JP2021507078A - ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー - Google Patents

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Abstract

本発明は、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー、それらの製造、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含有する加硫性組成物及びそれらの製造、並びに、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする加硫材料及びエラストマー構成部品におけるそれらの使用に関する。

Description

本発明は、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー、それらの調製、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含有する加硫性組成物及びそれらの製造、並びに、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする加硫物及びエラストマー構成部品でのそれらの使用に関する。
本出願との関連で、用語「ニトリル−ジエンコポリマー」(「NBR」とも略される、ニトリルゴム)は、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和ニトリルと、少なくとも1種の共役ジエンと、任意選択的に1種以上存在していてよい追加の共重合性モノマーとのコポリマー、ターポリマー又はクォーターポリマーであるゴムを意味すると理解される。
長年、NBRは、スペシャルティエラストマー部門において確固たる地位を占めてきた。それは、優れた耐油性及び良好な熱安定性の形での優れたプロフィルの特性を有する。NBRは、また、非常に良好な機械的特性及び性能特性を有する。こういう訳で、それは、多種多様な様々な分野の用途に幅広く使用されおり、それは、例えば、自動車及び機械工学部門におけるガスケット、ホース、並びに、建築、ローラー、及び電気産業における多数のエラストマー構成部品の製造のために使用されている。
多くの用途にとって、加硫物の機能が低い温度でさえも確保されるように、NBRをベースとする加硫物が低いガラス転移温度(Tg)を有することは極めて重要である。加えて、さもなければ加硫物が体積増加し、使用にもはや適合しないため、例えば油又は燃料と接触した場合に加硫物が可能な限り最小の膨潤を示すこともまた必要である。
アクリロニトリルとブタジエンとのNBRコポリマーは、アクリロニトリルの量が減少するにつれてより低いガラス転移温度を有することが知られている。
逆に、アクリロニトリルとブタジエンとのNBRコポリマーは、アクリロニトリルの量が増加するにつれて油及び燃料中でより低い膨潤を有することが知られている。
多数の様々なNBRタイプが商業的に入手可能であり、これらは、その応用部門に応じて、様々なモノマー、分子量及び多分散性、並びにその結果としての様々な機械的及び物理的特性を特色とする。標準的なタイプだけでなく、特別なターモノマーの含有量又は特定の機能付与を特色とするスペシャルティタイプに対しても特に増大する需要がある。
公知の特別なターモノマーの例としては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸)が挙げられる。これらのターモノマーを有するターポリマーは、XNBR(ここで、「X」は酸基を表す)とまとめて称される。これらの例としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、及びジカルボン酸モノエステル(例えば、モノメチルマレエート又はモノブチルマレエート)が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位(メチルアクリレート及びブチルアクリレートなどのモノカルボン酸エステル、又はモノブチルマレエートなどのジカルボン酸モノエステルを含む)を有するターポリマーも同様に公知である。
(特許文献1)及び(特許文献2)は、ニトリル基を含有し、かつ共重合したカルボン酸エステルモノマーを有するコポリマーを開示している。ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートが、5重量%〜50重量%の量でカルボン酸エステルモノマーとして使用された。
(特許文献3)は、ヒドロキシル含有ターモノマーとしてのヒドロキシエチルアクリレート(HEA)又はヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とともにニトリル基を含有するコポリマーを開示している。組み込まれるターモノマーの量は、2.0重量%〜4.8重量%の範囲にある。
(特許文献4)は、エポキシ基を有するカルボン酸エステルターモノマーとしてのグリシジルメタクリレートとともにニトリル基を含有するコポリマーを開示している。組み込まれたターモノマーの量は、1.2重量%〜7.2重量%である。
ターモノマーとしてのPEGアクリレート単位を有するニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーも公知である。
(特許文献5)は、−20℃未満のガラス転移温度及び20%未満の油膨潤を有する、ニトリル基を含有し、かつ1重量%〜9重量%のモノカルボン酸モノエステル単位を有するコポリマーを開示している。4.8重量%及び7.7重量%のメトキシエチルアクリレート、すなわち、PEG−1アクリレートを有するか、あるいは4.1重量%のPEG−5メタクリレートを有するターポリマーが、そこに明示的に開示されている。
(特許文献6)は、ニトリル基を有し、かつカルボニル基を含有するα,β−エチレン性不飽和モノマー単位を1重量%〜9重量%有するコポリマーを開示している。開示された明示的な実施例は、PEG−11−官能化メタクリル酸モノマーを有する水素化ターポリマーを含む。
(特許文献7)は、5重量%〜60重量%のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単位、20重量%〜83.9重量%の共役ジエン単位、0.1重量%〜20重量%のジカルボン酸モノエステル単位、及び11重量%〜50重量%の2〜8個の炭素原子を有するアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単位を含有する少なくとも部分的に水素化されたニトリル−ブタジエンコポリマーを開示している。表2は、とりわけ、21.3重量%又は24.8重量%のアクリロニトリル、46.6重量%又は47.3重量%のブタジエン、4.5重量%〜5重量%のモノ−n−ブチルマレエート、及び23.0重量%又は27.1重量%のメトキシエチルアクリレートの含有量を有するクォーターポリマーを記載している。
(特許文献8)は、ニトリル基を有し、かつ(a)10.0重量%〜40.0重量%のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単位と、(b)5.5重量%〜10.0重量%のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単位と、(c)11.0重量%〜30.0重量%の、2〜8個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単位と、(d)20.0重量%〜73.5重量%の共役ジエン単位とを含有する、高飽和コポリマーゴムであって、共役ジエン単位の少なくとも一部が水素化されているゴムを記載している。
(特許文献9)は、8.7重量%〜22重量%のアクリロニトリルと、52.4重量%〜61.9重量%のブタジエンと、10重量%〜25重量%のエトキシトリエチレングリコールメタクリレート(PEG−3−MA)又はメトキシオクタエチレングリコールメタクリレート(PEG−8−MA)と、を含む非水素化ニトリル−ブタジエン−PEGアクリレートコポリマーを開示している。ブチルジグリコールメタクリレート(BDGMA)を有するニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの開示は全くない。
モノマーの選択及び使用するモノマーの量は、ポリマー特性及び加硫物特性に極めて重大な影響を及ぼし、したがって容易には予測できない。
ニトリル単位及びジエン単位は別として、ターモノマー単位として専らモノカルボン酸、ブチルアクリレート又はモノブチルマレエートなどのカルボン酸エステル、PEG−1アクリレート、又は少量のPEGアクリレートを含有する、以前に開示されたニトリル−ブタジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、低いガラス転移温度と同時の低い膨潤という要求を十分に満たさない。
欧州特許出願公開第185244号 欧州特許出願公開第1247835号 国際公開第11/141275号パンフレット 欧州特許出願公開第2471852号 欧州特許出願公開第2868677号 欧州特許出願公開第2868676号 欧州特許出願公開第2392599号 特開2012−031311号公報 欧州特許出願公開第3196240号
したがって、本発明によって取り組まれる課題は、加硫物において、低いガラス転移温度と、油及び燃料中での低い膨潤とを同時に有する、ニトリル−ジエンコポリマーを提供するというものであった。
本発明によって取り組まれる更なる課題は、−40℃未満のガラス転移温度を有し、且つ、50%未満の100℃で3日後のFuel C中での膨潤を有する、ニトリル−ジエンコポリマーをベースとする加硫物を提供するというものであった。加えて、取り組まれる更なる課題は、提供するHNBRコポリマーの動的及び機械的特性において、既存のNBRポリマーにおけるものと同様のバランスを達成するというものであった。
本発明によって提供されるこの課題の解決策は、
(a)5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜40重量%の、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単位と、
(b)10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜65重量%の、少なくとも1種の共役ジエン単位と
(c)5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜40重量%、より好ましくは20重量%〜30重量%の、少なくとも1種の一般式(I):
Figure 2021507078
(式中、
Rは、非分岐若しくは分岐のC〜C20アルキル、好ましくはC〜C20アルキル、より好ましくはエチル、ブチル又はエチルヘキシルであり、
nは、2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜5、最も好ましくは2又は3であり、
は、水素又はメチルである)
に由来するPEGアクリレート単位(c)と
を含有するニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーである。
本発明の範囲は、一般的な用語で又は好ましい範囲として、上に述べられた及び本明細書で以下に記述する構成要素、値の範囲、置換基の定義及び/又はプロセスパラメータの任意の及び全ての可能な組み合わせを包含することが、ここで留意されるべきである。
用語「コポリマー」は、2種以上のモノマー単位を有するポリマーを包含する。
本発明の一実施形態において、コポリマーは、専ら、例えば、3つのモノマー種(a)、(b)及び(c)から誘導され、それ故ターポリマーである。
同様に、用語コポリマーによって、例えば、3つのモノマー種(a)、(b)及び(c)並びにPEGアクリレート単位(c)以外の更なるα,β−エチレン性不飽和モノマー単位(d)から誘導されるクォーターポリマーも包含される。
用語「ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー」は、本発明との関連で、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単位と、少なくとも1種の共役ジエン単位と、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位とを含有するコポリマーを言う。この用語は、したがって、2種以上の異なるα,β−エチレン性不飽和ニトリルモノマー単位と、2種以上の異なる共役ジエンモノマー単位と、2種以上の異なるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位とを有するコポリマーも包含する。
(a)α,β−エチレン性不飽和ニトリル
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)を形成する、使用されるα,β−エチレン性不飽和ニトリルは、任意の公知のα,β−エチレン性不飽和ニトリルであり得る。例えば、アクリロニトリル、α−ハロアクリロニトリル、例えばα−クロロアクリロニトリル及びα−ブロモアクリロニトリル、α−アルキルアクリロニトリル、例えばメタクリロニトリル、エタクリロニトリル、又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和ニトリルの混合物などの、(C〜C)−α,β−エチレン性不飽和ニトリルが好ましい。アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル又はそれらの混合物が特に好ましい。アクリロニトリルが非常に特に好ましい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)の量は、典型的には、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの全モノマー単位の100重量%の総量を基準として、5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜40重量%の範囲にある。
(b)共役ジエン
共役ジエン単位(b)を形成する共役ジエンは、任意のタイプのもの、とりわけ共役C〜C12ジエンであり得る。1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)又はそれらの混合物が特に好ましい。1,3−ブタジエン及びイソプレン又はそれらの混合物がとりわけ好ましい。1,3−ブタジエンが非常に特に好ましい。
共役ジエンの量は、典型的には、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの全モノマー単位の100重量%の総量を基準として、10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜65重量%の範囲にある。
(c)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位及び共役ジエン単位に加えて、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、第3単位として、一般式(I):
Figure 2021507078
(式中、
Rは、非分岐若しくは分岐のC〜C20アルキル、好ましくはC〜C20アルキル、より好ましくはエチル、ブチル又はエチルヘキシルであり、
nは、2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜5、最も好ましくは2又は3であり、
は、水素又はメチルである)
に由来する少なくとも1種のPEGアクリレート単位(c)を含有する。
用語「(メタ)アクリレート」は、本発明との関連で、「アクリレート」及び「メタクリレート」を表す。一般式(I)におけるRラジカルがメチルである場合、分子はメタクリレートである。
用語「ポリエチレングリコール」又は省略形「PEG」は、本発明との関連で、2個の繰り返しエチレングリコール単位(PEG−2;n=2)〜12個の繰り返しエチレングリコール単位を有するエチレングリコール部分(PEG−2〜PEG−12;n=2〜12)を表す。
用語「PEGアクリレート」も、PEG−X−(M)A(式中、「X」は、繰り返しエチレングリコール単位の数であり、「MA」はメタクリレートであり、「A」はアクリレートである)と略される。
一般式(I)のPEGアクリレートに由来するアクリレート単位は、本発明との関連で、「PEGアクリレート単位」(c)と言われる。
好ましいPEGアクリレート単位(c)は、次式no.1〜no.8(式中、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12、好ましくは2、3、4、5、6、7又は8、より好ましくは2、3、4又は5、最も好ましくは2又は3である)を有するPEGアクリレートに由来する:
Figure 2021507078
エトキシポリエチレングリコールアクリレート(式no.1)についての他の一般に用いられる呼称は、例えば、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、エトキシPEGアクリレート、エトキシポリ(エチレングリコール)モノアクリレート又はポリ(エチレングリコール)モノエチルエーテルモノアクリレートである。
最も好ましいカルボン酸エステル単位(c)は、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート(ブチルジグリコールメタクリレート、BDGMA)である。
これらのPEGアクリレートは、例えば、Sartomer(登録商標)商品名でArkemaから、Visiomer(登録商標)商品名でEvonikから、又はSigma Aldrichから商業的に購入することができる。
本発明のコポリマー中のPEGアクリレート単位(c)の量は、モノマー単位の全ての100重量%の総量を基準として、5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜40重量%、より好ましくは20重量%〜30重量%の範囲にある。
(d)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位
代わりの実施形態において、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、PEGアクリレート単位(c)以外の更なるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル(d)を有し得る。
PEGアクリレート単位(c)以外の典型的なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位(d)は、
● アルキル(メタ)アクリレート、とりわけC〜C18アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル若しくはn−ヘキシル(メタ)アクリレート;
● アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけC〜C18アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC〜C12アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
● ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけC〜C18ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC〜C12ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
● シクロアルキル(メタ)アクリレート、とりわけC〜C18シクロアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC〜C12シクロアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはシクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート;
● アルキルシクロアルキル(メタ)アクリレート、とりわけC〜C12アルキルシクロアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC〜C10アルキルシクロアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはメチルシクロペンチル(メタ)アクリレート及びエチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート;
● アリールモノエステル、とりわけC〜C14アリールモノエステル、好ましくはフェニル(メタ)アクリレート若しくはベンジル(メタ)アクリレート;
● アミノ含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル、例えばジメチルアミノメチルアクリレート若しくはジエチルアミノエチルアクリレート;
● α,β−エチレン性不飽和モノアルキルジカルボキシレート、好ましくは
○ アルキルモノエステル、とりわけC〜C18アルキルモノエステル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル若しくはn−ヘキシルモノエステル、より好ましくはモノ−n−ブチルマレエート、モノ−n−ブチルフマレート、モノ−n−ブチルシトラコネート、モノ−n−ブチルイタコネート、最も好ましくはモノ−n−ブチルマレエート、
○ アルコキシアルキルモノエステル、とりわけC〜C18アルコキシアルキルモノエステル、好ましくはC〜C12アルコキシアルキルモノエステル、
○ ヒドロキシアルキルモノエステル、とりわけC〜C18ヒドロキシアルキルモノエステル、好ましくはC〜C12ヒドロキシアルキルモノエステル、
○ シクロアルキルモノエステル、とりわけC〜C18シクロアルキルモノエステル、好ましくはC〜C12シクロアルキルモノエステル、より好ましくはモノシクロペンチルマレエート、モノシクロヘキシルマレエート、モノシクロヘプチルマレエート、モノシクロペンチルフマレート、モノシクロヘキシルフマレート、モノシクロヘプチルフマレート、モノシクロペンチルシトラコネート、モノシクロヘキシルシトラコネート、モノシクロヘプチルシトラコネート、モノシクロペンチルイタコネート、モノシクロヘキシルイタコネート及びモノシクロヘプチルイタコネート、
○ アルキルシクロアルキルモノエステル、とりわけC〜C12アルキルシクロアルキルモノエステル、好ましくはC〜C10アルキルシクロアルキルモノエステル、より好ましくはモノメチルシクロペンチルマレエート及びモノエチルシクロヘキシルマレエート、モノメチルシクロペンチルフマレート及びモノエチルシクロヘキシルフマレート、モノメチルシクロペンチルシトラコネート及びモノエチルシクロヘキシルシトラコネート;モノメチルシクロペンチルイタコネート及びモノエチルシクロヘキシルイタコネート;
○ アリールモノエステル、とりわけC〜C14アリールモノエステル、好ましくはモノアリールマレエート、モノアリールフマレート、モノアリールシトラコネート若しくはモノアリールイタコネート、より好ましくはモノフェニルマレエート若しくはモノベンジルマレエート、モノフェニルフマレート若しくはモノベンジルフマレート、モノフェニルシトラコネート若しくはモノベンジルシトラコネート、モノフェニルイタコネート若しくはモノベンジルイタコネート,
○ 不飽和ポリアルキルポリカルボキシレート、例えばジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート若しくはジエチルイタコネート;
又はそれらの混合物
である。
(e)共重合性モノマー
加えて、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、全モノマー単位の100重量%の総量を基準として、0重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%の量で1種以上の更なる共重合性モノマー(e)を含有し得る。その場合に、他のモノマー単位(a)、(b)、(c)及び任意選択的には(d)の量は、全モノマー単位の合計が常に100重量%であるように、好適にも減らされる。ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、更なる共重合性モノマー(e)として、1種以上の
● 芳香族ビニルモノマー、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン及びビニルピリジン、
● フッ素含有ビニルモノマー、好ましくはフルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−フルオロメチルスチレン、ビニルペンタフルオロベンゾエート、ジフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレン等、
● α−オレフィン、好ましくはC〜C12オレフィン、例えばエチレン、1−ブテン、2−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン若しくは1−オクテン、
● 非共役ジエン、好ましくは、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、4−シアノシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのC〜C12ジエン等、
● 1−若しくは2−ブチンなどのアルキン、
● α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸若しくは桂皮酸、
● α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸、好ましくはマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、
● 共重合性酸化防止剤、例えばN−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリン又は
● 架橋性モノマー、1分子当たり少なくとも2個のオレフィン二重結合を含有するフリーラジカル重合性化合物、例えばジビニル構成要素、例えばジビニルベンゼン若しくはエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート及びトリエチレングリコールジアクリレート
を含有し得る。
好ましい実施形態において、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、PEGアクリレート単位(c)として、2〜12個の繰り返しエチレングリコール単位を有するエトキシ、ブトキシ又はエチルヘキシルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、より好ましくは2〜5個の繰り返しエチレングリコール単位を持ったエトキシ又はブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、最も好ましくは2又は3個の繰り返しエチレングリコール単位を有するエトキシ又はブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを含有する。
ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの更なる代わりの実施形態において、nは、2又は3であり、Rは、エチル又はブチルであり、Rは、水素又はメチルであり、好ましくは、nは2であり、Rはブチルであり、Rはメチルである。
代わりの実施形態において、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)、共役ジエン単位(b)及び一般式(I)のPEGアクリレートに由来するPEGアクリレート単位(c)のみならず、不飽和カルボン酸エステル単位(d)として、α,β−エチレン性不飽和モノアルキルジカルボキシレート単位、好ましくはモノブチルマレエートをも含有する。
本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの代わりの実施形態において、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルに、より好ましくはアクリロニトリルに由来し、共役ジエン単位(b)は、イソプレン又は1,3−ブタジエンに、より好ましくは1,3−ブタジエンに由来し、PEGアクリレート単位(c)は、一般式(I)(式中、nは、2〜12である)のPEGアクリレートに、より好ましくはn=2又は3の一般式(I)のPEGアクリレートに由来する。
本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの代わりの実施形態において、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルに、より好ましくはアクリロニトリルに由来し、共役ジエン単位(b)は、イソプレン又は1,3−ブタジエンに、より好ましくは1,3−ブタジエンに由来し、PEGアクリレート単位(c)は、一般式(I)(式中、nは、2〜8である)のPEGアクリレートに、より好ましくは一般式(I)(式中、nは、2又は3である)のPEGアクリレートに由来し、ここで、さらなるカルボン酸エステル単位(d)は全く存在しない。
更なる代わりの実施形態において、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、5重量%〜80重量%のアクリロニトリル単位と、10重量%〜90重量%の1,3−ブタジエン単位と5重量%〜50重量%のPEG−2アクリレート単位又はPEG−3アクリレート単位とを含む。
非常に特に好ましい実施形態において、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、
● 15重量%〜40重量%のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)、好ましくはアクリロニトリルと、
● 30重量%〜65重量%の共役ジエン単位(b)、好ましくは1,3−ブタジエンと、
● 20重量%〜30重量%の、一般式(I)のPEGアクリレート、好ましくはブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートに由来する、PEGアクリレート単位(c)と
を含有する。
最も好ましい実施形態において、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、15重量%〜40重量%のアクリロニトリル単位と、30重量%〜65重量%の1,3−ブタジエン単位と20重量%〜30重量%のブトキシジエチレングリコールメタクリレート単位とを含有する。
本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、典型的には、ポリスチレン基準で、5000g/mol〜2,000,000g/mol、好ましくは10,000g/mol〜1,000,000g/mol、より好ましくは30,000g/mol〜500,000g/mol、最も好ましくは40,000g/mol〜300,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する。
本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、典型的には、1.5〜6、好ましくは2〜5、より好ましくは2.5〜4.5の多分散指数(PDI=M/M、ここで、Mは重量平均分子量である)を有する。
本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、典型的には、10〜150の、好ましくは20〜140の、より好ましくは25〜120のムーニー(Mooney)粘度(ML1+4@100℃)を有する。
非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの製造方法
本発明は、更に、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和ニトリルと、少なくとも1種の共役ジエンと、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノエステルとを乳化重合にかけることを特徴とする、非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの製造方法を提供する。
本発明は、好ましくは、5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは15重量%〜40重量%の少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和ニトリルと、10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜65重量%の少なくとも1種の共役ジエンと5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜40重量%、より好ましくは20重量%〜30重量%の、一般式(I)
Figure 2021507078
(式中、
Rは、非分岐若しくは分岐のC〜C20アルキル、好ましくはC〜C20アルキル、より好ましくはエチル、ブチル又はエチルヘキシルであり、
nは、2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜5、最も好ましくは2又は3であり、
は、水素又はメチルである)
の少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル、PEGアクリレートとを乳化重合にかけることを特徴とする、非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの製造方法を提供する。
非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、上述のモノマーの重合によって調製することができ、文献(例えば、Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry],vol.14/1,30 Georg Thieme Verlag Stuttgart 1961)に広範囲にわたって記載されおり、特に制限されない。一般に、プロセスは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位と、共役ジエン単位とPEGアクリレート単位とを要望通り共重合させるものである。用いる重合プロセスは、任意の公知の乳化重合プロセス、懸濁重合プロセス、バルク重合プロセス及び溶液重合プロセスであり得る。乳化重合プロセスが好ましい。乳化重合は、とりわけ、使用される反応媒体が通常水である、それ自体公知のプロセスを意味すると理解される(とりわけ、Roempp Lexikon der Chemie[Roempp’s Chemistry Lexicon],volume 2,10th edition 1997;P.A.Lovell,M.S.El−Aasser,Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers,John Wiley & Sons,ISBN:0471 96746 7;H.Gerrens,Fortschr.Hochpolym.Forsch.1,234(1959)を参照されたい)。ターモノマーの組み込み比率は、本発明によるターポリマーが得られるように当業者によって容易に調整され得る。モノマーは、最初に装入され得るか、又は2つ以上のステップでの増分によって反応させられ得る。
重合は、回分式にか、或いは撹拌タンクカスケードで連続的にかのどちらかで行うことができる。
加えて、重合は、高い頻度で、分子量を制御するために分子量調整剤と呼ばれるものの存在下で達成される。これらは、一般に、9〜16個の炭素原子を含有するアルキルチオールである。そのようなアルキルチオール又はアルキルチオールの(異性体)混合物は、商業的に入手可能であるか或いは当業者のために文献に十分よく記載されたプロセスによって調製できるかのどちらかである。
本発明は、また、任意選択的にフェノール系老化安定剤、アミン系老化安定剤及びまた他の老化安定剤を含有していてもよい、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含むニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーラテックスを提供する。ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーラテックスは、固体ゴムとしてのニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの製造のための中間体として役立つ。
ラテックス凝固の前に又は凝固の過程で、1種以上の老化安定剤がラテックスに添加され得る。フェノール系老化安定剤、アミン系老化安定剤及びまた他の老化安定剤がこのために好適である。
凝固のために、ラテックスを、塩基、好ましくはアンモニア若しくは水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムの添加、又は酸、好ましくは硫酸若しくは酢酸の添加によって、当業者に公知のpHに調整する。
プロセスの一実施形態において、凝固は、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の塩を使用して行う。これらの塩に使用されるアニオンは、典型的には、一価又は二価アニオンである。ハライド、より好ましくはクロリド、ナイトレート、スルフェート、炭酸水素イオン、カーボネート、ホルメート及びアセテートが好ましい。
塩は、ラテックス分散系の固形分を基準として、0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜8重量%、より好ましくは0.2重量%〜5重量%の量で添加する。
上に定義された群からの少なくとも1種の塩だけでなく、沈澱助剤を凝固に使用することも可能である。有用な沈澱助剤としては、例えば、水溶性ポリマーが挙げられる。これらは、非イオン性、アニオン性又はカチオン性である。
凝固に使用するラテックスは、適切には、1重量%〜40重量%の範囲の、好ましくは5重量%〜35重量%の範囲の、より好ましくは15重量%〜30重量%の範囲の固形分濃度を有する。
ラテックス凝固は、10〜110℃、好ましくは20〜100℃、より好ましくは50〜98℃の温度範囲内で行う。ラテックス凝固は、連続的に又はバッチ式に達成することができ、連続操作が好ましい。
代わりの実施形態において、未転化モノマーから典型的に分離されたラテックスも、≦6、好ましくは≦4、より好ましくは2のpH範囲内に酸で処理し、それにより、ポリマーの沈澱がもたらされる。沈澱は、選択したpH範囲の確立を可能にする任意の鉱酸及び有機酸を使用して成し遂げることができる。鉱酸が、好ましくは、pH調整のために使用される。その後、ポリマーを、当業者に慣習的なやり方で懸濁液から分離する。これはまた、連続的に又は回分式に達成することができ、連続操作が好ましい。
凝固後に、ニトリルゴムは、典型的には、くず(crumbs)と呼ばれるものの形態にある。凝固したNBRの洗浄は、それ故、「くず洗浄」とも言われる。この洗浄のために、脱イオン水か非脱イオン水かのどちらかを使用することが可能である。洗浄は、15〜90℃の範囲の温度で、好ましくは20〜80℃の範囲の温度で行われる。洗浄水の量は、ニトリルゴムの100重量部を基準として、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。好ましくは、ゴムくずを、多段洗浄にかけ、個々の洗浄段階の間にゴムくずの部分的な脱水を伴わせる。個々の洗浄段階間のくずの残存含水率は、5重量%〜50重量%の範囲、好ましくは7重量%〜25重量%の範囲にある。洗浄段階の数は、典型的には1〜7、好ましくは1〜3である。洗浄は、バッチ式に又は連続的に行われる。多段連続プロセスを用いることが好ましく、控えめの水管理のために向流洗浄が好ましい。洗浄の終わりに、ニトリルゴムくずを脱水することが有用であることが分かった。予め脱水したニトリルゴムを、好適な例が流動床乾燥機又は板乾燥機である、乾燥機で乾燥させる。乾燥温度は、80〜150℃である。温度プログラムを使って、乾燥操作の終わりに向けて温度を下げる乾燥が好ましい。
メタセシス及び/又は水素化:
非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの製造に続いて、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの分子量の低下のためのメタセシス反応、又はメタセシス反応及びその後の水素化、又は水素化のみを行うことも可能である。これらのメタセシス又は水素化反応は、当業者に周知であり、文献に記載されている。
メタセシスは、例えば、国際公開第A−02/100941号パンフレット及び国際公開第A−02/100905号パンフレットから公知であり、分子量を低下させるために用いることができる。
ニトリル−ジエンコポリマーの水素化は、例えば、米国特許第A−3,700,637号明細書、独国特許出願公開第A−2 539 132号明細書、独国特許出願公開第A−3 046 008号明細書、独国特許出願公開第A−3 046 251号明細書、独国特許出願公開第A−3 227 650号明細書、独国特許出願公開第A−3 329 974号明細書、欧州特許出願公開第A−111 412号明細書、仏国特許第B 2 540 503号明細書から、公知である。水素化ニトリル−ジエンコポリマーは、高い破壊強度、低い摩耗、圧縮及び引張応力後の一貫して低い変形、並びに良好な耐油性のみならず、熱的及び酸化的影響に対する特に注目に値する安定性を特色とする。
本発明は、更に、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする水素化ニトリルジエン−カルボン酸エステルコポリマーを提供する。水素化ニトリルジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの水素化から得られる。15重量%〜40重量%のアクリロニトリル単位と、20重量%〜30重量%のブチルジグリコールメタクリレートと、完全に又は部分的に水素化された形態での30重量%〜65重量%のブタジエンとを有する水素化ニトリルジエンコポリマーゴムが好ましい。
用語「水素化」は、水素化ニトリルジエン−カルボン酸エステルコポリマー中のブタジエン単位の水素化度、及びそれが50%〜100%、好ましくは90%〜100%、より好ましくは95%〜100%、最も好ましくは99%〜100%であることを意味する。
ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含む加硫性組成物
本発明は、更に、本発明による少なくとも1種の任意選択的に水素化されていてもよいニトリルジエン−カルボン酸エステルコポリマーと、少なくとも1種の架橋剤とを含む加硫性組成物を提供する。
好ましい実施形態は、本発明による少なくとも1種のニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーと、少なくとも1種の架橋剤と、更に少なくとも1種の充填材とを含む加硫性組成物を含む。
有用な架橋剤としては、例えば、ビス(2,4−ジクロロベンジル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス(4−クロロベンゾイル)ペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブテン、4,4−ジ−tert−ブチルペルオキシノニルバレレート、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサ−3−インなどの過酸化物架橋剤が挙げられる。
これらの過酸化物架橋剤に加えて、架橋収率を上げるのに役立ち得る更なる添加物を使用することが有利であり得る:それらの好適な例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリメリテート、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジアクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛、1,2−ポリブタジエン又はN,N’−m−フェニレンジマレイミドが挙げられる。
架橋剤の総量は、典型的には、ニトリルゴムを基準として、1〜20phrの範囲に、好ましくは1.5〜15phrの範囲に、より好ましくは2〜10phrの範囲にある。
使用する架橋剤は、元素状の可溶性若しくは不溶性形態の硫黄、又は硫黄供与体であってもよい。
有用な硫黄供与体としては、例えば、ジモルホリルジスルフィド(DTDM)、2−モルホリノジチオベンゾチアゾール(MBSS)、カプロラクタムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)及びテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)が挙げられる。
本発明のニトリルゴムの硫黄架橋における架橋収率を上げるのに役立ち得る更なる添加物を使用することも可能である。原則として、架橋は、硫黄又は硫黄供与体のみで達成することもできる。
逆に、本発明のニトリルゴムの架橋は、また、上述の添加物の存在のみで、すなわち、元素状硫黄又は硫黄供与体の添加なしに達成することができる。
架橋収率を上げるために役立ち得る好適な添加物は、例えば、ジチオカルバメート、チウラム、チアゾール、スルフェンアミド、キサントゲン酸塩、グアニジン誘導体、カプロラクタム及びチオ尿素誘導体である。
使用するジチオカルバメートは、例えば:アンモニウムジメチルジチオカルバメート、ナトリウムジエチルジチオカルバメート(SDEC)、ナトリウムジブチルジチオカルバメート(SDBC)、亜鉛ジメチルジチオカルバメート(ZDMC)、亜鉛ジエチルジチオカルバメート(ZDEC)、亜鉛ジブチルジチオカルバメート(ZDBC)、亜鉛エチルフェニルジチオカルバメート(ZEPC)、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート(ZBEC)、亜鉛ペンタメチレンジチオカルバメート(Z5MC)、テルルジエチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジメチルジチオカルバメート及び亜鉛ジイソノニルジチオカルバメートであり得る。
使用するチウラムは、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジメチルジフェニルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド又はテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)であり得る。
使用するチアゾールは、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、亜鉛メルカプトベンゾチアゾール(ZMBT)又は銅2−メルカプトベンゾチアゾールであり得る。
使用するスルフェンアミド誘導体は、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(DCBS)、2−モルホリノチオベンゾチアゾール(MBS)、N−オキシジエチレンチオカルバミル−N−tert−ブチルスルフェンアミド又はオキシジエチレンチオカルバミル−N−オキシエチレンスルフェンアミドであり得る。
使用するキサントゲン酸塩は、例えば、ジブチルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルジブチルキサントゲン酸亜鉛又はジブチルキサントゲン酸亜鉛であり得る。
使用するグアニジン誘導体は、例えば、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジ−o−トリルグアニジン(DOTG)又はo−トリルビグアニド(OTBG)であり得る。
使用するジチオホスフェートは、例えば、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(アルキルラジカルの鎖長 C2〜C16)、銅ジアルキルジチオホスフェート(アルキルラジカルの鎖長 C2〜C16)又はジチオホスホリルポリスルフィドであり得る。
使用するカプロラクタムは、例えば、ジチオビスカプロラクタムであり得る。
使用するチオ尿素誘導体は、例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素(DPTU)、ジエチルチオ尿素(DETU)及びエチレンチオ尿素(ETU)であり得る。
例えば、亜鉛ジアミノジイソシアネート、ヘキサメチレンテトラミン、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン及び環状ジスルファンが、添加物として等しく好適である。
前述した添加物及び架橋剤は、個々にか混合物でかのどちらかで使用することができる。ニトリルゴムの架橋のために以下の物質:硫黄、2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、ジモルホリルジスルフィド、テルルジエチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、亜鉛ジメチルジチオカルバメート及びジチオビスカプロラクタムを使用することが好ましい。
架橋剤及び前述の添加物は、それぞれ、約0.05〜10phr、好ましくは0.1〜8phr、とりわけ0.5〜5phr(単独の用量、いずれの場合も活性物質基準)の量で使用することができる。
本発明による硫黄架橋の場合に、架橋剤及び上述の添加物に加えて、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、飽和又は不飽和有機脂肪酸及びそれらの亜鉛塩、ポリアルコール、アミノアルコール、例えばトリエタノールアミン、並びにアミン、例えばジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルエチルアミン及びポリエーテルアミンなどの、更なる無機又は有機物質を同様にうまく使用することも更に賢明であり得る。
加えて、スコーチ遅延剤を使用することも可能である。これらとしては、シクロヘキシルチオフタルイミド(CTP)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、無水フタル酸(PTA)及びジフェニルニトロソアミンが挙げられる。シクロヘキシルチオフタルイミド(CTP)が好ましい。
架橋剤の添加だけでなく、本発明によるニトリルゴムは、更なる慣習的なゴム添加剤と混合してもよい。
これらとしては、例えば、充填材、充填材活性化剤、オゾン劣化防止剤、老化安定剤、酸化防止剤、加工助剤、増量剤油、可塑剤、強化剤及び離型剤などの、当業者に周知である典型的な物質が挙げられる。
使用される充填材は、例えば、カーボンブラック、シリカ、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、珪藻土、タルク、カオリン、ベントナイト、カーボンナノチューブ、テフロン(登録商標)(後者は好ましくは粉末形態での)、又はシリケートであり得る。
有用な充填材活性化剤としては、有機シラン、特に、例えばビニルトリメチルオキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン又は(オクタデシル)メチルジメトキシシランが挙げられる。更なる充填材−活性化剤は、例えば、トリエタノールアミン及び74〜10,000g/molの分子量を有するエチレングリコールなどの表面活性物質である。充填材−活性化剤の量は、典型的には、ニトリルゴムの100phrを基準として、0〜10phrである。
加硫性混合物に添加される老化安定剤は、本出願においてラテックス凝固との関連で既に記載したものであってよい。それらは、典型的には、ニトリルゴムの100phrを基準として、約0〜5phr、好ましくは0.5〜3phrの量で混合物構成成分として使用される。
有用な離型剤の例としては、飽和又は部分不飽和の脂肪酸並びにオレイン酸及びその誘導体(脂肪酸エステル、脂肪酸塩、脂肪アルコール、脂肪酸アミド)が挙げられ、それらは、好ましくは、混合物構成成分、及びまた金型表面に適用できる製品、例えば低分子量シリコーン化合物をベースとする製品、フルオロポリマーをベースとする製品及びフェノール樹脂をベースとする製品として使用される。
離型剤は、ニトリルゴムの100phrを基準として、約0〜10phr、好ましくは0.5〜5phrの量で混合物構成成分として使用される。
別の可能性は、米国特許第A−4,826,721号明細書の教示に従った、ガラス製の強化要素(繊維)での強化であり、別の可能性は、コード、織布、脂肪族及び芳香族ポリアミド(Nylon(登録商標)、Aramid(登録商標))製の繊維、ポリエステル及び天然繊維製品による強化である。
ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含む加硫性組成物の製造方法
本発明は、更に、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを少なくとも1種の架橋剤及び存在する任意選択的な更なる構成要素と混合することによる、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含む加硫性組成物の製造方法を提供する。この混合操作は、ゴム産業で慣習的な任意の混合単位装置、例えば内部ミキサー、バンバリー(Banbury)ミキサー又はローラーで行うことができる。計量供給添加の順番は、適切な試験によって当業者により容易に決定され得る。
2つの可能な手順上の変形が、例として本明細書で以下に提示される:
プロセスA:内部ミキサーにおける製造
互いに噛み合う回転子ジオメトリーを有する内部ミキサーが好ましい。
開始時に、内部ミキサーに、ベール形態でのニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを装入し、ベールを、粉末状にする。好適な混合期間後に、充填材及び添加剤を添加する。混合は、混合物が80℃〜150℃の範囲の温度で好適な時間とどまるという条件で、温度制御下で達成する。更なる好適な混合期間後に、任意選択的で、ステアリン酸、酸化防止剤、可塑剤、白色顔料(例えば二酸化チタン)、染料及び他の加工活性体などの、更なる組成物構成成分を添加する。更なる好適な混合期間後に、内部ミキサーをガス抜きし、シャフトをきれいにする。更なる好適な期間後に、内部ミキサーを空にして加硫性組成物を得る。好適な期間は、2、3秒〜2、3分を意味すると理解される。架橋化学物質は、とりわけ混合を高められた混合温度で行う場合、ローラー上での別個のステップにおいて組み込むか、内部ミキサーに直接一緒に添加するかのどちらかである。この場合には、混合温度が架橋化学物質の反応温度よりも下であることを確実にしなければならない。
このようにして製造した加硫性組成物は、慣習的な方法で、例えばムーニー粘度によって、ムーニースコーチによって、又はレオメーター試験によって評価することができる。
プロセスB:ローラー上での製造
ローラーを混合単位装置として用いる場合、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを、先ず、ローラー上へ供給する。均一なミルドシートが形成されるとすぐに、充填材、可塑剤及び、架橋化学物質を除いて他の添加剤を添加する。全ての構成要素の組み込み後に、架橋化学物質を添加し、組み込む。混合物を、次に、右に3回及び左に3回切込みを入れ、5回にわたってひっくり返す。所望の試験方法に従って、完成ミルドシートを、所望の厚さにまで転がし、更なる加工にかける。
ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含む加硫物の製造方法
本発明は、更に、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含む加硫性組成物を、好ましくは成形プロセスにおいて、より好ましくは100℃〜250℃の範囲の温度で、とりわけ好ましくは120℃〜250℃の範囲の温度、非常にとりわけ好ましくは130℃〜250℃の範囲の温度で加硫にかけることを特徴とする、ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを含む、好ましくは成形品の形態(加硫)の、加硫物の製造方法を提供する。このために、加硫性組成物を、カレンダー、ロール又は押出機での更なる加工にかける。前もって形成された/可塑化されたマスを、次に、プレス、オートクレーブ、ホットエア系、塩浴系、赤外線系、UHF系で、又は自動マット加硫系(「Auma」)と呼ばれる系で加硫し、好ましい温度は、100℃〜250℃の範囲に、120℃〜250℃の範囲の特に好ましい温度、及び130℃〜250℃の範囲の非常に特に好ましい温度にあることが分かった。加硫時間は、典型的には、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。加硫物の形状及びサイズに応じて、完全な加硫を達成するために再加熱による第2加硫が必要であり得る。
本発明は、更に、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする、このようにして得られる加硫物を提供する。
本発明は、また、ベルト、ガスケット及びガスケット異形材、ローラー、膜、履物構成部品、ホース、減衰要素、絶縁材、固定子、並びにケーブルシース、好ましくはホース及びガスケットからなる群から選択されるエラストマー構成部品の製造のための、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする加硫物の使用を提供する。
本発明は、したがって、ベルト、ガスケット及びガスケット異形材、ローラー、膜、履物構成部品、ホース、減衰要素、絶縁材、固定子、並びにケーブルシース、好ましくはホース及びガスケットから好ましくは選択される、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする成形品の形態での加硫物を提供する。鋳造、射出成形又は押出方法などの、このために例として用いることができる方法、及び対応する射出成形装置又は押出機は、当業者に十分に周知である。これらの成形品の製造において、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、公知であり、そしてそれらの一般的な技術知識を用いて当業者によって好適に選択することもできる標準的な補助剤、例えば充填材、充填材活性化剤、加硫促進剤、架橋剤、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤、加工油、増量剤油、可塑剤、活性化剤、又はスコーチ防止剤で補完され得る。
本発明の特別な利点は、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーが、低い膨潤と同時に良好な低温可撓性を有する、それ故に公知のNBRコポリマーをベースとする加硫物よりも優れている加硫物の製造に好適であることである。
試験方法:
ムーニー粘度(ML 1+4@100℃)の値は、100℃でDIN 53523/3又はASTM D 1646に従って剪断円板式粘度計を用いていずれの場合にも測定する。
ニトリル基を含有するコポリマーゴム中のACN含有量の測定のための窒素含有量は、Vario ELキューブによって測定する。秤取サンプルの燃焼を、CHN機械内で、酸化触媒及び酸素の存在下約1150℃で行い、燃焼ガスを分取し、破壊的成分を吸着させ、熱伝導率測定セル(TCD)によってNを検出した。
個々のポリマーの微細構造及びターモノマー含有量の測定は、H NMR(機器:TopSpin 1.3ソフトウェア、測定周波数 400MHz、溶媒 1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2を使ったBruker DPX400)を用いて達成した。
架橋密度は、30分間160℃で、0.5°の角度及び1.7Hzの振動数で測定する、移動ダイレオメーター(MDR 2000E)で測定した。
引張試験のために、2mmシートを、180℃での加硫性混合物の加硫によって製造した。ダンベル形状の試験検体をこれらのシートから打ち抜き、引張強さ及び伸びをASTM D2240−81に従って測定した。
硬度は、ASTM D2240−81に従ってデュロメーターを使って測定した。
ガラス転移温度は、ASTM E 1356−03に従って又はDIN 11357−2に従ってDSC測定を用いて得た。このために、10mg〜15mgのサンプルをアルミニウムボート中へ秤取し、密封した。TA Instruments製のDSC機器において20K/分の加熱速度で、−150℃から150℃までボートを2回加熱した。ガラス転移温度は、標準平均値法によって第2加熱曲線から測定した。
TR10測定:TR測定は、ISO 2921,2005に従って行った。このために、サンプルを10分間シリコーンオイル中−70℃で貯蔵した。その後、曲線を1℃/分で記録し、10%変化のための温度を読み取った。
膨潤:膨潤を測定するために、引張試験のために使用されるようなダンベル形状の試験検体を、100℃で72h又は168h、IRM903又はFuel CにおいてDIN ISO 1817に従って貯蔵した。その後、サンプルを測定し、秤量し、体積膨潤と質量の増加とを測定した。その後、引張強さ及び伸びをASTM D2240−81に従って測定した。
下の表に示される省略形は、以下の意味を有する:
「RT」 室温(23±2℃)
「Smin」は、架橋等温線の最小トルクである
「Smax」は、架橋等温線の最大トルクである
「デルタS」は、「Smax−Smin」である
「TS1」は、出発点と比べて、ムーニー粘度最小が達成された後にムーニー粘度が1単位だけ増加した時間である
「TS2」は、出発点と比べて、ムーニー粘度最小が達成された後にムーニー粘度が2単位だけ増加した時間である
「t50」は、Smaxの50%が達成された時間である
「t90」は、Smaxの90%が達成された時間である
「t95」は、Smaxの95%が達成された時間である
「M10」 RTで測定される、10%伸び率での弾性率
「M25」 RTで測定される、25%伸びでの弾性率
「M50」 RTで測定される、50%伸びでの弾性率
「M100」 RTで測定される、100%伸びでの弾性率
「M300」 RTで測定される、300%伸びでの弾性率
「EB」 RTで測定される、破断点伸び
「TS」 RTで測定される、引張強さ
「H」 RTで測定される、硬度
以下の物質を実施例において使用した:
化学物質は、その都度明記される会社製の市販製品として購入したか、又は明記される会社の生産プラントに由来する。
重合用:
ACN アクリロニトリル、CAS 107−13−1
BD 1,3−ブタジエン、CAS 106−99−0
BA ブチルアクリレート、CAS 141−32−2
PEG−2−MA ブトキシジエチレングリコールメタクリレート(BDGMA)、CAS 7328−22−5
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) CAS 151−21−3
不均化樹脂酸のNa塩 CAS 61790−51−0
脂肪酸 CAS 67701−08−8
NaCO CAS 24551−51−7
t−DDM 第3ドデシルメルカプタン;LANXESS Deutschland GmbH
Glidox(登録商標)500 ピナンヒドロペルオキシド;Renessenz
「予混合溶液Fe(II)SO」は、400gの水中に0.986gのFe(II)SO 7HO及び2.0gのRongalit(登録商標)Cを含有する
Rongalit C(登録商標) スルフィン酸誘導体のナトリウム塩;BASF製の市販製品
ジエチルヒドロキシルアミン CAS 3710−84−7
Vulkanox(登録商標)BKF 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール);LANXESS Deutschland GmbH
加硫性組成物に使用する物質:
NBR 5 PERBUNAN(登録商標)2255VP、22.1重量%のACN;ムーニー粘度 55Mu
NBR 6 PERBUNAN(登録商標)2845 F、28.2重量%のACN;ムーニー粘度 43Mu
NBR 7 PERBUNAN(登録商標)3445 F、34.2重量%のACN;ムーニー粘度 43Mu
Corax(登録商標)N550/30 カーボンブラック;Orion Engineered Carbons
REGAL(登録商標)SRF/N772 カーボンブラック;Cabot
VULKANOL(登録商標)OT 2,2’−チオビス(エタノール)入り2−[2−(ブトキシエトキシ)エトキシ]エタノール(LANXESS)
EDENOR(登録商標)C18−98 MY ステアリン酸(Oleo Solutions Ltd.)
VULKANOX(登録商標)HS/LG 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(LANXESS)
VULKANOX(登録商標)MB2/MG 4/5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール(LANXESS)
RHENOCURE(登録商標)IS 90−20 90:10の比率での不溶性/可溶性硫黄+20%鉱油(LANXESS)
ZINKOXYD AKTIV ZnO(LANXESS)
VULKACIT(登録商標)NZ/EGC N−tert−ブチルベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)(LANXESS)
VULKACIT(登録商標)THIURAM/C テトラメチルチウラムジスルフィド(LANXESS)
VULKALENT(登録商標)E/C N−フェニル−N−(トリクロロメチルスルフェニル)ベンゼンスルホンアミド(LANXESS)
安定剤 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニル)フェノール(CAS 7786−17−6)とスチレン化ジフェニルアミン(CAS 68442−68−2)との混合物
I 非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー(NBR−カルボン酸エステル1〜4)の調製
以下の実施例シリーズに使用するNBR−カルボン酸エステルコポリマー1〜4を、表1(表中、全ての原材料は、モノマー混合物の100重量%を基準とする重量%単位で明記される)に明記する基礎処方に従って調製した。表1は、特定の重合条件(温度、転化率及び時間)も示す。
Figure 2021507078
Figure 2021507078
ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを、攪拌機系を備えた5Lオートクレーブにおいて回分式に調製した。オートクレーブ回分のそれぞれにおいて、1.25kgのモノマー混合物及び全量2.1kgの水並びにFe(II)基準で当量のEDTAを使用した。水量のうちの1.9kgを最初にオートクレーブに乳化剤とともに装入し、窒素流でパージした。その後、不安定化モノマー、及び表に明記した量のt−DDM分子量調整剤を添加し、反応器を閉じた。反応器内容物をある温度にした後、予混合溶液及びヒドロペルオキシドの添加によって重合を開始させた。
重合の進行を重量転化率測定によって監視した。表1に報告した転化率の達成時に、ジエチルヒドロキシルアミンの水溶液を添加することによって重合を停止させた。未転化モノマー及び他の揮発性成分を水蒸気蒸留によって除去した。
それぞれのNBRラテックスを凝固させる前に、それを、Vulkanox(登録商標)BKF(NBR固形分基準で0.1重量%のVulkanox(登録商標)BKF)の45%分散系、又は安定剤混合物(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニル)フェノール(CAS 7786−17−6)及びスチレン化ジフェニルアミン(CAS 68442−68−2)、NBR固形分基準で0.5重量%)の45%分散系と、いずれの場合でも混合した。これに続いて、CaClでの凝固、得られたくずの洗浄及び乾燥を行った。
乾燥NBRゴムを、ムーニー粘度、ACN含有量及びガラス転移温度で特徴づけ、ターモノマーの含有量をH−NMR分析によって測定した(表3)。
Figure 2021507078
II ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー(NBR V1〜V7)の加硫物の製造:
加硫性組成物の製造:
ゴム混合物の全てを混合ロールミルで製造した。ロールの直径は80mm、長さは200mmであった。ロールを30℃に予熱し;フロントロールの速度は16.5rpm、リアロールの速度は20rpmであり、それにより、1:1.2の摩擦が達成された。
ゴムを最初に装入し、平滑なミルドシートが形成されるまで1分間混合した。その後、先ずカーボンブラック、次に添加剤、最後に架橋化学物質を組み入れた。全混合時間は、10〜12分であった。
Figure 2021507078
Figure 2021507078
本発明の加硫物V2の架橋特性は、ブチルアクリレート含有NBRコポリマー(V3及びV4)並びに市販のNBRコポリマー(V5〜V7)に匹敵した。
更なる測定の実行のための成形品(厚さ2mmのシート)を、160℃で15分間の加硫によって製造した。
Figure 2021507078
V1とV2との比較並びにV5とV6及びV7との比較は、加硫物のTgがACNの含有量の低下とともに低下することを示す。
V2とV5との比較において、ほぼ同じ量のACNでの、BDのBDGMAとの交換によって、匹敵するTR10及びDSC値がもたらされることを理解することができる。
V1は、本発明の加硫物V2よりも低いTgを有する。
Figure 2021507078
本発明のニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー加硫物V2は、比較加硫物V1又は22重量%〜28重量%の類似のアクリロニトリルモノマー含有量のコポリマーV5及びV6と比べて、3日間のIRM903における老化後に減少した膨潤(体積の増加)を有する。
ターモノマーとしてのBDGMAを有する本発明の加硫物V2は、−40℃未満の低いガラス転移温度(TR10又はDSC Tg)と、同時に油中での低い膨潤との両方を有する。
Figure 2021507078
本発明の加硫物V2は、比較加硫物V1、又は22重量%〜28重量%の類似のアクリロニトリルモノマー含有量の比較加硫物V5及びV6と比べて、7日間のIRM903における老化後に減少した膨潤(体積の増加)を有する。
Figure 2021507078
本発明の加硫物V2は、同様に、比較加硫物VI、又は22重量%〜28重量%の類似のアクリロニトリルモノマー含有量の比較加硫物V5及びV6と比べて、3日間のFuel Cにおける老化後に減少した膨潤を有する。
ブチルアクリレート(BA)をベースとするターポリマーを含有する加硫物V3及びV4は、本発明の加硫物V2のように低いガラス転移温度及び老化時に膨潤の小さい変化を同時に有することができない。
それらの両方が類似量のアクリロニトリルモノマーを有する、V1とV3との比較は、V3におけるブチルアクリレートターモノマーのPEG−2−MA(BDGMA)との交換によって、体積の変化(膨潤)の明らかな減少がもたらされることを示す。
本発明のターポリマーV2の膨潤特性は、コポリマーV7のそれらに類似しているが、V7は、はるかにより多くのアクリロニトリル(すなわち、V2におけるたったの25重量%と比べて34重量%)を含有する。しかし、V7と比べると、本発明の加硫物V2のガラス転移温度は、はるかにより低い。
V1とV2との比較により、少量のニトリルモノマー単位を有するターポリマーだけをベースとする加硫物が、特に低い膨潤をも同時に達成するのに不十分であることが明らかである。
本発明の加硫物V2の機械的特性は、市販のコポリマーV5〜V7をベースとする加硫物と比べて本質的に悪化していない。
本発明の特定の利点は、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする加硫物が、低い膨潤と同時に良好な低温可撓性を有することである。
これらの特性の組み合わせの観点から、本発明によるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーは、今まで商業的に入手可能であるか又は先行技術から公知であるニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーよりも優れている。

Claims (10)

  1. (a)15重量%〜40重量%の少なくとも1つのα,β−エチレン性不飽和ニトリル単位と、
    (b)30重量%〜65重量%の少なくとも1つの共役ジエン単位と、
    (c)20重量%〜30重量%の少なくとも1つのPEGアクリレート単位(c)と
    を有する非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーであって、
    前記PEGアクリレート単位(c)が、2個の繰り返しエチレングリコール単位を有するブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートであることを特徴とする、非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー。
  2. 前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単位(a)が、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、又はそれらの混合物、好ましくはアクリロニトリルに由来することを特徴とする、請求項1に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー。
  3. 前記共役ジエン単位(b)が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、又はそれらの混合物、好ましくは1,3−ブタジエンに由来することを特徴とする、請求項1又は2に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー。
  4. 15重量%〜40重量%のアクリロニトリル単位と、30重量%〜65重量%の1,3−ブタジエン単位と、20重量%〜30重量%のブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート単位とを含有するものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマー。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーと、少なくとも1種の架橋剤とを含有する、加硫性組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーを、少なくとも1種の架橋剤と混合することによる、請求項5に記載の加硫性組成物の製造方法。
  7. 請求項5に記載の加硫性組成物を、好ましくは造形プロセスにおいて、及び更に好ましくは100℃〜250℃の範囲の温度で、より好ましくは120℃〜250℃、最も好ましくは130℃〜250℃の範囲の温度で、加硫にかけることを特徴とする、非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする、好ましくは成形品の形態の、加硫物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の方法によって得られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーをベースとする、加硫物。
  9. ベルト、ガスケット及びガスケット異形材、ローラー、膜、履物構成部品、ホース、減衰要素、絶縁材、固定子、並びにケーブルシース、好ましくはホース及びガスケットからなる群から好ましくは選択される成形品であることを特徴とする、請求項8に記載の加硫物。
  10. 成形品の製造のための、好ましくは、ベルト、ガスケット及びガスケット異形材、ローラー、膜、履物構成部品、ホース、減衰要素、絶縁材、固定子、並びにケーブルシース、好ましくはホース及びガスケット、より好ましくはベルト、ホース及びガスケットからなる群から選択される成形品の製造のための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水素化ニトリル−ジエン−カルボン酸エステルコポリマーの使用。
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