JP2021509108A - 肺高血圧症の治療のための吸入用一酸化窒素及び酸素の使用 - Google Patents

肺高血圧症の治療のための吸入用一酸化窒素及び酸素の使用 Download PDF

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Abstract

本明細書に記載されるのは、患者における肺高血圧症を治療し、運動能力を改善し、かつ/又は酸素飽和度低下を低減するための吸入用一酸化窒素を使用する方法である。【選択図】なし

Description

技術分野
本発明の原理及び実施形態は、一般に、吸入用一酸化窒素送達の分野に関する。
背景
低酸素血症は、肺動脈高血圧症(PAH)で生じる可能性がある。Revealレジストリは、60%のPAH対象が酸素療法を使用することを示した(Hap Faberによる要約発表、chest、2016)。PAHにおける低酸素血症は、様々なメカニズム:換気−灌流のミスマッチ、肺拡散能の低下、心拍出量の減少の状況での低酸素飽和度と混合静脈血の混合、又は肺内若しくは心臓内シャントの開口、によって引き起こされ得る(Porteous及びFitz、2014)。低酸素血症は、肺動脈血管収縮をもたらし、肺高血圧症を悪化させる可能性がある。Revealレジストリは、一酸化炭素の最も低い拡散能力(DLCO、空気嚢から肺血管へ通過する酸素の測定)40%未満を有するPAH患者は、酸素療法で治療された場合に、生存率がより良好であることを示した。
したがって、PAHなどの肺高血圧症(PH)を有する患者における酸素化を改善するための新規な治療法が必要である。
本発明の一態様は、PHを有する患者において酸素飽和度低下を低減する方法に関する。
本発明の別の態様は、PHを治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、酸素飽和度低下を低減することによりPHを治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、PHを有する患者において運動能力を改善する方法に関する。
本発明の別の態様は、酸素飽和度低下を低減することによりPHを有する患者において運動能力を改善する方法に関する。
1以上の実施形態において、患者は、有効量の長期酸素療法(LTOT)と組み合わせて有効量の吸入用窒素酸化物(iNO)を投与される。
1以上の実施形態において、iNOは、吸気の最初の半分の間に患者に投与される。
1以上の実施形態において、iNOの有効量は、1時間当たりの理想体重1キログラム当たり約5〜約300μg(mcg/kg IBW/時)の範囲である。1以上の実施形態において、iNOの有効量は、約30〜約100mcg/kg IBW/時の範囲、例えば、約75mcg/kg IBW/時である。
1以上の実施形態において、iNOは、約1、約2、約3、約4、約5、約6若しくは約7日、又は約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7若しくは約8週間、又は約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約12、約18若しくは約24ヶ月間などの一定の最小治療時間投与される。
1以上の実施形態において、iNOは、1日に少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約16、約18又は約24時間などの、毎日一定の時間投与される。
1以上の実施形態において、患者は、PHの低い、中間の、又は高い確率を有する。
1以上の実施形態において、PHは、PAH(WHOグループI)、左心疾患に関連付けられるPH(WHOグループ2)、肺疾患及び/又は慢性低酸素症に関連付けられるPH(WHOグループ3)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(WHOグループ4)又は不明多因子機構を有するPH(WHOグループ5)の1以上を含む。
1以上の実施形態において、患者は、PAHを有する。
1以上の実施形態において、患者は、間質性肺疾患に関連付けられるWHOグループ3のPH(PH−ILD)を有する。
1以上の実施形態において、患者は、特発性肺線維症に関連付けられるWHOグループ3のPH(PH−IPF)を有する。
1以上の実施形態において、患者は、慢性閉塞性肺疾患に関連付けられるWHOグループ3のPH(PH−COPD)を有する。
1以上の実施形態において、患者は、高山病からの肺水腫に関連付けられるPHを有する。
1以上の実施形態において、患者は、サルコイドーシスに関連するPHを有する
1以上の実施形態において、患者は、換気−灌流(V/Q)ミスマッチを有する。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの複数のパルスは、複数の呼吸にわたって患者に投与される。
1以上の実施形態において、NOを含むガスは、複数の呼吸のうちの少なくとも1回の呼吸で患者に投与されない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの連続するパルス間の最大期間は、約30、約25、約20、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8.5、約8、約7.5、約7、約6.5又は約6秒を超えない。
1以上の実施形態において、連続的にスキップされる呼吸の最大数は、3回、2回、又は1回の呼吸を超えない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの連続するパルス間の平均期間は、約25、約20、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8.5、約8、約7.5、約7、約6.5又は約6秒を超えない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの連続するパルス間の平均期間は、約3回、約2.5回、約2回、約1.5回又は1回の呼吸を超えない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの少なくとも約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約625、約650、約700、約750、約800、約850、約900、約950又は約1000パルスが、患者に毎時投与される。
1以上の実施形態において、iNOの投与は、16週間のiNO投与後の患者群における運動中の末梢毛細管酸素飽和度(SpO2)の低下において少なくとも1の平均減少を提供する。
1以上の実施形態において、iNOの投与は、16週間のiNO投与後の患者群における運動中のSpO2の低下において約3.36の平均減少を提供する。
1以上の実施形態において、iNOの投与は、16週間のiNO投与後の患者群における6分間歩行距離(6MWD)運動において少なくとも10メートルの平均増加を提供する。
1以上の実施形態において、iNOの投与は、16週間のiNO投与後の患者群における6MWDにおいて少なくとも52.4メートルの平均増加を提供する。
詳細な説明
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載した構成又はプロセスの工程の詳細に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態及び様々な方法で実施又は実行することが可能である。
驚くべきことに、LTOTと組み合わせて使用される長期iNO療法が、PHを有する患者における運動中の運動能力及び酸素飽和度低下を維持並びに/又は改善することが発見された。また驚くべきことに、LTOTなしで使用される長期的なiNO療法が実際に、これらの患者における酸素飽和度低下及び運動能力の低下をもたらすことが発見された。
特定の理論に縛られることなく、iNOは、PAHにおいて作用の二重のメカニズム:肺動脈圧の低下及びV/Qマッチングの改善、を有すると考えられている(Olchewskiら、1999)。以下でより詳細に説明されるように、第II相試験は予想外にも、LTOTを使用したPAH対象のみがiNO療法から恩恵を受けるのに対し、iNO療法単独でのPAH対象は運動能力が低下しかつ運動中の酸素飽和度低下を有したことを見出した。この有効性の違いは、LTOT対象がより低いDLCO及びより高い程度のV/Qミスマッチを有することに関連し得、したがってこれらの対象において、iNOで改善されたV/Qマッチングは重要な作用機序であり得る。これらのデータは、PAH対象のこの集団におけるV/Qマッチングの重要性を支持する。
したがって、本発明の様々な態様は、LTOTと組み合わせたiNO療法の使用に関する。そのようなiNO及びLTOTの使用は、PHを治療し、運動能力を改善し、かつ/又は酸素飽和度低下を改善するために使用できる。
酸素飽和度低下の維持及び/又は改善は、多くの測定値によって評価できる。酸素飽和度は、血液中のヘモグロビンがどのくらい酸素に結合するかの指標であり、かつ典型的には、全ヘモグロビンに対する酸化ヘモグロビンの割合として提供される。SpO2は、末梢毛細血管中の酸素飽和度の指標である。SpO2を測定する例示的な方法は、パルス酸素濃度計を含むが、これに限定されない。他のパラメータも、動脈血酸素飽和度(SaO2)、及び/又は動脈血の酸素分圧(PaO2)などの酸素化を評価するために使用できる。酸素飽和度低下は、酸素飽和度の低下、例えば、患者が運動能力を評価する試験を実行した後の酸素飽和度の低下を指す。
運動能力の維持及び/又は改善は、多くの測定によって評価できる。運動能力を評価するための1つのアプローチは、6MWDを提供する6分間歩行試験である。運動能力を評価するために使用できる他の測定値は、シャトル歩行試験、活動レベル、強制運動、最大運動試験、トレッドミル、自転車及び心肺運動試験を含むが、これらに限定されない。
したがって、1以上の実施形態において、iNO療法は、酸素飽和度及び/又は運動能力に関連する1以上のパラメータを維持又は改善する。いくつかの実施形態において、パラメータの維持は、一定期間にわたってそのパラメータに変化がないことに対応する。いくつかの実施形態において、パラメータが、経時的に未治療患者で悪化すると予想される(例えば、6MWDが、未治療PH患者で減少すると予想される)場合に、パラメータの維持はまた、未治療患者に期待される臨床的悪化よりも小さい規模であるパラメータの臨床的悪化を含む。
1以上の実施形態において、iNO療法は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30日間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15若しくは16週間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18若しくは24ヶ月間、又は少なくとも1、2、3、4若しくは5年間iNOを投与した後などの一定期間にわたって、酸素飽和度低下(例えば、SpO2の変化)を維持するか、又は減少させる。
1以上の実施形態において、患者の酸素飽和度低下は、酸素飽和度低下が未治療患者で増加することが予想されるにもかかわらず、iNO療法中に変化しない。他の実施形態において、患者の酸素飽和度低下は、一定期間にわたって減少する。酸素飽和度低下の例示的な減少は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10の減少を含む。
1以上の実施形態において、16週間のiNO療法は、患者群における運動中のSpO2の低下において少なくとも約1の平均減少を提供する。様々な実施形態において、iNO療法の16週間後の患者群における運動中のSpO2の低下の平均減少は、少なくとも約1、約2、約3又は約4、例えば、約3.36である。
1以上の実施形態において、iNO療法は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25若しくは30日間、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15若しくは16週間、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18若しくは24ヶ月間、又は少なくとも1、2、3、4若しくは5年間iNOを投与した後などの、一定期間にわたって運動能力(例えば、6MWD)を維持するか、又は増加させる。
1以上の実施形態において、患者の運動能力は、運動能力が未治療患者で減少すると予想されるにもかかわらず、iNO療法中に変化しない。他の実施形態において、患者の運動能力は、一定期間にわたって増加する。6MWDの例示的な増加は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約110、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60メートル、約70、約80、約90又は約100メートルの増加を含む。運動能力(例えば、6MWD)の例示的な増加はまた、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70%、約80%、約90%又は約100%の増加などのパーセンテージで表すことができる。
1以上の実施形態において、16週間のiNO療法は、患者群における6MWDにおいて少なくとも約10メートルの平均増加を提供する。様々な実施形態において、iNO療法の16週間後の患者群における6MWDの平均増加は、少なくとも約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55又は約60メートル、例えば、約52.4メートルである。
1以上の実施形態において、16週間のiNO療法は、患者群における6MWDにおいて少なくとも約5%の平均増加を提供する。様々な実施形態において、iNO療法の16週間後の患者群における6MWDの平均増加は、少なくとも約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70%、約80%、約90%又は約100%である。
1以上の実施形態において、患者又は患者群は、PHを有すると診断される。患者(複数可)は、心エコー検査、右心カテーテル法などの技術を用いて、適切な基準に従って心臓病専門医、呼吸器専門医又は他の医師によって診断され得る。そのような基準の例は、少なくとも25mmHgの安静時の平均肺動脈圧(mPAP)、又は2.9m/sより大きい三尖弁逆流速度、又は適切な医師により決定されるような要因の他の組合せを有する患者を含むが、これに限定されない。世界保健機関(WHO)は、PHの5つのカテゴリー:PAH(WHOグループ1);左心疾患と関連付けられるPH(WHOグループ2)、肺疾患及び/又は慢性低酸素症に関連付けられるPH(WHOグループ3)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(WHOグループ4)又は不明多因子機構を有するPH(WHOグループ5)を定義している。
WHOグループ2の患者の例は、収縮不全、拡張期機能不全及び/又は弁性疾患を有するものを含む。
WHOグループ3の患者の例は、PH−COPD患者及びPH−IPF患者などの間質性肺疾患(ILD)を有するものを含む。WHOグループ3患者の他の例は、肺線維症と肺気腫の合併(CPFE)、慢性的高地曝露、又は睡眠呼吸障害若しくは発達疾患などの他の肺疾患を有するものを含む。COPD、ILD及び他の肺疾患は、米国胸部学会のガイドラインに記載のものなどの任意の適切な因子又は因子の組み合わせに応じて診断され得る。COPDを診断するための基準の例示的な一組は、慢性閉塞性肺疾患(GOLD)基準のグローバルイニシアチブである。少なくとも1つの実施形態において、患者はPH−COPDを有する。少なくとも1つの実施形態において、患者は、PH−IPFを有する患者などのPH及びILDを有する。少なくとも1つの実施形態において、患者は、高山病からの肺水腫に関連付けられるPHを有する。
WHOグループ5の患者の例は、血液障害、肺に関与する全身性障害(例えば、サルコイドーシス、ランゲルハンス細胞の組織球増殖症、リンパ脈管筋腫症、神経線維腫症及び血管炎)、代謝障害(例えば、甲状腺障害及びグリコーゲン貯蔵疾患)、並びに腫瘍閉塞症又は腎不全などの他の疾患を有するものを含む。少なくとも一実施形態において、患者は、サルコイドーシスと関連付けられるPHを有する。
1以上の実施形態において、患者は、V/Qミスマッチを有する。
1以上の実施形態において、患者又は患者群は、心エコー検査法又は他の適切な技術によって決定されるように、PHの低い、中間の、又は高い確率を有する。PHの確率を評価するための基準の例示的な一組は、肺高血圧症の診断及び治療のための2015 ESC/ERSガイドラインに記載されている。少なくとも1つの実施形態において、患者は、PHの低い心エコー確率を有する。少なくとも1つの実施形態において、患者は、PHの中程度の心エコー確率を有する。少なくとも1つの実施形態において、患者は、PHの高い心エコー確率を有する。
iNOは、連続的に、又は一連のパルス、又は患者の肺へiNOを送達するための任意の他の適切な技術によって投与され得る。iNOの投与のための例示的なデバイスは、米国特許第5,558,083号、同第7,523,752号、同第8,757、148号、同第8,770,199号、同第8,893,717号、同第8,944,051号、米国特許出願公開2013/0239963号、同第2014/0000596号;及び同第2016/0106949号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
1以上の実施形態において、iNOは、NOを含有するシリンダー及び窒素(N)などのキャリアガスを利用するNO送達装置によって投与される。例示的なNOシリンダー濃度は、約100ppm〜約15,000ppmの範囲内の濃度、例えば、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000、約1500、約2000、約2500、約3000、約3500、約4000、約4500、約5000、約6000、約7000、約8000、約9000、約10,000又は約15,000ppmの濃度を含むが、これらに限定されない。1以上の実施形態において、NOシリンダー濃度は、約4880ppmである。
1以上の実施形態において、NOは、ベッドサイド又は投与の時点で生成される。例えば、電極の存在下でのNと酸素(O)の反応、又は二酸化窒素(NO)と還元剤の反応などの様々な化学反応を、NOを生成するために使用できる。
1以上の実施形態において、iNOは、一連のパルスとして投与される。iNOは、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.5、約2、約3、約4又は約5mLなどの特定のパルス容積を有し得る。パルス容積は、1回の呼吸から次の呼吸まで同じであってもよいし、又はパルス容積は、患者の呼吸速度及び/又は既に患者に送達されたiNOの量に応じて変化し得る。
1以上の実施形態において、iNOの有効量は、約5〜約300mcg/kg IBW/時の範囲にある。患者の理想体重は、患者の推定される肺の大きさと相関し、患者の性別及び身長の関数である。様々な実施形態において、iNOの用量は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95又は約100mcg/kg IBW/時である。
1以上の実施形態において、nmol/呼吸、ng/呼吸又はmL/呼吸の一定の用量などのiNOの一定用量が、各呼吸で患者に送達される。例示的な用量は、呼吸あたり約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約150、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000又は約1,500nmolのNOを含む。
1以上の実施形態において、iNOは、一定の濃度で連続的に投与される。例えば、iNOは、約1ppm〜約100ppmの一定の濃度で投与され得る。様々な実施形態において、iNOの用量は、約1、約2、約3、約4、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95又は約100ppmである。
1以上の実施形態において、所望量のガスが、患者の呼吸パターンに無関係である方法で、複数の呼吸にわたって患者に投与される。例えば、患者のiNO用量は、患者の呼吸パターン又は呼吸速度にかかわらず、所望の量が毎時間患者に送達されるように、mcg/kg IBW/時の単位で処方されてもよい。NO送達装置は、患者の処方箋を受け取るために、ダイヤル、ディスプレイ、タッチスクリーン又は他のユーザインターフェースなどの入力を有し得る。呼吸あたりのNOの量(例えば、nmol NO、ng NO、NOを含むガスmLなど)は、患者の現在の呼吸パターンに基づいて計算でき、かつそのNOの量は、次の呼吸で又は数回の呼吸で患者に送達され得る。NO送達装置は、患者の呼吸パターン又は呼吸速度(又は呼吸パターン若しくは呼吸数の変化)を監視し、再計算し、かつ/又は別の方法で、現在の呼吸又は後続の呼吸で送達されるNO含有ガスの量を調整できる。NO送達装置は、呼吸を監視し、計算し、又は別の方法で、送達されるNOの量を決定し、NOを含むガスを送達するためのNO送達装置(例えば、流量センサ、圧力センサ、バルブ、ガス導管など)の他の構成要素と連通するために、適切なソフトウェア及び/又はハードウェア(例えば、流量センサ、圧力センサ、プロセッサ、メモリなど)を有する制御システムを有してよい。呼吸あたりのNOの量は、毎呼吸後に計算及び/若しくは調整するか、又は毎分、10分ごと、10回の呼吸ごと、100回の呼吸ごとなどの一定の間隔で計算及び/又は調整できる。
1以上の実施形態において、iNOは、呼吸毎に患者に送達されず、少なくとも1回の呼吸が、iNO療法中にスキップされる。NOを含むガスの個々のパルス間の期間は、様々であるか、又は一定であり得る。様々な実施形態において、パルス間の最大期間、パルス間の最大平均期間及び/又は最小パルス頻度が設けられてよい。
様々な状況が、特定の呼吸中にスキップされるiNOを生じさせ得る。例えば、iNOがn(nは1超である)回目の呼吸ごとに投与される、間欠投薬計画が利用され得る。様々な実施形態において、nは、約1.01、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.5、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又約10である。nが整数ではない(例えば、1.1又は2.5)場合に、nは複数の呼吸にわたる平均を表してよい。一例として、2.5回の呼吸ごとのiNOの投与は、iNOが5回の呼吸ごとに2回の呼吸の平均(すなわち、5/2=2.5)で投与されることを示す。同様に、1.1回の呼吸ごとのiNOの投与は、iNOが11回の呼吸ごとに10回の呼吸の平均(すなわち、11/10=1.1)で投与されることを示す。iNOが、n(nは1超である)回の呼吸ごとに投与される他の間欠投与計画について、同様の計算を行うことができる。
1以上の実施形態において、所定の呼吸がスキップされる間欠投薬計画を利用してもよい。所定の呼吸のスキッピングは、他の呼吸ごとのスキッピング、3回の呼吸ごとのスキッピング、2回の連続呼吸のスキッピング、及び3回目の呼吸での送達などの所定のパターンに基づいてよい。所定のパターンは、nが1超、例えば、約1.01、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.5、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10であるなどの、n回目の呼吸ごとにNOを含むガスを送達することを含んでよい。
1以上の実施形態において、1以上の呼吸は、一定期間内にスキップされる。例えば、1、2、3、4、5回などの呼吸が、1時間ごと、30分ごと、15分ごと、10分ごと、毎分、30秒ごとなどにスキップされ得る。いくつかの実施形態において、わずか1回ほどの呼吸が、iNO療法全体中にスキップされる。他の実施形態において、複数回の呼吸が、iNO療法中にスキップされる。
1以上の実施形態において、ランダム呼吸がスキップされる間欠投薬計画を利用してもよい。ランダム呼吸のスキッピングは、ランダム数生成器に従って決定でき、かつ/又は、患者の呼吸パターン、患者の呼吸速度、患者に送達されるiNOの量、患者のiNO処方などの現在の臨床状態に基づいてよく、かつ/又は最小パルス容積などのNO送達装置の設定に基づいてよい。
1以上の実施形態において、NO送達装置は、最小パルス容積などの、呼吸で送達できるガスの最小量を有し得る。ガスのこの最小量は、ユーザにより設定されるか、又はNO送達装置の仕様により設定される最小閾値セットであり得る。1以上の実施形態において、特定の呼吸で患者に送達されるNOを含むガスの量が、呼吸あたりのガスの最小量(例えば、最小パルス容積)よりも少ない場合に、ガスの投与が、その呼吸についてスキップされる。1以上の実施形態において、呼吸がスキップされると、呼吸あたりのガスの新たな量が計算され、かつ/又はガスの量が引き継がれ、1以上のその後の呼吸で送達されるガスの量に加えられる。
上記の例示的な状況に加えて、iNO療法中にスキップされる1以上の呼吸をもたらすことができる他の状況も、本開示に包含される。そのような状況は、薬物シリンダー若しくはカートリッジの変更又は切り替え;NO送達装置のパージ;LTOT、連続気道陽圧(CPAP)、バイレベル気道陽圧(BPAP)などの他の装置又は送達システムとの係合;無呼吸、空の薬物シリンダー/カートリッジ、空のバッテリーなどのNO送達装置アラーム条件;又はNO送達装置の障害状態(複数可)による呼吸のスキッピング又はiNO療法中の休止を含むが、これらに限定されない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの連続パルス間の最大期間が存在する。例えば、連続パルス間の期間は、変化してもよく、又は一定であってもよいが、ガスの連続パルス間の期間が長すぎるのを防ぐ上限が提供され得る。例示的な実施形態において、ガスの連続パルス間の最大期間は、約30、約25、約20、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8.5、約8、約7.5、約7、約6.5、又は約6秒を超えない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの連続パルス間の最大期間は、呼吸の最大数として提供される。例示的な実施形態において、連続スキップされる呼吸の最大数は、4、3、2、又は1回の呼吸を超えない。
1以上の実施形態において、NOを含むガスの連続パルス間の平均期間は、約30、約25、約20、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8.5、約8、約7.5、約7、約6.5又は約6秒を超えないなどの、一定期間を超えない。再び、個々のパルス間の期間は、変化してよく、又は同じであり得る。
1以上の実施形態において、連続スキップされる呼吸の平均数は、約3、約2.5、約2、約1.5、約1又は約0.5回の呼吸を超えない。
1以上の実施形態において、パルス投与頻度は、時間あたりのパルスなどの所与の期間内のパルスの数として提供される。例えば、1以上の実施形態において、患者は、1時間あたりNOを含むガスを少なくとも約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約625、約650、約700、約750、約800、約850、約900、約950又は約1000パルスで投与される。
より短い期間を使用してもよく、これらのパルス頻度は、同様に分あたり又は他の期間あたりのパルスで表すことができる。1以上の実施形態において、患者は、少なくとも約5、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約16、約17、約18、約19又は約20パルスで投与される。
1以上の実施形態において、iNOは、毎日、一定期間投与される。例えば、iNOは、1日に少なくとも約1時間投与され得る。様々な実施形態において、iNOは、1日に少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約16、約18又は約24時間投与される。
1以上の実施形態において、iNOは、特定の治療時間投与される。例えば、iNOは、少なくとも2日間投与され得る。様々な実施形態において、iNOは、少なくとも約2、約3、約4、約5、約6若しくは約7日間、又は約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7若しくは約8週間、又は約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約12、約18若しくは約24ヶ月間、又は1、2、3、4若しくは5年間投与される。
1以上の実施形態において、患者はまた、長期酸素療法(LTOT)を受けている。様々な実施形態において、LTOTは、少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約16、約18又は約24時間投与される。様々な実施形態において、LTOTは、約0.5L/分〜約10L/分、例えば、約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10L/分などの用量で投与される。LTOTは、連続的に又はパルスを介して投与され得る。
実施例
実施例1−PAHを有する患者における酸素飽和度低下及び運動能力に対する長期iNO療法並びにLTOTの効果
この研究は、PAH(IK−7001−PAH−201;NCT01457781)を有する症候性対象におけるアドオン治療としてのプラセボに対するパルスiNOの安全性、耐性及び有効性を決定するための第2相、プラセボ対照、二重盲検、ランダム化臨床試験であった。この研究の主要評価項目は、肺血管抵抗(PVR)におけるベースラインからの変化であった。副次評価基準は、6MWDにおける変化、第1の臨床的悪化事象(TTCW)までの時間、WHO機能クラスの変化、Borg呼吸困難スコア(BDS)の変化、及びSF−36ショートフォームバージョン2及びケンブリッジ肺高血圧アウトカムレビュー(CAMPHOR)によってスコア化される患者が報告した予後(PRO)の変化を含んだ。
PAH対象に、1日最高24時間、最高16週間、25若しくは75mcg/kg IBW/時の用量でパルスiNOを投与するか、又は1日最高24時間、最高16週間、パルスプラセボ(99.999%のN)を投与した。25mcg/kg IBW/時の用量を、2,440ppmのNOを有するミニシリンダーから投与し、75mcg/kg IBW/時の用量を、4,880ppmのNOを有するミニシリンダーから投与した。
全ての対象は、以下の基準:安静時に25mmHg以上の平均肺動脈圧(mPAP)、それに伴う15mmHg以下の平均肺毛細血管楔入圧(mPCWP)、平均左心房圧(mLAP)、又は左室拡張終末期圧(LVEDP)及び240ダイン*秒*cm−5以上のPVR、に従い右心臓カテーテル法(RHC)のベースライン時でのPAHの診断が確認された。全ての対象は16〜80歳であり、6MWDが少なくとも100メートルであり450メートル以下であった。全ての対象は、少なくとも1つの承認されたPAH療法を受けており、PAHからの臨床的症候(例えば、行使時の呼吸困難の発症又は増加、利尿、失神寸前、失神、胸部痛又は末梢浮腫)を示した。
酸素飽和度低下を、6分間歩行試験(6MWT)の開始から終了までのSpO2レベルの低下として測定した。酸素飽和度低下をベースラインで、及び75mcg/kg IBW/時(iNO 75)若しくは25mcg/kg IBW/時(iNO 25)の用量でのiNO又はプラセボを用いた慢性治療の16週間後に測定した。データは、16週間の治療を完了しなかったものについて繰り越した最後の観察である。
以下の表1は、プラセボ、iNO 25及びiNO 75についての酸素飽和度低下における変化を示す。また示されるのは、ベースライン〜16週の6MWDにおける変化として測定される、運動能力における変化である。
Figure 2021509108
表1で見られるように、iNO 75用量のみが酸素飽和度低下における意味のある減少及び6MWDにおける増加を示した。iNO 75用量のさらなる評価を行って、LTOTとの組み合わせの影響を評価した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2021509108
表2で見られるように、iNO及びLTOTの患者は、酸素飽和度低下及び運動能力における改善を示した。しかしながら、酸素なしにiNOを投与された患者は、いずれのカテゴリーにおいても改善を示さなかった。驚くべきことに、両方のパラメータは悪化を示し、iNO単独では治療効果がなかったことを示す。
さらなる評価を行い、非LTOTグループに見られる効果の欠如が薬物の使用不足によるものではないことを保証するために、iNO療法に準拠した患者のみを用いて比較した。コンプライアンスに使用された基準は、使用1日当たり12時間超であった。この評価の結果を表3に提供する。
Figure 2021509108
表3で見られるように、この療法に準拠したLTOTの患者は、酸素飽和度低下及び運動能力において大きな改善を示した。しかしながら、酸素付加の恩恵を受けないiNOに準拠した患者は、両方のカテゴリーにおいて顕著な悪化を示した。
本明細書の全体にわたって「一実施形態」、「ある実施形態」、「様々な実施形態」、「1以上の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、本明細書を通して、様々な箇所における「1以上の実施形態において」、「ある実施形態において」、「様々な実施形態において」、「一実施形態において」又は「実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
本明細書において、特定の実施形態を参照して本開示を説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の単なる例示であることを理解すべきである。様々な変更及び変形が、その趣旨及び範囲から逸脱することなく本開示に対してなされ得ることは、当業者には明らかであろう。そのため、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある変更及び変形を含むことが意図される。

Claims (20)

  1. 肺高血圧症を有する患者における酸素飽和度低下を低減する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の長期酸素療法(LTOT)と組み合わせて有効量の吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することであって、前記iNOが、少なくとも4週の間少なくとも約30mcg/kg IBW/時の用量で投与される、投与すること
    を含む、方法。
  2. 肺高血圧症を治療する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の長期酸素療法(LTOT)と組み合わせて有効量の吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することであって、前記iNOが、少なくとも4週の間少なくとも約30mcg/kg IBW/時の用量で投与される、投与すること
    を含む、方法。
  3. 酸素飽和度低下を低減することによって肺高血圧症を治療する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の長期酸素療法(LTOT)と組み合わせて有効量の吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することであって、前記iNOが、少なくとも4週の間少なくとも約30mcg/kg IBW/時の用量で投与される、投与すること
    を含む、方法。
  4. 肺高血圧症を有する患者における運動能力を改善する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の長期酸素療法(LTOT)と組み合わせて有効量の吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することであって、前記iNOが、少なくとも4週の間少なくとも1日6時間少なくとも約30mcg/kg IBW/時の用量で投与される、投与すること
    を含む、方法。
  5. 酸素飽和度低下を低減することによって肺高血圧症を有する患者における運動能力を改善する方法であって、
    それを必要とする患者に有効量の長期酸素療法(LTOT)と組み合わせて有効量の吸入用一酸化窒素(iNO)を投与することであって、前記iNOが、少なくとも4週の間少なくとも約30mcg/kg IBW/時の用量で投与される、投与すること
    を含む、方法。
  6. 前記iNOが、吸気の最初の半分の間に前記患者に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記iNOが、少なくとも1日に2時間投与される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記iNOが、少なくとも1日に6時間投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記iNOが、少なくとも1日に12時間投与される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記肺高血圧症が、肺動脈高血圧症(WHOグループI)、左心疾患と関連付けられるPH(WHOグループ2)、肺疾患及び/又は慢性低酸素症に関連付けられる肺高血圧症(WHOグループ3)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(WHOグループ4)又は不明多因子機構を有する肺高血圧症(WHOグループ5)の1以上を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記患者が、肺動脈高血圧症(WHOグループI)を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記患者が、特発性肺線維症(IPF)又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関連付けられるWHOグループ3肺高血圧症を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記患者が、換気−灌流(V/Q)ミスマッチを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記iNOが、少なくとも3ヶ月間投与される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記iNOが、約30mcg/kg IBW/時〜約75mcg/kg IBW/時の用量で投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記iNOが、約75mcg/kg IBW/時の用量で投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記iNOの投与が、少なくとも1の16週間のiNO投与後の患者群における運動中のSpO2の低下における平均減少を提供する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記iNOの投与が、約3.36の16週間のiNO投与後の患者群における運動中のSpO2の低下における平均減少を提供する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記iNOの投与が、少なくとも10メートルの16週間のiNO投与後の患者群における6分間歩行距離(6MWD)運動における平均増加を提供する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記iNOの投与が、約52.4メートルの16週間のiNO投与後の患者群における6分間歩行距離(6MWD)における平均増加を提供する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
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