JP2021507881A - 多核錯体およびそれらの調製 - Google Patents

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Abstract

多核錯体およびそれらを調製するための方法が提供される。不連続な多核錯体は、1つまたは複数の遷移金属およびこの遷移金属と同じ配位幾何構造を有する放射性同位体を含む。架橋配位子は、遷移金属および放射性同位体に配位して、遷移金属および放射性同位体を連結しており、ペンデント配位子は、遷移金属および放射性同位体のそれぞれに配位して、錯体を安定させる。多核錯体は、医療機器によって検出することができる放射性同位体または放射性元素を含んでよく、患者における疾患の療法および/または診断において用途を見出すことができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月21日に出願された南アフリカ仮特許出願第2017/08729号の優先権を主張する。
本発明は、多核錯体およびそのような多核錯体を調製する方法に関する。特に、本発明は、同じまたは同族の元素の放射性核種または放射性元素を含む、多核遷移金属錯体またはクラスターに関する。
医薬無機化学における研究は、単核有機金属錯体または配位化合物が優位に立っている。それらの作用機序は、多くの場合、例えばシスプラチンの事例のように金属に基づく。一部の単核錯体は、配位子に基づく反応性を有するのに対し、他の単核錯体は、その3D空間占有に従った錯体構造全体の生物学的認識のために設計されている。生物学的認識のために、錯体は「化学的に無害」であり、特異的受容体と結合するように設計される。そのような単核錯体および官能基のトポロジーは、例えばフェロシフェン、フェロキン、またはスタウロスポリン型のプロテインキナーゼ阻害剤の事例のように、公知の活性の薬学的リード構造を模倣する(G. Jaouen、A. Vessieres、S. Top、Chem. Soc. Rev. 2015、44、8802-8817; E. Hillard、A. Vessieres、L. Thouin、G. Jaouen、C. Amatore、Angew. Chem. Int. Edit. 2006、45、285-290; S. Top、A. Vessieres、P. Pigeon、M. N. Rager、M. Huche、E. Salomon、C. Cabestaing、J. Vaissermann、G. Jaouen、Chembiochem 2004、5、1104-1113; D. Dive、C. Biot、Chemmedchem 2008、3、383-391; M. Navarro、W. Castro、C. Biot、Organometallics 2012、31、5715-5727; F. Dubar、C. Slomianny、J. Khalife、D. Dive、H. Kalamou、Y. Guerardel、P. Grellier、C. Biot、Angew. Chem. Int. Ed. 2013、52、7690-7693; S. Blanck、J. Maksimoska、J. Baumeister、K. Harms、R. Marmorstein、E. Meggers、Angew. Chem. Int. Edit. 2012、51、5244-5246)。
これらの金属含有薬物のほとんどは、第8、9または10族元素に基づく(A. C. Komor、J. K. Barton、J. Am. Chem. Soc. 2014、136、14160-14172)。第7族遷移金属の、特に、元素Mn、TcおよびReを伴うマンガン三組元素の錯体が調査されることは稀である。そのような錯体の化学は、特にレニウム錯体に関して、十分な程度まで探索されていないと言われてきた(G. Gasser、N. Metzler-Nolte、Curr. Opin. Chem. Biol. 2012、16、84-91; A. Leonidova、G. Gasser、ACS Chem. Biol. 2014、9、2180-2193)。レニウムは、標的放射線療法のために医学において使用される2つのβ−放射線放出放射性核種、つまりレニウム−186(186Re)およびレニウム−188(188Re)を有する。186,188Reで標識された放射性医薬品が公知である。ペプチドまたは抗体を188Reで標識し得ることも示されている。
レニウムおよびマンガンと同様に、テクネチウム(Tc)は、第7族元素である。テクネチウム−99m(99mTc)は、それ自体がTcの同位体であるテクネチウム−99(99Tc)の、準安定核同位体である。99mTcは、最も一般的に使用される医療用放射性同位体である。これは、140keVの光子エネルギーを持つガンマ線を主に放出することから、医療用トレーサーとして使用され、診断手順において、医療機器によって容易に検出される。テクネチウム−99mは、およそ6時間の物理的半減期およびおよそ1日の生物学的半減期を有する。テクネチウム−99mは、211,000年の半減期を持つテクネチウム−99に減衰する。その短い半減期により、テクネチウム−99mは、病院においてその場で発生器内でモリブデン−99の減衰により生成される。ナノモル範囲(約10−8〜10−6M)内の低濃度のみが生成される。
細胞毒性の、レニウムまたはマンガンベースの単核錯体は、分子ベースのセラノスティクスにおいて用途を見出すために、同一構造の分子イメージング剤としての99mTcの単核錯体と組み合わせて投与され得る。例えば、セラノスティクスは、療法のための巨視的な量のレニウム錯体および診断のための微視的な量の99mTc同族体の使用を伴う。レニウムおよびテクネチウムはいずれも低原子価を有し、高度に強固な錯体を形成する。これは、炭酸脱水酵素阻害剤およびミトコンドリア標的化剤を伴うこれらの錯体の使用によって披露されてきた(D. Can、B. Spingler、P. Schmutz、F. Mendes、P. Raposinho、C. Fernandes、F. Carta、A. Innocenti、I. Santos、C. T. Supuran、R. Alberto、Angew. Chem. Int. Edit. 2012、51、3354-3357; S. Imstepf、V. Pierroz、R. Rubbiani、M. Felber、T. Fox、G. Gasser、R. Alberto、Angew. Chem. Int. Edit. 2016、55、2792-2795)。
概して、医薬無機化学における多核錯体または配位化合物の使用は、珍しい。ポリオキソメタレート(POM)のみが、ナノ医療におけるそれらの適用のために研究されてきた(C. Yvon、A. J. Surman、M. Hutin、J. Alex、B. O. Smith、D. L. Long、L. Cronin、Angew. Chem. Int. Ed. 2014、53、3336-3341)。
多核錯体への関心の欠如は、それらの複雑な合成およびインビボ挙動によるものであり得る。POM以外では、多核錯体は、主にRh−Rh単結合を呈するRh II種を含むもの(L. E. Joyce、J. D. Aguirre、A. M. Angeles-Boza、A. Chouai、P. K. L. Fu、K. R. Dunbar、C. Turro、Inorg. Chem. 2010、49、5371-5376; N. I. Shtemenko、H. T. Chifotides、K. V. Domasevitch、A. A. Golichenko、S. A. Babiy、Z. Y. Li、K. V. Paramonova、A. V. Shtemenko、K. R. Dunbar、J. Inorg. Biochem. 2013、129、127-134; H. T. Chifotides、K. R. Dunbar、Acc. Chem. Res. 2005、38、146-156)および超分子Ru−アレーン錯体(a)E. Orhan、A. Garci、B. Therrien、Inorg. Chim. Acta 2017、461、78-83; E. Orhan、A. Garci、T. Riedel、M. Soudani、P. J. Dyson、B. Therrien、J. Organomet. Chem. 2016、803、39-44; E. Orhan、A. Garci、T. Riedel、P. J. Dyson、B. Therrien、J. Organomet. Chem. 2016、815-816、53-58; F. F. Li、J. G. Collins、F. R. Keene、Chem. Soc. Rev. 2015、44、2529-2542)が報告されてきた。
本明細書において使用される場合、用語「多核錯体」は、2個以上の金属カチオンが、より大きい配位子系に属していてよい、例えば酸素等の単一配位原子によって架橋されている、不連続な多核金属錯体または配位化合物を指す。
発明の背景の前述の議論は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。この議論は、参照した資料のいずれかが、本出願の優先日の時点において当技術分野における普遍的で一般的な知識の一部であったということの承認でも了解でもないことを理解すべきである。
本発明によれば、
遷移金属と、
遷移金属と同じ配位数の放射性同位体と、
遷移金属および放射性同位体に配位して、遷移金属および放射性同位体を連結している架橋配位子と、
遷移金属および放射性同位体のそれぞれに配位しているペンデント配位子と
を含む、多核錯体が提供される。
さらなる特徴は、遷移金属の同位体または周期表において遷移金属と同じ族の元素の同位体である放射性同位体;周期表の第7族の元素の同位体である放射性同位体;テクネチウム−99m(99mTc)、レニウム−186(186Re)またはレニウム−188(188Re)である放射性同位体;マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)およびレニウム(Re)からなる群から選択される遷移金属;遷移金属がレニウムである場合、レニウム、レニウム−186(186Re)またはレニウム−188(188Re)のβ−放射線放出同位体であり、遷移金属がテクネチウムである場合、テクネチウム−99(99Tc)同位体である、遷移金属;ならびに、多核錯体において6の配位数および八面体配位幾何構造をそれぞれ有する遷移金属および放射性同位体を提供する。
またさらなる特徴は、分子式[99mTcM(μ−L)(CO)
[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
μ−Lは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子、炭素原子およびリン原子からなる群から独立して選択される少なくとも2個の配位原子を有する二座架橋配位子であり、ここで、二座配位子の配位原子の1つは、架橋配位原子として99mTcおよびMの両方に配位し、同じ二座配位子の他の配位原子は、99mTcまたはMの一方に配位する]
によって表される二核錯体である多核錯体を提供する。
一層さらなる特徴は、antiまたはsyn配位子幾何構造を有する二核錯体を提供する。
一層さらなる特徴は、シッフ塩基キレート剤である二座配位子(μ−L)、および一般式(I):

[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R、RおよびRは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
あるいは、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている環式もしくは多環式炭化水素または任意選択により置換されている複素環もしくは多複素環であるか、
あるいは、R、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
を有する、二核錯体を提供する。
さらなる特徴は、一般式(II):

[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Rは、m−トルエン基、シクロペンタン基、エチルベンゼン基、あるいは生物活性もしくは標的化部分または特異的受容体に対して公知の親和性の生物学的活性官能性基であり、Rは、水素、メチル基、あるいは生物活性もしくは標的化部分または特異的受容体に対して公知の親和性の生物学的活性官能性基である]
を有する、二核錯体を提供する。
またさらなる特徴は、一般式(III):

[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
Aは、酸素、硫黄またはセレンであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R、RおよびRは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
あるいは、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている環式もしくは多環式炭化水素または任意選択により置換されている複素環もしくは多複素環であるか、
あるいは、R、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
を有する、二核錯体を提供する。
一層さらなる特徴は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲン;ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレンからなる群から選択される多環式芳香族炭化水素;1個または複数のヘテロ原子を含む、多環式芳香族炭化水素の芳香族構造上のペンデント官能基;酸素、窒素、硫黄、セレンおよびリンからなる群から選択されるヘテロ原子;ならびにモノ−シクロペンタジエニルまたはビス−シクロペンタジエニルエンティティの形態であるペンデント官能基を提供する。
さらなる特徴は、より具体的には、R、RまたはRのうちの1つまたは複数が、単独でまたは一緒になって、生物活性または標的化部分、好ましくは選択された受容体に対して公知の親和性の生物学的に活性な官能性基で官能基化されている、二座配位子を提供する。
またさらなる特徴は、キノリンベースのキレート剤である二座配位子(μ−L);および一般式(IV)

[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
Aは、酸素、硫黄またはセレンであり、
2a〜R7aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミン、カルボキシレート、アルデヒド、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R2a〜R7aは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
あるいは、R2a〜R7aは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
の二核錯体である、多核錯体を提供する。
一層さらなる特徴は、それぞれ独立して、生物活性または標的化部分、好ましくは特異的受容体に対して公知の親和性の生物学的に活性な官能性基である、R2a〜R7aを提供する。
さらなる特徴は、略直鎖状構造および一般式[99mTcM(μL)(LL)
[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
μLは、オキシド(O2−)またはスルフィド(S2−)から選択される架橋配位子であり、
LLは、99mTcおよびMのそれぞれに別個に配位し、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子、炭素原子およびリン原子からなる群から独立して選択される少なくとも2個の配位原子を有する、二座ペンダント配位子である]
を持つ、三核錯体を提供する。
またさらなる特徴は、一般式(V):

[式中、
、MまたはMのうちの少なくとも1つは、99mTcであり、M、MまたはMの残りの金属中心は、Mn、ReもしくはTcまたはそれらの任意の組合せであり、
Aは、酸素、硫黄またはセレン原子であり、
2a〜R7aは、上記で定義した通りである]
を有する、三核錯体を提供する。
一層さらなる特徴は、アミノ基(−NH)であるR2aおよび水素であるR3a〜R7a;または、水素であるR2a〜R4aおよびR6aならびに塩素であるR5aおよびR7a;または、水素であるR2a〜R6aおよびチオール基(−SH)であるR7aを提供する。
さらなる特徴は、分子式[99mTcM(L)(CO)12][式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Lは、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子からなる群から選択される配位原子を有する架橋配位子である]によって表される四核錯体である、多核錯体を提供する。
さらなる特徴は、キュバン構造および一般式(VI):

[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Lは、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子からなる群から選択される配位原子を有する単座架橋配位子である]
を有する、四核錯体を提供する。
さらなる特徴は、ヒドロキシド(OH)、チオール(SH)、任意選択により官能基化されたC1〜C10アルコキシド、任意選択により官能基化されたC1〜C10チオレートおよび任意選択により官能基化されたC1〜C10セレノレートからなる群から選択される、架橋配位子(L);ならびに、生物活性または標的化部分で官能基化されている、C1〜C10アルコキシド、C1〜C10チオレートおよびC1〜C10セレノレートを提供する。
またさらなる特徴は、分子式[99mTcRe(μ3−OH)(CO)12]および構造(VII):

を有する、四核錯体を提供する。
第2の態様によれば、自己集合によって多核錯体を調製する方法であって、
遷移金属の多核または単核前駆体錯体を、遷移金属と同じ配位数の放射性同位体を含む単核錯体と、選択された溶媒または溶媒系中で混合する工程
を含む、方法が提供される。
この態様のさらなる特徴は、溶液中で、アニオン性である遷移金属の多核または単核前駆体錯体およびカチオン性である放射性同位体を含む単核錯体;八面体配位幾何構造を有する、前駆体錯体および放射性同位体を含む錯体;遷移金属の同位体または周期表において遷移金属と同じ族の元素の同位体である、放射性同位体;テクネチウム−99m(99mTc)である放射性同位体;ならびに、マンガン、テクネチウムおよびレニウムからなる群から選択される遷移金属を提供する。
またさらなる特徴は、溶液中で一般分子式fac−[M(X)(CO)2−[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、MがReである場合、Xは、Brであり、MがTcである場合、Xは、Clである]を有する単核前駆体錯体、および溶液中で一般分子式[99mTc(Y)(CO)[式中、Yは、中性配位子、好ましくは水(OH)または溶媒分子である]を有する放射性同位体を含む単核錯体;水、アルコール、アセトニトリル、アセトンまたはジメチルスルホキシド、好ましくはアセトニトリルである溶媒、および上述の二座配位子(μ−L)の存在下で行って、上記で定義した通りの二核錯体を形成する混合;過剰塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下で行われる、混合工程;ならびに、高温で行われる混合工程;約60℃〜90℃の間、好ましくは約80℃で3時間にわたって行われる混合工程を提供する。
一層さらなる特徴は、一般分子式fac−[M(Z)(CO)[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Zは、プロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核前駆体錯体を、一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)[式中、Zは、プロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核錯体の溶液に添加し、結果として生じた溶液を混合することにより、1工程での、上記で定義した通りの四核錯体の調製;および、単核前駆体錯体をそれに添加する前に、弱酸性、好ましくは約5に調整される、一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)の単核錯体の溶液のpHを提供する。
さらなる特徴は、OHであるZおよび水溶液である溶液を提供する。
さらなる特徴は、放射性同位体を含む錯体の配位のための頂点を残すアニオン性三核錯体の形態の多核前駆体錯体の事前集合による、上記で定義した通りの四核錯体の調製;一般分子式[M(μ2−L)(μ3−L)(CO)[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、μ2−Lは、2つの金属中心に配位している上記で定義した通りの単座配位子であり、μ3−Lは、3つの金属中心に配位している上記で定義した通りの単座配位子である]を有する三核錯体;一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)[式中、Zは、四核錯体のプロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核錯体の溶液に添加されるアニオン性三核錯体および混合される結果として生じた溶液;ならびに、三核前駆体錯体をそれに添加する前に、弱酸性、好ましくは約5に調整される、溶液のpHを提供する。
さらなる特徴は、OHであるZおよび水溶液である溶液を提供する。
本発明の第3の態様によれば、上述した通りの多核錯体を、希釈剤、賦形剤または担体と一緒に含む、医薬組成物が提供される。
ここで、本発明の実施形態を、単なる一例として、付随する図面を参照して記述する。
Re金属中心および放射性標識として役立つ99mTcフラグメントと多核錯体を形成するための、2つの異なる戦略、経路AおよびBを示す概略図である。 50%確率レベルで示される楕円体を持つ、99Tc、[99Tc(μ−O^N−R(CO)](a)R=m−tol、R=H(1);(b)R=cpent、R=Me(2);および(c)R=EtPh、R=Me(3)の二核錯体のORTEP図である。 (a)syn−[99Re(μ−2Aox)(CO)]および大量に取得することが困難であったため、現在はReでモデル化されている、(b)syn−[99Tc(μ−tox)(CO)]、ならびに(c)trans,trans,trans−[Re(μO)(LL)]でモデル化されている、trans,trans,trans−[99mTcRe(μO)(LL)]のあり得る構造の、モデル二核錯体のダイヤモンドプロットである。 ラジオ高速液体クロマトグラフィー(ラジオ-HPLC)の、二核錯体のβ−トレース、[99Tc(μ−O^N−m−tol)(CO)](1)、および二核錯体のγ−トレース、[99Tc99mTc(μ−O^N−m−tol)(CO)]を示すグラフである。 存在する大過剰のレニウムによりfac−[Re(O^N−m−tol)(CO)(Sol)](4)型の単核Re錯体をほとんど含有する[99mTcRe(μ−O^N−m−tol)(CO)](5)の調製のための粗反応混合物のHPLCトレース、ならびに[99Tc(μ−O^N−m−tol)(CO)](1)のUV/vis−およびβ−検出によるHPLCトレースを示すグラフである。 それぞれのトレースが、10についてはUV/Vis検出および9についてはγ−検出で測定された、経路Aによって三核前駆体錯体を介して形成された[99mTcRe(μ−OH)(CO)12](9)および[Re(μ−OH)(CO)12](10)のHPLCトレースを示すグラフである。 それぞれのトレースが、10についてはUV/Vis検出および9についてはγ−検出で測定された、経路Bによって単核前駆体の自己集合を介して1工程で形成された[99mTcRe(μ−OH)(CO)12](9)および[Re(μ−OH)(CO)12](10)のHPLCトレースを示すグラフである。
遷移金属の少なくとも1つの遷移金属中心および遷移金属と同じ配位幾何構造を持つ少なくとも1つの放射性同位体金属中心を含む、多核有機金属錯体またはクラスターが提供される。錯体は、マンガン、テクネチウムおよびレニウム等の周期表における第7族の遷移金属を含んでよい。遷移金属中心および放射性同位体金属中心は、八面体配位幾何構造を有してよく、好適な架橋配位子によって接続される。遷移金属中心および放射性同位体金属中心を囲む残りの配位部位は、ペンデント配位子を安定させることによって占有される。系を安定させる配位子は、不活性配位子、およびカルボニル(CO)配位子、オキソ(O2−)配位子または他の好適なキレート配位子等の簡単に置換されない配位子である。より不安定なペンデント基が構造に含まれる場合、これは、不連続の錯体よりもむしろポリマー構造の形成を誘発するであろう。
本明細書において記述されている多核錯体の種々の異性体を調製することができる。これらは、配位子がantiまたはsyn幾何構造を有する錯体等の構造異性体、配位子ベースの立体化学を持つ溶媒和物および立体異性体等の構成異性体であってよい。
多核錯体は、溶液中での自己集合によって調製される。多核錯体は、遷移金属の多核クラスターまたは単核前駆体錯体を、遷移金属と同じ配位幾何構造を有するように同じ配位数の放射性同位体を含む単核錯体と、好適な溶媒系中、選択された配位子の存在下で混合することによって形成する。多核または単核前駆体錯体および放射性同位体を含む錯体は、八面体配位幾何構造を有してよい。選択された数の金属中心および選択された構造を有する多核錯体を形成するために、好適な架橋配位子が、溶液に添加されてよく、または、前駆体遷移錯体および放射性同位体含有錯体に既に配位していてよい。溶液は、架橋配位子の配位を確実にするため、ならびに、溶液中で、例えば、アニオン性であってよい前駆体遷移錯体および次いでカチオン性であってよい放射性同位体含有錯体を接続するまたは自己集合させるために、選択されたpHでなくてはならない。溶液中での遷移金属の過剰の多核または単核前駆体錯体は、放射性同位体を含む多核錯体が、放射性同位体を含まない錯体と一緒になって比較的急速に形成するように、反応を推進する。反応速度は、二次反応速度論に従い、遷移金属の過剰前駆体錯体の濃度の二乗(conc2)に比例する。
放射性同位体は、遷移金属元素、放射性元素の同位体、または周期表において多核錯体における遷移金属と同じ族内の元素の同位体であってよい。ある特定の実施形態において、遷移金属は、ReまたはTcであってよく、放射性同位体は、99mTcであってよい。金属がReである場合、これは、同じ錯体中における放射線治療薬188Reもしくは186Reまたはそれらの組合せであってよい。金属がTcである事象において、これは、安定同位体99Tcであってよい。しかし、この同位体は、トレーサーとしても療法においても用途を見出すわけではない。それにもかかわらず、多核錯体は、99Tcに加えて、188Reおよび186Reの一方または両方を含むことができる。錯体が188Reまたは186Reの一方または両方を含み、かつ放射性同位体が99mTcである場合、単一多核錯体は、治療的および診断的可能性の両方を有し、故に、セラノスティクスにおいて適用され得る。
多核錯体は、分子式[99mTcM(μ−L)(CO)][式中、Mは、マンガン(Mn)、レニウム(Re)またはテクネチウム(Tc)およびそれらの任意の同位体(ただし、99mTcではない)であり、μ−Lは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子およびリン原子からなる群から独立して選択される少なくとも2個の配位原子を有する二座架橋配位子である]によって表される二核錯体であってよい。二座配位子の配位原子の1つ、好ましくは、酸素、硫黄またはセレン原子は、架橋配位原子として99mTcおよびMの両方に配位し、同じ二座配位子の他の配位原子、好ましくは窒素またはリン原子は、99mTcまたはMの一方に配位する。
二座配位子は、生物活性または標的化部分を含むマクロ配位子として特異的に設計されてよい。生物活性部分は、放射線治療薬金属中心に加えてさらなる療法を提供するための治療薬であってよい。代替として、生物活性、治療的部分は、具体的には金属中心自体が治療薬ではない場合、多核錯体に含まれてよい。二座配位子は、診断または標的療法のために、診断的または生物学的認識部分も含んでよい。
二座配位子は、シッフ塩基キレート剤であってよく、二核錯体は、一般式(I):

[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレン等の任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R、RおよびRは、酸素、窒素、硫黄、セレン、またはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素等のハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
あるいは、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている芳香族複素環、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレン等の任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている環式もしくは多環式炭化水素または任意選択により置換されている複素環もしくは多複素環であるか、
あるいは、R、RおよびRは、一緒になって、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレン等の任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
を有してよい。
、RおよびRが、一緒になってまたは独立して、芳香族環を含有する事象において、芳香族構造またはペンデント官能基は、酸素、窒素、硫黄、セレンおよびリンからなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子を含んでよい。ペンデント官能基は、例えば、[CrCp(CO))]等の、ピアノ椅子型幾何構造を持つモノシクロペンタジエニル、または、[ZrCpCl]等の湾曲した幾何構造、もしくはフェロセン([FeCp]、ビス(η−シクロペンタジエニル)鉄)等のサンドイッチ型幾何構造のいずれかを持つビス−シクロペンタジエニルの形態であってもよい。
二核シッフ塩基錯体のためのキレート剤は、下記の一般式(Ia):

[式中、RもしくはRまたはRおよびRの両方は、生物活性または標的化部分、好ましくは選択された生物学的受容体に対して公知の親和性を持つ生物学的に活性な官能性基である]
のものであってよい。
概念の証明として、Rが、m−トルエン基、シクロペンタン基またはエチルベンゼン基であり、Rが、水素またはメチル基である、シッフ塩基キレート剤を持つ多核錯体が調製されてきた。
特に、二核錯体は、一般式(II):

[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、RおよびRは、一般式(Ia)を参照して定義された通りである]
を有してよい。
代替として、二核錯体は、一般式(III)を有してよく、配位子(μ−L)は、99m−A−A−M平面に対するsyn(式(III)において例証されている)またはanti対称性

[式中、
Mは、Mn、ReまたはTcであり、
Aは、酸素、硫黄またはセレンであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレン等の任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R、RおよびRは、酸素、窒素、硫黄、セレン、またはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素等のハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
あるいは、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている芳香族複素環、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレン等の任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている環式もしくは多環式炭化水素または任意選択により置換されている複素環もしくは多複素環であるか、
あるいは、R、RおよびRは、一緒になって、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレン等の任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
のいずれかを有してよい。
多環式芳香族炭化水素の芳香族構造上のペンデント官能基は、酸素、窒素、硫黄、セレンおよびリンから選択される1個または複数のヘテロ原子を含んでよい。代替として、ペンデント官能基は、モノ−シクロペンタジエニルまたはビス−シクロペンタジエニルエンティティの形態であってよい。
二核錯体は、式(III)において示されている通り、2個の架橋配位子(μ−L)が99mTc−A−A−M平面に対してシスであるsyn錯体、または2個の架橋配位子(μ−L)が99mTc−A−A−M平面に対してトランスであるanti錯体であってよい。
二核キノリン錯体のためのキレート剤(Hquin)は、下記の一般式(IIIa):

[式中、
Aは、酸素、硫黄またはセレンであり、
2a〜R7aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミン、カルボキシレート、アルデヒド、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R2a〜R7aは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
あるいは、R2a〜R7aは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
のものであってよい。
例えば、R2aは、アミノ基(−NH)であってよく、R3a〜R7aは、水素であってよい。代替として、R2a〜R4aおよびR6aは、水素であってよく、R5aおよびR7aは、塩素原子であってよい。他の実施形態において、R2a〜R6aは、水素であり、R7aは、チオール基(−SH)である。好ましい実施形態において、R2a〜R7aは、それぞれ独立して、生物活性または標的化部分であってよいか、またはR2a〜R7aは、それぞれ独立して、特異的受容体に対して公知の親和性の生物学的活性官能性基であってよい。
二核キノリンベースの錯体は、一般式(IV)

[式中、M、AおよびR2a〜R7aは、キノリンベースのキレート剤の一般式(IIIa)を参照して上記で定義した通りである]
を有してよい。
二核錯体(IV)の配位幾何構造は、synであってよく、ここで、2個の二座架橋配位子(μ−L)は、一般式(IV)において示されている通り、99mTc−A−A−M平面に対してシスである。代替として、配位幾何構造は、antiであってよく、ここで、2個の架橋配位子(μ−L)は、99mTc−A−A−M平面に対してトランスである。
二核錯体は、アニオン性、単核金属錯体、カチオン性単核99mTc錯体、およびシッフ塩基キレート剤(Ia)またはキノリンベースのキレート剤(IIIa)等の二座配位子(μ−L)を、溶液中、好ましくは極性溶媒、より好ましくはアセトニトリル等の媒体極性の非プロトン性溶媒中で、一緒に混合することによって調製することができる。前駆体金属錯体および二座配位子の絶対濃度が、反応を支配する。典型的には約0.01〜0.03mol/dmの濃度範囲で存在する前駆体金属錯体および二座配位子を、典型的には10−8mol/dmの濃度を有する99mTc錯体と混合する。二座配位子の配位基の1つを脱プロトン化するため、すなわち、一価配位O原子、S原子またはSe原子を形成するために、トリエチルアミン等の強塩基を溶液に添加した後、これを混合する。混合は、60℃〜90℃の間の高温で選択された期間にわたって、好ましくは約80℃で3時間にわたって行われてよい。
この様式で、一般分子式fac−[M(X)(CO)2−[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、MがReである場合、Xは、Brであり、MがTcである場合、Xは、Clである]の過剰前駆体金属錯体を、一般分子式[99mTc(Y)(CO)[式中、Yは、中性配位子、好ましくは(OH)である]の放射性同位体を含む単核錯体と、上述した前駆体二座配位子(μ−L)および塩基の存在下で混合することによって、一般式(II)および(IV)の二核錯体を自己集合させる。Yは、メタノールならびに他のアルコール、アセトニトリル、アセトンおよびジメチルスルホキシド等の配位溶媒分子であってもよく、ただし、反応物質および生成物は、そのような溶媒に可溶性である。反応物質および生成物が溶解されると、中性配位子としてのYは、これらの溶媒分子と迅速に交換する。
多核錯体は、3つの金属中心および略直鎖状構造を持つ三核錯体であってよい。三核錯体は、一般式[99mTcM(μL)(LL)][式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり;μLは、オキシド(O2−)およびスルフィド(S2−)からなる群から選択される架橋配位子であり;LLは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子、炭素原子およびリン原子からなる群から独立して選択される少なくとも2個の配位原子を有する二座ペンデント配位子であり、ここで、二座配位子の配位原子の両方は、99mTcまたはMのいずれかに配位する]を有してよい。
三核錯体は、一般式および構造(V):

[式中、M、MまたはMのうちの少なくとも1つは、99mTcであり、M、MまたはMの残りの金属中心は、Mn、ReもしくはTcまたはそれらの任意の組合せであり;Aは、酸素、硫黄またはセレン原子であり;R2a〜R7aは、キノリンベースの配位子(IIIa)の一般式を参照して上記で定義した通りである]
を有してよい。
多核錯体は、分子式[99mTcM(L)(CO)12][式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Lは、単座配位子である]によって表される四核錯体であってもよい。四核錯体は、3つの金属中心(M)または2つの金属中心および99mTcを架橋して、一般式(VI):

のキュバン構造を形成する、単座配位子(L)を有してよい。
単座配位子(L)は、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子からなる群から選択される配位原子を有してよい。したがって、単座配位子は、ヒドロキシド(OH)、チオール(SH)、任意選択により官能基化されたC1〜C10アルコキシド、任意選択により官能基化されたC1〜C10チオレートおよび任意選択により官能基化されたC1〜C10セレノレートからなる群から選択されてよい。C1〜C10アルコキシド、C1〜C10チオレートおよびC1〜C10セレノレートは、二核錯体の二座配位子を参照して前述した通りの生物活性または標的化部分で官能基化されていてもよい。
四核錯体は、分子式[99mTcRe(μ3−OH)(CO)12]および下記の構造(VII):

を有してよい。
2つを超える金属中心を持つ多核錯体は、図1において概略的に例証されている2つの主要経路のうちの1つによって調製することができる:
A)最終、多核錯体の不完全なフラグメントの調製、続いて、第2の工程における放射性同位体錯体(放射性標識)の導入(事前集合戦略、図1における経路A);または
B)1工程で多核錯体を調製するための成分のすべての組合せ(自己集合戦略、図1における経路B)。
経路Aを介する四核錯体:
四核錯体は、例えば、放射性同位体を含む錯体の配位に利用可能な頂点を有するアニオン性三核錯体等、経路Aに従う多核前駆体錯体の事前集合によって調製することができる。三核錯体は、アニオン性であり、一般分子式[M(μ2−L)(μ3−L)(CO)[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、μ2−Lは、2つの金属中心に配位している単座配位子であり、μ3−Lは、3つの金属中心に配位している単座配位子である]を有してよい。単座配位子、μ2−Lおよびμ3−Lは、ヒドロキシド(OH)、チオール(SH)、任意選択により官能基化されたC1〜C10アルコキシド、任意選択により官能基化されたC1〜C10チオレートおよび任意選択により官能基化されたC1〜C10セレノレートであってよく、これらは、三核錯体が段階的に構築される、前駆体単核錯体(フラグメント)中に存在する。
過剰のアニオン性三核錯体、典型的には約0.005〜0.02mol/dmを、前駆体放射性標識錯体、すなわち、一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)[式中、Zは、結果として生じた四核錯体のプロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]のカチオン性、単核錯体の溶液に添加してよい。溶媒は、好ましくは極性溶媒である。fac−[99mTc(Z)(CO)は溶液中にあるが、Zは、配位溶媒分子であってもよく、ただし、錯体および形成された最終的な生成物は、溶媒に可溶性であることに留意すべきである。メタノールならびに他のアルコール、アセトニトリル、アセトンおよびジメチルスルホキシド等の溶媒を使用してよく、これは、関連溶媒分子によるZの迅速な置きかえをもたらす。
一般分子式[99mTcM(μ3−OH)(CO)12][式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、架橋配位子(L)は、ヒドロキシドである]と錯体を形成するためには、「脱離」配位子、Zは、酸素原子を介して配位した水(OH)であり、放射性標識錯体(放射性同位体含有錯体)の溶液は、好ましくは水溶液である。前駆体放射性標識錯体fac−[99mTc(OH(CO)の水溶液のpHは、それへの三核錯体の添加の前に、弱酸性、好ましくは約5に調整する。Nパージしたアニオン性三核錯体をカチオン性放射性標識錯体の水溶液に添加した後、四核錯体の自己集合は、とりわけ溶液を100℃の高温で例えば約10分間にわたって撹拌した場合に、非常に急速に生じる。
経路Bを介する四核錯体:
四核錯体は、一般分子式fac−[M(Z)(CO)[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Zは、プロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核前駆体錯体を、一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)[式中、Zは、単核前駆体錯体中のものと同じであるか、または、好ましくは極性溶媒中の配位溶媒分子である]の単核錯体の溶液に添加し、得られた溶液を混合することにより、1工程で形成することもできる。錯体fac−[M(Z)(CO)を、ナノモル濃度範囲でのみ利用可能な過剰の放射性標識錯体fac−[99mTc(Z)(CO)中に添加する。錯体fac−[M(Z)(CO)を、典型的には、約0.01〜0.03mol/dmの量で溶液に添加する。
四核錯体[99mTcM(μ3−OH)(CO)12][式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、架橋配位子は、ヒドロキシドである]を形成するために、放射性標識錯体を水溶液に溶解し、水溶液中で混合および自己集合が生じるようにZをOHとする。一般分子式fac−[99mTc(OH(CO)の単核錯体の水溶液のpHを、単核前駆体錯体をそれに添加しそれを混合する前に、弱酸性、好ましくは約5に調整してよい。
本明細書において記述されている多核錯体は、疾患を治療すること、疾患を診断すること、または疾患を治療および診断することの両方において、特定の用途を見出すことができる。したがって、多核錯体は、好適な希釈剤、賦形剤または担体と一緒に、医薬組成物に含まれてよい。
1.二核錯体の自己集合
二核錯体は、シッフ塩基およびキノリンベースのキレート剤をアンカー配位子として用いて調製した。
シッフ塩基は、概して、形態RN=CR、R≠H)のものであり、2つの金属錯体フラグメントを架橋することができる芳香族ヒドロキシル基を含んでよい。そのようなシッフ塩基配位子のイミン部分が、今度は、それぞれの金属中心に配位し、Rの性質に関して柔軟性を提供する。Rは、例えば、標的化部分または細胞毒性フラグメントを表してよい。
a)二核99Tc錯体の調製
以下のスキーム1に示す、シッフ塩基、(E)−2−((m−トリルイミノ)メチル)フェノール(以後、Hsal−m−tolと称する)、(E)−2−((シクロペンチルイミノ)メチル)フェノール(以後、H(5−Me)sal−cpentと称する)および(E)−5−メチル−2−((フェネチルイミノ)メチルフェノール(以後、H(5−Me)sal−EtPhsal−hexと称する)を、fac−[99TcCl(CO)2−と、アセトニトリル中、高温で反応させると、二核錯体[99Tc(μ−O^N−R(CO)](R1=m−トルエン1、=シクロペンタン2、=エチルフェニル3;R2=H1、またはメチル2,3)の迅速かつ実質的に定量的な形成があった。
キノリンキレート剤、8−ヒドロキシキノリン、2−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリンおよび8−チオキノリンを使用して、シッフ塩基を用いるものと同じ戦略を使用し、ReおよびTc二核錯体を形成した。Tc−99を用いる初期実験は、シッフ塩基と同じ挙動を示す。
スキーム1。(I)1〜3の自己集合研究において利用される3つの官能基化されたシッフ塩基キレート剤。(II)これらのシッフ塩基キレート剤のいずれかについての反応シーケンス。典型的な反応では、[NEt99TcCl(CO)]、シッフ塩基配位子およびEtNをアセトニトリルに溶解し、80℃に3時間にわたって加熱する。(III)Tc錯体の調製において使用される、H(ox)=8−ヒドロキシキノリン、H(2Aox)=2−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、H(57Ciox)=5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリンおよびH(tox)=8−チオキノリンを伴う4つの官能基化されたキノリンキレート剤(Hquin)(1a)。(IV)キノリンキレート剤のいずれかについての反応シーケンス。
実験の項
1〜3(Hsal−m−tolに適応される)の合成:
[NEt99Tc(CO)Cl](25mg、0.05mmol)をアセトニトリル(3ml)に溶解した。アセトニトリル(2ml)中のHsal−m−tol(16mg、0.07mmol)を溶液に添加した。過剰のEtN(0.1ml)を添加した。80℃で3時間にわたって撹拌した後、溶液を濾過し、溶媒を真空下で除去した。[EtN]Clを、THFによる抽出によって除去した。黄色生成物1を、CHCl溶液から結晶化させた(収率:70%)。
結果
ラジオHPLCは、化合物1〜3の合成後に1つの単一ピーク、および微量の副生成物を示した。化合物を単離し、X線構造解析によって特徴付けた。錯体1〜3のORTEP図を図2に示す。
1、2および3の結晶構造から決定された重要な幾何学的パラメーターは、それぞれ、次の通りである:結合距離(Å):Tc−C01:1.899(4)、1.892(4)、1.904(4);Tc−C02 1.922(4)、1.914(4)、1.919(4);Tc−C03 1.889(4)、1.899(4)、1.896(4);Tc−O1 2.157(2)、2.158(2)、2.150(2);Tc−N1 2.188(3)、2.172(3)、2.195(3);Tc−O1’ 2.189(2)、2.195(2)、2.192(2);Tc−Tc’ 2.4210(5)、3.4335(3)、3.4235(5);O1−O1’ 2.6821(3)、2.677(3)、2.671(3)。結合角(°):9つの角度についてOC−Tc−CO:85.7(1)〜88.1(2);C02−Tc−N1 179.31(13)、176.18(12)、176.13(13);O1−Tc−N1 81.08(9)、82.01(9)、82.37(10);O1−Tc−O1 76.16(9)、75.87(8)、75.94(9);Tc−O1−Tc’103.81(9)、104.12(8)、104.1(1)。
3つすべての結晶構造は、平面二核フレーム構造の剛性を裏付け、それによって誘発される安定性を例証するものである。平面エンティティにおいて、Tc−Tc’およびO1−O1’結合距離、O1−Tc−O1’およびO1−Tc−O1’角、ならびにねじれ角Tc−O1−Tc’−O1’等、内部幾何学的パラメーターの合意がある。結晶構造は、変動する唯一の相対原子位置が、二核化合物の周辺の外圏上の置換基であることを裏付ける。この変動は、インビボ分布に有意に影響を与えることが予期される。シッフ塩基キレート剤のR基のサイズに応じて、ナノメートル範囲内の分子エンティティは、この様式で調製することができる。錯体1〜3に関しては、R1−R1’およびR2−R2’の外側水素原子から測定した場合、二核種の寸法は、それぞれ1.7および1.3nmである。
単核中間体は、錯体1〜3の合成中には検出されなかった。しかしながら、これは、反応過程中の何らかの段階において、存在しているはずである。故に、そのような中間体の二量化は、これらの反応条件下で急速に、1個のシッフ塩基の1つの[99Tc(CO)部分への初期配位よりもはるかに速く、生じると結論付けることができる。
99Tc(μ−ox/tox)(CO)]および[99mTcRe(μ−ox/tox)(CO)][ox=ヒドロキシキノリネート;tox=チオキノリネート;それぞれ、スキーム1、シーケンスII、(b)および(j)]の構造は、対応するレニウム錯体上でモデル化されている。予備X線データは、Tc−99およびRe錯体が、図3に示すもののような構造的仮定を可能にする同形(同構造)であることを裏付けるものである。典型的には、[99Tc(μ−ox)(CO)]におけるμO−μO距離は、[99Tc(μ−tox)(CO)]のμS−μS距離の3.13Åと比較して、わずか2.67Åである。対応するM−M距離は、それぞれ3.41および3.77Åである。これは、構造内で明確に観察可能な、[99Tc(μ−tox)(CO)]におけるわずか3°と比較して、[99Tc(μ−ox)(CO)]において19°のM−Aμ−M(A=O,S)における有意な立体ゆがみをもたらす。このゆがみおよび立体ひずみは、toxエンティティと比較して、ox錯体の相対的不安定において現れる。
図3(c)における構造は、[Re(μ−tox)(CO)]合成から取得されるオリゴマー副産物における配位を例証するものである。図3(c)に示す三核錯体は、合成時間を増大させると、約30〜40%の合理的な収率で取得することができる。したがって、対応する[99Tc(μO)(LL)]および[99mTcRe(μO)(LL)]三量体は、アクセス可能である。
b)二核99Tc99mTc錯体の調製
上記の99Tc二量体を形成するために使用したのと同じ反応を、アセトニトリル中、fac−[99mTc(OH(CO)の存在下で行った。
実験の項
二核99mTc99Tc錯体(Hsal−m−tolに適応される)の調製:
10−8mol/dmの典型的な濃度を持つfac−[99mTc(OH(CO)(0.5ml)の溶液を、窒素流下で乾燥させ、アセトニトリル(1ml)に溶かし、アセトニトリル(3ml)中の[NEt99Tc(CO)Cl](40.1mg、0.073mmol)の溶液に添加した。アセトニトリル(2ml)中のHsal−m−tol(17mg、0.080mmol)および過剰のNEt(0.1ml滴)を添加し、溶液を80℃で3時間にわたって撹拌した。
結果
99mTcを含む錯体は、γ−トレースで観察され、β−トレースで観察される99Tcのみを含む錯体の保持時間と等しい保持時間を有していた。99Tcおよび99Tc99mTc化合物の同一性を明白に決定するために、これらをHPLCに同時注入し、保持時間を図4に示す通りに比較した。等しい保持時間は、[99Tc99mTc(μ−O^N−R(CO)]の形成を裏付けるものであった。
c)二核99mTc−Re錯体の調製
二核錯体1〜3と同族であるが、1つの99mTc金属中心および1つのRe金属中心を大量のRe同族体と一緒に含む、錯体を調製した。
fac−[99TcCl(CO)2−の二量化反応は、有機溶媒または水/MeOH混合物中で行われる場合、スキーム1のシッフ塩基の存在下で、fac−[ReBr(CO)2−では起こらないことが分かった。シッフ配位子Hsal−m−tolの存在下での反応は、以下のスキーム2において、反応a)に従い、fac−[Re(O^N−m−tol)(CO)(Sol)](4)型の単核錯体を排他的に産出した。
スキーム2。二核99mTcRe錯体の自己集合。反応a)レニウムは、単核錯体(4)を産出するのみである。反応b)99Tcは、二核錯体(1〜3)を産出するのみであり、反応c)99mTcおよびReの混合により、単核レニウム錯体(4)および混合99mTcRe錯体(5)を得る。c)についての反応条件:[NEt[ReBr(CO)]およびfac−[99mTc(OH(CO)を、アセトニトリルに溶解した。Hsal−m−tolおよびNEtを添加し、混合物を80℃に3時間にわたって加熱した。
ReおよびTc同族体の異なる挙動は、熱力学的特徴によるものよりもむしろ、低酸化状態における実質的に異なる反応速度論によるものであると考えられる。
fac−[ReBr(CO)2−およびfac−[99mTc(OH(CO)の混合物が、上述した99Tc反応と同様に、アセトニトリル中、シッフ塩基の存在下で、どのように挙動するかも試験した。スキーム2における反応c)は、反応a)と同じ条件下で行った。
実験の項
二核99mTcRe錯体(5)の調製:
10−8mol/dmの典型的な濃度を持つfac−[99mTc(OH(CO)(0.5ml)の溶液を、窒素流下で乾燥させ、アセトニトリル(1ml)に溶かし、アセトニトリル(1ml)中の[NEt[ReBr(CO)](20mg、0.026mmol)の溶液に添加した。アセトニトリル(1ml)中のHsal−m−tol(6mg、0.028mmol)および過剰のNEt(8滴)を添加し、溶液を80℃で3時間にわたって撹拌した。
結果
Hsal−m−tolとの反応により、定量的収率の単核レニウム錯体(4)、および混合金属二核錯体[99mTcRe(μ−O^N−m−tol)(CO)](5)を得た。99mTc前駆体錯体はナノモル範囲内の非常に低い濃度で存在するため、1の99mTc類似体を産出するための二量化は、速度論上の理由から予期されていない。単核Re錯体4が最も安定な形態であれば、99mTcフラグメントおよび追加の配位子による二量化も予期されない。したがって、二核錯体5は、混合元素二核錯体の形成を可能にする単量体4よりも熱力学的に有利である。粗反応混合物のHPLCトレースを図4に示す。
99mTcRe(μ−O^N−m−tol)(CO)](5)と同様であるが、上記のスキーム1に従いシッフ塩基キレート剤がH(5−Me)sal−cpentまたはH(5−Me)sal−EtPhsal−hexである二核錯体も調製し、キレート剤Hsal−m−tolを参照して上述したのと同様の結果が取得された。
スキーム3に従い、対応するキノリンベースの二核錯体のための同様の合成手順を観察し、さらに想定した。
スキーム3。キノリンキレート剤による二核99mTcRe錯体の自己集合のための戦略。反応a)により、単核錯体(4a)を産出するが、3〜5時間にわたって加熱して、二核Re二量体(4b)を取得する。シッフ塩基系についてのスキーム2において上述したものと同様の合成プロトコールが、二核種1aおよび5aを取得するために例証および想定される。長時間加熱すると、図3(c)の一般式VIIの三量体錯体が合理的な収率で取得される。
二座架橋キレート剤の存在下での自己集合プロセスは、明確に定義された99mTc−Re錯体の形成につながる。1つの同じ化合物中における2つの元素、99mTcおよびReの組合せは、セラノスティクスにおける研究への新たな道を拓くことができる。99mTcを含む二核錯体は、それらのインビボ薬理学に潜在的に準拠するように、トレースされ得る。シッフ塩基骨格は、いかなる種類または構造のものでもあり得ること、および標的化分子または細胞毒性剤を含んでもよいことが予見される。
99mTcで標識された二核錯体は、単一の工程で調製することができる。二官能性配位子および単一の99mTc原子を用いる古典的な標識手順とは対照的に、金属は、「配位子」として作用する遷移金属前駆体錯体として、二核クラスターに自己集合する。この例において記述されている化合物は、可変部分、つまり、シッフ塩基配位子においてはRおよびRならびにキノリンベースの配位子においてはR2a〜R7aを含み、これらは、生物活性または診断的性質となるように選択または官能基化されてよい。さらに、金属中心は、治療または診断機能を発揮してよい。
99mTcを組み込んだ二核錯体は、その濃度がナノモル範囲内であることから、単核99mTc錯体の排他的な存在下で形成する可能性は低い。非常に低濃度のこれらの同位体は、99Moから一度に発生することができ、したがって、二次反応速度論は低速である。99mTcを含む上記の二核錯体の調製は、同族金属錯体が放射性医薬品を調製するためのビルディングブロックとして使用される、独自のアプローチを提供する。その上、これは、官能性およびサイズによって変動し得る予め設計されたナノ材料分子エンティティを取得する、便利で簡単な手法を提示することができる。
2.四核錯体の自己集合
前駆体遷移金属錯体として単核Re錯体を用いて、図1の概念的な経路AおよびBの両方のためのモデル反応を行って、99mTcで標識された多核錯体を調製する実現可能性をさらに実証した。
a)三核前駆体錯体を介する四核99mTc−Re錯体の調製(経路A)
経路Aに従う錯体フラグメントの不完全な多核クラスターへの導入は、前駆体の最終生成物への順次構築を必要とする。例えば、キュバン様構造を持つ四核錯体[Re(μ−OH)(CO)12]の段階的構築を行った。不完全なアニオン性三核錯体は、以下のスキーム4に示す通りの弱塩基性条件下、前駆体fac−[Re(OH(CO)(6)から[Re(μ−OH)(CO)(7)および[Re(μ−OH)(μ−OH)(CO)(8)を介して段階的に形成する。6、7および8の99Tc同族体も調製した。アルコラートまたはチオラート架橋を持つ、同様の多核錯体も調製した。
スキーム4。三核クラスター[Re(μ−OH)(μ−OH)(CO)(8)の段階的構築。事前集合は、99mTcへの配位のための頂点を残す。「Re」は、8において示されている通り、fac−[Re(CO)フラグメントと命名する。
金属は、潜在的にさらなる有機機能に結合している、配位しているまたは懸垂しているだけの、単一原子によって架橋される。fac−[Re(CO)フラグメントについて、これは、アルコラート基(アルコキシ配位子)由来の酸素、またはチオレート由来、すなわちμ−もしくはμ−O/SRモチーフ由来の硫黄であるかもしれない。酸素、硫黄またはセレンは、末端ドナーとして弱く配位し、さらなる金属中心と架橋して単一原子架橋を持つ多核クラスターを形成する傾向を呈することから、配位原子となり得る。したがって、[Re(μ−OH)(μ−OH)(CO)(8)等の不完全なクラスターは、さらなる金属中心または錯体フラグメントに配位しやすく、したがって、99mTcで標識され得る。
スキーム1における経路Aの事前集合アプローチに従う、不完全な、別個に調製されたReクラスター8の99mTc前駆体fac−[99mTc(OH(CO)との反応は、99mTcを組み込んだ立方体様クラスターにつながる。Reクラスターの失われた頂点をfac−[99mTc(CO)フラグメントまたは別の金属で満たして、立方体を完成させる。fac−[Re(CO)部分で立方体を完成させることにより、極めて安定なキュバン錯体[Re(μ−OH)(CO)12]を産出する。
実験の項
8からの四核99mTcReクラスター9の調製(経路A):
10−8mol/dmの典型的な濃度を持つfac−[99mTc(OH(CO)−水溶液(0.9ml)のpHを、HClおよび酢酸緩衝液(0.2M、0.2ml)で5に調整した。この溶液(0.5ml)を、8(3.0mg、2.97μmol)を含有するNパージしたマイクロ波バイアルに移し、マイクロ波中、100℃で10分間にわたって加熱した。HPLC分析は、9の94%収率を証拠立てる。HPLC:21.2分。
結果
三核錯体[Re(μ−OH)(μ−OH)(CO)(8)をfac−[99mTc(OH(CO)と反応させると、混合金属四核クラスター[99mTcRe(μ−OH)(CO)12](9)が定量的収率で形成される。同族体[99mTcRe(μ−OH)(CO)12](9)および[Re(μ−OH)(CO)12](10)のHPLC同時注入ならびにUV/visおよびガンマトレース保持時間を比較することにより、2つの化合物の同一性が裏付けられ、9および10のこれらのHPLCトレースを図6に示す。
レニウムクラスター8は、典型的にはナノモル濃度範囲内で存在する99mTc錯体に対して大過剰で存在することから、およびさらに99mTcの6時間の半減期を考慮すると、標識反応後、生成物の大部分は、四核Re錯体である。
b)単核前駆体錯体の自己集合による四核99mTc−Re錯体の調製(経路B)
6およびfac−[99mTc(OH(CO)のわずかに酸性の混合物から四核99mTcRe−錯体9を形成するための1工程、ワンポット反応を伴う自己集合戦略を行い、反応を以下のスキーム5に示す。

スキーム5。単核前駆体6とその99mTc同族体との間の弱酸性条件下での自己集合反応により、四核キュバン型クラスター9および10を産出する。9および10における「Re」は、fac−[Re(CO)フラグメントを表す(明瞭にするためにCO配位子は示されていない)。
実験の項
6からの四核99mTcReクラスター9の調製(スキーム4、経路B):
10−8mol/dmの典型的な濃度を持つfac−[99mTc(OH(CO)(0.5ml)の水溶液のpHを、前述した通りに5に調整し、[NEt[ReBr(CO)](3.1mg、4.02μmol)を含有するNパージしたマイクロ波バイアルに移した。20℃で10分間にわたる撹拌およびその後のマイクロ波オーブン内100℃で10分間にわたる加熱により、HPLC分析によれば90%収率の9を生じさせた。
結果
スキーム4に示す1工程反応では、反応において使用した過剰の6による大量の10の他に、定量的収率の9を得た。10との同時注入のない粗反応混合物のHPLCトレースを図7に示す。これは、10のUV−トレースおよび四核99mTcRe錯体(9)のγ−トレースを示すものである。
自己集合戦略は、異なる元素であるが同様の化学的および物理的特性を有する周期表において同じ族の金属を組み込んだ同族前駆体金属錯体が、多目的な多核およびヘテロ核錯体を形成するためのビルディングブロックとしてどのように使用され得るかを実証する。低濃度でのみ利用可能な医療用放射性同位体を含む多核錯体を調製することができる。このアプローチは、極めて低濃度の放射性同位体の存在にもかかわらず、多核錯体への放射性同位体の組み込みを可能にし、幅広い応用を見出すことができる。その使用は、医療セラノスティクスの分野を超えて、特定の放射性同位体を含む多核錯体が必要とされるが、放射性同位体が希少資源である場合または他の理由から少量でのみ利用可能である場合、任意の他の潜在的応用まで拡大することができる。
生命科学におけるそれらの応用の観点から、多核錯体は、1つを超える標的化または生物活性部分を潜在的に送達することができる。例えば、1つを超える治療的金属中心または他の治療的部分は、対応する生物学的標的受容体に結合すると、錯体の配位周辺から生物学的標的へ特定の時間で送達され得る。明確に定義された組成物を調製することおよび標的化/生物活性エンティティの統合における困難は、自己集合によって多核錯体を調製する上述した方法によって、少なくとも部分的に軽減され得る。
医療機器によって検出され得る放射性同位体または放射性元素を含む多核錯体は、セラノスティクスにおいて用途を見出すことができる。例えば、多核クラスター中の1つの金属がγ−放出体であれば、錯体は、全体として、セラノスティックポテンシャルを有する。放射性同位体または放射性元素は、多核錯体の生物学的挙動に準拠するための非侵襲的方法を提供する。同族前駆体錯体は、自己集合によって形成する多核金属錯体が単一の錯体において複数の標的化および/または細胞毒性剤を含むようなものが選択され得る。これは、生物学的標的発見および/または薬物送達におけるそれらの作用機序に関して、それらの多目的性を潜在的に増大させる。
好都合なことに、多核錯体またはクラスターは、自己集合経路に沿って、単核前駆体から、または事前集合したクラスターフラグメント、すなわち配位子として役立つフラグメントを完成させることによってのいずれかで、調製することができる。例えば、不完全な別個に調製されたM(M=Mn、ReまたはTc)クラスターは、fac−[99mTc(CO)部分を組み込んで、立方体を完成させることができる。この例の架橋配位子はヒドロキシドであるが、当業者ならば、これらを、数ある中でも、チオール、官能基化されたアルコキシド、官能基化されたチオレートおよび官能基化されたセレノレートで置きかえてよいことが分かるであろう。単核前駆体とのワンポット反応は、1工程で生成物をもたらす。第二に、シッフ塩基またはキノリンベースのキレート剤等の二座架橋配位子を用いて、二核錯体を単一の工程で調製することができる。二座架橋配位子は、そのような多核錯体の選択された応用のためにさらに官能基化されてよい。多核錯体および本明細書において記述されているそれらを調製するためのプロセスは、単核錯体に可能である上に、異なる様相を組み込むことができるさらなる誘導体化のための足場として、より多目的な錯体を提供する。
明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、語「を含む(comprise)」または「を含む(comprises)」もしくは「を含む(comprising)」等の変化形は、記載されている整数または整数の群の包含を示唆するものであり、任意の他の整数または整数の群の除外を示唆するものではないことが理解されるであろう。

Claims (36)

  1. 遷移金属と、
    前記遷移金属と同じ配位数を有する放射性同位体と、
    前記遷移金属および前記放射性同位体に配位して、前記遷移金属および前記放射性同位体を連結している架橋配位子と、
    前記遷移金属および前記放射性同位体のそれぞれに配位しているペンデント配位子と
    を含む、多核錯体。
  2. 前記放射性同位体が、遷移金属の同位体または周期表において前記遷移金属と同じ族の元素の同位体である、請求項1に記載の多核錯体。
  3. 前記放射性同位体が、テクネチウム−99m(99mTc)、レニウム−186(186Re)またはレニウム−188(188Re)である、請求項1または請求項2に記載の多核錯体。
  4. 前記遷移金属が、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)およびレニウム(Re)からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の多核錯体。
  5. 前記遷移金属がレニウムである場合、レニウムは、レニウム−186(186Re)またはレニウム−188(188Re)から選択されるレニウムのβ−放射線放出同位体であり、前記遷移金属がテクネチウムである場合、テクネチウムは、テクネチウム−99(99Tc)同位体である、請求項4に記載の多核錯体。
  6. 一般式[99mTcM(μ−L)(CO)
    [式中、
    Mは、Mn、ReまたはTcであり、
    μ−Lは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子、炭素原子およびリン原子からなる群から独立して選択される少なくとも2個の配位原子を有する二座架橋配位子であり、ここで、前記二座配位子の配位原子の1つは、架橋配位原子として99mTcおよびMの両方に配位し、同じ二座配位子の他の配位原子は、99mTcまたはMの一方に配位する]
    を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の多核錯体。
  7. 前記二座配位子(μ−L)が、シッフ塩基キレート剤である、請求項6に記載の多核錯体。
  8. 一般式(I):

    [式中、
    Mは、Mn、ReまたはTcであり、
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R、RおよびRは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
    あるいは、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている環式もしくは多環式炭化水素または任意選択により置換されている複素環もしくは多複素環であるか、
    あるいは、R、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
    を有する、請求項6または請求項7に記載の多核錯体。
  9. 一般式(III):

    [式中、
    Mは、Mn、ReまたはTcであり、
    Aは、酸素、硫黄またはセレンであり、
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R、RおよびRは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
    あるいは、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている環式もしくは多環式炭化水素または任意選択により置換されている複素環もしくは多複素環であるか、
    あるいは、R、RおよびRは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
    を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の多核錯体。
  10. 前記ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される、請求項8または請求項9に記載の多核錯体。
  11. 前記多環式芳香族炭化水素が、ナフタレン、ビフェニル、アントラセンおよびフェナントレンからなる群から選択される、請求項8から10のいずれか一項に記載の多核錯体。
  12. 前記多環式芳香族炭化水素の芳香族構造上のペンデント官能基が、酸素、窒素、硫黄、セレンおよびリンからなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の多核錯体。
  13. 1個または複数のR、RおよびRが、単独でまたは一緒になって、選択された受容体に対して公知の親和性の生物学的に活性な官能性基で官能基化されている、請求項8または請求項9に記載の多核錯体。
  14. 一般式(II):

    [式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Rは、m−トルエン基、シクロペンタン基またはエチルベンゼン基であり、Rは、水素またはメチル基である]
    を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の多核錯体。
  15. 前記二座配位子(μ−L)が、キノリンベースのキレート剤である、請求項6に記載の多核錯体。
  16. 一般式(IV)

    [式中、
    Mは、Mn、ReまたはTcであり、
    Aは、酸素、硫黄またはセレンであり、
    2a〜R7aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミン、カルボキシレート、アルデヒド、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R2a〜R7aは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
    あるいは、R2a〜R7aは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
    を有する、請求項15に記載の多核錯体。
  17. 一般式[99mTcM(μL)(LL)
    [式中、
    Mは、Mn、ReまたはTcであり、
    μLは、オキシド(O2−)またはスルフィド(S2−)から選択される架橋配位子であり、
    LLは、99mTcおよびMのそれぞれに別個に配位し、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、窒素原子、炭素原子およびリン原子からなる群から独立して選択される少なくとも2個の配位原子を有する、二座ペンデント配位子である]
    を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の多核錯体。
  18. 一般式(V):

    [式中、
    、MまたはMのうちの少なくとも1つは、99mTcであり、M、MまたはMの残りの金属中心は、Mn、ReもしくはTcまたはそれらの任意の組合せであり、
    Aは、酸素、硫黄またはセレン原子であり、
    2a〜R7aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミン、カルボキシレート、アルデヒド、任意選択により置換されているC1〜C10直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、任意選択により置換されているアリール、任意選択により置換されているヘテロアリール、任意選択により置換されているポリ(アリール)、任意選択により置換されているポリ(ヘテロアリール)、任意選択により置換されているC5〜C10カルボシクリルまたは任意選択により置換されているヘテロシクリル基であり、ここで、R2a〜R7aは、酸素、窒素、硫黄、セレンまたはハロゲン原子からなる群から選択される1個または複数のヘテロ原子をそれぞれ任意選択により含むか、
    あるいは、R2a〜R7aは、一緒になって、任意選択により置換されている多環式芳香族炭化水素、任意選択により置換されている多環式芳香族複素環、任意選択により置換されている多環式炭化水素または任意選択により置換されている多複素環である]
    を有する、請求項17に記載の多核錯体。
  19. 2a〜R7aのうちの1つまたは複数が、別個にまたは一緒になって、選択された受容体に対して公知の親和性の生物学的に活性な官能性基である、請求項16または請求項18に記載の多核錯体。
  20. 2aが、アミノ基(−NH)であり、R3a〜R7aが、水素であるか;または、R2a〜R4aおよびR6aが、水素であり、R5aおよびR7aが、塩素であるか;または、R2a〜R6aが、水素であり、R7aが、チオール(−SH)である、請求項16または請求項18に記載の多核錯体。
  21. 一般式:[99mTcM(L)(CO)12][式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Lは、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子からなる群から選択される配位原子を有する架橋配位子である]を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の多核錯体。
  22. キュバン構造および一般式(VI):

    [式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Lは、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子からなる群から選択される配位原子を有する単座架橋配位子である]
    を有する、請求項21に記載の多核錯体。
  23. 前記架橋配位子(L)が、ヒドロキシド(OH)、チオール(SH)、任意選択により官能基化されたC1〜C10アルコキシド、任意選択により官能基化されたC1〜C10チオレートおよび任意選択により官能基化されたC1〜C10セレノレートからなる群から選択される、請求項21または請求項22に記載の多核錯体。
  24. 前記C1〜C10アルコキシド、C1〜C10チオレートおよびC1〜C10セレノレートが、生物活性または標的化部分で官能基化されている、請求項23に記載の多核錯体。
  25. 分子式[99mTcRe(μ3−OH)(CO)12]および構造式(VII):

    を有する、請求項22から24のいずれか一項に記載の多核錯体。
  26. 溶液中での自己集合によって多核錯体を調製する方法であって、
    遷移金属の多核または単核前駆体錯体を、前記遷移金属と同じ配位数の放射性同位体を含む単核錯体と、選択された溶媒中で混合する工程
    を含む、方法。
  27. 溶液中で、遷移金属の前記多核または単核前駆体錯体が、アニオン性であり、前記放射性同位体を含む単核錯体が、カチオン性であり、前記前駆体錯体および前記放射性同位体を含む錯体の両方が、八面体配位幾何構造を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記放射性同位体が、テクネチウム−99m(99mTc)であり、前記遷移金属が、マンガン、テクネチウムおよびレニウムからなる群から選択される、請求項26または請求項27に記載の多核錯体。
  29. 前記単核前駆体錯体が、溶液中で一般分子式fac−[M(X)(CO)2−[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、MがReである場合、Xは、Brであり、MがTcである場合、Xは、Clである]を有し、放射性同位体を含む前記単核錯体が、溶液中で一般分子式[99mTc(Y)(CO)[式中、Yは、水(OH)または溶媒分子から選択される中性配位子である]を有する、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記溶媒が、水、アルコール、アセトニトリル、アセトンまたはジメチルスルホキシドである、請求項26から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記混合する工程を、二座配位子の存在下で、好ましくは、過剰塩基の存在下、60℃〜90℃の間の高温で行って、請求項6から20のいずれか一項に記載の多核錯体を形成する、請求項26から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 請求項21から25のいずれか一項に記載の多核錯体が、一般分子式fac−[M(Z)(CO)[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、Zは、プロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核前駆体錯体を、一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)[式中、Zは、プロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核錯体の溶液に添加し、結果として生じた溶液を混合することにより、1工程で形成される、請求項26から30のいずれか一項に記載の方法。
  33. 請求項21から25のいずれか一項に記載の多核錯体が、前記放射性同位体を含む錯体の配位のための頂点を残す、一般分子式[M(μ2−L)(μ3−L)(CO)[式中、Mは、Mn、ReまたはTcであり、μ2−Lは、2つの金属中心に配位している、ヒドロキシド(OH)、チオール(SH)、任意選択により官能基化されたC1〜C10アルコキシド、任意選択により官能基化されたC1〜C10チオレートおよび任意選択により官能基化されたC1〜C10セレノレートからなる群から選択される単座配位子であり、μ3−Lは、3つの金属中心に配位している、ヒドロキシド(OH)、チオール(SH)、任意選択により官能基化されたC1〜C10アルコキシド、任意選択により官能基化されたC1〜C10チオレートおよび任意選択により官能基化されたC1〜C10セレノレートからなる群から選択される単座配位子である]を有するアニオン性三核錯体の形態の多核前駆体錯体を事前に集合させ、前記アニオン性三核錯体を、一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)[式中、Zは、四核錯体のプロトン化された単座架橋配位子(H−L)である]の単核錯体の溶液に添加することおよび結果として生じた溶液が混合されることによって形成される、請求項26から30のいずれか一項に記載の方法。
  34. 一般分子式fac−[99mTc(Z)(CO)の単核錯体の溶液のpHが、混合する前に約5に調整される、請求項32または請求項33に記載の方法。
  35. Zが、OHであり、前記溶液が、水溶液である、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 請求項1から25のいずれか一項に記載の多核錯体と、希釈剤、賦形剤または担体とを含む、医薬組成物。
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