本願で開示する器具及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の代表的な実施形態について、これから説明することにする。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示される装置、システム、及び方法は、非限定的である例示的な実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることが理解されるであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
更に、本開示においては、実施形態の同様の参照符合を付した構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の参照符合を付した各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。加えて、開示されるシステム、装置、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、装置、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及び装置、並びにその構成要素の寸法及び形状は、少なくとも、システム及び装置が内部で用いられる対象の解剖学的構造、システム及び装置が一緒に用いられる構成要素の寸法及び形状、並びにシステム及び装置が用いられる方法及び手順に依存し得る。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、器具のハンドルを握っている臨床医などのユーザを基準として使用されることが理解されるであろう。「前方」及び「後方」といった他の空間的用語は、同様に、遠位及び近位にそれぞれ対応する。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」などの空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの空間的用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
値又は範囲は、本明細書では、「約」及び/又は「約」1つの特定の値から別の特定の値として表すことができる。そのように値又は範囲が表される場合、開示される他の実施形態は、列挙された特定の値、及び/又は1つの特定の値から別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって値が近似の形式で表現された場合、開示される多くの値が列挙され、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。開示される多くの値が存在し、本明細書において、各値もその値自体に加えて「約」が付く値として開示されることも更に理解されるであろう。いくつかの実施形態では、「約」を用いて、例えば、列挙された値の10%以内、列挙された値の5%以内、又は列挙された値の2%以内を意味し得る。
本教示を説明及び定義する目的で、別途記載のない限り、用語「実質的に」は、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用されることに留意されたい。用語「実質的に」はまた、本明細書では、定量的表現が、問題の対象物の基本的機能の変化をもたらすことなく、記述された基準から変化し得る程度を表すためにも利用される。
外科用ステープル・カートリッジ・アセンブリ及びその製造方法が提供される。一般に、ステープル・カートリッジ・アセンブリは、内部に複数のステープルが配置されたカートリッジデッキを含むステープルカートリッジを有している。ステープル・カートリッジ・アセンブリはまた、カートリッジデッキと解放可能に嵌合し、内部を通ってステープルが組織内に配備されることを可能にするように構成された、弾性変形可能な編まれた生体吸収性足場を含む。足場は、ステープルがカートリッジデッキから組織内に配備されるとき、足場の少なくとも一部分がステープルによって捕捉された組織に取り付けられ得るように、カートリッジデッキに解放可能に嵌合され得る。本明細書で論じられるように、足場は、組織の厚さの変化などの組織特性の変化を補償するように、及び/又は足場が組織にステープル留めされたときの組織内殖を促進するように構成され得る。例えば、足場は、組織配備状態にあるとき(例えば、足場が生体内で組織にステープル留めされるとき)に少なくとも3日間、少なくとも約3g/mm2の応力を組織に適用するように構成され得る。例示的なステープル・カートリッジ・アセンブリは、本明細書で説明され、図面に示すように、外科用ステープルの適用を容易にするための様々な特徴を有し得る。しかしながら、ステープル・カートリッジ・アセンブリは、これらの特徴の一部のみを有してもよく、かつ/又は当該技術分野では既知の様々な他の特徴を有してもよいことが当業者には理解されるであろう。本明細書に述べられるステープル・カートリッジ・アセンブリは、特定の代表的な実施形態を表すことを意図したものに過ぎない。更に、足場は、外科用ステープル・カートリッジ・アセンブリと関連して説明されているが、足場は、任意の種類の外科用装置と関連して使用することができる。
図1は、例えば足場などの埋め込み式補助材と共に使用するのに好適な例示的な外科用ステープル留め兼用切断器具100を示す。外科用ステープル留め兼用切断器具100は、細長ステープルチャネル104への枢動可能な装着部を中心に繰り返し開閉することができるアンビル102を備えていてもよい。ステープル留めアセンブリ106はアンビル102とチャネル104とを備えていてもよく、このアセンブリ106が、実施部分110を形成する細長シャフト108に近位側に装着され得る。ステープル留めアセンブリ106が閉じているとき、又は少なくとも実質的に閉じているとき、実施部分110は、トロカールにステープル留めアセンブリ106を挿入するのに好適な、充分に小さな断面を呈し得る。器具100は、組織をステープル留め及び切断するように構成されているが、組織をステープル留めするが組織を切断しないように構成された外科用器具もまた、本明細書で企図される。
様々な状況において、ステープル留めアセンブリ106は、細長シャフト108に接続されたハンドル112によって操作される。ハンドル112は、細長シャフト108の長手方向軸線を中心として細長シャフト108及びステープル留めアセンブリ106を回転させる回転ノブ114、並びにピストルグリップ118の前で枢動してステープル留めアセンブリ106を閉鎖することができる閉鎖トリガ116などのユーザ制御部を備え得る。例えば、閉鎖トリガ116がクランプされたとき、ハンドル112上の外側に閉鎖解放ボタン120があり、これにより解放ボタン120を押圧して閉鎖トリガ116のクランプを解除してステープル留めアセンブリ106を開くことができる。
発射トリガ122は、閉鎖トリガ116の前で枢動することができ、これによりステープル留めアセンブリ106に、内部にクランプ締めされた組織の切断とステープル留めとを同時に行わせることができる。様々な状況において、ストローク1回につき外科医の手によって加えられることが要求される力の量を低減するために、発射トリガ122を使用して複数の発射ストロークが用いられ得る。ある特定の実施形態において、ハンドル112は、発射の進行を表示することができる1つ又は2つ以上の回転式インジケータホイール、例えば、回転式インジケータホイール124を備え得る。手動発射解放レバー126により、必要に応じて、完全な発射運動距離が完了する前に、発射システムが後退できるようになり、更に、発射解放レバー126により、発射システムが固着する及び/又は機能しなくなる場合に、外科医又は他の臨床医が発射システムを後退させることが可能となる。
本開示との使用に好適な外科用ステープル留め兼用切断器具100及び他の外科用ステープル留め兼用切断器具に関する更なる詳細は、例えば、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9332984号、及び米国特許出願公開第2009/0090763号に記載されている。更に、外科用ステープル留め兼用切断器具は、ハンドルを含む必要はなく、代わりに、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、Frederick E.Shelton等の、2017年8月29日に出願された米国特許出願第15/689198号に記載されているような、外科用ロボットに連結するように構成されたハウジングを含む。
図2及び図3を参照して、例えば発射アセンブリ228などの発射アセンブリは、図1の器具100のような外科用ステープル留め兼用切断器具と共に利用することで、ウェッジスレッド230を前進させることができ、このウェッジスレッド230は、ステープルを、図1のステープル留めアセンブリ106のようなステープル留めアセンブリから、図1のアンビル102のようなアンビルと図1のチャネル104のような細長ステープルチャネルとの間に捕捉された組織へと配備するように構成された複数のウェッジ232を備える。更に、発射アセンブリ228の遠位部分にあるE字形梁部233が、ステープル留めアセンブリからステープルを発射し、また発射中にアンビルを細長ステープルチャネルに対して位置付け得る。E字形梁部233は、一対の上部ピン234、ウェッジスレッド230の部分238に続き得る一対の中間ピン236、及び底部ピン又はフット240、並びに発射アセンブリ228が遠位側に前進するときに捕捉された組織を切断するように構成され得る鋭利な切断縁部242を含む。加えて、切断縁部242の各垂直端部をブラケット装着する一体成形された、近位側に突出している上部ガイド244及び中間ガイド246は、切断の前に、組織を鋭利な切断縁部242へガイドするのを補助する組織ステージングエリア248を更に画定してもよい。中間ガイド246はまた、ウェッジスレッド230の段付き中央部材250に当接することによりステープル留めアセンブリと係合しそれを発射するのに使用され、ステープル留めアセンブリによるステープル形成を行うことができる。
図4を参照すると、ステープルカートリッジ400は、図1の外科用ステープル留め兼用切断器具100のような外科用ステープル留め兼用切断器具と共に利用することができ、カートリッジデッキ402及び複数のステープル空洞404を含み得る。例えば、ステープル406は、各ステープル空洞404内に取り外し可能に配置することができる。未発射(配備前)構成におけるステープル406は、図5により詳細に示される。ステープルカートリッジ400はまた、発射部材及び/又は切断部材(例えば、図3のE字形梁部233のようなE字形梁部)を受容するように構成され得る長手方向チャネルを含むことができる。
各ステープル406は、頭頂部(基部)406C及び頭頂部406Cから延出する1本又は2本以上の変形可能な脚部406Lを有し得る。ステープル406が配備される前に、ステープル406の頭頂部406Cは、ステープルカートリッジ400内に配置されているステープルドライバ408によって支持され得、同時に、ステープル406の脚部406Lは、ステープル空洞404内に少なくとも部分的に収容され得る。更に、ステープル406のステープル脚部406Lは、ステープル406が未発射位置にあるとき、ステープルカートリッジ400の組織接触表面410を越えて延在することができる。特定の状況において、図5に示されるように、ステープル脚部406Lの先端部は、組織を切開及び貫通することができる鋭い先端部を含み得る。
ステープル406は、ステープル空洞404を通って脚部406Lが移動するように、未発射位置と発射位置との間に配備され得、これにより、脚部406Lは、図1のアンビル102のようなアンビルとステープルカートリッジ400との間に配置された組織を貫通し、アンビルと接触する。脚部406Lがアンビルに当たって変形すると、各ステープル406の脚部406Lが、各ステープル406内で、組織の一部分とを捕捉し、この組織に圧縮力をかけることができる。更に、各ステープル406の脚部406Lは、ステープル406の頭頂部406Cに向かって下方に変形して、組織が内部に捕捉され得るステープル捕捉領域を形成することができる。様々な状況において、ステープル捕捉領域は、変形した脚部の内側表面と、頭頂部の内側表面との間で画定され得る。ステープルの捕捉領域のサイズは、例えば、脚部の長さ、脚部の直径、頭頂部の幅、及び/又は脚部の変形の程度などのいくつかの要素に依存し得る。
使用時には、図1のアンビル102のようなアンビルは、図1の閉鎖トリガ116のような閉鎖トリガを押下して、図3のE字形梁部233のようなE字形梁部を前進させることによって、閉鎖位置へと移動させることができる。アンビルは、組織をステープルカートリッジ400の組織接触表面410に対して位置付けることができる。アンビルが好適に配置されると、ステープル406を配備することができる。
上述のようにステープル406を配備するために、図2のスレッド230のようなステープル発射スレッドは、近位端400pからステープルカートリッジ400の遠位端400dに向かって移動することができる。図3の発射アセンブリ228のような発射アセンブリが前進するとき、スレッドは、ステープルドライバ408に接触し、ステープルドライバ408をステープル空洞404の内部で上方に持ち上げ得る。少なくとも1つの例において、スレッド及びステープルドライバ408はそれぞれ、1つ又は2つ以上の傾斜面、すなわち斜めの表面を含み得、これが協働して、ステープルドライバ408を未発射位置から上方に動かすことができる。ステープルドライバ408がそれぞれのステープル空洞404内で上方に持ち上げられると、ステープルドライバ408がステープル406を上方に持ち上げ、これによりステープル406がステープル空洞404から現われて組織内に入り込み得る。様々な状況において、スレッドは、発射シーケンスの一部として、いくつかのステープルを同時に上方に移動させることができる。
当業者は、足場が以下で示され、説明されるが、本明細書で開示される足場は、他の外科用器具に連結することができ、記載されているようなステープルカートリッジに連結する必要がないことを理解するであろう。
上述したように、いくつかの外科用ステープラでは、外科医は、ステープル留めされる組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択することを必要とされることが多い。例えば外科医は、厚い組織に使用するには背の高いステープルを選択し、薄い組織に使用するには背の低いステープルを選択することができた。しかしながら、場合によっては、ステープル留めされている組織は、一貫した厚さを有さず、したがって、ステープルは、ステープル留めされた組織の全ての部分(例えば、厚い組織部分及び薄い組織部分)に対して、所望の発射構成を達成することができない。組織の厚さが一貫していないことはまた、特にステープル部位がステープル部位及び/又はステープルラインに沿って組織内圧力に曝露されたときに、同じ又は実質的に高さを有するステープルが使用されるとき、ステープル部位における組織の望ましくない漏れ及び/又は引き裂きをもたらし得る。
したがって、手術中に組織をステープル留めする際にステープル高さを考慮する必要がなくなるように、発射済み(配備された)ステープル内に捕捉される組織の様々な厚さを補償するように構成され得る足場の様々な実施形態が提供される。すなわち、本明細書に記載される足場は、様々な厚さの組織(すなわち、薄い組織から厚い組織まで)をステープル留めする際に使用されるのと同じ又は類似の高さを有するステープルのセットを可能にし、また、足場と組み合わせて、発射済みステープル内及び発射済みステープル間に適切な組織圧縮を提供することができる。したがって、本明細書に記載される足場は、ステープル留めされた薄い又は厚い組織に対して好適な圧縮を維持することができ、それによって、ステープル部位における組織の漏出及び/又は引き裂きを最小限に抑えることができる。
あるいは、又は加えて、足場は、組織内殖を促進するように構成され得る。様々な事例において、治療される組織(例えば、ステープル留め及び/又は切開される組織)の治癒を促進するため、及び/又は患者の回復を加速するために、埋め込み型足場の中への組織の内部成長を促進することが望ましい。より具体的には、埋め込み型足場への組織の内部成長により、手術部位での炎症の発生率、程度、及び/又は期間が減少し得る。埋め込み型足場への及び/又はその周辺での組織の内部成長は、例えば、手術部位での感染の拡大を管理してもよい。例えば埋め込み型足場への及び/又はその周辺での、血管、特に白血球の内部成長は、埋め込み型足場及び隣接組織の中で及び/又はそれらの周辺で感染に対抗し得る。組織の内部成長はまた、患者の身体による異物(例えば、埋め込み型足場及びステープル)の受容を助成し得、また患者の身体が異物を拒絶する可能性を低減し得る。異物の拒絶により、手術部位で感染及び/又は炎症が生じ得る。
一般に、本明細書で提供される足場は、ステープルがステープルカートリッジのカートリッジデッキから発射(配備)されるとき、ステープルが足場を貫通して組織内に入り込むように、図4のステープルカートリッジ400のようなステープルカートリッジの上に設計及び配置される。ステープルの脚部がステープル・カートリッジ・アセンブリの反対側に配置されたアンビルに対して変形されると、変形した脚部は、各ステープル内の足場の一部分及び組織の一部分を捕捉する。すなわち、ステープルが組織内に発射されると、足場の少なくとも一部分が組織と発射済みステープルとの間に配置される。本明細書に記載される足場は、ステープル・カートリッジ・アセンブリのステープルカートリッジに取り付けられるように構成されているが、本明細書では、足場は、外科用ステープラのジョーなどの他の器具構成要素と嵌合するように構成され得ることも企図される。
図6は、ステープルカートリッジ602及び足場604を含むステープル・カートリッジ・アセンブリ600の例示的な実施形態を示す。以下に詳細に記載される相違点以外に、ステープルカートリッジ602は、ステープルカートリッジ400(図4)と同様であってよく、したがって、本明細書では詳細に説明しない。図示のように、足場604は、ステープルカートリッジ602に対して位置決めされる。ステープルカートリッジは、カートリッジデッキ606と、図4及び図5に示されるステープル406のような複数のステープル608とを含むことができる。ステープル608は任意の適当な未成形高さを含み得る。例えば、ステープル608は、約2mm〜4.8mmの未形成高さを有し得る。配備の前に、ステープル608の頭頂部は、ステープルドライバ610によって支持され得る。
図示の実施形態では、足場604は、カートリッジデッキ606の外側表面612、例えば組織接触表面に嵌合され得る。カートリッジデッキ606の外側表面612は、1つ又は2つ以上の取り付け機構を含むことができる。1つ又は2つ以上の取り付け機構は、足場604と係合して、カートリッジデッキ606に対する足場604の望ましくない移動、及び/又はカートリッジデッキ606からの足場604の早期解放を回避するように構成され得る。この装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0106427号に詳細に記載されている。
足場604は、足場が様々な高さに圧縮され、それによって配備されたステープル内に捕捉される異なる組織厚さを補償するように、弾性的に変形可能である。足場604は、未圧縮(未変形)、又は配備前の高さを有し、複数の圧縮(変形)又は配備高さのうちの1つに変形するように構成されている。例えば、足場604は、ステープル608の発射済み高さ(例えば、図7の発射済みステープル608aの高さ(H))よりも大きい未圧縮高さを有し得る。一実施形態では、足場604の未圧縮高さは、ステープル608の発射高さよりも、約10%高い、約20%高い、約30%高い、約40%高い、約50%高い、約60%高い、約70%高い、約80%高い、約90%高い、又は約100%高くてもよい。特定の実施形態において、足場604の未圧縮高さは、例えば、発射されたステープル608の高さよりも、100%超高くてもよい。
足場604は、カートリッジデッキ606の外側表面612上に解放可能に保持され得る。図7に示すように、ステープルが発射されると、組織(T)及び足場604の一部分が、発射された(形成された)ステープル608aによって捕捉される。発射されたステープル608aは、上述したように、捕捉された足場604及び組織(T)を収容するために、内部に捕捉領域を画定する。発射済みのステープル608aによって画定される空間は、発射済みのステープル608aの高さ(H)によって少なくとも部分的に制限される。例えば、発射済みステープル608aの高さは、約0.130インチ以下であり得る。いくつかの実施形態において、発射済みステープル608aの高さは、約0.025インチ〜0.130インチであり得る。いくつかの実施形態において、発射済みステープル608aの高さは、約0.030インチ〜0.100インチであり得る。
上記のように、足場604は、ステープル内に捕捉された組織の厚さが各ステープル内で同じであるか又は異なるかどうかにかかわらず、複数の発射済みステープル内で圧縮され得る。少なくとも代表的な一実施形態において、ステープルライン(列)内のステープルは、各ステープルのステープル捕捉領域が例えば約2.75mmの高さを含むように変形され得、組織Tと足場604とが、この高さ内に圧縮され得る。特定の例では、組織(T)は、約1.0mmの圧縮高さを有することができ、足場604は、約1.75mmの圧縮高さを有することができる。特定の例では、組織(T)は、約1.50mmの圧縮高さを有することができ、足場604は、約1.25mmの圧縮高さを有し得る。特定の例では、組織(T)は、約1.75mmの圧縮高さを有することができ、足場604は、約1.00mmの圧縮高さを有し得る。特定の例では、組織(T)は、約2.00mmの圧縮高さを有することができ、足場604は、約0.75mmの圧縮高さを有することができる。特定の例では、組織(T)は、約2.25mmの圧縮高さを有することができ、足場604は、約0.50mmの圧縮高さを有し得る。したがって、捕捉された組織(T)及び足場604の圧縮高さの合計は、発射済みステープル608aの高さ(H)と等しくてもよく、又は少なくとも実質的に等しくてもよい。
以下でより詳細に論じられるように、足場の構造は、足場及び組織が発射済みステープル内に捕捉されると、足場が組織を通る循環血液の圧力に耐えることができる応力を加えることができるように構成され得る。高血圧は、典型的には210mmHgと見なされ、したがって、足場は、所定の期間(例えば、3日間)、組織に対して210mmHg以上(例えば、3g/mm2)の応力を加えることが望ましい。したがって、特定の実施形態では、足場は、少なくとも約3g/mm2の応力を捕捉された組織に少なくとも3日間印加するように構成され得る。足場は、足場が生体内の組織にステープル留めされるとき、組織配備状態にある。一実施形態では、印加応力は、約3g/mm2であり得る。別の実施形態では、印加応力は、3g/mm2超であり得る。更に別の実施形態では、応力は、少なくとも約3g/mm2であってもよく、捕捉された組織に3日間を超えて印加され得る。例えば、一実施形態では、応力は、少なくとも約3g/mm2であり得、約3日〜5日間、捕捉された組織に印加され得る。
捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を所定時間印加するように構成された足場を設計するために、Hookeの法則(F=kD)の原理を使用することができる。例えば、捕捉された組織に印加される力(応力)が既知である場合、剛性(k)を有するように足場を設計することができる。剛性は、材料及び/又は足場の形状(例えば、繊維の種類及び/又は直径、及び/又は繊維の相互接続性)を調整することによって設定することができる。更に、一実施形態では、例えば1mmの最小厚さの組織に対して最大量の圧縮変位を有するように足場を設計することができ、したがって、変位Dの長さは、組織の最小厚さ、例えば、1mm、プラス所与の最大ステープル高さ、例えば、2.75mmの組み合わせであり得る。例として、一実施形態では、足場は、最大形成されたステープル留めされた高さ2.75mmを超える高さを有し、最小厚さ1mmの組織にステープル留めされたときに1.75mmの高さまで圧縮するように構造化することができる。足場は、捕捉された組織及び足場の剛性(k)及び総厚さ(D)が、捕捉された組織に3g/mm2の応力を加えることができるように、一定の長さの変位Dを維持することができるように圧縮性が可変であってもよい。当業者であれば、例えば、補助材が植え込み後に室温から体温にもたらされるときに、前述の式が温度の変動を考慮するように変更され得ることを理解するであろう。
更に、足場は、捕捉された組織(例えば、3g/mm2)に所定の時間(例えば、3日間)にわたって実質的に連続的な応力を提供するように更に開発され得る。これを達成するために、足場を設計する際には足場の材料の分解速度及び足場内の組織内殖速度を考慮する必要がある。そうすることで、足場の剛性及び/又は捕捉された組織及び足場の総厚さが、3g/mm2未満の印加応力をもたらすことができる方法で変化しないように、足場を設計することができる。
足場は、様々なステープル留め条件(例えば、組織厚さ、成形されたステープルの高さ、組織内圧力)の下で組織にステープル留めされる。ステープル留め条件に応じて、組織の引き裂き及び漏出を防止するために、足場が組織に適用できる必要がある有効量の応力を決定することができる。例えば、一実施形態では、有効量の応力は、少なくとも約3g/mm2である。足場が組織に有効な量の応力を提供するために、足場は、様々なステープル留め条件を効果的に補償するように設計され得る。したがって、足場は、組織にステープル留めされたときに異なる圧縮高さをとるように調整され得る。組織内圧力、組織厚さ、及び成形されたステープル高さが有限範囲であるため、ステープル留め条件の範囲にわたって所与の時間(例えば、少なくとも3日間)にわたって組織にステープル留めされたときに、組織(例えば、3g/mm2)に実質的に連続的な所望の応力を印加するのに有効であり得る、適切な材料及び/又は幾何学的構造を決定することができる。すなわち、以下により詳細に記載されるように、本足場は圧縮性材料で形成され、組織にステープル留めされたときに足場が所定の平面内の様々な高さに圧縮されるように幾何学的に構成されている。更に、足場によるこの変化した応答はまた、足場が組織(例えば、血圧のスパイク)にステープル留めされたときに生じ得る組織内圧力の変動に曝露されたときに、足場が組織への連続的な所望の応力の印加を維持することを可能にし得る。
足場は、様々な構成を有することができる。例えば、特定の実施形態では、足場は、少なくとも1つのニット層と、少なくとも1つの支持層とを含むことができる。本明細書で使用するとき、「ニット層」は、「ニット領域」と同義的に使用され、「支持層」は、「スペーサ領域」と同義的に使用される。
図8A〜図8C及び図9は、支持層806がそれらの間に配置された第1及び第2のニット層802、804を有する足場800の例示的な実施形態を示す。この図示した実施形態では、第1のニット層802は組織に対して配置されるように構成することができ、第2のニット層804は、図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに対して配置されるように構成され得る。
図示のように、ニット層802、804は、第1の種類の繊維808及び第2の種類の繊維810を含み、支持層806は第2の種類の繊維810を含む。このように、2つの異なる繊維808、810で形成された足場800を有することによって、足場は、埋め込み後の経時的な可変剛性プロファイルを有することができる。例えば、第1の種類の繊維808は、ニット層802、804の構造構成要素として機能することができ、剛性プロファイルは、第1の種類の繊維808の分解プロファイルの関数であり得、第1の種類の繊維808と第2の種類の繊維810との間のニット層802、804内の第2の種類の繊維810との相互作用の関数であり得る。
更に、ニット層802、804は、足場800がカートリッジデッキに取り付けられるとき、第1の種類の繊維808の少なくとも一部分が、カートリッジデッキに実質的に平行な方向に配向されているように構成され得る。第1及び第2の種類の繊維808、810は、様々なサイズを有することができるが、いくつかの実施態様では、第1の種類の繊維808は、第2の種類の繊維810の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する。
図8A〜図8C及び図9に示すように、ニット層802、804及び支持層806の繊維808、810はモノフィラメント又はマルチフィラメントのいずれかであり得るが、いくつかの実施態様では、第1の種類の繊維808はマルチフィラメント繊維であり、第2の種類の繊維810はモノフィラメント繊維である。本明細書で使用するとき、用語「モノフィラメント繊維」は、それ自体の通常及び慣例的な意味を有し、単一のフィラメントから形成された繊維を含むことができる。本明細書で使用するとき、用語「マルチフィラメント繊維」は、それ自体の通常及び慣例的な意味を有し、互いに関連付けられて一体構造を形成する2つ以上のフィラメントから形成された繊維を含むことができる。一実施形態では、マルチフィラメント繊維は、非結合マルチフィラメント繊維である。本明細書で使用するとき、「非結合マルチフィラメント繊維」は、それ自体の通常及び慣例的な意味を有し、それらの長さに沿って少なくとも1つの点で互いに接触するが、互いに物理的に取り付けられていない2つ以上のフィラメントのアセンブリを含むことができる。非結合マルチフィラメント繊維の非限定的な例としては、糸(長さに沿って互いに撚り合わされたフィラメント)及びトウ(フィラメントは、それらの長さに沿って互いに撚られていないフィラメント)を含む。
マルチフィラメント繊維は、様々な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施態様では、各マルチフィラメント繊維は、約6〜40のフィラメントを含む。一態様では、各マルチフィラメント繊維は、約14〜28のフィラメントを含む。マルチフィラメント繊維のフィラメント間に存在する表面積及び空隙の増加は、足場内の組織内殖の改善を促進することができる(例えば、実施例2を参照)。
マルチフィラメント繊維は、様々なサイズを有し得る。例えば、各マルチフィラメント繊維は、約0.02mm〜0.2mm、約0.05mm〜0.2mm、又は約0.15mm〜0.2mmの平均直径を有することができる。いくつかの実施態様では、マルチフィラメント繊維の各フィラメントは、モノフィラメント繊維の繊維直径よりも小さい直径を有する。例えば、ニット層802、804が、マルチフィラメント繊維である第1の種類の繊維、及びモノフィラメント繊維である第2の種類の繊維を含む場合、マルチフィラメント繊維の各フィラメントは、モノフィラメント繊維の直径の約1/5〜1/20の直径を有し得る。特定の実施形態では、マルチフィラメント繊維の各フィラメントは、モノフィラメント繊維の直径の約1/10の直径を有することができる。
マルチフィラメント繊維は、異なる材料の同じ材料又はフィラメントで形成されたフィラメントから形成することができる。例えば、いくつかの実施態様では、マルチフィラメント繊維は、第1の材料の第1のフィラメント及び第2の材料の第2のフィラメントを含むことができる。一実施形態では、第2の材料は、第1の材料の分解速度よりも速い速度で分解する。このようにして、第2の材料の分解は活性化することができ、したがって、マクロファージの加速引力を促進し、移植後の経時的な足場の可変剛性プロファイルに実質的に影響を及ぼさない。マクロファージの活性化はひいては、筋線維芽細胞集団及び新生血管新生の増加を引き起こすことができる。更に、第2の材料の分解は、足場内の組織内殖を促進することができる。第1の材料は、例えば、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つであり得る。好適な第1の材料の非限定的な例は、ポリグラクチン910、Lactomer(商標)9−1、75:25又は50:50乳酸/グリコール酸、Polygytone(商標)6211、又はCaprosyn(商標)で形成することができる。第2の材料は、例えば、Vicryl Rapide(商標)などのグリコリドとL−ラクチドとのコポリマーであり得る。
マルチフィラメント繊維は、様々な割合範囲で第2のフィラメントを含むことができるが、いくつかの実施態様では、マルチフィラメント繊維はそれぞれ、約15%〜85%の範囲又は約25%〜45%の範囲の第2のフィラメントを含むことができる。第2のフィラメントは、様々な繊維直径を有することができる。例えば、いくつかの実施態様では、第2のフィラメントは、約0.0005mm〜0.02mmの繊維直径を有することができる。一実施形態では、第2のフィラメントは、約0.015mmの繊維直径を有する。
モノフィラメント繊維は、様々なサイズを有し得る。例えば、モノフィラメントは、約0.2mm〜0.35mmの直径を有することができる。いくつかの実施態様では、モノフィラメント繊維はそれぞれ、マルチフィラメント繊維の平均直径よりも小さい直径を有することができる。マルチフィラメント繊維の平均直径(D)は、以下の式を使用して計算することができる。
式中、
W=単位長さ当たりのマルチフィラメント繊維(繊維束)の重量、
N=動物の数、
ρ=繊維の密度である。
第1及び第2の種類の繊維808、810は、様々なガラス転移温度を有することができるが、いくつかの実施態様では、第1の種類の繊維808は第1のガラス転移温度を有し、第2の種類の繊維810は、第1のガラス転移温度未満の第2のガラス転移温度を有する。例えば、第1のガラス転移温度は、第2のガラス転移温度よりも少なくとも約30℃高くてもよい。他の例示的な実施形態では、第1のガラス転移温度は、第2のガラス転移温度より少なくとも約45℃高くてもよい。第1及び第2の種類の繊維808、810のガラス転移の差は、足場の構造的一体性に悪影響を及ぼすことなく、カートリッジデッキへの足場の確実な取り付けを更に容易にすることができる。
上述のように、足場の一部は、発射済みステープル内の組織で捕捉されるため、足場が好適な生体吸収性材料で形成されていることが望ましい。したがって、第1及び第2の種類の繊維808、810はそれぞれ、様々な吸収性材料で形成することができる。第1の種類の繊維に好適な材料の非限定的な例としては、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つが挙げられる。例えば、第1の種類の繊維は、ポリグラクチン910、Lactomer(商標)9−1、75:25又は50:50乳酸/グリコール酸、Polygytone(商標)6211、又はCaprosyn(商標)で形成することができる。第2の種類の繊維に好適な材料の非限定的な例としては、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、及びポリグリコネートのうちの少なくとも1つが挙げられる。例えば、第2の種類の繊維は、92:8ポリジオキサノン/ポリグリコリド、25:75ラクチド/ポリカプロラクトン、GlyComer(商標)631又はMaxon(商標)で形成することができる。一実施形態では、第1の種類の繊維はポリグラクチン910で形成され、第2の種類の繊維はポリジオキサノンで形成されている。
いくつかの実施形態では、第1の種類の繊維808は、生体吸収性ポリマー材料でコーティングされ得る。このようにして、第1の種類の繊維808のガラス転移温度は、例えば、第1の種類の繊維の基材のガラス転移温度と比較してガラス転移を増加又は減少させることによって変更することができ、特定の場合では、足場をカートリッジデッキに取り付けるために望ましい場合がある。例えば、第1の種類の繊維808のガラス転移温度を低下させることは、足場800の、図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキへのより確実な取り付けを提供することができ、及び/又は足場800のカートリッジデッキへの適合性を向上させ、冷却されると好適な形状を維持することができる。好適なコーティング材料の非限定的な例としては、ポリジオキサノン又は25:75ラクチド/ポリカプロラクトンが挙げられる。
図8A〜図8C及び図9のように、いくつかの実施態様では、ニット層802、804はそれぞれ様々な編まれたパターンを有し得、ニット層802、804はそれぞれ、Rachelニットパターンを有することができる(例えば、以下の実施例1に記載されるように)。当業者であれば、足場のニット層が他の経編パターンの形態をとることができることを理解するであろう。
図8A〜図8C及び図9に示されるように、第2の種類の繊維810は、第1及び第2の繊維が非固定的に取り付けられ、摺動可能に相互接続される方法で、第1及び第2のニット層802、804の第1の種類の繊維808と相互接続する。したがって、この例示された実施形態では、第1及び第2の種類の繊維808、810は、互いに対して移動することができ、それによって、x方向(例えば、伸張)及びy方向(例えば、圧縮)の移動及び拡張を可能にする。加えて、第1の種類の繊維808、810と第2の種類の繊維808、810との間の相互接続は、少なくとも部分的に、足場800の剛性に影響を及ぼし得る。例えば、相互接続をより緊密にし、足場800を補強する。
更に、図8A〜図8C及び図9に示されるように、第1及び第2のニット層802、804はそれぞれ、内部に形成された複数の開口部812を含む。第1及び第2のニット層802、804の開口部812はそれぞれ、第1及び第2の種類の繊維808、810から形成された外周を有する。第2のニット層804の開口部812は、図5のステープル406のように、ステープルの頭頂部の幅の約1/4未満のサイズを有し得る。したがって、いくつかの実施態様では、発射済みステープルの頭頂部は、第2のニット層804内の少なくとも4つの開口部812にわたって広がることができる。一実施形態では、開口部812は、頭頂部の幅の約1/8であるサイズを有することができる。ステープルの頭頂部は様々な幅を有することができるが、いくつかの実施態様では、頭頂部の幅は、約0.080インチ〜0.140インチであり得る。一実施形態において、頭頂部の幅は約0.12インチである。
第1及び第2のニット層802、804内の複数の開口部812は、様々なサイズを有することができる。例えば、第2のニット層804内の複数の開口部812は、約0.002インチ〜0.1インチの直径を有し得る。本明細書で使用するとき、開口部の「直径」は、開口部の任意の対の頂点間の最大距離である。
上述したように、図8A〜図8C及び図9に示されているように、足場800は、第1のニット層802と第2のニット層804との間に配置された支持層806を含む。支持層806は、第1及び第2のニット層802、804に非固定的に取り付けられている。支持層806は、足場800が図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに取り付けられるとき、支持層806の第2の種類の繊維810の少なくとも一部分が、カートリッジデッキに対して実質的に非平行な方向に配向されているように構成され得る。図8A〜図8C及び図9には、支持層806が、この例示的な実施形態ではモノフィラメントである第2の種類の繊維810のみを含むように示されているが、本明細書では、支持層806は、例えば、第1の種類の繊維808を含む追加の種類の繊維を含むことができることも想到される。
図示のように、支持層806の繊維810は、支持層806内に配置されて、起立(スペーサ)繊維814及びそれらの間の複数の空隙816を形成する。起立繊維814は、互いに固定的に取り付けられている。更に、起立繊維814は、第1及び第2のニット層802、804の第1の種類の繊維808に非固定的かつ摺動可能に相互接続されている。いくつかの実施態様では、複数の空隙816は、第1及び第2のニット層802、804内の複数の開口部812よりも大きくてもよい。
起立繊維814は、足場800に加えられる力の下で(例えば、組織にステープル留めされたとき)屈曲するように構成されている。起立繊維814の弾力性は、少なくとも部分的に、足場が様々な高さで圧縮され、それによって異なる厚さの組織部分を有する組織(T)を収容することが可能になる。すなわち、特定の組織厚さとは無関係に、発射済みステープル内の捕捉された組織及び足場の圧縮高さの合計を維持することができ、したがって、発射済みステープルの高さに等しいか又は少なくとも実質的に等しくなり得る。このようにして、少なくとも部分的に、足場800は、少なくとも所定の期間(例えば、少なくとも約3日間)にわたって捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を印加するように構成され得る。
一般に、各起立繊維814の材料組成、高さ、及び/又は横断面積がその剛性又は圧縮下で撓曲する能力を少なくとも部分的に制御し、次いでその能力が、足場800の圧縮性を少なくとも部分的に制御する。したがって、起立繊維814は、足場800の圧縮性を1つ又は2つ以上の所望の値へと調整するように構成され得る。例えば、図8B〜図8C及び図9中の起立繊維814は、同じ材料であり、いくつかの実施態様では、支持層806は、異なる剛性を有する異なる材料の起立繊維を含むことができる。代替的に又は追加的に、いくつかの実施態様では、支持層806は、異なる高さ及び/又は横断面積の起立繊維を含むことができる。一実施形態では、起立繊維814は、例えば、約25:1〜6:1の比率の高さ対直径比を有し得る。このようにして、起立繊維814は、移植された足場内の組織内殖及び細胞の組み込みを更に促進することができる。
支持層806の特定の区分内の起立繊維814の量は、とりわけ、そのような部分の圧縮性、ひいては足場800の圧縮性に影響を及ぼし得る。特定の事例では、起立繊維814は、例えば支持層806のうちの特定の区間における柱強度を高めるために、そのような区間に計画的に集中され得る。少なくとも1つの事例では、起立繊維814は、支持層806のうちの、外科用ステープル留め兼用切断器具が発射されたときにステープルを受容するように構成された区間に集中され得る。あるいは、起立繊維814は、ステープルが発射されたときにステープルを受容しない支持層806の部分で濃縮され得る。
起立繊維814に対する空隙816の比率は変化し得る。一実装では、この比率は、少なくとも約3:1の範囲であり得る。他の実施態様では、起立繊維814に対する空隙816の比率は、少なくとも約5:1、又は少なくとも約12:1の範囲であり得る。更に、支持層806内の空隙816の少なくとも一部分は、それぞれ異なるサイズを有することができる。このようにして、足場800の断面全体にわたる可変空隙径は、細胞外リモデリングを促進することができる。すなわち、可変空隙径は、足場が埋め込まれたときの足場800内の細胞の血管再生、並びに移動性を促進することができ、それによって組織及び細胞内内殖の両方を促進することができる。更に、可変空隙径はまた、埋め込まれた足場からの副生成物及び細胞廃棄物の抽出、したがって埋め込み部位を容易にすることができる。
いくつかの実施形態では、足場800はまた、第2のニット層804に相互接続された多孔質層を含むことができる。このようにして、足場800が図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに取り付けられるとき、多孔質層は、カートリッジデッキと第2のニット層804との間に配置される。一実施形態では、多孔質層は、第2のニット層804に融合又は結合される。多孔質層は、足場800の繊維808、810よりも低いガラス転移温度を有する材料で形成され得る。本明細書では、多孔質層は、足場800の繊維808、810の少なくとも1つと同じ又はより高いガラス転移温度を有する材料で形成され得ることも想到される。多孔質層は、約0.003インチ未満の厚さを有することができる。一実施形態では、多孔質層は、約0.001インチ未満の厚さを有する。多孔質層はまた、直径約0.0005インチ超の細孔を含むことができる。例えば、いくつかの実施態様では、細孔は、約0.0005インチ〜約0.001インチのサイズで変化し得る。更に、いくつかの実施態様では、細孔は、層の表面積の50%で構成することができる。
本明細書に記載される足場は、図8A〜図8C及び図9中の足場800と同様に、任意の好適な方法を使用して製造することができる。例えば、一実施形態では、方法は、第1のニット層を形成することと、第2のニット層を形成することと、第1及び第2のニット層を有する編みスペーサとを形成することを含み得る。第1及び第2の編み繊維は、第1のポリマーの繊維を含み得る。第1のニット層は、カートリッジデッキと嵌合するように構成され得る。スペーサ繊維を第1及び第2のニット層と相互編み込むことにより、第1及び第2のニット層を、離間した平行な関係で一緒に接続することができる。本明細書で使用するとき、「離間した平行関係」とは、第1及び第2の層が、互いから離れており、かつ互いと実質的に平行である平面内に延在することを意味する。スペーサ繊維は、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーのみで形成され得る。第1のポリマー繊維は、第2のポリマー繊維の直径とは異なる直径を有することができる。スペーサ繊維は、第1及び第2のニット層と一体化され、第1のニット層と第2のニット層との間に延在することができる。この方法はまた、スペーサ繊維と絡み合った第1及び第2のニット層をアニールすることも含み得る。
スペーサ繊維と第1及び第2のニット層との絡み合いは、それらの間に支持層を形成することができる。第1のニット層の形成は、第1のポリマー繊維を所定のパターンに従って編むことを含み得る。第2のニット層の形成は、第1のポリマー繊維を所定のパターンに従って編むことを含み得る。ニット層はそれぞれ様々なニットパターンを有することができるが、いくつかの実施態様では、ニット層はそれぞれ、Rachelニットパターンを有することができる(例えば、以下の実施例1に記載されるように)。当業者であれば、足場のニット層が他の経編パターンの形態をとることができることを理解するであろう。
図12Aは、足場1000の別の例示的実施形態を図示する。以下に詳細に記載される相違点以外に、足場1000は、足場800(図8A〜図8C及び図9)と同様であってよく、したがって、本明細書では詳細に説明しない。この実施形態では、足場1000は、第1の部分1004を有する第1のニット層1002と、外側縁部及び内側縁部をそれぞれ有する第2の部分1006とを含む。内側縁部1004a、1006aは、足場1000の長手方向軸(L)に沿って延在するチャネル1008を画定する。チャネル1008は、ナイフなどの切断部材を受容するように構成されている。図12Bに示されるように、チャネル1008は、足場1000を完全に貫通して延在しない。特に、チャネル1008は、第2のニット層1010を通って延在しない。このようにして、足場1000は、充分な構造的一体性を有するように構成され、それによって効果的に操作され、図12Bのカートリッジデッキ2014のようなカートリッジデッキに取り付けられる。別の実施形態では、図13に示すように、足場3000は穿孔されたチャネル3008を有し得る。使用中、切断部材が最初に発射され、足場1000に沿って移動するとき、切断部材は第2のニット層1010を切断し、それによって足場1000を2つの断片に分離する。
更に、図12A,に示すように、足場1000は、以下で更に説明するように、図12B,のカートリッジデッキ2014の陥凹チャネル2016のような凹溝と嵌合するように構成されたフランジ1012を含む。図12Aは、足場1000の一方の側にフランジ1012を有する足場1000を示しているが、足場1000の反対側に配置された追加のフランジ1012が存在する。当業者であれば、フランジ1012の数及び配置は、図12Aに示されるものに限定されないことを理解するであろう。フランジ1012は様々な材料で作製することができるが、いくつかの実施態様では、図12Aに示すように、フランジ1012は第2のニット層1010の延長部である。他の実施形態では、フランジ1012は、異なる材料で形成され、足場1000の他の構成要素と一直線又はオフラインで形成されてもよい。当業者であれば、フランジは、足場の第1及び/又は第2のニット層の材料と同じ又は異なる材料で形成され得、任意の好適な方法によってそれに取り付けられ得ることを理解するであろう。
図12Bは、ステープル・カートリッジ・アセンブリ2000の別の例示的な実施形態を示す。以下に詳細に記載される相違点以外に、ステープル・カートリッジ・アセンブリ2000は、ステープル・カートリッジ・アセンブリ600(図6)と同様であってよく、したがって、本明細書では詳細に説明しない。更に、簡潔にするために、ステープル・カートリッジ・アセンブリ2000の特定の構成要素は、図12Bには示されていない。
ステープル・カートリッジ・アセンブリ2000は、凹溝2016を有するカートリッジデッキ2014に取り付けられた図12Aの足場1000を含む。足場1000は、以下により詳細に記載されるように、任意の好適な方法を使用してカートリッジデッキに取り付けることができる。図示のように、陥凹チャネル2016は、フランジ1012がカートリッジデッキの側(複数可)に取り付けられ得るようにフランジ1012を受容するように構成されている。このようにして、足場1000は、カートリッジデッキ2014によりしっかりと取り付けられ、それによって使用中の足場1000の望ましくない移動を防止することができる。
足場をカートリッジデッキに適用して、任意の好適な方法を使用してステープル・カートリッジ・アセンブリを形成することができる。例えば、いくつかの実施形態において、方法は、カートリッジデッキを加熱することと、足場をカートリッジデッキの表面に対して配置することと、を含むことができる。足場は、第1の種類の繊維が主に存在する第1及び第2の種類の繊維を含み得る。本明細書で使用するとき、層内の特定の繊維の量を説明するために使用されるとき、「主に存在する」とは、その層内の合計量繊維の50%超の量を意味する。第1の種類の繊維は、第1のガラス転移温度を有することができ、第2の種類の繊維は、第1のガラス転移温度未満の第2のガラス転移温度を有することができる。カートリッジデッキは、少なくとも第2のガラス転移温度の温度に加熱され得る。この方法はまた、カートリッジデッキ及びそれに適用された足場を、第2のガラス転移温度未満の温度に冷却することを含み得る。
足場は、第1及び第2の種類の繊維をそれぞれ有する第1及び第2のニット層と、第1のニット層と第2のニット層との間に配置された支持層とを含むことができる。そのような場合、カートリッジデッキの表面に対する足場の配置は、第1のニット層を表面に接して配置することと、第1のニット層が結合して表面の形状に適合するように、足場に力を加えることを含み得る。支持層は、第2の種類の繊維で形成することができる。
本明細書に開示される器具は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することができ、又はこれらは複数回使用されるように設計することができる。しかしながらいずれの場合でも、器具を少なくとも1回使用した後で再び使用するには再調整することができる。再調整は、器具を分解する工程、続いて特定の部分を洗浄又は交換する工程、及びその後の再組み立ての工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、器具は分解することができ、器具の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換すると、器具は、再調整設備において、又は外科的処置の直前に手術チームによって、後で使用するために再組み立てすることができる。器具の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用してもよいことを、当業者は理解されよう。そのような技術の使用と、それにより再調整された器具は、全て本出願の範囲内にある。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することにより更に理解され得る。
実施例1:足場の製造
2つのニット層を有するサンプルと、それらの間に配置された支持層とを有するサンプルを調製した。2つの編層はそれぞれ、Vicryl繊維(Vicrylのマルチフィラメント繊維)から形成され、支持層は、ポリジオキサノン(PDS)繊維(PDSのモノフィラメント繊維)から形成され、これらの詳細は以下の表1に提供される。
試料は、6本のガイドバー(GB)構造を備えた16ゲージのダブルニードルバーラッシェル編機を使用して経ニット層であった。各ガイドバーを、パターン鎖を使用して個別に制御し、そのパターンを以下の表2に見出すことができる。PDSを支持層に使用し、Vicrylをニット層に使用した。
5インチ幅の試料の約6.4ヤードを作製した。試料をイソプロピルアルコールで洗浄した。試料をロール上に置き、窒素パージされたホイルバッグ内で密封し、更に処理するまで窒素流下で保持した。
次に、表3に記載のサイクル条件を使用して、試料の約5インチ×5インチのセグメントをアニールした。
次いで、アニーリングしたサンプルを切断して、約5mm×10mmの試料足場を作製した。足場試料のうちの1つを光学顕微鏡(OM)及びSEMによって検査した。サンプル足場の様々なOM画像を図8A〜8Cに示し、足場試料の断面SEM画像を図9に示す。
実施例2:細胞の成長及び限られた炎症
実施例1で調製したサンプル足場を、ヘマトキシリン及びエオシン染色(H&E)染色を注射したウサギに90日間皮下移植した。60日目に除去された移植された足場の組織病理学画像を図10A〜図10Bに示し、90日目に除去された移植足場材を図11A〜図11Bに示す。これらの画像に示される白い楕円/円は、垂直又はわずかにオフのいずれかで切断された足場の繊維である。図示のように、黒い箱は、移植中に組織内殖が生じた足場の一部分の一部を示す。更に、図10B及び図11B中の矢印は、治癒の炎症相を示す、線維の周囲の炎症性領域への点である。
当業者には、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明された内容により限定されるものではない。本明細書において引用されている全ての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている。参照によって全体又は一部が本明細書に組み込まれるとされる任意の特許、公開又は情報は、組み込まれる資料は、この文書に記載されている既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に明確に示した開示内容は、本明細書に援用されるいかなる矛盾する文献にも優先するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープル・カートリッジ・アセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
編まれた生体吸収性足場であって、前記足場に対して捕捉された組織内に前記足場を通して前記ステープルが配備可能である、編まれた生体吸収性足場と、を備え、前記足場は、
組織に対して配置されるように構成された第1のニット層であって、前記第1のニット層は、内部に形成された複数の開口部を有すると共に、第1の生体吸収性ポリマーから形成された繊維で形成されている、第1のニット層と、
前記カートリッジデッキに対して配置されるように構成された第2のニット層であって、前記第2のニット層は、内部に形成された複数の開口部を有すると共に、前記第1の生体吸収性ポリマーから形成された前記繊維で形成されており、前記開口部が、前記ステープルの頭頂部の幅の約1/4未満のサイズを有する、第2のニット層と、
前記第1のニット層と前記第2のニット層との間に配置された支持層であって、前記支持層が第2の生体吸収性ポリマーの繊維から形成され、前記支持層の前記繊維は、起立繊維及びそれらの間の複数の空隙を形成するように配置されており、前記起立繊維が互いに固定的に付着しておらず、前記支持層内の前記空隙の前記第2の吸収性ポリマーに対する比率が、少なくとも約3:1の範囲である、支持層と、を含む、ステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(2) 前記第1のニット層及び前記第2のニット層のうちの少なくとも1つが、第3の生体吸収性ポリマーで形成された繊維を更に含む、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(3) 前記支持層の前記繊維が、前記第1及び第2のニット層の前記繊維と摺動可能に相互接続されるように、前記第1及び第2のニット層に接続されている、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(4) 前記第1及び第2のニット層内の前記複数の開口部のうちのそれぞれの開口部が、前記第1及び第2の生体吸収性ポリマーから形成された外周を有する、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(5) 前記第2のニット層内に形成された前記複数の開口部のうちのそれぞれの開口部が、約0.0508mm〜2.54mm(約0.002インチ〜0.1インチ)の直径を有するように構成されている、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(6) 前記支持層内の前記空隙の少なくとも一部分が、それぞれ異なるサイズを有する、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(7) 前記起立繊維が、前記第1及び第2のニット層内における前記第1の生体吸収性ポリマーの前記繊維に対して実質的に垂直に配向されている、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(8) 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を印加するように構成されている、実施態様1に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(9) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのステープル・カートリッジ・アセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
編まれた生体吸収性足場であって、前記足場に対して捕捉された組織内に前記足場を通して前記ステープルが配備可能である、編まれた生体吸収性足場と、を備え、前記足場は、
組織に対して配置されるように構成された第1のニット層であって、前記第1のニット層は、内部に形成された複数の開口部を有し、前記第1のニット層は、第1の生体吸収性ポリマーから形成されたマルチフィラメント繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから形成されたモノフィラメント繊維から形成されている、第1のニット層と、
前記カートリッジデッキに対して配置されるように構成された第2のニット層であって、前記第2のニット層が、内部に形成された複数の開口部を有し、かつ前記マルチフィラメント繊維及びモノフィラメント繊維から形成されており、前記開口部は、前記ステープルの頭頂部の幅の約1/4未満のサイズを有する、第2のニット層と、
前記第1のニット層から前記第2のニット層まで延在するスペーサ繊維と、それらの間の複数の空隙とを有する支持層であって、各スペーサ繊維が前記モノフィラメント繊維から形成され、前記スペーサ繊維の端部は、前記第1及び第2のニット層と摺動可能に絡み合っており、前記支持層内の前記空隙の前記スペーサ繊維に対する比率は、少なくとも約3:1の範囲である、支持層と、を含む、ステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(10) 前記第1及び第2のニット層内における前記複数の開口部のうちのそれぞれの開口部が、前記マルチフィラメント繊維及びモノフィラメント繊維から形成された外周を有する、実施態様9に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(11) 前記第2のニット層内に形成された前記複数の開口部のうちのそれぞれの開口部が、約0.0508mm〜2.54mm(約0.002インチ〜0.1インチ)の直径を有するように構成されている、実施態様9に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(12) 前記支持層内の前記空隙の少なくとも一部分が、それぞれ異なるサイズを有する、実施態様9に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(13) 前記スペーサ繊維が、前記第1及び第2のニット層の前記マルチフィラメント繊維に対して実質的に垂直に配向されている、実施態様9に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(14) 前記足場は、前記足場が組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mm2の応力を印加するように構成されている、実施態様9に記載のステープル・カートリッジ・アセンブリ。
(15) 外科用ステープルカートリッジと共に使用するための足場であって、
組織に対して配置されるように構成された第1のニット層であって、前記第1のニット層は、内部に形成された複数の開口部を有すると共に、第1の生体吸収性ポリマーから形成された繊維から形成されている、第1のニット層と、
カートリッジデッキに対して配置されるように構成された第2のニット層であって、前記第2のニット層は、内部に形成された複数の開口部を有すると共に、前記第1の生体吸収性ポリマーから形成された前記繊維で形成されており、前記開口部が、前記カートリッジデッキ内のステープルの頭頂部の幅の約1/4未満のサイズを有する、第2のニット層と、
前記第1のニット層と前記第2のニット層との間に配置された支持層であって、前記支持層が第2の生体吸収性ポリマーの繊維から形成され、前記支持層の前記繊維は、起立繊維及びそれらの間の複数の空隙を形成するように配置されており、前記起立繊維が互いに固定的に付着しておらず、前記支持層内の前記空隙の前記第2の吸収性ポリマーに対する比率が、少なくとも約3:1の範囲である、支持層と、を含む、足場。