JP2021514398A - Egfr阻害剤の組合せ医薬製剤およびその使用法 - Google Patents

Egfr阻害剤の組合せ医薬製剤およびその使用法 Download PDF

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Abstract

本願は、式IのアロステリックEGFR阻害剤、または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物と、式I’のATP競合的EGFR阻害剤、または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物との、EGFRの活性を調節する組合せ医薬製剤、上記の組合せ医薬製剤を含む医薬組成物、および、EGFRが関与する疾患を治療または予防する方法、に関する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年2月20日に出願された米国仮特許出願第62/632,798号に基づく優先権および利益を主張し、当該米国仮特許出願の全内容を参照により援用するものである。
政府支援
本明細書に記載される研究は、アメリカ国立衛生研究所のNIH助成金第R01 CA201049号および同第P01 CA154303号による支援を受けた。米国政府は請求の範囲に記載されている発明に対し一定の権利を有する。
上皮増殖因子受容体(EGFR、Erb−B1)は細胞増殖に関与するタンパク質ファミリーに属する。非小細胞肺癌(NSCLC)、乳がん、神経膠腫、および前立腺がんなどのヒトのがんの少なくとも70%で、EGFRの過剰発現が見られる。EGFR−TKはそれ故、がん細胞におけるチロシンキナーゼ活性およびそのシグナル伝達経路に特異的に結合し阻害することができる治療法の設計および開発のためのターゲットとして広く認識されており、診断薬または治療薬として働き得る。
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、EGFR変異陽性の進行性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し有効な臨床治療である。しかし、EGFR TKIによる治療の成功後、患者の大部分が疾患を悪化させる。最もよく見られる耐性獲得機構は、二次的なT790M変異であって、これらによりATP親和性が増加し、可逆的EGFR TKIであるゲフィチニブやエルロチニブがEGFR TKIドメインと結合することが困難となる。共有結合性のEGFR阻害剤が、EGFR T790Mを含むがんを抑制する戦略として浮上している。アファチニブは、変異型EGFRおよび野生型(WT)EGFRの両方に対する強力な阻害剤であるが、EGFR TKIナイーブなEGFR変異陽性がんでのみ有効であり、ゲフィチニブまたはエルロチニブに耐性を有するNSCLC患者における奏効率(RR)は10%未満であり、野生型EGFRの阻害により生じる毒性が問題となる。WZ4002、CO−1686、およびAZD9291などの、他の非可逆的なEGFR阻害剤は、アファチニブの制限の多くを克服している。これらはEGFR T790Mに対してより強力であるだけでなく、野生型EGFRよりも変異型に対して選択的に阻害する。
米国特許第8,946,235号 国際公開第2017/004383号
しかし、現行のEGFR TKIは全てがATP結合部位を標的としているため、治療後の患者で生じるC797S変異によって効力を失ってしまう。セツキシマブは、受容体の二量体化をブロックする抗EGFR抗体であるが、キナーゼの変異活性化が受容体二量体化の完全に「下流」であるため、EGFR変異陽性NSCLCには有効ではない。このため、EGFRを阻害するための別の戦略が必要とされている。本願はこの必要性に取り組むものである。
本願は、EGFRの薬剤耐性型を阻害することが可能な、アロステリックEGFR阻害剤とATP競合的EGFR阻害剤とを含む組合せ医薬製剤に関する。本願は、治療有効量のアロステリックEGFR阻害剤と治療有効量のATP競合的EGFR阻害剤とを組み合わせて(例えば、時間的に近接するように)対象に投与することによって、それを必要とする対象におけるEGFRが関与する疾患を治療または予防する方法に関する。本願の方法を用いることで、EGFRのキナーゼ活性を阻害することにより、EGFRが関与する疾患を治療または予防することができる。
本願の第一の態様は、アロステリックEGFR阻害剤とATP競合的EGFR阻害剤とを含む組合せ医薬製剤に関する。
1つの実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、式Iの化合物、
Figure 2021514398
またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式I中の可変基はそれぞれ本明細書の下記に詳述される。
1つの実施形態では、ATP競合的EGFR阻害剤は、式I’の化合物、
Figure 2021514398
またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式I’中の可変基はそれぞれ本明細書の下記に詳述される。
1つの実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、化合物A、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、ATP競合的EGFR阻害剤は、化合物O、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である。
1つの実施形態では、化合物Aは、以下の構造の化合物である。
Figure 2021514398
本願の別の態様は、本願の組合せ医薬製剤と、薬剤的に許容できる担体と、を含む医薬組成物に関する。
本願の別の態様は、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、を含むキットに関する。
本願の別の態様は、本願の組合せ医薬製剤を含むキットに関する。
本願の別の態様は、キナーゼ(例えば、EGFR)を阻害する方法に関する。上記の方法は、それを必要とする対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療または予防する方法に関する。上記の方法は、それを必要とする対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、またはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療または予防する方法に関する。上記の方法は、それを必要とする対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、がんを治療または予防する方法であって、がんの細胞が活性型EGFRを含む、上記方法に関する。上記の方法は、それを必要とする対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、対象におけるがんを治療または予防する方法であって、対象はがんの治療または予防のためにEGFR阻害が必要であると特定された対象である、上記方法に関する。上記の方法は、対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、がんを治療または予防する方法であって、がんの細胞が活性型ERBB2を含む、上記方法に関する。上記の方法は、それを必要とする対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、対象におけるがんを治療または予防する方法であって、上記対象はがんの治療または予防のためにERBB2阻害が必要であると特定された対象である、上記方法に関する。上記の方法は、対象に、有効量の本願の組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害する際の、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と組み合わせて(例えば、併用療法で)使用される、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と組み合わされた(例えば、併用療法における)、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤の使用に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、の組合せ(例えば、併用療法)に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害する際の、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防する際の、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防する際の、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防する際の、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防する際の、
本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、の組合せ(例えば、併用療法)の使用に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造に使用される、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、の組合せ(例えば、併用療法)に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造における、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、の組合せ(例えば、組合せ併用療法)の使用に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本願の組合せ医薬製剤に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本願の組合せ医薬製剤の使用に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造で使用される、本願の組合せ医薬製剤に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造における、本願の組合せ医薬製剤の使用に関する。
本願は、がんおよび転移などの疾患の治療または予防において有用な、1または複数の変異を含むEGFRなどの、EGFRを阻害するための、組合せ医薬製剤、キット、および方法を提供する。本願はさらに、公知のEGFR阻害剤と比較して、有効性および/または安全性のプロファイルが改善した、組合せ医薬製剤およびキットを提供する。
以下の付随的な説明において、本願の詳細について記載する。本願の実施または試験に際し、本明細書に記載の方法および材料と類似した、または等価な方法および材料を用いることができるが、以下には、例示的な方法および材料を記載する。本願の他の特徴、目的、および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。本明細書および添付の特許請求の範囲では、文脈によって特に明示されない限り、単数形は複数形も包含する。別途定義がない限り、本明細書で使用される全ての専門用語および科学用語は、本願が属する技術分野の当業者によって通常理解される意味と同じ意味を有する。本願の全体を通して引用された全ての文献(引用文献、発行特許、公開特許公報、および同時係属の特許出願を含む)の内容は、参照によってそれらの全体が本明細書に明確に援用されるものとする。
図1Aは、DMSO、または表示濃度の化合物Aもしくは化合物Oで処理された、L858R/T790M EGFRを有するH1975細胞における、リン酸化EGFR(pEGFR)、EGFR、リン酸化AKT(pAKT)、AKT、リン酸化ERK1/2(pERK1/2)、ERK1/2、およびチューブリン(ローディングコントロール)の各レベルを示すウエスタンブロットである。 図1Bは、ビヒクル、化合物A、または化合物Oで処置された動物に移植されたL858R/T790M EGFRを有するH1975細胞からの腫瘍成長を示すプロットである。 図2Aは、EGFR、リン酸化EGFR(pEGFR)、およびチューブリン(ローディングコントロール)のレベルを示すウエスタンブロットである。L858R/T790M EGFRを有するBa/F3細胞をDMSO、または表示濃度のWZ−4002もしくは化合物Oで処理した。細胞ライセートを、そのまま免疫ブロットしてEGFR、pEGFR、およびチューブリンを検出するか、あるいは、まずビオチン化化合物Aで免疫沈降した後、EGFR、pEGFR、およびチューブリンを検出するための免疫ブロットを行った。WZ−4002とは異なり、化合物OのEGFRへの結合は、化合物AのEGFRへの結合と干渉しない。 図2Bは、EGFR、リン酸化EGFR(pEGFR)、およびチューブリン(ローディングコントロール)のレベルを示すウエスタンブロットである。L858R/T790M EGFRを有するH3255 GR細胞をDMSO、または1μMの化合物Oで処理した。細胞ライセートを、そのまま免疫ブロットしてEGFR、pEGFR、およびチューブリンを検出するか、あるいは、まずビオチン化化合物Aで免疫沈降した後、EGFR、pEGFR、およびチューブリンを検出するための免疫ブロットを行った。 図3Aは、表示濃度の化合物A、化合物O(単独)、または化合物O(10μMの化合物Aの存在下)で処理されたL858R/T790M EGFRを有するH3255 GR細胞の増殖(DMSO処理対照に対する%)を示すプロットである。 図3Bは、DMSO、または表示濃度の化合物O単独、または1μMもしくは10μMの化合物Aの存在下の化合物O、または1μMもしくは10μMの化合物Aで処理された、L858R/T790M EGFRを有するH3255 GR細胞における、リン酸化EGFR(pEGFR)、EGFR、リン酸化AKT(pAKT)、AKT、リン酸化ERK1/2(pERK1/2)、ERK1/2、およびチューブリン(ローディングコントロール)の各レベルを示すウエスタンブロットである。 図4Aは、DMSO、または10μMの化合物A、0.1μMの化合物O、もしくは0.1μMの化合物Oと10μMの化合物Aとの組み合わせで処理されたL858R/T790M EGFRを有するH3255 GR細胞における、経時的な、アポトーシス(カスパーゼ活性により測定)レベルを示すプロットである。 図4Bは、DMSO、または10μMの化合物A、1μMの化合物O、もしくは0.1μMの化合物Oと10μMの化合物Aとの組み合わせで処理された細胞の、経時的な、コンフルエント率を示すプロットである。 図5は、ENUで処理した、L858R Ba/F3細胞およびL858R/T790M Ba/F3細胞における、1μMの化合物O単独、1μMのゲフィチニブ単独、10μMの化合物A単独、または化合物Aと化合物Oもしくはゲフィチニブのいずれかとの組合せによる2週間の連続処理の後に発生した耐性コロニーの定量解析である。データは、経時的な、処理されたコロニーの総数(300)に対する耐性コロニーのパーセンテージとして示されている。
本願の組合せ医薬製剤
本願は、アロステリックEGFR阻害剤とATP競合的EGFR阻害剤とを含む組合せ医薬製剤に関する。
1つの実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、式Iの化合物、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式中
は、炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アリールまたはヘテロアリールは1または複数のR11で置換されており;
11は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、OH、CN、C(O)R13、C(O)OR13、C(O)NR1314、NR1314、炭素数3〜7のシクロアルキル、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、1または複数のR12で置換されており;
12は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、OH、CN、炭素数3〜7のシクロアルキル、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アリールまたはヘテロアリールは、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、炭素数3〜7のシクロアルキル、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルから独立して選択される1または複数の置換基で置換されており;
13は、それぞれ独立して、H、炭素数1〜4のアルキル、炭素数3〜7のシクロアルキル、または1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルであり、所望により、前記アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルは、炭素数1〜4のアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルから独立して選択される1または複数の置換基で置換されており;
14はそれぞれ独立して、Hまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
はHまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
はHまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
はNまたはCRであり;
は、H、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、NH、OH、またはCNであり;
は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、NH、OH、またはCNであり;
は、それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数3〜7のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルケニル、炭素数6〜10のアリール、NH−炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アリールまたはヘテロアリールは1または複数のRで置換されており;
は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、C(O)OH、C(O)O−炭素数1〜4のアルキル、C(O)NR、NH、OH、CN、O(CH0−3−炭素数6〜10のアリール、または1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む(CH0−3−ヘテロシクリルであり、所望により、前記ヘテロシクリルは、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、およびC(O)O(炭素数1〜4のアルキル)から独立して選択される1または複数の置換基で置換されており;
はHまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
は、H、またはNH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルから独立して選択される1もしくは複数の置換基で所望により置換されている炭素数1〜4のアルキルであり;あるいは
およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を所望により含有する5員または6員のヘテロシクリルを形成しており;
mおよびnは、それぞれ独立して、0または1であり;
qは0、1、または2であり;
pは0、1、2、3、または4であり、
ただし、mが0であり、nが0であり、pが0であり、qが0であり、XがCHである場合、R
Figure 2021514398
になることはなく;
pが2であり、XがCHであり、1個のRが4−フルオロである場合、その他のRは2−ヒドロキシになることはない。
1つの実施形態では、式I’の化合物は、式IIもしくはIIIの化合物、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式中
、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、p、およびqはそれぞれ式Iで定義された通りであり;
rは0、1、または2であり、
ただし、p、q、およびrの全てが0になることはない。
式I、式II、または式IIIの化合物について、該当する場合、
(I1)1つの実施形態では、RはHである。
(I2)1つの実施形態では、Rは炭素数1〜3のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはi−プロピル)である。1つの実施形態では、Rはメチルである。1つの実施形態では、Rはエチルである。
(II1)1つの実施形態では、RはHである。
(II2)1つの実施形態では、Rは炭素数1〜3のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはi−プロピル)である。1つの実施形態では、Rはメチルである。1つの実施形態では、Rはエチルである。
(III1)1つの実施形態では、XはNである。
(III2)1つの実施形態では、XはCRである。
(IV1)1つの実施形態では、RはHである。
(IV2)1つの実施形態では、Rは、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、または炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。
(IV3)1つの実施形態では、Rは、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、または炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)である。
(IV4)1つの実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。1つの実施形態では、Rは、FまたはClである。別の実施形態では、RはFである。
(IV5)1つの実施形態では、Rは、NO、NH、OH、またはCNである。1つの実施形態では、Rは、NOまたはNHである。
(V1)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、または炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。
(V2)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、または炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)である。
(V3)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、NO、NH、OH、またはCNである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはFまたはClである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはFである。
(V4)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、NO、NH、OH、またはCNである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、NOまたはNHである。
(V5)1つの実施形態では、少なくとも1個のRはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)であり、少なくとも1個のRはOHである。
(V6)1つの実施形態では、1個のRはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)であり、1個のRはOHである。
(VI1)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはF、ClまたはBrである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはFである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはClである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはBrである。
(VI2)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)である。
(VI3)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、炭素数4〜7のシクロアルケニル(例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、またはシクロヘプテニル)である。
(VI4)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数のRで所望により置換されている炭素数6〜10のアリールである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数のRで所望により置換されているフェニルである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1〜3個のRで所望により置換されているフェニルである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはフェニルである。
(VI5)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数のRで所望により置換されているNH−炭素数6〜10のアリールである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数のRで所望により置換されているNH−フェニルである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1〜3個のRで所望により置換されているNH−フェニルである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRはNH−フェニルである。
(VI6)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数のRで所望により置換されている、1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ジオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニルなど)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数のRで所望によりそれぞれ置換されている、ピラゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、またはキノリニルである。
(VII1)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、または炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。別の実施形態では、少なくとも1個のRはメチルまたはエチルである。別の実施形態では、少なくとも1個のRはCFである。
(VII2)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、または炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)である。別の実施形態では、少なくとも1個のRはメトキシである。別の実施形態では、少なくとも1個のRはOCFである。
(VII3)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。別の実施形態では、少なくとも1個のRはFである。
(VII4)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、C(O)OHまたはC(O)O−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。別の実施形態では、少なくとも1個のRはC(O)OHまたはC(O)OCHである。
(VII5)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、NH、OH、またはCNである。
(VII6)1つの実施形態では、少なくとも1個のRはC(O)NRである。
(VII7)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、O(CH0−3−炭素数6〜10のアリールである。別の実施形態では、少なくとも1個のRはOCH−フェニルである。
(VII8)1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む(CH0−3−ヘテロシクリルであり、上記のヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなどから選択され、所望により、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、CHF、CHF、またはCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、またはOCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、およびC(O)O−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)から独立して選択される1または複数の置換基で置換されている。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、所望により本明細書に記載のように置換されている(CH0−1−複素環である。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、所望により本明細書に記載のようにそれぞれ置換されている、CH−ピロリジニル、CH−ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルである。1つの実施形態では、少なくとも1個のRは、1または複数の炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、またはC(O)O−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)で所望によりそれぞれ置換されている、CH−ピロリジニル、CH−ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルである。
(VIII1)1つの実施形態では、RはHである。
(VIII2)1つの実施形態では、Rは炭素数1〜3のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはi−プロピル)である。1つの実施形態では、Rはメチルである。1つの実施形態では、Rはエチルである。
(IX1)1つの実施形態では、RはHである。
(IX2)1つの実施形態では、Rは、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニルなど)から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。1つの実施形態では、Rは、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、およびN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む6員の複素環から独立して選択される1〜2個の置換基で所望により置換されている、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。
(IX3)1つの実施形態では、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を所望により含有する5員のヘテロシクリルを形成している。1つの実施形態では、RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を所望により含有する6員の複素環を形成している。
(X1)1つの実施形態では、Rは、1または複数のR11で所望により置換されている炭素数6〜10のアリールである。1つの実施形態では、Rは、1または複数のR11で所望により置換されているフェニルである。
(X2)1つの実施形態では、Rは、1または複数のR11で所望により置換されている、1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ジオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、チアゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニルなど)である。1つの実施形態では、Rは、1または複数のR11で所望により置換されている、1個の5員環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールである。1つの実施形態では、Rは、1または複数のR11で所望により置換されている、1個の6員環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールである。1つの実施形態では、Rは、1または複数のR11で所望により置換されている、5員環と6員環との縮合物とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールである。1つの実施形態では、Rは以下から選択され、
Figure 2021514398
所望により、各部分は1または複数のR11で置換されている。1つの実施形態では、Rは以下から選択され、
Figure 2021514398
所望により、各部分は1または複数のR11で置換されている。1つの実施形態では、Rは、
Figure 2021514398
である。
(XI1)1つの実施形態では、1または複数のR12で所望により置換されている、少なくとも1個のR11は、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11はメチルである。
(XI2)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、CHF、CHF、またはCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。別の実施形態では、少なくとも1個のR11はCFである。
(XI3)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、または炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、またはOCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)である。
(XI4)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11はFである。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11はClである。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11はBrである。
(XI5)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、NO、OH、またはCNである。
(XI6)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、C(O)R13またはC(O)OR13である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、C(O)OCHCHである。
(XI7)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、C(O)NR1314またはNR1314である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、C(O)NR1314またはNHである。
(XI8)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されている、炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)である。
(XI9)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されている、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなど)である。
(XI10)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されている炭素数6〜10のアリールである。別の実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されているフェニルである。
(XI11)1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されている、1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ジオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニルなど)であり、N、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されている、1個の6員環を含むヘテロアリール(例えば、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニルなど)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR11は、1または複数のR12で所望により置換されているピリジニルである。別の実施形態では、少なくとも1個のR11は、ピリジニルである。
(XII1)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。
(XII2)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、CHF、CHF、またはCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。
(XII3)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、または炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、またはOCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)である。
(XII4)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。
(XII5)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、NO、OH、またはCNである。
(XII6)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)である。
(XII7)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなど)である。
(XII8)1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、CHF、CHF、またはCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、またはOCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなど)から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている炭素数6〜10のアリールである。
(XII9)1つの実施形態では、R12は、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、炭素数1〜4のアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、炭素数1〜4のハロアルキル(例えば、CHF、CHF、またはCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、炭素数1〜4のハロアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、またはOCFなどの、1または複数のハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)でそれぞれ置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、またはt−ブトキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)、および5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなど)から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている、1個または2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリール(例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ジオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニルなど)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR12は、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、および炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている、1個の5員環と6員環との縮合物とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールである。
(XIII1)1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、Hである。
(XIII2)1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、OH、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなど)から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、メチル、エチル、またはプロピルである。1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、エチル、プロピル、またはブチルであり、所望により、上記のエチル、プロピル、またはブチルは、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、並びに1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む複素環から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されている。1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、エチル、プロピル、またはブチルであり、所望により、上記のエチル、プロピル、またはブチルは、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、並びに1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む複素環から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されている
(XIII3)1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、炭素数3〜7のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル)である。
(XIII4)1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、OH、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、、並びに1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む複素環から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、ジオキサニル、アゼピニル、ジアゼピニルなど)である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、OH、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、並びに1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む複素環から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている、6員環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む複素環である。1つの実施形態では、少なくとも1個のR13は、モルホリニル、ピペリジニル、またはピペラジニルであり、所望により、上記のモルホリニル、ピペリジニル、またはピペラジニルは、炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、OH、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、またはブチルアミノ)、N(炭素数1〜4のアルキル)(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、またはジブチルアミノ)、並びに1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む複素環から独立して選択される1または複数の置換基で所望により置換されている。
(XIV1)1つの実施形態では、少なくとも1個のR14は、Hである。
(XIV2)1つの実施形態では、少なくとも1個のR14は炭素数1〜3のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはi−プロピル)である。
(XV1)1つの実施形態では、mは0である。
(XV2)1つの実施形態では、mは1である。
(XVI1)1つの実施形態では、nは0である。
(XVI2)1つの実施形態では、nは1である。
(XVII1)1つの実施形態では、pは0、1、2、または3である。1つの実施形態では、pは0、1、または2である。
(XVII2)1つの実施形態では、pは0または1である。
(XVII3)1つの実施形態では、pは1または2である。1つの実施形態では、pは2または3である。
(XVII4)1つの実施形態では、pは0である。
(XVII5)1つの実施形態では、pは1である。
(XVII6)1つの実施形態では、pは2である。
(XVII7)1つの実施形態では、pは3である。
(XVII8)1つの実施形態では、pは4である。
(XVIII1)1つの実施形態では、qは0または1である。
(XVIII2)1つの実施形態では、qは1または2である。
(XVIII3)1つの実施形態では、qは0である。
(XVIII4)1つの実施形態では、qは1である。
(XIX1)1つの実施形態では、rは0または1である。
(XIX2)1つの実施形態では、rは1または2である。
(XIX3)1つの実施形態では、rは0である。
(XIX4)1つの実施形態では、rは1である。
1つの実施形態では、X、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、m、n、p、q、およびrのいずれか1つについて記載された置換基の各々は、X、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、m、n、p、q、およびrの残りについて記載された置換基のいずれとも組み合わせることができる。
式I、式II、または式IIIの化合物について、該当する場合、
(1)1つの実施形態では、pは(XVII6)に記載の通りであり、Rは(V3)〜(V6)のいずれか1つに記載の通りである。
(2)1つの実施形態では、Xは(III2)に記載の通りであり、Rは(IV1)に記載の通りである。
(3)1つの実施形態では、XおよびRはそれぞれ(2)に記載の通りであり、pおよびRはそれぞれ(1)に記載の通りである。
(4)1つの実施形態では、X、R、R、およびpはそれぞれ、該当する場合、(1)〜(3)のうちのいずれか1つに記載の通りであり、mは(XV1)に記載の通りである。
(5)1つの実施形態では、X、R、R、およびpはそれぞれ、該当する場合、(1)〜(3)のうちのいずれか1つに記載の通りであり、nは(XVI1)に記載の通りである。
(6)1つの実施形態では、X、R、R、およびpはそれぞれ、該当する場合、(1)〜(3)のうちのいずれか1つに記載の通りであり、、mは(XV1)に記載の通りであり、nは(XVI1)に記載の通りである。
(7)1つの実施形態では、X、R、R、m、n、およびpはそれぞれ、該当する場合、(1)〜(6)のうちのいずれか1つに記載の通りであり、Rは(VI4)に記載の通りであり、qは(XVIII4)に記載の通りである。
(8)1つの実施形態では、X、R、R、R、m、n、p、およびqはそれぞれ、該当する場合、(1)〜(7)のうちのいずれか1つに記載の通りであり、Rは(X2)に記載の通りである。
1つの実施形態では、式Iの化合物は、化合物A、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である。
1つの実施形態では、化合物Aは、(S)−異性体と(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、50%未満の(S)−異性体と50%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、40%未満の(S)−異性体と60%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、30%未満の(S)−異性体と70%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、20%未満の(S)−異性体と80%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、10%未満の(S)−異性体と90%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、5%未満の(S)−異性体と95%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、3%未満の(S)−異性体と97%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、1%未満の(S)−異性体と99%超の(R)−異性体とのラセミ混合物である。1つの実施形態では、化合物Aは、(R)−異性体である。
1つの実施形態では、化合物Aは、以下の構造の化合物である。
Figure 2021514398
1つの実施形態では、ATP競合的EGFR阻害剤は、式I’の化合物、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式中
Gは、4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、1H−インドール−3−イル、1−メチル−1H−インドール−3−イル、またはピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルであり;
O1は、H、F、Cl、メチル、またはCNであり;
O2は、メトキシまたはメチルであり;
O3は、(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル、(2−(ジメチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、(2−(メチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、5−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタ−2−イル、(3aR,6aR)−5−メチルヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル、1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル、メチル(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ、メチル(2−(モルフォリン−4−イル)エチル)アミノ、1−アミノ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、または4−((2S)−2−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イルである。
式I’の化合物において、該当する場合、それぞれの可変基は以下に記載するような基とすることができる。
(i1)1つの実施形態では、Gは4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルである。
(i2)1つの実施形態では、Gは1H−インドール−3−イルである。
(i3)1つの実施形態では、Gは1−メチル−1H−インドール−3−イルである。
(i4)1つの実施形態では、Gはピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルである。
(ii1)1つの実施形態では、RO1はH、F、Cl、またはメチルである。
(ii2)1つの実施形態では、RO1はHである。
(ii3)1つの実施形態では、RO1はFまたはClである。
(ii4)1つの実施形態では、RO1はメチルである。
(iii1)1つの実施形態では、RO2はメトキシである。
(iii2)1つの実施形態では、RO2はメチルである。
(iv1)1つの実施形態では、RO3は、(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル、5−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタ−2−イル、(3aR,6aR)−5−メチルヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル、1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル、1−アミノ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、または4−((2S)−2−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イルである。
(iv2)1つの実施形態では、RO3は、(2−(ジメチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、(2−(メチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、メチル(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ、またはメチル(2−(モルフォリン−4−イル)エチル)アミノである。
(iv3)1つの実施形態では、RO3は、(2−(ジメチルアミノ)エチル)−メチルアミノまたは(2−(メチルアミノ)エチル)−メチルアミノである。
G、RO1、RO2、およびRO3のいずれかについて本明細書に記載されている置換基のいずれも、G、RO1、RO2、およびRO3の残りの1または複数について本明細書に記載されている置換基のいずれとも組み合わせることができる。
1つの実施形態では、式I’の化合物は、式I’aもしくはI’bの化合物、
Figure 2021514398
またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式中、RO1、RO2、およびRO3はそれぞれ式I’で定義された通りであり、例えば式I’における、RO1、RO2、およびRO3のいずれかについて本明細書に記載されている置換基のいずれも、例えば式I’における、RO1、RO2、およびRO3の残りの1または複数について本明細書に記載されている置換基のいずれとも組み合わせることができる。
1つの実施形態では、式I’の化合物は、化合物O、
Figure 2021514398
または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である。
1つの実施形態では、本願は、アロステリックEGFR阻害剤とATP競合的EGFR阻害剤とを含む組合せ医薬製剤であって、前記アロステリックEGFR阻害剤は化合物A、またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、前記ATP競合的EGFR阻害剤は化合物O、またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である、上記の組合せ医薬製剤に関する。
本願の組合せ医薬製剤は、EGFRのアロステリック部位およびEGFRのATP結合部位の両方への結合を通じて、EGFR活性を調節(例えば、阻害または減少)することが可能である。いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、第二の薬剤(例えば、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブなどの抗体)無しで、EGFR活性を阻害または低減することが可能である。他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤(例えば、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブなどの抗体)と組み合わせて、EGFR活性を阻害または低減することが可能である。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、1または複数の変異を含有するEGFRの活性を調節(例えば、阻害または低減)することが可能である。いくつかの実施形態では、変異型EGFRは、T790M、L718Q、L844V、V948R、L858R、I941R、C797S、欠失(例えば、エクソン19における欠失)、および挿入(例えば、エクソン20における挿入)から選択される1または複数の変異を含有する。いくつかの実施形態では、変異型EGFRは、C797Sを含有する。他の実施形態では、変異型EGFRは、欠失/L718Q、欠失/L844V、欠失/T790M、欠失/T790M/L718Q、欠失/T790M/L844V、L858R/L718Q、L858R/L844V、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、欠失/T790M、欠失/T790M/C797S、L858R/T790M/C797S、およびL858R/T790M/L718Qから選択される、変異の組み合わせを含有する。他の実施形態では、変異型EGFRは、欠失/L844V、L858R/L844V、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、欠失/T790M、および欠失/T790M/C797Sから選択される、変異の組み合わせを含有する。他の実施形態では、変異型EGFRは、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、欠失/T790M、欠失/T790M/C797S、およびL858R/T790Mから選択される、変異の組み合わせを含有する。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、1または複数の変異を含有するEGFRの活性(例えば、本明細書に記載の1または複数の変異を含有するEGFR)を調節(例えば、阻害または低減)することが可能である。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、1または複数の変異を含有するEGFRの活性を調節(例えば、阻害または低減)することが可能であるが、野生型EGFRの活性には作用しない。
他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、1または複数の変異を含有するEGFRの活性を調節(例えば、阻害または低減)することが可能であるが、野生型EGFRの活性には作用しない。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
野生型EGFRではなく、本明細書に記載される変異などの、1または複数の変異を含有するEGFRの調節は、がんおよび転移、炎症、関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚関連障害、肺障害、心血管疾患、虚血、神経変性障害、肝疾患、胃腸障害、ウイルス感染症および細菌感染症、中枢神経系障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、および末梢神経障害を含むがこれらに限定はされない、疾患を治療、予防、または改善するための新規のアプローチを提供する。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、より大きな阻害を示す。ある実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、1000倍まで大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載の変異の組み合わせを有するEGFRに対し、10000倍まで大きな阻害を示す。
他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、より大きな阻害を示す。ある実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、1000倍まで大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載の変異の組み合わせを有するEGFRに対し、10000倍まで大きな阻害を示す。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約2倍〜約10倍大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約10倍〜約100倍大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約100倍〜約1000倍大きな阻害を示す。種々の実施形態において、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約1000倍〜約10000倍大きな阻害を示す。
他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約2倍〜約10倍大きな阻害を示す。他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約10倍〜約100倍大きな阻害を示す。他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約100倍〜約1000倍大きな阻害を示す。他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤とEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤の組み合わせは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRに対し、約1000倍〜約10000倍大きな阻害を示す。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、EGFR活性の阻害は、IC50により測定される。
いくつかの実施形態では、EGFR活性の阻害は、EC50により測定される。
本願の組合せ医薬製剤のアロステリックEGFR阻害剤は、EGFRのアロステリック部位に結合する。いくつかの実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、Lys745、Leu788、およびAla743から選択されるEGFRの少なくとも1個のアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、Cys755、Leu777、Phe856、およびAsp855から選択されるEGFRの少なくとも1個のアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、Met766、Ile759、Glu762、およびAla763から選択されるEGFRの少なくとも1個のアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、Lys745、Leu788、およびAla743から選択されるEGFRの少なくとも1個のアミノ酸残基、Cys755、Leu777、Phe856、およびAsp855から選択されるEGFRの少なくとも1個のアミノ酸残基、並びにMet766、Ile759、Glu762、およびAla763から選択されるEGFRの少なくとも1個のアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、アロステリックEGFR阻害剤は、Met793、Gly796、およびCys797から選択されるEGFRのアミノ酸残基のいずれとも相互作用しない。
本願の組合せ医薬製剤のATP競合的EGFR阻害剤は、EGFRのATP−結合部位に結合する。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、薬剤耐性変異型EGFRのキナーゼ活性の阻害において、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍効力が高い場合がある。いくつかの実施形態では、薬剤耐性変異型EGFRは、1または複数の公知のEGFR阻害剤に対して耐性を示し、公知のEGFR阻害剤としては以下が挙げられるが、これらに限定はされない:ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、
Figure 2021514398
いくつかの実施形態では、薬剤耐性変異型EGFRは、欠失およびL858Rなどの、増感性変異を含む。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤と、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との組合せは、野生型EGFRと比較して、薬剤耐性変異型EGFRのキナーゼ活性の阻害において、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍効力が高い場合がある。いくつかの実施形態では、薬剤耐性変異型EGFRは、1または複数の公知のEGFR阻害剤に対して耐性を示し、公知のEGFR阻害剤としては以下が挙げられるが、これらに限定はされない:ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686。いくつかの実施形態では、薬剤耐性変異型EGFRは、欠失およびL858Rなどの、増感性変異を含む。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、増感性変異(例えば、欠失およびL858R)および薬剤耐性変異(例えば、T790M、L718Q、C797S、およびL844V)を有する薬剤耐性変異型EGFRのキナーゼ活性を、増感性変異を有するが薬剤耐性変異を有さない変異型EGFRと比較して、10倍未満の効力差(例えば、IC50で測定)で阻害する。いくつかの実施形態では、効力差は、約9倍未満、約8倍未満、約7倍未満、約6倍未満、約5倍未満、約4倍未満、約3倍未満、または約2倍未満である。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤と、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との組合せは、増感性変異(例えば、欠失およびL858R)および薬剤耐性変異(例えば、T790M、L718Q、C797S、およびL844V)を有する薬剤耐性変異型EGFRのキナーゼ活性を、増感性変異を有するが薬剤耐性変異を有さない変異型EGFRと比較して、10倍未満の効力差(例えば、IC50で測定)で阻害する。いくつかの実施形態では、効力差は、約9倍未満、約8倍未満、約7倍未満、約6倍未満、約5倍未満、約4倍未満、約3倍未満、または約2倍未満である。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRの活性の阻害において、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686を含むがこれらに限定はされない、1または複数の公知のEGFR阻害剤よりも効力が高く、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686よりも少なくとも約2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも約100倍、効力が高い(例えば、IC50で測定した場合)。
他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤と、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との組合せは、本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRの活性の阻害において、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686を含むがこれらに限定はされない、1または複数の公知のEGFR阻害剤よりも効力が高く、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686よりも少なくとも約2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも約100倍、効力が高い(例えば、IC50で測定した場合)。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRの活性の阻害において、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686を含むがこれらに限定はされない、1または複数の公知のEGFR阻害剤よりも効力が低く、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686よりも少なくとも約2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも約100倍、効力が低い(例えば、IC50で測定した場合)。
他の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤と、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との組合せは、野生型EGFRの活性の阻害において、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686を含むがこれらに限定はされない、1または複数の公知のEGFR阻害剤よりも効力が低く、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686よりも少なくとも約2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも約100倍、効力が低い(例えば、IC50で測定した場合)。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
阻害剤の効力は、EC50値によって求めることができる。実質的に同じ条件下で求めた場合、より低いEC50値を有する薬剤は、より高いEC50値を有する薬剤と比較して、より効力が高い阻害剤である。いくつかの実施形態では、実質的に同じ条件は、インビトロまたはインビボにおいて(例えば、野生型EGFR、変異型EGFR、またはそのいずれかの断片を発現する3T3細胞において)、EGFR依存的リン酸化レベルを求めることを含む。
阻害剤の効力は、IC50値によっても求めることができる。実質的に同じ条件下で求めた場合、より低いIC50値を有する薬剤は、より高いIC50値を有する薬剤と比較して、より効力が高い阻害剤である。いくつかの実施形態では、実質的に同じ条件は、インビトロまたはインビボにおいて(例えば、野生型EGFR、変異型EGFR、またはそのいずれかの断片を発現する3T3細胞において)、EGFR依存的リン酸化レベルを求めることを含む。
EGFR増感性変異は、限定はされないが、L858R、G719S、G719C、G719A、L861Q、エクソン19における欠失および/またはエクソン20における挿入を含む。薬剤耐性変異型EGFRは、限定はされないが、T790M、T854A、L718Q、C797S、またはD761Yを含む薬剤耐性変異を有し得る。
野生型EGFRと本明細書に記載されているような変異を1または複数含有するEGFRとの間の選択性は、細胞増殖がキナーゼ活性に依存的である細胞増殖アッセイを用いることでも測定することができる。例えば、好適な型の野生型EGFR(例えば、VIII型;野生型EGFRキナーゼドメインを含有)でトランスフェクトしたマウスBa/F3細胞、または、L858R/T790M、欠失/T790M/L718Q、L858R/T790M/L718Q、L858R/T790M/C797S、欠失/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R、もしくはエクソン19欠失/T790MでトランスフェクトしたBa/F3細胞を用いることができる。増殖アッセイを一連の阻害剤濃度(例えば、10μM、3μM、1.1μM、330nM、110nM、33nM、11nM、3nM、1nM)で実施することで、EC50を求める。
EGFR活性に対する作用を測定するための別の方法は、EGFRリン酸化の定量である。野生型または変異型(L858R/T790M、欠失/T790M、欠失/T790M/L718Q、L858R/T790M/C797S、欠失/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R、またはL858R/T790M/L718Q)のEGFRを、内在性EGFRを通常は発現しない細胞にトランスフェクトすることで、当該阻害剤(上記の濃度を使用)のEGFRリン酸化を阻害する能力を定量化することができる。細胞は漸増濃度の阻害剤に暴露し、EGFで刺激する。EGFRリン酸化に対する作用は、リン酸化型特異的EGFR抗体を用いるウェスタンブロッティングで定量化する。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤は、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異(例えば、L858R/T790M、欠失/T790M、欠失/T790M/L718Q、L858R/T790M/C797S、欠失/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R、またはL858R/T790M/L718Q)を1または複数含有するEGFRに対し、2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、または1000倍より大きな阻害を示す。
いくつかの実施形態では、本願の組合せ医薬製剤と、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との組合せは、野生型EGFRと比較して、本明細書に記載されているような変異(例えば、L858R/T790M、Del/T790M、Del/T790M/L718Q、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R、またはL858R/T790M/L718Q)を1または複数含有するEGFRに対し、2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、または1000倍より大きな阻害を示す。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様では、本願は、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、ATP競合的EGFR阻害剤と、を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、上記キットはその投与のための説明書を含む。ある実施形態では、上記キットは、対象がEGFR内に活性化変異および/または薬剤耐性変異を有しているかどうかを判定するための試験を実施するための構成要素をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは第二の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様として、本明細書に示される式のいずれかの同位体標識化合物がある。そのような化合物は、放射性であっても放射性でなくてもよい1または複数の同位体原子(例えば、H、H、14C、13C、18F、35S、32P、125I、および131I)が、当該化合物中に導入されている。そのような化合物は、薬物代謝研究や診断、さらには治療応用においても有用である。
本明細書において、本願の化合物はその化学構造および/または化学名によって定義される。化合物が化学構造および化学名の両方で参照され、且つその化学構造および化学名に矛盾がある場合、化学構造がその化合物の同一性(identity)を決定するものとする。
本明細書における可変因子の任意の定義における化学基の列挙の記載は、その可変因子を任意の単一の基として、または列挙された基の組み合わせとして定義することを含む。本明細書における可変因子についてのある実施形態の記載は、任意の単一の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはその一部との組み合わせて、その実施形態を包含する。
定義
以下、本願の説明に使用される各種用語の定義を列挙する。これらの定義は、個々に、またはより大きなグループの一部として、特定の場合で別段の限定がない限り、本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて使用される用語に適用される。
用語「アルキル」とは、本明細書で使用される場合、ある実施形態では、1〜6個の炭素原子または1〜8個の炭素原子をそれぞれ含有する、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を指す。炭素数1〜6のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられるが、これらに限定はされない。炭素数1〜8のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられるが、これらに限定はされない
用語「アルケニル」とは、本明細書で使用される場合、ある実施形態では、少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する、2〜6個、または2〜8個の炭素原子を含有する、炭化水素部分に由来する一価の基を表す。二重結合は別の基の結合点になってもよいし、ならなくてもよい。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、ヘプテニル、オクテニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「アルキニル」とは、本明細書で使用される場合、ある実施形態では、少なくとも1個の炭素炭素三重結合を有する、2〜6個、または2〜8個の炭素原子を含有する、炭化水素部分に由来する一価の基を表す。アルキニル基は別の基の結合点になってもよいし、ならなくてもよい。アルキニル基の代表例としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、ヘプチニル、オクチニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「アルコキシ」とは、−O−アルキル基を指す。
用語「アリール」とは、本明細書で使用される場合、縮合型または非縮合型の、1または複数の芳香環を有する単環式または多環式の環状炭素系を指し、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「アラルキル」とは、本明細書で使用される場合、アリール環にアルキル残基が結合したものを指す。例として、ベンジル、フェネチルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「シクロアルキル」とは、本明細書で使用される場合、単環式または多環式の飽和または部分不飽和の環状炭素化合物に由来する、一価の基を表す。炭素数3〜8のシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、およびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定はされない。炭素数3〜12のシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、およびビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられるが、これらに限定はされない、また、1個の水素原子を除去することにより、少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する単環式または多環式の環状炭素化合物から派生した一価の基も企図される。そのような基の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「ヘテロアリール」とは、本明細書で使用される場合、1個の環原子がS、O、およびNから選択され、0個、1個、または2個の環原子がS、O、およびNから独立して選択される追加のヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である、5〜10個の環原子を有する、少なくとも1個の芳香環を有する、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式、またはそれ以上)の、縮合型または非縮合型の、遊離基または環系を指す。ヘテロアリールとしては、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「ヘテロアラルキル」とは、本明細書で使用される場合、ヘテロアリール環にアルキル残基が結合したものを指す。例として、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」とは、本明細書で使用される場合、(i)各環が酸素、硫黄および窒から独立して選択される1個から3個のヘテロ原子を含有し、(ii)5員環はそれぞれ0〜1個の二重結合を有し、6員環はそれぞれ0〜2個の二重結合を有し、(iii)窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は所望により酸化されていてもよく、且つ、(iv)窒素ヘテロ原子は所望により四級化されていてもよい、非芳香族の、3員環、4員環、5員環、6員環もしくは7員環、または二環式もしくは三環式の、縮合系もしくは非縮合系の基を指す。代表的なヘテロシクロアルキル基としては、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリルが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「アルキルアミノ」とは、−NH(炭素数1〜12のアルキル)、例えば−NH(炭素数1〜6のアルキル)、という構造を有する基を指し、ここで、炭素数1〜12のアルキルは上記の定義の通りである。
用語「ジアルキルアミノ」とは、−N(炭素数1〜12のアルキル)、例えば−NH(炭素数1〜6のアルキル)、という構造を有する基を指し、ここで、炭素数1〜12のアルキルは上記の定義の通りである。
用語「アシル」は、カルボン酸、カルバミン酸、炭酸、スルホン酸、および亜リン酸を含むがこれらに限定はされない酸に由来する残基を包含する。例としては、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族リン酸エステル、および脂肪族リン酸エステルが挙げられる。脂肪族カルボニルの例としては、アセチル、プロピオニル、2−フルオロアセチル、ブチリル、2−ヒドロキシアセチルなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
本願において、本明細書に記載されたアリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールはいずれも、任意の芳香族基とすることができる。芳香族基は置換であっても非置換であってもよい。
用語「hal」、「ハロ」、および「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。
本明細書に記載されているように、本願の化合物は、上記で一般式として例示されているように、または本願の特定のクラス、サブクラス、および化学種により例示されるように、1または複数の置換基で所望により置換されていてもよい。「所望により置換された」という表現は、「置換または非置換の」という表現と同義的に使用されることが理解されよう。一般に、用語「置換された」とは、用語「所望により」が先行している場合とそうでない場合があるが、特定の置換基の遊離基による、所与の構造内の水素基の置換を指す。特に記載がない限り、所望により置換された基は、基の置換可能な位置のそれぞれに置換基を有していてもよく、任意の所与の構造内の2つ以上の位置が特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換されていてもよい場合、それらの置換基は位置毎に同じであっても異なっていてもよい。用語「所望により置換された」、「所望により置換されたアルキル」、「所望により置換された 「所望により置換されたアルケニル」、「所望により置換されたアルキニル」、「所望により置換されたシクロアルキル」、「所望により置換されたシクロアルケニル」、「所望により置換されたアリール」、「所望により置換されたヘテロアリール」、「所望により置換されたアラルキル」、「所望により置換されたヘテロアラルキル」、「所望により置換されたヘテロシクロアルキル」、およびあらゆる他の所望により置換された基は、本明細書で使用される場合、基上の1個、2個、もしくは3個、またはそれ以上の水素原子の、置換基との独立した置換により置換された基、または非置換の基を指し、置換基としては、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:
−F、−CI、−Br、−I、−OH、保護ヒドロキシ、−NO、−CN、−NH、保護アミノ、−NH−炭素数1〜12のアルキル、−NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−ヘテロシクロアルキル、−ジアルキルアミノ、−ジアリールアミノ、−ジヘテロアリールアミノ、−O−炭素数1〜12のアルキル、−O−炭素数2〜12のアルケニル、−O−炭素数2〜12のアルケニル、−O−炭素数3〜12のシクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、−C(O)−炭素数1〜12のアルキル、−C(O)−炭素数2〜12のアルケニル、−C(O)−炭素数2〜12のアルケニル、−C(O)−炭素数3〜12のシクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−ヘテロシクロアルキル、−CONH、−CONH−炭素数1〜12のアルキル、−CONH−炭素数2〜12のアルケニル、−CONH−炭素数2〜12のアルケニル、−CONH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、−CONH−ヘテロシクロアルキル、−OCO−炭素数1〜12のアルキル、−OCO−炭素数2〜12のアルケニル、−OCO−炭素数2〜12のアルケニル、−OCO−炭素数3〜12のシクロアルキル、−OCO−アリール、−OCO−ヘテロアリール、−OCO−ヘテロシクロアルキル、−OCONH、−OCONH−炭素数1〜12のアルキル、−OCONH−炭素数2〜12のアルケニル、−OCONH−炭素数2〜12のアルケニル、−OCONH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−OCONH−アリール、−OCONH−ヘテロアリール、−OCONH−ヘテロシクロアルキル、−NHC(O)−炭素数1〜12のアルキル、−NHC(O)−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(O)−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(O)−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−ヘテロアリール、−NHC(O)−ヘテロシクロアルキル、−NHCO−炭素数1〜12のアルキル、−NHCO−炭素数2〜12のアルケニル、−NHCO−炭素数2〜12のアルケニル、−NHCO−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHCO−アリール、−NHCO−ヘテロアリール、−NHCO−ヘテロシクロアルキル、NHC(O)NH、−NHC(O)NH−炭素数1〜12のアルキル、−NHC(O)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(O)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(O)NH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHC(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−ヘテロアリール、NHC(O)NH−ヘテロシクロアルキル、−NHC(S)NH、−NHC(S)NH−炭素数1〜12のアルキル、−NHC(S)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(S)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(S)NH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHC(S)NH−アリール、−NHC(S)NH−ヘテロアリール、−NHC(S)NH−ヘテロシクロアルキル、−NHC(NH)NH、−NHC(NH)NH−炭素数1〜12のアルキル、−NHC(NH)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(NH)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(NH)NH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHC(NH)NH−アリール、−NHC(NH)NH−ヘテロアリール、−NHC(NH)NHヘテロシクロアルキル、−NHC(NH)−炭素数1〜12のアルキル、−NHC(NH)−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(NH)−炭素数2〜12のアルケニル、−NHC(NH)−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHC(NH)−アリール、−NHC(NH)−ヘテロアリール、−NHC(NH)−ヘテロシクロアルキル、−C(NH)NH−炭素数1〜12のアルキル、−C(NH)NH−炭素数2〜12のアルケニル、−C(NH)NH−炭素数2〜12のアルケニル、C(NH)NH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−C(NH)NH−アリール、−C(NH)NH−ヘテロアリール、−C(NH)NHヘテロシクロアルキル、−S(O)−炭素数1〜12のアルキル、−S(O)−炭素数2〜12のアルケニル、−S(O)−炭素数2〜12のアルケニル、−S(O)−炭素数3〜12のシクロアルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロシクロアルキル −SONH、−SONH−炭素数1〜12のアルキル、−SONH−炭素数2〜12のアルケニル、−SONH−炭素数2〜12のアルケニル、−SONH−炭素数3〜12のシクロアルキル、−SONH−アリール、−SONH−ヘテロアリール、−SONH−ヘテロシクロアルキル、−NHSO−炭素数1〜12のアルキル、−NHSO−炭素数2〜12のアルケニル、−NHSO−炭素数2〜12のアルケニル、−NHSO−炭素数3〜12のシクロアルキル、−NHSO−アリール、−NHSO−ヘテロアリール、−NHSO−ヘテロシクロアルキル、−CHNH、−CHSOCH、−アリール、−アリールアルキル、−ヘテロアリール、−ヘテロアリールアルキル、−ヘテロシクロアルキル、−炭素数3〜12のシクロアルキル、ポリアルコキシアルキル、ポリアルコキシ、−メトキシメトキシ、−メトキシエトキシ、−SH、−S−炭素数1〜12のアルキル、−S−炭素数2〜12のアルケニル、−S−炭素数2〜12のアルケニル、−S−炭素数3〜12のシクロアルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−ヘテロシクロアルキル、またはメチルチオメチル。
上記のアリール、ヘテロアリール、アルキルなどは置換されていてもよいことを理解されたい。
用語「がん」は以下のがんを包含するが、これらに限定はされない:類表皮口腔がん:頬側口腔、唇、舌、口、咽頭のがん;心臓がん:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺がん:気管支原性癌(扁平上皮癌または類表皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;消化器がん:食道がん(扁平上皮癌、喉頭がん、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃がん(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵がん(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸がん(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸がん(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸がん、結腸−直腸がん(colon-rectum)、結腸直腸がん(colorectal)、直腸がん;尿生殖路がん:腎がん(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道のがん(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺がん(腺癌、肉腫)、精巣がん(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌(interstitial cell carcinoma)、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝がん:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道がん;骨がん:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫 脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、巨大類骨骨腫(osteoid osteoma and giant cell tumor);神経系のがん:頭蓋がん(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜がん(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形神経膠芽腫、乏突起膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科がん:子宮がん(子宮内膜癌)、子宮頸がん(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頸部形成異常)、卵巣がん(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞性癌、未分類の癌)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰がん(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、腟がん(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管がん(癌)、乳がん;血液系がん:血液がん(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)有毛細胞;リンパ系障害;皮膚がん:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、角化棘細胞腫、異形成母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、甲状腺がん:甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌;甲状腺髄様癌、未分化甲状腺がん、多発性内分泌腫瘍症2A型、多発性内分泌腫瘍症2B型、家族性甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、傍神経節腫;並びに、副腎がん:神経芽細胞腫。すなわち、用語「がん性細胞」は、本明細書で使用される場合、上記の状態のいずれか1つに罹患した細胞を包含する。
用語「EGFR」は、本明細書において、上皮増殖因子受容体キナーゼを指す。
用語「HER」または「Her」は、本明細書において、ヒト上皮増殖因子受容体キナーゼを指す。
用語「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物を指す。すなわち、対象は、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモットなどを指す。対象はヒトであることが好ましい。対象がヒトである場合、対象は患者と称される場合がある。
「治療する」、「治療すること」、および「治療」とは、疾患および/またはそれに付随する症状を軽減または除去する方法を指す。
本明細書で使用される場合、「予防すること」または「予防する」とは、疾患、状態または障害の症状または合併症の発生を低減または排除することをいう。
本明細書で使用される場合、用語「アロステリック部位」とは、EGFRの結晶構造において特徴的な部位のような、EGFR上に存在するATP結合部位以外の部位を指す。「アロステリック部位」は、EGFRの結晶構造において特徴的な部位のような、ATP結合部位に近接した部位であり得る。例えば、1つのアロステリック部位は、EGFRの以下のアミノ酸残基のうちの1または複数を含む:Lys745、Leu788、Ala743、Cys755、Leu777、Phe856、Asp855、Met766、Ile759、Glu762、および/またはAla763。
本明細書で使用される場合、用語「アロステリックEGFR阻害剤」とは、EGFR上の1または複数のアロステリック部位への結合を通じてEGFR活性を阻害する化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ATP競合的EGFR阻害剤」とは、EGFR上の1または複数のATP結合部位への結合を通じてEGFR活性を阻害する化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「EGFRの二量体形成を抑制する薬剤」とは、「アクチベーター」サブユニットのCローブが「レシーバー」サブユニットのNローブに衝突する二量体形成を抑制する薬剤を指す。EGFRの二量体形成を抑制する薬剤の例としては、セツキシマブ、コビメチニブ、トラスツズマブ、パニツムマブ、およびMig6が挙げられるが、これらに限定はされない。
本明細書で使用される場合、用語「GDC0973」または「コビメチニブ」は、以下の化学構造を有する化合物を指す:
Figure 2021514398
本明細書で使用される場合、用語「薬剤的に許容できる塩」は、合理的な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなくヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適した、且つ、合理的なリスク/ベネフィット比に見合った、本願の方法によって形成される化合物の塩を指す。薬剤的に許容できる塩は当該技術分野において周知である。例えば、S. M. Bergeらが、J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977)で薬剤的に許容できる塩を詳細に説明している。この塩は、本願の化合物の最終的な単離および精製の際にインサイツで、または遊離型塩基性官能基を好適な有機酸と反応させることで別々に、作製することができる。
薬剤的に許容できる塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と形成させたアミノ基の塩、または、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と形成させたアミノ基の塩、または、イオン交換などの当該技術分野において用いられている他の方法を用いることで形成させたアミノ基の塩、である非毒性の酸付加塩が挙げられるが、これらに限定はされない。他の薬剤的に許容できる塩として以下が挙げられるが、これらに限定はされない:アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩など。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬剤的に許容できる塩として、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成される、非毒性のアンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、およびアミンカチオンも包含される。
本明細書で使用される場合、用語「薬剤的に許容できるエステル」とは、インビボで加水分解し、人体内で容易に分解して親化合物またはその塩を遊離するエステルを包含する、本願の方法によって形成された化合物のエステルを指す。好適なエステル基としては、例えば、薬剤的に許容できる脂肪族カルボン酸由来のエステルが挙げられ、特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸、およびアルカン二酸のエステルであり、ここで、各アルキル部分またはアルケニル部分は6個以下の炭素原子を有することが好ましい。特定のエステルの例として、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル、およびエチルコハク酸エステルが挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「薬剤的に許容できるプロドラッグ」とは、本明細書で使用される場合、合理的な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴ってヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適した、合理的なリスク/ベネフィット比に見合った、且つ、その意図された用途に有効な、本願の方法で形成される化合物のプロドラッグ、並びに、可能な場合、本願の化合物の双性イオン形態を指す。「プロドラッグ」とは、本明細書で使用される場合、インビボで代謝的手段(例えば、加水分解)により変換可能であり、それにより本願の上記式で表される任意の化合物が得られる、化合物を意味する。様々な形態のプロドラッグが当該技術分野において公知であり、例えば、以下で開示されている:Bundgaard, (編), Design of Prodrugs, Elsevier (1985); Widder, et al., (編), Methods in Enzymology, vol. 4, Academic Press (1985); Krogsgaard-Larsen, et al., (編). Design and Application of Prodrugs, Textbook of Drug Design and Development, Chapter 5, 113-191 (1991); Bundgaard, et al., Journal of Drug Deliver Reviews, 8:1-38(1992); Bundgaard, J. of Pharmaceutical Sciences, 77:285 et seq. (1988); Higuchi and Stella (編) Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems, American Chemical Society (1975);およびBernard Testa & Joachim Mayer, “Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism: Chemistry, Biochemistry And Enzymology,” John Wiley and Sons, Ltd. (2002)。
プロドラッグは、アミノ酸残基、またはアミノ酸残基が2つ以上(例えば、2つ、3つ、または4つ)のポリペプチド鎖が、本願の化合物の遊離アミノ基、遊離ヒドロキシ基、または遊離カルボン酸基にアミド結合またはエステル結合を介して共有結合している化合物を包含する。上記のアミノ酸残基としては、三文字記号で通常表される20種の天然アミノ酸が挙げられ、また、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デスモシン(demosine)、イソデスモシン(isodemosine)、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、およびメチオニンスルホンも挙げられるが、これらに限定はされない。別の種類のプロドラッグも包含される。例えば、遊離カルボキシル基をアミドまたはアルキルエステルとして誘導体化することができる。遊離ヒドロキシ基は、Advanced Drug Delivery Reviews, 1996, 19, 1 15に概説されているような、ヘミコハク酸エステル、リン酸エステル、ジメチルアミノ酢酸エステル、およびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを含むがこれらに限定はされない基を用いて誘導体化してもよい。ヒドロキシ基およびアミノ基のカルバミン酸エステルプロドラッグも包含され、ヒドロキシ基の炭酸エステルプロドラッグ、スルホン酸エステルプロドラッグ、および硫酸エステルプロドラッグも包含される。また、アシル基がエーテル官能基、アミン官能基およびカルボン酸官能基を含むがこれらに限定はされない基で所望により置換されたアルキルエステルであり得る、または、アシル基が上記のようなアミノ酸エステルである、(アシルオキシ)メチルエーテルおよび(アシルオキシ)エチルエーテルとしてのヒドロキシ基の誘導体化も企図される。このタイプのプロドラッグはJ. Med. Chem. 1996, 39, 10に記載されている。また、遊離アミンをアミド、スルホンアミド、またはホスホンアミドとして誘導体化することもできる。これらのプロドラッグ部分は全て、エーテル官能基、アミン官能基、およびカルボン酸官能基を含むがこれらに限定はされない基を組み入れる。
本願で企図される置換基および可変基の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらした組み合わせでしかない。用語「安定な」とは、本明細書で使用される場合、化合物が、製造を可能にするのに十分な安定性を有すること、および、本明細書で詳述される目的(例えば、治療または予防を目的とした対象への投与)において有用であるために十分な期間、化合物の完全性を維持すること、を指す。
また、本願の化合物のいくつかは、1または複数の二重結合、すなわち1または複数の不斉中心、を有する。このような化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個々のジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、およびシス型もしくはトランス型またはE型もしくはZ型の二重異性形態、並びに、絶対立体化学の面から、(R)型もしくは(S)型、またはアミノ酸の場合は(D)型もしくは(L)型と定義され得る他の立体異性体、として生じ得る。これらの化合物の全てのこのような異性体も、本願に明確に包含される。
「異性」とは、化合物が、同一の分子式を有するが、原子の結合順または原子の空間内配置が異なることを意味する。原子の空間内配置が異なる異性体は「立体異性体」と称される。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と称され、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「鏡像異性体」と称され、光学異性体と称される場合もある。反対のキラリティーを有する鏡像異性形態を個々に等量ずつ含有する混合物は「ラセミ混合物」と称される。
4個の同一でない置換基に結合した炭素原子は「キラル中心」と称される。「キラル異性体」は少なくとも1個のキラル中心を有する化合物を意味する。2個以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、または「ジアステレオマー混合物」と称されるジアステレオマーの混合物として、存在し得る。1個のキラル中心が存在する場合、立体異性体は、当該キラル中心の絶対配置(RまたはS)によって特徴付けられ得る。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間内配置を指す。対象のキラル中心に結合した置換基は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則(Cahn et al., Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385; errata 511; Cahn et al., Angew. Chem. 1966, 78, 413; Cahn and Ingold, J. Chem. Soc. 1951 (London), 612; Cahn et al., Experientia 1956, 12, 81; Cahn, J. Chem. Educ. 1964, 41, 116)に従って順位付けされる。
「幾何異性体」とは、二重結合の周りの回転障害を原因として存在するジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、その名前の中で、接頭辞であるcisおよびtrans、またはZおよびEによって区別されており、これらの接頭辞は、カーン・インゴルド・プレローグ則に従って、これらの基が分子内で二重結合の同じ側に存在するかまたは反対の側に存在するかを示している。
さらに、本願に述べられる構造体および他の化合物は、その全てのアトロプ異性体(atropic isomer)を包含する。「アトロプ異性体」は、2つの異性体間で原子の空間内配置が異なっている、立体異性体の一種である。アトロプ異性体は、中心的な結合の周りの大型の基の回転障害による、回転の制限を原因として存在する。このようなアトロプ異性体は通常は混合物として存在するが、最近のクロマトグラフィー技術の進歩の結果、特定の場合において、2つのアトロプ異性体の混合物の分離が可能となっている。
「互変異性体」は、平衡状態で存在し、ある異性体から別の異性体へと容易に変換される、2つ以上の構造異性体のうちの1つである。この変換は、隣り合う共役二重結合のスイッチに伴う水素原子の形式的な移動によって生じる。互変異性体は溶液中に互変異性体セットの混合物として存在する。固体形態では、通常は1つの互変異性体が優勢となる。互変異性が可能となる溶液では、各互変異性体の化学平衡が達成されることとなる。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒およびpHをはじめとするいくつかの要素に依存する。互変異性化によって相互変換可能な互変異性体の概念を互変異性という。
可能性のある様々な種類の互変異性のうち、通常観察されるのは2種である。ケト・エノール互変異性では、電子および水素原子の同時シフトが生じる。環状・鎖状互変異性は、グルコースで示されるように、糖鎖分子内のアルデヒド基(−CHO)が同一分子内のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応して、当該糖鎖分子を環式(環状)形態にした結果として生じる。通常の互変異性体対としては以下がある:ケトン・エノール、アミド・ニトリル、ラクタム・ラクチム、複素環(例えば、グアニン、チミンおよびシトシンなどの核酸塩基)におけるアミド・イミド酸互変異性、アミン・エナミン、およびエナミン・エナミン。
本願の化合物は複数の互変異性型として表すこともでき、そのような場合、本願は本明細書に記載の化合物の全ての互変異性型を明確に包含する(例えば、環系のアルキル化は複数部位のアルキル化を生じ得るが、本願はそのような反応産物を全て明確に包含する。)。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的非対称中心を含む場合、特に指定がない限り、上記化合物はE型幾何異性体およびZ型幾何異性体の両方を包含することが意図される。同様に、互変異性型も全て包含されることが意図される。本明細書で示されるいずれの炭素炭素二重結合の配置も、便宜的に選択されただけであり、そのように明記されていない限りは特定の配置を示すことを意図しておらず;そのため、本明細書で任意にトランス型と示された炭素炭素二重結合は、シス型であってもよく、トランス型であってもよく、あるいはあらゆる比率のその2つの混合物であってもよい。係る化合物の全てのそのような異性体が本願に明確に包含される。
本明細書において、化合物の構造式は、場合により、便宜上ある特定の異性体を表しているが、本願は、幾何異性体、不斉炭素に基づいた光学異性体、立体異性体、互変異性体などの異性体を全て包含する。
さらに、インビボにおける本発明の化合物の分解によって産生されるいわゆる代謝産物も、本願の範囲に包含される。
用語「結晶多形」、「多形」または「結晶形」とは、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が、元素組成が全て同じである異なる結晶充填配置で結晶化できる場合の、結晶構造を意味する。結晶形が異なる場合、X線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度 硬度、結晶外形、光学特性、電気的特性、安定性、および溶解性は通常異なる。再結晶溶媒、結晶化の速度、保存温度、および他の因子によって、1つの結晶形が優勢になり得る。上記化合物の結晶多形は、様々な条件下で結晶化することにより作製することができる。
さらに、本願の化合物、例えば本願の化合物の塩は、水和形態または非水和(無水)形態のいずれかで存在することができ、あるいは、他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができる。水和物の非限定的な例として、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定な例として、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
「溶媒和物」とは、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、結晶性固体の状態で溶媒分子を固定モル比で捕捉し、溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり;溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1または複数の水分子が1分子の物質と組み合わさることで形成され、ここで水はHOとしてのその分子状態を保持している。
化合物の合成法
本願の化合物(例えば、式Ia、式Ib、または式I’の化合物)は、標準的な化学反応を含む様々な方法で作製することができる。本願の合成法は幅広い種類の官能基を許容することができるため、様々な置換出発物質が使用され得る。本願の合成法は通常、方法全体の最後またはその付近で所望の最終化合物を与えるが、場合によっては、当該化合物をその薬剤的に許容できる塩、エステル、またはプロドラッグにさらに変換することが望ましいことがある。好適な合成経路を下記のスキームに示す。
本願の化合物は、様々な方法で、市販の出発物質、文献中で既知の化合物を用いて、または作製が容易な中間体から、当業者に公知の、または本明細書の教示に照らし合わせた場合に当業者には明らかである標準的な合成法および合成手順を用いることで、作製することができる。有機分子の作製、並びに官能基の変換および操作のための標準的な合成法および合成手順は、関連の科学文献または当該分野における標準的な教本から得ることができる。1またはいくつかの出典のいずれにも限定はされないが、参照によって本明細書に援用されるSmith, M. B., March, J., March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th edition, John Wiley & Sons: New York, 2001;およびGreene, T.W., Wuts, P.G. M., Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons: New York, 1999などの古典的なテキストは、有用であり、当業者に公知の有機合成の参考用教本として認識されている。以下の合成法の説明は、本願の化合物の一般的な作製手順の例示を意図しており、これに限定はされない。
本明細書で開示される化合物は、以下の合成スキームによって部分的に記載されている、有機合成の技術分野において公知の方法で作製することができる。下記のスキームでは、一般原則または化学(general principles or chemistry)に従って、必要な場合に、感受性または反応性を有する基に対する保護基が使用されることを十分に理解されたい。保護基は有機合成の標準方法に従って操作される(T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999)。これらの基は、化合物合成の都合の良い段階で、当業者が容易に想到する方法を用いて除去される。選択方法(selection process)、並びにその実行の反応条件および順番は、本明細書で開示される化合物の作製と一致するものとする。
本明細書で開示される化合物に立体中心が存在するかどうかは、当業者には理解される。従って、本願は、可能な立体異性体を両方包含し(合成で明記されていない限り)、ラセミ化合物だけでなく、個々の鏡像異性体および/またはジアステレオマーも包含する。化合物が単一の鏡像異性体またはジアステレオマーとして望まれている場合、立体特異的な合成、または最終産物もしくは任意の好都合な中間体の分割によって、得ることができる。最終産物、中間体、または出発物質の分割は、当該技術分野において公知のいかなる好適な方法によっても達成することができる。例えば、“Stereochemistry of Organic Compounds” by E. L. Eliel, S. H. Wilen, and L. N. Mander (Wiley-lnterscience, 1994)を参照されたい。
本願で使用された全ての略語は、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社の「Protective Groups in Organic Synthesis」、またはメルク社のMERCK INDEX、または他の化学教材もしくはアルドリッチ社などの化学薬品供給業者の化学薬品カタログに記載されているか、または当該技術分野において公知の用法によるものである。
本願の化合物は、米国特許第8,946,235号および国際公開第2017/004383号に記載されている方法など、有機合成の分野の当業者に周知のいくつかの方法で作製することができる。例として、本願の化合物は、有機合成化学の分野で公知の合成法または当業者に理解されるようなその変法と共に、下記の方法を用いて、合成することができる。好ましい方法として下記の方法を挙げるが、これらに限定はされない。
上記の方法から得られた鏡像異性体、ジアステレオマー、および/またはシス/トランス異性体の混合物は、分離の性質に応じて、キラル塩を介した手法、順相カラムを用いたクロマトグラフィー、逆相カラムを用いたクロマトグラフィー、またはキラルカラムを用いたクロマトグラフィーによって、その単一成分に分離することができる。
なお、上記の説明および式において、各種基および他の可変基は、特に明記されている場合を除いて、本明細書で定義された通りである。また、合成を目的として、各一般スキームの各化合物は、本明細書で開示される化合物の一般的な合成法を例示するために遊離基が選択された、単なる典型例である。
本願の化合物の遊離塩基形態を薬剤的に許容できる無機酸または有機酸と反応させることにより、薬剤的に許容できる酸付加塩としての本願の化合物を作製することができる。あるいは、本願の化合物の遊離酸形態を薬剤的に許容できる無機塩基または有機塩基と反応させることにより、本願の化合物の薬剤的に許容できる塩基付加塩を作製することができる。あるいは、本願の化合物の塩形態は、出発物質または中間体の塩を用いて作製することもできる。
本願の化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態は、対応する塩基付加塩形態または酸付加塩形態からそれぞれ作製することができる。例えば、好適な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)での処理により、酸付加塩形態の本願の化合物を対応する遊離塩基に変換することができる。好適な酸(例えば、塩酸など)での処理により、塩基付加塩形態の本願の化合物を対応する遊離酸に変換することができる。
当業者に公知の方法で本願の化合物のプロドラッグを作製することができる(例えば、さらなる詳細については、Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照)。例えば、非誘導体化型の本願の化合物を好適なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルボノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカルボネートなど)と反応することにより、適切なプロドラッグを作製することができる。
当業者に公知の手段で本願の化合物の保護誘導体を作製することができる。T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に、保護基の生成およびその除去に適用可能な手法の詳細な説明を見出すことができる。
本願の化合物は、好都合には、溶媒和物(例えば、水和物)として作製、または本願の方法中で形成され得る。本願の化合物の水和物は、好都合には、ダイオキシン、テトラヒドロフラン、またはメタノールなどの有機溶剤を用いて、水性溶剤/有機溶剤の混合物からの再結晶によって作製され得る。
本明細書の上記方法で有用な酸および塩基は当該技術分野において公知である。酸触媒は酸性化学物質であれば特に限定されず、実際には、無機酸触媒(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)または有機酸触媒(例えば、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)であり得る。化学反応を促進する触媒量または化学量論量の酸が有用である。塩基は塩基性の化学物質であれば限定はされず、実際には、無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム)または有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)であり得る。化学反応を促進する触媒量または化学量論量の塩基が有用である。
本明細書に記載の手順によって、またはラセミ混合物を分割することによって、各々の光学活性な前駆物質から光学異性体を作製することができる。この分割は、分割剤の存在下、クロマトグラフィーまたは反復的な結晶化または当業者に公知のこれらの手法のいくつかの組み合わせによって、実行することができる。分割に関するさらなる詳細は、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates, and Resolutions (John Wiley & Sons, 1981)に見出すことができる。
上記の合成された化合物は、反応混合物から分離して、カラムクロマトグラフィ、高圧液体クロマトグラフィー、または再結晶などの方法によってさらに精製することができる。当業者に理解されるように、本明細書中の上記式の化合物のさらなる合成法は、当業者には明らかであろう。さらに、各種合成工程が、別(alternate)の並びまたは順序で実行されることで、所望の化合物が得られてもよい。さらに、本明細書に記載される溶剤、温度、反応時間などは例示のみを目的としており、反応条件を変更することで本願の所望の架橋大環状産物が生成され得ることは、当業者には理解される。本明細書に記載の化合物の合成において有用な、合成化学の変換および保護基法(保護および脱保護)は、当該技術分野において公知であり、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed., John Wiley and Sons (1991); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、並びにそれら後続版などに記載されるものが挙げられる。
本願の化合物は、本明細書に記載の任意の合成手段を介した種々の官能性の付加により修飾することで、選択性に関する生物学的特性を増強することができる。このような修飾は当該技術分野において公知であり、例えば、所与の生物系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透性を増加する修飾、経口アベイラビリティを増加する修飾、注射投与を可能にするため溶解性を増加する修飾、代謝を変化させる修飾、および排泄速度を変化させる修飾が挙げられる。
生物学的アッセイ
生化学的アッセイ
EGFRの生化学的アッセイは、均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイを用いて実施する。反応混合物として、ビオチン−Lck−ペプチド基質、野生型または変異型のEGFR酵素を反応緩衝液に含有させる。種々のキナーゼ活性およびATP濃度に対応するように酵素濃度を調整する。本願の組合せ医薬製剤または化合物を上記アッセイ用混合物に希釈し、12点の阻害曲線を用いてIC50値を求める。
リン酸化EGFR標的調節アッセイおよびELISA
細胞を、プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含有する細胞溶解バッファーで溶解し、プレートを振盪する。分析のため、各ウェルから一定分量を準備済みELISAプレートに移す。回収および播種後、細胞をEGFを含有する培地またはEGFを含有しない培地で前処理する。その後、本願の組合せ医薬製剤または化合物を添加し、上記のEGFR生化学的アッセイを用いてIC50値を求める。
高結合性ELISA用ソリッドプレートをヤギ抗EGFR捕捉抗体でコーティングする。次に、プレートを緩衝液中のBSAでブロッキングし、その後洗浄する。溶解細胞の一定分量をELISAプレートの各ウェルに添加し、プレートをインキュベートする。次に、抗リン酸化EGFRを添加し、さらにインキュベートする。洗浄後、抗ウサギ−HRPを添加し、プレートを再度インキュベートする。SuperSignal ELISA Pico基質を用いて化学発光検出を行う。シグナルをEnVisionプレートリーダーで組込みのUltraLUM設定を用いて読み出す。
ウェスタンブロッティング
細胞ライセート間でタンパク質含有量を均等にし、泳動バッファーと共にゲルにロードする。メンブレンを一次抗体でプローブし、その後洗浄する。HRP結合型二次抗体を添加し、その後洗浄する。HRP基質試薬を用いてHRPを検出し、撮像装置で記録する。
細胞増殖アッセイ
細胞株を培地中に播種する。次に、本願の組合せ医薬製剤または化合物を連続希釈し、上記細胞に加える。発光の読み取りにより細胞生存率を測定する。非線形回帰曲線当てはめによりデータを解析する。
本願の方法
別の態様では、本願は、キナーゼを、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)と接触させることを含む、キナーゼを阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、キナーゼは変異システイン残基を含む。別の実施形態では、変異システイン残基は、EGFR内のCys797に相当する位置またはその付近に位置しており、例えば、Jak3、Blk、Bmx、Btk、HER2(ErbB2)、HER4(ErbB4)、Itk、Tec、およびTxkにおけるそのような位置が挙げられる。いくつかの実施形態では、キナーゼはEGFRである。いくつかの実施形態では、キナーゼはHerキナーゼである。
別の態様では、本願は、キナーゼを、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)と接触させることを含む、EGFRを阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、EGFRは、本明細書に記載されているような変異を1または複数含む。
本願の別の態様は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、疾患を治療または予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記疾患はキナーゼによって仲介される。別の実施形態では、キナーゼは変異システイン残基を含む。別の実施形態では、変異システイン残基は、EGFR内のCys797に相当する位置またはその付近に位置しており、例えば、Jak3、Blk、Bmx、Btk、HER2(ErbB2)、HER4(ErbB4)、Itk、Tec、およびTxkにおけるそのような位置が挙げられる。いくつかの実施形態では、上記疾患はEGFRによって仲介される(例えば、疾患の開始または発達にEGFRが関与する)。別の実施形態では、EGFRはHerキナーゼである。別の実施形態では、HerキナーゼはHER1、HER2、またはHER4である。
本願の別の態様は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、疾患を治療または予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記疾患はEGFRによって仲介される。いくつかの実施形態では、EGFRは、本明細書に記載されているような変異を1または複数含む。
ある実施形態では、上記疾患は、がんまたは増殖性疾患である。別の実施形態では、上記疾患は、肺がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、膵がん、脳がん、腎がん、卵巣がん、胃がん、皮膚がん、骨がん、胃がん、乳がん、膵がん、神経膠腫、グリア芽腫、肝細胞癌、乳頭腎癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または固形腫瘍である。
他の実施形態では、上記疾患は以下である:炎症、関節炎、リウマチ様関節炎、脊椎関節症(spondyiarthropathies)、痛風関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、および他の関節炎状態、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚に関連した状態、乾癬、湿疹、肌のぶつぶつ(bums)、皮膚炎、神経炎症、アレルギー、疼痛、神経因性疼痛、発熱、肺障害、肺炎症、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス(pulmonary sarcoisosis)、喘息、珪肺症、慢性肺炎症性疾患、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心血管疾患、動脈硬化症、心筋梗塞(心筋梗塞後の適応症を含む)、血栓症、うっ血性心不全、心臓再灌流障害、並びに、高血圧症および/または心不全に伴う合併症、例えば、血管臓器障害、再狭窄、心筋症、虚血性脳卒中および出血性脳卒中を含む脳卒中、再灌流障害、腎再灌流障害、脳卒中および脳虚血を含む虚血、並びに心臓/冠動脈バイパスによる虚血、神経変性障害、肝疾患および腎炎、消化器系異常、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候、潰瘍性大腸炎、潰瘍性疾患、胃潰瘍、ウイルス感染症、細菌感染症、敗血症、敗血症性ショック、グラム陰性菌敗血症、マラリア、髄膜炎、HIV感染症、日和見感染症、感染または悪性腫瘍に続発する悪液質、後天性免疫不全症候群(エイズ)に続発する悪液質、エイズ、ARC(エイズ関連症候群)、肺炎、ヘルペスウイルス、感染、インフルエンザ、自己免疫疾患、移植片対宿主反応および同種移植片拒絶反応を原因とする筋肉痛、骨吸収疾患の治療、骨粗しょう症、多発性硬化症、がん、白血病、リンパ腫、結腸直腸がん、脳がん、骨がん、上皮細胞(call)由来新形成(上皮癌)、基底細胞癌、腺癌、胃腸がん、唇がん、口腔がん、食道がん、小腸がん、胃がん、結腸がん、肝臓がん、膀胱がん、膵がん、卵巣がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、皮膚がん、扁平細胞(squamus cell)および/または基底細胞のがん、前立腺がん、腎細胞癌、並びに全身の上皮細胞に罹患する他の公知のがん、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)および急性前骨髄球性白血病(APL)、新形成を含む血管新生、転移、中枢神経系障害、炎症性またはアポトーシス性の成分を有する中枢神経系障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、および末梢神経障害、またはB細胞リンパ腫。
別の実施形態では、上記疾患は、炎症、関節炎、リウマチ様関節炎、脊椎関節症(spondylarthropathies)、痛風関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、および他の関節炎状態、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚に関連した状態、乾癬、湿疹、皮膚炎、疼痛、肺障害、肺炎症、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス(pulmonary sarcoisosis)、喘息、慢性肺炎症性疾患、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心血管疾患、動脈硬化症、心筋梗塞(心筋梗塞後の適応症を含む)、うっ血性心不全、心臓再灌流障害、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候、白血病、またはリンパ腫である。
別の態様では、本願は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、がん細胞が活性型EGFRを含むがんを治療または予防する方法を提供する。
ある実施形態では、EGFR活性化は、EGFRの変異、EGFRの増幅、EGFRの発現、およびリガンドを介したEGFRの活性化から選択される。
本願の別の態様は、対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、がんの治療のためにEGFR阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療または予防する方法を提供する。
ある実施形態では、EGFR阻害が必要であると特定された対象は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、またはWZ4002を含むがこれらに限定はされない公知のEGFR阻害剤に対して耐性を示す。ある実施形態では、対象がEGFRに活性化変異を有しているかどうかを判定するための診断検査が実施される。ある実施形態では、対象が、本明細書に記載されているような、活性化変異と薬剤耐性変異とを含むEGFRを有しているかどうかを判定するための診断検査が実施される。活性化変異は、限定はされないが、L858R、G719S、G719C、G719A、L718Q、L861Q、エクソン19における欠失、および/またはエクソン20における挿入を含む。薬剤耐性変異型EGFRは、限定はされないが、T790M、T854A、L718Q、C797S、またはD761Yを含む薬剤耐性変異を有し得る。診断検査は、シーケンス、ピロシーケンス、PCR、RT−PCR、またはヌクレオチド配列を検出可能な当業者に公知の同様の解析法を含んでもよい。
別の態様では、本願は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、がん細胞が活性型ERBB2を含むがんを治療または予防する方法を提供する。ある実施形態では、このERBB2の活性化は、ERBB2の変異、ERBB2の発現、およびERBB2の増幅から選択される。別の実施形態では、上記変異は、ERBB2のエクソン20における変異である。
別の態様では、本願は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、がんの治療のためにERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療する方法を提供する。
本願の別の態様は、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤、または有効量の本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との組合せ(例えば、時間的に近接)を投与することを含む、対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ、WZ4002、CL−387785、AZD9291、およびCO−1686を含むがこれらに限定はされない公知のEGFR阻害剤への耐性を抑制する方法を提供する。
ある実施形態では、本願は、対象がヒトである、本明細書に記載の障害のいずれかを治療する方法を提供する。ある実施形態では、本願は、対象がヒトである、本明細書に記載の障害のいずれかを予防する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本願の方法は第二の薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第二の薬剤は、EGFRの二量体形成を抑制する。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤とが、同時または順次に投与される。別の実施形態では、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤は、ATP競合的EGFR阻害剤の前または後に投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤とが、時間的に近接するように投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤は、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と組み合わせて(例えば、併用療法で)使用され、ここで、アロステリックEGFR阻害剤の投与とATP競合的EGFR阻害剤の投与とは時間的に近接するように行われる。
いくつかの実施形態では、「時間的な近接」とは、ある治療薬の治療効果が別の治療薬の治療効果と重なるように、ある治療薬の投与を別の治療薬の投与の前または後の期間内に行うこと、を意味する。いくつかの実施形態では、ある治療薬の治療効果は別の治療薬の治療効果と完全に重なる。いくつかの実施形態では、「時間的な近接」とは、ある治療薬と別の治療薬との間で相乗効果が生じるように、ある治療薬の投与を別の治療薬の投与の前または後の期間内に行うこと、を意味する。「時間的な近接」は、治療薬が投与される予定の対象の年齢、性別、体重、遺伝的背景、医学的状態、病歴、および治療歴;治療または改善の対象となる疾患または状態;達成されるべき治療成績;治療薬の投与量、投与頻度、および投与期間;治療薬の薬物動態的特徴および薬力学的特徴;並びに、治療薬が投与される経路、を含むがこれらに限定はされない、様々な要因によって変化し得る。いくつかの実施形態では、「時間的な近接」とは、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、1週間以内、2週間以内、3週間以内、4週間以内、6週間以内、または8週間以内を意味する。いくつかの実施形態では、ある治療薬の複数回投与が、別の治療薬の単回投与と時間的に近接するように、行われ得る。いくつかの実施形態では、時間的な近接は、治療サイクルの間に、または投与計画内で、変化し得る。
他の実施形態では、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、追加の治療薬とが、同時または順次に投与される。
別の態様では、本願は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と組み合わされ(例えば、併用療法で)、所望によりさらにEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と組み合わされて使用される、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤を提供する。
いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様では、本願は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と組み合わされ(例えば、併用療法で)、所望によりさらにEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と組み合わされた、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様では、本願は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤との、所望によりEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤とさらに組み合わされた、組合せ(例えば、併用療法)を提供する。
いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様では、本願は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、所望によりさらにEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との、組合せ(例えば、併用療法)の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様では、本願は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造で使用される、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、所望によりさらにEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との、組合せ(例えば、併用療法)を提供する。
いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
別の態様では、本願は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造で使用される、本明細書に記載されているようなアロステリックEGFR阻害剤と、本明細書に記載されているようなATP競合的EGFR阻害剤と、所望によりさらにEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤との、組合せ(例えば、併用療法)の使用を提供する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
所望によりEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と組み合わされた、本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
所望によりEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と組み合わされた、本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤の使用に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造で使用される、所望によりEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と組み合わされた、本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤に関する。
本願の別の態様は、
それを必要とする対象におけるキナーゼ(例えば、EGFR)を阻害するための、
それを必要とする対象における疾患(例えば、EGFRが関与する疾患)を治療もしくは予防するための、
それを必要とする対象における、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、AZD9291、CO−1686、もしくはWZ4002による治療などの、EGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
医薬の製造における、所望によりEGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と組み合わされた、本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤の使用に関する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような方法において、本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤もしくは組成物において、本明細書に記載されているような使用のための組合せ医薬製剤もしくは組成物において、または、本明細書に記載されているような組合せ医薬製剤もしくは組成物の使用において、アロステリックEGFR阻害剤は、化合物A、またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、ATP競合的阻害剤は、化合物O、またはその薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
EGFRキナーゼの阻害剤として、本願の化合物、組み合わせ、および組成物は、プロテインキナーゼが疾患、状態、または障害に関連付けられる場合の、疾患、状態、または障害の治療またはその重症度の軽減に特に有用である。1つの態様では、本願は、プロテインキナーゼが病状に関連付けられる場合の、疾患、状態、または障害を治療する、またはその重症度を軽減する方法を提供する。別の態様では、本願は、酵素活性の阻害が疾患の治療に関連付けられる場合の、場合の、キナーゼ性の疾患、状態、または障害を治療する、またはその重症度を軽減する方法を提供する。別の態様では、本願は、プロテインキナーゼに結合することにより酵素活性を阻害する化合物、組合せ、および組成物を用いて、疾患、状態、または障害を治療する、またはその重症度を軽減する方法を提供する。別の態様は、プロテインキナーゼ阻害剤でキナーゼの酵素活性を阻害することにより、キナーゼ性の疾患、状態、または障害を治療する、またはその重症度を軽減する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、上記方法は、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫介在性疾患、骨疾患、代謝疾患、神経疾患、神経変性疾患、心血管疾患、ホルモン関連疾患、アレルギー、喘息、およびアルツハイマー病から選択される状態を治療または予防するために用いられる。他の実施形態では、上記状態は、増殖性疾患および神経変性障害から選択される。
本願の1つの態様は、過剰または異常な細胞増殖を特徴とする疾患、障害、および状態の治療に有用な化合物、組み合わせ、および組成物を提供する。そのような疾患としては、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、および神経変性疾患が挙げられるが、これらに限定はされない。増殖性疾患および過剰増殖性疾患の例としては、がんが挙げられるが、これに限定はされない。用語「がん」は、以下のがんを包含するが、これらに限定はされない:乳がん;卵巣がん;子宮頸部がん;前立腺がん;精巣がん、尿生殖路がん;食道がん;喉頭がん、グリア芽腫;神経芽細胞腫;胃がん;皮膚がん、角化棘細胞腫;肺、類表皮癌、大細胞癌、小細胞癌、肺腺癌;骨がん;結腸がん;結腸直腸がん;腺腫;膵がん、腺癌;甲状腺がん、濾胞状癌、未分化癌、乳頭状癌;精上皮腫;メラノーマ;肉腫;膀胱癌;肝癌および胆道がん;腎癌;骨髄系障害;リンパ系障害、ホジキン病、有毛細胞がん;頬側口腔および咽頭(口腔)、唇、舌、口、咽頭のがん;小腸がん;結腸直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳がん、および中枢神経系がん;慢性骨髄性白血病(CML)、および白血病。用語「がん」は、以下のがんを包含するが、これらに限定はされない:骨髄腫、リンパ腫、または以下から選択されるがん:胃がん、腎がん、頭頸部がん、中咽頭(oropharangeal)がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、子宮内膜がん、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫、および肺がん。
用語「がん」は、腫瘍、新生物、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫などの、悪性新生細胞の増殖によって引き起こされたあらゆるがんを指す。例えば、がんとしては、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:中皮腫、白血病およびリンパ腫、例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、非皮膚性末梢性T細胞リンパ腫、ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV)が関連するリンパ腫、例えば、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)、B細胞リンパ腫、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、または肝細胞癌。さらなる例として、以下が挙げられる:骨髄異形成症候群(myelodisplastic syndrome)、小児固形腫瘍、例えば、脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨腫瘍、および軟部組織肉腫、成人によく見られる固形腫瘍、例えば、頭頸部がん(例えば、口腔がん、喉頭がん、鼻咽頭がん、および食道がん)、尿生殖器系がん(例えば、前立腺がん、膀胱がん、腎がん、子宮がん、卵巣がん、精巣がん)、肺がん(例えば、小細胞がんおよび非小細胞)、乳がん、膵がん、メラノーマおよび他の皮膚がん、胃がん、脳腫瘍、ゴーリン症候群に関連した腫瘍(例えば、髄芽細胞腫、髄膜腫など)、並びに肝臓がん。主題の化合物により治療できるがん形態のさらなる例として、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:骨格筋または平滑筋のがん、胃がん、小腸のがん、直腸癌、唾液腺のがん、子宮内膜がん、副腎がん、肛門がん、直腸がん、副甲状腺がん、および下垂体がん。
本明細書に記載の化合物、組み合わせ、および組成物が予防、治療、および研究において有用であり得るさらなるがんは、例えば、結腸癌、家族性腺腫性ポリポーシス癌(familiary adenomatous polyposis carcinoma)、および遺伝性非ポリポーシス結腸直腸がん、またはメラノーマである。さらに、がんとしては以下が挙げられるが、これらに限定はされない:口唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺がん(髄様癌および甲状腺乳頭癌)、腎癌、腎実質癌、子宮頸部癌、子宮体部癌、子宮内膜癌、絨毛膜癌、精巣癌、泌尿器系癌、メラノーマ、脳腫瘍、例えば、グリア芽腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄芽細胞腫および末梢性神経外胚葉性腫瘍、胆嚢癌、気管支癌、多発性骨髄腫、基礎細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜メラノーマ(choroidea melanoma)、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫(craniopharyngeoma)、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、および形質細胞腫。本願の1つの態様において、本願は、本明細書で開示される各種がんを含むがこれらに限定はされない、がんの治療のための医薬品の製造における本願の化合物、組み合わせ、および組成物の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、本願の化合物、組み合わせ、および組成物は、結腸直腸がん、甲状腺がん、乳がん、および肺がんなどのがん;並びに、真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、若年性骨髄単球性白血病、および全身性マスト細胞疾患などの骨髄増殖性疾患の治療に有用であり得る。いくつかの実施形態では、本願の化合物、組み合わせ、および組成物は、造血障害、特に、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性前骨髄球性白血病、および急性リンパ性白血病(ALL)の治療に有用である。
本願は、過形成、異形成および前がん病変などの細胞増殖性疾患の治療または予防をさらに包含する。形成異常は、病理医が生検で認識可能な最も早期の前がん病変形態である。主題の化合物、組み合わせ、および組成物は、上述の過形成、異形成または前がん病変が拡大し続けることまたはがん性になることを抑制する目的で、投与することができる。前がん病変の例は、皮膚、食道組織、胸部、および頸部の上皮内組織に生じ得るものである。
神経変性疾患の例として、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:副腎脳白質ジストロフィー(ALD)、アレキサンダー病、アルパース病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)、毛細血管拡張性運動失調、バッテン病(別名シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン病)、ウシ海綿状脳症(BSE)、カナバン病、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、前頭側頭葉変性症、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、レビー小体型認知症、神経ボレリア症、マシャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)、多系統萎縮症、多発性硬化症、ナルコレプシー、ニーマン・ピック病、パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性核上性麻痺、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、悪性貧血に続発する亜急性連合性脊髄変性症、シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン病(別名バッテン病)、脊髄小脳失調症(特徴が異なる複数の型)、脊髄性筋萎縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、脊髄癆、および中毒性脳症。
本願の別の態様は、それを必要とする対象に有効量の本願の化合物、組み合わせ、または組成物を投与することを含む、増殖性疾患、過剰増殖性疾患(hyperproliterative disease)、または神経変性疾患から選択される疾患を治療する、またはその重症度を軽減するための方法を提供する。他の実施形態では、上記方法は、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
本願の化合物、組み合わせ、および組成物は、生物試料中においても有用である。本願の1つの態様は、生物試料中のタンパク質キナーゼ活性の阻害に関するものであり、この方法は、生物試料を、本願の化合物、組み合わせ、および組成物または上記の化合物、組み合わせ、および組成物を含む組成物と接触させることを含む。用語「生物試料」とは、本明細書で使用される場合、インビトロ試料またはエキソビボ試料を意味し、例えば、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から採取された生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、もしくは他の体液、またはその抽出物が挙げられるが、これらに限定はされない。生物試料中のタンパク質キナーゼ活性の阻害は、当業者に公知の種々の目的に有用である。そのような目的の例としては、輸血、臓器移植、および生物標本の貯蔵が挙げられるが、これらに限定はされない。
本願の別の態様は、生物学的現象および病理学的現象におけるキナーゼの研究;係るプロテインキナーゼが介在する細胞内シグナル伝達経路の研究;並びに、新規プロテインキナーゼ阻害剤の比較評価に関する。そのような用途の例としては、酵素アッセイおよび細胞ベースアッセイなどの生物学的アッセイが挙げられるが、これらに限定はされない。
キナーゼ阻害剤としての本願の化合物、組み合わせ、および組成物の活性は、インビトロ、インビボ、または細胞株においてアッセイすることができる。インビトロアッセイ法には、活性化型キナーゼのキナーゼ活性またはATPアーゼ活性の阻害を求めるアッセイが含まれる。別の(alternate)インビトロアッセイ法は、阻害剤のプロテインキナーゼに結合する能力を定量化するものであり、阻害剤を放射標識してから結合させ、阻害剤/キナーゼ複合体を単離し、結合した放射性標識の量を求めることにより、あるいは、公知の放射性リガンドに結合したキナーゼと共に新たな阻害剤をインキュベートする競合実験を行うことにより、測定することができる。各種キナーゼの阻害剤として本願で使用された化合物、組み合わせ、および組成物の詳細なアッセイ条件は下記の実施例に記載する。
医薬組成物
別の態様では、本願は、本明細書で開示される組合せ医薬製剤を、薬剤的に許容できる担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本願は、本明細書で開示される組合せ医薬製剤と、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤とを、薬剤的に許容できる担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
本願の組合せ医薬製剤および化合物は、医薬組成物として、従来のあらゆる経路で投与することができ、特に経腸的に、例えば、錠剤もしくはカプセル剤の形態などで経口的に、または注射剤もしくは懸濁剤の形態などで非経口的に、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、もしくはクリーム剤の形態、または経鼻もしくは坐剤形態などで局所的に、投与することができる。本願の組合せ医薬製剤を、少なくとも1つの薬剤的に許容できる担体または賦形剤と共に含む医薬組成物は、混合法、造粒法、またはコーティング法によって、従来の方法で製造することができる。例えば、経口用組成物は、有効成分と以下を含む錠剤またはゼラチンカプセルとすることができる:a)賦形剤、例えば、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール;錠剤用に、c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンのり、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン;必要であれば、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;並びに/またはe)吸収剤、着色剤、加香剤、および甘味料。注射用組成物は、水性の等張液または懸濁剤とすることができ、坐剤は、脂肪性の乳剤または懸濁剤から調製することができる。これらの組成物は、滅菌してもよく、さらに/あるいは、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、溶解補助剤、浸透圧を調節するための塩、および/または緩衝剤などの補助剤を含有させてもよい。さらに、これらの組成物は、他の治療に役立つ物質を含有してもよい。経皮投与に好適な製剤は、有効量の本願の化合物または組み合わせを担体と共に含む。担体としては、受容者の皮膚の通過を補助する吸収性の薬理学的に許容できる溶剤を挙げることができる。例えば、経皮デバイスは、バッキング部材と、上記の化合物または組み合わせおよび所望により担体を含有するリザーバー部と、所望により、長期間に亘り制御された所定の速度で化合物または組み合わせを受容者の皮膚に送達するための速度制御用バリア部と、当該デバイスを皮膚に固定するための手段と、を含む、包帯形態のデバイスである。マトリックス型経皮製剤を用いることもできる。皮膚および目などへの局所投与に好適な製剤は、好ましくは、当該技術分野において周知の水溶液、軟膏剤、クリーム剤、またはゲル剤である。そのような製剤は、溶解補助剤、安定剤、張性増強剤、緩衝剤、および保存剤を含有してもよい。
本願の組合せ医薬製剤、化合物、および組成物は、1または複数の治療薬(組合せ医薬製剤)またはモダリティ、例えば、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤、非薬物療法など、との併用療法において、治療有効量で投与することができる。例えば、EGFRの二量体形成を抑制する薬剤、他の抗増殖性物質、抗がん性物質、免疫調節性物質、または抗炎症性物質と、相乗効果が生じ得る。本願の組合せ医薬製剤、化合物、および組成物を他の治療法と併用して投与する場合、併用投与される化合物の用量は、使用される併用薬の種類、使用される特定の薬剤、治療対象の状態などによって、当然異なる。
併用療法は、1または複数の他の生物学的に活性な成分(例えば、限定はされないが、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤、第二の異なる抗悪性腫瘍薬)および非薬物療法(例えば、限定はされないが、外科手術または放射線治療)をさらに組み合わせて、主題の組合せ医薬製剤、 化合物、および組成物の投与を含む。例えば、本願の組合せ医薬製剤、 化合物、および組成物は、他の薬剤的に活性な化合物と組み合わせて使用することができ、本願の組合せ医薬製剤、 化合物、および組成物の効果を増強することができる化合物と組み合わせて使用することが好ましい。本願の組合せ医薬製剤、 化合物、および組成物は、他の薬物療法または治療モダリティに対して、同時に(単一調製または別々の製剤として)または順次に、投与することができる。一般に、併用療法とは、一回の治療サイクルまたは治療過程における、2種以上の薬剤の投与が企図される。
本願の1つの態様において、上記の組合せ医薬製剤、化合物、および組成物は、EGFRの二量体形成を抑制する1または複数の薬剤と組み合わせて投与することができる。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
本願の別の態様では、上記の組合せ医薬製剤、化合物、および組成物は、1または複数の別の医薬品、例えば、化学療法剤、免疫療法剤、または補助療法剤と組み合わせて投与することができる。1つの実施形態では、化学療法剤は、ATPのEGFRとの結合を抑制または阻害するものである(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブ、ネラチニブ(nerabinib)、CL−387785、AZD9291、CO−1686、またはWZ4002)。
本願の医薬組成物は、一緒に製剤化された、治療有効量の本願の組合せ医薬製剤と、1または複数の薬剤的に許容できる担体とを含む。本明細書で使用される場合、用語「薬剤的に許容できる担体」とは、あらゆる種類の、無毒の、不活性な、固体、半固体または液体の、増量剤、賦形剤、封入材、または製剤助剤を意味する。本願の医薬組成物は、ヒトおよび他の動物に、経口投与、経直腸投与、非経口投与、大槽内投与、腟内投与、腹腔内投与、局所投与(散剤、軟膏剤、または滴剤による)、頬側投与によって、または口腔スプレーもしくは鼻内スプレーとして、投与することができる。他の実施形態では、上記組成物は、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、抗体である。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ、またはパニツムマブである。別の実施形態では、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤は、セツキシマブである。
経口投与用の液体剤形は、薬剤的に許容できる乳剤、マイクロエマルション、水剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般に使用される不活性な賦形剤を含有してよく、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(具体的には、綿実油、落花生油、トウモロコシ油(com)、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ソルビタン脂肪酸エステルポリエチレングリコールエーテル、並びにこれらの混合物などである。不活性な賦形剤に加えて、経口用組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などの補助剤も含むことができる。
注射用製剤、例えば無菌の注射用の水性または油性の懸濁剤を、好適な分散剤または湿潤剤と懸濁化剤とを用いて、公知の技術に基づいて製剤化することができる。この無菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の無菌注射用の溶液、懸濁液、または乳濁液、例えば1,3−ブタンジオール溶液、としてもよい。使用できる許容できる担体およびビヒクルとして、水、リンゲル液(米国薬局方)、および等張食塩水が挙げられる。加えて、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁媒として従来より使用されている。この目的のために、あらゆる無菌不揮発性油を使用することができ、例えば合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製で使用される。
薬剤の効果を延長するため、多くの場合、皮下注射または筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶性または非晶質の物質の液体懸濁液を用いることで達成されてもよい。薬剤の吸収速度は薬剤の溶解速度に依存するが、この溶解速度は結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、薬剤を油性ビヒクルに溶解または懸濁することで、非経口投与剤形の吸収遅延が達成される。
直腸投与または膣内投与用の組成物は、本願の組合せ医薬製剤または化合物をカカオ脂、ポリエチレングリコールなどの好適な非刺激性の医薬品添加物もしくは担体と混合することにより調製できる坐剤、または、周囲温度で固体であるが、体温の温度では液体であるために、直腸または腟腔で融解し、活性化合物を放出する、座薬ワックスであることが好ましい。
同様の種類の固体組成物が、ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの医薬品添加物を用いた、軟ゼラチンカプセル形態および硬ゼラチンカプセル形態の賦形剤としても使用できる。
有効成分は、上記の医薬品添加物を1または複数含んだマイクロカプセル形態とすることもできる。錠剤、糖剤、カプセル剤、丸剤、および粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬品製剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルにより調製することができる。このような固体剤形では、有効成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合してもよい。このような剤形は、通例のように、不活性な賦形剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化用滑沢剤、並びにステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの他の錠剤化用補助剤、を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形として緩衝剤が含まれてもよい。
本願の医薬組成物、化合物、または組成物の局所投与用剤形または経皮投与用剤形としては、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、水剤、噴霧剤、吸入剤または貼付剤が挙げられる。有効成分は、無菌条件下で、薬剤的に許容できる担体と、必要であれば、必要な任意の保存剤または緩衝液と、混合される。点眼剤、点耳剤、眼軟膏、散剤および水剤も本願の範囲に含まれるものとして企図される。
軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤は、有効成分に加えて、動物性脂肪、植物性脂肪、油、ろう、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛などの医薬品添加物、またはこれららの混合物、を含有してもよい。
散剤および噴霧剤は、有効成分に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミドの粉末などの医薬品添加物、またはこれらの物質の混合物、を含有することができる。噴霧剤はさらに、クロロフルオロ炭化水素などの従来の噴射剤を含有することができる。
経皮パッチには、身体への有効成分の制御送達を可能にするという追加の利点がある。このような剤形は、有効成分を適切な媒体に溶解または分注することで作製することができる。皮膚を通した組合せ医薬製剤または化合物の流れを増加するために、吸収促進剤を使用することもできる。この速度は、速度制御用の膜を設けることにより、または組合せ医薬製剤もしくは化合物を高分子マトリックスまたは高分子ゲル中に分散することにより、制御することができる。
用語「治療有効量」とは、本明細書で使用される場合、対象における障害の症状を低減するのに十分な量の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物を意味する。医療分野では十分に理解されることであるが、治療有効量の本願の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物は、合理的なリスク/ベネフィット比で、いかなる内科療法にも適用が可能である。
通常、本願の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物は、単独で、または1もしくは複数の治療薬と組み合わせて、当該技術分野において公知の有用且つ許容できる様式のいずれかを介して、治療有効量で投与されることとなる。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、並びに他の要因に基づいて大きく異なり得る。通常、約0.03〜2.5mg/kg体重を毎日全身投与することで、満足のいく結果が得られることが示されている。より大型の哺乳動物、例えばヒト、に指示される1日の投与量は、約0.5mg〜約100mgの範囲内であり、例えば、1日4回までの分割量で、または徐放形態(retard form)で投与されることが好都合である。経口投与に適した単位剤形は、およそ1〜50mgの有効成分を含む。
ある特定の実施形態では、本願の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物の治療量または用量は、約0.1mg/Kg〜約500mg/Kg、あるいは約1〜約50mg/Kgの範囲を取り得る。通常、本願における治療レジメンは、そのような治療を必要としている患者に約10mg/日〜約1000mg/日の本願の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物を単回投与または複数回投与で投与することを含む。治療量または用量は、投与経路、および他の薬剤との併用の可能性にも基づいて変わることとなる。
対象の状態が改善した後、必要であれば、維持量の本願の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物を投与してもよい。その後、投与量もしくは投与頻度、またはその両方を、症状に応じて、改善した状態が保持される値まで減少させてもよく、症状が所望のレベルにまで軽減された場合は治療を中止するべきである。しかし、対象は、病気の症状が再発した場合、長期的な間欠的治療が必要となる場合がある。
しかしながら、本願の組合せ医薬製剤、化合物、または組成物の1日の総使用量は、合理的な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることを理解されたい。任意の特定の患者に対する特定の阻害用量は、治療される障害およびその障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事;使用される特定の化合物の投与時期、投与経路、および排泄速度;治療期間;使用される特定の有効成分と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤;並びに医学分野で周知の同様の要因を含む、種々の要因に依存することとなる。
「同時投与」または「併用投与」などの用語は、本明細書で使用される場合、選択された治療薬の1人の患者への投与を包含することが意図され、薬剤が必ずしも同じ投与経路で、または同時に投与されなくてもよい、治療レジメンを包含することが意図される。
用語「組合せ医薬製剤」とは、本明細書で使用される場合、2種以上の有効成分を混合または組み合わせることで得られる製品を意味し、有効成分が固定された組み合わせである場合と、固定されていない組み合わせである場合の両方を包含する。用語「固定された組み合わせ」とは、有効成分、例えば、アロステリックEGFR阻害剤、および補助薬剤、例えば、ATP競合的EGFR阻害剤、の両方が単一実体または単回投与の形態で同時に患者に投与されることを意味する。用語「固定されていない組み合わせ」とは、有効成分、例えば、アロステリックEGFR阻害剤、および補助薬剤、例えば、ATP競合的EGFR阻害剤、の両方が、別々の実体として、特に時間の制限なく、同時に、並行して、または順次に患者に投与されることであって、患者の身体に治療効果のあるレベルの当該2種の有効成分を与える投与を意味する。後者はカクテル療法、例えば3種またはそれ以上の種類の有効成分の投与、にも適用される。
薬剤的に許容できる担体として働くことができる物質のいくつかの例として、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ろう、ポリエチレンポリオキシプロピレン−ブロック重合体、羊毛脂、糖類、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびセルロースアセテート;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;医薬品添加物、例えば、カカオ脂および座薬ワックス、油、例えば、ピーナッツ油、綿実油;サフラワー油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油;グリコール;例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱性物質除去水、等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、並びに他の無毒の相溶性の滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤(これらは処方者の判断に基づいて上記組成物中に含ませることができる)。プロテインキナーゼ阻害剤または医薬品としてのその塩は、動物またはヒトへの投与用の医薬組成物に製剤化することができる。これらの医薬組成物は、プロテインキナーゼ仲介性の状態を治療または予防するのに効果的な量のタンパク質阻害剤と薬剤的に許容できる担体とを含んでおり、本願の他の実施形態である。
以下の実施例および合成スキームで本願のさらなる例示がなされるが、これらは、本明細書に記載される特定の方法に、範囲および精神の点において、本願を限定するものと解釈されるべきではない。これらの例は特定の実施形態を例示するために提供されており、それによる本願の範囲に対する限定は意図されていないことを理解されたい。さらに、本願の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者には自ずから示唆され得る様々な他の実施形態、変更形態、およびそれらの均等物を講じることができることを理解されたい。
分析法、材料、および計測手段
特に記載がない限り、出発物質、試薬、および溶媒は商業的供給業者から購入し、さらなる精製なしで使用した。全ての反応は、Acquity UPLC(登録商標)BEH C18カラム(2.1×50mm、1.7μm粒径)を備えたウォーターズ社製Acquity UPLC/MSシステム(ウォーターズ社製PDA eλ検出器、QDa検出器、サンプルマネージャ−FL、バイナリーソルベントマネージャ)でモニターした:溶媒の勾配=0分の時点で85%のA、1.6分の時点で1%のA;溶媒A=0.1%ギ酸水溶液;溶媒B=アセトニトリル中0.1%ギ酸;流速:0.6mL/分。反応産物は、テレダイン・イスコ社製RediSep(登録商標)Rfカラム(4g、12g、24g、40g、または80g)を備えたCombiFlash(登録商標)Rfと、SunFire(商標)Prep C18カラム(19×100mm、5μm粒径)を備えたウォーターズ社製HPLCシステムとを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した:溶媒勾配=0分の時点で80%のA、25分の時点で10%のA;溶媒A=0.035%TFA水溶液;溶媒B=MeOH中0.035%TFA;流速:25mL/分。H NMRスペクトルを500MHz ブルカー社製Avance III分光計で記録した。化学シフト値は、テトラメチルシラン(TMS)の低磁場側の百万分率(ppm、δ)として報告されている。結合定数(J)はHz単位で報告されている。スピン多重度は、br(ブロード)、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、およびm(マルチプレット)として記載されている。
以下の実施例および本明細書中の他の場所で使用される略語は以下である:
atm 気圧
br ブロード
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
HCl 塩酸
h 時間
HATU ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロ−フォスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
m 多重線
MeOH メタノール
MHz メガヘルツ
min 分
MS 質量分析
NMR 核磁気共鳴
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
ppm 百万分率
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
Xphos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル
実施例1:中間体Iの合成
Figure 2021514398
工程1:メチル 2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)アセテート
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中のメチル 2−アミノ−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)アセテートヒドロクリリド(250mg、1.06mmol)およびメチル 2−(ブロモメチル)ベンゾエート(243mg、1.06mmol)の溶液に、DIEA(0.55ml、3.18mmol)を0℃で添加した。80℃で12時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を水で5回洗浄し、ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM中0〜20%メタノール)で精製することにより、褐色の固体としてメチル 2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)アセテート(200mg、60%)を得た。
工程2:メチル 2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)アセテート
無水CHCl(1ml)中のメチル 2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)アセテート(20mg、0.063mmol)の溶液に、DIEA(27μl、0.158mmol)およびMOMCl(10μl、0.127mmol)を0℃で添加した。2時間撹拌した後、反応混合物を水およびブラインで希釈および洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EtOAc=80:20〜30:70)で精製することにより、オフホワイトの固体としてメチル 2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)アセテートを得た(19mg、82%)。
工程3:2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)酢酸
THF/MeOH/水中のメチル 2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)アセテート(50mg、0.139mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(29mg、0.696mmol)を添加した。1時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を氷水で希釈した。この水性混合物を濃塩酸で酸性化し、得られた懸濁液を濾過で分離した。固体を窒素ガス流で乾燥させることで、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)酢酸(48mg、定量的)を得た。
工程4:2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(1.5ml)中の2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)酢酸(80mg、0.463mmol)、チアゾール−2−アミン(46mg、0.463mmol)、およびHATU(220mg、0.580mmol)の溶液に、DIPEA(0.16ml、0.926mmol)を添加した。6時間撹拌した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で5回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製することで、2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(71mg、72%)を得た。
工程5:2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
CHCl(1.6ml)中の2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(80mg、0.187mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.4ml)を0℃で添加した。4時間撹拌した後、反応混合物をCHClで希釈し、飽和NaHCOで抽出した。水層を飽和NaHCOでさらに塩基性化し、CHClで3回抽出した。次に、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCで精製することで、白色の固体として2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(39mg、55%)を得た。
実施例2:化合物Aの合成
Figure 2021514398
工程1:メチル 2−(5−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)アセテート
N,N−ジメチルホルムアミド(120mL)中のメチル 2−アミノ−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)アセテートヒドロクリリド(2.80g、13.92mmol)およびメチル 5−ブロモ−2−(ブロモメチル)ベンゾエート(3.90g、12.66mmol)の溶液に、DIEA(6.60mL、37.98mmol)を0℃で添加した。80℃で12時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を水で5回洗浄し、ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM中0〜20%メタノール)で精製することにより、褐色の固体としてメチル 2−(5−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)アセテート(3.28g、72%)を得た。
工程2:メチル 2−(6−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)アセテート
DCM(5mL)中のメチル 2−(5−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)アセテート(350mg、0.90mmol)およびDIEA(0.47mL、2.70mmol)の溶液に、クロロメチルメチルエーテル(0.17mL、2.25mmol)を0℃で滴加した。40℃で6時間撹拌した後、反応混合物をDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM中0〜20%メタノール)で精製することにより、オフホワイトの固体としてメチル 2−(6−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)アセテート(363mg、92%)を得た。
工程3:2−(5−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)酢酸
2−(5−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)酢酸を、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)酢酸の合成に用いた手順で作製した。
工程4:2−(6−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
2−(6−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミドを、2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミドの合成に用いた手順で作製した。
工程5:2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソ−6−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)イソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
10秒間の超音波処理による脱気後、ジオキサン(13mL)中の2−(6−ブロモ−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(2.00g、3.95mmol)、1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピペラジン ヒドロクロリド(1.54g、4.74mmol)、および2N炭酸ナトリウム(5.9mL、11.9 mmol)の混合物を、100℃で20分間予熱した。その後、この反応混合物に、PdCl(dppf)(293mg、0.40mmol)およびXphos(286mg、0.60mmol)を慎重に添加した。100℃で8時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、セライト濾過にかけた。濾液をDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーDCM:MeOH=100:0〜80:20)で精製することにより、褐色の固体として2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソ−6−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)イソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミドを得た(1.69g、73%)。
工程6:2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソ−6−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)イソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソ−6−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)イソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミドを、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−(1−オキソイソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミドの作製に用いた同様の手順で合成した(化合物A)。
MS m/z : 543.89 [M+1]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.62 (br s, NH), 10.00 (br s, OH), 7.90 - 7.86 (m, 3H), 7.69 - 7.65 (m, 2H), 7.62 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 3H), 6.94 (dd, J = 4.9, 8.9 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 3.1, 9.2 Hz, 1H), 6.34 (s, 1H), 4.64 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 4.02 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 3.46 - 3.42 (m, 4H), 3.27 - 3.23 (m, 4H), 2.56 (br s, NH)。
実施例3:ビオチン結合型の化合物Aの合成
Figure 2021514398
工程1:tert−ブチル(2−(4−(4−(2−(1−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−オキソ−2−(チアゾール−2−イルアミノ)エチル)−3−オキソイソインドリン−5−イル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エチル)カルバメート
ジオキサン(2mL)中の2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(1−オキソ−6−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)イソインドリン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(90mg、0.15mmol)およびtert−ブチル(2−ブロモエチル)カルバメート(34mg、0.15mmol)の溶液に、DIEA(53μl、0.31mmol)を添加した。80℃で12時間撹拌した後、得られた混合物をDMSOで希釈し、分取HPLCで精製することにより、オフホワイトの固体としてtert−ブチル(2−(4−(4−(2−(1−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−オキソ−2−(チアゾール−2−イルアミノ)エチル)−3−オキソイソインドリン−5−イル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エチル)カルバメート(87mg、78%)を得た。
LC/MS (ESI) m/z 731.84 [M+H]+。
工程2:化合物A−ビオチン複合体(N−(15−(4−(4−(2−(1−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2−(チアゾール−2−イルアミノ)エチル)−3−オキソイソインドリン−5−イル)フェニル)ピペラジン−1−イル)−12−オキソ−3,6,9−トリオキサ−13−アザペンタデシル)−5−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド)
ジオキサン(1mL)中のtert−ブチル(2−(4−(4−(2−(1−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−オキソ−2−(チアゾール−2−イルアミノ)エチル)−3−オキソイソインドリン−5−イル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エチル)カルバメート(87mg、0.12mmol)の溶液に、4M塩酸/ジオキサン溶液(3mL)を添加した。6時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮することで、2−(6−(4−(4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−オキソイソインドリン−2−イル)−2−(5−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル)−N−(チアゾール−2−イル)アセトアミド塩酸塩を得て、さらなる精製無しで次の工程に用いた。
LC/MS (ESI) m/z 587.66 [M+H]+。
この未精製化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解し、得られた混合物を0℃に冷却した。この混合物に、DIEA(0.06mL、0.36mmol)を慎重に添加した後、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 14−オキソ−18−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)−4,7,10−トリオキサ−13−アザオクタデカノエート(62mg、0.11mmol)を添加した。30分間撹拌した後、反応混合物をDMSOで希釈し、分取HPLCで精製することで、オフホワイトの固体として化合物A−ビオチン複合体(29mg、25%、2工程)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.61 (br s, 1H), 10.03 (s, 1H), 8.22 (br s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.87 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1H), 7.83 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.14 - 7.09 (m, 3H), 6.93 (dd, J = 8.9, 4.9 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 9.2, 3.4 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.63 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 4.15 - 4.09 (m, 1H), 4.01 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 3.92 (br s, 2H), 3.62 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.55 - 3.32 (m, 14H), 3.39 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.27 - 3.13 (m, 4H), 3.18 (q, J = 5.8 Hz, 2H), 3.11 - 3.04 (m, 1H), 2.81 (dd, J = 12.5, 5.2 Hz, 1H), 2.57 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 2.37 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.06 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.66 - 1.55 (m, 1H), 1.55 - 1.39 (m, 3H), 1.36 - 1.20 (m, 2H); LC/MS (ESI) m/z 1016.58 [M+H]+。
実施例4:生物学的/生化学的研究
細胞生存率アッセイ
H3255GR細胞を漸増濃度の阻害剤で72時間処理し、以前に確立された方法(Engelman et al., 2006; Ercan et al., 2015; Zhou et al., 2009)に従ったMTSアッセイにより増殖または増殖阻害を評価した。全ての実験ポイントは6つのテクニカルレプリケートとして設定し、全ての実験は少なくとも3回反復した。
ウェスタンブロッティング
EGFRおよびその下流経路に対する化合物の効果を評価するため、NIH−3T3細胞、H1975細胞、H3255GR細胞を、4時間処理した後、プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を添加したNP40細胞溶解バッファーで溶解し、その後、タンパク質の定量を行った。20μgのライセートをウェスタンブロッティング分析に用いた。EGF存在下での化合物Aの作用を調べる実験において、細胞を、10ng/mlのEGFで15分間で処理した後、薬剤で4時間処理し、その後、上記のように溶解してタンパク質を定量した。全ての実験は少なくとも3回行った。
ビオチン化された薬剤のプルダウンアッセイ
インビトロのプルダウンアッセイでは、細胞を、用量漸増のWZ−4002(化合物O)で2時間処理した後、溶解し、タンパク質を定量した。上記のプルダウンアッセイと同時に、15〜20μgのタンパク質ライセートを分取しロードすることで、EGFRタンパク質の存在、リン酸化EGFR活性を確認した。チューブリンの発現を評価することで、ゲルに等しくローディングが行われていることを確認した。500μgのタンパク質を、ビオチン化されたリンカー(対照)またはビオチン化された化合物Aと2時間インキュベートした後、50%NeutrAvidinアガロースビーズ(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社)スラリーを添加し1時間放置したところ、ビオチン化されたアロステリック阻害剤に結合したEGFRが沈殿した。次に、ビーズを1%IGEPAL含有PBSで3回洗浄し、インスリン注射器を用いて無関係なバッファーを除去した後、サンプルをウェスタンブロッティング分析用の2X SDSサンプル調製用バッファーに懸濁させた。全ての実験は少なくとも3回行った。
ENUによる突然変異誘発
N−エチル−N−ニトロソウレア(ENU)をシグマ・アルドリッチ社から購入し、以前の報告(Ercan et al., 2015)の通りに突然変異誘発試験を実施した。簡潔に説明すると、1×10細胞/mlのL858R Ba/F3細胞およびL858R/T790M Ba/F3細胞を、50μg/mlのENUで24時間処理した後、RPMI培地で3回洗浄し、3日間増殖させた。1×10細胞/ウェルを96ウェルに播種し、条件毎に5枚のプレートに播種した。これらの細胞を、DMSO、1μMのゲフィチニブ、1μMの化合物O、10μMの化合物Aを単独で、またはゲフィチニブ/化合物Aもしくは化合物O/化合物Aの薬剤併用で、4週間持続的に処理し、培地と薬剤は週1回交換した。細胞増殖をモニターし、耐性クローンの数を計数し、増殖させた。
IncuCyte試験
細胞培養密度試験では、H3255GR細胞を、各種阻害剤で処理し、IncuCyte生細胞イメージングシステム(エッセン・バイオサイエンス社)を用いた自動顕微鏡観察法によりモニターした。所与のウェルの3枚の画像から、細胞が占める面積率を平均することで、培養密度を2時間毎に72時間測定した。アポトーシス試験では、細胞を、CellEvent(商標)Caspase 3/7 Green ReadyProbes(登録商標)試薬(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社)を含有する培地中でのインキュベート下、阻害剤で処理し、上記のイメージングシステムを用いて緑色蛍光活性の変化をモニターした。アポトーシスを表すカスパーゼ3/7陽性として、ウェル毎に3枚の画像から緑色に染色された物体の平均数をカウントし、2時間毎に72時間記録した。全ての実験条件は少なくとも6つのレプリケートとして設定し、全ての実験は少なくとも3回実施した。
インビボ試験
全ての交配、マウス飼育、およびインビボ実験は、ダナ・ファーバーがん研究所(ボストン、マサチューセッツ州)の実験動物委員会の承認の下で実施した。
H1975異種移植片試験では、Nu/Nuマウスをチャールス・リバー・ラボラトリーズ・インターナショナル社から購入した。H1975細胞はチャールス・リバー・ラボラトリーズ・インターナショナル社での検出では無菌であり、これを、等量のMatrigel(BDバイオサイエンス社)と混合した無血清培地に懸濁した。マウスに、マウス毎に2箇所、両側腹部に2×10細胞/投与で注射した。マウスを無作為に群分けし、腫瘍サイズが100〜200mmに達してから処置を開始した。各コホートには少なくとも5匹のマウスが含まれた。腫瘍サイズを毎週モニターし、下記式を用いて体積を算出した:(mm)=長さ×幅×幅×0.5。
試験実施後のマウスにおけるEGFR活性を評価するため、薬力学(PD)研究用に最終投与の3時間後に腫瘍を摘出した。腫瘍を液体窒素で急速冷凍することで組織の完全性を保存し、プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を添加したRIPA緩衝液中でホモジナイズした。タンパク質を定量し、20μgのライセートをウェスタンブロッティング分析に用いた。
H1975異種移植片試験では、化合物Aを5%NMP(5%1−メチル−2−ピロリジノン:95%PEG−300)に溶解した。化合物Aは100mg/kgで1日1回経口投与した。化合物Oは0.5%HMPC(0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース:99.5%0.05N塩化水素)に溶解した。マウスには、25mg/kgの化合物Oを1日1回経口投与した。
均等論
当業者であれば、本明細書に具体的に記載された特定の実施形態の多くの均等物を認識し、あるいは、通例の実験のみを用いて確認することができる。そのような均等物は以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (72)

  1. アロステリックEGFR阻害剤とATP競合的EGFR阻害剤とを含む組合せ医薬製剤であって、
    前記アロステリックEGFR阻害剤が、式Iの化合物、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、
    前記ATP競合的EGFR阻害剤が、式I’の化合物、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、
    式中、
    は、炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アリールまたはヘテロアリールは1または複数のR11で置換されており;
    11は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、OH、CN、C(O)R13、C(O)OR13、C(O)NR1314、NR1314、炭素数3〜7のシクロアルキル、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、1または複数のR12で置換されており;
    12は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、OH、CN、炭素数3〜7のシクロアルキル、1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アリールまたはヘテロアリールは、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、炭素数3〜7のシクロアルキル、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルから独立して選択される1または複数の置換基で置換されており;
    13は、それぞれ独立して、H、炭素数1〜4のアルキル、炭素数3〜7のシクロアルキル、または1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルであり、所望により、前記アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルは、炭素数1〜4のアルキル、ハロゲン、OH、NH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルから独立して選択される1または複数の置換基で置換されており;
    14はそれぞれ独立して、Hまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
    はHまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
    はHまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
    はNまたはCRであり;
    は、H、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、NH、OH、またはCNであり;
    は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、NO、NH、OH、またはCNであり;
    は、それぞれ独立して、ハロゲン、炭素数3〜7のシクロアルキル、炭素数4〜7のシクロアルケニル、炭素数6〜10のアリール、NH−炭素数6〜10のアリール、または1個もしくは2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールであり、所望により、前記アリールまたはヘテロアリールは1または複数のRで置換されており;
    は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、C(O)OH、C(O)O−炭素数1〜4のアルキル、C(O)NR、NH、OH、CN、O(CH0−3−炭素数6〜10のアリール、または1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む(CH0−3−ヘテロシクリルであり、所望により、前記ヘテロシクリルは、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のハロアルキル、炭素数1〜4のハロアルコキシ、ハロゲン、およびC(O)O(炭素数1〜4のアルキル)から独立して選択される1または複数の置換基で置換されており;
    はHまたは炭素数1〜3のアルキルであり;
    は、H、またはNH、NH−炭素数1〜4のアルキル、N(炭素数1〜4のアルキル)、および1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含むヘテロシクリルから独立して選択される1もしくは複数の置換基で所望により置換されている炭素数1〜4のアルキルであり;あるいは
    およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、O、およびSから選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を所望により含有する5員または6員のヘテロシクリルを形成しており;
    mおよびnは、それぞれ独立して、0または1であり;
    qは0、1、または2であり;
    pは0、1、2、3、または4であり、
    ただし、mが0であり、nが0であり、pが0であり、qが0であり、XがCHである場合、R
    Figure 2021514398
    になることはなく;
    pが2であり、XがCHであり、1個のRが4−フルオロである場合、その他のRは2−ヒドロキシになることはなく;
    Gは、4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、1H−インドール−3−イル、1−メチル−1H−インドール−3−イル、またはピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルであり;
    O1は、H、F、Cl、メチル、またはCNであり;
    O2は、メトキシまたはメチルであり;
    O3は、(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル、(2−(ジメチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、(2−(メチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、5−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタ−2−イル、(3aR,6aR)−5−メチルヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル、1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル、メチル(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ、メチル(2−(モルフォリン−4−イル)エチル)アミノ、1−アミノ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、または4−((2S)−2−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イルである、
    前記組合せ医薬製剤。
  2. がHである、請求項1に記載の組合せ医薬製剤。
  3. が炭素数1〜3のアルキルである、請求項1に記載の組合せ医薬製剤。
  4. がHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  5. が炭素数1〜3のアルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  6. がNである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  7. がCRである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  8. がHである、請求項1〜5および請求項7のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  9. が炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数1〜4のハロアルキルである、請求項1〜5および請求項7のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  10. が炭素数1〜4のアルコキシまたは炭素数1〜4のハロアルコキシである、請求項1〜5および請求項7のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  11. がハロゲンである、請求項1〜5および請求項7のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  12. がNO、NH、OH、またはCNである、請求項1〜5および請求項7のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  13. 少なくとも1個のRが炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数1〜4のハロアルキルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  14. 少なくとも1個のRが炭素数1〜4のアルコキシまたは炭素数1〜4のハロアルコキシである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  15. 少なくとも1個のRがハロゲンである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  16. 少なくとも1個のRがNO、NH、OH、またはCNである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  17. 少なくとも1個のRがハロゲンであり、少なくとも1個のRがOHである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  18. 1個のRがハロゲンであり、1個のRがOHである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  19. 少なくとも1個のRがハロゲンである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  20. 少なくとも1個のRが炭素数3〜7のシクロアルキルである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  21. 少なくとも1個のRが炭素数4〜7のシクロアルケニルである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  22. 少なくとも1個のRが1または複数のRで所望により置換されている炭素数6〜10のアリールである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  23. 少なくとも1個のRが1または複数のRで所望により置換されているNH−炭素数6〜10のアリールである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  24. 少なくとも1個のRが、1または複数のRで所望により置換されている、1個または2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  25. 少なくとも1個のRが炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数1〜4のハロアルキルである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  26. 少なくとも1個のRが炭素数1〜4のアルコキシまたは炭素数1〜4のハロアルコキシである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  27. 少なくとも1個のRがハロゲンである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  28. 少なくとも1個のRがC(O)OHまたはC(O)O−炭素数1〜4のアルキルである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  29. 少なくとも1個のRがNH、OH、またはCNである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  30. 少なくとも1個のRがC(O)NRである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  31. 少なくとも1個のRがO(CH0−3−炭素数6〜10のアリールである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  32. 少なくとも1個のRが1個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子とを含む(CH0−3−ヘテロシクリルである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  33. が1または複数のR11で所望により置換されている炭素数6〜10のアリールである、請求項1〜32のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  34. が、1または複数のR11で所望により置換されている、1個または2個の5員〜7員の環とN、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子とを含むヘテロアリールである、請求項1〜32のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  35. が以下から選択され:
    Figure 2021514398
    所望により、各部分は1または複数のR11で置換されている、
    請求項1〜32のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  36. mが0である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  37. mが1である、請求項1〜35のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  38. nが0である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  39. nが1である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  40. 前記アロステリックEGFR阻害剤が式IIまたは式IIIの化合物、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、式中
    rは0、1、または2である、
    請求項1に記載の組合せ医薬製剤。
  41. 前記アロステリックEGFR阻害剤が化合物A、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である、
    請求項1に記載の組合せ医薬製剤。
  42. Gが4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルである、請求項1〜41のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  43. Gが1H−インドール−3−イルである、請求項1〜41のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  44. Gが1−メチル−1H−インドール−3−イルである、請求項1〜41のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  45. Gがピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルである、請求項1〜41のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  46. O1がH、F、Cl、またはメチルである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  47. O1がHである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  48. O1がFまたはClである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  49. O1がメチルである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  50. O2がメトキシである、請求項1〜49のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  51. O2がメチルである、請求項1〜49のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  52. O3が(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル、5−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタ−2−イル、(3aR,6aR)−5−メチルヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル、1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル、1−アミノ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、または4−((2S)−2−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イルである、請求項1〜51のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  53. O3が(2−(ジメチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、(2−(メチルアミノ)エチル)−メチルアミノ、メチル(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)アミノ、またはメチル(2−(モルフォリン−4−イル)エチル)アミノである、請求項1〜51のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  54. O3が(2−(ジメチルアミノ)エチル)−メチルアミノまたは(2−(メチルアミノ)エチル)−メチルアミノである、請求項1〜51のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  55. 前記ATP競合的EGFR阻害剤が、式I’aもしくは式I’bの化合物、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である、
    請求項1〜41のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  56. 前記ATP競合的EGFR阻害剤が、化合物O、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である、
    請求項1〜41のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  57. アロステリックEGFR阻害剤とATP競合的EGFR阻害剤とを含む組合せ医薬製剤であって、
    前記アロステリックEGFR阻害剤が、化合物A、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物であり、
    前記ATP競合的EGFR阻害剤が、化合物O、
    Figure 2021514398
    または、その薬剤的に許容できる塩、水和物、もしくは溶媒和物である、
    前記組合せ医薬製剤。
  58. 請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤と、薬剤的に許容できる担体と、を含み、所望により、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と、薬剤的に許容できる担体と、をさらに含む、医薬組成物。
  59. 請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と、請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤と、を含み、所望により、EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤をさらに含む、キット。
  60. それを必要とする対象に、有効量の請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤と、を時間的に近接するように投与すること、または、有効量の請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤を投与すること、を含む、キナーゼを阻害する方法。
  61. 疾患、EGFR標的療法に抵抗性の疾患、その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含むがん、または、がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがん、を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と、有効量の請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤と、を時間的に近接するように投与すること、を含む、または有効量の請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤を投与することを含む、前記方法。
  62. EGFRの二量体形成を抑制する第二の薬剤と、薬剤的に許容できる担体と、を投与することをさらに含む、請求項61または請求項62に記載の方法。
  63. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤と組み合わせて使用される、請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤。
  64. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤との組み合わせの使用。
  65. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤との組み合わせ。
  66. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害する際の、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防する際の、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防する際の、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防する際の、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防する際の、
    請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤との組み合わせの使用。
  67. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    医薬の製造で使用される、請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤との組み合わせ。
  68. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    医薬の製造における、請求項1〜41および請求項57のいずれか一項に記載のアロステリックEGFR阻害剤と請求項1および請求項42〜57のいずれか一項に記載のATP競合的EGFR阻害剤との組み合わせの使用。
  69. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  70. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤の使用。
  71. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    医薬の製造で使用される、請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤。
  72. それを必要とする対象におけるキナーゼを阻害するための、
    それを必要とする対象における疾患を治療もしくは予防するための、
    それを必要とする対象におけるEGFR標的療法に抵抗性の疾患を治療もしくは予防するための、
    その細胞が活性型EGFRもしくは活性型ERBB2を含む、それを必要とする対象におけるがんを治療もしくは予防するための、または
    がんの治療もしくは予防のためにEGFR阻害もしくはERBB2阻害が必要であると特定された対象におけるがんを治療もしくは予防するための、
    医薬の製造における、請求項1〜57のいずれか一項に記載の組合せ医薬製剤の使用。
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