JP2021520213A - 改変デカルボキシラーゼポリペプチドならびにチラミンおよびドーパミンの調製におけるその使用 - Google Patents

改変デカルボキシラーゼポリペプチドならびにチラミンおよびドーパミンの調製におけるその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書では、L−チロシンなどのアミノ酸の脱炭酸を触媒してチラミンを生成するか、またはL−DOPAの脱炭酸を触媒してドーパミンを生成するのに有用な改変デカルボキシラーゼポリペプチドが提供される。また、改変デカルボキシラーゼポリペプチドの調製プロセス、ならびに産業関連の条件下での反応プロセスも提供される。また、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列、および改変デカルボキシラーゼポリペプチドを使用してチラミンまたはドーパミンを生成する方法も提供される。

Description

本発明は、バイオテクノロジーの分野に関し、特に、改変デカルボキシラーゼポリペプチド、それらの調製方法、および改変デカルボキシラーゼポリペプチドを使用してチラミンおよびドーパミンを生成する反応プロセスに関する。
チラミンは、4−(2−アミノエチル)−フェノールとしても知られている。これは寄生木および腐敗した動物組織の一部に見られる。ドーパミンは、細胞がパルスされた化学物質を伝達するのを助ける神経伝達物質である。2つの重要な生物学的アミンであるチラミンとドーパミンとは、生理学的および製薬的に大きな価値がある。人体内で、チラミンはノルエピネフリン分泌を促進し、末梢神経を収縮させ、高血圧を引き起こすのに効果的な役割を果たしている。ドーパミンは、心筋収縮性を高め、血液の拍出量を増加させ、心拍数を加速させる効果を有する。製薬および化学産業では、チラミンはドーパミンおよび脂質低下性ベザフィブラートなどの多くの薬物の合成前駆体であり、一方ドーパミンはL−DOPAおよびリファンピンなどの薬物の前駆体である。さらに、チラミンは、ヒアルロン酸−チラミンヒドロゲル、ポリビニルアルコール−チラミンヒドロゲル、ビオチン−チラミンコンジュゲート、および抗体精製メディアなどの生物医学的材料の調製に広く使用されている。
現在の工業規模でのチラミン合成技術は、主にベンゼンアセトニトリル法、アニスアルデヒド法、p−ヒドロキシベンズアルデヒド法、およびフェノール法などの化学合成法に基づいている。ドーパミンの合成は、主にバニリン法で実施されている。これらの方法には、多くの欠点、例えば、設備または施設への非常に厳しい要求、環境汚染があり、その結果、工業生産が難しくなる。近年、環境保護への意識が高まる中、酵素による生体内変換法はグリーンテクノロジーとして多くの注目を浴びている酵素反応は、立体選択性が高く、反応条件が穏やかであり、かつ触媒効率が高いという利点があり、有望な工業用途の可能性を示している。したがって、酵素的反応は、チラミンおよびドーパミンの合成における重要な研究分野となっている。
現在、チラミンまたはドーパミンを生成する実行可能な酵素的反応は、L−チロシンまたはL−DOPAにデカルボキシラーゼを適用している。チロシンデカルボキシラーゼに関する研究により、野生型細菌におけるチロシンデカルボキシラーゼの発現は低く、野生型チロシンデカルボキシラーゼの活性または安定性は工業生産のニーズを満たすことができないことが判明した。L−DOPA上でデカルボキシラーゼを工業規模で使用してドーパミンを製造する方法は報告されていない。
発明の内容
1.概要
チラミンを製造するための現在の化学プロセスに存在する問題を解決するために、本発明は、高い生成物濃度、穏やかな反応条件、および環境に優しいことを特徴とする酵素的方法を使用して、経済的かつ効率的な解決策を提供する。それは操作が簡単で、工業環境において容易にスケールアップされるため、良好な産業用途の展望を有する。
第1の態様では、本発明は、新規の改変デカルボキシラーゼポリペプチドを提供する。これらの改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、特定の数のアミノ酸残基の置換、挿入、または欠失を含む、定向進化の作成プロセスを通して、不十分な性能を有する野生型デカルボキシラーゼから誘導される。この野生型デカルボキシラーゼは、Streptococcus Thermophilusに由来し、そのアミノ酸配列は配列番号2として示される。本発明者らによって測定されたように、配列番号2のデカルボキシラーゼは、チロシン脱炭酸を触媒してチラミンを生成し(スキーム1)、L−DOPA脱炭酸を触媒してドーパミンを生成する(スキーム2)ことができる、デカルボキシラーゼ活性を有する。しかしながら、配列番号2のデカルボキシラーゼは、十分に安定ではない。低温条件下(−20℃〜4℃)で保持されていても、配列番号2の活性が大幅に失われるため、E.coliのような微生物によって発現された後の、保存およびその後の処理(例えば、固定化酵素の作製)が困難になる。本発明者らが測定したところ、配列番号2のデカルボキシラーゼ(実施例2に記載の方法により調製された)は、以下の安定性を示した:−20℃で48時間保持した後、スキーム1またはスキーム2における配列番号2の活性は30%減少し、4℃で48時間保持した後、その活性は約50%低下し、30℃で48時間保持した後、その活性は約70%低下した。
Figure 2021520213

Figure 2021520213
スキーム1およびスキーム2の工業的適用を可能にするより安定なデカルボキシラーゼを有するために、本発明者らは、より優れた活性を有する一連の安定した改変デカルボキシラーゼポリペプチドを開発した。この改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、特定の数のアミノ酸残基の置換、挿入、または欠失を含む、定向進化の作成プロセスを通して作成された。
本発明において提供される改良された改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号2の野生型デカルボキシラーゼと比較して、より高い安定性および/または活性を有する。一方では、これはL−チロシンの脱炭酸を触媒してチラミンをより効率的に生成でき、L−DOPAの脱炭酸を触媒してドーパミンを生成することもできる。いくつかの実施形態では、本開示の改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、L−チロシンをチラミンおよび二酸化炭素に少なくとも配列番号2の活性以上の活性で変換することができ、いくつかの実施形態では、本開示の改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、L−DOPAをドーパミンおよび二酸化炭素に少なくとも配列番号2の活性以上の活性で変換することができる。
これらの改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、X12、X26、X30、X44、X51、X52、X56、X58、X63、X72、X123、X133、X147、X181、X210、X271、X294、X317、X376、X380、X388、X454、X465、X467、X517、X530、X535、X536、X538、X576から選択される1つ以上の残基位置において配列番号2の配列とは異なるアミノ酸配列を含み得る。改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、以下の特徴の少なくとも1つを含むアミノ酸配列を含み(これらの特徴は、配列番号2の参照配列へのアミノ酸残基の置換である):D12Y、D12T、Q26T、Q26F、D30E、Q44R、Q44K、Q44I、Q44L、K51P、K51T、P52T、P52V、P52S、A56S、A56T、A56P、Q58R、Q58V、Q58H、E63D、K72R、A123S、M133V、Y147F、A181E、N210L、I271P、I271S、V294A、V317E、A376S、F380L、I388T、K454R、K465R、K465V、K465L、K465G、V467L、N517D、N530D、V535W、T536G、S538V、E576K、あるいは、上記の差異に加えて、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24、25個以上のアミノ酸残基の挿入または欠失を含む。
より具体的には、いくつかの実施形態では、配列番号2を超えて改善された改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104の参照配列と少なくとも80%,85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含む。
2つのアミノ酸配列または2つのヌクレオチド配列間の同一性は、当該技術分野で一般的に使用されるアルゴリズムによって得ることができ、NCBI BlastpおよびBlastnソフトウェアを使用することによって、またはClustal Wアルゴリズムを使用することによって、デフォルトパラメータに従って計算することができる(Nucleic Acid Research,22(22):4673−4680,1994)。
別の態様では、本発明は、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を提供する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、改変デカルボキシラーゼポリペプチドの発現のための1つ以上の制御配列を有する発現ベクターの一部であり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103に対応する配列を含むことができる。
当業者に知られているように、ヌクレオチドコドンの縮重により、アミノ酸配列4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104をコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103に限定されない。本発明のデカルボキシラーゼポリペプチドのポリヌクレオチド配列はまた、アミノ酸配列の配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104をコードする任意の他のポリヌクレオチド配列であってもよい。
別の態様では、本開示は、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチド、改変デカルボキシラーゼポリペプチドを発現することができる発現ベクターおよび宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、E.coliなどの細菌宿主細胞であり得る。宿主細胞は、本明細書に記載の改変デカルボキシラーゼを発現および単離するために使用することができるか、または代替として、基質を生成物に変換するための反応に直接使用することもできる。
いくつかの実施形態では、全細胞、粗抽出物、単離酵素、または精製酵素の形態の改変デカルボキシラーゼは、単独で、または樹脂への固定化などの固定化された形態で使用することができる。
本開示はまた、式(II)のアミノ酸を変換するために本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドを使用して式(I)のアミノ化合物を調製するプロセスも提供し、
Figure 2021520213
式中、Rは、任意選択的に置換もしくは非置換のC〜Cヒドロカルビル、または任意選択的に置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、プロセスは、式(II)のアミノ酸基質を、適切な反応条件下でデカルボキシラーゼポリペプチドと接触させることを含み、デカルボキシラーゼポリペプチドは、本明細書に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドである。いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号2と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有し、配列番号2と比較してより高い変換で式(II)の化合物を式(I)の化合物に変換することができる。
いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、チラミンを調製するプロセスで使用することができる。
Figure 2021520213
これらの実施形態では、プロセスは、適切な反応条件下で、式A1の化合物を、
Figure 2021520213
本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドと接触させることを含む。
いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、ドーパミンを調製するプロセスで使用することができる。
Figure 2021520213
これらの実施形態では、プロセスは、適切な反応条件下で、式A2の化合物を、
Figure 2021520213
本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドと接触させることを含む。
このプロセスに使用するための改変デカルボキシラーゼポリペプチドの特定の実施形態は、実施例においてさらに提供される。上記のプロセスで使用することができる改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104に対応するアミノ酸配列から選択される1つ以上の配列を含むことができる。
本明細書に開示される改変ポリペプチドを使用する式(I)の化合物、チラミン、またはドーパミンの調製のためのプロセスはいずれも、限定されないが、pH、温度、緩衝液、溶媒系、基質負荷、ポリペプチド負荷、圧力、および反応時間範囲を含む適切な反応条件範囲の下で行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、チラミンまたはドーパミンの調製を行うことができ、適切な反応条件は、(a)約5g/L〜約400g/Lの基質化合物(例えば、化合物(II)、A1またはA2)の負荷、(b)約0.5g/L〜約10g/Lの改変ポリペプチドの負荷、または改変ポリペプチドを発現する約1g/L〜約100g/Lの湿細胞の負荷、(c)限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノール(IPA)を含む有機溶媒の0%(v/v)〜約60%(v/v)、(d)約0.01mM〜5mMのPLP補因子の濃度、(e)約3.0〜約8.0のpH、および(f)約10℃〜約60℃の温度を含む。
2.詳細
2.1 定義
別途明示的に定義されない限り、本開示で使用される技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されている意味を有する。
「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」は、長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化、脂質化、ミリストイル化、ユビキチン化など)に関係なく、アミド結合によって共有結合的に連結された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用される。この定義は、D−アミノ酸およびL−アミノ酸、ならびにD−アミノ酸とL−アミノ酸との混合物を含む。
「改変デカルボキシラーゼ」、「改変デカルボキシラーゼポリペプチド」、「改善されたデカルボキシラーゼポリペプチド」および「改変ポリペプチド」は、本明細書で互換的に使用される。
「細胞」または「湿細胞」は、実施例2および実施例9に示す調製手順で得られた湿細胞を含む、ポリペプチドまたは改変ポリペプチドを発現する宿主細胞を指す。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書で互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「補因子」は、触媒反応において酵素と組み合わせて機能する非タンパク質化合物を指す。本明細書で使用される場合、「補因子」は、ビタミンB6ファミリー化合物ピリドキサール−5’−リン酸(PLP)、ピリドキシン(ピリドキソールまたはPN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)、ピリドキシンリン酸(PNP)、およびピリドキサミンリン酸(PMP)を包含することが意図され、これらはまた、補酵素とも称される。
「ピリドキサールリン酸」、「PLP」、「ピリドキサール−5’−リン酸」、「PYP」、および「P5P」は、デカルボキシラーゼ反応において補酵素として作用する化合物を指すために本明細書で互換的に使用される。
「コード配列」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸の一部分(例えば、遺伝子)を指す。
「天然に存在する」または「野生型」は、天然に見られる形態を指す。例えば、天然に存在するかまたは野生型のポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然の源から単離することができ、手作業により意図的に修飾されていない、生物に存在する配列である。
例えば、細胞、核酸またはポリペプチドに関して使用される場合、「組換え」または「改変」または「天然に存在しない」は、さもなければ天然には存在しないであろう様式で修飾された、またはそれと同一であるが、合成材料からおよび/もしくは組換え技術を用いた操作によって生成もしくは誘導される、材料または該材料の本来の形態に対応する材料を指す。
「配列同一性」および「相同性」は、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列間の比較を指すために本明細書で互換的に使用され(「配列同一性」は一般に、パーセンテージとして表される)、比較ウィンドウにわたって最適に整列された2つの配列を比較することによって決定され、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の一部分は、2つの配列の最適な整列のための参照配列と比較して、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。パーセンテージは、同一の核酸塩基もしくはアミノ酸残基が両方の配列に出現する位置の数を決定することによって計算してもよく、または核酸塩基もしくはアミノ酸残基がギャップと整列されて、一致する位置の数を求め、一致する位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除し、その結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを求めてもよい。当業者は、2つの配列を整列させるために利用可能な多くの確立されたアルゴリズムが存在することを理解するであろう。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith and Waterman,1981,Adv.Appl.Math.2:482の局所配列整列アルゴリズム、Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443のグローバル整列アルゴリズム、Pearson and Lipman,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似性検索法、これらアルゴリズムのコンピュータによる実施(GCG Wisconsin Package中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)または目視検査(一般に、Current Protocols in Molecular Biology,FM Ausubel et al.eds.,Current Protocols,a Joint Venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley&Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を参照)によって実行することができる。パーセント配列同一性およびパーセント配列類似性を決定するのに適したアルゴリズムの例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、それぞれ、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403−410およびAltschul et al.,1977,Nucleic Acids Res.3389−3402に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを通して公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列内の同じ長さのワードと整列させたときに、ある正の値の閾値スコアTと一致するかまたはそれを満たす、クエリ配列内の長さWの短いワードを特定することによって、高スコア配列対(HSP)を最初に特定することを伴う。Tは、近隣ワードスコア閾値と称される(Altschulら、上記参照)。これらの最初の近隣ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見出すための検索を開始するためのシードとしての役割を果たす。その後、累積整列スコアを増加させることができる限り、ワードヒットは、各配列に沿って両方向に拡張される。ヌクレオチド配列の場合、累積スコアは、パラメータM(一致する残基の対に対するリワードスコア:常に>0)およびN(不一致残基に対するペナルティースコア:常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを使用して、累積スコアが計算される。累積整列スコアがその達成された最大値から量Xだけ減少した場合、1つ以上の負のスコアの残基整列の蓄積によって累積スコアがゼロ以下になる場合、またはいずれかの配列の末端に到達した場合、各方向へのワードヒットの拡張は、中断される。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、およびXは、整列の感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、およびデフォルト値として両方の鎖の比較を用いる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、デフォルトとして3のワード長(W)、10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスを用いる(Henikoff and Henikoff,1989,Proc Natl Acad Sci USA 89:10915を参照)。配列整列および配列同一性%の例示的な決定は、提供されるデフォルトパラメータを使用して、GCG Wisconsin Softwareパッケージ(Accelrys,Madison WI)のBESTFITまたはGAPプログラムを用いることができる。
「参照配列」は、配列比較のための基準として使用される定義された配列を指す。参照配列は、より大きな配列のサブセット、例えば、完全長遺伝子またはポリペプチド配列の断片であってもよい。一般に、参照配列は、少なくとも20のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の長さ、少なくとも25の残基の長さ、少なくとも50の残基の長さ、または核酸もしくはポリペプチドの完全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドは各々、(1)2つの配列間で類似する配列(すなわち、完全な配列の一部分)を含む場合があり、(2)2つの配列間で異なる配列をさらに含む場合があるため、2つ(またはそれ以上)のポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の配列比較は、典型的には、「比較ウィンドウ」にわたって2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を比較して、配列類似性の局所領域を特定および比較することによって行われる。いくつかの実施形態では、「参照配列」は、野生型配列に限定されることは意図されず、改変または変更された配列を含んでもよい。例えば、「配列番号2に基づく、X44に対応する残基にロイシンを有する参照配列」は、グルタミンである配列番号2の位置X44の対応する残基がロイシンに変更された参照配列を指す。
「比較ウィンドウ」は、少なくとも約20の連続したヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念上のセグメントを指し、配列を、少なくとも20の連続したヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較することができ、比較ウィンドウ内の配列の一部分が、2つの配列の最適な整列のための(付加または欠失を含まない)参照配列と比較して、20%以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。比較ウィンドウは、20の連続した残基よりも長くてもよく、任意選択的に30、40、50、100、またはそれ以上の残基を含む。
所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号付けの文脈において、「に対応する」、「に関して」、または「と比較して」は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較される場合の、特定の参照の残基の番号付けを指す。換言すると、所与の配列の残基数または残基位置は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の数値的な位置によってではなく、参照配列に対して指定される。例えば、改変デカルボキシラーゼなどの所与のアミノ酸配列は、2つの配列間の残基の一致を最適化するためにギャップを導入することにより、参照配列と整列させることができる。これらの場合、ギャップが存在するが、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列内の残基の番号付けは、それらが整列された参照配列に対して行われる。
「アミノ酸の差異」または「残基の差異」は、参照配列の対応する位置におけるアミノ酸残基と比較した、ポリペプチド配列の位置におけるアミノ酸残基の差異を指す。アミノ酸の差異の位置は一般に、本明細書では「Xn」と称され、nは、残基の差異が基づく参照配列内の対応する位置を指す。例えば、「配列番号2と比較したX44位における残基の差異」は、配列番号2の44位に対応するポリペプチド位置におけるアミノ酸残基の差異を指す。したがって、配列番号2の参照ポリペプチドが44位にグルタミンを有する場合、「配列番号2と比較したX44位における残基の差異」は、配列番号2の44位に対応するポリペプチドの位置におけるグルタミン以外の任意の残基のアミノ酸置換を指す。本明細書のほとんどの例では、位置における特定のアミノ酸残基の差異は、「XnY」として示され、「Xn」は、前述のように対応する位置を特定し、「Y」は、改変ポリペプチドに見出されるアミノ酸(すなわち、参照ポリペプチドにおけるものとは異なる残基)の一文字識別子である。いくつかの例では(例えば、表1では)、本開示はまた、慣例的な表示法「AnB」によって示される特定のアミノ酸の差異も提供し、Aは、参照配列内の残基の一文字識別子であり、「n」は、参照配列内の残基位置の番号であり、Bは、改変ポリペプチドの配列内の残基置換の一文字識別子である。いくつかの例では、本開示の改変ポリペプチドは、参照配列と比較して、1つ以上のアミノ酸残基の差異を含んでもよく、これは、参照配列と比較して、残基の差異が存在する特定の位置の一覧によって示される。いくつかの実施形態では、改変ポリペプチドの特定の残基位置に2つ以上のアミノ酸残基が使用されてもよく、使用され得る様々なアミノ酸残基は「/」によって隔てられる(例えば、X44R/X44I)。
「欠失」は、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸を除去することによるポリペプチドの修飾を指す。欠失は、改変デカルボキシラーゼの酵素活性を保持しながら、かつ/または改変デカルボキシラーゼの改善された特性を保持しながら、参照酵素を構成する1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、15個以上のアミノ酸、または20個以上のアミノ酸、全アミノ酸数の10%まで、または全アミノ酸数の20%までの除去を含み得る。欠失は、ポリペプチドの内部部分および/または末端部分を含み得る。様々な実施形態では、欠失は、連続的なセグメントを含んでもよく、不連続的であってもよい。
「挿入」は、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸を付加することによるポリペプチドの修飾を指す。いくつかの実施形態では、改善された改変デカルボキシラーゼは、天然に存在するデカルボキシラーゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入、および他の改変デカルボキシラーゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入を含む。アミノ酸は、ポリペプチドの内部部分に挿入されてもよく、カルボキシル末端またはアミノ末端に挿入されてもよい。本明細書で使用される場合、挿入は、当該技術分野で既知の融合タンパク質を含む。挿入は、アミノ酸の連続的なセグメントであり得るか、または天然に存在するもしくは改変ポリペプチドの1つ以上のアミノ酸によって隔てられ得る。
本明細書で使用される場合、「断片」は、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の欠失を有するが、残りのアミノ酸配列が配列内の対応する位置と同一であるポリペプチドを指す。断片は、少なくとも10アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも50アミノ酸長またはそれ以上、および完全長デカルボキシラーゼポリペプチドの最大70%、80%、90%、95%、98%および99%までであり得る。
「単離されたポリペプチド」は、天然においてそれが関連付けられる他の物質、例えば、タンパク質、脂質、およびポリヌクレオチドなどから実質的に分離されたポリペプチドを指す。この用語は、それらの天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはin vitro合成)から除去または精製されたポリペプチドを含む。改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、細胞中、細胞培養培地中に存在し得るか、または溶解物もしくは単離された調製物などの様々な形態で調製され得る。そのため、いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、単離されたポリペプチドであり得る。
「改善された酵素特性」は、野生型デカルボキシラーゼまたは別の改善された改変デカルボキシラーゼなどの参照デカルボキシラーゼと比較して、特定の目的のためにより良好なまたはより望ましい酵素特性を指す。改善された酵素特性は、本開示の改変デカルボキシラーゼポリペプチドによって示される。改善が期待される酵素特性は、限定されないが、酵素活性(基質変換のパーセンテージとして表すことができる)、熱安定性、溶媒安定性、pH活性特性、補因子要件、阻害剤に対する耐性(例えば、基質または生成物阻害)、立体特異性および立体選択性(エナンチオ選択性またはジアステレオ選択性を含む)を含む。
「変換」は、基質の対応する生成物への酵素的変換を指す。「変換率」または「変換」は、特定の条件下で一定期間内に生成物に変換される基質のパーセンテージを指す。したがって、デカルボキシラーゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、基質の生成物への「変換率」として表現することができる。
「熱安定性」は、一定期間(0.5〜48時間)にわたって昇温(例えば、30〜60℃)に曝露された後に類似の活性(例えば、50%超〜100%)を保持するデカルボキシラーゼポリペプチドを意味する。
「溶媒安定性」は、一定期間(例えば、0.5〜24時間)にわたって様々な溶媒または溶媒混合物(エタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、メチルtert−ブチルエーテルなど)の異なる濃度5%〜99%)に曝露された後に同様の活性(例えば、50%超〜80%)を維持するデカルボキシラーゼポリペプチドを指す。
「適切な反応条件」は、本開示のデカルボキシラーゼポリペプチドが基質を所望の生成物化合物に変換することができる、生体触媒反応系における条件(例えば、酵素負荷、基質負荷、補因子負荷、温度、pH、緩衝液、共溶媒など)を指す。例示的な「適切な反応条件」が、本開示に提供され、実施例によって説明される。
「ヒドロカルビル」は、直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素鎖を指す。記号「C」の後の下付きの数字は、特定の鎖が含有し得る炭素原子の数を特定する。例えば、「C〜C」は、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のヒドロカルビル基を指す。ヒドロカルビル基は、1つ以上の置換基で任意選択的に置換されてもよい。「アリール」は、6〜約20個の炭素原子の一価の芳香族炭化水素基を意味する。「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」は、親芳香族環系の炭素原子の1つ以上がヘテロ原子(O、N、またはS)で置き換えられているアリール基を指す。「置換された」は、特定の基を修飾するために使用される場合、特定の基の1つ以上の水素原子が各々互いに独立して、同一または異なる置換基によって置き換えられることを意味する。「置換ヒドロカルビル、アリール、またはヘテロアリール」は、1つ以上の水素原子が他の置換基によって置き換えられたヒドロカルビル、アリール、またはヘテロアリール基を指す。「任意選択的な」または「任意選択的に」は、記載の事象または状況が生じても、生じなくてもよいことを意味し、例えば、「任意選択的に置換されたアリール」は、置換されていても、置換されていなくてもよいアリール基を指す。この説明は、置換アリール基および非置換アリール基の両方を含む。
本明細書で使用される場合、「化合物」は、本明細書で開示される化合物によって示される構造式および/または化学名に包含される任意の化合物を指す。化合物は、それらの化学構造および/または化学名によって特定することができる。化学構造および化学名が矛盾する場合、化学構造が、化合物の同一性を決定する。特に記載されないかまたは別途指示されない限り、本明細書に記載の化学構造は、記載の化合物の全ての可能な異性体形態を包含する。
2.2 改変デカルボキシラーゼポリペプチド
本発明は、産業に関連する条件下でのL−チロシンのチラミンへの変換ならびにL−DOPAのドーパミンへの変換を触媒するのに有用な改変デカルボキシラーゼのアミノ酸配列を提供する。本開示は、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供する。野生型デカルボキシラーゼと比較して、本発明によって提供される改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、より良好な活性および安定性を有し、チラミンおよびドーパミンの調製のための本発明の改変ポリペプチドの使用は、より高い単位活性、より低いコストをもたらし、良好な産業用途の展望を有する。
以下の表1は、本発明によって開発された改変デカルボキシラーゼポリペプチドを示している。各行は、特定の改変デカルボキシラーゼポリペプチドのヌクレオチド配列番号およびアミノ酸配列番号、ならびに配列番号2と比較した残基の差異を示している。例示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドのそれぞれの触媒性能(反応における全体的な性能、合わせた活性および安定性)は「+」で示され、その特定の定義が表2または表3に示される。
Figure 2021520213
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表2の酵素溶液の前処理は、酵素溶液を30℃で48時間保持したことを意味する(実施例3に記載)。前処理前に、酵素溶液は、表1のアミノ酸配列に対応するデカルボキシラーゼポリペプチドを等量含んでおり、酵素溶液中のタンパク質濃度は、約10g/Lであった(タンパク質濃度の測定には「ブラッドフォード法」が採用された)。
Figure 2021520213
表3に示す反応条件の酵素溶液は前処理されておらず、反応における酵素溶液の負荷(5%)は表2の負荷(20%)よりも低かった。表3に示した反応の場合、前処理済みの酵素溶液は、表1のアミノ酸配列に対応するデカルボキシラーゼポリペプチドを等量含んでおり、酵素溶液中のタンパク質濃度は、約10g/Lであった(タンパク質濃度の測定には「ブラッドフォード法」が採用された)。
2.3 改変デカルボキシラーゼポリペプチドを生成するために使用することができるポリヌクレオチド、制御配列、発現ベクターおよび宿主細胞
別の態様において、本開示は、本明細書に記載のデカルボキシラーゼ活性を有する改変ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、改変ポリペプチドを発現することができる組換えポリヌクレオチドを生成するように遺伝子発現を制御する1つ以上の異種調節配列に連結することができる。改変デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物を適切な宿主細胞に導入して、対応する改変デカルボキシラーゼポリペプチドを発現させることができる。
当業者には明らかであるように、タンパク質配列の利用可能性、および様々なアミノ酸に対応するコドンの知識により、目的のタンパク質配列をコードする全ての可能なポリヌクレオチドの説明が提供される。同じアミノ酸が選択可能または同義のコドンによってコードされる遺伝暗号の縮重により、極めて多数のポリヌクレオチドの生成が可能になり、その全てが本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードする。したがって、特定のアミノ酸配列を決定すると、当業者は、タンパク質のアミノ酸配列を変更しない様式で単に1つ以上のコドンを修飾するだけで、任意の数の異なるポリヌクレオチドを生成することができる。この点に関して、本開示は、表1に列挙された例示的な改変ポリペプチドのアミノ酸配列を含む、本明細書に開示されるポリペプチドのいずれかに対して、可能なコドン選択に基づいて組み合わせを選択することにより作成できるポリヌクレオチドのありとあらゆる可能な変更を特に企図しており、配列表の配列番号2〜104の偶数配列識別子として開示されるポリペプチドのいずれかは、参照により組み込まれ、それらは全て具体的に開示されると考えられる。
様々な実施形態では、コドンは、好ましくは、組換えタンパク質が産生される宿主細胞に適応するように選択される。例えば、細菌にとって好ましいコドンを使用して、細菌において遺伝子を発現させ、酵母にとって好ましいコドンを使用して、酵母において遺伝子を発現させ、哺乳動物にとって好ましいコドンを使用して、哺乳動物細胞において遺伝子を発現させる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号2〜104の偶数配列識別子である参照配列と少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、ポリペプチドは、デカルボキシラーゼ活性、および本明細書に記載される改善された特性のうちの1つ以上を有し、例えば、配列番号2のポリペプチドと比較して増加した活性で化合物A1またはA2を、チラミンまたはドーパミンにそれぞれ変換する能力を有する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードし、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、前述の同一性のパーセンテージを有し、かつ配列番号2と比較して1つ以上のアミノ酸残基の差異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、デカルボキシラーゼ活性を有する改変ポリペプチドを提供し、改変ポリペプチドは、配列番号2の参照配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、以下の位置:X12、X26、X30、X44、X51、X52、X56、X58、X63、X72、X123、X133、X147、X181、X210、X271、X294、X317、X376、X380、X388、X454、X465、X467、X517、X530、X535、X536、X538、X576から選択される残基の差異の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3〜103の奇数配列識別子を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは本明細書に記載のポリペプチドをコードするが、ヌクレオチドレベルでは、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチドと、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、参照ポリヌクレオチドは、配列番号3〜103の奇数配列識別子を有する配列から選択される。
様々な方式で改変ポリペプチドの発現を可能にするように、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを操作することができ、これは、発現を改善するためのコドン最適化による配列のさらなる修飾、追加の制御配列を伴うまたは伴わない適切な発現要素への挿入、ならびに改変ポリペプチドの発現および産生に適した宿主細胞への形質転換を含む。
発現ベクターに応じて、単離されたポリヌクレオチドをベクターに挿入する前に、単離されたポリヌクレオチドを操作することが望ましいか、または必要な場合がある。組換えDNA法を使用して、ポリヌクレオチドおよび核酸配列を修飾する技術は、当該技術分野で周知である。ガイダンスを以下に提供する:Sambrook et al.,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Edited by Ausubel.F.et al.,ISBN:978−0−471−50338−5。
別の態様において、本開示はまた、導入される宿主の種類に応じて、改変デカルボキシラーゼポリペプチドまたはそのバリアントをコードするポリヌクレオチド、ならびにプロモーターおよびターミネーターなどの1つ以上の発現調節領域、複製起点などを含む、組換え発現ベクターにも関する。代替として、本開示の核酸配列は、核酸配列または該配列を含む核酸構築物を適切な発現ベクターに挿入することによって発現させることもできる。発現ベクターの生成において、コード配列は、コード配列が発現に適した制御配列に連結されるようにベクター内に位置する。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に便利に使用することができ、かつポリヌクレオチド配列の発現をもたらすことができる任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。ベクターの選択は一般に、ベクターと導入される宿主細胞との適合性に依存する。ベクターは、線状プラスミドまたは閉環状プラスミドであり得る。発現ベクターは、自律複製ベクター、すなわち、その複製が染色体の複製とは無関係である、染色体外実体として存在するベクターであってもよく、例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体である。ベクターは、自己複製を保証するための任意の要素を含み得る。代替として、ベクターは、宿主細胞に導入されると、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体とともに複製するベクターであってもよい。さらに、宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを一緒に含む、単一のベクターもしくはプラスミドまたは2つ以上のベクターもしくはプラスミドが使用されてもよい。
本開示の実施形態に有用な多くの発現ベクターが市販されている。例示的な発現ベクターは、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをプラスミドpACYC−Duet−1(Novagen)に挿入することによって調製することができる。
別の態様において、本開示は、本開示の改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供する。ポリヌクレオチドは、宿主細胞におけるデカルボキシラーゼポリペプチドの発現のための1つ以上の制御配列に連結される。本開示の発現ベクターによってコードされるポリペプチドの発現のための宿主細胞は、当該技術分野で周知であり、限定されないが、E.coli、Arthrobacter KNK168、Streptomyces、およびSalmonella typhimurium細胞などの細菌細胞;酵母細胞などの真菌細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris);ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COS、BHK、293およびBowesメラノーマ細胞などの動物細胞;ならびに植物細胞を含む。例示的な宿主細胞は、E.coli BL21(DE3)である。上記の宿主細胞は、野生型であってもよいか、または宿主細胞のゲノム中に保有される野生型デカルボキシラーゼ遺伝子のノックアウトなどのゲノム編集による改変細胞であってもよい。上記の宿主細胞に適した培地および増殖条件は、当該技術分野で周知である。
改変デカルボキシラーゼを発現するために使用されるポリヌクレオチドは、当該技術分野で既知の様々な方法によって細胞に導入され得る。技術は、とりわけ、電気穿孔、生体粒子衝突、リポソーム媒介トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合を含む。ポリヌクレオチドを細胞に導入する異なる方法は、当業者には明らかである。
2.4 改変デカルボキシラーゼポリペプチドを生成するプロセス
改変デカルボキシラーゼは、デカルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチドを突然変異誘発および/または定方向進化に供することによって開発することができる。定方向進化技術の説明は、「Biocatalysis for the Pharmaceutical Industry:Discovery,Development,and Manufacturing」(2009 John Wiley&Sons Asia(Pte)Ltd.ISBN:978−0−470−82314−9)に見出すことができる。
改変ポリペプチドの配列が既知である場合、コード化ポリヌクレオチドは、既知の合成方法に従って標準的な固相法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、約100塩基までの断片を別個に合成し、その後(例えば、酵素的もしくは化学的連結法またはポリメラーゼ媒介法により)連結して、任意の所望の連続した配列を形成することができる。例えば、本開示のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、自動合成法において典型的に実践されるように、例えば、Beaucage et al.,1981,Tet Lett 22:1859−69、またはMatthes et al.People,1984,EMBO J.3:801−05によって記載される古典的なホスホラミダイト法を用いた化学合成によって調製することができる。ホスホルアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、合成され、精製され、アニーリングされ、連結され、例えば、自動DNA合成機において、適切なベクターにクローニングされる。加えて、本質的にあらゆる核酸が、様々な商業的供給源のいずれかから入手可能である。
いくつかの実施形態では、本開示はまた、適切な反応条件下で化合物A1またはA2を、チラミンまたはドーパミンにそれぞれ変換することができる改変デカルボキシラーゼポリペプチドを調製または生成するためのプロセスを提供し、該プロセスは、ポリペプチドの発現に適した培養条件下で改変ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞を培養することを含み、これらの宿主細胞は、化合物A1またはA2を、湿細胞の形態のチラミンまたはドーパミンにそれぞれ変換するプロセスに直接適用することができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドを調製するプロセスは、ポリペプチドを単離することをさらに含む。改変ポリペプチドは、適切な細胞で発現させて、タンパク質精製のための周知の技術のいずれか1つ以上を用いて宿主細胞および/または培養培地から単離(または回収)することができ、タンパク質精製のための技術は、とりわけ、リゾチーム処理、超音波処理、均質化、濾過、塩析、超遠心分離およびクロマトグラフィーを含む。
2.5 改変デカルボキシラーゼおよびそれによって調製される化合物の使用方法
別の態様では、本明細書に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、アミノ酸の脱炭酸を触媒してアミノ化合物を形成することができる。本開示はまた、本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドを使用して、広範囲の化合物(I)またはその構造類似体を調製するプロセスも提供する。いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、構造式(I)の化合物を調製するプロセスに使用することができ、
Figure 2021520213
式中、Rは、任意選択的に置換もしくは非置換のC〜Cアルキル、または任意選択的に置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、本明細書に記載のプロセスは、適切な反応条件下で、式(II)のアミノ酸基質を、
Figure 2021520213
デカルボキシラーゼポリペプチドと接触させることを含み、デカルボキシラーゼポリペプチドは、本明細書に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドである。いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号2〜104の偶数番号配列のいずれか1つから選択される参照アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有し、配列番号2よりも高い変換率で式(II)の化合物を式(I)の化合物に変換することができる。
上記のように、本開示のプロセスにおいて有用なデカルボキシラーゼポリペプチドは、L−DOPAをドーパミンに変換する能力によって、またはL−チロシンをチラミンに変換する能力によって特徴付けられ得る。したがって、本明細書に開示されるプロセスの実施形態のいずれにおいてもプロセスを実施することができ、デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号2よりも優れた触媒性能でL−DOPAをドーパミンに変換することができ、配列番号2〜104の偶数番号配列のいずれか1つから選択される参照アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有する。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下であり、
Figure 2021520213
式(II)の基質は、以下である。
Figure 2021520213
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下であり、
Figure 2021520213
式(II)の基質は、以下である。
Figure 2021520213
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下であり、
Figure 2021520213
式(II)の基質は、以下である。
Figure 2021520213
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下であり、
Figure 2021520213
式中、Rは、−H、−CHOH、−CHSH、−CHSCHまたは任意選択的に置換されたC〜C炭化水素基であり、Rは、C〜C−ヒドロカルビル、−H、ハロゲン(−F、−Cl、−Brおよび−Iなど)、−NO、−NO、−SOR’もしくは−SOR’、−SR’−NR’R’、−OR’、−COR’もしくは−COR’、−C(O)NR’、−SONHもしくは−SONH、−CN、CFであり(式中、各R’は、−H、または(C〜C)ヒドロカルビルから独立して選択される)、
式(II)の基質は、以下である。
Figure 2021520213
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のパラ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のオルト位にある。いくつかの実施形態では、Rは、同時にフェニル環のパラ位およびメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、同時にフェニル環のパラ位およびオルト位にある。いくつかの実施形態では、Rは、同時にフェニル環のメタ位およびオルト位にある。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下であり、
Figure 2021520213
式中、Rは、上記で定義されるようにRであり、RおよびRは、上記で定義されるとおりである。式(II)の基質は、以下である。
Figure 2021520213
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してオルトである。このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下であり、
Figure 2021520213
式(II)の基質は、以下である。
Figure 2021520213
いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、チラミンを調製するプロセスで使用することができる。
Figure 2021520213
これらの実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、適切な反応条件下で、式A1の化合物を、
Figure 2021520213
本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドと接触させることを含む。
いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、ドーパミンを調製するプロセスで使用することができる。
Figure 2021520213
これらの実施形態では、本明細書に記載のプロセスは、適切な反応条件下で、式A2の化合物を、
Figure 2021520213
本明細書に開示される改変デカルボキシラーゼポリペプチドと接触させることを含む。
プロセスで使用するための改変デカルボキシラーゼポリペプチドの特定の実施形態は、詳細な説明としてさらに提供される。上記のプロセスで使用することができる改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104から選択されるアミノ酸配列を含む。
本明細書に記載され、実施例に例示されるように、本開示は、限定されないが、pH、温度、緩衝液、溶媒系、基質負荷、ポリペプチド負荷、および反応時間を含む、本明細書に記載のプロセスに使用され得る一連の適切な反応条件を企図する。本明細書に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドを使用して基質化合物を生成物化合物に酵素的に変換する方法を行うためのさらなる適切な反応条件は、改変デカルボキシラーゼポリペプチドを、限定されないが、様々な濃度、pH、温度、溶媒条件の実験反応条件下で基質化合物と接触させることを含むルーチン実験によって容易に最適化することができ、生成物化合物は、例えば、本明細書に提供される実施例に記載の方法を使用して検出される。
前述のように、本開示のプロセスに使用するためのデカルボキシラーゼ活性を有する改変ポリペプチドは一般に、配列番号2〜104の偶数配列のいずれか1つから選択される参照アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
反応混合物中の基質化合物は、例えば、所望の生成物化合物の量、酵素活性に対する基質濃度の影響、反応条件下での酵素の安定性、および基質から生成物への変換率を考慮に入れて、変更することができる。プロセスのいくつかの実施形態では、適切な反応条件は、少なくとも約0.5〜約400g/L、約1〜約400g/L、約5〜約400g/L、約10〜約400g/L、または約50〜約400g/Lの基質(II)、基質A1またはA2の負荷を含む。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、少なくとも約0.5g/L、少なくとも約1g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約75g/L、少なくとも約100g/L、少なくとも約150g/L、少なくとも約200g/L、少なくとも約250g/L、少なくとも約300g/L、少なくとも約350g/L、少なくとも約400g/Lまたはさらにはそれ以上の基質(II)、基質A1または基質A2の負荷を含む。本明細書に提供される基質負荷の値は、化合物(II)またはA1もしくはA2の分子量に基づくが、化合物(II)またはA1もしくはA2の等モル量の様々な水和物および塩もプロセスに使用され得ることも企図される。
プロセスに適切な反応条件は、一般に、反応混合物中の補因子の存在も含む。改変デカルボキシラーゼは通常ビタミンB6ファミリーのメンバーを使用するため、反応条件には、ピリドキサール−5’−リン酸(ピリドキサールリン酸、PLP、P5Pとしても知られている)、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリラミン(PM)、およびそれらのリン酸化対応物、リン酸ピリドキシン(PNP)、およびリン酸ピリドキサミン(PMP)から選択される1つ以上の化合物が含まれ得る。いくつかの実施形態では、適切な反応条件には、約0.01g/L〜約10g/L、約0.02g/L〜約5g/L、約0.05g/L〜約2.5g/Lの濃度で、PLP、PN、PL、PM、PNP、およびPMPからなる群から選択される補因子が含まれ得る。いくつかの実施形態では、補因子はPLPである。いくつかの実施形態では、適切な反応条件には、約0.01g/L〜約10g/L、約0.02g/L〜約5g/L、または約0.05g/L〜約2.5gの濃度で、補因子PLPが含まれ得る。いくつかの実施形態では、反応条件は、約10g/L以下、約5g/L以下、約1.0g/L以下、約0.1g/L以下、約0.05g/L以下、または約0.02g/L以下のPLP濃度を含む。
反応のいくつかの実施形態(例えば、全細胞または溶解物が使用される場合)では、補因子は細胞抽出物中に自然に存在し、補充する必要はない。プロセス(例えば、部分的に精製された、または精製されたデカルボキシラーゼを使用する)のいくつかの実施形態では、プロセスは、補因子を酵素的反応混合物に添加する工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、補因子は反応の開始時に添加され、および/または追加の補因子が反応中に添加される。
反応の実施形態では、反応条件は適切なpHを含み得る。上記のように、酸もしくは塩基、適切な緩衝液、または緩衝液と加えられる酸もしくは塩基との組み合わせを使用することにより、所望のpHまたは所望のpH範囲を維持することができる。反応混合物のpHは、反応前および/または反応中に制御することができる。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約3.0〜約8.0の溶液pH、約4.0〜約6.0のpHを含む。いくつかの実施形態では、反応条件は、約3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5または8.0の溶液pHを含む。
本明細書に記載のプロセスの実施形態では、例えば、より高い温度での反応速度の増加、十分な反応期間における酵素の活性を考慮に入れて、反応条件に適切な温度を用いることができる。したがって、いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約10℃〜約60℃、約25℃〜約50℃、約25℃〜約40℃、または約25℃〜約30℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、適切な反応温度は、約25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、または60℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、酵素反応中の温度は、反応全体を通して特定の温度に維持され得る。いくつかの実施形態では、酵素反応中の温度は、反応過程における温度プロファイルにわたって調整され得る。
改変デカルボキシラーゼを使用するプロセスは、一般に溶媒中で実施される。適切な溶媒には、水、水性緩衝液、有機溶媒、および/または一般に水性溶媒および有機溶媒の混合物を含む共溶媒系が含まれる。水溶液(水または水性共溶媒系)は、pH緩衝化または非緩衝化され得る。いくつかの実施形態では、改変デカルボキシラーゼポリペプチドを使用するプロセスは、一般に、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−オクタノール、ヘプタン、オクタン、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、トルエンなど)、イオン液(例えば、1−メチル4−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸など)を含む水性共溶媒系で実施される。水性共溶媒系の有機溶媒成分は、水性成分と混和性であり、単一の液相を提供し得るか、または水性成分と部分的に混和性もしくは非混和性であり、2つの液相を提供し得る。脱炭酸反応中に発生する二酸化炭素は、泡の形成を引き起こす可能性があり、消泡剤が適切に加えられてもよい。例示的な水性共溶媒系は、水および1つ以上の有機溶媒を含む。一般に、水性共溶媒系の有機溶媒成分は、デカルボキシラーゼを完全に不活性化しないように選択される。適切な共溶媒系は、本明細書に記載されるような酵素活性アッセイを利用して、候補溶媒系において定義された目的の基質を用いて特定の改変デカルボキシラーゼの酵素活性を測定することにより、容易に特定することができる。プロセスのいくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約1%〜約100%(v/v)、約1%〜約60%(v/v)、約2%〜約60%(v/v)、約5%〜約60%(v/v)、約10%〜約60%(v/v)、約10%〜約50%(v/v)、または約10%〜約40%(v/v)の濃度のエタノールを含む水性共溶媒を含む。プロセスのいくつかの実施形態では、適切な反応条件は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%(v/v)の濃度のエタノールを含む水性共溶媒を含む。
適切な反応条件は、基質化合物のその対応する生成物化合物への生体触媒変換を提供する反応パラメータの組み合わせを含むことができる。したがって、プロセスのいくつかの実施形態では、反応パラメータの組み合わせは以下を含む:(a)約10g/L〜約200g/Lの基質A1またはA2の負荷、(b)約0.5g/L〜10g/Lの改変ポリペプチド濃度、(c)約3.0〜8.0のpH、および(d)約10℃〜60℃の温度。
例示的な反応条件は、表2、表3、実施例7および実施例8に提供されるアッセイ条件を含む。
本明細書に記載の脱炭酸反応を実施する際に、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは、部分的に精製されたもしくは精製された形態で、改変デカルボキシラーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換された全細胞、ならびに/または細胞抽出物および/もしくは溶解物として、反応混合物に加えられてもよい。改変デカルボキシラーゼまたは細胞抽出物、その溶解物、および単離された酵素をコードする遺伝子で形質転換された全細胞は、固体(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥など)または半固体(例えば、湿細胞などの粗ペースト)を含む多種多様な異なる形態で使用することができる。細胞抽出物または細胞溶解物は、凍結乾燥の前に、沈殿(例えば、硫酸アンモニウム、ポリエチレンイミン、または熱処理など)、続いて脱塩手順(例えば、限外濾過および透析など)によって部分的に精製することができる。酵素調製物のいずれも、グルタルアルデヒドなどの既知の架橋剤を使用する架橋、または固相材料(樹脂など)への固定化によって安定化させることができる。
本明細書に記載の脱炭酸反応のいくつかの実施形態では、反応は本明細書に記載の適切な反応条件下で行われ、改変デカルボキシラーゼポリペプチドは固体支持体に固定化される。反応を実施するために改変デカルボキシラーゼ酵素を固定化するのに有用な固体支持体は、限定されないが、エポキシ官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシ官能基を有するポリメタクリレート、ポリメタクリレート、スチレン/DVBコポリマー、またはオクタデシル官能基を有するポリメタクリレートなどのビーズまたは樹脂を含む。例示的な固体支持体は、キトサンビーズ、Eupergit C、ならびにSEPABEADの以下の異なる種類、EC−EP、EC−HFA/S、EXA252、EXE119およびEXE120を含む、SEPABEAD(Mitsubishi)を含むが、これらに限定されない。
改変ポリペプチドが分泌ポリペプチドの形態で発現されるいくつかの実施形態では、分泌ポリペプチドを含む培養培地を本明細書に記載のプロセスに使用することができる。
いくつかの実施形態では、固体反応物(例えば、酵素、塩など)は、粉末(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥など)、溶液、乳液、および懸濁液などを含む様々な異なる形態で反応に提供されてもよい。反応物は、当業者に既知の方法および機器を使用して、容易に凍結乾燥または噴霧乾燥することができる。例えば、タンパク質溶液の少量のアリコートを−80℃で凍結し、その後予備冷却した凍結乾燥チャンバに添加し、続いて真空を適用してもよい。
いくつかの実施形態では、反応物の添加の順序は、重要ではない。反応物は同時に溶媒に一緒に加えられてもよいか(例えば、単相溶媒、二相水性共溶媒系など)、または代替として、いくつかの反応物は別々に加えられてもよく、いくつかは異なる時点に一緒に加えられてもよい。例えば、デカルボキシラーゼおよび基質は、最初に反応溶液に添加されてもよく、次いで、有機相が添加され、混合され得る。代替として、水相への添加の前に、有機相で基質を予備混合することもできる。
以下の実施例は本発明をさらに例示するが、本発明はそれに限定されない。以下の実施例では、条件が特定されていない実験方法は、一般的に使用される条件で、または供給業者の提案に従って実行された。
実施例1:遺伝子クローニングおよび発現ベクターの構築
Streptococcus thermophilusに由来する野生型デカルボキシラーゼのアミノ酸配列は、NCBIから取得することができ、その後対応する核酸を、供給業者が当該技術分野における従来の技術を使用して合成し、発現ベクターpACYC−Duet−1にクローニングした。組換え発現プラスミドを、42℃で90秒間の熱ショックの条件下で、E.coli BL21(DE3)コンピテント細胞に形質転換した。クロラムフェニコールを含有するLB寒天プレートに形質転換溶液を播種し、次いで、37℃で一晩インキュベートして、組換え形質転換体を得た。
実施例2:デカルボキシラーゼポリペプチドの発現およびデカルボキシラーゼポリペプチドの酵素溶液の調製。
デカルボキシラーゼポリペプチドを発現する組換えE.coli株を、250mLの三角フラスコ内のクロラムフェニコールを含有する50mLのLB培地(ペプトン10g/L、酵母抽出物粉末5g/L、塩素化ナトリウム10g/L、pH7.0±0.2、25℃)に接種し、その後振盪インキュベータ内で、30℃、250rpmで一晩培養した。この一晩培養物のOD600が2に到達したとき、それを、250mLのTB培地(トリプトン12g/L、酵母エキス粉末24g/L、リン酸水素二ナトリウム9.4g/L、リン酸水素二カリウム2.2g/L、pH7.2±0.2、30℃)を含有する1000mLの三角フラスコ内で、5%(v/v)の播種量で継代培養した。これを、振盪インキュベータ内で、30℃、250rpmで振盪した。継代培養ブロスのOD600が0.6〜0.8に達したとき、IPTGを最終濃度1mMで添加し、デカルボキシラーゼの発現を誘導した。発現の誘導を20時間行った後、培養ブロスを遠心分離した(8000rpm、10分):遠心分離後に上清を廃棄し、細胞ペレットを回収して湿細胞を得た。
湿細胞を30mLのリン酸緩衝液(0.05MのPBS、pH7.0)に再懸濁し、氷浴で超音波処理して細胞溶解物を生成した。細胞溶解物を遠心分離し(8000rpm、10分)、透明な上清をデカルボキシラーゼポリペプチドの酵素溶液として採取した。酵素溶液は、反応に直接使用することも、前処理に供することもできる。
上記の振盪フラスコを使用した組換え発現プロセスに従って、スケールを比例的に縮小することにより96ウェルプレートでの小規模発現プロセスを行い、培養ブロスを遠心分離して湿細胞を得た。湿細胞は、この分野で一般的に知られている化学的方法によって溶解することができ、酵素溶液は、細胞溶解物を遠心分離した後、透明な上清として得ることができる。
実施例3:酵素溶液の前処理
実施例2で得られた酵素液を、30℃の水浴内で48時間攪拌しながら保持した。この処理後、これを遠心分離し(8000rpm、10分)、透明な上清を採取し、デカルボキシラーゼポリペプチドの前処理済み酵素溶液として得た。
実施例4:分析方法
L−DOPAおよびドーパミンのHPLC分析:分析カラムは、20mMの酢酸アンモニウム:アセトニトリル=95:5の移動相を備えたUltimate−LP−C18逆相シリカゲルカラムであって、流速は1.5mL/分であって、280nmの検出波長であった。ドーパミンの保持時間は1.97分であって、L−DOPAの保持時間は1.43分であった。
L−チロシンおよびチラミンのHPLC分析方法:分析カラムは、0.1%の酢酸水溶液:アセトニトリル=50:50の移動相を備えたMoon−Ultimate−LP−C18逆相シリカゲルカラムであって、流速は1.5mL/分、280nmの検出波長、チラミンの保持時間は0.7分であって、L−チロシンの保持時間は1.6分であった。
実施例5:デカルボキシラーゼ変異体ライブラリーの構築
ここでは、Quikchangeキット(供給業者:Agilent)を好ましく使用した。突然変異誘発プライマーの配列設計は、キットの指示に従って行った。部位飽和変異誘発ライブラリーの構築は、以下のとおりである。PCRシステムは、10μlの5×バッファー、1μlの10mMのdNTP、1μlのプラスミドDNAテンプレート(50ng/μl)、0.75μl(10uM)の各々の上流および下流プライマー、0.5μlの高忠実度酵素、ならびに36μlのddHOからなった。PCRプライマーは、変異位置にNNK縮退コドンを有する。PCR増幅ステップ:(1)98℃で3分間の前変性、(2)98℃で10秒間の変性、(3)72℃で3分間のアニーリングおよび伸長、(2)〜(3)のステップを25回繰り返し、(5)72℃で10分間の伸長、(6)4℃まで冷却し、2μlのDpnIをPCR生成物に添加し、37℃で一晩消化させることによってプラスミドテンプレートを除去した。消化されたPCR生成物を、E.coli BL21(DE3)コンピテント細胞に形質転換し、クロラムフェニコールを含有するLB寒天プレートに播種して、部位飽和変異誘発ライブラリーを得た。
実施例6:変異体酵素ライブラリーのスクリーニング
変異体コロニーを寒天プレートから選び取り、96ウェルの浅いプレートにクロラムフェニコールを含有するLB培地に接種し(ウェル当たり200μlのLB培地)、180rpm、湿度80%、30℃で一晩(18〜20時間)培養した。一晩培養物のOD600が2〜3に達したとき、この培養物20μlを使用して、96ウェルの深いウェルプレート中にクロラムフェニコールを含有するTB培地に発現培養物として接種し(ウェルあたりTB培地400μl)、振盪インキュベータ内で、30℃および80%の湿度下、250rpmで振盪した。発現培養物のOD600が0.6〜0.8に達したとき、IPTGを最終濃度0.2mMで添加して発現を誘導し、250rpm、湿度80%、30℃で一晩(18〜20時間)、発現を行った。一晩の発現が終了してから、発現培養物を4000rpmで10分間遠心分離して、細胞ペレット(すなわち湿細胞)を採取した。200μLの溶解緩衝液(1mg/mLのリゾチームを含有する、100mMのリン酸緩衝液、pH7.5)を各ウェルに添加して細胞を破壊し、次いで細胞溶解物を遠心分離し、透明な上清を採取して酵素溶液を得た。次に、酵素溶液を、30℃、250rpmの振盪水浴に48時間入れ、前処理を行った。前処理後、酵素溶液を4000rpmで15分間遠心分離し、100μLの上澄みを、反応溶液(基質50g/L、0.5Mのリン酸アンモニウム−リン酸緩衝液、0.2mMのPLP、pH5.0)を予め充填した96ウェルプレートに移した。反応プレートを30℃の振盪インキュベータに24時間置いた。最後に、反応プレートの各ウェルからのサンプルを、実施例4の方法で分析した。
実施例7:改変デカルボキシラーゼポリペプチドにより触媒されるドーパミン生成のプロセス
0.5Mのリン酸アンモニウム−リン酸緩衝液(pH5.5)中に、配列番号100のデカルボキシラーゼポリペプチドを含有する酵素溶液5%(v/v)を添加して、最終タンパク質濃度を0.5g/Lに到達させた(タンパク質濃度の測定は、当技術分野において周知であるブラッドフォード法によるものであった)。L−DOPAを100g/Lの最終濃度で添加し、リン酸ピリドキサールを0.2mMの最終濃度で添加した。反応は、400rpmの撹拌速度で30℃で進行し、生成物ドーパミンの酸化を避けるために、反応中に窒素を吹き込んだ。6時間の反応後、L−DOPAのドーパミンへの変換は、≧95%であった。
実施例8:改変デカルボキシラーゼポリペプチドにより触媒されるチラミン生成のプロセス
0.5Mのリン酸アンモニウム−リン酸緩衝液(pH5.5)中に、配列番号80のデカルボキシラーゼポリペプチドを含有する酵素溶液5%(v/v)を添加して、最終タンパク質濃度を0.5g/Lに到達させた(タンパク質濃度の測定は、当技術分野において周知であるブラッドフォード法によるものであった)。L−チロシンを100g/Lの最終濃度で添加し、リン酸ピリドキサールを0.2mMの最終濃度で添加した。反応は、30℃で、撹拌速度400rpmで進行した。6時間の反応後、L−チロシンのチラミンへの変換は、≧95%であった。
実施例9:デカルボキシラーゼポリペプチドにより触媒されるドーパミンを生成するための反応プロセス
0.5Mのリン酸アンモニウム−リン酸緩衝液(pH5.5)中に、配列番号2のデカルボキシラーゼポリペプチドを含有する酵素溶液20%(v/v)を添加して、最終タンパク質濃度を2g/Lに到達させた(タンパク質濃度の測定は、当技術分野において周知であるブラッドフォード法によるものであった)。L−DOPAを100g/Lの最終濃度で添加し、リン酸ピリドキサールを0.2mMの最終濃度で添加した。反応は、400rpmの撹拌速度で30℃で進行し、生成物ドーパミンの酸化を避けるために、反応中に溶液に窒素を吹き込んだ。6時間の反応後、L−DOPAのドーパミンへの変換は、約90%であった。
実施例10:前処理済みデカルボキシラーゼポリペプチドにより触媒されるドーパミンの調製
新たに調製した、配列番号2のデカルボキシラーゼポリペプチド(総タンパク質濃度10g/L)を含む酵素溶液を30℃で48時間前処理し、次いで上記の前処理酵素溶液を0.5Mのリン酸アンモニウム−リン酸緩衝液(pH5.5)に20%(v/v)の最終体積濃度で添加した。L−DOPAを100g/Lの最終濃度で添加し、リン酸ピリドキサールを0.2mMの最終濃度で添加した。反応は、400rpmの撹拌速度で30℃で進行し、生成物ドーパミンの酸化を避けるために、反応中に溶液に窒素を吹き込んだ。6時間の反応後、L−DOPAのドーパミンへの変換は、約26%であった。
実施例11:前処理済み改変デカルボキシラーゼポリペプチドにより触媒されるドーパミンの調製
新たに調製した、配列番号100のデカルボキシラーゼポリペプチド(総タンパク質濃度10g/L)を含む酵素溶液を30℃で48時間前処理し、次いで上記の前処理酵素溶液を0.5Mのリン酸アンモニウム−リン酸緩衝液(pH5.5)に10%(v/v)の最終体積濃度で添加した。L−DOPAを100g/Lの最終濃度で添加しリン酸ピリドキサールを0.2mMの最終濃度で添加した。反応は、400rpmの撹拌速度で30℃で進行し、生成物ドーパミンの酸化を避けるために、反応中に窒素を吹き込んだ。6時間の反応後、L−DOPAのドーパミンへの変換は、≧95%であった。
実施例12:改変デカルボキシラーゼポリペプチドの発現のための発酵プロセス
標的改変デカルボキシラーゼの遺伝子を担持するプラスミドを含有するE.coli BL21(DE3)の単一コロニーを、30μg/mLのクロラムフェニコールを含有する50mLのLBブロス(5.0g/Lの酵母抽出物、10g/Lのトリプトン、10g/Lの塩化ナトリウム)に接種した。細胞を、30℃の振盪機内、250rpmで振盪しながら、一晩(少なくとも16時間)インキュベートした。培養物のOD600が1.4〜2.0に達したら、細胞をインキュベータから取り出し、すぐに使用するか、または4℃で保存した。
2.0Lの増殖培地を含む5Lの発酵槽を、121℃のオートクレーブで30分間滅菌した。発酵槽に前述の一晩培養したE.coliを接種した(上述のように振盪フラスコで1.4〜2.0の初期OD600まで増殖させた)。発酵槽の温度をジャケット付き循環水で、30℃に維持した。発酵槽内の培地を、200〜800rpmで撹拌し、空気を発酵容器に2〜8L/分で供給して、溶存酸素レベルを40%以上の飽和に維持した。25〜28%v/vの水酸化アンモニウムを添加することによって、培養物をpH7.0に維持した。500g/Lのデキストロースグルコース一水和物、12g/Lの塩化アンモニウム、および5g/Lの硫酸マグネシウム七水和物を含有する供給溶液を供給することによって、細胞増殖を維持した。培養物のOD600が25±5に達した後、発酵槽の温度を30℃に維持し、1mMの最終濃度までイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を添加することにより、デカルボキシラーゼポリペプチドの発現を誘導した。次いで、発酵プロセスをさらに18時間続けた。Thermo Multifuge X3R遠心分離機を4℃で10分間、8000rpmで使用して、細胞を採取した。
本発明の上記内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な修正または追加の変更を加えることができることを理解されたい。また、これらの同等の形態も、本発明の添付の特許請求の範囲内に含まれる。

Claims (24)

  1. 配列番号2に対する少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む改変デカルボキシラーゼポリペプチドであって、適切な反応条件下で、配列番号2のものよりも大きな活性および/または安定性で、L−チロシンの脱炭酸を触媒して、チラミンを生成することができるか、またはL−DOPAの脱炭酸を触媒して、ドーパミンを生成することができる、改変デカルボキシラーゼポリペプチド。
  2. 前記適切な反応条件が、約5g/L〜400g/LのL−チロシンまたはL−DOPAの負荷、約pH3.0〜8.0、約10〜60℃を含む、請求項1に記載のデカルボキシラーゼポリペプチド。
  3. 前記改変ポリペプチドの前記アミノ酸配列が、12、26、30、44、51、52、56、58、63、72、123、133、147、181、210、271、294、317、376、380、388、454、465、467、517、530、535、536、538、および576から選択される1つ以上のアミノ酸残基において前記配列番号2の配列とは異なるアミノ酸配列を含み、番号付けが、配列番号2を参照し、前記改変ポリペプチドが、デカルボキシラーゼ活性を有する、請求項1または2に記載のデカルボキシラーゼポリペプチド。
  4. 前記改変デカルボキシラーゼの前記アミノ酸配列が、以下のアミノ酸残基、
    X12が、YもしくはTであり、
    X26が、TもしくはFであり、
    X30が、Eであり、
    X44が、R、K、IもしくはLであり、
    X51が、PもしくはTであり、
    X52が、T、VもしくはSであり、
    X56が、S、TもしくはPであり、
    X58が、R、VもしくはHであり、
    X63が、Dであり、
    X72が、Rであり、
    X123が、Sであり、
    X133が、Vであり、
    X147が、Fであり、
    X181が、Eであり、
    X210が、Lであり、
    X271が、PもしくはSであり、
    X294が、Aであり、
    X317が、Eであり、
    X376が、Sであり、
    X380が、Lであり、
    X388が、Tであり、
    X454が、Rであり、
    X465が、R、V、LもしくはGであり、
    X467が、Lであり、
    X517が、Dであり、
    X530が、Dであり、
    X535が、Wであり、
    X536が、Gであり、
    X538が、Vであり、または
    X576が、Kである、のうちの1つ以上を含み、
    前記番号付けが、配列番号2を参照する、請求項3に記載のデカルボキシラーゼポリペプチド。
  5. 改変ポリペプチドであって、以下の(a)または(b)、
    (a)配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、および104からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、
    (b)(i)(a)に列挙される前記アミノ酸配列の1つに対する少なくとも80%の配列同一性、および(ii)(a)に列挙される前記1つのアミノ酸配列と比較して1つ以上のアミノ酸残基の置換、欠失、付加、または挿入、を有するアミノ酸配列を含む、デカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチド、のポリペプチドである、改変ポリペプチド。
  6. 改変デカルボキシラーゼポリペプチドであって、適切な反応条件下で、配列番号2のものよりも大きな活性および/または安定性で、L−チロシンの脱炭酸を触媒してチラミンを生成するか、またはL−DOPAの脱炭酸を触媒してドーパミンを生成できる、改変デカルボキシラーゼポリペプチド。
  7. 共有結合化学法または物理吸着法によって固体材料に固定化されたポリペプチドであって、請求項1〜6のいずれか一項に記載のデカルボキシラーゼポリペプチドから選択される、ポリペプチド。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
  9. 前記ポリヌクレオチド配列が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、または103である、請求項8に記載のポリヌクレオチド。
  10. 請求項8または9に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  11. プラスミド、コスミド、バクテリオファージ、またはウイルスベクターを含む、請求項10に記載の発現ベクター。
  12. 請求項10または11に記載の発現ベクターを含む宿主細胞であって、好ましくはE.coliである、宿主細胞。
  13. 請求項12に記載の宿主細胞を培養し、培養物からデカルボキシラーゼポリペプチドを得るステップを含む、デカルボキシラーゼポリペプチドを調製する方法。
  14. 請求項12に記載の宿主細胞を培養することによって、または請求項13に記載の方法によって得ることが可能なデカルボキシラーゼ触媒であって、前記デカルボキシラーゼ触媒は、デカルボキシラーゼポリペプチドを含む細胞もしくは培養液、またはそれで処理された物品を含み、前記物品は、形質転換細胞の培養物から得られる抽出物、前記抽出物からデカルボキシラーゼを単離もしくは精製することによって得られる単離生成物、または形質転換細胞、その抽出物、もしくは前記抽出物の単離生成物を固定化することによって得られる固定化生成物を指す、デカルボキシラーゼ触媒。
  15. 式(I)の化合物を調製するプロセスであって、
    Figure 2021520213
    式中、Rが、任意選択的に置換もしくは非置換のC〜Cヒドロカルビル、または任意選択的に置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリールであり、前記プロセスが、式(II)のアミノ酸基質を、
    Figure 2021520213
    適切な反応条件下で、請求項1〜7のいずれか一項に記載の改変ポリペプチドまたは配列番号2と接触させることを含む、プロセス。
  16. 式(I)の化合物が、
    Figure 2021520213
    であり、
    式中、Rが、−H、−CHOH、−CHSH、−CHSCHまたは任意選択的に置換もしくは非置換のC〜Cヒドロカルビルであり、Rが、C〜C−ヒドロカルビル、−H、ハロゲン(−F、−Cl、−Brまたは−Iなど)、−NO、−NO、−SOR’もしくは−SOR’、−SR’−NR’R’、−OR’、−COR’もしくは−COR’、−C(O)NR’、−SONHもしくは−SONH、−CN、−CFであり(式中、各R’が、−H、または(C〜C)ヒドロカルビルから独立して選択される)、Rが、C〜Cヒドロカルビル、−H、ハロゲン(−F、−Cl、−Brまたは−Iなど)、−NO、−NO、−SOR’もしくは−SOR’、−SR’−NR’R’、−OR’、−COR’もしくは−COR’、−C(O)NR’、−SONHもしくは−SONH、−CN、−CFであり(式中、各R’が、−H、または(C〜C)ヒドロカルビルから独立して選択される)、式(II)の前記アミノ酸基質が、
    Figure 2021520213
    である、請求項15に記載のプロセス。
  17. がフェニル環のパラ位にあるか、またはRがフェニル環のメタ位にあるか、またはRがフェニル環のオルト位にあるか、またはRがフェニル環位置のパラ位およびメタ位にあるか、またはRが、フェニル環のパラ位とオルト位の両方にあるか、またはRが、フェニル環のメタおよびオルト位の両方にある、請求項16に記載のプロセス。
  18. 式(I)の化合物が、
    Figure 2021520213
    である、請求項15または16に記載のプロセス。
  19. チラミンを調製するプロセスであって、
    Figure 2021520213
    前記プロセスが、式A1の化合物を、
    Figure 2021520213
    適切な反応条件下で、請求項1〜7のいずれか一項に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドまたは配列番号2と接触させることを含む、プロセス。
  20. ドーパミンを調製するプロセスであって、
    Figure 2021520213
    前記プロセスが、式A2の化合物を、
    Figure 2021520213
    適切な反応条件下で、請求項1〜7のいずれか一項に記載の改変デカルボキシラーゼポリペプチドまたは配列番号2と接触させることを含む、プロセス。
  21. 前記反応が、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはジメチルホルムアミド(DMF)を含む溶媒中で実施される、請求項15〜20のいずれか一項に記載のプロセス。
  22. 前記反応条件が、10℃〜60℃の温度を含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載のプロセス。
  23. 前記反応条件が、pH3.0〜pH8.0を含む、請求項15〜22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 前記基質が、5g/L〜400g/Lの負荷で存在する、請求項15〜23のいずれか一項に記載のプロセス。
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