本開示の様々な態様は、カプセル空洞の上流または遠位に渦トンネルを有する吸入器物品に関する。渦トンネルは、吸入器のカプセル空洞を通して吸入気流の渦巻きを誘発するまたは渦を誘発するように構成されている。吸入気流の渦巻きまたは渦は、カプセル空洞内に存在するカプセルの回転を誘発する。吸入空気は、吸入器物品の本体を通して渦トンネルに入る。
本開示の一態様において、吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に長軸方向軸に沿って延びる本体を含み、遠位端にエンドピース要素を有する。カプセル空洞は本体内に画定されていて、長軸方向軸に沿って延びる。マウスピース空気チャネルは、カプセル空洞からマウスピース端に延びる。渦トンネルは、エンドピース要素とカプセル空洞の間にある。渦トンネルは、空気吸込み口および空気吸込み口からカプセル空洞に延びる空気通路を有する。エンドピース要素は、遠位端を通るカプセル空洞への気流を制限または防止するように構成されていて、渦トンネルの空気吸込み口および空気通路は、カプセル空洞内に空気が引き出されることを可能にして、カプセル空洞を通した吸入空気の渦を形成するように構成されている。
本開示の別の態様において、吸入器システムは、本明細書に記載の吸入器物品と、吸入器物品のカプセル空洞内に配置されたカプセルとを含む。カプセルは、約15マイクロメートル以下の空気動力学的中央粒子径、または10マイクロメートル以下の空気動力学的中央粒子径、または5マイクロメートル以下の空気動力学的中央粒子径、または約0.5マイクロメートル〜約15マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲内、または約5マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有する粒子を含有する。
一つ以上の態様において、渦トンネルの空気通路は、渦トンネルの内径によって画定されうる。渦トンネルの内径は、吸入器物品の本体の内径よりも小さくてもよい。
一つ以上の態様において、多孔性要素は、カプセル空洞とマウスピース空気チャネルの間に提供されうる。
エンドピース要素は、空気が遠位端から吸入器物品に入るのを実質的に防止または阻止しうる。一部の実施形態において、エンドピース要素は、空気が遠位端を通って吸入器物品に入るのを防止しうる。一つ以上の態様において、エンドピース要素は、約30水柱mmを超える、または約50水柱mmを超える、または約75水柱mmを超える、または100水柱mmを超える、または200水柱mmを超える、または30水柱mm〜100水柱mmの範囲の引き出し抵抗(RTD)を有しうる。
エンドピース要素は任意の適切な材料で形成されうる。一つ以上の態様において、エンドピース要素は、セルロースまたはアセテート、繊維またはトウ、またはビスコース紙のうちの少なくとも一つで形成されうる。一つ以上の態様において、エンドピース要素は、セルロースまたはセルロースアセテートなどのセルロース系材料で形成されうる。こうしたエンドピース要素は、約30水柱mmを超える、または約50水柱mmを超える、または約75水柱mmを超える、または100水柱mmを超える、または約200水柱mmを超える、または30水柱mm〜100水柱mmの範囲の引き出し抵抗(RTD)を有しうる。
一つ以上の態様において、渦トンネルは、吸入器物品の本体の内径と接触する外径を有する。渦トンネルの内径は、渦トンネルの外径もしくは吸入器物品の本体の内径の約60%〜約25%の範囲であってもよく、または内径は、渦トンネルの外径もしくは吸入器物品の本体の内径の約50%〜約35%の範囲であってもよい。渦トンネルは、渦トンネルの内径よりも大きい長さを有しうる。
渦トンネルは、空気通路と連通する任意の適切な数の空気吸込み口を備えうる。例えば、渦トンネルは、一つ、二つ、三つ、または四つの空気吸込み口を備えうる。一つ以上の態様において、渦トンネルは、空気通路と連通する二つの空気吸込み口を含みうる。
一つ以上の態様において、渦トンネルは開いた円筒を画定する。空気通路は、開いた円筒の軸に沿って実質的に同軸に延びてもよい。これらの態様の一部において、渦トンネルは、開いた円筒の内径の接線にて、開いた円筒に入る二つの対向する空気吸込み口を含む。 空気吸込み口は、吸入器物品の反対側に配設されうる。空気吸込み口はまた、渦トンネルおよび吸入器物品のうちの少なくとも一つの中央長軸方向軸の反対側に配設されている軸に沿って実質的に延びうる。
一つ以上の態様において、マウスピース空気チャネルおよび多孔性要素は、吸入器物品の第一の本体部分内に包含されてもよく、カプセル空洞、渦トンネルおよびエンドピースは、吸入器物品の第二の本体部分内に包含されてもよい。第一の本体部分は、第二の本体部分と直列に軸方向に整列されうる。ラッパーは、第一の本体部分を覆い、第二の本体部分に接合しうる。
一つ以上の態様において、吸入器物品の本体は、遠位端からマウスピース端まで実質的に一定でありうる外径を有する。本体の外径は、約6mm〜約10mm、または約7mm〜約8mmの範囲であってもよい。
一つ以上の態様において、エンドピースは、吸入器物品の本体の長軸方向軸に沿って長軸方向に延びうる。エンドピースは、約5mm〜約10mmの範囲の長さを有してもよく、渦トンネルは、本体の長軸方向軸に沿って約5mm〜約10mmの範囲の長さだけ長軸方向に延びてもよい。
一つ以上の態様において、システムは、ニコチンを含む粒子を含有するカプセルを含みうる。
一つ以上の態様において、システムは、風味粒子の第二の集団をさらに含有するカプセルを含みうる。
一つ以上の態様において、システムは、カプセルを有効化するために吸入器物品と取り外し可能なように係合可能な貫通要素をさらに含みうる。本明細書で使用される、カプセルを「有効化する」という用語は、カプセル内に含有された粒子が放出されるのを可能にするために、貫通することなどによって、カプセルを開放することを指す。エンドピース要素は、カプセルを有効化する時に貫通要素によって貫通されるように構成されうる。
有利なことに、吸入器物品は、従来の紙巻たばこを組み立てるために使用される材料で形成されうる。加えて、吸入器物品は、従来の紙巻たばこと類似した形態を画定する。これは、吸入器物品の高速組立または製造を可能にしうる。有利なことに、カプセルの回転は、消費者による2回以上、または5回以上、または10回以上の吸入もしくは「吸煙」にわたって、カプセルからのニコチン粒子の一部分または一分画の均一な混入を提供しうる。有利なことに、吸入器物品は生分解性材料で形成されうる。
本明細書に記載の吸入器物品は、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で乾燥粉末を肺に提供してもよい。消費者は、各々の「吸煙」が、カプセル空洞内に包含されたカプセルの中に含まれる乾燥粉末の部分量を送達する、複数の吸入もしくは「吸煙」を行ってもよい。この吸入器物品は、従来の紙巻たばこと類似した形態を有してもよく、従来の喫煙の決まったやり方を真似てもよい。この吸入器は、製造するのが単純で、かつ消費者が使用するのに好都合でありうる。
カプセル空洞を通した気流管理は、吸入中および消費中にカプセルを回転させてもよい。カプセルは、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を包含する。貫通されたカプセルの回転は、貫通されたカプセルから吸入器物品を通して移動する吸入空気中に放出されたニコチン粒子を懸濁およびエアロゾル化してもよい。風味粒子は、ニコチン粒子よりも大きくてもよく、またニコチン粒子をユーザーの肺に送るのを助け、一方で風味粒子はユーザーの口または口腔に優先的に残る。ニコチン粒子および随意の風味粒子は従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で、吸入器物品で送達されてもよい。
「引き出し抵抗」または「RTD」という用語は、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下での空気の流れによって横断された時の、標本の二つの端部間の静的圧力差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定できる。
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を意味する。
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性または芳香特性を変化させる、また変化させるよう意図されている、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を意味する。「風味剤」または「風味」という用語は、風味抽出物製造業組合(FEMA)の風味成分ライブラリに開示された化合物、および特にGRAS風味付け物質に関する出版物3〜27(例えば、Hall, R.L. & Oser, B.L., Food Technology, February 1965 pg 151−197)、GRAS風味付け物質27(S.M. Cohen et al., Food Technology Aug. 2015 pg. 40−59)、および介在するGRAS風味付け物質に関する出版物4〜26に開示された化合物を意味することが好ましい。本開示の目的において、ニコチンは風味剤または風味としては考えられない。
本明細書に記載の吸入器物品は、貫通要素または貫通装置と組み合わされて、ニコチン粒子を消費者に送達しうる。貫通要素または貫通装置は吸入器物品の一部分から分離されてもよく、または吸入器物品の一部を形成しなくてもよい。複数のこれらの吸入器物品は貫通要素または貫通装置と組み合わせられて、キットを形成してもよい。
本開示による吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に長軸方向軸に沿って延びる本体を含む。エンドピース要素は遠位端に位置する。カプセル空洞は本体内に画定されていて、長軸方向軸に沿って延びる。マウスピース空気チャネルは、カプセル空洞からマウスピース端に延びる。渦トンネルは、エンドピース要素とカプセル空洞の間にある。渦トンネルは、空気吸込み口および空気吸込み口からカプセル空洞に延びる空気通路を有する。エンドピース要素は、遠位端を通るカプセル空洞への気流を制限または防止するように構成されていて、渦トンネルの空気吸込み口および空気通路は、カプセル空洞内に空気が引き出されることを可能にして、カプセル空洞を通した吸入空気の渦を形成するように構成されている。
吸入器物品の本体、または「吸入器本体」は、任意の適切な形状を有しうる。吸入器本体は細長くてもよい。言い換えれば、吸入器本体は、吸入器本体のその他の寸法よりも実質的に大きい長さを有しうる。吸入器本体は、その長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器本体は、任意の適切な横断面形状を有しうる。例えば、横断面は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。吸入器本体は、細長い円筒状の本体を形成する吸入器本体の長さに沿って均一でありうる円形断面を有してもよい。
吸入器物品の本体、または「吸入器本体」は、サイズおよび形状が喫煙物品または従来の紙巻たばこに似ていてもよい。吸入器本体は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延びる細長い円筒状の本体を有してもよい。吸入器本体は、細長い円筒状の本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器本体は、細長い円筒状の本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有してもよい。
吸入器本体は、約6mm〜約10mm、または約7mm〜約10mm、または約7mm〜約9mmの範囲内、または約8mmの外径を有してもよい。吸入器本体は、約40mm〜約100mm、または約50mm〜約80mm、または約60mm〜約80mmの範囲内、または65mmの(長軸方向軸に沿った)長さを有してもよい。
吸入器本体は、高分子もしくはセルロース系材料、または任意のその他の適切な材料で形成されうる。吸入器本体は、生分解性材料で形成されてもよい。吸入器本体は、板紙または厚紙で形成されてもよい。吸入器本体は、その長さに沿って均一な厚さを有しうる。吸入器本体は、約1mm〜約2mmの範囲の厚さを有しうる。
吸入器本体は、本体がエンドピース要素からマウスピース端に連続的に延びる一体構造を形成しうる。エンドピース要素、渦トンネル、カプセル空洞(および存在する場合はカプセル)、多孔性要素およびマウスピース空気チャネルは、吸入器本体内に直列に配置されてもよい。言い換えれば、エンドピース要素、渦トンネル、カプセル空洞(および存在する場合はカプセル)、多孔性要素およびマウスピース空気チャネルは、吸入器本体の長軸方向軸に沿って端と端を接して配設されてもよい。
吸入器本体は、第一の部分と第二の部分の二つの部分で形成されうる。第一の部分および第二の部分は、直列に隣接する関係で軸方向に整列されて、またひとまとめにされて吸入器本体を形成してもよい。ラッパーは、第一の部分と第二の部分をひとまとめにするために利用されうる。ラッパーは生分解性材料であってもよい。ラッパーは紙ラッパーであってもよい。
第一の部分は、マウスピースまたはマウスピース空気チャネル、および存在する場合には多孔性要素を含みうる。第二の部分は、カプセル空洞(および存在する場合はカプセル)、渦トンネル、およびエンドピース要素を含みうる。
一部の実施形態において、吸入器本体は、3つの部分、または4つ以上の部分で形成されうる。3つの部分、または4つ以上の部分は、直列に隣接する関係で軸方向に整列されて、またひとまとめにされて吸入器本体を形成してもよい。ラッパーは、3つの部分または4つ以上の部分をひとまとめにするために利用されうる。
エンドピース要素は、吸入器本体の遠位端またはエンドピース端内に配置されてもよい。エンドピース要素は、吸入器物品の本体の遠位端またはエンドピース端を通る気流を制限または防止するように構成されている。エンドピース要素は、以下に説明する通り、空気がエンドピース要素を通って流れるよりも優先的に、気流が本体の側壁に沿って空気吸込み口を通って吸入器本体に入ることを促進するように構成されている。
空気が遠位端を通って一部の吸入器本体に入ることをエンドピース要素が許容する場合、エンドピース要素は概して高い引き出し抵抗(RTD)を有する。エンドピース要素は、約30水柱mmを超えるRTD、または約50水柱mmを超えるRTD、または約75水柱mmを超えるRTD、または100水柱mmを超えるRTD、または約200水柱mmを超えるRTD、または30水柱mm〜100水柱mmの範囲のRTDを有しうる。
エンドピース要素は、吸入器本体の長軸方向軸に沿って長軸方向に延びてもよい。エンドピース要素は、約5mm〜約10mmの範囲の長さを有しうる。
エンドピース要素は任意の適切な材料で形成されうる。例えば、エンドピース要素はビスコース紙で形成されてもよい。エンドピース要素は、トウ材料を形成する繊維、またはトウ材料のプラグで形成されてもよい。エンドピース要素は、生分解性材料で形成されてもよい。エンドピース要素は、セルロースまたはセルロースアセテートで形成されうる。エンドピース要素はアセテートトウで形成されてもよい。エンドピース要素はセルローストウで形成されてもよい。エンドピース要素はアセテートとセルロースのトウで形成されてもよい。エンドピース要素はセルロースおよびビスコース紙で形成されてもよい。
エンドピース要素は、吸入器物品本体の遠位端を占めうる材料の円筒状プラグを形成しうる。この円筒状プラグの材料はトウ材料であってもよい。円筒状プラグの材料は、セルロースまたはセルロースアセテート材料であってもよい。円筒状プラグの材料は、アセテートトウであってもよい。円筒状プラグの材料は、セルローストウであってもよい。円筒状プラグの材料は、アセテートとセルロースのトウであってもよい。円筒状プラグの材料は、セルロースおよびビスコース紙であってもよい。一つ以上の態様において、エンドピース要素は、セルロースまたはアセテート、繊維またはトウ、またはビスコース紙で形成されうる。
エンドピース要素は貫通可能であってもよい。剛直な細長い針などの貫通要素は、エンドピース要素を貫通し渦トンネルを通過して、カプセル空洞内のカプセルに接触し、カプセル内に穴を形成しうる。次に、カプセル内に含有された粒子は、吸入器物品の使用中に貫通要素によって形成された穴を出ることができる。一部の実施形態において、貫通要素がエンドピース要素から引き出されると、エンドピース要素は少なくとも部分的に再び封じられうる。
渦トンネルは、エンドピース要素とカプセル空洞の間に位置付けられている。渦トンネルは、エンドピース要素に隣接してもよい。渦トンネルは、軸方向に整列されて、かつエンドピース要素と直列に配設されてもよい。渦トンネルは、カプセル空洞の上流端または遠位端または境界を形成しうる。
渦トンネルは、吸入器のカプセル空洞を通して吸入気流の渦巻きを誘発するまたは渦を誘発するように構成されている。吸入気流のこの渦巻きまたは渦は、カプセル空洞内に存在するカプセルの回転を誘発する。
渦トンネルは、空気通路が円筒の軸に沿って実質的に同軸に延びる、開いた円筒を画定しうる。この開いた円筒の軸は、吸入器物品本体の長軸方向軸と同延であってもよい。渦トンネルは、吸入器物品本体の長軸方向軸に沿って、渦トンネルの内径よりも大きい長さだけ長軸方向に延びうる。
渦トンネルは、空気通路と流体連通している空気吸込み口を含む。空気通路は、開いた円筒の内部通路を画定しうる。空気通路は、内径または渦トンネルによって画定されている。渦トンネルの内径は、吸入器本体の内径よりも小さい。空気吸込み口は、空気が吸入器物品の外側から空気通路または開いた円筒に入るための開口を提供する。空気吸込み口は、渦トンネルの側壁(または厚さ)を通って延びてもよい。一部の実施形態において、空気吸込み口は、吸入器物品の本体を通って延びる。 一部の実施形態において、吸入器物品の本体はまた、空気吸込み口を備える。吸入器物品の本体の空気吸込み口は、渦トンネルの空気吸込み口と整列しうる。渦トンネルが複数の空気吸込み口を備える場合、吸入器物品の本体は相補的な数の空気吸込み口を備えてもよく、吸入器本体の各空気吸込み口は、渦トンネルの空気吸込み口と整列または登録されている。
渦トンネルは、本体の内径と接触する外径を有しうる。渦トンネルは、渦トンネルの外径もしくは本体の内径の約60%〜約25%の範囲の内径を有してもよく、または内径は、渦トンネルの外径もしくは本体の内径の約50%〜約35%の範囲であってもよい。渦トンネルは、渦トンネルの内径よりも大きい長さを有しうる。言い換えれば、渦トンネルの内径は、渦トンネルの外径と比較して狭くてもよく、または薄くてもよい。
渦トンネルは、吸入器物品本体の内径と実質的に等しい外径を有しうる。渦トンネルは、カプセル空洞内に配置されたカプセルの外径よりも小さい内径を有してもよい。渦トンネルは、約7mm〜約8mmの外径を有しうる。渦トンネルは、約2mm〜約4.5mm、または約3mm〜約4mmの内径を有しうる。渦トンネルは、約2mm〜約3mmの範囲の壁厚を有しうる。渦トンネルは、吸入器物品本体の長軸方向軸に沿って約5mm〜約10mmの範囲の長さだけ長軸方向に延びてもよい。
空気吸込み口は、表面(渦トンネルの内径)および空気通路のうちの少なくとも一つの接線にて、渦トンネルの空気通路に合流するまたは入ってもよい。特に、空気吸込み口は、吸入器本体の軸の接線にて実質的に延びうる。渦トンネルは、空気通路と連通している二つの空気吸込み口を含んでもよい。渦トンネルは、開いた円筒の内径の接線にて、開いた円筒に入る二つの対向する空気吸込み口を含みうる。開いた円筒の内径の接線にて、一つまたは二つの対向する空気吸込み口を提供することは、吸入器本体のカプセル空洞内の渦巻きまたは渦気流パターンを誘発する。
一つ以上の空気吸込み口は、任意の適切なまたは有用な形状を有してもよい。一つ以上の空気吸込み口は、円筒形状または円形断面を有してもよい。一つ以上の空気吸込み口は、約0.8〜約1.2mmの範囲の直径、または約1mmの直径を有しうる。一つ以上の空気吸込み口は、機械的穿刺によって、またはレーザー穿孔によって形成されうる。
渦トンネルは、任意の有用な材料で形成されうる。例えば、渦トンネルはセルロースアセテートトウで形成されうる。渦トンネルは板紙または厚紙で形成されうる。渦トンネルは高分子材料で形成されうる。
渦トンネルは、中空のセルロースアセテートチューブ(「HAT」と呼ばれる場合がある)から構築されうる。渦トンネルは、中空のセルロースアセテートチューブまたはセルロースアセテートトウの開いた円筒で形成されうる。渦トンネルの内径および外径のうちの少なくとも一つを紙で覆いうる。渦トンネルは、内径を覆う紙を有するセルロースアセテートトウの開いた円筒で形成されうる。渦トンネルは、外径を覆う紙を有するセルロースアセテートトウの開いた円筒で形成されうる。渦トンネルは、この渦トンネルの内径および外径の両方を覆う紙を有するセルロースアセテートトウの開いた円筒で形成されうる(ディフューザープラグと呼ばれる場合もある)。
カプセル空洞は、渦トンネルからすぐ下流にあってもよい。カプセル空洞は、渦トンネルに隣接してもよい。カプセル空洞は、軸方向に整列されて、渦トンネルと直列に配設されてもよい。渦トンネルは、カプセル空洞の上流端または遠位端または境界を形成しうる。
カプセル空洞は、カプセルを包含するように構成された円筒状の空間を画定しうる。カプセル空洞は、長円のまたは丸みのある長方形の形状を有するカプセルを受容するように構成された空間を画定しうる。カプセル空洞は、カプセル空洞の長さに沿って実質的に均一な、または均一な直径を有してもよい。カプセル空洞は、カプセル空洞の長さに沿って円形の横断面を有してもよい。カプセルは、円筒形状を有しうる。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞内で安定性を有して回転することを可能にしてもよい。カプセルの長軸方向軸は、吸入中に吸入器本体の長軸方向軸を中心に安定性を有して回転してもよい。
安定な回転は、吸入器本体の長軸方向軸がカプセルの回転軸と実質的に平行であることを意味する。安定な回転は、回転するカプセルの前進の欠如を意味する場合がある。吸入器本体の長軸方向軸は、カプセルの回転の軸と実質的に同一の広がりを持つことが好ましい。カプセルの安定な回転は、消費者による二回以上、または五回以上、または十回以上の「吸煙」にわたって、カプセルからのニコチン粒子の一部分の均一な混入を提供してもよい。
カプセル空洞は、上流端または遠位端上で渦トンネルによって境界された、かつ下流端上で多孔性要素によって境界された、固定の空洞長さを有してもよい。カプセル空洞は、その中に包含されたカプセルの長さの少なくとも約110%〜約200%未満の空洞の長さ、またはカプセルの長さの約120%〜約130%の空洞の長さ、またはカプセル長さの約125%の空洞の長さを有してもよい。空洞の長さは約15mm〜約25mmの範囲内であってもよく、カプセルの長さは約14mm〜約18mmの範囲であってもよく、または空洞の長さは約20mmであってもよく、カプセルの長さは約16mmであってもよい。
カプセル空洞は長軸方向軸と直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル外径は空洞内径の約80%〜約99%の範囲内であってもよく、またはカプセル外径は空洞内径の約85%〜約95%の範囲内であってもよく、またはカプセル外径は空洞内径の約90%であってもよい。カプセル外径は約5.4mm〜約6.4mmの範囲であってもよく、空洞内径は約6mm〜約7mmの範囲であってもよい。
カプセル空洞は、上流遠位側面上で渦トンネルによって境界されてもよく、かつ下流またはマウスピース側面上で多孔性支持要素によって境界されてもよい。渦トンネルおよび多孔性支持要素は、カプセルをカプセル空洞内で長軸方向に包含するように協働しうる。多孔性支持要素は細長い吸入器本体の内径を占めてもよい。多孔性支持要素は、気流が細長い吸入器本体の断面に沿って、多孔性支持要素を通して均一な気流を呈することを可能にしうる。多孔性支持要素は、乱流効果または周縁効果を低減し、かつカプセル空洞を通して所望の気流パターンを確保または維持するように、ディフューザーとして機能してもよい。 多孔性支持要素は、貫通要素が遠位端で吸入器物品に受容され、カプセルを貫通してカプセルを有効化する際に、カプセルに支持を提供することによるなど、カプセルの有効化中にカプセル空洞の内側のカプセルを支持しうる。
多孔性支持要素は、吸入器本体の長軸方向軸に沿って延びる長さを有してもよい。多孔性支持要素は、約5mm〜約10mmなど、任意の適切な長さを有しうる。多孔性支持要素は吸入器本体の内径を実質的に占めてもよい。多孔性支持要素は、吸入器本体の内径との摩擦嵌めを形成するために十分な外径を有してもよい。多孔性支持要素は、約7mm〜約8mmの範囲の外径を有しうる。
多孔性支持要素は、非常に低い引き出し抵抗(RTD)を有してもよい。例えば、多孔性支持要素は、約20水柱mm未満、約10水柱mm未満または約1水柱mm未満のRTDを有してもよい。
多孔性支持要素はフィルター要素を画定してもよい。フィルター要素は低効率の濾過材料を含みうる。言い換えれば、フィルター要素は、カプセルから放出された粒子が、実質的に抑制されずにまたは妨げられずにカプセル空洞からマウスピース端に通過することを可能にしうる。濾過材料は概して高多孔性材料である。フィルター要素は繊維の網状組織で形成されてもよい。繊維の網状組織は不織繊維要素であってもよい。多孔性支持要素は濾過材料のプラグであってもよい。多孔性支持要素を形成する繊維は、ポリ乳酸に由来するものであってもよい。多孔性支持要素を形成する繊維は、セルロースアセテートであってもよい。フィルター要素はセルロースアセテートのプラグまたはポリ乳酸のプラグであってもよい。
一部の実施形態において、多孔性支持要素はメッシュを含みうる。メッシュは任意の適切な材料で形成されてもよく、例えば多孔性支持要素はメッシュを含んでもよい。メッシュは、任意の適切な数の穴または穴の網状組織、および任意の適切なサイズおよび形状の穴を有しうる。メッシュは約1mm2〜約4mm2、または約2mm2の穴を有してもよい。
カプセルは消費の前に、吸入器物品内に密封されていてもよい。輸送および保管のために、吸入器物品は、密封されたまたは気密の容器または袋の中に包含されていてもよい。吸入器物品は、吸入器物品の一つ以上の空気吸込み口チャネル、または空気出口、もしくはマウスピースを覆うための、一つ以上の剥離可能なシール層を含みうる。これは、吸入器物品が適切な衛生および新鮮さを維持することを確実にしうる。
カプセルは、空気が吸入器物品を通して引き出される時に、その長軸方向軸または中央軸を中心に回転してもよい。カプセルは、カプセル内部の粒子を実質的に包含する気密材料で形成されてもよい。カプセルは、カプセルがカプセル空洞内にある時に、貫通要素によって貫通または穿孔されるように構成されうる。貫通要素は、吸入器物品と別個でもよく、または組み合わされてもよい。カプセルは任意の適切な材料で形成されうる。カプセルは金属材料または高分子材料で形成されてもよく、この材料は汚染物質をカプセルに入れないように機能するが、カプセル内からのニコチン粒子の放出を可能にするために消費前に貫通要素によって貫通または穿孔されることができる。カプセルは高分子材料で形成されてもよい。高分子材料はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよい。カプセルは任意の適切なサイズを有しうる。カプセルはサイズ1〜サイズ4のカプセル、またはサイズ3のカプセルであってもよい。
システムは、金属または剛直な針などの別個の貫通要素を備えうる。貫通物品は、カプセル空洞内に受容されたカプセルを通して単一の開口部を形成する。貫通要素は、エンドピース要素を通過し、渦トンネルの空気通路を通ってカプセル空洞の中に入るように構成されうる。一部の実施形態において、エンドピース要素は、貫通要素が吸入器物品から引き出された後に再密封可能でありうる。一部の実施形態において、吸入器物品は、貫通要素が吸入器物品から引き出された後に、エンドピース要素を密封するための再密封可能な要素を備えてもよい。
カプセルは典型的に、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含有する。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意の風味粒子を含有してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。カプセルは、約5〜50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10〜30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含みうる。各々の吸入もしくは「吸煙」は、約0.1mg〜約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2mg〜約2mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1mgのニコチン粒子をユーザーの肺に送達する場合がある。
ニコチン粒子は、採用された特定の製剤に基づいてニコチンの任意の適切なまたは有用な濃度を有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量%〜最高約30重量%のニコチン、または約2重量%〜約25重量%のニコチン、または約3重量%〜約20重量%のニコチン、または約4重量%〜約15重量%のニコチン、または約5重量%〜約13重量%のニコチンを有してもよい。各々の吸入もしくは「吸煙」で、約50〜約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されうることが好ましい。
カプセルは、少なくとも約5mgのニコチン粒子、または少なくとも約10mgのニコチン粒子を保持または含有しうる。カプセルは約900mg未満のニコチン粒子、または約300mg未満のニコチン粒子、または150mg未満のニコチン粒子を保持または含有しうる。カプセルは、約5mg〜約300mgのニコチン粒子、または約10mg〜約200mgのニコチン粒子を保持または含有しうる。
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされたまたは組み合わせられた時に、ユーザーに送達される毎回の吸入もしくは「吸煙」に所望の風味を提供する量の風味粒子が存在しうる。
ニコチン粒子は、ユーザーの肺の中に優先的に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含みうる。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末システムを形成しうる。
カプセルは、少なくとも約5mgの乾燥粉末(粉末システムとも呼ばれる)または少なくとも約10mgの乾燥粉末を保持または含有しうる。カプセルは、約900mg未満の乾燥粉末、または約300mg未満の乾燥粉末、または約150mg未満の乾燥粉末を保持または含有しうる。カプセルは、約5mg〜約300mgの乾燥粉末、または約10mg〜約200mgの乾燥粉末を保持または含有しうる。
乾燥粉末または粉末システムは、約10マイクロメートル未満、または約5マイクロメートル未満、または約1マイクロメートル〜約3マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有するニコチン粒子から成る粉末システムの少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。
ニコチンを含む粒子は、約5マイクロメートル以下の空気動力学的中央粒子径、または約0.5マイクロメートル〜約4マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径、または約1マイクロメートル〜約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径、または約1.5マイクロメートル〜約2.5マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上の空気動力学的中央粒子径、または約50マイクロメートル以上の空気動力学的中央粒子径、または約50〜約200マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径、または約50〜約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下の中央粒子径、または約1マイクロメートル〜約40マイクロメートルの範囲内の中央粒子径、または約1.5マイクロメートル〜約25マイクロメートルの範囲内の中央粒子径を有してもよい。中央粒子径は質量あたりの中央粒子径を意味し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定されることが好ましい。
粉末システム中のニコチンまたはシステム中のニコチン粒子は、医薬品として許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。適切なまたは有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物には例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ−ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと結合して塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選ばれてもよい。
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。アミノ酸はL−ロイシンなどのロイシンであってもよいことが好ましい。ニコチンを含む粒子にL−ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末システムは自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、各々の粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。
ニコチンは表面修飾したニコチン塩であってもよいことが好ましく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL−ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L−ロイシンを含む重酒石酸ニコチンであってもよい。
粉末システムは風味粒子を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。
粉末システムは、約20マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。粉末システムは、約50マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。粉末システムは、約50マイクロメートル〜約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。
風味剤または風味は、固体の風味として(摂氏約22度の室温および1気圧で)提供されてもよく、風味製剤、風味含有材料および風味前駆体を含んでもよい。風味剤は、一つ以上の天然風味剤、一つ以上の合成風味剤、または天然風味剤と合成風味剤との組み合わせを含んでもよい。本明細書に記載の風味剤は、ニコチン構成要素の味覚特性または芳香特性をその消費中または吸入中に変化させるために、または変化させることを意図するために選択および利用される感覚刺激性の化合物、組成物、または材料である。
風味剤または風味は、天然起源または合成起源のさまざまな風味材料を指す。これらには、単一の化合物および混合物が含まれる。風味または風味剤は、消費中にニコチン構成要素の体験を高める場合がある風味特性を有する。風味は、可燃性喫煙物品の喫煙の結果から得られるものと類似の体験を提供するように選ばれてもよい。例えば、風味または風味剤は、口充足感および複雑さなどの風味特性を高める場合がある。複雑さは、単一の感覚属性が支配的になることなく、より豊かな風味の全体的なバランスが取れていることとして、一般的に知られている。口充足感は、消費者の口および喉の中での豊かさと量の知覚として説明される。
適切な風味には例えば、たばこ、煙、メントール、ミント(ペパーミントおよびスペアミントなど)、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果実風味、ガンマ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、およびジンジャー油、およびこれに類するものなどの任意の天然風味または合成風味が含まれるが、これらに限定されない。
その他の適切な風味には、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせまたはブレンド、およびこれに類するものから成る群から選択される風味化合物が含まれてもよい。適切な風味化合物は例えば、フェニル酢酸、ソラノン、メガスチグマトリエノン、2−ヘプタノン、ベンジルアルコール、cis−3−ヘキセニルアセタート、吉草酸、吉草酸アルデヒド、エステル、テルペン、セスキテルペン、ノートカトン、マルトール、ダマセノン、ピラジン、ラクトン、アネトール、イソ吉草酸、その組み合わせ、およびこれに類するものから成る群から選択されてもよい。
風味のさらなる特定の実施例は、現在の文献から見いだされる場合があり、また風味付け、すなわち臭いまたは味覚を製品に付与する当業者に周知である。
風味剤は力価の高い風味剤であってもよく、吸入気流内で結果的に200ppm未満となるレベルで使用・検出される場合がある。こうした風味剤の例は、β−ダマセノン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フェニルアセトアルデヒド、グアイアコール、およびフラネオールなどの主なたばこ芳香化合物である。その他の風味剤は、より高い濃度レベルで人間によってのみ感知されうる。本明細書で力価がより低い風味剤と呼ばれるこれらの風味剤は一般に、吸入空気内に放出される風味剤が結果的に、桁違いに多い量のレベルで使用される。力価のより低い適切な風味剤には例えば、天然メントールまたは合成メントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、およびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、およびリナロールが含まれるが、これらに限定されない。
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減する化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末システムは、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。粉末システムは自由流動であってもよいことが好ましい。
乾燥粉末吸入用の従来的な製剤は、活性粒子が吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末システムは担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズでありうるラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は製剤中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用されうる。
ニコチン粒子と風味は、単一のカプセル内に組み合わせられてもよい。上述の通り、ニコチン粒子および風味はそれぞれ、低減された接着力を有してもよく、それらが安定な粒子製剤をもたらし、この場合ではニコチンを含む粒子と風味含む粒子が組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズは実質的に変化しない。別の方法として、粉末システムは、単一のカプセルの中に含有されたニコチン粒子と、第二のカプセルの中に含有された風味粒子とを含む。
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子を検知するように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。ニコチン粒子および風味粒子は、粉末システムの全重量の少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%、または100重量%を形成することが好ましい。
吸入器および吸入器システムは、従来の乾燥粉末吸入器と比較して、より複雑ではなく、また単純化された気流経路を有する。有利なことに、吸入器本体の中のカプセルの回転は、ニコチン粒子または粉末システムをエアロゾル化し、また自由流動粉末の維持を支援する場合がある。それ故に、吸入器物品は、上述のニコチン粒子を肺に深く送達するために、従来の吸入器によって典型的に利用される高い吸入量を必要としない場合がある。
吸入器物品は、約5L/分未満、または約3L/分未満、または約2L/分、または約1.6L/分未満の流量を使用してもよい。流量は、約1L/分〜約3L/分または約1.5L/分〜約2.5L/分の範囲内であってもよいことが好ましい。吸入量または流量は、カナダ保健省(Health Canada)の喫煙方法の流量と同様であってもよく、すなわち約1.6L/分であってもよいことが好ましい。
吸入器は、従来の紙巻たばこの喫煙または電子たばこのベイピングのように、消費者によって使用されてもよい。こうした喫煙またはベイピングは二つの工程によって特徴付けられることができ、第一の工程では、消費者が所望するニコチンの全量を含有する少量が口腔の中に引き出され、それに続く第二の工程では、所望の量のニコチンを含むエアロゾルを含むこの少量が新鮮な空気によってさらに希釈され、肺の中により深く引き出される。どちらの工程も消費者によって制御される。第一の吸入工程中に、消費者は吸入されるニコチンの量を決定してもよい。第二の工程中に、消費者は肺の中により深く引き出される第一の量を希釈するための量を決定してもよく、気道の上皮表面に送達される活性剤の濃度が最大化される。この喫煙のメカニズムは時に、「吸煙−吸入−吐出」と呼ばれる。
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
「上流」および「下流」という用語は、吸入気流が吸入器の本体を通して遠位端部分または渦トンネルからマウスピース部分に引き出される際の吸入気流の方向に関して説明された吸入器の要素の相対的な位置を意味する。
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。