JP2021522341A - イソキノリノンの多形及びアモルファス形態ならびにその使用方法 - Google Patents

イソキノリノンの多形及びアモルファス形態ならびにその使用方法 Download PDF

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Abstract

(本明細書ではSJB−01とも呼ばれる)2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドの多形及びアモルファス形態。多形形態は、アルファ形、ベータ形、またはガンマ形であってよい。一部の態様では、本開示は、本明細書に記載の多形またはアモルファス形態及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2018年4月27日に出願された米国仮出願第62/664,020号の利益を主張する。上記の出願の全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の背景
近年、ニューロキニン受容体が、CNS疾患の標的として提案されている(Albert,Expert Opin.Ther.Patents,14,1421−1433,2004)。ニューロキニン(またはタキキニン)は、P物質(SP)、ニューロキニンA(NKA)、及びニューロキニンB(NKB)を含むニューロペプチドのファミリーである。これらの物質の生物学的効果は、主に3つのニューロキニン受容体NK1、NK2、及びNK3への結合及び活性化により影響を受ける。一部の交差反応性が恐らく存在するが、SPは、最高の親和性を有し、NK1の内因性リガンドであると考えられる。同様に、NKAは、NK2の内因性リガンドであると考えられ、NKBは、NK3の内因性リガンドであると考えられる。
NK3は主に、皮質領域、例えば、前頭皮質、頭頂皮質、及び帯状皮質;扁桃体の核、例えば、基底核、中心核、及び外側核;海馬;ならびに中脳構造、例えば、腹側被蓋領域、黒質緻密部、及び背側縫線核(Spooren et al,Nature Reviews,4,967−975,2005)を含む領域の中心に発現する。さらに、ラットの形態学的研究は、NKBニューロン及び視床下部生殖軸間の推定上の相互作用の証拠を提供している(Krajewski,J.Comp.Neurol.,489,372−386,2005)。NKBの発現は、弓状核ニューロンにおいてエストロゲン受容体α及びダイノルフィンと共局在することが示される(Burke,J.Comp.Neurol.,498,712−726,2006;Goodman,Endocrinology,145,2959−296,2004)。さらに、NK3受容体は、ニューロンの視床下部弓状核で高度に発現され、これらは、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)放出の調節に関与する。
NK−3受容体の活性化は、ドーパミン、アセチルコリン、及びセロトニン放出を調節することが示されており、それにより、精神異常、不安、うつ病、統合失調症、肥満、疼痛、及び炎症を含む様々な障害の処置のためのNK3受容体モジュレーターの治療的有用性が示唆される(Giardina,Expert Opin.Ther.Patents,10,939−960,2000)。NK3受容体モジュレーターはまた、性ホルモン依存性疾患の処置に治療的有用性を有し得る。
NK3受容体の新しい強力で選択的なアンタゴニストは、NKB及びNK3受容体が関与する多数の疾患または状態の処置及び/または予防に有用な薬物の調製に治療的価値のものであってよい。
Albert,Expert Opin.Ther.Patents,14,1421−1433,2004 Spooren et al,Nature Reviews,4,967−975,2005 Krajewski,J.Comp.Neurol.,489,372−386,2005 Burke,J.Comp.Neurol.,498,712−726,2006 Goodman,Endocrinology,145,2959−296,2004 Giardina,Expert Opin.Ther.Patents,10,939−960,2000
発明の要旨
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
の多形に関する。
一部の実施形態では、多形は、α形、β形、またはγ形である。一部の実施形態では、多形は、実質的に純粋なα形、実質的に純粋なβ形、または実質的に純粋なγ形である。
一部の実施形態では、多形(例えば、アルファ形)は、約6.37°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、アルファ形)は、約6.37°及び8.60°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、アルファ形)は、約6.37°、8.60°、9.06°、10.72°、11.76°、12.71°、14.62°、17.13°、19.74°、23.02°、及び24.99°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、アルファ形)は、実質的に図33に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一部の実施形態では、多形(例えば、ベータ形)は、約10.93°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ベータ形)は、約7.80°及び10.93°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ベータ形)は、約7.80°、9.79°、10.93°、11.95°、16.95°、17.58°、18.94°、20.80°、21.95°、24.02°、25.17°、及び28.25°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ベータ形)は、実質的に図38に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一部の実施形態では、多形(例えば、ガンマ形)は、約5.62°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ガンマ形)は、約4.31°及び5.62°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ガンマ形)は、約4.31°、5.62°、及び6.71°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ガンマ形)は、実質的に図47に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一部の実施形態では、多形(例えば、アルファ形)は、約157℃に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、ベータ形)は、約163℃に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する。一部の実施形態では、多形(例えば、アルファ及びベータ形)は、実質的に図34に示される示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
一部の実施形態では、多形(例えば、ベータ形)は、実質的に図39に示される熱重量分析及び示差走査熱量測定サーモグラムを有する。
一部の実施形態では、多形は、約5μg/mLまたは約6μg/mLの水への溶解度を有する。一部の実施形態では、そのような溶解度は、37℃のものである。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
のアモルファス形態に関する。
一部の実施形態では、アモルファス形態は、実質的に図42に示されるX線粉末回折パターンを有する。一部の実施形態では、アモルファス形態は、実質的に図43に示される熱重量分析及び示差走査熱量測定サーモグラムを有する。一部の実施形態では、アモルファス形態は、5μg/mLの水への溶解度を有する。一部の実施形態では、そのような溶解度は、37℃のものである。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
のベータ形多形に関し、多形が、実質的に純粋である。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
のアルファ形多形に関し、多形が、実質的に純粋である。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
のガンマ形多形に関し、多形が、実質的に純粋である。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
のアモルファス形態に関し、アモルファス形態が、実質的に純粋である。
一部の態様では、本開示は、本明細書に記載の多形またはアモルファス形態及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、経口で、脂肪内で、動脈内で、関節内で、頭蓋内で、皮内で、病変内で、筋肉内で、鼻腔内で、眼内で、心膜内で、腹腔内で、胸膜内で、前立腺内で、直腸内で、クモ膜下腔内で、気管内で、腫瘍内で、臍内で、膣内で、静脈内で、小胞内で、硝子体内で、リポソームで、局所で、粘膜で、非経口で、直腸で、結膜下で、皮下で、舌下で、局所で、経頬で、経皮で、経膣で、クリーム中で、脂質組成物中で、カテーテルによる、洗浄剤による、連続注入による、注入による、吸入による、注射による、局所送達による、または局所灌流による投与のために、製剤化される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、経口、動脈内、静脈内、または局所投与のために製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、硬質もしくは軟質カプセル剤、錠剤、シロップ剤、懸濁剤、固体分散体、ウェハー、またはエリキシル剤として製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、ローション、クリーム、ゲル剤、油、軟膏、塗剤、または懸濁剤として製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、経皮パッチとして製剤化される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物はさらに、溶解性及び分散性を増強する増強剤を含む。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物の微粉化ベータ形多形を含む医薬組成物に関し、多形が、99%を超える純度を有し、医薬組成物が、錠剤として製剤化される。
一部の態様では、本開示は、処置を必要とする対象を処置する方法に関し、方法が、本明細書に記載の多形またはアモルファス形態を対象に投与することを含む。
一部の態様では、本開示は、処置または予防を必要とする対象の状態または疾患を処置または予防する方法に関し、方法が、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、疾患は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般的な病状による精神病性障害;物質または薬物誘導性精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質パーソナリティー障害;統合失調症型パーソナリティー障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持療法、再発予防、及び安定化);躁病;軽躁病;認知不全;ADHD;肥満症;食欲減退;認知障害;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;痙攣;咳;喘息;気道過敏性;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;PTSD;高齢者の認知症及び興奮及びせん妄;過敏性腸症候群及び炎症性腸障害を含む炎症性疾患;嘔吐;子癇前症;気道過敏性;限定されないが、良性前立腺過形成(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性ざ瘡、男性型脱毛症、子宮内膜症、異常な思春期、子宮筋腫、ホルモン依存性癌、アンドロゲン過剰症、多毛症、男性化、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群(アンドロゲン過剰症、インスリン抵抗性、及び黒色表皮腫)、卵巣過形成症(卵巣間質における黄体化卵胞膜細胞の過形成を伴うHAIR−AN)、高卵巣内アンドロゲン濃度の他の症状(例えば、濾胞性成熟停止、閉鎖症、無排卵、月経困難症、機能不全の子宮出血、不妊症)ならびにアンドロゲン産生腫瘍(男性化卵巣または副腎腫瘍)を含む生殖障害及び性ホルモン依存性疾患;ならびに婦人科障害及び不妊症から選択される。
一部の実施形態では、疾患は、統合失調症である。
一部の実施形態では、状態は、ほてりである。一部の実施形態では、ほてりは、対象の卵巣もしくは精巣の除去、乳癌処置、アンドロゲン遮断療法、性腺機能不全症、または低血清ゴナドトロピンレベルに関連し、対象は、白血病、ノンディッパー型高血圧、カルシノイド症候群、閉経後アンドロゲン過剰症、または思春期早発症を有する。
一部の実施形態では、疾患または状態は、過剰な体脂肪及び/または過剰な体重である。一部の実施形態では、疾患または状態は、レプチン関連疾患である。一部の実施形態では、疾患または状態は、ホルモン不均衡である。
一部の態様では、本開示は、疾患の処置のための薬品の製造における本明細書に記載の多形またはアモルファス形態の使用に関する。
一部の態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
の多形(例えば、ベータ形多形)を生成する方法に関し、方法が、式(I)の化合物及び酢酸イソプロピルを組み合わせて、第1の溶液を形成すること;第1の溶液を蒸留して、酢酸イソプロピルをアセトンと交換し、第2の溶液を形成すること;n−ヘプタンを第2の溶液に添加して、懸濁液を形成すること(アセトン:n−ヘプタン比が、1:2である);懸濁液を55℃の温度に加熱すること、ならびに加熱懸濁液を−20℃の温度に徐冷して、式(I)の化合物のベータ形多形を含む組成物を形成すること、を含む。
特許または出願ファイルには、カラーで実行された少なくとも1つの図面を含有する。カラー図面を含むこの特許または特許出願公開のコピーは、請求及び必要な料金の支払いに応じて官庁により提供されるであろう。
SJB−01の化学構造を提供する。SJB−01(L100142−1−1)のpKaの設定、実験的に決定されたpKa値は、対応する酸性(赤)または塩基性(青)部位の近くに位置し、理論上のpKa値は、下の括弧内に示される。 0%の共溶媒(L100142−69−1)への外挿に使用されるSJB−01のYasuda−Shedlovskyプロットを提供する。 pHの関数としてのSJB−01(L100142−69−1)種の分布を示すグラフを提供する。 pHの関数としてのSJB−01のBjerrumプロットを提供し、理論(実線)(L100142−69−1)に適合する実験データ(点)の分布を示す。 pHの関数(L100142−65−4)としてLogD分布プロファイルを提供し、logD7.40は、3.04であった。 pHの関数としてのSJB−01のBjerrumプロットを提供し、理論(実線)に適合する実験データ(点)の分布を示す。2次実線は、分配溶媒(L100142−65−4)がない状態の水性媒体中の種の分布に対応する。 SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβのXRPDパターンを示す。 SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβのTGA/DSCサーモグラムを提供する。 SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβのDVS等温線を提供する。実験後の形状変化はない。 DMSO−d中の、SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)の溶液のH NMRスペクトル、パターンβを提供する。 SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβの顕微鏡画像を提供する。 SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβの粒度分布を示す。 L100142−21−1(ロット番号17−12607)、L100142−1−1(ロット番号2223168)、及びブランク(希釈剤、ACN:水1:1体積)のクロマトグラムを昇順で提供する。ピーク表が、表1に示される。 参照用のパターンβ(L100142−1−1)のXRPDパターン、ならびに様々な量のパターンα(L100142−5−24は、純粋なパターンαである)を示すIPA(L100142−5−17)、IPA:水(L100142−5−23)、MIBK(L100142−5−24(α))、及びMtBE(L100142−5−25)の蒸発による固体のXRPDパターンを示す。 参照用のパターンα及びβのXRPDパターン、ならびに−20℃、EtOAc中での再結晶化による固体で示される新しいパターンγ(+β)(L100142−16−2)を示す。 (1)最初の試料、(2)1日後の同じ試料、(3)翌日のバイアルの固体の50℃でのIPAの蒸発による固体のXRPDパターン(L100142−28−3)、(4)50℃でのMIBKの蒸発から回収された固体で示されるパターンβを示す。 50℃でのIPAの滞留蒸発による固体のDSCサーモグラム、パターンα(L100142−28−3)を提供する。 最初にサンプリングされた場合の1−PrOHからの固体のXRPDパターン、及びサンプリング後のバイアルからの固体のXRPDパターン(L100142−37−1)を示す。 パターンβをもたらすL100142−37−1を含むゲルを播種することにより形成された固体のXRPDパターン、及び微量のβを伴うパターンαをもたらす、未播種のゲルから得られた固体のXRPDパターンを示す。 最初にサンプリングされた場合の1−PrOHからの固体、50℃で30分間乾燥した後の固体、及びサンプリングの1時間後のバイアルからの固体のXRPDパターンを示す(L100142−37−6)。 依然として、パターンα及びβの両方に固有の2つの融解吸熱を示す、乾燥パターンα(L100142−37−6)のDSCサーモグラムを提供する。 最初にサンプリングされた場合の1−PrOHからの固体、及びサンプリングの1時間後のバイアルからの固体のXRPDパターン(L100142−37−5)を示す。 まず180℃に加熱され、次に、25℃に冷却された遊離塩基パターンβ(L100142−1−1)のDSCサーモグラムを提供する。実験後、パンの内容物をXRPDで分析した(図24)。 DSC(図23のサーモグラム)により観察された、参照用のSJB−01パターンβ(L100142−1−1)のXRPD、及び溶融させ、次に冷却している物質により示されるアモルファスパターンを示す。 低強度で広いこぶを示すアモルファス粉末(L100142−19−1)のXRPDパターンを示す。 自由流動性アモルファスSJB−01(L100142−19−1)のTGA/DSCサーモグラムを提供する。 140℃に加熱された自由流動性アモルファス遊離塩基(L100142−19−1)のTGA/DSCサーモグラムを提供する。実験後のパンの内容物をXRPDで分析した(図28)。 参照用のパターンα及びβのXRPDパターン、ならびに熱処理直後、その後の2週間後に、アモルファス遊離塩基を140℃に加熱して、回収された固体のXRPDパターンを示す。熱処理は、TGA/DSCにより観察され、このサーモグラムは、図27に提示される。 形成後(1)(2つの異なるXRPD試料がその時点で同じバッチから調製されたので、わずかに異なって見える2つのパターンが提示される)、5日後(2)、17日後(3)、及び85℃に加熱した後(4)(図30に示される加熱のサーモグラム)、の粉末アモルファス遊離塩基(L100142−19−1)のXRPDパターンを示す。 粉末アモルファス遊離塩基(L100142−19−1)の85℃への加熱のDSCサーモグラムを提供する。実験後のパンの内容物のXRPDは、図29の(4)とラベル付けされたパターンを示す。 粉末アモルファス遊離塩基(100142−19−1)を140℃に加熱することにより生成されたパターンα+βの変化が、2週間室温で放置された後、パターンαの微量のみを有するパターンに変化することを示す。参照用のパターンβ及びαが示される。 40℃/75%のRHで、1週間前及び1週間後のアモルファスSJB−01(L100142−19−1)及びパターンα(L100142−37−5)のXRPDパターンを示す。参照用のパターンβが示される。 パターンα(試料L100142−37−1a)のXRPDパターンを示す。 パターンα及びβの両方に固有の2つの融解吸熱を示す乾燥パターンα(L100142−37−6)のDSCサーモグラムを提供する。パターンαが、溶融時にパターンβとして再結晶化し、続いて、パターンβを溶融する可能性がある。 パターンα(L100142−37−5)のDVS等温線を提供する。 DVSの前(下)及び後(上)のパターンα(L100142−37−5)のXRPDパターンを示す。 パターンα(L100142−37−6)の顕微鏡画像を提供する。 固体SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβのXRPDパターンを示す。 固体SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)のTGA/DSCサーモグラム、パターンβを提供する。 固体SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβのDVS等温線を提供する。実験後の形状変化はない。 固体SJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)、パターンβの顕微鏡画像を提供する。 アモルファスSJB−01固体のXRPDパターンを示す。 アモルファスSJB−01固体のTGA/DSCサーモグラムを提供する。 自由流動性アモルファス遊離塩基SJB−01(L100142−19−1)の顕微鏡画像を提供する。 粉末アモルファス遊離塩基SJB−01(L100142−34−1)のDVS等温線を提供する。実験後のXRPDが、図46に提示される。 DVS前及びDVS後のアモルファス遊離塩基SJB−01のXRPDパターン(図45に提示される等温線)を示す。 パターンβからの減算によるSJB−01パターンγのXRPDを示す。 パターンβを示す塩スクリーニングで観察された結晶性固体の全てのXRPDを示す。パターンは、表6のデータに対応する。 XRPDパターンを示し、室温(22〜23℃)で種々の溶媒中でスラリー化された固体に対する全てがパターンβに一致する。IDラベルに対応する条件が、表7に見出される。 XRPDパターンを示し、全ては、50℃で種々の溶媒中でスラリー化された固体についてパターンβに一致する。IDラベルに対応する条件が、表7に見出される。 SJB−01(L100142−1−1)を投入物質として用いる徐冷及び急冷結晶化のXRPDパターンを示し、全てがパターンβと一致する。実験の詳細及び結果が、表8にまとめられる。 投入物質としてSJB−01(L100142−21−1)を用いる徐冷結晶化のXRPDパターンを示し、全てがパターンβと一致する。ラベルが、表9に対応する。 投入物質としてSJB−01(L100142−21−1)を用いる急冷結晶化のXRPDパターンを示し、全てがパターンβと一致する。ラベルが、表9に対応する。 滞留冷却結晶化実験から得られた固体のXRPDパターンを示す。ラベルは、表10の実験IDに対応する。 貧溶媒結晶化実験から得られた固体のXRPDパターンを示し、全てがパターンβと一致する。ラベルは、表11の実験IDに対応する。 参照用の遊離塩基パターンβ(L100142−1−1)ならびにTHF(L100142−13−3)、アセトン(L100142−13−4)、及びMIBK(L100142−13−6)のフラッシュ蒸発から得られた固体のXRPDパターンを示す。実験の詳細が、表12に提示される。 パターンβに一致するMIBK(L100142−25−1)の回転蒸発による固体のXRPDパターンを示す。 MIBKまたはIPAの撹拌蒸発から得られた固体のXRPDパターンを示し、全てがパターンβと一致する。ラベルは、表14の実験IDに対応する。 40、50、及び60℃でのIPAの蒸発から得られた固体のXRPDパターンを示す。全てがパターンβである。 SJB−01(L100142−1−1、パターンβ)乾燥を粉砕後に、または15μLの選択された溶媒で、回収された固体のXRPDパターンを示す。形状に変化はないが、乾燥及びMtBEドロップミリングされた試料は、出発物質よりも結晶性が実質的に低い。ラベルは、表16の実験IDに対応する。 in−situでの塩の形成及び水との不均化から得られた固体のXRPDパターン(下から上へ順序付けられたL100142−18−1→L100142−18−12)を示し、表17に見出すことができるものを詳述する。全ての固体により示されたパターンは、パターンβである。 溶融物の冷却/固化後に得られた透明な「割れたガラス」遊離塩基(左)、ならびに、針及びスパチュラでガラスをこすりとった/粉砕した後の白色粉末状のアモルファス遊離塩基(右)の写真を提供する。 粉末アモルファス遊離塩基(L100142−19−1)のx軸に時間及び温度を示すDSCサーモグラムを提供して、時系列で熱イベントを示し、あるサイクルから次のサイクルまでの同じ熱範囲での挙動の違いを強調する。 粉末アモルファス遊離塩基(L100142−19−1)のx軸に温度を示すDSCサーモグラムを提供して、時系列で熱イベントを示し、あるサイクルから次のサイクルまでの同じ熱範囲での挙動の違いを強調する。 針で突いた後の図63〜64のDSC実験の試料(同じパン内)の加熱について記録されたDSCサーモグラムを提供する。 IPA(L100142−14−1)、水(L100142−14−2)、IPA:水(9:1体積)(L100142−14−3)、IPAc(L100142−14−4)、MtBE(L100142−14−5)、及びシクロヘキサン(L100142−14−6)の参照用の遊離塩基パターンβ(L100142−1−1)、及びアモルファス遊離塩基のスラリーから得られた固体のXRPDパターンを示す。実験の詳細が、表18に提示される。 1mMのHCL、pH3.0におけるSJB−01の固有の溶解速度を示す。 ラットにおける固体化合物の吸収を示す。A:Sprague Dawleyラットにおける固体微粉化SJB−01の吸収を示す。B:化合物の用量比例性を示す。 ラットにおける固体化合物の吸収を示す。A:Sprague Dawleyラットにおける固体微粉化SJB−01の吸収を示す。B:化合物の用量比例性を示す。 SJB−01、アルファ形のDSCサーモグラムを提供する。 SJB−01、ベータ形のDSCサーモグラムを提供する。 SJB−01、アルファ形のTGAサーモグラムを提供する。 SJB−01のHSM偏光画像を提供する。(注:*針状結晶が、この温度でも観察される)。 SJB−01のX線回折図を提供する。赤:アルファ(バッチ60119−80)、青:ベータ(バッチ60095−076)。 SJB−01、アルファのIRスペクトルを提供する。 SJB−01、アルファ(赤)及びベータ(青)のIRスペクトルを提供する。 SJB−01のUVスペクトルを提供する。 (1)100Kで収集された単結晶データから計算された、(2)290Kで収集された単結晶データから計算された、及び(3)室温(約298K)でバルク試料から収集されたパターンβの、SJB−01のXRPDパターンを提供する。 原子標識スキームを使用したSJB−01(L100149−74−13)の2つの結晶学的に独立した分子の50%の確率レベルでの熱楕円体表現を提供する。破線は、密接な接触を示す。水素結合は、細い破線として描かれる。N4−H4…F1水素結合は、かなり長く(2.556(19)Å)、それ故、せいぜい非常に弱い相互作用であることに留意すべきである。2つの分子は、正しい相対的な向きで示される。 第2の分子を反転した後の、全てのラベル付き原子を介して計算されたSJB−01(L100149−74−13)の2つの独立した分子のオーバーレイを提供する。RMS偏差は、0.09Åである。 SJB−01(L100149−74−13)の構造のパッキングプロットを提供する。パネルA、B、及びCは、それぞれ、結晶学的a−、b−、及びc−軸に沿った投影のパッキングを示す。水素結合は、細い破線として描かれる。 SJB−01(L100149−74−13)の構造の模擬粉末回折図を提供する。 緩衝液のSJB−01溶解度(スケール0.004〜0.011mg/mL)対pH(スケール0〜8)のプロットを提供する。 HPLCピーク面積をSJB−01の濃度に関連付けるために使用される検量線を提供する。
発明の詳細な説明
本開示は、(本明細書ではSJB−01とも呼ばれる)2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドの複数の多形及びアモルファス形態の発見に関するものである。SJB−01は、NK3受容体アンタゴニストである。SJB−01は、選択的NK3受容体アンタゴニストである(例えば、少なくともNK1及びNK2よりもNK3について選択的である)。一部の実施形態では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2021522341
の多形及びアモルファス形態に関する。記載された多形及びアモルファス化合物を含む医薬組成物、記載された化合物を含む組成物を使用して精神病またはほてりなどの状態または疾患を処置する方法、ならびに記載された化合物を製造する方法も開示される。
定義
本明細書で別途定義されない限り、本出願に関連して使用される科学的及び技術的用語は、当業者らにより一般に理解される意味を有するものとする。さらに、別途文脈により必要とされない限り、単数形の用語は、複数を含み、複数形は、単数形を含むものとする。
本明細書で使用される場合、「含むこと(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、本発明に必須である組成物、方法、キット、及びそれらのそれぞれの構成要素(複数可)に関して使用され、さらに、必須であるかどうかにかかわらず、不特定の要素を含める余地がある。
本明細書で使用される場合、「から本質的にからなる」という用語は、所与の実施形態に必要な要素を指す。用語は、本発明のその実施形態の基本的及び新規または機能的特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさない追加の要素の存在を可能にする。
「からなる」という用語は、本明細書に記載の組成物、方法、キット、及びそれらのそれぞれの構成要素を指し、これらは、実施形態のその説明に記載されていない要素を除く。
操作例以外は、または別途示された場合、本明細書で使用される成分または反応条件の量を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によりされると理解されるべきである。パーセンテージに関連して使用される場合、「約」という用語は、±1%を意味し得る。
「a」、「an」、及び「the」という単数形の用語は、別途文脈で明らかに示されない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語は、文脈が別途明示しない限り、「及び」を含むことを意図される。さらに、核酸またはポリペプチドについて与えられた全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、及び全ての分子量または分子量の値は、概算であり、説明のために提供されていることを理解されるべきである。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法及び物質を本開示の実施または試験に使用することができるが、好適な方法及び物質が以下に記載される。「含む(comprises)」という用語は、「含む(includes)」を意味する。略語、「例えば」、標準例(Latin exempli gratia)に由来し、非限定例を示すために本明細書に使用される。従って、「e.g.」という略語は、「例えば」という用語と同義である。
本明細書で使用される場合、薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム、及びアルキル化アンモニウム塩を含む。酸付加塩は、無機酸の塩及び有機酸を含む。
好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸などが挙げられる。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
好適な有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、イタコン酸、乳酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、テオフィリン酢酸、及び8−ハロテオフィリン、例えば、8−ブロモテオフィリンなどが挙げられる。薬学的に許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例としては、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharm.Sci.1977,66,2に記載される薬学的に許容される塩が挙げられる。
金属塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩などが挙げられる。
アンモニウム塩及びアルキル化アンモニウム塩の例としては、アンモニウム、メチル−、ジメチル−、トリメチル−、エチル−、ヒドロキシエチル−、ジエチル−、n−ブチル−、sec−ブチル−、tert−ブチル−、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、化合物の「治療的有効量」という用語は、該化合物の投与を含む治療的介入における、所与の疾患及びその合併症の臨床症状を治癒、緩和、または部分的に阻止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに十分な量は、「治療的有効量」として定義される。各目的のための有効量は、疾患または損傷の重症度、ならびに対象の体重及び一般的状態に依存するであろう。適切な投薬量を決定することは、値のマトリックスを構築し、マトリックス内の異なる点を試験することにより、所定の実験を使用して達成され得ることが理解されるであろう。これは全て、訓練された医師の通常のスキルの範囲内である。
本明細書で使用される場合、「処置」及び「処置すること」という用語は、疾患または障害などの状態を防止することを目的とした患者の管理及びケアを意味する。用語は、患者が罹患している所与の状態に対する処置の全範囲、例えば、症状もしくは合併症を緩和し、疾患、障害、もしくは状態の進行を遅延させ、症状及び合併症を緩和もしくは軽減し、及び/または疾患、障害、もしくは状態を治癒もしくは排除し、ならびに状態を予防する活性化合物の投与、を含むことが意図され、予防は、疾患、状態、または障害を防止することを目的として、患者の管理及びケアとして理解されるべき、症状または合併症の発症を予防する活性化合物の投与を含む。それにもかかわらず、防止的(予防的)及び治療的(治癒的)処置は、本発明の2つの別々の態様である。処置される患者は、好ましくは、哺乳動物、特に、ヒトである。
用語及び略語
Figure 2021522341
多形及びアモルファス形態
本開示は、(本明細書では、SJB−01とも呼ばれる)2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドの複数の多形及びアモルファス形態の発見に関し、これは、式(I):
Figure 2021522341
の分子構造を有する。SJB−01は、C2324FNの分子式及び393.46g/molの分子量を有する。一部の実施形態では、SJB−01は、2つのpKa値、5.83±0.11の酸性値及び3.03±0.11の塩基性値を有することを特徴とする。一部の実施形態では、SJB−01はさらに、4.73±0.14のLogP値及びLogD7.40=3.04であるLogDプロファイルを有することを特徴とする。
一部の実施形態では、複数の多形形態は、アルファ形、ベータ形、及びガンマ形を含む。一部の態様では、2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドのアルファ多形形態が提供される。他の態様では、2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドのベータ多形形態が提供される。一部の態様では、2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドのガンマ多形形態が提供される。他の態様では、2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドのアモルファス形態が提供される。
アルファ形
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形は、アルファ形である。一部の態様では、多形は、実質的に図33に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。一部の態様では、多形は、実質的に図34に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。多形は、実質的に図35に示される動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを示し得る。
例えば、XRPDパターン、DSCサーモグラム、DVSプロット、またはTGAグラフを指す場合の「実質的に示される」という用語は、本明細書に示されるものと必ずしも同一ではないパターン、サーモグラム、プロット、またはグラフを含むが、それは、当業者により考慮される場合、実験誤差または偏差の範囲内にある。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、以下のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:(a)実質的に図33に示されるXRPDパターン、(b)実質的に図34に示されるDSCサーモグラム、及び、(c)実質的に図35に示されるDVS等温線プロット。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、アルファ形多形)は、実質的に図33に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する2θ度−反射の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つを示すXRPDパターンを有する。相対強度は、試料調製、実装、及び器具、ならびにスペクトルを得るために使用される分析手順及び設定を含む多くの要因に応じて変化し得ると理解すべきである。本明細書に記載のピーク識別は、+/−0.2度2θの変動を包含することが意図される。
特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約6.37°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約6.37°及び8.60°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約6.37°、8.60°、及び10.72°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約6.37°、8.60°、9.06°、10.72°、及び14.62°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約6.37°、8.60°、9.06°、10.72°、11.76°、17.13°、及び23.02°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約6.37°、8.60°、9.06°、10.72°、11.76°、12.71°、14.62°、17.13°、19.74°、23.02°、及び24.99°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、アルファ形)は、約13.86、10.27、及び8.25(Å)の面間距離(d間隔)値にピークを含むXRPDパターンを有する。特定のそのような態様では、XRPDパターンはさらに、約9.75、7.52、5.17、及び3.86(Å)の面間距離(d間隔)値でのピークを含む。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、アルファ形)は、図33に記載のものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、アルファ形多形)は、約157.1℃に吸熱ピークを含むDSCサーモグラムを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での6〜8μg/mLの範囲の水及び模擬流体への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での6μg/mLの水への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での8μg/mLの絶食状態の模擬腸液(FaSSIF)への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での7μg/mLの絶食状態の模擬胃液(FaSSGF)への溶解度を有する。
一部の実施形態では、化合物(I)の多形は、実質的に純粋なアルファ形多形である。一部の態様では、「実質的に純粋な」は、他の多形形態、アモルファス形態、及び/または不純物を含む他の物質を含まない物質を指す。一部の態様では、式(I)の化合物は、アルファ形であり、80%超、例えば、85%超、90%超、92.5%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.5%超、99.8%超、(及び上述のいずれかの特定の実施形態では、100%未満)の純度を有する。一部の態様では、式(I)の化合物は、約95%または少なくとも約95%の純度を有するアルファ形である。
ベータ形
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形は、ベータ形である。一部の態様では、多形は、実質的に図38に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。一部の態様では、多形は、実質的に図39に示されるサーモグラフィー分析(TGA)/示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。多形は、実質的に図40に示される動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを示し得る。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、以下のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:(a)実質的に図38に示されるXRPDパターン、(b)実質的に図39に示されるTGA/DSCサーモグラム、及び、(c)実質的に図40に示されるDVS等温線プロット。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形多形)は、実質的に図38に示されるXRPDパターンとして最大の強度を有する、2θ度−反射のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つを示すXRPDパターンを有する。本明細書に記載のピーク識別は、+/−0.2度2θの変動を包含することが意図される。
特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約10.93°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約7.80°及び10.93°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、多形は、約7.80°、9.79°及び10.93°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約7.80°、9.79°、10.93°、25.17°、及び20.80°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約7.80°、9.79°、10.93°、11.95°、16.95°、17.58°、25.17°、及び20.80°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約7.80、9.79°、10.93°、11.95°、16.95°、17.58°、25.17°、20.80°、21.95°、及び28.25°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約7.80°、9.79°、10.93°、11.95°、16.95°、17.58°、18.94°、20.80°、21.95°、24.02°、25.17°、及び28.25°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)は、約11.323及び8.086(Å)の面間距離(d間隔)値にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)は、約11.323、9.029、及び8.086(Å)の面間距離(d間隔)値にピークを含むXRPDパターンを有する。特定のそのような態様では、XRPDパターンはさらに、約7.40、5.23、5.04、4.68、4.53、4.27、4.05、3.70、3.62、3.53、及び3.16(Å)の面間距離(d間隔)値にピークを含む。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)は、図38で記載されたものと実質的に同様のXRPDパターンを特徴とする。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形多形)は、約163℃に吸熱ピークを含むDSCサーモグラムを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での5〜8μg/mLの範囲または6〜10μg/mLの範囲の水及び模擬流体への溶解度を有する。多形の溶解度は、水溶液のpHに応じて変動し得る。特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での5μg/mLの水への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での8μg/mLの絶食状態の模擬腸液(FaSSIF)への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約37℃での6μg/mLの絶食状態の模擬胃液(FaSSGF)への溶解度を有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)は、約37℃での6.4〜9.8μg/mLの緩衝液への溶解度を有する。特定の態様では、緩衝液中の式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)の溶解度は、pHの増加とともに減少する。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形多形)は、光学顕微鏡法を使用して識別される棒状のモルフォロジーを有する。一部の態様では、粒子は、100μmを超える長さを有する。一部の態様では、粒子は、約100μm以上の長さを有する。
一部の実施形態では、化合物(I)の多形は、実質的に純粋なベータ形多形である。一部の態様では、「実質的に純粋な」は、他の多形形態、アモルファス形態、及び/または不純物を含む他の物質を含まない物質を指す。純度は、例えば、HPLCまたはNMRにより評価されてもよい。一部の態様では、式(I)の化合物は、ベータ形であり、80%超、例えば、85%超、90%超、92.5%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.5%超、99.8%超(及び上述のいずれかの特定の実施形態では、100%未満)の純度を有する。一部の態様では、式(I)の化合物は、約95%または少なくとも約95%の純度を有するベータ形である。一部の態様では、式(I)の化合物は、約99%または少なくとも約99%の純度を有するベータ形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)は、2つの結晶学的に独立した分子を含む結晶構造を有する。一部の態様では、2つの結晶学的に独立した分子は、疑似中心対称二量体を形成する。一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形(例えば、ベータ形)は、図78で記載されたものと実質的に同様の2つの結晶学的に独立した分子を含む結晶構造を特徴とする。
ガンマ形
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形は、ガンマ形である。一部の態様では、多形は、実質的に図47に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。特定のそのような実施形態では、ガンマ形は、ベータ形と共に共結晶化される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、ガンマ形多形)は、実質的に図47に示されるXRPDパターンとして最大強度を有する、2θ度−反射の少なくとも2つまたは少なくとも3つを示すXRPDパターンを有する。本明細書に記載のピーク識別は、+/−0.2度2θの変動を包含することが意図される。
特定の態様では、式(I)の化合物の多形は、約5.62°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約4.31°及び5.62°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。一部の態様では、式(I)の化合物の多形は、約4.31°、5.62°、及び6.71°2θ(+/−0.2度2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
一部の実施形態では、化合物(I)の多形は、実質的に純粋なガンマ形多形である。一部の態様では、「実質的に純粋な」は、他の多形形態、アモルファス形態、及び/または不純物を含む他の物質を含まない物質を指す。一部の態様では、式(I)の化合物は、ガンマ形であり、80%超、例えば、85%超、90%超、92.5%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.5%超、99.8%超、(及び上述のいずれかの特定の実施形態では、100%未満)の純度を有する。一部の態様では、式(I)の化合物は、約95%または少なくとも約95%の純度を有するガンマ形である。
アモルファス形態
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、アモルファス形態である。一部の態様では、アモルファス形態は、実質的に図42に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。一部の態様では、アモルファス形態は、実質的に図43に示されるサーモグラム分析(TGA)/示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。アモルファス形態は、実質的に図45に示される動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを示し得る。
一部の態様では、式(I)の化合物のアモルファス形態は、以下のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを有する:(a)実質的に図42に示されるXRPDパターン、(b)実質的に図43に示されるTGA/DSCサーモグラム、及び、(c)実質的に図45に示されるDVS等温線プロット。
一部の態様では、式(I)の化合物のアモルファス形態は、約37℃での5〜18μg/mLの範囲の水及び模擬流体への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物のアモルファス形態は、約37℃での5μg/mLの水への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物のアモルファス形態は、約37℃での18μg/mLの絶食状態の模擬腸液(FaSSIF)への溶解度を有する。特定の態様では、式(I)の化合物のアモルファス形態は、約37℃での6μg/mLの絶食状態の模擬胃液(FaSSGF)への溶解度を有する。
一部の実施形態では、化合物(I)のアモルファス形態は、実質的に純粋なアモルファス形態である。一部の態様では、「実質的に純粋な」は、多形形態及び/または不純物を含む他の物質を含まない物質を指す。一部の態様では、式(I)の化合物は、アモルファス形態であり、80%超、例えば、85%超、90%超、92.5%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.5%超、99.8%超(及び上述のいずれかの特定の実施形態では、100%未満)の純度を有する。一部の態様では、式(I)の化合物は、約95%または少なくとも約95%の純度を有するアモルファス形態である。
多形またはアモルファス形態を生成する方法
2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドの1つまたはそれより多くの多形またはアモルファス形態は、2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドから調製されてもよい。
一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のベータ形多形である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物の実質的に純粋なベータ形多形である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のガンマ形多形である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物の実質的に純粋なガンマ形多形である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のアルファ形多形である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物の実質的に純粋なアルファ形多形である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のアモルファス形態である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物の実質的に純粋なアモルファス形態である。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のベータ形多形及び式(I)の化合物のアルファ形多形を含む。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のベータ形多形及び式(I)の化合物のガンマ形多形を含む。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のガンマ形多形及び式(I)の化合物のアルファ形多形を含む。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のベータ形多形、式(I)の化合物のアルファ形多形、及び式(I)の化合物のガンマ形多形を含む。一部の態様では、式(I)の化合物の調製形態は、式(I)の化合物のベータ形多形及び式(I)の化合物のアモルファス形態を含む。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物を溶媒と組み合わせて、式(I)の化合物のうちの1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を生成することを含む。一部の態様では、溶媒は、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を生成するための好適な溶媒または好適な溶媒の混合物である。一部の態様では、溶媒は、メタノール、エタノール、水、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテル、n−ヘプタン、アセトニトリル、アセトン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、トルエン、ニトロメタン、酢酸メチル、アニソール、及びそれらの任意の混合物からなる群より選択される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、冷却結晶化、蒸発結晶化、乾式及び液滴粉砕、ならびに塩不均化を含む。一部の態様では、冷却結晶化法は、急冷及び徐冷及び滞留冷却を含む。一部の態様では、蒸発結晶化法は、フラッシュ蒸発、回転蒸発、撹拌蒸発、及び滞留蒸発を含む。
一部の態様では、多形(例えば、式(I)の化合物のベータ形多形)は、式(I)の化合物を1つまたはそれより多くの溶媒に溶解させることにより生成される。一部の態様では、溶媒は、トルエン、メチルエチルケトン、ニトロメタン、酢酸メチル、アニソール、1−ブタノール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。一部の態様では、溶媒は、2−プロパノール、水、メタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトン、ヘプタン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。一部の態様では、溶媒は、2−プロパノール、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1−ブタノール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。一部の態様では、溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルイソブチルケトン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。一部の態様では、溶媒は、メチルイソブチルケトン、2−プロポナール、1−プロポナール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
一部の態様では、多形(例えば、式(I)の化合物のアルファ形多形)は、式(I)の化合物を1−プロポナールに溶解させることにより生成される。溶解化合物は、約85〜95℃または約90℃に設定されてもよい。1−プロポナールは、ゲルを得るために蒸発させてもよい。次に、ゲルは、ゲルが結晶化するまで、約45〜55℃または約50℃に設定されてもよい。結晶性固体は、アルファ形多形を含んでもよい。
一部の態様では、式(I)の化合物のアモルファスは、式(I)の化合物のベータ形多形を約170〜180℃または約175℃に溶融することにより生成される。次に、溶融物は、白色流動性粉末を形成するように粉砕される固体を得るために冷却される。得られた粉末は、式(I)の化合物のアモルファス形態を含んでもよい。
一部の態様では、多形(例えば、ガンマ形多形)は、式(I)の化合物の溶液、例えば、酢酸エチル溶液、を飽和させることにより生成される。飽和は、ほぼ室温で生じる。飽和後、組成物は、−20℃で1週間保存される。1週間保存された組成物は、ガンマ形多形を含んでもよい。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を生成することを含み、溶媒が、メタノール、エタノール、水、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテル、n−ヘプタン、アセトニトリル、アセトン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、トルエン、ニトロメタン、酢酸メチル、アニソール、及びそれらの任意の混合物からなる群より選択される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含むスラリー組成物を生成することを含み、溶媒が、トルエン、メチルエチルケトン、ニトロメタン、酢酸メチル、アニソール、及び1−ブタノールからなる群より選択される。一部の実施形態では、スラリーは、22〜23℃の温度で形成され、2〜3日間維持される。一部の実施形態では、スラリーは、50℃の温度で形成され、2日間維持される。一部の態様では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒(溶媒が、2−プロパノール:水(85:15)、メタノール:水(85:15)、メチルイソブチルケトン、2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、及びアセトン:ヘプタン(2:1)からなる群より選択される)を組み合わせて、飽和溶液を生成すること;ならびに飽和溶液を急冷または徐冷して、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること、を含む。一部の実施形態では、飽和溶液は、50℃の温度で形成される。一部の態様では、飽和溶液の急冷は、氷浴中で飽和溶液を入れること、及び飽和溶液を約0℃の温度に冷却させることを含む。他の態様では、飽和溶液の徐冷は、飽和溶液を3時間にわたって22〜23℃の温度に冷却することを含む。一部の態様では、飽和溶液の徐冷は、飽和溶液の温度を1時間当たり5℃低下させることを含む。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、飽和溶液を生成すること(溶媒が、2−プロパノール、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸イソプロピル、及び1−ブタノールからなる群より選択される);ならびに、飽和溶液を滞留冷却して、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること、を含む。一部の実施形態では、飽和溶液は、22〜23℃の温度または63℃の温度で形成される。一部の実施形態では、飽和溶液の滞留冷却は、飽和溶液を−20℃に約24時間または約1〜2週間の期間設定することを含む。一部の実施形態では、飽和溶液の滞留冷却は、飽和溶液を22〜23℃で24時間設定することを含む。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形、ガンマ形多形、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、溶液を生成すること(溶媒が、メタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、及びアセトンからなる群より選択される);ならびに、貧溶媒を溶液に滴加して、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること(貧溶媒が、水またはヘプタンである)を含む。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、溶液を生成すること(溶媒が、メタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、及びアセトンからなる群より選択される);ならびに、溶液を貧溶媒に添加して、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること(貧溶媒が、水またはヘプタンである)を含む。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、溶液を生成すること(溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトン、及びメチルイソブチルケトンからなる群より選択される);ならびに、溶液を表面に滴下して堆積させて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含むゲルを形成すること、を含む。一部の実施形態では、溶液は、50℃の温度で調製され、120℃の温度で表面に堆積される。溶媒は、表面に溶液を堆積させた後に蒸発させてもよい。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、溶液を生成すること(溶媒が、メチルイソブチルケトンである);ならびに、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を蒸発させて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること、を含む。一部の実施形態では、溶媒は、70℃の温度でロータリーエバポレーターを使用して蒸発させる。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、ほぼ飽和した溶液を生成すること(溶媒が、2−プロパノール及びメチルイソブチルケトンからなる群より選択される);ならびに、溶媒をほぼ飽和した溶液から一晩蒸発させて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること(ほぼ飽和した溶液が、蒸発中に撹拌される)、を含む。一部の実施形態では、ほぼ飽和した溶液は、50℃の温度で調製される。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物及び溶媒を組み合わせて、溶液を生成すること(溶媒が、2−プロパノール、メチルイソブチルケトン、1−プロポナール、及び1−ブタノールからなる群より選択される);ならびに、溶液から溶媒を滞留蒸発させて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること、を含む。一部の実施形態では、溶媒は、2−プロパノールまたはメチルイソブチルケトンである。一部の実施形態では、溶媒を蒸発させる前に、溶液を60℃に加熱し、蒸発温度は、50℃である。一部の実施形態では、溶液は、(例えば、50℃の温度で)飽和溶液であり、蒸発温度は、40℃〜60℃である。一部の実施形態では、溶媒は、1−ブタノールまたは1−プロポナールであり、蒸発温度は、90℃〜100℃である。一部の実施形態では、蒸発によりゲルがもたらされ、ゲルは、50℃に設定される。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形、アルファ形多形、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物を粉砕カプセル内で毎回30秒間3回粉砕して、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成することを含む。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、溶媒と組み合わせて粉砕され、溶媒は、メタノール:水(85:15)、エタノール、2−プロパノール、メチルイソブチルケトン、及びtert−−ブチルメチルエーテルからなる群より選択される。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物をエタノールに溶解させて、溶液を生成すること;溶液に酸を加えて、酸性溶液を形成すること(酸が、ベンゼンスルホン酸、臭化水素酸、塩酸、メタンスルホン酸、硫酸、及びトルエンスルホン酸からなる群より選択される);ならびに、酸性溶液に水を加えて、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること、を含む。一部の実施形態では、方法は、22〜23℃の温度または50℃の温度で行われる。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
一部の態様では、式(I)の化合物のアモルファス形態を生成する方法は、式(I)の化合物を溶融すること;及び、溶融化合物を冷却して、式(I)の化合物のアモルファス形態を含む固体を形成すること、を含む。一部の実施形態では、溶融化合物は、25℃の温度に冷却される。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、化合物を融解させるために、175℃または180℃の温度に加熱される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形を生成する方法は、式(I)の化合物を175℃の温度に加熱して、溶融化合物を形成すること;溶融化合物を冷却して、式(I)の化合物のアモルファス形態を含む固体を形成すること;ならびに、溶媒を固体に添加して、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む組成物を形成すること(溶媒が、2−プロポナール、2−プロポナール:水(9:1)、酢酸イソプロピル、tert−ブチルメチルエーテル、水、及びシクロヘキサンからなる群より選択される)、を含む。一部の実施形態では、式(I)の化合物の生成された多形は、ベータ形多形である。
上述のいずれかの特定の態様では、実質的に純粋な結晶形態、特に、式(I)の化合物の実質的に純粋なベータ形多形、を生成する方法において多形を生成する方法。特定の実施形態では、投入化合物は、実質的に不純物を含まない。特定の態様では、方法は、式(I)の化合物をアセトンに溶解させて、第1の溶液を形成すること、n−ヘプタンを溶液に徐々に添加して、懸濁液を形成すること(アセトン:n−ヘプタン比が1:2である);懸濁液を約55℃の温度に加熱すること、及び懸濁液を約−20℃の温度に徐冷して、式(I)の化合物のベータ形多形を得ること、を含む。
特定の態様では、実質的に純粋な結晶形態、特に、式(I)の化合物の実質的に純粋なベータ形多形、を生成する方法は、式(I)の化合物及び酢酸イソプロピルを組み合わせて、第1の溶液を形成すること;第1の溶液を蒸留して、酢酸イソプロピルをアセトンと交換し、第2の溶液を形成すること;n−ヘプタンを第2の溶液に添加して、懸濁液を形成すること(アセトン:n−ヘプタン比が、1:2である);懸濁液を約55℃の温度に加熱すること、ならびに、加熱懸濁液を約−20℃の温度に徐冷して、式(I)の化合物のベータ形多形を得ること、を含む。
特定の実施形態では、多形を生成する上述の方法は、溶媒の組み合わせを使用することを含む。特定の実施形態では、実質的に純粋な形態の多形を生成する方法は、再結晶化を含む。
医薬組成物
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の多形を含む。特定の態様では、組成物は、本明細書に記載の多形のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物のアモルファス形態を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物のアモルファス形態及び式(I)の化合物の少なくとも1つの多形を含む。組成物は、医薬組成物であってよい。一部の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される式(I)の化合物のベータ形を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態及び薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。医薬組成物は、本明細書に記載の形態うちの1つまたはそれより多く(例えば、アルファ形、ベータ形、ガンマ形、及び/またはアモルファス形態のうちの1つまたはそれより多く)を含んでもよい。一部の態様では、医薬組成物は、本明細書に記載の多形のうちの2つを含む。他の態様では、医薬組成物は、本明細書に記載の多形のうちの3つを含む。一部の態様では、構成する医薬は、本明細書に記載のアモルファス形態を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、実質的に純粋な多形またはアモルファス形態を含んでも、他の多形、アモルファス形態、及び/または不純物を実質的に含まなくてもよい。一部の実施形態では、医薬組成物は、実質的に純粋なベータ形多形(例えば、他の多形、アモルファス形態、及び/または不純物を実質的に含まないベータ形多形)を含む。
一部の実施形態では、化合物の特定の多形及びアモルファス形態に関して「実質的に純粋」または「実質的に遊離」という用語は、その形態を含む組成物が、他の多形形態、アモルファス形態、及び/または不純物を含む他の物質の95%重量未満、90%重量未満、80%重量未満、70%重量未満、60%重量未満、50%重量未満、40%重量未満、30%重量未満、20%重量未満、10%重量未満、5%重量未満、または1重量%未満を含有することを意味する。特定の実施形態では、「実質的に純粋な」または「実質的に含まない」は、他の多形形態、アモルファス形態、及び/または不純物を含む他の物質を含まない物質を指す。不純物は、例えば、化学反応の副産物または残留試薬、混入物質、分解生成物、他の多形形態、アモルファス形態、水、及び溶媒を含んでもよい。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形(例えば、アルファ形、ベータ形、ガンマ形)は、80%超、例えば、85%超、90%超、92.5%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.5%超、99.8%超(及び上述のいずれかの特定の実施形態では、100%未満)の純度を有する。
一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物の多形及び薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含み、多形が、α形である。一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物の多形及び薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含み、多形が、β形である。一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物の多形及び薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含み、多形が、γ形である。一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物のアモルファス形態及び薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形及び薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含み、多形が、α形、β形、γ形、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される形態を有する。
一部の態様では、医薬組成物はさらに、1つまたはそれより多くの追加の治療薬及び/または有効成分を含む。特定の態様では、医薬組成物はさらに、抗精神病薬を含む。特定の態様では、医薬組成物はさらに、副作用としてほてりがある1つ以上の薬物を含む。特定の態様では、医薬組成物はさらに、低用量ホルモン補充療法を含む。一部の態様では、医薬組成物はさらに、1つまたはそれより多くの選択的セロトニン再取り込み阻害薬を含む。一部の態様では、医薬組成物はさらに、1つまたはそれより多くのセロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)を含む。
本発明による医薬組成物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19 Edition,Gennaro,Ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1995に開示されるような従来の手法に従って、薬学的に許容される担体または希釈剤、ならびに他の任意の既知のアジュバント及び賦形剤と共に製剤化されてもよい。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、ヒトまたは非ヒト動物への投与に適する1つまたはそれより多くの適合性のある固体もしくは液体ビヒクル、充填剤、希釈剤、またはカプセル化物質を意味する。好ましい実施形態では、薬学的に許容される担体は、有効成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性物質である。本明細書で使用される「適合性」という用語は、医薬組成物の構成成分が、通常の使用状況下での医薬組成物の医薬有効性を実質的に低減させる相互作用がないような方法で、薬剤と及び互いに混合することができることを意味する。薬学的に許容される担体は、処置されるヒトまたは非ヒト動物への投与に適するように、十分に高純度で十分に低毒性でなければならない。
薬学的に許容される担体として役立ち得る物質の一部の例は、発熱性物質不含水;等張食塩水;リン酸緩衝液;糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;植物油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びテオブラマ油;ポリオール、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;糖;アルギン酸;カカオバター(坐剤ベース);乳化剤、例えば、Tweens;ならびに医薬製剤に使用される他の非毒性適合物質である。ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤及び滑沢剤、ならびに着色剤、香味剤、賦形剤、錠剤化剤、安定剤、酸化防止剤、及び防腐剤が存在することもできる。医薬組成物は、複数の異なる薬学的に許容される担体を含有することができることが理解されるであろう。
本明細書に記載の化合物と組み合わせて用いられる薬学的に許容される担体は、実用的なサイズと投薬量の関係を提供するのに十分な濃度または量で使用される。全体として、薬学的に許容される担体は、例えば、医薬組成物の約40%〜約99.99999重量%、例えば、約60%〜約99.99%、例えば、約80%〜約99/97%、約90%〜約99.95%、約95%〜約99.9%、または約98%〜約99%を含んでもよい。
経口投与及び局所適用のための単位剤形の調製に適する薬学的に許容される担体は、当該技術分野で周知である。それらの選択は、本発明の目的のために重要ではない味、コスト、及び/または貯蔵安定性のような2次的考察に依存することになり、当業者が難なく行うことができる。
薬学的に許容される組成物は、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、及び当該技術分野で周知の他の物質を含み得る。本発明の化合物と共に使用されるべき薬学的に許容される担体の選択は、基本的に、化合物が投与される方法により決定される。特に、ペプチドの例示的な薬学的に許容される担体は、米国特許第5,211,657号に記載される。そのような調製物は通常、塩、緩衝液、防腐剤、適合性担体、及び必要に応じて、他の治療薬を含有してもよい。医学で使用される場合、塩は、薬学的に許容されるべきであるが、特定の実施形態では、非薬学的に許容される塩が、その薬学的に許容される塩を調製するために都合よく使用されてもよい。そのような薬理学的及び薬学的に許容される塩としては、以下の酸から調製されるもの:塩酸、臭化水素酸塩、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸などを含むが、これらに限定されない。さらに、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩などのアルカリ金属塩またはアルカリ土類塩として調製することができる。また、化合物は薬学的に許容されるプロドラッグとして提供することができるか、または活性代謝物を使用することができることが理解されるであろう。さらに、薬剤は、例えば、標的化部分、それらの取り込み、生物学的半減期を増加させる部分(例えば、ペグ化)などで、修飾され得ることが理解されるであろう。
医薬組成物はさらに、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝液、防腐剤、適合性担体、アジュバント、及び必要に応じて、他の治療成分を含んでもよい。
一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏、液剤、デポ剤、吸入剤、及び注射、ならびに経口、非経口、または外科的投与のための通常の方法などの固体、半固体、液体、または気体形態の調製物に製剤化される。本発明はまた、インプラントなどによる、局所投与用に製剤化される医薬組成物を包含する。一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤または懸濁液として製剤化される。
多形及びアモルファス形態及びそれらの組成物の使用
一部の実施形態では、本明細書に記載の多形及びアモルファス形態は、純粋な化合物として単独で(例えば、対象に)投与することができる。代わりの態様では、多形またはアモルファス形態は、医薬組成物または製剤の形態で投与される。
一部の実施形態では、本発明は、治療に使用される本発明の組成物に関する。本明細書に記載の組成物及び使用のいずれかの場合、特定の実施形態では、ベータ形多形が投与される(例えば、ベータ形が式(I)の化合物の主要な種である組成物)。
一部の態様は、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより、対象の疾患または障害を処置または予防する方法が本明細書に開示される。一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形を含む。一部の態様では、医薬組成物は、式(I)の化合物のアモルファス形態を含む。一部の態様では、治療的有効量の医薬組成物は、対象に投与される。障害または疾患は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般的な病状による精神病性障害;物質または薬物誘導性精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質パーソナリティー障害;統合失調症型パーソナリティー障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持療法、再発予防、及び安定化);躁病;軽躁病;認知不全;ADHD;肥満症;食欲減退;過剰な体重;過剰な体脂肪;認知障害;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;痙攣;咳;喘息;気道過敏性;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;PTSD;高齢者の認知症及び興奮及びせん妄;過敏性腸症候群及び炎症性腸障害を含む炎症性疾患;嘔吐;子癇前症;気道過敏性;限定されないが、良性前立腺過形成(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性ざ瘡、男性型脱毛症、子宮内膜症、異常な思春期、子宮筋腫、ホルモン依存性癌、アンドロゲン過剰症、多毛症、男性化、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群(アンドロゲン過剰症、インスリン抵抗性、及び黒色表皮腫)、卵巣過形成症(卵巣間質における黄体化卵胞膜細胞の過形成を伴うHAIR−AN)、高卵巣内アンドロゲン濃度の他の症状(例えば、濾胞性成熟停止、閉鎖症、無排卵、月経困難症、機能不全の子宮出血、不妊症)ならびにアンドロゲン産生腫瘍(男性化卵巣または副腎腫瘍)を含む生殖障害及び性ホルモン依存性疾患;婦人科障害、ならびに不妊症から選択されてもよい。
一部の態様は、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより、対象のほてりを処置または予防する方法が本明細書に開示される。一部の態様では、ほてりは、閉経、卵巣または精巣の除去、乳癌の処置、アンドロゲン遮断療法、性腺機能不全症及び低血清ゴナドトロピンレベル、白血病、ノンディッパー型高血圧、カルシノイド症候群、閉経後のアンドロゲン過剰症、または男性及び女性の思春期早発症の結果として生じる。一部の態様では、ほてりは、薬物誘発性のほてりである。一部の態様では、処置または予防の方法は、それを必要とする対象におけるものである。一部の態様では、対象は、閉経後または閉経周辺期の女性である。一部の態様では、ほてりを処置または予防する方法は、ベータ形多形などの本開示の化合物または医薬化合物のいずれかを、1日1回の投与に適する形態で(または1日1回投与の投与計画に従って)投与することによるものである。
本明細書に開示の一部の態様は、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより、対象の婦人科障害及び不妊症を処置する方法である。一部の態様では、方法は、補助受胎におけるLHサージの抑制を含む。一部の実施形態では、化合物は、男性の去勢を引き起こし、及び/または男性の性衝動を阻害するために投与される。
本明細書に開示の一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより、対象の過剰な体脂肪及び/または過剰な体重を処置(例えば、体重増加を処置、予防、阻止、及び/または低減)するための方法が本明細書に開示される。一部の態様では、対象の体脂肪及び/または過剰体重の過剰を処置する方法は、体脂肪及び/または体重を減少させること;体重増加の防止及び/または体重増加の停止すること;血漿トリグリセリドレベルを減少または維持すること;レプチン耐性を改善すること;高血糖症を低減させること及び/または糖尿病の発生率または重症度を減少させること;高脂血症及び/または高トリグリセリド血症を低減させること;食物摂取量を減少させること;心血管障害、睡眠障害、代謝状態、または糖尿病関連状態を含む体重増加に関連する少なくとも1つの状態を改善すること;摂食障害、夜間摂食症候群、強迫性摂食、過食症、または多食症から選択される状態を少なくとも部分的に改善する(例えば、発症を終了または低減させる)こと;腹部脂肪の蓄積を予防または減少させること、を含む。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより、対象のレプチン関連疾患を処置または予防するための方法が本明細書に開示される。レプチン関連疾患の例としては、糖尿病(例えば、1型糖尿病)、心血管疾患、またはメタボリックシンドロームなどの代謝障害;先天性及び後天性脂肪異栄養症、脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、または高脂血症などの脂質調節障害;先天性レプチン欠損症(CLD);運動誘発性視床下部性無月経などの視床下部性無月経;Rabson−Mendenhall症候群;及び骨粗鬆症が挙げられる。
一部の態様は、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより、ホルモン不均衡に罹患する対象を処置するための方法が本明細書に開示される。ホルモン不均衡に罹患し得る対象は、例えば、乳癌、子宮頸部癌、もしくは子宮癌の処置のための、または女性の健康障害、例えば、子宮内膜症、子宮筋腫、重い月経出血、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の処置のためのエストロゲン低下療法を受ける女性;閉経周辺期中及び閉経後に生じるエストロゲンの自然な加齢に伴う減少を経験している女性;例えば、前立腺癌または良性前立腺肥大症(BPH)の処置のためのアンドロゲン低下療法を受けた男性;ならびに血中テストステロンの自然な加齢に伴う減少を経験している男性を含む。
一部の実施形態では、本開示は、統合失調症の処置のための方法を提供し、方法は、治療的有効量の式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を、それを必要とする患者に投与することを含む。特に、該処置は、統合失調症の陽性、陰性、及び/または認知症状の処置を含む。
一部の実施形態では、本開示は、認知不全を処置する方法を提供し、方法は、治療有効量の式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を、それを必要とする患者に投与することを含む。特に、該認知不全は、ワーキングメモリ、注意及び警戒、言語学習及び記憶、視覚学習及び記憶、推論及び問題解決、例えば、実行機能、処理速度、及び/または社会的認知の低下として現れる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、併用療法の一部として投与される。一部の態様では、併用療法は、治療薬との多形またはアモルファス形態の同時投与を含む。他の態様では、併用療法は、多形またはアモルファス形態及び治療薬の連続投与を含む。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、D2アンタゴニストと組み合わせて投与される。一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、標的ドーパミンD2受容体、ドーパミンD3受容体、ドーパミンD4受容体、ホスホジエステラーゼPDE10、セロトニン5−HT1A受容体、セロトニン5−HT2A受容体、セロトニン5−HT受容体、アドレナリン作動性アルファ2受容体、カンナビノイド1型受容体、ヒスタミンH3受容体、シクロオキシゲナーゼ、ナトリウムチャネル、もしくはグリシントランスポーターGlyT1のうちの1つまたはそれより多くのアンタゴニスト/インバースアゴニスト/負のモジュレーター/部分アゴニストと;または、標的セロトニン5−HT2C受容体、KCNQチャネル、NMDA受容体、AMPA受容体、ニコチンアルファ−7受容体、ムスカリンM1受容体、ムスカリンM4受容体、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR2、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR5、ドーパミンD1受容体、もしくはドーパミンD5受容体のうちの1つまたはそれより多くのアゴニスト/正のモジュレーター/部分アゴニスト、と組み合わせて投与される。
式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態及び他の抗精神病化合物のそのような併用投与は、逐次的または付随的であってよい。D2アンタゴニストまたは部分アゴニストの例としては、ハロペリドール、クロルプロマジン、スルピリド、リスペリドン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、クロザピン、及びアリピプラゾールが挙げられる。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、低用量ホルモン補充療法と組み合わせて投与される。特定の態様では、多形またはアモルファス形態は、低用量ホルモン補充療法の有効性を高める。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、1つまたはそれより多くの選択的セロトニン再取り込み阻害薬と組み合わせて投与される。一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、1つまたはそれより多くのセロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)と組み合わせて投与される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、副作用としてほてりを有する治療薬または薬物と組み合わせて投与される。
一部の態様では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、1日当たり約0.001mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量で投与される。特に、1日投薬量は、1日当たり0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲であってよい。正確な投薬量は、投与の頻度及び様式、性別、年齢、体重、及び処置されるべき対象の一般的な状態、処置されるべき状態の性質及び重症度、処置されるべき任意の付随する疾患、当業者らに既知の処置及び他の要因の所望の効果に依存するであろう。
成人の代表的な経口投薬量は、1〜1000mg/日の範囲の本発明の化合物、例えば、1〜500mg/日、例えば、1〜100mg/日、例えば、1〜50mg/日、例えば、2〜20mg/日、または、例えば、もしくは10〜30mg/日(例えば、10mg/日、15mg/日、20mg/日、22.5mg/日、25mg/日、もしくは30mg/日)であろう。
一実施形態では、本発明は、疾患の処置のための薬品の製造における式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態の使用に関する。一部の態様では、疾患は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般的な病状による精神病性障害;物質または薬物誘導性精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質パーソナリティー障害;統合失調症型パーソナリティー障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持療法、再発予防、及び安定化);躁病;軽躁病;認知不全;ADHD;肥満症;食欲減退;認知障害;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;痙攣;咳;喘息;気道過敏性;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;PTSD;高齢者の認知症及び興奮及びせん妄;過敏性腸症候群及び炎症性腸障害を含む炎症性疾患;嘔吐;子癇前症;気道過敏性;限定されないが、良性前立腺過形成(BPH)、転移性前立腺癌、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性ざ瘡、男性型脱毛症、子宮内膜症、異常な思春期、子宮筋腫、ホルモン依存性癌、アンドロゲン過剰症、多毛症、男性化、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群(アンドロゲン過剰症、インスリン抵抗性、及び黒色表皮腫)、卵巣過形成症(卵巣間質における黄体化卵胞膜細胞の過形成を伴うHAIR−AN)、高卵巣内アンドロゲン濃度の他の症状(例えば、濾胞性成熟停止、閉鎖症、無排卵、月経困難症、機能不全の子宮出血、不妊症)ならびにアンドロゲン産生腫瘍(男性化卵巣または副腎腫瘍)を含む生殖障害及び性ホルモン依存性疾患;婦人科障害、ならびに不妊症から選択される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、ほてりを処置または予防するための薬品の製造に使用される。一部の態様では、ほてりは、閉経、卵巣または精巣の除去、乳癌の処置、アンドロゲン遮断療法、性腺機能不全症及び低血清ゴナドトロピンレベル、白血病、ノンディッパー型高血圧、カルシノイド症候群、閉経後のアンドロゲン過剰症、または男性及び女性の思春期早発症の結果として生じる。一部の態様では、ほてりは、薬物誘発性のほてりである。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態を投与することにより対象の婦人科障害及び不妊症を処置または予防するための薬品の製造に使用される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、過剰な体脂肪及び/または過剰な体重を処置または予防(例えば、体重増加を処置、予防、阻止、及び/または低減)するための薬品の製造に使用される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、レプチン関連疾患を処置または予防するための薬剤の製造に使用される。レプチン関連疾患の例としては、糖尿病(例えば、1型糖尿病)、心血管疾患、またはメタボリックシンドロームなどの代謝障害;先天性及び後天性脂肪異栄養症、脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、または高脂血症などの脂質調節障害;先天性レプチン欠損症(CLD);運動誘発性視床下部性無月経などの視床下部性無月経;Rabson−Mendenhall症候群;及び骨粗鬆症が挙げられる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、ホルモン不均衡を罹患する対象を処置するための薬品の製造に使用される。ホルモン不均衡に罹患し得る対象は、例えば、乳癌、子宮頸部癌、もしくは子宮癌の処置のための、または女性の健康障害、例えば、子宮内膜症、子宮筋腫、重い月経出血、及び多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の処置のためのエストロゲン低下療法を受ける女性;閉経周辺期中及び閉経後に生じるエストロゲンの自然な加齢に伴う減少を経験している女性;例えば、前立腺癌または良性前立腺肥大症(BPH)の処置のためのアンドロゲン低下療法を受けた男性;ならびに血中テストステロンの自然な加齢に伴う減少を経験している男性を含む。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、対象の体重及び/または体脂肪の低減を促進するための美容処置の製造に使用される。「美容処置」は、体重及び/または体脂肪の減少を刺激する(例えば、セルライトを低減する)ことにより体の外観を改善することにより、対象に美的/美容効果を提供することが意図される。それは、対象が体重を安定化させ、局所的脂肪沈着なしに痩せ続けることを可能にする。
一実施形態では、本発明は、統合失調症の処置のための薬品の製造における本発明の化合物の使用に関する。特に、該処置は、統合失調症の陽性、陰性、及び/または認知症状の処置を含む。
一部の実施形態では、本発明は、患者の補助受胎におけるLHサージを抑制する薬剤の製造における本明細書に記載の化合物の使用に関する。
一部の実施形態では、本発明は、レプチン関連疾患を処置及び/または予防する医薬品の製造における本明細書に記載の化合物の使用に関する。
一実施形態では、本発明は、認知不全の処置のための薬品の製造における本発明の化合物の使用に関する。特に、該認知不全は、ワーキングメモリ、注意及び警戒、言語学習及び記憶、視覚学習及び記憶、推論及び問題解決、例えば、実行機能、処理速度、及び/または社会的認知の低下として現れる。
一実施形態では、本発明は、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般的な病状による精神病性障害;物質または薬物誘導性精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質パーソナリティー障害;統合失調症型パーソナリティー障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持療法、再発予防、及び安定化);躁病;軽躁病;認知不全;ADHD;肥満症;食欲減退;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;痙攣;咳;喘息;気道過敏性;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;腸炎症;炎症性腸症候群;PTSD;高齢者の認知症及び興奮及びせん妄から選択される疾患の処置に使用される本発明の化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、統合失調症の処置に使用される本発明の化合物に関する。特に、該処置は、統合失調症の陽性、陰性、及び/または認知症状の処置を含む。
一実施形態では、本発明は、認知不全の処置に使用される本発明の化合物に関する。特に、該認知不全は、ワーキングメモリ、注意及び警戒、言語学習及び記憶、視覚学習及び記憶、推論及び問題解決、例えば、実行機能、処理速度、及び/または社会的認知の低下として現れる。
一実施形態では、本発明は、抗精神病薬と共に本発明の組成物を含む医薬組成物に関する。一実施形態では、該抗精神病薬は、標的ドーパミンD2受容体、ドーパミンD3受容体、ドーパミンD4受容体、ホスホジエステラーゼPDE10、セロトニン5−HT1A受容体、セロトニン5−HT2A受容体、セロトニン5−HT受容体、アドレナリン作動性アルファ2受容体、カンナビノイド1型受容体、ヒスタミンH3受容体、シクロオキシゲナーゼ、ナトリウムチャネル、もしくはグリシントランスポーターGlyT1のアンタゴニスト/インバースアゴニスト/負のモジュレーター/部分アゴニストから;または標的セロトニン5−HT2C受容体、KCNQチャネル、NMDA受容体、AMPA受容体、ニコチン性アルファ7受容体、ムスカリンM1受容体、ムスカリンM4受容体、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR2、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR5、ドーパミンD1受容体、もしくはドーパミンD5受容体のアゴニスト/正のモジュレーター/部分アゴニストから選択される。そのような抗精神病薬の特定の例としては、ハロペリドール、クロルプロマジン、スルピリド、リスペリドン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、クロザピン、及びアリポプラゾールが挙げられる。
本明細書に記載の多形は、薬学的に許容される溶液中で投与されてもよく、これは、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝液、防腐剤、適合性担体、アジュバント、及び必要に応じて、他の治療成分を規定通りに含有してもよい。
式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、固体、半固体、液体または気体形態、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏、液剤、デポ剤、吸入剤、及び注射、ならびに経口、非経口、または外科的投与のための通常の方法の調製物に製剤化されてもよい。本発明はまた、インプラントなどによる、局所投与用に製剤化される医薬組成物を包含する。
経口投与に適する組成物は、カプセル剤、錠剤、甜剤などの別個の単位として提示されてもよく、それぞれが、所定量の活性剤を含有する。他の組成物としては、シロップ剤、エリキシル剤、またはエマルション剤などの水性液体または非水性液体中の懸濁液が挙げられる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物の多形またはアモルファス形態は、組織に直接投与されてもよい。直接組織投与は、直接注射により達成されてもよい。多形またはアモルファス形態は、1回投与されても、複数回の投与で投与されてもよい。複数回投与される場合、多形またはアモルファス形態は、異なる経路を介して投与されてもよい。例えば、最初の(または最初の数回の)投与は、罹患組織に直接行われてもよいが、その後の投与は、全身的であってよい。
経口投与の場合、組成物は、多形またはアモルファス形態を当該技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることにより容易に製剤化することができる。そのような担体により、多形またはアモルファス形態が、処置される対象による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などとして製剤化されることが可能になる。経口使用のための医薬調製物は、固体賦形剤として得、必要に応じて、錠剤または糖衣錠コアを得るために、任意に、好適な補助剤を添加した後、得られた混合物を粉砕して、顆粒の混合物を加工することができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤は、添加されてもよい。必要に応じて、経口製剤はまた、内部酸性状態を中和するために生理食塩水または緩衝液中で製剤化されても、任意の担体なしで投与されてもよい。
糖衣錠コアは、好適なコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮糖溶液が使用されてもよく、これは、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有してもよい。染料または顔料は、識別のために、または活性化合物の用量の異なる組み合わせを特性決定するために、錠剤または糖衣錠コーティングに添加されてもよい。
経口的に使用することができる医薬調製物は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチン及びグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤製の柔らかく密封されたカプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに必要に応じて、安定剤と混合して有効成分を含有し得る。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁されてもよい。加えて、安定剤が添加されてもよい。経口投与用に製剤化されたミクロスフェアも使用されてもよい。そのようなミクロスフェアは、当該技術分野で十分に定義されている。経口投与用の全ての製剤は、そのような投与に適する投薬量のものでなければならない。口腔投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤または甜剤の形態であってよい。
化合物は、全身的に送達することが望ましい場合、注射による、例えば、ボーラス注射または連続注入による、非経口投与のために製剤化されてもよい。注射用製剤は、添加防腐剤を含む、単位剤形、例えば、アンプルまたは複数回投与容器で提示されてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルションのような形態をとってもよく、懸濁剤、安定剤、及び/または分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。
非経口投与のための調製物は、無菌の水溶液または非水溶液、懸濁液、エマルション、及び他の非水性ビヒクルを含む。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。送達用の非水性ビヒクルの追加の例としては、10%の2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPベータCD)、25%のポリエチレングリコール(15)−ヒドロキシステアラート(Solutol HS15(登録商標))、25%のポリオキシル35水素化ヒマシ油(Cremophor EL(登録商標))、100%のマクロゴール6グリセロールカプリロカプラート(Softigen767(登録商標));100%のポリエチレングリコール(PEG400)、100%Viscoleo、及び90:10のGelucire(登録商標)44/14:PEG400が挙げられる。
水性担体は、水、アルコール/水溶液、エマルション、または生理食塩水及び緩衝培地を含む懸濁液を含む。非経口ビヒクルは、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンガー、または不揮発性油を含む。静脈内ビヒクルは、液体及び栄養素補充剤、電解質補充剤(リンガーのデキストロースに基づくものなど)などを含む。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスなどの防腐剤及び他の添加剤も存在してもよい。
医薬組成物は、任意の好適な経路、例えば、経口、直腸、鼻、肺、局所(頬側及び舌下を含む)、皮内、大槽内、腹腔内、膣及び非経口(皮下、筋肉内、髄腔内、静脈内、及び皮内を含む)経路による投与に具体的に製剤化されてもよく、経口経路が好ましい。好ましい経路は、処置されるべき対象の一般的な状態及び年齢、処置されるべき状態の性質、及び選択される有効成分に依存することが理解されよう。
経口投与用の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、糖衣剤、丸剤、甜剤、散剤、及び顆粒剤などの固体剤形を含む。必要に応じて、それらは、コーティングとともに調製することができる。
経口投与用の液体剤形は、液剤、エマルション剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤を含む。
非経口投与用の医薬組成物は、滅菌水性及び非水性注射可能溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、ならびに使用前に滅菌注射可能溶液または分散液で再構成されるべき滅菌粉末を含む。
他の好適な投与形態としては、坐剤、スプレー、軟膏、クリーム、ゲル剤、吸入剤、皮膚パッチ、インプラントなどが挙げられる。経皮パッチは、皮膚上に配置され、皮膚を通して血流に特定の用量の薬物を送達するために使用されてもよい。一部の態様では、経皮パッチは、医薬組成物の制御放出を提供する。
都合上、本発明の化合物は、本発明の化合物の約0.1〜500mg、例えば、1mg、5mg、7.5mg、10mg、20mg、50mg、100mg、150mg、200mg、または250mgの量の該化合物を含有する単位剤形で投与される。
特定の実施形態では、本明細書に記載の多形(例えば、ベータ形多形)は、錠剤などの固体剤形で製剤化される。多形は、錠剤として製剤化する前に微粉化されてもよい。一部の態様では、錠剤は、7〜10mgの量の多形を含むか、または、錠剤は、7.5mgもしくは10mgの量の多形を含んでもよい。一部の態様では、多形(例えば、ベータ形多形)は、7.5mg、10mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、または25mgの多形の総量を含む1つまたはそれより多くの錠剤で対象に1日1回投与される。特定の態様では、多形は、実質的に純粋なベータ形多形である(例えば、不純物、他の多形、またはアモルファス形態を実質的に含まない)。実質的に純粋なベータ形多形は、95%超または99%超の純度を有してもよい。特定の態様では、本開示は、活性医薬成分が、式(I)の化合物のベータ形多形(本明細書に記載される)錠剤などの固体剤形を提供し、これは、微粉化されてもよく、実質的に純粋であってもよい。
静脈内、髄腔内、筋肉内、及び同様の投与などの非経口経路の場合、通常、用量は、経口投与に用いられる用量の約半分のオーダーである。
好適な医薬担体としては、不活性固体希釈剤または充填剤、無菌水溶液、及び種々の有機溶媒が挙げられる。固体担体の例は、ラクトース、テラアルバ、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン、及び水である。次に、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を組み合わせることにより形成された医薬組成物は、開示された投与経路に適する様々な剤形で容易に投与される。
経口投与に適する本発明の製剤は、カプセル剤または錠剤などの別個の単位として提示されてもよく、それぞれは、所定量の有効成分を含有し、これは、好適な賦形剤を含んでもよい。さらに、経口投与可能な製剤は、粉末または顆粒、水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、または水中油型または油中水型液体エマルションの形態であってよい。
固体担体が経口投与に使用される場合、調製物は、錠剤、例えば、硬質ゼラチンカプセル剤、粉末もしくはペレット形態、またはトローチ剤もしくは甜剤の形態であってよい。固体担体の量は、変動し得るが、通常、約25mg〜約1gであろう。
液体担体が使用される場合、調製物は、シロップ剤、エマルション剤、ソフトゼラチンカプセル剤、または水性もしくは非水性液体懸濁液もしくは溶液などの無菌の注射可能な液剤の形態であってよい。
錠剤は、有効成分を通常のアジュバント及び/または希釈剤を混合することにより調製され、続いて、従来の打錠機で混合物を圧縮されてもよい。アジュバントまたは希釈剤の例は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タルカム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、ガムなどを含む。着色料、香料、防腐剤などのような目的のために通常使用される他の任意のアジュバントまたは添加剤は、それらが有効成分と適合性があるという条件で使用されてもよい。
キット
本明細書に記載の多形及び/またはアモルファス形態は、キットで提供することができる。キットは、(a)式(I)の化合物の1つまたはそれより多くの多形及び/またはアモルファス形態、例えば、1つまたはそれより多くの化合物を含む組成物、ならびに、(b)情報資料、を含む。一部の実施形態では、キットはさらに、抗精神病薬を含む。一部の態様では、抗精神病薬が、定型抗精神病薬、非定型抗精神病薬、標的ドーパミンD2受容体、ドーパミンD3受容体、ドーパミンD4受容体、ホスホジエステラーゼPDE10、セロトニン5−HT1A受容体、セロトニン5−HT2A受容体、セロトニン5−HT受容体、アドレナリン作動性アルファ2受容体、カンナビノイド1型受容体、ヒスタミンH3受容体、シクロオキシゲナーゼ、ナトリウムチャネル、もしくはグリシントランスポーターGlyT1のうちの1つまたはそれより多くのアンタゴニスト/インバースアゴニスト/負のモジュレーター/部分アゴニストと;または、標的セロトニン5−HT2C受容体、KCNQチャネル、NMDA受容体、AMPA受容体、ニコチンアルファ−7受容体、ムスカリンM1受容体、ムスカリンM4受容体、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR2、代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR5、ドーパミンD1受容体、もしくはドーパミンD5受容体のうちの1つまたはそれより多くのアゴニスト/正のモジュレーター/部分アゴニスト、から選択される。
そのような抗精神病薬の特定の例としては、ハロペリドール、クロルプロマジン、スルピリド、リスペリドン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、クロザピン及びアリピプラゾールが挙げられる。
情報資料は、本明細書に記載の方法及び/または本明細書に記載の方法の構成要素の使用に関連する記述的、教育的、マーケティング、または他の資料であり得る。例えば、情報資料は、化合物、及び一部の態様では、抗精神病薬を対象に投与するための方法を記載してもよい。情報資料は、好適な方法で、例えば、好適な用量、剤形、または投与様式で、本明細書に記載の化合物を投与する使用説明書を含み得る。一部の実施形態では、使用説明書は、有効量の化合物を投与することを推奨する。情報資料は、好適な対象を選択するための使用説明書を含み得る。
キットの情報資料は、その形式に制限はない。多くの場合、情報資料、例えば、使用説明書は、印刷物、例えば、印刷されたテキスト、図面、及び/または写真、例えば、ラベルまたは印刷されたシートで提供される。しかし、情報資料はまた、ブライユ点字、コンピュータ読み取り可能な資料、ビデオ録画、またはオーディオの録音などの他の形式で提供することができる。別の実施形態では、キットの情報資料は、リンクまたは連絡先情報、例えば、実際の住所、電子メールアドレス、ハイパーリンク、ウェブサイト、または電話番号であり、キットの使用者が、本明細書に記載の阻害薬及び/またはその使用についての実質的な情報を得ることができる。当然、情報資料は、任意の形式の組み合わせで提供することもできる。
化合物に加えて及び一部の態様では、抗精神病薬は、キットは、溶媒もしくは緩衝液、安定剤もしくは防腐剤、及び/または本明細書に記載の状態もしくは障害を処置するための薬剤などの他の成分を含み得る。あるいは、他の成分は、キットに含まれる可能性があるが、化合物とは異なる組成物または容器に含まれる可能性がある。そのような実施形態では、キットは、化合物及び他の成分を混合するための、または化合物を他の成分と共に使用するための使用説明書を含み得る。
本明細書に記載の化合物は、任意の形態、例えば、液体、乾燥、または凍結乾燥形態で提供することができる。グルタミン代謝阻害薬は、実質的に純粋及び/または無菌であることが好ましい。化合物が液体溶液で提供される場合、液体溶液は、好ましくは、水溶液であり、無菌水溶液が好ましい。化合物が乾燥形態として提供される場合、再構成は一般に、好適な溶媒の添加による。溶媒、例えば、滅菌水または緩衝液は、必要に応じて、キットで提供することができる。
キットは、化合物及び抗精神病薬を含有する組成物のための1つまたはそれより多くの容器を含み得る。一部の実施形態では、キットは、化合物(例えば、組成物中)、抗精神病薬、及び情報資料のための別々の容器、間仕切り、または仕切りを含有する。例えば、化合物及び抗精神病薬はそれぞれ、ボトル、バイアル、またはシリンジ中に含有させることができ、情報資料は、プラスチックスリーブまたはパケットに含有させることができる。他の実施形態では、キットの別々の要素は、単一の分割されていない容器内に含有される。例えば、化合物(例えば、組成物中)及び抗精神病薬は、ラベルの形で情報資料が添付されたボトル、バイアル、または注射器に含有される。一部の実施形態では、キットは、複数(例えば、パック)の個々の容器を含み、それぞれが、化合物(例えば、組成物中)及び抗精神病薬の1つまたはそれより多くの単位剤形(例えば、本明細書に記載の剤形)を含有する。例えば、キットは、複数の注射器、アンプル、ホイルパケット、またはブリスターパックを含み、それぞれが、単一の単位用量の薬剤を含む。キットの容器は、気密及び/または防水にすることができる。
識別された全ての特許及び他の刊行物は、例えば、本開示に関連して使用され得るそのような刊行物に記載された方法論、を記載及び開示する目的で、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日より前の開示のためにのみ提供される。この点に関して、先行発明または他の任意の理由により、発明者らがそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。これらの文書の日付に関する全ての記述または内容に関する表現は、出願人が入手できる情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確性に関していかなる承認を与えるものではない。
まだ示されていない範囲で、本明細書に記載及び説明された種々の実施形態のうちのいずれか1つがさらに、本明細書に開示の他の実施形態のうちのいずれかに示される特徴を組み込むために修正され得ることを、当業者らに理解されるであろう。
以下の実施例は、本発明の一部の実施形態及び態様を示す。定義されたように、種々の修正、追加、置換などは、本発明の趣旨または範囲を変更することなく実施することができ、そのような修正及び変形が、続く特許請求の範囲に記載の通り、本発明の範囲内に包含されることが、当業者らに明らかであろう。以下の実施例は、決して本発明を限定しない。
実施例1:SJB−01のpKa及びLogP/Dの実験的決定
SJB−01のpKa決定
pKaの決定及び設定が、SJB−01で完了した(図1)。約2mgのSJB−01(100142−1−1)を、共溶媒として様々な濃度のMeOHで3回滴定して、Yasuda−Shedlovskyプロット(L100142−65−4、図2及び表1)を作成した。Yasuda−Shedlovskyプロットを0%の共溶媒に外挿すると、pKa(図3)が決定され、これらは、酸性5.76、塩基性3.03である。酸性pKaは、赤であり、塩基性pKaは、青である。Bjerrumプロットは、理論モデルに適合した実験データの良好な相関関係を示す(図4)。
Figure 2021522341
SJB−01のLogP/Dの決定
分配溶媒として1−オクタノールを使用して、SJB−01遊離塩基についてlogP及びlogDを決定した(表2)。LogPは、構造の予測値よりも大きい4.73であると実験的に決定され、対応するBjerrumプロットが図6に示される。特定のpHでのAPIの分布に基づいて、SJB−01のlogDプロファイル(図5)を作成した。
pH範囲全体での水溶性の低さに起因する、SJB−01のlogP実験の実施に伴う課題がある。
Figure 2021522341
pKa及びlogPの理論計算
理論上の計算に基づいて、以下の設定及び値を決定した。
最強のpKa(塩基):2.1±0.9
最強のpKa(酸):11.8±1.0
Figure 2021522341
マイクロステージのpKa値の寄与
静的にマイクロステージ(MS)は、SJB−01の観察されたマクロ状態に寄与する分子の全体的な熱力学的変動に役割を果たすミクロ状態を含有する。以下により、対応するマイクロステージ及び各値に関連する影響を伴うSJB−01の予測pKa値を示す。
2.1±0.9 100%のMS1
11.8±1.0 100%のMS2
MS1及びMS2は、以下の寄与で構成される。
Figure 2021522341
LogP
分子の特徴的な原子またはフラグメント領域に基づいて、SJB−01のLogPを以下の値に予測した。2つの計算を行い、予測は、以下の通りである:
3.26(中程度の信頼性、RI=0.69)
4.06±0.75
Figure 2021522341
計測器
pKa、LogP/D滴定
Pion PULSE Attainソフトウェアを使用して、pKa及びlogP/Dデータを収集した。Pion PULSE溶液は、全ての滴定に使用され、イオン強度調整された水(0.15MのKCl)、0.5MのHCl、及び0.5MのNaOHを使用することから構成された。HEPES(プローブ検証)、KHP(KOH濃度測定)、水性電位差滴定、及びlogP/D電位差滴定に、パージガス(アルゴン)を使用した。
Pion PULSEは、オーバーヘッド可変速スターラー、ダブルジャンクションAg/AgCl pHプローブ、光路長1cmのUVプローブ、256ビットフォトダイオードアレイを備えたCarl−Zeiss分光光度計、及び温度プローブが装備された。機器のpHは、1.8〜12.2の範囲であり得る。互換性のある共溶媒は、MeOH、EtOH、ACN、DMSO、及び1,4−ジオキサンである。電位差滴定法またはUV測定法のいずれかにより、pKa測定を完了させた。分配溶媒として水飽和1−オクタノールを使用して、logP/Dを測定した。Pion PULSEリファインソフトウェアを使用して、データをリファインした。
Figure 2021522341
実施例2:SJB−01の塩スクリーニング及び多形スクリーニング
ベースラインの特性決定
SJB−01のベースライン特性決定は、ロット番号2223168(L100142−1−1)で実施され、X線粉末回折(XRPD)、同時熱重量分析及び示差走査熱量測定(TGA/DSC)、動的蒸気収着(DVS)、ならびに光学顕微鏡を含んでいた。わずかに純度の低いSJB−01、ロット番号17−12607(L100142−21−1)の第2のバッチを利用して、多形の傾向への不純物の影響を決定する追加のスクリーニング実験を実施した。2つのバッチの純度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で比較した。
X線粉末回折(XRPD)
XRPDを、SJB−01遊離塩基(ロット番号2223168、L100142−1−1)で行った。SJB−01遊離塩基は、XRPDにより結晶性であることが示された固体試料であった。物質(図7)により示されるパターンは、パターンβであることが判明した。
熱重量分析及び示差走査熱量測定(TGA/DSC)
固体は、ピークが約162.9℃の、約159℃の融解開始温度を有する。固体は、無水であった(図8)。
動的蒸気収着(DVS)
2回の収着/脱着サイクルでDVSを使用して、パターンβを分析した。固体は、25℃で2〜95%の相対湿度で、約0.12%を可逆的に収容した。従って、それは、吸湿性ではない(図9)。
プロトン核磁気共鳴(H NMR)
DMSO−DにおけるSJB−01(ロット#2223168、L100142−1−1)の溶液H NMRスペクトル、パターンβを得た(図10)。
光学顕微鏡法
パターンβのモルフォロジーは、図11に示される棒状である。
粒径分析
一般的な方法を、粒径分析に使用した。結果は、図12に示される。サイズは、以下のものである。
中央値=160μm
D[10]=40μm
D[50]=160μm
D[90]=336μm
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度
HPLCを、SJB−01の2つのバッチで実行して、以下の「機器−高速液体クロマトグラフィー(HPLC)」に記載の一般的な方法を使用して、化学純度及び不純物プロファイルを比較した。双方ともに、ピーク面積%で99%を超える純度を有し、面積%が0.03未満のピークは含まれない。バッチ17−12607(L100142−21−1)は、RRT0.8及び0.93で溶出する不純物の含有量が高いので、99.2%の純度を有したが、RRT1.07でのピークは含まれず、これは、ロット番号2223168(L100142−1−1)に純度99.7%で存在する(図13)。
Figure 2021522341
14種類の溶媒の溶解度測定及び短期間のスラリー
溶解度の測定を2つの温度(23℃及び50℃)、14の異なる溶媒中で重量分析法により行った。約25〜35mgの固体を2mLのバイアルに分散し、0.75mLの溶媒を添加して、スラリーを形成した。次に、スラリーを2日間撹拌した。バイアルを遠心分離し、重量分析法による溶解度測定のために上清を収集した。溶解度データは、表4にまとめられる。
XRPD分析のために、スラリーの固体及び蒸発後の固体を収集した。パターンαは、図14に示される、50℃でのIPAまたはMIBKの蒸発から得られた固体について示された。データは、表4にまとめられ、図14は、XRPDパターンを示す。
Figure 2021522341
省略された塩スクリーニング
SJB−01遊離塩基(L100142−1−1)の2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE中8%w/w)のストック溶液を調製し、0.200mL(約22mgの遊離塩基に相当する)をバイアルに分注した。カウンターイオン(CI)溶液を約5%w/wのEtOH溶液として投与し、内容物を混合し、溶媒を30℃で一晩蒸発させた。次に、固体をさらに、真空オーブン内、50℃で3時間乾燥させた。スクリーニングに選択されたCI及びそのpKa値は、表5に提示される。
スクリーニングのために、3つの溶媒:EtOH、ACN、及びIPA:水(9:1体積)を選択した。0.22mL(10体積)の選択された溶媒を、対応するバイアルに添加し、内容物を室温(22〜23℃)で2日間撹拌した。流動可能な固体が生じた場合、それをXRPDで分離及び特性決定した。溶液の相が均質である場合、バイアルに蓋をせず、溶媒を蒸発させた。XRPDを、蒸発した溶媒から回収された固体で実施した。
実験から回収された全ての結晶性固体のXRPDパターンは、遊離塩基パターンβと一致し、pKaの違いにより液相で形成されている可能性があるにもかかわらず、塩が固体として形成されなかったことを示す。スクリーニング中に記録された全てのデータの概要が、表6に提示される。
Figure 2021522341
Figure 2021522341
Figure 2021522341
多形スクリーニング
追加の溶媒における結晶パターンβのスラリー実験
7つの溶媒のうちの1つの溶媒0.3mL中のSJB−01遊離塩基(パターンβ、L100142−1−1)のスラリーを、室温(22〜23℃)及び50℃で作成し、撹拌した。詳細の概要について表7、XRPDパターンについて図49〜50を参照のこと。室温(22〜23℃)でベンジルアルコールに約90mgを添加したにもかかわらず、スラリーは全く形成されず、全ての固体が急速に溶解し、室温(22〜23℃)及び50℃の両方でこの溶媒からの結果は適用可能でない。数日後(実験に依存)に回収された固体により示される全てのXRPDパターンは、パターンβと一致した。
Figure 2021522341
冷却結晶化
SJB−01ロットL100142−1−1を用いる急冷及び徐冷
50℃で選択された溶媒中、約25mgのSJB−01(L100142−1−1)を用いて飽和溶液を形成することにより、急冷及び徐冷実験を実施した。急冷実験では、バイアルを氷浴に入れることにより、溶液を0℃まで急冷した。徐冷実験では、溶液を3時間かけて室温(22〜23℃)に冷却した。得られた固体は全て、パターンβであり、XRPDにより確認された(図51)。実験の詳細及び結果が、表8にまとめられる。
Figure 2021522341
SJB−01ロットL100142−21−1を用いる急冷及び徐冷
冷却結晶化スクリーニング実験を、SJB−01の第2のバッチ、ロット17−12607(L100142−21−1)で繰り返した。溶媒の比例量を維持しながら、より小さなスケールである約17mgを使用した。結果に変化は全く観察されず、回収された全ての固体のXRPDパターンは、パターンβと一致した。データは、表9にまとめられる。
Figure 2021522341
滞留冷却結晶化
SJB−01の飽和溶液は、選択された溶媒中、選択された初期温度で作製した。次に、これらの飽和溶液を最終温度に設定し、撹拌せずに放置した。沈殿した固体を収集し、XRPDで分析した。種々の実験の条件は、表10にまとめられ、XRPDパターンは、図54に示される。
SJB−01遊離塩基(L100142−1−1)の飽和溶液は、IPA、EtOAc、ACN、MIBK、MtBE、及びIPAc中、室温(22〜23℃)で調製し、−20℃に設定した。1週間後、樹枝状白色固体がバイアルL100142−16−2(EtOAc)の内壁に現れた。これらを収集し、パターンβの全ての予想されるピークと共に、XRPDパターンで新しい固有の反射を示した(図15)。白色透明のブロック結晶が、バイアルの残部に現れ、これらは、XRPD分析によりパターンβを示した。
SJB−01(L100142−21−1)のEtOAc飽和溶液を室温(22〜23℃)で作製し、次に、−20℃に設定した。ブロック状の白色透明結晶を1週間後に収集し(L100142−22−3)、XRPDで分析した場合、パターンβを示した。
SJB−01(L100142−1−1)のEtOAc飽和溶液を室温(22〜23℃)で作製し、次に、−20℃に設定した。3時間後、依然として透明溶液をL100142−16−2と共に播種し、これは、パターンγ+βの混合物を示した。翌日、ブロック状の白色透明結晶を収集し(L100142−27−1)、XRPDで分析される場合、パターンβを示した。
IPA及び1−BuOH中のSJB−01(L100142−1−1)の飽和溶液を63℃で作製し、次に、室温(22〜23℃)に設定した。飽和IPAの追加バイアルを作製し、−20℃に設定した。翌日、3つのバイアル全てから結晶性固体を収集し、XRPDで分析された場合、全てがパターンβを示した。
Figure 2021522341
貧溶媒結晶化
約25mgのSJB−01(L100142−1−1)を2mlのバイアルに計量し、選択された溶媒に溶解させた。直接の添加の場合、沈殿が観察されるまで、貧溶媒を溶液に滴加した。逆実験の場合、等体積の貧溶媒を、別のバイアル中で調製し、SJB−01溶液を一度に全て貧溶媒に添加した。実験を室温(22〜23℃)で実施した。結果は、表11に提示される。
直接または逆実験で貧溶媒としてヘプタンを使用することにより、アセトンまたは酢酸では、沈殿が観察されなかった。水を直接添加して、THF中にオイリングが生じた。他の全ての固体のXPRDパターンは、パターンβであった。XRPDパターンについて、図55を参照のこと。
Figure 2021522341
蒸発結晶化
フラッシュ蒸発
6つの溶媒(MeOH、EtOH、THF、アセトン、CAN、及びMIBK)中のSJB−01遊離塩基(L100142−1−1)の溶液を、50℃で調製した。これらを120℃で顕微鏡スライドに滴加して、溶媒が急速に蒸発し、無色透明のゲルがスライド上に残った。粘稠な発泡がアセトンの蒸発中に生じ、ガラスピペットで気泡を消すことにより、これを妨げて、スライド上の一部の白色不透明固体を得た。溶媒の蒸発が完了するとすぐに、スライドを熱源から取り外した。ゲル内で白色不透明固体への変化が、室温でさらに2時間にわたって、さらに2つのスライド(THF及びMIBKからのゲル)で観察された。白色固体を示すスライドをこすりとり、XRPDで分析した。全てが、結晶性の低いパターンβであった(図56)。核形成を開始するために、透明なゲルが残っているスライドをひっかいたが、1ヶ月後までに、変換は観察されなかった。これらの実験のデータは、表12にまとめられる。
Figure 2021522341
ロータリーエバポレーター
約25mgのSJB−01を1.5mLのMIBKに溶解させ、溶媒を70℃の湯浴を使用してロータリーエバポレーターで蒸発させた。得られた固体は、透明で無色であり、バイアルの内壁に付着していた。24時間にわたって、L100142−25−1(投入としてL100142−1−1を使用)は、白色不透明な固体に変化し、これは、XRPD分析でパターンβを示した(図57)。試料L100142−25−2(投入としてL100142−21−1を使用)のアモルファスガラス内に白色不透明な領域が成長した。
Figure 2021522341
撹拌蒸発
パターンαの前例が、50℃でのIPA及びMIBKの蒸発から得られており、SJB−01をIPAまたはMIBKに溶解させることにより、パターンαの生成を目的とした実験を実施して、50℃でほぼ飽和溶液を形成し、次に、溶媒を一晩蒸発させるために、キャップを取り外した。蒸発中、溶液を撹拌し続けた。全ての実験により、パターンβが得られた。表14は、実験の条件及び結果の概要を提供し、XRPDは、図58に示される。
Figure 2021522341
滞留蒸発
パターンαの前例が、50℃でのIPA及びMIBKの蒸発から得られており、SJB−01(L100142−1−1)をMIBK、IPA、1−PA、または1−BuOHに溶解させ、且つ溶媒を選択された温度で撹拌せずに蒸発させることにより、パターンαの生成を目的とした実験を実施した。条件及び結果は、表15にまとめられ、XRPDは、図16、図18〜20、及び図59に示される。パターンαが得られた場合、XRPD用に採取された試料は、XRDプレート上で24時間安定であったが、試料が採取されたバイアルに残った固体は、1時間後でも、微量のαのみを含む主にパターンβに変化した。
MIBK及びIPA中のSJB−01の飽和溶液を調製し、50℃で蒸発させた。MIBK(L100142−28−4)からの固体は、パターンβを生じ、IPA(L100142−28−3)からの固体は、XRPDによりパターンα(図10)を示した。同じXRDプレートは、翌日もパターンαを示したが、バイアルに残った固体は、パターンβにほぼ完全に変換されていた。XRD試料のDSC、パターンα(L100142−28−3)、151.0の開始温度及び156.6℃のピークを有する大きな吸熱、ならびに計算された開始及び160.9℃のピークを有する小さな吸熱を示した(図17)。これらの2つの吸熱は、それぞれSJB−01パターンα及びβの融点に対応する。
IPA中のSJB−01の飽和溶液を作製し、6つのバイアルに分けた。IPAが撹拌せずに蒸発するために、40℃(L100142−35−1及びL100142−35−2)、50℃(L100142−35−3及びL100142−35−4)、ならびに60℃(L100142−35−5及びL100142−35−6)の各温度に2つを設定した。40及び50℃で、パターンβが回収された。60℃で、ゲルが形成され、パターンβは、両方のバイアルについてゲル内で成長した。XRPDパターンが図59に提示される。
90℃で1−プロパノール及び1−BuOHから蒸発させると、ゲルが得られた。1−プロパノール(L100142−37−1)の蒸発から生じたゲルから、パターンαは、50℃で時間の経過とともに成長した。XRPD分析のためにサンプリングした後、バイアルに残った固体は、微量のαを伴うパターンβに変化した(図18)。1−BuOH(L100142−37−2)は、24時間後50℃でゲルのままであった。
SJB−01の1−プロパノール溶液を90℃で蒸発させることにより形成されたゲルの2つのバイアルを、50℃に設定し、パターンαを播種した。ゲルは、一晩でパターンβに変換した(L100142−37−3及びL100142−37−4)。90℃で1−プロパノールを蒸発させることにより、播種せずにパターンαを生成する第2の試みは、サンプリング時に約3分の1がパターンα(+微量のβ)に変換されたゲルが生成された(L100142−37−5)。これらのXRPDパターンは、図19に示される。
1−プロパノールに溶解したSJB−01の2つのバイアルを90℃に設定した。1−プロパノールを蒸発させてゲルを得、ゲル内では、結晶形の核形成及び増殖が開始した後、50℃に移行して、ゲルのバルクの結晶化が可能になった。XRPDで分析された両方のバイアルの試料は、パターンαを示す。バイアル内の固体は、1時間以内に主にパターンβに変化し、XRDプレート上の固体は、この期間にわたってαのままであった。
DSCのためにL100142−37−6のXRDプレートから試料を使用し、パターンα及びβの融解に特有の温度で2つの融解吸熱を示す(図21)。
Figure 2021522341
乾式及び液滴粉砕
約25mgのSJB−01(L100142−1−1)を、ミリングカプセル中に計量し、25μLの(もしあれば)選択溶媒を添加した。固体を3回、毎回30秒間粉砕した。固化を防ぐために、固体を粉砕の30秒毎にカプセルの内壁からこすりとった。粉砕された物質のXRPDは、形態の変化を示さなかった。乾式粉砕された物質及びMtBEで粉砕された物質は、出発物質よりも実質的に結晶化度が低かった。表16は、実験条件及び結果をまとめたものであり、XRPDは、図60に示される。
Figure 2021522341
塩の不均化
この一連の実験では、強酸を使用して、液体中にin−situで塩を形成し、次に、水を添加することにより、それを遊離塩基に不均化した。塩が固体として沈殿しないことは、すでに観察された。種々の酸性溶液からの不均化は、遊離塩基の異なる多形が潜在的に生じ得る。
2.2体積のEtOHに約22mgのSJB−01遊離塩基(L100142−1−1)を溶解させ且つCIを添加させることにより、塩を形成した。HCl、HBr、H2SO4、及びメタンスルホン酸が20体積%のEtOH溶液としてもたらされ、ベンゼンスルホン酸が、37重量%のEtOH溶液としてもたらされた。溶液に、別のおおよその量のEtOHを添加して、総量にした。トルエンスルホン酸を固体として添加した。反応混合物を適切な温度で撹拌し、全ての溶液は、透明で沈殿物のないままであった。15体積の水を一度に塩溶液に添加し、撹拌を続けた。白色スラリーは、室温(22〜23℃)で(5分未満)及び50℃で約15分後に、急速に生じ、L100142−18−8では、スラリーの出現は著しく遅かった(約20分)。得られた固体をXRPDで特性決定し、全ては、図61に示されるパターンβを示した。新しい形態は、観察されなかった。これらの実験はまた、SJB−01の任意の塩が形成される可能性が低いことを示した。データは、表17にまとめられる。
Figure 2021522341
アモルファス生成
遊離塩基パターンβ(L100142−1−1)を180℃に加熱して、試料を完全に溶融させ、次に、25℃に冷却し、DSCで観察した(図23)。発熱が温度を減少させる際に全く観察されず、無色透明のガラス(脆い)をパンから回収し、XRPDで特性決定した。ガラスは、特徴的なアモルファスパターンを生じた(図24の青いトレースを参照のこと)。従って、液体遊離塩基溶融物を冷却すると、アモルファス物質が生成されると推測される。
SJB−01パターンβ(L100142−1−1)を加熱ブロック中で175℃に加熱して溶融させることにより、アモルファス遊離塩基を生成し、次に、溶融物を冷却して(加熱プレートの電源を切り、冷却させて)、無色透明なガラス状固体を得た(図62、左)。この脆い固体をこすりとり、針及びスパチュラで、白色流動性粉末に粉砕した(図62、右)。
流動性アモルファス粉末(L100142−19−1)は、XRPDにより特徴的なアモルファスパターンを生じた(図25)。TGA/DSCによる熱分析(図26)は、TGAサーモグラムにおいて50〜125℃に、0.51%の重量損失を示す。アモルファス物質の結晶化を示す開始温度121.7℃の発熱、次に、152.6及び157.0℃の開始温度を有する2つの重なり合う吸熱を含む、DSCサーモグラムに多数の特徴がある。これらの2つの重なり合う吸熱ピークは、それぞれパターンα及びβの融解イベントである。
アモルファスSJB−01遊離塩基の熱処理
140℃の温度まで自由流動性アモルファス遊離塩基100142−19−1の試料で、TGA/DSCを実施した(図27)。約120℃の開始で、予想される発熱が観察された。実験後のパン内容物のXRPD分析は、パターンα及びβの混合物を示した(図28)。物質を2週間後XRPDで分析し、観察されたパターンが変化しており、パターンαがパターンβにほぼ完全に変換された。これは、パターンαが周囲条件下で安定でないことを示す。
アモルファス遊離塩基のスラリー
バイアル内で約15mgのSJB−01遊離塩基パターンβ(L100142−1−1)を175℃に加熱して融解し、液体を冷却させることにより、アモルファス遊離塩基を生じた。無色透明ガラスに、75μL(約5体積)の6つの溶媒及び撹拌内容のうちの1つを添加した。白色スラリーは、IPA、IPA:水(9:1体積)、IPAc、及びMtBEで容易に(10分未満)発生した。XRPDによるこれらの固体の収集及び分析は、全てがパターンβであることを示す(図65)。36時間後、水及びシクロヘキサンからの固体を分析のために収集し、パターンβも得た(図65)。データの概要が表18に示される。
Figure 2021522341
XRPDによるアモルファス安定性
粉末状アモルファス遊離塩基は、5日後及び17日後にXRPDにより特性決定され、依然として、アモルファスパターンを示した(図29)。また、約62℃にピークのある小さな吸熱を越えて加熱しても(試料を85℃に加熱する、図30を参照のこと)、固体の観察されたパターンに差がなかった。
高湿度での安定性
パターンα(L100142−37−5)、β(L100142−1−1)、及び自由流動性アモルファス固体(L100142−19−1)SJB−01を、40℃/75%のRH環境に1週間曝露した。実験後の固体のXRPDは、α及びアモルファス固体がパターンβにかなり変換されていることを示す。図32を参照のこと。
水及び模擬流体への溶解度
パターンα、β及びアモルファス遊離塩基の溶解度を、37℃で水、FaSSIF(絶食状態で模擬腸液)及びFaSSGF(絶食状態で模擬胃液)中で測定した。固体をそれぞれの溶液中で24時間スラリー化し、次に、HPLCによる分析のために、液体をシリンジ濾過で単離した。データは、表19にまとめられ;全ての溶液における全ての形態の溶解度は、マイクログラムスケールである。本質的に、これらのいずれも、平衡溶解度の点で他のものより実質的に有利ではない。
Figure 2021522341
固体形態の特性決定及び考察
パターンα
パターンαは、XRPD、DSC、DVSを使用し、顕微鏡画像を視覚的に使用して、特性決定される。パターンα(試料L100142−37−1a)に対し得られたXRPDパターンが、図33で提供され、種々のXRPDピークは、表20で確認される。パターンα及びβの両方に固有の2つの融解吸熱を示す乾燥パターンα(L100142−37−6)のDSCサーモグラムが図34で提供される。パターンαは、溶融時にパターンβとして再結晶し、続いて、パターンβが溶融する可能性がある。パターンα(L100142−37−5)のDVS等温線プロットが図35で提供される。DVSの前(下)及び後(上)のパターンα(L100142−37−5)のXRPDパターンが図36に示される。パターンα(L100142−37−6)の顕微鏡画像が図37で提供される。
Figure 2021522341
パターンβ
パターンβは、XRPD、TGA/DSC、DVSを使用し、顕微鏡画像を視覚的に使用して特性決定される。パターンβであるSJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)で得られたXRPDパターンが図38で提供され、種々のXRPDピークが表21に確認される。パターンβであるSJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)のTGA/DSCサーモグラムが図39で提供される。パターンβであるSJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)のDVS等温線プロットが図40で提供される。実験後の形状変化はない。パターンβであるSJB−01(ロット番号2223168、L100142−1−1)の顕微鏡画像が図41で提供される。
Figure 2021522341
アモルファス
アモルファス固体は、XRPD、TGA/DSC、DVSを使用し、顕微鏡画像を視覚的に使用して特性決定される。アモルファス固体について得られたXRPDパターンが図42で提供される。アモルファス固体のTGA/DSCサーモグラムが図43で提供される。粉末アモルファス遊離塩基(L100142−34−1)のDVS等温線プロットが図45で提供される。DVS前後のアモルファス遊離塩基のXRPDパターンが図46で提供される。自由流動性アモルファス遊離塩基(L100142−19−1)の顕微鏡画像が図44で提供される。
パターンγ
パターンγは、パターンβとの混合物としてのみ得られた。それ故、パターンβを差し引くことにより、パターンγの特徴的なピークを識別した。パターンβから差し引くことによるパターンγのXRPDが図47で提供され、種々のXRPDピークが表22で確認される。
Figure 2021522341
計測器
示差走査熱量測定(DSC)
Mettler Toledo DSC3+を使用して、示差走査熱量測定を実施した。所望の量の試料は、ピンホールのある密閉アルミニウムパンで直接計量される。代表的な試料質量は、3〜5mgである。代表的な温度範囲は、毎分10℃の加熱速度で30℃〜300℃である(合計時間27分)。DSCの代表的なパラメーターが以下に記載される。
Figure 2021522341
動的蒸気収着(DVS)
DVS Intrinsic 1を使用して、動的蒸気収着(DVS)を行った。試料を、試料パンに載せ、微量天秤から吊るした。DVS測定の代表的な試料質量は、25mgである。蒸留水にバブリングされた窒素ガスは、望ましい相対湿度を提供する。代表的な測定は、ステップを含む。
1. 50%のRHで平衡化する
2. 50%〜2%。(50%、40%、30%、20%、10%、及び2%)−各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は、0.002%未満の変化である。
3. 2%〜95%(2%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%)−各湿度で最小5分、最大60分を保持する。合格基準は、0.002%未満の変化である。
4. 95%〜2%(95%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、2%)−各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は、0.002%未満の変化である。
5. 2%〜50%(2%、10%、20%、30%、40%、50%)−各湿度で最小5分、最大60分保持する。合格基準は、0.002%未満の変化である。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
Agilent 1220 Infinity LC:Agilent 1220 Infinity LCを使用して、化学純度について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。流量範囲が0.2〜5.0mL/分であり、動作圧力の範囲が0〜600barであり、温度範囲が周囲よりも5℃上〜60℃であり、波長範囲が190〜600nmである。
Figure 2021522341
顕微鏡検査法
2.5X、10X、20X、及び40Xの対物レンズ及び偏光子が備えられたZeiss Axio Scope A1を使用して、光学顕微鏡検査を実施した。画像を、内蔵型Axiocam 105デジタルカメラでキャプチャし、Zeissにより提供されるZEN 2(ブルーエディション)ソフトウェアを使用して処理する。
核磁気共鳴(NMR)
プロトンNMRを、Bruker Avance 300MHz 分光計で行った。4mLのバイアル中で、固体を0.75mLの重水素化溶媒に溶解させ、NMRチューブ(Wilmad 5mm thin wall 8”200MHz、506−PP−8)に移した。代表的な測定は通常、16スキャンである。NMRの代表的なパラメーターが以下に記載される。
Figure 2021522341
熱重量分析及び示差走査熱量測定(TGA及びDSC)
Mettler Toledo TGA/DSC3+を使用して、熱重量分析及び示差走査熱量測定を行った。所望の量の試料は、ピンホールのある密閉アルミニウムパンで直接計量される。測定のための代表的な試料質量は、5〜10mgである。代表的な温度範囲は、毎分10℃の加熱速度で30℃〜300℃である(合計時間27分)。保護ガス及びパージガスは、窒素である(20〜30mL/分及び50〜100mL/分)。DSC/TGAの代表的なパラメーターが以下に記載される。
Figure 2021522341
X線粉末回折(XRPD)
Rigaku MiniFlex600を使用して、粉末X線回折を行った。試料をSiゼロリターンウェハー上で調製した。代表的なスキャンは、40kV及び15mAで5分間にわたって0.05度のステップサイズを有する4〜30度の2θのものである。高解像度スキャンは、40kV及び15mAで30分間にわたってステップサイズ0.05度である、4〜40度の2θのものである。XRPDの代表的なパラメーターが以下に記載される。
Figure 2021522341
結言
ベースラインの特性決定をベースの固体化合物で実施した。これらの特性決定は、XRPD、DSC/TGA、DVS、プロトンNMR、及び偏光顕微鏡法(PLM)を含む。固体(ロット番号2223168)をパターンβと示した。XRPDは、固体が結晶性であることを示した。TGAは、パターンβに対し30℃〜180℃で約0.1%の重量減少を示した。30℃〜300℃の温度範囲で162.9℃にピークを有する1つの熱イベントがDSCサーモグラムで観察される。パターンβの動的蒸気収着は、固体が、相対湿度2%〜95%で、ほとんど水分を収容しない(約0.1%)ことを示した。XRPDは、DVS後も不変のままだった。PLMは、固体が、一部の粒子の長さが100μmを超える大きな棒状のモルフォロジーを有することを明らかにした。40℃で相対湿度75%に1週間さらした固体に、湿度試験を行い、続いて、XRPD分析を行った。XRPDは、1週間の試験後も不変のままである。2つの温度(23℃及び50℃)、14の異なる溶媒中で、定量的溶解度測定を重量分析法で実施した。ほとんどの有機溶媒への溶解度は、中程度から高いものであった。
広範囲の溶媒及び手法:スラリー実験、冷却結晶化(−20℃まで急速、低速、及び滞留)、貧溶媒結晶化(直接及び逆)、蒸発結晶化(フラッシュ、回転蒸発、撹拌、滞留)、液滴粉砕、in−situ塩の不均化、ゲルからの結晶化、及び溶媒中のアモルファススラリーを使用して、多形スクリーニングを行った。約240試料を生成し、XRPDで分析した。スクリーニングの結果は、3つのパターン:α、β、及びγであり、この後者をパターンβと混合した。
パターンβは、最も頻繁に観察されたパターンであった。純粋なパターンαを、1−プロパノール溶液の蒸発により生成した。APIの酢酸エチル溶液を室温で飽和させ、続いて、−20℃で1週間保存することにより、パターンγを一旦生成した。これにより、パターンβと混合されたパターンγが得られた。しかし、このパターンは、再度再現されなかった。
パターンαは、結晶性であり、パターンβよりも安定性が低いことが判明した。パターンαの融解ピークは、157.1℃であった。パターンαの動的蒸気収着は、固体が、相対湿度2%〜95%で、ほとんど水分を収容しない(約0.6%)ことを示した。XRPDは、DVS後も不変のままだった。水及び模擬流体へのパターンαの溶解度は、6〜8μg/mLの範囲であった。
APIを175℃で溶融し、続いて、室温まで急冷することにより、アモルファス固体を生成し、これにより、硬質ゲル状の物質を得た。硬質ゲルを粉砕すると、XRPDによりアモルファスであることが判明した流動性粉末を得た。水及び模擬流体へのアモルファス固体の溶解度は、5〜18μg/mLの範囲であった。アモルファス形態は、周囲環境で少なくとも17日間安定したままであった。
実施例3:SJB−01を特性決定するさらなるデータ
SJB−01の化学名は、2−エチルアミノ−8−フルオロ−3−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸((S)−シクロプロピル−フェニル−メチル)−アミドであり、それは、本明細書で示されるキラル化学構造:
Figure 2021522341
を有する。
SJB−01は、1mg 約2.54μmol;1mol/L 約393.46mg/mLの変換係数を有する。
pKa値を滴定により測定した。SJB−01は、pKa値が測定可能な検出限界2を下回る弱塩基である。
オクタノール−緩衝液2相システムで振とうフラスコ法により、LogP/D7.4値を測定した。LogP/D7.4を3.3と測定し、これは、化合物が、血液脳関門を透過するのに適する親油性を有することを示す。
SJB−01の複数のバッチを調製し、調製された種々の遊離塩基のCHN、DSC、TGA、KF、及びX線の結果を表27にまとめた。
Figure 2021522341
SJB−01は、酸素ならびに2、4、6、及び7.4のpH範囲にさらされる場合に安定であることが判明した。しかし、水溶液中及び極端な露光下では、化合物の100%が24時間後に分解された。固体化合物は、化合物の約86%が残っている24時間後、この極端な露光下でわずかに分解されることが判明した。非水性ビヒクル中に、ポリエチレングリコール(PEG)400、化合物は、室温に保ち、光から覆われた場合に、少なくとも4ヶ月間安定であることが判明した。
3つの結晶形及びアモルファス固体の中で、パターンβが、最も安定した多形であった。固体形態のいずれもが、水及び模擬流体に対して優れた溶解性を示さなかった。
3つの異なる加熱速度でのDSC測定をアルファ及びベータバッチ(2009−V−0680)で行った。バッチ60215−26E(アルファ)では、開始温度は、加熱速度を変化させる場合、152.3〜152.9℃である(図69)。
バッチ60095−76(ベータ)の場合、開始温度は、159.1〜159.4℃にある(図70)。狭い間隔は、純粋な融解を示唆する。わずかに高い融解エンタルピーと組み合わされたベータのより高い融点(図69及び図70の値を参照のこと)は、ベータが安定な形態であることを示唆する。
ベータバッチ60095−76の融解温度は、バッチ60095−056/6で見られるよりも幾分高く(153.7℃−ベータでも)、これは、後者が不純物を含有することを反映し得る(広い融解間隔にも反映される)。さらに、一部のアルファバッチでは、より広い間隔で、溶融が生じる。
アルファ及びベータ多形形態の両方の2つのバッチは、ホットステージ顕微鏡で加熱されており、画像は、異なる温度で記録されている。試料を155℃まで20℃/分の加熱速度で加熱した。次に、加熱を1℃のステップで継続し、各温度で約2分間一時停止した(2009−V−678)。
室温で形成された結晶は、1つのアルファバッチ及び2つのベータバッチについて類似していた:それらは、様々なサイズの小さな立方体を形成した(図72)。他のアルファバッチ(60215−26E)では、より大きな立方体が観察された。
アルファの場合、バッチ60215−26Eの溶融は、他のバッチよりも低い温度で始まる。
ベータ、バッチ60095−56を加熱すると、融点(159℃)付近で、針状の外観が見られた。これは、異なる多形の形成に起因するものであってよい。2つのバッチ(60215−26E及び60095−56)では、DSCの結果で確認される非常に広い温度間隔で溶融が生じた。これは、溶融中の不純物または変化に起因するものであってよい。ベータ、バッチ60095−76の場合、融解は、はるかに狭い間隔で生じ、これは、純粋なベータ形態の融解を反映し得る。
SJB−01では、2つの多形形態が最初に合成されたバッチ間で発見され、X線粉末回折(XRPD)を使用して示された(図73)。バッチ4及び7は、α形と呼ばれるが、バッチ6及び8は、β形と呼ばれる。両方の形態の融点は、152〜154℃であった。
さらに、SJB−01に対する赤外分光法を得た。表23にまとめられ且つ図74〜75に見られる、SJB−01の2つの多形形態間のわずかな違いだけが観察された。わずかな違いは、2つの結晶構造の結合パターンが、ほぼ同じであることを示した。
Figure 2021522341
化合物のUV−visスペクトルは、290〜700nmの領域で吸光度を示した(図76)。
SJB−01の水溶性が低く、熱力学的平衡溶解度が、β−多形形態の場合、pH7.4で約8μg塩基/mlであり、α−多形形態の場合、約14μg/mlであると測定される。
さらに、in vivoの薬理学的研究、ならびに化合物の毒性評価に使用される多数のビヒクルにおいて、SJB−01の溶解度を調査した。試験されたビヒクルの選択が表24に示される。
Figure 2021522341
ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン(HPベータCD)及び他の水性賦形剤への溶解度は、非常に低く、続いて、非水性ビヒクルが、in vivo研究に使用されている。皮下投与で実施された実験では、1.2%のレシチンで安定化された20%のビスコレオを含有するエマルションが使用されている。経口投与では、100%のPEG400を使用した。
SJB−01の毒性評価のための製剤を検討した。100%のPEG400、ならびにGelucire及びPEG400の混合物で、最高の溶解度を得た。Gelucire:PEGを用いて製剤化すると、約45℃での投与を含む処理時間が増加するので、mini−MTD(最大耐量)及び14日間の毒性投与研究を含む初期の毒性評価で製剤化のために、100%のPEG400を選択した。到達した最大用量は、140mg/kgであった−可能な最高の用量は、ビヒクルとしてPEG400と共に到達可能である。この用量では臨床的観察が得られたので、用量をさらに増加させることができるかどうかを検討した。製剤の観点から、溶液がPEG400懸濁液中の化合物を投与するよりも高い生物学的利用能をもたらすという仮定の下で、ビヒクルとしてGelucire:PEGを使用することにより、これのみを行うことができる。以下の表では、同様に、ビヒクルの許容用量も考慮に入れて、可溶化形態で与えられるSJB−01の最大用量が提供される。さらに、SJB−01の異なる多形形態は、表25に見ることができるように、非常に異なる溶解度を示す。
Figure 2021522341
イヌにおける規制安全性(regulatory safety)研究では、100%のPEG400を使用することができる。しかし、1〜2ml/kgで使用することができる最大量は、化合物が可溶化される場合、イヌの最大単回用量がα形及びβ形の場合それぞれ28〜56mg/kgまたは20〜40mg/kgであることを示す。
塩がPEG400のような非水性賦形剤への溶解度を大幅に減少させるので、最大濃度が使用される場合、毒性評価用の化合物が遊離塩基としてもたらされるはずである。
SJB−01のベータ多形形態の溶解度をさらに、生体関連培地で試験した。絶食状態の小腸液(FaSSIF)は、pH6.0を維持するために、3mMのタウロコール酸ナトリウム(胆汁酸)、0.75mMのレシチン(リン脂質)、及びリン酸緩衝液を含有していた。摂食状態の小腸液(FeSSIF)は、5倍高い濃度のタウロコール酸ナトリウム及びレシチンを含有し、それにより、化合物のミセル可溶化能力が高くなった。FeSSIF緩衝液のpHを、酢酸緩衝液で5.0に維持した。結果は、表26にまとめられる。
Figure 2021522341
胆汁成分が存在すると、SJB−01のベータ多形形態の溶解度が大幅に増加した。胆汁成分による小腸において増強可溶化は、ヒトにおいて反映されることになり、従って、生物学的利用能は、低い水溶性から予想されるよりも高いことがある。さらに、薬物が食物と共に投与される場合、溶解度がさらにFeSSIF培地で増加するので、可溶化の増加、従って、生物学的利用能の増加が期待され得る。
SJB−01のベータ多形形態について、固有溶解速度(IDR)を計算した。化合物の錠剤をプレスし、溶解チャンバに入れた。続いて、物質が、表面から溶媒に溶解する速度を測定した。最初に、実験を標準緩衝液(0.001MのHCl pH3.0)中で実施した。これは、固定状態での胃の状態を反映する。IDRの検査は、化合物が非常にゆっくりと溶解したことを示した。結果は、0.002mg/cm・分のIDRを示した(図67)。
SJB−01の可溶化への胆汁成分の影響が大きいので、IDRをFeSSIF培地で実行した。これは、ヒトの摂食状態を反映する。驚くべきことに、最初の実験は、IDRがさらに、胆汁成分の存在下で増加しないことを示した。
化合物の開発可能性を評価する手段として、SJB−01を固体として経口投与する可能性をラットで調査した。臨床的に適切な用量(1、5、及び10mg/kg)をマイクロ懸濁液としてラットに投与した。さらに、粒径の影響を調査するために、同様に、比較のために懸濁液(5mg/kg)を投与した。
SJB−01のマイクロ懸濁液を投与した場合、絶対的な生物学的利用能は、低用量(1及び5mg/kg)で約20%であったが、10mg/kg(約30%)で著しく増加し、用量比例性が指数関数的パターンに従うことを示唆した(図68A〜68B)。5mg/kgでの粒径(10及び50μm)を比較する場合、生物学的利用能に違いがなかった。低用量での吸収が溶解制限されていないことを示唆する。高用量での生物学的利用能の指数関数的増加は、より高い生物学的利用能を受け取るために、代謝酵素または輸送システムを飽和させる必要があることを示し得る。
SJB−01に関して、開発可能性評価を行った。SJB−01の非常に低い水溶性及び低いpKa値は、胃腸管における限られた可溶化をもたらし得る。さらに、この潜在的な問題を調査するために、化合物のIDRを測定し、化合物の非常に遅い溶解速度を実証した。それ故、これらの結果に基づいて、経口投与時に固形SJB−01がラットにどの程度吸収されるかを見るのは驚くべきことであった。ラットにマイクロ懸濁液として10mg/kgのSJB−01を投与した場合、絶対生物学的利用能は、非常に良好であった(約30%)。これは、粒径ならびに胃及び/または腸液が、可能な従来の錠剤またはカプセル製剤の化合物開口部の生物学的利用能にプラスの影響を与えることを明確に示す。
低IDRを考慮した場合、驚くほど高い生物学的利用能を説明するために、生体関連培地への溶解度を実施した。また、ラットの腸内環境を反映した摂食状態の培地中のIDRを測定した。絶食した胃の状態を絶食状態及び摂食状態で模擬腸液と比較する場合、溶解度が増加した。しかし、驚くべきことに、IDRはさらに、標準のIDR培地と比較して、摂食状態で模擬腸液では改善されなかった。
Curatolo(1998)により記載されるように、SJB−01の最大吸収用量(MAD)は、以下の式に従って計算することができる:
MAD=S*K*SIWV*SITT
式中、Sが、pH6.5での溶解度(mg/ml)であり、Kが、経腸吸収率定数(十分に吸収された化合物の場合、0.03分−1)、SIWVが、小腸の水量(ここでは、250mlに設定される)であり、SITTが、小腸通過時間(4.5時間=270分と想定される)である。この式を使用すると、SJB−01の最大吸収可能用量は、16mgである。表28に示すように、MADの計算はさらに、生体関連媒体の溶解度を使用することにより詳述することができる。従って、摂食状態の状況では、MADは、SJB−01の場合38mgまで増加する。
Figure 2021522341
SJB−01のヒト用量は、5mg以下(Bundgaard及びSteiniger−Brach,Report 046−845−2009)であると予測される。MADの計算が予測されるヒト用量の範囲内であるので、化合物の生物学的利用能の問題は予測されない。
実施例4:SJB−01の単結晶構造、ベータ形多形
メチルイソブチルケトン及びメチルtert−ブチルエーテルの溶液から蒸発させることにより、パターンβであるSJB−01のX線品質の単結晶を成長させた(試料L100149−74−13)。100Kでの結晶(0.22×0.41×0.46mm)でデータを収集し、単斜晶系P2空間群で解析した。リファインメントの最終的な残差値は、R1=0.0229(I>2σ(I))及びwR2=0.0613(全データ)である。wR2を用いる解は、R1値の約2倍である。
SJB−01の2つの分子及び溶媒なしが、非対称ユニットを含む。非対称単位の両方の分子は、Sエナンチオマー(キラル炭素C1及びC31、図78)であり、P2空間群に反転中心、鏡面、または滑り面対称要素がないので、結晶内に1つのエナンチオマーしか必要ない。絶対配置の設定を、0.016(16)のリファインされたFlackパラメーターに基づいて高い信頼性で行った。フラックパラメーター1は、正しい解が決定された立体配置の逆であることを示すことになり、0.5は、結晶が両方のエナンチオマーを含有することを示すことになり、0.0は、決定された解が正しいことを示す。
結晶構造は、溶媒含有または保持の問題を示唆するいかなる細孔またはチャネルも示さない。図77は、100K及び290Kで収集された単結晶データから計算されたXRPDパターンのオーバーレイ、ならびに室温(約298K)でのパターンβの実験的XRPDパターンを示す。100K及び290Kで計算されたパターンは、若干の有意差を示し、これは、温度範囲(両方の温度で単位格子パラメーターについて表29を参照のこと)上の単位格子のc軸のかなりの変化に起因し得る。パターンβの290Kでの計算パターン及び実験パターンが一致する。
Figure 2021522341
試料調製
メチルイソブチルケトン(MIKB)メチル−t−ブチルエーテル(MtBE)混合物中の化合物SJB−01の試料を得た。それは、良質ないくつかの結晶を含有していた。データ収集のために選択された標本は、0.22×0.41×0.46mmの寸法を有するブロックであった。鉱油(STPオイルトリートメント)を用いてMiTeGen(商標)マウントに、結晶を載せた。第1の回折パターンは、非メロヘドラル双晶の兆候がなく、結晶が良質であることを示した。
データ収集及びデータ整理
IμSマイクロソースのCu Kα放射線(λ=1.54178Å)を使用するBruker APEX2 CCD検出器に接続されたBruker−AXS X8カッパ回折計で、回折データ(φ−及びω−スキャン)を100Kで収集した。プログラムSAINTを用いてデータ整理を行い、プログラムSADABSを用いて、当量に基づいて半経験的吸収補正を行った(J.Appl.Cryst.2015,48,3−10)。結晶特性及びデータ/リファイン統計の概要が表30に示される。
Figure 2021522341
構造解明及びリファインメント
プログラムSHELXT(Acta Cryst.2015,A71,3−8)を使用する直接的方法で構造を解析し、確立されたリファインメント手法を使用するSHELXL(Acta Cryst.2015,C71,3−8)を用いて、全データでFに対してリファインした(Crystallography Reviews 2009,15,57−83)。全ての非水素原子を異方的にリファインした。炭素結合した水素原子を全て、幾何学的に計算された位置に配置し、(メチル基に対し1.5倍)結合する原子のUeqの1.2倍にUisoを拘束しながら、騎乗モデルを使用してリファインした。窒素上の水素原子の座標を、差分フーリエ合成からとり、その後、N−H距離に距離制限を用いて、それらの水素原子を半自由にリファインした(アミドN−Hの場合、目標値0.88(2)Å、アミンN−Hの場合、0.91(2)Å)。さらなる制限を適用しなかった。
結晶構造
化合物SJB−01は、単斜晶系キラル空間群P2を結晶化し、2つの結晶学的に独立したSJB−01の分子を有し、非対称単位に溶媒を含まない(図78)。
結晶構造では、SJB−01の2つの結晶学的に独立した分子が、2つの分岐した古典的な水素結合により結合している疑似中心対称二量体を形成する。これらのうち、2つの相互作用、すなわち、N1−H1…O4及びN4−H4…O2は、はるかに強力であるが、他の2つは、弱い(N1−H1…F2)、非常に弱い(N4−H4…F1)と考えられるべきである。さらに、2つの分子内水素結合(N3−H3…O2及びN6−H6…O4)があるが、得られる5員環の形状が幾分密接している。パッキングは、3つの非古典的なC−H…O相互作用により幾分安定化される。古典的な水素結合が図78に描かれ(但し、N6−H6…O4が、図78の分子の配向の斜視図のために隠れている)、全ての水素結合が表31に示される。
Figure 2021522341
2つの結晶学的に独立した分子は、よく重なる。図79は、キラル炭素原子上のフェニル基及びシクロプロピル基、さらには、窒素結合しているエチル基を除く全ての非水素原子を介して計算されたオーバーレイを示す。このオーバーレイでは、第2の分子が反転している。全ての非水素原子で計算されたRMS偏差は、0.09Åである。
分子は、キラルであり、絶対構造は、共鳴散乱シグナルに基づいて決定することができる。Parsons法により計算されるFlack−xパラメーター(Acta Cryst.2004,A60,s61)は、0.016(16)にリファインした。Hooft & Spek(J.Appl.Cryst.2008,41,96−103)により導入された方法を使用する異常シグナルの分析により、絶対構造が適切である確率が1、構造がラセミツインである確率が0、絶対構造が不完全である確率が0と計算されている。それ故、構造のキラル炭素原子が、第1の分子内に構成C1:Sを、第2の分子内にC31:Sを有することを、高い信頼度で決定することができる。結晶学的に独立した分子はともに、同じ構成を有する。図80は、構造のパッキングプロットを示し、図81は、模擬粉末パターンを示す。
実施例5:SJB−01、ベータ形多形の調製
投入SJB−01化合物を合成した。SJB−01ベータ形は、種々の分離プロセスを利用した結晶化後に得られ得る。特定の実施形態では、投入APIのHCl塩を使用した。好ましいプロセスでは、塩基化合物の最終的な脱保護をIPAcで完了させた。反応溶液を水、水中の5%の重炭酸ナトリウム、及び水で洗浄した。得られたIPAc層は、蒸留によりアセトンに溶媒交換した。n−ヘプタンを添加して、SJB−01の1:2アセトン:n−ヘプタン懸濁液を作成した。懸濁液を55℃に加熱して溶解させ、−20℃に徐冷して、濾過した。この記載されたプロセスを使用して、7kgのベータ形多形SJB−01を得た。
実施例6:SJB−01のベータ形多形のpH溶解度研究
緩衝液への溶解度
pH1.3及び7.4(13合計)の水性緩衝液を調製し、3mLを約15mgのSJB−01(L100149−44−1、ジェット粉砕)に添加した。これらのスラリーをホットプレート上、37℃で24時間撹拌した。固体が液体表面に凝集して浮遊する明らかな傾向があったので、確実に固体を完全に混合及び湿潤させるために、撹拌の最初の2時間以内に超音波処理及びボルテックスを用いた。超音波処理及びボルテックスの後、その上に浮遊した固体と共に、溶液(スラリー)中で懸濁しているかなりの固体があった。24時間後、約2mLの溶液をシリンジ濾過して、試料を収集した。フィルターを通過した最初の1mLの溶液を廃棄し、第2の0.5〜1mLの溶液をHPLC分析に使用した。試料を希釈せずにHPLCに注入した。表32は、データの概要を示し、図82は溶解度対pHのプロットを示す。
生成されたpHに関する溶解度プロファイルは、比較的変化が少なかった。pHの増加とともに溶解度が減少する傾向が観察された。KHP緩衝液は、同様のpHの他の緩衝液よりもわずかに高い溶解度を示した(図82)。
Figure 2021522341
Figure 2021522341
HPLCの検量線及び方法
SJB−01(L100149−44−1)をメスフラスコに直接計量し、ACN:水(6:4体積)で容量まで満たして、検量線を構築する。表33は、データポイントを示し、図83は、検量線を示す。使用されたHPLC法の詳細が表34に示され;これらは、以前の溶解研究で使用されたパラメーターに従う。
Figure 2021522341
Figure 2021522341
物質
Figure 2021522341
実施例7:臨床試験における多形
式(I)の化合物のベータ形多形は、第I相臨床試験で使用されている。臨床試験中、投与された懸濁液中のベータ形多形を、健康な対象に投与した。

Claims (53)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2021522341
    のベータ形多形であって、前記多形が、実質的に純粋な多形である、前記ベータ形多形。
  2. 約10.93°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の多形。
  3. 約7.80°及び10.93°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の多形。
  4. 約7.80°、9.79°、10.93°、11.95°、16.95°、17.58°、18.94°、20.80°、21.95°、24.02°、25.17°、及び28.25°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の多形。
  5. 図38に実質的に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の多形。
  6. 約163℃に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、請求項1に記載の多形。
  7. 図39に実質的に示される熱重量分析及び示差走査熱量測定サーモグラムを有する、請求項1に記載の多形。
  8. 前記多形が、5μg/mLの水への溶解度を有する、請求項1に記載の多形。
  9. 式(I)の化合物:
    Figure 2021522341
    のアルファ形多形であって、前記多形が、実質的に純粋な多形である、前記アルファ形多形。
  10. 約6.37°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の多形。
  11. 約6.37°及び8.60°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の多形。
  12. 約6.37°、8.60°、9.06°、10.72°、11.76°、12.71°、14.62°、17.13°、19.74°、23.02°、及び24.99°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の多形。
  13. 図33に実質的に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の多形。
  14. 約157°Cに吸熱ピークを含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、請求項9に記載の多形。
  15. 前記多形が、6μg/mLの水への溶解度を有する、請求項9に記載の多形。
  16. 式(I)の化合物:
    Figure 2021522341
    のガンマ形多形であって、前記多形が、実質的に純粋な多形である、前記ガンマ形多形。
  17. 約5.62°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項16に記載の多形。
  18. 約4.31°及び5.62°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項16に記載の多形。
  19. 約4.31°、5.62°、及び6.71°2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項16に記載の多形。
  20. 図47に実質的に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項16に記載の多形。
  21. 式(I)の化合物:
    Figure 2021522341
    のアモルファス形態であって、前記アモルファス形態が、実質的に純粋である、前記アモルファス形態。
  22. 図42に実質的に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項21に記載のアモルファス形態。
  23. 図43に実質的に示される熱重量分析及び示差走査熱量測定サーモグラムを有する、請求項21に記載のアモルファス形態。
  24. 前記アモルファス形態が、5μg/mLの水への溶解度を有する、請求項21に記載のアモルファス形態。
  25. 請求項1〜24のいずれか1項に記載の多形またはアモルファス形態及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  26. 前記医薬組成物が、経口で、脂肪内で、動脈内で、関節内で、頭蓋内で、皮内で、病変内で、筋肉内で、鼻腔内で、眼内で、心膜内で、腹腔内で、胸膜内で、前立腺内で、直腸内で、クモ膜下腔内で、気管内で、腫瘍内で、臍内で、膣内で、静脈内で、小胞内で、硝子体内で、リポソームで、局所で、粘膜で、非経口で、直腸で、結膜下で、皮下で、舌下で、局所で、経頬で、経皮で、経膣で、クリーム中で、脂質組成物中で、カテーテルによる、洗浄剤による、連続注入による、注入による、吸入による、注射による、局所送達による、または局所灌流による投与のために、製剤化される、請求項25に記載の医薬組成物。
  27. 前記医薬組成物が、経口、動脈内、静脈内、または局所投与用に製剤化される、請求項25に記載の医薬組成物。
  28. 前記医薬組成物が、硬質または軟質カプセル剤、錠剤、シロップ剤、懸濁剤、固体分散剤、ウェハー、またはエリキシル剤として製剤化される、請求項25に記載の医薬組成物。
  29. 前記医薬組成物が、錠剤として製剤化される、請求項25に記載の医薬組成物。
  30. 前記医薬組成物が、ローション、クリーム、ゲル剤、油、軟膏、塗剤、または懸濁剤として製剤化される、請求項25に記載の医薬組成物。
  31. 前記医薬組成物が、経皮パッチとして製剤化される、請求項25に記載の医薬組成物。
  32. さらに、溶解性及び分散性を増強する増強剤を含む、請求項25〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  33. 式(I)の化合物の微粉化ベータ形多形を含み、前記多形が、99%超の純度を有し、前記医薬組成物が、錠剤として製剤化される、医薬組成物。
  34. 処置を必要とする対象を処置する方法であって、請求項1〜24のいずれか1項に記載の多形またはアモルファス形態を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  35. 処置または予防を必要とする対象の状態または疾患を処置または予防する方法であって、請求項25〜33のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  36. 前記疾患が、精神病;統合失調症;統合失調症様障害;統合失調感情障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害;一般的な病状による精神病性障害;物質または薬物誘導性精神病性障害(コカイン、アルコール、アンフェタミンなど);統合失調質パーソナリティー障害;統合失調症型パーソナリティー障害;大うつ病、双極性障害、アルツハイマー病またはパーキンソン病と関連する精神病または統合失調症;大うつ病;全般性不安障害;双極性障害(維持療法、再発予防、及び安定化);躁病;軽躁病;認知不全;ADHD;肥満症;食欲減退;認知障害;アルツハイマー病;パーキンソン病;疼痛;痙攣;咳;喘息;気道過敏性;微小血管過敏症;気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患;尿失禁;PTSD;高齢者の認知症及び興奮及びせん妄;過敏性腸症候群及び炎症性腸障害を含む炎症性疾患;嘔吐;子癇前症;気道過敏性;限定されないが良性前立腺過形成(BPH)、転移性前立腺腫、精巣癌、乳癌、アンドロゲン依存性ざ瘡、男性型脱毛症、子宮内膜症、異常な思春期、子宮筋腫、ホルモン依存性癌、アンドロゲン過剰症、多毛症、男性化、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、HAIR−AN症候群(アンドロゲン過剰症、インスリン抵抗性、及び黒色表皮腫)、卵巣過形成症(卵巣間質における黄体化卵胞膜細胞の過形成を伴うHAIR−AN)、高卵巣内アンドロゲン濃度の他の症状(例えば、濾胞性成熟停止、閉鎖症、無排卵、月経困難症、機能不全の子宮出血、不妊症)ならびにアンドロゲン産生腫瘍(男性化卵巣または副腎腫瘍)を含む生殖障害及び性ホルモン依存性疾患;ならびに婦人科障害及び不妊症から選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記疾患が、統合失調症である、請求項35に記載の方法。
  38. 前記状態が、ほてりである、請求項35に記載の方法。
  39. 前記ほてりが、前記対象の卵巣または精巣の除去に関連する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記ほてりが、乳癌処置に関連する、請求項38に記載の方法。
  41. 前記ほてりが、アンドロゲン遮断療法に関連する、請求項38に記載の方法。
  42. 前記ほてりが、性腺機能不全症または低血清ゴナドトロピンレベルに関連する、請求項38に記載の方法。
  43. 前記ほてりが、白血病を有する対象に関連する、請求項38に記載の方法。
  44. 前記ほてりが、ノンディッパー型高血圧症に関連する、請求項38に記載の方法。
  45. 前記ほてりが、カルチノイド症候群に関連する、請求項38に記載の方法。
  46. 前記ほてりが、閉経後のアンドロゲン過剰症に関連する、請求項38に記載の方法。
  47. 前記ほてりが、思春期早発症に関連する、請求項38に記載の方法。
  48. 前記疾患または状態が、過剰体脂肪及び/または過剰体重である、請求項35に記載の方法。
  49. 前記疾患または状態が、レプチン関連疾患である、請求項35に記載の方法。
  50. 前記疾患または状態が、ホルモン不均衡である、請求項35に記載の方法。
  51. 疾患の前記処置のための薬品の製造における、請求項1〜24のいずれか1項に記載の多形またはアモルファス形態の使用。
  52. 式(I)の化合物:
    Figure 2021522341
    の多形を生成する方法であって、式(I)の化合物及び酢酸イソプロピルを組み合わせて、第1の溶液を形成すること;前記第1の溶液を蒸留して、前記酢酸イソプロピルをアセトンと交換し、第2の溶液を形成すること;n−ヘプタンを前記第2の溶液に添加して、アセトン:n−ヘプタン比が1:2である懸濁液を形成すること;前記懸濁液を55℃の温度に加熱すること及び、前記加熱懸濁液を−20℃の温度に徐冷して、前記式(I)の化合物のベータ形多形を含む組成物を形成すること、を含む前記方法。
  53. 式(I)の化合物の前記生成多形が、ベータ形多形である、請求項52に記載の方法。
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