JP2021523523A - 構造が改善された検出器 - Google Patents

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Abstract

本発明は概して科学分析装置の構成要素に関する。より具体的には、本発明は、電子倍増管及び改良された構造により耐用年数を延ばすか又は性能を改善するための電子増倍管への変更に関するが、これらに限定されない。本発明は、11つ以上の電子放射面を含む検出器の形態で実施され得る。検出器は、一方側で検出器の内部の環境を定義し、他方側で検出器の外部の環境を定義するように構成された1つ以上の検出器構成要素を含み、1つ以上の検出器構成要素は、検出器の外部の環境から検出器の内部の環境にガスの流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている。そのような検出器は質量分析装置で用いられ得る。

Description

本発明は、一般に、科学分析装置の構成要素に関する。より具体的には、本発明は電子増倍管と、改善された構成により動作寿命を延ばすか又は性能を改善するための電子増倍管への変更に関する。
質量分析計では、検体はイオン化されて一連の荷電粒子(イオン)を形成する。そして、得られたイオンは、一般に加速と、電場又は磁場への曝露とによってそれらの質量電荷比に従って分離される。分離された信号イオンは、イオン検出器表面に衝突して1つ以上の二次電子を生成する。結果は、質量電荷比の関数である検出されたイオンの相対的存在量のスペクトルとして表示される。
他の用途では、検出される粒子はイオンでなくてもよく、中性原子、中性分子又は電子であり得る。いずれにせよ、粒子が衝突する検出器表面が依然として設けられている。
検出器の衝突面への入力粒子の衝突から生じる二次電子は、電子増倍管によって通常増幅される。電子増倍管は、一般に二次電子放出によって動作し、それにより倍増管の衝突面への1つ又は複数の粒子の衝突により、衝突面の原子に関連する1つ又は(好ましくは)複数の電子が放出される。
電子増倍管の一種として、ディスクリートダイノード電子増倍管が知られている。このような倍増管はダイノードと呼ばれる一連の表面を含み、各ダイノードはより正の電圧に設定される。各ダイノードは、先のダイノードから放出された二次電子からの衝突により1つ以上の電子を放出することができ、それにより入力信号を増幅する。
別の種類の電子増倍管は、1つの連続するダイノードを用いて動作する。これらのバージョンでは、連続するダイノード自体の抵抗材料は、放射面の長さに沿って電圧を分配するための分圧器として使用される。
連続ダイノード型倍増管の単純な例としてはチャンネル型エレクトロンマルチプライヤー(CEM)が挙げられる。この種類の倍増管は、表面が処理された抵抗物質の単一のチューブで構成される。チューブはイオンフィードバックを軽減するためにその長軸に沿って通常湾曲している。当該技術分野において、「弾丸検出器」という用語が時折用いられる。
CEMは、しばしばマルチチャネルCEMと呼ばれる構成を形成ために組み合わせられた複数のチューブを有し得る。チューブは、上述の単一のチューブの場合のように単純に湾曲するのでなく、しばしば互いにねじられている。
さらに別の種類の電子増倍管は、クロスフィールド検出器及び連続ダイノード検出器の両方であるmagneTOF検出器である。
追加のタイプの電子増倍管はクロスフィールド検出器である。イオン及び電子の動きに垂直な電場及び磁場の組み合わせを用いて、荷電粒子の動きを制御する。この種類の検出器は、ディスクリート又は連続ダイノード検出器として通常実施される。
検出器は、単一の粒子(電子、イオン及び中性子)の検出に使用される平面の構成要素であるマイクロチャネルプレート検出器を含み得る。検出器は電子増倍管と密接に関係している。何故なら、双方は二次電子放出を介した電子の増倍により単一粒子を増倍するからである。しかしながら、マイクロチャネルプレート検出器は多くの別々のチャネルを有するため、空間分解能をさらに提供することができる。
電子放出ベース検出器の性能が経時的に劣化することは、当該技術分野における問題である。二次電子放出が経時的に減少して、電子増倍管の利得が減少すると考えられる。このプロセスを補償するために、必要な倍増管の利得を維持するために倍増管に印加される動作電圧を定期的に上げなければならない。しかしながら、最終的には倍増管の交換が必要となる。検出器の利得は、急激及び慢性的の両方で負の影響を受け得る。
従来の当業者は、ダイノードの表面領域を増加させることによってダイノードの経年劣化の問題に取り組んできた。表面領域の増加は、電子増倍プロセスの仕事量をより広い領域にわたって分散させるように作用し、老化プロセスを効果的に遅延させ、動作寿命及び利得安定性を改善する。このアプローチは、寿命をわずかに延ばすだけであり、もちろん、質量分析装置による検出器ユニットのサイズの制約によって制限される。
当技術分野におけるさらなる問題は内部のイオンフィードバックの問題であり、これはとりわけマイクロチャネルプレート検出器の場合に問題となる。検出器の増幅手段を通じて電子の数が指数関数的に増加するにつれて、吸着された原子がイオン化され得る。そして、これらのイオンは検出器バイアスによって検出器入力の方に加速される。具体的な対策が取られない限り、これらのイオンは、チャネル壁と衝突するときに電子を放出するのに十分なエネルギーを有し得る。この衝突により、第2の電子の指数関数的な増加が始まる。これらの「誤った」アフターパルスは、イオン測定を妨げるだけでなく、永久放電と、経時的な検出器の実質的な破壊とをもたらし得る。
本発明の一態様は、耐用年数が延びた及び/又は性能が改善された検出器を提供することにより、従来技術の問題を克服するか又は改善する。さらなる態様は、先行技術に対する有用な代替物を提供する。
文献、行為、材料、装置、物品等の議論は、本発明のための文脈を提供することのみを目的として本明細書に含まれる。これらの事項のいずれか又は全てが先行技術基準の一部を形成するか又は本願の各クレームの優先日前に存在していた本発明に関連する分野における技術常識であったことを示唆又は表現するものではない。
必ずしも最も広い態様ではないが、第1の態様では、本発明は、1つ以上の電子放射面を含む検出器であって、当該検出器は、一方側が当該検出器の内部の環境を定義し、他方側が当該検出器の外部の環境を定義するように構成された1つ以上の検出器構成要素(detector elements)を含み、該1つ以上の検出器構成要素は、当該検出器の外部の環境から当該検出器の内部の環境にガスの流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている、検出器を提供する。
第1の態様の一実施形態では、前記流れは非従来型(non-conventional)の流れである。
第1の態様の一実施形態では、検出器は1つ以上の電子放射面を含み、検出器は(i)接触面(interface)を形成するように関連付けられた第1の検出器構成要素及び第2の検出器構成要素又は(ii)不連続部を有する単一の検出器構成要素を含み、関連付けられた前記第1の検出器構成要素及び前記第2の検出器構成要素又は不連続部を有する前記単一の検出器構成要素は、一方側で前記検出器の内部の環境を定義し、他方側で前記検出器の外部の環境を定義し、前記接触面又は不連続部は、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、非従来型の流れは分子流又は遷移従来/分子流である。
第1の態様の一実施形態では、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止するために、前記接触面又は不連続部内に又は周囲にシーラントが配置される。
第1の態様の一実施形態では、シーラントは検出器構成要素と実質的に気密の封止を形成することができる。
第1の態様の一実施形態では、シーラントは接着剤でもある。
第1の態様の一実施形態では、前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素は、前記検出器の外部の環境と前記検出器の内部の環境との間にある非線形の又は曲がりくねった経路(non-linear or tortuous path)が前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との接触面に設けられるように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、前記第1の検出器構成要素及び前記第2の検出器構成要素は、前記検出器の外部の環境と前記検出器の内部の環境との間にある非線形の又は曲がりくねった経路が前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との接触面に設けられるように互いに対して配置又は角度付けされている。
第1の態様の一実施形態では、前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素は、前記検出器の外部の環境と前記検出器の内部の環境との間にある非線形の又は曲がりくねった経路が前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素の接触面に設けられるような形状を有する。
第1の態様の一実施形態では、前記非線形の又は曲がりくねった経路は顕微鏡観察レベルである。
第1の態様の一実施形態では、前記非線形の又は曲がりくねった経路は2つの線形のサブパスを含み、該2つの線形のサブパスの交点に角度が形成される。
第1の態様の一実施形態では、形成される前記角度は約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80又は85°よりも大きい。
第1の態様の一実施形態では、形成される前記角度は約45°よりも大きい。
第1の態様の一実施形態では、形成される前記角度は約90°である。
第1の態様の一実施形態では、前記非線形の又は曲がりくねった経路は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12よりも多い線形のサブパスを含み、該2つの線形のサブパスのそれぞれの交点に角度が形成される。
第1の態様の一実施形態では、形成される前記角度のうちの1つ、大半又はそれぞれは約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80又は85°よりも大きい。
第1の態様の一実施形態では、形成される前記角度のうちの1つ、大半又はそれぞれは約45°よりも大きい。
第1の態様の一実施形態では、形成される角度のうちの1つ、大半又はそれぞれは約90°である。
第1の態様の一実施形態では、前記非線形の又は曲がりくねった経路は湾曲しているか、曲線を含むか又は一連の曲線を含む。
第1の態様の一実施形態では、前記第1の検出器構成要素は第1の凸部又は凹部(formation or recess)を含み、前記第2の検出器構成要素は第2の凸部又は凹部を含み、該第1の凸部又は凹部は、該第2の凸部又は凹部にぴったり篏合して、前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との前記接触面を提供する。
第1の態様の一実施形態では、前記第1の検出器構成要素は複数の凸部及び/又は凹部を含み、前記第2の検出器構成要素は複数の凸部及び/又は凹部を含み、前記第1の検出器構成要素の凸部及び/又は凹部は、前記第2の検出器構成要素の凸部及び/又は凹部にぴったり篏合して、前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との前記接触面又は前記接触面の一部を提供する。
第1の態様の一実施形態では、前記検出器構成要素のうちの1つ以上は、検出器ハウジング要素、検出器エンクロージャー要素又は検出器支持要素である。
第1の態様の一実施形態では、検出器は検出器構成要素の間に少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45又は50の接触面を含み、該検出器構成要素の間の接触面は、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、検出器は第1の検出器構成要素及び第2の検出器構成要素であって、該第1の検出器構成要素と該第2の検出器構成要素との間には空間が定義される、第1の検出器構成要素及び第2の検出器構成要素と、前記空間を占有する変形可能な部材又は塊と、を含み、前記第1の検出器構成要素、前記第2の検出器構成要素及び前記変形可能な部材又は塊は、一方側が前記検出器の内部の環境を定義し、他方側が前記検出器の外部の環境を定義するように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、前記変形可能な部材又は塊は、前記検出器の外部のガスが前記検出器内に入るのを抑制又は防止するように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、前記検出器構成要素のうちの1つ以上は、前記検出器の外部のガスが前記検出器内に入るのを抑制又は防止するように構成された要素である。
第1の態様の一実施形態では、前記ガスは、質量分析計において試料キャリアガスとして使用可能な残留ガスである。
第1の態様の一実施形態では、検出器は検出器構成要素の間に少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45又は50の接触面を含み、該検出器構成要素の間の接触面は、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの従来型の流れ及び/又は分子流が流れるのを抑制又は防止するように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、粒子は、質量分析計の元の部分又は置換部分として構成されている。
第1の態様の一実施形態では、前記検出器が質量分析計の真空チャンバ内で動作している場合、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止することは、前記検出器の電子放射面又はアノード/コレクタ面の周囲の環境と、前記検出器の直ぐ外側の環境とが、それぞれの環境におけるガス種の存在、不在又は分圧及び/又はそれぞれの環境における汚染物質種の存在、不在又は濃度の点で異なるようにするのに十分である。
第1の態様の一実施形態では、前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素及び/又は前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との前記接触面は、前記検出器の真空コンダクタンスを減少させるように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、第1の検出器構成要素と第2の検出器構成要素との接触面は、検出器の真空コンダクタンスを減少させるように構成されている。
第1の態様の一実施形態では、第1の検出器構成要素及び/又は第2の検出器構成要素は、前記検出器の真空コンダクタンスを減少させることが可能なガス流バリアである。
第1の態様の一実施形態では、検出器は、電子増倍管を形成するように配置された一連の電子放射面を含む。
第2の態様では、本発明は、第1の態様のいずれかの実施形態の検出器を含む質量分析計を提供する。
図1は、ガスクロマトグラフィー装置が質量分析計に連結される一般的な構成を示す非常に概略的なブロック図であり、質量分析計は、本明細書に記載の種類の真空コンダクタンスを最小化するように構成されたイオン検出器を有する。 図2は、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)間の例示の接触面の断面図であり、2つの検出器構成要素の接触面で非線形の又は曲がりくねった経路を形成する。 図3は、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)間の例示の接触面の斜視図であり、2つの検出器構成要素の接触面で非線形の又は曲がりくねった経路を形成する。 図4は、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)間の例示の接触面の断面図であり、2つの検出器構成要素の接触面で非線形の又は曲がりくねった経路を形成し、一方の要素は凸部を有し、他方の要素は相補的な凹部を有する。 図5は、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)間の例示の接触面の断面図であり、2つの検出器構成要素の接触面で非線形の又は曲がりくねった経路を形成し、一方の要素は一連の凸部を有し、他方の要素は一連の相補的な凹部を有する。 図6は、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)間の例示の接触面の断面図であり、2つの検出器構成要素の接触面で非線形の又は曲がりくねった経路を形成し、一方の要素は一連の凸部を有し、他方の要素は外周リップを有する。 図7は、2つの検出器構成要素(「A」および「B」)間の例示的なインターフェースの断面図であり、2つの検出器構成要素の接触面で非線形の又は曲がりくねった経路を形成し、一方の要素は外周リップ及び凹部を有し、他方の要素は相補的な凸部を有する。 図8A及び図8Bは、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)の断面図であり、2つの検出器構成要素の間の間隙を閉塞又は部分的に閉塞するために変形可能な部材が用いられている。 図9A及び図9Bは、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)の断面図であり、2つの検出器構成要素の間の間隙を閉塞又は部分的に閉塞するために変形可能な部材が用いられている。 図10A及び図10Bは、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)の断面図であり、2つの検出器構成要素の間の間隙を閉塞又は部分的に閉塞するために変形可能な部材が用いられている。
本説明を検討した後、本発明が様々な代替の実施形態及び代替の用途でどのように実施されるかが当業者には分かるであろう。しかしながら、本発明の様々な実施形態を本明細書に記載するが、これらの実施形態は例示に過ぎず、限定するものではないことが分かる。そのため、種々の代替的な実施形態の本説明は、本発明の範囲又は広さを制限するものと解釈すべきではない。さらに、利点又は他の態様についての記述は、特定の例示の実施形態に該当するものであり、必ずしも特許請求の範囲によってカバーされる全ての実施形態には該当しない。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、「含む」という用語及び該用語の変形である「含まれる」及び「含み」等は、他の追加物、構成要素、整数又はステップを除外することを意図するものではない。
本明細書にわたって言及する「一実施形態」又は「1つの実施形態」とは、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、本明細書中の様々な箇所における「一実施形態において」又は「1つの実施形態において」という表現の出現は、可能性はあるが、全てが必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。
本明細書に記載の本発明の全ての実施形態は、本明細書に開示する利点の全てを有するわけではないことが分かる。一部の実施形態は1つの利点を有し得るが、他の実施形態は全く利点を有さない場合があり、先行技術に対する有用な代替手段に過ぎない。
ここに記載される本発明の全ての実施形態が、本明細書に開示される利点の全てを有するわけではないことが理解されるであろう。いくつかの実施形態は、単一の利点を有し得るが、他の実施形態は、全く利点を有し得ず、単に先行技術の有用な代替手段である。
本発明は、検出器の性能及び/又は耐用年数は、それが動作される環境によって影響されるという発見に少なくとも部分的に基づいている。とりわけ、ガス及び他の物質(そのうちのいくつかはダイノードの汚染物質として作用し得る)が、検出器の任意の接触面又は不連続部を介してそれらの周りで確立された真空下で検出器に入る能力を変化させることは、耐用年数及び/又は性能に影響することが分かった。質量分析及び他の用途で使用する検出器を設計する際に、従来の当業者は接触面及び不連続部によるガス又は他の物質の検出器への出入りを阻止又は防止する必要性を考慮してこなかった。
出願人は、既存の検出器デザインに組み込むための一連の特徴又は代替的に、該一連の特徴を新規な検出器デザインのためのベースとして提案する。これらの特徴は、原子、分子又はより大きな種が検出器に入るのを遅らせるためのバリア、部分的バリア又は他の手段を形成するという共通の機能を有する。本発明がない場合、そのような原子、分子又はより大きな種は、検出器構成要素内の不連続部又は2つの検出器構成要素間の接触面の存在に付け込んで検出器に入ることができ、検出器の電子放射面又はアノード/コレクタを潜在的に汚染するか又は他の誤動作を引き起こし得る。
本発明の検出器は、検出器に出入りするガス又は他の物質の真空コンダクタンスを減少させるように機能し得る。そのため、本発明の検出器は、検出器の内部環境を検出器の外部環境から切り離すさらなる効果を有し得る。望ましい最終結果は、潜在的な汚染物質が検出器に入り、検出器の電子放射面(例えばダイノード表面)又はコレクタ/アノード面を汚染する機会を減らすことである。
当業者に理解されるように、検出器は様々な圧力方式で動作する。十分に低い圧力では、検出器の内外のガスはもはや従来の流体のように流れなくなり、代わりに遷移流又は分子流のいずれかで動作する。理論的に何ら制限されることを望まないが、出願人は、内部及び外部検出器環境が遷移流及び/又は分子流の状況(すなわち、非従来型の流れ)で動作している場合、要素間の接触面又は要素内の不連続部は、汚染物質が内部検出器環境に入り得る経路を提供し得ることを提言する。
この発見を受けて、様々な手段により検出器へのガスの分子流又は遷移流を防止又は少なくとも阻害する解決策を提案する。そのような手段は、実質的にガス不透過性であり、検出要素と実質的に気密シールを形成可能な材料で構成されるシーラントの使用を含む。他の手段は、検出器内にガスが入る能力を制限又は防止するため非線形の又は曲がりくねった経路を提供するために、検出器要素を接合するための様々の戦略の実施を含む。
理解されるように、任意の接触面は実際には三次元であり、それゆえ接触面を通る直線の見通し線(linear line of sight)が描かれていても、接触面を通る分子にとって多くの経路が利用可能である。本発明の文脈において、「非線形の又は曲がりくねった」という用語は、二次元断面が考慮される場合に一方側から他方側に接触面を通る直線の見通し線を引くことができない任意の構成を含むことを意図する。
検出器へのガスの分子流又は遷移流を防止又は少なくとも抑制するための手段は、ガス分子(又は実際に他の汚染物質)の検出器内部への外部からの通過を絶対的に防止するように機能し得る。本発明の一部の形態では、前記手段は、所与の単位時間にわたって検出器に入る分子の数が、そのような手段が設けられていない場合よりも少なくなるように、ガス分子の通過を遅延又は遅らせるように作用する。時間の単位は、質量分析のために必要な時間の長さを参照して考慮され得る。質量分析計が分離装置(例えば、ガスクロマトグラフィー装置)に連結されている場合、少なくとも約1時間の間、試料キャリアガスが分光計の検出器に入るのを阻止又は防止することが望ましく、そのような期間は、試料がクロマトグラフィー媒体を通過し、そこから出る種を連続的に検出するのに必要なものである。試料が質量分析計に直接注入される場合、時間の単位は、約10分又はそれ未満であってもよい。
外部検出器環境と内部検出器環境との連結を減らすために、以下で説明する特徴は有用であると考えられる。例えば、検出器が質量分析計に組み込まれている場合、切り離しにより、検出器自体がポンプとして機能することを可能にする。検出器を封止/シールドすることにより、この内部ポンプ機構は有益な環境を作り出す。封止/シールドがない場合には比較的弱いポンプであるため内部ポンプは少ないか又は発生しない。この内部ポンプは、質量分析計の真空ポンプに加算的に作用して、電子放射面又はアノード/コレクタ表面が動作し得る優れた動作環境を作り出す。より良い動作環境の主な利点は、検出器の動作寿命が延びることである。副次的な利点としては、ノイズの減少、イオンフィードバックの減少、感度の増加及びダイナミックレンジの増加が挙げられる。
一部の実施形態では、検出器へのガスの分子流又は遷移流を防止又は少なくとも抑制するための手段は、検出器が設置される質量分析計のイオン化手段に試料を導くために用いられるキャリアガス(例えば、水素、ヘリウム又は窒素)に対して有効であることが意図されている。一度試料がイオン化されると、得られたイオンの通過は質量分析器の制御下にあるが、残留キャリアガスは質量分析器を越えてイオン検出器の方への移動を続ける。従来技術では、検出器の寿命及び/又は性能に及ぼす残留キャリアガスの影響は考慮されていない。本出願人は、残留キャリアガスが、検出器の(増幅電子放射面である)ダイノード又は検出器のコレクタ/アノードを汚染するか、あるいは動作を妨げる汚染物を通常含むことを見出した。一部の状況では、キャリアガス自体がダイノード又はコレクタ/アノードに有害な影響を与え得る。
検出器は、内部に不連続部を有する単一の要素を含み得る。該要素は、内部検出器環境(すなわち、電子放射面又はコレクタ/アノード面の周囲の環境)と外部検出器環境(すなわち、検出器が動作可能な真空チャンバ内の環境)との分離の維持のための専用のものであるか又は付随的な責任な負い得る。単一の要素により提供される環境の分離は必ずしも完全な分離を提供せず、多くの場合、ガス分子が検出器の内部の環境に入る可能性を低下させるだけであり得る。
単一の検出器構成要素内の不連続部は、例えば、ガスの分子流又は遷移流が検出器に入ることを可能にする個別の開口であり得る。あるいは、不連続部は検出器構成要素を製造する材料の多孔性から生じることがあり、ガスの分子流又は遷移流は該材料を通って検出器に入ることができる。いずれの場合も、ガス又はガスと混在する任意の他の汚染物質の通過に対するバリア又は部分的なバリアを提供するために、不連続部にシーラントが適用され得る。
不連続部の表面及び周囲の材料への接着を容易にして、質量分析計の真空チャンバ内で日常的な真空の形成及び破壊の際の剥離を防止するために、シーラントは接着特性を有し得る。
適切なシーラント/接着剤は、はんだ、ポリイミド等のポリマー(任意で、KaptonTMテープ等のテープの形態)を含み得る。シーラント/接着剤は、いったん硬化されると、真空下でチャンバ内の液体、蒸気又はガスを実質的に脱着しないという点で「事実上の漏出」への寄与が最小限なものであることが好ましい。このような材料は、しばしば「真空安全(vacuum safe)」と呼ばれる。脱着した物質は、機器の真空ポンプシステムに有害な影響を及ぼし得る。
一部の状況では、検出器の構成は、複合構造を提供するために2つ以上の要素の結合を必要とする。複合構造は、内部検出器環境(すなわち、電子放射面又はコレクタ/アノード面の周囲の環境)と外部検出器環境(すなわち、検出器が動作可能な真空チャンバ内の環境)との分離の維持のための専用のものであるか又は付随的な責任な負い得る。
複合構造は、検出器にガスの分子流又は遷移流が入るのを防止又は少なくとも抑制するための手段を提供し得る。その場合、2つの検出器構成要素の接触面は、分子流又は遷移流により検出器内にガスが入る潜在的な手段を提供する。
複合構造に寄与する検出器構成要素のいずれか又は双方は、検出器内へのガスの分子流又は遷移流を防止又は少なくとも抑制する目的を実現するための専用又は付随的なものになるように構成され得る。これらの特徴は、単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
他の実施形態では、検出器内へのガスの分子流又は遷移流をさらに防止又は少なくとも抑制するために複合構造に第3の構成要素が加えられ得る。例えば、第1の構成要素と第2の構成要素とが当接して接触面を形成する場合、第3の構成要素は接触面を跨ぐように第1の構成要素及び第2の構成要素の上に適用され得る。第3の構成要素は、任意の手段により、好ましくは接着剤、より好ましくはシーラント特性を有する接着剤により適所に固定され得る。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
第1の検出器構成要素「A」及び第2の検出器構成要素「B」を示す図2を参照して、検出器構成要素「B」は、構成要素「A」がぴったり嵌合できる凹部を有する。構成要素「A」及び「B」は、それぞれの輪郭及び2つの構成要素間の「U」字状の接触面をより明確に示すために分離された状態で示している。実際には、構成要素「A」及び「B」は、ガスに対するバリア又は部分的なバリアを提供する接触面を形成するために相互に接触している。
構成要素「A」及び「B」が互いに接触しても、ガスは、検出器の外部環境から検出器の内部環境に移動するために分子流又は遷移流により接触面を通過し得る。しかしながら、接触面の2つの90度の角により提供される非線形の又は曲がりくねった経路は、ガスの遷移流又は分子流が該経路を通るのを阻害する。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
図2の構成は、構成要素「B」が凹部を有さず、構成要素「A」が単に構成要素「B」の平面上に置かれる状況とは対照的である。そのような状況では、接触面は厳密に線形であるため、接触面が非線形の又は曲がりくねった経路を定義する図2の構成と比較して、ガスは、検出器の外部から内部に分子流又は遷移流により移動する可能性が高くなる。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
図3は図2と同様の構成を示すが、構成要素「A」がぴったりと係合する比較的深い長手方向スロットが構成要素「B」に設けられている点で異なる。図3の構成要素「A」及び「B」の間に形成される接触面は、構成要素「B」のスロットの深さが大きくなっていることから図2に示すものよりも長い。長さが大きくなることで、ガス分子が単位時間に接触面の長さを移動する能力が最小化される。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
図4は、図1の実施形態と同様の構成要素「A」及び構成要素「B」により形成される接触面を示すが、構成要素「A」は、構成要素「B」に形成された凹部とぴったりと係合するように構成された下方に延びる凸部を有する。この構成は、分子流又は遷移流によるガスの移動に対して図1の実施形態に比べて改善されたバリア又は部分的バリアを提供する。この改善は接触面により定義される経路が長くなり、4つの90°の角を有する非直線の又は曲がりくねった経路に起因する。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
図5は、図4の実施形態と同様の構成要素「A」及び構成要素「B」により形成される接触面を示すが、構成要素「A」は、構成要素「B」の相補的な凹部とぴったり係合するように構成された一連の下方に延びる凸部を有する、この構成は、分子流又は遷移流によるガスの移動に対して図4の実施形態に比べて改善されたバリア又は部分的バリアを提供する。この改善は接触面により定義される経路が長くなり(各凸部が経路の長さを延ばす)、10個の90°の角及び3つの45°の角を有する非直線の又は曲がりくねった経路に起因する。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
図6は、構成要素「B」がリップを含み、構成要素「A」の側面が該リップに当接する実施形態を示す。構成要素「A」の下方を向いた端面は、構成要素「B」の上方を向いた面と接触する。この構成では、接触面は1つの90°の角を有する非線形の又は曲がりくねった経路を提供する。理解されるように、リップの深さは経路に長さを加え、より深いリップによって接触面に沿ったガスの分子流又は遷移流の抑制又は防止が高められる。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
図7は、構成要素「A」上の凸部と構成要素「B」の相補的な凹部及びリップの使用を含む、より複雑な構成を示す。構成要素「A」の(y方向の)厚さは、ガスの接触面の通過をより効果的に阻止する経路の長さの増加を提供する。
非線形の又は曲がりくねった経路は湾曲した区画又は複数の湾曲した区画を少なくとも部分的に一部に含み得る。例えば、図1を参照して、構成要素「A」の下方を向いた面は湾曲しているか又は波形に形成されていてもよく、構成要素「B」の凹部は、2つの構成要素が互いにぴったり嵌合するように相補的である。一般に、浅い曲線の使用は、分子流又は遷移流に基づくガスの接触面の通過を防止又は抑制する上で、90°の角よりも効果が低い。
一部の実施態様では、非線形の又は曲がりくねった経路は、湾曲区画及び線形区画の組み合わせにより提供される。
上記の実施形態及び当業者が考え付くさらなる実施形態のいずれにおいても、接触面を通るガス流をさらに制限するために、(接着剤としても機能し得る)シーラントを、組立前に構成要素「A」及び/又は構成要素「B」の相互接触領域に適用してもよい。それに加えて又は代替的に、シーラント/接着剤は、構成要素「A」及び構成要素「B」が(例えば、構成要素「A」の側面及び構成要素「B」の上方を向いた面により形成されるラインに沿って)当接する任意の領域を覆うために、接触面の外に配置してもよい。これらの特徴の1つ以上は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
シーラントは、2つの構成要素が検出器の外部環境から検出器の内部環境への直線の又は曲がりくねっていない経路を提供する2つの構成要素の接触面内又は周囲で使用され得る。直線の又は曲がりくねっていない経路が提供されても、一部の状況においてはシールの存在はガス分子が検出器に入るのを適切に抑制又は防止するのに十分であり得る。
検出器の一部の実施形態では、2つの検出器構成要素は接触面を形成せず、代わりに、それらの間に空間が定義される。この空間は、検出器の外部から内部へのガスの非従来型の流体流(例えば、遷移流及び/又は分子流)を可能にし得る。この空間をガス流が通るのを抑制又は防止するために、該空間内に変形可能な部材又は変形可能な塊が配置され得る。部材又は塊は変形により(例えば、屈曲、伸縮、圧縮、膨張又は滲出により)空間を占有するように構成されている。変形(すなわち、閉塞又は部分的な閉塞)は、一方の構成要素が他方に対して動くことにより引き起こされ得る。さもなければ、2つの構成要素は固定された空間的関係にとどまるが、それらの間の空間を占有するよう変形可能な部材又は塊が引き起こされるか又はさせられる。
変形可能な部材又は塊は、検出器の内部環境と検出器の外部環境との差異を維持するためにガスの通過を阻害する物質又は組成物で構成され得る。該物質又は組成物は、質量分析計の真空チャンバ内に形成されるかなりの真空(significant vacuum)内に原子又は分子を放出する傾向が低い。
図8Aは、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)の間に変形可能な部材(10)が配置される空間を有する構成を示す。図8Bは、変形可能な部材(10)が構成要素「A」と構成要素「B」との間の空間を閉塞又は部分的に閉塞するように構成要素「A」を下方に動かした後の図8Aの構成を示す。この実施形態における変形可能な部材は硬く、実質的にU字状の部材である。部材の予め形成された形状は、構成要素「B」に対して構成要素「A」を動かすことにより中断される。部材の剛性は、部材を元のU字状に戻ろうとさせることにより、構成要素にかかる力を生成する。別の言い方をすると、部材は変形されたときに、所定の形状を取るように付勢され、該形状は空間を閉塞又は部分的に閉塞するように構成されている。三角形、曲線及び不規則な形状を含む他の形状を有する部材も当然考えられる。
図9Aは3つの検出器構成要素(「A」、「B」、「C」)を示し、構成要素「A」と構成要素「B」との間に第1の空間が形成され、構成要素「A」と構成要素「C」との間に第2の空間が形成され、変形可能な部材(10)が第1及び第2の空間内に配置されている。図9Bは、変形可能な部材(10)が第1及び第2の空間を閉塞するか又は部分的に閉塞するように、矢印で示す方向に下向きの圧力が加えられた後の図9Aの構成を示す。この実施形態では、硬いU字状の部材が中央の構成要素(「A」)にわたって配置されて、該部材の羽部が圧力下でラッパ状に広がって中央の構成要素と2つの隣接する構成要素との間の間隙を封止する。該部材の構成は、該部材の1つの領域に加えられた力を張力を介して該部材の他の領域に伝達し、それらの領域がラッパ状に広がる及び/又は戻る(flare in and/or out)。そして、これらの広がった領域は、2つの構成要素が接触する空間内に配置できる。注意深く配置することで、これらの広がった領域は、接合間隙を形成する構成要素の一方又は双方と圧力接触を形成する。
図10Aは、2つの検出器構成要素(「A」及び「B」)の間に空間が形成され、変形可能な塊(20)が該空間内に配置される構成を示す。図10Bは、変形可能な塊が構成要素「A」と構成要素「B」との間の空間を閉塞するか又は部分的に閉塞するように構成要素「A」を下方に動かした後の図10Aの構成を示す。柔軟な塊が2つの構成要素の間に置かれている。この塊は所定の位置に保持する必要があるか又は2つの構成要素の間の公称間隙よりも厚く、2つの構成要素との圧力接触により所定の位置に保持されている。
検出器は、本明細書に開示の変形可能な部材又は塊を用いるアプローチのいずれかの組み合わせを含み得る。
一部の状況において、2つの検出器構成要素は接触面を形成するとともに、それらの間の空間を定義し得る。そのような場合、接触面及び空間の両方をガスの流れが通るのを抑制又は防止するための本明細書で開示したアプローチが検出器において利用され得る。
本発明の検出器は、当業者が適切とみなす任意の用途で用いられ得る。典型的な用途は、質量分析計におけるイオン検出器としてである。質量分析計に連結されたガスクロマトグラフィー装置の典型的な構成を示す図1を参照する。試料が注入され、そして試料がオーブン内の分離媒体を通過するように推進するキャリアガスと混合される。試料の分離された成分は、移送ラインの末端から出て質量分析計に入る。これらの成分はイオントラップ質量分析器を通じてイオン化及び加速される。質量分析器を出たイオンは検出器に入り、各イオンに対する信号が検出器内のディスクリートダイノード電子倍増管(図示せず)により増幅される。増幅された信号は接続されたコンピュータで処理される。
出願人は、試料の成分と共に移送ラインの末端から出るキャリアガス及び他の物質が検出器の内部に入って汚染し得ることを最初に認識した。これは、急性の負の効果(検出器の性能を一時的に変化させる)を有するが、より慢性的な負の効果ももたらし、長期的な性能不足及び検出器の寿命の低下につながる。問題の真の性質を発見した後、出願人は、検出器構成要素内の不連続部又は2つの検出器構成要素間の接触面を介して汚染物質が侵入することを抑制又は防止する1つ以上の特徴を有する検出器を提供する。
外部検出器環境から内部検出器環境を切り離す利点を出願人が発見したことを考慮して、検出器構造の展開には、真空チャンバに内在する汚染物質から電子放射面又はコレクタ/アノード面を保護するためにより完全なエンクロージャー及びハウジングを設けることを含むことを提案する。そのため、様々なハウジング又は筐体要素が従来技術の検出器に加えられ、その関連で構成要素間の接触面が形成され得る。
上述した検出器構成要素の接触面の構成に加えて、さらなる構造的な特徴が検出器に組み込まれ得る。第1の特徴として、検出器エンクロージャーの外面は、可能な限り少数の連続部品(構成要素)で構成され得る。筐体は、連続した外面を提供するように単一の素材から作られ、その場合、シーラントにより任意の不連続部が封止され得る。この特徴は、単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器エンクロージャー内の任意の加工された不連続部(engineered discontinuities)の大きさは、(面積の観点から)可能な限り小さくなるような寸法にされ得る。この文脈で使用されるように、「加工された不連続部」という用語は、検出器に意図的に加工された任意の開口、格子、グリル、ベント、開口又はスロット等のガスが外部から検出器の内部へ移動し得る任意の手段を含むことを意図する。通常、そのような不連続部は機能(例えば、イオン流が検出器に入るようにする)を有するため、必要な機能を行うのに十分な大きさであるが、好ましくはそれ以上ではない寸法で形成され得る。一部の実施形態では、加工された不連続部は適切に機能するのに必要最小値より大きいが、最小値の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%又は20%を超えない。この特徴は、単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器エンクロージャー内の加工された不連続部は、質量分析計内に存在する残留キャリアガスの流れ等の検出器の外部環境内を流れるガスから外方を向くように(face away from)方向付けられるか、配列されるか又はそれ以外の場合は空間的に配置され得る。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器エンクロージャーの外面は、検出器の外側環境の周りを流れる任意のガスから層流及び/又は渦を生成するために丸みを帯びた特徴を用い得る。これらの層流及び/又は渦は不連続部を効果的に封止する高いガス圧領域を提供し得る(さもなければ、不連続部は他の残留キャリアガスが入ることを許す)。この特徴は、単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器のエンクロージャーの表面の不連続部は、残留キャリアガスの侵入を抑制するために関連するガス流バリアを有し得る。一部の実施形態では、ガス流バリアは、別の検出器構成要素と接触面を形成する検出器構成要素の一部である。ガス流バリアは利点を提供し得るが、そのようなバリアは、バリアが検出器の別の構成要素と接触面を形成する部分にガスが検出器に侵入するためのさらなる戸口も提供し得ることが分かる。本明細書の便益を考慮すれば、当業者はそのような機能に適した一連の仕掛けを考え付くことができる。
一部の実施形態では、バリアは第1及び第2の開口を有し、そのうちの一方は検出器のエンクロージャーの不連続部と(ひいては検出器の内部の環境と)ガス連通し、第2の開口は検出器の外の環境とガス連通する。第2の開口は、ガスの流れ(例えば残留キャリアガス)が実質的にないようにするために検出器に対して遠位にあり得る。これらの特徴のうちの1つ以上は、単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
一部の実施形態では、第2の開口は依然としてガスの流れに曝されるものの、バリアは、検出器の内部環境にガス流が侵入するのを防止又は抑制するように構成されている。この目的は、入ったガスが検出器の内部の環境に流れるのを少なく又はゼロになるように、バリアに入ったガスの流れを抑制又は防止することによって実現され得る、例えば、ガス流バリアは可能な限り長くてもよく及び/又は可能な限り狭くてもよく及び/又は1つ以上の屈曲部又はコーナーを含んでもよく及び/又は1つ以上の90度の屈曲部を含んでもよく及び/又は内部の見通し線を最小限にするために内部バッフルを含み得る。これらの特徴のうちの1つ以上は、単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
ガスフローバリアは、質量分析計によって用いられる残留キャリアガスの流れ等の検出器の外部環境で流れるガスから外方を向くように構成されるか、配置されるか又は方向づけられ得る。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
ガスフローバリアは、いかなる放電も防止又は抑制されるように丸みを帯びた外面を含み得る。それに加えて又は代替的に、そのような丸みを帯びた面は検出器の外部の環境内を流れるガスから層流ガス流及び/又は渦を生成し得る。これらの層流及び/又は渦は、シールドの開口を本質的に密閉する高圧領域を提供し得る。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器の外を流れるガスが検出器の内部環境内に入るのを防止又は抑制するために、2つ以上のガス流バリアは、相加的に又は相乗的に協働するように構成されるか、配置されるか又は方向付けられ得る。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
さらなる特徴として、検出器は、検出器にわたって任意の又は全ての内部見通し線を制限するか又は完全に取り除くために内部バッフルを含み得る。この特徴は、粒子(例えば、イオン及び電子)の光学に対して負の影響を及ぼさない限り一般的に適用可能である。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器は、粒子ビームを受け入れるための入力開口を通常含む。出願人は、そのような開口は、通常大量の残留キャリアガス及び関連物質を受け入れ、事実上、検出器の内部環境及び外部環境を連結することを見出した。本明細書の他の部分で述べたように、そのような連結は多くの状況で望ましくないため、入力開口のサイズは可能な限り最小化されるべきである。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器が2つの開口を含む場合、開口は、開口間に完全又は部分的な直接見通し線が存在しないように配置されることが好ましい。そのような配置は、検出器を通るガスの自由な流れを妨げるように作用し、ひいては検出器への残留キャリアガスの侵入を防止又は抑制する。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
検出器が軸外入力光学装置に関連する場合、そのような装置は、ガスが装置に蓄積するのではなく、ガスが装置を通って流れるのを促進するために不連続部(例えば、ベント、グリル、開口又は孔)を含み得る。このアプローチは、そのようなガスは検出器に内の環境に入る傾向があるため、入力光学系の周り及び検出器の外側の領域にガスが局所的に蓄積するのを防止又は抑制する。この特徴は、単独で、または本明細書に開示されている任意の他の特徴の任意の1つ以上と組み合わせで検出器に組み込まれ得る。この特徴は単独で又は本明細書で開示する任意の他の特徴の1つ以上との組み合わせで検出器に組み込まれ得る。
本発明の多くの実施形態は、検出器の真空コンダクタンスを制御し、ひいては内部検出器環境と外部検出器環境との結合を制御することにより利点を実現する。
本発明に従ってコンダクタンスが減少される場合、減少のレベルは、本発明のコンダクタンス変調機能がない状態で測定されたコンダクタンスの百分率で表され得る。コンダクタンスの減少は約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%又は1000%より大きくてもよい。
当業者であれば、真空コンダクタンスの概念を理解し、検出器のコンダクタンス又は2つの検出器の少なくとも相対コンダクタンス(すなわち、1つの検出器の別の検出器と比較したコンダクタンス)を測定することができる。近似として、検出器は、真っすぐな円筒状のパイプ又はチューブと考えられ、そのコンダクタンスは、パイプの(全体)長さ(M)及び半径(cm)を参照して計算され得る。長さを半径で割ると、L/a比が得られ、コンダクタンス(例えば、L/秒)は参照テーブルから読み取られる。検出器の幾何学的形状は、真っすぐな円筒状のパイプ又はチューブとは多少異なり得るため、計算される絶対コンダクタンスは正確でない場合がある。しかしながら、検出器のコンダクタンス変調機能の有効性を評価する目的で、このような近似は有用であろう。
内部及び外部環境の連結を最小化するために検出器の真空コンダクタンスを低減することで検出器の内部環境において全般的な改善が得られ得る。何ら理論によって制限されることを望まないが、このアプローチは、検出器の電子増倍管の電子束がポンプとして作用することを可能にし、それにより検出器の動作のためのよりクリーンな環境を作り出すことができる。このクリーンな内部環境は、主に倍増管の耐用年数を延ばす。また、検出器の動作方法に応じて、ノイズの減少、感度の向上、ダイナミックレンジの増大、イオンフィードバックの減少を含む副次的な利点もある。検出器の真空コンダクタンスの低下は、検出器の性能及び寿命に対する有害な外部環境の影響を制限する。これには、持続的及び急性の影響の両方が含まれる。
さらなる利点は、検出器の性能及び寿命に対する検出器の動作の負の影響を最小限に抑えることである。出願人は、ユーザーが選ぶデューティサイクル、イオン入力電流及びモードが検出器の性能に影響を及ぼし、検出器の寿命に大きな影響を及ぼすことを見出した。このような効果は、外部環境と等しくなるように実質的に完全な真空を検出器の内部に形成するために要する時間である真空緩和時間に起因して生じる。緩和時間は、一般にデューティサイクルにおける「オフ時間」と一致する。
同様に、電荷の離散的性質は、典型的なイオン入力電流において擬似オフ時間をもたらすことが実証されている。これらの擬似オフ時間は、とりわけ検出器が飛行時間(TOF)モードで動作する場合の十分に低い電流における検出器の真空緩和時間のオーダである。TOFモードでは、検体イオンは時間内に一緒に集められる。したがって、異なる検体の数と、それらの質量分布もTOFモードにおける擬似オフ時間を決定する。検出器の真空コンダクタンスを最小化することにより、検出器の真空緩和時間が延長される。これにより、検出器は、デューティサイクル及びイオン入力電流のより広い範囲にわたって、その意図された性能及び寿命を実現できる。真空関係時間の延長は、検出器の性能及び寿命に対する検出器の動作モード及び検体イオンの混合の影響も制限する。
真空コンダクタンスを減少させるさらなる効果は、検出器の外部環境の変化に起因する検出器の較正の変化を最小化することである。これには、汚染物質が急性的に到着することに起因する利得の突然の損失と、水の分子が検出器の表面に到達することに起因する一時的な利得の回復の双方が含まれる。
本発明は多くの形態で実施され、検出器の真空コンダクタンスの減少を引き起こすか又は支援する特徴の1つ又は組み合わせを有する。本発明は、密閉された検出器、部分的に密閉された検出器、1つ以上のガス流バリアを有する検出器、検出器から遠ざけるようにガス流を押しやるように適切に設計された軸外入力光学系に関連する検出器、検出器から遠ざけるようにガス流を押しやるように適切に設計された軸外入力光学系に関連する1つ以上のガス流バリアを含む検出器、見通し線入力開口を備える検出器において局所的なガスの増大を防止するために、通気孔、グリル、開口及び/又は孔等の加工された不連続部を含む検出器と、見通し線入力開口を備える検出器において局所的なガスの増大を防止するために、通気孔、グリル、開口及び/又は孔等の加工された不連続部をさらに含むガス流バリアを含む検出器、動作中のコンダクタンスを最小限にするために調整可能な(好ましくは可動の)ガス流バリアを用いる検出器の形態で実施され得る。
一実施形態では、検出器は、当業者に知られている種類のディスクリートダイノード電子倍増管である。このような倍増管は、一連の増幅ダイノードに加えて変換ダイノードを含んでもよいし、含んでいなくてもよい。
さらなる実施形態は、真空コンダクタンスを最小化するために、4つ以上の別個の要素を積層したもので構成されるマイクロチャネルプレート(MCP)検出器である。現在、必要な検出器利得を実現するだけで最大で3つの要素が必要であり、さらにMCP真空コンダクタンスをさらに最小化するには、少なくとも4つの要素が用いられ、各追加の要素は経路内に別の屈曲部を追加する。
MCP検出器は、真空コンダクタンスを最小化するために封止されたコレクタ、真空コンダクタンスを最小化する積層されたMCP検出器回転素子を用いてもよい。MCPは、真空コンダクタンスを最小化するためにマルチチャネルピンチポイント(MPP)素子を含み得る。MPPは、MCP積層体の2つの従来の増幅素子の間に位置する薄い素子であり、多くの局所的な狭小部(narrowings)を構成する。MPPを囲む増幅素子内の各チャンネルに対して2つ以上の狭小部があり得る。この場合、MPP内のピンチポイントは、増幅素子のチャネルに整列するように共にクラスタ化される。
MCP検出器は、マルチチャネルピンチポイントを含む、回転要素を備える4つ以上の別個の構成要素を含み、閉鎖コレクタを含む。
別の実施形態は、真空コンダクタンスを最小化するために1つ以上の「ピンチポイント」を含む連続電子増倍管(CEM)の形態である。ピンチポイントは、CEM構造の局所的な狭小部として定義される。複数のピンチポイントが使用される場合、それらは、連続的に/連続して、並列に又は双方の組み合わせを用いて配置され得る。
別の実施形態は、真空コンダクタンスを最小化するための1つ以上の屈曲部を含むCEM、真空コンダクタンスを最小化するための閉鎖コレクタを含むCEM、真空コンダクタンスを最小化するための検出器軸の周りに1つ以上のツイスト部を備えるCEM又はピンチポイント、屈曲部、ツイスト部及び閉鎖コレクタの組み合わせを含むCEMである。
質量分析計で用いられるタイプの検出器を参照して本発明を主に説明してきたが、本発明はそのような構成に限定されないことを理解すべきである。他の用途では、検出すべき粒子はイオンでなくてもよく、中性原子、中性分子又は電子であってもよい。いずれにせよ、粒子が衝突する検出器表面が依然として設けられる。
本発明の例示の実施形態の説明では、開示を簡素化するとともに、様々な発明の側面の1つ以上の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図面又はその説明において本発明の様々な特徴がまとめられることがあることが分かるであろう。しかしながら、この開示の方法は、各請求項で明示的に記載されているよりも多くの特徴を本発明が必要とするという意図を反映するものと解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が表すように、決して先に開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴に本発明の側面が存在する。
さらに、本明細書に記載の一部の実施形態は特徴の一部を含み、他の実施形態に含まれるが他の特徴を含まないが、当業者であれば分かるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲では、請求項に記載された実施形態は任意の組み合わせで用いることができる。
本明細書で提供した説明において、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが分かる。他の例では、周知の方法、構造及び技術は、本説明の理解を不明瞭にしないために詳細には示していない。
したがって、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものを記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、他のさらなる変更を加えることができることを認識し、そのような変更及び修正の全ては本発明の範囲に含まれることを意図している。図に対して機能性を追加又は削除することができ、動作は、機能ブロック間で交換され得る。本発明の範囲内に記載される方法にステップを追加してもいいし、削除してもよい。
本発明を特定の実施例を参照して説明してきたが、当業者であれば本発明は多くの他の形態で実施され得ることを理解するであろう。

Claims (23)

  1. 1つ以上の電子放射面を含む検出器であって、当該検出器は、一方側が当該検出器の内部の環境を定義し、他方側が当該検出器の外部の環境を定義するように構成された1つ以上の検出器構成要素を含み、該1つ以上の検出器構成要素は、当該検出器の外部の環境から当該検出器の内部の環境にガスの流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている、検出器。
  2. 前記流れは非従来型の流れである、請求項1に記載の検出器。
  3. (i)接触面を形成するように関連付けられた第1の検出器構成要素及び第2の検出器構成要素、又は
    (ii)不連続部を有する単一の検出器構成要素
    を含み、
    関連付けられた前記第1の検出器構成要素及び前記第2の検出器構成要素又は不連続部を有する前記単一の検出器構成要素は、一方側で前記検出器の内部の環境を定義し、他方側で前記検出器の外部の環境を定義し、前記接触面又は不連続部は、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている、請求項1又は2に記載の検出器。
  4. 前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止するために、前記接触面又は前記不連続部内に又は周囲にシーラントが配置される、請求項3に記載の検出器。
  5. 前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素は、前記検出器の外部の環境と前記検出器の内部の環境との間にある非線形の又は曲がりくねった経路が前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との接触面に設けられるように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出器。
  6. 前記第1の検出器構成要素及び前記第2の検出器構成要素は、前記検出器の外部の環境と前記検出器の内部の環境との間にある非線形の又は曲がりくねった経路が前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との接触面に設けられるように互いに対して配置又は角度付けされている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検出器。
  7. 前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素は、前記検出器の外部の環境と前記検出器の内部の環境との間にある非線形の又は曲がりくねった経路が前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素の接触面に設けられるような形状を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検出器。
  8. 前記非線形の又は曲がりくねった経路は顕微鏡観察レベルである、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の検出器。
  9. 前記非線形の又は曲がりくねった経路は2つ以上の線形のサブパスを含み、該2つ以上の線形のサブパスのそれぞれの交点に角度が形成される、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の検出器。
  10. 形成される前記角度は約45°よりも大きい、請求項9に記載の検出器。
  11. 前記非線形の又は曲がりくねった経路は湾曲しているか、曲線を含むか又は一連の曲線を含む、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の検出器。
  12. 前記第1の検出器構成要素は第1の凸部又は凹部を含み、前記第2の検出器構成要素は第2の凸部又は凹部を含み、該第1の凸部又は凹部は、該第2の凸部又は凹部にぴったり篏合して、前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との前記接触面を提供する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の検出器。
  13. 前記第1の検出器構成要素は複数の凸部及び/又は凹部を含み、前記第2の検出器構成要素は複数の凸部及び/又は凹部を含み、前記第1の検出器構成要素の凸部及び/又は凹部は、前記第2の検出器構成要素の凸部及び/又は凹部にぴったり篏合して、前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との前記接触面又は前記接触面の一部を提供する、請求項12に記載の検出器。
  14. 前記検出器構成要素のうちの1つ以上は、検出器ハウジング要素、検出器エンクロージャー要素又は検出器支持要素である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の検出器。
  15. 検出器構成要素の間に少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45又は50の接触面を含み、該検出器構成要素の間の接触面は、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止するように構成されている、請求項3乃至14のいずれか一項に記載の検出器。
  16. 第1の検出器構成要素及び第2の検出器構成要素であって、該第1の検出器構成要素と該第2の検出器構成要素との間には空間が定義される、第1の検出器構成要素及び第2の検出器構成要素と、
    前記空間を占有する変形可能な部材又は塊と、
    を含み、
    前記第1の検出器構成要素、前記第2の検出器構成要素及び前記変形可能な部材又は塊は、一方側が前記検出器の内部の環境を定義し、他方側が前記検出器の外部の環境を定義するように構成されている、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の検出器。
  17. 前記変形可能な部材又は塊は、前記検出器の外部のガスが前記検出器内に入るのを抑制又は防止するように構成されている、請求項16に記載の検出器。
  18. 前記検出器構成要素のうちの1つ以上は、前記検出器の外部のガスが前記検出器内に入るのを抑制又は防止するように構成された要素である、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の検出器。
  19. 前記ガスは、質量分析計において試料キャリアガスとして使用可能な残留ガスである、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の検出器。
  20. 前記検出器が質量分析計の真空チャンバ内で動作している場合、前記検出器の外部の環境から前記検出器の内部の環境にガスの非従来型の流れが流れるのを抑制又は防止することは、前記検出器の電子放射面又はコレクタ/アノード面の周囲の環境と、前記検出器の直ぐ外側の環境とが、それぞれの環境におけるガス種の存在、不在又は分圧及び/又はそれぞれの環境における汚染物質種の存在、不在又は濃度の点で異なるようにするのに十分である、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の検出器。
  21. 前記第1の検出器構成要素及び/又は前記第2の検出器構成要素及び/又は前記第1の検出器構成要素と前記第2の検出器構成要素との前記接触面は、前記検出器の真空コンダクタンスを減少させるように構成されている、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の検出器。
  22. 前記1つ以上の検出器構成要素は、前記検出器の真空コンダクタンスを減少させることが可能なガス流バリアである、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の検出器。
  23. 請求項1乃至22のいずれか一項に記載の検出器を含む質量分析計。
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