JP2021514261A - 編み組織足場 - Google Patents
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Abstract
外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリ及びそれらの製造方法を提供する。外科用ステープルカートリッジアセンブリと共に使用するための足場及びそれらの製造方法も提供する。
Description
編み組織足場及びそれらの製造方法を提供する。
手術用ステープラは、外科的処置において、組織、血管、導管、シャント、又は特定の処置に関連する他の対象物若しくは身体部位の開口の閉鎖に使用される。開口は、血管内又は胃のような内臓内の通路など、自然に存在するものであってもよく、あるいは、組織若しくは血管穿刺でバイパス若しくは吻合を形成することによって、又はステープル留め処置中の組織切開によってなど、外科的処置中に外科医によって形成されてもよい。
いくつかの外科用ステープラでは、外科医が、ステープル留めされる組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択する必要がある。例えば外科医は、厚い組織に使用するためには背の高いステープルを選択し、薄い組織に使用するためには背の低いステープルを選択し得る。しかしながら、場合によっては、ステープル留めされた組織は、一貫した厚さを有さず、したがって、ステープルは、各ステープル部位において所望の発射構成を達成することができない。その結果、ステープル留めされた部位の全て又はそれらの近くに望ましい密封を形成することができず、これにより、血液、空気、胃腸流体、及び他の流体が、密封されていない部位を通って滲出することを許す。
更に、ステープル、並びにステープル留めのような処置と併せて埋め込まれ得る他の物体及び材料は、一般に、それらが埋め込まれる組織のいくつかの特性を欠いている。例えば、ステープル並びに他の物体及び材料は、それらが埋め込まれる組織の自然な柔軟性を欠いている場合があり、したがって、埋め込み部位における様々な組織内圧力に耐えることができない。これは、望ましくない組織の引き裂き、結果として、ステープル部位若しくはその近くでの漏出、及び/又は並置されたインプラントと組織との間の漏出を引き起こし得る。
したがって、外科用ステープラの現在の問題に対処する改善された器具及び方法が依然として必要とされている。
外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリを提供する。
1つの例示的な実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を含み得、ステープルは、足場を通って足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、足場は、多層構造体である。多層構造体は、マルチフィラメントファイバを有し得る第1の層であって、マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1の層と、カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバから形成され得る第2の層であって、モノフィラメントファイバが、マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有し得る、第2の層と、を含み得る。一態様では、モノフィラメントファイバは、第1の層のマルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続され得る。
いくつかの態様では、マルチフィラメントファイバは、非結合マルチフィラメントファイバであり得る。別の態様では、マルチフィラメントファイバは、第2の層内に存在しないことがある。
いくつかの態様では、多層構造体はまた、マルチフィラメントファイバを有し得る第3の層を含み得、マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分は、カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている。第2の層は、第1の層と第3の層との間に位置付けられ得る。一態様では、モノフィラメントファイバは、第1の層及び第3の層の第1のファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続され得る。別の態様では、足場は、足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成され得る。
マルチフィラメントファイバ及びモノフィラメントファイバは、様々な材料から形成され得る。一態様では、マルチフィラメントファイバは、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成され得る。別の態様では、モノフィラメントファイバは、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成され得る。
別の実施形態では、外科用カートリッジアセンブリが提供され、複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を含み得、ステープルは、足場を通って足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、足場は、多層構造体である。多層構造体は、各々がマルチフィラメントファイバを有する第1及び第2の層であって、マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1及び第2の層と、第1の層と第2の層との間に位置付けられた中間層であって、中間層が、カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバのみから形成され得る、中間層と、を含み得る。モノフィラメントファイバは、マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有し得る。一態様では、モノフィラメントファイバは、第1及び第2の層のマルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続され得る。別の態様では、マルチフィラメントファイバの各々は、非結合マルチフィラメントファイバであり得る。
いくつかの態様では、足場は、足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成され得る。
マルチフィラメントファイバ及びモノフィラメントファイバは、様々な材料から形成され得る。一態様では、マルチフィラメントファイバは、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成され得る。別の態様では、モノフィラメントファイバは、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成され得る。
外科用ステープルカートリッジと共に使用するための足場も提供され、足場は、カートリッジデッキに嵌合するように構成され得る第1の層と、第2の層と、を含み得る。第1の層は、マルチフィラメントファイバを有し得、マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分は、カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されている。第2の層は、カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されるように構成されたモノフィラメントファイバから形成され得る。モノフィラメントファイバは、マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有し得る。
いくつかの態様では、足場はまた、マルチフィラメントファイバを有し得る第3の層を含み得、マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分は、カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されている。第2の層は、第1の層と第3の層との間に位置付けられ得る。
本特許又は出願書類は、少なくとも1つのカラー印刷図面を含む。カラー図面を有する本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されるであろう。
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
従来の外科用ステープル留め及び分断器具の1つの例示的な実施形態の斜視図である。
図1の外科用ステープル留め及び分断器具のステープルカートリッジのウェッジスレッドの斜視図である。
図1の外科用ステープル留め及び分断器具のナイフ及び発射バー(「E字形梁部」)の斜視図である。
図1のステープル留め及び分断器具内に配設され得る外科用カートリッジの長手方向断面図である。
図4の外科用カートリッジアセンブリのステープルカートリッジ内に配設され得る未発射(配備前)構成にあるステープルの平面図である。
カートリッジデッキに取り付けられた足場を有する外科用カートリッジアセンブリの例示的な実施形態の長手方向断面図である。
組織にステープル留めされたときの図6の足場を例示する概略図である。
図6の外科用カートリッジアセンブリのカートリッジデッキに取り付けられ得る足場の例示的な実施形態の拡大平面図である。
B−B線で切り取られた図8Aの足場の拡大断面図である。
C−C線で切り取られた図8Aの足場の別の拡大断面図である。
500μmスケールでの図8A〜図8Cの足場の走査型電子顕微鏡写真(scanning electron micrograph、SEM)画像である。
実施例2で考察される、60日目に取り除かれた、埋め込まれた足場の病理組織学的画像である。
図10Aの断面10Bの拡大図である。
実施例2で考察される、90日目に取り除かれた、埋め込まれた足場の病理組織学的画像である。
11Aの断面11Bの拡大図である。
足場の別の例示的な実施形態の斜視図である。
カートリッジデッキに取り付けられた図12Aに示される足場を有するステープルカートリッジアセンブリの別の例示的な実施形態である。
足場の別の例示的な実施形態の底面図である。
本明細書に開示する器具及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、ある特定の代表的な実施形態について、以降説明することにする。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に例示されている器具、システム、及び方法は、非限定的で例示的な実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
更に、本開示においては、実施形態の同様の参照符合を付した構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の参照符合を付した各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、器具、及び方法の記載で直線寸法又は円寸法が使用される範囲について、そのような寸法は、そのようなシステム、器具、及び方法と併せて使用され得る形状の種類を限定することを意図するものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及び器具、並びにそれらの構成要素の大きさ及び形状は、少なくとも、システム及び器具が内部で使用される対象の解剖学的構造、システム及び器具が一緒に使用される構成要素の大きさ及び形状、並びにシステム及び器具が使用される方法及び処置に依存し得る。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、器具のハンドルを握っている臨床医などのユーザを基準として使用されることが認識されるであろう。「前方」及び「後方」といった他の空間的用語は、同様に、遠位及び近位にそれぞれ対応する。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」などの空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの空間的用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
値又は範囲は、本明細書では、「約」及び/又は「約」1つの特定の値から別の特定の値として表すことができる。そのように値又は範囲が表される場合、開示される他の実施形態は、列挙された具体的な値、及び/又は1つの特定の値から別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって値が近似の形式で表現された場合、開示される多くの値が列挙され、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。開示される多くの値が存在し、本明細書において、各値もその値自体に加えて「約」が付く値として開示されることも更に理解されるであろう。いくつかの実施形態では、「約」は、例えば、列挙された値の10%以内、列挙された値の5%以内、又は列挙された値の2%以内を意味するように使用され得る。
本教示を説明及び定義する目的で、別途記載のない限り、用語「実質的に」は、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用されることに留意されたい。用語「実質的に」はまた、本明細書では、定量的表現が、問題の対象物の基本的機能の変化をもたらすことなく、記述された基準から変化し得る程度を表すためにも利用される。
外科用ステープルカートリッジアセンブリ及それらの製造方法を提供する。概して、内部に複数のステープルが配設されたカートリッジデッキを含むステープルカートリッジを有するステープルカートリッジアセンブリを提供する。ステープルカートリッジアセンブリはまた、カートリッジデッキに解放可能に嵌合し、ステープルが組織内に配備されることを可能にするように構成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場を含む。足場は、ステープルがカートリッジデッキから組織内に配備されたときに、足場の少なくとも一部分がステープルによって捕捉された組織に取り付けられ得るように、カートリッジデッキに解放可能に嵌合され得る。本明細書で考察されるように、足場は、組織の厚さの変化などの組織特性の変化を補償するように、かつ/又は足場が組織にステープル留めされたときに組織内殖を促進するように構成され得る。例えば、足場は、組織配備状態にあるときに(例えば、足場が生体内で組織にステープル留めされたときに)少なくとも約3日間、組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成され得る。例示的なステープルカートリッジアセンブリは、本明細書に記載され、図面に例示されるように、外科用ステープルの適用を容易にするための様々な特徴を含み得る。しかしながら、当業者であれば、ステープルカートリッジアセンブリは、これらの特徴のうちのいくつかのみを含み得、かつ/又は当該技術分野で知られている様々な他の特徴を含み得ることを理解するであろう。本明細書に記載のステープルカートリッジアセンブリは、ある特定の例示的な実施形態を表すことを意図したものに過ぎない。更に、足場は、外科用ステープルカートリッジアセンブリと関連して記載されているが、足場は、任意の種類の外科用器具と関連して使用され得る。
図1は、例えば足場などの埋め込み可能な補助材と共に使用するのに好適な、例示的な外科用ステープル留め及び分断器具100を例示している。外科用ステープル留め及び分断器具100は、細長いステープルチャネル104への枢動可能な取り付け部を中心に繰り返し開閉することができるアンビル102を含み得る。ステープル適用アセンブリ106は、アンビル102と、チャネル104と、を備えてもよく、アセンブリ106は、細長いシャフト108に近接して取り付けられて、実装部分110を形成し得る。ステープル適用アセンブリ106が閉鎖されているとき、又は少なくとも実質的に閉鎖されているとき、実装部分110は、トロカールを通してステープル適用アセンブリ106を挿入するのに好適な、充分に小さい断面を呈し得る。器具100は、組織をステープル留め及び分断するように構成されているが、組織をステープル留めするが分断しないように構成された外科用器具もまた、本明細書で企図される。
様々な事例において、ステープル適用アセンブリ106は、細長いシャフト108に接続されたハンドル112によって操作される。ハンドル112は、ピストルグリップ118の前で枢動してステープル適用アセンブリ106を閉鎖することができる、細長いシャフト108及び閉鎖トリガ116の長手方向軸を中心に細長いシャフト108及びステープル適用アセンブリ106を回転させる回転ノブ114などのユーザ制御部を含み得る。閉鎖トリガ116がクランプされたとき、閉鎖解放ボタン120は、ハンドル112上の外方に呈され、これにより閉鎖解放ボタン120を押圧して、例えば、閉鎖トリガ116のクランプを解除し、ステープル適用アセンブリ106を開くことができる。
閉鎖トリガ116の前で枢動することができる発射トリガ122は、ステープル適用アセンブリ106に、内部にクランプされた組織の分断及びステープル留めを同時に行わせる。様々な事例において、ストローク1回につき外科医の手によって加えられることが要求される力の量を低減するために、発射トリガ122を使用して、複数の発射ストロークを用いることができる。ある特定の実施形態では、ハンドル112は、発射の進行を示し得る、例えば回転可能なインジケータホイール124などの1つ又は2つ以上の回転可能なインジケータホイールを備え得る。手動発射解放レバー126により、必要に応じて、完全な発射運動距離が完了する前に、発射システムを後退させることができるようになり得、加えて、発射解放レバー126により、発射システムが固着する及び/又は機能しなくなる場合に、外科医又は他の臨床医が発射システムを後退させることができるようになり得る。
本開示と共に使用するのに好適な外科用ステープル留め及び分断器具100並びに他の外科用ステープル留め及び分断器具に関する追加の詳細は、例えば、米国特許第9,332,984号及び米国特許出願公開第2009/0090763号に記載されており、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、外科用ステープル留め及び分断器具は、ハンドルを含む必要はなく、例えば、2017年8月29日に出願された、Frederick E.Sheltonらに対する米国特許出願第15/689,198号(その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、外科用ロボットに連結するように構成されたハウジングを代わりに含む。
図2及び図3を参照すると、例えば発射アセンブリ228などの発射アセンブリを、図1の器具100などの外科用ステープル留め及び分断器具と共に利用して、ウェッジスレッド230を前進させることができ、このウェッジスレッド230は、ステープルを、図1のステープル適用アセンブリ106のようなステープル適用アセンブリから、図1のアンビル102のようなアンビルと図1のチャネル104のような細長いステープルチャネルとの間に捕捉された組織に配備するように構成された複数のウェッジ232を備える。更に、発射アセンブリ228の遠位部分にあるE字形梁部233は、ステープル適用アセンブリからステープルを発射し、かつ発射中にアンビルを細長いステープルチャネルに対して位置付けることができる。E字形梁部233は、一対の上部ピン234、ウェッジスレッド230の部分238に続き得る一対の中間ピン236、及び底部ピン又はフット240、並びに発射アセンブリ228が遠位に前進されたときに捕捉された組織を分断するように構成され得る鋭利な切断縁部242を含む。加えて、切断縁部242の各垂直端部をブラケットする、一体的に形成され、近位に突出している上部ガイド244及び中間ガイド246は、分断される前に、組織を鋭利な切断縁部242へ誘導するのを補助する組織ステージング領域248を更に画定し得る。中間ガイド246はまた、ステープル適用アセンブリによるステープル形成を行うウェッジスレッド230の段付き中央部材250に当接することによってステープル適用アセンブリに係合し、これを発射する機能を果たしてもよい。
図4を参照すると、ステープルカートリッジ400は、図1の外科用ステープル留め及び分断器具100のような外科用ステープル留め及び分断器具と共に利用することができ、またカートリッジデッキ402及び複数のステープル空洞404を含み得る。例えば、ステープル406は、各ステープル空洞404内に取り外し可能に位置付けられ得る。未発射(配備前)構成にあるステープル406を、図5により詳細に示す。ステープルカートリッジ400はまた、発射及び/又は切断部材、例えば、図3のE字形梁部233のようなE字形梁部を受容するように構成され得る長手方向チャネルを含み得る。
各ステープル406は、冠部(基部)406Cと、冠部406Cから延在する1つ又は2つ以上の脚部406Lと、を備え得る。ステープル406が配備される前、ステープル406の冠部406Cは、ステープルカートリッジ400内に位置付けられたステープルドライバ408によって支持され得、同時に、ステープル406の脚部406Lは、ステープル空洞404内に少なくとも部分的に包含され得る。更に、ステープル406のステープル脚部406Lは、ステープル406が未発射位置にあるとき、ステープルカートリッジ400の組織接触表面410を越えて延在し得る。ある特定の実例において、図5に示されるように、ステープル脚部406Lの先端部は、組織を切開及び貫通することができる鋭利な先端部を備え得る。
ステープル406は、未発射位置と発射位置との間に配備され得、これにより脚部406Lは、ステープル空洞404を通って移動し、図1のアンビル102のようなアンビルとステープルカートリッジ400との間に位置付けられた組織を貫通して、アンビルと接触する。脚部406Lがアンビルに対して変形されると、各ステープル406の脚部406Lは、各ステープル406内で組織の一部分を捕捉し、この組織に圧縮力を加え得る。更に、各ステープル406の脚部406Lは、ステープル406の冠部406Cに向かって下方に変形されて、組織が内部に捕捉され得るステープル閉じ込め領域を形成することができる。様々な事例において、ステープル閉じ込め領域は、変形された脚部の内側表面と、ステープルの冠部の内側表面との間に画定され得る。ステープルの閉じ込め領域の大きさは、例えば、脚部の長さ、脚部の直径、冠部の幅、及び/又は脚部が変形される程度などのいくつかの要因に依存し得る。
使用時には、図1のアンビル102のようなアンビルは、図1の閉鎖トリガ116のような閉鎖トリガを押下して、図3のE字形梁部233のようなE字形梁部を前進させることによって、閉鎖位置へと移動され得る。アンビルは、組織をステープルカートリッジ400の組織接触表面410に対して位置付けることができる。アンビルが好適に位置付けられると、ステープル406を配備することができる。
上で考察されているように、ステープル406を配備するために、図2のスレッド230のようなステープル発射スレッドは、ステープルカートリッジ400の近位端400pから遠位端400dに向かって移動され得る。図3の発射アセンブリ228のような発射アセンブリが前進されると、スレッドは、ステープルドライバ408に接触し、ステープルドライバ408をステープル空洞404内で上方に持ち上げ得る。少なくとも1つの例において、スレッド及びステープルドライバ408は、各々、1つ又は2つ以上の傾斜面、すなわち斜めの表面を含み得、これらが協働して、ステープルドライバ408を未発射位置から上方に移動させることができる。ステープルドライバ408がそれぞれのステープル空洞404内で上方に持ち上げられると、ステープルドライバ408が、ステープル406を上方に持ち上げ、これによりステープル406が、ステープル空洞404から現われ、組織に貫通し得る。様々な事例において、スレッドは、発射シーケンスの一部として、いくつかのステープルを同時に上方に移動させることができる。
以下で足場が示され、記載されるが、本明細書に開示される足場は、他の外科用器具と共に使用することができ、記載されているようなステープルカートリッジに連結される必要がないことを、当業者であれば理解するであろう。
上で考察されるように、いくつかの外科用ステープラでは、外科医は、ステープル留めされる組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択する必要があることが多い。例えば、外科医は、厚い組織に使用するためには背の高いステープルを選択し、薄い組織に使用するためには背の低いステープルを選択し得る。しかしながら、場合によっては、ステープル留めされている組織は、一貫した厚さを有さず、したがって、ステープルは、ステープル留めされた組織の全ての区分(例えば、厚い組織区分及び薄い組織区分)に対して、所望の発射構成を達成することができない。また、組織の厚さが一貫していないことで、同じ又は実質的に同じ高さを有するステープルが使用されたとき、特にステープル部位がステープル部位に、かつ/又はステープルラインに沿って組織内圧力に曝露されたときに、ステープル部位における組織の望ましくない漏出及び/又は引き裂きをもたらし得る。
したがって、手術中に組織をステープル留めするときにステープル高さを考慮する必要がなくなるように、発射された(配備された)ステープル内に捕捉される組織の様々な厚さを補償するように構成され得る、様々な実施形態の足場が提供される。すなわち、本明細書に記載の足場は、様々な厚さの組織(すなわち、薄い組織から厚い組織まで)をステープル留めする際に使用されるのと同じ又は類似の高さを有するステープルのセットを可能にし、また、足場と組み合わせて、発射されたステープル内及び発射されたステープル間に適切な組織圧縮を提供することができる。したがって、本明細書に記載の足場は、ステープル留めされた薄い組織又は厚い組織に対して好適な圧縮を維持し、それによりステープル部位における組織の漏出及び/又は引き裂きを最小限に抑えることができる。
代替的に、又は加えて、足場は、組織内殖を促進するように構成され得る。様々な事例において、治療される組織(例えば、ステープル留め及び/又は切開される組織)の治癒を促進するため、及び/又は患者の回復を加速するために、埋め込み可能な足場内への組織の内殖を促進することが望ましい。より具体的には、埋め込み可能な足場への組織の内殖により、手術部位における炎症の発生率、程度、及び/又は持続期間が減少し得る。埋め込み可能な足場内への及び/又はその周囲での組織の内殖は、例えば、手術部位における感染の拡大を管理し得る。例えば埋め込み可能な足場内への及び/又はその周囲での、血管、特に白血球の内殖は、埋め込み可能な足場及び隣接する組織内及び/又はそれらの周囲での感染に対抗し得る。組織の内殖はまた、患者の身体による異物(例えば、埋め込み可能な足場及びステープル)の受容を助長し得、また患者の身体が異物を拒絶する可能性を低減し得る。異物の拒絶により、手術部位で感染及び/又は炎症が生じ得る。
概して、本明細書に提供される足場は、ステープルがステープルカートリッジのカートリッジデッキから発射(配備)されたときに、ステープルが足場を貫通して組織内に入り込むように、図4のステープルカートリッジ400のようなステープルカートリッジの上に設計及び位置付けられる。ステープルの脚部がステープルカートリッジアセンブリの反対側に位置付けられたアンビルに対して変形されると、変形された脚部は、各ステープル内の足場の一部分及び組織の一部分を捕捉する。すなわち、ステープルが組織内に発射されると、足場の少なくとも一部分が、組織と発射されたステープルとの間に位置付けられる。本明細書に記載の足場は、ステープルカートリッジアセンブリのステープルカートリッジに取り付けられるように構成されているが、本明細書では、足場は、外科用ステープラの顎部などの他の器具構成要素に嵌合するように構成され得ることも企図される。
図6は、ステープルカートリッジ602及び足場604を含むステープルカートリッジアセンブリ600の例示的な実施形態を例示している。以下に詳細に記載する相違点以外に、ステープルカートリッジ602は、ステープルカートリッジ400(図4)と同様であり得、したがって、本明細書では詳細に記載しない。示されるように、足場604は、ステープルカートリッジ602に対して位置付けられる。ステープルカートリッジは、カートリッジデッキ606と、図4及び図5に示されるステープル406のような複数のステープル608と、を含み得る。ステープル608は、任意の好適な未形成(配備前)高さであり得る。例えば、ステープル608は、約2mm〜4.8mmの未形成高さを有し得る。配備の前、ステープル608の冠部は、ステープルドライバ610によって支持され得る。
例示される実施形態では、足場604は、カートリッジデッキ606の外側表面612、例えば組織接触表面に嵌合され得る。カートリッジデッキ606の外側表面612は、1つ又は2つ以上の取り付け機構を含み得る。1つ又は2つ以上の取り付け機構は、足場604に係合して、カートリッジデッキ606に対する足場604の望ましくない移動、及び/又はカートリッジデッキ606からの足場604の早期解放を回避するように構成され得る。例示的な取り付け機構は、米国特許公開第2016/0106427号に見出すことができ、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
足場604は、足場が様々な高さに圧縮され、それにより配備されたステープル内に捕捉された異なる組織厚さを補償することを可能にするように、弾性的に変形可能である。足場604は、未圧縮(未変形)又は予め配備された高さを有し、複数の圧縮(変形)又は配備高さのうちの1つに変形するように構成されている。例えば、足場604は、ステープル608の発射高さ(例えば、図7の発射されたステープル608aの高さ(height、H)よりも大きい未圧縮高さを有し得る。一実施形態では、足場604の未圧縮高さは、ステープル608の発射高さよりも、約10%高い、約20%高い、約30%高い、約40%高い、約50%高い、約60%高い、約70%高い、約80%高い、約90%高い、又は約100%高くあり得る。ある特定の実施形態では、足場604の未圧縮高さは、例えば、ステープル608の発射高さよりも、100%超高くあり得る。
足場604は、カートリッジデッキ606の外側表面612に解放可能に嵌合され得る。図7に示されるように、ステープルが発射されると、組織(tissue、T)及び足場604の一部分が、発射された(形成された)ステープル608aによって捕捉される。発射されたステープル608aは、捕捉された足場604及び組織(T)を収容するために、上で考察されるように、内部に閉じ込め領域を画定する。発射されたステープル608aによって画定された閉じ込め領域は、発射されたステープル608aの高さ(H)によって少なくとも部分的に制限される。例えば、発射されたステープル608aの高さは、約0.130インチ以下であり得る。いくつかの実施形態では、発射されたステープル608aの高さは、約0.025インチ〜0.130インチであり得る。いくつかの実施形態では、発射されたステープル608aの高さは、約0.030インチ〜0.100インチであり得る。
上記のように、足場604は、ステープル内に捕捉された組織の厚さが各ステープル内で同じであるか又は異なるかどうかにかかわらず、複数の発射されたステープル内で圧縮され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ステープルライン、すなわち列内のステープルは、発射高さが、例えば約2.75mmになるように変形され得、組織(T)及び足場604は、この高さ内に圧縮され得る。ある特定の事例では、組織(T)は、約1.0mmの圧縮高さを有し得、足場604は、約1.75mmの圧縮高さを有し得る。ある特定の事例では、組織(T)は、約1.50mmの圧縮高さを有し得、足場604は、約1.25mmの圧縮高さを有し得る。ある特定の事例では、組織(T)は、約1.75mmの圧縮高さを有し得、足場604は、約1.00mmの圧縮高さを有し得る。ある特定の事例では、組織(T)は、約2.00mmの圧縮高さを有し得、足場604は、約0.75mmの圧縮高さを有し得る。ある特定の事例では、組織(T)は、約2.25mmの圧縮高さを有し得、足場604は、約0.50mmの圧縮高さを有し得る。したがって、捕捉された組織(T)及び足場604の圧縮高さの合計は、発射されたステープル608aの高さ(H)と等しいか、又は少なくとも実質的に等しくあり得る。
以下でより詳細に考察されるように、足場の構造は、足場及び組織が発射されたステープル内に捕捉されると、足場が組織を通る循環血液の圧力に耐え得る応力を加えることができるように構成され得る。高血圧は、典型的には、210mmHgと見なされ、したがって、足場は、所定の期間(例えば、3日間)に対して210mmHg(例えば、3g/mm2)以上の応力を組織に加えることが望ましいであろう。このように、ある特定の実施形態では、足場は、捕捉された組織に少なくとも3日間、少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成され得る。足場は、足場が生体内の組織にステープル留めされたとき、組織配備状態にある。一実施形態では、付加応力は、約3g/mm2であり得る。別の実施形態では、付加応力は、3g/mm2超であり得る。更に別の実施形態では、応力は、少なくとも約3g/mm2であり得、3日を超える間、捕捉された組織に加えられ得る。例えば、一実施形態では、応力は、少なくとも約3g/mm2であり得、約3日〜5日間、捕捉された組織に加えられ得る。
捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を所定時間加えるように構成された足場を設計するために、フックの法則(F=kD)の原理を使用することができる。例えば、捕捉された組織に加えられる力(応力)が既知である場合、剛性(k)を有するように足場を設計することができる。剛性は、材料及び/又は足場の形状(例えば、ファイバの種類及び/若しくは直径、並びに/又はファイバの相互接続性)を調整することによって設定することができる。更に、組織の最小厚さ、例えば1mmに対する最大量の圧縮変位を有するように足場を設計することができ、したがって、変位Dの長さは、組織の最小厚さ、例えば1mmと、所与の最大ステープル高さ、例えば2.75mmに対して組織にステープル留めされたときの組織の厚さとの組み合わせであり得る。例として、一実施形態では、足場は、最大形成されたステープル留め高さ2.75mmを超える高さを有し、最小厚さ1mmを有する組織にステープル留めされたときに1.75mmの高さに圧縮するように構造化され得る。したがって、足場は、捕捉された組織及び足場の剛性(k)及び総厚さ(D)が、捕捉された組織に3g/mm2の応力を加えることができるように、一定の長さの変位Dを維持するように圧縮性が変化し得る。当業者であれば、例えば、補助材が埋め込み後に室温から体温にもたらされたときに、前述の式を温度の変動を考慮するように改変し得ることを理解することが留意されるべきである。
追加的に、足場は、捕捉された組織(例えば、3g/mm2)に所定の時間(例えば、3日間)にわたって実質的に連続的な応力を提供するように更に配備され得る。これを達成するために、足場を設計するとき、足場の材料の分解速度及び足場内の組織内殖の速度を考慮する必要があるだろう。そうすることで、足場の剛性並びに/又は捕捉された組織及び足場の総厚さが、3g/mm2よりも小さい付加応力をもたらすことができる方法で変化しないように、足場を設計することができる。
足場は、様々なステープル留め条件(例えば、組織厚さ、形成されたステープルの高さ、組織内圧力)の下で組織にステープル留めされる。ステープル留め条件に応じて、組織の引き裂き及び漏出を防止するために、足場が組織に加えることができる必要がある有効量の応力を決定し得る。例えば、一実施形態では、有効量の応力は、少なくとも約3g/mm2である。足場が組織に有効な量の応力を提供するために、足場は、様々なステープル留め条件を効果的に補償するように設計され得る。このように、足場は、組織にステープル留めされたときに異なる圧縮高さを想定するように調整され得る。組織内圧力、組織厚さ、及び形成されたステープル高さが有限範囲であるため、ステープル留め条件の範囲にわたって所与の時間量(例えば、少なくとも3日間)にわたって組織にステープル留めされたときに、実質的に連続的な所望の応力(例えば、3g/mm2)を組織に加えるのに有効であり得る、足場のための適切な材料及び/又は幾何学的構造を決定することができる。すなわち、以下により詳細に記載されるように、本発明の足場は、圧縮可能な材料から形成され、組織にステープル留めされたときに足場が所定の平面内の様々な高さに圧縮されることを可能にするように幾何学的に構成されている。更に、足場によるこの様々な応答はまた、足場が組織(例えば、血圧のスパイク)にステープル留めされたときに生じ得る組織内圧力の変動に曝露されたときに、足場が組織への連続的な所望の応力の付加を維持することも可能にし得る。
足場は、様々な構成を有し得る。例えば、ある特定の実施形態では、足場は、少なくとも1つの編み層と、少なくとも1つの支持層と、を含み得る。本明細書で使用される場合、「編み層」は、「編み区域」と同義的に使用され、「支持層」は、「スペーサ区域」と同義的に使用される。
図8A〜図8C及び図9は、支持層806が間に配設された、第1及び第2の編み層802、804を有する足場800の例示的な実施形態を例示している。この例示される実施形態では、第1の編み層802は、組織に対して位置付けられるように構成され得、第2の編み層804は、図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに対して位置付けられるように構成され得る。
示されるように、編み層802、804は、第1の種類のファイバ808及び第2の種類のファイバ810を含み、支持層806は、第2の種類のファイバ810を含む。このように、2つの異なるファイバ808、810から形成された足場800を有することによって、足場は、埋め込み後の経時的な可変剛性プロファイルを有し得る。例えば、第1の種類のファイバ808は、編み層802、804の構造的構成要素として機能し得、剛性プロファイルは、第1の種類のファイバ808の分解プロファイル、及び第1の種類のファイバ808と第2の種類のファイバ810との間の編み層802、804内の相互作用の関数であり得る。
更に、編み層802、804は、足場800がカートリッジデッキに取り付けられたときに、第1の種類のファイバ808の少なくとも一部分が、カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成され得る。第1及び第2の種類のファイバ808、810は、様々な大きさを有し得るが、いくつかの実装では、第1の種類のファイバ808は、第2の種類のファイバ810のファイバ直径よりも小さいファイバ直径を有する。
編み層802、804及び支持層806のファイバ808、810は、モノフィラメント又はマルチフィラメントのいずれかであり得るが、いくつかの実装では、図8A〜図8C及び図9に示されるように、第1の種類のファイバ808は、マルチフィラメントファイバであり、第2の種類のファイバ810は、モノフィラメントファイバである。本明細書で使用される場合、「モノフィラメントファイバ」という用語は、それ自体の通常かつ慣例的な意味を有し、単一のフィラメントから形成されたファイバを含み得る。本明細書で使用される場合、「マルチフィラメントファイバ」という用語は、それ自体の通常かつ慣例的な意味を有し、互いに関連付けられて一体的な構造を形成する2つ又は3つ以上のフィラメントから形成されたファイバを含み得る。一実施形態では、マルチフィラメントファイバは、非結合マルチフィラメントファイバである。本明細書で使用される場合、「非結合マルチフィラメントファイバ」は、それ自体の通常かつ慣例的な意味を有し、それらの長さに沿って少なくとも1つの点で互いに接触するが、互いに物理的に取り付けられていない2つ又は3つ以上のフィラメントのアセンブリを含み得る。非結合マルチフィラメントファイバの非限定的な例としては、糸(それらの長さに沿って互いに撚り合わされたフィラメント)及びトウ(それらの長さに沿って互いに撚り合わされていないフィラメント)を含む。
マルチフィラメントファイバは、様々な構成を有し得る。例えば、いくつかの実装では、各マルチフィラメントファイバは、約6〜40個のフィラメントを含む。一態様では、各マルチフィラメントファイバは、約14〜28個のフィラメントを含む。マルチフィラメントファイバのフィラメント間に存在する表面積及び空隙の増加は、足場内の組織内殖の改善を促進し得る(例えば、実施例2を参照)。
マルチフィラメントファイバは、様々な大きさを有し得る。例えば、各マルチフィラメントファイバは、約0.02mm〜0.2mm、約0.05mm〜0.2mm、又は約0.15mm〜0.2mmの平均直径を有し得る。いくつかの実装では、マルチフィラメントファイバの各フィラメントは、モノフィラメントファイバのファイバ直径よりも小さい直径を有する。例えば、編み層802、804が、マルチフィラメントファイバである第1の種類のファイバ、及びモノフィラメントファイバである第2の種類のファイバを含む場合、マルチフィラメントファイバの各フィラメントは、モノフィラメントファイバの直径の約1/5〜1/20の直径を有し得る。ある特定の実施形態では、マルチフィラメントファイバの各フィラメントは、モノフィラメントファイバの直径の約1/10の直径を有し得る。
マルチフィラメントファイバは、異なる材料の同じ材料又はフィラメントから形成されたフィラメントから形成され得る。例えば、いくつかの実装では、マルチフィラメントファイバは、第1の材料の第1のフィラメント及び第2の材料の第2のフィラメントを含み得る。一実施形態では、第2の材料は、第1の材料の分解速度よりも速い速度で分解する。このようにして、第2の材料の分解が活性化し、したがって、マクロファージの加速引力を助長し、埋め込み後の経時的な足場の可変剛性プロファイルに実質的に影響を及ぼさずに、治癒の炎症期を加速させ得る。マクロファージの活性化は、ひいては、筋線維芽細胞集団及び新血管新生の増加を引き起こし得る。更に、第2の材料の分解は、足場内の組織内殖を助長し得る。第1の材料は、例えば、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つであり得る。好適な第1の材料の非限定的な例は、ポリグラクチン910、Lactomer(商標)9−1、75:25若しくは50:50の乳酸/グリコール酸、Polygytone(商標)6211、又はCaprosyn(商標)から形成され得る。第2の材料は、例えば、Vicryl Rapide(商標)などのグリコリドとL−ラクチドとのコポリマーであり得る。
マルチフィラメントファイバは、様々な割合範囲で第2のフィラメントを含み得るが、いくつかの実装では、マルチフィラメントファイバは、各々、約15%〜85%の範囲又は約25%〜45%の範囲の第2のフィラメントを含み得る。第2のフィラメントは、様々なファイバ直径を有し得る。例えば、いくつかの実装では、第2のフィラメントは、約0.0005mm〜0.02mmのファイバ直径を有し得る。一実施形態では、第2のフィラメントは、約0.015mmのファイバ直径を有する。
モノフィラメントファイバは、様々な大きさを有し得る。例えば、モノフィラメントは、約0.2mm〜0.35mmの直径を有し得る。いくつかの実装では、モノフィラメントファイバは、各々、マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有し得る。マルチフィラメントファイバの平均直径(D)は、以下の式を使用して計算することができる。
第1及び第2の種類のファイバ808、810は、様々なガラス転移温度を有し得るが、いくつかの実装では、第1の種類のファイバ808は、第1のガラス転移温度を有し、第2の種類のファイバ810は、第1のガラス転移温度未満の第2のガラス転移温度を有する。例えば、第1のガラス転移温度は、第2のガラス転移温度よりも少なくとも約30℃高くあり得る。他の例示的な実施形態では、第1のガラス転移温度は、第2のガラス転移温度よりも少なくとも約45℃高くあり得る。第1及び第2の種類のファイバ808、810のガラス転移の差は、足場の構造体的一体性に悪影響を及ぼすことなく、カートリッジデッキへの足場の確実な取り付けを更に容易にすることができる。
上で考察されるように、足場の一部分は、発射されたステープル内の組織により捕捉されるため、足場は好適な生体吸収性材料から形成されることが望ましい。このように、第1及び第2の種類のファイバ808、810は、各々、様々な吸収性材料から形成され得る。第1の種類のファイバに好適な材料の非限定的な例としては、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つが挙げられる。例えば、第1の種類のファイバは、ポリグラクチン910、Lactomer(商標)9−1、75:25若しくは50:50の乳酸/グリコール酸、Polygytone(商標)6211、又はCaprosyn(商標)から形成され得る。第2の種類のファイバに好適な材料の非限定的な例としては、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つが挙げられる。例えば、第2の種類のファイバは、92:8のポリジオキサノン/ポリグリコリド、25:75のラクチド/ポリカプロラクトン、Glycomer(商標)631、又はMaxon(商標)から形成され得る。一実施形態では、第1の種類のファイバは、ポリグラクチン910から形成され、第2の種類のファイバは、ポリジオキサノンから形成される。
いくつかの実施形態では、第1の種類のファイバ808は、生体吸収性ポリマー材料でコーティングされ得る。このようにして、第1の種類のファイバ808のガラス転移温度は、例えば、ある特定の事例では、足場をカートリッジデッキに取り付けるために望ましい場合がある、第1の種類のファイバの基材のガラス転移温度と比較してガラス転移を増加又は減少させることによって改変され得る。例えば、第1の種類のファイバ808のガラス転移温度の低下により、足場800の、図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキへのより確実な取り付けを提供することができ、かつ/又は足場800のカートリッジデッキへの適合性を向上させ、冷却されたときに好適な形状を維持することができる。好適なコーティング材料の非限定的な例としては、ポリジオキサノン又は25:75のラクチド/ポリカプロラクトンが挙げられる。
編み層802、804は、各々、図8A〜図8C及び図9のように、いくつかの実装では、様々な編みパターンを有し得るが、編み層802、804は、各々、Rachel編みパターン(例えば、以下の実施例1に記載されるような)を有し得る。当業者であれば、足場の編み層が他の経編みパターンの形態を取り得ることを理解するであろう。
図8A〜図8C及び図9に示されるように、第2の種類のファイバ810は、第1及び第2のファイバが非固定的に取り付けられ、摺動可能に相互接続される方法で、第1及び第2の編み層802、804の第1の種類のファイバ808と相互接続する。このように、この例示された実施形態では、第1及び第2の種類のファイバ808、810は、互いに対して移動することができ、それにより、移動並びにx方向(例えば、伸張)及びy方向(例えば、圧縮)の拡張を可能にする。追加的に、第1及び第2の種類のファイバ808、810の間の相互接続は、少なくとも部分的に、足場800の剛性に影響を及ぼし得る。例えば、相互接続が緊密になるほど、足場800は剛性になる。
更に、図8A〜図8C及び図9に示されるように、第1及び第2の編み層802、804は、各々、内部に形成された複数の開口812を含む。第1及び第2の編み層802、804の開口812は、各々、第1及び第2の種類のファイバ808、810から形成された外周を有する。第2の編み層804の開口812は、図5のステープル406のようなステープルの冠部の幅の約1/4未満の大きさを有し得る。このように、いくつかの実装では、発射されたステープルの冠部は、第2の編み層804内の少なくとも4つの開口812にわたって広がり得る。一実施形態では、開口812は、冠部の幅の約1/8である大きさを有し得る。ステープルの冠部は、様々な幅を有し得るが、いくつかの実装では、冠部の幅は、約0.080インチ〜0.140インチであり得る。一実施形態では、冠部の幅は、約0.12インチである。
第1及び第2の編み層802、804内の複数の開口812は、様々な大きさを有し得る。例えば、第2の編み層804内の複数の開口812は、約0.002インチ〜0.1インチの直径を有し得る。本明細書で使用される場合、開口の「直径」は、開口の任意の対の頂点間の最大距離である。
上で考察され、図8A〜図8C及び図9に示されるように、足場800は、第1及び第2の編み層802、804の間に位置付けられた支持層806を含む。支持層806は、第1及び第2の編み層802、804に非固定的に取り付けられている。支持層806は、足場800が図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに取り付けられたときに、支持層806の第2の種類のファイバ810の少なくとも一部分が、カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されるように構成され得る。支持層806は、この例示的な実施形態ではモノフィラメントである、第2の種類のファイバ810のみを含むように、図8A〜図8C及び図9に示されているが、本明細書では、支持層806は、例えば、第1の種類のファイバ808を含む追加の種類のファイバを含み得ることも企図される。
示されるように、支持層806のファイバ810は、支持層806内に配列されて、起立(スペーサ)ファイバ814及びそれらの間に複数の空隙816を形成する。起立ファイバ814は、互いに固定的に取り付けられている。更に、起立ファイバ814は、第1及び第2の編み層802、804の第1の種類のファイバ808に、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている。いくつかの実装では、複数の空隙816は、第1及び第2の編み層802、804内の複数の開口812よりも大きくあり得る。
起立ファイバ814は、足場800に加えられる力の下で(例えば、組織にステープル留めされたときに)屈曲するように構成されている。起立ファイバ814の弾力性により、少なくとも部分的に、足場が様々な高さで圧縮され、それにより異なる厚さの組織部分を有する組織(T)を収容することが可能になる。すなわち、特定の組織厚さとは無関係に、発射されたステープル内の捕捉された組織及び足場の圧縮高さの合計を維持することができ、したがって、発射されたステープルの高さに等しいか、又は少なくとも実質的に等しい状態を維持し得る。このようにして、少なくとも部分的に、足場800は、少なくとも所定の期間(例えば、少なくとも約3日)にわたって捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成され得る。
概して、各起立ファイバ814の材料組成、高さ、及び/又は横断面積が、その剛性又は圧縮下で屈曲する能力を少なくとも部分的に制御し、ひいては、足場800の圧縮性を少なくとも部分的に制御する。したがって、起立ファイバ814は、足場800の圧縮性を1つ又は2つ以上の所望の値へと調整するように構成され得る。例えば、図8B〜8C及び図9の起立ファイバ814は、同じ材料によるものであるが、いくつかの実装では、支持層806は、異なる剛性を有する異なる材料の起立ファイバを含み得る。代替的に又は追加的に、いくつかの実装では、支持層806は、異なる高さ及び/又は横断面積の起立ファイバを含み得る。一実施形態では、起立ファイバ814は、例えば、約25:1〜6:1の比率の高さ対直径比を有し得る。このようにして、起立ファイバ814は、埋め込まれた足場内の組織内殖及び細胞集積を更に助長し得る。
支持層806のある特定の区分内の起立ファイバ814の量はまた、とりわけ、そのような区分の圧縮性、したがって、足場800の圧縮性にも影響を及ぼし得る。ある特定の事例では、起立ファイバ814を、支持層806のある特定の区分に戦略的に集中させて、例えば、そのような区分における柱強度を高めることができる。少なくとも1つの事例では、起立ファイバ814は、ステープルが発射されたときにステープルを受容するように構成された支持層806の区分に集中され得る。代替的に、起立ファイバ814は、ステープルが発射されたときにステープルを受容しない支持層806の区分に集中され得る。
起立ファイバ814に対する空隙816の比率は、変化し得る。一実装では、この比率は、少なくとも約3:1の範囲であり得る。他の実装では、起立ファイバ814に対する空隙816の比率は、少なくとも約5:1、又は少なくとも約12:1の範囲であり得る。更に、支持層806内の空隙816の少なくとも一部分は、各々、異なる大きさを有し得る。このようにして、足場800の断面全体にわたる可変の空隙径は、細胞外リモデリングを促進し得る。すなわち、可変の空隙径は、足場が埋め込まれたときの足場800内の細胞の血管再生、並びに移動性を促進することができ、それにより組織及び細胞内殖の両方を助長し得る。更に、可変の空隙径はまた、埋め込まれた足場、したがって埋め込み部位からの副生成物及び細胞廃棄物の抽出を容易にし得る。
いくつかの実装では、足場800はまた、第2の編み層804に相互接続された多孔質層を含み得る。このようにして、足場800が図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに取り付けられたときに、多孔質層は、カートリッジデッキと第2の編み層804との間に位置付けられるであろう。一実施形態では、多孔質層は、第2の編み層804に融合又は結合される。多孔質層は、足場800のファイバ808、810よりも低いガラス転移温度を有する材料から形成され得る。本明細書では、多孔質層は、足場800のファイバ808、810のうちの少なくとも1つと同じか、又はより高いガラス転移温度を有する材料から形成され得ることも企図される。多孔質層は、約0.003インチ未満の厚さを有し得る。一実施形態では、多孔質層は、約0.001インチ未満の厚さを有する。多孔質層はまた、直径約0.0005インチ超の細孔を含み得る。例えば、いくつかの実装では、細孔は、約0.0005インチ〜約0.001インチの大きさで変化し得る。更に、いくつかの実装では、細孔は、層の表面積の50%を構成し得る。
図8A〜図8C及び図9の足場800のような本明細書に記載される足場は、任意の好適な方法を使用して製造され得る。例えば、一実施形態では、本方法は、第1の編み層を形成することと、第2の編み層を形成することと、スペーサを第1及び第2の編み層と交編することと、を含み得る。第1及び第2の編みファイバは、第1のポリマーのファイバを含み得る。第1の編み層は、カートリッジデッキに嵌合するように構成され得る。スペーサファイバを第1及び第2の編み層と交編することにより、第1及び第2の編み層を、離間した平行な関係で一緒に接続することができる。本明細書で使用される場合、「離間した平行な関係」とは、第1及び第2の層が、互いから離れており、かつ互いに対して実質的に平行である平面内に延在することを意味する。スペーサファイバは、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーのみから形成され得る。第1のポリマーファイバは、第2のポリマーファイバの直径とは異なる直径を有し得る。スペーサファイバは、第1及び第2の編み層と一体化され、第1の編み層と第2の編み層との間に延在し得る。本方法はまた、スペーサファイバと交編された第1及び第2の編み層をアニールすることも含み得る。
スペーサファイバを第1及び第2の編み層と交編することにより、それらの間に支持層を形成することができる。第1の編み層の形成は、第1のポリマーファイバを所定のパターンに従って編むことを含み得る。第2の編み層の形成は、第1のポリマーファイバを所定のパターンに従って編むことを含み得る。編み層は、各々、様々な編みパターンを有し得るが、いくつかの実装では、編み層は、各々、Rachel編みパターン(例えば、以下の実施例1に記載されるような)を有し得る。当業者であれば、足場の編み層が他の経編みパターンの形態を取り得ることを理解するであろう。
図12Aは、足場1000の別の例示的な実施形態を例示している。以下に詳細に記載される相違点以外に、足場1000は、足場800(図8A〜図8C及び図9)と同様の構造であり得、したがって、本明細書では詳細に記載しない。この実施形態では、足場1000は、第1の部分1004を有する第1の編み層1002と、外側縁部及び内側縁部を各々有する第2の部分1006と、を含む。内側縁部1004a、1006aは、足場1000の長手方向軸(L)に沿って延在するチャネル1008を画定する。チャネル1008は、ナイフなどの切断部材を受容するように構成されている。図12Bに示されるように、チャネル1008は、足場1000を完全に通って延在しない。具体的には、チャネル1008は、第2の編み層1010を通って延在しない。このようにして、足場1000は、十分な構造的一体性を有するように構成され、それにより効果的に操作され、図12Bのカートリッジデッキ2014のようなカートリッジデッキに取り付けられる。別の実施形態では、図13に示されるように、足場3000は、穿孔されたチャネル3008を有し得る。使用中、切断部材が最初に発射され、足場1000に沿って移動するとき、切断部材は、第2の編み層1010を切り断ち、それにより足場1000を2つの断片に分離する。
更に、図12Aに示されるように、足場1000は、以下で更に記載されるように、図12Bのカートリッジデッキ2014の凹状チャネル2016のような凹状チャネルに嵌合するように構成されたフランジ1012を含む。図12Aは、足場1000の一方の側にフランジ1012を有する足場1000を例示しているが、足場1000の反対側に位置付けられた追加のフランジ1012が存在する。当業者であれば、フランジ1012の数及び配置は、図12Aに示されるものに限定されないことを理解するであろう。フランジ1012は、様々な材料から作製され得るが、いくつかの実装では、図12Aに示されるように、フランジ1012は、第2の編み層1010の延長部である。他の実施形態では、フランジ1012は、異なる材料から形成され得、足場1000の他の構成要素と一直線に、又は非直結式に形成され得る。当業者であれば、フランジは、足場の第1及び/又は第2の編み層の材料と同じ又は異なる材料から形成され得、任意の好適な方法によってそれに取り付けられ得ることを理解するであろう。
図12Bは、ステープルカートリッジアセンブリ2000の別の例示的な実施形態を例示している。以下に詳細に記載される相違点以外に、ステープルカートリッジアセンブリ2000は、ステープルカートリッジアセンブリ600(図6)と同様であり得、したがって、本明細書では詳細に記載しない。更に、簡潔にするために、ステープルカートリッジアセンブリ2000のある特定の構成要素は、図12Bには例示されていない。
ステープルカートリッジアセンブリ2000は、凹状チャネル2016を有するカートリッジデッキ2014に取り付けられた図12Aの足場1000を含む。足場1000は、以下により詳細に記載されるように、任意の好適な方法を使用してカートリッジデッキに取り付けられ得る。示されるように、凹状チャネル2016は、フランジ1012がカートリッジデッキの側(複数可)に取り付けられ得るように、フランジ1012を受容するように構成されている。このようにして、足場1000は、カートリッジデッキ2014によりしっかりと取り付けられ、それにより使用中の足場1000の所望されない移動を防止することができる。
足場をカートリッジデッキに適用して、任意の好適な方法を使用してステープルカートリッジアセンブリを形成し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、カートリッジデッキを加熱することと、足場をカートリッジデッキの表面に対して位置付けることと、を含み得る。足場は、第1の種類のファイバが主に存在する第1及び第2の種類のファイバを含み得る。本明細書で使用される場合、層内の特定のファイバの量を記載するために使用される場合の「主に存在する」とは、その層内のファイバの総量の50%超の量を意味する。第1の種類のファイバは、第1のガラス転移温度を有し得、第2の種類のファイバは、第1のガラス転移温度未満の第2のガラス転移温度を有し得る。カートリッジデッキは、少なくとも第2のガラス転移温度の温度に加熱され得る。本方法はまた、カートリッジデッキ及びそれに適用された足場を、第2のガラス転移温度未満の温度に冷却することを含み得る。
足場は、第1及び第2の種類のファイバを各々有する第1及び第2の編み層と、第1の編み層と第2の編み層との間に配設された支持層と、を含み得る。そのような事例では、カートリッジデッキの表面に対する足場の位置付けは、第1の編み層を表面に接して配置することと、第1の編み層が結合して表面の形状に適合するように、足場に力を加えることと、を含み得る。支持層は、第2の種類のファイバから形成され得る。
本明細書に開示される器具は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することも、複数回使用されるように設計することもできる。しかしながら、いずれの場合でも、器具を少なくとも1回使用した後で再び使用するためには、再調整が行われ得る。再調整は、器具を分解する工程、続いて特定の断片を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立ての工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、器具は分解することができ、器具の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換すると、器具は、再調整設備において、又は外科的処置の直前に手術チームによって、後で使用するために再組み立てすることができる。当業者であれば、器具の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用し得ることを理解するであろう。そのような技術の使用と、それにより再調整された器具は、全て本出願の範囲内にある。
本発明の教示は、以下の非限定的な実施例を参照して更に理解され得る。
実施例1:足場の製造
2つの編み層と、それらの間に位置付けられた支持層と、を有する試料を調製した。2つの編み層は、各々、Vicrylファイバ(Vicrylのマルチフィラメントファイバ)から形成され、支持層は、ポリジオキサノン(Polydioxanone、PDS)ファイバ(PDSのモノフィラメントファイバ)から形成され、これらの詳細を以下の表1に提供する。
2つの編み層と、それらの間に位置付けられた支持層と、を有する試料を調製した。2つの編み層は、各々、Vicrylファイバ(Vicrylのマルチフィラメントファイバ)から形成され、支持層は、ポリジオキサノン(Polydioxanone、PDS)ファイバ(PDSのモノフィラメントファイバ)から形成され、これらの詳細を以下の表1に提供する。
試料は、6つのガイドバー(guide bar、GB)構造体を有する16ゲージの二本針バーRaschel編機を使用した経編地であった。各ガイドバーを、パターン鎖を使用して個別に制御し、そのパターンは以下の表2に見出すことができる。PDSを支持層に使用し、Vicrylを編み層に使用した。
5インチ幅の試料の約6.4ヤードを生成した。試料をイソプロピルアルコールで洗浄した。試料をロール上に置き、窒素パージされたホイルバッグ内で密封し、更に処理するまで窒素流下で保持した。
次に、表3に記載されるような周期条件を使用して、試料の約5インチ×5インチのセグメントをアニールした。
次に、アニールした試料を切断して、約5mm×10mmの試料足場を生成した。足場試料のうちの1つを光学顕微鏡(optical microscopy、OM)及びSEMによって検査した。試料足場の様々なOM画像を図8A〜図8Cに示し、足場試料の断面SEM画像を図9に示す。
実施例2:細胞内殖及び炎症の限定
実施例1で調製した試料足場を、ヘマトキシリン及びエオシン染色(hematoxylin and eosin、H&E)染色剤を注射したウサギの皮下に最大90日間埋め込んだ。60日目に取り除いた埋め込んだ足場の病理組織学的画像を図10A〜図10Bに例示し、90日目に取り除いた埋め込んだ足場を図11A〜図11Bに例示する。これらの画像に示される白い楕円/円は、垂直に又はわずかに外れて切断された足場のファイバである。示されるように、黒い箱は、埋め込み中に組織内殖が生じた足場の部分のうちのいくつかを例示している。追加的に、図10B及び図11Bの矢印は、治癒の炎症期を示す、ファイバの周囲の炎症領域を指している。
実施例1で調製した試料足場を、ヘマトキシリン及びエオシン染色(hematoxylin and eosin、H&E)染色剤を注射したウサギの皮下に最大90日間埋め込んだ。60日目に取り除いた埋め込んだ足場の病理組織学的画像を図10A〜図10Bに例示し、90日目に取り除いた埋め込んだ足場を図11A〜図11Bに例示する。これらの画像に示される白い楕円/円は、垂直に又はわずかに外れて切断された足場のファイバである。示されるように、黒い箱は、埋め込み中に組織内殖が生じた足場の部分のうちのいくつかを例示している。追加的に、図10B及び図11Bの矢印は、治癒の炎症期を示す、ファイバの周囲の炎症領域を指している。
当業者には、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明された内容により限定されるものではない。本明細書において引用されている全ての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている。参照によって全体又は一部が本明細書に組み込まれるとされる任意の特許、公開、又は情報は、組み込まれる資料が、この文書に記載されている既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に明確に示した開示内容は、本明細書に援用されるいかなる矛盾する資料にも優先するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を備え、前記ステープルが、前記足場を通って前記足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、前記足場が、多層構造体であり、前記多層構造体が、
マルチフィラメントファイバを有する第1の層であって、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1の層、及び
前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバから形成された第2の層であって、前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、第2の層、を備える、ステープルカートリッジアセンブリ。
(2) 前記モノフィラメントファイバが、前記第1の層の前記マルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(3) 前記マルチフィラメントファイバの各々が、非結合マルチフィラメントファイバである、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(4) 前記マルチフィラメントファイバが、前記第2の層内に存在しない、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(5) 前記多層構造体が、前記マルチフィラメントファイバを有する第3の層を更に備え、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されており、前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置付けられている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(1) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を備え、前記ステープルが、前記足場を通って前記足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、前記足場が、多層構造体であり、前記多層構造体が、
マルチフィラメントファイバを有する第1の層であって、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1の層、及び
前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバから形成された第2の層であって、前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、第2の層、を備える、ステープルカートリッジアセンブリ。
(2) 前記モノフィラメントファイバが、前記第1の層の前記マルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(3) 前記マルチフィラメントファイバの各々が、非結合マルチフィラメントファイバである、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(4) 前記マルチフィラメントファイバが、前記第2の層内に存在しない、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(5) 前記多層構造体が、前記マルチフィラメントファイバを有する第3の層を更に備え、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されており、前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置付けられている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(6) 前記モノフィラメントファイバが、前記第1の層及び前記第3の層の前記第1のファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、実施態様5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(7) 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成されている、実施態様5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(8) 前記マルチフィラメントファイバが、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(9) 前記モノフィラメントファイバが、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(10) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を備え、前記ステープルが、前記足場を通って前記足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、前記足場が、多層構造体であり、前記多層構造体が、
各々がマルチフィラメントファイバを有する第1及び第2の層であって、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1及び第2の層、並びに
前記第1の層と前記第2の層との間に位置付けられた中間層であって、前記中間層が、前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバのみから形成されている、中間層、を備え、
前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、ステープルカートリッジアセンブリ。
(7) 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成されている、実施態様5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(8) 前記マルチフィラメントファイバが、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(9) 前記モノフィラメントファイバが、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(10) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を備え、前記ステープルが、前記足場を通って前記足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、前記足場が、多層構造体であり、前記多層構造体が、
各々がマルチフィラメントファイバを有する第1及び第2の層であって、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1及び第2の層、並びに
前記第1の層と前記第2の層との間に位置付けられた中間層であって、前記中間層が、前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバのみから形成されている、中間層、を備え、
前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、ステープルカートリッジアセンブリ。
(11) 前記モノフィラメントファイバが、前記第1及び第2の層の前記マルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(12) 前記マルチフィラメントファイバの各々が、非結合マルチフィラメントファイバである、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(13) 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(14) 前記マルチフィラメントファイバが、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(15) 前記モノフィラメントファイバが、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(12) 前記マルチフィラメントファイバの各々が、非結合マルチフィラメントファイバである、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(13) 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(14) 前記マルチフィラメントファイバが、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(15) 前記モノフィラメントファイバが、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(16) 外科用ステープルカートリッジと共に使用するための足場であって、
カートリッジデッキに嵌合するように構成された第1の層であって、前記第1の層が、マルチフィラメントファイバを有し、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されている、第1の層と、
前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されるように構成されたモノフィラメントファイバから形成された第2の層であって、前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、第2の層と、を備える、足場。
(17) 前記足場が、前記マルチフィラメントファイバを有する第3の層を更に備え、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されており、前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置付けられている、実施態様16に記載の足場。
カートリッジデッキに嵌合するように構成された第1の層であって、前記第1の層が、マルチフィラメントファイバを有し、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されている、第1の層と、
前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されるように構成されたモノフィラメントファイバから形成された第2の層であって、前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、第2の層と、を備える、足場。
(17) 前記足場が、前記マルチフィラメントファイバを有する第3の層を更に備え、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されており、前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置付けられている、実施態様16に記載の足場。
Claims (17)
- 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を備え、前記ステープルが、前記足場を通って前記足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、前記足場が、多層構造体であり、前記多層構造体が、
マルチフィラメントファイバを有する第1の層であって、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1の層、及び
前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバから形成された第2の層であって、前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、第2の層、を備える、ステープルカートリッジアセンブリ。 - 前記モノフィラメントファイバが、前記第1の層の前記マルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記マルチフィラメントファイバの各々が、非結合マルチフィラメントファイバである、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記マルチフィラメントファイバが、前記第2の層内に存在しない、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記多層構造体が、前記マルチフィラメントファイバを有する第3の層を更に備え、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されており、前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置付けられている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記モノフィラメントファイバが、前記第1の層及び前記第3の層の前記第1のファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成されている、請求項5に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記マルチフィラメントファイバが、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記モノフィラメントファイバが、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
少なくとも2つの異なるファイバ材料から形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性足場と、を備え、前記ステープルが、前記足場を通って前記足場に対して捕捉された組織内に配備可能であり、前記足場が、多層構造体であり、前記多層構造体が、
各々がマルチフィラメントファイバを有する第1及び第2の層であって、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されている、第1及び第2の層、並びに
前記第1の層と前記第2の層との間に位置付けられた中間層であって、前記中間層が、前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されたモノフィラメントファイバのみから形成されている、中間層、を備え、
前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、ステープルカートリッジアセンブリ。 - 前記モノフィラメントファイバが、前記第1及び第2の層の前記マルチフィラメントファイバに、非固定的かつ摺動可能に相互接続されている、請求項10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記マルチフィラメントファイバの各々が、非結合マルチフィラメントファイバである、請求項10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を加えるように構成されている、請求項10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記マルチフィラメントファイバが、ポリ−L−乳酸、グリコリド及びL−ラクチドのコポリマー、グリコール酸及び乳酸のコポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 前記モノフィラメントファイバが、ポリジオキサノン、ポリジオキサノン及びポリグリコリドのコポリマー、ラクチド及びポリカプロラクトンのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
- 外科用ステープルカートリッジと共に使用するための足場であって、
カートリッジデッキに嵌合するように構成された第1の層であって、前記第1の層が、マルチフィラメントファイバを有し、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されている、第1の層と、
前記カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されるように構成されたモノフィラメントファイバから形成された第2の層であって、前記モノフィラメントファイバが、前記マルチフィラメントファイバの平均直径よりも小さい直径を有する、第2の層と、を備える、足場。 - 前記足場が、前記マルチフィラメントファイバを有する第3の層を更に備え、前記マルチフィラメントファイバの少なくとも一部分が、前記カートリッジデッキに対して実質的に平行な方向に配向されるように構成されており、前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に位置付けられている、請求項16に記載の足場。
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