以下の説明には、解説の目的で、本開示の例を十分理解してもらうために具体的詳細が示されている。しかしながら、さまざまな例がこれら具体的詳細なく実践可能であることは明らかであろう。例えば、デバイス、システム、構造、アセンブリ、方法、および他の構成要素は、不必要な詳細で例を不明瞭にしないためにブロック図の形態の構成要素として示される場合がある。他の事例では、周知のデバイス、プロセス、システム、構造、および技法は、例を不明瞭にすることを回避するために必要な詳細なく示される場合がある。図および説明は制限することを意図するものではない。本開示で用いられている用語および表現は、説明の条件として使用され、限定するものではなく、示されかつ説明される特徴またはこの一部のいずれの同義語も除外するような用語および表現の使用を意図するものではない。
本明細書で使用されるように、紫外線(UV)光は、約100nm〜約440nmの波長を有する光を指す場合がある。可視光は、約380nm〜約750nmの波長を有する光を指す場合がある。より具体的には、青色光は約440nm〜約495nmの波長を有する光を指す場合がある。緑色光は約495nm〜約570nmの波長を有する光を指す場合がある。赤色光は約580nm〜約750nmの波長を有する光を指す場合がある。近赤外(NIR)光は約750nm〜約2500nmの波長を有する光を指す場合がある。
本明細書で使用されるように、波長範囲に対する反射器は、波長範囲の入射光の少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも70%、またはこれ以上を反射できる光学デバイスを指す場合がある。いくつかの反射器は、反射器の使用波長範囲外の入射光の、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、またはそれ未満を反射し得る。反射率は、波長範囲にわたる写真光学的に重み付けされた平均反射率または写真光学的な重み付けがない平均反射率、面法線に対する入射ビーム角の角度範囲、または波長範囲にわたる最低反射率のいずれかによって表されてよい。例えば、反射器は、金属被覆または誘導体薄膜を有する鏡、分布Bragg反射器(DBR)、またはメタモルフィック層を含んでよい。
本明細書で使用されるように、マイクロLEDは、50μm未満、20μm未満、または10μm未満であるチップの線寸法を有するチップサイズを有するLEDを指す場合がある。例えば、線寸法は2μmまたは4μmほどの大きさしかない場合がある。しかしながら、本明細書における開示は、マイクロLEDに限定されず、小型LEDまたは大電力LEDに適用されてもよい。
本明細書に説明されるマイクロLEDは、人工現実システムなど、さまざまな技術と併せて使用されてよい。人工現実は、例えば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、混成現実、または、これらの何らかの組み合わせおよび/もしくは派生形を含んでよい、ユーザへの提示前に何らかのやり方で調節されている現実の形態である。人工現実コンテンツは、完全に生成されたコンテンツ、または取り込まれた(例えば、実世界の)コンテンツと組み合わせて生成されたコンテンツを含んでよい。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、もしくはこれらの何らかの組み合わせ、および(見る人に対して3次元効果を生じさせるステレオビデオなど)単一のチャネルまたは複数のチャネルにおいて提示されてよいもののいずれかを含んでよい。さらに、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、例えば、人工現実においてコンテンツを作成するために使用される、および/または、その他の場合、人工現実において使用される(例えば、人工現実においてアクティビティを行う)、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはこれらの何らかの組み合わせと関連していてよい。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイル機器もしくはコンピューティングシステム、または、一人または複数人の見る人に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、さまざまなプラットフォーム上で実装されてよい。
仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、または複合現実(MR)システムなどの人工現実システムは、電子または光学ディスプレイを介してユーザにコンテンツを提示するように構成されるニアアイディスプレイ(例えば、ヘッドセットまたは1組の眼鏡)を含むことができ、場合によっては、ユーザへの提示のためのコンテンツを生成するように、および生成されたコンテンツを、提示するためのニアアイディスプレイに提供するように構成されるコンソールも含んでよい。提示されたコンテンツとのユーザの対話を改善するために、コンソールは、ユーザが見ている場所に基づいてコンテンツを修正するまたは生成することができ、これはユーザの眼を追跡することによって判断されてよい。眼を追跡することは、眼の瞳の位置および/もしくは形状、ならびに/または眼の回転位置(視線方向)を追跡することを含んでよい。眼を追跡するために、ニアアイディスプレイは、ニアアイディスプレイに装着されるまたはニアアイディスプレイ内の光源を使用してユーザの眼の表面を照射してよい。ニアアイディスプレイに含まれる画像デバイス(例えば、カメラ)はさらにまた、ユーザの眼のさまざまな表面に反射する光を取り込むことができる。ユーザの眼の角膜から鏡面反射した光は、取り込まれた画像に「グリント」をもたらし得る。瞳のみならずグリントを見るために眼を照射する1つのやり方は、発光ダイオード(LED)の2次元(2D)配列を使用することである。これらのLEDは、ユーザの視野の周辺に(例えば、視認光学系の周囲に)設置されてよい。質量中心アルゴリズムなどの技法を使用して取り込まれた画像における眼のグリントの場所を正確に判断することができ、眼の回転位置(例えば、視線方向)はさらにまた、取り込まれた画像内の眼(例えば、瞳の中心)の既知の特徴に対するグリントの場所に基づいて判断されてよい。
図1は、ある特定の実施形態による、ニアアイディスプレイ120を含む例示の人工現実システム環境100の簡略化されたブロック図である。図1に示される人工現実システム環境100は、それぞれがコンソール110に結合される、ニアアイディスプレイ120、外部画像デバイス150、および入力/出力インターフェース140を含んでよい。図1は、1つのニアアイディスプレイ120、1つの外部画像デバイス150、および1つの入力/出力インターフェース140を含む例示の人工現実システム環境100を示すが、これらの構成要素の任意の数が人工現実システム環境100に含まれてよい、または該構成要素のいずれかが省略されてよい。例えば、コンソール110と通信する1つまたは複数の外部画像デバイス150によって監視される複数のニアアイディスプレイ120があってよい。代替的な構成では、異なるまたは追加の構成要素が人工現実システム環境100に含まれてよい。
ニアアイディスプレイ120は、ユーザにコンテンツを提示するヘッドマウントディスプレイであってよい。ニアアイディスプレイ120によって提示されるコンテンツの例には、1つまたは複数の画像、ビデオ、オーディオ、またはこれらの何らかの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、オーディオは、ニアアイディスプレイ120、コンソール110、またはこの両方からオーディオ情報を受信し、かつオーディオ情報に基づくオーディオデータを提示する外部デバイス(例えば、スピーカおよび/またはヘッドホン)を介して提示されてよい。ニアアイディスプレイ120は、互いに強固にまたは柔軟に結合され得る1つまたは複数の剛体を含んでよい。剛体間の剛結によって、結合された剛体は単一の剛性エンティティとしての機能を果たすことができる。剛体間の非剛結によって、剛体は互いに対して移動可能になり得る。さまざまな実施形態では、1組の眼鏡を含む、ニアアイディスプレイ120は、任意の適した形状因子で実装可能である。ニアアイディスプレイ120のいくつかの実施形態はさらに、図2および図3に関して後述される。さらに、さまざまな実施形態では、本明細書に説明される機能性は、ニアアイディスプレイ120の外部の環境の画像と、コンソール110から、またはユーザに対するコンテンツを生成しかつ提供する任意の他のコンソールから受信されるコンテンツとを組み合わせるヘッドセットで使用されてよい。従って、ニアアイディスプレイ120、および本明細書に説明される視標追跡のための方法は、ユーザに拡張現実を提示するために生成されたコンテンツ(例えば、画像、ビデオ、音声など)によってニアアイディスプレイ120の外部の物理的な現実世界環境の画像を増大させることができる。
さまざまな実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、ディスプレイエレクトロニクス122の1つまたは複数、ディスプレイ光学系124、1つまたは複数のロケータ126、1つまたは複数の位置センサ128、視標追跡ユニット130、および慣性計測装置(IMU)132を含んでよい。ニアアイディスプレイ120は、さまざまな実施形態では、これらの要素のいずれかを省略してよい、または追加の要素を含んでよい。さらに、いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120は、図1と併せて説明されるさまざまな要素の機能を組み合わせた要素を含んでよい。
ディスプレイエレクトロニクス122は、コンソール110から受信されたデータに従ってユーザに画像を表示し得る。さまざまな実施形態では、ディスプレイエレクトロニクス122は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、アクティブマトリックス式OLEDディスプレイ(AMOLED)、透明OLEDディスプレイ(TOLED)、または何らかの他のディスプレイなどの1つまたは複数の表示パネルを含んでよい。例えば、ニアアイディスプレイ120の1つの実装形態では、ディスプレイエレクトロニクス122は、前面TOLEDパネル、後面表示パネル、および前面表示パネルと後面表示パネルとの間の光学部品(例えば、減衰器、偏光子、または回析膜もしくはスペクトル膜)を含んでよい。ディスプレイエレクトロニクス122は、赤、緑、青、白、または黄色などの主色の光を放出するための部分画素を含むことができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイエレクトロニクス122は、画像奥行の主観的知覚をもたらすために2次元パネルによって生じたステレオ効果によって3D画像を表示可能である。例えば、ディスプレイエレクトロニクス122は、それぞれ、ユーザの左眼および右眼の正面に位置付けられた左ディスプレイおよび右ディスプレイを含んでよい。左ディスプレイおよび右ディスプレイは、立体感(すなわち、画像を見るユーザによる画像奥行の知覚)をもたらすために互いに対して水平に移行させた画像の複写を提示することができる。
ある特定の実施形態では、ディスプレイ光学系124は、光学的に(例えば、光導波管および結合器を使用して)画像コンテンツを表示する、またはディスプレイエレクトロニクス122から受信された画像光を拡大する、または画像光と関係がある光学誤差を補正する、およびニアアイディスプレイ120のユーザに補正された画像光を提示することができる。さまざまな実施形態では、ディスプレイ光学系124は1つまたは複数の光学素子を含んでよい。例示の光学素子には、基板、光導波管、開口、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、または、ディスプレイエレクトロニクス122から放出される画像光に影響し得る任意の他の適した光学素子が挙げられ得る。ディスプレイ光学系124は、組み合わせた光学素子の対応する間隔および向きを維持するために異なる光学素子および機械的結合の組み合わせを含んでよい。ディスプレイ光学系124における1つまたは複数の光学素子は、反射防止膜、反射コーティング、フィルタ用コーティング、または種々の光学コーティングの組み合わせなどの光学コーティングを有することができる。
ディスプレイ光学系124による画像光の拡大によって、ディスプレイエレクトロニクス122を、より大きいディスプレイよりも、物理的に小さくし、軽くし、および電力消費を少なくすることが可能になる。さらに、拡大によって表示されたコンテンツの視野は増大し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ光学系124は、ディスプレイエレクトロニクス122によって投影された画像光を拡大するためにディスプレイ光学系124とディスプレイエレクトロニクス122との間の間隔よりも長い効果的な焦点距離を有することができる。ディスプレイ光学系124による画像光の拡大量は、ディスプレイ光学系124から光学素子を追加するまたは除去することによって調節可能である。
ディスプレイ光学系124は、2次元光学誤差、3次元光学誤差、またはこれらの組み合わせなどの1つまたは複数のタイプの光学誤差を補正するように設計されてよい。2次元誤差は、2次元で生じる光学収差を含み得る。2次元誤差の例示のタイプには、たる形歪み、糸巻き形歪み、軸上色収差、および横色収差が挙げられ得る。3次元誤差は3次元で生じる光学誤差を含み得る。3次元誤差の例示のタイプには、球面収差、コマ収差、像面湾曲、および非点収差が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、表示のためにディスプレイエレクトロニクス122に提供されるコンテンツは予歪させてよく、ディスプレイ光学系124は、予歪させたコンテンツに基づいて生成されたディスプレイエレクトロニクス122からの画像光を受ける時、歪みを補正することができる。
ロケータ126は、互いに対して、およびニアアイディスプレイ120上の基準点に対して、ニアアイディスプレイ120上の特定の位置に位置する物体であってよい。コンソール110は、人工現実ヘッドセットの位置、向き、またはこの両方を判断するために外部画像デバイス150によって取り込まれた画像におけるロケータ126を特定し得る。ロケータ126は、発光ダイオード(LED)、コーナーキューブリフレクタ、反射マーカ、ニアアイディスプレイ120が動作する環境と対照をなす光源のタイプ、またはこれらの何らかの組み合わせであってよい。ロケータ126が能動素子(例えば、LED、または他のタイプの発光デバイス)である実施形態では、ロケータ126は、可視帯(例えば、約380nm〜750nm)において、赤外(IR)帯(例えば、約750nm〜1mm)において、紫外帯(例えば、約10nm〜約380nm)において、電磁スペクトルの別の一部において、または電磁スペクトルの一部の任意の組み合わせにおいて、光を放出してよい。
いくつかの実施形態では、ロケータ126は、ニアアイディスプレイ120の外面の真下に位置し得る。ロケータ126とニアアイディスプレイ120の外部のエンティティ(例えば、外部画像デバイス150、ニアアイディスプレイ120の外面を見ているユーザ)との間のニアアイディスプレイ120の一部は、ロケータ126によって放出されるまたはこれに反射する光の波長を透過させてよい、またはロケータ126によって放出されるまたはこれに反射する光を実質的に減衰させないほど薄い。いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ120の外面または他の一部は、可視帯で不透明であり得るが、IR帯では透明であり、ロケータ126は、外面の下にあってよく、かつIR帯で光を放出してよい。
外部画像デバイス150は、コンソール110から受信した較正パラメータに基づいて低速較正データを生成してよい。低速較正データは、外部画像デバイス150によって検出可能なロケータ126の観測された位置を示す1つまたは複数の画像を含んでよい。外部画像デバイス150は、1つもしくは複数のカメラ、1つもしくは複数のビデオカメラ、ロケータ126の1つまたは複数を含む画像を取り込むことが可能な任意の他のデバイス、またはこれらの何らかの組み合わせを含むことができる。さらに、外部画像デバイス150は、(例えば、信号対雑音比を高めるために)1つまたは複数のフィルタを含んでよい。外部画像デバイス150は、ロケータ126から放出または反射した光を外部画像デバイス150の視野において検出するように構成されてよい。ロケータ126が受動素子(例えば、再帰反射器)を含む実施形態では、外部画像デバイス150は、ロケータ126のうちのいくつかまたは全てを照射する光源を含んでよく、ロケータ126は、外部画像デバイス150における光源に光を再帰反射し得る。低速較正データは、外部画像デバイス150からコンソール110に通信されてよく、外部画像デバイス150は、コンソール110から1つまたは複数の較正パラメータを受信して、1つまたは複数の画像パラメータ(例えば、焦点距離、焦点、フレームレート、センサ温度、シャッタ速度、開口など)を調節可能である。
位置センサ128は、ニアアイディスプレイ120の動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成してよい。位置センサ128の例には、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、他の動き検出もしくは誤差補正センサ、またはこれらの何らかの組み合わせが挙げられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、位置センサ128は、並進運動(例えば、前方/後方、上/下、または左/右)を測定するための複数の加速度計、および回転運動(例えば、ピッチ、ヨー、または横揺れ)を測定するための複数のジャイロスコープを含むことができる。いくつかの実施形態では、さまざまな位置センサは互いに直角に配向されてよい。
IMU132は、位置センサ128の1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて高速較正データを生成する電子デバイスであってよい。位置センサ128は、IMU132の外部に、IMU132の内部に、またはこの何らかの組み合わせで位置してよい。1つまたは複数の位置センサ128からの1つまたは複数の測定信号に基づいて、IMU132は、ニアアイディスプレイ120の初期位置に対するニアアイディスプレイ120の推定位置を指示する高速較正データを生成することができる。例えば、IMU132は、速度ベクトルを推定するために加速度計から受信される測定信号を経時的に統合し、かつニアアイディスプレイ120上の基準点の推定位置を判断するために速度ベクトルを経時的に統合することができる。代替的には、IMU132は、サンプリングされた測定信号をコンソール110に提供してよく、コンソール110は、高速較正データを判断することができる。基準点は一般的に、空間のある点として定められ得、さまざまな実施形態では、基準点はニアアイディスプレイ120内のある点(IMU132の中心)として定められてもよい。
視標追跡ユニット130は、コンソール110における視標追跡モジュール118がユーザの眼を追跡するために使用可能である視標追跡データを取り込むように設定される1つまたは複数の画像装置を含んでよい。視標追跡データは視標追跡ユニット130によって出力されるデータを指す場合がある。例示の視標追跡データには、視標追跡ユニット130によって取り込まれる画像、または視標追跡ユニット130によって取り込まれる画像から導出される情報を含んでよい。指標追跡は、ニアアイディスプレイ120に対する眼の向きおよび場所を含む眼の位置を判断することを指す場合がある。例えば、指標追跡モジュール118は、指標追跡ユニット130によって取り込まれた眼の画像に基づいて眼のピッチおよびヨーを出力してよい。さまざまな実施形態では、視標追跡ユニット130は、眼に反射する電磁エネルギーを測定し、かつ測定された電磁エネルギーを視標追跡モジュール118に通信することができ、視標追跡モジュール118はさらにまた、測定された電磁エネルギーに基づいて眼の位置を判断してよい。例えば、視標追跡ユニット130は、ユーザの眼に反射する、可視光、赤外光、電波、マイクロ波、電磁スペクトルの任意の他の部分における波、またはこれらの組み合わせを測定してよい。
視標追跡ユニット130は1つまたは複数の視標追跡システムを含んでよい。視標追跡システムは、1つまたは複数の眼を映し出す画像システムを含んでよく、オプションとして、眼に反射する光が画像システムによって取り込み可能であるように眼に向けられる光を生成することができる発光体を含んでよい。例えば、視標追跡ユニット130は、可視スペクトルまたは赤外スペクトルにおいて光を放出するコヒーレント光源(例えば、レーザダイオード)、およびユーザの眼に反射する光を取り込むカメラを含んでよい。別の例として、視標追跡ユニット130は、小型レーダユニットによって放出された、反射した電波を取り込むことができる。視標追跡ユニット130は、眼を傷つけないまたは身体的不快感を引き起こさない周波数および強度で光を放出する低電力発光体を使用し得る。視標追跡ユニット130は、視標追跡ユニット130によって取り込まれた眼の画像におけるコントラストを高めながら、視標追跡ユニット130によって消費される電力全体を低減する(例えば、視標追跡ユニット130に含まれる発光体および画像システムによって消費される電力を低減する)ように配置されてよい。例えば、いくつかの実装形態では、視標追跡ユニット130は100ミリワット未満の電力を消費し得る。
いくつかの実施形態では、視標追跡ユニット130は、ユーザの眼のそれぞれを追跡するために1つの発光体および1つのカメラを含んでよい。視標追跡ユニット130は、共に、視標追跡精度および応答性を改善させるように共に動作する種々の視標追跡システムを含んでもよい。例えば、視標追跡ユニット130は、高速応答時間による高速視標追跡システム、およびより遅い応答時間による低速視標追跡システムを含んでよい。高速視標追跡システムは、基準眼位に対する眼の位置を判断するために視標追跡モジュール118によって使用されるデータを取り込むために眼を頻繁に測定し得る。低速視標追跡システムは、先に判断された眼位と無関係に基準眼位を判断するように視標追跡モジュール118によって使用されるデータを取り込むために単独で眼を測定してよい。低速視標追跡システムによって取り込まれたデータによって、視標追跡モジュール118は、高速視標追跡システムによって取り込まれたデータから判断される眼の位置よりも高い精度で基準眼位を判断できるようにしてよい。さまざまな実施形態では、低速視標追跡システムは、高速視標追跡システムより低い周波数で視標追跡モジュール118に視標追跡データを提供し得る。例えば、低速視標追跡システムは、少ない頻度で動作してよい、または電力を保存するためにより遅い応答時間を有してよい。
視標追跡ユニット130は、ユーザの眼の向きを推定するように構成されてよい。眼の向きは、ニアアイディスプレイ120内のユーザの視線の方向に対応し得る。ユーザの眼の向きは、窩(光受容体が最も集中した眼の網膜上の領域)と、眼の瞳の中心との間の軸である中心窩軸の方向として定められてよい。一般に、ユーザの眼がある点に固定される時、ユーザの眼の中心窩軸はその点を交差する。眼の瞳孔軸は、瞳の中心を通過し、かつ角膜表面に垂直である軸として定められ得る。一般に、瞳孔軸および中心窩軸が瞳の中心で交差しても、瞳孔軸は中心窩軸と直接整列しない場合がある。例えば、中心窩軸の向きは、瞳孔軸から、横におよそ−1度〜8度、縦に約±4度オフセットされ得る。中心窩軸は、眼の後ろに位置する窩に従って定められるため、中心窩軸はいくつかの視標追跡実施形態において直接測定することが困難であるまたは不可能である場合がある。それ故に、いくつかの実施形態では、瞳孔軸の向きは検出可能であり、中心窩軸は検出された瞳孔軸に基づいて推定され得る。
一般に、眼の移動は、眼の角回転だけでなく、眼の並進、眼の捻転の変化、および/または眼の形状の変化にも対応する。視標追跡ユニット130はまた、眼窩に対する眼の位置の変化であり得る眼の並進を検出するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、眼の並進は、直接検出されるのではなく、検出される角度配向からのマッピングに基づいて概算されてよい。視標追跡ユニットに対する眼の位置の変化に対応する眼の並進も検出可能である。このタイプの並進は、例えば、ユーザの頭上のニアアイディスプレイ120の位置の移行により生じ得る。視標追跡ユニット130はまた、眼の捻転および瞳孔軸周りの眼の回転を検出することができる。指標追跡ユニット130は、瞳孔軸から中心窩軸の向きを推定するために検出された眼の捻転を使用してよい。視標追跡ユニット130はまた、スキュー、スケーリング線形変換、または(例えば、ねじれ変形による)捻り変形として概算され得る眼の形状の変化を追跡してよい。視標追跡ユニット130は、瞳孔軸の角度配向、眼の並進、眼の捻転、および眼の現在の形状のいくつかの組み合わせに基づいて中心窩軸を推定してよい。
いくつかの実施形態では、視標追跡ユニット130は、眼の全ての部または一部上に構造化された光パターンを投影することができる複数のエミッタまたは少なくとも1つのエミッタを含んでよい。構造化された光パターンは、オフセット角から見られる時の眼の形状により歪む場合がある。視標追跡ユニット130はまた、眼に投影される構造化された光パターンの歪み(ある場合)を検出することができる少なくとも1つのカメラを含んでよい。カメラは、エミッタと異なる眼に対する軸において配向されてよい。眼の表面上の構造化された光パターンの変形を検出することによって、視標追跡ユニット130は、構造化された光パターンによって照射される眼の一部の形状を判断してよい。従って、取り込まれた歪んだ光パターンは眼の照射された一部の3D形状を指示するものであってよい。眼の向きは、そのように、眼の照射された一部の3D形状から導出可能である。視標追跡ユニット130はまた、カメラによって取り込まれた歪んだ構造化された光パターンの画像に基づいて、瞳孔軸、眼の並進、眼の捻転、および眼の現在の形状を推定できる。
ニアアイディスプレイ120は、眼の向きを使用して、例えば、ユーザの瞳孔間距離(IPD)を判断する、視線方向を判断する、奥行手掛かり(例えば、ユーザの主要な視線の外側のボケ画像)を取り入れる、VRメディアにおけるユーザの対話での発見的方法を収集する(例えば、受けた刺激に応じて任意の特定の被写体、物体、またはフレームにおいて費やされた時間)、ユーザの眼の少なくとも1つの向きに部分的に基づくいくつかの他の機能、またはこれらの何らかの組み合わせを行うことができる。ユーザの両眼に対する向きが判断され得るため、視標追跡ユニット130はユーザがどこを見ているかを判断可能にし得る。例えば、ユーザの視線の方向を判断することは、ユーザの左眼および右眼の判断された向きに基づいて集束点を判断することを含んでよい。集束点は、ユーザの眼の2つの中心窩軸が交差する点(または、2つの軸の間の最近点)であってよい。ユーザの視線の方向は、ユーザの眼の瞳の間の集束点および中間点を通過する線方向であってよい。
入力/出力インターフェース140は、ユーザがコンソール110へのアクション要求を送ることができるデバイスであってよい。アクション要求は特定のアクションを行うための要求であってよい。例えば、アクション要求は、アプリケーションを開始もしくは終了すること、またはアプリケーション内の特定のアクションを行うことであってよい。入力/出力インターフェース140は1つまたは複数の入力デバイスを含んでよい。例示の入力デバイスには、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、グローブ、ボタン、タッチスクリーン、またはアクション要求を受信しかつ受信したアクション要求をコンソール110に通信するための任意の他の適したデバイスが挙げられ得る。入力/出力インターフェース140によって受信されるアクション要求はコンソール110に通信されてよく、コンソール110は要求されたアクションに対応するアクションを行うことができる。いくつかの実施形態では、入力/出力インターフェース140は、コンソール110から受信された命令に従ってユーザに触覚フィードバックを提供することができる。例えば、入力/出力インターフェース140は、アクション要求が受信される時、またはコンソール110が要求されたアクションを行い、かつ入力/出力インターフェース140に命令を通信する時、触覚フィードバックを提供し得る。
コンソール110は、外部画像デバイス150、ニアアイディスプレイ120、および入力/出力インターフェース140のうちの1つまたは複数から受信される情報に従ってユーザに提示するためのコンテンツをニアアイディスプレイ120に提供してよい。図1に示される例では、コンソール110は、アプリケーションストア112、ヘッドセット追跡モジュール114、仮想現実エンジン116、および視標追跡モジュール118を含んでよい。コンソール110のいくつかの実施形態は、図1と併せて説明されるものと異なるまたは追加のモジュールを含んでよい。さらに後述される機能は、ここで説明されるのとは異なるやり方でコンソール110の構成要素の間で分布させてよい。
いくつかの実施形態では、コンソール110は、プロセッサ、および、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。プロセッサは、命令を並列に実行する複数の処理ユニットを含んでよい。コンピュータ可読記憶媒体は、ハードディスクドライブ、取り外し可能メモリ、またはソリッドステートドライブ(例えば、フラッシュメモリまたはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))などの任意のメモリであってよい。さまざまな実施形態では、図1と併せて説明されるコンソール110のモジュールは、プロセッサによって実行される時、プロセッサにさらに後述される機能を実行させる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体における命令として符号化されてよい。
アプリケーションストア112はコンソール110による実行のための1つまたは複数のアプリケーションを記憶してよい。アプリケーションは、プロセッサによって実行される時、ユーザへの提示のためのコンテンツを生成する命令群を含んでよい。アプリケーションによって生成されるコンテンツは、ユーザの眼の移動によってユーザから受信される入力、または入力/出力インターフェース140から受信される入力に応答するものであってよい。アプリケーションの例には、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または他の適したアプリケーションが挙げられ得る。
ヘッドセット追跡モジュール114は、外部画像デバイス150からの低速較正情報を使用してニアアイディスプレイ120の移動を追跡し得る。例えば、ヘッドセット追跡モジュール114は、低速較正情報からの観測されるロケータおよびニアアイディスプレイ120のモデルを使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を判断してよい。ヘッドセット追跡モジュール114はまた、高速較正情報からの位置情報を使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を判断してよい。さらに、いくつかの実施形態では、ヘッドセット追跡モジュール114は、高速較正情報、低速較正情報、またはこれらの何らかの組み合わせの一部を使用して、ニアアイディスプレイ120の今後の場所を予測し得る。ヘッドセット追跡モジュール114は、ニアアイディスプレイ120の推定されたまたは予測された今後の位置をVRエンジン116に提供してよい。
ヘッドセット追跡モジュール114は、1つまたは複数の較正パラメータを使用して人工現実システム環境100を較正してよく、かつ、ニアアイディスプレイ120の位置を判断する際の誤差を低減するために1つまたは複数の較正パラメータを調節し得る。例えば、ヘッドセット追跡モジュール114は、ニアアイディスプレイ120上の観測されるロケータに対してより精確な位置を得るために外部画像デバイス150の焦点を調節可能である。さらに、ヘッドセット追跡モジュール114によって行われる較正は、IMU132から受信される情報も考慮し得る。さらに、ニアアイディスプレイ120の追跡が失われる(例えば、外部画像デバイス150が少なくとも閾値の数のロケータ126の見通し線を失う)場合、ヘッドセット追跡モジュール114は較正パラメータの一部または全てを再較正してよい。
VRエンジン116は、人工現実システム環境100内のアプリケーションを実行し、かつニアアイディスプレイ120の位置情報、ニアアイディスプレイ120の加速情報、ニアアイディスプレイ120の速度情報、ニアアイディスプレイ120の予測される今後の位置、またはこれらの何らかの組み合わせをヘッドセット追跡モジュール114から受信してよい。VRエンジン116はまた、推定眼位および配向情報を視標追跡モジュール118から受信してよい。受信した情報に基づいて、VRエンジン116は、ユーザへの提示のためにニアアイディスプレイ120に提供するためのコンテンツを判断してよい。例えば、受信した情報が、ユーザが左を見たことを指示する場合、VRエンジン116は、仮想環境におけるユーザの眼の移動をミラーリングするニアアイディスプレイ120に対するコンテンツを生成してよい。さらに、VRエンジン116は、入力/出力インターフェース140から受信されたアクション要求に応答してコンソール110上で実行するアプリケーション内のアクションを行い、かつアクションが行われていることを指示するフィードバックをユーザに提供してよい。フィードバックは、ニアアイディスプレイ120を介した視覚フィードバックもしくは音声フィードバック、または入力/出力インターフェース140を介した触覚フィードバックであってよい。
視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130から視標追跡データを受信し、かつ視標追跡データに基づいてユーザの眼の位置を判断してよい。眼の位置は、ニアアイディスプレイ120またはこの任意の要素に対する眼の向き、場所、またはこの両方を含んでよい。眼の回転軸はこの眼窩の眼の場所に応じて変化するため、眼窩における眼の場所を判断することによって、指標追跡モジュール118は眼の向きをより精確に判断することができる。
いくつかの実施形態では、視標追跡ユニット130は眼の画像を含む視標追跡データを出力可能であり、視標追跡モジュール118はこの画像に基づいて眼の位置を判断することができる。例えば、視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130によって取り込まれた画像と眼の位置との間のマッピングを記憶して、視標追跡ユニット130によって取り込まれた画像から基準眼位を判断することができる。代替的にはまたはさらに、視標追跡モジュール118は、基準眼位が判断される画像を、更新済み眼位が判断される画像と比較することによって、基準眼位に対する更新済み眼位を判断してよい。視標追跡モジュール118は、種々の画像デバイスまたは他のセンサからの測定値を使用して眼位を判断してよい。例えば、上述されるように、視標追跡モジュール118は、低速視標追跡システムからの測定値を使用して、基準眼位を判断した後、低速視標追跡システムからの測定値に基づいて次の基準眼位が判断されるまで、高速視標追跡システムからの基準眼位に対する更新済み位置を判断してよい。
視標追跡モジュール118はまた、視標追跡の精密さおよび精度を改善するために眼較正パラメータを判断してよい。眼較正パラメータは、ユーザがニアアイディスプレイ120を身につけるまたは調節する時はいつでも変化し得るパラメータを含んでよい。例示の眼較正パラメータには、視標追跡ユニット130の構成要素と、眼の中心、瞳、角膜境界、または眼の表面上のある点など、眼の1つまたは複数の部分との間の推定される距離が挙げられ得る。他の例示の眼較正パラメータは、特定のユーザに固有のものであってよく、かつ、推定される平均眼半径、平均角膜半径、平均強膜半径、眼表面上の特徴のマップ、および推定される眼表面輪郭を含んでよい。(いくつかの拡張現実アプリケーションのように)ニアアイディスプレイ120からの光が眼に達し得る実施形態では、較正パラメータはニアアイディスプレイ120の外部からの光の変動による強度および色バランスに対する補正因子を含んでよい。視標追跡モジュール118は、視標追跡ユニット130によって取り込まれる測定値によって視標追跡モジュール118が精確な眼位を判断可能になるかどうかを判断するために眼較正パラメータを使用してよい(本明細書では「有効測定」ともいう)。視標追跡モジュール118が精確な眼位を判断できない場合がある無効な測定は、ユーザのまばたき、ヘッドセットの調節、またはヘッドセットの除去によって引き起こされる場合がある、および/またはニアアイディスプレイ120が外部光による照射の閾値変化よりも多く体験することによって引き起こされる場合がある。
図2は、さまざまなセンサを含む簡略化された例示のニアアイディスプレイ200の斜視図である。ニアアイディスプレイ200は図1のニアアイディスプレイ120の具体的な実装形態であってよく、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、および/または複合現実ディスプレイとして動作するように構成されてよい。ニアアイディスプレイ200は、フレーム205およびディスプレイ210を含んでよい。ディスプレイ210は、ユーザにコンテンツを提示するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ210はディスプレイエレクトロニクスおよび/またはディスプレイ光学系を含んでよい。例えば、図1のニアアイディスプレイ120に関して上述されるように、ディスプレイ210は、LCD表示パネル、LED表示パネル、または光表示パネル(例えば、導波管ディスプレイアセンブリ)を含んでよい。
ニアアイディスプレイ200はさらに、フレーム205上にまたは内にさまざまなセンサ250a、250b、250c、250d、および250eを含んでよい。いくつかの実施形態では、センサ250a〜250eは、1つまたは複数の深度センサ、運動センサ、位置センサ、慣性センサ、または環境光センサを含んでよい。いくつかの実施形態では、センサ250a〜250eは、異なる方向における異なる視野を表す画像データを生成するように構成される1つまたは複数の画像センサを含んでよい。いくつかの実施形態では、センサ250a〜250eは、ニアアイディスプレイ200の表示されたコンテンツを制御するまたはこれに影響を与えるための、および/またはインタラクティブなVR/AR/MR体験をニアアイディスプレイ200のユーザに提供するための入力デバイスとして使用可能である。いくつかの実施形態では、センサ250a〜250eはまた、立体映像に使用されてよい。
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ200は、光を物理的環境に投影するための1つまたは複数の照明器230をさらに含んでよい。投影された光は、種々の周波数帯(例えば、可視光、赤外光、紫外光など)と関係がある場合があり、さまざまな目的にかなう場合がある。例えば、照明器230は、暗い環境で(または、低強度の赤外光、紫外光などによる環境で)光を投影して、暗い環境内の異なる物体の画像を取り込む際にセンサ250a〜250eを支援することができる。いくつかの実施形態では、照明器230は、環境内の物体上にある特定の光パターンを投影するために使用可能である。いくつかの実施形態では、照明器230は、図1に関して上述されるロケータ126などのロケータとして使用されてよい。
いくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイ200は、高解像度カメラ240も含んでよい。カメラ240は、視野における物理的環境の画像を取り込むことができる。取り込まれた画像は、例えば、取り込まれた画像に仮想物体を追加する、または取り込まれた画像における物体を修正するために仮想現実エンジン(例えば、図1の仮想現実エンジン116)によって処理されてよく、処理された画像はARまたはMRアプリケーションのためにディスプレイ210によってユーザに表示可能である。
図3は、本明細書に開示された例示のニアアイディスプレイのいくつかを実装するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイス300の形態の例示のニアアイディスプレイ(例えば、ニアアイディスプレイ120)の斜視図である。HMDデバイス300は、例えば、仮想現実(VR)システム、拡張現実(AR)システム、複合現実(MR)システム、またはこれらの何らかの組み合わせの一部分であってよい。HMDデバイス300は本体320およびヘッドストラップ330を含んでよい。図3は、斜視図において、本体320の上側323、前側325、および右側327を示す。ヘッドストラップ330は調節可能なまたは拡張可能な長さを有してよい。ユーザがユーザの頭上にHMDデバイス300を装着できるようにするためにHMDデバイス300の本体320とヘッドストラップ330との間に十分な空間があってよい。さまざまな実施形態では、HMDデバイス300は、追加の、より少ない、または異なる構成要素を含んでよい。例えば、いくつかの実施形態では、HMDデバイス300は、ヘッドストラップ330ではなく、眼鏡のテンプルおよびモダンを含んでよい。
HMDデバイス300は、コンピュータ生成要素による、物理的な現実世界環境の仮想ビューおよび/または拡張ビューを含むユーザ媒体に提示することができる。HMDデバイス300によって提示される媒体の例には、画像(例えば、2次元(2D)または3次元(3D)画像)、ビデオ(例えば、2Dまたは3Dビデオ)、オーディオ、またはこれらの何らかの組み合わせが挙げられ得る。画像およびビデオは、HMDデバイス300の本体320に収納される1つまたは複数のディスプレイアセンブリ(図3には図示せず)によってユーザのそれぞれの眼に提示可能である。さまざまな実施形態では、1つまたは複数のディスプレイアセンブリは、単一の電子表示パネルまたは複数の電子表示パネル(例えば、ユーザのそれぞれの眼用の1つの表示パネル)を含むことができる。電子表示パネルの例には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、無機発光ダイオード(ILED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、アクティブマトリックス式有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、透明有機発光ダイオード(TOLED)ディスプレイ、何らかの他のディスプレイ、またはこれらの何らかの組み合わせが挙げられ得る。HMDデバイス300は2つのアイボックス領域を含んでよい。
いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、深度センサ、運動センサ、位置センサ、および指標追跡センサなどのさまざまなセンサ(図示せず)を含んでよい。これらのセンサのいくつかは検知するための構造化された光パターンを使用してよい。いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、コンソールと通信するための入力/出力インターフェースを含んでよい。いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、HMDデバイス300内のアプリケーションを実行し、かつHMDデバイス300の、深度情報、位置情報、加速情報、速度情報、予測される今後の位置、またはこれらの何らかの組み合わせをさまざまなセンサから受信可能である仮想現実エンジン(図示せず)を含んでよい。いくつかの実装形態では、仮想現実エンジンによって受信される情報は、1つまたは複数のディスプレイアセンブリへの信号(例えば、表示命令)を生じさせるために使用されてよい。いくつかの実装形態では、HMDデバイス300は、互いに対するおよび基準点に対する本体320上の固定位置に位置するロケータ(図示せず、ロケータ126など)を含んでよい。ロケータのそれぞれは、外部画像装置によって検出可能な光を放出してよい。
図4は、本明細書に開示される例のいくつかを実装するための例示のニアアイディスプレイ(例えば、HMDデバイス)の例示の電子システム400の簡略ブロック図である。電子システム400は、HMDデバイス300の電子システムとしてまたは上述される他のニアアイディスプレイとして使用されてよい。この例では、電子システム400は、1つまたは複数のプロセッサ410およびメモリ420を含んでよい。プロセッサ410は、いくつかの構成要素において動作を行うための命令を実行するように構成されてよく、例えば、ポータブル電子デバイス内の実装に適した汎用プロセッサまたはマイクロプロセッサとすることができる。プロセッサ410は、電子システム400内の複数の構成要素と通信可能に結合されてよい。この通信結合を実現するために、プロセッサ410はバス440にわたって他の例証される構成要素と通信してよい。バス440は電子システム400内のデータを転送するように適応される任意のサブシステムであってよい。バス440は、データを転送するために、複数のコンピュータバスと、追加の回路構成とを含んでよい。
メモリ420はプロセッサ410に結合されてよい。いくつかの実施形態では、メモリ420は、短期記憶と長期記憶の両方を与えてよく、いくつかのユニットに分割されてよい。メモリ420は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)および/またはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)といった揮発性、および/または、読み出し専用メモリ(ROM)およびフラッシュメモリなどといった不揮発性であってよい。さらに、メモリ420は、セキュアデジタル(SD)カードなどの取り外し可能記憶デバイスを含んでよい。メモリ420は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および電子システム400に対する他のデータの記憶を提供してよい。いくつかの実施形態では、メモリ420は種々のハードウェアモジュール内に分散されてよい。命令セットおよび/またはコードはメモリ420上に記憶され得る。命令は、電子システム400によって実行可能であってよい実行可能コードの形を成す場合がある、および/または(例えば、さまざまな一般に入手可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/展開ユーティリティなどのいずれかを使用して)電子システム400上にコンパイルおよび/またはインストールされると、実行可能コードの形を成してよい、ソースコードおよび/またはインストール可能コードの形を成す場合がある。
いくつかの実施形態では、メモリ420は、任意の数のアプリケーションを含んでよい、複数のアプリケーションモジュール422〜424を記憶してよい。アプリケーションの例は、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または他の適したアプリケーションを含んでよい。アプリケーションは、深さ検知機能または視標追跡機能を含んでよい。アプリケーションモジュール422〜424は、プロセッサ410によって実行される特定の命令を含んでよい。いくつかの実施形態では、ある特定のアプリケーションまたはアプリケーションモジュール422〜424の一部は、他のハードウェアモジュール480によって実行可能であってよい。ある特定の実施形態では、メモリ420は、セキュア情報に対する複写または他の不正アクセスを防止するための追加のセキュリティ制御を含んでよいセキュアメモリをさらに含んでよい。
いくつかの実施形態では、メモリ420は、ロードされるオペレーティングシステム425を含んでよい。オペレーティングシステム425は、アプリケーションモジュール422〜424によって提供される命令の実行を開始する、および/または他のハードウェアモジュール480のみならず、1つまたは複数の無線トランシーバを含んでよい無線通信サブシステム430とのインターフェースを管理するように動作可能であってよい。オペレーティングシステム425は、スレッディング、リソース管理、データ記憶制御、および他の同様の機能性を含む電子システム400の構成要素にわたって他の動作を行うように適応されてよい。
無線通信サブシステム430は、例えば、赤外線通信デバイス、無線通信デバイスおよび/もしくはチップセット(Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、Wi−Fiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備など)、ならびに/または同様の通信インターフェースを含んでよい。電子システム400は、無線通信サブシステム430の一部として、または該システムの任意の部分に結合される別個の構成要素としての無線通信のための1つまたは複数のアンテナ434を含んでよい。所望の機能性に応じて、無線通信サブシステム430は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、または無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの種々のデータネットワークおよび/またはネットワークタイプと通信することを含んでよい、無線基地局装置、および他の無線デバイス、およびアクセスポイントと通信するための別個のトランシーバを含んでよい。WWANは、例えば、WiMax(IEEE802.16)ネットワークであってよい。WLANは、例えば、IEEE802.11xネットワークであってよい。WPANは、例えば、Bluetoothネットワーク、IEEE802.15x、または何らかの他のタイプのネットワークであってよい。本明細書に説明される技法は、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組み合わせに使用されてもよい。無線通信サブシステム430は、データが、ネットワーク、他のコンピュータシステム、および/または本明細書に説明される任意の他のデバイスと交換されることを可能にしてよい。無線通信サブシステム430は、アンテナ434および無線リンク432を使用して、HMDデバイスの識別子、位置データ、地図、ヒートマップ、写真、またはビデオなどのデータを送信または受信するための手段を含んでよい。無線通信サブシステム430、プロセッサ410、およびメモリ420は共に、本明細書に開示されるいくつかの機能を行うための手段の1つまたは複数の少なくとも一部を含んでよい。
電子システム400の実施形態はまた、1つまたは複数のセンサ490を含んでよい。センサ490は、例えば、画像センサ、加速度計、圧力センサ、温度センサ、近接センサ、磁力計、ジャイロスコープ、慣性センサ(例えば、加速度計およびジャイロスコープを組み合わせるモジュール)、環境光センサ、または深さセンサまたは位置センサなど、感覚出力を提供するおよび/または感覚入力を受信するように動作可能な任意の他の同様のモジュールを含んでよい。例えば、いくつかの実装形態では、センサ490は、1つまたは複数の慣性計測装置(IMU)および/または1つまたは複数の位置センサを含んでよい。IMUは、位置センサの1つまたは複数から受信される測定信号に基づいて、HMDデバイスの初期位置に対するHMDデバイスの推定位置を指示する較正データを生成してよい。位置センサは、HMDデバイスの動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成してよい。位置センサの例には、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のジャイロスコープ、1つまたは複数の磁力計、動きを検出する別の適したタイプのセンサ、IMUのエラー訂正に使用されるあるタイプのセンサ、またはこれらの何らかの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。位置センサは、IMUの外部に、IMUの内部に、またはこれらの何らかの組み合わせで位置してよい。少なくともいくつかのセンサは検知するための構造化された光パターンを使用してよい。
電子システム400は、ディスプレイモジュール460を含んでよい。ディスプレイモジュール460は、ニアアイディスプレイであってよく、電子システム400からの画像、ビデオ、およびさまざまな命令などの情報を、ユーザに図で提示してよい。このような情報は、1つまたは複数のアプリケーションモジュール422〜424、仮想現実エンジン426、1つまたは複数の他のハードウェアモジュール480、これらの組み合わせ、または、(例えば、オペレーティングシステム425によって)ユーザに対してグラフィックコンテンツを解釈するための任意の他の適した手段から導出されてよい。ディスプレイモジュール460は、液晶ディスプレイ(LCD)技術、(例えば、OLED、ILED、マイクロLED、AMOLED、TOLEDなどを含む)発光ダイオード(LED)技術、発光ポリマーディスプレイ(LPD)技術、または何らかの他のディスプレイ技術を使用することができる。
電子システム400はユーザ入力/出力モジュール470を含んでよい。ユーザ入力/出力モジュール470は、ユーザが、電子システム400にアクション要求を送ることを可能にしてよい。アクション要求は、特定のアクションを行うための要求であってよい。例えば、アクション要求は、アプリケーションを開始または終了すること、またはアプリケーション内の特定のアクションを行うことであってよい。ユーザ入力/出力モジュール470は、1つまたは複数の入力デバイスを含んでよい。例示の入力デバイスは、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロホン、ボタン、ダイアル、スイッチ、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、または、アクション要求を受信し、かつ受信したアクション要求を電子システム400に通信するための任意の他の適したデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力/出力モジュール470は、電子システム400から受信された命令に従ってユーザに触覚フィードバックを提供することができる。例えば、触覚フィードバックは、アクション要求が受信されるまたは実行された時に提供されてよい。
電子システム400は、例えば、ユーザの眼の位置を追跡するために、ユーザの写真またはビデオを撮るために使用可能であるカメラ450を含んでよい。カメラ450はまた、例えば、VR、AR、またはMRアプリケーションに対して、環境の写真またはビデオを撮るために使用されてよい。カメラ450は、例えば、数百万または数千万の画素を有する相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサを含んでよい。いくつかの実装形態では、カメラ450は3−D画像を取り込むために使用されてよい2つ以上のカメラを含んでよい。
いくつかの実施形態では、電子システム400は、複数の他のハードウェアモジュール480を含んでよい。他のハードウェアモジュール480のそれぞれは、電子システム400内の物理モジュールであってよい。他のハードウェアモジュール480のそれぞれは構造として恒久的に構成可能であるが、他のハードウェアモジュール480のいくつかは、具体的な機能を行うように一時的に構成されてよいまたは一時的にアクティブ化されてよい。他のハードウェアモジュール480の例には、例えば、オーディオ出力および/または入力モジュール(例えば、マイクロホンまたはスピーカ)、近距離無線通信(NFC)モジュール、再充電バッテリ、バッテリ管理システム、有線/無線バッテリ充電システムなどが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、他のハードウェアモジュール480の1つまたは複数の機能はソフトウェアで実装されてよい。
いくつかの実施形態では、電子システム400のメモリ420はまた、仮想現実エンジン426を記憶してよい。仮想現実エンジン426は、電子システム400内のアプリケーションを実行し、かつ、さまざまなセンサからのHMDデバイスの、位置情報、加速情報、速度情報、予測される今後の位置、または、これらの何らかの組み合わせを受信してよい。いくつかの実施形態では、仮想現実エンジン426によって受信される情報は、ディスプレイモジュール460に対して信号(例えば、表示命令)を生じさせるために使用されてよい。例えば、受信した情報が、ユーザが左を見ていることを指示する場合、仮想現実エンジン426は、HMDデバイスが、仮想環境におけるユーザの移動をミラーリングするようにコンテンツを生成してよい。さらに、仮想現実エンジン426は、ユーザ入力/出力モジュール470から受信されたアクション要求に応答してアプリケーション内のアクションを行い、かつフィードバックをユーザに提供してよい。提供されたフィードバックは、可視、可聴、または触覚フィードバックであってよい。いくつかの実装形態では、プロセッサ410は、仮想現実エンジン426を実行することができる1つまたは複数のGPUを含んでよい。
さまざまな実装形態では、上述されるハードウェアおよびモジュールは、有線接続または無線接続を使用して互いに通信可能である単一のデバイス上でまたは複数のデバイス上で実装されてよい。例えば、いくつかの実装形態では、GPU、仮想現実エンジン426、およびアプリケーション(例えば、追跡アプリケーション)などのいくつかの構成要素またはモジュールは、ヘッドマウントディスプレイデバイスと別個のコンソール上に実装されてよい。いくつかの実装形態では、1つのコンソールは複数のHMDに接続されてよいまたはこれをサポートしてよい。
代替的な構成では、種々のおよび/または追加の構成要素は電子システム400に含まれてよい。同様に、構成要素の1つまたは複数の機能性は、上述されるやり方と異なるやり方で構成要素の間で分散可能である。例えば、いくつかの実施形態では、電子システム400は、ARシステム環境および/またはMR環境などの他のシステム環境を含むように改良されてよい。
上に論じられるように、マイクロLEDは、ディスプレイエレクトロニクス122、ロケータ126、および指標追跡ユニット130など、人工現実システムのさまざまな部分における光源として使用されてよい。さらに、マイクロLEDは、ヘッドアップディスプレイ、テレビディスプレイ、スマートフォンディスプレイ、腕時計ディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、およびフレキシブルディスプレイなどのさまざまなディスプレイ技術において使用可能である。マイクロLEDは、モノのインターネット(IOT)などの多くのアプリケーションにおける複数のセンサと組み合わせて使用可能である。本明細書に説明されるマイクロLEDは、主として、赤色、青色、または緑色マイクロLEDとして説明されるが、マイクロLEDは、紫外光または赤外光など、任意の所望の波長を有する光を放出するように構成可能である。また、本明細書に説明されるマイクロLEDは、主として、放物型メサを有するとして説明されるが、マイクロLEDは、平面、縦型、円錐形、放物型、またはこれらの組み合わせなどの任意の適したメサ形状を有するように構成可能である。さらに、マイクロLEDは、円形、楕円形、矩形、三角形、または六角形などの任意の適したベース形状を有するように構成可能である。
図5は、1つまたは複数の実施形態による、マイクロLED500の一例の断面図である。マイクロLED500は、基板502、メサ506に成形される半導体層504、活性発光層508、光取り出し面510、およびリフレクタ層514を含んでよい。マイクロLED500の光取り出し面510は直径が20μm未満であってよい。放物型メサ506は、光取り出し面510から出現する準平行光ビームを形成するためにウエハー処理中にLEDダイ上にエッチングされてよい。代替的には、メサ506は、平面、縦型、円錐形、または半放物型などのさまざまな他の形状を有することができる。マイクロLED500は、高い光抽出効率を有するように構成可能であり、メサ506の形状に起因して準平行光を出力する。マイクロLED500は、所定の範囲における発散角θを有する光を放出するように構成可能である。さまざまな実施形態では、発散角θはおよそ10度である。
半導体層504は基板502上に配設される。半導体層504および基板502は、GaNなどの同じ材料から作られてよい。活性発光層508はメサ506に封入される。活性発光層508は、多重量子井戸(MQW)層であってよい、および/または量子ドット、量子細線、縦型ナノワイヤ、および/または垂直フィンを含んでよい。活性発光層508はメサ506の焦点に配置可能である。メサ506は、光取り出し面510の反対の側に切頭最上部を有することができる。メサ506は、マイクロLED500内に光のための反射筐体を形成するために湾曲形状またはほぼ放物形状を有することができる。矢印512は、活性発光層508から放出される光が、(例えば、総内部反射の角度内で)光がマイクロLED500を出ていくのに十分な角度で光取り出し面510に向けてメサ506の壁にどのように反射するかを示す。以下にさらに詳細に論じられるように、リフレクタ層514は光の反射を改善するためにメサ506上に形成されてよい。pコンタクトおよびnコンタクト(図示せず)は、光取り出し面510の反対側の、メサ506と同じ側に位置してよい。
図5に示されるマイクロLED500は、マイクロLED500の効率を改善するように修正可能である。さまざまなシミュレーション方法を使用して効率を評価してよい。例えば、図6Aおよび図6Bは、緑色光を放出するマイクロLEDに対する実験データと模擬データとの比較を示す。図6Aは、動作電圧(Vop)模擬データ605が実験Vopデータ610とよく合致すること、および光出力電力(LOP)模擬データ615が実験LOPデータ620とよく合致することを示す。同様に、図6Bは、外部量子効率(EQE)模擬データ635が実験EQEデータ640とよく合致することを示す。図6Bはまた、シミュレーションした表面再結合630のパーセンテージを示す。これは、表面再結合がメサにおいて中心となっており、かつ最大EQEを10μA〜20μAのより高い電流に移行させることを示す。
図7Aは、緑色光を放出するマイクロLEDに対する実験データと模擬データとの追加の比較を示す。図7Aはさらにまた、LOP模擬データ715と実験LOPデータ720との間の合致を示す。さらに、図7Aは、波長模擬データ705が波長実験データ710とよく合致することを示す。図7Aは、515nmおよび10μAで光を放出する緑色マイクロLEDに対する青色波長の方への移行があることを示す。図7Bは、接合温度模擬データ740と共に、第1のシミュレーション方法730および第2のシミュレーション方法735に対する内部量子効率(IQE)模擬データを示す。
図8Aは、1つまたは複数の実施形態によるマイクロLED800の一例を示す。マイクロLED800は図5に示されるマイクロLED500と同様であってよい。マイクロLED800は図8Aに示される方向に光805を放出する。図8Bは図8Aに示される緑色マイクロLED800に対するLEE模擬データを示す。図8Bに示されるように、緑色マイクロLED800は、90度の角度を有する放射コーン内で27.17%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で1.43%のLEEを有する。図8Bは、LEEを改善し、かつより狭い放射コーン内の光をより多く放出する必要性を示す。
いくつかの実施形態は、マイクロLEDのメサ形状を修正することによって、LEEおよびマイクロLEDのビームプロファイルを改善可能である。図9A〜図9Cは、異なるメサ形状を有する緑色マイクロLEDのさまざまな例を示す。マイクロLEDの高さ、幅、および/または曲率は、LEEおよびビームプロファイルを最適化するように調節可能である。
図9Aに示されるように、n側半導体905およびp側半導体910を含むメサは、基板915上に配置されてよく、pコンタクト(図示せず)はp側半導体910の最上部に設けられてよい。MQW層などの活性発光層907は、n側半導体905とp側半導体910との間の界面に位置付けられてよい。メサは、高さ1.3μmおよび底部直径3.5μmを有する半放物形状を有する。図9Aに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で21.17%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で0.91%のLEEを有する。
図9Bに示されるように、n側半導体920およびp側半導体925を含むメサは基板930上に配置されてよく、pコンタクト(図示せず)はp側半導体925の最上部に設けられてよい。MQW層などの活性発光層927は、n側半導体920とp側半導体925との間の界面に位置付けられてよい。メサは、高さ1.3μmおよび底部直径3.0μmを有する放物形状を有する。図9Bに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で27.17%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で1.43%のLEEを有する。
図9Cに示されるように、n側半導体935およびp側半導体940を含むメサは基板945上に配置されてよく、pコンタクト(図示せず)はp側半導体940の最上部に設けられてよい。代替的には、メサは、2μm〜8μmの典型的な厚さを有する薄い電流拡散層上に配置されてよく、この場合、基板は除去されている。メサは、高さ1.5μmおよび底部直径3.0μmを有する放物形状を有する。図9Cに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で31.21%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で1.62%のLEEを有する。図9A〜図9Cの比較は、LEEおよびマイクロLEDのビームプロファイルが、半放物形状の代わりに放物形状を有するメサを使用することによって、およびメサの高さを増大させることによって改善可能であることを示す。誘導結合プラズマ(ICP)エッチングは、所望のメサ形状を形成するための高精度の方法として使用可能である。
代替的にはまたはさらに、いくつかの実施形態は、マイクロLEDのメサの外面上にリフレクタ層を設けることによってLEEおよびマイクロLEDのビームプロファイルを改善可能である。図10A〜図10Cは、種々のリフレクタ層を有する緑色マイクロLEDのさまざまな例を示す。例えば、リフレクタ層は、異なる材料および異なる厚さを有する異なる副層を含んでよい。また、種々のリフレクタ層は、メサおよびpコンタクトに対して設けられてよい。代替的には、リフレクタ層は、半導体材料と空気との間の屈折率の大きな差異を使用することによって他の層を有さずに使用可能である。
図10Aに示されるように、n側半導体1001およびp側半導体1004を含むメサは、基板1002上に配置されてよく、pコンタクト1003はp側半導体1004の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成される第1のリフレクタ層は、SiN層1005、およびSiN層1005から順に、TiおよびAuを含む層1006を含んでよい。SiN層1005は、200nmなど、100nm〜400nmの厚さを有することができる。Ti層は、20nmなど、1nm〜30nmの厚さを有することができる。Au層は、300nmなど、100nm〜500nmの厚さを有することができる。p半導体1004の外面上に形成されるpコンタクト1003は、p側半導体1004から順に、Ni層およびAu層を含んでよい。Ni層は、20nmなど、5nm〜30nmの厚さを有することができる。Au層は、300nmなど、20nm〜330nmの厚さを有することができる。図10Aに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で31.21%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で1.62%のLEEを有する。
図10Bに示されるように、n側半導体1011およびp側半導体1014を含むメサは、基板1012上に配置されてよく、pコンタクト1013はp側半導体1014の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成される第1のリフレクタ層は、SiN層1015、およびSiN層1015から順に、TiおよびAuを含む層1016を含んでよい。SiN層1015は、200nmなど、100nm〜400nmの厚さを有することができる。Ti層は、20nmなど、1nm〜30nmの厚さを有することができる。Au層は、300nmなど、100nm〜500nmの厚さを有することができる。p半導体1014の外面上に形成されるpコンタクト1013は、p側半導体1014から順に、Ag層、Pt層、およびAu層を含んでよい。Ag層は、100nmなど、90nm〜300nmの厚さを有することができる。Pt層は、25nmなど、20nm〜50nmの厚さを有することができる。Au層は、300nmなど、100nm〜500nmの厚さを有することができる。図10Bに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で35.2%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で1.9%のLEEを有する。
図10Cに示されるように、n側半導体1021およびp側半導体1024を含むメサは、基板1022上に配置されてよく、pコンタクト1023はp側半導体1024の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成される第1のリフレクタ層は、SiN層1025、およびSiN層1025から順に、Ag、Pt、およびAuを含む層1026を含んでよい。SiN層1025は、75nmなど、40nm〜100nmの低減した厚さを有することができる。Ag層は、100nmなど、60nm〜150nmの厚さを有することができる。Pt層は、25nmなど、20nm〜30nmの厚さを有することができる。Au層は、125nmなど、100nm〜200nmの厚さを有することができる。p側半導体1024の外面上に形成されるpコンタクト1023は、p側半導体1024から順に、Ag層、Pt層、およびAu層を含んでよい。Ag層は、100nmなど、60nm〜150nmの厚さを有することができる。Pt層は、25nmなど、20nm〜30nmの厚さを有することができる。Au層は、125nmなど、110nm〜140nmの厚さを有することができる。図10Cに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で50.1%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で2.65%のLEEを有する。図10Cに示される薄いリフレクタ設計は、超解像度1K〜4Kのディスプレイ応用などに対する、1次元配列または2次元配列における多くのマイクロLEDの、薄層積層による高反射率および非常に密なピッチ(5μm未満など)で最適化可能である。
具体的な厚さを有する具体的な材料が上述されているが、リフレクタ層は任意の適した厚さを有する任意の適した材料を含んでよい。材料およびこれらの厚さは、所望の発光波長および半導体材料に基づいて選定されてよい。さらに、材料およびこれらの厚さは、具体的な結果を達成するように選定されてよい。例えば、図10Cに示されるマイクロLEDに関して、SiN層1025は、p/n接合不足を防止し、かつ光共振器内の共鳴吸収などの共鳴を回避する誘電性パッシベーション層としての役割を果たすように構成されてよい。SiNは、SiO2、HfO、またはAlOなどの任意の適した誘電材料と置き換えられてよい。層1026内のAg層は、反射性も提供する接着層としての役割を果たすように構成されてよい。Agは、10nm〜20nmの薄い層厚に対しても高い光吸収により、Tiなどの高い光吸収を有する接着金属と置き換えられるべきではない。層1026内のPt層はさまざまな層間の相互拡散を低減する拡散バリア層としての役割を果たすように構成されてよい。Pt層はまた、Ag層用の酸化を回避するための保護層としての役割を果たし得る。層1026内のAu層は、追加のコーティング層および保護層としての役割を果たすように構成されてよい。
さらに、図10Cに示されるマイクロLEDに関して、pコンタクト1023の材料および厚さは、所望の発光波長および半導体材料に基づいて選定されてよい。さらに、材料およびこの厚さは、具体的な結果を達成するように選定されてよい。例えば、Ag層は、緑色または青色マイクロLED用のAl層と置き換えられてよく、Ag層は、赤色またはIRマイクロLED用のAu層と置き換えられてよい。さらに、Pt層は、Pd、WTi、またはWN層などの別の拡散バリア層と置き換えられてよい。さらに、Au層はAl層と置き換えられてよい。
図11Aおよび図11Bは、緑色マイクロLEDの典型的なリフレクタ設計および最適なリフレクタ設計それぞれに対する反射係数を示す。例えば、図11Aは、図10Bに示される緑色マイクロLEDに対する角度に応じて横電気(TE)係数および横磁気(TM)係数を示す。同様に、図11Bは、図10Cに示される緑色マイクロLEDに対する角度に応じてTE係数およびTM係数を示す。図11Aおよび図11Bに示されるように、図10Cに示される緑色マイクロLEDにおけるリフレクタ層は、著しく高い反射を達成することで、LEEはより高くなる。
いくつかの実施形態は、マイクロLEDの光取り出し面上に反射防止膜を組み入れることによってLEEおよびマイクロLEDのビームプロファイルを改善可能であることで、マイクロLEDの光取り出し面と下流の光学素子との間の屈折率整合材が設けられる、および/または、マイクロLEDの光取り出し面上に二次光学系が設けられる。図12A〜図12Cは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するための異なる構成要素を有する緑色マイクロLEDのさまざまな例を示す。
図12Aに示されるように、n側半導体1201およびp側半導体1204を含むメサは基板1202上に配置されてよく、pコンタクト1215はp側半導体1204の最上部に設けられてよい。代替的には、メサは、基板のないn電流拡散層上に配置可能である。メサの外面上に形成されるリフレクタ層は、層1205および層1206を含んでよい。光学素子1211は、基板1202の光取り出し面1208から光1210を受けてよい。反射防止膜1209は光取り出し面1208上に配置されてよい。図12Aに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で52.2%のLEE、および、10度の角度を有する放射コーン内で2.96%のLEEを有する。図12Aに示されるマイクロLEDは図10Cに示されるマイクロLEDを使用するが、反射防止膜1209を追加し、かつ光を光学素子1211に与える。
図12Bに示されるように、n側半導体1221およびp側半導体1224を含むメサはn電流拡がり基板1222上に配置されてよく、pコンタクト1225はp側半導体1224の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成されるリフレクタ層は、層1225および層1226を含んでよい。光学素子1231は基板1222の光取り出し面1228から光1230を受けてよい。屈折率整合材1229は、光取り出し面1228と光学素子1231との間に配置されてよい。屈折率整合材1229の屈折率は、1以上、および/または、光学素子1231の屈折率以上であってよい。例えば、光学素子1231が1.5の屈折率を有する場合、屈折率整合材1229は1.5〜1.7の屈折率を有することができる。他の例では、屈折率整合材1229は2.2までの屈折率を有することができる。屈折率整合材1229はシリコーンなどの任意の適した材料から作られてよい。図12Aに示されるマイクロLEDは90度の角度を有する放射コーン内で81.1%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で5.94%のLEEを有する。図12Bに示されるマイクロLEDは、図10Cに示されるマイクロLEDを使用するが、屈折率整合材1229を追加し、かつ光学素子1231に光を与える。
図12Cに示されるように、n側半導体1241およびp側半導体1244を含むメサはn電流拡がり基板1242上に配置されてよく、pコンタクト1225はp側半導体1244の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成されるリフレクタ層は、層1245および層1246を含んでよい。光学素子1251は基板1242の光取り出し面1248から光1250を受けてよい。二次光学系1252は、光取り出し面1248と光学素子1251との間に配置されてよい。例えば、二次光学系1252はレンズであってよい。レンズは、別個の光学部品であってよい、または光取り出し面1248にエッチングされてよい。レンズは、マイクロLEDの活性発光層において焦点を有することができる。図12Cは、測定されたビームプロファイル1254およびシミュレーションしたビームプロファイル1253を示す。図12Cに示されるマイクロLEDは、図10Cに示されるマイクロLEDを使用するが、二次光学系1252を追加し、かつ光を光学素子1251に与える。
図13A〜図13Cは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するために異なる構成要素を有する赤色マイクロLEDのさまざまな例を示す。図13Aに示されるように、n側半導体1301およびp側半導体1304を含むメサは、基板1302上に配置されてよく、pコンタクト1315はp側半導体1304の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成されるリフレクタ層は、層1305および層1306を含んでよい。光学素子1311は基板1302の光取り出し面1308から光1310を受けてよい。反射防止膜1309は光取り出し面1308上に配置されてよい。図13Aに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で30.5%のLEE、および、10度の角度を有する放射コーン内で1.5%のLEEを有する。光学素子1311は10度の対応する受光角を有してよい。
図13Bに示されるように、n側半導体1321およびp側半導体1324を含むメサは基板1322上に配置されてよく、pコンタクト1335はp側半導体1324の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成されるリフレクタ層は、層1325および層1326を含んでよい。光学素子1331は基板1322の光取り出し面1328から光1330を受けてよい。二次光学系1332は、光取り出し面1328と光学素子1331との間に配置されてよい。例えば、二次光学系1332はレンズであってよい。レンズは、別個の光学部品であってよい、または光取り出し面1328にエッチングされてよい。レンズは、マイクロLEDの活性発光層において焦点を有することができる。図13Bに示される例では、レンズは、直径が光取り出し面1328の直径にほぼ等しい球面レンズである。図13Bに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で61.0%のLEE、および、10度の角度を有する放射コーン内で2.2%のLEEを有する。光学素子1331は10度の対応する受光角を有してよい。
図13Cに示されるように、n側半導体1341およびp側半導体1344を含むメサは基板1342上に配置されてよく、pコンタクト1355はp側半導体1344の最上部に設けられてよい。メサの外面上に形成されるリフレクタ層は、層1345および層1346を含んでよい。光学素子1351は基板1342の光取り出し面1348から光1350を受けてよい。二次光学系1352は、光取り出し面1348と光学素子1351との間に配置されてよい。例えば、二次光学系1352はレンズであってよい。レンズは、ポリ(アクリル酸メチル)(PMA)またはガラスなどのポリマーを含むレジストなどの別個の光学部品であってよい、または光取り出し面1348にエッチングされてよい。レンズは、マイクロLEDの活性発光層において焦点を有することができる。図13Cに示される例では、レンズは、直径が光取り出し面1328の直径より大きい球面レンズである。図12Cは、測定されたビームプロファイル1354およびシミュレーションしたビームプロファイル1353を示す。図13Cに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で76.2%のLEE、および、10度の角度を有する放射コーン内で3.4%のLEEを有する。光学素子1531は10度の対応する受光角を有してよい。
図14Aおよび図14Bは、緑色マイクロLEDに対する、光取り出し面と光学素子との間に屈折率整合材を組み入れる効果を示す。図14Aは、屈折率整合材のない緑色マイクロLEDに対する、光取り出し面対空気(n=1)における反射係数を示し、図14Bは、屈折率整合材(例えば、典型的なシリコーン材料に対してn=1.5)を有する緑色マイクロLEDに対する光取り出し面における反射係数を示す。図14Aにおける矢印1405は放射コーンの角度の増大を示し、図14Bにおける矢印1410は光取り出し面における反射係数の減少を指示する。反射率は光取り出し面において減少し、かつ総内部反射(TIR)角はより高い波長に移行するため、マイクロLEDでは、光取り出しが改善され、かつ狭いコーンへの光放出が改善されている。それ故に、屈折率整合材を組み入れることによって、チップからの光取り出しが改善され、かつ10度の角度を有する放射コーン内に導かれる光が多くなる。
屈折率整合材はさまざまな応用においてマイクロLEDに組み込まれてよい。例えば、高結合効率は、屈折率整合材を、ディスプレイおよび/または投影システムにおいて使用可能である導波管である光学素子に突き合わせ結合することによって達成可能である。導波管は、超薄のおよび/または柔軟な導波管であってよく、かつパッシブビームフォーミング特徴として、volume Bragg grating(VBG)または表面レリーフグレーティング(SRG)を含んでよい。屈折率整合材はまた、走査、微小電気機械システム(MEMS)、グレーティング、液晶ディスプレイ(LCD)、および/またはliquid crystal on silicon(LCOS)ディスプレイを使用するディスプレイを含む、1次元ディスプレイおよび/または2次元ディスプレイにおいて使用されるマイクロLEDに組み込まれてよい。
図15A〜図15Cは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するために異なる二次光学系を有する赤色マイクロLEDのさまざまな例を示す。図15Aに示されるように、n側半導体1502およびp側半導体1501を含むメサは基板1503上に配置可能である。図15Aに示されるマイクロLEDは、基板1503の光取り出し面1507においていずれの二次光学系も含まない。図15AはマイクロLEDの測定されたビームプロファイル1504を示す。
図15Bに示されるように、n側半導体1512およびp側半導体1511を含むメサは基板1513上に配置されてよい。図15Bに示されるマイクロLEDは、基板1503の光取り出し面1517において二次光学系1516を含む。この例では、二次光学系1526は球面レンズである。図15Aは、マイクロLEDの、測定されたビームプロファイル1515およびシミュレーションしたビームプロファイル1514を示す。
図15Cに示されるように、n側半導体1522およびp側半導体1521を含むメサは基板1523上に配置されてよい。図15Cに示されるマイクロLEDは、基板1523の光取り出し面1527において二次光学系1526を含む。この例では、二次光学系1526はフレネルレンズである。図15Cは、マイクロLEDの、測定されたビームプロファイル1525およびシミュレーションしたビームプロファイル1524を示す。図15Cに示されるように、中央領域および外部領域において異なる焦点を有するこの例に示されるフレネルレンズによって、より多くの光が、より狭い角度を有する放射コーンに放出される。
図16Aおよび図16Bは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するために二次光学系を有する緑色マイクロLEDの一例を示す。図16Aに示されるように、n側半導体1602およびp側半導体1601を含むメサは、第1の層1603および第2の層1604を含む基板上に配置されてよい。第1の層1603および第2の層1604は、60%のAlGaAsなど、同じ材料から作られてよい。図16Aに示されるマイクロLEDは基板の光取り出し面1607において二次光学系1605を含む。この例では、二次光学系1605は球面レンズである。球面レンズの焦点はマイクロLEDの活性発光層におけるものであってよい。さらに、反射防止膜は、いずれのフレネル損失も低減させるために球面レンズの外面上に配置されてよい。この例では、メサは1.5μmの高さを有し、球面レンズは0.5μmの高さを有する。図16Bは、図16Aに示されるマイクロLEDによって放出される光のビームプロファイルの強度を示す。図13Cに示されるマイクロLEDは、90度の角度を有する放射コーン内で76.2%のLEE、および10度の角度を有する放射コーン内で3.4%のLEEを有する。0.3μmの高さを有する球面レンズなどのより小さい球面レンズが使用される場合、LEEは90度の角度を有する放射コーン内で61.0%に減少し、LEEは10度の角度を有する放射コーン内で2.2%に減少する。
図17Aおよび図17Bは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するために二次光学系を有する赤色および緑色マイクロLEDの例を示す。図17Aに示されるように、n側半導体1702およびp側半導体1701を含むメサは、基板1703上に配置されてよい。図17Aに示される赤色マイクロLEDは、基板1703の光取り出し面1710において二次光学系1704を含む。この例では、二次光学系1704は部分開口部を有する球面レンズである。レンズの焦点はマイクロLEDの活性発光層におけるものであってよい。活性発光層から放出される光1707は、ビームプロファイル1705を形成し、かつシルクハットビームプロファイル1706に近づくように成形可能である。図17Aに示されるように、光1707は、メサファセットに反射し、かつ狭い放射コーン内の光取り出し面1710に入射する。
図17Bに示されるように、n側半導体1712およびp側半導体1711を含むメサは基板1713上に配置されてよい。図17Bに示される緑色マイクロLEDは、基板1713の光取り出し面1720において二次光学系1714を含む。この例では、二次光学系1714は部分開口部を有する球面レンズである。レンズの焦点はマイクロLEDの活性発光層におけるものであってよい。活性発光層から放出される光1717は、図17Aに示されるビームプロファイル1706より広い(HWHM<60度)レンズ(HWHM=60度)のないランバートビームプロファイル1715を形成する。光1717のビームプロファイルは図17Bに示されるようなレンズによって改善可能であり、かつ図17Bにおいて、両方共がシルクハットビームプロファイル1716に近い、1705と同様のビームプロファイル1718として再生可能である。図17Bに示されるように、光1717は、前進しかつ後方反射する光を含み、この光は、狭い放射コーン1718内の光取り出し面1720に入射する。追加の二次光学系なく、図17Bに示されるマイクロLED内の緑色光線群のビームプロファイル1715は、図17Aに示される同じ構造を有するマイクロLED内のメサファセットに反射した赤色光線群のより狭いビームプロファイル1705よりなお一層ランバート形状である。
図18A〜図18Hは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するために二次光学系を有する赤色マイクロLEDの例を示す。図18A〜図18Cに示されるように、n側半導体1802およびp側半導体1801を含むメサは基板1803上に配置されてよい。代替的には、メサは、基板のない電流拡散層上に配置可能である。図18Cに示される赤色マイクロLEDは、基板1803の光取り出し面1812において二次光学系1810を含む。この例では、二次光学系1810は、光1809が光取り出し面1812を出る最大厚さ、およびレンズの中心における最小厚さを有するドーナッツ形レンズである。レンズの焦点は、マイクロLEDの活性発光層におけるものであってよい。光1809は、図18Dに示されるように、強度分布1820およびビームプロファイル1821を有することができる。図18E〜図18Hは、レンズのない強度分布およびビームプロファイルの追加の例を示す。図18Dおよび図18Hは遠方界を示し、図18Gは近方界を示す。図18A〜図18Hは放物型メサ1802を有する赤色マイクロLEDを示すが、メサ1802は、平面、縦、円錐、または半放物形状を有することもできる。
図19Aおよび図19Bは、LEEおよびビームプロファイルを最適化するために二次光学系を有する赤色および緑色マイクロLEDの例を示す。図19Aに示されるように、n側半導体1902およびp側半導体1901を含むメサは基板1903上に配置されてよい。図19Aに示される赤色マイクロLEDは、基板1903の光取り出し面1909において二次光学系1904および1908を含む。この例では、二次光学系1904および1908はさまざまなレンズを含む。レンズの焦点はマイクロLEDの活性発光層におけるものであってよい。活性発光層から放出される光1907は、ビームプロファイル1905を形成し、かつ、±10度〜±30度のHWHMを有するシルクハットビームプロファイル1906に近づくように成形可能である。
図19Bに示されるように、n側半導体1912およびp側半導体1911を含むメサは基板1913上に配置されてよい。図19Bに示される緑色マイクロLEDは、基板1913の光取り出し面1919において二次光学系1914および1918を含む。この例では、二次光学系1914および1918はさまざまなレンズを含む。レンズの焦点はマイクロLEDの活性発光層におけるものであってよい。活性発光層から放出される光1917は、シルクハットビームプロファイル1916に近いレンズを有するビームプロファイル1916より広い、レンズなしのビームプロファイル1920を形成する。図19Bに示されるマイクロLED内の緑色光線群のビームプロファイル1920は、図19Aに示される同じ構造を有するマイクロLED内のメサファセットに反射した赤色光線群のより狭いビームプロファイル1905よりなお一層ランバート形状である。異なるレンズプロファイルおよび異なる焦点は、赤色光線群および緑色光線群に使用される。なお一層ランバート形状である図19Bに示されるマイクロLEDにおける緑色光線群のビームプロファイル1920は、図19Bに示されるマイクロLEDの対象のシルクハットビームプロファイル1916により近づくようにより大きい球面レンズ1918によって中央に向けて焦点を合わせている。赤色光線群は、図19Aに示されるマイクロLEDの対象のシルクハットビームプロファイル1906に近づくように異なる形状および焦点を有するドーナッツ状レンズ1904によって平行にされる。光取り出し面上のレンズを有するマイクロLED構造のLEE全体は、光取り出し面上のレンズのないマイクロLED構造のLEEより高い。
いくつかの実施形態では、偏光させた光をもたらすことが所望される場合がある。図20Aおよび図20Bは偏光を放出する緑色マイクロLEDの一例を示す。図20Bに示されるように、n側半導体2002およびp側半導体2001を含むメサは基板2003上に配置されてよい。直線配列グレーティング2004は、基板2003の光取り出し面2005上に形成可能である。直線配列グレーティング2004の一例は図20Aに示されている。直線配列グレーティング2004は、TM光と異なるパーセンテージのTE光を伝送する。直線配列グレーティング2004は、光取り出し面2005にエッチングされてよい、または光取り出し面2005上の別個の構成要素として成長させてよい。
図21Aおよび図21Bは、さまざまなマイクロLED構成に対する角度に応じた反射係数を示す。図21Aおよび図21Bに示されるように、TE/TM光反射率は放物型メサファセットにおいておよそ45度である。リフレクタ層設計は、マイクロLED内の(放物型メサファセットにおいて約45度で)TEモードおよびTMモードに対する光の非常に異なる反射性に対して最適化可能である。代替的には、メサは、平面、縦、円錐、または半放物形状を有してもよい。他の実施形態では、メサはバスタブのような形状といった非回転対称形状を有することができる。図22Aは、非回転対称形状を有するメサを有するマイクロLEDの一例を示す。図22Bは、光がチップエッジから離れて生成可能である平面形状を有するメサの一例を示す。図22Cは、角度が底面を介した高いLEEに対して45度±5度であってよく、かつ異なる材料および波長に対してわずかに変動し得る円錐形状を有するメサの一例を示す。マイクロLEDはまた、円形、楕円形、六角形、矩形、および/または三角形などのさまざまなベース形態を有してよい。図22DはマイクロLEDで使用されてよいベース形状の一例を示す。
いくつかの実施形態では、マイクロLEDの効率はメサファセットにおける表面再結合を低減することによって改善され得る。小さい寸法のマイクロLEDにより、エッジ効果は大きいが、これはメサのエッジ同士が近いからである。表面におけるダングリングボンドは、電流の100%〜20%のみが、1μm〜2μmの直径のMQWを有する赤色マイクロLEDにおける放出のために活性発光層に達するように、電子およびホールの無放射再結合を引き起こす。
電流密度(J)減少によって、メサファセットにおける表面再結合を低減するまたは排除することができる。J減少は、イオン注入または量子混合などのさまざまな方法によって達成可能である。水晶は、キャリアがメサの表面に拡散不可能であるように局所的に変更されてよい。単一量子井戸(SWQ)または二重量子井戸(DQW)設計は、低電流密度における平面、縦型、円錐形、または放物型の青色もしくは緑色マイクロLEDに使用されてよい。より高いキャリア濃度を有するより少ない量子井戸は、活性発光層内の横キャリア拡がりを少なくし得る。
さらに以下に詳細に論じられるように、表面再結合は、さまざまな方法によって低減可能である。図23A〜図23Cは、緑色マイクロLEDにおける異なるキャリア寿命に対するEQEおよび表面再結合を示す。例えば、図23Aは、200nsのキャリア寿命を有するマイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2305および測定されたEQE2310を示す。図23Aはまた、シミュレーションした表面再結合2315を示す。2320で示されるように、マイクロLEDは0.2μAの電流における4.6%の最大EQEを有する。同様に、図23Bは、40nsの無放射(A*N)キャリア寿命を有するマイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2325および測定されたEQE2330を示す。図23Bはシミュレーションした表面再結合2335も示す。2340で示されるように、マイクロLEDは0.5μAの電流における4.2%の最大EQEを有する。同様に、図23Cは、4nsの無放射キャリア寿命を有するマイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2345および測定されたEQE2350を示す。図23Cはシミュレーションした表面再結合2355も示す。2360で示されるように、マイクロLEDは1.0μAの電流における3.7%の最大EQEを有する。
図24Aおよび図24Bは、メサファセットにおける表面状態を縮小することによって表面再結合を低減する方法の一例を示す。図24Aに示されるように、pコンタクト2401は、メサ2402の最上部に設けられてよく、電流2403は多重量子井戸(MQW)などの活性発光層を流れてよい。ICPエッチングを使用して、メサファセットの表面を平滑化することによって表面状態を縮小することができる。代替的にはまたはさらに、メサファセットの表面は、その場熱的浄化、電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオンなどの低エネルギーイオンによるその場表面洗浄、または分子線エピタキシー(MBE)などの真空中のH2洗浄など、堆積前のさまざまな方法によって処理されてよい。さらに、メサファセットの表面上の誘電性パッシベーション層の堆積は最適化可能である。例えば、AlNなどの結晶層はMBEによって堆積可能である、および/またはSiN層またはSiO2層は、低エネルギーによる高密度プラズマを使用する誘導結合されたプラズマ加速化学蒸着(ICPECVD)によって、または原子層堆積(ALD)によって堆積可能である。図24Bは、10^4cm/sよりはるかに低い低表面再結合速度(SRV)がさまざまなマイクロLEDに対して達成可能であることを示す。
図25A〜図25Cは、未処理の緑色、青色、および赤色マイクロLEDに対するEQEおよび表面再結合損失の比較を示す。例えば、図25Aは、緑色マイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2310および測定されたEQE2315を示す。図25Aはシミュレーションした表面再結合2505も示す。緑色マイクロLEDは、電位内の変動により最大EQEにおけるおよそ30%の表面再結合損失を有する。同様に、図23Bは、青色マイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2530および測定されたEQE2535を示す。図23Bはシミュレーションした表面再結合2525も示す。青色マイクロLEDは最高のEQEを有するが、表面再結合損失は50%である。青色マイクロLEDは、緑色マイクロLEDより少ない電位内の変動を有する。同様に、図23Cは、赤色マイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2550および測定されたEQE2555を示す。図23Cはシミュレーションした表面再結合2545も示す。赤色マイクロLEDは、80%以上の表面再結合損失を有する最低のEQEを有する。
図26A〜図26Cは、処理済みの緑色、青色、および赤色マイクロLEDに対するEQEおよび表面再結合損失の比較を示す。表面再結合損失は、上で論じられるように、メサファセットにおける横キャリア拡散および表面再結合速度を低減することによって低減された。例えば、図26Aは、緑色マイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2605および測定されたEQE2610を示す。図26Aは、シミュレーションした表面再結合および横キャリア拡散2615がゼロに近いことも示す。緑色マイクロLEDは、およそ10%の最大のEQE、および最小の表面再結合損失を有する。同様に、図26Bは、青色マイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2630および測定されたEQE2625を示す。図26Bは、シミュレーションした表面再結合2635がゼロに近いことも示す。青色マイクロLEDは、およそ31%の最大のEQE、および最小の表面再結合損失を有する。同様に、図26Cは、赤色マイクロLEDに対するシミュレーションしたEQE2650および測定されたEQE2645を示す。図26Cは、シミュレーションした表面再結合2655がゼロに近いことも示す。赤色マイクロLEDは、およそ33%の最大のEQE、および最小の表面再結合損失を有する。図25A〜図25Cと図26A〜図26Cとの比較は、処理によって、それぞれのマイクロLEDに対して、表面再結合が低減しかつEQEが増大することを指示する。
図27A〜図27Cは、活性発光領域内のメサファセットに横方向電子−ホール(e−h)拡散を低減することによって表面再結合を低減する方法の一例を示す。これによって、平面内の引張り歪みが半導体材料のバンドギャップを増大させるように、メサファセットにおける歪みが修正可能である。
図27Aに示されるように、メサは、n側半導体2702およびp側半導体2701を含むことができる。レジスト2704を使用してメサの中央部をマスクすることができ、さまざまな技法を使用して横方向e−h拡散を低減することができる。例えば、イオン注入または量子井戸混晶は矢印2703に沿って適用されてよい。平面イオン注入は、メサ2702のICPエッチングの前または後に適用されてよい。偏角イオン注入は、活性発光層における欠陥発生量を低減するために適用されてよい。図27Bは、量子井戸混晶2712の前のGaおよびIn原子2710の分離、および量子井戸混晶2712の後のGaおよびIn原子2711の分布の変化を示す。図27Bはまた、さまざまな材料に対するエネルギーに応じて光ルミネセンス強度を示すグラフを含む。図27Bに示されるように、アズグロウン試料に対する光ルミネセンス強度2715は2.74eVに達し、SiO2キャッピング領域に対する光ルミネセンス強度2716は2.74eVに達し、Mo:SiO2キャッピング領域に対する光ルミネセンス強度2717は2.82eVに達する。これは、異なるキャッピングが結晶構造における原子の横方向の異なる混晶をもたらすことを示す。図27Cは、SiO2の非混晶領域2720に対する距離に応じたピークエネルギーと、Mo:SiO2の混合領域2721に対する距離に応じたピークエネルギーとの間の比較を示す。図27Cに示されるように、領域は、異なる形状およびレベルを有する、伝導帯ECおよび価電子帯EVを有する。これは、混合を有する領域がより高いピークエネルギーを有し光吸収がないことを示す。メサエッジにおけるより高いエネルギーは横方向キャリア拡散に対するバリアの機能を果たし得る。
図28Aおよび図28Bは、定められた電流開口に対する横方向イオン注入を行うことによって横方向電流拡がりを低減する方法の一例を示す。図28Aは高い接触抵抗および高い動作電圧Vfを有するマイクロLEDを示す。これは、pコンタクト2805の小さい領域によって引き起こされる。対照的に、図28Bは、pコンタクト2805を20%〜1000%上回る大きい領域を有するpコンタクト2825を示す。横方向イオン注入は、活性発光層2845を0.5μm〜4μmの直径などの小さい領域に限定する。垂直注入プロファイルの垂直方向の小滴状の広がりは、p金属との接触抵抗を低くするために活性発光層2845より大きい領域を有する最上部のp層の導電率を維持することができる。図28Aおよび図28Bの比較は、横方向電流拡がりが横方向イオン注入の性能によって限定されることを示す。
表面再結合はまた、メサ形状のエピタキシー中に低減可能である。例えば、横方向e−h拡散は、横方向キャリア閉じ込めのために量子ドットを量子井戸に組み入れることによって低減可能である。これによってまた、キャリア寿命が短くなり得る。さらに、横量子バリアを使用することは、メサファセットにおける歪みの解放をもたらし、かつ引張り訓練済みInGap量子井戸に対するバンドギャップを増大させる場合がある。量子ドットの代わりに、小さいミクロンサイズの量子細線、フィン壁のような構造、および/またはナノワイヤを使用することもできる。
いくつかの実施形態では、マイクロLEDの壁コンセント効率(WPE)は、マイクロLEDの動作電圧Vfを低減することによって増大させることが可能である。例えば、イオン注入を使用して、より小さい電流開口を有するp−GaN接触領域を増大させることができる。垂直方向における小滴注入設計は、接触抵抗を低くするためにpコンタクト領域を増大させ得るが、活性発光層より上およびこれにおけるより小さい電流開口を定めることができる。イオン注入によって引き起こされる欠陥発生を低減するために、表面および結晶面に対する小角度はチャネリング効果を低減させる。さらに、イオン注入後の熱アニールは、活性発光層における結晶損傷および無放射吸収損失を低減させる。イオン注入の代替策として、エッチングおよび再成長が行われてよい。
上で開示されるマイクロLEDは全般的に、活性発光層より上にp側半導体を、および活性発光層より下にn側半導体を有するように説明されているが、n側半導体が活性発光層より上に形成され、かつp側半導体が活性発光層より下に形成されるように、極性を逆にすることが可能である。さらに、トンネル接合は、マイクロLEDにおける接触抵抗および直列抵抗を低減するためにエピ層に注入されてよい。
上に開示される方法、システム、およびデバイスは例である。さまざまな実施形態は、必要に応じてさまざまな手順または構成要素を、省略、代用、または追加可能である。例えば、代替的な構成では、説明した方法は、説明したものと異なる順序で行われてよい、および/またはさまざまな段階は、追加、省略、および/または組み合わせ可能である。また、ある特定の実施形態に関して説明される特徴は、さまざまな他の実施形態で組み合わせられてよい。実施形態の種々の態様および要素は同様のやり方で組み合わせられてよい。また、技術は発展しているため、要素の多くは、本開示の範囲をこれらの具体的な例に限定しない例である。
実施形態を十分に理解してもらうために本明細書に具体的詳細を挙げている。しかしながら、実施形態はこれら具体的詳細なく実践可能である。例えば、周知の回路、プロセス、システム、構造、および技法は、実施形態を不明瞭にすることを回避するために不必要な詳細なしで示されている。本明細書は例示の実施形態のみを提供しており、本発明の範囲、応用性、または構成を限定することを意図するものではない。もっと正確に言えば、実施形態の前述の説明は、当業者に、さまざまな実施形態を実施するための実施可能な説明を提供するであろう。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置においてさまざまな変更がなされてよい。
また、いくつかの実施形態はフロー図またはブロック図として描写されるプロセスとして説明された。それぞれは、動作を逐次プロセスとして説明するものであり得るが、動作の多くは並列にまたは同時に行われてよい。さらに、動作の順序は再編成されてよい。プロセスは図に含まれない追加のステップを有する場合がある。また、方法の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはこれらの任意の組み合わせによって実装されてよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装される時、関連しているタスクを行うためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてよい。プロセッサは関連しているタスクを行ってよい。
具体的な要件に従って大きく変化させてもよいことは、当業者には明らかであろう。例えば、カスタマイズされたまたは専用のハードウェアも使用されてよい、および/または特定の要素は、ハードウェア、(アプレットなどのポータブルソフトウェアを含む)ソフトウェア、またはこの両方で実装される場合がある。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスなどの他のコンピューティングデバイスへの接続が用いられてよい。
添付の図を参照すると、メモリを含むことができる構成要素は、非一時的な機械可読媒体を含むことができる。本明細書で使用されるような「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を具体的なやり方で動作させるデータを提供する際に関与する任意の記憶媒体を指す。以上に提供される実施形態において、さまざまな機械可読媒体は、命令/コードを処理ユニットおよび/または実行するための他のデバイスに提供する際に関与し得る。さらにまたは代替的に、機械可読媒体は、このような命令/コードを記憶するおよび/または伝えるために使用され得る。多くの実装形態では、コンピュータ可読媒体は物理記憶媒体および/または有形記憶媒体である。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形を成してよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタル多用途ディスク(DVD)などの磁気媒体および/または光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、以降で説明されるような搬送波、または、コンピュータが命令および/またはコードを読み出すことができる任意の他の媒体を含む。コンピュータプログラム製品は、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、アプリケーション(アプリ)、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または、命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組み合わせを表すことができるコードおよび/または機械実行可能命令を含んでよい。
本明細書に説明されるメッセージを通信するために使用される情報および信号がさまざまな種々の技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを、当業者は理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通して言及され得る、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表され得る。
本明細書で使用されるような用語、「および(and)」および「または(or)」は、このような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に左右されることも予想されるさまざまな意味を含み得る。典型的には、A、B、また、Cのようなリストを関連付けるために使用される場合の「または(or)」は、本明細書において排他的な意味で使用されるA、B、またはCと共に、本明細書において包含的な意味で使用されるA、B、およびCを意味することが意図されている。さらに、本明細書で使用されるような「1つまたは複数の」という用語は、単数形の任意の特徴、構造、または特性を説明するために使用され得る、または、特徴、構造、または特性の何らかの組み合わせを説明するために使用され得る。しかしながら、これは単に例示的な例であり、特許請求される主題はこの例に限定されないことは留意されるべきである。さらに、A、B、または、Cのようなリストを関連付けるために使用される場合の「少なくとも1つの」という用語は、A、AB、AC、BC、AA、ABC、AAB、AABBCCCなどのようなA、B、および/またはCの任意の組み合わせを意味するように解釈可能である。
さらに、ある特定の実施形態がハードウェアおよびソフトウェアの特定の組み合わせを使用して説明されているが、ハードウェアおよびソフトウェアの他の組み合わせも可能であることは認識されるべきである。ある特定の実施形態は、ハードウェアのみで、またはソフトウェアのみで、またはこれらの組み合わせを使用して実装されてよい。1つの例では、ソフトウェアは、本開示に説明されるステップ、動作、またはプロセスのいずれかまたは全てを行うために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードまたは命令を含有するコンピュータプログラム製品で実装されてよく、ここで、コンピュータプログラムは非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶されてよい。本明細書に説明されるさまざまなプロセスは、同じプロセッサ上に、または種々のプロセッサの任意の組み合わせで実装可能である。
デバイス、システム、構成要素、またはモジュールがある特定の動作または機能を行うように構成されるとして説明される場合、このような構成は、例えば、動作を行うように電子回路を設計することによって、コンピュータ命令またはコードを実行するなどによって動作を行うための(マイクロプロセッサなどの)プログラム可能電子回路、または非一時的なメモリ媒体上に記憶されるコードまたは命令を実行するようにプログラミングされるプロセッサもしくはコアをプログラミングすることによって、またはこれらの任意の組み合わせによって、成し遂げられ得る。プロセスは、プロセス間通信のための従来の技法を含むがこれに限定されないさまざまな技法を使用して通信でき、異なるプロセス対が異なる技法を使用してよい、または、同じプロセス対がその時々で異なる技術を使用してよい。
本明細書および図面は、それに応じて、限定的意味ではなく例示的意味でみなされるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に示されるようなより広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、追加、代用、削除、ならびに他の改良および変更がなされてよいことは明らかであろう。よって、具体的な実施形態が説明されているが、これらは限定することを意図するものではない。さまざまな改良および等価物は以下の特許請求の範囲内にあるとする。