JP2021524441A - マクロモノマー系光硬化性歯科用印象材 - Google Patents

マクロモノマー系光硬化性歯科用印象材 Download PDF

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Abstract

(a)式(I):E−(L1−Z)n−L2−Eの化合物を含む重合性ポリシロキサン樹脂組成物と、(b)微粒子フィラーと、(c)光開始剤とを含む、光硬化性歯科用印象材。【選択図】図1

Description

本発明は、光硬化性歯科用印象材に関する。さらに、本発明は、歯科印象の作製のための本発明の光硬化性歯科用印象材の使用に関する。
歯科用印象材が知られている。歯科用印象材は、保存中に成分を互いに隔離しておく2つの区画または2つの別個の容器を含むパッケージで提供される反応性多成分材料として一般に入手可能である。成分が混合されると、混合された組成物が硬化時間中に硬化された塊に変化する化学反応が開始する。さらに、従来の歯科用印象材の作業時間および硬化時間は制限されており、硬化反応の速度に依存する。したがって、歯科用印象材の保存安定性は、反応性成分の分離に依存し、歯科印象が通常わずか数分の作業時間中に完了し得るように、チェアサイドで使用直前に行われる必要がある使用前混合を必要とする。
混合物の均一性および混合される2つの成分の比に関して高い精度を提供するための、多成分歯科用印象材の自動混合および分配のための装置が開発されている。したがって、歯科用印象材の成分は、歯科用印象材の塗布中に別個の材料チャンバからミキサに同時に供給され、混合され、次いで混合されたペーストが分配される。ペーストは、患者の口内に直ちに配置するために、ミキサから歯科印象用トレー上に直接供給されてよい。
材料成分が混合チャンバ中で互いに接触すると、混合された材料は分配および使用されなければ混合チャンバ内ですぐに硬化することになるため、混合チャンバ中の材料の混合物は、短時間しか保存できない。したがって、歯科医師は、1日に数回、ミキサを除去および交換しなければならない場合がある。
歯科用印象材は、付加型シリコーンが最も一般的である、付加反応または縮合反応で硬化可能なシリコーン印象材であってよい。従来の付加型シリコーン印象材は、良好な細部再現、優れた寸法安定性を提供し、硬化収縮がほとんどないが、付加型シリコーンは本質的に疎水性であり、したがって、最適利用のために湿気制御を必要とする。最後に、付加型シリコーンには、不十分な引裂抵抗しかない。
架橋型ポリシロキサンに基づく歯科用印象材が知られている。例えば、US−A−5849812は、(a)少なくとも2つの任意選択で置換されたビニルおよび/またはアリル末端基を有する少なくとも1つのポリエーテル、(b)SiH成分、(c)少なくとも1つの白金触媒、(d)任意選択の添加剤、および(e)少なくとも2つのアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、を含む付加硬化型ポリエーテル歯科用印象材を記載する。
US−A 5137448は、360〜600ナノメートルの可視光範囲内の化学光(actinic light)により活性化される開始剤を有することによって重合可能な歯科印象組成物を開示し、組成物は、少なくとも2つの末端アクリラート不飽和と、骨格を含有するオルガノシリコーンとを有する化合物を含有する。
本発明の課題は、調整可能な作業時間および硬化時間を有し、コアビルドアップ材料または複合材料修復物に付着することなく良好な細部再現を提供しながら同時に優れた引裂抵抗を有し、優れた寸法安定性を有し、硬化収縮が低減され、使用前混合を必要としない単一組成物として提供されてよい、湿気に対する耐性が高い歯科用印象材を提供することである。
さらに、本発明の課題は、本発明の歯科用印象材の使用を提供することである.
本発明は、
(a)以下の式(I):
E−(L−Z)−L−E
(I)
の化合物であって、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいEは独立して、重合性炭素−炭素二重結合を含有する基、ポリシロキサン部分を含有する基、C2〜20アルコキシ基、C2〜20チオアルキル基、およびRNH基(式中、Rは、C2〜20アルキル基である)から選択される一価の基を表し、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、以下の式(II):
Figure 2021524441
の二価の基を表し、式中、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは独立して、最大4つの式(III):
−L−E
(III)
の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは独立して、最大4つの式(III)の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
、X、Y、およびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、2つ以上のX、X、Y、またはYが存在する場合、X、X、Y、およびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR’(式中、R’は、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
mは、0、または1〜40の整数を表し、
Zは、ポリシロキサン基および式(III)の基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)から選択される最大4つの置換基でさらに置換されてよい二価のリンカー基を表し、
は、単結合または式(II)の二価の基(式中、L、L、X、X、Y、Y、およびmは独立して、Lについて定義されるとおりである)を表し、
nは、0、または1〜4の整数を表し、
ただし、
−式(I)の化合物は、重合性炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの一価の基Eを含有し、
−式(I)の化合物は、少なくとも1つのポリシロキサン基を含有し、
ただし、
nが0である場合、Lは、式(II)の二価の基である、
化合物、を含む重合性ポリシロキサン樹脂組成物と、
(b)微粒子フィラーと、
(c)光開始剤
を含む、光硬化性歯科用印象材を提供する。
mが1より大きい場合、式(II)の二価の基の繰り返し単位
Figure 2021524441
が同じであるかまたは異なっていてよいように、L、L、X、X、Y、およびYは各々独立して、上記で定義されるように同じであるかまたは異なっていてよい。
式(II)の二価の基は、同じ繰り返し単位のオリゴマーもしくはポリマー鎖、または異なる繰り返し単位の交互オリゴマーもしくはポリマー鎖、および/または異なる繰り返し単位のランダムポリマー鎖を含んでよいことを理解すべきである。さらに、式(II)のmは、本明細書に示されるような式(I)の化合物の特定の実施形態のiおよびjを包含してよい。
さらに、本発明は、歯科印象の作製のための本発明の光硬化性歯科用印象材の使用を提供する。
本発明は、化合物が低い粘度を有し、かつラジカル重合反応で硬化され、その結果、硬質および軟質歯構造、コアビルドアップ材料、または複合材料修復物への付着が制限された硬化材料をもたらすように、そのような化合物が、重合性炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの一価の基E、ならびに少なくとも1つのポリシロキサン基を含有すると仮定して、式(I)によるラジカル重合性ポリシロキサン化合物の特定の組成物が、充填光硬化性歯科用印象材に使用されてよいという認識に基づく。
ラジカル重合による硬化は、高い保存安定性を有しかつ使用前に混合することを必要としない、便利な一成分光硬化性歯科用印象材の提供を可能にする。したがって、光硬化性歯科用印象材は、すぐに使える歯科用トレーとして提供されてよい。同時に、光硬化性歯科用印象材は、硬化されると、優れた引裂抵抗、良好な細部再現、優れた寸法安定性を提供し、硬化収縮を提供しない。
式(I)による化合物の合成手順のスキームを示す。 式(I)による化合物と組み合わせて使用されてよいマクロモノマーの合成手順のスキームを示す。 式(I)による化合物と組み合わせて使用されてよい、3つ以上の重合性基を有する高分子量架橋剤への反応経路のスキームを示す。 式(I)による化合物と組み合わせて使用されてよい、さらなるマクロモノマーへの反応経路のスキームを示す。 コンボ樹脂の機械的特性に対するSilmer/ロット11801005の処理効果を表すチャートを示す。 コンボ樹脂の機械的特性に対するSilmer/ロット11804022の処理効果を表すチャートを示す。
好ましい実施形態の詳細な説明
「重合」および「重合性」という用語は、モノマーなどの多数のより小さい分子が、より大きい分子、すなわち巨大分子またはポリマーを形成するように共有結合により結びつくことまたは結びつく能力に関する。モノマーは、線状巨大分子のみを形成するように結合されるか、または、一般に架橋ポリマーと呼ばれる3次元巨大分子を形成するように結合されてよい。例えば、単官能性モノマーは、線状ポリマーを形成し、一方、少なくとも2つの官能基を有するモノマーは、ネットワークとしても知られる架橋ポリマーを形成する。
本発明による「C2〜20アルキレン基」という用語は、二価のC2〜20炭化水素リンカー基を表す。具体的には、リンカー基は、脂肪族および/または芳香族であってよい炭化水素基であってよい。さらに、リンカー基は、直鎖、分岐、および/または環状炭化水素基であってよい。C2〜20炭化水素リンカー基は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1〜8つのヘテロ原子を含有してよく、その二価の有機残基は、C1〜4アルコキシ基、ヒドロキシル基、チオール基、およびC6〜14アリール基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されてよい。C2〜20アルキレン基は、線状または分岐状の基であってよい。炭化水素基は、1〜6つのC1〜4アルキル基で置換されてよい。アルキル基の具体例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、i−プロピレン、n−ブチレン、i−ブチレン、またはtert−ブチレンである。好ましい実施形態では、炭化水素基は、炭化水素基中に、脂肪族または芳香族エーテル結合、ケト基、カルボン酸基、またはヒドロキシル基の形態で、1〜5つの酸素原子を含有してよい。脂肪族基の場合、C2〜20アルキレン基は、直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはシクロアルキレン基であってよい。芳香族基の場合、C2〜20アルキレン基は、アリーレン基またはC3〜14ヘテロアリーレン基であってよい。具体的には、それは二価の置換または無置換C2〜20アルキレン基、置換または無置換C6〜14アリーレン基、置換または無置換C3〜20シクロアルキレン基、置換または無置換C7〜20アリーレンアルキレンアリーレン基であってよい。さらに、C2〜20アルキレン基は、2〜4つの酸素原子もしくは窒素原子を含有してよくかつ1〜6つのC1〜4アルキル基で置換されてもよい、飽和脂肪族C2〜20炭化水素鎖を表すか、またはC2〜20アルキレン基は、1〜6つのC1〜4アルキル基で置換されてよい置換されたもしくは置換されないC7〜20アリーレンアルキレンアリーレン基であってよい。
「化学線(actinic radiation)」は、光化学作用を生じることができる任意の電磁放射線であり、少なくとも150nm、最大1250nm以下、典型的には、少なくとも300nm、最大750nm以下の波長を有し得る。
本明細書で使用される「電子供与体」という用語は、光化学過程で電子を提供できる化合物を意味する。好適な例としては、孤立電子対があるヘテロ原子を有する有機化合物、例えばアミン化合物が挙げられる。
本発明は、光硬化性歯科用印象材を提供する。光硬化性歯科用印象材は、好ましくは、シリンジに詰められた一液組成物であるか、またはすぐに使える歯科印象用トレーに提供される。あるいは、本発明の光硬化性歯科用印象材はまた、特に追加の酸化還元開始剤系を含有するデュアルキュア組成物として配合される場合、二液組成物であってもよい。
シリンジに詰められるか、またはすぐに使える歯科印象用トレーに提供される場合、組成物は、保存中に化学光から遮蔽されなければならない。
本発明の光硬化性歯科用印象材は、ポリシロキサン部分と組み合わせて重合性部分を有する式(I)の化合物を含む、重合性ポリシロキサン樹脂組成物を含む。重合性ポリシロキサン樹脂組成物は、マクロモノマーである式(I)の化合物を含む。マクロモノマーは、第1の反応物および第2の反応物を、第2の反応物の反応基のモル量に関して過剰量が存在するような特定の化学量論比で反応させ、任意の過剰な反応性末端基の末端をキャッピングする特定の比で第3の反応物を使用することによって得られてよい。
第1の反応物と第2の反応物との反応は、好ましくは付加重合である。しかしながら、重縮合も可能である。
第3の反応物と、第2の反応物の過剰な官能基との末端キャッピング反応もまた、好ましくは付加重合である。しかしながら、重縮合もまた可能である。
重付加反応の場合、ウレタン結合の形成が好ましい。あるいは、第1の反応物と第2の反応物の反応による尿素またはS−チオカルバマート結合の形成も可能である。したがって、第1の反応物は、ジオールまたは代わりにジアミンもしくはジチオールであってよく、第2の反応物は、ジイソシアナートであってよい。
三官能性反応物などの多官能性反応物の場合、分岐がマクロモノマー中に導入されてよい。本発明によれば、第1の反応物としてジ−またはポリアルコール、および第2の反応物としてジ−またはポリイソシアナートを使用でき、それにより、図1に示されるようなアルコールなどの単官能性の第3の反応物で末端がキャッピングされる、イソシアナート末端ポリウレタンプレポリマーを形成する。あるいは、第1の反応物としてのジ−もしくはポリアミンまたはジ−もしくはポリチオール、および第2の反応物としてのジ−またはポリイソシアナートの使用は、アルコール、アミン、またはチオール化合物などの単官能性の第3の反応物で末端がキャッピングされる、イソシアナート末端尿素またはS−カルバマートプレポリマーをもたらす。
しかしながら、本発明によれば、第1の反応物としてジ−またはポリイソシアナート、および第2の反応物としてジ−またはポリアルコールを使用でき、それにより、イソシアナートなどの単官能性の第3の反応物で末端がキャッピングされる、ヒドロキシル末端プレポリマーを形成する。あるいは、第1の反応物としてジ−またはポリイソシアナート、および第2の反応物としてジ−もしくはポリアミンまたはジ−もしくはポリチオールを使用でき、それにより、イソシアナートなどの単官能性の第3の反応物で末端がキャッピングされる、アミンまたはチオール末端プレポリマーを形成する。
第1、第2、および第3の反応物は、2つ以上の異なる化合物の混合物であってよい。第1、第2、および第3の反応物のいずれかは、1つ以上のポリシロキサン部分を含有する。好ましくは、第3の成分は、マクロモノマー中にラジカル重合性部分を導入する。
好ましい実施形態によれば、本発明の光硬化性歯科用印象材は、追加の重合性化合物、特に、式(I)の化合物であるが、いかなるポリシロキサン部分もない化合物をさらに含む。具体的には、本発明の光硬化性歯科用印象材は好ましくは、追加の重合性マクロモノマーを含む。重合性マクロモノマーは、第4の反応物および第5の反応物を、第5の反応物の反応基のモル量に関して過剰量が存在するような特定の化学量論比で反応させ、任意の過剰な反応性末端基の末端をキャッピングする特定の比で第6の反応物を使用することによって得られてよい。
第4の反応物と第5の反応物の反応は、好ましくは付加重合である。しかしながら、重縮合も可能である。第6の反応物と、第5の反応物の過剰な官能基との末端キャッピング反応もまた、好ましくは付加重合である。しかしながら、重縮合もまた可能である。
重付加反応の場合、ウレタン結合の形成が好ましい。あるいは、第4の反応物と第5の反応物の反応による尿素またはS−チオカルバマート結合の形成も可能である。したがって、第4の反応物は、ジオールまたは代わりにジアミンもしくはジチオールであってよく、第2の反応物は、ジイソシアナートであってよい。
多官能性反応物の場合、分岐がマクロモノマー中に導入されてよい。本発明によれば、第4の反応物としてジ−またはポリアルコール、および第5の反応物としてジ−またはポリイソシアナートを使用でき、それにより、図2に示されるようなアルコールなどの単官能性の第6の反応物で末端がキャッピングされる、イソシアナート末端プレポリマーを形成する。あるいは、第4の反応物としてのジ−もしくはポリアミンまたはジ−もしくはポリチオール、および第5の反応物としてのジ−またはポリイソシアナートの使用は、アルコール、アミン、またはチオール化合物などの単官能性の第3の反応物で末端がキャッピングされる、イソシアナート末端尿素またはS−カルバマートプレポリマーをもたらす。
しかしながら、本発明によれば、第4の反応物としてジ−またはポリイソシアナート、および第5の反応物としてジ−またはポリアルコールも使用でき、それにより、イソシアナートなどの単官能性の第6の反応物で末端がキャッピングされる、ヒドロキシル末端ポリウレタンプレポリマーを形成する。あるいは、第4の反応物としてジ−またはポリイソシアナート、および第2の反応物としてジ−もしくはポリアミンまたはジ−もしくはポリチオールを使用でき、それにより、イソシアナートなどの単官能性の第3の反応物で末端がキャッピングされる、アミンまたはチオール末端ポリ尿素またはポリS−チオカルバマートプレポリマーを形成する。
第4、第5、および第6の反応物は、2つ以上の異なる化合物の混合物であってよい。付加重合性マクロモノマーの場合、第1、第2、および第3の反応物はいずれも、いかなるポリシロキサン部分も含有しない場合がある。式(I)の化合物を含む重合性ポリシロキサン樹脂組成物を調製するために使用される、いかなるポリシロキサン部分も含有しない反応物は、付加重合性マクロモノマーを調製するために使用されてよい。好ましくは、第6の成分は、付加重合性マクロモノマー中にラジカル重合性部分を導入する。
重合性ポリシロキサン樹脂組成物
本発明の光硬化性歯科用印象材は、以下の式(I):
E−(L−Z)−L−E
(I)
の化合物を含む、重合性ポリシロキサン樹脂組成物を含む。
好ましい実施形態によれば、重合性ポリシロキサン樹脂組成物は、10〜40%wt/wtの範囲、より好ましくは15〜35%wt/wtの範囲の、全シロキサン含有量を有する。重合性ポリシロキサン樹脂組成物の全シロキサン含有量は、29Si−NMRによって決定されてよい。
式(I)の化合物において、同じであるかまたは異なっていてよいEは独立して、重合性炭素−炭素二重結合を含有する基、ポリシロキサン部分を含有する基、C2〜20アルコキシ基、C2〜20チオアルキル基、およびRNH基(式中、Rは、C2〜20アルキル基である)から選択される一価の基を表す。
好ましい実施形態によれば、Eは、重合性炭素−炭素二重結合を含有する基、好ましくは、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、またはアリル(メタ)アクリルアミド基、より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
好ましい実施形態によれば、一価の基Eは、重合性ポリシロキサン樹脂組成物の全(メタ)アクリラート含有量が0.20〜0.50mmol/g、より好ましくは0.25〜0.45mmol/gの範囲であるように(メタ)アクリラート基を含有する。重合性ポリシロキサン樹脂組成物の全(メタ)アクリラート含有量は、H−NMRによって決定される。
好ましい実施形態によれば、Eは、以下の式(IV):
Figure 2021524441
による基であり、式中、
は、水素原子、またはC1〜12アルキル基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基、またはポリシロキサン含有リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
aは、1〜20の整数を表す。
好ましくは、Rは、C1〜4アルキル基、より好ましくはメチル基を表す。
第1の実施形態によれば、Xは、好ましくは酸素原子または硫黄原子、より好ましくは酸素原子を表す。第2の実施形態によれば、Xは、好ましくは基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表す。
好ましくは、Xは、酸素原子または硫黄原子、より好ましくは酸素原子を表す。
は、二価の炭化水素リンカー基、またはポリシロキサン含有リンカー基である。ポリシロキサン含有リンカー基は、ポリシロキサン基であってよいか、または主鎖に1つ以上の炭化水素フラグメントを含有してよい。好ましくは、Lは、線状または分岐C2〜3アルキレン基である。
好ましい実施形態によれば、基−[L−X]−は、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
好ましくは、aは、1〜10の整数である。
好ましい実施形態によれば、Eは、以下の式(V):
Figure 2021524441
のポリシロキサン基であり、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいRは独立して、直鎖、分岐、または環状アルキル基を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
bは、0、または1〜1000の整数であり、
cは、0または1である。
好ましい実施形態によれば、Rは、任意選択で置換された直鎖C1〜12アルキル基であり、好ましくは、任意選択で置換された直鎖C1〜6アルキル基である。
好ましい実施形態によれば、Rは、任意選択で置換された分岐C1〜12アルキル基であり、好ましくは、任意選択で置換された分岐C1〜6アルキル基である。
好ましい実施形態によれば、Rは、任意選択で置換された環状C1〜12アルキル基であり、好ましくは、任意選択で置換された環状C1〜6アルキル基である。
より好ましくは、Rは、メチル基である。
好ましくは、Xは、酸素原子または硫黄原子、より好ましくは酸素原子を表す。
好ましくは、bは、1〜1000の整数であり、より好ましくは、1〜100の整数であり、さらにより好ましくは、1〜10の整数である。
好ましくは、cは、1である。
好ましい実施形態によれば、Eは、任意選択で置換された線状C2〜20アルコキシ基である。
好ましい実施形態によれば、Eは、任意選択で置換された分岐C2〜20アルコキシ基である。
好ましくは、Eは、任意選択で置換された線状C2〜15アルコキシ基であり、より好ましくは、無置換線状C2〜15アルコキシ基であり、さらにより好ましくは、無置換線状C12アルコキシ基である。
好ましい実施形態によれば、Eは、任意選択で置換された線状C2〜20チオアルキル基である。
好ましい実施形態によれば、Eは、任意選択で置換された分岐C2〜20チオアルキル基である。
好ましくは、Eは、任意選択で置換された線状C2〜15チオアルキル基であり、より好ましくは、無置換線状C2〜15チオアルキル基である。
好ましい実施形態によれば、Eは、RNH基であり、式中、Rは、C2〜20アルキル基である。
好ましくは、Rは、任意選択で置換された線状C2〜20アルキル基である。
好ましくは、Rは、任意選択で置換された分岐C2〜20アルキル基である。
好ましくは、Rは、任意選択で置換された線状C2〜15アルキル基であり、より好ましくは、無置換線状C2〜15アルキル基であり、さらにより好ましくは、無置換線状C2〜5アルキル基である。
式(I)の化合物において、Lは、以下の式(II):
Figure 2021524441
の二価の基を表し、式中、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III):
−L−E
(III)
の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III)の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
、X、Y、およびYは、同じであるかまたは異なっていてもよく、2つ以上のX、X、Y、またはYが存在する場合、X、X、Y、およびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR’(式中、R’は、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
mは、0、または1〜40の整数を表す。
mが1より大きい場合、式(II)の二価の基の繰り返し単位
Figure 2021524441
が同じであるかまたは異なっていてよいように、L、L、X、X、Y、およびYは、各々独立して、上記で定義されるように同じであるかまたは異なっていてよい。
式(II)の二価の基は、同じ繰り返し単位のオリゴマーもしくはポリマー鎖、または異なる繰り返し単位の交互オリゴマーもしくはポリマー鎖、および/または異なる繰り返し単位のランダムポリマー鎖を含んでよいことを理解すべきである。さらに、式(II)のmは、本明細書に示されるような式(I)の化合物の特定の実施形態のiおよびjを包含してよい。
好ましい実施形態によれば、Lは、主鎖に最大10のヘテロ原子を含有してよい、上記で定義されるようなC2〜20アルキレン基を表し、ヘテロ原子は、酸素、硫黄、またはNR(式中、Rは、水素原子、または直鎖、分岐もしくは環状C1〜6アルキル基を表す)から選択される。
好ましい実施形態によれば、Lは、以下の式(VI):
Figure 2021524441
による基を表し、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいRa1およびRa2は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基含有有機残基、以下の式[−X’’L’’]a3(式中、X’’はO、S、もしくはNRa4(式中、Ra4は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRa5 基(式中、同じであるかもしくは異なっていてよいRa5は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基、好ましくはメチル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Ra3は、重合性二重結合を含有する有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表し、Ra1およびRa2は、式(III)の基を含んでよく、
dは、1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは、dは6である。
好ましくは、Lは、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
好ましい実施形態によれば、Lは、以下の式(VII):
Figure 2021524441
による基を表し、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいRb1、Rb2、Rb3、およびRb4は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基含有有機残基、以下の式[−X’’’L’’’]b5(式中、X’’’はO、S、もしくはNRb6(式中、Rb6は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRb7 基(式中、同じであるかもしくは異なっていてよいRb7は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基、好ましくはメチル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Rb5は、重合性二重結合を含有する有機残基、好ましくは(メタ)アクリラート基を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表し、Rb1、Rb2、Rb3、およびRb4は、式(III)の基を含んでよく、
およびXは、同じであるかまたは異なっていてよく、2つ以上のXまたはXが存在する場合、XおよびXは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR(式中、Rは、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
eは、1〜10の整数であり、
fは、1〜100、具体的には、1〜40または40〜100の整数であり、
gは、0または1である。
好ましくは、Lは、線状または分岐C2〜3アルキレン基である。
好ましい実施形態によれば、基−[L−X]−は、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
好ましい実施形態によれば、Lは、以下の式(VIII):
Figure 2021524441
による基を表し、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいRは、独立して、直鎖、分岐、または環状アルキル基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、および基NRN1(式中、RN1は、水素原子、もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
およびLは、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
hは、0、または1〜1000の整数であり、
tは、0または1である。
はまた、以下の式(VIIIa)、(VIIIb)、または(VIIIc)
Figure 2021524441
のポリシロキサン基であってもよく、式中、
1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
4#は、アルキル、アルコキシ、またはシクロアルキル基であり、
は、5〜20の整数である。
好ましい実施形態によれば、Rは、任意選択で置換された直鎖C1〜12アルキル基であり、好ましくは、任意選択で置換された直鎖C1〜6アルキル基である。
好ましい実施形態によれば、Rは、任意選択で置換された分岐C1〜12アルキル基であり、好ましくは、任意選択で置換された分岐C1〜6アルキル基である。
好ましい実施形態によれば、Rは、任意選択で置換された環状C1〜12アルキル基であり、好ましくは、任意選択で置換された環状C1〜6アルキル基である。
より好ましくは、Rは、メチル基である。
好ましくは、Xは、酸素原子を表す。
好ましくは、同じであるかまたは異なっていてよいLおよびLは、独立して、線状または分岐C2〜3アルキレン基を表す。
より好ましくは、同じであるかまたは異なっていてよいLおよびLは、独立して、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
hは、1〜40の整数であり、好ましくは、hは、1〜20の整数であり、より好ましくは、1〜10の整数である。
好ましくは、tは、1である。
好ましい実施形態によれば、Lは、Lによって定義されるような任意の基を表してよい。
好ましい実施形態によれば、Lは、以下の式(IX):
Figure 2021524441
による基を表し、式中、
EおよびLは、上記のように定義され、
は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
2つ以上のXが存在する場合、X基は同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NRN2(式中、RN2は、水素原子、もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
uは、1〜40の整数である。
好ましくは、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
好ましくは、uは、1または2であり、好ましくは2である。
好ましい実施形態によれば、式(IX)による基は、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
式(II)の基において、XおよびXは、同じであるかまたは異なっていてよく、2つ以上のXおよびXが存在する場合、XおよびXは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR’(式中、R’は、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表す。好ましくは、XおよびXは、酸素原子を表す。
式(II)の基において、YおよびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、2つ以上のYおよびYが存在する場合、YおよびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR’(式中、R’は、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表す。好ましくは、YおよびYは、基NR’(式中、R’は、水素原子またはC1〜4アルキル基である)を表す。より好ましくは、YおよびYは、基NR’(式中、R’は、水素原子である)を表す。
式(II)の基において、mは、0、または1〜40の整数を表す。
好ましい実施形態では、mは、0である。
好ましい実施形態では、mは、1〜10の整数である。
好ましくは、mは、1または2である。
式(I)の化合物において、Zは、Lによって定義されるような任意の基を表す。
好ましい実施形態では、Zは、Lによって定義されるような任意の基を表す。
好ましくは、Zは、式(XI)による基を表す。
式(I)の化合物において、Lは、LまたはLによって定義されるような任意の基を表す。好ましくは、Lは、Lによって定義されるような任意の基を表す。
好ましくは、Lは、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
好ましい実施形態では、Lは、単結合を表す。
式(I)の化合物において、nは、0、または1〜4の整数を表す。
好ましい実施形態では、n>0である。
好ましい実施形態では、nは0であり、Lは式(II)の二価の基であり、式中、mは0である。
好ましい実施形態では、n=0であり、Lは式(II)の二価の基表し、式中、
は、二価のC1〜12炭化水素基、またはポリシロキサン基であり、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III)の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてもよい二価のリンカー基を表し、
およびXは、酸素原子であり、
およびYは、NH基であり、
mは、1〜40の整数である。
好ましい実施形態では、n>0であり、Lは式(II)の二価の基表し、式中、
は、二価のC1〜12炭化水素基、またはポリシロキサン基であり、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III)の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
およびXは、酸素原子であり、
およびYは、NH基であり、
mは、1〜40の整数である。
好ましい実施形態によれば、LおよびLは、独立して、式(II)の二価の基を表し、式中、
は、二価のC1〜12炭化水素基、またはポリシロキサン基であり、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III)の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
およびXは、酸素原子であり、
およびYは、NH基であり、
mは、1〜40の整数であり、
Zは、二価のC1〜12炭化水素基である。
mが1より大きい場合、式(II)の二価の基の繰り返し単位
Figure 2021524441
が同じであるかまたは異なっていてよいように、L、L、X、X、Y、およびYは、各々独立して、上記で定義されるように同じであるかまたは異なっていてよい。
式(II)の二価の基は、同じ繰り返し単位のオリゴマーもしくはポリマー鎖、または異なる繰り返し単位の交互オリゴマーもしくはポリマー鎖、および/または異なる繰り返し単位のランダムポリマー鎖を含んでよいことを理解すべきである。さらに、式(II)のmは、以下に示されるような式(I)の化合物の特定の実施形態のiおよびjを包含してよい。
特定の実施形態によれば、式(I)の化合物は、以下の式:
Figure 2021524441
のいずれか1つの化合物であり、式中、
は、
Figure 2021524441
であり、

Figure 2021524441
であり、

Figure 2021524441
であり、
は、2〜25の炭素原子を有するアルキレンであり、
R’は、HまたはCHであり、
R’’は、2〜15の炭素原子を有するアルキレンであり、
1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
4#は、アルキル、アルコキシ、またはシクロアルキル基であり、
iおよびjは、独立して、1〜20の整数であり、
は、2〜10の整数であり、
は、5〜20の整数であり、
は、50〜100の整数であり、
kは、5〜15の整数である。
好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物は、100〜10.000Da、より好ましくは300〜2000Daの分子量を有する。
好ましくは、式(I)の化合物は、0.001〜100Pas、より好ましくは0.1〜10Pasの範囲の粘度を有する。粘度は、流れに対する流体の内部抵抗の尺度である。粘度は、25℃の温度で様々な種類の粘度計およびレオメータにより測定され得る。
好ましい実施形態によれば、−L−Z−は、式(II)の二価の基を表し、これは、ジイソシアナート化合物、ジオール化合物、および少なくとも3つのヒドロキシル基を有するポリオール化合物を反応させることによって得ることができる。
好ましい実施形態によれば、Lは、式(II)の二価の基を表し、これは、ジイソシアナート化合物およびジオール化合物を反応させることによって得ることができる。
好ましい実施形態によれば、重合性ポリシロキサン樹脂混合物は、
(a)x等量の、以下の式(X):
HO−L(OH)
(X)
(式中、
は、(l+1)価のリンカー基であり、
lは、1〜5の整数である)
の1つ以上のジ−またはポリオール化合物と、
(b)y等量の、以下の式(XI):
OCN−LNCO
(XI)
(式中、
は、二価のリンカー基である)
の1つ以上の化合物と、
(c)z等量の、以下の式(XII):
Figure 2021524441
(式中、
は、水素原子、またはC1〜12アルキル基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
aは、1〜20の整数を表す)
の1つ以上の化合物、
を含む混合物を反応させることによって得ることができ、
0.05≦x/y≦0.66、かつ
Figure 2021524441
であり、
x、y、およびzは、成分(a)、(b)、および(c)のモル等量であり、
Figure 2021524441
は、成分(a)の平均ヒドロキシル官能価:
Figure 2021524441
であり、
lは、式(X)で定義されるとおりであり、x/xは、l+1のヒドロキシル官能価を有する化合物のモル分率である。
混合物は、xモル等量の成分(a)、yモル等量の成分(b)、およびzモル等量の成分(c)を含有する。
モル等量は、0.05≦x/y≦0.66、かつ2y−fx≦z≦1.5(2y−fx)となるように調整され、fは、以下の式:
Figure 2021524441
によって定義される成分(a)の平均ヒドロキシル官能価であり、
Iは、式(X)で定義されるとおりであり、x/xは、I+1のヒドロキシル官能価を有する化合物のモル分率である。
したがって、成分(a)のモル等量xは、成分(a)に含有される1つ以上のジ−および/またはポリヒドロキシル化合物の官能価に依存する。好ましい実施形態によれば、Iは1である。Iが1である場合、fは2である。さらなる好ましい実施形態によれば、混合物は、式(I)の1つの化合物を含有し、好ましくは、Iは1である。結果として、式(I)による化合物は、線状である。
本発明によれば、モル等量yは、0.05≦x/y≦0.66という点で、モル等量xより大きい。y>xを考慮し、かつr’=x/yのモル比に依存して、重合度(Pa)は、Pa=(1+r’)/(1−r’)に従って増大する。x/y>0.66の場合、重合性組成物の粘度は過度に大きくなる場合があり、その結果、多量の溶媒または反応性希釈剤が、本発明の光硬化性歯科用印象材を提供するために必要とされる。x/y<0.05の場合、重合性組成物は、成分(b)と成分(c)間の過剰量の反応生成物を含有し、それにより、本発明の光硬化性歯科用印象材の機械的特性は低下する。
混合物は、zモル等量の、1つ以上の連鎖停止化合物(c)を含有する。zの量は、2y−fx≦z≦1.5(2y−fx)となるように本発明に従って選択され、fは、上記で定義される成分(a)の平均ヒドロキシル官能価である。好ましくは、zは、2y−fxである。x<2y−fxの場合、本発明の重合性混合物に含有されるマクロモノマー中の末端基の含有量は減少する場合があり、これは、本発明の歯科用複合材料の機械的特性を考えると好ましくない。z>1.5(2y−fx)の場合、過剰量の連鎖停止化合物は、成分(a)と成分(b)の反応と競合し、マクロモノマー形成を妨げる場合がある。
重合性混合物の平均分子量
Figure 2021524441
は、以下の式に従って推定されてよい:
Figure 2021524441
上記の式において、
Figure 2021524441
は成分(a)の平均分子量であり、
Figure 2021524441
は成分(b)の平均分子量であり、
Figure 2021524441
は成分(c)の平均分子量である。
代替の実施形態によれば、重合性ポリシロキサン樹脂混合物は、
(a’)x等量の、以下の式(X’):
OCN−L4’(NCO)l’
(X’)
(式中、
4’は、(l’+1)価のリンカー基であり、
l’は、1〜5の整数である)
の1つ以上のジ−またはポリイソシアナート化合物と、
(b’)y等量の、以下の式(XI’):
HO−L3’OH
(XI’)
(式中、
3’は、二価のリンカー基である)
の1つ以上のジオール化合物と、
(c’)z等量の、以下の式(XII’):
Figure 2021524441
(式中、
1’は、水素原子、またはC1〜12アルキル基を表し、
3’は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
5’は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
sは、0、または1〜6の整数を表す)
の1つ以上の化合物、
を含む混合物を反応させることによって得ることができ、
0.05≦x/y≦0.66、かつ
Figure 2021524441
であり、
x、y、およびzは、成分(a’)、(b’)、および(c’)のモル等量であり、
Figure 2021524441
は、成分(a)の平均イソシアナート官能価:
Figure 2021524441
であり、
lは、式(X’)で定義されるようなl’であり、x/xは、l’+1のイソシアナート官能価を有する化合物のモル分率である。
混合物は、xモル等量の成分(a’)、yモル等量の成分(b’)、およびzモル等量の成分(c’)を含有する。
モル等量は、0.05≦x/y≦0.66、かつ2y−fx≦z≦1.5(2y−fx)となるように調整され、fは、以下の式:
Figure 2021524441
によって定義される成分(a)の平均イソシアナート官能価であり、
Iは、式(X)で定義されるとおりであり、x/xは、I+1のヒドロキシル官能価を有する化合物のモル分率である。
したがって、成分(a)のモル等量xは、成分(a)に含有される1つ以上のジ−および/またはポリヒドロキシル化合物の官能価に依存する。好ましい実施形態によれば、Iは1である。Iが1である場合、fは2である。さらなる好ましい実施形態によれば、混合物は、式(I)の1つの化合物を含有し、好ましくは、Iは1である。結果として、式(I)による化合物は、線状である。
本発明によれば、モル等量yは、0.05≦x/y≦0.66という点で、モル等量xより大きい。y>xを考慮し、かつr’=x/yのモル比に依存して、重合度(Pa)は、Pa=(1+r’)/(1−r’)に従って増大する。x/y>0.66の場合、重合性組成物の粘度は過度に大きくなる場合があり、その結果、多量の溶媒または反応性希釈剤が、本発明の光硬化性歯科用印象材を提供するために必要とされる。x/y<0.05の場合、重合性組成物は、成分(b)と成分(c)間の過剰量の反応生成物を含有し、それにより、本発明の光硬化性歯科用印象材の機械的特性は低下する。
混合物は、zモル等量の、1つ以上の連鎖停止化合物(c)を含有する。zの量は、2y−fx≦z≦1.5(2y−fx)となるように本発明に従って選択され、fは、上記で定義される成分(a)の平均イソシアナート官能価である。好ましくは、zは、2y−fxである。x<2y−fxの場合、本発明の重合性混合物に含有されるマクロモノマー中の末端基の含有量は減少する場合があり、これは、本発明の歯科用複合材料の機械的特性を考えると好ましくない。z>1.5(2y−fx)の場合、過剰量の連鎖停止化合物は、成分(a)と成分(b)の反応と競合し、マクロモノマー形成を妨げる場合がある。
重合性混合物の平均分子量
Figure 2021524441
は、以下の式に従って推定されてよい:
Figure 2021524441
上記の式において、
Figure 2021524441
は成分(a’)の平均分子量であり、
Figure 2021524441
は成分(b’)の平均分子量であり、
Figure 2021524441
は成分(c’)の平均分子量である。
好ましくは、光硬化性歯科用印象材は、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて2〜95重量パーセントの、式(I)の化合物を含む重合性ポリシロキサン樹脂組成物を含む。より好ましくは、光硬化性歯科用印象材は、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて4〜20重量パーセントの、式(I)の化合物を含む。
さらに、光硬化性歯科用印象材は、好ましくは、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて最高75重量パーセントの、いかなるポリシロキサン部分もない式(I)の重合性化合物を含んでよい。好ましくは、光硬化性歯科用印象材は、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて10〜50重量パーセントの、そのようないかなるポリシロキサン部分もない式(I)の重合性化合物を含んでよい。
式(I)の重合性化合物調製では、カップリング剤が使用されてよい。好適なカップリング剤の例は、2−エチルヘキサン酸ビスマス(K−KAT 348)などのビスマス化合物、ジオクタン酸ジブチルスズなどのスズ化合物、および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などの三級アミンである。
フィラー
本発明の光硬化性歯科用印象材は、フィラーを含む。フィラーは好ましくは、例えば、電子顕微鏡によって、またはMALVERN Mastersizer SもしくはMALVERN Mastersizer 3000装置によって具現化されるような従来のレーザー回折粒度測定方法を使用することによって測定される平均粒子径が、0.05〜75μmの範囲である微粒子フィラーである。微粒子フィラーは、異なる平均粒子径を有する2つ以上の微粒子画分を表す多峰性微粒子フィラーであってよい。微粒子反応性フィラーはまた、異なる化学組成の粒子の混合物であってもよい。
好ましくは、光硬化性歯科用印象材は、歯科用印象材の総重量に基づいて、10〜60重量パーセント、より好ましくは20〜50重量パーセントのフィラーを含む。
フィラーの具体的な種類は、特に限定されない。使用可能な硬化深さを達成するために、重合性樹脂混合物の1つに匹敵する屈折率を有するフィラーが好ましい。したがって、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、無機塩類、金属酸化物、およびガラスなどの、毒物学的に許容される、無機、特に疎水性フィラーが採用されてよい。
フィラーは、結晶形態、具体的には微粒子石英、非晶質二酸化ケイ素、具体的には珪藻土、およびシラン処理(silanated)ヒュームドシリカを含む二酸化ケイ素などの、異なるフィラーの混合物であってよい。
未硬化組成物の粘性および揺変性、ならびに硬化組成物の物性は、フィラーの大きさおよび表面積を変えることによって制御されてよい。
フィラーは、1つ以上のシラン処理剤で表面処理されてよい。好ましいシラン処理剤としては、少なくとも1つの重合性二重結合、および水で容易に加水分解する少なくとも1つの基を有するものが挙げられる。そのような薬剤の例としては、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメトキシモノクロロシラン、3−メタクリルオキシプロピルジクロロモノメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリルオキシプロピルジクロロモノメチルシラン、3−メタクリルオキシプロピルモノクロロジメチルシラン、およびそれらの混合物が挙げられる。
好ましいフィラーは、ヒュームドシリカ、石英、クリストバライト、ケイ酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸ジルコニウム、ベントナイトなどのモンモリロナイト、ケイ酸アルミニウムナトリウムなどのモレキュラーシーブを含むゼオライト、酸化アルミニウムまたは酸化亜鉛またはそれらの混合酸化物などの金属酸化物粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、プラスター、およびガラス粉末である。
好ましくは、光硬化性歯科用印象材は、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて5〜50重量パーセントの微粒子フィラーを含む。より好ましくは、フィラーは、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて10〜45重量パーセントの量で含有される。
光開始剤
本発明の光硬化性歯科用印象材は、光開始剤を含む。光開始剤は、化学光に曝露されるとフリーラジカルを生成する。フリーラジカルは典型的には、2つの経路のいずれかによって生成されてよい:
(1)光開始剤がエネルギー吸収によって励起し、それに続いて化合物が1つ以上のラジカルに分解する(Norrish I型)、または
(2)光開始剤が励起し、励起された光開始剤化合物が、エネルギー移動もしくは酸化還元反応のいずれかによって第2の化合物と相互作用して化合物のいずれかからフリーラジカルを形成する(Norrish II型)。
本発明によれば、本発明による重合性シリコーン化合物の混合物の重合を開始できる任意の化合物または系が使用されてよい。
例えば、好適な光開始剤系は、二成分または三成分系の形態であってよい。二成分系は、光開始剤および電子供与体化合物を含んでよく、三成分系は、例えばUS 5,545,676に記載されるように、ヨードニウム、スルホニウム、またはホスホニウム塩、光開始剤、および電子供与体化合物を含んでよい。
好適な光開始剤は、約400nm〜約520nm(好ましくは、約450nm〜約500nm)の範囲内のいくらかの光を吸収するモノケトンおよびジケトンである。特に好適な化合物としては、約400nm〜約520nm(さらにより好ましくは、約450nm〜約500nm)の範囲内のいくらかの光を吸収するアルファ−ジケトンが挙げられる。例としては、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオンおよび他の1−アリール−2−アルキル−1,2−エタンジオン、ならびに環状アルファ−ジケトンが挙げられる。
さらに、好適な光開始剤は、EP 3231413 A1およびEP 3153150 A1に開示されるような、以下の式(III)の化合物である:
Figure 2021524441
式(XIII)の化合物において、Mは、GeまたはSiである。
さらに、式(XIII)の化合物において、R、RおよびRは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、有機基を表す。好ましくは、RおよびRは、互いに独立して、置換または無置換ヒドロカルビルまたはヒドロカルビルカルボニル基を表し、Rは、置換または無置換ヒドロカルビル基を表す。ヒドロカルビル基は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリールアルキル基、またはアリール基であってよい。アルキル基は、線状C1〜20または分岐C3〜20アルキル基、典型的には、線状C1〜8または分岐C3〜8アルキル基であってよい。C1〜16アルキル基についての例としては、1〜6つの炭素原子、好ましくは1〜4つの炭素原子を有する線状または分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、およびn−ヘキシルを挙げることができる。シクロアルキル基は、C3〜20シクロアルキル基、典型的には、C3〜8シクロアルキル基であってよい。シクロアルキル基の例としては、3〜6つの炭素原子を有するもの、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを挙げることができる。シクロアルキルアルキル基は、4〜20の炭素原子を有してよく、1〜6つの炭素原子を有する線状または分岐アルキル基と3〜14の炭素原子を有するシクロアルキル基との組み合わせを含んでよい。シクロアルキルアルキル(−)基の例としては、例えば、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロプロピル、エチルシクロブチル、エチルシクロペンチル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロプロピル、プロピルシクロブチル、プロピルシクロペンチル、プロピルシクロヘキシルを挙げることができる。アリールアルキル基は、C7〜20アリールアルキル基、典型的には、1〜6つの炭素原子を有する線状または分岐アルキル基と6〜10の炭素原子を有するアリール基との組み合わせであってよい。アリールアルキル基の具体例は、ベンジル基またはフェニルエチル基である。アリール基としては、6〜10の炭素原子を有するアリール基を挙げることができる。アリール基の例は、フェニルおよびナフチルである。
およびRのヒドロカルビルカルボニル基は、アシル基(Rorg−(C=O)−)(式中、有機残基Rorgは、上記で定義されるようなヒドロカルビル残基である)を表す。
式(XIII)の化合物は、1つまたは2つのヒドロカルビルカルボニル基を含有してよく、すなわち、RおよびRのいずれか1つが、ヒドロカルビルカルボニル基であるか、またはRおよびRの両方が、ヒドロカルビルカルボニル基である。好ましくは、式(XIII)の化合物は、1つのヒドロカルビルカルボニル基を含有する。好ましくは、ヒドロカルビルカルボニル基は、アリールカルボニル基、より好ましくはベンゾイル基である。好ましくは、RおよびRは、独立して、線状C1〜6または分岐C3〜6アルキル基、ならびにハロゲン原子、ニトロ基、C1〜4アルコキシ基、および−NR基(式中、RおよびRは、互いに独立して、C1〜4アルキル基を表す)から選択される1〜3つの置換基で任意選択で置換されてよいフェニルまたはベンゾイル基からなる群から選択され、Rは、線状もしくは分岐C3〜6アルキル基またはフェニル基である。最も好ましくは、RおよびRは、独立して、線状C1〜4または分岐CもしくはCアルキル基、ならびにハロゲン原子、ニトロ基、C1〜4アルコキシ基、および−NR基(式中、RおよびRは、互いに独立して、C1〜4アルキル基を表す)から選択されるものからなる群から選択される1つの置換基で任意選択で置換されてよいフェニルまたはベンゾイル基の群から選択され、Rは、線状C1〜4または分岐CもしくはCアルキル基である。
さらに、式(XIII)の化合物において、R10は、水素原子、有機基、または有機金属基を表し、ただし、R10が水素原子である場合、開始剤系は、300〜600nmの範囲に光吸収極大を有する増感剤化合物をさらに含む。
第1の好ましい実施形態によれば、R10は、以下の式(XIV):
Figure 2021524441
の基を表し、式中、R11は、
(i)以下の式(XV):
Figure 2021524441
(式中、
M、R、RおよびRは、式(XIII)について上記で定義されたのと同じ意味を有し、それにより、式(XIII)の化合物は、対称もしくは非対称であってよい)
の基であるか、または
(ii)以下の式(XVI):
Figure 2021524441
(式中、
Xは、単結合、酸素原子、もしくは基NRX1(式中、RX1は、置換もしくは無置換ヒドロカルビル基を表す)を表し、
は、置換もしくは無置換ヒドロカルビル基、トリヒドロカルビルシリル基、モノ(ヒドロカルビルカルボニル)ジヒドロカルビルシリル基、もしくはジ(ヒドロカルビルカルボニル)モノヒドロカルビルシリル基を表す)
の基であるか、または
(iii)MがSiである場合、R11は、置換もしくは無置換ヒドロカルビル基であってよい。
トリヒドロカルビルシリル基、モノ(ヒドロカルビルカルボニル)ジヒドロカルビルシリル基、またはジ(ヒドロカルビルカルボニル)モノヒドロカルビルシリル基である式(XVI)のRについて、ヒドロカルビル基およびヒドロカルビルカルボニル基の各々は、R、RおよびRについて定義されたのと同じ意味を有し、独立してそこから選択される。
式(XVI)において、RX1は、Rについて定義されたのと同じ意味を有し、独立してそこから選択される。
第2の好ましい実施形態によれば、R10は、水素原子を表す。したがって、開始剤系は、増感剤化合物をさらに含む。増感剤化合物は、好ましくは、300〜500nmの範囲に光吸収極大を有するアルファ−ジケトン増感剤化合物である。アルファ−ジケトン増感剤は、可視光を吸収し、式(XIII)の水素供与化合物と光励起錯体を形成できる。アルファ−ジケトン光開始剤化合物は、カンファーキノン、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオン(ベンジル)、1,2−シクロヘキサンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオングリオキサール、ビアセチル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、3,3,7,7−テトラメチル−1,2−シクロヘプタンジオン、3,3,8,8−テトラメチル−1,2−シクロオクタンジオン、3,3,18,18−テトラメチル−1,2−シクロオクタデカンジオン、ジピバロイル、フリル、ヒドロキシベンジル、2,3−ブタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、および1−フェニル−1,2−プロパンジオンから選択されてよい。カンファーキノンは、最も好ましいアルファ−ジケトン光開始剤である。好ましい実施形態によれば、光硬化性歯科用印象材は、組成物の総重量に基づいて0.01〜5重量パーセントの量で、アルファ−ジケトン増感剤を含有する。
好ましくは、式(XIII)の化合物において、MはSiである。
例えば、R11が、式(XV)を有し、対称である式(XIII)の化合物は、以下の構造式を有してよい:
Figure 2021524441
例えば、R11が、式(XVI)(式中、Xは、結合、酸素原子、またはNRX1基であり、Rは、置換または無置換ヒドロカルビル基を表す)の基を表す式(XIII)の化合物は、以下の構造式を有してよい:
Figure 2021524441
例えば、Rが、式(XVI)(式中、Rは、トリヒドロカルビルシリル基を表す)の基を表す式(XIII)の化合物は、以下の構造式を有する:
Figure 2021524441
例えば、MがSiであり、R11が、置換または無置換ヒドロカルビル基を表す式(XIII)の化合物は、以下の構造式を有してよい:
Figure 2021524441
好ましくは、式(XIII)の化合物は、以下:
Figure 2021524441
からなる群から選択され、式中、M=Siである式(XIII)の化合物が、特に好ましい。
より好ましくは、式(XIII)の化合物は、以下:
Figure 2021524441
からなる群から選択され、式中、M=Siが、特に好ましい。
最も好ましくは、式(XIII)の化合物は、tert−ブチル(tert−ブチルジメチルシリル)グリオキシラート)(DKSi)である。
好適な光開始剤系は、約380nm〜約1200nmの機能波長範囲を典型的に有するホスフィンオキシドも含んでよい。約380nm〜約450nmの機能波長範囲を有するホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤の例としては、US 4,298,738、US 4,324,744、およびUS4,385,109、およびEP 0 173 567に記載されたものなどの、アシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシドが挙げられる。アシルホスフィンオキシドの具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ジベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、トリス(2,4−ジメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、トリス(2−メトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイル−ビス(2,6−ジメチルフェニル)ホスホナート、および2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。約380nm超〜約450nmの波長範囲で照射された場合にフリーラジカル開始が可能な市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI 403)、重量比25:75のビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(IRGACURE 1700)との混合物、重量比1:1のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 4265)との混合物、およびエチル2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィナート(LUCIRIN LR8893X)が挙げられる。典型的には、ホスフィンオキシド開始剤は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量パーセント〜5.0重量パーセントなどの触媒的有効量で、組成物中に存在する。
好適な電子供与体化合物としては、置換アミン、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチルおよび/またはジメチルアミノベンゾニトリルが挙げられる。
三級アミン還元剤が、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用されてよい。好適な芳香族三級アミン還元剤の例としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン 4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル、およびN,N−ジメチルアミノエチルメタクリラートが挙げられる。脂肪族三級アミンの例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリラート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリラート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリラート、トリエタノールアミンモノメタクリラート、トリエタノールアミンジメタクリラート、およびトリエタノールアミントリメタクリラートが挙げられる。
1つ以上のアミン還元剤が、組成物の総重量に基づいて0.01重量パーセント〜5.0重量パーセントの量で、組成物中に存在してよい。
さらなる好ましい実施形態によれば、光開始剤は、以下の式(XVII):
12−I−R13 (XVII)
のヨードニウム化合物をさらに含み、式中、
互いに独立したR12およびR13は、有機部分を表し、
は、アニオンである。
例えば、ジアリールヨードニウム塩は、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムテトラフルオロボラート、ジフェニルヨードニウム(DPI)テトラフルオロボラート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウム(Me2−DPI)テトラフルオロボラート、フェニル−4−メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロボラート、ジ(4−ヘプチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート、ジ(3−ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(ナフチル)ヨードニウムテトラフルオロボラート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート、DPIヘキサフルオロホスファート、Me2−DPIヘキサフルオロホスファート、DPIヘキサフルオロアルセナート、ジ(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート、フェニル−2−チエニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、3,5−ジメチルピラゾリル−4−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、DPIヘキサフルオロアンチモナート、2,2’−DPIテトラフルオロボラート、ジ(2,4−ジクロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(3−カルボキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(3−メトキシスルホニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(4−アセトアミドフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジ(2−ベンゾチエニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、およびDPIヘキサフルオロホスファートから選択されてよい。
特に好ましいヨードニウム化合物としては、ジフェニルヨードニウム(DPI)ヘキサフルオロホスファート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウム(Me2−DPI)ヘキサフルオロホスファート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスファート(Irgacure(登録商標)250、BASF SEから入手可能な市販品)、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムテトラフルオロボラート、4−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、4−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、および4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムボラートが挙げられる。
特に好ましい実施形態によれば、ヨードニウム化合物は、DPIヘキサフルオロホスファートおよび/または4−イソプロピル−4’ −メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートである。
さらなる好ましい実施形態によれば、光開始剤は、以下の式(XVIII):
141516 (XVIII)
のスルホニウム化合物をさらに含み、式中、
互いに独立したR14、R15、およびR16は、有機部分を表すか、またはR14、R15、およびR16のいずれか2つは、それらが結合される硫黄原子とともに環状構造を形成し、
は、アニオンである。
好ましいトリアリールスルホニウム塩は、以下:
Figure 2021524441
のS−(フェニル)チアントレニウムヘキサフルオロホスファートである。
さらなる好ましい実施形態によれば、光開始剤は、以下の式(XIX):
17181920 (XIX)
のホスホニウム化合物をさらに含み、式中、
互いに独立したR17、R18、R19、およびR20は、有機部分を表し、
は、アニオンである。
特に好ましいホスホニウム塩は、テトラアルキルホスホニウム塩、テトラキス−(ヒドロキシメチル)−ホスホニウム(THP)塩、またはテトラキス−(ヒドロキシメチル)−ホスホニウムヒドロキシド(THPOH)塩であり、テトラアルキルホスホニウム塩のアニオンは、ギ酸、酢酸、リン酸、硫酸、フッ化物、塩化物、臭化物、およびヨウ化物からなる群から選択される。
好ましい実施形態によれば、光硬化性歯科用印象材は、光硬化性歯科用印象材の総重量に基づいて、0.01〜5重量パーセント、あるいは0.1〜5重量パーセント、より好ましくは1〜4重量パーセントの光開始剤を含む。
任意選択の重合性(メタ)アクリラートまたは(メタ)アクリルアミド
本発明の光硬化性歯科用印象材は、組成物の総重量に基づいて最高20重量パーセントの、重合性(メタ)アクリラートまたは(メタ)アクリルアミドをさらに含んでよい。
(メタ)アクリラート化合物は、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルアクリラート、エチルメタクリラート、プロピルアクリラート、プロピルメタクリラート、イソプロピルアクリラート、イソプロピルメタクリラート、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート、テトラヒドロフルフリルアクリラート、テトラヒドロフルフリルメタクリラート、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(「bis−GMA」、CAS番号1565−94−2)、4,4,6,16(または4,6,6,16)−テトラメチル−10,15−ジオキソ−11,14−ジオキサ−2,9−ジアザヘプタデカ−16−エン酸2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペン−1−イル)オキシ]エチルエステル(CAS番号72869−86−4)_(UDMA)、1,3−グリセロールジメタクリラート(GDM)のようなグリセロールモノ−およびジ−アクリラート、グリセロールモノ−およびジメタクリラート、エチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、ポリエチレングリコールジアクリラート(エチレンオキシド繰り返し単位の数は2〜30で変動する)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(エチレンオキシド繰り返し単位の数は2〜30で変動し、特に、トリエチレングリコールジメタクリラート(「TEGDMA」))、ネオペンチルグリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコールジメタクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールのモノ−、ジ−、トリ−、およびテトラ−アクリラートおよびメタクリラート、1,3−ブタンジオールジアクリラート、1,3−ブタンジオールジメタクリラート、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,4−ブタンジオールジメタクリラート、1,6−ヘキサンジオールジアクリラート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサメチレンジカルバマート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルヘキサンエチレンジカルバマート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルジメチルベンゼンジカルバマート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバマート、ジ−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバマート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチル−ヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバマート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバマート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバマート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバマート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバマート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバマート、メチレン−ビス−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル4−シクロヘキシルカルバマート、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロパン、2,2’ビス(4−アクリルオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ−フェニル)]プロパン、2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ−フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−メタクリラート]プロパン、ならびに2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−アクリラート]プロパンから選択されてよい。
好ましい(メタ)アクリルアミドは、以下の化合物から選択されてよい。
Figure 2021524441
Figure 2021524441
Figure 2021524441
最も好ましいのは、ビス−(メタ)アクリルアミド;
構造式
Figure 2021524441
を有するN,N’−ジアリル−1,4−ビスアクリルアミド−(2E)−ブタ−2−エン(BAABE)、
および
構造式
Figure 2021524441
を有するN,N’−ジエチル−1,3−ビスアクリルアミド−プロパン(BADEP)
である。
さらなる成分
任意選択で、本発明の光硬化性歯科用印象材は、安定剤(複数可)、可塑剤、染料/顔料、および/または香味料/甘味料をさらに含んでよい。さらに、本発明の光硬化性歯科用印象材は、カチオン重合性モノマーをさらに含んでよい。
本明細書で使用される「安定剤」という用語は、光硬化性歯科用印象材に含有される重合性化合物が、保存中に自発的に重合するのを防止できる任意の化合物を意味する。しかしながら、安定剤は、適用中に光硬化性歯科用印象材の意図される重合硬化を妨害または防止しない。
例えば、安定剤は、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチル−ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、および2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールからなる群から選択される従来の安定剤であってよい。これらの従来の安定剤から、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールが好ましい。さらに、TEMPO、フェノチアジン、ガルビノキシルラジカルのような嫌気性安定剤が使用されてよい。
本発明による光硬化性歯科用印象材は、組成物の総重量に基づいて、0.001〜1重量パーセント、好ましくは0.005〜0.8重量パーセントの量で、安定剤を含有してよい。安定剤の量が上に示された0.001の下限未満である場合、安定剤の量は安定化効果を提供するには少なすぎるため、光硬化性歯科用印象材の保存安定性は不十分である恐れがある。しかしながら、安定剤の量が1重量パーセントの最大閾値超である場合、より多い安定剤の量は、適用中に光硬化性歯科用印象材の意図される重合硬化を妨害するか、または実質的に防止することさえあり得るため、光硬化性歯科用印象材の適用可能性に悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明による光硬化性歯科用印象材は、硬化時の印象材の柔らかさを改善し、硬化された印象と歯科用基材との間の親和性を低減し、歯科用基材からの印象のきれいな除去を強化するために、1つ以上の可塑剤を含有してよい。好適な可塑剤は、口腔環境中で無毒であり、例えば、鉱物油、植物油、水添植物油、シリコーン油、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジオクチルなどのフタル酸誘導体、脂肪アルコール、脂肪(メタ)アクリラート、グリセリン、グリセリド、ならびにポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリビニルアルコール、ポリエーテル変性ポリシロキサン、キサンタンガム、セルロースポリアルキレングリコール、および炭化水素ワックスなどの他の巨大分子を含んでよく、それらのハロゲン化誘導体ならびに/または水素付加誘導体を含む。
光硬化性歯科用印象材は、組成物の総重量に基づいて、0.1〜20wt.%の可塑剤、任意選択で1〜10wt.%の可塑剤を含んでよい。
染料および顔料は、光硬化性歯科用印象材を着色する一方で、例えば、紫外−可視分光法により測定される化学光の吸収および散乱がないか、または低いように選択される。好適な染料および顔料は、重合性樹脂マトリックスに可溶であるか、または例えば、電子顕微鏡により、もしくは従来のレーザー回折粒度測定方法を使用することにより測定される、0.05〜75μmの範囲の平均粒子径を有する。いくつかの実施形態では、生理的温度での加熱時に、化学光の波長範囲内で高吸光度色から低吸光度色に変化する、ロイコ染料を含む熱変色性顔料および熱変色性液晶が使用される。
光硬化性歯科用印象材は、組成物の総重量に基づいて、1重量ppm〜10重量%、任意選択で4重量ppm〜5重量%の染料および/または顔料を含んでよい。
特定の実施形態によれば、本発明による光硬化性歯科用印象材は、以下の式(XX)
Figure 2021524441
(式中、
K=カチオン重合性基、
21=有機部分、
o≧1)
による1つ以上のカチオン重合性基を有する化合物を含む、追加のカチオン重合性樹脂を含んでよい。
好ましくは、Kは、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、ビニルシロキサン基、エポキシド基、オキセタン基、およびフラン基を表す。
より好ましくは、Kは、ビニルエーテル基およびビニルエステル基を表し、最も好ましくは、Kは、ビニルエーテル基を表す。
好ましくは、R21は、O、S、Siから選択される1〜15のヘテロ原子を含有してよく、C1〜4アルキル基、C4〜10アリール基、C4〜9ヘテロアリール基、ハロゲン原子、C1〜4アルコキシ基、エステル基、チオエーテル基、シリル基、およびシロキサン基から選択される1〜15の置換基で置換されてよい、o価のC1〜30ヒドロカルビル基を表す。
ヒドロカルビル基は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリールアルキル基、またはアリール基であってよい。
アルキル基は、直鎖または分岐C1〜30アルキル基、典型的には、C1〜6アルキル基であってよい。C1〜6アルキル基についての例としては、1〜6つの炭素原子、好ましくは1〜4つの炭素原子を有する線状または分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、およびn−ヘキシルを挙げることができる。
シクロアルキル基は、C3〜20シクロアルキル基、典型的には、C3〜8シクロアルキル基であってよい。シクロアルキル基の例としては、3〜6つの炭素原子を有するもの、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを挙げることができる。
シクロアルキルアルキル基は、4〜20の炭素原子を有してよく、1〜6つの炭素原子を有する線状または分岐アルキル基と3〜14の炭素原子を有するシクロアルキル基との組み合わせを含んでよい。シクロアルキルアルキル基の例としては、例えば、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロプロピル、エチルシクロブチル、エチルシクロペンチル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロプロピル、プロピルシクロブチル、プロピルシクロペンチル、プロピルシクロヘキシルを挙げることができる。
アリールアルキル基は、C7〜20アリールアルキル基、典型的には、1〜6つの炭素原子を有する線状または分岐アルキル基と6〜10の炭素原子を有するアリール基との組み合わせであってよい。アリールアルキル基の具体例は、ベンジル基またはフェニルエチル基である。
アリール基としては、6〜10の炭素原子を有するアリール基を挙げることができる。アリール基の例は、フェニルおよびナフチルである。
21のヒドロカルビルカルボニル基は、アシル基(R22−(C=O)−)(式中、有機残基R22は、上記で定義されるようなヒドロカルビル残基である)を表す。
好ましくは、ヒドロカルビルカルボニル基は、アリールカルボニル基、より好ましくはベンゾイル基である。
好ましくは、R21は、直鎖または分岐C1〜6アルキル基、およびハロゲン原子、C1〜4アルコキシ基から選択される1〜3つの置換基で任意選択で置換されてよいフェニルまたはベンゾイル基からなる群から選択される。
好ましくは、oは1〜4であり、より好ましくは、oは2である。
より好ましくは、反応性希釈剤は、式(XXI)
Figure 2021524441

の化合物であり、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいR23およびR26は、独立して、水素原子、C1〜4アルキル基、ビニル基、ビニルシリル基、エポキシド基、オキセタン基、フラン基を表し、
同じであるかまたは異なっていてよいR24およびR25は、独立して、水素原子、C1〜4アルキル基、またはビニルエーテル基、ビニルエステル基、ビニルシロキサン基、エポキシド基、オキセタン基、フラン基を表し、
X’は、酸素、硫黄、または炭素原子を表し、
pは、1〜10の整数を表し、
ただし、少なくとも1つのカチオン重合性基が、式(XXI)の化合物中に存在する。
好ましい実施形態では、X’は酸素原子を表し、R24は水素原子またはメチル基を表し、R25は水素原子を表し、R23およびR26はビニル基を表し、より好ましくは、X’は酸素原子を表し、R24およびR25は水素原子を表し、R23およびR26はビニル基を表す。
特に好適な反応性希釈剤は、エチレングリコールビニルエーテルである。
本発明は、歯科印象の作製のための、本発明による光硬化性歯科用印象材の使用も提供する。
原料Silmer OH Di−10(ヒドロキシル末端シロキサン)中の酸残基は、ヒドロキシル末端シロキサンから誘導された重合性樹脂Bから配合される組成物の性能に著しい悪影響を及ぼすことが見出された。同じ製造業者および/または異なる製造業者からの既製の/純粋でないヒドロキシル末端シロキサンの一貫性のない品質のため、そのような既製の/純粋でない原料の一貫性のない品質の根本原因を特定する努力がなされた。活性不純物が同定されたら、良好な品質のヒドロキシル末端シロキサン、およびそのような処理されたヒドロキシル末端シロキサンから誘導された重合性樹脂Bから配合される組成物の性能を確保するために、それらの活性不純物を除去/洗浄するための有効なプロセスが開発された。
「既製の」および「純粋でない」は、同じ意味で使用される。
同定された活性不純物は、アルコール、アルデヒド、および酸を、追加の未同定化合物とともに含む。概して、0.25〜0.55mgKOH/gの高い酸価が、そのような既製のヒドロキシル末端シロキサン(SiltechからのSilmer OH Di−10、またはGelestからのDMS−C16)から見出され、これは低品質ヒドロキシル末端シロキサンと指定された。いくつかの既製の原料は、室温での通常のエージングのため、酸価の増加とともに低品質ヒドロキシル末端シロキサンに容易に変化し得ることも見出された。
良好な品質のヒドロキシル末端シロキサンを確保するために、固体酸吸収材料が、低品質ヒドロキシル末端シロキサンを処理するために使用された。
実施形態では、改善されたショア硬さおよび改善された引裂強さを有する光硬化性歯科用印象材が提供されてよい。印象材は、
(a)式(Xa)
HO−L(OH)
(Xa)
(式中、Lは、式(VIIIa)
Figure 2021524441
のポリシロキサン基であって、式中、
1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
は、5〜20の整数である)
の純粋でないジオール化合物を、固体酸吸収材料で処理して精製された式(Xa)の化合物を得るステップと、
(b)以下の:
(i)x等量の、精製された式(Xa)の化合物、および以下の式
HO−L4’’(OH)l’’
(Xa’)
(式中、
4’’は、(l’’+1)価のリンカー基であり、
’’は、1〜5の整数である)
の1つ以上のジ−またはポリオール化合物と、
(ii)y等量の、以下の式(XI):
OCN−LNCO
(XI)
(式中、Lは、式(VI)
Figure 2021524441
の二価のリンカー基であって、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいRa1およびRa2は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、以下の式[−X’’L’’]a3(式中、X’’はO、S、もしくはNRa4(式中、Ra4は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRa5 基(式中、同じであるかもしくは異なっていてよいRa5は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基、好ましくはメチル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Ra3は、重合性二重結合を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表す)
の1つ以上の化合物と、
(iii)z等量の、以下の式(XII):
Figure 2021524441
(式中、
は、水素原子、またはC1〜12アルキル基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
aは、1〜20の整数を表し、
0.05≦x/y≦0.66であり、
x、y、およびzは、成分(a)、(b)、および(c)のモル等量である)
の1つ以上の化合物、
を含む混合物を反応させて重合性ポリシロキサン樹脂混合物を形成するステップ、
を含むプロセスにより得られる重合性ポリシロキサン樹脂混合物を含む。
光硬化性歯科用印象材の一実施形態では、重合性ポリシロキサン樹脂組成物は、以下の式(I):
E−(L−Z)−L−E
(I)
の化合物を含み、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいEは、独立して、重合性炭素−炭素二重結合を含有する基、ポリシロキサン部分を含有する基、C2〜20アルコキシ基、C2〜20チオアルキル基、およびRNH基(式中、Rは、C2〜20アルキル基である)から選択される一価の基を表し、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、以下の式(II):
Figure 2021524441
の二価の基を表し、式中、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III):
−L−E
(III)
の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
2つ以上のLが存在する場合、同じであるかまたは異なっていてよいLは、独立して、最大4つの式(III)の置換基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)で置換されてよい二価のリンカー基を表し、
、X、Y、およびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、2つ以上のX、X、Y、またはYが存在する場合、X、X、Y、およびYは、同じであるかまたは異なっていてよく、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR’(式中、R’は、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
mは、0、または1〜40の整数を表し、
Zは、ポリシロキサン基および式(III)の基(式中、LはおよびEは、上記で定義されるとおりである)から選択される最大4つの置換基でさらに置換されてよい二価のリンカー基を表し、
は、単結合または式(II)の二価の基(式中、L、L、X、X、Y、Y、およびmは、独立して、Lについて定義されるとおりである)を表し、
nは、0、または1〜4の整数を表し、
ただし、
−式(I)の化合物は、重合性炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの一価の基Eを含有し、
−式(I)の化合物は、少なくとも1つのポリシロキサン基を含有し、
ただし、
nが0である場合、Lは、式(II)の二価の基である。
光硬化性歯科用印象材のある実施形態では、L、および/またはL、および/またはLは、独立して、以下の式(VIIIa)
Figure 2021524441
(式中、
1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
は、5〜20の整数である)
のポリシロキサン基を表す。
光硬化性歯科用印象材の一実施形態では、L4’’は、式(VII):
Figure 2021524441
の基であり、式中、
同じであるかまたは異なるRb1、Rb2、Rb3、およびRb4は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、以下の式[−X’’’L’’’]b5(式中、X’’’はO、S、もしくはNRb6(式中、Rb6は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRb7 基(式中、同じであるかもしくは異なるRb7は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Rb5は、重合性二重結合を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表し、
およびXは、同じであるかまたは異なり、2つ以上のXまたはXが存在する場合、XおよびXは、同じであるかまたは異なり、独立して、酸素原子、硫黄原子、および基NR(式中、Rは、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基であり、
eは、1〜10の整数であり、
fは、1〜100の整数であり、
gは、0または1である。
好ましい実施形態によれば、基−[L−X]−は、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
光硬化性歯科用印象材の実施形態では、Lは、以下の基から選択される:
Figure 2021524441
一態様では、重合性ポリシロキサン樹脂混合物を調製するためのプロセスが提供される。プロセスは、以下のステップ:
(a)式(Xa)
HO−L(OH)
(Xa)
(式中、Lは、式(VIIIa)
Figure 2021524441
のポリシロキサン基であって、式中、
1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
は、5〜20の整数である)
の純粋でないジオール化合物を、固体酸吸収材料で処理して精製された式(Xa)の化合物を得るステップと、
(b)以下の:
(i)x等量の、精製された式(Xa)の化合物、および以下の式
HO−L4’’(OH)l’’
(X)
(式中、
4’’は、(l’’+1)価のリンカー基であり、
’’は、1〜5の整数である)
の1つ以上のジ−またはポリオール化合物と、
(ii)y等量の、以下の式(XI):
OCN−LNCO
(XI)
(式中、Lは、式(VI)
Figure 2021524441
の二価のリンカー基であって、式中、
同じであるかまたは異なっていてよいRa1およびRa2は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、以下の式[−X’’L’’]a3(式中、X’’はO、S、もしくはNRa4(式中、Ra4は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRa5 基(式中、同じであるかもしくは異なっていてよいRa5は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基、好ましくはメチル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Ra3は、重合性二重結合を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表す)
の1つ以上の化合物と、
(iii)z等量の、以下の式(XII):
Figure 2021524441
(式中、
は、水素原子、またはC1〜12アルキル基を表し、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
aは、1〜20の整数を表し、
0.05≦x/y≦0.66であり、
x、y、およびzは、成分(a)、(b)、および(c)のモル等量である)
の1つ以上の化合物、
を含む混合物を反応させて重合性ポリシロキサン樹脂混合物を形成するステップ、
を含む。
固体酸吸収材料の例としては、活性塩基性酸化アルミナ(Al)、モレキュラーシーブ(MS)、Amberlyst A21などの弱塩基性イオン交換樹脂、またはそれらの組み合わせが挙げられてよい。活性塩基性酸化アルミナ(Al)およびモレキュラーシーブ(MS)が、0.234〜0.297mgKOH/gの酸価を有するsilmerモノマー(ロット#11801005およびロット#11804022)などの低品質ヒドロキシル末端シロキサンを処理するために使用された。全酸価が0.234〜0.297mgKOH/gから0.056mgKOH/gに著しく減少しただけでなく、pHも上昇した(表15、16、および17から明らかなように)。さらに重要なことに、重合性ウレタン−ポリエーテル−シロキサンコポリマーは、その配合された組成物それぞれにおいて、ショアA硬さおよび引裂強さなどの、機械的特性の著しい強化を提示できた(図5および6に示すように)。組成物は、15%wt/wtのフィラー混合物とともにペーストとして配合され、LED硬化パッドで硬化された。引裂強さは、旧試験方法を使用することにより試験された(詳細は、試験方法の説明を参照)。
固体酸吸収材料は、既製の/純粋でないヒドロキシル末端シロキサンの総重量に基づいて1〜10%wt/wt、あるいは、既製のヒドロキシル末端シロキサンの総重量に基づいて1〜5%の量で加えられた。5〜10%wt/wtのそのような塩基性Alがうまく機能することが見出された。そのような処理中の全水分を低減するために、モレキュラーシーブは任意選択である。弱塩基性イオン交換樹脂、Amberlyst A21も、低品質ヒドロキシル末端シロキサンから酸性不純物を除去して良好な機械的特性を回復させるためにうまく機能することが実証された。そのような有効性は、より高いpH(>4.0)を達成する減少された低い酸価(<0.06mgKOH/g)、アリルアルコールの完全な除去、発熱温度上昇を伴うウレタン反応の回復された高い反応性、そのような前処理されたSilmerモノマーから誘導された樹脂Bから配合されたTRONペーストでの良好な機械的特性の一貫した結果により、明らかである。
次に、本発明を以下の実施例に基づいてさらに説明する。
実施例
シロキサン変性起源樹脂(図1)およびPEGMA変性起源樹脂への典型的な組成およびプロセス:
調製例1
シロキサン変性起源樹脂(図1):
以下の原料を使用した。
Figure 2021524441
乾燥空気を1000mL樹脂反応窯を通してパージし、ジャケット温度を50℃に設定した。トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)(121.7g、0.58mol)を反応窯に加え、続いてVoranol−220−028(466.8g、0.12mol)、次いでSilmerモノマー(284.0g、0.29mol)、および0.31gのウレタン触媒(K−Kat(登録商標)348、King Industriesからのカルボン酸ビスマス)を反応系に加えた。反応をさらに2〜3時間維持した。次いで、試料を、FTIRおよびNMRによる分析のために採取して、次のステップに進む前に、すべてのヒドロキシル基が反応したことを確認した。PEGMA(116.6g、0.32mol)を、30分間、反応系にゆっくりと加えた。反応を50℃でさらに2時間維持した。次いで、1−ドデカノール(118.2g、0.10mol)を系にゆっくりと加えた。反応を50℃で一晩維持し、次いで、取り出す前に、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)(0.4g)を系に加えた。FTIRおよびNMR用の試料採取を行った。樹脂を45℃に置いて、すべての捕捉された気泡を追い出した。MA含有量0.32mmol/g、およびシロキサン含有量28.2%wt/wtとともに、25℃で粘度11Pa・sを得た。
実施例2〜14
調製例1に記載された同様の方法で、さらなるシロキサン変性ポリエーテル−ウレタンジメタクリラートマクロモノマーを調製した。
調製例1〜14のマクロモノマーの組成および特性は、以下の表1および2に示すとおりである。
Figure 2021524441

Figure 2021524441
実施例15(参考)
追加の重合性マクロモノマーとしてのPEGMA変性起源樹脂(図2):
以下の原料を使用した。
Figure 2021524441
乾燥空気を1000mL樹脂反応窯を通してパージし、ジャケット温度を50℃に設定した。トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)(105.35g、0.50mol)を反応窯に加え、続いてVoranol 220−056(400.4g、0.20mol、Voranol 220−028(400.6g、0.10mol)、および0.304gのウレタン触媒(K−Kat(登録商標)348、King Industriesからのカルボン酸ビスマス)を反応系に加えた。反応をさらに2〜3時間維持した。次いで、試料を、FTIRおよびNMRによる分析のために採取して、次のステップに進む前に、すべてのヒドロキシル基が反応したことを確認した。PEGMA(161.9g、0.45mol)を、60分間、反応系にゆっくりと加えた。反応を50℃で一晩維持し、次いで、取り出す前に、0.4gのBHTを系に加えた。FTIRおよびNMR用の試料採取を行った。樹脂を45℃に置いて、すべての捕捉された気泡を追い出した。MA含有量0.42mmol/gとともに、25℃で粘度24Pa・sという結果を得た。
参考例16〜39
参考例15に記載された同様の方法で、さらなるPEGMA変性ポリエーテル−ウレタンジメタクリラートマクロモノマーを調製した。
参考例15〜39のマクロモノマーの組成および特性は、以下の表3および4に示すとおりである。
Figure 2021524441
Figure 2021524441

Figure 2021524441
実施例40〜50
シロキサン変性マクロモノマーの外観に対するカルビノールの分子量の影響を検討した。結果を表5にまとめる。
Figure 2021524441
実施例51〜53(参考)
Carpolトリオールから誘導されるトリメタクリル化ポリエーテルの形態のさらなる追加の重合性マクロモノマーを、図3に示すスキームに従って高分子量架橋剤として調製した。追加の重合性マクロモノマーの組成および特性を、表6にまとめる。
Figure 2021524441
参考例54〜85(図2、4)
TMDIをVoranolに加えるプロセス(T2V)を介する、T−9を用いた標準起源樹脂:
乾燥空気を1000mL樹脂反応窯を通してパージし、ジャケット温度を50℃に設定した。Voranol−220−056(545.01g、0.2726mol)およびウレタン触媒(T−9)(0.12g)を反応窯に加えた。その後、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)(114.22g、0.5431mol)を添加漏斗(additional funnel)に入れ、2時間かけて反応系にゆっくりと加え始めた。次いで、試料を、FTIRおよびNMRによる分析のために採取した。HEMA(28.6g)を、30分で反応系に加え、次いで、34.47gの1,4−ブタンジオール(BDO)も、30分で系に入れた。反応を50℃で1時間維持し、TIMプレブレンド(ICEM)(65.01g)を30分で加え、反応を50℃で一晩さらに維持し、最後に、さらに13.7gのHEMAを系に加えた。反応を、一晩50℃で混合し続けた。取り出す前に、BHT(0.4g)を系に加えた。FTIRおよびNMR用の試料採取を行った。樹脂を45℃に置いて、すべての捕捉された気泡を追い出した。25℃で粘度55Pa・sという結果を得た。
TMDIをVoranolに加えるプロセス(T2V)を介する、K−KATを用いた標準起源樹脂:
乾燥空気を1000mL樹脂反応窯を通してパージし、ジャケット温度を50℃に設定した。Voranol−220−056(546.27g、0.2732mol)および0.14gのウレタン触媒(K−Kat(登録商標)348、King Industriesからのカルボン酸ビスマス)を反応窯に加えた。次いで、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)(114.65g、0.5452mol)を添加漏斗に入れ、2時間かけて反応系にゆっくりと加え始めた。次いで、試料を、FTIRおよびNMRによる分析のために採取した。HEMA(26.6g)を、30分で反応系に加え、次いで、34.47gの1,4−ブタンジオール(BDO)も、30分で系に入れた。反応を50℃で1時間維持した。TIMプレブレンド(ICEM)(64.86g)を30分で加え、反応を50℃で一晩さらに維持し、最後に、さらに13.06gのHEMAを系に加えた。反応を、一晩50℃で混合し続けた。取り出す前に、0.4gのBHTを系に加えた。FTIRおよびNMR用の試料採取を行った。樹脂を45℃に置いて、すべての捕捉された気泡を追い出した。25℃で粘度120Pa・sという結果を得た。
VoranolをTMDIに加えるプロセス(V2T)を介する、K−KATを用いた変性起源樹脂:
乾燥空気を1000mL樹脂反応窯を通してパージし、ジャケット温度を50℃に設定した。トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)(154.73g(0.7358mol)、および0.15gのウレタン触媒(K−Kat(登録商標)348、King Industriesからのカルボン酸ビスマス)を反応窯に加えた。その後、Voranol−220−056(545.77g、0.273mol)を添加漏斗に入れ、2時間かけて反応系にゆっくりと加え始めた。次いで、試料を、FTIRおよびNMRによる分析のために採取した。HEMA(39.04g、0.300mol)を、30分で反応系に加え、次いで、31.5 (0.35mol)の1,4−ブタンジオール(BDO)も、30分で系に入れた。反応を、一晩50℃で混合し続け、次いで、取り出す前に、0.4gのBHTを系に加えた。FTIRおよびNMR用の試料採取を行った。樹脂を45℃に置いて、すべての捕捉された気泡を追い出した。25℃で粘度90Pa・sという結果を得た。
オールインワンプロセス(オールインワン)を介する、K−KATを用いた変性起源樹脂:
乾燥空気を1000mL樹脂反応窯を通してパージし、ジャケット温度を50℃に設定した。トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)(154.73g(0.7358mol)、Voranol−220−056(545.95g、0.273mol)、HEMA(64.71g、0.497mol)、1,4−ブタンジオール(BDO)(34.77、0.3858mol)、および0.27gのウレタン触媒(K−Kat(登録商標)348、King Industriesからのカルボン酸ビスマス)を反応窯に加えた。反応を、一晩50℃で混合し続け、次いで、取り出す前に、0.4gのBHTを系に加えた。FTIRおよびNMR用の試料採取を行った。樹脂を45℃に置いて、すべての捕捉された気泡を追い出した。25℃で粘度15Pa・sという結果を得た。
付加重合性マクロモノマーの組成および特性を、表7〜10にまとめる。
Figure 2021524441

Figure 2021524441


Figure 2021524441

Figure 2021524441
実施例86
ある量(10〜30%wt/wt)の樹脂Bを樹脂Aに添加することにより、ライトボディおよびヘビーボディの両方の印象材用に配合されたそのようなペーストから、機械的特性(ショアA硬さおよび引裂強さ)を有効に改善できることを、予期せず発見した(表14A参照)。混合物中の樹脂Bの添加量のさらなる増加は、いかなるそのような性能強化も提示できなかった。
いかなるポリシロキサン基も有しない式(I)の化合物を含む樹脂Aと本発明による式(I)の化合物を含む樹脂Bとの90/10または80/20のコンボ樹脂も、ヒドロキシル末端シロキサンモノマーに関与する反応速度をさらに低減する組成手法の一部として、樹脂Aおよび樹脂Bのすべての成分を供給組成(表11参照)で混合することにより調製した。実際に、樹脂Aおよび樹脂Bの90/10または80/20組成物のそのような直接合成において、樹脂B単独での12℃と比較して、80/20コンボ樹脂(ZZ2−4)で5℃、および90/10コンボ樹脂(ZZ1−208)で9℃の、中程度の温度上昇を見出した。
さらに、そのようなコンボ樹脂を配合し(表12参照)、ペーストを作り(表13)、以下の試験方法に従って評価した(表14B)。
試験方法の説明
1.硬化深さおよびショアA硬さ
印象材を、高さ20mmmおよび内径12mmの円筒形の型に押し出し、強度60±5mW/cm2およびピーク波長460±10nmの青色LED光源を使用して、片側から30秒間硬化させる。硬化深さを、未硬化部分を除去した後の硬化試料の高さを測定することにより決定する。ショアA硬さを、硬化深さ10mmの硬化試料の断面で、デュロメータにより測定する。
2.圧縮永久ひずみ(回復)の旧方法
印象材を、高さ10mmmおよび内径8mmの円筒形の型に押し出し、強度1000±100mW/cm2およびピーク波長460±10nmの青色LED光源を使用して、片側から20秒間硬化させる。光硬化が完了した時間から数えて0’55”で、硬化試料の高さを測定する(Aとして記録される)。1’00”で、硬化試料を、5秒間、30%(高さ7mmまで)圧縮し、次いで、無荷重下で回復させる。3’00”で、試料の高さを再び測定する(Bとして記録される)。回復を、(1−(A−B)/10)×100%として計算する。
3.圧縮永久ひずみ(回復)の新方法
印象材を、高さ20mmmおよび内径12.5mmの円筒形の型に押し出し、強度60±5mW/cm2およびピーク波長460±10nmの青色LED光源を使用して、両側から90秒間(各側45秒)硬化させる。光硬化が完了した時間から数えて0’55”で、硬化試料の高さを測定する(Aとして記録される)。1’00”で、硬化試料を、1秒以内で30%(高さ14mmまで)圧縮し、変形力を5秒間にわたってゆっくりと解放し、その後、硬化試料を無荷重下で回復させる。3’00”で、試料の高さを再び測定する(Bとして記録される)。回復を、(1−(A−B)/20)×100%として計算する。
4.引裂強さの旧方法
印象材を、ドッグボーン形の型に押し出す。材料を、Triad 2000(Dentsply Sirona)などのハロゲン光オーブン中で30秒間、または強度60±5mW/cm2およびピーク波長460±10nmの青色LED光源を使用して45秒間のいずれかで硬化させる。硬化完了後の2時間以内に、試料を、クロスヘッド速度100mm/minでの引張伸びに供する。引裂強さを、試料の破断時の引張応力として決定する。
5.引裂強さの新方法
ATSM D624−「従来の加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーの引裂強さの標準試験法」のダイCに準拠した型に押し出す。材料を、強度60±5mW/cm2およびピーク波長460±10nmの青色LED光源を使用して、45秒間硬化させる。硬化完了後の2時間以内に、試料を、クロスヘッド速度500mm/minでの引張伸びに供する。引裂強さを、破断時の力とノッチでの試料の厚さとの間の比として決定する。
対応する活性樹脂(AL02−170−2)およびKR2−11の組成、ならびにそれらの配合されたペーストの組成(それぞれAL02−171およびAL02−172)を以下に示す。90/10コンボ樹脂(ZZ2−208)からのペーストは、優れた引裂強さを提示できたが、同じ組成で物理的にブレンドされた樹脂Aおよび樹脂Bに基づくペーストと比較して、ショアA硬さは低下した(表14BのAL02−171対AL02−132)。
Figure 2021524441

Figure 2021524441

Figure 2021524441

Figure 2021524441
注:上の表に列挙されたペーストは、25.3%wt/wtのフィラー混合物とともに配合され、試料は、LED硬化パッドで硬化された。引裂強さは、新試験方法を使用することによって試験された(詳細は、試験方法の説明を参照)。

Figure 2021524441
注:上の表に列挙されたペーストは、15%wt/wtのフィラー混合物とともに配合され、試料は、TRIADハロゲン光で硬化された。引裂強さは、旧試験方法を使用することによって試験された(詳細は、試験方法の説明を参照)。
実施例:87
機械式撹拌機を備えた2000mLフラスコに1625gのヒドロキシル末端シロキサン、Silmer OH Di−10(全酸価0.297mgKOH/g)を加え、続いて168gの活性塩基性酸化アルミナ(〜60メッシュ)を加えた。内容物を室温で4〜8時間混合し、次いで、任意の固体粒子を除去するさらなる減圧濾過のために上澄み液をデカンテーションする前に、一晩沈殿させた。すべての清澄液1476gを回収した(収率91%)。試料を、全酸価および全含水量分析について分析した。全酸価0.056mgKOH/g、および含水量1006ppmという結果を得た。
同様の処理を受けた試料について追加のGC/MSを行い、それはアリルアルコールを検出できなかったことを明らかにした(前処理前後の詳細な組成物については表15を参照)。
表15に示すように、Silmer/ロット11804022またはDMS/ロット3A−2388/エージングのモレキュラーシーブのみでの処理が、全含水量を低減できたが、それらの酸性不純物を除去できず、そのようなモレキュラーシーブ処理されたSilmerモノマーで得られる樹脂から配合された組成物の良好な機械的性能を達成できなかった。したがって、酸性不純物の除去が、架橋ネットワークを構築する適切なフリーラジカル重合を確実にするために重要である。活性塩基性酸化アルミナが、この目的を達成するために有効であることが見出された。弱塩基性の他の固体材料も、酸性不純物の除去において同様に機能するはずである。表15に示すように、弱塩基性基を有する微多孔質イオン交換樹脂(Amberlyst A21)を使用してこれを確認した。Amberlyst A21を用いて、Silmer処理での塩基性酸化アルミナの使用と比較して容易な濾過プロセスを達成した。
Figure 2021524441
Figure 2021524441

Figure 2021524441

Figure 2021524441
本開示について1つ以上の実施形態を参照しながら説明してきたが、様々な変形を行うことができ、かつ本開示の範囲から逸脱することなくそれらの要素を均等物で置き換えることができることが当業者によって理解されるであろう。また、特定の状況または材料をその必須の範囲から逸脱することなく本開示の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本開示は本開示を実施するために企図されている最良の形態として開示されている特定の実施形態に限定されず、本開示は添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むことが意図されている。また、詳細な説明において特定されているすべての数値は正確な値および近似値の両方が明示的に特定されているかのように解釈されるものとする。

Claims (6)

  1. 改善されたショア硬さおよび改善された引裂強さを有する光硬化性歯科用印象材であって、前記印象材は、
    A.以下の:
    (a)式(Xa)
    HO−L(OH)
    (Xa)
    (式中、Lは、式(VIIIa)
    Figure 2021524441
    のポリシロキサン基であって、式中、
    1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
    2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
    は、5〜20の整数である)
    の純粋でないジオール化合物を固体酸吸収材料で処理して精製された式(Xa)の化合物を得るステップと、
    (b)以下の:
    (i)x等量の精製された式(Xa)の化合物および以下の式
    HO−L4’’(OH)l’’
    (Xa’)
    (式中、
    4’’は、(l’’+1)価のリンカー基であり、
    ’’は、1〜5の整数である)
    の1つ以上のジ−またはポリオール化合物と、
    (ii)y等量の以下の式(XI):
    OCN−LNCO
    (XI)
    (式中、Lは、式(VI)
    Figure 2021524441
    の二価のリンカー基であって、式中、
    同じであるかまたは異なっていてよいRa1およびRa2は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、以下の式[−X’’L’’]a3(式中、X’’はO、S、もしくはNRa4(式中、Ra4は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRa5 基(式中、同じであるかもしくは異なっていてよいRa5は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基、好ましくはメチル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Ra3は、重合性二重結合を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表す)
    の1つ以上の化合物と、
    (iii)z等量の以下の式(XII):
    Figure 2021524441
    (式中、
    は、水素原子またはC1〜12アルキル基を表し、
    は、酸素原子、硫黄原子または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
    は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
    は、酸素原子、硫黄原子または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
    aは、1〜20の整数を表し、
    0.05≦x/y≦0.66であり、
    x、yおよびzは、成分(a)、(b)および(c)のモル等量である)
    の1つ以上の化合物、
    を含む混合物を反応させて重合性ポリシロキサン樹脂混合物を形成するステップ、
    を含むプロセスにより得られる重合性ポリシロキサン樹脂混合物と、
    B.微粒子フィラーと、
    C.光開始剤
    を含む、光硬化性歯科用印象材。
  2. 4’’が、式(VII):
    Figure 2021524441
    の基であり、式中、
    同じであるかまたは異なるRb1、Rb2、Rb3およびRb4は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、以下の式[−X’’’L’’’]b5(式中、X’’’はO、S、もしくはNRb6(式中、Rb6は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRb7 基(式中、同じであるかもしくは異なるRb7は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基もしくはC1〜4アルキル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Rb5は、重合性二重結合を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表し、
    およびXは、同じであるかまたは異なり、かつ2つ以上のXまたはXが存在する場合、XおよびXは、同じであるかまたは異なり、独立して、酸素原子、硫黄原子および基NR(式中、Rは、水素原子もしくはC1〜4アルキル基である)を表し、
    は、二価の炭化水素リンカー基であり、
    eは、1〜10の整数であり、
    fは、1〜100の整数であり、
    gは、0または1である、
    請求項1に記載の光硬化性歯科用印象材。
  3. 前記固体酸吸収材料が、前記式Xaの純粋でないジオール化合物の総重量に基づいて1〜10%wt/wtの量で加えられる、請求項1に記載の光硬化性歯科用印象材。
  4. 前記固体酸吸収材料が、前記式Xaの純粋でないジオール化合物の活性不純物を除去するために加えられる、請求項1に記載の光硬化性歯科用印象材。
  5. 前記式Xaの純粋でないジオール化合物の前記活性不純物が、アリルアルコール、アルデヒド、酸またはそれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の光硬化性歯科用印象材。
  6. (a)式(Xa)
    HO−L(OH)
    (Xa)
    (式中、Lは、式(VIIIa)
    Figure 2021524441
    のポリシロキサン基であって、式中、
    1#は、1〜8つの炭素原子を有するアルキレンであり、
    2#は、1〜4つの炭素原子を有するアルキルであり、
    は、5〜20の整数である)
    の純粋でないジオール化合物を固体酸吸収材料で処理して精製された式(Xa)の化合物を得るステップと、
    (b)以下の:
    (i)x等量の精製された式(Xa)の化合物および以下の式
    HO−L4’’(OH)l’’
    (X)
    (式中、
    4’’は、(l’’+1)価のリンカー基であり、
    ’’は、1〜5の整数である)
    の1つ以上のジ−またはポリオール化合物と、
    (ii)y等量の以下の式(XI):
    OCN−LNCO
    (XI)
    (式中、Lは、式(VI)
    Figure 2021524441
    の二価のリンカー基であって、式中、
    同じであるかまたは異なっていてよいRa1およびRa2は、独立して、水素原子、C1〜6線状または分岐アルキル基、C4〜10アリール基、重合性二重結合含有有機残基、以下の式[−X’’L’’]a3(式中、X’’はO、S、もしくはNRa4(式中、Ra4は、水素原子、重合性二重結合を含有する有機残基、線状もしくは分岐C1〜6アルキル基、もしくはC4〜10アリール基を表す)を表し、L’’は、C1〜6線状もしくは分岐アルキル基、C4〜10アリール基、もしくはSiRa5 基(式中、同じであるかもしくは異なっていてよいRa5は、独立して、重合性二重結合を含有する有機残基、もしくはC1〜4アルキル基、好ましくはメチル基を表す)を表し、mは、1〜20の整数であり、Ra3は、重合性二重結合を含有する有機残基、C1〜4アルキル基、もしくはC4〜10アリール基である)の基を表す)
    の1つ以上の化合物と、
    (iii)z等量の以下の式(XII):
    Figure 2021524441
    (式中、
    は、水素原子またはC1〜12アルキル基を表し、
    は、酸素原子、硫黄原子または基NR(式中、Rは、水素原子、C1〜12アルキル基、もしくはアリル基である)を表し、
    は、二価の炭化水素リンカー基、好ましくはC2〜20アルキレン基であり、
    は、酸素原子、硫黄原子または基NR(式中、Rは、水素原子、もしくはC1〜12アルキル基である)を表し、
    aは、1〜20の整数を表し、
    0.05≦x/y≦0.66であり、
    x、yおよびzは、成分(a)、(b)および(c)のモル等量である)
    の1つ以上の化合物、
    を含む混合物を反応させて重合性ポリシロキサン樹脂混合物を形成するステップ、
    を含むプロセスにより得られる重合性ポリシロキサン樹脂混合物。
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