルファーマコロジー(British Journal of Clinical Pharmacology)第28巻:p.621−628)。親油性の薬物の吸収に於いて鍵の役割を演じ、且つ向上した経口バイオアベイラビリティに至るのは、食品の脂質構成要素である(ハント(Hunt)及びノックス(Knox)著(1968年)ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Journal of Physiology)第194巻:p.327−336;ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361−372)。此れは、高脂肪食が胆道及び膵臓分泌を刺激し、代謝及び排出活性を減少させ、腸壁透過性を増大させる能力に、並びに胃腸管(GIT)滞留時間の遷延及びリンパ系に依る輸送に帰せられている(ワグネラ(Wagnera)等著(2001年)アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ(Advanced Drug Delivery Reviews)第50巻:p.S13−31;ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361−372)。高脂肪食はトリグリセリドに富むリポ蛋白質をもまた上昇させる。此れ等は薬物分子と会合し、腸リンパ輸送を向上させ、此れは薬物消長の変化に至り、不良に可溶性の薬物の薬理作用の動態を変化させる(ゲルシコヴィチ(Gershkovich)等著(2007年)ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(European Journal of Pharmaceutical Sciences)第32巻:p.24−32;ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361−372)。然し乍ら、親油性の薬物との食品の同時投与は斯かる薬物を投薬する時に食品摂取の緊密なコントロール及び/又はモニタリングを要求し、患者コンプライアンスの問題をもまた被り得る(ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361−372)。
他の態様では、バイオアベイラビリティ向上剤は、本発明の組成物及び方法に於いて、可食油若しくは脂肪、保護コロイド、又は保護コロイド及び可食油若しくは脂肪両方である。別の態様では、バイオアベイラビリティ向上剤は親油性活性薬剤味マスキング剤でもまたある。別の特定の態様では、バイオアベイラビリティ向上剤が保護コロイド、可食油又は脂肪、及び親油性活性薬剤味マスキング剤両方である所では、バイオアベイラビリティ向上剤は無脂肪ドライミルクである。更なる態様では、バイオアベイラビリティ向上剤はオメガ−6脂肪酸を実質的に不含である。他の態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、バイオアベイラビリティ向上剤の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも約1.5倍、2倍、5倍、又は10倍多大である。更なる態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは20%よりも多大である。
可食油は、本願に於いては、正常な生理条件下でインビボの膵臓リパーゼの存在下に於いて脱エステル化又は加水分解を遂げる事が出来る油として定義される。具体的には、消化可能な油は、低分子量(最高でC6)一、二、又は多価アルコールとの中鎖(C7〜C13)又は長鎖(C14〜C22)脂肪酸の完全なグリセロールトリエステルであり得る。其れ故に、本発明への使用の為の消化可能な油の幾つかの例は:野菜、ナッツ、又は種子油(例えば、ココナッツ油、ピーナッツ油、大豆油、サフラワー種子油、コーン油、オリーブ油、蓖麻子油、綿実油、落花生油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、パーム油、菜種油、月見草油、ブドウ種子油、小麦胚芽油、胡麻油、アボカド油、アーモンド、ルリジサ、ペパーミント、及びアンズ核油)並びに動物油(例えば魚肝油、鮫油、及びミンク油)を包含する。
更なる態様では、バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖(C14〜C22)脂肪酸である。更なる態様では、バイオアベイラビリティ向上剤は中鎖(C7〜C13)脂肪酸である。更なる態様では、バイオアベイラビリティ向上剤は中及び長鎖脂肪酸の組み合わせである。
保護コロイドの例は、ポリペプチド(例えば、ゼラチン、カゼイン、及びカゼイン塩)、多糖(例えば、澱粉、デキストリン、デキストラン、ペクチン、及びアラビアガム)、並びに全乳、スキムミルク、粉ミルク、又は此れ等の混合物を包含する。然し乍ら、ポリビニルアルコール、ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸ポリマー及びコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、並びにアルギン酸を用いる事もまた可能である。更なる詳細については、R.A.モートン(Morton)著,「脂溶性ビタミン(Fast Soluble Vitamins)」,インターナショナル・エンサイクロペディア・オブ・フード・アンド・ニュートリション(International Encyclopedia of Food and Nutrition),第9巻,ペルガモン出版社(Pergamon Press)1970年,128−131頁の参照が為され得る。
経口投与は大多数の薬物に取っては好ましい投与経路に当たる。然し乍ら、経口投与される剤形のケースでは、望ましくないか又は苦い味を有する薬物は患者コンプライアンスの欠如に至る。斯かるケースでは、味マスキングは患者コンプライアンスを改善する為に必須のツールである。親油性活性薬剤(例えば、ニコチン化合物)は望ましくない味プロファイルを有するので、コンプライアンスを改善する為には、本開示の組成物は1つ以上の親油性活性薬剤味マスキング剤をもまた含む。親油性活性薬剤味マスキング剤の例は、上に記載されている通りドライミルク、並びにメントール、甘味料、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン包接化合物、吸着物質、及び同類を包含する。
別の態様では、本発明の親油性活性薬剤を含ませた可食製品に用いられる味マスキング剤は、フレーバー剤、例えば塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び同類)、天然甘味料(例えば、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、及び同類)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテーム、及び同類);並びに其れ等の混合物を更に包含し得る。他の態様では、好適なフレーバー剤は、バニラ、バニリン、エチルバニリン、オレンジ油、フルーツ及びベリー型フレーバー剤、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ラベンダー、シナモン、チャイ、カルダモン、アピウム・グラベオレンス(apium graveolents)、チョウジ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、レモン油、ニホンハッカ、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、生姜、アニス、チャイ、コリアンダー、コーヒー、ペパーミント、ウィンターグリーン、ハッカ属の種からのミントオイル、及び其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
更なる態様では、バイオアベイラビリティ向上剤はオメガ−6脂肪酸を実質的に不含である。本願に於いて用いられる「実質的に不含」は全くではなく概ね純粋を意味する。例えば、「実質的に不含」は、重量で0.0001%、0.0002%、0.0003%、0.0004%、0.0005%、0.0006%、0.0007%、0.0008%、0.0009%、0.0010%、0.0011%、0.0012%、0.0013%、0.0014%、0.0015%、0.0016%、0.0017%、0.0018%、0.0019%、0.0020%、0.0021%、0.0022%、0.0023%、0.0024%、0.0025%、0.0026%、0.0027%、0.0028%、0.0029%、0.0030%、0.0031%、0.0032%、0.0033%、0.0034%、0.0035%、0.0036%、0.0037%、0.0038%、0.0039%、0.0040%、0.0041%、0.0042%、0.0043%、0.0044%、0.0045%、0.0046%、0.0047%、0.0048%、0.0049%、0.0050%、0.0051%、0.0052%、0.0053%、0.0054%、0.0055%、0.0056%、0.0057%、0.0058%、0.0059%、0.0060%、0.0061%、0.0062%、0.0063%、0.0064%、0.0065%、0.0066%、0.0067%、0.0068%、0.0069%、0.0070%、0.0071%、0.0072%、0.0073%、0.0074%、0.0075%、0.0076%、0.0077%、0.0078%、0.0079%、0.0080%、0.0081%、0.0082%、0.0083%、0.0084%、0.0085%、0.0086%、0.0087%、0.0088%、0.0089%、0.0090%、0.0091%、0.0092%、0.0093%、0.0094%、0.0095%、0.0096%、0.0097%、0.0098%、0.0099%、0.0100%、0.0200%、0.0250%、0.0275%、0.0300%、0.0325%、0.0350%、0.0375%、0.0400%、0.0425%、0.0450%、0.0475%、0.0500%、0.0525%、0.0550%、0.0575%、0.0600%、0.0625%、0.0650%、0.0675%、0.0700%、0.0725%、0.0750%、0.0775%、0.0800%、0.0825%、0.0850%、0.0875%、0.0900%、0.0925%、0.0950%、0.0975%、0.1000%、0.1250%、0.1500%、0.1750%、0.2000%、0.2250%、0.2500%、0.2750%、0.3000%、0.3250%、0.3500%、0.3750%、0.4000%、0.4250%、0.4500%、0.4750%、0.5000%、0.5250%、0.0550%、0.5750%、0.6000%、0.6250%、0.6500%、0.6750%、0.7000%、0.7250%、0.7500%、0.7750%、0.8000%、0.8250%、0.8500%、0.8750%、0.9000%、0.9250%、0.9500%、0.9750%、又は1.0%未満を意味する。
他の態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、バイオアベイラビリティ向上剤の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、又は10倍多大である。
更なる態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは20%よりも多大であるか、又は少なくとも約21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、若しくはより多大である。
他の態様では、対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度は、バイオアベイラビリティ向上剤の不在下の対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度よりも少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、又は10倍多大である。
親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを測定する為のアッセイ及び方法は当分野に於いて周知である(例えば、ロッチ(Rocci)及びジャスコ(Jusko)著(1983年)コンピュータプログラムズ・イン・バイオメディシン(Computer Programs in Biomedicine)第16巻:p.203−215;シャーゲル(Shargel)及びユー(Yu)著(1999年)「応用バイオ医薬学及び薬物動態学(Applied biopharmaceutics & pharmacokinetics)」(第4版).ニューヨーク:マグローヒル(McGraw-Hill);フー(Hu)及びリー(Li)著(2011年)「経口バイオアベイラビリティ:基本原理、最新概念、及び適用(Oral Bioavailability: Basic Principles, Advanced Concepts, and Applications)」,ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・リミテッド(John Wiley & Sons Ltd.);カーシュナー(Karschner)等著(2011年)クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第57巻:p.66−75;オールソン(Ohlsson)等著(1980年)クリニカルファーマコロジー・アンド・セラピューティクス(Clinical Pharmacology & Therapeutics)第28巻:p.409−416;オールソン(Ohlsson)等著(1982年)バイオメディカル&エンバイロメンタル・マススペクトロメトリー(Biomedical & Environmental Mass Spectrometry)第9巻:p.6−10;オールソン(Ohlsson)等著(1986年)バイオメディカル&エンバイロメンタル・マススペクトロメトリー(Biomedical & Environmental Mass Spectrometry)第13巻:p.77−83;カーシュナー(Karschner)等著(2010年)アナリティカル・アンド・バイオアナリティカルケミストリー(Analytical and Bioanalytical Chemistry)第397巻:p.603−611を見よ)。
F.親油性活性薬剤
本発明の活性薬剤は広い用量範囲に渡って有効である。例えば、成人のヒトを処置する際に、本発明の組成物及び方法は、0.01mgから1,000mg、0.5mgから500mg、1mgから100mg、5mgから50mg、及び10mgから25mgの親油性活性薬剤の用量を含む。代替的には、成人のヒトを処置する際に、本発明の組成物及び方法は、0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、又は1,000mgと言う親油性活性薬剤の用量を含む。
幾つかの実施形態では、親油性活性薬剤は:カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン又は其のアナログ、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル又は其のアナログ、ブプレノルフィン又は其のアナログ、スコポラミン又は其のアナログ、抗酸化剤、ニコチン化合物、及びイメージング剤から成る群から選択される。
i.カンナビノイド
カンナビス・サティバ・エル(Cannabis sativa L.)は娯楽及び薬用目的両方に最も広く用いられる植物の1つである。500個超の天然構成成分がC.サティバから単離及び同定されており、幾つかの化学物質クラスをカバーしている(アーメッド(Ahmed)等著(2008年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第71巻:p.536−542;アーメッド(Ahmed)等著(2008年)テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)第49巻:p.6050−6053;エルソーリ(ElSohly)及びスレイド(Slade)著(2005年)ライフサイエンシズ(Life Sciences)第78巻:p.539−548;ラドワン(Radwan)等著(2009年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第72巻:p.906−911;ラドワン(Radwan)等著(2008年)プランタ・メディカ(Planta Medica)第74巻:p.267−272;ラドワン(Radwan)等著(2008年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第69巻:p.2627−2633;ロス(Ross)等著(1995年)ザガジグ・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Zagazig Journal of Pharmaceutical Sciences)第4巻:p.1−10;ターナー(Turner)等著(1980年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第43巻:p.169−170)。カンナビノイドはテルペノフェノリックスと言う化学物質クラスに属し、此れ等の少なくとも85個はカンナビスに於いて特有に同定されている(ボルゲルト(Borgelt)等著.(2013年)ファーマコセラピー(Pharmacotherapy)第33巻:p.195−209)。
カンナビノイドは人体中に見い出されるカンナビノイド受容体(CB1、CB2)に対するリガンドである(パートウィー(Pertwee)著(1997年)ファーマコロジー・アンド・セラピューティクス(Pharmacology & Therapeutics)第74巻:p.129−180)。カンナビノイドは通常は次の群に分けられる:古典的カンナビノイド、非古典的カンナビノイド、アミノアルキルインドール誘導体、及びエイコサノイド(パートウィー(Pertwee)著(1997年)ファーマコロジー・アンド・セラピューティクス(Pharmacology & Therapeutics)第74巻:p.129−180)。古典的カンナビノイドは、C.サティバ・エルから単離された物、又は其れ等の合成アナログである。非古典的カンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)の二又は三環式アナログである(ピラン環なし)。アミノアルキルインドール及びエイコサノイドは古典的及び非古典的カンナビノイドと比較して構造が実質的に異なる。最も普通の天然の植物カンナビノイド(フィトカンナビノイド)はカンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、及びカンナビノール(CBN)である。最も精神作用性のカンナビノイドはΔ9−THCである。
近年、マリファナ及び其の構成要素は幅広い範囲の状態の症状に対抗する事が科学文献に依って報告されており、多発性硬化症及び筋スパズムの他の形態;運動障害、偏頭痛を包含する疼痛;緑内障;喘息;炎症;不眠症;並びに高血圧を包含するが、此れ等に限定されない。抗不安薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗精神病薬、抗癌剤、及び食欲刺激薬としてのカンナビノイドの有用性もまたあり得る。カンナビノイドの薬理学的及び毒性学的研究は主としてΔ9−THCの合成アナログ(ジェネリック名ドロナビノールとして市販)にフォーカスされている。1985年に、ドロナビノールは、化学療法に関連する悪心及び嘔吐の処置について、後にはAIDSに関連する消耗及び拒食症について、FDAに依って認可された。
カンナビノイドの治療使用は、幾つかの化合物(例えばドロナビノール)の精神作用性特性と経口投与される時の其れ等の低いバイオアベイラビリティとに依って妨げられている。バイオアベイラビリティは、活性部分(薬物又は代謝物)が全身循環に入り、其れに依って作用部位にアクセスする程度及び速度を言う。経口摂取されるカンナビノイドの低いバイオアベイラビリティ(約6%から20%;アダムス(Adams)及びマーチン(Martin)著(1996年)アディクション(Addiction)第91巻,p.1585−614;アグレル(Agurell)等著(1986年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第38巻,p.21−43;グローテンヘルマン(Grotenhermen)著(2003年)クリニカル・ファーマコカイネティクス(Clinical Pharmacokinetics)第42巻,p.327−60)は、其れ等の不良な溶解特性及び大規模な初回通過代謝に帰せられている。
カンナビノイドは、体のカンナビノイド受容体を直接的又は間接的に活性化する化学物質の異形の群である。カンナビノイドの3つの主な型がある:カンナビス植物体に於いて特有に生起するハーブ系カンナビノイド、製造される合成カンナビノイド、及びインビボで生ずる内在性カンナビノイドである。ハーブ系カンナビノイドは水には不溶に近いが、脂質、アルコール、及び非極性有機溶媒には可溶である。此れ等の天然カンナビノイドは、トライコームとして公知の腺構造中に生ずる粘稠な樹脂中に濃縮されている。カンナビノイドに加えて、樹脂はテルペンに富み、此れ等はカンナビス植物体の匂いを主として担っている。
主要な精神作用性薬物としてのΔ9−テトラヒドロカンナビノール(THC)の同定及び1964年の其の化学合成は、薬理学的な薬剤としての合成カンナビノイドの新たな時代を開いた。カンナビノイド受容体及び此れ等の受容体の内在性リガンドの発見から、カンナビノイド研究は近年大変に増大している。受容体は、圧倒的に脳で発現されるCB1及び主として免疫系の細胞で見い出されるCB2を包含する。カンナビノイド受容体はG蛋白質共役受容体のスーパーファミリーに属する。其れ等は7つの膜貫通αヘリックスを有する単一のポリペプチドであり、細胞外のグリコシル化されたN末端及び細胞内C末端を有する。CB1及びCB2カンナビノイド受容体両方はG1/0蛋白質に連結される。此れ等の受容体に加えて、THCの薬理学的作用をミミックする事が出来る此れ等の受容体の内在性リガンドもまた発見されている。斯かるリガンドはエンドカンナビノイドと呼称され、アナンダミド及び2−アラキドノイルグリセロール(2−AG)を包含した。アナンダミドは脳及び脾臓等の末梢免疫組織に於いて生ずる。
CB1及びCB2に結合する事に依って其の作用を行使するTHCとは違って、カンナビジオールは此れ等の受容体に結合せず、依って、如何なる向精神活性も有さない。代わりに、カンナビジオールはアナンダミドを分解する酵素(脂肪酸アミドヒドロキシラーゼ「FAAH」)を抑制する事に依って間接的に内在性カンナビノイドシグナル伝達を刺激する。カンナビジオールは2−AGの放出をもまた刺激する。カンナビジオールは、免疫調節性の及び抗炎症性の特性を有する事、抗痙攣、抗不安、及び抗精神病活性を見せる事、並びに効率的な神経保護性の抗酸化剤として機能する事が報告されている。
カンナビス中のカンナビノイドは多くの場合に喫煙に依って吸入されるが、摂取もまたされ得る。喫煙又は吸入されるカンナビノイドは、平均で約30%の、2〜56%の範囲であるバイオアベイラビリティを報告している(ヒュースティス(Huestis)著(2007年)ケミストリー・アンド・バイオダイバーシティー(Chemistry & Biodiversity)第4巻:p.1770−1804、マッギルバレー(McGilveray)著(2005年)ペインリサーチ・アンド・マネージメント(Pain Research and Management)第10巻サプリメントA:p.15A−22A)。此の変動性は主に喫煙動態の違いが原因である。口の粘膜から吸収されるカンナビノイド(頬粘膜適用)は13%前後のバイオアベイラビリティを有する(カーシュナー(Karschner)等著(2011年)クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第57巻:p.66−75)。対照的に、カンナビノイドが摂取される時には、バイオアベイラビリティは典型的には約6%迄縮減される(カーシュナー(Karschner)等著(2011年)クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第57巻:p.66−75)。
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤はカンナビノイドである。
特定の態様では、少なくとも1つのカンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
から成る群から選択される。
特定の態様では、少なくとも1つのカンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて、カンナビジオール等の非精神作用性のカンナビノイドである。幾つかの特に開示される態様では、カンナビノイドは:
から成る群から選択され、式中、Aはアリール、特に、
であるが、ピネン、例えば:
ではなく、R
1〜R
5基は夫々が独立して水素、置換又は無置換の低級アルキル、置換又は無置換のカルボキシル、置換又は無置換のアルコキシ、置換又は無置換のアルコール、及び置換又は無置換のエーテルから成る群から選択され、R
6〜R
7はH又はメチルである。特定の態様では、環上に如何なる窒素も及び/又は環上に如何なるアミノ置換もない。
他の態様では、カンナビノイドは:
から成る群から選択され、式中、A環上の点線に依って指示されている任意の二重結合に依って指示されている通り、A環上には0から3つの二重結合があり得る。C環は芳香族であり、B環はピランであり得る。特定の態様はジベンゾピラン及びシクロヘキセニルベンゼンジオールである。本発明のカンナビノイドの特定の態様は高度に脂溶性でもまたあり得、特定の態様では、水溶液中には僅かにのみ溶解され得る(例えば10mg/ml以下)。中性pHに於けるオクタノール/水分配比は、有用な態様に於いて、5000又はより多大、例えば6000又はより多大である。此の高い脂溶性は、1.5L/kg以上、例えば3.5L/kg、7L/kg、又は理想的には10L/kg以上、例えば少なくとも20L/kgと言う其の分布容積(V
d)に依って反映される通り、中枢神経系(CNS)への薬物の浸透を向上させる。特定の態様は、CNSに浸透する事が出来る高度に水溶性の誘導体、例えばカルボキシル誘導体でもまたあり得る。
R7〜18は、独立して、H、置換又は無置換のアルキル、取り分け低級アルキル、例えば無置換のC1〜C3アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、取り分け低級アルコキシ、例えばメトキシ又はエトキシ、置換又は無置換のアルコール、及び無置換又は置換のカルボキシル、例えばCOOH又はCOCH3の群から選択される。他の態様では、R7〜18は置換又は無置換のアミノ及びハロゲンでもまたあり得る。
特定の態様では、少なくとも1つのカンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて、非精神作用性カンナビノイドであり、カンナビノイドがカンナビノイド受容体に依って媒介される如何なる精神作用性活性も実質的に有さないと言う事を意味する(例えば、300nMに等しいか又はより多大な、例えば1μMよりも多大なカンナビノイド受容体に於けるIC50、及び250nM、取り分け500〜1000nMよりも多大な、例えば1000nMよりも多大なKi)。
他の特定の態様では、カンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
から成る群から選択され、式中、R
19は置換又は無置換のアルキル、例えば低級アルキル(例えばメチル)、低級アルコール(例えばメチルアルコール)又はカルボキシル(例えばカルボン酸)、及び酸素(=Oの様な)であり;R
20は水素又はヒドロキシであり;R
21は水素、ヒドロキシ、又はメトキシであり;R
22は水素又はヒドロキシであり;R
23は水素又はヒドロキシであり;R
24は水素又はヒドロキシであり;R
25は水素又はヒドロキシであり;R
26は置換若しくは無置換のアルキル(例えばn−メチルアルキル)、置換若しくは無置換のアルコール、又は置換若しくは無置換のカルボキシである。
他の特定の態様では、カンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
から成る群から選択され、式中、環上の位置の夫々について付番規則が示されており、R
27、R
28、及びR
29は独立してH、CH
3等の無置換の低級アルキル、及びCOCH
3等のカルボキシルから成る群から選択される。此の定義に当て嵌まる非精神作用性カンナビノイドの特定の例は、カンナビジオール及び
並びにカンナビジオールの他の構造アナログである。
他の特定の態様では、カンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
から成る群から選択され、式中、R
27、R
28、及びR
29は独立してH、CH
3等の低級アルキル、及びCOCH
3等のカルボキシルから成る群から選択され、特に、式中:
a)R
27=R
28=R
29=H
b)R
27=R
29=H;R
28=CH
3
c)R
27=R
28=CH
3;R
29=H
d)R
27=R
28=COCH
3;R
29=H
e)R
27=H;R
28=R
29=COCH
3
である。R
27=R
28=R
29=Hの時には、化合物はカンナビジオール(CBD)である。R
27=R
29=H且つR
28=CH
3の時には、化合物はCBDモノメチルエーテルである。R
27=R
28=CH
3且つR
29=Hの時には、化合物はCBDジメチルエーテルである。R
27=R
28=COCH
3且つR
29=Hの時には、化合物はCBDジアセテートである。R
27=H且つR
28=R
29=COCH
3の時には、化合物はCBDモノアセテートである。
ii.テルペン及びテルペノイド
テルペンは5炭素イソプレン単位から誘導される多様な群の有機炭化水素であり、広い種々の植物に依って生ずる。テルペノイドはヘテロ原子を包含する官能基を追加する様に化学修飾されたテルペンである。テルペン及びテルペノイドはホルモン、ビタミン、顔料、ステロイド、樹脂、及び精油の重要なビルディングブロックである。テルペンはカンナビスに天然に存在する;然し乍ら、其れ等は抽出プロセスの間に取り出され得る。テルペン及びテルペノイドは種々の医薬(薬力学的)効果を有し、所望の医薬活性について選択され得る。
1つの実施形態では、テルペン/テルペノイドはリモネンを包含する。リモネンは環式テルペンとして分類される無色液体炭化水素である。より普通のD異性体はオレンジの強い香りと苦味とを持つ。其れは化学合成に於いてカルボンへの前駆体として及びクリーニング製品の溶媒として用いられる。リモネンはキラルな分子である。生物学的なソースは1つのエナンチオマーを生ずる。主立った産業的なソースの柑橘類はD−リモネン((+)−リモネン)を含有し、此れは(R)エナンチオマーである(CAS番号5989−27−5、EINECS番号227−813−5)。ラセミ体リモネンはジペンテンとして公知である。其のIUPAC名は1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−シクロヘキセンである。其れは4−イソプロペニル−1−メチルシクロヘキセン、ラセミ体p−メンタ−1,8−ジエン:DL−リモネン;ジペンテンとしてもまた公知である。
リモネンは医薬、食品、及び香料への使用の歴史を有する。其れは非常に低い毒性を有し、ヒトは其れに対して稀にアレルギーである。リモネンは胃液逆流の処置として及び抗真菌剤として用いられる。蛋白質を透過させる其の能力は其れを足の爪水虫についての有用な処置にしている。リモネンは抑鬱及び不安を処置する為にもまた用いられる。リモネンは皮膚、粘膜、及び消化管からの他のテルペノイド及び化学物質の吸収を援助する事が報告されている。リモネンは免疫増強特性を有する。リモネンは植物性の殺虫剤としてもまた用いられる。
リモネンの主たる(principle)代謝物は、ヒト肝臓ミクロソームに於けるCYP2C9及びCYP2C19シトクロムに依る6−ヒドロキシル化の生成物(+)−及び(−)−トランス−カルベオールと7−ヒドロキシル化の生成物(+)−及び(−)−ペリリルアルコールとである。ペリリルアルコールのエナンチオマーは食事性の化学療法薬剤としてのあり得る薬理学的可能性について研究されている。其れ等は、幾つかのCNS新生物及び他の固形腫瘍に於ける、取り分けグリオーマの処置の為の新規の治療オプションと考えられている。ペリリルアルコール及びリモネン代謝物の細胞毒性活性は其れ等の血管新生抑制特性、高体温誘導効果、負のアポトーシス制御、及びRas経路に対する効果を原因とする事が蓋然的である。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはリナロールを包含する。リナロールは多くの花卉及び香辛料植物に見い出される天然に生起するテルペンアルコール化学物質であり、多くの商業的な適用を有し、此れ等の大多数は其の心地よい芳香(フローラル且つややスパイシー)に基づく。其れはβ−リナロール、リナリルアルコール、リナロイルオキシド、p−リナロール、アロオシメノール、及び3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オールとしてもまた公知である。其のIUPAC名は3,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン−3−オールである。
主にシソ科、クスノキ科、及びミカン科に於いて、200種よりも多くの植物がリナロールを生ずる。其れは幾つかの真菌にもまた見い出されている。リナロールは何千年にも渡って睡眠補助薬として用いられている。リナロールはビタミンEの形成に於ける重要な前駆体である。其れは、精神病及び不安両方の処置への並びに抗癲癇剤としての使用の歴史を有する。其れは鎮痛的な痛み緩和をもまた提供する。其の蒸気は蚤、ショウジョウバエ、及びゴキブリに対する有効な殺虫剤である事が示されている。リナロールは石鹸、洗剤、シャンプー、及びローションを包含する香料付き衛生製品及びクリーニング剤の概算上の60〜80%に於いて芳香として用いられる。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはミルセンを包含する。ミルセン又はβ−ミルセンはオレフィン系の天然有機化合物である。其れは炭化水素として、より正確にはモノテルペンとして分類される。テルペンはイソプレンの二量体であり、ミルセンは最も重要な物の1つである。ミルセンは、ベイ、カンナビス、イランイラン、ワイルドタイム、マンゴー、パセリ、及びホップを包含する幾つかの植物の精油の構成要素である。ミルセンは、其れが其の名を貰っているミルシアから主に半合成的に生じる。ミルセンは幾つかのフレグランスの産生に於ける鍵中間体である。α−ミルセンは構造異性体2−メチル−6−メチレン−1,7−オクタジエンの名であり、此れは天然には見い出されず、少ししか用いられない。其のIUPAC名は7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエンである。
ミルセンは鎮痛効果を有し、レモングラス茶の薬効特性を担う事が蓋然的である。其れはプロスタグランジンE2を介する抗炎症特性を有する。鎮痛作用はマウスに於いてはナロキソン又はヨヒンビンに依ってブロックされ得る。此れは内在性のオピオイドのアルファ2−アドレノセプターに依って刺激される放出に依る媒介を示唆する。β−ミルセンは抗炎症特性を有する事が報告されており、スパズム、睡眠障害、及び痛みを処置する為に用いられる。ミルセンは血液脳関門の抵抗を低める様に見え、其の物及び多くの他の化学物質が関門をより有効に抜ける事を許す。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはα−ピネンを包含する。α−ピネンは植物及び動物両方に於いて生理的に大事な主要モノテルペンの1つである。其れはアルケンであり、其れは反応性の4員環を含有する。α−ピネンは他の化学物質と反応し、D−リモネンを包含する種々の他のテルペン及び他の化合物を形成する傾向がある。α−ピネンは何世紀にも渡って気管支拡張薬として喘息の処置に用いられている。其れは高度にバイオアベイラブルであり、60%のヒト経肺吸収を有し、急速な代謝を有する。α−ピネンはPGE1を介する抗炎症薬であり、幅広いスペクトルの抗生物質である様に見える。其れはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤として作用し、記憶を補助する。同定されているα−ピネンの生成物はピノンアルデヒド、ノルピノンアルデヒド、ピン酸、ピノン酸、及びピナール酸を包含する。
ピネンはコニファー、松、及びオレンジに見い出される。α−ピネンはテレビン油の主要な構成成分である。其のIUPAC名は(1S,5S)−2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン((−)−α−ピネン)である。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはβ−ピネンを包含する。β−ピネンは樹木に依って放出される最も豊富な化合物の1つである。其れはピネンの2つの異性体の1つであり、他方はα−ピネンである。其れは普通のモノテルペンであり、空気中で酸化される場合には、ピノカルベオール及びミルテノールファミリーのアリル生成物が優勢である。其のIUPAC名は6,6−ジメチル−2−メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタンであり、2(10)−ピネン;ノピネン;シュードピネンとしてもまた公知である。其れはクミン、レモン、松、及び他の植物に見い出される。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはβ−カリオフィレンとしてもまた公知のカリオフィレンを包含する。カリオフィレンは、チョウジ、カンナビス、ローズマリー、及びホップを包含する多くの精油の構成成分である天然の二環式セスキテルペンである。其れは通常はイソカリオフィレン(シス二重結合異性体)及び開環異性体のα−フムレンとの混合物として見い出される。カリオフィレンは稀なシクロブタン環を有する事から注目される。其のIUPAC名は4,11,11−トリメチル−8−メチレン−ビシクロ[7.2.0]ウンデカ−4−エンである。
カリオフィレンは、黒胡椒のスパイシーさに寄与する化合物の1つである事が公知である。スイス連邦工科大学に依って行われた研究では、β−カリオフィレンはカンナビノイド受容体2型(CB2)の選択的アゴニストである事及び有意なカンナビノイド模倣的な抗炎症効果をマウスに於いて行使する事が示された。抗侵害受容、神経保護、抗不安、抗鬱、及び抗アルコール活性がカリオフィレンに紐付けられている。β−カリオフィレンはFDA認可された食品添加物であるので、其れは初めての食事性カンナビノイドと考えられる。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはシトラールを包含する。シトラール、又は3,7−ジメチル−2,6−オクタジエナール若しくはレモナールは、分子式C10H16Oを有するテルペノイドのペア又は混合物何方かである。2つの化合物同士は二重結合異性体である。E異性体はゲラニアール又はシトラールAとして公知である。Z異性体はネラール又はシトラールBとして公知である。其のIUPAC名は3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナールである。其れはシトラール、ゲラニアール、ネラール、ゲラニアルデヒドとしてもまた公知である。
シトラールはレモンマートル、レモングラス、バーベナ、ライム、レモン、及びオレンジを包含する幾つかの植物の油に存在する。ゲラニアールは著しいレモンの匂いを有する。ネラールのレモンの匂いは同じ程強度ではないが、甘い。シトラールは其の柑橘性質から主として香料製造に用いられる。シトラールは、フレーバーとして、及びレモン油を強化する為にもまた用いられる。其れは強い抗微生物的な性質と昆虫に於けるフェロモン効果とを有する。シトラールはビタミンA、イオノン、及びメチルイオノンの合成に用いられる。
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはフムレンを包含する。α−フムレン又はα−カリオフィレンとしてもまた公知のフムレンは天然に生起する単環式セスキテルペン(C15H24)である。此れは3つの非共役C=C二重結合を含有する3つのイソプレン単位から成る11員環であり、其れ等の2つは三置換であり、1つは二置換である。其れはフムルス・ルプルス(ホップ)の精油中に初めて見い出された。フムレンはβ−カリオフィレンの異性体であり、2つは多くの芳香植物に於いて多くの場合に混合物として一緒に見い出される。
フムレンは哺乳動物に於いて抗炎症効果を生ずる事が示されており、此れは炎症性疾患のマネジメントへのポテンシャルを実証する。其れはデキサメタゾンに類似の効果を生じ、ヒスタミン注射に依って引き起こされる浮腫形成を減少させる事が見い出された。フムレンはカラギーナン注射ラットに於いて腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン−1ベータ(IL1B)生成に対する阻害効果をを生じた。漢方では、其れはβ−カリオフィレンとブレンドされ、炎症の治療薬として用いられる。
他の例示的なテルペン及びテルペノイドはメントール、ユーカリプトール、ボルネオール、プレゴン、サビネン、テルピネオール、及びチモールを包含する。1つの実施形態では、例示的なテルペン/テルペノイドはユーカリプトールである。
iii.NSAID
NSAIDは、世界のペインマネジメント処置オプションの2番目に大きいカテゴリーである。ペインマネジメントのグローバル市場は2011年には$220億と概算され、此の市場の$54億はNSAIDに依って貢献された。米国はグローバル市場の二分の一超を成す。オピオイド市場(例えばモルヒネ)は最も大きい単一のペインマネジメントセクターを形成するが、深刻な依存及び耐性の問題に関連する事が公知である。
一般的に、NSAIDは痛みの安全且つ有効な処置方法であるが、其れ等はディスペプシア及び胃出血を包含する幾つもの胃腸の問題に関連している。
種々の適応症に於けるペインマネジメントアウトカムを提供する為に、本発明の組成物及び方法に依るNSAIDの送達は、縮小された負の胃腸効果で以て痛み緩和の有益な特性を提供し、より低い用量の活性成分をもまた送達するであろう。
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤はNSAIDであり、特に、NSAIDはアセチルサリチル酸、イブプロフェン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、及びピロキシカムから成る群から選択される。
幾つかの態様では、NSAIDは、COX阻害剤、例えば選択的COX阻害剤、例えばCOX−2阻害剤、例えばセレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、チルマコキシブ、又は他の類似の公知の化合物、取り分けセレコキシブであり、其の種々の公知の結晶形態及び其の種々の塩を包含する(例えば、結晶形態I、II、III、IV、及びN)。幾つかの態様では、活性薬剤は本発明に従う組成物に於いて選択的COX−2阻害剤であり、此れ等は:炎症、大腸ポリープ(何故なら、其れ等は前癌性大腸ポリープの物等の異常分裂細胞に対する効果を有するからである)、生理痛、スポーツ傷害、変形性関節炎、関節リウマチ、及び痛み、例えば急性痛を処置する事に取って、並びに消化性潰瘍化のリスクを縮減する事に取って有用である事が公知である。本発明の態様は活性成分の結晶又は非晶質形態での使用に取って好適である。
1つの態様では、活性薬剤はセレコキシブであり、此れはCOX−1に対するよりも約7.6倍高い親和性をCOX−2に対して有する選択的COX−2阻害剤である。其れ故に、セレコキシブの抗炎症活性は、非選択的な非ステロイド性抗炎症活性成分について多くの場合に経験される胃腸副作用に依って稀にのみ付随される。
iv.ビタミン
ビタミン及びサプリメントのグローバル市場はユーロモニター(Euromonitor)に従うと$680億に相当する。カテゴリーは幅広く且つ深く、多くの有名な物質及び幾つかのより公知でない物質から成る。一般的に、ビタミンは米国に於いて$85億の年間市場であると思料される。米国は世界の最も大きい単一の国内市場であり、中国及び日本は2番目及び3番目に大きいビタミン市場である。
4つの最も普通の脂溶性ビタミンは:ビタミンA(レチノール)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、及びビタミンK(フィロキノン及びメナキノン)である。
ビタミンEは脂溶性であり、其れ等を酸化のダメージから保護し得る細胞膜中に組み込まれ得る。天然ソースのビタミンEのグローバルな消費は2013年には10,900メトリックトンであり、$6.119億に相当した。
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤は脂溶性ビタミンであり、特に、脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、又はKである。
v.ニコチン化合物
ニコチンは煙草葉の天然成分であり、此処で、其れは植物性の殺虫剤として作用する(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)。市販のシガレット煙草の合計のアルカロイド含量の約95%を含み、ニコチンは市販のシガレット煙草の重量で約1.5%を含む(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)。経口の嗅ぎ煙草及びパイプ煙草はシガレット煙草に類似のニコチンの濃度を含有するが、葉巻及び噛み煙草は典型的にはシガレット煙草のニコチン濃度の約半分のみを含有する(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)。平均的な煙草ロッドは、典型的には10から14mgのニコチンを含有し(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)、喫煙中には、平均で約1から1.5mgのニコチンが全身吸収される(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)。概ね、煙草中のニコチンは左旋性の(levorotary)(S)異性体であり、合計のニコチン含量の0.1から0.6%のみが(R)−ニコチンである(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)。煙草の煙の(R)−ニコチン含量はより高く、煙中のニコチンの最高で10%が(R)異性体であると報告されており、燃焼の間に生起するラセミ化に帰せられると思料される(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115)。
世界的に消費される全てのニコチンの99%よりも多くは、シガレットを喫煙する事に依って送達される。アメリカ疾病管理予防センターに従うと、世界的に年当たり凡そ6,000,000件の死亡が主として喫煙の行為に依るニコチンの送達に帰せられる。此れは、成人喫煙者の為の直接的な医学的ケアコストに年当たり$1700億超が米国だけで費やされているともまた概算している。何れかの12ヶ月期間に於いて、米国成人喫煙者の69%は喫煙を止める事を欲し、米国成人喫煙者の43%は止める事を試みている。
世界的には、小売のシガレットの売上は2013年には$7220億に相当し、5.7兆本超のシガレットが10億よりも多くの喫煙者に販売された。当分野に於いては、喫煙品並びに/又は(or or)無煙煙草製品に有用な煙草(並びに煙草組成物及び製剤)の性格並びに性質を変改する為の更なる方法を提供する事が望ましいであろう。活性薬剤のバイオアベイラビリティの向上、不快な味のマスキング、並びに追加の活性薬剤の組み込みを包含する。更に其の上、本発明の組成物及び方法に依って現行の需要を満足させる為のニコチンの送達は、シガレットの消費者需要を部分的に軽減し得る。ニコチン消費の有害な健康アウトカムの殆どは送達方法に関連し、ニコチンの実際の摂取にはより少ない度合いでのみ関連するので、シガレットを喫煙する事の縮減に依って、甚だしい正の公衆健康アウトカムが達成され得る。
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤はニコチン化合物である。
多くの場合には、本願に於いて用いられる「ニコチン化合物」又は「ニコチンのソース」は植物材料に結合していない天然に生起するか又は合成のニコチン化合物を言い、化合物が少なくとも部分的に精製されており、煙草葉等の植物構造中に含有されてはいないと言う事を意味する。最も好ましくは、ニコチンは天然に生起し、ニコチアナ種(例えば煙草)からのエキスとして得られる。ニコチンはエナンチオマー形態S(−)−ニコチン、R(+)−ニコチン、又はS(−)−ニコチン及びR(+)−ニコチンの混合物を有し得る。最も好ましくは、ニコチンはS(−)−ニコチンの形態(例えば、事実上全てS(−)−ニコチンである形態)、又は主として若しくは圧倒的にS(−)−ニコチンから構成されるラセミ混合物(例えば、約95重量部のS(−)−ニコチン及び約5重量部のR(+)−ニコチンから構成された混合物)である。最も好ましくは、ニコチンは事実上純粋な形態で又は本質的に純粋な形態で使用される。使用される高度に好ましいニコチンは、重量基準で、約95パーセントよりも多大な、より好ましくは約98パーセントよりも多大な、最も好ましくは約99パーセントよりも多大な純度を有する。ニコチンがニコチアナ種から抽出され得ると言う事実にも関わらず、ニコチン(並びに本発明に従って生ずる組成物及び製品)は煙草から得られるか又は誘導される他の構成要素を事実上又は本質的に不含である事が高度に好ましい。
ニコチン化合物は遊離塩基形態、塩形態の、錯体としての、又は溶媒和物としてのニコチンを包含し得る。例えば、ハンソン(Hansson)の米国特許公開第2004/0191322号に於ける遊離塩基形態のニコチンの議論を見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。ニコチン化合物の少なくとも或る部分はニコチンの樹脂錯体の形態で使用され得、此処で、ニコチンはニコチンポラクリレックス等のイオン交換樹脂中に結合されている。例えば、リヒトネッカート(Lichtneckert)等の米国特許第3,901,248号を見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。ニコチンの少なくとも或る部分は塩の形態で使用され得る。ニコチンの塩は、コックス(Cox)等の米国特許第2,033,909号及びローソン(Lawson)等の米国特許第4,830,028号並びにペルフェッティ(Perfetti)等著,バイトラーゲ・タバクフォルシュング・インターナショナル(Beitrage Tabakforschung International),第12巻:p.43−54(1983年)に記されている型の成分及び技術を用いて提供され得る。此れ等は参照に依って本願に組み込まれる。2010年4月28日出願のブリンクリー(Brinkley)等の米国特許出願シリアル番号12/769,335をもまた見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。加えて、ニコチンの塩はファルツ・アンド・バウアー社(Pfaltz and Bauer, Inc.)及びK&Kラボラトリーズ社ICNバイオケミカルズ部門(K&K Laboratories, Division of ICN Biochemicals, Inc.)等のソースから利用可能である。
例示的な医薬的に受け入れられるニコチン塩は、酒石酸(例えば、酒石酸ニコチン及び重酒石酸ニコチン)、塩化物(例えば、ニコチン塩酸塩及びニコチン二塩酸塩)、硫酸、過塩素酸、アスコルビン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスパラギン酸、サリチル酸、トシル酸、琥珀酸、ピルビン酸、及び同類のニコチン塩;ニコチン塩水和物(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)及び同類を包含する。ニコチンとの塩を形成し得る追加の有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、アルファ−メチル酪酸、イソ吉草酸、ベータ−メチル吉草酸、カプロン酸、2−フロ酸、フェニル酢酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、シュウ酸、マロン酸、及びグリコール酸、並びに最高で約20個の炭素原子の炭素鎖を有する他の脂肪酸を包含する。
多くの実施形態では、ニコチン化合物は複数の形態で存在するであろう。例えば、ニコチンは、組成物中に於いて、少なくとも2つの塩の混合物(例えば、2つの異なる有機酸塩、例えば重酒石酸ニコチン及びレブリン酸ニコチンの混合物)として、組成物中に於いて分離されている少なくとも2つの塩として、遊離塩基形態及び塩形態で、組成物中に於いて分離されている遊離塩基形態及び塩形態で、塩形態及び錯化形態(例えば、ニコチンポラクリレックス等の樹脂錯体)で、組成物中に於いて分離されている塩形態(salt for)及び錯化形態で、遊離塩基形態及び錯化形態で、組成物中に於いて分離されている遊離塩基形態及び錯化形態、又は同類で使用され得る。依って、各単一用量単位又はピース(例えば、ガムのピース、ロゼンジ、サシェ、フィルムストリップ等)はニコチンの少なくとも2つの形態を組み込み得る。
ニコチン化合物、特にニコチン等の化合物は、他の所謂煙草アルカロイド(即ち、煙草中に天然に生起する事が同定されているアルカロイド)との組み合わせでもまた使用され得る。例えば、本発明に従って使用されるニコチンは、ノルニコチン、アナタビン、アナバシン、及び同類、並びに其れ等の組み合わせとの組み合わせで使用され得る。例えば、ジェイコブ(Jacob)等著、アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルス(American Journal of Public Health)、第5巻:p.731−736(1999年)を見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。
最も好ましくは、本発明の組成物は医薬的に有効な且つ医薬的に受け入れられる形態を持つ。詰まり、最も好ましくは、組成物は、ニコチン以外の煙草の構成要素の有意な量を、何れかのはっきりした度合い迄には組み込まないか又は故意には組み込まない。依って、医薬的に有効な且つ医薬的に受け入れられる組成物は、パーツ若しくはピースの煙草、加工された煙草構成要素、又は煙草含有シガレット、葉巻、パイプ、若しくは無煙形態の煙草製品中に従来存在する煙草構成要素の多くを包含しない。煙草から天然に生起するニコチンを抽出する事に依って誘導される高度に好ましい組成物は、組成物の合計重量に基づいて、5重量パーセント未満のニコチン以外の煙草構成要素、より多くの場合には約0.5重量パーセント未満、頻繁には約0.25重量パーセント未満を包含し、典型的には、ニコチン以外の煙草の構成要素、加工された煙草構成要素、又は煙草から誘導される構成要素を完全に不含であるか又は欠いている。
幾つかの実施形態では、ニコチン化合物はニコチン及びニコチン誘導体から成る群から選択され、ニコチン誘導体はニコチン塩、ニコチン錯体、ニコチンポラクリレックス、又は其れ等の組み合わせを含む。
煙草アルカロイドは、ニコチン及びニコチン様又は関連する薬理学的に活性な化合物、例えばノルニコチン、ロベリン、及び同類、並びに遊離塩基物質ニコチン、及び酸付加塩を包含するニコチンの全ての薬理学的に受け入れられる塩を包含する。故に、其の用語が本願に於いて用いられる通りの「ニコチン化合物」は、全ての前述の煙草アルカロイドと、酒石酸水素ニコチン及び重酒石酸ニコチン二水和物、並びにニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、硫酸ニコチン、クエン酸ニコチン、ニコチン塩化亜鉛一水和物、サリチル酸ニコチン、ニコチン油、シクロデキストリンと錯化したニコチン、ポリマー樹脂、例えばニコチンポラクリレックス、ニコチンレジネート、並びに他のニコチン−イオン交換樹脂を包含するが此れ等に限定されないニコチン塩とを単独で又は組み合わせで包含する。
ニコチン化合物はニコチンアナログをもまた包含し、此れ等は、(s)−ニコチン、ノルニコチン、(S)−コチニン、B−ニコチリン、(S)−ニコテン−N’−オキシド、アナバシン、アナタビン、ミオスミン、B−ノルニコチリン、4−(メチルアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブテン(メタニコチン)シス又はトランス、N’−メチルアナバシン、N’−メチルアナタビン、N’メチルミオスミン、4−(メチルアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(シュードオキシニコチン)、及び2,3’−ビピリジルについて下で示されている構造を包含するが、此れ等に限定されない(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115):
ニコチン化合物は重酒石酸ニコチン、シチシン、ニコチンポラクリレックス、ノルニコチン、ニコチン1−N−オキシド、メタニコチン、ニコチンイミン、ニコチンN−グルクロニド、N−メチルニコチニウム、N−n−デシルニコチニウム、5’−シアノニコチン、3,4−ジヒドロメタニコチン、N’−メチルニコチニウム、N−オクタノイルノルニコチン、2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−1−メチル−1H−ピロロ(3,2−h)イソキノリン、5−イソチオシアノニコチン、5−ヨードニコチン、5’−ヒドロキシコチニン−N−オキシド、ホモアザニコチン、ニコチンモノメチオジド、N−4−アジド−2−ニトロフェニルノルニコチン、N−メチルノルニコチニウム、ニコチニウムモリブドリン酸樹脂、N−メチル−N’−オキソニコチニウム、N’−プロピルノルニコチン、シュードオキシニコチン、4’−メチルニコチン、5−フルオロニコチン、K(s−nic)5(Ga2(N,N’−ビス−(2,3−ジヒドロキシベンゾイル)−1,4−フェニレンジアミン)3)、5−メトキシニコチン、1−ベンジル−4−フェニルニコチンアミジニウム、6−n−プロピルニコチン、SIB1663、6−ヒドロキシニコチン、N−メチル−ニコチン、6−(2−フェニルエチル)ニコチン、N’−ホルミルノルニコチン、N−n−オクチルニコチニウム、N−(n−オクタ−3−エニル)ニコチニウム、N−(n−デカ−9−エニル)ニコチニウム、5’−アセトキシ−N’−ニトロソノルニコチン、4−ヒドロキシニコチン、4−(ジメチルフェニルシリル)ニコチン、N’−カルボメトキシノルニコチン、及びN−メチルニコトンをもまた包含する。
ニコチン化合物は、当分野に於いて周知の1つ以上の別々の物理形態で用いられ得、遊離塩基形態、カプセル化形態、イオン化形態、及び噴霧乾燥形態を包含する。
ニコチンの化学、吸収、代謝、動態、及びバイオマーカーについての追加の記載はフッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79−115及びベノウィッツ(Benowitz)等著(2009年)ハンドブック・オブ・エクスペリメンタル・ファーマコロジー(Handbook of Experimental Pharmacology)第192巻:p.29−60に記載されており、此れ等は両方とも其れ等の全体が本願に組み込まれる。
組成物は、脳に存在するニコチン性受容体サブタイプに対する選択的なアゴニストとしてキャラクタリゼーションされるか、又はCNSのニコチン性受容体サブタイプを調節する化合物として別様にキャラクタリゼーションされ得る、ニコチン化合物をもまた包含する。種々のニコチン性受容体サブタイプがドウォスキン(Dwoskin)等著,エキスパートオピニオン・オン・セラピューティック・パテンツ(Expert Opinion on Therapeutic Patents),第10巻:p.1561−1581(2000年);ファン(Huang)等著,米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society),第127巻:p.14401−14414(2006年);及びミラー(Millar)著,バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第78巻:p.766−776(2009年)に記載されている;此れ等は参照に依って本願に組み込まれる。本発明の目的の為の他のニコチン化合物としてキャラクタリゼーションされ得る代表的な化合物は、シュミット(Schmitt)等著,アニュアルレポーツ・イン・メディシナルケミストリー(Annual Reports in Medicinal Chemistry)第35巻:p.41−51(2000年);及びアーネリック(Arneric)等著,バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第74巻:p.1092−1101(2007年)に記されている;此れ等は参照に依って本願に組み込まれる。
1つの態様では、ニコチン化合物はα7(アルファ7)ニコチン性受容体サブタイプに対する選択性を有する化合物であり得、好ましくはα7ニコチン性受容体サブタイプのアゴニストである。斯かるα7受容体サブタイプ選択性を有する幾つかの化合物が文献に報告されている。例えば、α7ニコチン性受容体サブタイプに対する選択性を有するとされている種々の化合物がマリシュ(Malysz)等著,アッセイ・アンド・ドラッグ・デベロップメント・テクノロジーズ(Assay and Drug Development Technologies),8月:p.374−390(2009年)に記されている。1つの斯かるニコチン化合物の例はN−[(2S,3S)−2−(ピリジン−3−イルメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミドである(TC−5619としてもまた公知)。例えば、ハウザー(Hauser)等著,バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第78巻:p.803−812(2009年)を見よ。別の代表的な(representative is)化合物は(5aS,8S,10aR)−5a,6,9,10−テトラヒドロ,7H,11H−8,10a−メタノピリド[2’,3’:5,6]ピラノ[2,3−d]アゼピンである(ジアニクリン又はSSR591813若しくはSSR−591,813としてもまた公知)。例えば、ハヨス(Hajos)等著,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタルセラピューティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics),第312巻:p.1213−1222(2005年)を見よ。別の代表的な化合物は1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸,4−ブロモフェニルエステルである(SSR180711としてもまた公知)。例えば、バイトン(Biton)等著,ニューロサイコファーマコロジー(Meuropsychopharmacology),第32巻:p.1−16(2007年)を見よ。別の代表的な化合物は3−[(3E)−3−[(2,4−ジメトキシフェニル)メチリデン]−5,6−ジヒドロ−4H−ピリジン−2−イル]ピリジンである(GTS−21としてもまた公知)。例えば、ゾルテヴィッチ(Zoltewicz)等の米国特許第5,516,802号及びケム(Kem)等の米国特許第5,741,802号を見よ。別の代表的な化合物は2−メチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロールである(A−582941としてもまた公知)。例えば、トムセン(Thomsen)等著,ニューロサイエンス(Neuroscience),第154巻:p.741−753(2008年)を見よ。別の代表的な化合物は(5S)−スピロ[1,3−オキサゾリジン−5,8’−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン]−2−オンである(AR−R−17779又はAR−R−17779としてもまた公知)。例えば、リ(Li)等著,ニューロサイコファーマコロジー(Neuropsychopharmacology),第33巻:p.2820−2830(2008年)を見よ。別の代表的な化合物はN−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−クロロベンズアミドである(PNU−282,987としてもまた公知)。例えば、シオク(Siok)等著,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(European Journal of Neuroscience),第23巻:p.570−574(2006年)を見よ。別の代表的な化合物は5−モルホリン−4−イル−ペンタン酸(4−ピリジン−3−イル−フェニル)−アミドである(WAY−317,538又はSEN−12333としてもまた公知)。例えば、ロンカラティ(Roncarati)等著,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタルセラピューティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics),第329巻:p.459−468(2009年)を見よ。尚他の例は、化合物は、エンビボファーマシューティカルズ社(Envivo Pharmaceuticals, Inc.)に依るEVP−6124及びEVP−4473、ターガセプト社(Targacept, Inc.)に依るTC−6987、並びにメモリーファーマシューティカルズ社(Memory Pharmaceuticals Corp)に依るMEM3454と呼称される物である。前述の引用されている参照は参照に依って本願に組み込まれる。
1つの態様では、ニコチン化合物は、α4β2(アルファ4ベータ2)ニコチン性受容体サブタイプに対する選択性を有する化合物であり得、好ましくはα4β2ニコチン性受容体サブタイプのアゴニストである。斯かるα4β2受容体サブタイプ選択性を有する幾つかの化合物が文献に報告されている。1つの斯かるニコチン化合物の例は7,8,9,10−テトラヒドロ−6,10−メタノ−6H−ピラジノ(2,3−h)(3)ベンザゼピンとして公知である(また、バレニクリンとして、及びファイザー(Pfizer)に依って商品名シャンティックス(Chantix)又はシャンピックス(Champix)で市販用に上市されている製品の活性成分である酒石酸バレニクリンの形態で公知である)。例えば、ジョレンビー(Jorenby)等著,JAMA,第296巻:p.56−63(2006年)及びアーメド(Ahmed)等の米国特許公開第2010/0004451号を見よ。別の代表的な化合物は(2S,4E)−5−(5−イソプロポキシピリジン−3−イル)−N−メチルペンタ−4−エン−2−アミンである(イスプロニクリン(ispronicline)又はアストラゼネカ(AstraZeneca)のAZD−3480若しくはターガセプト社(Targacept、Inc.)(ウィンストン・セーラム,N.C.,米国)のTC−1734としてもまた公知)。例えば、ダンバー(Dunbar)等著、サイコファーマコロジー(Psychopharmacology)(ベルリン)、第191巻:p.919−929(2007年)を見よ。別の代表的な化合物は[3−(2(S))−アゼチジニルメトキシ)ピリジン]二塩酸塩である(A−85380としてもまた公知)。例えば、シュライバー(Schreiber)著,サイコファーマコロジー(Psychopharmacology),第159巻:p.248−257(2002年)を見よ。別の代表的な化合物は(5aS,8S,10aR)−5a,6,9,10−テトラヒドロ,7H,11H−8,10a−メタノピリド[2’,3’:5,6]ピラノ[2,3−d]アゼピンである(SSR591813としてもまた公知)。例えば、コーヘン(Cohen)等著,ニューロサイエンス(Neuroscience),発表番号811.5(2002年);及びコーヘン(Cohen)等著,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタルセラピューティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics),第306巻:p.407−420(2003年)を見よ。別の代表的な化合物はA−969933として公知である。例えば、ズー(Zhu)等著、バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第78巻:p.920(2009年)を見よ。他の代表的な化合物はS35836−1及びS35678−1として公知である。例えば、ロックハート(Lockhart)等著,ニューロサイエンス(Neuroscience),発表番号684.9(2002年)を見よ。尚他の例は、化合物は、アボットラボラトリーズ(Abbott Laboratories)に依る3−(5,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル)−1S,5S−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン(ソフィニクリン(Sofinicline)又はABT−894としてもまた公知);アストラゼネカ(AstraZeneca)に依るAZD1446、及びターガセプト社(Targacept、Inc.)に依るTC−6499と呼称される物である。前述の引用されている参照は参照に依って本願に組み込まれる。
幾つかのケースでは、ニコチンは液体ニコチンであり得る。煙草から誘導されるか又は合成かに関わらず、液体ニコチンは市販のソースから購入され得る。煙草から誘導されるニコチンはニコチン以外の1つ以上の他の煙草の感覚刺激性構成要素を包含し得る。煙草から誘導されるニコチンは生の(例えば緑葉)煙草及び/又は加工された煙草から抽出され得る。加工された煙草は、発酵及び未発酵煙草、ダーク・エア・キュアード、ダーク・ファイヤー・キュアード、バーレー、フルー・キュアード、及び葉巻フィラー又はラッパー、並びに全葉除茎工程からの製品を包含し得る。また、煙草は米国公開第2004/0118422又は2005/0178398号に記載されている通り加熱、スウェッティング、及び/又は低温殺菌ステップに依ってコンディショニングされ得る。典型的には、発酵は高い初期水分含量、発熱、及び乾燥重量の10から20%の損失に依ってキャラクタリゼーションされる。例えば、米国特許第4,528,993;4,660,577;4,848,373;及び5,372,149号を見よ。ニコチン及び他の感覚刺激性構成要素を抽出する事に先行して煙草を加工する事に依って、煙草から誘導されるニコチンは気持ちが良い経験を提供する成分を包含し得る。煙草から誘導されるニコチンは、キュアードの煙草又はキュアードの発酵煙草を水又は別の溶媒(例えばエタノール)と混合する事、次に不溶性の煙草材料を取り除く事に依って得られ得る。煙草エキスは更に濃縮又は精製され得る。幾つかのケースでは、選ばれた煙草構成成分が取り除かれ得る。ニコチンは次の特許に記載されている方法に依ってもまた煙草から抽出され得る:米国特許第2,162,738;3,139,436;3,396,735;4,153,063;4,448,208;及び5,487,792号。
液体ニコチンは純粋であり得るか、実質的に純粋であり得るか、又は其れを可溶性繊維と混合する事に先行して希釈され得る。可溶性繊維は常温に於いて水に溶解する。不溶性繊維は常温に於いて水に溶解しない。可溶性繊維は水を引き付け、ゲルを形成し得る。多くの可溶性繊維は消費に取って安全であるのみならず、幾つかの可溶性繊維はダイエタリー・サプリメントとして用いられる。ダイエタリー・サプリメントとしては、可溶性繊維は消化を低速化及び胃の内容排出を遅延させ得る。然し乍ら、可溶性繊維を単なる添加物として用いる代わりに、本願に於いて提供されるニコチンロゼンジは可溶性繊維のマトリックスを包含し、此れは溶解して可溶性繊維マトリックス中に包含されるニコチン(及び任意に他の添加物)へのアクセスを提供し得る。
液体ニコチンでは、希釈ステップは任意である。幾つかのケースでは、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは1重量パーセント及び75重量パーセントの間の濃度に希釈される。幾つかのケースでは、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは2重量パーセント及び50重量パーセントの間の濃度に希釈される。幾つかのケースでは、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは5重量パーセント及び25重量パーセントの間の濃度に希釈される。例えば、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは約10重量パーセントの濃度に希釈され得る。
vi.ホスホジエステラーゼ5型阻害剤
ホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)は、陰茎の海綿体に供給する血管を裏打ちする平滑筋細胞に於いて環状GMPに対するcGMP特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)の分解作用をブロックする。バルデナフィル(レビトラ(登録商標))、シルデナフィル(バイアグラ(登録商標))、及びタダラフィル(シアリス(登録商標))を包含する此れ等の薬物は勃起不全の処置の為に経口投与され、状態について利用可能な初めての有効な経口処置であった。
PDE5阻害剤は心血管疾患及び心臓病を包含する他の臨床使用についてもまた同様に研究されている。例えば、PDE5は肺の動脈壁平滑筋にもまた存在するので、PDE5阻害剤は肺高血圧症及び嚢胞性線維症等の肺疾患についてもまた検討されている。肺動脈圧の持続的上昇を特徴とする疾患の肺動脈性高血圧症は、心臓の右心室の不全の増大した発生率に至り、此れは翻って液に依って過負荷に成った肺の血管を齎し得る。2つの経口PDE5阻害剤シルデナフィル(レバチオ(登録商標))及びタダラフィル(アドシルカ(登録商標))が肺動脈性高血圧症の処置について認可されている。PDE5阻害剤は嚢胞性線維症疾患の動物モデルに於いてCFTR蛋白質異常のコレクター及びポテンシエーター両方としての活性を有する事が見い出されている(ルバンバ(Lubamba)等著,アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピラトリー・アンド・クリティカルケア・メディシン(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine)(2008年)第177巻:p.506−515、ルバンバ(Lubamba)等著,ジャーナル・オブ・システィックフィブローシス(Journal of Cystic Fibrosis)(2012年)第11巻:p.266−273)。シルデナフィルは嚢胞性線維症のあり得る抗炎症処置としてもまた研究されている。経口PDE5阻害剤は抗リモデリング特性を有する事及び後負荷変化から独立して心臓変力作用を改善する事もまた報告されており、良好な安全性プロファイルを有する(ジャンネッタ(Giannetta)等著,BMCメディシン(BMC Medicine)(2014年)第12巻:p.185)。然し乍ら、PDE5阻害剤の経口投与は、不良な且つ変動性のバイオアベイラビリティ、及び肝臓に於ける大規模な代謝をもまた齎す(サンドクヴィスト(Sandqvist)等著,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカルファーマコロジー(European Journal of Clinical Pharmacology)(2013年)第69巻:p.197−207;メロトラ(Mehrotra)著,インターナショナル・ジャーナル・オブ・インポテンス・リサーチ(International Journal of Impotence Research)(2007年)第19巻:p.253−264)。経口ドーズが或る種のレベルを越えて増大させられる場合には、全身副作用の発生率が増大し、此れは此れ等の薬物の受け入れられる使用を妨げる(レビトラのEMEA科学的考察文書,2005年)。
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、PDE5阻害剤はアバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィル(又は其れ等のアナログ、例えば、アセチルデナフィル(actetildenafil)、ヒドロキシアセチルデナフィル、若しくはジメチル−シルデナフィル)、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アセチルデナフィル、又はチオメチソシルデナフィルを包含し得るが、此れ等に限定されない。此れ等の化合物の構造は夫々下に示されている:
vii.マカエキス
レピジウム・メイエニ(マカ、マカマカ、マイノ、アヤクチチラ、及びアヤクウィルク)は2000年よりも多くに渡って栽培されたアブラナ科のペルビアン植物である。其の主な活性成分は、アルカロイド(マカリジン、レピジリンA及びB);ベンジルイソチオシアネート(bencil-isotiocyanate)及びグルコシノレート;マカミド、ベータエクジソン、及びフィトステロール(fitosterol)である。此れ等の物質はATP合成を活性化し、此れは活力化特性を授ける。其れ等はストレスに依って生ずるホメオスタシスの変動をもまた減ずる。何故なら、其れ等はコルチコステロンの高いレベルを縮減し;グルコース減縮とストレスを原因とする腎上体の重量の増大とを防止するからである。其れ等はホメオスタシスをもまた回復させ、エネルギーを改善する(ロペス−ファンド(Lopez-Fando)等著(2004年)フィトセラピー・リサーチ(Phytotherapy Research)第18巻:p.471−4)。異なるドーズのレピジウム・メイエニに依る実薬処置がプラセボと比較された二重盲検プラセボ対照ランダム化並行治験研究は、性欲の改善を示した(ゴンサレス(Gonzales)等著(2002年)アンドロロジア(Andrologia)第34巻:p.367−72)。レピジウム・メイエニは、LH、FSH、PRL、T、及びE2には関連しないメカニズムに依って精子産生及び精子運動性をもまた改善する(ゴンサレス(Gonzales)等著(2001年)アジアン・ジャーナル・オブ・アンドロロジー(Asian Journal of Andrology)第3巻:p.301−3)。
viii.ステロイドホルモン
幾つかの実施形態では、活性薬剤はホルモン及び性ホルモンを包含するステロイドである。用語「性ホルモン」は、脊椎動物アンドロゲン又はエストロゲン受容体と相互作用する天然又は合成ステロイドホルモン、例えばエストロゲン、アンチエストロゲン(又はSERM)、アンドロゲン、アンチアンドロゲン、プロゲスチン、及び其れ等の混合物を言う。
例えば、本願に記載される組成物への使用に取って好適なステロイドホルモンは、数々の天然及び合成のステロイドホルモンを包含し、アンドロゲン、エストロゲン、及びプロジェスタージェン、並びに其れ等の誘導体、例えばデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、アンドロステンジオン、アンドロステンジオール、ジヒドロテストステロン、テストステロン、プロゲステロン、プロゲスチン、エストリオール、エストラジオールを包含する。他の好適なステロイドホルモンはグルココルチコイド、甲状腺ホルモン、カルシフェロール、プレグネノロン、アルドステロン、コルチゾール、及び其れ等の誘導体を包含する。取り分け、好適なステロイドホルモンは、エストロゲン性の、プロゲステロン性の、アンドロゲン性の、又はアナボリック性の効果を有する性ホルモン、例えばエストロゲン、エストラジオール、及び其れ等のエステル、例えば吉草酸エステル、安息香酸エステル、又はウンデシル酸エステル、エチニルエストラジオール等;プロゲストーゲン、例えば酢酸ノルエチステロン、レボノルゲストレル、クロルマジノン酢酸エステル、シプロテロン酢酸エステル、デソゲストレル、又はゲストデン等;アンドロゲン、例えばテストステロン及び其のエステル(プロピオン酸エステル、ウンデシル酸エステル等)等;アナボリック、例えばメタンドロステノロン、ナンドロロン、及び其のエステルを包含する。
a.エストロゲン
エストロゲンは、組織及び骨の維持の為に重要であり且つ用いられる内在性の及び合成のホルモンの或る群を言う。エストロゲンは生殖系の発生及び維持に関わる細胞プロセスの内分泌制御因子である。生殖生物学、閉経後ホットフラッシュの防止、及び閉経後骨粗鬆症の防止に於けるエストロゲンの役割は良く確立されている。エストラジオールは主立った内在性のヒトエストロゲンであり、女性及び男性両方に見い出される。
エストロゲン及びアンチエストロゲンの生物学的作用は2つの別々の細胞内受容体のエストロゲン受容体アルファ(ERα)及びエストロゲン受容体ベータ(ERβ)を介して現れる。内在性のエストロゲンは両方の受容体サブタイプの典型的に強力な活性化因子である。例えば、エストラジオールは乳部、骨、心血管、及び中枢神経系組織を包含する多くの組織に於いてERαアゴニストとして作用する。普通には、選択的なエストロゲン受容体調節薬は異なる組織に於いて異なって作用する。例えば、SERMは乳部に於いてはERαアンタゴニストであり得るが、子宮、骨、及び心血管系に於いては部分的ERαアゴニストであり得る。因って、エストロゲン受容体リガンドとして作用する化合物は種々の状態及び障害を処置する事に有用である。
本願に於いて用いられる「エストロゲン」は、エストロゲン性のステロイド、例えばエストラジオール(17−β−エストラジオール)、安息香酸エストラジオール、17−β−シピオン酸エストラジオール、エストロピペート、エクイレニン、エクイリン、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン、エステル化エストロゲン、フィトエストロゲン、半天然エストロゲン、例えばエストラジオール吉草酸エステル、合成エストロゲン、例えばエチニルエストラジオール、及び其れ等の混合物を包含する。
幾つかの実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水とエストロゲンから選択される少なくとも1つの治療上活性な薬剤とを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組成物及び方法は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。幾つかの実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水とエストラジオールである少なくとも1つの治療上活性な薬剤とを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組成物及び方法は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。斯かる組成物の特定の実施形態に於いて、活性薬剤がエストラジオールである時に、組成物及び方法は更にプロゲステロン、プロピレングリコール、オレイン酸、オレイン酸エチル、エタノール、ヒドロキシプロピルセルロース、及び精製水の組み合わせを含まない。
b.アンチエストロゲン
アンチエストロゲンは、今では選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)と言われる医薬的に活性な薬剤の或るクラスである。此れ等は、其れ等自体の何れかのエストロゲン性の活性を呈する事なしにエストラジオールの効果をブロックする事が出来る化合物であると一般的に理解されていた。然し乍ら、今では、斯かる記載は不完全である事が公知である。用語SERMは、純粋なエストロゲンアゴニスト又はアンタゴニストとは対照的に、標的組織に概ね依存するエストロゲンアゴニスト−アンタゴニスト活性の混合された且つ選択的なパターンを有する化合物を記載する為に新造された。此れ等の薬物の薬理学的なゴールは、此れ等の作用が有益である組織(例えば骨、脳、肝臓)に於いてエストロゲン性の作用を生ずる事と、エストロゲン性の作用(細胞増殖)が害であり得る乳部及び子宮内膜等の組織に於いて如何なる活性も有さないか又はアンタゴニスト活性を有するか何方かである事とである。
具体的な実施形態では、アンチエストロゲン(SERM)はエンドキシフェン、ドロロキシフェン、クロミフェン、ラロキシフェン、タモキシフェン、4−OHタモキシフェン、トレミフェン、ダナゾール、及び其れ等の医薬的に受け入れられる塩から成る群から選択される。より特定の実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水と、クロミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、エンドキシフェン、又は其れ等の医薬的に受け入れられる塩から成る群から選択されるアンチエストロゲン(SERM)から選択される少なくとも1つの治療上活性な薬剤と、アルコールと、脂肪酸エステルとを含む。
特定の実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水、アンチエストロゲン(SERM)から選択される少なくとも1つの治療上活性な薬剤を含む。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。
c.アンドロゲン
テストステロンは精巣に於いて形成される主なアンドロゲン性のホルモンである。テストステロン治療は現行では男性性腺機能低下の処置の為に指示される。其れは、AIDS及び癌に関連する消耗状態の処置、60の年齢を超える男性に於けるテストステロン補充、骨粗鬆症、女性及び男性の生殖能コントロールの為の組み合わせホルモン補充療法についてもまた検討中である。
経口投与されたテストステロンは主として肝臓に於いて分解され、因ってホルモン補充の見込みあるオプションではない。何故なら、其れはテストステロンが全身循環に到達する事を許さないからである。更に、分解を縮減する様に改変されたテストステロンのアナログ(例えば、メチルテストステロン及びメタンドロステノロン)は肝臓酵素及び抱合型ビリルビンの上昇等の肝臓機能の異常に関連している。注射されたテストステロンは、テストステロンの正常な揺動を模倣しないテストステロン濃度の広いピーク−トラフ変動を生じ、血漿中の生理レベルの維持を困難にする。テストステロン注射は気分変動及び増大した血清脂質レベルにもまた関連する。注射は筋肉内送達の為には大きい針を要求し、此れは不快感を原因とする減じた患者コンプライアンスに至る。
此れ等の問題を克服する為に、より患者に優しい様式で治療効果を達成する為の経皮送達アプローチが開発されている。例えば、米国特許第5,460,820号は50から500μg/日のテストステロンを女性に送達する為のテストステロン送達パッチを開示している。加えて、米国特許第5,152,997号は、皮膚透過促進剤を有するテストステロンの貯蔵器と、皮膚との拡散的な連通をした貯蔵器を維持する為の手段、例えば接着キャリアデバイス又は基底接着層とを含むデバイスを開示している。
幾つかの実施形態では、アンドロゲンは、天然のアンドロゲン、テストステロン、及び其の半天然又は合成誘導体、例えばメチルテストステロン;テストステロンの生理的前駆体、例えばデヒドロエピアンドロステロン若しくはDHEA、若しくは代替的にはプラステロン及び其の誘導体、例えばDHEAサルフェート、Δ−4−アンドロステンジオン及び其の誘導体;テストステロン代謝物質、例えば5−α−レダクターゼの酵素作用後に得られるジヒドロテストステロン(DHT);又はアンドロゲン型の効果を有する物質、例えばチボロンから成る群から選択され得る。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。
d.アンチアンドロゲン
幾つかの実施形態では、アンチアンドロゲンは、ステロイド性化合物、例えば酢酸シプロテロン及びメドロキシプロゲステロン、又は非ステロイド性化合物、例えばフルタミド、ニルタミド、若しくはビカルタミドから成る群から選択される。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。
e.プロゲスチン及びプロゲステロン
本願に於いて用いられる用語「プロゲステロン」はプロゲスチンファミリーの構成員を言い、21炭素ステロイドホルモンを含む。プロゲステロンはD4−プレグネン−3,20−ジオン;4−プレグネン−3,20−ジオン;又はプレグナ−4−エン−3,20−ジオンとしてもまた公知である。プロゲスチンは其の構造がプロゲステロンの物に関連している分子であり、合成的に派生し、プロゲステロンの生物活性を保持する。代表的な合成プロゲスチンは、17a−OHエステルを生ずる改変(即ち、17a−ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル)、並びに6a−メチル、6−Me、6−エン、及び6−クロロ置換基をプロゲステロン上に導入する改変(即ち、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、酢酸メゲストロール、及びクロルマジノン(chlomadinone)酢酸エステル)を包含するが、此れ等に限定されない。
幾つかの実施形態では、本願に記載される組成物及び方法に用いられるプロゲスチン(単数又は複数)は、天然プロゲスチン、プロゲステロン又はエステル型の其の誘導体、及び1、2、又は3型の合成プロゲスチンから成る群から選択され得る。第1の群は、プロゲステロンに類似の分子、又は合成プロゲスチン1(SP1)(プレグナン)、例えばプロゲステロン異性体(レトロプロゲステロン)、メドロゲステロン、及びノルプロゲステロン誘導体(デメゲストン又はプロメゲストン)を含む。第2の群は、17α−ヒドロキシプロゲステロン誘導体、又は合成プロゲスチン2(SP2)(プレグナン)、例えば酢酸シプロテロン、及びメドロキシプロゲステロン酢酸エステルを含む。第3の群はノルステロイド又は合成プロゲスチン3(SP3)(エストラン又はノルアンドロスタン)を含む。此れ等は19−ノルテストステロン誘導体、例えばノルエチンドロンである。此の群はゴナン型の分子をもまた含み、此れ等は此れ等のノルアンドロスタン又はエストランから派生し、C18にメチル基及びC13にエチル基を有する。挙げられ得る例はノルゲスチメート、デソゲストレル(3−ケトデソゲストレル)、又はゲストデンを包含する。プロゲスチン及びアンドロゲン活性を両方とも有するチボロンもまた、本願に記載される組成物及び方法に於いて有利に選択され得る。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。斯かる組成物の幾つかの実施形態では、活性薬剤がプロゲステロンである時に、組成物は更にエストラジオール、プロピレングリコール、オレイン酸、オレイン酸エチル、エタノール、ヒドロキシプロピルセルロース、及び精製水の組み合わせを含まない。幾つかの実施形態では、治療上活性な薬剤は組成物及び方法に於いてプロゲスチン、エストロゲン、又は2つの組み合わせである。
ix.フェンタニル
フェンタニル(fentanyl)(フェンタニル(fentanil)としてもまた公知)は強力な合成麻薬性鎮痛薬であり、作用の急速な効果発現及び短い持続時間を有する。フェンタニルはμ−オピオイド受容体に於ける強いアゴニストである。フェンタニルはサブリメーズ(SUBLIMAZE)、アクティック(ACTIQ)、デュロゲシック(DUROGESIC)、デュラゲシック(DURAGESIC)、フェントラ(FENTORA)、オンソリス・インスタニル(ONSOLIS INSTANYL)、アブストラル、及び他の商品名で製造されている。歴史的に、フェンタニルは慢性の突出痛を処置する為に用いられており、処置前にベンゾジアゼピンとの組み合わせで麻酔薬として普通に用いられる。フェンタニルはモルヒネよりも凡そ100倍強力であり、100マイクログラムのフェンタニルは鎮痛活性が10mgのモルヒネ及び75mgのペチジン(メペリジン)と凡そ等価である。
フェンタニルの好適なアナログは限定なしに次を包含する:超短時間作用性(5から10分)鎮痛薬のアルフェンタニル(商品名アルフェンタ(ALFENTA));特定の外科手術及び重度にオピオイド耐性の/オピオイド依存の患者に於ける外科手術への使用の為の強力な鎮痛薬のスフェンタニル(商品名サフェンタ(SUFENTA));現行では最も短時間作用性のオピオイドのレミフェンタニル(商品名アルティバ(ULTIVA))は長時間輸液の後であっても急速なオフセットと言う利益を有する;フェンタニルのアナログのカルフェンタニル(商品名ワイルドニル(WILDNIL))は、モルヒネの物の10,000倍の鎮痛力価を有し、象等の或る種の大型動物を保定する為に獣医学的業務に用いられる;並びにカルフェンタニルよりもやや多大な力価を有するフェンタニルのアナログのロフェンタニル。
x.ブプレノルフィン
ブプレノルフィン(17−(シクロプロピルメチル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−4,5−エポキシ−18,19−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−α−メチル−6,14−エテノモルフィナン−7−メタノール)は、エンドエチレンモルフィナン誘導体、且つμ−オピオイド受容体の部分的アゴニストであり、強い鎮痛効果を有する。ブプレノルフィンは部分合成オピエートであり、物質の此のクラスからの他の化合物と比べて此れの利点はより高い活性に在る。此れは、最終ステージの非常に悪い診断を有する癌又は腫瘍患者に於いて、1mg前後の毎日のドーズに依って、痛みからの解放が達成され得ると言う事を意味する。合成オピオイドフェンタニル及び其のアナログと比べて此の文脈に於けるブプレノルフィンの特徴は、ブプレノルフィンの嗜癖性ポテンシャルが此れ等の化合物の物よりも低いと言う事である。短所は、ブプレノルフィンの高分子量、詰まり467.64ダルトン故に、其の経皮吸収を成就する事が従来困難であると言う事である。
xi.スコポラミン
スコポラミンは所謂鎮吐薬(antiemitic)であり、其れは、例えば旅行中に生起するバランスの繰り返される受動的変化に起因する吐き気及び嘔吐を回避する為に好ましく用いられる。スコポラミンは次の化学構造に依って表される:
スコポラミンアナログもまた本発明の組成物及び方法に依って包摂される。言い回し「スコポラミンアナログ」は、一般的にスコポラミンと同じバックボーンを有するが、種々の部分が他の置換基又は部分に依って置換されているか又は取り替えられている化合物を包含すると言う事は理解される。本願に於いて開示される組成物及び方法に用いられ得るスコポラミンアナログの幾つかの例は、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、及び同類等の種々の酸に依るスコポラミンの塩を包含するが、此れ等に限定されない。1つの態様では、好適なスコポラミンアナログはスコポラミン臭化水素酸塩であり得る。
スコポラミンアナログの追加の例は、スコポラミンのN−アルキル化アナログ、詰まり、第四級アンモニウム種を形成する、窒素原子に取り付けられたアルキル置換基を含有するアナログを包含するが、此れ等に限定されない。「アルキル」に依って、1から24炭素原子の分岐又は非分岐の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル、及び同類が意味される。アルキル基は置換又は無置換でもまたあり得る。
斯かるN−アルキル化スコポラミンアナログの他の塩(例えば、医薬的に受け入れられる塩)もまた包含される。
スコポラミンアナログの尚更なる例は、スコポラミンの非エポキシ化(un-epoxylated)アナログ、詰まりエポキシ基が取り除かれているアナログを包含するが、此れ等に限定されない。斯かるアナログの1つの例はアトロピンである。スコポラミンの様に、アトロピンは種々の塩及びN−アルキル化アナログを有する。此れ等のアトロピンアナログは言い回し「スコポラミンアナログ」に依って包含される事が意図される。因って、スコポラミンアナログの更なる例は種々の塩に依るアトロピンのアナログ(例えば、アトロピン臭化水素酸塩、アトロピン塩酸塩、及び同類)及びアトロピンのN−アルキル化アナログ(例えば、臭化メチルアトロピン)を包含するが、此れ等に限定されない。ホマトロピン並びに其の塩及びN−アルキル化アナログもまた包含される。
其れ等の商業的なブランド名を包含する、開示される組成物及び方法に用いられ得る好適なスコポラミンアナログのリストは、アトロピン、アトロピン臭化水素酸塩、塩酸アトロピンオキシド、アトロピン硫酸塩、ベラドンナ、スコポラミン、スコポラミン臭化水素酸塩、臭化メチルスコポラミン、臭化ブチルスコポラミン、ホマトロピン、イプラトロピウム、チオトロピウム、硫酸ヒヨスチアミン、メトスコポラミン、臭化メトスコポラミン、ホマトロピン臭化水素酸塩、臭化メチルホマトロピン、ヒヨスチアミン、ヒヨスチアミン臭化水素酸塩、硫酸ヒヨスチアミン、臭化プロパンテリン、アニソトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メタンテリン、臭化エメプロニウム、クリンジニウム(clindinium)、臭化クリジニウム、ヒヨスチン、ブチルヒヨスチン臭化物、ヒヨスチン臭化水素酸塩、ヒヨスチンメトブロミド、ヒヨスチンメトナイトライト、ヒヨスチアミン、硫酸ヒヨスチアミン、ブスカピン、ブスコリシン(buscolysin)、ブスコパン、ブチル(butyi)スコポラミン、N−ブチルヒヨスチン臭化物、N−ブチルスコポラアンモニウム臭化物、臭化スコポラン、ブチルスコポラアンモニウム臭化物、N−ブチルスコポラアンモニウム塩化物、N−ブチルヒヨスチン臭化物、DD−234、ヒヨスチンメチオジド、ヒヨスチンメトブロミド、硝酸メチル(methyi)スコポラミン、メチルスコポラアンモニウムメチル硫酸塩、N−メチルサイン(methylscine)メチル硫酸塩、N−メチルスコポラミン臭化物、N−メチルスコポラミン沃化物、N−メチルスコポラミンメチルクロリド、N−メチルスコポラミンメチル硫酸塩、N−メチルスコポラミン硝酸塩、スコピル、ユーリックス(ulix)臭化物、N−メチルスコポラミン、N−メチルスコポラミンメトブロミド、塩化メチルスコポラミン、N−メチルサイン(methylscine)メチル硫酸塩、テマトロピウム(tematropium)メチル硫酸塩、及びN−イソプロピルアトロピンを包含するが、此れ等に限定されず、其れ等の塩及び誘導体を包含する。
xii.抗酸化剤
抗酸化剤は脂質酸化を阻害する化学物質である。幾つかの抗酸化剤(例えば、フェノール系化合物)は、フリーラジカルと複合体化して、更なる酸化を開始又は伝播させない安定な化合物を形成する事に依って、酸化反応のフリーラジカル連鎖を遮断する。他の抗酸化剤(例えば、酸化合物)は活性酸素種を捕捉する事に依って酸化プロセスを減速する。そして、尚他の抗酸化剤(例えばキレート剤)は酸化促進性の金属イオンと複合体化する事に依って酸化を減速する。
何千もの異なる型の抗酸化剤が天然に存在する。ヒトの健康に最も重要な幾つかの抗酸化剤は、限定なしに、アスタキサンチン、酵素、例えばスーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismusase)、ビタミンA、C、及びE、ベータカロテン、セレン、リコペン、ルテイン、コエンザイムQ10、フィチン酸、フラボノイド、並びにポリフェノールを包含する。抗酸化剤は其れ等が水溶性(親水性)又は脂溶性(疎水性若しくは親油性)であるかどうかに基づくカテゴリーにもまた分離される。水溶性の抗酸化剤は細胞サイトゾル及び血液の血漿中の酸化剤と圧倒的に反応する傾向があるが、脂溶性の抗酸化剤は脂質過酸化から細胞膜を保護する傾向がある。
種々の抗酸化剤組成物が油及び脂肪の安定化の為に開発されている;殆どは天然フェノール系化合物(例えば、トコフェロール)及び酸化合物(例えば、アスコルビン酸)の混合物である。此れ等の抗酸化剤組成物は脂質酸化を阻害するが、其れ等は決して合成フェノール系抗酸化剤と同じ程に有効ではない。最も有効な抗酸化剤の1つはエトキシキン(6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン。商標サントキン(SANTOQUIN)(登録商標)で販売される)であり、此れは抗酸化剤又は保存料として飼料サプリメント及び種々の他の適用に広く用いられる。
幾つかの抗酸化剤は本発明の組成物及び方法への使用に取って好適である。抗酸化剤は、フリーラジカルをプロトン化し、其れに依って其れ等を不活性化する事に依って、酸化反応のフリーラジカル連鎖を遮断する化合物であり得る。抗酸化剤は活性酸素種を捕捉する化合物であり得る。代替的には、抗酸化剤は金属触媒をキレートする化合物であり得る。抗酸化剤は合成化合物、半合成化合物、又は天然の(若しくは天然由来の)化合物であり得る。
幾つかの態様では、抗酸化剤は置換1,2−ジヒドロキノリンである。一般的には、本発明への使用に取って好適な置換1,2−ジヒドロキノリン化合物は米国特許出願公開第US20080019860号に記載されている式(I)に対応し、特に、此処で置換1,2−ジヒドロキノリンは6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン(普通にはエトキシキンとして公知であり、商標サントキン(SANTOQUIN)(登録商標)で販売される)であり、構造:
を有する。
他の態様では、抗酸化剤は、アスコルビン酸及び其の塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o−、m−、若しくはp−アミノ安息香酸(oはアントラニル酸であり、pはPABAである)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、アルファカロテン、ベータカロテン、ベータカロテン(beta-caraotene)、ベータ−アポカロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸及び其の塩、チョウジエキス、コーヒー豆エキス、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリエキス、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ(daemfero))、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナエキス、グルコン酸、グリシン、グアヤク樹脂、ヘスペレチン、アルファ−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシ桂皮酸(hydroxycinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N−ヒドロキシ琥珀酸、ヒドロキシチロソール(hydroxytryrosol)、ヒドロキシ尿素、米糠(ice bran)エキス、乳酸及び其の塩、レシチン、クエン酸レシチン;R−アルファ−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、ベータ−ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルユビクロメノール(phytylubichromel)、ピメントエキス、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランス−レスベラトロール、ローズマリーエキス、ロスマリン酸、セージエキス、セサモール、シリマリン、シナピン酸、琥珀酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(即ち、アルファ−、ベータ−、ガンマ−、及びデルタ−トコフェロール)、トコトリエノール(即ち、アルファ−、ベータ−、ガンマ−、及びデルタ−トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(即ち、イオノックス100)、2,4−(トリス−3’,5’−ビ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(即ち、イオノックス330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンK及び誘導体(derivates)、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、又は其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
更なる例示的な抗酸化剤は、合成フェノール系化合物、例えば第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ);没食子酸誘導体、例えば没食子酸n−プロピル;ビタミンC誘導体、例えばパルミチン酸アスコルビル;レシチン;及びビタミンE化合物、例えばアルファ−トコフェロールを包含する。
xii.イメージング剤
記載されている方法はイメージング剤を対象の脳に送達する為にもまた用いられ得る。其れ等自体では脳に容易にアクセスし得ないイメージング剤もまた、記載されている方法を用いて送達され得る。例えば、幾つかの実施形態では、記載されている方法はイメージング剤Cu64を対象の脳に送達してイメージングを許す為に用いられ得る。更に、記載されている方法は1つ以上の治療薬剤、イメージング剤、又は治療薬剤及びイメージング剤両方の組み合わせを対象の脳に送達する為に用いられ得る。
G.凍結乾燥(lyophylization)
更なる態様では、本発明の親油性活性薬剤を含ませた食品製品は凍結乾燥される。フリーズドライとしてもまた公知の凍結乾燥は、其れが凍結された後に水が組成物から昇華させられるプロセスである。其れから、凍結された溶液は典型的には一次乾燥ステップに付され、此れに於いては温度が真空下で乾燥チャンバーに依って次第に上げられて水の殆どを取り除き、其れから、典型的には一次乾燥ステップに於いて使用されるよりも高い温度に於ける二次乾燥ステップに付されて、凍結乾燥された組成物中の残留水分を取り除く。其れから、凍結乾燥された組成物は適当に密封され、後々の使用の為に保存される。タン(Tang)等著(2004年)ファーマシューティカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)第21巻:p.191−200はフリーズドライに該当する科学的原理と好適なフリーズドライプロセスを設計する為のガイドラインとを記載している。フリーズドライの更なる記載はレミントン(Remington)著(2006年)「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」,第21版,リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott Williams & Wilkins),pp.828−831に見い出される。
H.中枢神経系障害を処置する方法
中枢神経系疾患、障害、又は状態を処置する為の方法もまた提供され、親油性活性薬剤を含ませた可食製品又は親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を其の必要がある対象に投与する事を含み、中枢神経系疾患、障害、又は状態は代謝疾患、行動障害、パーソナリティ障害、認知症、癌、神経変性障害、疼痛、ウイルス感染、睡眠障害、及び脳動静脈奇形、脳動脈瘤、脳腫瘍、脊髄腫瘍、顔面麻痺、下垂体障害、卒中、及び発作障害から成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、中枢神経系疾患、障害、又は状態は筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、パーキンソン病、ファブリー病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、アルツハイマー病、ハンチントン病、レビー小体病、カナバン病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、及びマシャド・ジョセフ病から成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、中枢神経系疾患、障害、又は状態は酸性リパーゼ欠損症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、不安障害、境界性パーソナリティ障害、双極性障害、抑鬱、摂食障害、強迫性障害、統合失調症、バース症候群、トゥレット症候群、及びむずむず脚症候群から成る群から選択される。
幾つかの実施形態では、疼痛は神経障害性疼痛、中枢性疼痛症候群、体性痛、内臓痛、及び頭痛から成る群から選択される。
対象の血液脳関門を通した親油性薬剤の送達を向上させる為の方法もまた提供され、親油性活性薬剤を含ませた可食製品又は親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を其の必要がある対象に投与する事を含む。幾つかの実施形態では、可食製品又は飲料品製品は、ヒト体温に等しいか又はより多大である温度に加熱される。
更なる態様では、親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを向上させる方法が提供され、本願に於いて開示される組成物の何れかをヒト体温に等しいか又はより多大である温度に加熱する事を含む。幾つかの態様では、其の必要がある対象への本願に於いて開示される組成物の何れかの経口投与は、ヒト体温に等しい温度への組成物の加熱を齎す。
別の態様では、本願に記載される親油性活性薬剤の何れかを対象に投与する方法が提供され、本発明の組成物の何れかの経口投与を含む。斯かる投与は、総体的な健康及びウェルネス、知力、覚醒、娯楽、及び同類を包含する何れかの目的の為であり得る。
別の態様では、其の必要がある対象の中枢神経系疾患、障害、又は状態を処置する方法が提供され、血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品を対象に投与する事を含み、血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品は:
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させ、バイオアベイラビリティ向上剤が長鎖脂肪酸を含む可食油を含むステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品を生ずる事、
に依って生じ;血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品は、長鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度よりも多大である対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度を生じ;更に:
(i)親油性活性薬剤はカンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、NSAID、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤、マカエキス、エストロゲン、プロゲスチン、テストステロン、ブプレノルフィン、及びスコポラミンから成る群から選択され;
(ii)食品製品は茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される。
別の態様では、其の必要がある対象の中枢神経系疾患、障害、又は状態を処置する方法が提供され、血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を対象に投与する事を含み、血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物は:
(a)乳化剤を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させ、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む混合物を生ずるステップと;
(b)混合物を脱水し、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む脱水された混合物を生ずるステップと;
(c)脱水された混合物をレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物と組み合わせ、其れに依って、血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を生ずるステップと;
に依って生じ:
(i)バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸を含む可食油を含み;
(ii)血液脳関門を通した向上した送達を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物は、長鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度よりも多大である対象の中枢神経系組織に於ける親油性活性薬剤の濃度を生じ;
(iii)親油性活性薬剤は、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、NSAID、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤、マカエキス、エストロゲン、プロゲスチン、テストステロン、ブプレノルフィン、及びスコポラミンから成る群から選択される。
他の態様では、其の必要がある対象の中枢神経系疾患、障害、又は状態を処置する方法に於いて、中枢神経系疾患、障害、又は状態(此れは、精神/行動疾患又は障害を包摂する)は、後天性てんかん様失語症、急性散在性脳脊髄炎、副腎白質ジストロフィー、脳梁欠損症、失認、アイカルディ症候群、アレキサンダー病、アルパース病、交代性片麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、無脳症、アンゲルマン症候群、血管腫症、無酸素症、失語症、失行症、クモ膜嚢腫、クモ膜炎、アーノルド・キアリ奇形、脳動静脈奇形、アスペルガー症候群、毛細血管拡張性運動失調症、注意欠陥・多動性障害、自閉症、聴覚情報処理障害、自律神経機能不全、背部痛、バッテン病、ベーチェット病、ベル麻痺、良性本態性眼瞼痙攣、良性限局性筋萎縮症、良性頭蓋内圧亢進症、両側性前頭頭頂部多少脳回、ビンスワンガー病、眼瞼痙攣、ブロッホ・サルズバーガー症候群、腕神経叢損傷、脳膿瘍、脳傷害、脳損傷、脳腫瘍、脊椎腫瘍、ブラウン・セカール症候群、カナバン病、手根管症候群(cts)、灼熱痛、中枢性疼痛症候群、橋中心髄鞘崩壊症、中心核ミオパシー、頭部障害、脳動脈瘤、脳動脈硬化症、大脳萎縮症、脳性巨人症、脳性小児麻痺、シャルコー・マリー・トゥース病、キアリ奇形、舞踏病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(「CIDP」)、慢性疼痛、慢性局所疼痛症候群、コフィン・ローリー症候群、昏睡(遷延性植物状態を包含する)、先天性両側顔面神経麻痺、大脳皮質基底核変性症、頭蓋動脈炎、頭蓋骨癒合症、クロイツフェルト・ヤコブ病、累積外傷障害、クッシング症候群、巨細胞性封入体病(「CIBD」)、サイトメガロウイルス感染、ダンディー・ウォーカー症候群、ドーソン病、ド・モルシエ症候群、デジュリーヌ・クルンプケ麻痺、デジュリーヌ・ソッタス病、睡眠相後退症候群、認知症、皮膚筋炎、発達性統合運動障害、糖尿病性神経障害、びまん性硬化症、自律神経障害、計算力障害、書字障害、失読症、ジストニア、早期幼児てんかん性脳障害、トルコ鞍空洞症候群、脳炎、脳ヘルニア、脳三叉神経血管腫症、遺糞症、てんかん、エルブ麻痺、先端紅痛症、本態性振戦、ファブリー病、ファール症候群、失神、家族性痙性麻痺、熱性痙攣、フィッシャー症候群、フリードライヒ運動失調症、ゴーシェ病、ゲルストマン症候群、巨細胞動脈炎、巨細胞封入体症、グロボイド細胞性白質ジストロフィー、異所性灰白質、ギラン・バレー症候群、HTLV−1関連脊髄症、ハラーフォルデン・シュパッツ病、頭部外傷、頭痛、片側顔面痙攣、遺伝性痙性対麻痺、遺伝性多発神経炎性運動失調症、耳帯状疱疹、帯状疱疹、平山症候群、全前脳症、ハンチントン病、水無脳症、水頭症、コルチゾン過剰症、低酸素症、免疫性脳脊髄炎、封入体筋炎、色素失調症,乳児性フィタン酸蓄積症、乳児レフサム病、点頭てんかん、炎症性ミオパシー、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進症、ジュベール症候群、カーンズ・セイアー症候群、ケネディ病、キンズボーン症候群、クリッペル・フェイル症候群、クラッベ病、クーゲルベルク・ヴェランダー病、クールー病、ラフォラ病、ランバート・イートン無筋力症症候群、ランダウ・クレフナー症候群、延髄外側(ワレンベルグ)症候群、学習障害、リー病、レノックス・ガストー症候群、レッシュ・ナイハン症候群、白質ジストロフィー、レヴィ小体認知症、滑脳症、閉じ込め症候群、ルー・ゲーリック病、腰部椎間板疾患、ライム病神経後遺症、マシャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)、大脳症、巨大脳症、メルカーソン・ローゼンタール症候群、メニエール病、髄膜炎、メンケス病、異染性白質ジストロフィー、小頭症、偏頭痛、ミラー・フィッシャー症候群、小卒中、ミトコンドリア筋症、メビウス症候群、単肢筋萎縮症、運動ニューロン病、運動技能障害、もやもや病、ムコ多糖症、多発梗塞認知症、多巣性運動ニューロパチー、多発性硬化症、体位性低血圧を伴う多系統萎縮症、筋ジストロフィー、筋痛性脳脊髄炎、重症筋無力症、髄鞘破壊性びまん性硬化症、乳児ミオクローヌス性脳症、ミオクローヌス、ミオパシー、筋細管性ミオパシー、先天性ミオトニー、ナルコレプシー、神経線維腫症、神経遮断性悪性症候群、エイズの神経兆候、ループスの神経後遺症、神経性筋強直症、神経セロイドリポフスチン症、神経細胞移動障害、ニーマン・ピック病、非24時間睡眠覚醒症候群、非言語的学習障害、オサリバン・マクラウド症候群、後頭神経痛、潜在性脊椎癒合不全シーケンス、大田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、起立性低血圧症、使い過ぎ症候群、反復視、感覚異常、パーキンソン病、先天性パラミオトニー、腫瘍随伴疾患、パロキシズム性発作、パリー・ロンベルク症候群(ロンベルク症候群としてもまた公知)、ペリツェウス・メルツバッハー病、周期性四肢麻痺、末梢神経障害、遷延性植物状態、広汎性発達障害、光くしゃみ反射、フィタン酸蓄積症、ピック病、圧迫神経、下垂体腫瘍、PMG、ポリオ、多小脳回、多発性筋炎、孔脳症、ポリオ後症候群、帯状疱疹後神経痛(「PHN」)、感染後脳脊髄炎、体位性低血圧、プラダー・ウィリー症候群、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性顔面片側萎縮(ロンベルク症候群としてもまた公知)、進行性多巣性白質脳症、進行性硬化性ポリオジストロフィー、進行性核上麻痺、偽脳腫瘍、ラムゼイ・ハント症候群(I型及びII型)、ラスムッセン脳炎、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、レフサム病、反復運動障害、反復性ストレス障害、むずむず脚症候群、レトロウイルス関連ミエロパシー、レット症候群、ライ症候群、ロンベルク症候群、狂犬病、舞踏病、サンドホフ病、統合失調症、シルダー病、裂脳症、感覚統合機能不全、中隔視神経異形成症、ゆさぶられっ子症候群、帯状疱疹、シャイ・ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸、睡眠病、胃くしゃみ反射、ソトス症候群、痙縮、二分脊椎、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊髄性筋萎縮、脊柱管狭窄、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー症候群、進行性核上麻痺を見よ、脊髄小脳失調症、全身硬直症候群、卒中、スタージ・ウェーバー症候群、亜急性硬化性全脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、表在性鉄沈着症、シドナム舞踏病、失神、共感覚、脊髄空洞症、遅発性ジスキネジー、テイ・サックス病、側頭動脈炎、破傷風、脊髄係留症候群、トムゼン病、胸郭出口症候群、疼痛性チック、トッド麻痺、トゥレット症候群、一過性脳虚血発作、伝染性海綿様脳症、横断性脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性痙性不全対麻痺症、トリパノソーマ症、結節性硬化症、側頭動脈炎を包含する血管炎、フォンヒッペル・リンドウ病(「VHL」)、ビリウスク脳脊髄炎(「VE」)、ワレンベルク症候群、ウェルドニッヒ・ホフマン病、ウェスト症候群、むち打ち症、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、及びツェルウェガー症候群を包含し得るが、此れ等に限定されない。其れ故に、全てのCNS関連状態及び障害がBBB薬物送達経路に依って処置され得ると言う事は了解される。
幾つかの実施形態では、本発明の実施形態に従うCNS疾患、障害、又は状態は、代謝疾患、行動障害、パーソナリティ障害、認知症、癌、神経変性障害、疼痛、ウイルス感染、睡眠障害、発作障害、酸性リパーゼ欠損症、ファブリー病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ADHD、不安障害、境界性パーソナリティ障害、双極性障害、抑鬱、摂食障害、強迫性障害、統合失調症、アルツハイマー病、バース症候群及びトゥレット症候群、カナバン病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、ハンチントン病、レビー小体病、ルー・ゲーリック病、マシャド・ジョセフ病、パーキンソン病、又はむずむず脚症候群から選択され得る。幾つかの実施形態では、CNS疾患、障害、又は状態は疼痛であり、神経障害性疼痛、中枢性疼痛症候群、体性痛、内臓痛、及び/又は頭痛から選択される。
本開示の方法に依って処置される本願に於いて用いられる用語「対象」は其れ等の多くの態様に於いて望ましくはヒト対象であるが、本願に記載される方法が全ての脊椎動物種について有効であり、此れ等は用語「対象」に包含される事が意図されると言う事は理解される筈である。従って、「対象」は、医学的目的の為の、例えば既存の疾患、障害、状態の診断若しくは処置、又は疾患、障害、若しくは状態の開始を防止する為の予防的な診断若しくは処置の為のヒト対象、或いは医学的、獣医学的目的、又は開発目的の為の動物対象を包含し得る。好適な動物対象は哺乳動物を包含し、霊長類、例えばヒト、サル、類人猿、テナガザル、チンパンジー、オランウータン、マカク、及び同類;ウシ科、例えば畜牛、雄牛、及び同類;羊類、例えばヒツジ及び同類;山羊類、例えばヤギ及び同類;ブタ、例えば子豚、雄豚、及び同類;ウマ科、例えば馬、ロバ、シマウマ、及び同類;ワイルドキャット及び飼い猫を包含するネコ科;犬を包含するイヌ科;ウサギ、ノウサギ、及び同類を包含するウサギ目;並びにマウス、ラット、モルモット、及び同類を包含する齧歯類を包含するが、此れ等に限定されない。動物はトランスジェニック動物であり得る。幾つかの態様では、対象はヒトであり、胎児、新生児、幼児、少年、及び成人の対象を包含するが、此れ等に限定されない。更に、「対象」は、疾患、障害、又は状態に罹患しているか又は罹患している事を疑われる患者を包含し得る。其れ故に、用語「対象」及び「患者」は本願に於いては交換可能に用いられる。対象は動物疾患モデルをもまた包含する(例えば、実験に用いられるラット又はマウス、及び同類)。
治療薬剤の「治療上有効量」の様な用語「有効量」は、所望の生物学的応答を誘起する為に必要な薬剤の量を言う。当業者に依って了解されるであろう通り、薬剤の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達されるべき薬剤、医薬組成物の組成、標的組織又は細胞、及び同類等の因子に依存して変わり得る。より具体的には、用語「有効量」は、所望の効果を生ずる為に、例えば、疾患、障害、若しくは状態又は其れ等の1つ以上の症状の重症度、継続期間、進行、又は開始を縮減又は改善するか;疾患、障害、又は状態の進行を防止するか、疾患、障害、又は状態の後退を引き起こすか;疾患、障害、又は状態に関連する症状の再発、発達、開始、又は進行を防止するか、或いは別の治療の予防又は治療効果(単数又は複数)を向上させるか又は改善する為に十分な量を言う。
本開示の組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の対象、組成物、投与経路、及び疾患、障害、又は状態について、対象に取って毒性である事なしに、所望の治療応答を達成する為に有効である活性成分の量を得る様に変えられ得る。選択される用量レベルは、使用される特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の組成物の排泄速度、処置の継続期間、使用される特定の組成物との組み合わせで用いられる他の薬物及び/又は材料、処置されようとする患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康、及び先行する医学的既往、並びに医学分野に於いて周知の同類の因子を包含する、種々の因子に依存するであろう。
当分野の普通の技能を有する医師は、要求される本開示の組成物の有効量を容易に決定及び処方し得る。従って、本願の他所により詳しく記載される通り、投与の用量範囲は医師に依って必要に応じて調整され得る。
II.キット及び容器
明細書及び請求項に於いて開示される組成物の何れか1つを包含するキットもまた企図される。或る種の実施形態では、組成物は容器中に含まれる。容器はボトル、ディスペンサー、又はパッケージであり得る。容器は所定量の組成物を吐出し得る。容器は其の表面上に標示を包含し得る。標示は単語、略語、画像、又は記号であり得る。
例1
種々のフレーバーで供されるCBD及び/又はTHCを含ませたティーバッグのラインを開発した。
I.成分
有機及び無機の、葉形態、油形態、煎出形態の茶
エバポレーテッド無脂肪ドライミルク
CBD油
ヘンプオイル又は摂取の適合油
カンナビス葉、蕾、油;THC及び/又はCBDを有する全ての品種
II.ビポバ(ViPova)(登録商標)製法
IIA.CBD茶
エバポレーテッド無脂肪ドライミルクを有機及び無機の何れか及び全ての茶と組み合わせる
CBD油を茶葉とブレンドする
茶、CBD油、及びエバポレーテッド無脂肪ドライミルクの混合物を食品脱水機に依って脱水する
完成製品はCBD向上のみを有するビポバ(ViPova)(登録商標)茶である
IIB.THC/CBD茶
エバポレーテッド無脂肪ドライミルクを有機及び無機の何れか及び全ての茶と組み合わせる
ヘンプオイル又は他の摂取可能な油を茶葉とブレンドする
カンナビス葉を上の混合物に追加する
茶、ヘンプオイル又は他の摂取可能な油、カンナビス葉、及びエバポレーテッド無脂肪ドライミルクの混合物を脱水する
完成製品はTHC及びCBDを有するビポバ(ViPova)(登録商標)茶である
III.ビポバ(ViPova)(登録商標)製法:仕様
IIIA.CBD茶
茶:1つのティーバッグは1グラムから3グラムの茶葉を含有する(乾燥重量)
エバポレーテッド無脂肪ドライミルク:0.10〜1.00グラム
CBD油:ティーバッグ当たり10mg〜25mg
IIIB.THC/CBD茶
茶:1つのティーバッグはティーバッグ当たり1.5〜12グラムの茶葉を含有する(乾燥重量)
エバポレーテッドドライミルク:ティーバッグ当たり0.10〜6.00グラム
ヘンプオイル又は他の摂取可能な油:ティーバッグ当たり10mg〜25mg
カンナビス葉:ティーバッグ当たり1.00〜12.00グラム
IIIC.生産設備:
茶及び/又はカンナビス葉の為の市販のグラインダー
市販のミキサー
市販の脱水機
市販のティーバッグ充填機
IV.フレーバー
ビポバ(ViPova)(登録商標)茶は、ミント、シトラス、及びバニラを包含するが此れ等に限定されない、ティーバッグ又はルース茶セレクションへの追加の為のフレーバーのメニューを提供するであろう。
例2
CBD及び/又はTHCを食品製品に付着させる為のプロセスを開発した。食品製品は肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択され得る。プロセスには、食品製品を向日葵油(sunflower)及び/又はエバポレーテッドドライミルクと接触させる事が関わり得ても、又は関わらずにあってもよい。プロセスには此れ等のステップが関わった:
1.0〜60グラムのCBD及び/又はTHC油又はエキスを食品製品に含浸させた。
2.食品製品を脱水機ペーパー上に置き、0〜24時間に渡って食品脱水機内に置いた。
3.食品製品を脱水機から取り出し、気密容器中に貯蔵した。
例3
紅茶を種々の親油性活性薬剤に依って製剤した。無脂肪ドライミルク及び向日葵種子油を賦形剤として用いて、仕上がった製品のグラム当たり凡そ4.5mgの活性成分の濃度で、活性薬剤を茶に添加した。次の成分を製剤に用いた:
453gのルース葉紅茶
2265mg活性薬剤
45gのインスタントエバポレーテッド無脂肪ドライミルク
1132.5mgの向日葵種子油
成分をステンレス鋼ボウル中で組み合わせ、手袋をした手で混合した。均質な混合物を脱水機トレー上に均一に広げ、30分に渡って脱水した。冷却後に、製剤された茶を無菌のジップロック(登録商標)バッグ内に置いた。
製剤した活性成分は:ASA(アスピリン)、イブプロフェン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、ニコチン、及びビタミンE(α−トコフェロール)であった。各活性薬剤の具体的なサプライヤー情報及びロット番号は下で表1に示す。
用いた茶はアップトン・ティー・インポーツ(Upton Tea Imports)(ホリストン,MA)からのルース葉イングリッシュ・ブレックファスト・ティーであった。
向日葵油はホールフーズ(Whole Foods)ブランド有機向日葵油であった。
無脂肪ドライミルクの粉末(power)はナウフーズ(Now foods)ブランド有機無脂肪ドライミルクであった。
用いた脱水機はプレスト(Presto)脱水機モデル#06300であった。
製剤の各構成要素を秤取し、上の手続きに記載されている通り組み合わせた。各製剤の個々の活性薬剤の重量を下で表2にまとめる。
各製剤について、均質な混合物が達成される迄、構成成分を手で混合し、其れから乾燥の為に脱水機トレー上に均一に広げた。各製剤を脱水機に依って30分に渡って乾燥した。冷却後に、混合物をジップロックバッグ内に置いた。精密天秤をジップロックバッグについて風袋引きした後、最終的な製剤の重量を記録し、製剤中の活性成分濃度を算出した(表2)。
例4
本願に於いて用いられるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)を組み込む組成物は、治療上有効量の親油性活性薬剤と長鎖脂肪酸を含む可食油とを含む脱水された混合物を組み込んでいる組成物であり、特に、脱水された混合物は:
i)治療上有効量の親油性活性薬剤を長鎖脂肪酸を含む可食油と組み合わせるステップと;
ii)ステップ(i)の生成物を脱水し、其れに依って、脱水された混合物を生ずるステップと、
に依って得られ得る。
此の研究は、主として、ラットに於いて、何れかの形態の送達可能化テクノロジーを欠如する濃度をマッチングしたコントロール製剤と比較して、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)強化製剤の相対的な摂取可能なニコチン吸収性能を算定する為に設計された。チューインガム等のニコチン置換療法製品に於いて今日広く市販されているニコチンポラクリレックス誘導体フォーマットで、ニコチンを投与した。デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)及びコントロール製剤夫々が1mg/Kg及び10mg/Kg用量レベルで試験される様に、12匹の雄ラットを3匹ずつの4つの群に分けた。製剤を経口投与し、全てのラットは投薬後の8時間の継続期間に渡る複数のインターバルでの血液収集の為にカニューレ挿入し、最初のデータ収集は15分マークに於いてであった。尿及び糞をもまた投薬後の24時間の継続期間迄収集し、必須臓器組織サンプルをもまた研究後の検討の為に収集した。其の中のニコチンのレベル、並びに其の3つの主要な肝臓代謝物質のヒドロキシコチニン、ニコチンN’−オキシド、及びコチニンのレベルを定量する為に、且つ異なる製剤に依る吸収される相対的な代謝物質レベルを算定する為に、全てのサンプルを分析試験に付した。
結果及び観察
一般的に、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤は、試験された1mg及び10mg/Kgドーズ両方で、濃度をマッチングしたコントロール製剤よりも、血中のニコチンの高速の吸収、高いピーク吸収、及び高い総体的な数量を平均で達成した。更に其の上、以前に報告された通り、嘔吐又は下痢等の胃腸不調の如何なる明確な徴候もなく、動物が処置を良く忍容する様に見えると言う事を指示した。
ニコチン血中レベルを投薬後の8時間の期間に渡って複数回評価した。10mg/Kg投薬アームでは、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤が15分のみで到達する血中吸収の類似のレベルに到達する為には、コントロール製剤は3時間近くを要求した。更に其の上、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤は其の後に引き続いて、コントロール製剤に依って達成される物の148%であるピーク血漿中レベルを実証した。ヒト研究で再現される場合には、此れ等の知見は、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)のテクノロジーが以前に推論されたよりも可成り迅速に且つ実質的に可食フォーマットに依る血中ニコチンレベルを上昇させる上で有効だと判明し得る事を示唆し、潜在的には、摂取可能なニコチン製剤を今日の利用可能な製品フォーマットの見込みある代替にし乍ら、より急速なニコチン渇望充足にもまた至る。
予期された通り、肝臓代謝物質の分析は、10mg/Kgドーズに於いて、研究した3つの代謝物質の2つの総体的な血中レベルがコントロール群ではデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤群よりも高いと言う事を明らかにした。此の結果は投薬後の45分から2時間のタイムインターバルに於いて取り分け著しかった。此れは、初回通過肝臓代謝を逃れると信じられるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーと比較して、コントロール製剤に依って摂取されたニコチンの正常な生理的プロセシング後の肝臓に依る血流中へのより高い数量の代謝物質の放出の予期されたタイミングと整合する。デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤は両方のドーズに於いてラット尿中のニコチンのより低い数量をもまた実証した。此れは、ラット血液中のニコチンのレベルが研究の継続期間に渡ってデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤ではコントロールよりも高い儘であったと言う事実と整合する。研究は、ラット脳組織の分析に依ると、マッチングするコントロール製剤で回収されるよりも、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤が10mg/Kgレベルに於いて最高で5.6倍多くのニコチンを達成すると言う事をもまた明らかにした。此れ等の知見は一緒に成ってデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤に依るニコチン有効性の遷延を恐らく示唆する。此れは、ヒトに於いて、単一の可食ニコチンドーズから長期的な時間の期間に渡って渇望をコントロールする為にもまた有益であり得る。
例5
此の研究では、雄スプラーグドーリーラットに於いて、2つの別個の製剤(参照及び試験ニコチンポラクリレックス)の経口投与後に、ニコチン及び其の主要な代謝物質の暴露及び分布を評価した。
製剤は10mg/kgで経口投与した(PO)。投薬後に、血液サンプルを投薬後1時間迄収集し;尿及び糞サンプルを投薬後24時間迄収集した。脳、肝臓、及び腎臓組織を1時間(第1及び5群)、4時間(第2及び6群)に於いて収集し、8時間の尿及び糞サンプル収集を遵行するか(第3及び7群)、又は24時間の尿及び糞サンプル収集を遵行した(第4及び8群)。各アナライトの血中、尿中、糞中、及び組織中濃度をLC−MS/MSに依って決定した。血漿中薬物動態パラメータをウィンノンリン(WinNonLin)(v8.0)を用いて決定した。脳、肝臓、及び腎臓薬物動態パラメータをウィンノンリン(WinNonLin)(v8.0)ソフトウェアを用いてスパースサンプリングに依って決定した。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、ニコチンの最大血漿中濃度(144±68.2ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第1群)は8.71±2.76hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(9.79±3.56ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第1群)は0.420±0.146hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(179±54.9ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第1群)は11.2±3.32hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(193±58.6ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第1群)は10.9±2.90hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、ニコチンの最大血漿中濃度(350±256ng/mLと言う平均)は投薬後の8分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第2群)は21.3±13.7hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(20.1±13.3ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第2群)は1.15±0.928hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(409±235ng/mLと言う平均)は投薬後の12分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第2群)は26.8±18.3hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(359±236ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第2群)は22.5±16.7hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、ニコチンの最大血漿中濃度(176±71.2ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第3群)は11.7±4.62hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの1.04±0.49%及び0.03±0.04%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(13.4±5.95ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第3群)は0.672±0.386hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの1.10±0.64%及び0.03%(n=1)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(283±134ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第3群)は17.8±7.29hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの9.36±4.36%及び0.07%(n=1)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(304±103ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第3群)は15.4±4.99hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの0.99±0.48%及び0.03±0.02%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、ニコチンの最大血漿中濃度(210±68.6ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は0.949±0.214時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第4群)は13.0±4.98hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの3.31±0.91%及び0.09±0.07%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(14.3±4.74ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第4群)は0.751±0.389hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの6.48±2.12%及び0.03±0.02%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(223±71.9ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は1.38時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第4群)は15.0±6.27hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの20.3±6.90%がPO投薬後の尿中に見い出された。糞中の全ての濃度は定量化の限界よりも下であった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(247±49.4ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第4群)は14.0±2.60hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの5.30±2.18%及び0.16±0.08%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1〜4群)、脳組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは427±66.5ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は588±53.8hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは51.8±9.14ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は95.5±12.1hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、濃度の大多数は定量化の限界よりも下であり、故に、薬物動態パラメータは算出出来なかった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは722±135ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は1332±208hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1〜4群)、肝臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは1300±308ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は1737±167hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは102±13.5ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は205±26.3hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは4.51±1.58ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は6.86±1.83hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは905±119ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は1620±189hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1〜4群)、腎臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは8965±1519ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は12267±1173hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは200±44.1ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は391±47.7hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは20.5±4.26ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は23.4±2.80hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは1775±217ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は3436±374hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、ニコチンの最大血漿中濃度(416±255ng/mLと言う平均)は投薬後の12分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第5群)は28.7±13.8hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(13.9±3.07ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第5群)は0.671±0.167hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(267±56.1ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第5群)は19.3±3.45hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(381±81.8ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第5群)は21.3±5.76hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、ニコチンの最大血漿中濃度(315±142ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第6群)は21.5±10.8hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(11.6±2.62ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第6群)は0.581±0.149hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(246±120ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第6群)は15.6±8.37hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(315±76.8ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第6群)は17.7±5.25hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、ニコチンの最大血漿中濃度(253±40.0ng/mLと言う平均)は投薬後の12分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第7群)は18.3±6.21hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの2.02±1.21%及び0.04±0.04%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(12.7±4.62ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第7群)は0.620±0.253hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの0.97±0.34%及び0.02%(n=1)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(276±67.5ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は2.84時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第7群)は17.6±6.17hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの9.91±4.61%及び0.12%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(317±100ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第7群)は16.6±4.69hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの1.39±0.80%及び0.02±0.01%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、ニコチンの最大血漿中濃度(593±641ng/mLと言う平均)は投薬後の8分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった;然し乍ら、1匹のラットの半減期は0.737時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第8群)は38.0±38.5hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの5.91±3.24%及び0.06±0.03%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(17.4±13.8ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第8群)は0.940±0.788hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの9.07±3.61%及び0.02±0.01%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(357±306ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった;然し乍ら、1匹のラットの半減期は0.888時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第8群)は27.5±23.8hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの39.5±9.71%及び0.08%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(441±333ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第8群)は25.8±20.0hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの8.23±2.58%及び0.18±0.10%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5〜8群)、脳組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは1260±200ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は21.6時間であり、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は1300±125hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは91.2±7.69ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は142±6.64hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは4.17±1.41ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は2.70±1.05hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは1322±219ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は2172±189hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5〜8群)、肝臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは2702±308ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は18.9時間であり、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は2989±277hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは232±41.2ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は338±37.6hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは6.69±1.67ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は8.74±2.56hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは1451±157ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は2505±139hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5〜8群)、腎臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは8930±676ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は24.2時間であり、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は12717±1354hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは244±16.5ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は449±24.1hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは28.0±6.34ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は38.0±5.57hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは2466±321ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は4300±280hr*kg*ng/g/mgであった。
例6
此の研究では、雄スプラーグドーリーラットに於ける2つの別個の製剤(参照及び試験ニコチンポラクリレックス)の経口投与後に、ニコチン及び其の主要な代謝物質の暴露及び分布を評価した。製剤を10mg/kgで経口投与した(PO)。投薬後に、血液サンプルを投薬後1時間迄収集し;尿及び糞サンプルを投薬後24時間迄収集した。脳、肝臓、及び腎臓組織を1時間(第1及び5群)、4時間(第2及び6群)に於いて収集し、8時間の尿及び糞サンプル収集を遵行するか(第3及び7群)、又は24時間の尿及び糞サンプル収集を遵行した(第4及び8群)。各アナライトの血中、尿中、糞中、及び組織中濃度をLC−MS/MSに依って決定した。血漿中薬物動態パラメータをウィンノンリン(WinNonLin)(v8.0)を用いて決定した。脳、肝臓、及び腎臓薬物動態パラメータはウィンノンリン(WinNonLin)(v8.0)ソフトウェアを用いてスパースサンプリングに依って決定した。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、ニコチンの最大血漿中濃度(144±68.2ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第1群)は8.71±2.76hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(9.79±3.56ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第1群)は0.420±0.146hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(179±54.9ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第1群)は11.2±3.32hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(193±58.6ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第1群)は10.9±2.90hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、ニコチンの最大血漿中濃度(350±256ng/mLと言う平均)は投薬後の8分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第2群)は21.3±13.7hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(20.1±13.3ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第2群)は1.15±0.928hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(409±235ng/mLと言う平均)は投薬後の12分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第2群)は26.8±18.3hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第2群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(359±236ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第2群)は22.5±16.7hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、ニコチンの最大血漿中濃度(176±71.2ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第3群)は11.7±4.62hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの1.04±0.49%及び0.03±0.04%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(13.4±5.95ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第3群)は0.672±0.386hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの1.10±0.64%及び0.03%(n=1)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(283±134ng/mLと言う平均)は投薬後の30分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第3群)は17.8±7.29hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの9.36±4.36%及び0.07%(n=1)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第3群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(304±103ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第3群)は15.4±4.99hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの0.99±0.48%及び0.03±0.02%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、ニコチンの最大血漿中濃度(210±68.6ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は0.949±0.214時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第4群)は13.0±4.98hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの3.31±0.91%及び0.09±0.07%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(14.3±4.74ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第4群)は0.751±0.389hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの6.48±2.12%及び0.03±0.02%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(223±71.9ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は1.38時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第4群)は15.0±6.27hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの20.3±6.90%がPO投薬後の尿中に見い出された。糞中の全ての濃度は定量化の限界よりも下であった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第4群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(247±49.4ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第4群)は14.0±2.60hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの5.30±2.18%及び0.16±0.08%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1〜4群)、脳組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは427±66.5ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は588±53.8hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは51.8±9.14ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は95.5±12.1hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、濃度の大多数は定量化の限界よりも下であり、故に、薬物動態パラメータは算出出来なかった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは722±135ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は1332±208hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1〜4群)、肝臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは1300±308ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は1737±167hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは102±13.5ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は205±26.3hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは4.51±1.58ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は6.86±1.83hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは905±119ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は1620±189hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第1〜4群)、腎臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは8965±1519ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は12267±1173hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは200±44.1ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は391±47.7hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは20.5±4.26ng/gであり、tmaxは4時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は23.4±2.80hr*kg*ng/g/mgであった。参照ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは1775±217ng/gであり、tmaxは8時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は3436±374hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、ニコチンの最大血漿中濃度(416±255ng/mLと言う平均)は投薬後の12分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第5群)は28.7±13.8であった。10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(13.9±3.07ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第5群)は0.671±0.167hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(267±56.1ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第5群)は19.3±3.45hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(381±81.8ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第5群)は21.3±5.76hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、ニコチンの最大血漿中濃度(315±142ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第6群)は21.5±10.8hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(11.6±2.62ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第6群)は0.581±0.149hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(246±120ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第6群)は15.6±8.37hr*kg*ng/mL/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第6群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(315±76.8ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第6群)は17.7±5.25hr*kg*ng/mL/mgであった。10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、ニコチンの最大血漿中濃度(253±40.0ng/mLと言う平均)は投薬後の12分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第7群)は18.3±6.21hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの2.02±1.21%及び0.04±0.04%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(12.7±4.62ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第7群)は0.620±0.253hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの0.97±0.34%及び0.02%(n=1)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(276±67.5ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は2.84時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第7群)は17.6±6.17hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの9.91±4.61%及び0.12%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第7群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(317±100ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第7群)は16.6±4.69hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの1.39±0.80%及び0.02±0.01%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、ニコチンの最大血漿中濃度(593±641ng/mLと言う平均)は投薬後の8分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった;然し乍ら、1匹のラットの半減期は0.737時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの平均暴露(第8群)は38.0±38.5hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの5.91±3.24%及び0.06±0.03%(未変化のドーズ)がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、ヒドロキシコチニン代謝物質の最大血漿中濃度(17.4±13.8ng/mLと言う平均)は投薬後の45分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニンの平均暴露(第8群)は0.940±0.788hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの9.07±3.61%及び0.02±0.01%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、ニコチン−n−オキシド代謝物質の最大血漿中濃度(357±306ng/mLと言う平均)は投薬後の15分及び1時間の間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった;然し乍ら、1匹のラットの半減期は0.888時間であった。ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシドの平均暴露(第8群)は27.5±23.8hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの39.5±9.71%及び0.08%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第8群)、コチニン代謝物質の最大血漿中濃度(441±333ng/mLと言う平均)は投薬後の1時間に於いて観察された。経口投薬後の平均半減期は決定され得なかった。ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニンの平均暴露(第8群)は25.8±20.0hr*kg*ng/mL/mgであった。平均で、ドーズの8.23±2.58%及び0.18±0.10%がPO投薬後の夫々尿及び糞中に見い出された。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5〜8群)、脳組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは1260±200ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は21.6時間であり、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は1300±125hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは91.2±7.69ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は142±6.64hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは4.17±1.41ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は2.70±1.05hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、脳組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは1322±219ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は2172±189hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5〜8群)、肝臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは2702±308ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は18.9時間であり、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は2989±277hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは232±41.2ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は338±37.6hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは6.69±1.67ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は8.74±2.56hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、肝臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは1451±157ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は2505±139hr*kg*ng/g/mgであった。
10mg/kgでの試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に(第5〜8群)、腎臓組織に於けるニコチンの平均(±SE)Cmaxは8930±676ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は24.2時間であり、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチンの暴露は12717±1354hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるヒドロキシコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは244±16.5ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくヒドロキシコチニン代謝物質の暴露は449±24.1hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるニコチン−n−オキシド代謝物質の平均(±SE)Cmaxは28.0±6.34ng/gであり、tmaxは1時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくニコチン−n−オキシド代謝物質の暴露は38.0±5.57hr*kg*ng/g/mgであった。試験ニコチンポラクリレックスのPO投薬後に、腎臓組織に於けるコチニン代謝物質の平均(±SE)Cmaxは2466±321ng/gであり、tmaxは24時間であり、半減期は決定され得ず、ドーズで正規化したAUClastに基づくコチニン代謝物質の暴露は4300±280hr*kg*ng/g/mgであった。
例7
例5及び6からの薬物動態(PK)結果を比較した。図1は例5からのPK結果を示しており、ラットに於けるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)及びコントロール組成物の投与後の種々の組織のニコチン濃度を比較している。
図2は例6からの結果を示しており、ラットに於けるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)及びコントロール組成物の投与後のピークニコチン血中レベルの改善を示している。コントロール製剤と比較してデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)では有意な改善が投与後10分迄に観察された。
図3は例6からの結果を示しており、ラットに於けるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)及びコントロール組成物の投与後の種々の組織のニコチン濃度を比較している。コントロール製剤と比較して、ニコチンの有意により多大な濃度がデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)処置された動物の脳組織で観察された。
図4は例5及び6からの結果を示しており、種々の時点のラットに於けるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)及びコントロール組成物の投与後の、脳組織に於ける最大脳内濃度、Cmax迄の時間、及び合計数量の改善を比較している。コントロール製剤と比較して、桁の違う改善がデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)で観察された。
本明細書に於いて挙げられている全ての公開、特許出願、特許、及び他の参照は、本開示の主題が該当する分野の業者の水準を指示する。全ての公開、特許出願、特許、及び他の参照は、各個々の公開、特許出願、特許、及び他の参照が参照に依って組み込まれる事を具体的に且つ個々に指示される場合と同じ程度迄、参照に依って本願に組み込まれる。幾つもの特許出願、特許、及び他の参照が本願に於いて参照されているが、斯かる参照は此れ等の文書の何れかが当分野の普通の一般的知識の一部を形成すると言う承認には当たらない事は理解されるであろう。
前述の主題は理解の明瞭性の目的の為に例解及び例として幾らか詳細に記載されたが、或る種の変更及び改変が添付の請求項の範囲内で実施され得ると言う事は当業者に依って理解されるであろう。