JP2021516337A - 細胞組成物中に存在する粒子を検出するための方法 - Google Patents

細胞組成物中に存在する粒子を検出するための方法 Download PDF

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Abstract

細胞組成物中に存在する、ビーズ粒子のような粒子の存在または非存在を検出、評価、または判定する方法が、提供される。本方法で用いるための製造品およびキットも提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月28日付で出願された、「METHODS FOR DETECTING PARTICLES PRESENT IN A CELL COMPOSITION (細胞組成物中に存在する粒子を検出するための方法)」という名称の米国仮特許出願第62/636,840号に対する優先権を主張するものであり、その内容は全ての目的のために参照によりその全体が組み入れられる。
分野
本開示は、細胞組成物中に存在する、ビーズ粒子のような、粒子の存在または非存在を検出、評価または判定する方法に関する。本方法で用いるための製造品およびキットも提供される。
背景
磁性ビーズのような粒子は、抗体のような、親和性試薬を含む、生体分子の固定化のための表面として用いられる。場合によっては、そのような粒子は、細胞の検出、選択、濃縮、単離、および/または刺激におけるような、さまざまな方法で用いることができる。場合によっては、そのようなプロセスの後に、粒子は細胞に結合したままでありうるか、または細胞を含有する組成物中に存在しうる。細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための現行の方法は、細胞に結合もしくは会合したまたは組成物中に存在する粒子の実際の数を決定するために、時間がかかり、労働集約的および/または不正確でありうる。細胞組成物中の粒子を計数または検出するための改善された方法が、必要とされている。そのような要求を満たす方法、組成物、システム、およびキットが本明細書において提供される。
概要
細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法、使用、組成物、キット、および製造品が本明細書において提供される。特定の局面において、(a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに(b) アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を含む方法が、本明細書において提供される。
アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を含む、細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法も本明細書において提供され、ここでアウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下で、細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される。
インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インプット組成物が、1つまたは複数の細胞を含み、かつ自家蛍光を放出することができる1つもしくは複数の非細胞粒子を含む可能性が高いか、またはそれを含んでもよく、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階、およびアウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光の蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の1つまたは複数の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階を含む、細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法も本明細書において提供される。
アウトプット組成物またはその一部分を自家蛍光の蛍光イメージングにより分析して、アウトプット組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階を含む、細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法も本明細書において提供され、ここでアウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートされたインプット組成物の少なくとも一部分のサンプルであり、該インプット組成物は1つまたは複数の細胞を含み、かつ自家蛍光を放出することができる1つもしくは複数の非細胞粒子を含む可能性が高いか、またはそれを含みうる。
細胞組成物の非細胞粒子を除去または低減する条件の下で細胞および非細胞粒子を含む細胞組成物を処理し、それによって、1つまたは複数の細胞を含みかつ残留非細胞粒子である1つまたは複数の非細胞粒子を含みうるインプット組成物を産生する段階であって、1つまたは複数の非細胞粒子が自家蛍光を放出することができる、段階;インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが1つまたは複数の細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階;アウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子の選択を伴う段階によってアウトプット組成物中の1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮する段階;ならびにアウトプット組成物またはその一部分を自家蛍光の蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階を含む、細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法も、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む細胞組成物から非細胞粒子を除去または低減する段階の後にインプット組成物中に存在する残留非細胞粒子である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、分析の前に、アウトプット組成物は1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。提供される態様のいずれかのある種の態様において、分析の前に、アウトプット組成物は、アウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子の選択を伴う段階によって1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。態様のいくつかにおいて、1つまたは複数の非細胞粒子は磁性または常磁性であり、選択は非細胞粒子を磁石または磁場に曝露することを含む。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析は、アウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真の取得を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析は、蛍光顕微鏡写真からの画像オブジェクトの蛍光強度の判定をさらに含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析は、アウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真の取得、および蛍光顕微鏡写真からの画像オブジェクトの蛍光強度の判定を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトの蛍光強度は、画像オブジェクトの平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、本方法は、アウトプット組成物またはその一部分の明視野顕微鏡写真を取得する段階をさらに含む。提供される態様のいずれかのある種の態様において、本方法は、アウトプット組成物またはその一部分の明視野顕微鏡写真を取得する段階をさらに含み、ここで1つまたは複数の非細胞粒子は、蛍光顕微鏡写真および/または明視野顕微鏡写真から画像オブジェクトのサイズ、面積、および/または真円度を評価することによってアウトプット組成物中の1つまたは複数の他の成分から区別される。提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物の分析は、蛍光顕微鏡写真および/または明視野顕微鏡写真からの画像オブジェクトのサイズ、面積、および/または真円度の判定をさらに含む。提供される態様のいずれかのある種の態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出するための作用物質を含まない。提供される態様のいずれかのある種の態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出するための作用物質を含まず、該作用物質は、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができ、あるいは分析は、粒子を検出するための作用物質をアウトプット組成物に添加することを含まず、該作用物質は、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる。
(i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が蛍光分子を励起することができる、段階; (ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像である、段階; (iii) サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析する段階を含み、ここでアウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下で、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法が本明細書において提供される。
(i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が自家蛍光を励起することができ、該アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートされたインプット組成物の少なくとも一部分のサンプルであり、インプット組成物が、1つまたは複数の細胞を含み、かつ自家蛍光を放出することができる1つもしくは複数の非細胞粒子を含む可能性が高いか、またはそれを含みうる、段階; (ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像である、段階; (iii) サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析し、それによって1つまたは複数の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階を含む、細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法が、本明細書において提供される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、少なくとも1つの画像は明視野画像である。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、照射の前に、アウトプット組成物は、1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、照射の前に、アウトプット組成物は、アウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子の選択を伴う段階により1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。いくつかの態様において、選択はアウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子に対するものであり、かつ1つまたは複数の非細胞粒子は磁性または常磁性であり、選択は磁性選択を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、分析は、非細胞粒子のシングレット、ダブレット、またはシングレットおよびダブレットを検出する。
(a) 1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに(b) アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階を含む、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法も、本明細書において提供される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階を含む、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法が、本明細書において提供され、ここで該1つまたは複数のパラメータは、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択され、アウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下で、細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の画像オブジェクトは、1つまたは複数の非細胞粒子である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、分析の前に、アウトプット組成物は1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出するための作用物質を含まない。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、作用物質は、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができ、あるいは分析は、粒子を検出するための作用物質をアウトプット組成物に添加することを含まず、該作用物質は、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる。提供される態様のいずれかの特定の態様において、(i) 画像オブジェクトが0.5、0.6、0.7、0.8、もしくは0.9または少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8、もしくは0.9の真円度を含む場合; (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて5 μmと10 μmの間の直径を含む場合; および/または(iii) 画像オブジェクトが25 μm2と50 μm2の間の面積を含む; (iv) 画像オブジェクトが蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトは対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、FIは対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトが蛍光シグナルを含み、かつ(i) 画像オブジェクトが少なくとも0.4の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと20 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが130 μm2未満の面積を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子であると検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子であると検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが0.4もしくは少なくとも0.4、0.5もしくは少なくとも0.5、0.6もしくは少なくとも0.6、0.7もしくは少なくとも0.7、0.8もしくは少なくとも0.8、または0.9もしくは少なくとも0.9の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて3 μmと15 μmの間の直径を含む場合; および/あるいは(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と50 μm2の間の面積を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子として検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、(A) 画像オブジェクトが蛍光シグナルを含み、かつ(1) 画像オブジェクトが0.7もしくは少なくとも0.7の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと7.5 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが65 μm2未満の面積を含む場合、画像オブジェクトはシングレットの非細胞粒子として検出される; ならびに(B) 画像オブジェクトが蛍光シグナルを含み、かつ(i) 画像オブジェクトが0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて2 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが130 μm2未満の面積を含む場合、画像オブジェクトはダブレットの非細胞粒子として検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合、画像オブジェクトはシングレットの非細胞粒子として検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合、画像オブジェクトはダブレットの非細胞粒子として検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、(A) 画像オブジェクトが蛍光シグナルを含み、かつ(1) 画像オブジェクトが0.7と1.0もしくは約0.7と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと5 μmもしくは約1 μmと5 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが65 μm2未満の面積を含む場合、画像オブジェクトはシングレットの非細胞粒子として検出される; ならびに(B) 画像オブジェクトが蛍光シグナルを含み、かつ(i) 画像オブジェクトが0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて2 μmと10 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが130 μm2未満の面積を含む場合、画像オブジェクトはダブレットの非細胞粒子として検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合、画像オブジェクトはシングレットの非細胞粒子として検出される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合、画像オブジェクトはダブレットの非細胞粒子として検出される。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、対照サンプルは、1つまたは複数の細胞を含むが、1つまたは複数の非細胞粒子を含まない、または含む可能性が低い細胞組成物をインキュベートすることによって産生される組成物であり、インキュベーションは細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、対照サンプルは、1つまたは複数の細胞を含むが、1つまたは複数の非細胞粒子を含まない細胞組成物をインキュベートすることによって産生される組成物であり、インキュベーションは細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、分析は、サンプル中に存在すると判定された非細胞粒子の数を計数することをさらに含む。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は自家蛍光性である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、分析はコンピュータにより実現される画像分析を用いて実行される。提供される態様のいずれかのある種の態様において、分析はコンピュータにより実現される画像分析を用いて実行されるか、あるいは方法の1つまたは複数の段階が、機械、ロボット、および/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムによって実行される。提供される態様のいずれかの特定の態様において、方法の1つまたは複数の段階は高速大量処理であり、かつ/または自動化されている。提供される態様のいずれかの特定の態様において、方法の1つまたは複数の段階が、機械、ロボット、および/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムによって実行される。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、インプット組成物が、インプット組成物中の1つもしくは複数の細胞の表面に結合した1つもしくは複数の非細胞粒子を含むかまたは含むことが疑われ; インプット組成物が、細胞組成物からの1つもしくは複数の非細胞粒子の除去後に残留粒子を含むかまたは含むことが疑われ; インプット組成物が、1つもしくは複数の非細胞粒子に結合した1つもしくは複数の細胞を含有する組成物に由来し; および/あるいはインプット組成物が、1つもしくは複数の非細胞粒子に結合した1つもしくは複数の細胞を含有する組成物に由来し、1つもしくは複数の非細胞粒子を除去することによってさらに処理される。提供される態様のいずれかのある種の態様において、インプット組成物は、1つまたは複数の細胞、および1つまたは複数の細胞の表面上の巨大分子に結合することができる生体分子を含む1つまたは複数の非細胞粒子を含む細胞組成物に由来する。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、インプット組成物は、(1) 1つまたは複数の細胞を1つまたは複数の非細胞粒子と混合する段階; および(2) 細胞から1つまたは複数の非細胞粒子を除去する段階を含む方法によって産生される。提供される態様のいずれかの特定の態様において、インプット組成物は細胞組成物からの1つまたは複数の非細胞粒子の除去後に存在する残留非細胞粒子を含むか、もしくは含む可能性が高いか、またはそれを含みうる。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の粒子は、細胞の表面上の巨大分子に結合することができる1つまたは複数の生体分子を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、細胞の表面上の巨大分子に結合することができる1つまたは複数の生体分子を含む。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートすることは、界面活性剤および/または漂白剤とともにサンプルをインキュベートすることを含む。提供される態様のいずれかのある種の態様において、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートすることは、漂白剤を含む溶液とともにサンプルをインキュベートすることを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、漂白剤は塩素系の漂白剤である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、界面活性剤はTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、漂白剤を含む溶液は、界面活性剤をさらに含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤はTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、漂白剤は塩素系の漂白剤である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、サンプルは、濃度約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、もしくは8% (v/v)の漂白剤、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲での漂白剤とともにインキュベートされる。提供される態様のいずれかの特定の態様において、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートすることは、サンプルを漂白剤とともにインキュベートすることを含み、サンプルは濃度約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、もしくは8% (v/v)の漂白剤、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲での漂白剤とともにインキュベートされる。提供される態様のいずれかの特定の態様において、インキュベーションは、少なくとももしくは少なくとも約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、20分、もしくは30分間行われ; あるいはインキュベーションは30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、もしくは1分〜5分、または約30秒〜30分、約1分〜20分、約1分〜10分、もしくは約1分〜5分行われる。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、粒子はアウトプット組成物を磁場に曝露することによって濃縮される。提供される態様のいずれかのある種の態様において、濃縮はアウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、分析またはキャプチャする前に、本方法はアウトプット組成物をすすぐまたは洗浄する段階をさらに含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、分析の前に、本方法はアウトプット組成物を洗浄溶液ですすぐまたは洗浄する段階をさらに含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、洗浄溶液は界面活性剤を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、キャプチャする前に、本方法はアウトプット組成物を洗浄溶液ですすぐまたは洗浄する段階をさらに含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、洗浄溶液は界面活性剤を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄する段階は、1つまたは複数の非細胞粒子をペレット化することおよびアウトプット組成物のある量を除去することまたはある量を低減することを含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、界面活性剤はTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、界面活性剤はTween 20であるか、またはTween 20を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、サンプル中の細胞の濃度は、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×108細胞/mL、または少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mLである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物の量は、10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mLであるか、あるいは少なくとももしくは少なくとも約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、インプット組成物の少なくとも一部分のサンプル中の細胞の濃度は、少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×108細胞/mL、または少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mLである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物の量は、10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mLであるか、あるいは少なくとももしくは少なくとも約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物またはその一部分の量は、50 μL、60 μL、70 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または約50 μL、60 μL、70 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mLもしくは10 mLであるか、あるいは少なくとももしくは少なくとも約50 μL、60 μL、70 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物の量は、少なくとももしくは少なくとも約70 μLであるか、または70 μLもしくは約70 μLである。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、分析の前に、本方法は、サンプル中の1つまたは複数の細胞粒子を撹拌する条件の下でアウトプット組成物を混合する段階の1つまたは複数を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、本方法の1つまたは複数の段階中に、アウトプット組成物は処理中の表面上のサンプル保持を低減する条件の下で処理される。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズを含む。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、ビーズであるか、またはビーズを含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、0.001 μm超、0.01 μm超、0.1 μm超、1.0 μm超、10 μm超、50 μm超、100 μm超、または1000 μm超の直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、1.0 μm〜500 μm、1.0 μm〜150 μm、1.0 μm〜30 μm、1.0 μm〜10 μm、または1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、1.0 μm〜10 μmまたは1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、細胞組成物中の細胞の平均直径と実質的に同じであるか、または細胞組成物中の細胞の平均直径よりも5倍、4倍、3倍、2倍、もしくは1.5倍大きいもしくは小さい範囲内である直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の粒子は、リンパ球または抗原提示細胞と同じまたはほぼ同じサイズである直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、3.5 μm超もしくは約3.5 μm超、ただし約9 μm以下または約8 μm以下または約7 μm以下または約6 μm以下または約5 μm以下の直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、3.5 μm超もしくは約3.5 μm超、ただし約9 μm以下または約8 μm以下または約7 μm以下または約6 μm以下または約5 μm以下の直径または平均直径を有する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は4.5 μmまたは約4.5 μmの直径を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は4.5 μmまたは約4.5 μmの直径または平均直径を含む。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はコアを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は磁性コア、常磁性コアまたは超常磁性コアを含む。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は超常磁性コアを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、コアは、金属酸化物、フェライト、金属、ヘマタイト、金属合金、およびそれらの組み合わせから選択される。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は不活性である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はポリスチレン表面であるか、またはそれを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、ポリスチレン表面であるか、またはそれを含み、磁性または超常磁性コアを含む。提供される態様のいずれかのある種の態様において、ポリスチレン表面は自家蛍光性である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つもしくは複数の生体分子は抗体を含み、および/または1つもしくは複数の非細胞粒子の表面上に存在する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の生体分子は、1つまたは複数の非細胞粒子の表面上に存在するか、またはそれに付着される。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はビーズである。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は、サンプル中の1つもしくは複数の細胞を選択することができる選択剤であるか、またはサンプル中の1つもしくは複数の細胞を刺激することができる1つまたは複数の刺激剤である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は、サンプル中の1つまたは複数の細胞を刺激することができる1つまたは複数の刺激剤である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子は、抗体またはその抗原結合断片である。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の刺激剤は、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つまたは複数の刺激剤は、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する一次剤およびT細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤を含む。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、一次剤はCD3に特異的に結合し、および/または共刺激分子は、CD28、CD137 (4-1-BB)、OX40もしくはICOSからなる群より選択される。提供される態様のいずれかのある種の態様において、一次剤はCD3に特異的に結合し、ならびに/または共刺激分子は、CD28、CD137 (4-1-BB)、OX40およびICOSからなる群より選択される。提供される態様のいずれかの特定の態様において、一次剤は抗CD3であるかまたはそれを含み、二次剤は抗CD28であるかまたはそれを含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、一次剤は抗CD3抗体またはその抗原結合断片であるかまたはそれを含み、二次剤は抗CD28抗体またはその抗原結合断片であるかまたはそれを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の細胞は、10 μmと30 μmまたは約10 μmと30 μmの間の直径を有する。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つもしくは複数の細胞は動物細胞であるか、または細胞組成物は動物細胞を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つもしくは複数の細胞はヒト細胞であるか、または細胞組成物はヒト細胞を含む。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つもしくは複数の細胞は幹細胞であるか、または細胞組成物は幹細胞を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、幹細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、1つもしくは複数の細胞は免疫細胞であるか、または細胞組成物は免疫細胞を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、免疫細胞はT細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞または樹状細胞である。提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つまたは複数の細胞は、1つまたは複数の非細胞粒子と混合されており、非細胞粒子は、インキュベーションの前に細胞組成物中の細胞の刺激および/または活性化をもたらすための1つまたは複数の刺激剤を含む。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、細胞はT細胞であり、1つまたは複数の刺激剤は抗CD3抗体および/または抗CD28抗体もしくはその抗原結合断片である。提供される態様のいずれかの特定の態様において、細胞はT細胞であり、1つまたは複数の非細胞粒子は1つまたは複数の刺激剤を含むまたはそれに付着され、該1つまたは複数の刺激剤は抗CD3抗体もしくはその抗原結合断片および/または抗CD28抗体もしくはその抗原結合断片である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の細胞は1つまたは複数の非細胞粒子と混合されており、非細胞粒子はインキュベーションの前に細胞組成物からの細胞の選択、単離、または濃縮を行うために1つまたは複数の親和性試薬を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子はインキュベーションの前に細胞組成物からの細胞の選択、単離または濃縮を行うために1つまたは複数の親和性試薬を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、親和性試薬は、1つまたは複数の細胞上の細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む。提供される態様のいずれかの特定の態様において、細胞表面タンパク質は、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CD11a (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド、Delta様1/4、Jagged 1/2、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7およびCXCR3から選択される。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、インキュベーションは、約15℃〜30℃、18℃〜28℃または20℃〜25℃である温度で行われる。提供される態様のいずれかの特定の態様において、インキュベーションは、約23℃である温度で行われる。
細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器; 包装材料; ならびに本明細書において提供される方法または態様のいずれかによって粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書を含む、製造品が本明細書において提供される。
細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器; 包装材料; ならびに細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書を含む、製造品も本明細書において提供され、該使用説明書は、(a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである、段階; (b) アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を指定する。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、使用説明書は、アウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得することを含む蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析を指定する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、使用説明書は、アウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得することおよび蛍光顕微鏡写真から画像オブジェクトの蛍光強度を判定することを含む蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析を指定する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、使用説明書は、アウトプット組成物またはその一部分の明視野顕微鏡写真をさらに取得することを指定する。提供される態様のいずれかのある種の態様において、使用説明書は、アウトプット組成物の分析が、蛍光顕微鏡写真または明視野顕微鏡写真から画像オブジェクトのサイズ、面積、および/または真円度を判定することをさらに含むことを指定する。
細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器; 包装材料; ならびに細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書を含む、製造品が本明細書において提供され、該使用説明書は、(i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が蛍光分子を励起することができる、段階; (ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像である、段階; (iii) サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析する段階を指定し;ここでアウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下で、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生され、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器; 包装材料; ならびに細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書を含む製造品が本明細書において提供され、使用説明書は、(a) 1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである、段階; ならびに(b) アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階を指定する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
提供される態様のいずれかの特定の態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出するための作用物質を含まない。提供される態様のいずれかの特定の態様において、作用物質は、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができるか、あるいは使用説明書は、分析が、粒子を検出するための作用物質をアウトプット組成物に添加することを含まないことを指定する。提供される態様のいずれかの特定の態様において、作用物質は、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、使用説明書は、分析の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮されることをさらに指定する。提供される態様のいずれかの特定の態様において、使用説明書は、照射の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮されることをさらに指定する。提供される態様のいずれかのある種の態様において、使用説明書は、分析の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮されることをさらに指定する。
提供される態様のいずれかのある種の態様において、1つもしくは複数の非細胞粒子は自家蛍光性であり; および/または使用説明書は、自家蛍光性である非細胞粒子を含みうるサンプルまたは組成物に対して実行される段階をさらに指定する。提供される態様のいずれかのある種の態様において、使用説明書は、(i) 画像オブジェクトが0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9または少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9の真円度を含む場合; (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて5 μmと10 μmの間の直径を含む場合; および/または(iii) 画像オブジェクトが25 μm2と50 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトが非細胞粒子である、非細胞粒子の存在または非存在を検出するための段階を指定する。提供される態様のいずれかのある種の態様において、蛍光強度は平均蛍光強度(MFI)である。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、画像オブジェクトは対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、FIは対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい。
細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器、包装材料、ならびに細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書を含む、製造品が本明細書において提供され、該使用説明書は、本明細書において提供される方法のいずれかの段階を実行することを指定する。
本明細書において提供される製造品のいずれかにおいて、製造品はまた、上記の態様のいずれかにおいて非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法を実行する使用説明書を含む。
標的濃度(期待カウント)で測定されたビーズ濃度(実際のカウント)のプロットを示す。左上の方程式は、実際のカウントと期待カウントの間の直線関係を記載している。 各標的濃度(期待カウント)での残差値(実際のカウントから差し引かれた期待カウント)のプロットを示す。ドットの横線は残差値0を示す。 各標的濃度での期待ビーズカウントと比較した実際のビーズカウントのプロットを示す。ダイヤ形の記号は3つの実際のビーズカウントの平均を表し、バーは各標的濃度での平均の90%信頼区間を表す。 異なる実験日(1、2、3または8日目)に、異なる操作者(AまたはB)による、異なる標的濃度(濃度(conc))での、個々のバイアル(バイアル1〜3)からのビーズカウントの個々の測定結果を示す。横実線は、各濃度の平均ビーズカウントを示す。 2つの異なる方法によりスパイクされた細胞組成物におけるビーズカウントを比較する。図4A: 2つの方法の平均ビーズカウントに対してプロットされた、実施例1.Jに記載される方法1 (「自動蛍光法」)と方法2 (「手動法」)との間のビーズカウントの差異を示す。 2つの異なる方法によりスパイクされた細胞組成物におけるビーズカウントを比較する。図4B: 方法1および方法2によるビーズカウント間の変数誤差回帰を示す。 非スパイク細胞組成物における自動および手動ビーズカウントを比較する。図5A: それぞれ、自動および手動の方法に対する各標的濃度(期待カウント)での残差値(実際のカウントから差し引かれた期待カウント)のプロットを示す。ドットの横線は残差値0を示す。 非スパイク細胞組成物における自動および手動ビーズカウントを比較する。図5B: 自動および手動ビーズカウント間の変数誤差回帰を示す。
詳細な説明
本明細書において提供されるのは、細胞組成物のサンプル中の粒子の、数または濃度を含めて、存在または非存在を判定または評価するための方法である。いくつかの態様において、本方法は、細胞に会合する非細胞粒子(以後「粒子」、例えばビーズ粒子と呼ばれる)を含むまたは潜在的に含む細胞組成物のサンプルをインキュベートする段階を伴い、1回または複数回のインキュベーションがサンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な1つまたは複数の条件の下で行われる。いくつかの態様において、サンプルは、関心対象の細胞組成物の少なくとも一部分、または関心対象の細胞組成物に由来するサンプルを含む。いくつかの態様において、1回または複数回のインキュベーションによりアウトプット組成物が得られ、次いでこれを粒子(例えばビーズ粒子)の存在または非存在について測定または評価する。したがって、提供された方法では、アウトプット組成物(例えば、溶解方法後のサンプル)を評価して、サンプリングされた細胞組成物中の粒子の存在または非存在(例えば数または濃度)を判定する。場合によっては、提供される方法は、アウトプット組成物のサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の効率的かつ信頼性の高い検出を可能にし、それによってサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の可視化、検出および/または同定の正確性および信頼性を改善する。いくつかの態様において、アウトプット組成物中に存在する粒子の数は、粒子を可視化、検出、同定および/または定量化するための任意のいくつかの方法を用いて判定することができる。
いくつかの態様において、可視化、検出、同定および/または定量化は、自動化された形で、例えば、自動化されたおよび/または高速大量処理の方法を用いて行われる。いくつかの局面において、自動化された画像分析と一体になって自動化された高速大量処理の画像キャプチャにより、実験者のバイアスを最小限に抑えながら、費用と時間効率の高い形で、的確で正確なかつ一貫した結果で複数サンプル中の粒子の計数が可能とされる。いくつかの局面において、提供される態様は、自家蛍光ならびに一貫した形状およびサイズのような特定の特性を有する粒子(例えばビーズ粒子)に用いられる。いくつかの局面において、1つまたは複数の非細胞粒子は自家蛍光である。
いくつかの局面において、粒子(例えばビーズ粒子)の一貫した形状およびサイズにより、ビーズの自動検出および計数が可能とされる。いくつかの局面において、提供される態様は、粒子の染色または手動での検出および計数の必要なしに、サンプル中の粒子の数を判定するための迅速、的確かつ一貫した方法の利点を提供する。
いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)および細胞は、サイズ、形状および/または色の類似性のような、物理的類似性を示すことができる。場合によっては、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)と細胞との間の物理的類似性のために、粒子と混合された細胞を含む細胞組成物中の粒子含有量を評価することは困難でありうる。いくつかの局面において、細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を検出または判定するために、計数することが望まれる粒子からサンプル中の細胞を区別する方法を実施しなければならない。
場合によっては、サンプル中の、磁性ビーズ粒子のような、粒子を計数するいくつかの方法は、顕微鏡下での非溶解細胞サンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の可視化を含む。これは、粒子の茶色もしくは赤みがかった色、またはサンプル中の細胞から粒子を区別する他の物理的特徴のために可能である。本明細書において記載するある種のビーズ粒子のような、いくつかの粒子を用いる場合、粒子の少なくともいくつかはサンプル中の細胞と実質的に同じに見え、したがって粒子を計数することが実行不可能であるため、この可視化は可能ではない。さらに、本明細書において提供されるような、濃縮細胞/粒子サンプルでは、細胞の数は粒子の数よりはるかに多く、粒子の正確な計数をさらに困難にする。さらに、実験者のバラツキにより、手動での粒子の可視化および計数は時間がかかり、一貫性のないことがある。
場合によっては、粒子を可視化または検出する方法は、溶液中の細胞を溶解または損傷する方法のような、サンプルから無傷の細胞を除去することを必要とし、それによってサンプル中の個々の粒子を可視化しやすくするために無傷の粒子だけを残す。いくつかの局面において、提供される態様は、例えば、化学的(例えば界面活性剤または漂白剤)、熱的および物理的溶解方法による、種々の溶解方法を用いた細胞の溶解を可能にする。いくつかの局面において、溶解方法における漂白剤の使用は、無傷の細胞および/または大きな細胞残屑が非細胞粒子を不明瞭にせず、粒子の的確な計数を困難にしないような、より良好な細胞溶解を可能にする。いくつかの局面において、溶解方法における界面活性剤の使用は、細胞残屑が互いに付着または凝集しないような、より良好な細胞溶解および細胞残屑の分離を可能にする。具体的には、タンパク質(例えばBSA)系の界面活性剤とは対照的に、tween系の界面活性剤のような、界面活性剤の使用は、細胞および細胞残屑の効果的な分離を提供する。互いに付着または凝集する細胞または細胞残屑は、自家蛍光を発し、非細胞粒子を不明瞭にし、および/またはサイズが非細胞粒子と類似し、さらに粒子の的確な計数を困難にしうる。
いくつかの局面において、提供される態様は、溶解方法によって損傷または破壊されない粒子(例えばビーズ粒子)を計数するのに適しており、例えば、粒子の表面またはコートは溶解段階への曝露後に無傷である。いくつかの局面において、溶解の方法は、粒子(例えばビーズ粒子)の完全性に干渉または影響しない。いくつかの局面において、細胞残屑を除去するためにさらなる溶解および/またはすすぎを含むことができる1つまたは複数のさらなるインキュベーションを行い、それにより残存しているいかなる細胞残屑も粒子(例えばビーズ粒子)とは十分に違わせて、的確な粒子可視化および計数を可能にすることができる。いくつかの局面において、細胞残屑を除去するためにさらなる溶解および/または1つもしくは複数のすすぎもしくは洗浄を含むことができる1つまたは複数のさらなるインキュベーションを行い、それにより残存しているいかなる細胞残屑も粒子(例えばビーズ粒子)とは十分に違わせて、的確な粒子可視化および計数を可能にすることができる。
本方法の1つまたは複数の他の特徴はまた、細胞組成物サンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)を計数するための既存の方法に比べて利点を供与する。いくつかの局面において、本方法は、粒子から細胞残屑をさらに除去するために、粒子の少なくとも2つのすすぎまたは洗浄段階を含むことができる。いくつかの局面において、本方法は、細胞組成物および/またはアウトプット組成物を混合または撹拌、例えばボルテックスする段階を含む。細胞組成物を混合または撹拌、例えばボルテックスすることで、細胞の溶解が改善される。場合によっては、細胞の溶解後にアウトプット組成物を混合または撹拌、例えばボルテックスすることで、サンプルチューブ内のより多くの粒子がサンプル溶液中に捕捉され計数されることが確実とされ、および/または個々の粒子をより簡単に計数できるようにそのような粒子が一緒に凝集されないことが確実とされる。いくつかの局面において、分析されるサンプルは、少なくとも50 μLの量を含み、自動化された方法による粒子の計数を可能にする。手動での粒子計数の方法(例えば血球計による)は、分析できるサンプル量が限られる。いくつかの局面において、自動化された方法によって分析されるサンプルは、手動での方法によって分析されるサンプルよりも多くの量を含み、粒子の、より的確な列挙を確実にする。いくつかの局面において、本方法は、ローリテンションピペットチップの使用を伴う。ローリテンションピペットチップは、標準のピペットチップよりも少ない粒子を保持し、それによってアウトプット組成物中の残留粒子の計数精度を向上させる。
本明細書に開示される方法は、粒子の完全性を保持し、光学顕微鏡法、抗体に基づく方法、または他の方法のような、代替技法を用いた定量化に粒子を適合させることができる。
したがって、本明細書において提供されるのは、粒子および細胞の混合物を含む細胞組成物中の粒子の存在または非存在を評価するための方法である。そのような方法は、自動化および/または高速大量処理の形で一貫した粒子の計数を維持しながら、細胞の溶解およびサンプル中の細胞材料の除去を可能にする。本方法は同様に、的確で正確なかつ一貫した測定を提供し、染色または手動でのカウンティングを必要としない。それゆえ、提供される方法によって得られた粒子は、サンプリングされた細胞組成物中の粒子の存在または非存在を評価するための測定に適している。例えば、提供される方法を実施するための試薬または成分を含有する、本方法で用いるための製造品およびキットも提供される。
本出願において言及される特許文書、科学論文およびデータベースを含む、全ての刊行物は、あたかも各個々の刊行物が個別に参照により組み入れられるのと同程度に、全ての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において記載される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、公開出願および他の刊行物に記載の定義と相反する、またはそうでなければ矛盾する場合、本明細書において記載される定義は、参照により本明細書に組み入れられる定義より優先する。
本明細書において用いられるセクションの見出しは、編成目的のためだけであり、記載されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
I. 粒子、例えばビーズ粒子を評価するための方法および試薬
ビーズ粒子のような、粒子を評価するための方法も本明細書において提供される。いくつかの態様において、提供される方法は、1つまたは複数の非細胞粒子(例えばビーズ粒子)を含むまたは潜在的に含むことが知られているサンプル中の、ビーズ粒子のような、粒子の存在または非存在を検出するために用いられる。いくつかの態様において、サンプルは細胞組成物の少なくとも一部を含むか、または細胞組成物に由来する。本方法の局面において、サンプルは、複数の細胞を含むサンプルであり、この複数の細胞は1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)と会合し、または会合しうる。いくつかの態様において、提供される方法は、サンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を計数または判定するために用いることができる。
いくつかの態様において、サンプルは細胞組成物の少なくとも一部分を含むか、または細胞組成物に由来する。いくつかの局面において、細胞組成物は、養子細胞療法のために対象に投与するための組み換え受容体を発現するように操作された細胞、例えばT細胞を含むことができる。いくつかの局面において、操作された細胞は、細胞組成物中の特定の細胞の刺激および/または濃縮のために細胞とビーズ粒子とのインキュベーションを伴うプロセスを用いて作製することができる。いくつかの局面において、プロセスは、インキュベーション後のビーズ粒子の除去も伴う。いくつかの局面において、提供される自動化された方法は、除去段階の後にサンプル中に残るビーズのような、細胞組成物中に存在する残留ビーズを計数するために用いることができる。場合によっては、提供される方法は、ビーズ粒子の除去の効率を判定するために、およびビーズ粒子の不完全な除去に起因しうる有害または有毒な作用を低減するために用いることができる。
いくつかの態様において、提供される方法は、サンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な1つまたは複数の条件の下で複数の細胞を含むサンプルをインキュベートまたは接触させる段階、ならびに細胞の溶解が行われた後のサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を、自動システムによって判定する段階を伴う。いくつかの態様において、溶解は化学的(例えば漂白剤または界面活性剤)、熱的溶解、物理的溶解、(例えば低張溶液の存在による)浸透圧溶解および/または(例えば高張溶液の存在による)原形質分離であるかまたはそれらを含む。界面活性剤または漂白剤との1回または複数回のインキュベーションによるような、本明細書において記載する方法による溶解後のサンプルは、「アウトプット組成物」ともいわれる。非限定的な例として、アウトプット組成物は、サンプルの1回または複数回のインキュベーションから生じる溶解細胞組成物であることができ、サンプルの1回または複数回のインキュベーションは、サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件下にあり、それによってアウトプット組成物を産生する。別の非限定的な例として、アウトプット組成物は、溶解細胞組成物を産生するためのサンプルの1回または複数回のインキュベーションから生じる組成物であることができ、溶解細胞組成物は細胞残屑を低減または除去するための1回または複数回のインキュベーションにさらに供され、それによりアウトプット組成物を産生する。いくつかの態様において、1つまたは複数の溶解および/またはインキュベーション条件は、それらがサンプル中の無傷の粒子の存在を妨害もしくは除去しない、または実質的に妨害もしくは除去しないようなものであり、その結果、一般に、アウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度は溶解前のサンプル中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度と同じであり、または実質的に同じである。
いくつかの態様において、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法は、(a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が(例えば以下のセクションIII.Bに記載された細胞組成物のような) 1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに(b) アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を含む。
いくつかの態様において、粒子の存在または非存在を検出するための方法は、アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を含み、ここでアウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下で、細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される。
いくつかの態様において、本方法は、(a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が(例えば以下のセクションIII.Aに記載されたものなどの)細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに(b) アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を含むことができる。
いくつかの態様において、本方法は、(a) アウトプット組成物を産生するために1回または複数回のインキュベーションを行う段階であって、段階(a)における1回または複数回のインキュベーションが、(i) サンプル中の1つまたは複数の細胞の溶解を誘導するのに十分な1つまたは複数の条件(例えば漂白剤または界面活性剤)の下で(例えば以下のセクションIII.Bに記載された細胞組成物のような)粒子を含むまたは潜在的に含むインプット組成物のサンプルをインキュベートし、それによってアウトプット組成物を産生することを含む、段階; ならびに(b) アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物中の非細胞粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階を含むことができる。
記載された方法のいずれかの特定の局面において、蛍光イメージングは、サンプル中の1つまたは複数の非細胞粒子(例えばビーズ)の自家蛍光を検出することができる。
いくつかの態様において、粒子の存在、非存在、数および/または濃度を分析する段階および/または判定する段階は、自動化されたおよび/または高速大量処理の方法、例えば、自動化された高速大量処理の画像キャプチャおよび/または自動化された画像分析によって実行することができる。
いくつかの態様において、本方法は、(i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が粒子の蛍光シグナル、例えば自家蛍光を励起するまたは引き起こすことができる、段階; (ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像である、段階; (iii) サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析する段階を伴い、ここでアウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下で、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される。いくつかの態様において、光源は自家蛍光を励起することができるか、または励起する。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。いくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
いくつかの態様において、本方法は、(a) 1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに(b) アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階を伴う。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。いくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
いくつかの態様において、本方法は、アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、該1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階を伴い、ここでアウトプット組成物は、細胞の溶解を誘導する条件の下で、細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。いくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
特定の態様において、蛍光検出は粒子、例えばビーズ粒子の自家蛍光特性に基づく。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出するための作用物質を含まず、任意で、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含む、または検出可能なシグナルを生成することができる、粒子を検出するための作用物質を含まない。提供される方法のいくつかの態様において、分析は、粒子を検出するための作用物質をアウトプット組成物に添加することを含まず、任意で、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含む、または検出可能なシグナルを生成することができる、粒子を検出するための作用物質を含まない。
いくつかの態様において、界面活性剤および/または漂白剤の存在下などでの、溶解は、細胞残屑を含む、および/または例えば、細胞からの脂質、DNAおよび他の分子の放出により粘着性でありうる溶解された組成物をもたらしうる。したがって、いくつかの態様において、細胞を界面活性剤および/または漂白剤とインキュベートまたは接触させた後に、本方法は一般に、粒子(例えばビーズ粒子)の数、存在または濃度を検出する能力に影響を与えうる細胞残屑または他の成分を除去するために、少なくとも1つのさらなる段階を含む。いくつかの態様において、細胞を界面活性剤および/または漂白剤とインキュベートまたは接触させた後に、本方法は一般に、磁場へのアウトプット組成物の曝露によるような、非細胞粒子(例えばビーズ粒子)を濃縮する少なくとも1つのさらなる段階を含む。いくつかの態様において、さらなる段階は、アウトプット組成物(これは溶解された細胞組成物であることができる)の超音波処理、すすぎもしくは洗浄、溶解された細胞組成物と洗浄用の溶液もしくは緩衝液とのインキュベーションもしくはさらなるインキュベーションまたはアウトプット組成物中の細胞残屑を低減、減少もしくは除去し、濃縮されたアウトプット組成物をもたらす他の方法を含むことができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物、例えば、濃縮されたアウトプット組成物を作製するための方法は、非細胞粒子(例えばビーズ粒子)を損傷しない。いくつかの態様において、分析または照射の前に、アウトプット組成物は1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。
いくつかの態様において、アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の数を判定する段階は、そのような粒子を可視化、検出でき、および/または存在、非存在、数もしくは濃度を判定できる任意の方法によることができる。いくつかの態様において、そのような方法は、顕微鏡法(例えば、蛍光および/または明視野顕微鏡法)、フローサイトメトリーおよび蛍光活性化細胞選別(FACS)、ならびに他の方法を含むことができる。いくつかの態様において、粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階は、自動化されたおよび/または高速大量処理の方法、例えば、自動化された高速大量処理の画像キャプチャおよび/または自動化された画像分析によって実行することができる。いくつかの態様において、自動化されたおよび/または高速大量処理の方法によって粒子(例えばビーズ粒子)を評価、検出または同定する能力は、より信頼できる結果をもたらすことができ、場合によっては、血球計を用いるような、手動の可視化方法と比べてほんのわずかな時間または労力で行うことができる。
いくつかの態様において、提供される溶解方法は細胞を選択的に溶解し、それによって非細胞粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)に有害な構造的または物理的損傷をもたらさない。場合によっては、提供される方法は、抗体試薬または他の結合剤のような、親和性に基づく試薬を用いて粒子(例えばビーズ粒子)に会合した親和性試薬の検出または同定を可能にする。
いくつかの態様において、本方法は、細胞組成物に由来する細胞のサンプル、または細胞組成物の少なくとも一部分を含む細胞のサンプルに対して行われる。いくつかの態様において、細胞組成物は、少なくとも1つの粒子(例えばビーズ粒子)が、少なくとも1つの細胞を有する組成物中に依然として存在するか、または潜在的に存在する(例えば除去段階後の残留粒子)組成物のような、少なくとも1つの粒子(例えばビーズ粒子)と特異的に会合したまたは会合していた少なくとも1つの細胞を含む組成物を産生するまたは潜在的に産生する少なくとも1つの粒子(例えばビーズ粒子)の存在下で少なくとも1つの処理段階を受けたものである。いくつかの態様において、処理段階は、細胞の集団またはサンプル中の少なくとも1つの細胞の濃縮、分離、選択、単離、刺激、活性化、および/または拡張のうちの1つまたは複数であるかまたはそれらを含む。
いくつかの態様において、細胞組成物は、少なくとも1つの粒子(例えばビーズ粒子)が、少なくとも1つの細胞を有する組成物中に依然として存在するか、または潜在的に存在する(例えば除去段階後の残留粒子)組成物のような、細胞療法で用いるために意図したものであり、細胞療法組成物は、細胞組成物中の1つまたは複数の細胞に会合するまたは会合していた、あるいは1つまたは複数の細胞と同じ組成物中に含まれる1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むまたは潜在的に含む。一例として、免疫細胞(例えばT細胞)を利用する養子細胞療法は、がんおよび他の疾患または状態の処置に用いられる。場合によっては、養子免疫伝達において用いられる免疫細胞(例えばT細胞)は血液または組織部位から得られ、その後、対象への再導入の前に疾患または状態に関連する標的抗原に結合する組み換え受容体で操作される。一般に、そのような方法は、さまざまなタイプの親和性に基づく粒子試薬を用いた細胞の選択、単離、活性化および/または拡張を伴う。例えば、T細胞を活性化するためのT細胞共受容体として働く多量体タンパク質複合体であるCD3に対する抗体の使用は、抗CD28抗体を用いることによるような、共刺激シグナルとともにT細胞の拡張のためのエクスビボT細胞増殖方法において一般的に用いられる。抗CD3抗体および抗CD28抗体が表面(例えばビーズ粒子)に固定化されると、それらはT細胞増殖を増加させるために増殖シグナルおよび共刺激シグナルを同時に送達する。Li et al. (2010) J Transl Med., 8:104を参照されたい。
少なくとも1つのそのような粒子に会合する、または少なくとも1つのそのような粒子とともに同じ組成物中に存在している細胞をもたらしうるまたは潜在的にもたらしうる、ミクロスフェアまたはビーズ粒子のような、粒子の存在下で細胞を処理する例示的な方法は、セクションIIIに記載されている。ある種の方法の場合、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化および/または刺激におけるような、さまざまな方法で用いるための親和性試薬(例えば抗体)の固定化表面として用いられる。例えば、そのような抗体でコーティングされた粒子は、注入によるような、その後の対象への送達のために機能的T細胞を拡張させるための試薬として用いられてきた。
いくつかの態様において、T細胞の刺激および拡張に用いられる粒子は通常一様に円形であり、細胞とほぼ同じサイズを有する。これらの粒子特徴は、T細胞養子療法のような細胞養子療法の作製および安全性のいくつかの不都合をもたらしうる。例えば、粒子とそれらがインキュベートされた細胞との間のサイズの類似性のために、細胞集団および粒子を含む細胞組成物からの粒子の完全な除去は重要な課題である。粒子除去プロセス後に細胞組成物中に取り残される残留粒子の実際の数は、細胞養子療法中に個体における投与のために後に用いられる細胞組成物中に取り残される刺激粒子の毒性作用のリスクを評価する際に考慮すべき重要な因子である。いくつかの態様において、細胞からの分離後に粒子(例えば磁性ビーズを含む、ビーズ粒子)を除去するプロセスは、残留粒子を含みうる細胞組成物をもたらすことができる。例えば、細胞(例えばT細胞)の選択、濃縮および/または刺激のために磁性ビーズが利用される場合、粒子の除去は細胞/ビーズ溶液を磁石上に通過させることを必要とすることが多い。このプロセスは、細胞(例えばT細胞)とともに残る粒子の量を大幅に減らすことができるが、粒子を完全に排除するわけではない。不完全なビーズ除去によって、一部の粒子が患者に注入される可能性があり、それが毒性作用を引き起こす可能性がある。したがって、細胞療法を意図したそのような細胞組成物中に存在する非細胞粒子(例えばビーズ粒子)の存在または非存在を正確に、確実におよび/または効率的に判定または評価できることが必要である。
いくつかの態様において、サンプル中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定した後に、本方法は、細胞組成物中に存在する細胞の数を計算または判定する段階をさらに含む。したがって、いくつかの局面において、本方法は、サンプルが得られたまたは導出された、より大きな細胞組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度に関する情報を提供することができる。場合によっては、本方法は、養子細胞療法に関連するような、細胞組成物が細胞療法としての投与に適しているかどうかを判定または評価するために用いることができる。
いくつかの態様において、提供される方法は、溶解方法後のサンプル(例えば濃縮されたアウトプット組成物のような、アウトプット組成物)中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の高い一貫したおよび/または反復可能な計数をもたらす。
いくつかの態様において、提供される方法は、蛍光イメージングによる粒子の検出および分析に十分な、粒子の完全性を保持する粒子をもたらす。いくつかの態様において、溶解方法後のサンプル中の(例えば、濃縮されたアウトプット組成物のような、アウトプット組成物中などの)分解または損傷した表面を有しない無傷の粒子(例えば無傷のミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数は、溶解前のサンプル中の粒子の総数および/または予想される粒子数と比較して10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、もしくは85%超であり、または約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、もしくは85%超である。いくつかの態様において、溶解方法後のサンプル(例えば、濃縮されたアウトプット組成物のような、アウトプット組成物)中の分解または損傷した表面を有しない無傷の粒子(例えば無傷のミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数は、溶解前のサンプル中の粒子の総数および/または予想される粒子数と比較して85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%超である。いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数は、一般に40%〜100%または約40%〜100%であり、例えば一般に40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%超である。
いくつかの態様において、蛍光イメージングの自動化および/または高速大量処理分析によって、提供される方法は、他の方法と比較してサンプルまたは細胞組成物中の粒子を検出または評価するうえで改善されたまたはより高い精度をもたらす。いくつかの態様において、本方法はサンプル中の実質的に全てのまたは全ての細胞の溶解、および任意で残留細胞残屑の除去をもたらすので、細胞が粒子として計数または同定される偽陽性の可能性が低減されるかまたはより低い。いくつかの態様において、本方法は粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面に損傷を与えないので、一貫かつ正確な形でコンピュータにより実現される画像分析を用いて粒子の画像のサイズ、面積および/または真円度を検出することができる。いくつかの態様において、本方法は粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面に損傷を与えないので、粒子を検出または同定するための方法を確実に利用し、それによって偽陰性を低減または最小化することができる。
いくつかの態様において、検出または計数の精度(例えば、一連の測定間の一致の近さ)は一般に、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超であり、または約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超である。いくつかの態様において、検出または計数の精度(例えば、一連の測定間の一致の近さ)は一般に、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超である。いくつかの態様において、細胞サンプルまたは細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を検出するまたは計数する精度は一般に、95%〜100%または約95%〜100%であり、例えば一般に97%、98%または99%超である。いくつかの態様において、提供される方法による細胞サンプルまたは細胞組成物からの粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の検出または計数の精度は、手動での検出および計数を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)改善される。いくつかの態様において、変動係数(CV)は、手動での検出および計数を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)低減される。
いくつかの態様において、検出または計数の精度(例えば、真値/許容される参照値と本方法によって判定された値との間の一致の近さ)は一般に、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超であり、または約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超である。いくつかの態様において、検出または計数の精度(例えば、真値/許容される参照値と本方法によって判定された値との間の一致の近さ)は一般に、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超である。いくつかの態様において、回収率(%回収)は一般に、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超である。いくつかの態様において、細胞サンプルもしくは細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアもしくはビーズ粒子)を検出するもしくは計数する精度または回収率は一般に、95%〜100%または約95%〜100%であり、例えば一般に97%、98%または99%超である。いくつかの態様において、提供される方法による細胞サンプルまたは細胞組成物からの粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の検出または計数の精度は、手動での検出および計数を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)改善される。
いくつかの態様において、検出または計数の特異性(例えば他の成分の存在下で特定の分析物を特異的に分離する能力)は一般に、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超であり、または約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%もしくは85%超である。いくつかの態様において、検出または計数の特異性(例えば他の成分の存在下で特定の分析物を特異的に分離する能力)は一般に、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超であり、または約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%超である。いくつかの態様において、細胞サンプルまたは細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を検出するまたは計数する特異性は一般に、95%〜100%または約95%〜100%であり、例えば一般に97%、98%または99%超である。いくつかの態様において、提供される方法による細胞サンプルまたは細胞組成物からの粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の検出または計数の特異性は、手動での検出および計数を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)改善される。
いくつかの態様において、決定係数(R2)によって表されるような、検出または計数の線形性(例えば、サンプル中の分析物の濃度(量)に正比例する試験結果を得る能力(所与の範囲内))は一般に、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80もしくは0.85超であり、または約0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80もしくは0.85超である。いくつかの態様において、決定係数(R2)によって表されるような、検出または計数の線形性(例えば、サンプル中の分析物の濃度(量)に正比例する試験結果を得る能力(所与の範囲内))は一般に、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99もしくは1.00超であり、または約0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99もしくは1.00超である。いくつかの態様において、決定係数(R2)によって表されるような、細胞サンプルまたは細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を検出するまたは計数する線形性は一般に、0.95〜1.00または約0.95〜1.00であり、例えば一般に0.97、0.98、0.99または1.00超である。いくつかの態様において、提供される方法による細胞サンプルまたは細胞組成物からの粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の検出または計数の線形性は、手動での検出および計数を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)改善される。
いくつかの態様において、本方法の範囲、許容される正確さおよび精度での検出および/または計数の範囲の制限は、治療用組成物、例えば、養子細胞療法のための操作された細胞を含む治療用組成物中の残留ビーズの数を検出するために必要な制限内にある。いくつかの態様において、提供される方法による細胞サンプルまたは細胞組成物からの粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の検出または計数の範囲は、手動での検出および計数を伴う他の方法のような、粒子を計数するために公知または利用可能な他の方法と比較して(例えば少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれ以上だけ)改善される。
いくつかの態様において、本方法は、細胞組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が、所望の閾値もしくは所定の値を超えるまたは超えないなどの、許容水準または範囲内であるかどうかを評価または判定するために用いることができる。例えば、細胞サンプルまたは組成物のある種の用途または使用の場合、細胞組成物中に存在する多数の粒子(例えばミクロスフェアまたは粒子)を有することは望ましくないかもしれない。場合によっては、生分解性非細胞粒子が利用される場合でさえ、疾患または状態を処置するために対象へ投与するための細胞療法に用いられる細胞組成物中のそのような粒子の程度、数または存在をモニターまたは判定することが必要でありうる。いくつかの局面において、細胞療法のための細胞組成物は、典型的には、細胞3×106個あたり100個以下の粒子(例えばミクロスフェアもしくはビーズ粒子)、細胞3×106個あたり75個以下の粒子、または細胞3×106個あたり50個以下の粒子を含む。いくつかの局面において、細胞療法のための細胞組成物は、典型的には、1 mLあたり200個以下の粒子、1 mLあたり250個以下の粒子、1 mLあたり300個以下の粒子、1 mLあたり400個以下の粒子、1 mLあたり500個以下の粒子、1 mLあたり1000個以下の粒子、1 mLあたり2000個以下の粒子、または1 mLあたり2500個以下の粒子を含む。
いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が細胞組成物の特定の用途のための所定値または閾値より大きいと本方法によって判定される場合、細胞組成物は、粒子(例えば、ミクロスフェアまたはビーズ粒子)の数を除去または低減するためにさらに処理されてもよく、および/またはそのような用途(例えば細胞療法)で用いるために発売または認証されない。いくつかの態様において、非細胞粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度が特定の用途のための閾値または所定値を満たすまたは下回ると本方法によって判定される場合、細胞組成物はそのような用途(例えば細胞療法)で用いるために発売または認証されることができる。いくつかの態様において、例えば、サンプル処理中に一定量の粒子が失われると疑われるまたは分かっている場合、閾値は、既知のまたは疑われるビーズ損失を担うように設定することができる。
II. インキュベーション、細胞溶解、および粒子の検出
ビーズ粒子のような、粒子の存在、非存在、数、量、または濃度を検出するために本明細書において提供される方法は、1つもしくは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むことが分かっているまたは潜在的に含むサンプル中の細胞を溶解する1つまたは複数の段階を含む。いくつかの態様において、サンプルは、粒子、例えばビーズ粒子を含むまたは潜在的に含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むか、および/またはインプット組成物に由来する。
特定の態様において、本明細書において提供される方法は、例えば、アウトプット組成物、例えば、インプット組成物の少なくとも一部分を含むか、またはインプット組成物に由来するサンプルを細胞の溶解のための条件下でインキュベートすることにより作製された、インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプル、またはインプット組成物に由来するサンプル中の細胞の溶解から生じる組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定することによって、細胞組成物中に存在する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定するための1つまたは複数の段階を含む。いくつかの局面において、アウトプット組成物はさらに濃縮または処理され、例えば、濃縮されたアウトプット組成物を結果的に生じる。ある種の態様において、本明細書において提供される方法は、1つもしくは複数の粒子(例えばビーズ粒子)を含むことが分かっているまたは潜在的に含む組成物、例えばインプット組成物からの細胞を溶解する1つまたは複数の段階およびサンプル中の粒子の存在、非存在、数、量、または濃度を検出する段階を含む。
A. インキュベーションおよび細胞溶解
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法で用いられるサンプルは、インプット組成物の少なくとも一部分を含むか、またはインプット組成物に由来し、インプット組成物は1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む。いくつかの態様において、サンプルのインキュベーションは、サンプル中の細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件下である。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、溶解に供されたならびに/またはサンプルおよび/もしくはインプット組成物中の細胞の溶解を誘導する条件下でインキュベートされた組成物、例えばサンプルおよび/またはインプット組成物である。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、濃縮、分離および/または洗浄にさらに供されて、濃縮されたアウトプット組成物を結果的に生じる組成物を含むことができる。いくつかの局面において、アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物は、本明細書において提供される方法を用いて分析される。
いくつかの態様において、粒子(例えば本明細書のセクションIIIに記載された細胞組成物のような)を含むもしくは潜在的に含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはそのようなインプット組成物に由来するサンプル中の細胞は、サンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件(例えば1つまたは複数の条件)に細胞を曝露するために混合、インキュベート、接触または再懸濁される。いくつかの態様において、細胞のサンプルは細胞の懸濁液として提供され、本方法は細胞の溶解を誘導する1つまたは複数の条件に細胞の懸濁液を供する段階を含む。いくつかの態様において、溶解方法は、例えば自動化または高速大量処理分析を用いて、粒子を容易に同定、可視化および/または検出できるように、粒子を無傷に維持するものである。いくつかの態様において、溶解方法は、コーティングまたは粒子の表面を破壊せず、これが、場合によっては、その検出を容易にすることができる。いくつかの局面において、細胞溶解のための公知の方法を用いることができる。いくつかの態様において、分析の前に、アウトプット組成物は1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出するための作用物質であって、任意で検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる、該作用物質を含まないか、あるいは分析は、粒子を検出するための作用物質であって、任意で検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる、該作用物質をアウトプット組成物に添加する段階を含まない。
いくつかの態様において、サンプル(またはサンプルが由来するインプット組成物)は、操作された細胞のような、細胞を含む。いくつかの態様において、サンプルまたはインプット組成物中の細胞の濃度は、少なくとももしくは少なくとも約2×105個の細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105個の細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106個の細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106個の細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×107個の細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×107個の細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×108個の細胞/mLまたは少なくとももしくは少なくとも約5×107個の細胞/mLである。いくつかの局面において、溶解のための条件は、記載された細胞濃度のいずれかを含むサンプル中の全てまたは実質的に全ての細胞の溶解を誘導するのに十分である。
1. 漂白剤および/または界面活性剤による溶解
いくつかの態様において、サンプルはサンプル中の細胞の溶解を誘導するのに十分な条件でインキュベートされ、条件は、細胞を溶解することができる作用物質、例えば、1つもしくは複数の漂白剤および/または1つもしくは複数の表面活性物質、例えば界面活性剤とのインキュベーションを含む。いくつかの局面において、サンプルは、1つまたは複数の漂白剤を含む溶液とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、サンプルは、1つまたは複数の表面活性物質、例えば界面活性剤を含む溶液とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、サンプルは、漂白剤と表面活性物質、例えば界面活性剤の両方を含む溶液とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、サンプル中の細胞は、漂白剤および/または界面活性剤を用いる公知の細胞溶解方法を用いて溶解される。
いくつかの態様において、サンプルは、界面活性剤のような、1つまたは複数の表面活性物質とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、1つまたは複数の界面活性剤はTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOから選択される。いくつかの態様において、界面活性剤はポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル(Triton X-100(登録商標))、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体(Pluronic(登録商標) F-68)、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール) (Pluronic(登録商標) L-121)、ポロキサマー407 (Pluronic(登録商標) F127)、および/またはポリエチレングリコールドデシルエーテル(Brij(登録商標) 35)の1つまたは複数である。
いくつかの態様において、サンプルは、少なくともまたは少なくとも約0.001%、0.002%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.035%、0.04%、0.045%、0.05%、0.055%、0.06%、0.065%、0.07%、0.075%、0.08%、0.085%、0.09%、0.095%、0.10%、0.2%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%もしくは1%またはそれ以上の終濃度(w/v)での界面活性剤とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、サンプルは、それぞれを含めて、0.001%〜0.5%、0.001%〜0.1%、0.001%〜0.075%、0.001%〜0.05%、0.001%〜0.01%、0.001%〜0.005%、0.005%〜0.5%、0.005%〜0.1%、0.005%〜0.075%、0.005%〜0.05%、0.005%〜0.01%、0.01%〜0.5%、0.01%〜0.1%、0.01%〜0.075%、0.01%〜0.05%、0.05%〜0.01%、0.05%〜0.075%および0.075%〜0.5%の終濃度(w/v)での界面活性剤とともにインキュベートされる。
いくつかの態様において、サンプルは、1つまたは複数の漂白剤とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、漂白剤は、塩素系の漂白剤、過酸化物系の漂白剤、還元性の漂白剤および/または混合性(miscellaneous)の漂白剤である。いくつかの態様において、漂白剤は過酸化物系の漂白剤である。いくつかの態様において、漂白剤は過酸化水素、有機過酸化物、過炭酸ナトリウムまたはホウ酸ナトリウムの1つまたは複数である。いくつかの態様において、漂白剤は亜ジチオン酸ナトリウムまたはヒドロ亜硫酸ナトリウムのような、還元性の漂白剤である。
いくつかの態様において、漂白剤は塩素系の漂白剤である。いくつかの局面において、漂白剤は、次亜塩素酸塩、塩素または二酸化塩素を含む塩素系の漂白剤である。いくつかの態様において、漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムである。いくつかの態様において、サンプルは、漂白剤終濃度約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、6%、7%もしくは8% (v/v)の漂白剤、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲での漂白剤とともにインキュベートされる。
いくつかの態様において、サンプルは、サンプルの量の、約1/10、1/8、1/5、1/4、1/3もしくは1/2、または前記の値のいずれかによって定義される範囲の量での、濃縮されたまたは希釈されていない漂白剤溶液とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、サンプルの量に対する濃縮されたまたは希釈されていない漂白剤溶液の量は、10:1〜10:1、または約10:1〜約10:1 (もしくは約1:10超かつ約10:1未満)、5:1〜5:1、または約5:1〜約5:1 (もしくは約1:5超かつ約5:1未満)、または1:3〜3:1、または約1:3〜約3:1 (もしくは約1:3超かつ約3:1未満)、例えば2:1〜1:5、または約2:1〜約1:5 (もしくは約1:5超かつ約2:1未満、例えば10:1; 5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1.1:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9: 1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、もしくは1:10、またはおよそこれらの比である。いくつかの局面において、許容される差異は、所望の比率の約1%、約2%、約3%、約4%約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%内であり、これらの範囲内の任意の値を含む。
いくつかの態様において、インキュベーションは、約30秒〜約5時間、例えば1分〜30分、1分〜15分または1分〜5分行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、少なくともまたは少なくとも約1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分または30分間行われる。いくつかの態様において、インキュベーション中に、細胞を溶解のための作用物質、例えば漂白剤および/または界面活性剤と混合するために、細胞を混合または穏やかに振盪することができる。
いくつかの態様において、インキュベーションは0℃〜50℃または約0℃〜50℃の温度で行われる。いくつかの態様において、温度は、冷蔵温度(例えば2℃〜8℃)、周囲温度(例えば、16℃〜25℃)または生理学的温度(例えば35℃〜38℃)に関連する特定の範囲であることができる。いくつかの態様において、温度は、約15℃〜約30℃、約18℃〜約28℃または約20℃〜約25℃である。いくつかの態様において、温度は少なくとも4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありまたは少なくとも約4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありあるいは4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃でありまたは約4℃±2℃、23℃±0.2℃、25℃±2℃もしくは37℃±2℃である。
2.浸透圧溶解
場合によっては、1つまたは複数の条件はサンプル中の細胞の浸透圧溶解を誘導する。いくつかの態様において、本方法は、細胞内の浸透圧の変化を生み出す1つまたは複数の条件と1つまたは複数の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を含むまたは含みうる細胞のサンプルを混合、インキュベート、曝露、接触または再懸濁し、サンプル中の相当数の細胞が溶解するように水を細胞内に移動させる浸透圧不均衡を生じさせる段階を伴う。細胞内の浸透圧に変化を生じさせるために、種々の公知の技法を用いることができる。本方法のいくつかの局面において、細胞のサンプルが提供され、細胞を低張溶液と混合、インキュベート、曝露、接触または再懸濁することにより浸透圧溶解が誘導されて、通常は生理的オスモル濃度未満のような、細胞内部のオスモル濃度未満に低減されているオスモル濃度を有する低張細胞懸濁液が得られる。典型的には、細胞が曝露される生理的オスモル濃度はおよそ、290 mOsm/L〜300 mOsm/Lである。通常、細胞培地および他の細胞緩衝液は、血清の生理的オスモル濃度を模倣するためになど、270 mOsm/L〜330 mOsm/Lのオスモル濃度を維持するようにデザインされる。したがって、細胞の低張溶液への曝露によって引き起こされるオスモル濃度の変化、および溶液中で混合、接触または懸濁された細胞内の浸透圧の結果的な変化は、粒子(例えばビーズ粒子)を無傷のままにしながら、組成物中の細胞の実質的に全ての溶解をもたらすことができる。
いくつかの局面において、細胞の全体積が元の体積のおよそ150%に膨潤する場合、細胞型および他の要因によって多少その割合は変わることもあるが、細胞は典型的には浸透圧のために溶解する(Kinosita et al. (1977) Proc. Natl. Acad. Sci., 74:1923-7)。いくつかの態様において、本方法は、標準的な生理的オスモル濃度条件下の場合に懸濁液中の細胞の全体積膨張が細胞体積の約150%を超えるように低張細胞懸濁液のオスモル濃度が十分に低減されるような低張溶液に、標準的なオスモル濃度(例えば270 mOsm/L〜330 mOsm/L)を有する細胞の懸濁液のような、サンプルを供する段階を含む。通常、得られる低張細胞懸濁液のオスモル濃度の低減をもたらすための低張溶液の特定のオスモル濃度は、サンプル中の特定の細胞型、サンプル中の細胞の密度、得られる低張細胞懸濁液の体積、インキュベーションの長さ、インキュベーションの温度および公知の他の要因に基づくなど、実験的に判定することができる。場合によっては、核対細胞直径の比が小さい細胞は、核対細胞直径がより大きい細胞よりもはるかに高いオスモル濃度で溶解しうる(公開PCT出願番号WO1999054439)。
いくつかの態様において、例えば、細胞をペレットに遠心分離して上清を捨てた後、またはろ過膜上に細胞を収集した後に得られるように、低張溶液を無溶液細胞サンプルに添加する。あるいは、無溶液細胞サンプル(またはその一部)が低張溶液に添加されてもよい。上記の両方の場合において、低張溶液を細胞と混合して、低張条件下で細胞を懸濁させる低張細胞懸濁液を得ることができる。いくつかの態様において、低張細胞懸濁液を形成するために、所定の量の低張溶液が標準的な生理的オスモル濃度溶液(例えば標準的な細胞培地または緩衝液)中に懸濁された細胞に添加される。そのような態様において、細胞の初期懸濁液のオスモル濃度と比較して低減されたオスモル濃度を有する低張細胞懸濁液をもたらすために、所定のオスモル濃度を有する低張溶液の所定の量を細胞懸濁液、と混合するなど、分注する(または、同等に、細胞懸濁液を低張溶液に分注もしくは混合してもよい)。
いくつかの態様において、低張溶液は、細胞内の浸透圧の変化をもたらすために細胞または細胞懸濁液と混合することができる任意の液体である。いくつかの態様において、低張溶液は、それが接触、混合または懸濁される細胞のオスモル濃度とは異なるオスモル濃度を有する限り、低張溶液には溶媒もしくは溶媒の混合物、概ね純粋な溶媒(例えば蒸留脱イオン水)、または本質的に純粋な溶媒の混合物中に1つまたは複数の溶質を含む溶液を含めることができるが、これらに限定されることはない。通常、低張溶液は、細胞または細胞懸濁液と接触、混合または懸濁されると、低張である溶液オスモル濃度を有する細胞の懸濁液をもたらすことができるものである。
いくつかの態様において、低張溶液は溶質を含まない。いくつかの態様において、低張溶液は、蒸留/脱イオン水(DDI水)のような、注射用滅菌水であってよい。
いくつかの態様において、低張溶液は溶質の存在下であるか、または溶質の存在下で処方されることができる。いくつかの態様において、低張溶液中に存在する溶質の濃度は、低張溶液のオスモル濃度または得られる低張細胞懸濁液のオスモル濃度が、通常270 mOsm/L未満のような、生理的オスモル濃度未満であるようなものである。場合によっては、存在できる溶質は、標準的な細胞培地または緩衝液中のような、標準的な試薬中に存在しうる任意のものを含む。いくつかの態様において、低張溶液中の溶質は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アンモニウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムのような塩、ならびにデキストロース、グルコースおよびスクロースのような糖を含むことができる。いくつかの態様において、溶質は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)および他の標準的な細胞培地のような、標準的な培地中で提供されるまたは標準的な培地中に存在するものであってよく、これは通常、約300 mOsm/Lの標準的な生理的オスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液は、溶媒を用いた、PBSもしくはIMDMのような、溶質提供媒体もしくは緩衝液の希釈によって得ることができる。場合によっては、蒸留/脱イオン水をそのような希釈用の溶媒として用いることができる。低張溶液のpHは必要に応じて、一般的には、本明細書において記載する粒子に損傷を与えないpHに調整することができる。
いくつかの態様において、低張溶液は、0 mM〜140 mMまたは約0 mM〜140 mMの溶質濃度を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、140 mM、100 mM、50 mMもしくは10 mM未満または約140 mM、100 mM、50 mMもしくは10 mM未満の溶質濃度を含む。本明細書のいくつかの態様において、低張溶液は、約0%〜約0.8%または約0%〜約0.5%の重量パーセント(%w/v)の溶質を含む。いくつかの態様において、低張溶液は、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満または約0.2%未満の重量パーセント(%w/v)の溶質を含む。態様のいくつかにおいて、低張溶液または得られる低張細胞懸濁液は、約0 mOsm/L〜200 mOsm/L、0 mOsm/L〜140 mOsm/L、0 mOsm/L〜100 mOsm/L、10 mOsm/L〜200 mOsm/L、10 mOsm/L〜140 mOsm/L、10 mOsm/L〜100 mOsm/L、50 mOsm/L〜200 mOsm/L、50 mOsm/L〜140 mOsm/L、50 mOsm/L〜100 mOsm/L、100 mOsm/L〜200 mOsm/L、100 mOsm/L〜140 mOsm/Lまたは140 mOsm/L〜200 mOsm/Lのような、約0 mOsm/L〜約270 mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、低張溶液または得られる低張細胞懸濁液は、約270 mOsm/L未満、約250 mOsm/L未満、約225 mOsm/L未満、約200 mOsm/L未満、約175 mOsm/L未満、約150 mOsm/L未満、約140 mOsm/L未満、約125 mOsm/L未満、約100 mOsm/L未満、約75 mOsm/L未満、約50 mOsm/L未満、約25 mOsm/L未満、または約10 mOsm/L未満のオスモル濃度を有する。
いくつかの態様において、追加でまたは代替として、サンプル中の細胞の溶解を誘導するための1つまたは複数の条件は、サンプル中の細胞の原形質分離を誘導するもしくは引き起こす任意のものを含み、かつ/または細胞もしくは細胞懸濁液を高張溶液と混合、インキュベート、曝露、接触または再懸濁することを伴う。いくつかの態様において、高張溶液は、細胞を異常浸透から膨潤させ、次いで細胞の内壁に過度の圧力をかけて破裂させ、かくして死滅させることによって、1つまたは複数の細胞の溶解(内部破裂による死滅)を引き起こすことができる。いくつかの態様において、本方法は、細胞の懸濁液を含むサンプルのようなサンプルを、高張溶液とのインキュベーションまたは接触の前に細胞懸濁液または細胞の内部よりも大きいまたは高いオスモル濃度を有する高張溶液に供し、それによって細胞を異常浸透から膨潤させ、内部破裂を引き起こす段階を含む。通常、得られる高張細胞懸濁液のオスモル濃度の増加をもたらすための高張溶液の特定のオスモル濃度は、高張溶液との接触またはインキュベーション前の細胞または細胞懸濁液のオスモル濃度(例えば細胞または細胞懸濁液が低張溶液と事前にインキュベートまたは接触されている場合)、サンプル中の特定の細胞型、サンプル中の細胞の密度、得られる高張細胞懸濁液の体積、インキュベーションの長さ、インキュベーションの温度および公知の他の要因に基づくなど、実験的に判定することができる。
いくつかの態様において、細胞溶解を誘導するための1回または複数回のインキュベーション(例えば低張溶液とのインキュベーションによる)は、サンプル中の粒子の存在、非存在、数または濃度を測定、判定または評価するためのアウトプット組成物として直接評価できる溶解細胞組成物をもたらす。他の態様において、溶解細胞組成物は、サンプル中の粒子の存在、非存在、数または濃度を測定、判定または評価するための濃縮されたアウトプット組成物を得る前に、1回または複数回のさらなるインキュベーション、濃縮、分離、すすぎ、および/または洗浄によってさらに処理される。例えば、場合によっては、低張溶液との細胞サンプルのインキュベーションは、溶解細胞組成物中の粒子の存在または数の判定を妨げうる細胞残屑を生成しうる低張溶解を引き起こしうる。いくつかの態様において、低張溶解後、本方法は、溶解サンプル中に存在する粒子(例えばビーズ粒子またはミクロスフェア)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前に、低張溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減、軽減または除去する段階をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書において記載する溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減、軽減または除去するために提供される方法との関連で高張溶液とのインキュベーションを利用することができる。いくつかの態様において、溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減または除去する段階は、以下を含むことができる:(i)高張溶液の存在下で、低張溶解細胞組成物のような、溶解細胞組成物を接触またはインキュベートし、それによってアウトプット組成物を生成する段階; および(ii)アウトプット組成物を濃縮、すすぎ、または洗浄する段階であって、(例えば濃縮されたアウトプット組成物を得るために)細胞残屑が低減または除去される、段階。いくつかの態様において、本明細書において提供されるのは、(i)サンプルを低張溶液とインキュベートするかまたは接触させ、それによって溶解細胞組成物(または低張溶解細胞組成物)を生成する段階; (ii)溶解細胞組成物を高張溶液とインキュベートするかまたは接触させ、それによってアウトプット組成物を生成する段階; (iii)(例えば濃縮されたアウトプット組成物を得るために)任意でアウトプット組成物を濃縮、すすぐ、または洗浄する段階; ならびにアウトプット組成物または洗浄された/すすがれたアウトプット組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する段階を含む、細胞組成物中の粒子を計数するためのような、細胞組成物のサンプル中の粒子(例えばビーズ粒子またはミクロスフェア)の存在または非存在を検出する方法である。
いくつかの態様において、例えば、細胞をペレットに遠心分離して上清を捨てた後、またはろ過膜上に細胞を収集した後に得られるように、高張溶液を無溶液細胞サンプルに添加する。あるいは、無溶液細胞サンプル(またはその一部)が高張溶液に添加されてもよい。上記の両方の場合において、高張溶液を細胞と混合して、高張条件下で細胞を懸濁させる高張細胞懸濁液を得ることができる。いくつかの態様において、高張細胞懸濁液は、標準的な生理的オスモル濃度溶液(例えば標準的な細胞培地もしくは緩衝液)中に懸濁された細胞または低張溶液中に懸濁された細胞(例えば低張溶解細胞組成物)のような、より低いオスモル濃度を有する細胞懸濁液に添加することによって形成される。そのような態様において、高張溶液の添加前に細胞の初期懸濁液のオスモル濃度と比較して増加したまたはより大きいオスモル濃度を有する高張細胞懸濁液をもたらすために、所定のオスモル濃度を有する高張溶液の所定の量を細胞懸濁液、と混合するなど、分注する(または、同等に、細胞懸濁液を高張溶液に分注もしくは混合してもよい)。
いくつかの態様において、高張溶液のオスモル濃度は、通常300 mOsm/L超または約300 mOsm/L超であるような、細胞の生理的オスモル濃度よりも大きい。いくつかの態様において、高張溶液は、細胞の内部と比較してより高い溶質濃度を有する任意の溶液であってよい。いくつかの態様において、高張溶液は、溶解細胞組成物中の細胞残屑を低減または除去するのに有効である適切な溶質濃度を有する。
いくつかの態様において、高張溶液で用いるための溶質は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アンモニウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムのような塩、ならびにデキストロース、グルコースおよびスクロースのような糖を含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、本明細書において記載する方法で用いるための高張溶液は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、またはクエン酸ナトリウムのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの態様において、高張溶液は塩化ナトリウムを含む。いくつかの態様において、高張溶液はスクロースを含む。高張溶液は、限定されるものではないが、緩衝剤(例えばHEPES)およびプロテアーゼ阻害剤のような、さらなる薬剤を含みうる。高張溶液のpHは必要に応じて、好ましくは、本明細書において記載する非細胞粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)に損傷を与えないpHに調整することができる。
いくつかの態様において、高張溶液は、約1.5%〜約15%または約2.5%〜約12%の重量百分率(%w/v)の溶質を含む。いくつかの態様において、高張溶液は、約300 mOsm/L〜約5000 mOsm/Lまたは約1800 mM〜約2000 mMのオスモル濃度を有する。いくつかの態様において、高張溶液は、約300 mOsm/L超、または約4000 mOsm/L超のオスモル濃度を有する。
いくつかの態様において、細胞溶解および/または本明細書において記載する溶解細胞組成物からの細胞残屑の除去を最適化するために、必要に応じて高張溶液の量を選択または調整することができる。例えば、より高い細胞数が用いられる場合、それに応じて試薬量および総量をスケールアップすることができる。いくつかの態様において、インキュベートされる高張細胞懸濁液の量は、1 mL〜1000 mL、または少なくとももしくは約少なくとも1 mL、5 mL、10 mL、25 mL、50 mL、75 mL、100 mL、200 mL、300 mL、400 mLもしくは500 mLである。
3. 濃縮および洗浄
いくつかの態様において、アウトプット組成物中の粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を分析、判定または検出する前に、本方法は、サンプルを粒子(例えばビーズ粒子)について濃縮し、ならびに/または例えばアウトプット組成物の1つもしくは複数の濃縮および/もしくは分離段階、洗浄段階もしくはすすぎ段階を行うことにより、アウトプット組成物中の細胞残屑を除去もしくは低減し、結果的に濃縮されたアウトプット組成物をもたらすための1つまたは複数の段階をさらに含むことができる。いくつかの態様において、洗浄段階またはすすぎ段階は、2回、3回、4回またはそれ以上などの、複数回の洗浄またはすすぎを含む。
本明細書におけるいくつかの態様において、溶解を行った後に、アウトプット組成物をさらに処理して、溶解された組成物に存在しうる他の材料または残屑から粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を洗浄、すすぎおよび/または濃縮もしくは分離し、結果的に濃縮されたアウトプット組成物をもたらす。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、2回、3回、4回またはそれ以上の回数のような複数回、洗浄されまたはすすがれる。いくつかの態様において、濃縮することは、例えば特定の成分の1つもしくは複数の特徴もしくは特性に基づく陽性選択により、または特定の成分によって示されない1つもしくは複数の特徴もしくは特性に基づく陰性選択により、例えば、特定の成分および1つもしくは複数の他の成分の組成物中での総数または組成物の量と比較して、特定の成分の数または割合を増加させることを含む。いくつかの態様において、非細胞粒子(例えばビーズ)は、組成物におけるその割合が、組成物中の1つまたは複数の細胞によって示されない非細胞粒子の特性または特徴に基づく非細胞粒子の選択により、増加されうるという点で、細胞または細胞残屑(例えば溶解された細胞)を含む組成物において濃縮される。1つの非限定的な例として、粒子(例えばビーズ)が磁性である、例えば、磁性、常磁性コア、または超常磁性コアを含む場合、濃縮することは磁性選択を使用することを含む。いくつかの態様において、濃縮することは、組成物からの1つまたは複数の他の成分の完全な除去を含まない。いくつかの態様において、濃縮することは、濃縮された組成物中に特定の成分が100%でまたは100%近くで存在することを含まない。
いくつかの態様において、溶解を行った後に、アウトプット組成物は、存在する場合、アウトプット組成物中の任意の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)をペレット化するために(例えば遠心分離により)処理されて、結果的に濃縮されたアウトプット組成物をもたらす。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、濃縮されたアウトプット組成物である。
いくつかの局面において、溶解を行った後に、アウトプット組成物はさらに処理されて、細胞組成物中に存在しうる他の材料または残屑から粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)を濃縮および/または分離する。いくつかの態様において、粒子は磁性粒子であり、濃縮段階は、溶解された組成物、例えばアウトプット組成物を磁場に曝露することを伴う。いくつかの局面において、アウトプット組成物は磁場に曝露され、それに取り付けられた磁気応答性または磁化可能ビーズ粒子である粒子は、磁石に引き付けられ、溶解された組成物、例えば、アウトプット組成物中に存在しうる他の材料または残屑から分離される。いくつかの態様において、溶解後のアウトプット組成物は、磁性粒子を引き付けて分離するように特別にデザインされた磁石に曝露され、例えばサンプル中に存在しうる磁性ビーズ粒子のために特別にデザインされた磁石に曝露される。いくつかの態様において、濃縮段階で用いられる磁石のタイプは、サンプルまたはインプット組成物に含まれるビーズ粒子のタイプ、サイズおよび/または磁性に依存する。いくつかの態様において、磁性粒子を濃縮または分離するための例示的な磁石としては、DynaMag(商標)-2 Magnet (Invitrogen)、DynaMag(商標) CTS(商標) Magnet (Invitrogen)、CliniMACS(登録商標) System (Miltenyi Biotec) EasySep(商標) Magnet (STEMCELL Technologies)、MojoSort(商標) Magnetic system (BioLegend)、または磁性粒子を分離するために用いられる他の公知の磁石もしくはシステムが挙げられる。
いくつかの態様において、溶解を行った後に、アウトプット組成物をさらに処理して、存在する場合、アウトプット組成物中の任意の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)をペレット化する(例えば遠心分離により)ことができる。組成物中の粒子をペレット化するための方法は周知である。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、存在する場合、任意の粒子をペレット化するのに十分な遠心分離速度にて遠心分離機内で回転させることができる。いくつかの態様において、遠心分離速度は、そのような粒子に損傷を与えることなく粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)をペレット化するのに十分である。いくつかの態様において、遠心分離機のモデルおよび/または遠心分離機のロータ半径を考慮に入れるように遠心分離速度を調整することができる。いくつかの態様において、遠心分離は、一般に少なくともまたは約少なくとも400×g、450×g、500×gまたは600×gのような、200×g〜1000×gまたは約200×g〜1000×gの速度である。遠心分離は、粒子をペレット化するのに十分な時間進行することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、一般に1分〜30分、1分〜15分または1分〜5分、例えば、少なくともまたは少なくとも約1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分または30分のような、1分〜60分遠心分離される。
いくつかの態様において、ペレット化後、アウトプット組成物の量は、上清溶液を完全にもしくは部分的に除去することおよび/またはペレットをその後の分析に適した特定の量の溶液に再懸濁することによるような、必要に応じて調整することができる。いくつかの態様において、ペレット化後、上清の全てまたは実質的に全てを除去し、新鮮な緩衝液または培地と交換して所望の量にすることができる。一般に、緩衝液または媒体は、粒子と適合性であり、かつ/またはその後の粒子の可視化または検出を妨げない任意のものであることができる。他の態様において、ペレット化後、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在または数を判定する前に、アウトプット組成物の量を(例えば、遠心分離されたアウトプット組成物における上清の量を除去することによりまたは遠心分離されたアウトプット組成物の量もしくは全体を低減することにより)所望の量に低減させることができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物の量はペレット化(例えば遠心分離)の前のアウトプット組成物の量と比較して約100%未満しかし約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約95%だけ低減されることができる。
いくつかの態様において、アウトプット組成物からの上清の交換、低減または除去は、粒子(例えばビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前にアウトプット組成物のすすぎまたは洗浄をもたらす。いくつかの態様において、アウトプット組成物からの上清の交換、低減もしくは除去および/または指定された量での再懸濁は、粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を判定する前に、アウトプット組成物の濃縮または希釈(適宜)をもたらす。いくつかの態様において、ペレット化(例えば遠心分離による)およびアウトプット組成物の上清の交換、洗浄もしくは除去および/または指定された量での再懸濁の段階は、複数回繰り返すことができる。いくつかの局面において、アウトプット組成物中に存在する全てまたは実質的に全てのビーズ粒子を得るために、複数の逐次再懸濁を用いることができる。例えば、いくつかの態様において、ある特定の量の溶液を、ペレット化された粒子を含む容器(例えば試験管)に加えてペレットを再懸濁し、分析用の異なる容器(例えば複数ウェルプレートのウェル)に移入することができ、別の量の新鮮な溶液を最初の容器に加えて残留しているいずれの粒子も再懸濁し、分析用の容器に移入することができる。
いくつかの態様において、上清を交換、低減もしくは除去および/または再懸濁した後のアウトプット組成物の総量は、サンプル中の粒子の検出を可能にする量(例えば、自動化された蛍光イメージングおよび/または分析のような、その後の検出方法に適した濃度)である。いくつかの局面において、分析または検出の1つまたは複数の段階は機械、ロボットおよび/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムによって実行される。いくつかの態様において、所望の量は、機械、ロボットおよび/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムの最適性能のために必要とされるまたは望まれる量である。
いくつかの局面において、分析時または分析前の、アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物の例示的な量は、10 μL〜10 mL、もしくは約10 μL〜約10 mL、例えば10 μL〜1 mL、25 μL〜500 μL、50 μL〜250 μLまたは75 μL〜125 μLである。いくつかの局面において、分析時または分析前の、組成物の例示的な量は、10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mLであり、または少なくとももしくは少なくとも約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mLもしくは10 mLである。いくつかの態様において、量は、0.25 mL〜50 mLまたは約0.25 mL〜約50 mL、例えば0.5 mL〜50 mLもしくは約0.5 mL〜約50 mL、0.5 mL〜25 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、0.5 mL〜1 mL、1 mL〜50 mL、1 mL〜25 mL、1 mL〜10 mL、1 mL〜5 mL、5 mL〜50 mL、5 mL〜25 mL、5 mL〜10 mL、10 mL〜50 mL、10 mL〜25 mLまたは25 mL〜50 mLである。いくつかの態様において、量は、少なくとももしくは少なくとも約または0.5 mL、1 mL、1.5 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、10 mL、15 mL、20 mL、30 mL、40 mLまたは50 mLである。
B. 粒子を検出またはカウント(計数)する方法
いくつかの態様において、本方法は、アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物を分析して、アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物中の粒子の存在または非存在を判定する段階を伴う。いくつかの態様において、分析段階は蛍光画像を得ることを伴う。いくつかの態様において、分析段階は、アウトプット組成物、例えば濃縮されたアウトプット組成物中に存在する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定するために得られた蛍光画像を分析することを伴う。
アウトプット組成物、例えば、溶解方法が行われ、任意でさらに濃縮された後のサンプル中の粒子の存在(例えば濃度もしくは数)を決定するためのおよび/または粒子を検出するための方法は、周知の技法を用いて行うことができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定するための方法は、手動カウンティング、電子カウンティング、顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)、親和性に基づく検出、または選別(例えば磁性ビーズ選別)を含むことができる。そのような方法で用いるための技法は、フローサイトメトリー(例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS))、分光光度法、明視野顕微鏡法(例えば、血球計を用いる)、位相差顕微鏡法、蛍光顕微鏡法および電子顕微鏡法のような顕微鏡法、ならびにバイオセンサアレイを含むが、これらに限定されることはない。Giouroudi et al., Int J Mol Sci., 2013, 14(9):18535-18556を参照されたい。
いくつかの態様において、分析は、コンピュータにより実現される画像分析を用いて実行される。いくつかの態様において、本方法の1つまたは複数の段階は高速大量処理であり、かつ/または自動化されている。いくつかの態様において、本方法の1つまたは複数の段階は機械、ロボットおよび/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムによって実行される。いくつかの態様において、この技法は手動または自動であることができる。場合によっては、そのような技法を用いて粒子カウント(例えばビーズカウント)を得ることができ、粒子カウントを繰り返すことができる。粒子カウントを繰り返した後に、得られた粒子カウントを平均することができ、標準偏差を判定することができる。
いくつかの態様において、サンプルの溶解後のアウトプット組成物のような、アウトプット組成物は、本明細書において記載する方法において粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を蛍光イメージング、例えば判定することによりアウトプット組成物を分析する前に1つまたは複数の処理段階によって調製することができる。場合によっては、アウトプット組成物の1つまたは複数の処理段階は、上記のセクションII.A.3において記載したいずれかの濃縮および/または洗浄段階のような、分離、遠心分離、洗浄、および/またはインキュベーションを伴い、濃縮されたアウトプット組成物を結果的に生じる。
いくつかの態様において、アウトプット組成物、例えば、濃縮されたアウトプット組成物は、例えば、さらなる作用物質が検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる場合、粒子を検出するためのさらなる作用物質を含まない。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、分析段階の前にアウトプット組成物に加えられる1つまたは複数の非細胞粒子を検出するための任意のさらなる検出可能な試薬または部分とともにインキュベートされない。
いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子(例えばビーズ粒子)は自家蛍光性である。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、さらなる検出可能な試薬または部分を含まない。いくつかの態様において、粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の分析、例えば判定は、1つまたは複数の非細胞粒子を検出するための検出可能な試薬または部分を加えることなく行われる。いくつかの局面において、粒子の自家蛍光は、さらなる検出可能な試薬または部分の必要なしに、検出および分析に用いることができる。いくつかの態様において、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を計数または検出する方法が提供され、本方法は、粒子の表面上の物質に特異的に結合する任意の結合剤および/または検出可能な部分を含むさらなる作用物質もしくは検出可能なシグナルを生成することができるさらなる作用物質を用いることなくアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定する段階を含む。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、分析は、約650 nmと約700 nmとの間で1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出することを含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、分析は、約685 nmで1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出することを含む。
いくつかの態様において、細胞サンプルおよび/または細胞組成物のような、サンプル中の粒子、例えばビーズ粒子の存在、非存在、量、または濃度は、適当な機械および/もしくは機器の使用、または細胞および/もしくは顕微鏡粒子イメージングで検出され、および/または評価される。いくつかの態様において、粒子は、例えば、可視光イメージング、蛍光イメージング、化学発光イメージング、および/または吸光度イメージングにより、サンプルにおいて機械および/または機器により光学的に評価および/または検出される。特定の態様において、機械および/または機器は、蛍光顕微鏡および共焦点顕微鏡のような顕微鏡、プレートリーダー、およびマイクロプレートリーダーを含みうるが、これらに限定されることはない。特定の態様において、機械または機器は、広視野顕微鏡検査が可能である。いくつかの態様において、機械または機器による粒子の検出および/または評価は手動である。ある種の態様において、機械または機器による粒子の検出および/または評価は自動化されている。
特定の態様において、粒子、例えばビーズ粒子は、イメージング、例えば、蛍光イメージングが可能な機械または機器で検出される。ある種の態様において、機械または機器は、励起フィルタを備えたキセノンアークランプまたは水銀蒸気ランプ、レーザー、スーパーコンティニウム光源、および/または高出力LEDの1つまたは複数のような、光源を含む。ある種の態様において、機械および/または機器は、UV可視光吸収、蛍光、発光、蛍光偏光、時間分解蛍光、および/またはアルファ検出が可能である。特定の態様において、機械および/または機器は、蛍光、明視野、カラー明視野、および/または位相コントラストイメージングが可能である。いくつかの態様において、光源は、1つまたは複数の非細胞粒子を励起する光を放出する。いくつかの態様において、光源は自家蛍光を励起することができるか、または励起する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、光源は、約600 nmと約650 nmとの間の波長を有する光を放出する。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、光源は、約628 nmの波長を有する光を放出する。
いくつかの態様において、機械または機器は、1つまたは複数のレンズを含む。いくつかの態様において、機械および/または機器は、1つまたは複数の対物レンズを含む。いくつかの態様において、対物レンズは、1.25×、2.5×、2.5×、4×、10×、12×、20×、25× 30×、40×、50×、60×、70×、75×および100×の1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、機械および/または機器は、1つまたは複数のイメージングフィルタ、例えば、イメージングフィルタキューブを含む。いくつかの態様において、イメージングフィルタはDAPI、CFP、GFP、YFP、RFP、テキサスレッド(Texas Red)、CY5、CY7、アクリジンオレンジ(Acridine Orange; ACR OR)、CFP-YFP FRET、ヨウ化プロピジウム(propidium, Iodide)、クロロフィル、フィコエリトリン、CY5.5、TagBFP、Alexa568、およびEx377/Em647フィルタの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、機械または機器は、1つまたは複数のイメージングLEDを含む。いくつかの態様において、イメージングLEDは両端の値も含めて365 nmと850 nmとの間、365と750 nmとの間、または365 nm、390 nm、465 nm、505 nm、523 nm、590 nm、623 nm、655 nm、および/もしくは740 nm、またはおよそこれらの値の波長を放出する。
いくつかの態様において、蛍光イメージングは、Cy5、赤色(red)、および/または遠赤色(far red)チャネルで1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出することによりアウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得すること、および蛍光顕微鏡写真から画像オブジェクトの蛍光強度を判定することを含む。いくつかの態様において、蛍光イメージングは、アウトプット組成物を約628 nmの波長の光で励起した後に1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出することによりアウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得すること、および蛍光顕微鏡写真から画像オブジェクトの蛍光強度を判定することを含む。いくつかの局面において、蛍光イメージングは、アウトプット組成物を約628 nmの波長の光で励起した後に、Cy5、赤色(red)、および/または遠赤色(far red)チャネルで1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出することによりアウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得すること、および蛍光顕微鏡写真から画像オブジェクトの蛍光強度を判定することを含む。場合によっては、蛍光強度は平均蛍光強度である。
提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、非細胞粒子を可視化または検出する方法は、1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出する段階を含む。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、非細胞粒子を可視化または検出する方法は、光源によって照射された1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光を検出する段階を含む。場合によっては、非細胞粒子は、特定の波長で細胞または細胞残屑よりも強い自家蛍光を発し、粒子と細胞または細胞残屑との区別を可能にする。場合によっては、非細胞粒子は、細胞または細胞残屑とは異なる波長で自家蛍光を発し、粒子と細胞または細胞残屑との区別を可能にする。場合によっては、蛍光顕微鏡写真における画像オブジェクトは、同定および計数できる1つまたは複数の非細胞粒子を含む。
ある種の態様において、機械または機器は、分析に適したサンプルの画像、例えばデジタル画像をキャプチャすることができるカメラを備えている。いくつかの態様において、カメラは自動焦点が可能であり、例えば、使用者入力なくしてサンプルから収集された画像に自動的に焦点を合わせる。いくつかの態様において、自動焦点は、画像に基づく自動焦点、使用者訓練による自動焦点、および/またはレーザー自動焦点でありうる。いくつかの態様において、画像は、蛍光シグナルの画像、明視野画像、および/または位相差画像である。特定の態様において、画像は、1つまたは複数のパラメータ、例えば、サイズ、蛍光、面積、または形状を測定することによってオブジェクトを検出するために分析されうる。
いくつかの態様において、機械または機器は、サンプルから1つまたは複数の明視野画像をキャプチャすることができる。ある種の態様において、機械または機器は、サンプルから1つまたは複数の蛍光画像をキャプチャすることができる。特定の態様において、機械および/または機器は、同じサンプルから明視野画像および蛍光画像をキャプチャすることができる。特定の態様において、画像は、同じオブジェクト、例えば、細胞および/または粒子がサンプル内で撮像され、明視野および蛍光で撮像されるように、画像の重ね合わせを可能にする形で収集される。いくつかの態様において、画像はサンプルの面積1 μm〜1,000 μmまたは約1 μm〜1,000 μm×1 μm〜1,000 μmまたは約1 μm〜1,000 μmをキャプチャする。いくつかの態様において、画像はサンプルの1 μm〜2,000 μm、1 μm〜100 μm、10 μm〜500 μm、100 μm〜1,000 μm、400 μm〜600 μm、500 μm〜1,000 μm、400 μm〜800 μm、600 μm〜800 μmもしくは250 μm〜750 μmまたは約1 μm〜2,000 μm、1 μm〜100 μm、10 μm〜500 μm、100 μm〜1,000 μm、400 μm〜600 μm、500 μm〜1,000 μm、400 μm〜800 μm、600 μm〜800 μmもしくは250 μm〜750 μm×1 μm〜2,000 μm、1 μm〜100 μm、10 μm〜500 μm、100 μm〜1,000 μm、400 μm〜600 μm、500 μm〜1,000 μm、400 μm〜800 μm、600 μm〜800 μmもしくは250 μm〜750 μmまたは約1 μm〜2,000 μm、1 μm〜100 μm、10 μm〜500 μm、100 μm〜1,000 μm、400 μm〜600 μm、500 μm〜1,000 μm、400 μm〜800 μm、600 μm〜800 μmもしくは250 μm〜750 μmを含む。
提供される方法で用いるのに適した機械および/または機器は公知であり、顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡、プレートリーダーおよびマルチプレートリーダーを含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、機械または機器はマイクロプレートリーダーである。いくつかの態様において、機械または機器はプレートリーダー、例えばマイクロプレートリーダーである。いくつかの態様において、プレートリーダーおよび/またはマイクロプレートリーダーは、顕微鏡スライド、ペトリ皿、細胞培養皿、細胞培養フラスコ、血球計のようなカウンティングチャンバ、およびプレート、例えば6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、384ウェルプレート、および/または6、12、24、48、96、386もしくは1536ウェルまでのプレート上のサンプルを画像化する。提供される方法で用いるのに適したマイクロプレートリーダーは、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第8,218,141号および米国特許第9,557,217号に記載されているものを含む。
特定の態様において、画像、例えば蛍光画像は、1つまたは複数の特性を有するオブジェクトの存在または非存在を検出するために分析される。ある種の態様において、画像は手動で、例えば技術者によって分析される。特定の態様において、画像分析は自動化され、例えばソフトウェアによって行われる。適当なイメージングソフトウェアは、公知であり、Gen5ソフトウェア(BIOTEK, Winooski, VT, U.S.A.)を含むがこれに限定されることはない。いくつかの態様において、当業者は、利用可能なソフトウェアを使用、調整、および/またはプログラムして、画像にキャプチャされたパラメータ、例えばオブジェクトのパラメータを検出する方法を理解するものと企図される。
特定の態様において、蛍光イメージングを用いて、1つまたは複数の特性を有するオブジェクトの存在または(of)非存在を検出する。特定の態様において、オブジェクトは、1つまたは複数の非細胞粒子である。特定の態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は自家蛍光性である。特定の態様において、1つまたは複数の自家蛍光非細胞粒子は、自家蛍光を示し、および/または自家蛍光シグナルを放出しうる。特定の態様において、1つまたは複数の自家蛍光非細胞粒子は、光源から放出された光を吸収すると、自家蛍光を示し、および/または自家蛍光シグナルを放出する。特定の態様において、蛍光イメージングは、1つまたは複数の非細胞粒子を照射し、それが自家蛍光を示すようにする光源を含む。特定の態様において、非細胞粒子は、蛍光イメージング中に光源によって照射された場合に自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、光を吸収する場合に約450〜約750 nmの波長で自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、光を吸収する場合に約600 nm〜約750 nmの波長で自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、光を吸収する場合に約660 nm〜約720 nmの波長で自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、光を吸収する場合に約660 nm〜約700 nmの波長で自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、光を吸収する場合に約675 nm〜約700 nmの波長で自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、光を吸収する場合に約685 nmの波長で自家蛍光を示す。
いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約450 nm〜約700 nmの波長の光を吸収する場合に自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約500 nm〜約700 nmの波長の光を吸収する場合に自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約600 nm〜約700 nmの波長の光を吸収する場合に自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約600 nm〜約650 nmの波長の光を吸収する場合に自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約628 nmの波長の光を吸収する場合に自家蛍光を示す。
いくつかの局面において、1つまたは複数の非細胞粒子は、細胞または細胞残屑とは異なる波長で自家蛍光を示す。いくつかの態様において、細胞または細胞残屑は、600〜650 nmである光での励起により1つまたは複数の非細胞粒子よりも少ない自家蛍光を示す。いくつかの態様において、細胞または細胞残屑は、約628 nmである光での励起により1つまたは複数の非細胞粒子よりも少ない自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、600〜650 nmである光での励起により細胞または細胞残屑よりも多くの自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約628 nmである光での励起により細胞または細胞残屑よりも多くの自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約628 nmである光での励起により細胞または細胞残屑よりも、Cy5チャネルで検出できる多くの自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約628 nmである光での励起により細胞または細胞残屑よりも、赤色(red)チャネルで検出できる多くの自家蛍光を示す。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約628 nmである光での励起により細胞または細胞残屑よりも、遠赤色(far-red)チャネルで検出できる多くの自家蛍光を示す。
いくつかの態様において、1つまたは複数(one of more)の非細胞粒子の自家蛍光は、約685 nmで検出することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数(one of more)の非細胞粒子の自家蛍光は、Cy5チャネルで検出することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数(one of more)の非細胞粒子の自家蛍光は、赤色(red)チャネルで検出することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数(one of more)の非細胞粒子の自家蛍光は、遠赤色(far-red)チャネルで検出することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光は、約628 nmの波長の光を吸収する場合に検出することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、約628 nmの波長の光を吸収する場合に約685 nmの波長で自家蛍光を示す。
特定の態様において、画像、例えば明視野画像は、1つまたは複数の特性を有するオブジェクトの存在または非存在を検出するために分析される。ある種の態様において、画像は手動で、例えば技術者によって分析される。特定の態様において、画像分析は自動化され、例えばソフトウェアによって行われる。適当なイメージングソフトウェアは、公知であり、Gen5ソフトウェア(BIOTEK, Winooski, VT, U.S.A.)を含むがこれに限定されることはない。いくつかの態様において、当業者は、利用可能なソフトウェアを使用、調整、および/またはプログラムして、画像にキャプチャされたパラメータ、例えばオブジェクトのパラメータを検出する方法を理解するものと企図される。
特定の態様において、画像、例えばデジタル画像は、1つまたは複数のパラメータ、例えば、面積および/またはサイズ、蛍光強度(FI)、明視野強度、ならびに形状因子、例えば循環性を有するオブジェクトについて分析される。いくつかの態様において、画像は、ある範囲内の値および/または閾値を上回るもしくは下回る値を有する1つまたは複数のパラメータを有するオブジェクトについて分析される。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。いくつかの態様において、明視野強度は平均明視野強度である。
いくつかの態様において、画像は、オブジェクトの存在または非存在を判定するために分析される。画像内のオブジェクトは、バックグラウンドを超えるシグナルを検出することにより、またはサンプルの位相差画像および蛍光画像、例えば重ね合わせた位相差画像および蛍光画像を比較することにより同定されうる。オブジェクトは次に、1つまたは複数のパラメータの値を検出することによって認定され、定量化され、および/または特徴付けされうる。例えば、オブジェクトは、例えば、手動分析、自動化分析、および/またはソフトウェア分析により検出されてもよく、1つまたは複数のパラメータの値に基づき細胞または非細胞と同定されてもよい。例えば、いくつかの態様において、非細胞粒子は、細胞よりも高いもしくは低い蛍光強度を示してもよく、および/またはより円形の外観を有してもよい。いくつかの態様において、画像オブジェクトは単一(「シングレット」)、二重(「ダブレット」)、または他の複数の非細胞粒子として分類することができる。いくつかの態様において、画像オブジェクトは、直径、面積、真円度、および蛍光のような、1つまたは複数のパラメータに基づき単一、二重、または他の複数の非細胞粒子として分類される。
いくつかの態様において、1つまたは複数のパラメータは、形状因子であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、形状因子は、真円度、伸長、緊密さ、および/または波形の1つまたは複数から選択される。
いくつかの態様において、形状因子は、真円度および/または等周商である。いくつかの態様において、真円度および/または等周商は、周長Pおよび面積Aの関数: 真円度 = 4 π A/P2であり、式中で数学的または幾何学的に完全な円は1.0の真円度を有する。いくつかの態様において、非細胞粒子、例えばビーズであると判定されるオブジェクトは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1.0または少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1.0の真円度を有する。いくつかの態様において、非細胞粒子、例えばビーズであると判定されるオブジェクトは、両端の値も含めて0.1〜1、0.3〜0.6、0.4〜1.0、0.6〜1.0、0.6〜0.8、0.3〜0.7、0.4〜0.6、または0.7〜1.0の真円度を有する。いくつかの態様において、画像上のオブジェクトは、オブジェクトが0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1.0または少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1.0の真円度を有する場合、非細胞粒子、例えばビーズであると判定される。いくつかの態様において、オブジェクトは、オブジェクトが両端の値も含めて0.1〜1、0.3〜0.6、0.4〜1.0、0.6〜1.0、0.6〜0.8、0.3〜0.7、0.4〜0.6、または0.7〜1.0の真円度を有する場合、非細胞粒子、例えばビーズであると判定される。
いくつかの態様において、画像オブジェクトが両端の値も含めて0.1〜1、0.3〜0.6、0.4〜1.0、0.6〜1.0、0.6〜0.8、0.3〜0.7もしくは0.7〜1.0または約0.1〜1、0.3〜0.6、0.4〜1.0、0.6〜1.0、0.6〜0.8、0.3〜0.7もしくは0.7〜1.0の真円度を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが両端の値も含めて0.7〜1.0または約0.7〜1.0の真円度を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが0.1〜1、0.3〜0.7もしくは0.4〜6.0または約0.1〜1、0.3〜0.7もしくは0.4〜6.0の真円度を有する場合、画像オブジェクトは2つの非細胞粒子、例えば2つのビーズまたは「ダブレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが0.4〜0.6または約0.4〜0.6の真円度を有する場合、画像オブジェクトは2つの非細胞粒子、例えば2つのビーズまたは「ダブレット」であると判定される。
ある種の態様において、1つまたは複数のパラメータはサイズであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、サイズは、オブジェクトの直径および/または半径を測定することによって判定される。特定の態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、0.1 μm〜25 μm、0.5 μm〜20 μm、3 μm〜15 μm、1 μm〜10 μm、2 μm〜10 μm、3 μm〜10 μm、1 μm〜5 μm、6 μm〜8 μm、6.5 μm〜8.5 μmもしくは5 μm〜10 μmまたは約0.1 μm〜25 μm、0.5 μm〜20 μm、3 μm〜15 μm、1 μm〜10 μm、2 μm〜10 μm、3 μm〜10 μm、1 μm〜5 μm、6 μm〜8 μm、6.5 μm〜8.5 μmもしくは5 μm〜10 μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、0.1 μm〜25 μm、0.5 μm〜20 μm、3 μm〜15 μm、1 μm〜10 μm、2 μm〜10 μm、3 μm〜10 μm、1 μm〜5 μm、6 μm〜8 μm、6.5 μm〜8.5 μmもしくは5 μm〜10 μmまたは約0.1 μm〜25 μm、0.5 μm〜20 μm、3 μm〜15 μm、1 μm〜10 μm、2 μm〜10 μm、3 μm〜10 μm、1 μm〜5 μm、6 μm〜8 μm、6.5 μm〜8.5 μmもしくは5 μm〜10 μmの直径を有する。特定の態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、3 μm〜15 μmまたは約3 μm〜15 μmの直径を有する。特定の態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、1 μm〜5 μmまたは約1 μm〜5 μmの直径を有する。
いくつかの態様において、オブジェクトが0.1 μm〜25 μm、0.5 μm〜20 μm、3 μm〜15 μm、1 μm〜10 μm、2 μm〜10 μm、3 μm〜10 μm、1 μm〜5 μm、6 μm〜8 μm、6.5 μm〜8.5 μmもしくは5 μm〜10 μmまたは約0.1 μm〜25 μm、0.5 μm〜20 μm、3 μm〜15 μm、1 μm〜10 μm、2 μm〜10 μm、3 μm〜10 μm、1 μm〜5 μm、6 μm〜8 μm、6.5 μm〜8.5 μmもしくは5 μm〜10 μmの直径を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約1 μm〜約10 μmの直径を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約1 μm〜約7 μmの直径を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約1 μm〜約5 μmの直径を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが0.2 μm〜50 μm、1 μm〜40 μm、1 μm〜 5 μm、3 μm〜15 μm、6 μm〜30 μm、2 μm〜20 μm、4 μm〜20 μm、6 μm〜20 μm、2 μm〜10 μm、12 μm〜16 μm、13 μm〜17 μmもしくは10 μm〜20 μmまたは約0.2 μm〜50 μm、1 μm〜40 μm、1 μm〜 5 μm、3 μm〜15 μm、6 μm〜30 μm、2 μm〜20 μm、4 μm〜20 μm、6 μm〜20 μm、2 μm〜10 μm、12 μm〜16 μm、13 μm〜17 μmもしくは10 μm〜20 μmの直径を有する場合、画像オブジェクトは2つの非細胞粒子、例えば2つのビーズまたは「ダブレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約10 μm〜約20 μmの直径を有する場合、画像オブジェクトは2つの非細胞粒子、例えば2つのビーズまたは「ダブレット」であると判定される。
いくつかの態様において、1つまたは複数のパラメータはオブジェクトの面積であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、両端の値も含めて0.5 μm2、1 μm2〜500 μm2、10 μm2〜100 μm2、25 μm2〜100 μm2、25 μm2〜75 μm2、40 μm2〜60 μm2、または50 μm2〜60 μm2の面積を有する。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、500 μm2、200 μm2、100 μm2、90 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2または50 μm2未満の面積を有する。特定の態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、10 μm2、25 μm2、50 μm2、40 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2または50 μm2超の面積を有する。いくつかの態様において、オブジェクトが両端の値も含めて0.5 μm2〜500 μm2、1 μm2〜500 μm2、10 μm2〜100 μm2、25 μm2〜100 μm2、25 μm2〜75 μm2、40 μm2〜60 μm2、または50 μm2〜60 μm2の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。いくつかの態様において、オブジェクトが500 μm2、200 μm2、100 μm2、90 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2または50 μm2未満の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。特定の態様において、オブジェクトが10 μm2、25 μm2、50 μm2、40 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2または50 μm2超の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。特定の態様において、オブジェクトが130 μm2未満の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。特定の態様において、オブジェクトが65 μm2未満の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。
いくつかの態様において、オブジェクトが両端の値も含めて1 μm2〜500 μm2、10 μm2〜100 μm2、25 μm2〜100 μm2、25 μm2〜75 μm2、40 μm2〜70 μm2もしくは50 μm2〜65 μm2または約1 μm2〜500 μm2、10 μm2〜100 μm2、25 μm2〜100 μm2、25 μm2〜75 μm2、40 μm2〜70 μm2もしくは50 μm2〜65 μm2の面積を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約65 μm2未満の面積を有する場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子、例えば単一のビーズまたは「シングレット」であると判定される。いくつかの態様において、オブジェクトが両端の値も含めて2 μm2〜1000 μm2、20 μm2〜200 μm2、50 μm2〜200 μm2、50 μm2〜150 μm2、60 μm2〜140 μm2もしくは65 μm2〜130 μm2または約2 μm2〜1000 μm2、20 μm2〜200 μm2、50 μm2〜200 μm2、50 μm2〜150 μm2、60 μm2〜140 μm2もしくは65 μm2〜130 μm2の面積を有する場合、画像オブジェクトは2つの非細胞粒子、例えば2つのビーズまたは「ダブレット」であると判定される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが65 μm2〜130 μm2または約65 μm2〜130 μm2の面積を有する場合、画像オブジェクトは2つの非細胞粒子、例えば2つのビーズまたは「ダブレット」であると判定される。
いくつかの態様において、1つまたは複数のパラメータはオブジェクトの面積であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、両端の値も含めて1 μm2〜500 μm2、10 μm2〜100 μm2、25 μm2〜100 μm2、25 μm2〜75 μm2、40 μm2〜60μm2、または50 μm2〜60 μm2の面積を有する。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、500 μm2、200 μm2、100 μm2、90 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2または50 μm2未満の面積を有する。特定の態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、10 μm2、25 μm2、50 μm2、40 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2または50 μm2超の面積を有する。いくつかの態様において、オブジェクトが両端の値も含めて1 μm2〜500 μm2、10 μm2〜100 μm2、25 μm2〜100 μm2、25 μm2〜75 μm2、40 μm2〜60 μm2、または50 μm2〜60 μm2の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。いくつかの態様において、オブジェクトが500 μm2、200 μm2、100 μm2、90 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2、または50 μm2未満の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。特定の態様において、オブジェクトが10 μm2、25 μm2、50 μm2、40 μm2、80 μm2、70 μm2、60 μm2、または50 μm2超の面積を有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。
いくつかの態様において、オブジェクトは蛍光強度(FI)を有する。特定の態様において、FIは、イメージングフィルタから反射された光から測定される。いくつかの態様において、イメージングフィルタはDAPI、CFP、GFP、YFP、RFP、テキサスレッド(Texas Red)、CY5、CY7、アクリジンオレンジ(Acridine Orange; ACR OR)、CFP-YFP FRET、ヨウ化プロピジウム(propidium, Iodide)、クロロフィル、フィコエリトリン、CY5.5、TagBFP、Alexa568、もしくはEx377/Em647であるか、またはそれらを含む。蛍光強度は365 nm〜850 nm、365〜750 nm、366〜578 nm、250〜1,000 nm、350〜1,000 nm、457〜514 nm、453〜633 nm、658〜747、または658〜647 nmで測定される。いくつかの態様において、蛍光強度は、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、タングステンハロゲンランプ、青色ダイオードラスター、ヘリウムカドミウム(helium-cadium)レーザー、Nd:YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザー、黄色ダイオードレーザー、クリプトンイオンレーザー、および/または赤色ダイオードレーザー源での刺激によりおよび/または刺激から測定される。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
ある種の態様において、オブジェクトは、バックグラウンド検出を上回るFIを有する。ある種の態様において、オブジェクトは、バックグラウンド、例えば、検出されるバックグラウンドシグナルよりも少なくとも1倍、2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1,000倍、5,000倍、20,000倍、50,000倍または50,000倍高いFIを有する。いくつかの態様において、ビーズであるオブジェクトは、バックグラウンドよりも少なくとも1倍、2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1,000倍、5,000倍、20,000倍、50,000倍または50,000倍高いFIを有する。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、閾値FIのFIまたは閾値FIを上回るFIを有する。ある種の態様において、閾値FIは、ビーズではない複数のオブジェクト、例えば細胞残屑から測定された平均(mean)、中央値、平均(average)、および/または上限FIである。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、ビーズではない複数のオブジェクトから測定された平均(mean)、中央値、平均(average)、および/または上限FIと比較して少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍または100倍高いFIを有する。特定の態様において、オブジェクトが閾値FIのFIまたは閾値FIを上回るFIを有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。いくつかの態様において、オブジェクトが、ビーズではない複数のオブジェクトから測定された平均(mean)、中央値、平均(average)、および/または上限FIと比較して少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、または100倍高いFIのFIを有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
ある種の態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、閾値FIのFIまたは閾値FIを下回るFIを有する。ある種の態様において、閾値FIは複数の細胞から測定された平均(mean)、中央値、平均(average)、および/または下限FIである。いくつかの態様において、ビーズであると判定されるオブジェクトは、ビーズではない複数の粒子、例えば細胞残屑から測定された平均(mean)、中央値、平均(average)、および/または下限FIと比較して少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または99.9%低いFIを有する。特定の態様において、オブジェクトが閾値FIのFIまたは閾値FIを下回るFIを有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。いくつかの態様において、オブジェクトが、ビーズではない複数のオブジェクトから測定された平均(mean)、中央値、平均(average)、および/または下限FIと比較して少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または99.9%低いFIを有する場合、オブジェクトはビーズであると判定される。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9または少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9の真円度を含む場合; (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて5 μmと10 μmの間の直径を含む場合; および/または(iii) 画像オブジェクトが25 μm2と50 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。いくつかの態様において、対照サンプルは、1つまたは複数の細胞を含むが、1つまたは複数の非細胞粒子を含まない、または含む可能性が低い細胞組成物をインキュベートすることによって産生される組成物であり、インキュベーションは細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.4と1.0もしくは約0.4と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.4と1.0もしくは約0.4と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて3 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.4と1.0もしくは約0.4と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと5 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて3 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと5 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.7と1.0もしくは約0.7と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.7と1.0もしくは約0.7と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて3 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが両端の値も含めて0.7と1.0もしくは約0.7と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと5 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、画像オブジェクトは単一(「シングレット」)、二重(「ダブレット」)、または他の複数の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトは1つまたは複数のパラメータに基づいて単一、二重、または他の複数の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトはオブジェクトの真円度に基づいては単一(「シングレット」)、二重(「ダブレット」)、または他の複数の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約0.7と約1.0の間の真円度を含む場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約0.4と約0.6の間の真円度を含む場合、画像オブジェクトは二重の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが0.4またはそれ以下の真円度を含む場合、画像オブジェクトは2つ超の非細胞粒子として分類される。
いくつかの態様において、画像オブジェクトはオブジェクトの直径に基づいて単一(「シングレット」)、二重(「ダブレット」)、または他の複数の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約1.0 μmと約7.5 μmの間の直径を含む場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約7.5 μmと約15 μmの間の直径を含む場合、画像オブジェクトは二重の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約15 μm超の直径を含む場合、画像オブジェクトは2つ超の非細胞粒子として分類される。
いくつかの態様において、画像オブジェクトはオブジェクトの面積に基づいて単一(「シングレット」)、二重(「ダブレット」)、または他の複数の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約65 μm2未満の面積を含む場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが65 μm2と130 μm2または約65 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合、画像オブジェクトは二重の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、画像オブジェクトが約130 μm2超の面積を含む場合、画像オブジェクトは2つ超の非細胞粒子として分類される。
いくつかの態様において、画像オブジェクトはオブジェクトの真円度、直径、および/または面積に基づいて単一(「シングレット」)、二重(「ダブレット」)、または他の複数の非細胞粒子として分類される。いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが0.7と1.0もしくは約0.7と1.0の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと7.5 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが65 μm2未満の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは単一の非細胞粒子(「シングレット」)である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて7.5 μmと15 μmの間の直径を含む場合、および/または(iii) 画像オブジェクトが65 μm2と130 μm2もしくは約65 μm2と130 μm2の間の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは二重の非細胞粒子(「ダブレット」)、例えば2つの非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、(i) 画像オブジェクトが約0.4未満の真円度を含む場合、(ii) 画像オブジェクトが約15 μm超の直径を含む場合; (iii) 画像オブジェクトが約130 μm2超の面積を含む場合; (iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または(v) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい蛍光強度(florescent intensity; FI)を含む場合、画像オブジェクトは2つ超の非細胞粒子である。いくつかの態様において、蛍光強度は平均蛍光強度である。
いくつかの態様において、非細胞粒子の数は、単一の非細胞粒子の数および非単一の非細胞粒子、例えば、ダブレットまたは他の複数の非細胞粒子の数を判定することによって計数される。いくつかの態様において、非細胞粒子の数は、単一の非細胞粒子の数および非単一の非細胞粒子、例えば、ダブレットまたは他の複数の非細胞粒子の数を加算することによって計数される。いくつかの態様において、非細胞粒子の数は、単一の非細胞粒子の数および二重の非細胞粒子の数を判定することによって計数される。いくつかの態様において、二重の非細胞粒子の数に2を乗じて、二重の非細胞粒子の数によって表される単一の非細胞粒子の数を判定する。いくつかの態様において、非細胞粒子の数は、単一の非細胞粒子の数および2を乗じた二重の非細胞粒子の数を加算することによって計数される。
いくつかの態様において、特定の組成物中の粒子の非存在または存在は、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー(例えばFACS)、または顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)によるような方法または技法により検出することができる。いくつかの態様において、結合剤は、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー(例えばFACS)、または顕微鏡法(例えば蛍光顕微鏡法)のような方法または技術による粒子の数および/または濃度の計数または判定を可能にする。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、フローサイトメトリー装置(例えばBeckman Coulter Z2 Coulter Counter、Beckman Coulter Inc.)を用いた蛍光活性化細胞選別(FACS)による粒子(例えばビーズ粒子)カウンティングによるアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の判定を伴う。本明細書の態様のいくつかにおいて、FACSは、粒子の表面上に存在する粒子(例えば自家蛍光)または任意の検出可能な試薬もしくは部分の蛍光の検出により粒子の検出を可能にする。いくつかの態様において、FACSに基づく方法は、粒子の存在、非存在、数および/または判定を判定することができる前にフローサイトメトリーによる検出のためにアウトプット組成物を調製する段階を含む。例えば、アウトプット組成物は、任意のさらなる検出可能な試薬および/または部分の添加なしにフローサイトメーターを用いて分析することができる。いくつかの態様において、さらなる検出可能な試薬または部分、例えば、蛍光標識または蛍光標識された抗体が添加される。フローサイトメトリーでは、蛍光標識された親和性試薬によって結合された細胞および/または粒子が流体流中で運搬され、サイズおよび/または蛍光シグナルに基づいて分離され、続いてFACSソフトウェアプログラム(例えばFlowJoソフトウェア)を用いて分析およびカウントされる。粒子の数または概数は、蛍光シグナルの検出によって判定することができ、それを任意でFACSソフトウェアプログラムにより判定または処理して、アウトプット組成物中の粒子の総数または概数を提供することができる。
いくつかの態様において、サンプル中の粒子を判定または評価するための他の方法を利用することができる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、自動細胞計数器(例えば、TC10自動細胞計数器, Bio-Rad Laboratories Inc.)を用いた粒子の検出によるアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の判定を伴う。そのような方法は、粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定することができる前に自動細胞計数器による検出のためにアウトプット組成物を調製する段階をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、顕微鏡(例えばOlympus IX70倒立顕微鏡)に適合されたような、血球計(例えば、Hausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計, Fischer Scientific)を用いた粒子の検出によるアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度の判定を伴う。いくつかの態様において、そのような方法は、粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定することができる前に、検出のためにアウトプット組成物を調製する段階をさらに含む。いくつかの態様において、血球計視野のグリッドまたは領域に存在する粒子を可視化および/またはカウントすることができ、これは、場合によっては、手動で実施することができる。一例として、例示的な血球計はHausser Nageotte Bright-Line(商標)血球計であり、これはおよそ40個の長方形を含み、およそ計または約50 μLの液体を保持する。血球計グリッドの、長方形の線に接触する粒子を含めて、40個の長方形の中で可視化された粒子をカウントして粒子カウントを得ることができる。
いくつかの態様において、同じサンプル(例えばアウトプット組成物)のアリコット量から、2回、3回、4回、5回またはそれ以上などの、複数回カウントを繰り返すことができ、複数のカウントを平均することができ、標準偏差を判定することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物1 μLあたりの粒子数は、平均粒子カウントを血球計に添加されたサンプルの総量(例えば50 μL)で割ることによって計算することができる。いくつかの態様において、細胞組成物あたりの全粒子(例えばビーズ粒子)の平均、標準偏差および変動係数(100×(標準偏差/平均))は、少なくとも3つの複製サンプルから計算することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物1 μLあたりの粒子数は、実施例1に記載されているように計算することができる。
いくつかの態様において、アウトプット組成物中で判定された粒子の数または濃度から、本方法は、溶解前のサンプルが導出されまたは得られた細胞組成物中の粒子の存在、非存在、数、および/または濃度を計算する段階をさらに含む。いくつかの態様において、サンプルが導出されまたは得られた細胞組成物中の全粒子(例えばビーズ粒子)の数を計算するために、アウトプット組成物中に存在すると判定された粒子の濃度(例えば1 μLあたりの粒子数)は、溶解方法を実施する前に、サンプルが導出されまたは得られた細胞組成物の量で乗算することができる。
いくつかの態様において、本方法はさらなる検出可能な試薬または部分とのアウトプット組成物のインキュベーションを伴う。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、粒子を検出する試薬とともにインキュベートされる。いくつかの態様において、蛍光に基づく方法または技法を用いて、本明細書において記載する方法の粒子を検出および/または計数することができる。いくつかの局面において、提供される方法は、粒子に付着した、粒子を呈するまたはそれ以外の方法で粒子に関連する任意の材料、部分または分子を変化させずまたは実質的に変化させず、それにより、そのような材料、部分または分子を特異的に結合または認識する結合剤(例えば抗体、リガンドまたは他の結合分子を用いたそのような材料、部分または分子の直接的または間接的検出を可能にする。いくつかの態様において、結合剤は抗体またはその抗原結合断片である。例えば、結合剤は、粒子のコーティング上の粒子(例えば、重合体)上の材料、粒子に付着した親和性試薬(例えば抗体)または粒子上に存在するおよび/もしくは粒子に関連する他の材料もしくは部分を認識する抗体またはその抗原結合断片でありうる。いくつかの態様において、粒子上の材料もしくは粒子に関連する材料および/またはアウトプット組成物の粒子中の粒子に付着した親和性試薬の結合剤による検出の程度または水準は、平均で、実質的に同じまたは同じ粒子を含むが、しかし提供される方法によって1回または複数回のインキュベーションに曝露または供されなかった参照組成物における、平均での、結合剤による同じ材料または親和性試薬の検出の程度または水準の少なくともまたは約少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上である。いくつかの態様において、粒子上の材料もしくは粒子に関連する材料および/またはアウトプット組成物の粒子中の粒子に付着した親和性試薬の結合剤による検出の程度または水準は、平均で、実質的に同じまたは同じ粒子を含むが、しかし提供される方法によって1回または複数回のインキュベーションに供される代わりに漂白剤で処理された参照組成物における、平均での、結合剤による同じ材料または親和性試薬の検出の程度または水準よりも約または約少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍またはそれ以上高い。
いくつかの態様において、結合剤は、粒子のコーティング上のような、粒子上の重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、および/または炭素に結合する。いくつかの態様において、結合剤は、粒子コート上に存在する重合体に結合する抗体またはその抗原結合断片であることができる。いくつかの態様において、結合剤は、粒子のコーティングにコンジュゲート、連結および/またはカップリングされた親和性試薬のような、粒子にコンジュゲート、連結および/またはカップリングされた親和性試薬に結合する。いくつかの態様において、親和性試薬は、核酸(例えばDNA)、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、抗原、または本明細書において記載する親和性試薬のような任意の他の分子である。
いくつかの態様において、結合剤は、粒子に付着した親和性試薬を検出するものであることができる。いくつかの態様において、親和性試薬は抗体(例えば、抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体または本明細書において記載のもしくは公知の他の抗体)である。いくつかの態様において、親和性試薬を検出するための結合剤(例えば抗体)は、粒子の表面上の抗体に対する抗イディオタイプ抗体である。いくつかの態様において、親和性試薬を検出するための結合剤(例えば抗体)は、抗体の重鎖または軽鎖のクラス、サブクラス、タイプまたはサブタイプに対する抗アイソタイプ抗体である。いくつかの態様において、結合剤は、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3またはIgG4に対するものなどの、IgGクラスを認識または特異的に結合する抗体である。いくつかの態様において、親和性試薬は、マウス、ウサギ、ラット、ヤギ、ヒツジ、ロバまたはヒト抗体である抗体であり、結合剤はそのような種を認識する(例えば、親和性試薬はマウス抗体であり、親和性試薬は抗マウスIgG1、抗マウスIgG2aなどである)。
いくつかの態様において、結合剤は、例えば、蛍光色素、蛍光タンパク質、金粒子、銀粒子、アウトプット組成物中の粒子と比較して異なる散乱スペクトルを有する粒子、ポリペプチド(例えば、FLAG(商標)タグ、ヒトインフルエンザ血球凝集素(HA)タグなど)、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、化学発光基質、およびその標的に結合した親和性試薬を可視化または検出するために用いられる当技術分野において周知の他の標識で標識されうる。
いくつかの態様において、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を計数するまたは検出する方法が提供され、本方法は、粒子の表面上の材料(例えば重合体)および/または粒子に付着した親和性試薬に特異的に結合する結合剤を用いてアウトプット組成物中の粒子の存在、非存在、数および/または濃度を判定し、それによって細胞組成物中の粒子の存在または非存在を計数するまたは検出する段階を含む。いくつかの態様において、結合剤は抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、粒子は、重合体を含有するコートを含み、結合剤は、重合体を認識する抗体である。いくつかの態様において、粒子は、抗体(例えばマウス抗体)を含有するコートを含み、結合剤は抗体(例えば抗マウス抗体)である。いくつかの態様において、粒子は、ストレプトアビジンを含有するコートを含み、結合剤は抗ストレプトアビジン抗体またはビオチン化分子である。
1つまたは複数の処理段階の例として、アウトプット組成物は粒子を含んでもよく、1つまたは複数の粒子は、重合体および/または細胞表面タンパク質に対する1つもしくは複数の親和性試薬(例えば抗体) (例えば抗CD3抗体、抗CD28抗体もしくは他の抗体)を含むコートをさらに含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、細胞残屑を除去または低減するために洗浄および/または遠心分離される。アウトプット組成物はその後、結合剤を重合体または親和性試薬に結合させるのに十分な条件の下で、重合体を認識する結合剤(例えば蛍光標識抗体)および/または抗体(例えば抗CD3もしくは抗CD28)を認識する結合剤(例えば蛍光標識抗アイソタイプ抗体)とともにインキュベートされうる。アウトプット組成物は、ヒト血清アルブミンのようなタンパク質を含む溶液などの、ブロッキング溶液とともにインキュベートすることができる。場合によっては、ブロッキング溶液は、結合剤による細胞組成物の他の成分への非特異的結合を防ぐのに役立つ。いくつかの態様において、結合剤とのインキュベーションの前に、それと同時にまたはその後に、アウトプット組成物はブロッキング溶液とともにインキュベートされうる。アウトプット組成物をさらに洗浄および/または遠心分離して、過剰の結合剤および/または粒子上の重合体もしくは親和性試薬に特異的に結合していない結合剤を除去することができる。アウトプット組成物は、2回、3回、4回またはそれ以上のような、複数回洗浄されうる。
III. 粒子および粒子を含有する細胞組成物の存在下で細胞を処理する方法
いくつかの局面において、提供される方法を用いて細胞組成物中の、非細胞粒子、例えばビーズ粒子の存在または非存在を検出することができる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法で用いられるサンプルは、細胞組成物の少なくとも一部分を含むか、または細胞組成物に由来する。いくつかの局面において、細胞組成物は、養子細胞療法のために対象に投与するための組み換え受容体を発現するように操作された細胞、例えば、T細胞を含むことができる。いくつかの局面において、操作された細胞は、細胞組成物中の特定の細胞の刺激のためおよび/または濃縮のため、非細胞粒子との細胞のインキュベーションを伴うプロセスを用いて作製することができる。いくつかの局面において、プロセスはまた、インキュベーション後の、そのような非細胞粒子、例えばビーズ粒子の除去を伴う。いくつかの局面において、提供される自動化された方法を用いて、除去段階後にサンプル中に残存するビーズのような、細胞組成物に存在する残留非細胞粒子、例えばビーズを計数することができる。場合によっては、提供される方法を用いて、非細胞粒子、例えばビーズ粒子の除去の効率を判定することができ、ビーズ粒子の不完全な除去から生じうる有害または有毒な影響を低減することができる。
いくつかの態様において、提供される方法は、細胞組成物から導出されまたは得られるサンプル中の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数および/または濃度を判定するために用いることができる。いくつかの態様において、細胞組成物は薬学的組成物であることができ、および/または対象への投与のために処方することができる。いくつかの態様において、サンプルは細胞組成物の少なくとも一部分を含む。いくつかの態様において、粒子の存在、非存在、数および/または濃度について評価されるサンプルは、細胞組成物の一部分を含み、または細胞組成物の一部分である。いくつかの態様において、サンプルは、細胞組成物の0.1%、0.25%、0.5%、0.75%、1%、1.5%、2%、2.5%、5.0%、10.0%、20.0%、30.0%、40.0%、または50.0%以下に相当する。
いくつかの態様において、細胞組成物は、細胞の集団中の1つまたは複数の細胞の濃縮、分離、選択、単離、刺激、活性化および/または拡張のためのような、1つまたは複数の粒子(1つまたは複数のミクロスフェアまたはビーズ粒子のような)の存在下で処理された細胞調製物であることができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)は、粒子を細胞の集団とインキュベートまたは接触することによるような、細胞と混合され、それによって細胞組成物を産生する。いくつかの態様において、1つまたは複数の粒子は集団中の1つまたは複数の細胞に結合することができる。いくつかの態様において、処理は、1つまたは複数の粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)と特異的に会合しているまたは特異的に会合していた、かつ依然として細胞組成物中に存在するまたは潜在的に存在する1つまたは複数の細胞を含むまたは潜在的に含む細胞組成物を産生する。
いくつかの態様において、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の、細胞集団とのインキュベーションまたは接触のような、混合は、集団中の細胞の濃縮、分離、選択、単離、活性化、刺激および/または拡張を促進するかまたはもたらす。いくつかの態様において、典型的には、濃縮、分離、選択、単離、活性化、刺激および/または拡張は、細胞集団中の1つまたは複数の細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子(例えば細胞表面受容体)と結合または係合するような、特異的に相互作用する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の表面上に存在する1つまたは複数の親和性試薬のような、1つまたは複数の生体分子(例えば抗体のような、タンパク質)の存在によって達成される。いくつかの態様において、粒子上の生体分子、例えば親和性試薬の提示は、細胞上のいくつかの巨大分子が、粒子上に存在する親和性試薬と結合または係合できる多価リガンドを作製することができる。いくつかの態様において、細胞組成物は、細胞および粒子を含む混合物からの1つまたは複数の粒子の除去によって処理される。
いくつかの態様において、処理は、例えば、粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)上の親和性試薬と細胞の表面上の巨大分子との間の特異的相互作用を介して、1つまたは複数の粒子と特異的に会合しているまたは特異的に会合していた1つまたは複数の細胞を含むまたは潜在的に含む細胞組成物を産生する。いくつかの態様において、治療用細胞組成物のような、細胞組成物は、1つまたは複数の非細胞粒子とのインキュベーションによる、およびさらに1つまたは複数の粒子を除去することによるなどの、本明細書において記載するように処理される。いくつかの態様において、細胞組成物は、細胞の集団を1つまたは複数の粒子と混合して、細胞から1つまたは複数の粒子を除去することによってさらに処理されるインプット組成物を産生する段階を含む方法によって産生される。いくつかの態様において、記載された方法、キットおよび試薬を用いて、処理された細胞組成物中に存在する残留粒子の存在または非存在を評価することができる。いくつかの態様において、細胞組成物、例えば、治療用細胞組成物は、本明細書において記載する方法を用いて評価することができる。
いくつかの態様において、インプット組成物は、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む。いくつかの態様において、インプット組成物は、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む。いくつかの態様において、インプット組成物は、細胞の集団を1つまたは複数の粒子と混合することから産生され、例えば、細胞操作プロセスにおける中間組成物であることができる。いくつかの態様において、インプット組成物は、本明細書において記載する細胞組成物の少なくとも一部分、または操作プロセス中の細胞組成物の1つの段階の少なくとも一部分を含む。いくつかの態様において、インプット組成物は、細胞組成物中の細胞の操作プロセス中に産生される中間組成物である。
いくつかの局面において、インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルは、本明細書において提供される方法に関連して用いられ、例えば、インキュベーションに供されて溶解を誘導してアウトプット組成物を作製し、これが次に、蛍光イメージングおよび/または他の分析方法によって分析および評価される。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法で用いられるサンプルは、インプット組成物の少なくとも一部分であるか、またはインプット組成物に由来する。
いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子に結合した1つまたは複数の細胞を含む組成物に由来するインプット組成物は、1つまたは複数の非細胞粒子を除去することによってさらに処理される。いくつかの態様において、インプット組成物は、粒子の除去に供された組成物であり、それゆえ、粒子を含まないか、または実質的に含まないものと考えられる。いくつかの局面において、除去プロセスは、組成物中の粒子の全てを完全に除去するわけではなく、インプット組成物は、残留粒子を含みうる。したがって、いくつかの態様において、インプット組成物は、本明細書において提供される方法を用いて、残留粒子の存在または非存在を試験するための組成物であり; およびサンプルは、インプット組成物から得られまたは導出される。いくつかの態様において、インプット組成物は、1つまたは複数の非細胞粒子とのインキュベーション後のような、インプット組成物中の1つまたは複数の細胞の表面に結合した、または結合していた1つまたは複数の非細胞粒子を含むかまたは含むことが疑われ、そのような1つまたは複数の非細胞粒は、1つまたは複数の細胞を有する組成物中に存在する。いくつかの態様において、インプット組成物は、細胞組成物から非細胞粒子を除去または低減する段階の後に残留粒子を含むかまたは含むことが疑われ、1つまたは複数の細胞を有する組成物にはいくつかの粒子が残存しうることが分かっていないか、またはその可能性が高いもしくはその疑いがある。いくつかの態様において、インプット組成物は、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む細胞組成物に由来し、そのような1つまたは複数の細胞は、1つまたは複数の非細胞粒子に結合しているか、または結合していた。いくつかの態様において、インプット組成物は、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む細胞組成物に由来し、そのような1つまたは複数の細胞は、1つまたは複数の非細胞粒子に結合しているか、または結合していたかであり、そのような細胞組成物は、細胞組成物から1つまたは複数の非細胞粒子を除去または低減するための段階によってさらに処理されたものである。
いくつかの態様において、細胞組成物は、1つまたは複数の粒子の存在下で処理された細胞調製物であり、細胞調製物からの粒子の除去のための1つまたは複数の段階にさらに供される。場合によっては、粒子の除去が不完全であるか、またはそうでなければ粒子の除去が完全であるかどうかは不明であり、得られる細胞組成物は残留粒子を含むか、または含みうる。いくつかの態様において、本明細書において提供される細胞組成物は、残留粒子を含むかまたは含むことが疑われる。
いくつかの態様において、細胞または細胞集団の刺激および/または増大のためのような、本明細書において提供される細胞組成物における粒子(例えばビーズ粒子)対細胞の比率は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、2:1、2:2、2:3、2:4、2:5、2:6、2:7、2:8、2:9、2:10、3:1、3:2、3:3、3:4、3:5、3:6、3:7、3:8、3:9、3:10、4:1、4:2、4:3、4:4、4:5、4:6、4:7、4:8、4:9、4:10、5:1、5:2、5:3、5:4、5:5、5:6、5:7、5:8、5:9、5:10、6:1、6:2、6:3、6:4、6:5、6:6、6:7、6:8、6:9、6:10、7:1、7:2、7:3、7:4、7:5、7:6、7:7、7:8、7:9、7:10、8:1、8:2、8:3、8:4、8:5、8:6、8:7、8:8、8:9、8:10、9:1、9:2、9:3、9:4、9:5、9:6、9:7、9:8、9:9、9:10、10:1、10:2、10:3、10:4、10:5、10:6、10:7、10:8、10:9、または10:10のいずれかである。いくつかの態様において、(例えば、細胞または細胞集団の刺激および/または増大のための)本明細書において提供される組成物における粒子(例えばビーズ粒子)対細胞の比率は約1:1、約1:2、約1:10、約4:1、または約3:1である。
いくつかの態様において、細胞組成物は、同じサイズ(例えば、同じ直径)を有する複数の粒子を含む。いくつかの態様において、細胞組成物は、少なくとも2つの異なるサイズを有する複数の粒子を含む。例えば、細胞組成物は、約3 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約4 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約5 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約6 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約7 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約8 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約9 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約10 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約11 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約12 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約13 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、約14 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子、および/または約15 μmの直径を有する1つもしくは複数の粒子を含みうる。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞のサイズは約1.0 μm〜約30 μm、約1.0 μm〜約25 μm、約1.0 μm〜約20 μm、約1.0 μm〜約15 μm、約1.0 μm〜約10 μm、約1.0 μm〜約5.0 μm、約10 μm〜約15 μm、約6 μm〜約12 μm、または約7 μm〜約8 μmである。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞のサイズは、およそ少なくとも1 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、11 μm、12 μm、13 μm、14 μm、15 μm、16 μm、17 μm、18 μm、19 μm、20 μm、21 μm、22 μm、23 μm、24 μm、もしくは25 μmであるか、または少なくとも1 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、11 μm、12 μm、13 μm、14 μm、15 μm、16 μm、17 μm、18 μm、19 μm、20 μm、21 μm、22 μm、23 μm、24 μm、もしくは25 μmである。
いくつかの態様において、細胞組成物または細胞組成物もしくはインプット組成物から得られるもしくは導出されるサンプル中の細胞の濃度は、少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとも約2.5×106細胞/mL、少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとも約1×108細胞/mL、または少なくとも約5×108細胞/mLである。いくつかの態様において、サンプル、細胞組成物またはインプット組成物中の細胞の濃度は、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×108細胞/mLまたは少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mLである。いくつかの態様において、サンプル、細胞組成物またはインプット組成物中の細胞の濃度は、1×102細胞/mL〜1×108細胞または約1×102細胞/mL〜1×108細胞、例えば1×104細胞/mL〜1×108細胞/mL、1×104細胞/mL〜1×107細胞/mL、または1×106細胞/mL〜7×107細胞/mLである。いくつかの態様において、サンプル、細胞組成物またはインプット組成物中の細胞の濃度は、10×106細胞超もしくは約10×106細胞超、15×106細胞超もしくは約15×106細胞超、25×106細胞超もしくは約25×106細胞超である。いくつかの態様において、サンプル、細胞組成物またはインプット組成物中の細胞の濃度は、約1000万個の細胞/mL〜約7000万個の細胞/mL、約1000万個の細胞/mL〜約5000万個の細胞/mL、約1000万個の細胞/mL〜約2500万個の細胞/mL、約1000万個の細胞/mL〜約1500万個の細胞/mL、1500万個の細胞/mL〜約7000万個の細胞/mL、約1500万個の細胞/mL〜約5000万個の細胞/mL、約1500万個の細胞/mL〜約2500万個の細胞/mL、約2500万個の細胞/mL〜約7000万個の細胞/mL、約2500万個の細胞/mL〜約5000万個の細胞/mL、および約5000万個の細胞/mL〜約7000万個の細胞/mLである。いくつかの局面において、溶解の条件は、記載された細胞濃度のいずれかを含むサンプル中の一部または全部の細胞の溶解を誘導するのに十分である。
いくつかの態様において、本明細書において記載するインプット組成物またはインプット組成物から得られるもしくは導出されるサンプルの量は、約0.2 mL 〜 50 mL、0.2 mL〜20 mL、0.5 mL〜10 mL、0.5 mL〜5 mL、または0.75 mL〜1.5 mLのいずれかである。いくつかの態様において、本明細書において記載する細胞組成物または細胞組成物から得られるもしくは導出されるサンプルの量は、少なくとも約0.2 mL、約 0.5 mL、約 0.6 mL、約 0.7 mL、約 0.8 mL、約 0.9 mL、約 1.0 mL、約 1.1 mL、約 1.2 mL、約 1.3 mL、約 1.4 mL、約 1.5 mL、約 1.6 mL、約 1.7 mL、約 1.8 mL、約 1.9 mL、約 2.0 mL、約 5.0 mL、約 10.0 mL、約 20 mL、もしくは約 50 mLしかし100 mL以上であり、または少なくとも0.2 mL、約 0.5 mL、約 0.6 mL、約 0.7 mL、約 0.8 mL、約 0.9 mL、約 1.0 mL、約 1.1 mL、約 1.2 mL、約 1.3 mL、約 1.4 mL、約 1.5 mL、約 1.6 mL、約 1.7 mL、約 1.8 mL、約 1.9 mL、約 2.0 mL、約 5.0 mL、約 10.0 mL、約 20 mL、もしくは約 50 mLしかし100 mL以上である。
A. 非細胞粒子、例えばビーズ粒子
いくつかの態様において、細胞は1つまたは複数の粒子(1つまたは複数の非細胞粒子)とインキュベートまたは接触される。場合によっては、本明細書において記載する粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記載する親和性試薬(例えば抗体)のような、親和性試薬などの、生体分子を結合し、それによって細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子、例えば細胞表面タンパク質の発現または発現レベルに基づき細胞集団中の1つまたは複数の細胞型の分離、濃縮、選択、単離、活性化、刺激および/または拡張を容易にすることができる固体支持体またはマトリックスを提供する。いくつかの態様において、細胞は、細胞の表面上の巨大分子に特異的に結合することができる、親和性試薬などの、生体分子に典型的にはコンジュゲートまたは連結している粒子とインキュベートまたは接触させることができる。いくつかの態様において、粒子は固体表面でありまたは固体表面を含む。いくつかの態様において、粒子はビーズ粒子である。いくつかの態様において、粒子は自家蛍光粒子である。いくつかの態様において、自家蛍光粒子は、例えば、蛍光イメージングを用いて検出および分析され、細胞組成物から得られたおよび/または導出されたサンプル中に存在する粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)の存在、非存在、数、および/または濃度を判定することができる。
いくつかの態様において、粒子は自家蛍光粒子である。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、自家蛍光ビーズ粒子を含む。いくつかの態様において、粒子は自家蛍光性である。いくつかの局面において、非細胞粒子の自家蛍光は、約650 nmと約700 nmの間の波長で検出することができる。提供される態様のいずれかのいくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光は、約685 nmの波長で検出することができる。いくつかの態様において、自己蛍光粒子は、それらが光、例えば、顕微鏡または蛍光プレートリーダーのような蛍光イメージング機器の光源からの光を吸収した際のそれらの自然放出によって検出することができる。いくつかの態様において、自家蛍光粒子は、1つまたは複数の非細胞粒子を検出するための任意のさらなる検出可能な試薬または部分の添加なしに検出することができる。いくつかの局面において、提供される態様は、粒子の検出のためにさらなる試薬が必要とされず、評価に必要なコストと時間を低減し、ならびに/または実験のバラツキおよび/もしくは操作者のバラツキを低減するという利点を供与する。
いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は、さらなる検出可能な試薬または部分を含まない、例えば、さらなる蛍光標識を含まない。いくつかの態様において、1つまたは複数の非細胞粒子は自家蛍光性であるが、分析段階を行う前に、異なる追加の検出可能な試薬または部分を用いてさらに接触またはインキュベートされない。
いくつかの態様において、粒子は、内部コアを含む複合粒子であってよい。いくつかの態様において、内部コアは磁性コア、常磁性コアまたは超常磁性コアである。いくつかの態様において、内部コア(例えば、磁性コア)は任意の適当な金属でありまたは任意の適当な金属を含む。いくつかの態様において、金属は、鉄、ニッケル、銅、コバルト、ガドリニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、ジルコニウム、またはそれらの任意の組み合わせであってよいが、これらに限定されることはない。本明細書において記載する内部コア(例えば磁性コア)に含まれうる適当な物質は、金属酸化物(例えば酸化鉄)、フェライト(例えば、マンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライトなど)、ヘマタイトおよび金属合金(例えばCoTaZr)を含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、内部コアは、フェライト、金属、金属合金、酸化鉄、または二酸化クロムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、内部コアは元素鉄またはその化合物を含む。いくつかの態様において、内部コアは、マグネタイト(Fe3O4)、マグヘマイト(γFe2O3)、またはグレイガイト(Fe3S4)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、内部コアは酸化鉄(例えば、Fe3O4)を含む。いくつかの態様において、内部コアはコロイド状鉄(例えばコロイド状酸化鉄)を含む。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は磁場中で反応する。いくつかの態様において、粒子は磁性粒子(例えば磁性ビーズ粒子)である。
いくつかの態様において、内部コアは、ポリマー、多糖類、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素またはそれらの組み合わせをさらに含むことができる。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー(COP)およびポリビニルアルコールからなる群より選択される1つまたは複数である。いくつかの態様において、ポリマーはポリスチレンである。いくつかの態様において、ポリマーはポリグルタルアルデヒドである。いくつかの態様において、ポリマーは生分解性ポリマーである。いくつかの態様において、多糖類は、キトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、またはデキストラン誘導体であってよい。いくつかの態様において、シリカは酸化ケイ素である。いくつかの態様において、タンパク質はアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)である。いくつかの態様において、炭素は、アクリルアミドおよびマレイン酸からなる群より選択される1つまたは複数である。いくつかの態様において、内部コアは金属酸化物(例えば酸化鉄)およびポリマー(例えばポリスチレン)を含む。いくつかの態様において、内部コアは、コロイド状鉄(例えばコロイド状酸化鉄)およびポリマー(例えばポリスチレン)を含む。
いくつかの態様において、内部コアはナノ粒子を含む。いくつかの態様において、内部コアはマイクロビーズを含む。そのようなナノ粒子またはマイクロビーズはそれぞれ、本明細書において記載する金属および/またはポリマーを含む、それ自体の内部コアを有することができ、場合により本明細書において記載するコートのようなコートをさらに含むことができる。いくつかの態様において、本明細書において記載する内部コアは、ナノ粒子およびポリマー(例えばシリカ)を含む。いくつかの態様において、本明細書において記載する内部コアは、マイクロビーズおよびポリマー(例えばシリカ)を含む。
いくつかの態様において、本明細書において記載する内部コアは、約3000 nm、約2000 nm、約1000 nm、約900 nm、約800 nm、約700 nm、約600 nm、約500 nm、約400 nm、約300 nm、約200 nm、約100 nm、約90 nm、約80 nm、約70 nm、約60 nm、約50 nm、約40 nm、約30 nm、約20 nm、または約10 nm未満の直径を有する。いくつかの態様において、内部コアは、約3000 nm、約2000 nm、約1000 nm、約900 nm、約800 nm、約700 nm、約600 nm、約500 nm、約400 nm、約300 nm、約200 nm、約100 nm、約90 nm、約80 nm、約70 nm、約60 nm、約50 nm、約40 nm、約30 nm、約20 nm、または約10 nmのいずれかの直径を有する。いくつかの態様において、内部コアは約100 nm、またはそれ未満の直径を有する。いくつかの態様において、内部コアは約50 nm、またはそれ未満の直径を有する。
いくつかの態様において、粒子は、粒子の表面上の1つまたは複数のコートまたはコーティング(例えば表面コーティング)のような1つまたは複数のコートまたはコーティングをさらに含むことができる。いくつかの態様において、1つまたは複数のコートまたはコーティングが内部コアを保護し、親和性試薬へのコンジュゲーションまたはカップリングのための材料を提供し、および/または生分解性表面を提供する。
いくつかの態様において、本明細書において記載するコートまたはコーティング(例えば表面コーティング)は保護コートを提供する。いくつかの態様において、コート(例えば保護コート)またはコーティング(例えば保護コーティング)は、内部コア(例えば磁性コア)の酸化を低減または防止する。例えば、コートは磁性コアを酸化から保護、低減または防止しうる。いくつかの態様において、コートまたはコーティングは粒子(例えばビーズ粒子)の内部コアを保持する。いくつかの態様において、コートまたはコーティングは内部コアの劣化を防止する。いくつかの態様において、粒子、例えばビーズ粒子は不活性である。いくつかの態様において、コート(例えば保護コート)またはコーティング(例えば保護コーティング)は、粒子(例えばビーズ粒子)を保護し、不活性にする。
いくつかの態様において、コートは、親和性試薬にカップリング、連結またはコンジュゲートされうる少なくとも1つの材料を含む。いくつかの態様において、材料は、核酸(例えばDNA)、タンパク質、抗体、抗原、または所望の標的(例えばT細胞)に対する任意の他の親和性試薬のような1つまたは複数の親和性試薬にカップリング、連結またはコンジュゲートされることができる。
いくつかの態様において、コートは、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない、材料を含むことができる。いくつかの態様において、重合体は、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、シクロオレフィン重合体(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチルメタクリレート) (PMMA)、ポリ(ジメチルシロキサン) (PDMS)、シクロオレフィン共重合体(COC)またはポリビニルアルコールであることができる。いくつかの態様において、重合体はポリスチレンである。
いくつかの態様において、コートは、多糖類、シリカ、脂肪酸、タンパク質またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない、材料を含むことができる。いくつかの態様において、重合体は生分解性重合体である。いくつかの態様において、多糖類は、キトサン、アガロース、デンプン、デキストラン、またはデキストラン誘導体であることができる。いくつかの態様において、シリカは酸化ケイ素である。いくつかの態様において、シリカは酸化ケイ素である。内部コアをコーティングするための酸化ケイ素を生成する方法は、周知である。米国特許第8,398,741号を参照されたい。いくつかの態様において、コートは、アルブミン(例えばヒト血清アルブミン)、プロテインA、およびプロテインGであるタンパク質であるかまたはタンパク質を含む材料を含有するかまたは含む。いくつかの態様において、炭素はアクリルアミドまたはマレイン酸である。いくつかの態様において、材料は、本明細書において記載する親和性試薬にカップリング、連結またはコンジュゲートされる。
いくつかの態様において、コートは重合体を含むことができる。いくつかの態様において、重合体は、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、シクロオレフィン重合体(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチルメタクリレート) (PMMA)、ポリ(ジメチルシロキサン) (PDMS)、シクロオレフィン共重合体(COC)およびポリビニルアルコールからなる群より選択される1つまたは複数である。いくつかの態様において、重合体は熱可塑性である。いくつかの態様において、重合体は生体適合性重合体である。いくつかの態様において、重合体は、重合体を含むおよび/または重合体でコーティングされている粒子を、自家蛍光性にする(例えば、Young et al., (2013) Anal Chem. 85(1): 44-49を参照のこと)。いくつかの態様において、重合体はポリスチレンである。
いくつかの態様において、本明細書において記載するコートまたはコーティング(例えば保護コート)は、約500 nm未満、約450 nm未満、約400 nm未満、約350 nm未満、約300 nm未満、約250 nm未満、約200 nm未満、約150 nm未満、約100 nm未満、約75 nm未満、約50 nm未満、または約25 nm未満の厚さを有する。いくつかの態様において、本明細書において記載するコートまたはコーティング(例えば保護コート)は、約500 nm、約450 nm、約400 nm、約350 nm、約300 nm、約250 nm、約200 nm、約150 nm、約100 nm、約75 nm、約50 nm、または約25 nmの厚さを有する。
いくつかの態様において、本明細書において記載する粒子(例えばビーズ粒子)は、内部コアおよびコート(例えば保護コート)を有することができ、コートは本明細書において記載する1つまたは複数の材料を含有する。いくつかの態様において、本明細書において記載する粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を含み、コートは少なくとも1つのポリマーを含む。いくつかの態様において、本明細書において記載する粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を含み、コートは少なくとも1つのポリマー(例えばポリスチレン)を含む。いくつかの態様において、本明細書において記載する粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびコート(例えば保護コート)を有し、コートは少なくとも1つのポリマー(例えばポリスチレン)およびシリカを含む。本明細書における任意のそのような態様のいくつかにおいて、金属酸化物コアは、コロイド状鉄を含む酸化鉄コア(例えばコロイド状酸化鉄内部コア)である。本明細書における任意のそのような態様のいくつかにおいて、金属酸化物コアは、ポリマーおよびコロイド状鉄を含む。任意のそのような態様のいくつかにおいて、コートは約400 nmの厚さを有する。
本明細書における態様のいくつかにおいて、粒子(例えばビーズ粒子)は、約0.001 μm超、約0.01 μm超、約0.1 μm超、約1.0 μm超、約10 μm超、約50 μm超、約100 μm超または約1000 μm超、かつ約1500 μmを超えない直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、約1.0 μm〜約500 μm、約1.0 μm〜約150 μm、約1.0 μm〜約30 μm、約1.0 μm〜約10 μm、約1.0 μm〜約5.0 μm、約2.0 μm〜約5.0 μm、または約3.0 μm〜約5.0 μmの直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、約3 μm〜約5 μmの直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、少なくともまたは少なくとも約または約0.001 μm、0.01 μm、0.1 μm、0.5 μm、1.0 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、12 μm、14 μm、16 μm、18 μmまたは20 μmの直径を有する。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記載する細胞組成物またはサンプルにおいて、細胞の直径の約1.5倍超、約2倍超、約3倍超、約4倍超、または約5倍超、かつ細胞の直径の10倍を超えない直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記載する細胞組成物またはサンプル中の細胞の直径の1.5倍未満、2倍未満、3倍未満、4倍未満、または5倍未満である直径を有する。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、細胞のサイズの1.5倍以内(細胞のサイズの1.5倍超または未満または以下)のような本明細書において記載する細胞組成物またはサンプル中の細胞と実質的に同じまたはほぼ同じサイズである。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、粒子のコートまたはコーティングに(直接的または間接的に)カップリング、コンジュゲートまたは連結されている1つまたは複数の生体分子、例えば親和性試薬のような、親和性試薬などの、1つまたは複数の生体分子をさらに含むことができる。いくつかの態様において、本明細書において企図される親和性試薬のような、生体分子は、RNA、DNA、タンパク質(例えば酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質レクチン、または所望の標的に対する親和性(例えば親和性試薬)を有する任意の他の親和性試薬(例えばストレプトアビジン)を含むことができるが、これらに限定されることはない。親和性試薬のような、1つまたは複数の生体分子は、公知のかつ利用可能な種々の方法によって粒子(例えばビーズ粒子)に直接的または間接的に付着されうる。付着は共有結合性、非共有結合性、静電性、または疎水性であってよく、例えば、化学的手段、機械的手段、または酵素的手段を含めて、種々の付着手段によって達成されてもよい。いくつかの態様において、親和性試薬(例えば、ビオチン化抗CD3抗体)は、粒子に直接付着されている別の親和性試薬(例えば抗ビオチン抗体)を介して粒子に間接的に付着されてもよい。
いくつかの態様において、生体分子は、抗体である親和性試薬である。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、および単鎖分子、ならびに抗体断片(例えばFab、F(ab')2およびFv)を含むことができる。いくつかの態様において、親和性試薬は抗体断片(抗原結合断片を含む)、例えばFab、Fab'-SH、Fv、scFv、または(Fab')2断片である。IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE定常領域を含む、任意のアイソタイプの定常領域を本明細書において企図される抗体に使用することができるものと、ならびにそのような定常領域を任意のヒトまたは動物種(例えばネズミ種)から得ることができるものと理解されよう。
いくつかの態様において、抗体は抗ビオチン抗体または抗IgG抗体である。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片はビオチン化されている(例えばビオチン化抗CD3抗体)。
いくつかの態様において、親和性試薬のような、分子は細胞上の標的に特異的に結合する。いくつかの態様において、標的は細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子である。本明細書において企図される細胞は、T細胞(例えばCD4+ T細胞、CD8+ T細胞など)、B細胞(例えば記憶B細胞、血漿B細胞など)、ナチュラルキラー細胞、好酸球、肥満細胞、好塩基球、マクロファージ、および樹状細胞を含むが、これらに限定されることはない。
場合によっては、本明細書において記載する粒子(例えばビーズ粒子)は、本明細書において記載する親和性試薬(例えば抗体)のような、親和性試薬などの、生体分子を結合し、それによって細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子、例えば細胞表面タンパク質の発現または発現レベルに基づき細胞集団中の1つまたは複数の細胞型の分離、濃縮、選択、単離、活性化、刺激および/または拡張を容易にすることができる固体支持体またはマトリックスを提供する。利用できる、親和性試薬のような、生体分子のなかには、RNA、DNA、タンパク質(例えば酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質レクチン、または細胞の表面上の1つもしくは複数の生体分子に特異的に結合することができる任意の他の親和性試薬(例えばストレプトアビジン)が含まれるが、これらに限定されることはない。ある種の態様において、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、細胞の表面上の1つまたは複数の巨大分子に直接的または間接的に結合する親和性試薬(例えば抗体)のような、1つまたは複数の生体分子を含む。
いくつかの態様において、粒子は、細胞の表面上の巨大分子と直接相互作用する1つまたは複数の親和性試薬を含む。ある種の態様において、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、細胞上の1つまたは複数の巨大分子(例えば1つまたは複数の細胞表面タンパク質)に特異的な1つまたは複数の親和性試薬(例えば抗体)を介して細胞と相互作用する。ある種の態様において、粒子(例えば磁性ビーズ粒子)は、一次抗体(例えば抗ビオチン抗体)または他の第1の親和性試薬のような、本明細書において記載する第1の親和性試薬で標識され、その後、第2の親和性試薬、例えば二次抗体(例えばビオチン化抗CD3抗体)または他の第2の親和性試薬(例えばストレプトアビジン)を添加し、それによって二次抗体または他の第2の親和性試薬は粒子上のそのような一次抗体または他の第1の親和性試薬に特異的に結合する。
いくつかの態様において、粒子は、細胞の表面上の巨大分子と間接的に相互作用する親和性試薬を含む。ある種の態様において、本明細書において記載する粒子(例えば磁性ビーズ粒子)ではなく、細胞は、本明細書において記載する1つまたは複数の親和性試薬で標識される。ある種の態様において、細胞は、一次抗体(例えばビオチン化抗CD3抗体)または他の第1の親和性試薬(例えばストレプトアビジン)のような、本明細書において記載する第1の親和性試薬で標識され、およびその後、二次抗体(例えば抗ビオチン抗体)または他の第2の親和性試薬のような、第2の親和性試薬を保有する粒子が添加され、それによって二次抗体または他の第2の親和性試薬はそのような一次抗体または他の第1の親和性試薬に特異的に結合する。いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は抗ビオチン抗体である。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)に付着された親和性試薬(例えば抗体)は、細胞(例えばT細胞)上の以下の巨大分子のうちの1つまたは複数に特異的に結合する: CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL- 10R、CD18/CD11a (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド(例えばDelta様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3またはこれらの巨大分子もしくはその断片に対応するリガンドを含むその断片。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)に付着された親和性試薬(例えば抗体)は、細胞(例えばT細胞)上の以下の巨大分子のうちの1つまたは複数に特異的に結合する: CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD3、CD4、CD8、CD45RA、および/またはCD45RO。
いくつかの態様において、親和性試薬は細胞にシグナルを送達するかまたは刺激剤として作用する。例えば、粒子(例えばビーズ粒子)に付着されている抗体またはその抗原結合断片(例えば、Fab)は、刺激シグナルを細胞(例えばT細胞)に提供し、細胞刺激および/または細胞拡張を誘導しうる。本明細書において企図されるそのような抗体は、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、抗CD137抗体、抗CD134抗体、またはその抗原結合断片を含むそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、そのような抗体またはその抗原結合断片はビオチン化される(例えばビオチン化抗CD3抗体)。
いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、抗CD137抗体、および抗CD134抗体からなる群より選択される1つまたは複数の抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は抗CD3抗体および抗CD28抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は抗CD2抗体、抗CD3抗体および抗CD28抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体である。いくつかの態様において、1つまたは複数の親和性試薬は抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体である。
いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄コア)およびコートを含み、金属酸化物コアは、少なくとも1つの重合体を含み、かつコートは少なくとも1つの重合体、少なくとも1つの重合体(例えばポリスチレン)およびシリカを含む。本明細書のいくつかの態様において、金属酸化物コアはコロイド状酸化鉄コアである。さらなる態様において、粒子は、細胞の表面上の巨大分子(例えばタンパク質)に結合し、それによって細胞組成物または細胞組成物サンプル中の細胞への粒子の会合または結合を引き起こす1つまたは複数の親和性試薬を含む。
いくつかの態様において、1つまたは複数の生体分子、例えば親和性試薬は、RNA、DNA、タンパク質、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、炭水化物、脂質または所望の標的に対する親和性(例えば親和性試薬)を有する任意の他の親和性試薬(例えばストレプトアビジン)からなる群より選択される。いくつかの態様において、親和性試薬は抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、粒子は抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗CD2抗体、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、粒子は抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、ビーズ粒子は約3 μmから約10 μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズ粒子は約3 μmから約5 μmの直径を有する。
本明細書において記載する方法において用いられる粒子(例えばビーズ粒子)は、生成してもよくまたは商業的に入手してもよい。粒子を生成する方法を含めて、粒子は周知である。例えば、米国特許第6,074,884号; 同第5,834,121号; 同第5,395,688号; 同第5,356,713号; 同第5,318,797号; 同第5,283,079号; 同第5,232,782号; 同第5,091,206号; 同第4,774,265号; 同第4,654,267号; 同第4,554,088号; 同第4,490,436号; 同第4,452,773号; 米国特許出願公開第20100207051号; およびSharpe, Pau T., Methods of Cell Separation, Elsevier, 1988を参照されたい。市販の粒子(例えばビーズ粒子)には、ProMag(商標) (PolySciences, Inc.); COMPEL(商標) (PolySciences, Inc.); BioMag(登録商標) Plus (PolySciences, Inc.)およびBioMag(登録商標) Maxi (Bang Laboratories, Inc.)を含む、BioMag(登録商標) (PolySciences, Inc.); M-PVA (Cehmagen Biopolymer Technologie AG); SiMAG (Chemicell GmbH); beadMAG (Chemicell GmbH); MagaPhase(登録商標) (Cortex Biochem); Dynabeads(登録商標) M-280ヒツジ抗ウサギIgG (Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) FlowComp(商標) (例えば、Dynabeads(登録商標) FlowComp(商標)Human CD3, Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) M-450 (例えば、Dynabeads(登録商標) M-450 Tosylactivated, Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) Untouched(商標) (例えば、Dynabeads(登録商標) Untouched(商標) Human CD8 T Cells, Invitrogen)、およびT細胞を結合、増大かつ/または活性化するDynabeads(登録商標) (例えば、T細胞増大および活性化のためのDynabeads(登録商標) Human T-Activator CD3/CD28, Invitrogen)を含む、Dynabeads(登録商標) (Invitrogen); Estapor(登録商標) M (Merk Chimie SAS); Estapor(登録商標) EM (Merk Chimie SAS); MACSiBeads(商標) Particles (例えば抗ビオチンMACSiBead Particles, Miltenyi Biotec, カタログ番号130-091-147); Streptamer(登録商標) Magnetic Beads (IBA BioTAGnology); Strep-Tactin(登録商標) Magnetic Beads (IBA BioTAGnology); Sicastar(登録商標)-M (Micormod Partikeltechnologie GmbH) Micromer(登録商標)-M (Micromod Partikeltechnologie); MagneSil(商標) (Promega GmbH); MGP (Roche Applied Science Inc.); Pierce(商標)プロテインG磁性ビーズ(Protein G Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)プロテインA磁性ビーズ(Protein A Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)プロテインA/G磁性ビーズ(Protein A/G Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標) NHS-活性化磁性ビーズ(NHS-Activated Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)プロテインL磁性ビーズ(Protein L Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)抗HA磁性ビーズ(Anti-HA Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)抗c-Myc磁性ビーズ(Anti-c-Myc Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)グルタチオン磁性ビーズ(Glutathione Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)ストレプトアビジン磁性ビーズ(Streptavidin Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); MagnaBind(商標)磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); Sera-Mag(商標)磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.); 抗FLAG(Anti-FLAG)(登録商標) M2磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Sigma-Aldrich); SPHERO(商標) Magnetic Particles (Spherotech Inc.); ならびにHisPur(商標) Ni-NTA磁性ビーズ(Magnetic Beads) (Thermo Fisher Scientific Inc.)が含まれるが、これらに限定されることはない。
いくつかの態様において、細胞は、T細胞を活性化および/または拡張することができる刺激試薬とインキュベートおよび/または接触させることができる。ある種の態様において、刺激試薬は、細胞、例えば、T細胞を活性化および/または拡張することができる1つまたは複数の作用物質、例えば、親和性試薬にコンジュゲートまたは連結されている粒子、例えばビーズを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の作用物質はビーズに結合される。いくつかの態様において、ビーズは生体適合性であり、すなわち、生物学的使用に適した材料で構成される。いくつかの態様において、ビーズは、培養細胞、例えば、培養T細胞に対して無毒性である。いくつかの態様において、ビーズは、作用物質と細胞との間の相互作用を可能にする形で作用物質を付着することができる任意の粒子でありうる。
いくつかの態様において、刺激試薬は、ビーズに、例えばビーズの表面に結合またはそれ以外の方法で付着される細胞、例えばT細胞を活性化および/または拡張することができる1つまたは複数の作用物質を含む。ある種の態様において、ビーズは非細胞粒子である。特定の態様において、ビーズはコロイド粒子、ミクロスフェア、ナノ粒子、磁性ビーズなどを含みうる。いくつかの態様において、ビーズはアガロースビーズである。ある種の態様において、ビーズはセファロースビーズである。
特定の態様において、刺激試薬は、単分散性であるビーズを含む。ある種の態様において、単分散性であるビーズは、互いから5%未満の直径標準偏差を有するサイズ分散を含む。
いくつかの態様において、ビーズは、ビーズの表面に(直接的または間接的に)カップリング、コンジュゲートまたは連結されている作用物質のような、1つまたは複数の作用物質を含む。いくつかの態様において、本明細書において企図される作用物質は、RNA、DNA、タンパク質(例えば酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質レクチン、または所望の標的に対する親和性を有する任意の他の親和性試薬を含むことができるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、所望の標的はT細胞受容体および/またはT細胞受容体の成分である。ある種の態様において、所望の標的はCD3である。ある種の態様において、所望の標的は共刺激分子、例えばCD28である。1つまたは複数の作用物質は、公知のかつ利用可能な種々の方法によってビーズに直接的または間接的に付着されうる。付着は共有結合性、非共有結合性、静電性、または疎水性であってよく、例えば、化学的手段、機械的手段、または酵素的手段を含めて、種々の付着手段によって達成されてもよい。いくつかの態様において、親和性試薬(例えば、ビオチン化抗CD3抗体)は、ビーズに直接付着されている別の親和性試薬(例えば抗ビオチン抗体)を介してビーズに間接的に付着されてもよい。
いくつかの態様において、ビーズに付着される1つまたは複数の作用物質は、抗体である。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、および単鎖分子、ならびに抗体断片(例えばFab、F(ab')2およびFv)を含むことができる。いくつかの態様において、刺激試薬は抗体断片(抗原結合断片を含む)、例えばFab、Fab'-SH、Fv、scFv、または(Fab')2断片である。IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE定常領域を含む、任意のアイソタイプの定常領域を本明細書において企図される抗体に使用することができるものと、ならびにそのような定常領域を任意のヒトまたは動物種(例えばネズミ種)から得ることができるものと理解されよう。いくつかの態様において、作用物質は、T細胞受容体の1つまたは複数の成分に結合および/またはそれを認識する抗体である。特定の態様において、作用物質は抗CD3抗体である。ある種の態様において、作用物質は、共受容体に結合および/またはそれを認識する抗体である。いくつかの態様において、刺激試薬は抗CD28抗体を含む。
いくつかの態様において、ビーズは、約0.001 μm超、約0.01 μm超、約0.1 μm超、約1.0 μm超、約10 μm超、約50 μm超、約100 μm超または約1000 μm超かつ約1500 μm以下の直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約1.0 μm〜約500 μm、約1.0 μm〜約150 μm、約1.0 μm〜約30 μm、約1.0 μm〜約10 μm、約1.0 μm〜約5.0 μm、約2.0 μm〜約5.0 μm、または約3.0 μm〜約5.0 μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約3 μm〜約5 μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、少なくともまたは少なくとも約または約0.001 μm、0.01 μm、0.1μm、0.5μm、1.0 μm、1.5 μm、2.0 μm、2.5 μm、3.0 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μm、5.0 μm、5.5 μm、6.0 μm、6.5 μm、7.0 μm、7.5 μm、8.0 μm、8.5 μm、9.0 μm、9.5 μm、10 μm、12 μm、14 μm、16 μm、18 μmまたは20 μmの直径を有する。ある種の態様において、ビーズは4.5 μmまたは約4.5 μmの直径を有する。ある種の態様において、ビーズは2.8 μmまたは約2.8 μmの直径を有する。
いくつかの態様において、ビーズは、0.001 g/cm3超、0.01 g/cm3超、0.05 g/cm3超、0.1 g/cm3超、0.5 g/cm3超、0.6 g/cm3超、0.7 g/cm3超、0.8 g/cm3超、0.9 g/cm3超、1 g/cm3超、1.1 g/cm3超、1.2 g/cm3超、1.3 g/cm3超、1.4 g/cm3超、1.5 g/cm3超、2 g/cm3超、3 g/cm3超、4 g/cm3、または5g/cm3超の密度を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約0.001 g/cm3〜約100 g/cm3、約0.01 g/cm3〜約50 g/cm3、約0.1 g/cm3〜約10 g/cm3、約0.1 g/cm3〜約.5 g/cm3、約0.5 g/cm3〜約1 g/cm3、約0.5 g/cm3〜約1.5 g/cm3、約1 g/cm3〜約1.5 g/cm3、約1 g/cm3〜約2 g/cm3、または約1 g/cm3〜約5 g/cm3の密度を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約0.5 g/cm3、約0.5 g/cm3、約0.6 g/cm3、約0.7 g/cm3、約0.8 g/cm3、約0.9 g/cm3、約1.0 g/cm3、約1.1 g/cm3、約1.2 g/cm3、約1.3 g/cm3、約1.4 g/cm3、約1.5 g/cm3、約1.6 g/cm3、約1.7 g/cm3、約1.8 g/cm3、約1.9 g/cm3、または約2.0 g/cm3の密度を有する。ある種の態様において、ビーズは約1.6 g/cm3の密度を有する。特定の態様において、ビーズまたは粒子は約1.5 g/cm3の密度を有する。ある種の態様において、粒子は約1.3 g/cm3の密度を有する。
ある種の態様において、複数のビーズは均一な密度を有する。ある種の態様において、均一な密度は、平均ビーズ密度の10%未満、5%未満、または1%未満の密度標準偏差を含む。
いくつかの態様において、ビーズは、粒子の各グラムあたり約0.001 m2 (m2/g)〜約1,000 m2/g、約.010 m2/g〜約100 m2/g、約0.1 m2/g〜約10 m2/g、約0.1 m2/g〜約1 m2/g、約1 m2/g〜約10 m2/g、約10 m2/g〜約100 m2/g、約0.5 m2/g〜約20 m2/g、約0.5 m2/g〜約5 m2/g、または約1 m2/g〜約4 m2/gの表面積を有する。いくつかの態様において、粒子またはビーズは、約1 m2/g〜約4 m2/gの表面積を有する。
いくつかの態様において、ビーズは、ビーズ表面にまたはその近くに、作用物質にカップリング、連結、またはコンジュゲートされうる少なくとも1つの材料を含む。いくつかの態様において、ビーズは表面官能化されている、すなわち、結合分子、例えばポリヌクレオチドまたはポリペプチドと共有結合を形成することができる官能基を含む。特定の態様において、ビーズは、表面に露出したカルボキシル、アミノ、ヒドロキシル、トシル、エポキシ、および/またはクロロメチル基を含む。特定の態様において、ビーズは、表面に露出したアガロースおよび/またはセファロースを含む。ある種の態様において、ビーズ表面は、結合分子を結合または付着できる付着された刺激試薬を含む。特定の態様において、親和性試薬はポリペプチドである。いくつかの態様において、ビーズは、表面に露出したプロテインA、プロテインG、またはビオチンを含む。
いくつかの態様において、ビーズは磁場中で反応する。いくつかの態様において、ビーズは磁性ビーズである。いくつかの態様において、磁性ビーズは常磁性である。特定の態様において、磁性ビーズは超常磁性である。ある種の態様において、ビーズは、磁場に曝露されない限り、いかなる磁気特性も示さない。
特定の態様において、ビーズは磁性コア、常磁性コアまたは超常磁性コアを含む。いくつかの態様において、磁性コアは金属を含む。いくつかの態様において、金属は、鉄、ニッケル、銅、コバルト、ガドリニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、ジルコニウム、またはそれらの任意の組み合わせであることができるが、これらに限定されることはない。ある種の態様において、磁性コアは、金属酸化物(例えば酸化鉄)、フェライト(例えば、マンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライトなど)、ヘマタイトおよび金属合金(例えばCoTaZn)を含む。いくつかの態様において、磁性コアは、フェライト、金属、金属合金、酸化鉄、または二酸化クロムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、磁性コアは元素鉄またはその化合物を含む。いくつかの態様において、磁性コアは、マグネタイト(Fe3O4)、マグヘマイト(γFe2O3)、またはグレイガイト(Fe3S4)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、内部コアは酸化鉄(例えば、Fe3O4)を含む。
ある種の態様において、ビーズは、表面官能化コートまたはコーティングで覆われた磁性、常磁性、および/または超常磁性コアを含む。いくつかの態様において、コートは、重合体、多糖類、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素、アガロース、セファロース、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない、材料を含むことができる。いくつかの態様において、重合体は、ポリエチレングリコール、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレン、シクロオレフィン重合体(COP)またはポリビニルアルコールであることができる。ある種の態様において、外側コートまたはコーティングはポリスチレンを含む。特定の態様において、外側コーティングは表面官能化されている。
いくつかの態様において、刺激試薬は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄内部コア)およびポリスチレンを含むコート(例えば保護コート)を含むビーズに付着される1つまたは複数の作用物質を含む。ある種の態様において、ビーズは、超常磁性鉄コア、例えば、マグネタイト(Fe3O4)および/もしくはマグヘマイト(γFe2O3) cならびにポリスチレンコートまたはコーティングを含むコアを含んだ単分散超常磁性ビーズである。いくつかの態様において、ビーズは非多孔性である。いくつかの態様において、ビーズは、1つまたは複数の作用物質が付着される官能化表面を含む。ある種の態様において、1つまたは複数の作用物質は、表面でビーズに共有結合される。いくつかの態様において、1つまたは複数の作用物質は、抗体またはその抗原結合断片を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の作用物質は、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。ある種の態様において、ビーズは、約1.5 g/cm3の密度および約1 m2/g〜約4 m2/gの表面積を有する。特定の態様において、ビーズは、約4.5 μmの直径および約1.5 g/cm3の密度を有する単分散超常磁性ビーズである。いくつかの態様において、ビーズは、約2.8 μmの平均直径および約1.3 g/cm3の密度を有する単分散超常磁性ビーズである。いくつかの態様において、刺激試薬は、モノクローナル抗CD3ε抗体および抗CD28抗体が表面にコンジュゲートされた、マグヘマイトおよびマグネタイトコアを有する超常磁性、非多孔質の、単分散4.5 μmポリスチレンコーティングビーズを含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、Dynabeads(登録商標) (Invitrogen)であるか、またはそれを含む。
いくつかの態様において、刺激試薬は、金属酸化物コア(例えば酸化鉄コア)およびコートを含むビーズを含み、金属酸化物コアは、少なくとも1つの多糖類(例えばデキストラン)を含み、かつコートは、少なくとも1つの多糖類(例えばアミノデキストラン)、少なくとも1つの重合体(例えばポリウレタン)およびシリカを含む。いくつかの態様において、金属酸化物コアはコロイド状酸化鉄コアである。ある種の態様において、1つまたは複数の作用物質は、抗体またはその抗原結合断片を含む。特定の態様において、1つまたは複数の作用物質は、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、刺激試薬は抗ビオチン抗体を含む。いくつかの態様において、ビーズは、約3 μm〜約10 μmの直径を有する。いくつかの態様において、ビーズは、約3 μm〜約5 μmの直径を有する。ある種の態様において、ビーズは、約3.5 μmの直径を有する。いくつかの態様において、刺激試薬は、シリカ3.5 μmクロマトグラフィービーズと常磁性鉄およびデキストランマイクロビーズならびに表面にコンジュゲートされた抗CD28抗体および抗ビオチン抗体との組成物を含む。
B. 粒子の存在下での細胞および細胞の処理
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞または本明細書において記載する細胞組成物の調製のために処理された細胞は通常、哺乳動物細胞のような、真核細胞であり、典型的にはヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は、先天性免疫または適応性免疫の細胞、例えば、リンパ球、典型的にはT細胞および/またはNK細胞を含む骨髄性細胞またはリンパ系細胞のような、免疫系の細胞であるかまたはそれらを含む。いくつかの態様において、免疫系の細胞(例えば免疫細胞)は、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞または樹状細胞である。いくつかの態様において、細胞組成物は、CD4+またはCD8+ T細胞のような、免疫系の1つまたは複数の細胞を含む。いくつかの態様において、細胞は単球または顆粒球、例えば、骨髄性細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球および/もしくは好塩基球であり、または細胞組成物は単球または顆粒球、例えば、骨髄性細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球および/もしくは好塩基球を含む。他の例示的な細胞には、人工多能性幹細胞(iPSC)を含む、多分化能および多能性幹細胞のような、幹細胞が含まれる。細胞は、典型的には、対象から直接単離されたものおよび/または対象から単離され凍結されたものなどの、初代細胞である。いくつかの態様において、細胞は初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞は生物学的サンプルから得られる。生物学的サンプルは、組織サンプル、体液サンプル、および対象から直接採取された他の生物学的サンプル、ならびに分離、遠心分離、遺伝子操作(例えば、ウイルスベクターによる形質導入)、洗浄、および/またはインキュベーションのような、1つまたは複数の処理段階から得られる生物学的サンプルを含む。生物学的サンプルは、生物学的供給源から直接得られたサンプルまたは処理されたサンプルであってよい。生物学的サンプルには、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗のような体液、それに由来する処理サンプルを含む組織および臓器サンプルが含まれるが、これらに限定されることはない。いくつかの局面において、細胞が由来する、得られるもしくは単離される生物学的サンプルは、血液もしくは血液由来サンプルであるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシス産物に由来する。いくつかの態様において、対象の循環血液由来の細胞は、例えば、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。いくつかの態様において、細胞は、血液、骨髄、リンパ液、またはリンパ系の臓器から得られるかまたはそれらに由来する免疫細胞(例えば、リンパ球、典型的にはT細胞および/またはNK細胞を含む、骨髄性細胞またはリンパ系細胞)である。例示的な生物学的サンプルとしては、全血、末梢血単核球(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ系組織、粘膜関連リンパ系組織、脾臓、他のリンパ系組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃腺、または他の臓器、および/もしくはそれらに由来する細胞も挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、生物学的サンプルは、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および/または血小板を含めて、リンパ球を含有し、いくつかの局面において赤血球および血小板以外の細胞を含有する。
いくつかの態様において、対象から収集された血液サンプル中の細胞は、例えば血漿画分を除去し、その後の処理段階のために細胞を適切な緩衝液または培地に入れるために、洗浄される。いくつかの態様において、細胞はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄される。いくつかの態様において、洗浄溶液はカルシウムおよび/もしくはマグネシウムならびに/または多くのもしくは全ての二価カチオンを欠く。いくつかの局面において、洗浄段階は、製造業者の使用説明書にしたがい半自動「フロースルー」遠心分離機(例えば、Cobe 2991細胞プロセッサ, Baxter)で達成される。いくつかの局面において、洗浄段階は、製造業者の使用説明書にしたがい接線流ろ過(TFF)によって達成される。いくつかの態様において、細胞は、洗浄後に、例えば、Ca++/Mg++不含PBSのような、種々の生体適合性緩衝液に再懸濁される。ある種の態様において、血液サンプルの成分が除去され、細胞が培地に直接再懸濁される。
いくつかの態様において、本方法は、赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離のような、密度に基づく細胞分離方法を含む。
いくつかの態様において、細胞は細胞株、例えばT細胞株に由来する。いくつかの態様における細胞は、異種供給源から、例えば、マウス、ラット、非ヒト霊長類、およびブタから得られる。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞は、細胞療法、例えば養子細胞療法との関連で用いるための細胞であるかまたはそれを含む。場合によっては、生物学的サンプルは自己供給源由来である。場合によっては、生物学的サンプルは同種異系供給源由来である。いくつかの態様において、本明細書において記載する方法は、凍結保存の前または後に、対象から細胞を単離する段階、細胞を調製、処理、培養、および/または操作する段階、ならびに同じ対象に細胞を再導入する段階を含む。
いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞は、1つまたは複数の調製および/または細胞分離段階を受けた生物学的サンプルから得られた細胞であるかまたはそれらを含む。いくつかの例では、細胞または細胞集団は、例えば、不要な成分を除去し、所望の成分を濃縮し、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するために、1つまたは複数の試薬の存在下で洗浄、遠心分離および/またはインキュベートされている。いくつかの例では、細胞または細胞集団は、密度、付着特性、サイズ、特定の成分に対する感受性および/または耐性のような、1つまたは複数の特性に基づいて調製されまたは得られる。
いくつかの態様において、本明細書において記載する親和性試薬を含む粒子(例えばビーズ粒子)は、細胞組成物の処理中などに、親和性または免疫親和性に基づく分離方法において用いることができる。典型的には、抗体のような親和性試薬は、細胞の表面上に発現されるかまたは存在する1つまたは複数の巨大分子(例えば細胞表面受容体)に特異的である。いくつかの態様において、細胞組成物は、同じ細胞型の1つまたは複数の細胞(例えば、1、2、3、4個またはそれ以上の細胞)を含む。いくつかの態様において、細胞組成物は、異なる細胞型の1つまたは複数の細胞(例えば、1、2、3、4個またはそれ以上の細胞)を含む。粒子は通常、親和性試薬、例えば抗体に直接的または間接的に付着する。いくつかの態様において、そのような粒子(例えばビーズ粒子)を用いた分離のための任意の公知の方法が用いられうる。例えば、いくつかの局面における単離は、細胞上の1つまたは複数の巨大分子に特異的に結合する親和性試薬、例えば抗体をその表面に保有する少なくとも1つの粒子とのインキュベーションによる細胞集団中の細胞の分離、引き続いて通常、親和性試薬(例えば抗体)に結合していない細胞からの親和性試薬(例えば抗体)に結合した細胞の洗浄段階および分離を含む。
いくつかの態様において、分離方法におけるそのような分離段階は、試薬に結合した細胞をさらなる使用のために保持する陽性選択による特定の細胞集団の濃縮に基づくことができる。いくつかの局面において、1つまたは複数の陽性選択が実施されうる複数ラウンドの分離段階が行われる。場合によっては、さまざまな細胞型上に発現される1つまたは複数の巨大分子に結合する抗体のような複数の親和性試薬とともに細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型を同時に陽性選択することができる。
いくつかの態様において、分離方法は、親和性試薬に結合していない細胞が濃縮細胞集団である、1つまたは複数の陰性選択段階も利用することができる。いくつかの局面において、例えば、陽性および/または陰性画分が保持され、さらに処理されるか、またはさらなる分離陽性および/または陰性分画段階に供される場合、1つまたは複数の陽性選択段階が1つまたは複数の陰性選択段階と組み合わされる。例えば、ある段階からの陽性または陰性選択された画分は、その後の陽性または陰性選択のような、別の分離段階に供することができる。いくつかの局面において、陰性選択は、分離が所望の集団ではない細胞によって発現されるマーカー(例えば巨大分子)に基づいて最良に実行されるような、異種集団における細胞型を特異的に同定する親和性試薬(例えば抗体)を利用できない場合に特に有用であり得る。通常、そのような方法では少なくとも1つの陽性選択段階を利用し、それによって粒子(例えば、親和性試薬を含む粒子)は細胞と会合したままでありうる。
集団から特定の細胞型または細胞サブセットを濃縮または分離するために利用される特定の粒子(例えば、親和性試薬を含む粒子)を、決定することができる。例えば、粒子(例えばビーズ粒子)に付着する親和性試薬の特定の選択は、分離または濃縮される特定の細胞型または細胞サブセット、特定の細胞型または細胞サブセットに対する親和性試薬の利用可能性、1つもしくは複数の陽性選択または陽性および陰性選択方法の組み合わせの選択に依るであろう。
例示的な局面において、T細胞の特定の亜集団は、例えば、CD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD3+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+ T細胞のような、1つまたは複数の表面マーカー(例えば1つまたは複数の巨大分子)の陽性のまたは高水準のものを発現する細胞についての、陽性および/または陰性選択技法によって単離することができる。いくつかの局面において、そのような濃縮および分離方法は、養子細胞療法のための細胞の処理、調製および/または操作に適したT細胞集団を得るために用いることができる。
いくつかの態様において、T細胞は、非T細胞、例えばB細胞、単球、または他の白血球、例えばNK細胞上に発現されるマーカーの陰性選択によってPBMCサンプルから分離される。いくつかの局面において、CD4+またはCD8 +陽性選択段階を用いてCD4+ヘルパーT細胞およびCD8+細胞傷害性T細胞を分離する。そのようなCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞、記憶T細胞、および/またはエフェクタT細胞の亜集団上で発現されるまたは比較的高度に発現されるマーカーについての陽性または陰性選択によって亜集団にさらに選別することができる。
いくつかの態様において、CD8+細胞は、例えば各亜集団に関連する表面抗原に基づく陽性選択または陰性選択によって、ナイーブ、中央記憶、エフェクタ記憶、および/または中央記憶幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様において、中央記憶T (TCM)細胞の濃縮は、投与後の長期生存、増大、および/または生着を改善するためのような、有効性を高めるために行われ、これはいくつかの局面において、そのような亜集団において特に強い。Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82; Wang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照されたい。いくつかの態様において、TCM濃縮されたCD8+ T細胞とCD4+ T細胞とを組み合わせることで、効力がさらに高められる。
態様において、記憶T細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方において存在する。PBMCサンプルは、例えば抗CD8抗体および抗CD62L抗体を用いて、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分について濃縮または枯渇させることができる。
いくつかの態様において、中央記憶T (TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高表面発現に基づく; いくつかの局面において、それは、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するまたは高度に発現する細胞についての陰性選択に基づく。いくつかの局面において、TCM細胞が濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の陽性選択または濃縮によって行われる。1つの局面において、中央記憶T (TCM)細胞の濃縮は、CD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62Lに基づく陽性選択に供されるCD4発現に基づいて選択される細胞の陰性画分から開始して行われる。いくつかの局面におけるそのような選択は同時に行われ、他の局面において、どちらの順序でも順次行われる。いくつかの局面において、CD8+細胞集団または亜集団を調製するのに用いられるのと同じCD4発現に基づく選択段階も、CD4に基づく分離からの陽性および陰性画分の両方が保持され、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択段階の後でもよい、本方法の後続の段階において用いられるような、CD4+細胞集団または亜集団を生成するために用いられる。
特定の例では、PBMCのサンプルまたは他の白血球サンプルを、陰性画分と陽性画分の両方が保持されるCD4+細胞の選択に供する。次いで、陰性画分を、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づく陰性選択、ならびにCD62LまたはCCR7のような、中央記憶T細胞に特徴的なマーカーに基づく陽性選択に供し、陽性選択および陰性選択はいずれの順序でも行われる。場合によっては、陽性選択および陰性選択の組み合わせを用いて、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することにより、CD4+ Tヘルパー細胞をナイーブ細胞、中央記憶細胞、およびエフェクタ細胞に選別することができる。いくつかの態様において、ナイーブCD4+ Tリンパ球はCD45RO-、CD45RA+、CD62L+、およびCD4+ T細胞である。いくつかの態様において、中央記憶CD4+細胞はCD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクタCD4+細胞はCD62L-およびCD45RO-である。
いくつかの態様において、細胞および/または細胞集団は、免疫磁性(または親和性磁性)分離技法(Methods in Molecular Medicine, vol. 58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In Vitro and In Vivo, p 17-25 編集者: S. A. Brooks and U. Schumacher(著作権) Humana Press Inc., Totowa, NJに概説されている)を用いて分離または単離される。細胞分離の免疫磁性法では、上記のいずれか(例えば、Dynabeads(登録商標)またMACSiBeads(商標)Particlesのような)などの、磁性コア(例えば酸化鉄コア)を含む常磁性ビーズ粒子を利用することができる。いくつかの態様において、磁性ビーズ粒子は、抗体または他の親和性試薬のような、特定の親和性試薬に結合した磁性応答性材料を含む。磁性分離方法において用いられる多くの周知の磁性応答材料がある。適当な磁性ビーズ粒子には、本明細書にならびにMolday, 米国特許第4,452,773号におよび欧州特許明細書EP 452342 Bに記載されているものが含まれる。Owenの米国特許第4,795,698号、およびLibertiら、米国特許第5,200,084号に記載されているものなどの、コロイドサイズの粒子は、適当な磁性ビーズ粒子の他の例である。
いくつかの局面において、細胞組成物または分離されるまたは本明細書において記載の細胞組成物から得られるもしくは導出されるサンプルは、本明細書において記載する少なくとも1つの磁性ビーズ粒子とともにインキュベートされる。インキュベーションは通常、磁性ビーズ粒子に付着する親和性試薬、例えば抗体が、サンプルまたは細胞組成物内の細胞上に存在する場合には細胞表面巨大分子に特異的に結合する条件の下で行われる。いくつかの局面において、サンプルまたは細胞組成物は磁場中に置かれ、磁性応答性または磁化性ビーズ粒子が付着したそれらの細胞は、磁石に引き付けられ、そのようなビーズ粒子が付着していない細胞から分離される。
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、磁性活性化細胞選別(MACS) (Miltenyi Biotec, Auburn, CA)によるものである。MACSシステムは、磁性ビーズ粒子が付着した細胞の高純度選択が可能である。ある種の態様において、MACSは、外部磁場の印加後に非標的細胞および標的細胞が連続的に溶出されるモードで動作する。すなわち、磁性ビーズ粒子に付着した細胞(例えば標的細胞)は、付着していない細胞(例えば非標的細胞)が溶出される間、適所に保持される。その後、この最初の溶出段階が完了した後、磁場に捕捉され、溶出が妨げられた標的細胞は、それらを溶出および回収することができるような何らかの方法で遊離される。ある種の態様において、非標的細胞は標識され、細胞の不均一集団から除去される。
陽性選択の場合、磁石に引き付けられる細胞が保持される; 陰性選択の場合、磁石に引き付けられない細胞(非標識細胞)が保持される。
ある種の態様において、単離または分離は、例えば、間違い、使用者取り扱いおよび/または混入を最小限に抑えるため、例えば、閉鎖環境または無菌環境を提供するように、統合型または自己完結型システム、装置、または機器において実行される。場合によっては、1つまたは複数の他の処理、インキュベーション、培養、および/または処方段階のような、1つまたは複数の他のさらなる処理段階もシステム内で実行することができる。一例を挙げれば、システムは、国際特許出願公開番号WO2009/072003、またはUS 20110003380に記載されているようなシステムである。いくつかの態様において、単離または分離は自動またはプログラム可能な方法で実行される。いくつかの局面において、システムまたは機器は、システムまたは装置と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、使用者は単離もしくは分離のさまざまな局面またはプロセスの1つもしくは複数の他の段階をプログラムし、制御し、その結果を評価し、かつ/または調整することが可能になる。
いくつかの局面において、分離および/または他の段階は、例えば、閉鎖系および無菌系における臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotec)を用いて実行される。構成要素は、内蔵マイクロコンピュータ、磁性分離装置、蠕動ポンプ、およびさまざまなピンチバルブを含むことができる。いくつかの局面における内臓コンピュータは器具の全ての構成要素を制御し、標準化された順序で反復手順を実施するようにシステムに指令する。いくつかの局面における磁性分離装置は、可動永久磁石および選択カラム用のホルダを含む。蠕動ポンプはチュービングセット全体の流速を制御し、ピンチバルブと一緒に、システムを通る緩衝液の制御流および細胞の連続懸濁を確実にする。
いくつかの局面におけるCliniMACSシステムでは、無菌の非発熱性溶液中で供給される抗体カップリング磁性ビーズ粒子を用いる。いくつかの態様において、磁性ビーズ粒子による細胞の標識後に、細胞を洗浄して過剰の磁性ビーズ粒子を除去する。いくつかの態様において、細胞は複数回洗浄される。次に細胞調製バッグをチューブセットに接続し、これを次に、緩衝液を含有するバッグおよび細胞収集バッグに接続する。チュービングセットは、プレカラムおよび分離カラムを含む予め組み立てられた滅菌チュービングからなり、使い捨て専用である。いくつかの態様において、チュービングセットはプレカラムを含まない。分離プログラムの開始後、システムは細胞サンプルを分離カラムに自動的にアプライする。標識細胞はカラム内に保持されるが、未標識細胞は一連の洗浄段階により除去される。いくつかの態様において、本明細書において記載する方法で用いるための細胞集団は、本明細書において記載するものなどの、磁性ビーズ粒子で標識され、カラム内に保持される。いくつかの態様において、本明細書において記載する方法で用いるための細胞集団は、磁場の除去後にカラムから溶出され、細胞収集バッグ内に収集される。
ある種の態様において、分離および/または他の段階は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を用いて実行される。いくつかの局面におけるCliniMACS Prodigyシステムは、遠心分離による細胞の自動洗浄および画分を可能にする細胞処理装置を装備している。CliniMACS Prodigyシステムはまた、供給源細胞産物の巨視的層を識別することによって最適な細胞分画エンドポイントを判定する内臓カメラおよび画像認識ソフトウェアを含むことができる。例えば、末梢血は赤血球、白血球および血漿層に自動的に分離される。CliniMACS Prodigyシステムはまた、例えば、細胞分化および増大、抗原負荷、ならびに長期細胞培養のような細胞培養プロトコルを達成する統合細胞培養チャンバを含むことができる。入力ポートは培地の無菌除去および補充を可能にすることができ、細胞は内蔵顕微鏡を用いてモニターすることができる。例えば、Klebanoff et al. (2012) J Immunother. 35(9): 651-660, Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、およびWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照されたい。
いくつかの態様において、親和性試薬を含む粒子は、1つまたは複数の細胞型の刺激、活性化および/または増大に関連して用いることができる。いくつかの態様において、親和性試薬は、例えば、抗原曝露を模倣するためにおよび/または1つもしくは複数の細胞表面受容体を通して細胞シグナル伝達を誘導するために、細胞集団における細胞の増殖、増大、刺激、および/または生存を誘導する刺激剤を提供する。
いくつかの態様において、親和性試薬、例えば本明細書において記載する粒子にコートまたは結合された抗体またはリガンドは、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる刺激条件を提供する。いくつかの局面において、親和性試薬はT細胞においてTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードをオンにするかまたは開始する。いくつかの態様において、シグナル伝達は、共刺激シグナルの存在下で強化または増強されることができる。いくつかの態様において、刺激または活性化を促進することができる親和性試薬は、例えば、抗CD3、抗CD28などの、TCR成分および/または共刺激受容体に特異的なものなどの、抗体を含むことができる。いくつかの態様において、抗CD3抗体が粒子(例えばミクロスフェアまたはビーズ粒子)のような、表面上に固定化される場合、それはT細胞の表面上のT細胞受容体複合体の架橋によって活性化および増殖誘導シグナルを送達することができる。場合によっては、抗CD3および抗CD28を固定化してシグナルおよび共刺激シグナルを同時に送達することによって、増殖を増加させることができる。抗CD3および抗CD28ビーズで固定化された、ミクロスフェアおよびビーズ粒子を含む、さまざまな固相表面粒子が公知である(WO09429436; EP01257632; US2008/0317724および米国特許第8,012,750号)。場合によっては、粒子はナノ粒子またはマイクロ粒子を含むことができる。
いくつかの態様において、刺激条件または刺激剤は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの局面において、作用物質はT細胞においてTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードをオンにするかまたは開始する。そのような作用物質は、TCRに特異的なものなどの抗体、例えば抗CD3抗体を含むことができる。いくつかの態様において、刺激条件は、共刺激受容体、例えば、抗CD28を刺激することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの態様において、そのような作用物質および/またはリガンドは、ビーズのような、固体支持体に結合されてもよく、および/または1つもしくは複数のサイトカインであってもよい。任意で、拡張方法は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を培地に(例えば、少なくとも約0.5 ng/mlの濃度で)添加する段階をさらに含みうる。
典型的には、抗CD3/抗CD28粒子による刺激または活性化は通常、ナノ粒子と比較して微粒子を用いて行われた場合、より大きいことが示されている。例えば、T細胞にサイズが近いミクロンサイズの粒子は最適なT細胞刺激を提供することが示されている(例えばSteenbloc and Fahmy, (2008) Molecular Therapy, 16:765-772; Mescher et al. (1992) J. Immunol., 149:2402-2405を参照のこと)。粒子の存在を評価するための既存の方法に関する問題は、多くが細胞と実質的に同じサイズの粒子を区別できないことである。いくつかの態様において、提供される方法は、粒子(例えばビーズ粒子)を無傷のままにしながら細胞を溶解させるので、これらの問題を克服する。いくつかの態様において、抗CD3/抗CD28微粒子(例えばビーズ粒子)は、1 μm〜24 μmまたは約1 μm〜24 μm、例えば2 μm〜10 μmまたは3 μm〜5 μm、例えば約または少なくとも約3 μm、3.5 μm、4.0 μm、4.5 μmまたは5.0 μmのサイズを有する。
任意で、刺激、活性化または増大は、例えば培地への、1つまたは複数の他の刺激条件の追加を含むこともできる。いくつかの態様において、刺激条件は、例えば、少なくとも約10単位/mLのIL-2濃度での、刺激サイトカイン、例えばIL-2および/またはIL-15の添加を含む。いくつかの態様において、条件は、1つまたは複数の特定の培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、薬剤、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組み換え可溶性受容体、ならびに細胞を活性化するようにデザインされた他の任意の薬剤を含むことができる。
いくつかの局面において、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.(2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、および/またはWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701に記載されているものなどの、技法にしたがって実行される。
そのような局面において、1つまたは複数の粒子(例えばビーズ粒子)は1つまたは複数の細胞とともに保持されうる。いくつかの態様において、粒子(例えば磁化性粒子を含むビーズ粒子)は、続いてインキュベート、培養および/または操作される細胞に付着したままである; いくつかの局面において、患者への投与のために粒子は細胞に付着したままとされる。
いくつかの態様において、粒子(例えば磁化性粒子または磁性応答性粒子を含むビーズ粒子)は、細胞組成物から除去される。いくつかの態様において、粒子(例えば磁化性粒子または磁性応答性粒子を含むビーズ粒子)は、細胞組成物から完全には除去されず、それによって残留ビーズ細胞組成物をもたらす。細胞から粒子(例えばビーズ粒子または磁化性粒子)を除去するための方法は公知である。いくつかの(come)態様において、競合する非標識抗体を用いることができ、それは、例えば、一次抗体に結合し、細胞上のその抗原に対するその親和性を変化させ、それによって穏やかな剥離を可能にする。場合によっては、剥離後、競合抗体は粒子(例えばビーズ粒子)と会合したままでありうるが、未反応抗体は洗い流されまたは洗い流されることができ、細胞は抗体を単離、選択、濃縮および/または活性化しない。そのような試薬の例は、DETACaBEAD (Friedl et al. 1995; Entschladen et al. 1997)である。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子)は切断可能なリンカー(例えばDNAリンカー)の存在下で除去されることができ、それによって粒子結合抗体はリンカー(例えばCELLection, Dynal)にコンジュゲートされる。場合によっては、リンカー領域は単離後に、例えば、DNaseまたは他の放出緩衝液の添加によって、細胞から粒子(例えばビーズ粒子)を除去するために切断可能な部位を提供する。いくつかの態様において、細胞からの粒子(例えばビーズ粒子)の放出のために他の酵素的方法も利用することができる。いくつかの態様において、粒子(例えばビーズ粒子または磁化性粒子)は生分解性である。
いくつかの態様において、調製方法は、単離、インキュベーション、および/または操作の前または後のいずれかに、細胞組成物中の細胞または細胞集団を凍結、例えば凍結保存するための段階を含む。いくつかの態様において、凍結およびその後の融解段階は細胞組成物中の、顆粒球および、ある程度、単球を除去する。いくつかの態様において、細胞組成物中の細胞または細胞集団は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄段階の後に、凍結溶液に懸濁される。いくつかの局面における種々の既知の凍結溶液およびパラメータのいずれかが用いられうる。一例には、20% DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適当な細胞凍結培地を用いることが含まれる。次にこれを培地で1:1に希釈して、DMSOおよびHSAの終濃度がそれぞれ10%および4%になるようにする。次いで細胞を通常は毎分1℃の速度で-80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相中に貯蔵する。
C. 薬学的組成物および処方物
いくつかの態様において、細胞組成物は、投与のための細胞の治療的有効量を含む薬学的組成物または処方物である。いくつかの態様において、薬学的組成物または処方物は、所与の用量での投与のための細胞の数またはその一部を含む単位用量形態の組成物であってよい。薬学的組成物および処方物は通常、1つまたは複数の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。いくつかの態様において、組成物は少なくとも1つのさらなる治療剤を含む。
「薬学的処方物」または「薬学的組成物」という用語は、その中に含有される活性成分の生物学的活性を有効にすることができるような形態であって、かつ処方物または組成物が投与される対象に対して許容できないほど毒性のあるさらなる成分を含有しない調製物をいう。
「薬学的に許容される担体」は、対象に対して無毒である、活性成分以外の、薬学的処方物中の成分をいう。薬学的に許容される担体は、緩衝液、賦形剤、安定剤、または保存料を含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの局面において、担体の選択は、部分的には特定の細胞によりおよび/または投与の方法により判定される。したがって、種々の適当な処方物がある。例えば、薬学的組成物は保存料を含有することができる。適当な保存料は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムを含みうる。いくつかの局面において、2つまたはそれ以上の保存料の混合物が用いられる。保存料またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.0001重量%から約2重量%の量で存在する。担体は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)により記載されている。薬学的に許容される担体は通常、利用される投与量および濃度でレシピエントに無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸のような緩衝液; アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化物質; 保存料(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム; 塩化ヘキサメトニウム; 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム; フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール; メチルもしくはプロピルパラベンのようなアルキルパラベン; カテコール; レゾルシノール; シクロヘキサノール; 3-ペンタノール; およびm-クレゾールのような); 低分子量(約10残基未満)のポリペプチド; 血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンのようなタンパク質; ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー; グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンのようなアミノ酸; 単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物; EDTAのようなキレート剤; スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールのような糖類; ナトリウムのような塩形成対イオン; 金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体); ならびに/または
ポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン性界面活性剤を含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの局面における緩衝剤は薬学的組成物に含まれる。適当な緩衝剤には、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに他のさまざまな酸および塩が含まれる。いくつかの局面において、2つまたはそれ以上の緩衝剤の混合物が用いられる。緩衝剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.001重量%から約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins; 21st ed. (May 1, 2005)にさらに詳細に記載されている。
薬学的組成物は水溶液を含むことができる。
処方物または組成物は、治療法において単独でまたは他の薬剤との組み合わせで用いることができる。例えば、組成物は少なくとも1つのさらなる治療剤と同時投与されうる。いくつかの態様において、処方物または組成物は、細胞で処置される特定の適応症、疾患、または状態に有用な2つ以上の活性成分(例えば治療剤)、好ましくは細胞に補完的な活性を有するものを含有することができ、各活性は互いに悪影響を及ぼさない。そのような活性成分(例えば治療剤)は、意図する目的に有効な量で組み合わせて適当に存在する。したがって、いくつかの態様において、薬学的組成物は、化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、および/またはビンクリスチンのような、他の薬学的に活性な薬剤または薬物をさらに含む。いくつかの態様において、本発明の組成物はさらなる治療剤とは別の処方物中にある。いくつかの態様において、本発明の組成物の投与はさらなる治療剤の、投与の前に、投与と同時に、および/または投与の後に行うことができる。
いくつかの態様における薬学的組成物は、治療的有効または予防的有効な量のような、疾患または状態を処置または予防するために有効な量で細胞を含有する。いくつかの態様における治療的または予防的有効性は、処置対象の定期的評価によってモニターされる。所望の投与量は、細胞の単回ボーラス投与により、細胞の複数回ボーラス投与により、または細胞の連続注入投与により送達することができる。いくつかの態様において、細胞は単回投与量形態などの単一の薬学的組成物での投与のために処方される。いくつかの態様において、細胞は複数回投与量形態での投与のために処方される。養子細胞療法との関連でのような、場合によっては、所与の「用量」の投与は、単一組成物としての所与の量もしくは数の細胞の投与および/または、例えば単回注射もしくは持続注入としての、単回連続投与を包含し、また、一般的に3日を超えないような、特定の期間にわたる、複数の個々の組成物または注入物として提供される、分割用量としての所与の量または数の細胞の投与も包含する。したがって、状況によっては、用量は、単一の時点で与えられるかまたは開始される、特定の数の細胞の単回投与または連続投与である。しかしながら、状況によっては、用量は、3日間もしくは2日間1日1回のような、3日を超えない期間にわたる複数回の注射もしくは注入で、または1日の期間にわたる複数回の注入によって投与される。したがって、いくつかの局面において、細胞は単一の薬学的組成物中で投与される。いくつかの態様において、細胞は、単回用量の細胞を集合的に含有する複数の組成物で投与される。
いくつかの態様において、細胞は、対象の体重1キログラムあたりそのような細胞約105〜約106個の範囲での、および/または対象の体重1キログラムあたりそのような細胞約105個以下または約106個以下であるそのような細胞の数での投与のために処方される。例えば、いくつかの態様において、細胞は、対象の体重1キログラムあたりそのような細胞1×105個もしくは約1×105個、2×105個もしくは約2×105個、5×105個もしくは約5×105個、または1×106個もしくは約1×106個未満または以下を含む用量の投与のために処方される。いくつかの態様において、細胞は、対象の体重1キログラムあたりそのような細胞1×105個もしくは約1×105個、2×105個もしくは約2×105個、5×105個もしくは約5×105個、または1×106個もしくは約1×106個、あるいは前記の値のいずれか2つの間の範囲内の値を含む用量の投与のために処方される。特定の態様において、細胞の数および/または濃度は、組み換え受容体(例えばCAR)発現細胞の数をいう。他の態様において、細胞の数および/または濃度は、投与される全細胞、T細胞、または末梢血単核球(PBMC)の数または濃度をいう。
いくつかの態様において、細胞は、単回用量でまたは1回もしくは複数回の分割用量で対象に投与される細胞の量または数でありうる、細胞の1つまたは複数の単位用量を提供する量で組成物中に処方される。いくつかの態様において、単位用量は、処置される対象および/または細胞が由来する対象1 kgあたり、操作細胞の、全細胞の、T細胞の、またはPBMCの、約1×108個未満、約5×107個未満、約1×106個未満または約5×105個未満を含む。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個、またはおよそ少なくとも2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個、または約2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個、または2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、もしくは1×108個の操作細胞、全細胞、T細胞、またはPBMCを含有する。
ある種の態様において、細胞、または細胞のサブタイプの個々の集団は、約100万〜約1000億個の細胞の範囲および/または体重1キログラムあたりのその細胞量、例えば100万〜約500億個の細胞(例えば、約500万個の細胞、約2500万個の細胞、約5億個の細胞、約10億個の細胞、約50億個の細胞、約200億個の細胞、約300億個の細胞、約400億個の細胞、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲)、例えば約1000万〜約1000億個の細胞(例えば、約2000万個の細胞、約3000万個の細胞、約4000万個の細胞、約6000万個の細胞、約7000万個の細胞、約8000万個の細胞、約9000万個の細胞、約100億個の細胞、約250億個の細胞、約500億個の細胞、約750億個の細胞、約900億個の細胞、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲)、および場合によっては約1億個の細胞〜約500億個の細胞(例えば、約1億2000万個の細胞、約2億5000万個の細胞、約3億5000万個の細胞、約4億5000万個の細胞、約6億5000万個の細胞、約8億個の細胞、約9億個の細胞、約30億個の細胞、約300億個の細胞、約450億個の細胞)、またはこれらの範囲内および/もしくは体重1キログラムあたりの任意の値などで対象に投与される。投与量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の処置に特有の属性に応じて変化しうる。
いくつかの態様において、例えば、対象がヒトである場合、用量には、約5×108個未満の総組み換え受容体(例えばCAR)発現細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)、例えば、約1×106〜5×108個のそのような細胞、例えば2×106、5×106、1×107、5×107、1×108もしくは5×108個のそのような全細胞の範囲、または前記の値のいずれか2つの間の範囲内でのものが含まれる。
いくつかの態様において、遺伝子操作された細胞の用量は、1×105〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×105〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、1×105〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×105〜5×107個の総CAR発現T細胞、1×105〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、1×105〜1×107個の総CAR発現T細胞、1×105〜5×106個の総CAR発現T細胞、1×105〜2.5×106個の総CAR発現T細胞、1×105〜1×106個の総CAR発現T細胞、1×106〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×106〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、1×106〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×106〜5×107個の総CAR発現T細胞、1×106〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、1×106〜1×107個の総CAR発現T細胞、1×106〜5×106個の総CAR発現T細胞、1×106〜2.5×106個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜1×108個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜5×107個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜1×107個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜5×106個の総CAR発現T細胞、5×106〜5×108個の総CAR発現T細胞、5×106〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×106〜1×108個の総CAR発現T細胞、5×106〜5×107個の総CAR発現T細胞、5×106〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、5×106〜1×107個の総CAR発現T細胞、1×107〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×107〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、1×107〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×107〜5×107個の総CAR発現T細胞、1×107〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜1×108個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜5×107個の総CAR発現T細胞、5×107〜5×108個の総CAR発現T細胞、5×107〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×107〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×108〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×108〜2.5×108個の総CAR発現T細胞もしくは2.5×108〜5×108個の総CAR発現T細胞または約1×105〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×105〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、1×105〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×105〜5×107個の総CAR発現T細胞、1×105〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、1×105〜1×107個の総CAR発現T細胞、1×105〜5×106個の総CAR発現T細胞、1×105〜2.5×106個の総CAR発現T細胞、1×105〜1×106個の総CAR発現T細胞、1×106〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×106〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、1×106〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×106〜5×107個の総CAR発現T細胞、1×106〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、1×106〜1×107個の総CAR発現T細胞、1×106〜5×106個の総CAR発現T細胞、1×106〜2.5×106個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜1×108個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜5×107個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜1×107個の総CAR発現T細胞、2.5×106〜5×106個の総CAR発現T細胞、5×106〜5×108個の総CAR発現T細胞、5×106〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×106〜1×108個の総CAR発現T細胞、5×106〜5×107個の総CAR発現T細胞、5×106〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、5×106〜1×107個の総CAR発現T細胞、1×107〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×107〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、1×107〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×107〜5×107個の総CAR発現T細胞、1×107〜2.5×107個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜1×108個の総CAR発現T細胞、2.5×107〜5×107個の総CAR発現T細胞、5×107〜5×108個の総CAR発現T細胞、5×107〜2.5×108個の総CAR発現T細胞、5×107〜1×108個の総CAR発現T細胞、1×108〜5×108個の総CAR発現T細胞、1×108〜2.5×108個の総CAR発現T細胞もしくは2.5×108〜5×108個の総CAR発現T細胞を含む。
いくつかの態様において、遺伝子操作された細胞の用量は、少なくとももしくは少なくとも約1×105個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約2.5×105個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約5×105個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約1×106個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約2.5×106個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約5×106個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約1×107個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約2.5×107個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約5×107個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約1×108個のCAR発現細胞、少なくとももしくは少なくとも約2.5×108個のCAR発現細胞、または少なくとももしくは少なくとも約5×108個のCAR発現細胞を含む。
いくつかの態様において、細胞療法は、各両端の値も含めて1×105〜5×108もしくは約1×105〜5×108個の総組み換え受容体発現細胞、総T細胞もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)、5×105〜1×107もしくは約5×105〜1×107個の総組み換え受容体発現細胞、総T細胞もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)、または1×106〜1×107もしくは約1×106〜1×107個の総組み換え受容体発現細胞、総T細胞もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)の細胞数を含む用量の投与を含む。いくつかの態様において、細胞療法は、少なくとももしくは少なくとも約1×105個の総組み換え受容体発現細胞、総T細胞もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)、例えば少なくとももしくは少なくとも1×106、少なくとももしくは少なくとも約1×107、少なくとももしくは少なくとも約1×108個のそのような細胞の細胞数を含む細胞の用量の投与を含む。いくつかの態様において、この数はCD3+またはCD8+、場合によっては同様に組み換え受容体発現(例えばCAR+)細胞の総数を基準にする。いくつかの態様において、細胞療法は、各両端の値も含めて1×105〜5×108または約1×105〜5×108個のCD3+もしくはCD8+総T細胞またはCD3+もしくはCD8+組み換え受容体発現細胞、5×105〜1×107または約5×105〜1×107個のCD3+もしくはCD8+総T細胞またはCD3+もしくはCD8+組み換え受容体発現細胞、あるいは1×106〜1×107または約1×106〜1×107個のCD3+もしくはCD8+総T細胞またはCD3+もしくはCD8+組み換え受容体発現細胞の細胞数を含む用量の投与を含む。いくつかの態様において、細胞療法は、各両端の値も含めて1×105〜5×108もしくは約1×105〜5×108個の総CD3+/CAR+もしくはCD8+/CAR+細胞、5×105〜1×107もしくは約5×105〜1×107個の総CD3+/CAR+もしくはCD8+/CAR+細胞、または1×106〜1×107もしくは約1×106〜1×107個の総CD3+/CAR+もしくはCD8+/CAR+細胞の細胞数を含む用量の投与を含む。
いくつかの態様において、用量のT細胞はCD4+ T細胞、CD8+ T細胞またはCD4+およびCD8+ T細胞を含む。
いくつかの態様において、例えば、対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+ T細胞を含む用量を含めて、用量のCD8+ T細胞は、約1×106〜5×108個の総組み換え受容体(例えば、CAR)発現CD8+細胞、例えば、約5×106〜1×108個のそのような細胞の範囲、そのような細胞1×107、2.5×107、5×107、7.5×107、1×108もしくは5×108個のそのような総細胞、または前記の値のいずれか2つの間の範囲内でのものを含む。いくつかの態様において、患者は複数用量を投与され、各々の用量または総用量は、前記の値のいずれか内であることができる。いくつかの態様において、細胞の用量は、各両端の値も含めて1×107〜0.75×108もしくは約1×107〜0.75×108個の総組み換え受容体発現CD8+ T細胞、1×107〜2.5×107もしくは約1×107〜2.5×107個の総組み換え受容体発現CD8+ T細胞、1×107〜0.75×108もしくは約1×107〜0.75×108個の総組み換え受容体発現CD8+ T細胞の投与を含む。いくつかの態様において、細胞の用量には1×107、2.5×107、5×107 7.5×107、1×108もしくは5×108または約1×107、2.5×107、5×107 7.5×107、1×108もしくは5×108個の総組み換え受容体発現CD8+ T細胞の投与が含まれる。
いくつかの態様において、細胞、例えば、組み換え受容体発現T細胞の用量は、単回用量として対象に投与されるか、または2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年もしくはそれ以上の期間内に1回のみ投与される。
いくつかの態様において、細胞および組成物は、標準的な投与技法、処方、および/または装置を用いて投与用に処方される。細胞の投与は自家または異種であってよい。例えば、免疫応答性細胞または前駆細胞は、1対象から得られ、同じ対象または異なる適合性のある対象に投与されることができる。末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えば、インビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)は、カテーテル投与、全身注射、局所注射、静脈内注射、または非経口投与を含む局所注射によって投与することができる。治療用組成物(例えば、遺伝子改変された免疫応答性細胞を含有する薬学的組成物)を投与する場合、それは通常、単位投与量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、乳濁液)に処方されるであろう。
処方物には、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、肺投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、口腔内投与、舌下投与、または坐薬投与用のものが含まれる。いくつかの態様において、細胞集団は非経口投与される。本明細書において用いられる「非経口」という用語は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与、膣内投与、および腹腔内投与を含む。いくつかの態様において、細胞は、静脈内、腹腔内、または皮下注射による末梢全身送達を用いて対象に投与される。
いくつかの態様における組成物は、いくつかの局面において選択されたpHに緩衝されうる、滅菌液体調製物、例えば、等張水溶液、懸濁液、乳濁液、分散液、または粘性組成物として提供される。液体調製物は通常、ゲル、他の粘性組成物、および固体組成物よりも調製が容易である。さらに、液体組成物は、特に注射による投与がややより便利である。他方、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供するために適切な粘度範囲内で処方することができる。液体または粘性組成物は担体を含むことができ、それは例えば水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)、およびそれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒体であってよい。
滅菌注射用溶液は、適当な担体、希釈剤、または滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどのような賦形剤との混合物などの、溶媒に細胞を組み入れることによって調製することができる。組成物は、望まれる投与経路および調製物に応じて、湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えばメチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化剤または粘性増強添加物、保存料、着香料および/または着色料のような補助物質を含有することができる。いくつかの局面において、標準的なテキストを参考にして適当な調製物を調製することができる。
抗微生物保存料、抗酸化物質、キレート剤、および緩衝液を含む、組成物の安定性および無菌性を増強するさまざまな添加物を添加することができる。微生物の作用の防止は、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、およびソルビン酸によって確実にすることができる。注射用薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。
インビボ投与に用いられる処方物は概して無菌である。無菌性は、例えば、無菌ろ過膜を通してろ過することによって容易に達成されうる。
IV. 製造品およびキット
提供される方法のいずれかを実施するための試薬または成分を含む製造品またはキットも提供される。製造品は、提供される方法を実施するための使用説明書を通常は含む、1つまたは複数の容器、典型的には複数の容器、包装材料、ならびに容器および/または包装上のまたはそれに付随するラベルまたは添付文書を含む。
いくつかの態様において、製造品は、包装材料を含む製造品として包装された、本方法を実施するための1つまたは複数の溶解溶液(例えば、漂白剤および/または界面活性剤を含有する溶液)ならびに、任意で本方法を実施するための使用説明書を含む。いくつかの態様において、製造品およびキットは、細胞組成物中の粒子の存在または非存在を計数するまたは検出するための試薬および/または器具をさらに含みうる。試薬には、粒子の表面上の親和性試薬を検出するためのさらなる検出試薬、すすぎまたは洗浄緩衝液または溶液が含まれるが、これらに限定されることはなく、これらは各々、任意で、包装材料に含まれていてもよい。いくつかの態様において、製造品は、本方法を実施するための1つまたは複数の器具、例えば、自動化された検出および/または分析のための器具または機器を含む。器具は、プレートリーダー、顕微鏡、コンピュータ、ロボット、計数機器(例えば血球計)、磁石、およびピペット(例えば自動ピペット)を含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの態様において、製造品はまた、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化および/または刺激のための1つまたは複数の試薬を含むことができる。いくつかの態様において、そのような試薬は、細胞の表面上の巨大分子に特異的に結合して、細胞の検出、選択、濃縮、単離、活性化および/または刺激のうちの1つまたは複数を達成する粒子(例えばビーズ粒子)を含むことができる。いくつかの態様において、粒子は抗CD3抗体および/または抗CD28抗体とコンジュゲートされる。いくつかの態様において、粒子は、本明細書において記載のまたは公知のいずれも含むことができる。
包装材料の例としては、例えば、ボトル、チューブ、バッグ、バイアル、容器、注射器、ボトル、または溶解溶液を運搬もしくは保持するのに適した任意の包装材料を挙げることができる。通常、包装は溶解溶液または緩衝液と非反応性のものである。容器は、ガラスまたはプラスチックのような種々の材料から形成されうる。いくつかの態様において、容器は無菌アクセスポートを有する。
製造品またはキットは、細胞組成物中の非細胞粒子を計数するまたは非細胞粒子の存在もしくは非存在を検出するための使用説明書を含む添付文書をさらに含みうる。包装上のまたは容器に付随するラベルまたは添付文書は、本開示による試薬、溶解溶液、材料および/または器具の再構成および/または使用のための指示を示しうる。いくつかの態様において、使用説明書は、本明細書において記載する方法のいずれかの1つまたは複数の段階を指定することができる。いくつかの態様において、使用説明書は、インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである、段階; アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を指定する。いくつかの態様において、使用説明書は、分析の前に検出可能な試薬または部分がアウトプット組成物に添加されないことを指定する。ラベルまたは添付文書は、溶解溶液、試薬および/または材料が、本開示によるような、治療法(例えば養子細胞療法)で用いるための細胞組成物における非細胞粒子の存在または(of)非存在を計数するまたは検出するのに有用であることをさらに示しうる。いくつかの態様において、使用説明書は、分析のために、例えば、蛍光イメージングの自動検出および/または分析のために用いられる分析段階および/またはパラメータを指定する。
V. 定義
他に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語、表記ならびに他の技術的および科学的用語または専門用語は、主張される主題が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有するように意図される。場合によっては、明確にするためおよび/または容易に参照するため、一般に理解されている意味を有する用語を、以下を含め、本明細書において定義しているが、本明細書におけるそのような定義の包含は当技術分野において一般的に理解されるものに対する実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
本開示を通して、主張される主題のさまざまな局面は範囲の形式で提示されている。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔にするためのものであり、主張される主題の範囲に対する柔軟性のない限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値だけでなく全ての可能な部分的範囲を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限の間の各介在値とその記載された範囲内の任意の他の記載されたまたは介在する値とが主張される主題のなかに包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は独立して、より小さな範囲に含まれてもよく、また記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限を条件として、主張される主題のなかに包含される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれた制限の一方または両方を除外した範囲も主張される主題に含まれる。これは範囲の幅に関係なく適用される。
本明細書において用いられる「約」という用語は、この技術分野の当業者に容易に知られている各値に対する通常の誤差範囲をいう。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする態様を含む(および記載する)。いくつかの態様において、「約」は、値またはパラメータの±50%、±40%、±30%、±25%、±20%、±15%、±10%、±5%、または±1%の範囲をいう。
本明細書において用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでない場合を明瞭に示さない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つもしくは複数」を意味する。本明細書において記載する局面、態様、および変形は、「含む(comprising)」、「からなる(consisting)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」局面、態様および変形を含むことが理解される。
本明細書において用いられる場合、「細胞組成物」は、細胞を含む2つまたはそれ以上の産物の任意の混合物をいう。そのような組成物は、場合によっては、非細胞粒子(例えばビーズ粒子)も含むことができる。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組み合わせでありうる。
「添付文書」という用語は、そのような治療用製品の使用に関する適応症、使用法、投与量、投与、併用療法、禁忌および/または警告に関する情報を含む、治療用製品の市販包装に通例含まれる指図をいうように用いられる。
本出願において言及される特許文書、科学論文およびデータベースを含む、全ての刊行物は、あたかも各個々の刊行物が個別に参照により組み入れられるのと同程度に、全ての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において記載される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、公開出願および他の刊行物に記載の定義と相反する、またはそうでなければ矛盾する場合、本明細書において記載される定義は、参照により本明細書に組み入れられる定義より優先する。
本明細書において用いられるセクションの見出しは、編成目的のためだけであり、記載されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
VI. 例示的な態様
提供される態様には、以下のものがある:
1. 細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、:
(a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに
(b) アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階
を含む、方法。
2. 細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階を含み、
アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下で、細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される、方法。
3. 分析の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される、態様1または態様2記載の方法。
4. 蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析が、アウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得する段階、および任意で、蛍光顕微鏡写真から画像オブジェクトの蛍光強度を判定する段階を含む、態様1〜3のいずれか記載の方法。
5. アウトプット組成物またはその一部分の明視野顕微鏡写真を取得する段階をさらに含む、態様1〜4のいずれか記載の方法。
6. アウトプット組成物の分析が、蛍光顕微鏡写真または明視野顕微鏡写真から画像オブジェクトのサイズ、面積、および/または真円度を判定する段階をさらに含む、態様4または態様5記載の方法。
7. アウトプット組成物が、粒子を検出するための作用物質を含まず、任意で、作用物質が検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含む、または検出可能なシグナルを生成することができる; あるいは
分析が、粒子を検出するための作用物質であって、任意で検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる、該作用物質をアウトプット組成物に添加する段階を含まない
態様1〜6のいずれか記載の方法。
8. 以下の段階
(i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が蛍光分子を励起することができる、段階;
(ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像である、段階;
(iii) サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析する段階
を含み、
アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下で、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される、
細胞組成物中の粒子の存在または(of)非存在を検出するための方法。
9. 照射の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される、態様8記載の方法。
10. 細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、
(a) 1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階;
(b) アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階
を含む、方法。
11. 細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、
アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、該1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階
を含み、
アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下で、細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生される、方法。
12. 分析の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される、態様10または態様11記載の方法。
13. アウトプット組成物が、粒子を検出するための作用物質を含まず、任意で、作用物質が検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含む、または検出可能なシグナルを生成することができる; あるいは
分析が、粒子を検出するための作用物質であって、任意で検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる、該作用物質をアウトプット組成物に添加する段階を含まない
態様8〜12のいずれか記載の方法。
14. 以下の場合、画像オブジェクトが非細胞粒子である、態様4、6および8〜13のいずれか記載の方法:
(i) 画像オブジェクトが0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9または少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9の真円度を含む;
(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて5 μmと10 μmの間の直径を含む; および/または
(iii) 画像オブジェクトが25 μm2と50 μm2の間の面積を含む;
(iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを上回る、蛍光シグナルを含む; および/または
(v) 画像オブジェクトが蛍光強度(florescent intensity; FI)を含み、任意でFIが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい。
15. 対照サンプルが、1つまたは複数の細胞を含むが1つまたは複数の非細胞粒子を含まない、または含まない可能性が高い細胞組成物をインキュベートすることによって産生される組成物であり、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、態様14記載の方法。
16. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが自家蛍光性である、態様1〜15のいずれか記載の方法。
17. 分析がコンピュータにより実現される画像分析を用いて実行される、態様1〜16のいずれか記載の方法。
18. 方法の1つまたは複数の段階が、高速大量処理であり、かつ/または自動化されている、態様1〜17のいずれか記載の方法。
19. 方法の1つまたは複数の段階が、機械、ロボット、および/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムによって実行される、態様1〜18のいずれか記載の方法。
20. インプット組成物が、インプット組成物中の1つもしくは複数の細胞の表面に結合した1つもしくは複数の非細胞粒子を含むかまたは含むことが疑われ;
インプット組成物が、残留粒子を含むかまたは含むことが疑われ;
インプット組成物が、1つもしくは複数の非細胞粒子に結合した1つもしくは複数の細胞を含有する組成物に由来し; および/あるいは
インプット組成物が、1つもしくは複数の非細胞粒子に結合した1つもしくは複数の細胞を含有する組成物に由来し、1つもしくは複数の非細胞粒子を除去することによってさらに処理される、
態様1〜19のいずれか記載の方法。
21. インプット組成物が
(1) 1つまたは複数の細胞を1つまたは複数の非細胞粒子と混合する段階; および
(2) 細胞から1つまたは複数の非細胞粒子を除去する段階
を含む方法によって産生される、態様1〜20のいずれか記載の方法。
22. インプット組成物が細胞組成物からの1つまたは複数の非細胞粒子の除去後に存在する残留非細胞粒子を含むか、もしくは含む可能性が高いか、またはそれを含みうる、態様1〜21のいずれか記載の方法。
23. 1つまたは複数の粒子が、細胞の表面上の巨大分子に結合することができる1つまたは複数の生体分子を含む、態様1〜22のいずれか記載の方法。
24. 細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートすることは、界面活性剤および/または漂白剤とともにサンプルをインキュベートすることを含む、態様1〜23のいずれか記載の方法。
25. 界面活性剤がTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である、態様24記載の方法。
26. 漂白剤が塩素系の漂白剤である、態様24または態様25記載の方法。
27. サンプルが濃度約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、もしくは8% (v/v)の漂白剤、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲での漂白剤とともにインキュベートされる、態様24〜26のいずれか記載の方法。
28. インキュベーションが、少なくとももしくは少なくとも約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、20分、もしくは30分間行われ; あるいは
インキュベーションが、30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、もしくは1分〜5分、または約30秒〜30分、約1分〜20分、約1分〜10分、もしくは約1分〜5分行われる、
態様1〜27のいずれか記載の方法。
29. 粒子がアウトプット組成物を磁場に曝露することによって濃縮される、態様3〜7、9および12〜28のいずれか記載の方法。
30. 濃縮がアウトプット組成物から細胞残屑を低減または除去する、態様3〜7、9および12〜29のいずれか記載の方法。
31. 分析またはキャプチャする前に、アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄する段階をさらに含む、態様1〜30のいずれか記載の方法。
32. アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄する段階が、1つまたは複数の非細胞粒子をペレット化することおよびアウトプット組成物のある量を除去することまたはある量を低減することを含む、態様31記載の方法。
33. サンプル中の細胞の濃度が、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×108細胞/mLまたは少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mLである、態様1〜32のいずれか記載の方法。
34. アウトプット組成物の量が、10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mLであるか、あるいは少なくとももしくは少なくとも約10 μL、25 μL、50 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲である、態様1〜33のいずれか記載の方法。
35. 1つまたは複数の非細胞粒子がビーズを含む、態様1〜34のいずれか記載の方法。
36. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、0.001 μm超、0.01 μm超、0.1 μm超、1.0 μm超、10 μm超、50 μm超、100 μm超または1000 μm超の直径を有する、態様1〜35のいずれか記載の方法。
37. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、1.0 μm〜500 μm、1.0 μm〜150 μm、1.0 μm〜30 μm、1.0 μm〜10 μmまたは1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する、態様1〜36のいずれか記載の方法。
38. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、
細胞組成物中の細胞の平均直径と実質的に同じであるか、または細胞組成物中の細胞の平均直径よりも5倍、4倍、3倍、2倍もしくは1.5倍大きいもしくは小さい範囲内である直径
を有する、態様1〜37のいずれか記載の方法。
39. 1つまたは複数の粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、リンパ球または抗原提示細胞と同じまたはほぼ同じサイズである直径を有する、態様1〜38のいずれか記載の方法。
40. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、3.5 μm超もしくは約3.5 μm超、ただし約9 μm以下または約8 μm以下または約7 μm以下または約6 μm以下または約5 μm以下の直径を有する、態様1〜39のいずれか記載の方法。
41. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、4.5 μmまたは約4.5 μmの直径を含む、態様1〜40のいずれか記載の方法。
42. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、コア、任意で磁性コア、常磁性コアまたは超常磁性コアを含む、態様1〜41のいずれか記載の方法。
43. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、超常磁性コアを含む、態様1〜42のいずれか記載の方法。
44. コアが、金属酸化物、フェライト、金属、ヘマタイト、金属合金、およびそれらの組み合わせから選択される、態様42または態様43記載の方法。
45. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが不活性である、態様1〜44のいずれか記載の方法。
46. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、ポリスチレン表面であるか、またはそれを含み、磁性または超常磁性コアを任意で含んでもよい、態様1〜45のいずれか記載の方法。
47. 1つもしくは複数の生体分子が抗体を含み、および/または1つもしくは複数の非細胞粒子、任意で1つもしくは複数のビーズの表面上に存在する、態様23〜46のいずれか記載の方法。
48. 1つまたは複数の生体分子が、サンプル中の1つもしくは複数の細胞を選択、単離、もしくは濃縮することができる親和性剤であるか、またはサンプル中の1つもしくは複数の細胞を刺激することができる1つまたは複数の刺激剤である、態様23〜47のいずれか記載の方法。
49. 巨大分子が細胞表面タンパク質である、態様23〜48のいずれか記載の方法。
50. 1つまたは複数の刺激剤が、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる、態様48または態様49記載の方法。
51. 1つまたは複数の刺激剤が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する一次剤およびT細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤を含む、態様48〜50のいずれか記載の方法。
52. 一次剤がCD3に特異的に結合し、ならびに/または共刺激分子が、CD28、CD137 (4-1-BB)、OX40、およびICOSからなる群より選択される、態様51記載の方法。
53. 一次剤が抗CD3であるかまたはそれを含み、二次剤が抗CD28であるかまたはそれを含む、態様51または態様52記載の方法。
54. 1つまたは複数の細胞が、10 μmと30 μmまたは約10 μmと30 μmの間の直径を有する、態様1〜53のいずれか記載の方法。
55. 1つもしくは複数の細胞が動物細胞であるか、または細胞組成物が動物細胞を含む、態様1〜54のいずれか記載の方法。
56. 1つもしくは複数の細胞がヒト細胞であるか、または細胞組成物がヒト細胞を含む、態様1〜55のいずれか記載の方法。
57. 1つもしくは複数の細胞が幹細胞であるか、または細胞組成物が幹細胞を含む、態様1〜56のいずれか記載の方法。
58. 幹細胞が、人工多能性幹細胞(iPSC)である、態様57記載の方法。
59. 1つもしくは複数の細胞が免疫細胞であるか、または細胞組成物が免疫細胞を含む、態様1〜58のいずれか記載の方法。
60. 免疫細胞がT細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞または樹状細胞である、態様59記載の方法。
61. 1つまたは複数の細胞が1つまたは複数の非細胞粒子と混合されており、非細胞粒子がインキュベーションの前に細胞組成物中の細胞の刺激および/または活性化を行うために1つまたは複数の刺激剤を含む、態様1〜60のいずれか記載の方法。
62. 細胞がT細胞であり、1つまたは複数の刺激剤が抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体またはその抗原結合断片である、態様61記載の方法。
63. 1つまたは複数の細胞が1つまたは複数の非細胞粒子と混合されており、非細胞粒子が、インキュベーションの前に細胞組成物からの細胞の選択、単離、または濃縮を行うために1つまたは複数の親和性試薬を含む、態様1〜60のいずれか記載の方法。
64. 親和性試薬が、1つまたは複数の細胞上の細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、態様48または態様63記載の方法。
65. 細胞表面タンパク質が、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CD11a (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド、Delta様1/4、Jagged 1/2、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7およびCXCR3から選択される、態様64記載の方法。
66. インキュベーションが、約15℃〜30℃、18℃〜28℃または20℃〜25℃である温度で行われる、態様1〜65のいずれか記載の方法。
67. インキュベーションが、約23℃である温度で行われる、態様1〜66のいずれか記載の方法。
77. 細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器;
包装材料; ならびに
細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書であって、
(a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、該インプット組成物が1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含み、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである、段階;
(b) アウトプット組成物またはその一部分を蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の粒子の存在または非存在を判定する段階
を指定する該使用説明書を含むラベルまたは添付文書
を含む、製造品。
78. 使用説明書が、アウトプット組成物またはその一部分の蛍光顕微鏡写真を取得すること、および任意で蛍光顕微鏡写真から画像オブジェクトの蛍光強度を判定することを含む蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析を指定する、態様77記載の製造品。
79. 使用説明書が、アウトプット組成物またはその一部分の明視野顕微鏡写真をさらに取得することを指定する、態様77または態様78記載の製造品。
80. 使用説明書は、アウトプット組成物の分析が、蛍光顕微鏡写真または明視野顕微鏡写真から画像オブジェクトのサイズ、面積、および/または真円度を判定することをさらに含むことを指定する、態様78または態様79記載の製造品。
81. 細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器;
包装材料; ならびに
細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書であって、
(i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が蛍光分子を励起することができる、段階;
(ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像である、段階;
(iii) サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析する段階
を指定し、
アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下で、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートすることにより産生され、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである、該使用説明書を含むラベルまたは添付文書
を含む、製造品。
82. 細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器;
包装材料; ならびに
細胞組成物中の粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書であって、
(a) 1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含むインプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたは該インプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下で溶液を用いたものである、段階; ならびに
(b) アウトプット組成物またはその一部分を光学的に分析して、1つまたは複数の画像オブジェクトの1つまたは複数のパラメータの存在または非存在を評価する段階であって、1つまたは複数のパラメータが、サイズ、面積、蛍光強度(FI)、明視野強度、および/または粒子の真円度から選択される、段階
を指定する該使用説明書
を含む、ラベルまたは添付文書
を含む、製造品。
83. アウトプット組成物が、粒子を検出するための作用物質を含まず、任意で作用物質が、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる; あるいは
使用説明書は、分析が、粒子を検出するための作用物質をアウトプット組成物に添加することを含まないことを指定し、任意で作用物質が、検出可能な部分であるか、もしくは検出可能な部分を含むか、または検出可能なシグナルを生成することができる、
態様77〜82のいずれか記載の製造品。
84. 使用説明書は、分析の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮されることをさらに指定する、態様77〜80のいずれか記載の製造品。
85. 使用説明書は、照射の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮されることをさらに指定する、態様81記載の製造品。
86. 使用説明書は、分析の前に、アウトプット組成物が1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮されることをさらに指定する、態様82記載の製造品。
87. 1つもしくは複数の非細胞粒子が自家蛍光性であり; および/または
使用説明書が、自家蛍光性である非細胞粒子を含みうるサンプルまたは組成物に対して実行される段階をさらに指定する、
態様77〜86のいずれか記載の製造品。
88. 使用説明書は、
(i) 画像オブジェクトが0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9または少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8もしくは0.9の真円度を含む場合;
(ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて5 μmと10 μmの間の直径を含む場合; および/または
(iii) 画像オブジェクトが25 μm2と50 μm2の間の面積を含む場合;
(iv) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含む場合; および/または
(v) 画像オブジェクトが蛍光強度(florescent intensity; FI)を含み、任意でFIが対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルよりも大きい場合、
非細胞粒子が検出されることを指定する、態様78および80-のいずれか記載の製造品。
89. 対照サンプルは、1つまたは複数の細胞を含むが、1つまたは複数の非細胞粒子を含まない、または含む可能性が低い細胞組成物をインキュベートすることによって産生される組成物であり、インキュベーションは細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、態様88記載の製造品。
90. 界面活性剤がTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である、態様77〜89のいずれか記載の製造品。
91. 漂白剤が塩素系の漂白剤である、態様77〜90のいずれか記載の製造品。
92. サンプルが濃度約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、6%、7%もしくは8% (v/v)の漂白剤、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲での漂白剤とともにインキュベートされる、態様77〜91のいずれか記載の製造品。
93. 1つまたは複数の粒子が1つまたは複数のビーズである、態様77〜92のいずれか記載の製造品。
VII. 実施例
以下の実施例は例示の目的のためだけに含まれており、本発明の範囲を限定することを意図しない。
実施例1: 細胞溶解および自動化された残留ビーズ計数
例示的な自動化(自動蛍光)法を用いて、ビーズ粒子の存在下でインキュベートされた細胞組成物中に存在する非細胞粒子、特にビーズ粒子の数を定量化した。いくつかの局面において、例えば養子細胞療法のために対象に投与するための組み換え受容体を発現するように操作されたT細胞を含む、細胞組成物は、細胞組成物中の特定の細胞の刺激および/または濃縮のために抗体またはその抗原結合断片が付着されているビーズ粒子との細胞のインキュベーションを伴うプロセスを用いて作製することができる。いくつかの局面において、プロセスは、そのようなインキュベーション後のビーズ粒子の除去も伴う。いくつかの局面において、例示的な自動化法を用いて、除去段階後にサンプル中に残存するビーズのような、細胞組成物中に存在する残留ビーズを計数することができる。検出は、例えば細胞刺激または活性化に用いられる抗CD3/抗CD28にコンジュゲートされた直径4.5 μMの超常磁性ポリスチレンビーズ粒子に存在するような、固有の自家蛍光特性を、細胞を操作するためのプロセスにおいて特定のタイプのビーズが示す場合のような、蛍光法によって容易にされる。場合によっては、例示的な方法を用いて、例えばビーズ粒子の不完全な除去の結果として、そのようなレベルにより生じうる有害または有毒な作用を低減するために閾値レベルを超える残留ビーズを含みうる操作された細胞組成物の同定を容易にするためにビーズ粒子の除去の効率を判定することができる。
本実施例において記載する例示的な自動蛍光法を用いて、規定数のビーズを含む細胞組成物中に存在するビーズ粒子の数を判定し、操作された細胞組成物中の残留ビーズの計数のための例示的な方法の適合性を評価した。
A. サンプル
例示的な方法では、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作された初代T細胞を含む、ヒトドナーからの凍結保存された操作済のCD4+またはCD8+ T細胞組成物を用いた。操作された細胞組成物は、CARをコードする核酸の導入前に抗CD3抗体および抗CD28抗体でコーティングされた常磁性ポリスチレンコーティングビーズ粒子の存在下で刺激され、その後に磁場への曝露によりビーズ粒子を除去する段階が続けて行われたドナーから単離された初代CD4+またはCD8+ T細胞より作製された。操作段階の後、操作された細胞を含む得られた細胞組成物を凍結保存し、融解し、プールし、それに規定数のビーズ粒子を混合(スパイク)して、方法の特異性、直線性、正確さ、精度および範囲を評価した。
さまざまな濃度の直径4.5 μMの超常磁性ポリスチレンビーズ粒子を含む溶液は、0.1% Tween-20を有する1×リン酸緩衝生理食塩水中での、製造元の調製物(濃度: およそ400,000個のビーズ/μL)の希釈によって調製された。ボルテックスされたビーズ溶液を規定量のPBST中に加えることにより、異なるビーズ粒子濃度を含むいくつかのさらに希釈された溶液が調製された。さまざまな溶液中のビーズ粒子の濃度は、384ウェルプレートの別々のウェル中の各ビーズ溶液50 μLの複製物20個を評価することによって、ビーズ粒子の濃度を確認するためビーズ粒子の自家蛍光の自動蛍光イメージングシステムを用いて評価された。評価からの平均ビーズカウントを用いて、調製されたビーズ溶液のビーズ粒子濃度を計算した。
計算された濃度に基づいて、以下のスパイクされたビーズ濃度: 600個のビーズ/mL; 400個のビーズ/mL; 300個のビーズ/mL; 200個のビーズ/mL; 100個のビーズ/mL; 50個のビーズ/mLおよび0個のビーズ/mLを含むビーズおよび細胞混合物を得るために、上記のように作製された融解CD4+操作細胞組成物(5×107/mLの細胞濃度)に特定の量のビーズ溶液の1つを加えた。異なるT細胞サブタイプを含む細胞組成物を用いる分析の場合、上記のように作製されたCD8+操作細胞組成物に、400個のビーズ/mLの濃度でビーズ粒子をスパイクした(以下の実施例1.Hを参照のこと)。より高濃度の細胞を含む細胞組成物を用いる分析の場合、7×107個の細胞/mLのCD8+操作細胞組成物に、400個のビーズ/mLの濃度でビーズ粒子をスパイクした(以下の実施例1.Iを参照のこと)。
B. 溶解およびビーズ計数
上記のようにスパイクされたビーズ粒子を含む融解された操作細胞組成物を、ボルテックスすることによって混合し、溶解および自動化(自動蛍光)ビーズ計数に供した。スパイクされたビーズを含む細胞組成物400 μLを1200×gで2分間遠心分離して、細胞およびビーズ粒子を回収した。上清を除去した後に、遠心分離されたサンプルを溶解緩衝液(0.1% Tween-20を有する1×リン酸緩衝生理食塩水(PBST) 800 μL; 8.25%漂白剤200 μL)に再懸濁し、室温でおよそ2分間インキュベートした。溶解されたサンプルを、常磁性ポリスチレンビーズ用にデザインされた磁石上に2分間置いて、常磁性ビーズ粒子を細胞残屑から分離した。上清を除去し、サンプルからの残留ビーズをPBST 1 mLで2回洗浄した。洗浄されたビーズをPBST (サンプルビーズ) 75 μLに再懸濁し、384ウェルプレート中のウェルに入れた。PBSTをさらに75 μLを用いて、試験管(洗浄ビーズ)の側面をすすぎ、384ウェルプレートの別のウェルに入れた。
384ウェルアッセイプレート中のサンプルからの画像を、Cytation (商標) 5 Cell Imaging Multi-Mode Reader (BioTek Instruments, Inc., Winooski, VT)により明視野およびCy5蛍光フィルタチャネルの両方を10倍の倍率で用い収集し、次に重ね合わせ、処理して、バックグラウンド干渉を低減した。蛍光フィルタを用いて自家蛍光を示したビーズを検出することができた。画像中のビーズを、サイズ、蛍光信号、面積および真円度に基づき、イメージングプラットフォームの画像処理ソフトウェアGen5を用いて視覚的および自動的に細胞または他の残屑から区別して、サンプル中のビーズ粒子の数をカウントし、所与のサンプル中のビーズ濃度を計算した。ビーズを検出および計数するための例示的な方法は、サイズが3〜15 μmであった画像オブジェクトを選択するために明視野チャネルを用いて適用された第1の任意のパラメータを必要とした。蛍光フィルタチャネルを用い第2のパラメータを適用して、サイズが1〜5 μmであった画像オブジェクトを選択した。サイズに基づき画像オブジェクトが同定および選択されたら、表1a中の値の閾値に基づき、画像オブジェクトは単一の非粒子細胞(「シングレット」)または二重の非粒子細胞(「ダブレット」)であるとさらに同定された。各サンプルにおけるビーズの総数/mLは、(サンプルビーズの数 + 洗浄ビーズの数)/0.4 mL = ビーズの総数/mLで計算された。
(表1a)ソフトウェアに基づくビーズ自動検出
Figure 2021516337
さらなる実験を実行し、ここでは溶解されたサンプル(400個のビーズ粒子/mLをスパイクした融解された操作細胞組成物を含む)が、上記のように常磁性ビーズ粒子の分離のために磁石上に置いたが、磁石への曝露はさまざまな長さの時間(例えば、30秒、2分または60分)実行した。磁気分離後にサンプルに存在する残留ビーズを、上記の自動化(自動蛍光)イメージング法を用いて、少なくとも3つのサンプルの平均から評価した。評価された全てのサンプルについて、結果から、60分間の磁石とのサンプルのインキュベーション後の平均ビーズカウントは他の時点よりも少ない回収ビーズとなったが、さまざまな長さの時間の磁石とのインキュベーション後の判定された平均残留ビーズカウントはそれぞれ、25%以下の変動係数(CV)の許容基準内にあったことが明らかにされた。
C. 特異性の評価
ビーズ粒子の添加のない(0個のビーズ/mLスパイクビーズ) CD4+操作細胞組成物の3つの独立したバイアルにおけるビーズカウントを分析することによって方法の特異性を評価した。ビーズ粒子の添加のない操作された細胞組成物は、残留ビーズを含まないと予想された。表1bに示されるように、全3つのバイアルにおけるビーズ濃度は、方法の定量限界(LOQ)未満であった。システムのアーチファクトまたは操作された細胞組成物からの有意な干渉は観察されなかった。
(表1b)特異性の評価
Figure 2021516337
D. 直線性の評価
方法の直線性は、分析されているサンプルにおいて観察されたビーズ濃度と予想されたビーズ濃度との間の相関を判定することによって評価された。いくつかの局面において、直線性は、サンプル中の分析物の濃度(量)に正比例する試験結果を得るための(所与の範囲内の)能力をいうことができる。三つ組で個別に調製された、600、400、300、200、100および50個のビーズ/mLのスパイクビーズを含む操作された細胞組成物中のビーズ濃度を、本実施例において記載するように評価した。
図1に示されるように、各標的濃度での三つ組のサンプルにおけるビーズ濃度のプロットは、次式によって記載される線形関係を示した: 実際のカウント = 15.4 + 1.01×予想されるカウント。決定係数(R2)は0.98であった; 二乗平均平方根誤差(RMSE)は31.3であった; 線形モデルの切片は15.4で、(-12.4, 43.3)の信頼区間を有した; 傾きは1.01で、(0.93, 1.10)の信頼区間を有した。図2Aに示されるように、(50、100、200、300、400および600個のビーズ/mL)のビーズ濃度の全範囲において、残差モデル(実際のカウント−予想されるカウント)は系統的傾向を示さず、ほぼゼロに均一に分布していた。この結果は、モデルが実際のビーズカウントと予想されるビーズカウントとの間の線形関係を記載していたという所見と一致していた。図2Bに示されるように、相対バイアスは、実験結果のパターンを調べるために決定され、実際のビーズカウントを予想されるビーズカウントと比較することによって計算された。他の分析と一致して、レベル間の相対バイアスに傾向は認められなかった。予想されるビーズカウント100で正のバイアスが観察されたが、これはスパイク誤差によって引き起こされた可能性がある。
E. 精度の評価
中間精度を含む、方法の再現性および精度が評価された。いくつかの局面において、精度は一連の測定結果間の一致の近さをいうことができる。方法の精度は、一連の測定結果の標準偏差および/または相対標準偏差(%変動係数)を判定することにより評価された。アッセイ法の精度に対する適格性研究因子(qualification study factor)の寄与は、予測実験結果に対して分散成分分析を行うことによって判定された。JMP(登録商標) Pro (SAS Institute, Inc.)を用いて分散成分分析を実行し、制限付き最尤推定法(REML)で混合モデル分析を行った。
方法の再現性および中間精度は、複数の標的濃度(50、100および400個のビーズ/mL)に対する実行ごとに3つの個別に調製されたバイアルから判定された。サンプルは2つの別々の実行において、個別に、2名の異なる操作者により調製および分析された。各バイアルを個別に調製し一度分析した結果、標的濃度ごとに4回の実行で計12のビーズカウントが得られた。3つのさらなる標的濃度(200、300および600個のビーズ/mL)で3つの個別に調製されたバイアルを分析者1名が1日に分析した。各バイアルを個別に調製し一度分析した結果、標的濃度ごとに1回の実行で計3つのビーズカウントが得られた。
図3は、ネストされた階層において、各実験条件で測定されたビーズカウントのバラツキを示し、実線は各濃度での平均ビーズカウントを示している。測定結果の平均、標準偏差(SD)および変動係数(CV)を表2に記載する。
(表2)ビーズカウント個別反復の簡易統計
Figure 2021516337
ランダム因子(操作者、日およびバイアル)と固定因子(材料; 異なる濃度)の両方を含むネストされた混合効果モデルが、精度分析に用いられた。分散成分は次のように表された:
Figure 2021516337
式中、
Figure 2021516337
はそれぞれ、合計、操作者、日および残差(バイアル)分散を表した。表3には分散成分分析に基づく方法の精度(再現性および中間精度)が記載されている。いくつかの局面において、全てのビーズカウント測定結果の分散は、全ての要因(操作者、日およびバイアル)を含み、中間精度である。再現性はバイアル間でのビーズカウントのバラツキである。
表3に示されるように、方法の再現性は0% CVであることが観察され、中間精度は15.4% CVであることが観察された。アッセイ精度に及ぼす操作者および日の影響は観察されず、ビーズカウントのバイアル間のバラツキのみが有意であった。
(表3)分散成分分析を用いた精度(再現性および中間精度)
Figure 2021516337
F. 正確さの評価
いくつかの局面において、真値/許容基準値と方法によって判定された値との間の一致の近さとして定義できる方法の精度を評価した。記載された例示的な(自家蛍光)法では、データ分析の一環として、ソフトウェアは、ビーズを他の残屑またはアーチファクトから区別するために設定されたパラメータに基づいて自動ビーズカウント値を提供した。例示的な方法の正確さを、定量化プロセス中に収集された未加工の画像から、ヒト操作者による目視検査および手動列挙によって評価した。ヒト操作者による手動計数から得られた値を、ソフトウェアによって判定された自動ビーズカウントと比較した。各標的ビーズ濃度での自動ビーズカウントの正確さは、次のように計算された回収率として報告された: %回収 = 100%×(自動ビーズカウント/手動ビーズカウント)。
表4には、いくつかの異なるビーズ濃度でスパイクされたCAR+細胞組成物の個別バイアル全体の回収率が記載されている。全てのビーズ濃度にわたる回収率は、88〜110%であることが観察された。この結果により、方法において用いられるソフトウェアによって提供される自動化されたビーズカウントが正確であり、例示的な方法において選択されたパラメータが、サンプル中に存在するビーズ粒子の数を判定するのに適していることが示された。
(表4)自動ビーズ計数法の正確さ
Figure 2021516337
G. 範囲の評価
上記のように、試験されたサンプルには、50〜600個のスパイクビーズ/mLの範囲が含まれていた。方法の精度および正確さを評価することによってこの方法の性能を評定した。精度(表2および3ならびに図3を参照のこと)と正確さ(表4)の許容値が観察され、50〜600個のスパイクビーズ/mLの、評定された濃度範囲内で許容される方法性能が実証された。したがって、この結果により、本方法を用いて、例えばCAR+ T細胞組成物について、許容される正確さおよび精度で残留ビーズを計数し、残留ビーズカウントの製造プロセス要件を満たしうることが示された。
H. CD8+ CAR+細胞組成物を用いた方法の性能
CD8+ CAR+細胞組成物を用いて方法を実施し、組成物(CD4+ CAR+細胞組成物およびCD8+ CAR+細胞組成物)に存在する細胞のサブタイプによって結果が影響されるかどうかを確認した。CD8+ CAR+細胞組成物の3つのサンプルに、400個のビーズ/mLの濃度でビーズ粒子をスパイクし、上記の例示的な方法を用いてこれを個別に分析した。結果を表5に記載する。観察された平均ビーズ濃度(ビーズ/mL)は407、標準偏差(SD)は51、%相対標準偏差(RSD)は13であった。回収値は87〜110%に及び、RSD値は13%で、低いバラツキが観察された。結果から、方法の性能が組成物中の細胞のタイプによって影響されなかったことが示された。
(表5)CD8+ CAR+組成物の分析の結果
Figure 2021516337
I. 細胞密度がより高い方法の性能
より高い細胞密度を含む細胞組成物を用いて方法を実施し、組成物に存在する細胞の密度によって結果が影響されるかどうかを確認した。より高い細胞密度(7×107個の細胞/mL; 5×107個の細胞/mLを含む上記の組成物と比較して)の、CD8+ CAR+細胞組成物の3つのサンプルに、400個のビーズ/mLの濃度でビーズ粒子をスパイクし、上記の例示的な方法を用いてこれを個別に分析した。結果を表6に記載する。観察された平均ビーズ濃度(ビーズ/mL)は370、標準偏差(SD)は45、%相対標準偏差(RSD)は12であった。回収値は83〜105%に及び、RSD値は12%で、低いバラツキが観察された。結果から、方法の性能が、例えば7×107個の細胞/mLまでの、組成物中のより高い細胞濃度によって影響されなかったことが示された。
(表6)より高い細胞密度を含む組成物の分析の結果
Figure 2021516337
J. 異なる(手動の)ビーズ計数法との比較
上記の例示的な(自動蛍光)法を、類似のサンプル調製段階を伴うが自動検出および計数を利用せず、しかし代わりに手動でのビーズの同定およびカウンティングを伴う異なる(手動)法からのビーズ計数結果と比較した。各々が6濃度のスパイクビーズ粒子(600、400、300、200、100および50個のビーズ/mL)の1つを含む、CAR+細胞組成物の個別の三つ組を、上記の例示的な(自動蛍光)方法(「方法1」)を用いて評価し、各サンプルのさらに1バイアルを、異なる(手動)方法(「方法2」)を用いて評価した。回帰分析を実施して、方法1 (「方法1カウント」)および方法2 (「方法2カウント」)を用いてビーズカウント間の同等/差異を推定した。
2つの方法を用いてビーズカウントを比較した結果を、図4Aおよび4Bに示す。方法1 (自動蛍光法)カウントと方法2 (手動法)カウントとの差異 vs 図4Aにおける2つの方法を用いた平均ビーズカウントのプロットに示されるように、方法1カウントは方法2カウントよりもわずかに高かった。図4Bは、6つの対の値を用いた方法1 (自動蛍光法)カウントと方法2 (手動法)カウントの間の誤差込み変数回帰を示す。示されるように、回帰モデルは次の通りであった: 方法1カウント = 1.2×方法2カウント−0.2。傾きの95%信頼区間は(1.03, 1.46)であって、方法1カウントと方法2カウントの間の一致性相関係数(CCC)は、95%信頼区間(0.74, 0.98)で、0.93であることが認められた。誤差込み変数回帰とCCCの両方とも、方法1を用いて判定されたビーズ濃度が方法2を用いて判定されたものよりわずかに高いという所見と一致していた。
K. 陽性対照の評定
上記の方法の評価の前に、細胞を含まない陽性対照の単回使用アリコットひとそろいを調製した。上記の実施例1.Aで記載したさまざまな濃度のビーズを含むビーズ粒子溶液をボルテックスし、各溶液30 μLをチューブに入れ、PBSTまたはCS-10 Freeze Media (BioLife) 400 μLを各チューブに加えることによって陽性対照のアリコットを調製した。陽性対照サンプルを、本実施例で試験されたサンプルのバッチごとに調製および分析した。陽性対照サンプルの回収率(%)を用いて、本方法の局面を評定した。さらに、複数日にわたり計15個の陽性対照バイアルに対して1回の実行あたり3個の陽性対照で、2名の異なる操作者により陽性対照サンプルが個別に調製および分析された。陽性対照バイアルおよび上記の研究からのデータを用いて、陽性対照の許容差を設定した。
(表7)陽性対照の評価
Figure 2021516337
L. 結論
本実施例に記載される例示的な自動化された残留ビーズ計数法は、操作された細胞組成物中の残留ビーズの数を判定するための特異的な、線形の、精密、正確かつ適当な方法であることが実証された。
実施例2: 自動蛍光法 vs 手動ビーズ計数法を用いた操作CAR+治療用T細胞組成物中の残留ビーズを検出するための方法の比較
凍結保存された操作CD4+またはCD8+ T細胞組成物を、濃縮CD4+および濃縮CD8+細胞集団を別々に処理段階に供することを伴うプロセスにより、ヒトドナーから単離された初代CD4+またはCD8+ T細胞から作製した。CD4+およびCD8+細胞を、白血球除去によって得られたヒト末梢血単核細胞(PBMC)から別々に選択し、別々の濃縮CD4+および濃縮CD8+細胞組成物を作製し、これを次いで冷凍凍結した。その後、CD4+およびCD8+組成物を融解し、刺激、形質導入および拡張の段階を別々に行った。具体的には、融解したCD4+およびCD8+細胞を、抗CD3抗体および抗CD28抗体ならびに組み換えヒトサイトカイン(例えばIL-2、IL-7および/またはIL-15)とカップリングされた常磁性ポリスチレンコーティングビーズ(直径4.5 μM)の存在下で別々に刺激し、その後、抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)をコードするウイルスベクター(例えばレンチウイルスベクター)で別々に形質導入した。CD4+およびCD8+細胞組成物を次いで、組み換えヒトサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7および/またはIL-15)を含む培地の存在下での拡張のために別々に培養した。拡張前または拡張中に、磁場への曝露によって細胞組成物からビーズを除去した。拡張の閾値に達した後に、各組成物からの細胞を別々に採取し、配合し、冷凍凍結した。
22個の別々に作製されたT細胞組成物を融解し、追加の常磁性ビーズ粒子をさらにスパイクせずに、サンプルに存在する残留ビーズの存在または非存在を、手動および自動蛍光イメージング法を用いて比較した。残留ビーズを評価する方法は、実施例1に記載したものと実質的に同じであった。どちらの方法でも、漂白剤に基づく溶解緩衝液で分析する前に細胞を溶解し、溶解物中の残留ビーズの数を計数した。しかしながら、サンプル調製およびビーズ検出の段階は、方法によって異なっていた。
具体的には、操作された細胞組成物およそ400 μLを含むサンプルを、遠心分離して細胞およびビーズ粒子を回収し、その後、溶解緩衝液(0.1% Tween-20を有する1×リン酸緩衝生理食塩水(PBST) 800 μL; 8.25%漂白剤200 μL)中での遠心分離したサンプルの再懸濁および室温でおよそ2分間のインキュベーションに従う溶解によって残留ビーズを回収した。溶解したサンプルを常磁性ポリスチレンビーズ用にデザインされた磁石に2分間置いて、常磁性ビーズ粒子を細胞残屑から分離し、存在する場合、残留ビーズについてサンプルを濃縮した。サンプルを計数のために処理して、手動方法または自動蛍光法を用いて残留ビーズの存在または非存在を評価した。
手動カウンティング法の場合、サンプルの溶解および磁石への曝露後に、上清を除去し、サンプルを30 μL以下のPBSTに再懸濁した。顕微鏡法による手動カウンティングのために、サンプルを血球計のサンプルリザーバ領域に入れた。この方法では、溶解および計数段階全体で標準のピペットチップを用いた。各サンプル中のビーズ総数/mLは、(サンプルビーズの数 + 洗浄ビーズの数)/0.4 mL = ビーズの総数/mLで計算された。
自動蛍光イメージング法の場合、サンプルの溶解および磁石への曝露後に、上清を除去し、サンプルからの残留ビーズをPBST 1 mLで2回洗浄した。洗浄したビーズをPBST 75 μLに再懸濁し、30秒間ボルテックスし、384ウェルプレート中のウェルに入れた。PBSTをさらに75 μLを用いて、試験管(洗浄ビーズ)の側面をすすぎ、384ウェルプレートの別のウェルに入れた。ローリテンションピペットチップを、例示的な方法の溶解および計数段階の全体で用いた。384ウェルアッセイプレート中のサンプルからの画像をCytation(商標) 5 Cell Imaging Multi-Mode Reader (BioTek Instruments, Inc., Winooski, VT)により、明視野およびCy5蛍光フィルタチャネル(ビーズの自家蛍光を検出するため)の両方を用いて倍率10倍で集め、その後、重ね合わせて処理し、バックグラウンドの干渉を低減した。上記におよび表1aに記載されているように画像中のビーズを視覚的および自動的に、イメージングプラットフォームの画像処理ソフトウェアGen5を用い、サイズ、蛍光シグナルおよび真円度に基づき細胞または他の残屑から区別して、サンプルにおけるビーズ粒子の数をカウントし、所与のサンプルにおけるビーズ濃度を計算した。各サンプルにおけるビーズの総数/mLを、(サンプルビーズの数 + 洗浄ビーズの数)/0.4 mL = ビーズの総数/mLで計算した。
試験されたサンプルのなかで、11個のサンプルは両方の残留ビーズ法について、より低い定性限界(lower limit of qualification; LLOQ)未満の結果を有していた(手動法のLLOQは約20個のビーズ/mLであり; 自動蛍光法のLLOQは約50個のビーズ/mLである)。図5Aは、自動蛍光法または手動カウンティング法の各々による予想ビーズカウント vs 残留ビーズカウントの比較を示す。測定された全サンプルにわたって、残差モデル(実際のカウント−予想されるカウント)は、どちらの方法でも系統的傾向を示さず、ほぼゼロに均一に分布していた。この結果は、両方のモデルが実際のビーズカウントと予想されるビーズカウントとの間の線形関係を記載していたという所見と一致していた。別の統計モデルを適用しても、同様の結果が得られた。
残留ビーズをカウントできる全てのサンプルについて、手動法と比較して自動蛍光法を用いるとビーズカウントが増える方向に比例的なバイアスがかかった。図5Aにおける結果から実際の値 vs 予想される値の両方の方法で均一に分布する傾向が示されたが、線形誤差込み変数(EIV)モデルを用いて、2つの方法の間の関係をモデル化した。図5Bに示されるように、関係を記載するモデルは次の通りである: 自動蛍光カウント = -5.34 + 2.34×手動カウント、ここで傾きは95%信頼区間(2.21, 2.56)で、2.34であり、切片は95%CI (-17.6, 6.92)で、-5.34であった。
この結果は、除去を促進するための段階(例えば磁石)の前にビーズとともに予めインキュベートされていた操作された細胞サンプル、すなわち非スパイクビーズサンプルにおける残留ビーズを検出するためのこの方法の有用性と一致している。これらの結果から、同じサンプルからの手動カウンティング法と比較して、自動蛍光法ではより高い残留ビーズカウントが可能であることが示された。この結果は、ビーズ検出法(例えば自動蛍光 vs 手動カウンティング)および自動蛍光法におけるさらなるサンプル調製段階、例えば追加の洗浄段階、サンプル混合(例えばボルテックス処理)、ローリテンションピペットチップ、分析のためのサンプル量が多い、例えば30 μLと比較して75 μLの差異の結果としての残留ビーズの回収の改善による可能性が高い。さらに、自動蛍光法はサンプル処理の処理能力の向上を可能にした。
実施例3: 自動蛍光ビーズ計数法によるビーズ計数に対する細胞濃度の評価
実施例1および2に記載される自動蛍光ビーズ計数法を用いて、さまざまな細胞濃度の細胞組成物中のビーズ粒子の数を定量化した。ヒトドナーからの操作されたCD4+またはCD8+ T細胞組成物は、実質的に実施例2に記載されるように作製された。記載されるように、細胞を産生するためのプロセスには、CARをコードする核酸の導入に先立って抗CD3抗体および抗CD28抗体でコーティングされた常磁性ポリスチレンコーティングビーズ粒子との細胞のインキュベーションと、それに続いて磁場への曝露によりビーズ粒子を除去する段階が含まれていた。
組成物中の細胞が計数法に干渉したかどうかを評価するために、6つの細胞組成物サンプルを7×107個の細胞/mLの濃度(高細胞濃度)で調製し、6つのサンプルを5×107個の細胞/mLの濃度(より低い細胞濃度)で調製した。方法の特異性、直線性、正確さ、精度および範囲を評価するために、3つの高細胞濃度サンプルおよび3つの低細胞濃度サンプルにそれぞれ定義された数のビーズ粒子(400個のビーズ/mL)をスパイクした。他の3つの高細胞濃度サンプルおよび3つの低細胞濃度サンプルには、これらのサンプルにおけるビーズの計数が、細胞を操作するためのプロセス後のサンプルにおける残留ビーズの実際の存在または非存在を表すように、ビーズをスパイクしなかった(「非スパイク」)。
上記のようにスパイクおよび非スパイク操作細胞組成物を、ボルテックスすることによって混合し、実質的に実施例2に記載されるように溶解および自動ビーズ列挙に供した。この方法の特異性を、(1) スパイクされていない、低細胞濃度の操作された細胞組成物; (2) スパイクされていない、高細胞濃度の操作された細胞組成物; (3) スパイクされた低細胞濃度の操作された細胞組成物; および(4) スパイクされた、高細胞濃度の操作された細胞の各々3つのサンプルにおけるビーズカウントを分析することによって評定した。
表9に示されるように、全6つの非スパイクサンプルにおけるビーズ濃度は、方法の定量限界(LOQ)未満であった。非スパイクサンプルでは、異なる細胞濃度のサンプル間で観察されたビーズ濃度に実質的な差異がなく、細胞濃度からの有意な干渉は観察されなかったことを示していた。
スパイクされたサンプルの場合、細胞濃度が低いスパイクサンプルの平均ビーズカウントは、443±17個のビーズ/mLであると判定され、その一方で細胞濃度が高いスパイクサンプルの平均ビーズカウントは450±27個のビーズ/mLであると判定された。これらの値は統計的に同等であると判定された。この結果は、ビーズを計数するための自動蛍光法による細胞からの明らかな干渉がないという結論を裏付けている。
(表9)スパイクおよび非スパイク細胞組成物における特異性の評価
Figure 2021516337
本発明は、例えば、本発明のさまざまな局面を例示するために提供される特定の開示された態様に範囲が限定されることを意図しない。記載された組成物および方法に対するさまざまな修正は、本明細書中の記載および教示から明らかになるであろう。そのような変形は、本開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく実践されることができ、本開示の範囲内に含まれることが意図される。

Claims (67)

  1. 細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、
    (a) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インプット組成物が、1つまたは複数の細胞を含み、かつ自家蛍光を放出することができる1つもしくは複数の非細胞粒子を含む可能性が高いか、またはそれを含み得、インキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階; ならびに
    (b) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の非細胞粒子の自家蛍光の蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の1つまたは複数の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階
    を含む、方法。
  2. アウトプット組成物またはその一部分を自家蛍光の蛍光イメージングにより分析して、アウトプット組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階を含む、細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、
    アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートされたインプット組成物の少なくとも一部分のサンプルであり、インプット組成物が1つまたは複数の細胞を含み、かつ自家蛍光を放出することができる1つもしくは複数の非細胞粒子を含む可能性が高いか、またはそれを含みうる、方法。
  3. 1つまたは複数の非細胞粒子が、1つまたは複数の細胞および1つまたは複数の非細胞粒子を含む細胞組成物から非細胞粒子を除去または低減する段階の後にインプット組成物中に存在する残留非細胞粒子である、請求項1または請求項2記載の方法。
  4. 分析の前に、アウトプット組成物が、アウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子の選択を伴う段階によって1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、
    (a) 細胞組成物の非細胞粒子を除去または低減する条件の下で細胞および非細胞粒子を含む細胞組成物を処理し、それによって1つまたは複数の細胞を含みかつ残留非細胞粒子である1つまたは複数の非細胞粒子を含みうるインプット組成物を産生する段階であって、1つまたは複数の非細胞粒子が自家蛍光を放出することができる、段階;
    (b) インプット組成物の少なくとも一部分を含むサンプルまたはインプット組成物に由来するサンプルをインキュベートする段階であって、インキュベーションが1つまたは複数の細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、段階;
    (c) アウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子の選択を伴う段階によって、アウトプット組成物中の1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮する段階; ならびに
    (d) 濃縮されたアウトプット組成物またはその一部分を自家蛍光の蛍光イメージングにより分析して、サンプル中の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階
    を含む、方法。
  6. 1つまたは複数の非細胞粒子が磁性または常磁性であり、選択が非細胞粒子を磁石または磁場に曝露することを含む、請求項4または請求項5記載の方法。
  7. 蛍光イメージングによるアウトプット組成物の分析は、アウトプット組成物またはその一部分の、蛍光画像、任意で蛍光顕微鏡写真の取得、および蛍光画像からの画像オブジェクトの蛍光強度の判定を含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. アウトプット組成物またはその一部分の、明視野画像、任意で明視野顕微鏡写真を取得する段階をさらに含み、
    1つまたは複数の非細胞粒子が、蛍光画像および/または明視野画像から画像オブジェクトのサイズ、面積、および/または真円度を評価することによってアウトプット組成物中の1つまたは複数の他の成分から区別される、請求項7記載の方法。
  9. 細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための方法であって、
    (i) アウトプット組成物またはその一部分を1つまたは複数の光源で照射して、照射されたサンプルを作製する段階であって、少なくとも1つの光源が自家蛍光を励起することができ、該アウトプット組成物が、細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートされたインプット組成物の少なくとも一部分のサンプルであり、インプット組成物が、1つまたは複数の細胞を含み、かつ自家蛍光を放出することができる1つもしくは複数の非細胞粒子を含む可能性が高いか、またはそれを含みうる、段階;
    (ii) 照射されたサンプルの1つまたは複数の画像をキャプチャする段階であって、少なくとも1つの画像が蛍光画像であり、かつ任意で少なくとも1つの画像が明視野画像である、段階;
    (iii) サイズ、面積、蛍光強度、明視野強度、および/または真円度から選択される1つまたは複数のパラメータについて1つまたは複数の画像から画像オブジェクトの存在または非存在を分析し、それによって1つまたは複数の非細胞粒子の存在または非存在を判定する段階
    を含む、方法。
  10. 照射の前に、アウトプット組成物が、アウトプット組成物中に存在する1つまたは複数の非細胞粒子の選択を伴う段階によって1つまたは複数の非細胞粒子について濃縮される、請求項9記載の方法。
  11. 1つまたは複数の非細胞粒子が磁性または常磁性であり、選択が磁性選択を含む、請求項10記載の方法。
  12. 分析が、非細胞粒子のシングレット、ダブレット、またはシングレットおよびダブレットを検出する、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含み、かつ
    (i) 画像オブジェクトが0.4もしくは少なくとも0.4の真円度を含む場合;
    (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと20 μmの間の直径を含む場合; および/または
    (iii) 画像オブジェクトが130 μm2未満の面積を含む場合、
    画像オブジェクトは非細胞粒子として検出される、請求項7〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. (i) 画像オブジェクトが0.4もしくは少なくとも0.4、0.5もしくは少なくとも0.5、0.6もしくは少なくとも0.6、0.7もしくは少なくとも0.7、0.8もしくは少なくとも0.8、または0.9もしくは少なくとも0.9の真円度を含む場合;
    (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて3 μmと15 μmの間の直径を含む場合; および/あるいは
    (iii) 画像オブジェクトが0.5 μm2と50 μm2の間の面積を含む場合、
    画像オブジェクトは非細胞粒子として検出される、請求項13記載の方法。
  15. (A) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含み、かつ
    (i) 画像オブジェクトが0.7もしくは少なくとも0.7の真円度を含む場合;
    (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて1 μmと7.5 μmの間の直径を含む場合; および/または
    (iii) 画像オブジェクトが65 μm2未満の面積を含む場合、
    画像オブジェクトはシングレットの非細胞粒子として検出される; ならびに
    (B) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含み、かつ
    (i) 画像オブジェクトが0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合;
    (ii) 画像オブジェクトが両端の値も含めて2 μmと15 μmの間の直径を含む場合; および/または
    (iii) 画像オブジェクトが130 μm2未満の面積を含む場合、
    画像オブジェクトはダブレットの非細胞粒子として検出される、
    請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. (A) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含み、かつ
    (i) 画像オブジェクトが0.7と1.0もしくは約0.7と1.0の間の真円度を含む場合;
    (ii) 画像オブジェクトが1 μmと5 μmもしくは約1 μmと5 μmの間の直径を含む場合; および/または
    (iii) 画像オブジェクトが65 μm2未満の面積を含む場合、
    画像オブジェクトはシングレットの非細胞粒子として検出される; ならびに
    (B) 画像オブジェクトが、任意で対照サンプルにおけるバックグラウンドシグナルを超える蛍光シグナルを含み、かつ
    (i) 画像オブジェクトが0.4と0.6もしくは約0.4と0.6の間の真円度を含む場合;
    (ii) 画像オブジェクトが2 μmと10 μmもしくは約2 μmと10 μmの間の直径を含む場合; および/または
    (iii) 画像オブジェクトが130 μm2未満の面積を含む場合、
    画像オブジェクトはダブレットの非細胞粒子として検出される、
    請求項15記載の方法。
  17. 対照サンプルが、1つまたは複数の細胞を含むが1つまたは複数の非細胞粒子を含まない細胞組成物をインキュベートすることによって産生される組成物であり、任意でインキュベーションが細胞の溶解を誘導してアウトプット組成物を産生する条件の下である、請求項13〜16のいずれか一項記載の方法。
  18. 分析が、サンプル中に存在すると判定された非細胞粒子の数を計数することをさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項記載の方法。
  19. 分析がコンピュータにより実現される画像分析を用いて実行される; あるいは
    方法の1つまたは複数の段階が、機械、ロボット、および/またはコンピュータにより実現されるアルゴリズムによって実行される、
    請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
  20. 方法の1つまたは複数の段階が、高速大量処理であり、かつ/または自動化されている、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
  21. インプット組成物が細胞組成物に由来し、細胞組成物が、1つまたは複数の細胞と、1つまたは複数の細胞の表面上の巨大分子に結合することができる生体分子を含む1つまたは複数の非細胞粒子とを含む、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。
  22. インプット組成物が、
    (1) 1つまたは複数の細胞を1つまたは複数の非細胞粒子と混合する段階; および
    (2) 細胞から1つまたは複数の非細胞粒子を除去する段階
    を含む方法によって産生される、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
  23. 1つまたは複数の非細胞粒子が、細胞の表面上の巨大分子に結合することができる1つまたは複数の生体分子を含む、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
  24. 細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートすることは、漂白剤を含む溶液とともにサンプルをインキュベートすることを含み、任意で漂白剤が塩素系の漂白剤である、請求項1〜23のいずれか一項記載の方法。
  25. 漂白剤を含む溶液が界面活性剤をさらに含み、任意で界面活性剤がTriton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である、請求項24記載の方法。
  26. 細胞の溶解を誘導する条件の下でインキュベートすることが、サンプルを漂白剤とともにインキュベートすることを含み、サンプルが、濃度約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、もしくは8% (v/v)の漂白剤、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲の漂白剤とともにインキュベートされる、請求項24または請求項25記載の方法。
  27. インキュベーションが、少なくとももしくは少なくとも約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、20分、もしくは30分間行われるか; あるいは
    インキュベーションが、30秒〜30分、1分〜20分、1分〜10分、もしくは1分〜5分、または約30秒〜30分、約1分〜20分、約1分〜10分、もしくは約1分〜5分行われる、
    請求項1〜26のいずれか一項記載の方法。
  28. 濃縮が、アウトプット組成物から細胞または細胞残屑を低減または除去する、請求項4〜27のいずれか一項記載の方法。
  29. 分析の前に、アウトプット組成物を洗浄溶液ですすぐまたは洗浄する段階をさらに含み、
    任意で洗浄溶液が界面活性剤を含む、
    請求項1〜28のいずれか一項記載の方法。
  30. キャプチャする前に、アウトプット組成物を洗浄溶液ですすぐまたは洗浄する段階をさらに含み、
    任意で洗浄溶液が界面活性剤を含む、
    請求項9〜29のいずれか一項記載の方法。
  31. アウトプット組成物をすすぐまたは洗浄する段階が、1つまたは複数の非細胞粒子をペレット化すること、およびアウトプット組成物のある量を除去すること、またはある量を低減することを含む、請求項29または請求項30記載の方法。
  32. 界面活性剤が、Triton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、ジギトニン、オクチルグルコシド、オクチルチオグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)およびCHAPSOの1つまたは複数である、請求項29〜31のいずれか一項記載の方法。
  33. 界面活性剤が、Tween 20であるか、またはTween 20を含む、請求項25または請求項32記載の方法。
  34. インプット組成物の少なくとも一部分のサンプル中の細胞の濃度が、少なくとももしくは少なくとも約2×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×105細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×106細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mL、少なくとももしくは少なくとも約1×108細胞/mL、または少なくとももしくは少なくとも約5×107細胞/mLである、請求項1〜33のいずれか一項記載の方法。
  35. アウトプット組成物またはその一部分の量が、50 μL、60 μL、70 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または約50 μL、60 μL、70 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または少なくとももしくは少なくとも約50 μL、60 μL、70 μL、75 μL、100 μL、125 μL、200 μL、250 μL、500 μL、750 μL、1 mL、2 mL、3 mL、4 mL、5 mL、6 mL、7 mL、8 mL、9 mL、もしくは10 mL、または前記の値のいずれか2つによって定義される範囲である、請求項1〜34のいずれか一項記載の方法。
  36. アウトプット組成物の量が、少なくとももしくは少なくとも約70 μLであるか、または70 μLもしくは約70 μLである、請求項1〜35のいずれか一項記載の方法。
  37. 分析の前に、サンプル中の1つまたは複数の細胞粒子を撹拌する条件の下でアウトプット組成物を混合する段階を含む、請求項1〜36のいずれか一項記載の方法。
  38. 方法の1つまたは複数の段階中に、処理中の表面上のサンプル保持を低減する条件の下でアウトプット組成物が処理される、請求項1〜37のいずれか一項記載の方法。
  39. 1つまたは複数の非細胞粒子が、ビーズであるか、またはビーズを含む、請求項1〜38のいずれか一項記載の方法。
  40. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、1.0 μm〜10.0 μmまたは1.0 μm〜5.0 μmの直径を有する、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
  41. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、
    細胞組成物中の細胞の平均直径と実質的に同じであるか、または細胞組成物中の細胞の平均直径よりも5倍、4倍、3倍、2倍もしくは1.5倍大きいもしくは小さい範囲内である直径
    を有する、請求項1〜40のいずれか一項記載の方法。
  42. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、3.5 μm超もしくは約3.5 μm超、ただし約9 μm以下または約8 μm以下または約7 μm以下または約6 μm以下または約5 μm以下の直径または平均直径を有する、請求項1〜41のいずれか一項記載の方法。
  43. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、4.5 μmまたは約4.5 μmの直径または平均直径を含む、請求項1〜42のいずれか一項記載の方法。
  44. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、磁性コア、常磁性コア、または超常磁性コアを含む、請求項1〜43のいずれか一項記載の方法。
  45. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが不活性である、請求項1〜44のいずれか一項記載の方法。
  46. 1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズが、ポリスチレン表面であるか、またはそれを含み、任意で磁性または超常磁性コアを含む、請求項1〜45のいずれか一項記載の方法。
  47. 1つまたは複数の生体分子が、1つまたは複数の非細胞粒子、任意で1つまたは複数のビーズの表面上に存在するか、またはそれに付着される、請求項21〜46のいずれか一項記載の方法。
  48. 1つまたは複数の生体分子が、サンプル中の1つまたは複数の細胞を選択、単離、または濃縮することができる親和性試薬である、請求項21〜47のいずれか一項記載の方法。
  49. 1つまたは複数の生体分子が、サンプル中の1つまたは複数の細胞を刺激することができる1つまたは複数の刺激剤である、請求項21〜48のいずれか一項記載の方法。
  50. 1つまたは複数の生体分子が、抗体またはその抗原結合断片である、請求項21〜49のいずれか一項記載の方法。
  51. 1つまたは複数の刺激剤が、TCR複合体の1つもしくは複数の成分の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる、請求項49または請求項50記載の方法。
  52. 1つまたは複数の刺激剤が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する一次剤およびT細胞共刺激分子に特異的に結合する二次剤を含む、請求項49〜51のいずれか一項記載の方法。
  53. 一次剤がCD3に特異的に結合し、ならびに/または共刺激分子が、CD28、CD137 (4-1-BB)、OX40、およびICOSからなる群より選択される、請求項52記載の方法。
  54. 一次剤が抗CD3抗体またはその抗原結合断片であるかまたはそれを含み、二次剤が抗CD28抗体またはその抗原結合断片であるかまたはそれを含む、請求項52または請求項53記載の方法。
  55. 1つもしくは複数の細胞が動物細胞であるか、または細胞組成物が動物細胞を含む、請求項1〜54のいずれか一項記載の方法。
  56. 1つもしくは複数の細胞がヒト細胞であるか、または細胞組成物がヒト細胞を含む、請求項1〜55のいずれか一項記載の方法。
  57. 1つもしくは複数の細胞が幹細胞であるか、または細胞組成物が幹細胞を含む、請求項1〜56のいずれか一項記載の方法。
  58. 幹細胞が、人工多能性幹細胞(iPSC)である、請求項57記載の方法。
  59. 1つもしくは複数の細胞が免疫細胞であるか、または細胞組成物が免疫細胞を含む、請求項1〜58のいずれか一項記載の方法。
  60. 免疫細胞が、T細胞、B細胞、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞、または樹状細胞である、請求項59記載の方法。
  61. 細胞がT細胞であり、1つまたは複数の非細胞粒子が1つまたは複数の刺激剤を含むかまたはそれに付着され、1つまたは複数の刺激剤が、抗CD3抗体もしくはその抗原結合断片および/または抗CD28抗体もしくはその抗原結合断片である、請求項60記載の方法。
  62. 1つまたは複数の非細胞粒子が、インキュベーションの前に細胞組成物からの細胞の選択、単離、または濃縮を行うために1つまたは複数の親和性試薬を含む、請求項1〜60のいずれか一項記載の方法。
  63. 親和性試薬が、1つまたは複数の細胞上の細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項48または請求項62記載の方法。
  64. 細胞表面タンパク質が、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54 (ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L (CD70)、4-1BB (CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R; IFN-γR、TNF-αR、IL-4R、IL-10R、CD18/CD11a (LFA-1)、CD62L (L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、Notchリガンド、Delta様1/4、Jagged 1/2、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、およびCXCR3から選択される、請求項63記載の方法。
  65. インキュベーションが、約15℃〜30℃、18℃〜28℃、または20℃〜25℃である温度で行われる、請求項1〜64のいずれか一項記載の方法。
  66. インキュベーションが、約23℃である温度で行われる、請求項1〜65のいずれか一項記載の方法。
  67. 細胞溶解を行うための漂白剤および/または界面活性剤を含む溶液を含む容器;
    包装材料; ならびに
    細胞組成物中の非細胞粒子の存在または非存在を検出するための使用説明書を含むラベルまたは添付文書であって、該使用説明書が請求項1〜66のいずれか一項記載の段階の実行を指定する、ラベルまたは添付文書
    を含む、製造品。
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