JP2021514250A - 編まれた組織スキャフォールド - Google Patents

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手術用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジ及びその製造方法が提供される。手術用ステープルカートリッジと共に使用するためのスキャフォールド及びその製造方法も提供される。

Description

編まれた組織スキャフォールド及びその製造方法が提供される。
手術用ステープラは、外科的処置において、組織、血管、導管、シャント、若しくは特定の処置に関連する他の対象物又は身体部位の開口部の閉鎖に使用される。開口部は、血管内又は胃のような内臓内の通路など、自然に存在するものであってもよく、あるいは、組織又は血管穿刺でバイパス又は吻合を形成することによって、又はステープル留め処置中の組織切開によってなど、外科的処置中に外科医によって形成されることがある。
一部の手術用ステープラは、外科医がステープルを適用する組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択する必要がある。例えば外科医は、厚い組織に使用するには背の高いステープルを選択し、薄い組織に使用するには背の低いステープルを選択することができた。しかしながら、場合によっては、ステープル留めされている組織は、一貫した厚さを有さず、したがって、ステープルは、各ステープル部位において所望の発射構成を達成することができない。その結果、ステープル留めされた部位の全て又はその近くの望ましいシールを形成することができず、これにより、血液、空気、胃腸流体、及び他の流体が、封止されていない部位を通って滲出することを可能にする。
更に、ステープル、並びにステープル留めのような処置と共に植え込みされ得る他の物体及び材料は、一般に、それらが植え込まれる組織のいくつかの特性を欠いている。例えば、ステープル並びに他の物体及び材料は、それらが植え込まれる組織の自然な可撓性を欠く可能性があり、したがって、植え込み部位における様々な組織内圧力に耐えることができない。これは、望ましくない組織の裂け、結果として、ステープル部位又はその近くの漏れ、及び/又は並置されたインプラントと組織との間の漏れをもたらす可能性がある。
したがって、手術用ステープラの現在の問題に対処する改善された器具及び方法が依然として必要とされている。
手術用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリが提供される。
1つの例示的な実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、カートリッジデッキに取り付けられ且つそれぞれが異なる機能を有する少なくとも3つの別個のゾーンから形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドと、を含むことができ、ステープルは、スキャフォールドに対して捕捉された組織内にスキャフォールドを通って配備可能である。スキャフォールドは、組織内方成長を促進するように構成されることができる第1の編まれたゾーンと、カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成されることができる第2の編まれたゾーンと、第1の編まれたゾーンと第2の編まれたゾーンとの間に配置され且つ第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーンを支持するように構成されることができるスペーサゾーンと、を含むことができ、第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーン内に開口部が存在し、スペーサゾーン内に空隙が存在し、空隙が開口部よりも大きい。第1の編まれたゾーンは、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維を含むことができ、各第1の繊維は、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する。第2の編まれたゾーンは、第1の編まれたゾーンの第1の繊維及び第2の繊維を含むことができる。スペーサゾーンは、第2の繊維が、第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーンの第1の繊維と非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、第2の繊維から形成されることができる。一態様では、スキャフォールドは、スキャフォールドが組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されることができる。
いくつかの態様では、第1の繊維の繊維直径は、第2の繊維の繊維直径の約1/5から1/20とすることができる。他の態様では、第1の繊維の繊維直径は、第2の繊維の繊維直径の約1/10とすることができる。
一態様では、第2の繊維は、第2の繊維がスペーサゾーンにわたって延在するように、第1の編まれたゾーンから第2の編まれたゾーンまで延在することができ、スペーサゾーン内の第2の繊維の少なくとも一部は、第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーンの第1の繊維に対して略直角に配向されることができる。
第1の種類の繊維及び第2の種類の繊維は、様々な材料から形成されることができる。一態様では、第1の種類の繊維は、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されることができる。他の態様では、第2の種類の繊維は、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されることができる。
他の実施形態では、複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、カートリッジデッキに取り付けられ且つそれぞれが異なる機能を有する少なくとも3つの別個のゾーンから形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドと、を含むことができ、ステープルが、スキャフォールドに対して捕捉された組織内にスキャフォールドを通って配備可能である、ステープルカートリッジアセンブリが提供される。スキャフォールドは、編まれた構成を有し且つ組織内方成長を促進するように構成されることができる第1のゾーンであって、第1のゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維を含む、第1のゾーンを含むことができる。スキャフォールドはまた、第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維から形成されることができ且つ第1のゾーンを垂直に支持するように構成されることができる第2のゾーンであって、第2の繊維が第2のゾーン内で略垂直に配向されるように、第2の繊維が第1のゾーンの第1の繊維に非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、第2のゾーンを含むことができる。各第1の繊維は、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有することができ、第1のゾーン内に開口部が存在し、第2のゾーン内に空隙が存在し、空隙は開口部よりも大きい。
いくつかの態様では、スキャフォールドはまた、編まれた構成を有することができ且つカートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成されることができる第3のゾーンを含むことができ、第3のゾーンは、第1の繊維を含むことができ、第2のゾーンは、第1のゾーンと第3のゾーンとの間に位置することができる。そのような例では、第2の繊維は、第3のゾーンの第1の繊維に対して非固定的且つ摺動可能に相互接続されることができ、第2の繊維の少なくとも一部が第2のゾーン内で垂直に配向されるように、第2の繊維が第1のゾーンから第3のゾーンまで延在することができる。スキャフォールドは、スキャフォールドが組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されることができる。
いくつかの態様では、第1の繊維の繊維直径は、第2の繊維の繊維直径の約1/5から1/20とすることができる。他の態様では、第1の繊維の繊維直径は、第2の繊維の繊維直径の約1/10とすることができる。
第1の種類の繊維及び第2の種類の繊維は、様々な材料から形成されることができる。一態様では、第1の種類の繊維は、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されることができる。他の態様では、第2の種類の繊維は、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されることができる。
組織内方成長を促進するように構成された第1の編まれたゾーンと、カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成された第2の編まれたゾーンと、第1の編まれたゾーンと第2の編まれたゾーンとの間に配置され且つ第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーンを支持するように構成されたスペーサゾーンと、を含むことができ、第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーン内に開口部が存在し、スペーサゾーン内に空隙が存在し、空隙が開口部よりも大きい、手術用ステープルカートリッジと共に使用するためのスキャフォールドもまた提供される。第1の編まれたゾーンは、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維を含むことができ、各第1の繊維は、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する。第2の編まれたゾーンは、第1の編まれたゾーンの第1の繊維及び第2の繊維を含むことができる。スペーサゾーンは、第2の繊維から形成されることができ、第2の繊維は、第1の編まれたゾーン及び第2の編まれたゾーンの第1の繊維と非固定的且つ摺動可能に相互接続されることができる。
本特許又は出願書類は、少なくとも1つのカラー印刷図面を含む。カラー図面を有する本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されるであろう。
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
従来の手術用ステープル留め及び分断器具の例示的な一実施形態の斜視図である。 図1の手術用ステープル留め及び分断器具のステープルカートリッジのウェッジスレッドの斜視図である。 図1の手術用ステープル留め及び分断器具のナイフ及び発射バー(「E字形梁部」)の斜視図である。 図1のステープル留め及び分断器具内に配置されることができる手術用カートリッジの長手方向断面図である。 図4の手術用カートリッジアセンブリのステープルカートリッジ内に配置されることができる未発射(配備前)構成におけるステープルの平面図である。 カートリッジデッキに取り付けられたスキャフォールドを有する手術用カートリッジアセンブリの例示的な実施形態の長手方向断面図である。 組織にステープル留めされたときの図6のスキャフォールドを示す概略図である。 図6の手術用カートリッジアセンブリのカートリッジデッキに取り付けられることができるスキャフォールドの例示的な実施形態の拡大平面図である。 B−Bでとられた図8Aのスキャフォールドの拡大断面図である。 C−Cでとられた図8Aのスキャフォールドの他の拡大断面図である。 500μmスケールにおける図8A〜図8Cのスキャフォールドの走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像である。 実施例2に記載されるように、60日目に除去された植え込まれたスキャフォールドの組織学的画像である。 図10Aの断面10Bの拡大図である。 実施例2に記載されるように、90日目に除去された植え込まれたスキャフォールドの組織学的画像である。 図11Aの断面11Bの拡大図である。 スキャフォールドの他の例示的な実施形態の斜視図である。 カートリッジデッキに取り付けられた図12Aに示されるスキャフォールドを有するステープルカートリッジアセンブリの他の例示的な実施形態である。 スキャフォールドの他の例示的な実施形態の底面図である。
本願で開示する器具及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の代表的な実施形態について、これから説明することにする。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示される器具、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
更に、本開示においては、実施形態の同様の参照符合を付した構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の参照符合を付した各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。加えて、開示されるシステム、器具、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、器具、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及び器具、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも、システム及び器具が内部で用いられる対象の解剖学的構造、システム及び器具が一緒に用いられる構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及び器具が用いられる方法及び手順に依存し得る。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、器具のハンドルを握っている臨床医などのユーザを基準として使用されることが理解されるであろう。「前方」及び「後方」といった他の空間的用語は、同様に、遠位及び近位にそれぞれ対応する。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」などの空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、手術用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの空間的用語は、限定的且つ絶対的なものであることを意図するものではない。
値又は範囲は、本明細書では、「約」及び/又は「約」1つの特定の値から別の特定の値として表すことができる。そのように値又は範囲が表される場合、開示される他の実施形態は、列挙された特定の値、及び/又は1つの特定の値から別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって値が近似の形式で表現された場合、開示される多くの値が列挙され、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。開示される多くの値が存在し、本明細書において、各値もその値自体に加えて「約」が付く値として開示されることも更に理解されるであろう。いくつかの実施形態では、「約」を用いて、例えば、列挙された値の10%以内、列挙された値の5%以内、又は列挙された値の2%以内を意味し得る。
本教示を説明及び定義する目的で、別途記載のない限り、用語「実質的に」は、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用されることに留意されたい。用語「実質的に」はまた、本明細書では、定量的表現が、問題の対象物の基本的機能の変化をもたらすことなく、記述された基準から変化し得る程度を表すためにも利用される。
手術用ステープルカートリッジアセンブリ及びその製造方法が提供される。一般に、ステープルカートリッジアセンブリは、内部に複数のステープルが配置されたカートリッジデッキを含むステープルカートリッジを有して提供される。ステープルカートリッジアセンブリはまた、カートリッジデッキと解放可能に嵌合し且つステープルが組織内を通して配備されることを可能にするように構成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドを含む。スキャフォールドは、ステープルがカートリッジデッキから組織内に配備されたとき、スキャフォールドの少なくとも一部がステープルによって捕捉された組織に取り付けられることができるように、カートリッジデッキに解放可能に嵌合されることができる。本明細書に記載されるように、スキャフォールドは、組織の厚さの変動などの組織特性の変動を補償するように、及び/又はスキャフォールドが組織にステープル留めされたときの組織内方成長を促進するように構成されることができる。例えば、スキャフォールドは、組織配備状態にあるとき(例えば、スキャフォールドが生体内で組織にステープル留めされるとき)、少なくとも約3g/mmの応力を組織に少なくとも3日間印加するように構成されることができる。例示的なステープルカートリッジアセンブリは、本明細書において説明されて図面に示すように、手術用ステープルの適用を容易にするための様々な特徴を含むことができる。しかしながら、当業者であれば、ステープルカートリッジアセンブリが、これらの特徴の一部のみを含むことができ、及び/又は当該技術分野において公知の様々な他の特徴を含むことができることを理解するであろう。本明細書に記載されるステープルカートリッジアセンブリは、特定の例示的な実施形態を表すことを意図したものに過ぎない。更に、スキャフォールドは、手術用ステープルカートリッジアセンブリと関連して説明されているが、スキャフォールドは、任意のタイプの手術用器具と関連して使用されることができる。
図1は、例えばスキャフォールドなどの植え込み可能な補助材と共に使用するのに好適な例示的な手術用ステープル留め及び分断器具100を示している。手術用ステープル留め及び分断器具100は、アンビル102を含むことができ、これは細長ステープルチャネル104への枢動可能な装着部を中心に繰り返し開閉することができる。ステープル留めアセンブリ106は、アンビル102とチャネル104とを備えてもよく、アセンブリ106は、細長シャフト108に近位側に取り付けられて実施部分110を形成することができる。ステープル留めアセンブリ106が閉じているとき、又は少なくとも実質的に閉じているとき、実施部分110は、トロカールを通ってステープル留めアセンブリ106を挿入するのに好適な、十分に小さな断面を呈することができる。器具100は、組織をステープル留め及び分断するように構成されているが、組織をステープル留めするが組織を分断しないように構成された手術用器具もまた、本明細書において企図される。
様々な場合において、ステープル留めアセンブリ106は、細長シャフト108に接続されたハンドル112によって操作される。ハンドル112は、ピストルグリップ118の前で枢動してステープル留めアセンブリ106を閉鎖することができる、細長シャフト108の長手方向軸及び閉鎖トリガ116を中心として細長シャフト108及びステープル留めアセンブリ106を回転させる回転ノブ114などのユーザ制御を含むことができる。例えば、閉鎖解放ボタン120が押下されて閉鎖トリガ116のクランプを解除してステープル留めアセンブリ106を開くことができるように、閉鎖解放ボタン120は、閉鎖トリガ116がクランプされたとき、ハンドル112上の外側に存在する。
閉鎖トリガ116の前で枢動することができる発射トリガ122は、ステープル留めアセンブリ106に、その中にクランプ締めされた組織の分断とステープル留めとを同時に行わせる。様々な場合において、ストローク1回につき外科医の手によって加えられることが要求される力の量を低減するために、複数の発射ストロークが発射トリガ122を使用して用いられることができる。ある特定の実施形態において、ハンドル112は、発射の進行を表示することができる1つ又は2つ以上の回転式インジケータホイール、例えば、回転式インジケータホイール124を備えることができる。手動発射解放レバー126により、必要に応じて、完全な発射運動距離が完了する前に、発射システムが後退できるようになり、更に、発射解放レバー126により、発射システムが固着する及び/又は機能しなくなる場合に、外科医又は他の臨床医が発射システムを後退させることが可能となる。
手術用ステープル留め及び分断器具100及び本開示と共に使用するのに適した他の手術用ステープル留め及び分断器具に関する更なる詳細は、例えば、その全体の参照によりその開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,332,984号及び米国特許出願公開第2009/0090763号に記載されている。更に、手術用ステープル留め及び分断器具は、ハンドルを含む必要はなく、代わりに、その全体の参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、Frederick E.Sheltonらによる2017年8月29日に出願された米国特許出願第15/689,198号に記載されているように、手術用ロボットに連結するように構成されたハウジングを含む。
図2及び図3を参照すると、例えば、発射アセンブリ228などの発射アセンブリは、図1の器具100などの手術用ステープル留め及び分断器具と共に利用され、図1のステープル留めアセンブリ106のようなステープル留めアセンブリから図1のアンビル102のようなアンビルと図1のチャネル104のような細長ステープルチャネルとの間に捕捉された組織へとステープルを配備するように構成された複数のウェッジ232を備えるウェッジスレッド230を前進させることができる。更にまた、発射アセンブリ228の遠位部分にあるE字形梁部233は、ステープルをステープル留めアセンブリから発射すると共に、発射中にアンビルを細長ステープルチャネルに対して位置付けることができる。E字形梁部233は、一対の上部ピン234、ウェッジスレッド230の部分238に続くことができる一対の中間ピン236、及び底部ピン又はフット240、並びに発射アセンブリ228が遠位側に前進するときに捕捉された組織を分断するように構成されることができる鋭利な切断縁部242を含む。加えて、切断縁部242の各垂直端部をブラケット装着する一体成形された、近位側に突出している上部ガイド244及び中間ガイド246は、分断の前に、組織を鋭利な切断縁部242へガイドするのを補助する組織ステージングエリア248を更に画定してもよい。中間ガイド246はまた、ウェッジスレッド230の段付き中央部材250に当接することによりステープル留めアセンブリと係合してそれを発射し、ステープル留めアセンブリによるステープル形成を行うことができる。
図4を参照すると、ステープルカートリッジ400は、図1の手術用ステープル留め及び分断器具100のような手術用ステープル留め及び分断器具と共に利用されることができ、カートリッジデッキ402及び複数のステープルキャビティ404を含むことができる。例えば、ステープル406は、各ステープルキャビティ404内に取り外し可能に配置されることができる。未発射(配備前)構成におけるステープル406は、図5により詳細に示されている。ステープルカートリッジ400はまた、例えば、図3のE字形梁部233のようなE字形梁部などの発射部材及び/又は切断部材を受容するように構成されることができる長手方向チャネルを含むことができる。
各ステープル406は、クラウン(基部)406及びクラウン406から延在する1本又は2本以上の脚部406を備えることができる。ステープル406が配備される前に、ステープル406のクラウン406は、ステープルカートリッジ400内に配置されているステープルドライバ408によって支持されることができ、同時に、ステープル406の脚部406は、ステープルキャビティ404内に少なくとも部分的に収容されることができる。更に、ステープル406のステープル脚部406は、ステープル406が未発射位置にあるとき、ステープルカートリッジ400の組織接触面410を越えて延在することができる。特定の場合において、図5に示されるように、ステープル脚部406の先端部は、組織を切開及び貫通することができる鋭い先端部を備えることができる。
ステープル406は、ステープルキャビティ404を通って脚部406が移動するように、未発射位置と発射位置との間に配備され、図1のアンビル102のようなアンビルとステープルカートリッジ400との間に配置された組織を貫通し、アンビルと接触することができる。脚部406がアンビルに当たって変形すると、各ステープル406の脚部406は、各ステープル406内で組織の一部を捕捉し、組織に圧縮力を印加することができる。更に、各ステープル406の脚部406は、ステープル406のクラウン406に向かって下方に変形して、組織が内部に捕捉されることができるステープル取り込み領域を形成することができる。様々な場合において、ステープル取り込み領域は、変形した脚部の内側表面と、ステープルのクラウンの内側表面との間に画定されることができる。ステープルの取り込み領域の大きさは、例えば、脚部の長さ、脚部の直径、クラウンの幅、及び/又は脚部の変形の程度などのいくつかの要素に依存することができる。
使用時には、図1のアンビル102のようなアンビルは、図1の閉鎖トリガ116のような閉鎖トリガを押下して、図3のE字形梁部233のようなE字形梁部を前進させることによって、閉鎖位置へと移動されることができる。アンビルは、組織をステープルカートリッジ400の組織接触面410に対して配置することができる。アンビルが好適に配置されると、ステープル406が配備されることができる。
上述したように、ステープル406を配備するために、図2のスレッド230のようなステープル発射スレッドは、ステープルカートリッジ400の近位端400pから遠位端400dに向かって移動されることができる。図3の発射アセンブリ228のような発射アセンブが前進するとき、スレッドは、ステープルドライバ408に接触し、ステープルドライバ408をステープルキャビティ404内で上方に持ち上げることができる。少なくとも1つの例において、スレッド及びステープルドライバ408は、それぞれ、1つ又は2つ以上のランプ、又は傾斜面を含むことができ、これらは、協働してステープルドライバ408を未発射位置から上方に移動させることができる。ステープルドライバ408がそれぞれのステープルキャビティ404内で上方に持ち上げられると、ステープルドライバ408は、ステープル406がそれらのステープルキャビティ404から現われて組織内に貫通することができるように、ステープル406を上方に持ち上げることができる。様々な場合において、スレッドは、発射シーケンスの一部として、いくつかのステープルを同時に上方に移動させることができる。
当業者であれば、スキャフォールドが以下に示されて説明されるが、本明細書で開示されるスキャフォールドは、他の手術用器具と共に使用されることができ、記載されているようなステープルカートリッジに連結される必要がないことを理解するであろう。
上述したように、いくつかの手術用ステープラでは、外科医は、ステープル留めされる組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択するように要求されることが多い。例えば外科医は、厚い組織に使用するには背の高いステープルを選択し、薄い組織に使用するには背の低いステープルを選択することができた。しかしながら、場合によっては、ステープル留めされている組織は、一貫した厚さを有さず、したがって、ステープルは、ステープル留めされた組織の全ての部分(例えば、厚い組織部分及び薄い組織部分)に対して、所望の発射構成を達成することができない。組織の一貫していない厚さはまた、特にステープル部位がステープル部位及び/又はステープルラインに沿って組織内圧力に曝露されたときに、同じ又は実質的に高さを有するステープルが使用されるとき、ステープル部位における組織の望ましくない漏れ及び/又は引き裂きをもたらす可能性がある。
したがって、手術中に組織をステープル留めする際にステープル高さを考慮する必要性を回避するために、発射済み(配備済み)ステープル内に捕捉される組織の様々な厚さを補償するように構成されることができるスキャフォールドの様々な実施形態が提供される。即ち、本明細書に記載されるスキャフォールドは、同じ又は類似の高さを有するステープルのセットが様々な厚さの組織(即ち、薄い組織から厚い組織まで)をステープル留めする際に使用されることを可能にすると共に、また、スキャフォールドと組み合わせて、発射済みステープル内及び発射済みステープル間に適切な組織圧縮を提供することができる。したがって、本明細書に記載されるスキャフォールドは、ステープル留めされた薄い組織又は厚い組織に対して好適な圧縮を維持することができ、それによって、ステープル部位における組織の漏れ及び/又は引き裂きを最小限に抑えることができる。
代替的に又は追加的に、スキャフォールドは、組織内方成長を促進するように構成されることができる。様々な場合において、治療される組織(例えば、ステープル留め及び/又は切開される組織)の治癒を促進するために、及び/又は患者の回復を加速するために、植え込み可能なスキャフォールドへの組織の内方成長を促進することが望ましい。より具体的には、植え込み可能なスキャフォールドへの組織の内方成長は、手術部位における炎症の発生率、程度、及び/又は期間を低減することができる。植え込み可能なスキャフォールドへの及び/又はその周辺での組織内方成長は、例えば、手術部位における感染の拡大を管理することができる。例えば、植え込み可能なスキャフォールドへの及び/又はその周辺での、血管、特に白血球の内方成長は、植え込み可能なスキャフォールド及び隣接組織における及び/又はそれらの周辺における感染に対抗することができる。組織内方成長はまた、患者の身体による異物(例えば、植え込み可能なスキャフォールド及びステープル)の受容を助成することができ、また患者の身体が異物を拒絶する可能性を低減することができる。異物の拒絶により、手術部位で感染及び/又は炎症が生じ得る。
一般に、本明細書において提供されるスキャフォールドは、ステープルがステープルカートリッジのカートリッジデッキから発射(配備)されたとき、ステープルがスキャフォールドを貫通して組織内に入り込むように、図4のステープルカートリッジ400のようなステープルカートリッジ上に設計及び配置される。ステープルの脚部がステープルカートリッジアセンブリの反対側に配置されたアンビルに対して変形されると、変形した脚部は、各ステープル内のスキャフォールド及び組織の一部を捕捉する。即ち、ステープルが組織内に発射されると、スキャフォールドの少なくとも一部が組織と発射済みステープルとの間に配置される。本明細書に記載されるスキャフォールドは、ステープルカートリッジアセンブリのステープルカートリッジに取り付けられるように構成されているが、スキャフォールドは、手術用ステープラのジョーなどの他の器具構成要素と嵌合するように構成されることができることも本明細書において企図される。
図6は、ステープルカートリッジ602及びスキャフォールド604を含むステープルカートリッジアセンブリ600の例示的な実施形態を示している。以下に詳細に記載される相違点以外に、ステープルカートリッジ602は、ステープルカートリッジ400(図4)と同様とすることができ、したがって、本明細書では詳細に説明しない。図示のように、スキャフォールド604は、ステープルカートリッジ602に対して配置される。ステープルカートリッジは、カートリッジデッキ606と、図4及び図5に示されるステープル406のような複数のステープル608とを含むことができる。ステープル608は、任意の適切な未形成(配備前)高さとすることができる。例えば、ステープル608は、約2mmから4.8mmの未形成高さを有することができる。配備の前に、ステープル608のクラウンは、ステープルドライバ610によって支持されることができる。
図示の実施形態では、スキャフォールド604は、カートリッジデッキ606の外側表面612、例えば組織接触面に嵌合されることができる。カートリッジデッキ606の外側表面612は、1つ又は2つ以上の装着機構を含むことができる。1つ又は2つ以上の装着機構は、スキャフォールド604と係合して、カートリッジデッキ606に対するスキャフォールド604の望ましくない移動、及び/又はカートリッジデッキ606からのスキャフォールド604の早過ぎる解放を回避するように構成されることができる。例示的な装着機構は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0106427号に見出すことができる。
スキャフォールド604は、スキャフォールドが様々な高さに圧縮され、それによって配備されたステープル内に捕捉される異なる組織厚さを補償することを可能にするように、弾性変形可能である。スキャフォールド604は、未圧縮(未変形)、又は配備前の高さを有し、複数の圧縮(変形)又は配備済み高さのうちの1つに変形するように構成されている。例えば、スキャフォールド604は、ステープル608の発射済み高さ(例えば、図7の発射済みステープル608aの高さ(H))よりも大きい未圧縮高さを有することができる。一実施形態では、スキャフォールド604の未圧縮高さは、ステープル608の発射高さよりも、約10%高く、約20%高く、約30%高く、約40%高く、約50%高く、約60%高く、約70%高く、約80%高く、約90%高く、又は約100%高くすることができる。特定の実施形態では、スキャフォールド604の未圧縮高さは、例えば、ステープル608の発射済み高さよりも100%超高くすることができる。
スキャフォールド604は、カートリッジデッキ606の外側表面612に解放可能に嵌合されることができる。図7に示すように、ステープルが発射されると、組織(T)及びスキャフォールド604の一部は、発射済み(形成済み)ステープル608aによって捕捉される。発射済みステープル608aは、捕捉されたスキャフォールド604及び組織(T)を収容するために、上述したように、その中に取り込み領域を画定する。発射済みステープル608aによって画定される取り込み領域は、発射済みステープル608aの高さ(H)によって少なくとも部分的に制限される。例えば、発射済みステープル608aの高さは、約0.130インチ以下とすることができる。いくつかの実施形態では、発射済みステープル608aの高さは、約0.025インチから0.130インチとすることができる。いくつかの実施形態では、発射済みステープル608aの高さは、約0.030インチから0.100インチとすることができる。
上述したように、スキャフォールド604は、ステープル内に捕捉された組織の厚さが各ステープル内で同じであるか又は異なるかにかかわらず、複数の発射済みステープル内で圧縮されることができる。少なくとも例示的な一実施形態では、ステープルライン、又は列内のステープルは、例えば、発射済み高さが約2.75mmであるように変形されることができ、組織(T)及びスキャフォールド604は、この高さ内に圧縮されることができる。特定の場合では、組織(T)は、約1.0mmの圧縮高さを有することができ、スキャフォールド604は、約1.75mmの圧縮高さを有することができる。特定の場合では、組織(T)は、約1.50mmの圧縮高さを有することができ、スキャフォールド604は、約1.25mmの圧縮高さを有することができる。特定の場合では、組織(T)は、約1.75mmの圧縮高さを有することができ、スキャフォールド604は、約1.00mmの圧縮高さを有することができる。特定の場合では、組織(T)は、約2.00mmの圧縮高さを有することができ、スキャフォールド604は、約0.75mmの圧縮高さを有することができる。特定の場合では、組織(T)は、約2.25mmの圧縮高さを有することができ、スキャフォールド604は、約0.50mmの圧縮高さを有することができる。したがって、捕捉された組織(T)及びスキャフォールド604の圧縮高さの合計は、発射済みステープル608aの高さ(H)と等しくすることができるか、又は少なくとも実質的に等しくすることができる。
以下により詳細に記載されるように、スキャフォールドの構造は、スキャフォールド及び組織が発射済みステープル内に捕捉されると、スキャフォールドが組織を通る循環血液の圧力に耐えることができる応力を印加することができるように構成されることができる。高血圧は、典型的には210mmHgと見なされ、したがって、スキャフォールドは、所定の期間(例えば、3日間)について210mmHg以上(例えば、3g/mm)の組織に対する応力を印加することが望ましいであろう。そのため、特定の実施形態では、スキャフォールドは、少なくとも約3g/mmの応力を捕捉された組織に少なくとも3日間印加するように構成されることができる。スキャフォールドは、スキャフォールドが生体内で組織にステープル留めされるとき、組織配備状態にある。一実施形態では、印加応力は、約3g/mmとすることができる。他の実施形態では、印加応力は、3g/mm超とすることができる。更に他の実施形態では、応力は、少なくとも約3g/mmとすることができ、捕捉された組織に3日間を超えて印加されることができる。例えば、一実施形態では、応力は、少なくとも約3g/mmとすることができ、約3日から5日間、捕捉された組織に印加されることができる。
捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を所定時間印加するように構成されたスキャフォールドを設計するために、Hookeの法則(F=kD)の原理を使用することができる。例えば、捕捉された組織に印加される力(応力)が既知である場合、剛性(k)を有するようにスキャフォールドを設計することができる。剛性は、材料及び/又はスキャフォールドの形状(例えば、繊維の種類及び/又は直径、及び/又は繊維の相互接続性)を調整することによって設定されることができる。更に、組織の最小厚さ、例えば1mmについての最大量の圧縮変位を有するようにスキャフォールドを設計することができ、したがって、変位Dの長さは、組織の最小厚さ、例えば、1mmと、所与の最大ステープル高さ、例えば、2.75mmについて組織にステープル留めされたときの組織の厚さとの合計とすることができる。例示として、一実施形態では、スキャフォールドは、最大形成されたステープル留めされた高さ2.75mmを超える高さを有し且つ最小厚さ1mmを有する組織にステープル留めされたときに1.75mmの高さまで圧縮するように構造化されることができる。したがって、スキャフォールドは、捕捉された組織及びスキャフォールドの剛性(k)及び総厚さ(D)が、捕捉された組織に3g/mmの応力を印加することができるように、一定の長さの変位Dを維持するように圧縮率を変えることができる。当業者であれば、例えば、補助材が植え込み後に室温から体温までもたらされるとき、前述の式が温度の変動を考慮するように変更されることができることを理解するであろう。
加えて、スキャフォールドは、捕捉された組織に所定時間(例えば、3日間)にわたって実質的に連続的な応力(例えば、3g/mm)を提供するように更に開発されることができる。これを達成するために、スキャフォールドを設計する際にスキャフォールドの材料の分解速度及びスキャフォールド内の組織内方成長速度を考慮する必要があるであろう。そうすることで、スキャフォールドの剛性及び/又は捕捉された組織及びスキャフォールドの総厚さが、3g/mm未満の印加応力をもたらすことができる方法で変化しないように、スキャフォールドを設計することができる。
スキャフォールドは、様々なステープル留め条件(例えば、組織厚さ、形成されたステープルの高さ、組織内圧力)の下で組織にステープル留めされる。ステープル留め条件に応じて、組織の引き裂き及び漏れを防止するためにスキャフォールドが組織に印加することができる必要がある有効量の応力を決定することができる。例えば、一実施形態では、有効量の応力は、少なくとも約3g/mmである。スキャフォールドが組織に有効量の応力を提供するために、スキャフォールドは、様々なステープル留め条件を効果的に補償するように設計されることができる。そのため、スキャフォールドは、組織にステープル留めされたときに異なる圧縮高さをとるように調整されることができる。組織内圧力、組織厚さ、及び形成されたステープル高さが有限範囲であるため、ステープル留め条件の範囲にわたって所与の時間(例えば、少なくとも3日間)にわたって組織にステープル留めされたときに、組織に対して実質的に連続的な所望の応力(例えば、3g/mm)を印加するのに有効とすることができる、スキャフォールドの適切な材料及び/又は幾何学的構造を決定することができる。即ち、以下により詳細に記載されるように、本スキャフォールドは、圧縮性材料から形成され、組織にステープル留めされたときにスキャフォールドが所定の平面内の様々な高さに圧縮されることを可能にするように幾何学的に構成されている。更に、スキャフォールドによるこの変化した応答はまた、スキャフォールドが組織にステープル留めされたときに生じ得る組織内圧力の変動(例えば、血圧のスパイク)に曝露されたときに、スキャフォールドが組織への連続的な所望の応力の印加を維持することを可能にすることができる。
スキャフォールドは、様々な構成を有することができる。例えば、特定の実施形態では、スキャフォールドは、少なくとも1つの編まれた層と、少なくとも1つの支持層とを含むことができる。本明細書において使用される場合、「編まれた層」は、「編まれたゾーン」と同義的に使用され、「支持層」は、「スペーサゾーン」と同義的に使用される。
図8A〜図8C及び図9は、支持層806がそれらの間に配置された第1及び第2の編まれた層802、804を有するスキャフォールド800の例示的な実施形態を示している。この図示された実施形態では、第1の編まれた層802は、組織に対して配置されるように構成されることができ、第2の編まれた層804は、図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに対して配置されるように構成されることができる。
図示のように、編まれた層802、804は、第1の種類の繊維808及び第2の種類の繊維810を含み、支持層806は、第2の種類の繊維810を含む。このように、2つの異なる繊維808、810から形成されたスキャフォールド800を有することによって、スキャフォールドは、植え込み後の経時的な可変剛性プロファイルを有することができる。例えば、第1の種類の繊維808は、編まれた層802、804の構造的構成要素として機能することができ、剛性プロファイルは、第1の種類の繊維808の分解プロファイルと、編まれた層802、804内の第1の種類の繊維808と第2の種類の繊維810との間の相互作用との関数とすることができる。
更に、編まれた層802、804は、スキャフォールド800がカートリッジデッキに取り付けられるとき、第1の種類の繊維808の少なくとも一部がカートリッジデッキに略平行な方向に配向されるように構成されることができる。第1及び第2の種類の繊維808、810は、様々なサイズを有することができるが、いくつかの実施態様では、第1の種類の繊維808は、第2の種類の繊維810の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する。
編まれた層802、804及び支持層806の繊維808、810は、モノフィラメント又はマルチフィラメントのいずれかとすることができるが、いくつかの実施態様では、図8A〜図8C及び図9に示されるように、第1の種類の繊維808は、マルチフィラメント繊維であり、第2の種類の繊維810は、モノフィラメント繊維である。本明細書において使用される場合、用語「モノフィラメント繊維」は、それ自体の通常及び慣例的な意味を有し、単一フィラメントから形成された繊維を含むことができる。本明細書において使用される場合、用語「マルチフィラメント繊維」は、それ自体の通常及び慣例的な意味を有し、互いに関連付けられて一体構造を形成する2つ以上のフィラメントから形成された繊維を含むことができる。一実施形態では、マルチフィラメント繊維は、非結合マルチフィラメント繊維である。本明細書において使用される場合、「非結合マルチフィラメント繊維」は、それ自体の通常及び慣例的な意味を有し、それらの長さに沿って少なくとも1つの点で互いに接触するが、互いに物理的に取り付けられていない2つ以上のフィラメントのアセンブリを含むことができる。非結合マルチフィラメント繊維の非限定的な例は、糸(それらの長さに沿って互いに撚り合わされたフィラメント)及びトウ(それらの長さに沿って互いに撚り合わされていないフィラメント)を含む。
マルチフィラメント繊維は、様々な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施態様では、各マルチフィラメント繊維は、約6から40本のフィラメントを含む。一態様では、各マルチフィラメント繊維は、約14から28本のフィラメントを含む。マルチフィラメント繊維のフィラメント間に存在する表面積及び空隙の増加は、スキャフォールド内の組織内方成長の改善を促進することができる(例えば、実施例2を参照)。
マルチフィラメント繊維は、様々な大きさを有することができる。例えば、各マルチフィラメント繊維は、約0.02mmから0.2mm、約0.05mmから0.2mm、又は約0.15mmから0.2mmの平均直径を有することができる。いくつかの実施態様では、マルチフィラメント繊維の各フィラメントは、モノフィラメント繊維の繊維直径よりも小さい直径を有する。例えば、編まれた層802、804が、マルチフィラメント繊維である第1の種類の繊維、及びモノフィラメント繊維である第2の種類の繊維を含む場合、マルチフィラメント繊維の各フィラメントは、モノフィラメント繊維の直径の約1/5から1/20の直径を有することができる。特定の実施形態では、マルチフィラメント繊維の各フィラメントは、モノフィラメント繊維の直径の約1/10の直径を有することができる。
マルチフィラメント繊維は、同じ材料から形成されたフィラメント又は異なる材料のフィラメントから形成されることができる。例えば、いくつかの実施態様では、マルチフィラメント繊維は、第1の材料の第1のフィラメント及び第2の材料の第2のフィラメントを含むことができる。一実施形態では、第2の材料は、第1の材料の分解速度よりも速い速度で分解する。このようにして、第2の材料の分解は、活性化することができ、したがって、マクロファージの加速引力を促進し且つ治癒の炎症段階を加速することができると共に、植え込み後の経時的なスキャフォールドの可変剛性プロファイルに実質的に影響を及ぼさない。マクロファージの活性化は、ひいては、筋線維芽細胞集団及び新血管形成の増加を引き起こすことができる。更に、第2の材料の分解は、スキャフォールド内の組織内方成長を促進することができる。第1の材料は、例えば、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つとすることができる。好適な第1の材料の非限定的な例は、polyglactin910、Lactomer(商標)9−1、75:25又は50:50乳酸/グリコール酸、Polygytone(商標)6211、又はCaprosyn(商標)から形成されることができる。第2の材料は、例えば、Vicryl Rapide(商標)などのグリコリドとL−ラクチドとのコポリマーとすることができる。
マルチフィラメント繊維は、様々な割合範囲で第2のフィラメントを含むことができるが、いくつかの実施態様では、マルチフィラメント繊維は、それぞれ、約15%から85%の範囲又は約25%から45%の範囲の第2のフィラメントを含むことができる。第2のフィラメントは、様々な繊維直径を有することができる。例えば、いくつかの実施態様では、第2のフィラメントは、約0.0005mmから0.02mmの繊維直径を有することができる。一実施形態では、第2のフィラメントは、約0.015mmの繊維直径を有する。
モノフィラメントは、様々な大きさを有することができる。例えば、モノフィラメントは、約0.2mmから0.35mmの直径を有することができる。いくつかの実施態様では、モノフィラメント繊維は、それぞれ、マルチフィラメント繊維の平均直径よりも小さい直径を有することができる。マルチフィラメント繊維の平均直径(D)は、以下の式を使用して計算されることができる:
Figure 2021514250
式中、
W=単位長さ当たりのマルチフィラメント繊維(繊維束)の重量
N=フィラメントの数
ρ=繊維の密度である。
第1及び第2の種類の繊維808、810は、様々なガラス転移温度を有することができるが、いくつかの実施態様では、第1の種類の繊維808は、第1のガラス転移温度を有し、第2の種類の繊維810は、第1のガラス転移温度未満の第2のガラス転移温度を有する。例えば、第1のガラス転移温度は、第2のガラス転移温度よりも少なくとも約30℃高くすることができる。他の例示的な実施形態では、第1のガラス転移温度は、第2のガラス転移温度よりも少なくとも約45℃高くすることができる。第1及び第2の種類の繊維808、810のガラス転移の差は、スキャフォールドの構造的一体性に悪影響を及ぼすことなく、カートリッジデッキへのスキャフォールドの確実な取り付けを更に容易にすることができる。
上述したように、スキャフォールドの一部は、発射済みステープル内の組織によって捕捉されるため、スキャフォールドが好適な生体吸収性材料から形成されることが望ましい。そのため、第1及び第2の種類の繊維808、810は、それぞれ、様々な吸収性材料から形成されることができる。第1の種類の繊維に好適な材料の非限定的な例は、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つを含む。例えば、第1の種類の繊維は、polyglactin910、Lactomer(商標)9−1、75:25又は50:50乳酸/グリコール酸、Polygytone(商標)6211、又はCaprosyn(商標)から形成されることができる。第2の種類の繊維に好適な材料の非限定的な例は、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つを含む。例えば、第2の種類の繊維は、92:8ポリジオキサノン/ポリグリコリド、25:75ラクチド/ポリカプロラクトン、Glycomer(商標)631、又はMaxon(商標)から形成されることができる。一実施形態では、第1の種類の繊維は、polyglactin910から形成され、第2の種類の繊維は、ポリジオキサノンから形成されている。
いくつかの実施形態では、第1の種類の繊維808は、生体吸収性ポリマー材料によってコーティングされることができる。このように、第1の種類の繊維808のガラス転移温度は、例えば、第1の種類の繊維の基材のガラス転移温度と比較してガラス転移を増加又は減少させることによって変更されることができ、これは、特定の場合では、スキャフォールドをカートリッジデッキに取り付けるために望ましい場合がある。例えば、第1の種類の繊維808のガラス転移温度を減少させることは、図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキへのスキャフォールド800のより確実な取り付けを提供することができ、及び/又はカートリッジデッキへのスキャフォールド800の適合性を向上させ、冷却されると好適な形状を維持することができる。好適なコーティング材料の非限定的な例は、ポリジオキサノン又は25:75ラクチド/ポリカプロラクトンを含む。
編まれた層802、804は、それぞれ、図8A〜図8C及び図9のように、いくつかの実施態様では、様々な編まれたパターンを有することができ、編まれた層802、804は、それぞれ、(例えば、以下の実施例1に記載されるように)レイチェルニットパターンを有することができる。当業者であれば、スキャフォールドの編まれた層が他の縦編みされたパターンの形態をとることができることを理解するであろう。
図8A〜図8C及び図9に示されるように、第2の種類の繊維810は、第1及び第2の繊維が非固定的に取り付けられ且つ摺動可能に相互接続される方法で、第1及び第2の編まれた層802、804の第1の種類の繊維808と相互接続する。そのため、この図示された実施形態では、第1及び第2の種類の繊維808、810は、互いに対して移動することができ、それによって、x方向(例えば、伸張)及びy方向(例えば、圧縮)の移動及び拡張を可能にする。加えて、第1及び第2の種類の繊維808、810の間の相互接続は、少なくとも部分的に、スキャフォールド800の剛性に影響を及ぼすことができる。例えば、相互接続をより緊密にするほど、スキャフォールド800を堅くする。
更に、図8A〜図8C及び図9に示されるように、第1及び第2の編まれた層802、804は、それぞれ、内部に形成された複数の開口部812を含む。第1及び第2の編まれた層802、804の開口部812は、それぞれ、第1及び第2の種類の繊維808、810から形成された外周を有する。第2の編まれた層804の開口部812は、図5のステープル406のようなステープルのクラウンの幅の約1/4未満の大きさを有することができる。そのため、いくつかの実施態様では、発射済みステープルのクラウンは、第2の編まれた層804内の少なくとも4つの開口部812にわたって広がることができる。一実施形態では、開口部812は、クラウンの幅の約1/8の大きさを有することができる。ステープルのクラウンは、様々な幅を有することができるが、いくつかの実施態様では、クラウンの幅は、約0.080インチから0.140インチとすることができる。一実施形態では、クラウンの幅は、約0.12インチである。
第1及び第2の編まれた層802、804内の複数の開口部812は、様々な大きさを有することができる。例えば、第2の編まれた層804内の複数の開口部812は、約0.002インチから0.1インチの直径を有することができる。本明細書において使用される場合、開口部の「直径」は、開口部の任意の対の頂点間の最大距離である。
上述して図8A〜図8C及び図9に示されるように、スキャフォールド800は、第1及び第2の編まれた層802、804の間に配置された支持層806を含む。支持層806は、第1及び第2の編まれた層802、804に非固定的に取り付けられている。支持層806は、スキャフォールド800が図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに取り付けられるとき、支持層806の第2の種類の繊維810の少なくとも一部が、カートリッジデッキに対して略非平行な方向に配向されるように構成されることができる。支持層806は、この例示的な実施形態ではモノフィラメントである第2の種類の繊維810のみを含むように図8A〜図8C及び図9に示されているが、支持層806は、例えば、第1の種類の繊維808を含む追加の種類の繊維を含むことができることも本明細書において企図される。
図示のように、支持層806の繊維810は、支持層806内に配置されて、起立(スペーサ)繊維814及びそれらの間の複数の空隙816を形成する。起立繊維814は、互いに非固定的に取り付けられている。更に、起立繊維814は、第1及び第2の編まれた層802、804の第1の種類の繊維808に非固定的且つ摺動可能に相互接続されている。いくつかの実施態様では、複数の空隙816は、第1及び第2の編まれた層802、804内の複数の開口部812よりも大きくすることができる。
起立繊維814は、(例えば、組織にステープル留めされたとき)スキャフォールド800に印加される力の下で屈曲するように構成されている。起立繊維814の弾力性は、少なくとも部分的に、スキャフォールドが様々な高さで圧縮され、それによって異なる厚さの組織部分を有する組織(T)を収容することを可能にする。即ち、特定の組織厚さとは無関係に、発射済みステープル内の捕捉された組織及びスキャフォールドの圧縮高さの合計が維持されることができ、したがって、発射済みステープルの高さに等しいままとすることができるか又は少なくとも実質的に等しいままとすることができる。このように、少なくとも部分的に、スキャフォールド800は、少なくとも所定の期間(例えば、少なくとも約3日間)にわたって捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されることができる。
一般に、各起立繊維814の材料組成、高さ、及び/又は横断面積は、その剛性又は圧縮下で屈曲する能力を少なくとも部分的に制御し、ひいてはスキャフォールド800の圧縮性を少なくとも部分的に制御する。したがって、起立繊維814は、スキャフォールド800の圧縮性を1つ又は2つ以上の所望の値へと調整するように構成されることができる。例えば、図8B〜図8C及び図9の起立繊維814は、同じ材料であるが、いくつかの実施態様では、支持層806は、異なる剛性を有する異なる材料の起立繊維を含むことができる。代替的に又は追加的に、いくつかの実施態様では、支持層806は、異なる高さ及び/又は横断面積の起立繊維を含むことができる。一実施形態では、起立繊維814は、例えば、約25:1から6:1の比の高さ対直径比を有することができる。このように、起立繊維814は、植え込まれたスキャフォールド内の組織内方成長及び細胞集積を更に促進することができる。
支持層806の特定の部分内の起立繊維814の量はまた、とりわけ、そのような部分の圧縮性、したがってスキャフォールド800の圧縮性に影響を及ぼすことができる。特定の場合では、起立繊維814は、例えば、支持層806の特定の部分に計画的に集中され、そのような部分におけるより大きな柱強度を提供することができる。少なくとも1つの場合では、起立繊維814は、ステープルが発射されたときにステープルを受容するように構成された支持層806の部分に集中されることができる。あるいは、起立繊維814は、ステープルが発射されたときにステープルを受容しない支持層806の部分に集中されることができる。
起立繊維814に対する空隙816の比率は、変化することができる。一実施態様では、この比率は、少なくとも約3:1の範囲とすることができる。他の実施態様では、起立繊維814に対する空隙816の比率は、少なくとも約5:1、又は少なくとも約12:1の範囲とすることができる。更に、支持層806内の空隙816の少なくとも一部は、それぞれ、異なる大きさを有することができる。このように、スキャフォールド800の断面全体にわたる可変空隙径は、細胞外リモデリングを促進することができる。即ち、可変空隙径は、スキャフォールドが植え込まれたときのスキャフォールド800内の細胞の血管再生並びに移動性を容易にすることができ、それによって組織及び細胞の内方成長の双方を促進することができる。更に、可変空隙径はまた、植え込まれたスキャフォールドからの副生成物及び細胞廃棄物の抽出、したがって植え込み部位の抽出を容易にすることができる。
いくつかの実施形態では、スキャフォールド800はまた、第2の編まれた層804に相互接続された多孔質層を含むことができる。このように、スキャフォールド800が図6のカートリッジデッキ606のようなカートリッジデッキに取り付けられたとき、多孔質層は、カートリッジデッキと第2の編まれた層804との間に配置されるであろう。一実施形態では、多孔質層は、第2の編まれた層804に融合又は結合される。多孔質層は、スキャフォールド800の繊維808、810よりも低いガラス転移温度を有する材料から形成されることができる。多孔質層は、スキャフォールド800の繊維808、810の少なくとも1つと同じ又はそれよりも高いガラス転移温度を有する材料から形成されることができることも本明細書において企図される。多孔質層は、約0.003インチ未満の厚さを有することができる。一実施形態では、多孔質層は、約0.001インチ未満の厚さを有する。多孔質層はまた、直径約0.0005インチ超の細孔を含むことができる。例えば、いくつかの実施態様では、細孔は、約0.0005インチから約0.001インチの大きさで変化することができる。更に、いくつかの実施態様では、細孔は、層の表面積の50%で構成することができる。
図8A〜図8C及び図9のスキャフォールド800のような本明細書に記載されるスキャフォールドは、任意の好適な方法を使用して製造されることができる。例えば、一実施形態では、方法は、第1の編まれた層を形成することと、第2の編まれた層を形成することと、スペーサを第1及び第2の編まれた層と編み合わせることとを含むことができる。第1及び第2の編まれた繊維は、第1のポリマーの繊維を含むことができる。第1の編まれた層は、カートリッジデッキと嵌合するように構成されることができる。スペーサ繊維を第1及び第2の編まれた層と編み合わせることは、第1及び第2の編まれた層を、離間した平行な関係で一体に接続することができる。本明細書において使用される場合、「離間した平行な関係」とは、第1及び第2の層が、互いから離れており且つ互いに略平行である平面内に延在することを意味する。スペーサ繊維は、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーのみから形成されることができる。第1のポリマー繊維は、第2のポリマー繊維の直径とは異なる直径を有することができる。スペーサ繊維は、第1及び第2の編まれた層と一体化され、第1及び第2の編まれた層の間に延在することができる。方法はまた、スペーサ繊維と編み合わされた第1及び第2の編まれた層をアニールすることも含むことができる。
スペーサ繊維と第1及び第2の編まれた層との編み合わせは、それらの間に支持層を形成することができる。第1の編まれた層の形成は、第1のポリマー繊維を所定のパターンに従って編むことを含むことができる。第2の編まれた層の形成は、第1のポリマー繊維を所定のパターンに従って編むことを含むことができる。編まれた層は、それぞれ、様々な編まれたパターンを有することができるが、いくつかの実施態様では、編まれた層は、それぞれ、(例えば、以下の実施例1に記載されるように)レイチェルニットパターンを有することができる。当業者であれば、スキャフォールドの編まれた層が他の縦編みされたパターンの形態をとることができることを理解するであろう。
図12Aは、スキャフォールド1000の他の例示的な実施形態を示している。以下に詳細に記載される相違点以外に、スキャフォールド1000は、スキャフォールド800(図8A〜図8C及び図9)と同様の構成とすることができ、したがって、本明細書では詳細に説明しない。この実施形態では、スキャフォールド1000は、外側縁部及び内側縁部をそれぞれ有する、第1の部分1004及び第2の部分1006を有する第1の編まれた層1002を含む。内側縁部1004a、1006aは、スキャフォールド1000の長手方向軸(L)に沿って延在するチャネル1008を画定する。チャネル1008は、ナイフなどの切断部材を受容するように構成されている。図12Bに示すように、チャネル1008は、スキャフォールド1000を完全に貫通して延在していない。特に、チャネル1008は、第2の編まれた層1010を通って延在していない。このように、スキャフォールド1000は、十分な構造的一体性を有し、それによって効果的に操作され、図12Bのカートリッジデッキ2014のようなカートリッジデッキに取り付けられるように構成されている。他の実施形態では、図13に示すように、スキャフォールド3000は、穿孔されたチャネル3008を有することができる。使用時には、切断部材が最初に発射され、スキャフォールド1000に沿って移動するとき、切断部材は、第2の編まれた層1010を通って切断し、それによってスキャフォールド1000を2つの断片に分離する。
更に、図12Aに示すように、スキャフォールド1000は、以下に更に説明するように、図12Bのカートリッジデッキ2014の陥凹チャネル2016のような陥凹チャネルと嵌合するように構成されたフランジ1012を含む。図12Aは、スキャフォールド1000の一方の側にフランジ1012を有するスキャフォールド1000を示しているが、スキャフォールド1000の反対側に配置された追加のフランジ1012が存在する。当業者であれば、フランジ1012の数及び配置は、図12Aに示されるものに限定されないことを理解するであろう。フランジ1012は、様々な材料から作製されることができるが、いくつかの実施態様では、図12Aに示すように、フランジ1012は、第2の編まれた層1010の延長部である。他の実施形態では、フランジ1012は、異なる材料から形成され、スキャフォールド1000の他の構成要素とインライン又はオフラインで形成されることができる。当業者であれば、フランジは、スキャフォールドの第1及び/又は第2の編まれた層の材料と同じ又は異なる材料から形成されることができ、任意の好適な方法によってそれに取り付けられることができることを理解するであろう。
図12Bは、ステープルカートリッジアセンブリ2000の他の例示的な実施形態を示している。以下に詳細に記載される相違点以外に、ステープルカートリッジアセンブリ2000は、ステープルカートリッジアセンブリ600(図6)と同様とすることができ、したがって、本明細書では詳細に説明しない。更に、簡潔にするために、ステープルカートリッジアセンブリ2000の特定の構成要素は、図12Bには示されていない。
ステープルカートリッジアセンブリ2000は、陥凹チャネル2016を有するカートリッジデッキ2014に取り付けられた図12Aのスキャフォールド1000を含む。スキャフォールド1000は、以下により詳細に記載されるように、任意の好適な方法を使用してカートリッジデッキに取り付けられることができる。図示のように、陥凹チャネル2016は、フランジ1012がカートリッジデッキの側(複数可)に取り付けられることができるようにフランジ1012を受容するように構成されている。このように、スキャフォールド1000は、カートリッジデッキ2014に対してよりしっかりと取り付けられ、それによって使用中のスキャフォールド1000の望ましくない移動を防止することができる。
スキャフォールドは、カートリッジデッキに適用されて、任意の好適な方法を使用してステープルカートリッジアセンブリを形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、カートリッジデッキを加熱することと、スキャフォールドをカートリッジデッキの表面に対して配置することと、を含むことができる。スキャフォールドは、第1の種類の繊維が主に存在する第1及び第2の種類の繊維を含むことができる。本明細書において使用される場合、「主に存在する」とは、層内の特定の繊維の量を説明するために使用されるとき、その層内の合計量繊維の50%超の量を意味する。第1の種類の繊維は、第1のガラス転移温度を有することができ、第2の種類の繊維は、第1のガラス転移温度未満の第2のガラス転移温度を有することができる。カートリッジデッキは、少なくとも第2のガラス転移温度の温度に加熱されることができる。方法はまた、カートリッジデッキ及びそれに適用されたスキャフォールドを、第2のガラス転移温度未満の温度に冷却することを含むことができる。
スキャフォールドは、第1及び第2の種類の繊維をそれぞれ有する第1及び第2の編まれた層と、第1及び第2の編まれた層の間に配置された支持層とを含むことができる。そのような場合、カートリッジデッキの表面に対するスキャフォールドの配置は、第1の編まれた層を表面に接して配置することと、第1の編まれた層が結合して表面の形状に適合するように、スキャフォールドに力を印加することとを含むことができる。支持層は、第2の種類の繊維から形成されることができる。
本明細書に開示される器具は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することができ、又はこれらは複数回使用されるように設計することができる。しかしながらいずれの場合でも、器具を少なくとも1回使用した後で再び使用するには再調整することができる。再調整は、器具を分解する工程、続いて特定の部分を洗浄又は交換する工程、及びその後の再組み立ての工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、器具は分解することができ、器具の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換すると、器具は、再調整設備において、又は外科的処置の直前に手術チームによって、後で使用するために再組み立てすることができる。当業者であれば、器具の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用してもよいことを理解するであろう。そのような技術の使用と、それにより再調整された器具は、全て本出願の範囲内にある。
本教示は、以下の非限定的な実施例を参照することにより更に理解されることができる。
実施例1:スキャフォールドの製造
2つの編まれた層と、それらの間に配置された支持層とを有するサンプルを調製した。2つの編まれた層は、それぞれ、Vicryl繊維(Vicrylのマルチフィラメント繊維)から形成され、支持層は、ポリジオキサノン(PDS)繊維(PDSのモノフィラメント繊維)から形成され、これらの詳細は以下の表1に提供される。
Figure 2021514250
サンプルは、6本のガイドバー(GB)構造を備えた16ゲージのダブルニードルバーラッシェル編機を使用した縦編であった。各ガイドバーを、パターンチェーンを使用して個別に制御し、そのパターンは、以下の表2に見出すことができる。PDSを支持層に使用し、Vicrylを編まれた層に使用した。
Figure 2021514250
5インチ幅の約6.4ヤードのサンプルを作製した。サンプルをイソプロピルアルコールによって洗浄した。サンプルをロール上に置き、窒素パージされたホイルバッグ内に密封し、更に処理するまで窒素流下で保持した。
次に、表3に記載されたサイクル条件を使用して、サンプルの約5インチ×5インチのセグメントをアニールした。
Figure 2021514250
次に、アニールしたサンプルを切断して、約5mm×10mmのサンプルスキャフォールドを作製した。スキャフォールドサンプルのうちの1つを光学顕微鏡(OM)及びSEMによって検査した。サンプルスキャフォールドの様々なOM画像を図8A〜図8Cに示し、スキャフォールドサンプルの断面SEM画像を図9に示す。
実施例2:細胞内方成長及び制限された炎症
実施例1において調製したサンプルスキャフォールドを、ヘマトキシリン及びエオシン染色(H&E)染色によって注射したウサギに90日間皮下に植え込んだ。60日目に除去された植え込まれたスキャフォールドの組織学的画像を図10A〜図10Bに示し、90日目に除去された植え込まれたスキャフォールドの組織学的画像を図11A〜図11Bに示す。これらの画像に示される白い楕円/円は、直角に又は僅かにずれて切断されたスキャフォールドの繊維である。図示のように、黒いボックスは、植え込み中に組織内方成長が生じたスキャフォールドの部分の一部を示す。加えて、図10B及び図11Bの矢印は、治癒の炎症相を示す、繊維の周囲の炎症性領域を指す。
当業者には、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明された内容により限定されるものではない。本明細書において引用されている全ての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている。参照によって全体又は一部が本明細書に組み込まれるとされる任意の特許、公開又は情報は、組み込まれる資料は、この文書に記載されている既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に明確に示した開示内容は、本明細書に援用されるいかなる矛盾する文献にも優先するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 手術用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
前記カートリッジデッキに取り付けられ且つそれぞれが異なる機能を有する少なくとも3つの別個のゾーンから形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドと、を備え、前記ステープルが、前記スキャフォールドに対して捕捉された組織内に前記スキャフォールドを通って配備可能であり、前記スキャフォールドが、
組織内方成長を促進するように構成された第1の編まれたゾーンであって、前記第1の編まれたゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維を含み、各第1の繊維が、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する、第1の編まれたゾーンと、
前記カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成され且つ前記第1の編まれたゾーンの前記第1の繊維及び前記第2の繊維を含む、第2の編まれたゾーンと、
前記第2の繊維から形成されたスペーサゾーンであって、前記スペーサゾーンが、前記第1の編まれたゾーンと前記第2の編まれたゾーンとの間に配置され且つ前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンを支持するように構成され、前記第2の繊維が、前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンの前記第1の繊維と非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、スペーサゾーンと、を備え、
前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーン内に開口部が存在し、前記スペーサゾーン内に空隙が存在し、前記空隙が前記開口部よりも大きい、ステープルカートリッジアセンブリ。
(2) 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/5から1/20である、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(3) 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/10である、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(4) 前記第2の繊維が前記スペーサゾーンにわたって延在するように、前記第2の繊維が前記第1の編まれたゾーンから前記第2の編まれたゾーンまで延在し、前記スペーサゾーン内の前記第2の繊維の少なくとも一部が、前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンの前記第1の繊維に対して略直角に配向されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(5) 前記第1の種類の繊維が、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(6) 前記第2の種類の繊維が、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(7) 前記スキャフォールドは、前記スキャフォールドが組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(8) 手術用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
前記カートリッジデッキに取り付けられ且つそれぞれが異なる機能を有する少なくとも3つの別個のゾーンから形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドと、を備え、前記ステープルが、前記スキャフォールドに対して捕捉された組織内に前記スキャフォールドを通って配備可能であり、前記スキャフォールドが、
編まれた構成を有し且つ組織内方成長を促進するように構成された第1のゾーンであって、前記第1のゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維を含む、第1のゾーンと、
第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維から形成され且つ前記第1のゾーンを垂直に支持するように構成された第2のゾーンであって、前記第2の繊維が前記第2のゾーン内で略垂直に配向されるように、前記第2の繊維が前記第1のゾーンの前記第1の繊維に非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、第2のゾーンと、を備え、
各第1の繊維が、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有し、前記第1のゾーン内に開口部が存在し、前記第2のゾーン内に空隙が存在し、前記空隙が前記開口部よりも大きい、ステープルカートリッジアセンブリ。
(9) 前記スキャフォールドが、編まれた構成を有し且つ前記カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成された第3のゾーンを更に含み、前記第3のゾーンが前記第1の繊維を含み、前記第2のゾーンが、前記第1のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置する、実施態様8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(10) 前記第2の繊維が、前記第3のゾーンの前記第1の繊維に対して非固定的且つ摺動可能に相互接続され、前記第2の繊維の少なくとも一部が前記第2のゾーン内で垂直に配向されるように、前記第2の繊維が前記第1のゾーンから前記第3のゾーンまで延在する、実施態様8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(11) 前記スキャフォールドは、前記スキャフォールドが組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されている、実施態様10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(12) 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/5から1/20である、実施態様8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(13) 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/10である、実施態様8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(14) 前記第1の種類の繊維が、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(15) 前記第2の種類の繊維が、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、実施態様8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(16) 手術用ステープルカートリッジと共に使用するためのスキャフォールドであって、
組織内方成長を促進するように構成された第1の編まれたゾーンであって、前記第1の編まれたゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維を含み、各第1の繊維が、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する、第1の編まれたゾーンと、
カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成され且つ前記第1の編まれたゾーンの前記第1の繊維及び前記第2の繊維を含む、第2の編まれたゾーンと、
前記第2の繊維から形成されたスペーサゾーンであって、前記スペーサゾーンが、前記第1の編まれたゾーンと前記第2の編まれたゾーンとの間に配置され且つ前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンを支持するように構成され、前記第2の繊維が、前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンの前記第1の繊維と非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、スペーサゾーンと、を備え、
前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーン内に開口部が存在し、前記スペーサゾーン内に空隙が存在し、前記空隙が前記開口部よりも大きい、スキャフォールド。

Claims (16)

  1. 手術用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
    複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
    前記カートリッジデッキに取り付けられ且つそれぞれが異なる機能を有する少なくとも3つの別個のゾーンから形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドと、を備え、前記ステープルが、前記スキャフォールドに対して捕捉された組織内に前記スキャフォールドを通って配備可能であり、前記スキャフォールドが、
    組織内方成長を促進するように構成された第1の編まれたゾーンであって、前記第1の編まれたゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維を含み、各第1の繊維が、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する、第1の編まれたゾーンと、
    前記カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成され且つ前記第1の編まれたゾーンの前記第1の繊維及び前記第2の繊維を含む、第2の編まれたゾーンと、
    前記第2の繊維から形成されたスペーサゾーンであって、前記スペーサゾーンが、前記第1の編まれたゾーンと前記第2の編まれたゾーンとの間に配置され且つ前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンを支持するように構成され、前記第2の繊維が、前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンの前記第1の繊維と非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、スペーサゾーンと、を備え、
    前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーン内に開口部が存在し、前記スペーサゾーン内に空隙が存在し、前記空隙が前記開口部よりも大きい、ステープルカートリッジアセンブリ。
  2. 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/5から1/20である、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  3. 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/10である、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  4. 前記第2の繊維が前記スペーサゾーンにわたって延在するように、前記第2の繊維が前記第1の編まれたゾーンから前記第2の編まれたゾーンまで延在し、前記スペーサゾーン内の前記第2の繊維の少なくとも一部が、前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンの前記第1の繊維に対して略直角に配向されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  5. 前記第1の種類の繊維が、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  6. 前記第2の種類の繊維が、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  7. 前記スキャフォールドは、前記スキャフォールドが組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  8. 手術用ステープル留め器具と共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、
    複数のステープル及びカートリッジデッキを有するステープルカートリッジと、
    前記カートリッジデッキに取り付けられ且つそれぞれが異なる機能を有する少なくとも3つの別個のゾーンから形成された、編まれた弾性変形可能な生体吸収性スキャフォールドと、を備え、前記ステープルが、前記スキャフォールドに対して捕捉された組織内に前記スキャフォールドを通って配備可能であり、前記スキャフォールドが、
    編まれた構成を有し且つ組織内方成長を促進するように構成された第1のゾーンであって、前記第1のゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維を含む、第1のゾーンと、
    第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維から形成され且つ前記第1のゾーンを垂直に支持するように構成された第2のゾーンであって、前記第2の繊維が前記第2のゾーン内で略垂直に配向されるように、前記第2の繊維が前記第1のゾーンの前記第1の繊維に非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、第2のゾーンと、を備え、
    各第1の繊維が、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有し、前記第1のゾーン内に開口部が存在し、前記第2のゾーン内に空隙が存在し、前記空隙が前記開口部よりも大きい、ステープルカートリッジアセンブリ。
  9. 前記スキャフォールドが、編まれた構成を有し且つ前記カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成された第3のゾーンを更に含み、前記第3のゾーンが前記第1の繊維を含み、前記第2のゾーンが、前記第1のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置する、請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  10. 前記第2の繊維が、前記第3のゾーンの前記第1の繊維に対して非固定的且つ摺動可能に相互接続され、前記第2の繊維の少なくとも一部が前記第2のゾーン内で垂直に配向されるように、前記第2の繊維が前記第1のゾーンから前記第3のゾーンまで延在する、請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  11. 前記スキャフォールドは、前記スキャフォールドが組織配備状態にあるときに少なくとも3日間、前記捕捉された組織に少なくとも約3g/mmの応力を印加するように構成されている、請求項10に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  12. 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/5から1/20である、請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  13. 前記第1の繊維の前記繊維直径が、前記第2の繊維の前記繊維直径の約1/10である、請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  14. 前記第1の種類の繊維が、ポリ−L乳酸、グリコリドとL−ラクチドとのコポリマー、グリコール酸と乳酸とのコポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリグリコリド、並びにグリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、及びラクチドのコポリマーのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  15. 前記第2の種類の繊維が、ポリジオキサノン、ポリジオキサノンとポリグリコリドとのコポリマー、ラクチドとポリカプロラクトンとのコポリマー、グリコリド、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、並びにポリグリコネートのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項8に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  16. 手術用ステープルカートリッジと共に使用するためのスキャフォールドであって、
    組織内方成長を促進するように構成された第1の編まれたゾーンであって、前記第1の編まれたゾーンが、第1の生体吸収性ポリマーから作製された第1の繊維及び第2の生体吸収性ポリマーから作製された第2の繊維を含み、各第1の繊維が、各第2の繊維の繊維直径よりも小さい繊維直径を有する、第1の編まれたゾーンと、
    カートリッジデッキに取り付けられるように適合可能であるように構成され且つ前記第1の編まれたゾーンの前記第1の繊維及び前記第2の繊維を含む、第2の編まれたゾーンと、
    前記第2の繊維から形成されたスペーサゾーンであって、前記スペーサゾーンが、前記第1の編まれたゾーンと前記第2の編まれたゾーンとの間に配置され且つ前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンを支持するように構成され、前記第2の繊維が、前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーンの前記第1の繊維と非固定的且つ摺動可能に相互接続されている、スペーサゾーンと、を備え、
    前記第1の編まれたゾーン及び前記第2の編まれたゾーン内に開口部が存在し、前記スペーサゾーン内に空隙が存在し、前記空隙が前記開口部よりも大きい、スキャフォールド。
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