JP2021521009A - 複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体 - Google Patents

複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体 Download PDF

Info

Publication number
JP2021521009A
JP2021521009A JP2020548729A JP2020548729A JP2021521009A JP 2021521009 A JP2021521009 A JP 2021521009A JP 2020548729 A JP2020548729 A JP 2020548729A JP 2020548729 A JP2020548729 A JP 2020548729A JP 2021521009 A JP2021521009 A JP 2021521009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
laser beam
weld
laser
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020548729A
Other languages
English (en)
Inventor
シァォフゥイ ハン
シァォフゥイ ハン
ヂェンドン マオ
ヂェンドン マオ
ユェシン ガオ
ユェシン ガオ
カイ ヂォン
カイ ヂォン
ガンチン リー
ガンチン リー
Original Assignee
シーアールアールシー チンダオ スーファン カンパニー リミテッド
シーアールアールシー チンダオ スーファン カンパニー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シーアールアールシー チンダオ スーファン カンパニー リミテッド, シーアールアールシー チンダオ スーファン カンパニー リミテッド filed Critical シーアールアールシー チンダオ スーファン カンパニー リミテッド
Publication of JP2021521009A publication Critical patent/JP2021521009A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/346Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding
    • B23K26/348Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding in combination with arc heating, e.g. TIG [tungsten inert gas], MIG [metal inert gas] or plasma welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
    • B23K26/04Automatically aligning, aiming or focusing the laser beam, e.g. using the back-scattered light
    • B23K26/046Automatically focusing the laser beam
    • B23K26/048Automatically focusing the laser beam by controlling the distance between laser head and workpiece
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/70Auxiliary operations or equipment
    • B23K26/702Auxiliary equipment

Abstract

本開示は、レーザアーク溶接の技術分野に関し、特に、複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体に関する。本開示の方法は、レーザ光と可変極性アークを結合することにより溶接部材の開先に複合溶接を行うことを含み、その中、レーザ光のデフォーカス量は、レーザ光のレイリー長以上である。本開示の方法は、レーザ光の溶接部材表面におけるパワー密度を効果的に低下させ、溶接ビードの深さと幅の比を減少させ、溶接溶融孔の直径を増加させ、溶接溶融孔がピンホールの潰れ現象によるホールを効果的に減少させ、さらに従来技術における溶接気孔の欠陥が排出されにくい課題を解決し、水素ガス孔の発生を低下させ、溶接の安定性及び信頼性を効果的に向上させ、且つ溶接ビードの力学的性能を向上させる。【選択図】図1

Description

(関連出願)
本願は、2019年4月8日に提出した、出願番号が「201910277678.7」、発明名称が「複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体」である中国特許出願の優先権を要求し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
本開示は、レーザアーク溶接の技術分野に関し、特に、複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体に関する。
アルミニウム合金は、比強度が高く、耐食性に優れ、塑性に優れ、加工成形が容易である等の利点を有し、高速列車の軽量化構造設計において、車体製造に多く用いられている。高速列車全体支承式車体構造の需要に応じて、車体の製造に中空のアルミニウム合金型材が多く採用され、突合せ溶接により一体に形成される。従来のアーク溶接方法によるアルミニウム合金の溶接に比べて、レーザ−アーク複合溶接方法によりアルミニウム合金を溶接することは、そのフォーカス特性に優れ、エネルギー密度が高く、溶接速度が速く、溶接変形が小さく、継ぎ手性能に優れるため、エンジニアリング上の応用がますます広くなる。
しかしながら、現在、一般的なレーザ−アーク複合溶接方法が大きく長い薄肉アルミニウム合金部材の溶接に用いられる場合、以下のようなエンジニアリング上の課題がある。
(1)酸化膜の洗浄が不十分であることによる溶接気孔欠陥を排出しにくい課題。
従来のレーザアーク複合溶接プロセスにおいて、複合溶接中のレーザ溶接は、一般的にデフォーカスがなし又はデフォーカス量が小さいため、ワーク表面にあるレーザ光の光スポットが小さく、エネルギー密度が大きく、レーザ光による「ピンホール効果」が顕著である。レーザ溶接プロセスにおいて、ピンホールを維持する主な動力は後壁に対する金属蒸気の反動圧力であり、より多くの金属が溶融されるため、溶融池に発生した大量の金属蒸気が溶融池の後壁に衝突し、溶融池の振動を引き起こし、金属が飛散し、溶接ビードを充填するのに十分な金属がないので、ピンホールが潰れ、「ピンホール型」の気孔が形成される。それと共に、図4及び図5に示すように、レーザ溶接の速度が速く、冷却凝固プロセスで気泡が形成されやすく溶接ビードに残留して水素ガス孔となる。従来のレーザ−アーク複合溶接プロセスは、溶接ビードの内部に気孔が形成されやすく、溶接不良等の欠陥が発生する問題がある。
高速列車の車体用中空形材のパッド付きアルミニウム合金の突合わせ構造について、そのレーザ溶接プロセスにおいてピンホールがパッドを貫通せず、典型的なブラインド溶接構造である。小デフォーカス又はゼロデフォーカスを採用する従来のレーザ溶接プロセスでは、その溶融池の深さと幅の比がより大きく、溶融池の体積がより小さく、溶接速度がより速いため、溶融池の冷却結晶化の速度が速く、気泡の浮上及び排出には不利である。気孔の存在は、溶接継手の有効な負荷面積を低減するだけでなく、局所的に応力を集中させるため、溶接継手の強度と靭性を低下させ、溶接継手の寿命に大きな影響を与える。そのため、パッド付きアルミニウム合金の突合わせ溶接に対して、その気孔欠陥は依然としてレーザ溶接プロセスにおいて避けられない課題である。
(2)アルミニウム合金表面の高反射によるレーザ−アーク複合溶接プロセスが不安定で、成形不良等のエンジニアリング上の問題。
従来のレーザ−アーク複合溶接方法では、レーザ溶接は、「ピンホール効果」が発生しているが、従来のレーザ−アーク複合溶接では、レーザ溶接継ぎ手で発生したレーザ光の光スポットが、通常非常に小さく(光スポット径は0.6mm以下)、発生したピンホールのサイズも小さくなる(ピンホール径1mm以下)。アルミニウム合金の車体構造の組立精度の要求が高いので、アルミニウム合金自体の物理的特性及びレーザ溶接によるピンホール効果に影響され、レーザ光の高反射及び高エネルギー溶接プロセスで形成された金属蒸気が揮発することにより、レーザ溶接の安定性が悪化し、溶接不良等の問題が発生しやすくなる。小さい光スポットによって形成されたピンホール溶接にとっても、溶接の連続的で安定した制御の困難性が高くなる。それと共に、部品の連続溶接プロセスにおける開先隙間の変化、及び溶接ビードの組立や位置決めの存在も、従来の小光スポット、ピンホール式のレーザ−アーク複合溶接の安定性、信頼性に悪影響を及ぼす。
本開示の実施態様は、従来技術において溶接気孔が排出されにくいという問題を解決し、溶接の安定性と信頼性を効果的に向上させるための複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体を提供することを目的とする。
上記の技術課題を解決するために、本開示は複合溶接連続溶接方法を提供し、当該方法は、レーザ光と可変極性アークを結合することにより溶接部材の開先に複合溶接を行うことを含み、その中、前記レーザ光のデフォーカス量は、前記レーザ光のレイリー長以上である。
一部の実施態様において、前記レーザ光が前記溶接部材の正面から垂直又は傾斜に前記開先に入射し、前記可変極性アークが前記レーザ光の側面から前記開先に作用する。
一部の実施態様において、前記可変極性アークが前記レーザ光の後側から前記開先に作用する。
一部の実施態様において、前記レーザ光が前記溶接部材の開先に作用する時に、前記開先の溶接ビード内に溶接溶融孔を形成するように、前記レーザ光の光スポットは前記開先に位置し、前記レーザ光の焦点は前記光スポットの上方に位置し、前記レーザ光のデフォーカス量は、前記焦点と前記光スポットとの間の距離であり、前記レーザ光のデフォーカス量が前記レーザ光のレイリー長より大きい。
一部の実施態様において、前記レーザ光のデフォーカス量をHとし、前記レーザ光のレイリー長をZとすると、H>2Zである。
一部の実施態様において、当該方法には、更に、
前記レーザ光及び前記可変極性アークが前記開先を複合溶接すると同時に、開先内に溶接ワイヤを充填して、前記溶接ワイヤを前記開先内に溶融させて溶接ビードを形成することを含む。
本開示は、複合溶接連続溶接装置を更に提供し、当該装置は、
レーザ光を発生させるためのレーザ溶接部と、
可変極性アークを発生させるための、前記レーザ溶接部とサイド軸複合し、前記レーザ光と前記可変極性アークとが結合して、前記溶接部材の開先に複合溶接を行うようになるアーク溶接部と、
前記レーザ溶接部と前記アーク溶接部とにそれぞれ接続され、
前記レーザ光のデフォーカス量が前記レーザ光のレイリー長以上となるように前記レーザ溶接部を制御し、可変極性アークが発生するようにアーク溶接部を駆動する制御手段と、
を含む。
一部の実施態様において、当該装置は、
サイド軸複合により前記レーザ溶接部の側面に取り付けられるワイヤ送給機構を更に含む。
本開示は、溶接製品を更に提供し、当該製品は、
第1の溶接部材及びロックベース付きの第2の溶接部材を含み、前記第1の溶接部材は前記ロックベース上に位置して前記第2の溶接部材に突合わせ、前記第1の溶接部材及び第2の溶接部材の突合わせ箇所に開先が形成され、上記の方法により前記開先の箇所に溶接ビードを形成する。
本開示は、更に上記溶接製品を含む車体を更に提供する。
本開示の上記技術案は、以下の有益な効果がある。
本開示の複合溶接連続溶接方法は、レーザ光と可変極性アークを結合することにより溶接部材の開先に複合溶接を行うことを含み、その中、レーザ光のデフォーカス量は、レーザ光のレイリー長以上である。本開示の方法は、レーザ光と可変極性アークを結合して、レーザ光のデフォーカス量をレイリー長の範囲外までに増大させることで、レーザ光の溶接部材表面におけるパワー密度を効果的に低下させ、溶接ビードの深さと幅の比を減少させ、溶接溶融孔の直径を増加させ、複合溶接の安定性を向上させると共に、溶接溶融孔がピンホールの潰れ現象によるホールの発生を効果的に減少させ、さらに従来技術における溶接気孔が排出されにくいという課題を解決し、水素ガス孔の発生を低下させ、溶接の安定性及び信頼性を効果的に向上させ、且つ溶接ビードの力学的性能を向上させる。
以下は、本開示の実施態様又は従来技術における技術案を明確的に説明するために、実施態様又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、次に説明する図面は、本開示における幾つかの実施態様であり、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で更にこれらの図面からその他の図面を得ることができる。
本開示の実施態様の複合溶接連続溶接方法の溶接状態の図である。 図1におけるIの部分の拡大図である。 本開示の実施態様のレーザ光のレイリー長の解析図である。 本開示の実施態様における比較例の溶接ビードの形状図である。 本開示の実施態様における比較例の溶接ビードの断面図である。 本本開示の実施態様の複合溶接連続溶接方法の実施例の溶接ビードの形状図である。 本開示の実施態様の複合溶接連続溶接方法の実施例の溶接ビードの断面図である。
以下、図面及び実施態様を参照しながら、本開示の実施形態をより詳細に説明する。以下の実施態様は、本開示を説明するためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するためものではない。
本開示の説明において、特に断りのない限り、「複数」とは二つ又は二つ以上を意味する。用語の「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」、「先端」、「後端」、「ヘッド部」、「テール部」等が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本開示の説明を容易にし、また説明を簡略化するためだけであり、示された装置又は素子は必ず特定の方位にあり、特定の方位において構造されて操作されると明示又は暗示するものではないので、本開示に対する限定であると理解するべきではない。また、「第一」、「第二」等の用語は、説明の便宜上使われるだけで、その相対的な重要度を明示又は暗示すると理解するべきではない。
本開示の説明において、説明する必要があるのは、特に断りのない限り、「取付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能であり、機械的な接続や、電気的な接続でも可能であり、直接接続することや、中間媒体を介して互いに間接接続することでも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語が本開示における具体的な意味を理解することができる。
実施態様
図1及び図2に示すように、本実施態様の提供する複合溶接連続溶接方法は、レーザ光と可変極性アークを結合することにより溶接部材の開先に複合溶接を行うことを含む。その中、レーザ光のデフォーカス量Hは、レーザ光のレイリー長Z以上である。当該方法は、レーザ−可変極性複合溶接を使用して溶接すべき部材に対する連続溶接を実現し、且つ複合溶接のエネルギー結合作用を利用して溶接の安定性を確保する。それと共に、レーザ光のデフォーカス量をレーザ光のレイリー長範囲外にまで増大させることで、従来技術における溶接気孔が排出されにくいという課題を解決し、溶接の安定性と信頼性を効果的に向上させる。
従来のレーザアーク複合溶接の時に、発生したレーザ光はデフォーカスがなく又はデフォーカス量Hが非常に小さいであるため、ワーク表面にあるレーザ光の光スポット9が小さく(光スポット9の直径が0.6mmより小さい)、レーザ光のエネルギー密度(パワー密度)が大きく、「ピンホール効果」が顕著である。複合溶接のレーザ溶接プロセスにおいて、ピンホールを維持する主な動力は後壁に対する金属蒸気の反動圧力である。レーザ光のエネルギー密度(パワー密度)が大きいため、より多くの金属が溶融され、溶接ビード内の溶融池に多くの金属蒸気が発生し、これらの金属蒸気が絶えずに溶融池の後壁に衝突して溶融池の振動を引き起すことにより、金属が飛散し、溶接ビードを充填するのに十分な金属がないので、ピンホールが潰れ、最終的に溶接ビードの断面7内に複数の「ピンホール型」の気孔が形成される。それと共に、従来のレーザアーク複合溶接は、溶接の速度が速いため、ピンホールが冷却凝固プロセスで気泡が形成されやすく溶接ビードに残留して水素ガス孔となる。そのため、従来のレーザ−アーク複合溶接方式は、溶接ビード内部に気孔が形成されやすく、溶接部材の開先の溶接不良等の欠陥が発生しやすい。
本開示の実施態様の方法は、レーザ光と可変極性アークとの間に結合作用が発生することを利用し、それによりレーザ光−可変極性アーク複合溶接の方式で溶接部材の開先に複合溶接を行う。該溶接プロセスにおいて、レーザ光のデフォーカス量Hをレイリー長Zの範囲外までに増大させることで、レーザ光の溶接部材表面におけるパワー密度を効果的に低下させ、溶接ビードの深さと幅の比を減少させ、溶接溶融孔8の直径を増加させ、複合溶接の安定性を向上させ、それと共に、溶接溶融孔8がピンホールの潰れ現象によるホールの発生を効果的に減少させ、さらに従来技術における溶接気孔の欠陥が排出されにくいという課題を解決し、水素ガス孔の発生を低下させ、気孔が効果的に排出することを確保し、側壁が溶接しない等の品質不良を減少し、溶接ビードを成形させ、また、溶接部材の溶接品質と力学的性能を大幅に向上させる。それと共に、本実施態様に記載の方法を応用して溶接する時に、溶接部材に発生する溶接ビードの幅が従来のレーザ−アーク複合溶接の溶接ビードより2−3倍に大きくなり、溶接部材を用いて大型部品の組み立てを行う時に、組立の隙間や溶接ビードの位置決めの溶接工程の適応能力を大幅に向上させる。
なお、特にアルミニウム合金板材について、本実施態様に記載の方法を採用することで、アルミニウム合金板材のレーザ溶接中における発生する気孔及び成形の課題を効果的に解決でき、且つレーザ−アーク溶接の安定性及び信頼性を向上させ、比較的に長く大きい薄肉部材に対する連続溶接に適用することができる。
高速列車の車体には、通常、ロックベース付きの突合わせ構造に関する。当該突合わせ構造の構造は、下記の溶接製品の構造を参照することができる。溶接を行う時に溶接ビードの漏れと溶接ビード表面の噛み込みの発生を防止し、且つ良好な溶接ビード形状を形成するために、通常、二つの突合わせ溶接部材が突合わせる時に形成される溶接すべき開先の底部にパッドを設置する必要がある。一般的に、このようなパッドを、その一つの溶接部材の端部と一体になるように設けられ、もう一つの溶接部材の端部は当該パッドに搭載接続される。且つ二つの溶接部材の端部が突合わせることを確保し、二つの溶接部材の突合わせ箇所に溶接すべき開先を形成する。このような突合わせ構造を「ロックベース付きの突合わせ継ぎ手構造」と呼ばれ、その中で、前記パッドはロックベースである。
同様に、高速列車車体用の中空形材のロックベース付きのアルミニウム合金突合わせ構造に対し、該突合わせ構造の溶接プロセスにおいて、溶接品質を確保するために、レーザによるピンホールがロックベース3を貫通しないようにする。したがって、上記ロックベース付きの突合わせ構造(即ち、下記の溶接製品)は典型的なブラインド溶接構造である。上記のブラインド溶接構造に対して溶接を行う時、小さなデフォーカス又はゼロデフォーカスの従来のレーザ溶接プロセスを採用すると、溶接の溶融池の深さと幅の比が大きくなりすぎ、溶融池の体積が小さくなりすぎ、溶接速度が速くなりすぎるため、溶融池の冷却結晶化の速度が速くなりすぎ、気泡の浮上及び排出には不利である。気孔の存在は、当該溶接部材の突合わせ構造の有効な負荷面積を低減させるだけでなく、当該突合わせ構造の局所に応力集中を発生させるため、溶接部材の強度と靭性を低下させ、溶接部材ひいては車体の寿命に大きな影響を与える。
そのため、ロックベース付きの突合わせ構造に対し、溶接時に発生する気孔欠陥は依然として溶接プロセスにおいて避けられない課題である。溶接中にレーザ光のデフォーカス量Hの大きさを変化させることは、溶接品質に大きな影響を与える。具体的には、溶接時に他のパラメータが一定であると、レーザ光のデフォーカス量Hの変化によって直接溶接部材表面におけるレーザ光の光スポット9の直径の大きさを変更することができるので、溶接プロセスにおける溶接部材表面に対する入力熱の大きさに影響を及ぼす。デフォーカス量Hが小さすぎると、溶接品質及び溶接プロセスに多くの悪影響を与える。以下の二つの面の悪影響を含む。
一方では、デフォーカス量Hが小さい場合、溶接部材の表面には比較的に高いレーザパワー密度が発生し、マイクロ秒の時間範囲内で、溶接部材の表層が沸点まで加熱され、それにより大量の気化の金属蒸気が発生し、それと共に、高濃度のガスは液相金属を溶融池の縁まで移動させ、溶融池の中心に窪みを形成するため、溶接溶融孔8の安定化に不利であり、溶融池の内部には非常に気孔と成形欠陥が発生しやすい。
他方では、小さなデフォーカス又はゼロデフォーカスのレーザ溶接方法を採用して上記突合わせ構造に対して溶接を行うと、当該突合わせ構造の開先には嵌合隙間が存在するため、開先内の対流伝導の媒体の表面面積が相対的に小さくなり、対流伝導の熱の三次元空間における分布が不均一となり、それにより溶接金属が外に溢れ、溶融し過ぎ、溶接ビードの根元部又は開先の側壁における溶接不良等の溶接ビード成形不良が発生する。
上記の悪影響を解消し、溶接の安定性及び品質を向上させるために、本実施態様の方法は、複合溶接におけるレーザ光(レーザビーム)のデフォーカス量Hを該レーザ光のレイリー半径以上の範囲に向上させ、且つ可変極性アークとレーザ光を結合することにより、可変極性アークを利用して溶接部材表面のエネルギー吸収率を向上させ、本実施態様に記載の複合溶接が溶接部材の表面に十分な入射エネルギーを発生させることを確保し、且つ溶接ビードの溶融池の成形が安定することを確保する。本実施態様の方法は、レーザ光−可変極性アーク溶接を基として、レーザ光のデフォーカス量Hを増大させることで、溶接部材表面のパワー密度Iを低下させ、それと共に、溶接溶融孔8の構造が安定し、溶融池内の気孔の発生を効果的に低減させ、且つ成形欠陥を低減させ、これにより最終的に形成された溶接製品の力学的性能を向上させる。
具体的には、図3に示すように、本実施態様に記載された連続溶接方法では、レーザ光が図3のZ方向の矢印に沿って溶接部材の開先に入射する。光学的(特にレーザ光学的)において、サドル部(図3に示すようなレーザ光の焦点Aの位置)の半径をWとし、その断面積をSとする。レーザ光の伝播方向Zに示すように、レーザ光の断面積Sが散乱により2Sとなった場合、この位置を図3に示すB点位置とすると、B点位置のレーザ光の断面積は、S=2Sとなる。本実施態様に記載のレイリー長Z又はレイリーの範囲はA点からB点までの長さ(即ち図3に示すZ)であり、且つB点位置の光スポット9の半径は、
Figure 2021521009
であり、B点位置のレーザ光の断面積SはA点位置のレーザ光の断面積Sの2倍である。
本実施態様では、レーザ光のデフォーカス量Hとレイリー長Zとの関係は、H≧Zであり、好ましくは、H>Zであり、さらに好ましくは、H>2Zであり、溶接部材表面のパワー密度Iを十分に小さくし、しかも更に開先での溶融の金属速度をさらに低下させ、気泡の発生を低減し、気泡を十分にオーバーフローさせるための反応時間を与える。具体的には、図3に示すbは共役焦点距離であり、b=2Zである。W(Z)はレーザビームのZ方向の半径であり、W(Z)の最小値はA点に現れ、即ちW(A)=Wとなり、θはレーザ光がW(Z)位置に散乱したときの広がり角であり、λはこのレーザ光の波長であると、
Figure 2021521009
本実施態様では、レーザ光のパワー密度をI、レーザ光のエネルギー(即ち、レーザ光のパワー)をE、レーザ光の光スポット面積をSとすると、
Figure 2021521009
上記のことから明らかなように、本開示の実施態様の方法では、複合溶接時のレーザ光のデフォーカス量Hをレイリー長の範囲に達して超えるように増大させると、レーザ光のスポット面積が増加し、溶接部材の表面が受けたレーザ光のパワー密度が相応的に減少するようにし、表層金属が沸点に達するまでに数ミリ秒が必要し、表層が気化する前に、底部金属が融点に達し、容易に開先において良好な溶融の溶接ビードを形成する。一方で、溶接ビード断面7の幅を効果的に増加させ、該方法で溶接部材の開先に発生する溶接ビードの深さと幅の比を低減させ、溶接溶融孔8の直径を相応的に増加させる。
上記のことから、本実施態様に記載の複合溶接は、レーザ光の高エネルギー密度を利用して大デフォーカス(デフォーカス量Hがレイリー長Zの範囲外)、大きな光スポット9(スポット9の径が2mm以上)のレーザ光アーク複合溶接を達成することにより、溶接部材の表面に大きなキーホール(溶接溶融孔8の孔径が3mm以上)を形成するレーザ光による深溶込み溶接であることが分かる。溶込み深さが深く、変形が小さく、応力が低い高エネルギー、高速溶接を実現すると共に、従来のレーザ−アーク複合溶接のビードの特徴と異なる溶融幅が広いレーザアーク複合溶接のビードを得て、その溶接ビードの幅は、従来のレーザ−アーク複合溶接のビードの2−3倍であり、それによりレーザアーク複合溶接の隙間の適応性能と欠陥の抑制性能を大幅に向上させる。
それと共に、レーザ光のデフォーカス量Hが増大した後に溶接プロセスが不安定となることを避けるために、本実施態様の方法では、可変極性アークをレーザ光の結合熱源とし、可変極性アークとレーザ光の結合作用を利用して共に溶接部材の開先に作用することにより、溶接部材の開先への連続且つ安定した溶接を実現する。
溶接プロセスにおいて、可変極性アークが正方向や逆方向の電流値及びデューティ比の調整可能な特性を十分に利用し、陰極のクリーニング作用(cleaning action、清浄作用)を最大程度に強化して溶接部材表面の酸化膜を除去することで、溶接プロセスにおいて溶接ビード内での水素ガス孔の発生を大幅に低減させる。一方、可変極性アークの導入は溶接プロセスを安定させ、隙間の適応性能及び溶接ビードの溶込みの位置決めの能力を向上させ、エンジニアリング適合性を向上させる作用を果たす。それと共に、可変極性アークが有する正負極性の周期的交互の過程は、長く大きい薄肉アルミニウム合金部材に対する連続且つ安定した溶接に重要な役割を果たす。
具体的には、可変極性アークが有する正負極交互過程は、アーク溶接部5のタングステン電極継手を効果的に冷却することができ、それにより溶接の熱入力をより低減させ、且つ溶接部材表面のエネルギー吸収率を向上させることで、大デフォーカスのレーザ溶接の安定性に対して更なる確保役割を提供すると共に、そのアークの正極性は陰極のクリーニング作用を有するため、溶接部材の表面の酸化膜を十分に除去することができ、その負極性はアークタングステン電極を効果的に冷却するように保護することができ、それにより溶接部材への連続且つ安定した良好な溶接能力を形成する。
図1に示すように、本実施態様に記載の方法では、レーザ光が溶接部材の正面から垂直又は傾斜に開先に入射し、可変極性アークがレーザ光の側面から開先に作用することで、レーザ光と可変極性アークとの間にサイド軸複合の構造関係を構成する。さらに、可変極性アークがレーザ光の後側から開先に作用する。レーザビームはアークの前に位置するのは、溶接ビードの上表面が均一且つ完全で美観であるように形成され、且つアークがレーザ光の後に位置すると、溶接部材表面における、熱源の作用する面積がより大きく、熱源が除去された後に溶接ビードの冷却がより遅くなるため、溶融池におけるガスのオーバーフローに有利であり、溶接ビード内に気泡が残ることにより溶接品質に影響することを回避する。また、アークの熱源がレーザ光の後側に作用することは、溶接ビードの焼戻しに相当し、溶接ビードの接続強度を更に高める。
具体的には、レーザ光が溶接部材の開先の箇所に作用する時に、レーザ光の光スポット9は開先に位置し、開先の溶接ビード内に溶接溶融孔8を形成するようになる。レーザ溶接部4とアーク溶接部5との同期移動に伴って、開先内に連続した溶接ビードが形成される。図1及び図7に示すように、溶接ビードの断面7から明らかなように、溶接溶融孔8が溶接ビード内に形成される。本実施態様において、レーザ光のデフォーカス量Hは焦点Aと光スポット9との間の距離であり、当該レーザ光の焦点Aは光スポット9の上方に位置し、即ちレーザ光のデフォーカス量Hが0より大きく、且つレーザ光のデフォーカス量Hがレーザ光のレイリー長Zより大きい。
本実施態様に記載の方法は、レーザ光及び可変極性アークが開先を複合溶接すると同時に、開先内に溶接ワイヤを充填して、溶接ワイヤを開先内に溶融させて溶接ビードを形成することを含む。好ましくは、レーザ光の前側から開先内に溶接ワイヤを充填し、即ち溶接ワイヤを予め開先内に置いてから、レーザ光とアークとの結合により開先内の溶接ワイヤに作用して、溶接ワイヤを溶融して開先内に充填して溶接ビードを形成する。
本実施態様の方法では、レーザ光は、前側にあって溶接部材に対して深溶込み溶接を実施することに用いられ、可変極性アークは、後側にあって溶接時に溶接部材の開先内に予熱及びアーク安定化の役割の発生に用いられる。それにより、レーザエネルギーの利用率を向上させ、レーザとアークの二種類の熱源の相互作用を向上させ、アルミニウム合金材料自体のレーザへの高反射率によるレーザエネルギーの損失を大幅に低減させる。それと共に、可変極性アークは、正方向や逆方向の電流値及びデューティ比の調整可能な特性を十分に利用し、陰極のクリーニング作用を最大程度に強化して表面酸化膜を除去し、溶接ビード表面における水素ガス孔の発生を低減し、それと共に、更に溶接の熱入力を低減し、溶接ビードの深さと幅の比を低減してその安定性を向上させる。従来のレーザアーク複合溶接の応力が低く、変形が小さく、高エネルギー、高効率の溶接特徴を維持すると同時に、溶融池の流れ及び成形プロセスにおけるエンジニアリング上の適応能力をさらに向上させ、溶接気孔の欠陥は光スポット9の直径及び溶接溶融孔8の孔径の増大により効果的に排出され、深溶込み溶接の固有する側壁の溶融していない欠陥に対する抑制能力を更に向上させ、溶接ビード成型及び継ぎ手品質をさらに改善し、力学的性能を効果的に向上させる。
上記方法に基づき、本実施態様は、複合溶接による連続溶接の装置を更に提供する。この装置は、上述した方法を使用して溶接部材を溶接する。
具体的には、図1および図2に示すように、当該装置は、レーザ光を発生させるためのレーザ溶接部4と、可変極性アークを発生させるためのアーク溶接部5と、制御手段とを備えている。アーク溶接部5は、レーザ溶接部4にサイド軸複合し、上述した連続溶接方法により、レーザ光と可変極性アークを結合して、溶接部材の開先に複合溶接を行う。溶接時には、レーザ溶接部4から出射されたレーザ光の光スポット位置を現在の溶接点とし、アーク溶接部5のアーク発生継手が当該現在の溶接点を指して、レーザ光と可変極性アークとの結合を利用して、開先内の同一位置(即ち、現在の溶接点)の溶接ワイヤを溶融して、溶接ワイヤで開先を充填して溶接ビードを形成するようになる。制御手段は、レーザ溶接部4とアーク溶接部5とにそれぞれ接続されている。制御手段は、レーザ光のデフォーカス量Hが前記レーザ光のレイリー長Z以上となるようにレーザ溶接部4を制御し、可変極性アークが発生するようにアーク溶接部5を駆動するために用いられる。
本実施態様では、レーザ溶接部4から発生するレーザビームは、COレーザ、ファイバレーザ、または半導体パルスレーザのいずれかであり、アーク溶接部5から発生する可変極性アークは、非溶極(TIG)アークまたはプラズマアーク(PA)であってもよい。図1に示す矢印方向は、レーザ溶接部4とアーク溶接部5との同期移動方向であり、即ち、溶接方向である。
本実施態様では、レーザ溶接部4とアーク溶接部5との間はサイド軸複合されている。サイド軸複合とは、レーザビームとアークが予定の角度で共に溶接部材の同一位置に作用して、該位置に対して複合溶接を行うことである。なお、複合溶接する時に、レーザ溶接部4とアーク溶接部5との間には、サイド軸複合以外に、同軸複合という構造形態を採用してもよく、即ち、レーザ溶接部4とアーク溶接部5とを、レーザ光とアークとが同軸にあって共に溶接部材の同一位置に作用するように、内外で入れ子にして同軸に設置させる。
本実施態様の装置は、専用の溶接ノズル位置構造を有する。具体的には、図1に示すように、レーザ溶接部4から出射されるレーザ光の方向を基準として、ワイヤ送給機構6が傾斜してレーザ溶接部4の前方に位置してワイヤ前置きが形成され、アーク溶接部5が傾斜してレーザ溶接部4の後方に位置してアーク後置きが形成され、可変極性アークとレーザ光との間に発生された結合により、共に前置きの溶接ワイヤに作用する。可変極性アークはレーザ光に対して予熱、アーク安定化の役割を果たす。図1に示す溶接部材の上方を溶接部材の正面として、レーザ光は溶接部材の正面から垂直または斜めに入射し、可変極性アークは、レーザ光にサイド軸複合し、溶接ワイヤは、送給されて、2つの熱源が作用する溶接部材の開先箇所における同一位置内で溶融され、それによりその位置で溶融池を形成する。上述したワイヤ送給機構6の溶接ワイヤとレーザ溶接部4のレーザ光との間、及びレーザ溶接部4のレーザ光とアーク溶接部5の可変極性アークとの間のピッチは、それぞれ0.5mm−1mm、及び2mm−3mmであり、レーザ光を基準とした相対的傾斜角度は、それぞれ25°−30°、および30°−40°である。上記のノズル位置の構造は、各溶接部ノズルの冷却効果を高め、ノズルの連続溶接性能を高めることができる。
本実施態様の装置を用いて溶接を行う場合、溶接部材の板厚と型材自体の溶接要件に応じて、デフォーカス量がレイリー長Zの2倍以上のレーザビームにより溶接することが好ましい。具体的には、レーザビームのデフォーカス量Hは10mm以上であり、さらに好ましくは、10mm〜20mmのデフォーカス量Hで溶接する。このデフォーカス量Hの範囲は、レイリー長Zの範囲を超え、かつレイリー長さZの2倍以上であるという要件を満たす。レーザ光のデフォーカス量Hを増大させるため、溶接部材の表面に作用する光スポット9の直径が2mm以上に増大し、溶接溶融孔8の直径が更に3mm以上に増大し、溶接ビードの幅が9mm以上であり、溶接ビードの深さと幅の比が適切に低減し、溶接溶融孔8の表面面積を大幅に増加させることで、その連続溶接の安定性を向上させ、溶接ビード内の気孔を効果的に排出して溶接ビードを成形させ、溶接品質を顕著に改善する。
上記方法及び装置に基づき、本実施態様は、さらに溶接製品を提供する。当該溶接製品は、第1の溶接部材1、及びロックベース3付きの第2の溶接部材2を含み、第1の溶接部材1はロックベース3上に位置して第2の溶接部材2に突合わせ、第1の溶接部材1及び第2の溶接部材2の突合わせ箇所に開先が形成され、上記の連続溶接方法により上記開先部に溶接ビードを形成する。ロックベース3は、該溶接製品の開先の底部の保護構造として、上記の連続溶接方法により第1の溶接部材1と第2の溶接部材2との間、及び第1の溶接部材1とロックベース3との間をしっかり溶接し、溶接製品の構造強度と力学的性能を効果的に向上させる。
本実施態様に記載の溶接製品において、第1の溶接部材1及び第2の溶接部材2の制限された厚さの範囲は、いずれも2mm−6mmであり、これは、溶接部材の厚さが6mmを超えると、溶接時に必要なレーザパワーが大幅に増加し、熱入力が高まると共に溶融池の安定性が低下し、気孔率及び溶接欠陥が増加するためである。そのため、本実施態様の連続溶接方法は、対応する溶接製品を得るために、母材の厚さが2−6mmのアルミニウム合金を溶接するのにより適している。
本実施態様は、さらに車体を提供する。当該車体は、上述したような溶接加工品を含む。
比較実験
以下は、比較実験により、本実施態様に記載の複合溶接連続溶接方法のプロセス及び効果について詳細に説明する。
本実験に記載の比較例は、従来のレーザ−アーク複合溶接を採用し、本実験に記載の実施例は、本実施態様に記載の複合溶接連続溶接方法を採用する。比較例及び実施例はいずれも、突合わせた第1の溶接部材1と第2の溶接部材2として、厚さがいずれも4mmであり、材質が6系アルミニウム合金の2つの板材を採用し、且つ第2の溶接部材2の第1の溶接部材1と突合わせた端部にロックベース3が設けられている。
本実験の比較例に記載の従来のレーザ−アーク複合溶接のパラメータは以下の通りである。
レーザパワーはE=4500Wであり、アーク電流は220Aであり、溶接速度は5m/minであり、ワイヤ送給機構6の速度は5m/minであり、レーザ溶接部4のレーザデフォーカス量Hは0である。比較例は、溶接実験により得られた溶接ビードの正面マクロ形状は図4に示す通りであり、比較例の溶接ビードの横断面マクロ形状は図5に示す通りである。
本実験の実施例に記載の方法では、レーザデフォーカス量Hを増大することにより溶接ビード内の気孔の発生を減少させ、溶接ビードの成形状態を改善することができる。当該複合溶接連続溶接方法の溶接パラメータは以下の通りである。
レーザパワーはE=6500Wであり、アーク電流は230Aであり、溶接速度は4.8m/minであり、ワイヤ送給速度は5.5m/minであり、レーザ光のデフォーカス量Hは+15mmである。該実施例により得られた溶接ビードの正面マクロ形状は図6に示す通りであり、該実施例により得られた溶接ビードの横断面マクロ形状は図7に示す通りである。
比較により分かるように、
図4及び図5に示すように、比較例の溶接部材は、従来のレーザ−アーク複合溶接により得られた溶接部材の溶接ビードの余盛高さが大きく、約1.5mm−2mmであり、溶接ビードの断面7の溶込み幅が狭く、約3mm〜4mmであると共に、溶接ビードの断面7において複数箇所に視認できる気孔が現れ、溶接ビード内の溶融池、溶接溶融孔8と溶接部材の開先との接合部の成形が不安定である。
図6及び図7に示すように、実施例の溶接部材は、本実施態様に記載の連続溶接の方法により得られた溶接部材の余盛高さは小さく、約0.5mm−1mmであり、溶接ビードの断面7の溶込み幅が広く、約8mm−9mmであると共に、溶接ビード断面7において気孔の欠陥が基本的に解消され、溶接ビード内の溶融池、溶接溶融孔8と溶接部材の開先との接合部の成形が均一且つ安定である。
当該比較実験によりさらに以下のことが得られる。当該実施例の方法により得られた溶接継ぎ手構造(即ち上記溶接製品)において、溶接ビードの溶接変形は、比較例よりもやや大きいが、従来のアーク溶接に比べて大幅に小さいため、高速列車車体用の中空形材のパッド付き(ロックベース3)のアルミニウム合金突合わせ構造の連続且つ安定的で、良好な溶接の要件を満たすことができる。
上述のように、本実施態様の複合溶接連続溶接方法は、レーザ光と可変極性アークを結合するにより溶接部材の開先に複合溶接を行うことを含み、その中、レーザ光のデフォーカス量Hは、レーザ光のレイリー長Z以上である。本開示の方法は、レーザ光と可変極性アークを結合して、レーザ光のデフォーカス量Hをレイリー長Zの範囲外までに増大させることで、レーザ光の溶接部材表面におけるパワー密度を効果的に低下させ、溶接ビードの深さと幅の比を減少させ、溶接溶融孔8の直径を増加させ、複合溶接の安定性を向上させると共に、溶接溶融孔8がピンホールの潰れ現象によるホールの発生を効果的に減少させ、さらに従来技術における溶接気孔が排出されにくいという課題を解決し、水素ガス孔の発生を低下させ、溶接の安定性及び信頼性を効果的に向上させ、且つ溶接ビードの力学的性能を向上させる。
今回開示された実施の形態は、例示及び説明のために示されたものであって、本開示を全て網羅するものでも、開示された形態に限定するものでもない。当業者であれば、多くの修正や変更が可能であることは明らかである。実施態様を選択して説明することは、本開示の原理と実際の応用をより良く説明するためであり、且つ当業者は本開示を理解して特定の用途に適する様々な変更を有する様々な実施態様を作り出すことができる。
1…第1の溶接部材、 2…第2の溶接部材、 3…ロックベース、 4…レーザ溶接部、 5…可変極性アーク溶接部、 6…ワイヤ送給機構、 7…溶接ビード断面、 8…溶接溶融孔、 9…光スポット、 A…フォーカス、 H…デフォーカス量、 Z…レイリー長。

Claims (10)

  1. レーザ光と可変極性アークを結合することにより溶接部材の開先に複合溶接を行うことを含み、
    その中、前記レーザ光のデフォーカス量は、前記レーザ光のレイリー長以上であることを特徴とする複合溶接連続溶接方法。
  2. 前記レーザ光が前記溶接部材の正面から垂直又は傾斜に前記開先に入射し、前記可変極性アークが前記レーザ光の側面から前記開先に作用することを特徴とする請求項1に記載の複合溶接連続溶接方法。
  3. 前記可変極性アークが前記レーザ光の後側から前記開先に作用することを特徴とする請求項2に記載の複合溶接連続溶接方法。
  4. 前記レーザ光が前記溶接部材の開先に作用する時に、前記開先の溶接ビード内に溶接溶融孔を形成するように、前記レーザ光の光スポットは前記開先に位置し、前記レーザ光の焦点は前記光スポットの上方に位置し、前記レーザ光のデフォーカス量は、前記焦点と前記光スポットとの間の距離であり、前記レーザ光のデフォーカス量が前記レーザ光のレイリー長より大きいことを特徴とする請求項1に記載の複合溶接連続溶接方法。
  5. 前記レーザ光のデフォーカス量をHとし、前記レーザ光のレイリー長をZとすると、H>2Zであることを特徴とする請求項4に記載の複合溶接連続溶接方法。
  6. 前記レーザ光及び前記可変極性アークが前記開先を複合溶接すると同時に、開先内に溶接ワイヤを充填して、前記溶接ワイヤを前記開先内に溶融させて溶接ビードを形成することを含むことを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の複合溶接連続溶接方法。
  7. レーザ光を発生させるためのレーザ溶接部と、
    可変極性アークを発生させるための、前記レーザ溶接部とサイド軸複合して、前記レーザ光と前記可変極性アークとが結合して、前記溶接部材の開先に複合溶接を行うようになるアーク溶接部と、
    前記レーザ溶接部と前記アーク溶接部とにそれぞれ接続され、前記レーザ光のデフォーカス量が前記レーザ光のレイリー長以上となるように前記レーザ溶接部を制御し、可変極性アークが発生するようにアーク溶接部を駆動する制御手段と、
    を含むことを特徴とする複合溶接連続溶接装置。
  8. サイド軸複合により前記レーザ溶接部の側面に取り付けられるワイヤ送給機構を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の複合溶接連続溶接装置。
  9. 第1の溶接部材及びロックベース付きの第2の溶接部材を含み、前記第1の溶接部材は前記ロックベース上に位置して前記第2の溶接部材に突合わせ、前記第1の溶接部材及び第2の溶接部材の突合わせ箇所に開先が形成され、請求項1−6のいずれか1項に記載された方法により前記開先の箇所に溶接ビードを形成することを特徴とする溶接製品。
  10. 請求項9に記載された溶接製品を含むことを特徴とする車体。
JP2020548729A 2019-04-08 2019-09-09 複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体 Pending JP2021521009A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201910277678.7A CN110000475B (zh) 2019-04-08 2019-04-08 复合焊连续焊接方法及装置、焊接成品、车体
CN201910277678.7 2019-04-08
PCT/CN2019/104848 WO2020206923A1 (zh) 2019-04-08 2019-09-09 复合焊连续焊接方法及装置、焊接成品、车体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021521009A true JP2021521009A (ja) 2021-08-26

Family

ID=67170364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020548729A Pending JP2021521009A (ja) 2019-04-08 2019-09-09 複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11931826B2 (ja)
EP (1) EP3750665A4 (ja)
JP (1) JP2021521009A (ja)
CN (1) CN110000475B (ja)
AR (1) AR116944A1 (ja)
WO (1) WO2020206923A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110000475B (zh) * 2019-04-08 2020-09-04 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 复合焊连续焊接方法及装置、焊接成品、车体
CN110480172A (zh) * 2019-07-31 2019-11-22 北京航星机器制造有限公司 一种5a06/6005a异种铝合金件激光焊接方法
CN110977171B (zh) * 2019-11-12 2021-11-23 江苏大学 一种改善焊缝成形的真空激光-电弧复合焊接方法及装置
CN111539533A (zh) * 2020-04-20 2020-08-14 上海工程技术大学 一种基于极限学习机和小孔特征的焊接熔透定量评价方法
CN111604597B (zh) * 2020-06-01 2022-05-24 华北水利水电大学 一种k型接头双电弧预热激光摆动焊接方法
CN111843215B (zh) * 2020-07-03 2021-11-09 武汉大学 一种高强铝合金构件的电弧增材制造方法、设备及产品
KR102520937B1 (ko) * 2021-05-28 2023-04-12 주식회사 원익큐엔씨 레이저를 이용한 쿼츠 용접 방법
CN113996932B (zh) * 2021-11-15 2023-05-16 哈焊国创(青岛)焊接工程创新中心有限公司 一种消除焊缝余高及咬边缺陷的焊接系统及焊接方法
CN114669879A (zh) * 2022-04-11 2022-06-28 苏州中科煜宸激光智能科技有限公司 铝合金单激光自熔焊的背保护工装及焊接方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014036995A (ja) * 2012-08-20 2014-02-27 Toshiba Corp 溶接システムおよび溶接方法
JP2014079783A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Mitsubishi Electric Corp レーザ・アークハイブリッド溶接方法、ハイブリッド溶接用ヘッド、及びハイブリッド溶接装置
JP2015000411A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 日産自動車株式会社 パネル接合方法及びこのパネル接合方法によって製造した接合パネル
US20180071848A1 (en) * 2015-03-24 2018-03-15 Scansonic Mi Gmbh Laser Beam Joining Method and Laser Machining Optics

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10216972A (ja) * 1997-02-04 1998-08-18 Kubota Corp レ−ザと消耗電極式ア−クの複合溶接方法
JP3753656B2 (ja) * 2001-12-27 2006-03-08 本田技研工業株式会社 Yagレーザとアークの複合溶接方法および装置
JP2008137023A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd レーザ溶接用接合継手および接合体
CN101474726B (zh) * 2009-01-16 2010-12-08 北京工业大学 采用填充焊丝的窄间隙激光-电弧复合焊接方法
CN101474727A (zh) * 2009-01-16 2009-07-08 北京工业大学 一种薄板t型接头的激光-电弧复合焊接方法
CN102161134A (zh) * 2009-12-01 2011-08-24 南车青岛四方机车车辆股份有限公司 变极性方波钨极氩弧和激光复合焊接方法
US9221118B2 (en) * 2012-07-26 2015-12-29 General Electric Company Adaptive control hybrid welding system and methods of controlling
CN108465938A (zh) * 2018-03-16 2018-08-31 江苏顺发电热材料有限公司 前置电弧液化电热元件表层的激光复合焊接方法
CN110000475B (zh) * 2019-04-08 2020-09-04 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 复合焊连续焊接方法及装置、焊接成品、车体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014036995A (ja) * 2012-08-20 2014-02-27 Toshiba Corp 溶接システムおよび溶接方法
JP2014079783A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Mitsubishi Electric Corp レーザ・アークハイブリッド溶接方法、ハイブリッド溶接用ヘッド、及びハイブリッド溶接装置
JP2015000411A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 日産自動車株式会社 パネル接合方法及びこのパネル接合方法によって製造した接合パネル
US20180071848A1 (en) * 2015-03-24 2018-03-15 Scansonic Mi Gmbh Laser Beam Joining Method and Laser Machining Optics

Also Published As

Publication number Publication date
EP3750665A4 (en) 2022-07-06
WO2020206923A1 (zh) 2020-10-15
AR116944A1 (es) 2021-06-30
CN110000475B (zh) 2020-09-04
CN110000475A (zh) 2019-07-12
US11931826B2 (en) 2024-03-19
US20210162542A1 (en) 2021-06-03
EP3750665A9 (en) 2021-11-10
EP3750665A1 (en) 2020-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021521009A (ja) 複合溶接連続溶接方法及び装置、溶接製品、車体
US7154065B2 (en) Laser-hybrid welding with beam oscillation
EP1534460B2 (en) Laser welding with beam oscillation
JP5601003B2 (ja) レーザ・アーク複合溶接方法、及び突き合わせ溶接用金属板の開先
CN102357734B (zh) 一种激光填丝焊接连接2 xxx与7 xxx异种铝合金的方法
CN111185666B (zh) 一种扫描激光-tig电弧复合深熔焊接方法
JP2008126315A (ja) 改良された溶込みを伴うレーザ溶接方法
CN108453388B (zh) 一种t型结构件双激光诱导电弧穿透焊接方法及焊接装置
CN103433630B (zh) 一种脉动送丝激光-电弧复合点焊方法
CN106944756A (zh) 一种薄板对接焊接净成形的双光束激光‑tig复合焊接工艺
RU2547987C1 (ru) Способ лазерной сварки
CN105618933B (zh) 一种高效高质的激光‑微弧等离子复合焊接方法
JP2010046671A (ja) 重ね継手の溶接方法
CN113146043A (zh) 同步送粉穿光焊接方法及系统
Jokinen Novel ways of using Nd: YAG laser for welding thick section austenitic stainless steel
JP4998634B1 (ja) レーザ溶接方法
CN117564474A (zh) 一种大厚板t型接头激光—电弧双侧复合多层焊接方法
JP4998633B1 (ja) レーザ溶接方法
CN117564470A (zh) 一种低电阻率材料对接薄板激光-cmt复合焊接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220721

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221206