JP2021519763A - 炎症性腸疾患を治療するための組成物及び方法 - Google Patents

炎症性腸疾患を治療するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本明細書で提供されるのは、治療に有用であり、かつ炎症性腸疾患に関連する合併症及び副作用を防ぐ細菌組成物である。【選択図】なし

Description

電子的に提出された配列表への言及
本出願と共に提出された、ASCIIテキストファイルで電子的に送信された配列表の内容(名称:4268.014PC01_SequenceListing_ST25.txt;サイズ:8,737バイト;作成日:2019年3月29日)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、対象に投与されたときに胆汁酸のレベルを調節することができる細菌組成物に関する。そのような細菌組成物は、治療に有用であり、及び/または炎症性腸疾患に関連する合併症及び副作用を防ぐ。
炎症性腸疾患(IBD)は、腸または結腸の炎症を特徴とする胃腸管の慢性障害である。IBDの症状は様々であるが、一般的には腹部のけいれん、持続性の下痢、お及び結腸直腸出血等が含まれる。IBDは衰弱させる可能性があり、治療せずに放置すると生命を脅かす合併症を引き起こす可能性がある。
潰瘍性大腸炎とクローン病は、IBDの2つの主要な形態である。どちらも消化管の炎症を引き起こす障害であるが、胃腸(GI)管の炎症反応の性質と場所が異なる。潰瘍性大腸炎は結腸と肛門に限定され、それによって引き起こされる炎症は粘膜にのみ影響する。対照的に、クローン病は、一般的に小腸(回腸)の下部に影響を及ぼすが、胃腸管全体、すなわち口から肛門に影響を与え得る。
IBDの既知の治療法は存在しない。現在の治療選択肢には、薬物(例えば、抗炎症剤、免疫抑制剤、及び抗生物質)、栄養補助食品、ならびに手術が含まれる。このような治療法は病気の兆候や症状を軽減することができるが、一般的に有効性は限られ、及び/または有害な副作用がある。例えば、Martinez−Montiel M.P., et al., Clin Exp Gastroenterol 8:257−269 (2015);Cunliffe R.N., et al., Aliment Pharmacol Ther 16(4):647−662 (2002)を参照されたい。さらに、利用可能な治療選択肢にもかかわらず、IBDは依然として主要な医学的課題であり、IBDの発生率と有病率の両方が世界中で増加している。M’Koma, A.E., Clin Med Insights Gastroenterol 6: 33−47 (2013)。したがって、より安全でより効果的なIBDの新しい治療選択肢が強く求められている。
胆汁酸は、コレステロール、リン脂質、及びビリルビンと共に、胆汁の主成分を構成する。それらは肝臓のコレステロールから合成され、肝細胞から毛細胆管に分泌され、その後胆嚢に貯蔵される。食物を摂取した後、胆汁は十二指腸に流れ込み、そこで脂溶性栄養素の可溶化と消化に寄与する。Thomas et al., Nat Rev Drug Discov 7(8):678−693 (2008)。したがって、胆汁酸は、胃腸管でのコレステロールの可溶化、及び腸でのコレステロール、脂溶性ビタミン、及び脂質の吸収を刺激するために重要であると伝統的に説明されてきた。Hylemon P.B., et al., J Lipid Res 50(8): 1509−1520 (2009)。
最近では、胆汁酸も他の多くの生物学的プロセスで重要であると説明されている。例えば、胆汁酸は、少なくとも部分的に、Gタンパク質共役受容体(GPCR)(例えば、TGR5)と核ホルモン受容体(例えば、ファルネソイドX受容体、プレグナンX受容体、及びビタミンD受容体)の両方を介して作用し、それ自身の生合成を仲介するだけでなく、他の脂質分子(例えば、コレステロールとトリグリセリド)とグルコースの代謝も仲介することが現在知られている。Thomas et al., Nat Rev Drug Discov 7(8): 678−693 (2008)。胆汁酸は、自然免疫と適応免疫の両方を調節する役割を果たしているとも言われている。Zhu C., et al., Clin Exp Rheumatol 34: 25−31 (2016)。したがって、胆汁酸レベルを調節できる生物学的因子は、IBDの有用な治療選択肢となり得る。
[発明の概要]
本開示は、精製された細菌集団を含む組成物を対象とし、ここで、精製された細菌集団は、Flavonifractor_SC49、Clostridium leptum、またはそれらの組み合わせを含み、組成物は、対象に投与されたときに二次胆汁酸のレベルを調節することができる。特定の実施形態では、精製された細菌集団は、Flavonifractor_SC49を含む。他の実施形態では、精製された細菌集団は、Clostridium leptumを含む。さらなる実施形態では、精製された細菌集団は、Flavonifractor_SC49とClostridium leptumの両方を含む。
いくつかの実施形態では、Flavonifractor_SC49は、参照Flavonifractor_SC49 OTUの16S rDNA配列(配列番号1、3、または4)に対し、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む。
いくつかの実施形態では、Clostridium leptumは、参照Clostridium leptum OTUの16S rDNA配列(配列番号2)に対し、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む。
いくつかの実施形態では、二次胆汁酸は、デオキシコール酸(DCA)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸、リトコール酸(LCA)、3−オキソLCA、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、二次胆汁酸は、ウルソデオキシコール酸(UDCA)を含む。
同様に本明細書で提供されるのは、二次胆汁酸のレベルを調節することを必要とする対象における二次胆汁酸のレベルを調節する方法であって、本明細書に開示される有効量の組成物を対象に投与することを含む、方法である。本開示はまた、炎症性腸疾患(IBD)の1つまたは複数の徴候または症状を改善するか、またはそれを必要とする対象においてIBDの寛解を維持する方法であって、本明細書に開示される組成物の有効量を対象に投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、二次胆汁酸は、デオキシコール酸(DCA)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸、リトコール酸(LCA)、3−オキソLCA、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物の投与は、対象における二次胆汁酸のレベルを増加させる。いくつかの実施形態では、二次胆汁酸のレベルは、参照(例えば、組成物を投与されなかった対象の対応するレベル)と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または、少なくとも90%増加する。いくつかの実施形態では、二次胆汁酸のレベルの増加は、IBDの寛解に相関している。特定の実施形態では、二次胆汁酸は、in vitroでリポ多糖(LPS)により刺激された単球における、TNF−αの産生を減少させることができ、及び/またはIL−10の産生を増加させることができる。さらなる実施形態では、二次胆汁酸は、in vitroでLPSにより刺激された末梢血単核球(PBMC)における、TNF−αの産生を減少させることができ、及び/またはIL−10の産生を増加させることができる。いくつかの実施形態では、二次胆汁酸はin vitroでTNFαにより刺激された腸上皮細胞におけるIL−8の産生を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、二次胆汁酸は、ウルソデオキシコール酸(UDCA)を含む。特定の実施形態では、投与は、対象におけるUDCAのレベルを低下させる。いくつかの実施形態では、UDCAのレベルは、参照(例えば、組成物を投与されなかった対象の対応するレベル)と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または、少なくとも90%低下する。いくつかの実施形態では、UDCAのレベルの低下は、IBDの寛解に相関している。
いくつかの実施形態では、IBDは、潰瘍性大腸炎またはクローン病である。
潰瘍性大腸炎患者の異なる群から得られた糞便試料中で測定された、7α−デヒドロキシラーゼ経路に関連する二次胆汁酸(すなわち、DCA、LCA、3−オキソLCA、3α12−オキソ−デオキシコール酸、及び3β 12α−デオキシコール酸)の相対濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。潰瘍性大腸炎の患者は、以下のレジメンのいずれかを受けた:(A)プラセボのみ;(B)プラセボに続いて、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(「HHSP」)の毎週の投与;(C)バンコマイシンとそれに続くHHSPの毎週の投与;(D)バンコマイシンとそれに続くHHSPの毎日の投与。胆汁酸濃度は、4つの異なる時点で測定された:(1)ベースライン(すなわち、バンコマイシンまたはHHSPの投与前)(「来院1」);(2)バンコマイシン治療直後(必要な場合)(「来院4」);(3)HHSPの投与開始から2週間後(必要な場合)(「来院6」);(4)胞子形成画分の投与を開始してから8週間後(必要な場合)(「来院12」)。来院4、来院6、及び来院12で示される濃度は、ベースラインで測定された総胆汁酸の濃度に対して相対的である。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。デオキシコール酸(DCA)の濃度を示す。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。リトコール酸(LCA)の濃度を示す。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。3α 12−オキソ−DCA(12−オキソ3a)の濃度を示す。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。7α 3−オキソ−CDCA(3−オキソ7a)の濃度を示す。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。3−オキソ−LCAの濃度を示す。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。3β 12α−DCA(3b 12a)の濃度を示す。 寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。示される患者は、図1に記載されるレジメンの1つを受けた。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。ウルソデオキシコール酸(UDCA)の濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。デオキシコール酸(DCA)の濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。リトコール酸(LCA)の濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。3α 12−オキソ−DCA(12−オキソ3a)の濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。7α 3−オキソ−CDCA(3−オキソ7a)の濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。3−オキソ−LCAの濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。3β 12α−DCA(3b 12a)の濃度を示す。 バンコマイシンを投与された後、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(HHSP)を毎日投与された、潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された、異なる胆汁酸の濃度の比較を示す(μg/糞便試料のgで測定された、乾燥重量)。胆汁酸濃度は、図1にも記載されているように、4つの異なる時点で測定された。各時点で、潰瘍性大腸炎患者は2つの群に分けられた:(i)寛解した(すなわち、寛解者、薄い灰色)か、または(ii)寛解していない(すなわち、非寛解者、濃い灰色)。ウルソデオキシコール酸(UDCA)の濃度を示す。 in vitroでLPSにより刺激された末梢血単核球(PBMC)におけるTNF−α(A)及びIL−10(B)の産生に対する異なる胆汁酸の効果を示す。示されている胆汁酸には、次のものが含まれる:(i)抱合一次胆汁酸(抱合1)−タウロコール酸(tCA)、グリココール酸(gCA)、タウロケノデオキシコール酸(tCDCA)、及びグリコールケノデオキシコール酸(gCDCA);(ii)一次胆汁酸(1)−コール酸(CA)及びケノデオキシコール酸(CDCA);(iii)二次胆汁酸(2)−デオキシコール酸(DCA)及びリトコール酸(LCA);(iv)イソ胆汁酸(Iso−BA)−ウルソデオキシコール酸(UDCA);(v)抱合二次胆汁酸(抱合2)−タウロ−デオキシコール酸(tDCA)、グリコ−デオキシコール酸(gDCA)、及びタウロ−スルホ−リトコール酸(tLCA)。各胆汁酸について、示されているバーは、使用されている胆汁酸の濃度(すなわち、0、12.5、25、及び50μM)に対応し、濃度は左から右に向かって増加する。アスタリスクは、所与の胆汁酸濃度で起こりうる毒性を示す。 in vitroでLPSにより刺激された単球におけるTNF−α(A)及びIL−10(B)の産生に対する異なる胆汁酸の効果を示す。示されている胆汁酸には、次のものが含まれる:(i)抱合一次胆汁酸(抱合1)−タウロコール酸(tCA)、グリココール酸(gCA)、タウロケノデオキシコール酸(tCDCA)、及びグリコールケノデオキシコール酸(gCDCA);(ii)一次胆汁酸(1)−コール酸(CA)及びケノデオキシコール酸(CDCA);(iii)二次胆汁酸(2)−デオキシコール酸(DCA)及びリトコール酸(LCA);(iv)抱合二次胆汁酸(抱合2)−タウロ−デオキシコール酸(tDCA)、グリコ−デオキシコール酸(gDCA)、及びタウロ−スルホ−リトコール酸(tLCA)。各胆汁酸について、示されているバーは、使用されている胆汁酸の濃度(すなわち、0、12.5、25、及び50μM)に対応し、濃度は左から右に向かって増加する。 TNF−αにより刺激された腸上皮細胞(「IEC」)におけるIL−8の産生に対する異なる胆汁酸の効果を示す。示されている胆汁酸には次のものが含まれる:(i)抱合一次胆汁酸(抱合1)−タウロコール酸(tCA)、グリココール酸(gCA)、タウロケノデオキシコール酸(tCDCA)、及びグリコールケノデオキシコール酸(gCDCA);(ii)一次胆汁酸(1)−コール酸(CA)及びケノデオキシコール酸(CDCA);(iii)二次胆汁酸(2)−デオキシコール酸(DCA)及びリトコール酸(LCA);(iv)イソ胆汁酸(Iso−BA)−ウルソデオキシコール酸(UDCA);(v)抱合二次胆汁酸(抱合2)−タウロ−デオキシコール酸(tDCA)、グリコ−デオキシコール酸(gDCA)、及びタウロ−スルホ−リトコール酸(tLCA)。各胆汁酸について、示されているバーは、使用されている胆汁酸の濃度(すなわち、62.5、125、及び250μM)に対応し、濃度は左から右に向かって増加する。異なる胆汁酸の存在下で産生されたIL−8の量は、胆汁酸なしの対照と比較して示される。アスタリスクは、所与の胆汁酸濃度で起こりうる毒性を示す。 Flavonifractor_SC49及び/またはClostridium leptumを含む種の存在または非存在に対し、異なる潰瘍性大腸炎患者からの糞便試料中で測定された特定の二次胆汁酸(すなわち、7α−デヒドロキシラーゼ経路に関連するもの−DCA、LCA、3−オキソLCA、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、及び3β 12α−デオキシコール酸)の総量の比較を提供する。二次胆汁酸の測定の前に、潰瘍性大腸炎患者は、図1に記載されたレジメンのうちの1つを投与された。患者の試料は、Flavonifractor_SC49及びClostridium leptumの存在に基づいて分けられた:(i)なし(「1」);(ii)Flavonifractor_SC49単独(「2」);(iii)Clostridium leptum単独(「3」);または(iv)両方(「4」)。
本発明が、より容易に理解されるために、特定の用語を最初に定義する。さらなる定義は、詳細な説明の全体を通して記載されている。
用語「a」または「an」の実体は、その実態の1つまたは複数を指し、例えば、「ヌクレオチド配列」は、1つまたは複数のヌクレオチド配列を表すと理解されることは留意されたい。そのようなとき、用語「a」(または「an」)、「1つまたは複数」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書において交換可能に使用され得る。
さらに、「及び/または」は、本明細書で使用される場合、他のものを伴ってまたは伴わずに、2つの特定の特徴または構成要素のそれぞれの具体的な開示として受け取られるべきである。したがって、本明細書で「A及び/またはB」等の語句で使用されるとき、「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことを意図する。同様に、「A、B、及び/またはC」等の語句で使用されるとき、「及び/または」という用語は、次の態様の各々を包含することを意図する:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
本明細書で「含む(comprising)」という言葉で態様が記載されている場合は常に、「からなる(consisting of)」及び/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で記載されている類似の態様も提供されることを理解されたい。
別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示の関連する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei−Show, 2nd ed., 2002, CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press;and the Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、本開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞、及び記号は、それらのSystemeInternational de Unites(SI)で承認された形式で示される。数値範囲は範囲を定義する数を含む。特に明記しない限り、ヌクレオチド配列は5’から3’の方向で左から右に書かれている。アミノ酸配列は、アミノからカルボキシの方向で左から右に書かれている。本明細書で提供される見出しは、本明細書全体を参照することによって得られることができる本開示の様々な態様を限定するものではない。したがって、すぐ下に定義されている用語は、明細書全体を参照することによってより完全に定義されている。
「約」という用語は、本明細書では、おおよそ、大体、おおよそ、またはその範囲内の意味で使用される。「約」という用語が数値範囲と共に使用されるとき、それは、規定された数値の上下に境界を広げることによってその範囲を修正する。一般に、「約」という用語は、例えば、10パーセント、5パーセント、3パーセント、2パーセント、または1パーセント、上または下(より高いまたはより低い)の分散によって、記載された値の上下に数値を修正することができる。
「胆汁酸」という用語は、4つの環、ステロイド骨格の17位で結合したカルボン酸で終わる5または8個の炭素側鎖、ならびに異なる数のヒドロキシ基の存在及び配向を有するステロイド構造から構成される分子のファミリーを指す。組織に応じて、胆汁酸の構造は異なる。例えば、肝臓でそれらが合成されると、胆汁酸はタウリンまたはグリシン残基のいずれかに結合し(「抱合一次胆汁酸」)、その後排出されて胆嚢に貯蔵される。そして消化中、抱合一次胆汁酸は腸管腔に分泌される。いくつかの実施形態では、一次抱合胆汁酸は、グリココール酸(gCA)、タウロコール酸(tCA)、グリコケノデオキシコール酸(gCDCA)、またはタウロケノデオキシコール酸(tCDCA)である。
腸内腔内で、常在腸内細菌は酵素(例えば、胆汁酸塩加水分解酵素(BSH))を発現し、これが抱合一次胆汁酸を脱抱合して「一次胆汁酸」を生成する。いくつかの実施形態では、一次胆汁酸は、コール酸(CA)またはケノデオキシコール酸(CDCA)を含む。次いで、一次胆汁酸はさらに処理され(ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSDH)または7α−デヒドロゲナーゼ等の酵素を介して)、「二次胆汁酸」となる。いくつかの実施形態では、二次胆汁酸は、デオキシコール酸(DCA)、オキソデオキシコール酸(3もしくは12)、イソデオキシコール酸(3もしくは12)、オキソコール酸(3、7、もしくは12)、イソコール酸(3、7、もしくは12)、リトコール酸(LCA)、オキソ−LCA、イソ−LCA、オキソ−ケノデオキシコール酸(3もしくは7)、またはイソ−ケノデオキシコール酸(3もしくは7)を含む。
腸管腔で生成された二次胆汁酸は、循環して肝臓に戻り、そこで再抱合して「抱合二次胆汁酸」となる。いくつかの実施形態では、本開示の二次抱合胆汁酸は、グリコ−イソ−デオキシコール酸(3もしくは12)、タウロ−イソ−デオキシコール酸(3もしくは12)、グリコ−デオキシコール酸、タウロ−デオキシコール酸、グリコ−イソコール酸(3、7、もしくは12)、タウロ−イソコール酸(3、7、もしくは12)、スルホ−リトコール酸、グリコ−スルホ−リトコール酸、タウロ−スルホ−リトコール酸、グリコ−イソ−ケノデオキシコール酸(3もしくは7)、タウロ−イソ−ケノデオキシコール酸(3もしくは7)、グリコ−オキソ−ケノデオキシコール酸(3もしくは7)、またはタウロ−オキソ−ケノデオキシコール酸(3もしくは7)を含む。
「クレード」という用語は、系統樹の統計的に有効なノードの下流にあるOTUまたは系統樹のメンバーを指す。クレードは、系統樹の末端の葉のセットで構成されている。これは、別個の単系統進化単位であり、ある程度の配列類似性を共有している。
「微生物叢」という用語は、動物対象、典型的にはヒト等の哺乳動物の内部及びその上に(持続的または一時的に)発生する、微生物の生態学的群集を指し、真核生物、古細菌、細菌、及びウイルス(細菌ウイルス、すなわち、ファージを含む)を含む。
「マイクロバイオーム」という用語は、真核生物、古細菌、細菌、及びウイルス(細菌ウイルス、(すなわち、ファージ)を含む)を含む、持続的及び一時的に人体の内部及びその上に生息する微生物を指す。本明細書で使用されるとき、「遺伝的内容」には、ゲノムDNA、リボソームRNA等のRNA、エピゲノム、プラスミド、及び他の全てのタイプの遺伝情報が含まれる。
本明細書で使用されるとき、「微生物増強」または単に「増強」という用語は、(i)投与された治療用微生物組成物から(標準的なゲノム及び微生物学的技法の使用によって決定されるときに)存在しないかまたは検出できない、(ii)微生物組成物の送達前に、宿主ニッチ(例えば、胃腸管、皮膚、前鼻孔、または膣)に存在しない、検出できない、または低頻度で存在する、ならびに(iii)微生物組成物の投与後に、または、低頻度で存在する場合に、例えば、2倍、5倍、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、または1×10より大きい大幅な増加後に見出される、微生物の集団の確立または大幅な増加を指す。増強された生態系を構成する微生物は、食物及び環境等の外因性の供給源に由来するか、またはそれらが低頻度で存在する宿主内のマイクロニッチから増殖する可能性がある。
理論にコミットすることなく、治療用微生物組成物の投与は、特定の共生微生物の増殖のための好ましい条件を促進する標的ニッチにおける環境シフトを誘導し得る。治療用微生物組成物による治療が存在しない場合、宿主はこれらの微生物に曝露される可能性があるが、持続的な増殖及び増強された生態系を構成する微生物のレベルの増加した安定した集団に関連する健康へのプラスの影響は、標的集団において観察されないか、低頻度で観察された。
「微生物生着」または「生着」という用語は、治療前、治療される宿主に存在しないか、または検出不可能である、治療用微生物組成物、例えば、細菌組成物を構成するOTUの標的ニッチにおける定着を指す。生着した生態系を構成する微生物は、治療用微生物組成物中に存在し、治療の際に宿主の微生物生態系の構成物として定着する。生着OTUは、治療用微生物組成物による治療後の宿主に定植する微生物生態系に、一時的な期間定着し得る、または長期的な安定性を示し得る。いかなる理論にもコミットすることなく、生着した生態系は、異生物生態系から健康状態を表すものへの移行を触媒することができる共生微生物の増殖のための好ましい条件を促進する標的ニッチの環境シフトを誘導できる。
「生態学的ニッチ」または「ニッチ」という用語は、生物または生物群が占める生態学的空間を指す。ニッチは、生物または集団または複数の生物が、資源の分布、物理的パラメータ(例えば、宿主組織空間)、及び競争者(例えば、資源が豊富なときに増殖し、捕食者、寄生虫、及び病原体が不足しているときに増殖することによって)にどのように応答するか、ならびにそれらが転じて、それらの同じ要因をどのように改変するか(例えば、他の生物による資源へのアクセスを制限する、捕食者の食料源及び獲物の消費者として機能する)を説明する。
「腸内毒素症」という用語は、正常な多様性が存在する、及び/または生態学的ネットワークの機能が崩壊している、粘膜または皮膚表面を含む、対象の消化管または他の身体領域の微生物叢の状態を指す。この不健康な状態は、多様性の減少、1つまたは複数の病原体または病原菌の異常増殖、特定の遺伝的及び/または環境条件が対象に存在する場合にのみ病気を引き起こすことができる共生生物、または宿主対象に本質的な機能をもはや提供せず、したがってもはや健康を促進しない生態学的微生物ネットワークへの移行が原因である可能性がある。
本明細書で使用されるとき、「操作的分類単位」「OTU」(複数可)は系統樹の先端葉を指し、核酸配列、例えば、全ゲノムまたは特定遺伝子配列、及び種のレベルでこの核酸配列と配列同一性を共有する全ての配列により定義される。いくつかの実施形態では、特定遺伝子配列は、16S rDNA配列、または16S rDNA配列の一部であり得る。他の実施形態で、2つの実体の全ゲノムは、配列決定され、比較される。別の実施形態では、選定領域、例えば、多遺伝子座配列タグ(MLST)、特定遺伝子、または遺伝子の組は、遺伝的に比較され得る。16Sの実施形態では、16S全体または16S rDNAの可変領域、例えば、V4領域にわたって97%以上の平均ヌクレオチドの同一性を共有するOTUは、同一のOTUとみなされる(例えば、Claesson M J, Wang Q, O’Sullivan O, Greene−Diniz R, Cole J R, Ros R P, and O’Toole P W. 2010. Comparison of two next−generation sequencing technologies for resolving highly complex microbiome composition using tandem variable 16S rRNA gene regions.Nucleic Acids Res 38: e200. Konstantinidis K T, Ramette A, and Tiedje J M. 2006. The bacterial species definition in the genomic era.Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci 361: 1929−1940を参照されたい)。完全ゲノム、MLST、特定遺伝子または遺伝子の組を含む実施形態で、95%以上の平均ヌクレオチド同一性を共有するOTUは、同一のOTUとみなされる(例えば、Achtman M, and Wagner M. 2008. Microbial diversity and the genetic nature of microbial species.Nat. Rev. Microbiol. 6: 431−440. Konstantinidis K T, Ramette A, and Tiedje J M. 2006. The bacterial species definition in the genomic era.Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci 361: 1929−1940を参照されたい)。OTUは、生物間の配列を比較することによってしばしば定義される。一般的に、95%未満の配列同一性を有する配列は、同一のOTUの一部を構成するとはみなされない。OTUは、ヌクレオチドマーカーまたは遺伝子、特に、高度に保存された遺伝子(例えば、「ハウスキーピング」遺伝子)、またはその組み合わせの任意の組み合わせも特徴とし得る。そのような特徴付けは、例えば、WGSデータまたは全ゲノム配列を使用する。
本明細書で使用されるとき、「系統樹」という用語は、定義された系統再構築アルゴリズム(例えば、節約、最尤法、またはベイジアン)のセットを使用して生成される、ある遺伝子配列から別の遺伝子配列への進化的関係のグラフィカル表現を指す。ツリー内のノードは、別個の祖先シーケンスを表し、いずれかのノードの信頼度は、分岐の不確実性を測定するブートストラップまたはベイズ事後確率によってもたらされる。
「残留生息生成物」とは、微生物叢を除く、ヒトまたは動物の内部またはその上にある微生物叢の生息に由来する物質を指す。個体の微生物叢は、例えば、胃腸管の糞便、皮膚自体、唾液、気道の粘液、または泌尿生殖器の分泌物にあり、これらは全て、微生物群集に関連する生物学的及び他の物質を含む。「残留生息生成物を実質的に含まない」とは、細菌組成物が、ヒトまたは動物対象上またはその内部の微生物環境に関連する生物学的物質の減少した量を含むか、または微生物群集に関連する汚染生物物質のいずれかを100%含まない、99%含まない、98%含まない、97%含まない、96%含まない、もしくは95%含まないか、または汚染物質が検出レベルを下回ることを意味する。残留生息生成物には、非生物的物質(未消化の食品を含む)が含まれる場合もあれば、不要な微生物が含まれる場合もある。残留生息生成物を実質的に含まないということは、細菌組成物がヒトまたは動物からの検出可能な細胞を含まず、微生物細胞のみが検出可能であることを意味することもできる。いくつかの実施形態では、残留生息生成物を実質的に含まないことは、細菌組成物が検出可能なウイルス(細菌ウイルス(すなわち、ファージ)を含む)、真菌、マイコプラズマ汚染物質を含まないことを意味し得る。他の実施形態では、それは、微生物細胞と比較するとき、細菌組成物中の生細胞の1×10−2%、1×10−3%、1×10−4%、1×10−5%、1×10−6%、1×10−7%、1×10−8%未満が、ヒトまたは動物であることを意味する。残留生息生成物の存在を減ずるために複数の方法があるが、どれも制限はない。したがって、汚染は、連続した単一コロニーからの複製(例えば2つであるがこれに限定されない)ストリークが単一コロニー形態のみを示すまで、固体培地上の単一コロニーへのストリークの複数のステップを通じて所望の成分を単離することによって減らすことができる。あるいは、汚染の低減は、複数の10倍段階希釈等による、単一の所望の細胞への複数ラウンドの段階希釈(例えば、10−8または10−9の希釈)によって達成することができる。これは、複数の単離されたコロニーが同様の細胞形状及びグラム染色挙動を有することを示すことによってさらに確認することができる。残留生息生成物の適切な減少を確認するための他の方法には、遺伝子分析(例えば、PCR、DNA配列決定)、血清学及び抗原分析、酵素及び代謝分析、ならびに所望の成分を汚染物質から区別する試薬を用いたフローサイトメトリー等の機器を使用する方法が含まれる。
「16S配列決定」または「16S rDNA」または「16S」という用語は、16SリボソームRNA遺伝子(複数可)を構成するヌクレオチドを特徴づけることによって誘導される配列を指す。細菌の16S rDNAは約1500ヌクレオチドの長さであり、系統発生的アプローチを使用して、ある細菌分離株の別の細菌分離株に対する進化的関係と配列類似性を再構築するために使用される。16S配列は、一般に高度に保存されているため、系統発生の再構築に使用されるが、ほとんどの細菌の属と種を区別するのに十分なヌクレオチド多様性を備えた特定の超可変領域が含まれている。
16S rRNAの「V1〜V9領域」という用語は、細菌試料の遺伝子タイピングに使用される16SrRNA遺伝子の1番目から9番目の超可変領域を指す。細菌のこれらの領域は、E. coliの命名システムに基づく番号付けを使用して、それぞれヌクレオチド69〜99、137〜242、433〜497、576〜682、822〜879、986〜1043、1117〜1173、1243〜1294、及び1435〜1465によって定義される。Brosius et al., Complete nucleotide sequence of a 16S ribosomal RNA gene fromEscherichia coli, PNAS 75(10):4801−4805 (1978)。いくつかの実施形態では、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、及びV9領域のうちの少なくとも1つが、OTUを特徴付けるために使用される。いくつかの実施形態では、V1、V2、及びV3領域が、OTUを特徴付けるために使用される。別の実施形態では、V3、V4、及びV5領域が、OTUを特徴付けるために使用される。別の実施形態では、V4領域が、OTUを特徴付けるために使用される。当業者は、問題の候補配列を参照配列と比較し、参照超可変領域との類似性に基づいて超可変領域を同定することにより、候補16S rRNAの特定の超可変領域を同定することができる。代替的に、微生物または微生物群集の全ゲノムショットガン(WGS)配列の特性評価を利用することもできる。
本明細書において使用されるとき、「対象」という用語は、ヒト、実験室動物(例えば、霊長類、ラット、マウス)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、及びニワトリ)、ならびにペット(例えば、イヌ、ネコ、及びげっ歯類)を含む任意の動物対象を指す。対象は、胃腸病原体による感染症を含むがこれらに限定されない腸内毒素症に罹患している可能性があるか、または胃腸病原体による感染を発症するか他に感染させる危険性があり得る。いくつかの実施形態では、対象は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)に罹患している。
本明細書で使用されるとき、「炎症性腸疾患を有する対象」は、「炎症性腸疾患を有すると診断された対象」という用語と同義であり、クローン病または潰瘍性大腸炎を有する患者を意味する。クローン病(局所腸炎)は、胃腸管のあらゆる部分が関与する可能性のある慢性炎症の疾患である。一般的に、小腸(回腸)の遠位部分と盲腸が影響を受ける。他の場合では、疾患は小腸、結腸、または肛門直腸領域に限定される。クローン病は、十二指腸及び胃、ならびにまれに食道と口腔に発生することがある。本明細書に記載の有用な組成物は、IBDの1つまたは複数の徴候または症状のうちの1つを改善または予防することができ、その非限定的な例が本明細書に記載されている。
クローン病の様々な臨床症状は、部分的には、疾患の解剖学的局在の変化の結果である。CDの最も頻繁な症状は、腹痛、下痢、再発性の発熱である。CDは一般に、腸閉塞または瘻孔に関連している。これは、例えば、疾患である腸のループ間の異常な通過である。クローン病には、目、関節、皮膚の炎症;肝疾患;腎臓結石、またはアミロイドーシス等の合併症も含まれる。さらに、CDは腸がんのリスク増加と相関している。
いくつかの特徴はクローン病の病理学的特徴である。経壁炎症として知られるCDに関連する炎症は、腸壁の全ての層に関与する。例えば、肥厚や浮腫は典型的に、腸壁全体にも現れ、線維症は長期化した疾患にも見られる。CDの特徴的な炎症は不連続であり、「スキップ病変」として知られる炎症組織のセグメントが明らかに正常な腸によって分離されている。さらに、線状の潰瘍、浮腫、及び介在組織の炎症は、CDに特有の腸粘膜の「石畳」の外観をもたらす。
クローン病の特徴は、肉芽腫として知られる炎症細胞の個別の凝集体の存在であり、これは一般に粘膜下組織に見られる。クローン病の症例の中には、典型的な個別の肉芽腫を示すものもあれば、非特異的な経壁炎症を示すものもある。結果として、個別の肉芽腫の存在はCDを示すが、肉芽腫の不在もこの疾患と合致する。したがって、肉芽腫の存在ではなく、経壁性または不連続性の炎症が、クローン病の好ましい診断指標である(Rubin and Farber, Pathology (Second Edition) Philadelphia: J. B. Lippincott Company (1994))。
潰瘍性大腸炎(UC)は、激しい腹痛、直腸出血、及び血液、膿、粘液の緩い排出を伴う慢性下痢を特徴とする大腸の疾患である。潰瘍性大腸炎の症状は広範囲に異なる。悪化と寛解のパターンは、ほとんどのUC患者(70%)の臨床経過の典型であるが、寛解のない継続的な症状がUCの一部の患者に見られる。UCの局所及び全身の合併症には、関節炎、ブドウ膜炎等の目の炎症、皮膚潰瘍、及び肝疾患が含まれる。さらに、潰瘍性大腸炎、特に長期にわたる広範な疾患は、結腸癌のリスクの増加と相関している。
いくつかの病理学的特徴は、他の炎症性腸疾患とは異なり、UCを特徴づける。潰瘍性大腸炎は、通常、直腸の最も遠位の部分から近位方向に可変距離にわたって広がるびまん性疾患である。左側大腸炎という用語は、結腸の遠位部分が関与し、脾臓の屈曲部まで広がる炎症を表す。潰瘍性大腸炎では、直腸の温存または結腸の右側(近位部分)のみの関与はまれである。潰瘍性大腸炎の炎症過程は結腸に限定されており、例えば、小腸、胃、または食道は関与しない。さらに、潰瘍性大腸炎は、一般に腸壁のより深い層を温存する粘膜の表在性炎症によって区別される。変性した腸陰窩が好中球で満たされている陰窩膿瘍も、潰瘍性大腸炎の典型である(Rubin and Farber、前出、1994)。
直腸の頻繁な温存を伴う斑状の疾患であるクローン病と比較して、潰瘍性大腸炎は、通常、近位よりも遠位でより重篤な結腸の連続的な炎症を特徴とする。潰瘍性大腸炎の炎症は、表面的であり、通常、粘膜層に限定され、好中球及び陰窩膿瘍を伴う急性炎症性浸潤を特徴とする。対照的に、クローン病は腸壁の厚さ全体に影響を及ぼし、常にではないがしばしば肉芽腫が存在する。回盲弁またはその遠位の結腸で終了する疾患は潰瘍性大腸炎を示し、回腸末端の関与、石畳様の外観、個別の潰瘍、または瘻孔はクローン病を示唆する。
IBDに加えて、本明細書に開示される細菌組成物はまた、リンパ球性大腸炎;顕微鏡性大腸炎;膠原性大腸炎;自己免疫性腸炎及び自己免疫性腸炎を含む自己免疫性腸炎;アレルギー性胃腸疾患;好酸球性胃腸炎及び好酸球性腸症を含む好酸球性胃腸疾患を含むがこれらに限定されない他の免疫性胃腸障害の治療に有用であり得る。
本明細書で使用される場合、「胞子」または「内生胞子」という用語は、休眠、非栄養、及び非生殖段階にある実体、特に細菌実体を指す。胞子は一般に、放射線、乾燥、酵素処理、温度変化、栄養欠乏、及び化学消毒剤等の環境ストレスに耐性がある。いくつかの実施形態では、胞子または胞子集団は、50%エタノールに耐性がある。
「胞子集団」は、組成物中に存在する複数の胞子を指す。本明細書で使用される同義語には、胞子組成物、胞子調製物、エタノール処理胞子画分、及び胞子生態系が含まれる。胞子集団は、試料中の胞子の純度、効力、及び/または濃度を高めるために、例えばエタノールもしくは熱処理、または密度勾配分離、または本明細書に記載の方法の任意の組み合わせを介して、糞便提供物から精製することができる。代替的に、胞子集団は、単離された胞子形成種または胞子形成OTUから、または栄養形態または胞子形態のいずれかのそのような種の混合物から開始する培養方法によって導き出すことができる。
いくつかの実施形態では、胞子調製物は胞子形成種を含み、残留する非胞子形成種が、エタノール、界面活性剤、熱、超音波処理等を含む化学的または物理的処理によって不活化されたか;または、非胞子形成種が、密度勾配、遠心分離、濾過、及び/またはクロマトグラフィーを含む様々な分離ステップによって胞子調製物から除去されているか;または、不活化と分離の方法を組み合わせて胞子調製物を作る。さらに別の実施形態では、胞子調製物は、生存可能な非胞子形成物または栄養形態の胞子形成物よりも濃縮された胞子形成種を含む。この実施形態では、胞子は、全ての栄養形態の細菌と比較して、2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、1000倍、10,000倍、または10,000倍を超えて濃縮される。さらに別の実施形態では、胞子調製物中の胞子は、最終組成物が胞子形成種に由来する胞子及び栄養細菌を含むように、処理及び調製中に部分的に発芽する。
「発芽物質」という用語は、宿主生物及び/またはin vitroにおいて直接的または間接的に、休眠胞子形態の細菌、または胞子形態の細菌群の栄養成長を誘導することができる物質または組成物または物理化学的プロセスを指す。
「胞子形成誘導剤」という用語は、宿主生物及び/またはin vitroにおいて、直接的または間接的に、細菌の胞子形成を誘導することができる物質または物理化学的プロセスを指す。
「細菌胞子の増加した産生」という用語は、活性または胞子形成誘導剤を含む。この文脈での「産生」は、栄養細菌細胞の胞子への変換、そのような変換の速度の増大、ならびに胞子の形態での細菌の発芽を減少させること、in vivoもしくはex vivoでの胞子減衰の速度を減少させること、またはそれに胞子の総生産量を増加させること(例えば、糞便物質の体積生産量の増加を介して)を含む。
宿主生物の「コロニー形成」には、細菌または他の微視的生物の非一時的な定住が含まれる。本明細書で使用されるとき、病原性細菌による宿主対象の胃腸管(または任意の他の微生物ニッチ)の「コロニー形成の減少」は、胃腸管における病原体の滞留時間の減少、ならびに胃腸管内または胃腸管の管腔表面に付着した病原体の数(または濃度)の減少を含む。付着病原体の減少の測定は、例えば生検試料によって実証することができ、または減少は、例えば哺乳動物宿主の便中の病原体の積載量を測定することによって間接的に測定することができる。
2つ以上の細菌の「組み合わせ」は、同一の物質もしくは生成物、または物理的に結合した生成物のいずれかにおける2つの細菌の物理的な共存在、及び2つの細菌の共投与または共局在を含む。
「細胞傷害性」活性または細菌は、病原性細菌細胞等の細菌細胞を殺傷する能力を含む。「細胞増殖抑制」活性または細菌は、病原性細菌細胞等の細菌細胞の増殖、代謝、及び/または増殖を、部分的または完全に阻害する能力を含む。
「非可食性生成物」がないということは、本明細書で提供される細菌組成物または他の物質が、実質的な量の非可食性生成物、例えば、ヒト対象への投与、例えば経口投与に適している生成物中に、非可食性、有害であるか、さもなければ望ましくない生成物または物質を含まないことを意味する。非可食性生成物は、先行技術からの細菌の調製物にしばしば見られる。
核酸の場合、「実質的に相同」という用語は、2つの核酸またはその指定された配列が、最適に整列及び比較された場合、ヌクレオチドの少なくとも約80%、少なくとも90%〜95%、またはヌクレオチドの少なくとも約98%〜99.5%、適切なヌクレオチドの挿入または欠失を伴って同一であることを示す。代替的に、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で鎖の相補体にハイブリダイズする場合、実質的な相同性が存在する。
ポリペプチドの場合、「実質的に相同」という用語は、2つのポリペプチドまたはその指定された配列が、最適に整列及び比較された場合、アミノ酸の少なくとも約80%、少なくとも90%〜95%、またはアミノ酸の少なくとも約98%〜99.5%、適切なアミノ酸の挿入または欠失を伴って同一であることを示す。
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントのために導入する必要のあるギャップの数と各ギャップの長さを考慮して、配列によって共有される同一の位置の数の関数(すなわち、相同性パーセント=同一の位置の数/位置全体の数×100)である。配列の比較と2つの配列間の同一性パーセントの決定は、以下の非限定的な例に記載されるように、数学的アルゴリズムを使用して実行できる。
2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(worldwideweb.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを使用し、NWSgapdna.CMPマトリックスと40、50、60、70、または80のギャップの重み付け及び1、2、3、4、5、または6の長さの重み付けを使用して決定できる。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれる、E. Meyers and W. Miller (CABIOS, 4: 11−17 (1989))のアルゴリズムを使用して、PAM120重量残基テーブル、12のギャップ長ペナルティ及び4のギャップペナルティを使用して決定できる。さらに、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(worldwideweb.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれているNeedleman and Wunsch (J. Mol. Biol. (48):444−453 (1970))アルゴリズムを使用して、Blossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれかと、16、14、12、10、8、6、または4のギャップの重み付け、及び1、2、3、4、5、または6の長さの重み付けを使用して決定できる。
本明細書に記載の核酸及びタンパク質配列は、例えば、関連する配列を同定するために公共データベースに対して検索を行うための「クエリ配列」としてさらに使用され得る。このような検索は、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403−10のNBLAST及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して実行できる。BLASTヌクレオチド検索は、本明細書に記載の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るために、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で実行することができる。BLASTタンパク質検索は、本明細書に記載のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で実行することができる。比較の目的でギャップ付きのアライメントを得るには、Altschul et al., (1997) Nucleic Acids Res. 25(17):3389−3402に記載されているように、ギャップ付きBLASTを利用できる。BLAST及びギャップ付きBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用できる。worldwideweb.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。当該技術分野で知られている同一性を決定する他の方法を使用することができる。
本明細書で使用される「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、疾患に関連する症状、合併症、状態、または生化学的兆候の逆転、緩和、改善、阻害、または進行、発症、重症度または再発の緩徐化もしくは予防、または全生存期間の増大を目的として、対象に対して実行される、または活性剤を投与する、任意のタイプの介入またはプロセスを指す。治療は、疾患を有する対象または疾患を有しない対象(例えば、予防のため)であり得る。
「有効量」または「有効投与量」という用語は、所望の効果を達成する、または少なくとも部分的に達成するのに十分な量として定義される。薬物または治療薬の「治療有効量」または「治療有効投与量」は、単独でまたは別の治療薬と組み合わせて使用された場合に、疾患症状の重症度の低下、疾患の症状のない期間の頻度と期間の増加、または疾患の苦痛による機能障害または障害の予防によって証明される疾患退行を促進する任意の量の薬物である。薬物の治療有効量または投与量には、「予防有効量」または「予防有効投与量」が含まれ、これは、単独で、または別の治療薬と組み合わせて、疾患を発症するリスクのある対象、疾患の再発するリスクのある対象に投与される場合に、疾患の発症または再発を阻害する任意の量の薬物である。疾患退行を促進するか、または疾患の発症または再発を阻害する治療薬の能力は、臨床試験中のヒト対象において、ヒトでの有効性を予測する動物モデル系において、またはin vitroアッセイで薬剤の活性をアッセイすることによって、熟練した開業医に知られている様々な方法を使用して評価することができる。
「患者」という用語は、予防的または治療的治療のいずれかを受けるヒト及び他の哺乳動物の対象を含む。
本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。例えば、本明細書に記載の方法及び組成物は、がんを有する対象を治療するために使用することができる。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両性類、爬虫類等を含む。
本明細書で使用されるとき、「ug」及び「uM」という用語は、それぞれ「μg」及び「μM」と互換可能に使用される。
本明細書に記載の様々な態様は、以下のサブセクションでさらに詳細に説明される。
I. 細菌組成物
本明細書に記載されているのは、対象における1つまたは複数の胆汁酸のレベルを調節する能力を有するヒト胃腸管微生物叢の細菌及び細菌の組み合わせである。いくつかの実施形態では、胆汁酸レベルの調節は、胃腸障害、例えば、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)に関連する1つまたは複数の徴候または症状を治療、予防、遅延、または改善することができる。特定のメカニズムに限定されることなく、特定の胆汁酸の増加及び/または減少は、活性化された細胞(例えば、単球、PBMC、または腸上皮細胞)によって産生される炎症誘発性メディエーター(例えば、TNF−αまたはIL−8)の量を減らすことができると考えられている。いくつかの実施形態では、特定の胆汁酸の増加及び/または減少は、活性化された細胞によって産生される抗炎症メディエーター(例えば、IL−10)の量を増加させることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細菌組成物は、2つのタイプの細菌(「二成分の組み合わせ」または「二成分の対」と呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、2つを超えるタイプの細菌を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の細菌組成物は、種または操作的分類単位(OTU)、または本明細書で提供されるその他の方法によって定義されるとき、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10を含む。少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または少なくとも40、少なくとも50、または50を超えるタイプの細菌を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細菌組成物に見出される細菌のタイプは、IBD患者において枯渇することが見出されるものであるか、及び/または、IBDと診断された患者(例えば、活動性疾患の患者)では典型的に低レベルでのみ存在するか存在しないものである。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、健康なヒトの集団に高頻度で存在する1つまたは複数の追加の細菌を含む。
いくつかの実施形態では、第1の及び/または第2のタイプの細菌は、参照Flavonifractor_SC49 OTUの16S rDNA配列(配列番号1、3、または4)に対し、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む。本明細書に開示されるFlavonifractor_SC49は、ルミノコッカス科の属に属する新規種である。いくつかの実施形態では、第1の及び/または第2のタイプの細菌は、参照Clostridium leptum OTUの16S rDNA配列(配列番号2)に対し、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のタイプの細菌は、配列番号1、3、または4に対し、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である16S rDNA配列を含み、第2のタイプの細菌は、配列番号2に対し、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である16S rDNA配列を含む。いくつかの実施形態では、細菌Flavonifractor_SC49及び/またはClostridium leptumは、活動性疾患を有するIBD患者と比較して、寛解している(すなわち、疾患の活動性の再燃がない)IBD患者においてより一般的である。
いくつかの実施形態では、本開示に有用なOTUの株(例えば、本明細書に開示されるOTU)は、ATCC(atcc.org)、DSMZ(dsmz.de)、または理研バイオリソースセンター(en.brc.riken.jp)等の公的生物資源センターから入手することができる。配列同一性を決定するための方法は当該技術分野で公知である。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、対象における胆汁酸のレベルを調節することができる。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、二次胆汁酸のレベルを増加させ、二次胆汁酸は、デオキシコール酸(DCA)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸、リトコール酸(LCA)、3−オキソLCA、オキソ−LCA、イソ−LCA、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、二次胆汁酸のレベルは、参照試料における対応レベルと比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%増加する。いくつかの実施形態では、参照試料は、本明細書に開示される細菌組成物の投与前に対象から得られた生体試料(例えば、糞便試料)である。他の実施形態では、参照試料は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)の活発な再燃を伴う対象から得られた生体試料(例えば、糞便試料)である。
いくつかの実施形態では、二次胆汁酸のレベルの増加は、活性化細胞(例えば、LPSにより刺激された単球、LPSにより刺激されたPBMC、またはTNF−αにより刺激された腸上皮細胞)によって産生される炎症誘発性メディエーター(例えば、TNF−αまたはIL−8)の量を減少させる。いくつかの実施形態では、二次胆汁酸のレベルの増加は、活性化された細胞によって産生される抗炎症メディエーター(例えば、IL−10)の量を増加させる。特定の実施形態では、産生される炎症誘発性メディエーターの量は、参照試料(例えば、高濃度の二次胆汁酸で処理されていない活性化細胞)と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%減少する。いくつかの実施形態では、抗炎症メディエーターの量は、参照試料(例えば、高濃度の二次胆汁酸で処理されていない活性化細胞)と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%増加する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の細菌組成物は、対象に投与された場合に抗炎症効果を有する。
いくつかの実施形態では、細菌組成物はまた、ウルソデオキシコール酸(UDCA)のレベルを低下させることができる。いくつかの実施形態では、UDCAのレベルは、参照試料における対応レベルと比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低下する。特定の実施形態では、参照試料は、本明細書に開示される細菌組成物の投与前に対象から得られた生体試料(例えば、糞便試料)である。他の実施形態では、参照試料は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)の活発な再燃を伴う対象から得られた生体試料(例えば、糞便試料)である。いくつかの実施形態では、UDCAは、例えば、腸上皮細胞によって産生される炎症誘発性メディエーター(例えば、IL−8)の量を増加させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、UDCAのレベルの減少は、例えば、腸上皮細胞によって産生される1つまたは複数の炎症誘発性メディエーター(例えば、IL−8)の量を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、胆汁酸合成に関与する1つまたは複数の酵素の活性を変化させることによって、対象における胆汁酸のレベルを調節することができる。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、胆汁酸塩加水分解酵素(BSH)7α−デヒドロキシラーゼ、及び/またはヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSDH)の活性を調節することができる。
いくつかの実施形態では、本開示の細菌組成物は、胞子を形成することができる細菌(すなわち、胞子形成細菌)を含む。したがって、いくつかの実施形態では、細菌組成物は、細菌が胞子の形態である、精製された細菌集団を含む。いくつかの実施形態では、全ての細菌は胞子の形態である。他の実施形態では、いくつかの細菌は胞子の形態であるが、他の細菌は胞子の形態ではない(すなわち、栄養状態)。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、胞子形成細菌の精製された集団を含み、細菌は全て栄養状態にある。
本明細書で使用されるとき、「精製する」、「精製された」及び「精製すること」という用語は、1つまたは複数の精製プロセス、例えば、所望の細菌及び/または細菌の胞子の選択もしくは濃縮を受けたか、または代替的に本明細書に記載されている残留生息生成物の除去または減少を受けた所望の細菌または細菌胞子の集団の状態(例えば、複数の既知または未知の量及び/または濃度)を指す。いくつかの実施形態では、精製された集団は、検出可能な望ましくない活性を有しないか、または代替的に、望ましくない活性のレベルまたは量は、許容可能なレベルまたは量以下である。他の実施形態では、精製された集団は、許容される量及び/または濃度以上で、例えば、一般的な、または選択された種の、所望の細菌または細菌胞子の量及び/または濃度を有する。他の実施形態では、所望対望ましくない活性(例えば、増殖性細菌と比較した胞子)の比率は、2−、5−、10−、30−、100−、300−、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、または1×10を超えて変化する。他の実施形態では、細菌胞子の精製された集団は、集団が得られる出発物質(例えば、糞便物質)と比較して濃縮されている。この濃縮は、出発物質と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.9999%、または99.999999%を超えるものであり得る。
いくつかの実施形態では、精製された細菌集団は、毒性、哺乳動物レシピエント対象の感染を引き起こす能力、望ましくない免疫調節活性、自己免疫応答、代謝応答、または炎症反応もしくは神経学的反応等の1つまたは複数の病原性活性のレベルが低下しているかまたは検出できない。いくつかの実施形態では、細菌の病原性活性は、参照細菌と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%減少している。いくつかの実施形態では、精製された細菌集団は、糞便と比較して、臭気、味、外観、及びうま味の減少等の感覚成分が減少している。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細菌組成物は、残留生息生成物、及び/または検出可能なレベルの病原性物質を実質的に含まない(例えば、検出可能なウイルス(細菌ウイルス(すなわち、ファージ)を含む)、真菌、マイコプラズマ、またはトキソプラズマ汚染物質、または蠕虫等の真核生物寄生虫を含まない)。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、無細胞物質(例えば、DNA、ウイルスコート物質、または生存不能な細菌物質)を実質的に含まない。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、ヒトで使用することができる1つまたは複数の抗生物質に感受性のある細菌集団を含む。いくつかの実施形態では、組成物の細菌は、活動性IBD(例えば、急性の再燃)を有する患者を予防的に治療するために使用される1つまたは複数の抗生物質に耐性がある。このような抗生物質には、β−ラクタム、バンコマイシン、アミノグリコシド、フルオロキノロン、及びダプトマイシンが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、哺乳動物ドナー対象から得られた生物由来物質(例えば、糞便または小腸及び大腸の様々なセグメントから単離された物質等の糞便物質)から精製された細菌集団を含む。いくつかの実施形態では、生物由来物質(例えば、糞便物質)は、複数のドナー(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、200、300、400、500、750、1000、または1000を超えるドナー)から得ることができ、このような物質は、所望の細菌を精製する前にプールされる。他の実施形態では、生物学的材料は、単一のドナー対象から複数回にわたって取得され、複数の試料、例えば単一のドナーからの2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、32、35、40、45、48、50、100の試料からプールされ得る。
本開示に有用な哺乳動物ドナー対象は、一般に健康であり、そのような健康と一致する微生物叢を有する。一般に、ドナー対象は、糞便物質の収集前の特定の期間内に抗生物質化合物を投与されていない。特定の実施形態では、ドナー対象は、肥満または過体重ではなく、25未満、例えば、18.5〜24.9の体格指数(BMI)スコアを有し得る。他の実施形態では、ドナー対象は、不安障害、うつ病、双極性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、パニック障害、注意欠陥(活動亢進)障害、摂食障害、または気分障害等の精神疾患ではないか、精神疾患の病歴または家族歴がない。他の実施形態では、ドナー対象は、過敏性腸疾患(例えば、クローン病または潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群、セリアック病、結腸直腸癌、またはこれらの疾患の家族歴を有しない。他の実施形態では、ドナー対象は、当該技術分野で知られている標準的な技法(例えば、核酸検査、血清学的検査、抗原検査、培養技法、酵素アッセイ、感受性細胞培養基質上の毒素を探す無細胞糞便濾液のアッセイ)を使用して、血液媒介病原体及び糞便伝染性病原体についてスクリーニングされている。
いくつかの実施形態では、ドナーはまた、特定の属及び/または種の存在について選択され、特定の属及び/または種は、これらの属または種を含む治療用組成物の有効性を高める。特定の実施形態では、ドナーは、Flavornifactor_SC49及び/またはClostridium leptumの存在について選択される。いくつかの実施形態では、ドナーは、参照Flavonifractor_SC49 OTUの16S rDNA配列(配列番号1、3、もしくは4)または参照Clostridium leptum OTUの16S rDNA配列(配列番号2)に対し、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む細菌の存在について選択される。他の実施形態では、他のドナーよりも糞便物質中に比較的高濃度の胞子を生成するドナーが選択される。さらなる実施形態では、有効性が増加した胞子が精製される糞便物質を提供するドナーが選択される。この増加した有効性は、以下に説明するように、in vitroで、または動物研究を使用して測定される。いくつかの実施形態では、ドナーは、糞便物質中の望ましくない物質を減らすために、及び/または所望の胞子集団を増加するために、1つまたは複数の提供前処理を受けることができる。
糞便物質の収集の前に、そして任意選択で、1回または複数回後に、ドナー対象の健康をスクリーニングすることが有利である。このようなスクリーニングでは、ウイルス(HIV、肝炎、ポリオ)及び病原菌等の病原性物質を持っているドナーを同定する。収集後、ドナーは約1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、6か月、1年、または1年以上スクリーニングされ、そのようなスクリーニングの頻度は毎日、毎週、隔週、毎月、隔月、半年ごと、または毎年であり得る。スクリーニングされ、提供の前または後、あるいはその両方で陽性と判定されなかったドナーは、「検証済み」のドナーとみなされる。
ドナー対象からの生体試料(例えば、糞便試料)から細菌を精製する方法は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,011,834号に記載されているように、当該技術分野で公知である。
II. 製剤
本明細書でさらに提供されるのは、製剤を必要とするヒト及び他の対象(例えば、IBD患者、例えば、潰瘍性大腸炎患者)に投与するための製剤である。一般に、本明細書に記載の細菌組成物は、追加の活性物質及び/または最終製品を製造するための不活性材料と組み合わされ、これは、単回投与単位または複数回投与形式にすることができる。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、少なくとも1つの炭水化物を含む。「炭水化物」は、糖または糖のポリマーを指す。用語「糖類」、「多糖類」、「炭水化物」、及び「オリゴ糖類」は、互換可能に用いられ得る。ほとんどの炭水化物は、通常、分子の各炭素原子上に1個である、多くのヒドロキシル基を有するアルデヒドまたはケトンである。炭水化物は一般に、分子式C2nを有する。炭水化物は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、または多糖類であり得る。最も基本的な炭化水素は、単糖類、例えば、グルコース、スクロース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、及びフルクトースである。二糖類は、2つの結合した単糖類である。例示的な二糖類として、スクロース、マルトース、セロビノース、及びラクトースが挙げられる。典型的には、オリゴ糖は3〜6個の単糖単位(例えば、ラフィノース、スタキオース)を含み、多糖は6つ以上の単糖単位を含む。例示的な多糖類として、デンプン、グリコーゲン、及びセルロースが挙げられる。炭水化物は、修飾された糖類単位、例えば、ヒドロキシル基が除去された2’−デオキシリボース、ヒドロキシル基がフッ素で置換された2’−フルオロリボース、またはグルコースの窒素含有形態であるN−アセチルグルコサミン(例えば、2’−フルオロリボース、デオキシリボース、及びヘキソース)を含み得る。炭水化物は、多くの異なる形態、例えば、配座異性体、環式形態、非環式形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、及び異性体として存在し得る。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、少なくとも1つの脂質を含む。本明細書で使用されるとき、「脂質」は、遊離脂肪酸を含む任意の形態の脂肪、油、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、脂肪酸を含む。脂肪、油、及び脂肪酸は、飽和、不飽和(シスもしくはトランス)、または部分不飽和(シスもしくはトランス)であり得る。いくつかの実施形態では、脂質は、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、マルガリン酸(17:0)、ヘプタデセン酸(17:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、オクタデカテトラエン酸(18:4)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、エイコサジエン酸(20:2)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)(EPA)、ドコサン酸(22:0)、ドコセン酸(22:1)、ドコサペンタエン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)(DHA)、及びテトラコサン酸(24:0)から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの修飾された脂質、例えば、調理によって修飾された脂質を含む。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、少なくとも1つの補助的な鉱物または鉱物源を含む。鉱物の例として、非限定的に、塩化物、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、及びセレンが挙げられる。上記鉱物のいずれかの適切な形態は、可溶性無機塩、難溶性無機塩、不溶性無機塩、キレート化鉱物、鉱物錯体、カルボニル鉱物等の非反応性鉱物、及び還元鉱物、ならびにそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの補助ビタミンを含む。少なくとも1つのビタミンは、脂溶性または水溶性のビタミンであってもよい。適切なビタミンは、非限定的に、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、及びビオチンを含む。上述のいずれかの適切な形態は、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同じかまたは同様の活性を有する化合物、及びビタミンの代謝物である。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、賦形剤を含む。適切な賦形剤の非限定的な例として、緩衝剤、保存剤、安定剤、結合剤、圧縮剤、滑沢剤、分散促進剤、崩壊剤、香味剤、甘味剤、及び着色剤が挙げられる。
いくつかの実施形態では、賦形剤は、緩衝剤である。適切な緩衝剤の非限定的な例として、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、及び重炭酸カルシウムが挙げられる。
いくつかの実施形態では、賦形剤は、保存剤を含む。適切な保存剤の非限定的な例として、抗酸化剤、例えば、αトコフェロール及びアスコルビン酸塩、ならびに抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、及びフェノールが挙げられる。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、結合剤を賦形剤として含む。適切な結合剤の非限定的な例として、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、ポリビニルアルコール、C12−C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、糖類、オリゴ糖類、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、滑沢剤を賦形剤として含む。適切な滑沢剤の非限定的な例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、硬化植物油、ステロテックス、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、及び軽鉱物油が挙げられる。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、分散促進剤を賦形剤として含む。適切な分散剤の非限定的な例として、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、ベントナイト、精製木質セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、イソアモルファスシリケート、及び高HLB乳化剤界面活性剤としての微結晶セルロースが挙げられる。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、崩壊剤を賦形剤として含む。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、非発泡性崩壊剤である。適切な非発泡性崩壊剤の非限定的な例として、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、それらのアルファ化デンプン及び修飾デンプン、甘味剤、クレー、例えば、ントナイト、微晶質セルロース、アルギネート、デンプングリコール酸ナトリウム、ガム、例えば寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、及びトラガカントが挙げられる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、発泡性崩壊剤である。適切な発泡性崩壊剤の非限定的な例として、クエン酸と組み合わせた重炭酸ナトリウム、及び酒石酸と組み合わせた重炭酸ナトリウムが挙げられる。
いくつかの実施形態では、賦形剤は、香味剤を含む。香味剤は、合成香味油及び香味芳香剤;天然油;植物、葉、花、及び果実からの抽出物;ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態では、香味剤は、桂皮油、冬緑油、ペパーミント油、クローバー油、乾草油、アニス油、ユーカリ油、バニラ油、柑橘油、例えば、レモン油、オレンジ油、ブドウ油、及びグレープフルーツ油等、ならびに果実エッセンス、例えば、リンゴ、モモ、ナシ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、及びアンズから選択される。
いくつかの実施形態では、賦形剤は、甘味剤を含む。適切な甘味剤の非限定的な例として、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、及びそれらの混合物(担体として使用しない場合);サッカリン及びその種々の塩、例えばナトリウム塩等;ジペプチド甘味剤、例えば、アスパルテーム;ジヒドロカルコン化合物、グリシルリジン;Stevia Rebaudiana(ステビオシド);スクロースのクロロ誘導体、例えば、スクラロース;糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、シリトール等が挙げられる。また、水素添加デンプン加水分解物、及び合成甘味剤3,6−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシド、特に、カリウム塩(アセサルフェーム−K)、ならびにそれらのナトリウム塩及びカルシウム塩も企図される。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、着色剤を含む。適切な着色剤の非限定的な例として、食品、医薬品、化粧品(FD&C)用の着色剤、医薬品及び化粧品用の着色剤(D&C)、ならびに外用薬品及び化粧品用の着色剤(Ext. D&C)が挙げられる。着色剤は、色素またはそれらの対応するレーキとして使用することができる。
製剤中の賦形剤または賦形剤の組み合わせの重量分率は、通常、組成物中の総重量の約99%以下、例えば約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、または約1%以下である。
本明細書に開示される細菌組成物は、様々な形態に製剤化することができ、多数の異なる手段によって投与することができる。細菌組成物は、所望により従来許容されている担体、アジュバント、及びビヒクルを含む製剤で経口的、経腸的、または非経口的に投与することができる。本明細書で使用されるとき、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内の注射、及び注入技法を含む。例示的な実施形態では、細菌組成物は、経口投与される。
経口投与用の固体剤形には、カプセル、錠剤、カプレット、丸薬、トローチ、ロゼンジ、散剤、及び顆粒剤が含まれる。カプセルは、典型的には、細菌組成物を含むコア物質と、コア物質をカプセル化するシェル壁とを含む。いくつかの実施形態では、コア物質は、固体、液体、及びエマルジョンのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、シェル壁物質は、軟質ゼラチン、硬質ゼラチン、及びポリマーのうちの少なくとも1つを含む。適切なポリマーとしては、非限定的に、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;アクリル酸ポリマー及びコポリマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アンモニオメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、及び/またはエチルメタクリレートから形成されるもの(例えば、「Eudragit」の商標名で販売されているコポリマー);ビニルポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマー、及びエチレン−ビニルアセテートコポリマー;ならびにシェラック(精製ラック)が挙げられる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリマーは、味覚マスキング剤として機能する。
錠剤、丸剤等は、圧縮、複数圧縮、多層化、及び/またはコーティングされてもよい。コーティングは、単数または複数であり得る。いくつかの実施形態では、コーティング物質は、植物、真菌、及び微生物のうちの少なくとも1つから抽出された糖類、多糖類、及び糖タンパク質のうちの少なくとも1つを含む。非限定的な例として、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、セルロース、ヘミセルロース、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、ペクチン、マンナン、アラビアガム、ローカストビーンガム、メスキートガム、グアーガム、カラヤガム、ガティガム、トラガカントガム、フノリ、カラゲナン、寒天、アルギン酸塩、キトサン、またはジェランガムが挙げられる。いくつかの実施形態では、コーティング物質は、タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、コーティング物質は、脂肪及び油のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、脂肪及び油のうちの少なくとも1つは、高温で融解する。いくつかの実施形態では、脂肪及び油のうちの少なくとも1つは、硬化しているかまたは部分的に硬化している。いくつかの実施形態では、脂肪及び油のうちの少なくとも1つは、植物に由来する。いくつかの実施形態では、脂肪及び油のうちの少なくとも1つは、グリセリド、遊離脂肪酸、及び脂肪酸エステルのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、コーティング物質は、少なくとも1つの食用ワックスを含む。食用ワックスは、動物、昆虫、または植物に由来し得る。非限定的な例として、蜜蝋、ラノリン、ヤマモモワックス、カルナバワックス、及び米ぬかワックスが挙げられる。錠剤及び丸剤は、腸溶コーティングを用いてさらに調製することができる。
代替的に、本明細書に開示される細菌組成物を具現化する散剤または顆粒剤は、食品に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、食品は、経口投与のための飲料である。適切な飲料の非限定的な例として、果実ジュース、果実飲料、人工香味料入り飲料、人工甘味料入り飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、液体乳製品、シェイク、アルコール飲料、カフェイン入り飲料、調整粉乳等が挙げられる。経口投与のための他の適切な手段には、水性及び非水性溶液、乳濁液、懸濁液、ならびに非発泡剤から再構成された溶液及び/または懸濁液が含まれ、適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、着色剤、香味剤のうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、食品は、固形食料である。固形食料の適切な例として、非限定的に、フードバー、スナックバー、クッキー、ブラウニー、マフィン、クラッカー、アイスクリームバー、フローズンヨーグルトバー等が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細菌組成物は、治療食に組み込まれる。いくつかの実施形態では、治療食は、必須主要栄養素及び微量栄養素のいくつかまたは全部を任意選択的に含む、すぐに使える食品である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細菌組成物は、既存の食事にブレンドされるように設計された補助食品に組み込まれる。いくつかの実施形態では、補助食品は、いくつかまたは全ての必須の主要栄養素及び微量栄養素を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細菌組成物は、既存の食品に混合されるか添加されて、その食品のタンパク栄養を強化する。例として、主食(穀物、塩、砂糖、料理油、マーガリン)、飲料(コーヒー、紅茶、ソーダ、ビール、酒、スポーツ飲料)、スナック、スイーツ、及びその他の食品が挙げられる。
いくつかの実施形態では、製剤は、経口投与のためにゼラチンカプセルに充填される。適切なカプセルの例は、10mg(100mgまで)の凍結乾燥粉末(10〜1011の細菌)、160mgの微結晶セルロース、77.5mgのゼラチン、及び2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む250mgのゼラチンカプセルである。他の実施形態では、必要に応じて賦形剤の付随する調整を伴って、10〜1012、10〜10、10〜10、または10〜1010の細菌を使用することができる。さらなる実施形態では、腸溶コーティングされたカプセルまたは錠剤、あるいは緩衝剤または保護組成物を使用することができる。
いくつかの実施形態では、各タイプの細菌の数は、同じ量または異なる量で存在することができる。例えば、2つのタイプのバクテリアを含む細菌組成物において、細菌は、1:10,000比〜1:1比、1:10,000比〜1:1,000比、1:1,000比〜1:100比、1:100比〜1:50比、1:50比〜1:20比、1:20比〜1:10比、1:10比〜1:1比で存在し得る。少なくとも3つのタイプの細菌を含む細菌組成物の場合、細菌の種類の比率は、2つのタイプの細菌を含む細菌組成物の比率からペアごとに選択することができる。例えば、細菌A、B、及びCを含む細菌組成物において、細菌AとBとの間の比率、細菌BとCとの間の比率、及び細菌AとCとの間の比率のうちの少なくとも1つは、上述のペアごとの組み合わせから独立して選択することができる。
III. 対象を治療する方法
本明細書に開示される製剤は、例えば、疾患の1つまたは複数の徴候または症状を改善すること(例えば、寛解を誘導すること)によって、及び/または活動性疾患の再発を減らすため(例えば、寛解を維持するため)に、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)の治療に使用することができる。
いくつかの実施形態では、明細書に開示される製剤による治療は、二次胆汁酸のレベルを増加させ、二次胆汁酸は、デオキシコール酸(DCA)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸、リトコール酸(LCA)、3−オキソLCA、オキソ−LCA、イソ−LCA、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本開示の製剤による治療は、二次胆汁酸のレベルを低下させ、二次胆汁酸は、UDCAである。いくつかの実施形態では、UDCAは、例えば、腸上皮細胞によって産生される炎症誘発性メディエーター(例えば、IL−8)の量を増加させることができる。
いくつかの実施形態では、特定の二次胆汁酸の増加及び/または減少は、以下の少なくとも1つに相関している:(i)IBD(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)と診断された患者における胃腸(GI)のマイクロバイオームの多様性の増加、(ii)(例えば、IBDと診断された)患者の消化管炎症の減少、(iii)未治療のIBD患者と比較したIBD患者の集団における粘膜及び上皮バリアの完全性の改善、(iv)治療前と比較したIBD患者における粘膜及び上皮バリアの完全性の改善、(v)粘膜治癒の促進(例えば、内視鏡的メイヨースコアの低下によって評価することができる)、ならびに(vi)IBDの少なくとも1つの徴候または症状の他の改善(例えば、疾患の寛解)。このような改善には、例えば、治療後の糞便カルプロテクチンの減少等、バイオマーカーを介して検出される改善も含まれ得る。メイヨースコアは当該技術分野で知られており、例えば、globalrph.com/mayo_clinic_score.htmを参照されたい。治療前のスコアからメイヨーの合計スコアが減少、及び/または直腸出血の改善、及び/または内視鏡サブスコアは、治療効果を示している。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤による治療後の臨床的寛解率は、少なくとも20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、または100%である。いくつかの実施形態では、臨床的寛解率は、プラセボと比較して、例えば、それぞれ30%と比較して少なくとも60%改善される。いくつかの実施形態では、臨床的寛解は2ポイント以下のメイヨースコアであり、1未満の個々のサブスコアはない。いくつかの実施形態では、製剤による治療に対する臨床応答は、プラセボと比較して、例えば、それぞれ30%と比較して少なくとも60%改善されている。粘膜治癒は、メイヨースコアの内視鏡サブスコアで0または1として定義される。臨床応答は、いくつかの実施形態では、メイヨースコアのベースラインからの30%以上及び3ポイント以上の減少であり、1以上の直腸出血サブスコアまたは0または1の直腸出血サブスコアの減少を伴う。いくつかの実施形態では、臨床応答は、ベースラインからの総修正メイヨースコア(TMMS)の3ポイント以上の減少、及び直腸出血サブスコアの1ポイントを超えるかまたは絶対直腸出血サブスコアの0もしくは1のポイントのうちの少なくとも1つの減少として定義される。完全寛解は、紅斑、血液、及び炎症の証拠がない、2未満のTMMS及び0の内視鏡サブスコアとして定義される。内視鏡の改善は、1を超える修正メイヨー内視鏡サブスコアの減少として定義される。
本明細書に開示される製剤は、様々な臨床状況において有用であり得る。例えば、製剤は、患者が急性感染症に苦しんでいるとき、急性感染症が治まった後の再発のリスクを減らすために、または患者が他者(医師、看護師、病院職員、病気または入院している人の家族)の近くにおり、重篤な胃腸感染症のリスクを伴うかまたはそうであるときに、抗生物質の補完的治療として投与することができる。
本発明の製剤は、ヒト、実験室動物(例えば、霊長類、ラット、及びマウス)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、及びニワトリ)、ならびにペット(例えば、イヌ、ネコ、及びげっ歯類)を含む動物に投与できる。いくつかの実施形態では、製剤は、ヒト対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、IBD(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)、例えば、下痢(例えば、血液または膿を含む);腹痛とけいれん;直腸痛;直腸出血;排便の緊急性;緊急性にもかかわらず排便できない;減量;倦怠感;熱;成長不全(子供);重度の出血;穴あき結腸;重度の脱水症;肝疾患;骨粗鬆症;皮膚、関節、または目の炎症;口内炎;結腸癌のリスクの増加;中毒性巨大結腸症;または静脈や動脈の血栓のリスクの増加のうちの1つまたは複数の徴候または症状を有する。本明細書で提供される製剤を使用する治療上有効な治療は、そのような徴候及び症状の1つまたは複数を改善することができる。
いくつかの実施形態では、対象(例えば、ヒト患者)は、製剤の投与前に前治療プロトコールを受け取り、前治療プロトコールは、細菌組成物を受け取るために胃腸管を準備する。特定の実施形態では、前治療プロトコールは、抗生物質治療を含み、抗生物質治療は、患者の細菌を変化させる。他の実施形態では、前治療プロトコールは、結腸洗浄(例えば、浣腸)を含み、結腸洗浄は、患者の結腸の内容物を実質的に空にする。本明細書で使用される場合、「結腸の内容物を実質的に空にする」とは、結腸の内容物の通常の量の内容物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または約100%の除去を指す。抗生物質治療は、結腸洗浄プロトコールに先行してもよい。
いくつかの実施形態では、前治療プロトコールは、本明細書に記載の製剤の投与の少なくとも1日、2日、3日、5日、6日、7日、10日、または15日前に患者に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、製剤の複数回投与を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、製剤の投与前に、IBD(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)の少なくとも1つの徴候または症状を有する。他の実施形態では、対象は、製剤の投与前にIBD(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)の徴候または症状を示さず、例えば、製剤は、活動性IBDの徴候または症状のリスクを低減するために予防的に投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤は、腸内に、換言すると、胃腸管へのアクセス経路によって投与される。これには、経口投与、直腸投与(浣腸、坐薬、もしくは結腸内視鏡検査を含む)、経口または鼻管(鼻胃、鼻空腸、経口胃、もしくは経口空腸)、または当該技術分野で知られている他の任意の方法が含まれる。
いくつかの実施形態では、製剤は、口、食道、胃、小腸、大腸、及び直腸を含む胃腸管の少なくとも1つの領域に投与される。他の実施形態では、製剤は、胃腸管の全ての領域に投与される。特定の実施形態では、製剤は、散剤、カプセル、錠剤、ゲルまたは液体等の医薬の形態で経口投与される。製剤はまた、経口経路または経鼻胃管を介して、ゲルまたは液体形態の直腸経路によって、浣腸または結腸内視鏡または坐剤を介した点滴注入によって、ゲルまたは液体の形態で投与することができる。
いくつかの実施形態では、細菌及び細菌組成物は、剤形で提供される。いくつかの実施形態では、剤形は、本明細書に開示される少なくとも1つのOTUまたはそれらの組み合わせの投与のために設計され、投与される細菌組成物の総量は、0.1ng〜10g、10ng〜1g、100ng〜0.1g、0.1mg〜500mg、1mg〜100mg、または10〜15mgから選択される。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、0.1ng〜10g/日、10ng〜1g/日、100ng〜0.1g/日、0.1mg〜500mg/日、1mg〜100mg/日、または1日10〜15mg/日、またはそれ以上の割合で消費される。
いくつかの実施形態では、治療期間は、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間である。いくつかの実施形態では、治療期間は、1日間〜1週間、1週間〜4週間、1ヶ月間〜3ヶ月間、3ヶ月間〜6ヶ月間、または6ヶ月間〜1年間である。
いくつかの実施形態では、合計10及び1012の微生物が、所与の剤形で患者に投与される。特定の実施形態では、有効量は、1mlあたりもしくは1グラムあたり10〜1011の細菌を有する細菌組成物の1〜500mlもしくは1〜500グラム、または10〜1011の細菌を有する凍結乾燥粉末の1mg〜1000mgを有する、カプセル、錠剤、もしくは坐剤で提供され得る。いくつかの実施形態では、急性治療を受けているものは、慢性投与を受けているもの(病院労働者または長期介護施設に入院しているもの等)よりも高い用量を受ける。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤は、単一の機会に、または複数の機会に1回、例えば、数日間に1日1回、または投与日に1日1回以上(1日2回、1日3回、または1日5回までを含む)投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、設定されたスケジュールに従って、例えば、週に1回、月に1回、または患者が原発性疾患から再発したときに断続的に投与される。他の実施形態では、製剤は、侵襲的な医療処置(外科手術等)を受けている、入院し、介護施設もしくはリハビリ施設に住み、職業によって病原体にさらされているか(家畜及び動物加工労働者)、または病原体のキャリアである可能性がある(医師、看護師、その他の医療専門家等の病院労働者を含む)、これらの病原体に感染するリスクがあるか、またはこれらの病原体のキャリアである可能性がある個人に長期的に投与される。
いくつかの実施形態では、本開示の細菌組成物は、組み合わせ療法として他の薬剤(例えば、抗菌剤またはプレバイオティクス)と共に投与される。特定の実施形態では、投与は、数時間または数日の期間にわたって連続的である。他の実施形態では、投与は同時である。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び抗寄生虫剤を含む1つまたはそれ以上の抗菌剤との組み合わせ療法に含まれる。
抗菌剤には、セファロスポリン系抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、及びセフトビプロール)が含まれる。フルオロキノロン系抗生物質(シプロ、レボフロキサシン、フロキサシン、テキン、アベロックス、及びノルフロキサシン);テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、及びドキシサイクリン);ペニシリン系抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、及びメチシリン);ならびにカルバペネム系抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、及びメロペネム)が含まれる。
抗ウイルス剤には、アバカビル、アシクロビル、アデフォビル、アンプレナビル、アタザナビル、シドフォビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エトラビリン、ファムシクロビル、ホスカルネット、フォミビルセン、ガンシクロビル、インジナビル、イドクスウリジン、ラミブジン、ロピナビルマラビロック、MK−2048、ネルフィナビル、ネビラピン、ペンシクロビル、ラルテグラビル、リルピビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビルトリフルリジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビダラビン、イバシタビン、アマンタジン、オセルタミビル、リマンタジン、チプラナビル、ザルシタビン、ザナミビル、及びジドブジンが含まれる。
抗真菌化合物の例には、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ナイスタチン、アムホテリシンB、カンジシン、及びハマイシン等のポリエン系抗真菌剤;ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、オモコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、及びチオコナゾール等のイミダゾール系抗真菌剤;フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール、及びアルバコナゾール等のトリアゾール系抗真菌剤;アバファンギン等のチアゾール系抗真菌剤;テルビナフィン、ナフチフィン、及びブテナフィン等のアリルアミン系抗真菌剤;ならびにアニデュラファンギン、カスポファンギン、及びミカファンギン等のエキノカンジン系抗真菌剤が含まれるが、これらに限定されない。抗真菌特性を有する他の化合物には、ポリゴジアル、安息香酸、シクロピロックス、トルナフタート、ウンデシレン酸、フルシトシンまたは5−フルオロシトシン、グリセオフルビン、及びハロプロギンが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、細菌組成物は、1つまたは複数のコルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制薬、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミン、グルココルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモリンナトリウム、抗ロイコトリエン、鼻炎に対する抗コリン作用薬、抗コリン作用性鬱血除去薬、マスト細胞安定化薬、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン、及びそれらの組み合わせとの併用療法に含まれる。
プレバイオティクスは、組成物の中で及び/または胃腸内微生物叢の活動の両方での特定の変化を可能にする選択的に発酵させた成分であり、宿主の幸福と健康に利益をもたらす。プレバイオティクスには、複雑な炭水化物、アミノ酸、ペプチド、または細菌組成物の生存に不可欠なその他の栄養成分が含まれる。プレバイオティクスには、アミノ酸、ビオチン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌリン、ラクツロース、マンナンオリゴ糖、オリゴフルクトース濃縮イヌリン、オリゴフルクトース、オリゴデキストロース、タガトース、トランスガラクトオリゴ糖、及びキシロオリゴ糖が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書は、本明細書内で引用されている参考文献の教示に照らして最も完全に理解される。本明細書内の実施形態は、実施形態の例示を提供するものであり、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、他の多くの実施形態が包含されることを容易に認識する。本明細書において引用された全ての刊行物及び特許は、参照によりそれらの全てが本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる資料が本明細書と矛盾するか矛盾する場合、本明細書はそのような資料に優先する。本明細書における参考文献の引用は、そのような参考文献が先行技術であることを認めるものではない。
別途示されない限り、特許請求の範囲を含め、本明細書で使用される成分の量、反応条件等を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、別途示されない限り、数値パラメータは近似値であり、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る。最低でも、特許請求の範囲に対する均等の原則の適用を限定することを企図しないように、各数値パラメータは、有効数字の桁数及び通常の四捨五入アプローチに照らして解釈されるべきである。
次の例は、例示のために提供されるものであり、限定のためのものではない。本出願を通して引用される全ての参考文献の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施例1:健康な人間の糞便に由来する胞子集団(HHSP)の投与後の潰瘍性大腸炎における胆汁酸レベルの分析
炎症性腸疾患(IBD)における胆汁酸の役割を理解し始めるために、7α−デヒドロキシラーゼ経路に関連する二次胆汁酸のレベル(すなわち、DCA、LCA、3−オキソLCA、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、及び3β 12α−デオキシコール酸)は、様々な治療レジメンを受けた潰瘍性大腸炎患者から得られた糞便試料で定量化された。治療レジメンは、以下のうちの1つを含んだ:(A)プラセボのみ;(B)プラセボに続いて、健康なヒトの糞便に由来する胞子集団(「HHSP」)の毎週の投与;(C)バンコマイシンとそれに続くHHSPの毎週の投与;(D)バンコマイシンとそれに続くHHSPの毎日の投与。胆汁酸濃度は、4つの異なる時点で測定された:(1)ベースライン(すなわち、バンコマイシンまたはHHSPの投与前)(「来院1」);(2)バンコマイシン治療直後(必要な場合)(「来院4」);(3)HHSPの投与開始から2週間後(必要な場合)(「来院6」);(4)胞子形成画分の投与を開始してから8週間後(必要な場合)(「来院12」)。
ヒトの糞便試料からの胆汁酸の抽出
ヒトの糞便試料を等分し、秤量し、10倍(w/v)の抽出緩衝液中に均質化した(水中50%メタノール)。試料を氷上で1時間抽出した後、等量の冷アセトニトリルでさらに抽出した。次いで、抽出物を遠心分離し、液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS)により分析する前に、上清を0.22μmフィルターで濾過した。ラベル付けされた胆汁酸標準は、代謝物の抽出と分析の品質管理を提供するために、抽出の前後にスパイクされた。各試料のアリコートも秤量し、次いで乾燥させて試料の含水量と乾燥重量を決定した。
胆汁酸のLC−MS分析
胆汁酸は、0.2μmプレカラムフィルターが先行するMicrosolv二座C18カラムを備えたAgilent 1260HPLCを使用して分離した。分離は、0.1%ギ酸を含む水とアセトニトリルの勾配を流速0.4ml/分で使用して行った。試料は5μLの量で注入された。HPLCシステムは、Agilentの低質量チューニングミックスを使用して50〜1700m/zの質量範囲に校正されたBrukerCompass(商標)qTOF質量分析計に結合された。各分析は、各分析の開始時に注入された参照質量溶液に対してさらに較正された。胆汁酸はネガティブモードで検出され、既知の純粋な標準と比較した固有のm/z及び保持時間によって同定された。ピーク下面積は、Brukerデータ分析ソフトウェアを使用して決定された。胆汁酸は、0.001μM〜100μMの範囲の濃度の純粋な標準から生成された検量線を使用して定量化された。LC−MSで検出された胆汁酸を以下の表1に列挙する。
Figure 2021519763
図1に示すように、バンコマイシンに続いてHHSP(C及びD)を投与された潰瘍性大腸炎患者は、投与前の患者の対応するレベルと比較して、糞便試料中の7α−デヒドロキシラーゼ経路に関連する二次胆汁酸のレベルが増加した。最大の増加は、バンコマイシンを投与された後にHHSPを毎日投与された患者で観察された(D)。対照的に、プラセボのみを投与された患者では、測定された二次胆汁酸の濃度に目立った増加はなかった(A)。この結果は、HHSPに存在する1つまたは複数の胞子形成細菌が、潰瘍性大腸炎患者で観察される胆汁酸濃度の増加の原因である可能性があることを示唆している。
実施例2:寛解期にある潰瘍性大腸炎患者の胆汁酸レベルの分析
胆汁酸レベルと疾患の寛解との間の潜在的な関係を評価するために、寛解している潰瘍性大腸炎患者(「寛解者」)と活動性疾患を患っている患者(「非寛解者」)の間で異なる胆汁酸のレベルを比較した。潰瘍性大腸炎患者は、実施例1に記載された治療レジメンの1つを受けていた。胆汁酸は、糞便試料から抽出され、上述の実施例1に記載されたように定量化された。
図2A〜2F及び図3A〜3Fに示されるように、寛解者は、非寛解者と比較して、以下の二次胆汁酸のより高いレベルを発現した:デオキシコール酸(DCA)(図2A及び3A)、LCA(図2B及び3B)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸(図2C及び3C)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸(図2D及び3D)、3−オキソLCA(図2E及び3E)、及び3β 12α−オキソ−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)(図2F及び3F)。対照的に、UDCAのレベル(図2G及び3G)は、寛解者と比較して非寛解者で有意に高く、全ての二次胆汁酸が炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎)において同様のパターンを有するわけではないことを示唆している。上述のデータはさらに、IBDの寛解が特定の胆汁酸(例えば、7α−デヒドロキシラーゼ経路に関連するもの)の増加及びUDCAのレベルの低下に直接相関していることを示している。
これらのデータは、二次胆汁酸レベルの操作が炎症性腸疾患の治療に役立つ可能性があることを示している。
実施例3:活性化された単球及びPBMCに対する二次胆汁酸の抗炎症効果の評価
特定の二次胆汁酸のレベルの上昇と潰瘍性大腸炎の寛解との関係の可能性をよりよく理解するために、単球とPBMCを、抱合型と非抱合型の様々な濃度の異なる一次胆汁酸と二次胆汁酸の存在下でLPSにより活性化した。活性化細胞が産生するTNF−α及びIL−10の量を以下のように測定した。
TNF−α及びIL−10の分泌アッセイ
ヒトのバフィーコートはBioreclamationから入手し、氷上で一晩輸送した。バフィーコートをPBSで1:1に希釈し、50mLファルコンチューブ内のFicoll−Paque(GE Healthcareカタログ番号17−1440−03)の上部に重ねた。試料は、ブレーキなしで室温で20分間500×gで回転させた。PBMCをパーコール勾配層で吸引し、PBSで3回洗浄した。血球計算盤で細胞を計数し、細胞の生存率と濃度を決定した。細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO2で1時間インキュベートした。これに続いて、LPS(1ng/mL)の添加前に、胆汁酸を最終濃度12.5μM、25μM、及び50μMで1時間添加した。16〜20時間のインキュベーション後、サイトカイン分析のために細胞培養培地を収集した。Milliplex Human Cytokineキット(Luminex;Millipore)を使用してサイトカインをアッセイし、IL−10及びTNF−αをアッセイした。Miltenyi Biotec Pan単球分離キット(カタログ番号:130−096−537)を製造元の指示に従って使用して、PBMCから単球を分離し、上述のようにアッセイした。
図4A及び4Bに示されるように、示されるほとんどの胆汁酸の濃度が増加するにつれて、LPS活性化PBMCは、より高いレベルのIL−10及びより低いレベルのTNF−αを産生し、これらの胆汁酸の抗炎症効果を強調している。最大の抗炎症効果は、二次胆汁酸(DCA及びLCA)、ならびにそれらの抱合誘導体(tDCA、gDCA、及びtLCA)で観察された。LPSにより刺激された単球でも同様の結果が観察された。図5A及び5Bを参照されたい。実施例2と一致して、UDCA濃度の増加は、LPSにより刺激された単球またはPBMCに対して抗炎症効果を有しなかった。
実施例4:活性化された腸上皮細胞に対する二次胆汁酸の抗炎症効果の評価
IBDは主に腸組織に影響を与えるため、単球及びPBMCで観察された抗炎症効果が腸上皮細胞(HT29)でも当てはまるかどうかを以下のように評価した。
IL−8分泌アッセイ
10%FBS、GlutaMAX、及びPen/Strepを補充したマッコイズ培地で培養したHT29細胞を、96ウェルフォーマット中に5万細胞/ウェルの密度で播種し、完全にコンフルエントになるまで5日間増殖させた。培地は2日ごとに交換した。5日目に、細胞を250μM、125μM、または62.5μMの胆汁酸化合物で1時間前処理した後、1.25ng/mLのTNF−αに曝露した。細胞を一晩(16時間)インキュベートし、培養上清をELISAによるIL−8タンパク質の定量化のために収集した。試験試料のIL−8レベルは、1.25ng/mLのTNF−αに曝露された炎症性対照、DMSO前処理試料(すなわち、胆汁酸なし)に対して正規化された。
以前のデータと一致して、腸上皮細胞は、抱合二次胆汁酸(例えば、t−LCA、t−DCA、及びg−DCA)を含むいくつかの異なる胆汁酸の存在下で活性化され、用量依存的にIL−8の産生を低下させた。図6を参照されたい。上述で提供されたデータと一致して、他の試験された二次胆汁酸とは異なり、UDCAは活性化された腸上皮細胞に対して抗炎症効果を有しなかった。代わりに、UDCAは活性化された腸上皮細胞によるIL−8の産生を用量依存的に増加させるようであった。
まとめると、上述のデータは、特定の二次胆汁酸(例えば、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、または3−オキソLCA)の増加を示し、及び/またはUDCAの低下は抗炎症効果を高め、潰瘍性大腸炎患者の病気の寛解をもたらす。
これらのデータは、胆汁酸、例えば二次胆汁酸の変化に影響を与える可能性のある細菌組成物が炎症性腸疾患の治療に有用である可能性があるというさらなる証拠を提供する。
実施例5:潰瘍性大腸炎の寛解における特定の二次胆汁酸の増加に関与する細菌の同定
上述の実施例で説明した抗炎症効果に関連する胆汁酸の増加の原因となる可能性のある細菌を特定するために、様々な潰瘍性大腸炎患者(すなわち、実施例1に記載される治療レジメンのうちの1つを受けた寛解者と非寛解者の両方)からの糞便試料を、Flavonifractor_SC49及びClostridium leptumの存在に基づいて分割した。次いで、実施例1で前述したように、7α−デヒドロキシラーゼ経路に関連する二次胆汁酸(すなわち、DCA、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、LCA、及び3−オキソ−LCA)の量を測定した。
図7に示すように、Flavonifractor_SC49またはClostridium leptumのいずれかを含む糞便試料は、両方の細菌を欠いた糞便試料と比較して、試験された二次胆汁酸のレベルが有意に高かった。試験された二次胆汁酸の最高レベルは、Flavonifractor_SC49とClostridium leptumの両方を含む糞便試料で測定された。これらのデータは、例えば細菌組成物中のこれらの細菌種が、潰瘍性大腸炎患者の特定の胆汁酸のレベルを調節することにより、IBD患者の疾患寛解を促進するのに有用であり得ることを示している。

Claims (22)

  1. 精製された細菌集団を含む組成物であって、前記精製された細菌集団が、Flavonifractor_SC49、Clostridium leptum、またはそれらの組み合わせを含み、対象に投与されたときに二次胆汁酸のレベルを調節することができる、前記組成物。
  2. 前記精製された細菌集団が、Flavonifractor_SC49を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記精製された細菌集団が、Clostridium leptumを含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記精製された細菌集団が、Flavonifractor_SC49とClostridium leptumの両方を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記Flavonifractor_SC49が、参照Flavonifractor_SC49 OTUの16S rDNA配列(配列番号1、3、または4)に対し、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む、請求項1、2、及び4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記Clostridium leptumが、参照Clostridium leptum OTUの16S rDNA配列(配列番号2)に対し、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、16S rDNA配列を含む、請求項1、及び3〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸、リトコール酸(LCA)、3−オキソLCA、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記二次胆汁酸が、ウルソデオキシコール酸(UDCA)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 二次胆汁酸のレベルを調節することを必要とする対象における二次胆汁酸のレベルを調節する方法であって、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  10. 炎症性腸疾患(IBD)の1つもしくは複数の徴候もしくは症状を改善するか、またはそれを必要とする対象においてIBDの寛解を維持する方法であって、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  11. 前記二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、3α 12−オキソ−デオキシコール酸、3β 12α−デオキシコール酸(3−イソデオキシコール酸)、7α 3−オキソ−ケノデオキシコール酸、リトコール酸(LCA)、3−オキソLCA、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記投与が前記対象における前記二次胆汁酸のレベルを増加させる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記二次胆汁酸のレベルが、参照(例えば、前記組成物を投与されなかった対象の対応するレベル)と比較して、前記対象において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または、少なくとも90%増加する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記二次胆汁酸のレベルの増加が、前記IBDの寛解と相関している、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記二次胆汁酸が、in vitroでリポ多糖(LPS)により刺激された単球における、TNF−αの産生を減少させることができ、及び/またはIL−10の産生を増加させることができる、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記二次胆汁酸が、in vitroでLPSにより刺激された末梢血単核球(PBMC)における、TNF−αの産生を減少させることができ、及び/またはIL−10の産生を増加させることができる、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記二次胆汁酸が、in vitroでTNFαにより刺激された腸上皮細胞におけるIL−8の産生を減少させることができる、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記二次胆汁酸が、ウルソデオキシコール酸(UDCA)を含む、請求項9または10に記載の方法。
  19. 前記投与が前記対象におけるUDCAのレベルを低下させる、請求項18に記載の方法。
  20. 前記UDCAのレベルが、参照(例えば、前記組成物を投与されなかった対象の対応するレベル)と比較して、前記対象において、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または、少なくとも90%低下する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記UDCAのレベルの低下が、前記IBDの寛解と相関している、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記IBDが、潰瘍性大腸炎またはクローン病である、請求項10〜21のいずれか1項に記載の方法。
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