JP2021506689A - ピストン、カートリッジ及びカートリッジから空気抜きする方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、第１構成要素としてのピストン・カバーと、第２構成要素としてのピストン・ボディとを備えるカートリッジ用二構成要素ピストンに関し、ピストンは、第１の側と、第２の側とを有し、ピストン・カバーの後方側は、ピストン・ボディの少なくとも一部分に隣接して配置され、ピストン・カバーの前方側は、第１の側に配置され、ピストン・カバーの後方側は、バルブ部材を、特にバルブ・ピンを備え、バルブ部材は、ピストン・ボディの中に受け入れられ、第２の側に向かってピストン・ボディの中に延びるように構成及び配置され、ピストン・カバーは、バルブ部材の作動時にピストン・ボディに対して移動されるように構成され、ピストン・カバーは、ピストン・ボディに解放不可能に接続される。本発明はさらに、そのようなピストンを備えるカートリッジ、及びカートリッジの空気抜きする方法にも関する。

Description

本発明は、カートリッジ用のピストン、カートリッジ及びカートリッジから空気抜き（エア抜き）する方法に関する。

カートリッジからマス（ｍａｓｓ）を分配するための多種多様な手法が従来技術において知られている。マスはいわゆる一成分マスであり、これは、ＵＶ光若しくは熱などの外部エネルギー源により、又は適用位置の周囲に存在する例えば湿気などにより引き起こされる化学反応によって、例えば硬化する単一成分材料を意味する。一成分材料の典型的な応用例は、例えば歯科の分野で、又は例として窓とコンクリート要素などの製品とを接合するため、若しくは異なる構成要素の間にシールを提供するために建築工業で、見ることができる。

別の既知の種類のマスは多成分マスである。分配される材料は、通常、マトリックス材料及び硬化剤である。充填済みカートリッジは、各数字が、分配されることになる２つの材料の各々の量の比を表す、１：１、２：１、４：１、及び１０：１などとして示される多様な比で提供される。これらの多様な比の目的は、多種多様な異なる構成物を混合して分配するのを可能にすることである。例えば、一部の構成物はより多くの硬化剤を必要とし、一部の構成物はより少ない硬化剤を必要とする。また、一部の構成物はより多くの混合を必要とする。カートリッジから出るときに構成物を混合するように適合される混合先端部が従来技術から知られている。

二成分材料は、通常、例えば歯科印象の形成における印象材として、補綴修復のためのセメント材料として、試適用合着修復のための又は合着仮歯のための仮着用セメントとして、歯科の分野で使用される。建設工業には二成分材料の別の用途があり、ここでは、二成分材料が、例えば、経時的に腐食する機械継手の代用品として使用される。窓とコンクリート要素などとの製品を接合するのに接着接合が利用され得る。例えば、湿気バリア、腐食防止、及びすべり止めコーティングの形態で、保護コーティングとして多成分材料を使用することはますます一般的になりつつある。使用され得る流動性材料の例は、例えば、商品名ＡＦＦＩＮＩＳ（登録商標）を使用するＣｏｌｔｅｎｅ社、又は商品名ＰｅｒｍａＣｅｍを使用するＤＭＧ社により流通されている。一成分材料及び多成分材料は非常に高価であることが多いことから、カートリッジ及び材料が、１回使用のためだけではなく、例えば数日、数週間、又はさらには数ヶ月といったような長い期間にわたって複数回使用され得るように設計される場合に特に、これらの材料の保管寿命を延ばすことが所望される。

成分の保管時間を延ばすことを目的として、充填されるカートリッジは、中に保管されるマスと反応しない材料から作られる必要がある。また、カートリッジはクリーンである必要があり、つまりカートリッジは、特に単一成分マスの保管に関連する場合、水残留物などを一切含むべきではない。カートリッジを充填するとき、カートリッジは通常、既にカートリッジ内に配置されたピストンを用いて、カートリッジの出口を介して充填され、又はカートリッジは、ピストンの据え付けの前にピストンを通常受け入れるところである端部から充填される。いずれの場合も、空気が、ピストンと、中に保管される材料との間に捕捉される可能性がある。この空気はカートリッジ内に存在する材料の反応を引き起こし、それによってカートリッジ内に存在する材料の保管寿命を短縮する可能性がある。

また、ピストン・ボディから分離されるピストン・カバーを備える二構成要素ピストンの製造時、ピストンを使用するときに問題に直面する場合がある。

これらの問題のうちの一部はピストン・カバーがピストン・ボディに不十分に取り付けられることを原因として生じ、これによりピストン・カバーとピストン・ボディとの間の密閉が不十分となる。密閉が不十分であると、空気がカートリッジの中に達するのを可能にし、それによってカートリッジの中で保管される成分の寿命を短縮する可能性がある。

バルブ・ピンが正確に動作しない場合、充填後にピストン・カバーの領域内でカートリッジの中に存在する残留空気は充填済みカートリッジから正確に放出できない。この残留空気も、カートリッジの中に保管される成分の寿命を短縮する可能性がある。

上記を考慮して、本発明の目的は、ひとたび特定の成分で充填された後、カートリッジの保管寿命を改善するのを促進するピストンを提供することである。本発明の別の目的は、存在する空気の、カートリッジからの放出を促進するピストンを提供することである。本発明の別の目的は、ピストン・カバーのピストン・バルブへの取り付けを改善することである。

この目的は、請求項１に記載のピストンによって満たされる。

そのような二構成要素ピストンは、カートリッジ内で使用するために設計されており、第１構成要素としてのピストン・カバーと、第２構成要素としてのピストン・ボディとを備え、ピストンは、第１の側と、第２の側とを有し、ピストン・カバーの後方側は、ピストン・ボディの少なくとも一部分に隣接して配置され、ピストン・カバーの前方側は、第１の側に配置され、ピストン・カバーの後方側は、バルブ部材、特にバルブ・ピンを備え、バルブ部材は、ピストン・ボディの中に受け入れられて第２の側に向かってピストン・ボディの中に延在するように構成及び配置されており、ピストン・カバーは、バルブ部材の作動時にピストン・ボディに対して移動されるように構成されており、ピストン・カバーは、ピストン・ボディに解放（取り外し）不可能に接続されており、解放不可能な接続は、ピストン・カバーの取り付け部分を通って延在するピストン・ボディの一部分によって形成される。

ピストン・カバーの取り付け部分を通って突出するようにピストン・ボディの一部分を形成することにより、ピストン・カバーとピストン・ボディとの間の接続を改善することが達成され、それによりピストン・ボディのところにピストン・カバーを正確に取り付けることが保証される。

解放不可能な接続のデザインにより、ピストン・ボディに対してピストン・カバーを取り付けることが改善され、ピストン・ボディのところにピストン・カバーを取り付けることに関連する問題が回避され得る。

このようにして、ピストンが利用可能となり、それにより、カートリッジの中で保管される成分の保管寿命がさらに改善され得る。

二構成要素ピストンが有利に使用される。その理由は、一方で、第１の側と充填済みカートリッジの中に保存される材料との間においてピストンの第１の側のところに存在する空気の放出が可能となるからである。

一方で、ピストン・ボディ及びピストン・カバーが異なる材料から形成され得、その結果、ピストン・ボディ及びピストン・カバーが各構成要素の固有の使用に合うように調整され得る。例えば、ピストン・カバーは、ピストン・ボディの材料より硬い、且つカートリッジの中に保管される成分と反応しにくい材料から作られ得る。これはピストンの寿命を延ばすことができ、したがってピストンの中に保管される成分の保管寿命を延ばすことができる。同時に、例えばシーリング・リップを備えるピストン・ボディがＰＥ（ポリエチレン）などの柔らかい材料から作られ得、それにより、使用される材料のおかげでピストンとカートリッジ壁との間の密閉が高い信頼性で保証される。

好適には、ピストン・カバーは、ピストン・カバーとピストン・ボディとの間の解放不可能な接続のために少なくとも２つの取り付け部分を備え、ピストン・ボディは、各々がそれぞれ、少なくとも２つの取り付け部分のそれぞれ一方を通って延在する少なくとも２つの部分を備える。２つ以上の取り付け部分を形成することは、ピストン・ボディのところにピストン・カバーをより均一に取り付けることを保証する。ピストン・ボディのところにピストン・カバーをこのようにより均一に取り付けることは、充填済みカートリッジから空気抜きする間、ピストン・カバーをピストン・ボディからより均一に持ち上げることを保証し、よって存在する空気のカートリッジからの放出を促進させる。

少なくとも２つの取り付け部分は、これらが互いに向き合うように配置される場合が好適である。このようにして、２つ以上の取り付け部分は、互いに対して対称的に配置される。２つの取り付け部分が設けられた場合、これらは互いに反対側に配置される。

有利には、取り付け部分は、ピストン・カバーから少なくとも全体的に第２の側の方向に突出する。ピストン・カバーから突出するように取り付け部分を形成することによって、取り付け部分は、ピストンの使用中にピストン・カバーに干渉しない。

好適には、取り付け部分は、アパーチャを備え、好適にはアパーチャは少なくとも概ね長方形の形状を有する。アパーチャの使用は、ピストン・ボディの一部分が、ピストン・カバーの中を通って延在することを可能にし、これによりピストン・カバーのピストン・ボディへの取り付けを促進する。

取り付け部分を通って延在するピストン・ボディの一部分は、アパーチャの内部空間を少なくともほぼ完全に埋める場合が好適である。取り付け部分を通って延在する延在するピストン・ボディの一部分がアパーチャの内部空間を完全に埋めるように形成することによって、取り付け部分とその中を通って延在するピストン・ボディの一部分との間に存在する隙間の大きさが有意に削減され、より厳重な取り付けを保証し、よって２つの構成要素間の遊びが小さくなることを保証し、これによって、ピストン・ボディのところでのピストン・カバーの取り付けをさらに改善する。

有利には、取り付け部分は、ピストン・ボディの中に少なくとも部分的に、好適には完全に受け入れられる。取り付け部分をピストン・ボディ内に受け入れられるように形成することは、ピストンの使用中に取り付け部分がピストン・カバーの前方側と干渉しないことを意味する。

好適には、取り付け部分を通って延在するピストン・ボディの一部分と、ピストン・ボディの残りの部分は、好適には射出成形プロセスで一体に形成される。射出成形プロセスは、コスト効率が高く、小さい部品を大量生産するのに適している。

取り付け部分と、ピストン・カバーは、好適には射出成形プロセスで一体に形成される場合が好適である。取り付け部分と、ピストン・カバーとを一体に形成することは、カートリッジ内で成分を保管する間、使用時のこれらの部品の機能を可能にし、且つ充填処置中のカートリッジからの空気の放出を可能にするのに十分な接続がこれらの部品の間に存在することを保証する。

有利には、取り付け部分を通って延在するピストン・ボディの一部分と、ピストン・ボディの残りの部分は、取り付け部分の周りに、及びこれに隣接して、且つピストン・カバーの残りの部分に隣接して一体に形成される。これにより、取り付け部分の全体が、ピストン・ボディによって係合され、ピストン・ボディと取り付け部分との間の接続を改善する。

好適には、取り付け部分を通って延在するピストン・ボディの一部分は、取り付け部分を通って延在する材料のウェブによって形成され、材料のウェブは、ピストン・ボディの２つのセクションに解放不可能に接続されており、任意選択で、ピストン・ボディの２つのセクションは、取り付け部分の両側に配置されており、好適には、材料のウェブは、ピストン・ボディと同じ材料から形成される。このような設計のタイプは、製造するのが容易であり、使用時に効果的である、解放不可能な接続のコンパクトな実現を保証する。

ピストン・ボディは、第１の側に環状溝を備え、ピストン・カバーは、環状溝の中に、且つ環状溝の基部まで延在し、取り付け部分は、環状溝の基部から、ピストン・ボディの中へと突出する場合が好適である。環状溝を備えるピストンは、そのような溝を持たないピストンと比べて改善された手法で空気抜きすることができる。溝の基部のところに存在し、溝の基部のところでピストン・カバーから離れて突出するように取り付け部分を設けることによって、取り付け部分が、使用時にピストン・カバーと干渉しないことを保証する。

有利には、ピストン・ボディの環状溝の基部は、取り付け部分の少なくとも一部分が受け入れられる凹部を備える。これは、ピストンとピストン・カバーとの間の取り付けを保証するのみならず、これらの構成要素間の好適な空気の放出も可能にするピストンの有益な設計である。

好適には、ピストン・カバーは、中央領域と、側方部分とを備え、側方部分は、中央領域から、少なくとも概ね第２の側の方向に、及び好適には環状溝の中に、且つ環状溝の基部まで延在しており、側方部分の前方側は、少なくとも１つの凹部を備え、好適には前方側に波形状の表面を有する。

凹部を有するピストン・カバーを提供すると、側方部分の領域におけるそれぞれ波形状の表面は、ピストン・カバーの取り扱いを改善することを保証し、一方、これは、ピストン・ボディの製造時にピストン・ボディのための金型の一部分として使用される。

本発明の別の態様において、これは、本明細書に提示される教示による、出口と、少なくとも１つのチャンバと、少なくとも１つのピストンとを備えるカートリッジに関し、１つのピストンが、各チャンバ内に配置され、カートリッジは好適には、少なくとも１つのチャンバの各々に配置されたそれぞれの流動性マスをさらに備える。ピストンに関連して上記で考察した利点は、カートリッジに関しても同様に当てはまる。

カートリッジが少なくとも１つのチャンバの各々の中に配置されるそれぞれの流動性マスを備える場合が好適である。一般的な分配システムは、２．５ｍｌ、５ｍｌ、１０ｍｌ、２０ｍｌ、５０ｍｌ及び１００ｍｌ、２００ｍｌ、４００ｍｌ、５００ｍｌ、１５００ｍｌ、並びに２５００ｍｌを含めたボリューム範囲から選択される流動性マスのためのボリューム（容積部分）を有し、このボリュームはカートリッジの両方のチャンバのために組み合わされるボリュームである。したがって、好適な実施例では、分配システムが１から２５００ｍｌの、より好適には１から５００ｍｌの、範囲内のボリュームを有する。

本発明の別の態様では、これは、本発明に提示される教示による、カートリッジから空気抜きする方法に関し、この方法は、
− ピストンをカートリッジ内に配置するステップと、
− バルブ部材を作動させるステップと、
− バルブ部材を介して、ピストン・カバーとピストン・ボディとの間でピストン・カバーの第１の側の近傍でチャンバ内に存在する空気の放出を行うステップと
を含む。

上記に挙げた方法を用いてカートリッジから空気抜きすることで、チャンバ内に存在する成分のより長い保管寿命を保証するために、チャンバ内に存在する成分とピストンとの間でカートリッジのチャンバ内に存在する空気を取り除くことができることを保証することができる。

媒体側の近傍でチャンバ内に存在する空気、とりわけ凹形形状の中央領域の領域内に存在する空気の放出はまた、別の通気手段を介して行われる場合がさらに好適である。

以下で、図面を参照して実施例により本発明を詳細に説明する。

カートリッジの実施例の構成要素を示す分解図である。 カートリッジの別の実施例の構成要素を示す別の分解図である。 ピストンの実施例を示す図である。 図３のピストンを示す断面図である。 ピストン・カバーを示す第１の側面図である。 図５ａのピストン・カバーを示す第２の側面図である。 図５ａのピストン・カバーを示す上面図である。 射出成形ツールの第１の金型を示す概略断面図である。 射出成形ツールの第２の金型を示す概略断面図である。 ピストン・カバーの別のタイプの概略図である。 断面線Ａ−Ａに沿った図７ａのピストン・カバーの断面図である。 ピストンの底端部の斜視図である。 ピストン・カバーの別のタイプの概略図である。

以下、同じ又は同様の機能を有する構成は、同じ参照符号を使用して説明する。また、特に明記しない限り、一実施例で使用される参照符号に関連して与えられる説明が他の実施例に関連する同じ参照符号にも適用される。

図１はカートリッジ１０の第１の実施例を示す。カートリッジ１０は、出口１２と、２つのチャンバ１４ａ、１４ｂと、２つのピストン１６ａ、１６ｂとを備える。カートリッジ１０の出口１２がキャップ機構１８の使用により密閉される。キャップ機構１８は、密閉プラグ２４に係合されるスナップリング２２によってカートリッジ１０に固定されるキャップ２０を備える。出口１２は密閉プラグ２４の使用により密閉される。図１に示されるカートリッジ１０はいわゆる１：１のカートリッジ１０である。

図２はカートリッジ１０の別の実施例を示す。図１の実施例とは異なり、図２のカートリッジ１０はいわゆる４：１のカートリッジ１０を示す。これは、第１のチャンバ１４ｂの中で保管され得る材料Ｍのボリュームが、第２のチャンバ１４ａの中で保管され得る材料Ｍ’のボリュームの４倍であることを意味する。図１及び図２のカートリッジ１０の間の別の違いはクロージャ・キャップ２６である。図２のクロージャ・キャップ２６は、当技術分野でよく知られているいわゆるバヨネット手段又はデバイス２７によってカートリッジ１０のところで固定される。他の種類のクロージャ・キャップ（図示せず）も出口１２をカートリッジ１０から密閉するのに使用され得る。

カートリッジ１０の特定の使用に応じて、及び／又は上記カートリッジ１０を使用して分配されることになる材料に応じて、クロージャ・キャップ２６、キャップ機構１８、並びに図１及び図２に示されるカートリッジ１０の比は任意に組み合わされ得る。図２のカートリッジのチャンバ１４ａ、１４ｂのボリュームが異なることから、外径、つまりチャンバ１４ａ、１４ｂ内で採用されるピストン１６ａ、１６ｂのサイズは、図２から明らかなように、やはり異なっている。

図３はピストン１６の概略図を示す。ピストン１６は、概略円筒形状のピストン・ボディ２８及びピストン・カバー３０を備える。ピストン・カバー３０がピストン１６の第１の側３２の少なくともかなりの部分を覆う。ピストン・ボディ２８が、第１の側３２のところで円周方向に延在する面取りリップ３４ａの形態のセンタリング部分３４をさらに備える。リップ３４ａが、通気手段３６ａとして、中に設けられる３つの通気スロット３６を有し、それにより、ピストン１６がカートリッジ１０の中に据え付けられて通気プロセスが実行されると、リップ３４ａとカートリッジ（図示せず）のチャンバ壁との間に存在する空気を抜くことを可能にする。

密閉リップ３８は密閉手段３８ａとして面取りリップ３４ａの下に配置される。密閉リップ３８は、空気などが密閉リップ３８を介してカートリッジ１０に入るのを、又はカートリッジ１０から出るのを防止するために、カートリッジ１０とピストン１６との間の密閉を保証するように設けられる。見ることができるように、密閉リップ３８はセンタリング部分３４に隣接する。

さらに、通気スロット３６の境界部は、好適には、センタリング部分３４に隣接する密閉リップ３８の境界部に直接に隣接する。これにより、センタリング・リップ３４とカートリッジ壁との間の空間から高い信頼性で空気抜きすることを可能にするように通気手段３６ａが配置されることが保証される。示される図では、通気スロット３６は、その断面が概略Ｕ形の谷の形態を有する。一般的に言うと、Ｖ形の谷、又はセンタリング部分を通って延在する単純な貫通孔などの任意の他の種類の形状が、通気スロット３６に選択され得る。

ピストン１６をカートリッジ１０の中に挿入するとき、センタリング部分３４は、ピストン１６をカートリッジの中に挿入するときにダメージから密閉リップ３８を保護するためのセンタリング補助装置として機能し、ひいては漏洩を回避するのを補助することに加えて、スクレーパとしても機能し、それによりカートリッジ壁に近いエリアからカートリッジ壁のところに存在する材料及び任意の粒子を掃除するのを補助する（当然、これは、材料が粒子を含む場合のみである）。

これに関連して、ピストン・カバー３０は、通常、ピストン・ボディ２８の材料とは異なる材料から作られる。ピストン・カバー３０の材料には、例えばＰＥ又はＰＢＴが含まれてよく；ピストン・ボディ２８の材料には、例えばＰＡ（ポリアミド）又はＨＤＰＥが含まれてよい。二構成要素ピストン１６の好適な実施例では、ピストン・カバー３０がＰＢＴを備え、ピストン・ボディ２８がＨＤＰＥを備える。

ピストン・カバー３０は、プレートの形状を有するとみなされ得る凹形形状の中央領域４２を有する。ピストン・カバーの中央領域４２はクラウン７４を備える。

通気溝（図示せず）がピストン・カバー３０の前方側５０のところに設けられ得、それにより、凹形形状の中央領域４２から空気を取り除くことを促進する。この通気溝はピストン・カバー３０の中央領域４２から延在してよく、さらに、ピストン・カバー３０の円周部延在側方部分４４に沿って下方に突出してピストン・ボディ２８の中に形成される溝４６の中に入る。通気溝は側方部分４４の全高にわたって溝４６の中へ延在する。

図４は、ピストン１６の長手方向軸Ａに一致する図３の断面線Ａ−Ａに沿う、図３のピストン１６を通る断面を示す。ピストン・カバー３０はピストン・ボディ２８の周縁部延在溝４６の中へ延在する。さらに、ピストン・カバー３０は、第１の側３２のところにある前方側５０、及び後方側４８を有する。後方側４８は、ピストン・ボディ２８の第１の側３２の形状のかなりの部分に対して相補的である形状を有する。ピストン・カバー３０は、ピストン・カバー３０とピストン・ボディ２８との間に配置されるバルブ５４の一部分を形成するいわゆるバルブ・ピン５２をさらに有する。バルブ・ピン５２の中心はピストン１６の長手方向軸Ａに一致する。第１の側３２のところに、ピストン・ボディ２８は、頂端部４０’を有する内側壁３３と、外側表面４０と、バルブ表面４０”とを備える。ピストン１６の非通気状態において、ピストン・カバー３０の後方側４８の一部分は内側壁３３のところで支持されている。

ピストン１６をカートリッジ１０の中に備え付けたとき、バルブ・ピン５２が作動させられ得る。それにより、ピストン・カバー３０が持ち上げられてピストン・ボディ２８から離され、通気チャンネル（図示せず）の中に、ひいてはピストン・カバー３０の後方側５０とピストン・ボディ２８の壁３３との間に、つまり、ピストン・カバーと、頂端部４０’、外側表面４０及びバルブ表面４０”との間に空気の流れが存在することを可能にする。これにより、ピストン１６の第１の側３２のところに存在する残留物を、バルブ５４を介してピストン・カバーの前方側５０から放出するのを可能にする。

バルブ・ピン５２を第２の側６８から作動させたとき、バルブ・ピン５２は長手方向軸Ａに沿ってピストン・カバー３０の方向に移動させられ、それにより凹形形状の中央領域４２を曲げてより浅い凹形にするか、一部の事例ではさらに凸形にする。それにより、頂端部４０’、外側表面４０、さらにはバルブ表面４０”の領域において、ピストン・カバー３０の後方側５０とピストン・ボディ２８との間に放出チャンネル（図示せず）を形成する。

バルブ・ピン５２の選択される長さが大きいと、ピストン・カバー３０はピストン・ボディ２８からさらに持ち上げられ得る。それにより、ピストン１６を介してカートリッジ１０から放出されることになる空気のために設けられる放出チャンネルの空間が拡大される。図に示されるバルブ・ピン５２を使用するのではなく、中空円筒部材（図示せず）などの他の形態のバルブ部材５２’が使用され得る。バルブ部材５２’は２つの機能を有し、すなわち、放出のためのプランジャと協働すること、及びバルブ５４を形成するためにピストン・ボディのバブル表面４０”と協働することである。

ピストン１６は、周縁部を延在する外側壁５７によって形成される外側周縁表面５６を有し、環状溝４６は外側壁５７と内側壁３３との間に形成される。

図４の外側周縁表面５６又は外側壁５７が実質的に円筒形の外形を有し、第１の側３２のところに面取りセンタリング・リップ３４を有する。ピストン１６の第１の側３２から第２の側６８まで外側周縁表面５６の外面形状に従って、ピストン・ボディ２８が、センタリング・リップ３４と、密閉リップ３８と、第１の凹部５８と、第２の側６８のところに形成される安定化突出部６０とを備える。第１の凹部５８が密閉リップ３８と安定化突出部６０との間に配置される。

安定化突出部６０がピストン１６のところに設けられ、それにより、分配アクション中にカートリッジ壁に沿ってピストン１６が移動するときにピストン１６を安定させる。これにより、可能な限り一様な形でピストン１６がカートリッジ壁に沿って移動することが保証される。

ピストン１６の第２の側６８が中央凹部７０をさらに備え、その中に、プランジャ（図示せず）が導入され得、それによりバルブ・ピン５２を作動させる。第２の側６８は、出口１２を介してカートリッジ１０内に存在する材料Ｍ、Ｍ’を分配するためにカートリッジ内でピストン１６を移動させるようにさらに作動され得る。

プランジャは、分配アクション中にバルブ５４に係合されないように設計される。その理由は、そうしないと、分配中、カートリッジ１０の中に存在する成分が中央凹部７０を介してカートリッジ１０から漏洩する可能性があるからである。

ピストン・ボディ２８は、外側周縁表面５６のところに配置されるＯリング（図示せず）を備えることができる。このような密閉Ｏリングは、有利には、１つの用途のみで使用されるのではなく時間を分けて多くの用途で利用されるカートリッジの連続的な密閉を保証するのに使用される。

ピストン・カバー３０はピストン・ボディ２８に解放不可能に接続される。解放不可能な接続は、ピストン・カバー３０の取り付け部分６４を通って延在するピストン・ボディ２８の一部分６２によって形成される。ピストン・カバー３０は、ピストン・カバー３０とピストン・ボディ２８との間での解放不可能な接続のための少なくとも２つの取り付け部分６４を備える。ピストン・ボディ２８は、それぞれの取り付け部分６４を通って各々が延在する２つの部分６２を備える。取り付け部分６４は、長手方向軸Ａの両側で互いに向き合うように配置される。取り付け部分６４は、少なくとも概略的には、第２の側６８の方向に、ピストン・カバー３０から突出する。

各取り付け部分６４はアパーチャ６４’（図５ａから５ｃも参照）を備え、取り付け部分６４を通って延在するピストン・ボディ２８の部分６２は、少なくとも実質的に完全に、アパーチャ６４’の内部空間を埋める。

本実例では、取り付け部分６４を通って延在するピストン・ボディ２８の部分６２が、取り付け部分６４を通って延在する材料のウェブ６２’によって形成される。材料のウェブは、取り付け部分６４の両側に配置されるピストン・ボディ２８の２つのセクションに解放不可能に接続される。ウェブ６２’はピストン・ボディと同じ材料から形成される。同様に、取り付け部分６４はピストン・カバー３０と同じ材料から形成される。

取り付け部分６４はピストン・カバーと一体に形成され、ピストン・ボディ２８の溝４６の基部６６の領域のところでピストン・カバー３０から第２の側６８の方向に突出する。取り付け部分６４はピストン・ボディの中で完全に受けられる。この目的のために、溝４６の基部６６が取り付け部分凹部６５を備える。ピストン・ボディ２８は取り付け部分６４の周りでピストン・カバー３０に隣接するように形成される。

図４は、ピストン・カバー３０の後方側４８に配置された環状突起１００をさらに示す。環状突起１００は、ピストン・ボディ２８の頂端部４０’に配置された凹部１０２へと突出する。環状突起１００は、バルブ部材５２’の作動時の整列部材の一種として凹部１０２と協働する。整列部材は言い換えれば、バルブ部材５２’における圧力の解放時、すなわちピストン・カバー３０がピストン・ボディ２８の方に戻るように長手方向軸Ａに沿って移動される際、ピストン・カバー３０がピストン・ボディ２８と正確に整列することで、頂端部４０’と後方側４８との間に隙間が存在しないことを保証する。そのような隙間の存在は、空気が、カートリッジ１０の内部に保管された材料Ｍ、Ｍ’と接触することを許し、材料Ｍ、Ｍ’が、空気が存在しない場合と比べて、時間と共により早く劣化する可能性がある。

図５ａから５ｃはピストン・カバー３０の種々の図を示す。見ることができるように、アパーチャ６４’は、少なくとも概ね長方形の形状を有する。アパーチャ６４’の寸法は、アパーチャ６４’の下側フレーム８４（つまり、第２のプラスチックの中に完全に埋設される部分）が、ピストン・ボディ２８の周囲外側表面までつまり外側壁５７及び凹部７０の壁まで概して等しい距離のところに位置するように選択される。下側フレーム８４は２つのアーム８８を介して取り付け部分６４の上側フレーム８６に接続される。示される図面では、アーム８８の幅が下側フレーム８４の高さより大きい。下側フレームの高さはアーム８８の幅より大きくてよいか又はアーム８８の幅に等しくてもよい。上側フレーム８６はピストン・カバー３０の下側８９のところに一体に形成され、したがってその下側８９のところでピストン・カバー３０から突出する。

ピストン・カバーの側方部分４４は、２つの凹部８０、８０’及び２つのピーク８２、８２’によって示される波形状を有する。これらの特徴は、下記で考察されるように、ピストン・ボディ２８の形成中にピストン・カバー３０の握持を保証することを目的として存在する。

図６ａは、上記で考察される二構成要素ピストン１６のための射出成形金型９０の概略断面を示す。射出成形金型９０はピストン・カバー３０のための第１の金型９２を備える。第１の金型は、ピストン・カバー３０のための射出形成材料のための射出の第１のポイントを形成する第１の射出チャンネル９４を有する。第１の射出チャンネル９４は、ピストン・カバー３０の前方側５０の成形のための第１の金型９２の一部分のところに存在する。

射出成形材料は、第１の射出チャンネル９４を介して、ピストン・カバー３０の材料のために通常使用されるそれぞれの温度及び圧力で第１の金型９２の中に導入される。

図６ｂに示されるように、射出成形金型９０はピストン・ボディ２８のための第２の金型９６をさらに備える。ピストン１６の射出成形中、ピストン・カバーは最初に第１の金型９２の中で成形され、次いで、第２の金型９６の一部分を形成する。

第２の金型９６は、ピストン・ボディ２８のための成形材料の射出に使用される射出の第２のポイントを形成する第２の射出チャンネル９８を備える。射出の第２のポイントは、ピストン・ボディ２８の外側周縁壁５７のための第２の金型９６の一部分の領域内に存在する。

図７ａは、ピストン・カバー３０の別のタイプの概略図を示す。ピストン・カバー３０の取り付け部分６４は、例えば図５ａに示されるピストン・カバーのものとは異なる設計を有する。

第１に、図７ａのピストン・カバー３０の取り付け部分６４の高さは、図５の取り付け部分６４のものより小さい。具体的には、図７ａのピストン・カバー３０の取り付け部分６４の高さは、図５ａのピストン・カバー３０の高さの４０〜６０％の間で選択することができる。

第２に、図７ａの取り付け部分６４のアーム８８’は、図５ａのアーム８８のように長手方向軸Ａと平行に、又は少なくとも概ね平行には延在していない。図７ａのアーム８８’が下側フレーム８４と上側８９との間で幅のサイズが大きくなるように配置されるのとは対照的に、図５ａのアーム８８は、下側フレーム８４と上側フレーム８６との間で基本的に同じ幅を有する。

第３に、アパーチャ６４’は、少なくとも実質的に長方形の形状又は長方形形状を持たず、むしろ半円又は半月の形状を有する。

この関連において、アパーチャ６４’は、図５ａ〜図５ｃに示される長方形形状、又は図７ａ及び図７ｂに示される半月形状とは異なる形状で形成される場合もあることに留意されたい。一例として、三角形状、多角形形状、円形状、楕円形状、部分多角形形状、部分円形形状及び部分楕円形形状も想定することができる。アパーチャ６４’の目的は、言い換えれば、ピストン・カバー３０と、ピストン・ボディ２８との間に解放不可能な接続を形成することであり、故に解放不可能な接続を利用できるようにする、及び解放不可能な接続の機能を満たすいかなる形状もアパーチャ６４’の形状に選択することができる。

図５ａに示されるピストン・カバー３０と比べて、図７ａのピストン・カバー３０の異なる形状及びサイズは、とりわけこれが、例えばピストン・カバーを通して見ることで使用された場合、より審美的に好ましいピストン・カバー３０を利用できるようにする。

これに関連して、本明細書で考察したすべての設計の取り付け部分６４の高さは、クラウン７４と、クラウン７４の反対側に配置されたバルブ・ピン５２の端部との間で測定されたバルブ・ピン５２の高さの１０〜５０％、とりわけ２０〜４０％の範囲内で選択することができることに留意されたい。

本明細書で考察したすべての設計の下側８９とクラウン７４との間のピストン・カバー３０の高さは、クラウン７４と、クラウン７４の反対側に配置されたバルブ・ピン５２の端部との間で測定されたバルブ・ピン５２の高さの４０〜７０％、とりわけ５０〜６０％の範囲内で選択することができることにさらに留意されたい。

本明細書で考察したすべての設計のピストン・カバー３０の厚さは、クラウン７４と、クラウン７４の反対側に配置されたバルブ・ピン５２の端部との間で測定されたバルブ・ピン５２の高さの１〜１５％、とりわけ５〜１０％の範囲内で選択することができることにさらに留意されたい。これに関連して、厚さは、環状突起１００、１００’が存在しない、ピストン・カバー３０の一部分で測定される。

図７ｂは、断面線Ａ−Ａに沿った図７ａのピストン・カバー３０を通る断面図を示す。図７ａに示される環状突起１００’は、長手方向軸Ａから半径方向外向きに突出する凸状外面１０４を備える。例えば図５ａに描かれるように直線的な面ではなく、半径方向外向きに出っ張った外面１００’を設けることの理由は、バルブ部材５２’が作動されたときの放出プロセスの間、ピストン・カバー３０とピストン・ボディ２８との間の改善された密閉を保証するためである。

図８は、ピストン１６のピストン・ボディ２８の底端部１０６の斜視図を示す。ピストン・ボディ２８の中央の凹部７０は、図４に示されるように、バルブ部材５２’のバルブ・ピン・ピストン５２を受け入れるように構成されている。図８に示されるものと同様の一部の設計では、バルブ・ピン５２は、ピストン・ボディ２８の中央の凹部７０の内壁７０’から突出するドーム１０８に対して摺動するように構成されている。

ドーム１０８、バルブ・ピン５２及び中央の凹部の内壁７０’の間に存在する空間はこのとき、放出通路１１０を形成し、これを介して、ピストン・カバー３０が、バルブ・ピン５２の作動時にピストン・ボディ２８から持ち上げられるとき、ピストン・カバー３０の後方側５０とピストン・ボディ２８の壁３３との間に存在する、示されていない放出チャンネルから空気を取り除くことができる。

この空気は、底端部１０６の底端部面１０６’に存在する放出溝１１２を介してさらに除去することができる。図３の例では、放出溝１１２は、設けられた３つの放出通路１１０及びドーム１０８の各々のために設けられる。これに関連して、ドーム１０８の数、放出通路１１０の数及び放出溝１１２の数は、２から８の間でそれぞれ選択することができることに留意されたい。ドーム１０８、放出通路１１０及び放出溝１１２は、バルブ・ピン５２に対して対称的に配置された場合、空気の放出の目的のためには有利ではあるが、必須ではない。

図９は、図７ａに示されるピストン・カバー３０（上側の図）と比較してピストン・カバー３０の別のタイプの図（下側の図）を示す。図９の下部のピストン・カバー３０の取り付け部分６４は、図７ａに示されるものとわずかに異なるように設計されている。

アパーチャ６４’は、もはや半月形状ではなく、むしろ長方形と、長方形にくっつけられた半月形状の組み合わせによって形成される複合形状である。アパーチャ６４’はまた、より大きな開口サイズを有する。取り付け部分６４及びアパーチャ６４’のサイズ及び形状のこのような変化は、ピストン・ボディ２８をピストン・カバー３０のところに形成する間のピストン・カバー３０のピストン・ボディ２８への改善された取り付けを促進させる。

さらに、図９の上部のピストン・カバーのアーム８８’は、図７ａに関連して示される傾斜角度と比べて、下側８９に対してわずかに異なる傾斜角度を有する。このことは、これもまたピストン・カバー３０のピストン・ボディ２８への改善された取り付けを促進するより多くの材料でアーム８８’を形成することを可能にする。

また取り付け部分６４のアパーチャ６４’と最下ポイントとの間の空間は、取り付け部分６４により多くの材料を提供するために拡大することもできる。取り付け部分に存在するより多くの材料は、一方で、ピストン・カバー３０とピストン・ボディ２８との間の取り付けを改善し、一方で、取り付け部分の凹部６５の領域内でのピストン・カバー３０とピストン・ボディ２８との間の改善された密閉も促進する。

１０ カートリッジ
１２ 出口
１４、１４ａ、１４ｂ チャンバ
１６、１６ａ、１６ｂ ピストン
１８ キャップ機構
２０ キャップ
２２ スナップリング
２４ 密閉プラグ
２６ クロージャ・キャップ
２７ バヨネット手段
２８ ピストン・ボディ
３０ ピストン・カバー
３２ 第１の側
３３ 内側壁
３４、３４ａ センタリング部分、面取りリップ
３６、３６ａ 通気スロット、通気手段
３８、３８ａ 密閉リップ、密閉手段
４０、４０’、４０” 外側表面、頂端部、バルブ表面
４２ 凹形形状の中央領域
４４ 側方部分
４６ 溝
４８ 後方側
５０ 前方側
５２、５２ バルブ・ピン、バルブ部材
５４ バルブ
５６ 外側周縁表面
５７ 外側壁
５８ 第１の凹部
６０ 突出部
６２、６２’ 部分、ウェブ
６４、６４’ 取り付け部分、アパーチャ
６５ 取り付け部分凹部
６６ 基部
６８ 第２の側
７０、７０’ 中央の凹部、７０の内壁
７４ クラウン
７６ スプルー・マーク
７８ スプルー・マーク
８０、８０’ 凹部
８２、８２’ ピーク
８４ 下側フレーム
８６ 上側フレーム
８８、８８’ アーム
８９ 下側
９０ 射出成形金型
９２ 第１の金型
９４ 第１の射出チャンネル
９６ 第２の金型
９８ 第２の射出チャンネル
１００、１００’ 環状突起、環状突起
１０２ 凹部
１０４ １００’の凸状外面
１０６、１０６’ ピストン・ボディの底端部、底端部面
１０８ ドーム
１１０ 放出通路
１１２ 放出溝
Ａ 長手方向軸
Ｍ、Ｍ’ 材料

Claims (15)

1. 第１構成要素としてのピストン・カバー（３０）と、第２構成要素としてのピストン・ボディ（２８）とを有する、カートリッジ（１０）用の二構成要素ピストン（１６）であって、
   前記ピストン（１６）は、第１の側（３２）と、第２の側（６８）とを有し、
   前記ピストン・カバー（３０）の後方側（４８）が、前記ピストン・ボディ（２８）の少なくとも一部分に隣接して配置され、
   前記ピストン・カバー（３０）の前方側（５０）が、前記第１の側（３２）に配置され、
   前記ピストン・カバー（３０）の前記後方側（４８）はバルブ部材（５２’）を、特にバルブ・ピン（５２）を有し、前記バルブ部材（５２’）は、前記ピストン・ボディ（２８）内に受け入れられて、前記第２の側（６８）に向かって前記ピストン・ボディ（２８）内に延びるように構成及び配置され、
   前記ピストン・カバー（３０）は、前記バルブ部材（５２ａ）の作動時に前記ピストン・ボディ（２８）に対して移動されるように構成され、また前記ピストン・カバー（３０）は、前記ピストン・ボディ（２８）に解放不可能に接続され、
   前記解放不可能な接続は、前記ピストン・カバー（３０）の取り付け部分（６４）を通って延びる前記ピストン・ボディ（２８）の一部分（６２）によって形成される、二成構成要素ピストン（１６）。
2. 前記ピストン・カバー（３０）は、前記ピストン・カバー（３０）と前記ピストン・ボディ（２８）の間の前記解放不可能な接続のために、少なくとも２つの取り付け部分（６４）を有し、前記ピストン・ボディ（２８）は、それぞれが前記少なくとも２つの取り付け部分（６４）のそれぞれ一方を通って延びる少なくとも２つの部分（６２）を有する、請求項１に記載のピストン（１６）。
3. 前記少なくとも２つの取り付け部分（６４）は、互いに向き合うように配置される、請求項２に記載のピストン（１６）。
4. 前記取り付け部分（６４）は、前記ピストン・カバー（３０）から、少なくとも概ね前記第２の側（６８）の方向に突出している、請求項１から３までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
5. 前記取り付け部分（６４）はアパーチャ（６４’）を有し、好適には前記アパーチャ（６４’）は、少なくとも概ね長方形の形状を有する、請求項１から４までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
6. 前記取り付け部分（６４）を通って延びる前記ピストン・ボディ（２８）の前記一部分（６２）は、前記アパーチャ（６４’）の内部空間を少なくとも実質的に完全に埋める、請求項５に記載のピストン（１６）。
7. 前記取り付け部分（６４）は、少なくとも部分的に、好適には完全に、前記ピストン・ボディ（２８）内に受け入れられる、請求項１から６までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
8. 前記取り付け部分（６４）を通って延びる前記ピストン・ボディ（２８）の前記一部分（６２）と、前記ピストン・ボディ（２８）の残りの部分とが一体に、好適には射出成形プロセスで一体に形成され、且つ／又は、前記取り付け部分（６４）と、前記ピストン・カバー（３０）とが一体に、好適には射出成形プロセスで一体に形成されている、請求項１から７までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
9. 前記取り付け部分（６４）を通って延びる前記ピストン・ボディ（２８）の前記一部分（６２）と、前記ピストン・ボディ（２８）の前記残りの部分とが、前記取り付け部分（６４）の周囲に隣接して、且つ前記ピストン・カバー（３０）の残りの部分に隣接して、一体に形成されている、請求項１から８までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
10. 前記取り付け部分（６４）を通って延びる前記ピストン・ボディ（２８）の前記一部分（６２）は、前記取り付け部分（６４）を通って延びる材料のウェブ（６２’）によって形成され、前記材料のウェブ（６２’）は、前記ピストン・ボディ（２８）の２つのセクションに解放不可能に接続され、また任意選択で前記ピストン・ボディ（２８）の前記２つのセクションは前記取り付け部分（６４）の両側に配置され、好適には前記材料のウェブ（６２’）は前記ピストン・ボディ（２８）と同じ材料から形成される、請求項１から９までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
11. 前記ピストン・ボディ（２８）は、前記第１の側（３２）に環状溝（４６）を有し、前記ピストン・カバー（３０）は、前記環状溝（４６）内に、且つ前記環状溝（２６）の基部（６６）まで延び、前記取り付け部分は、前記環状溝（４６）の前記基部（６６）から前記ピストン・ボディ（２８）内へと突出している、請求項１から１０までの少なくとも一項に記載のピストン（１６）。
12. 前記ピストン・ボディ（２８）の前記環状溝（４６）の前記基部は、前記取り付け部分（６４）の少なくとも一部分が受け入れられる凹部（６５）を有する、請求項１１に記載のピストン（１６）。
13. 前記ピストン・カバー（３０）は、中央領域と、側方部分（４４）とを有し、前記側方部分（４４）は、前記中央領域から少なくとも概ね前記第２の側（６８）の方向に延び、また好適には前記環状溝（４６）内に且つ前記環状溝（４６）の前記基部（６６）まで延び、前記側方部分（４４）の前記前方側（５０）は、少なくとも１つの凹部（８０、８０’）を有し、また好適には前記前方側（５０）に波形状の表面を有する、請求項１から１２までの少なくとも一項に記載の、好適には請求項１１又は請求項１２に記載のピストン（１６）。
14. 出口（１２）と、少なくとも１つのチャンバ（１４；１４ａ、１４ｂ）と、請求項１から１３までのいずれか一項に記載の少なくとも１つのピストン（１６）とを有するカートリッジ（１０）であって、
    １つのピストン（１６）が、前記少なくとも１つのチャンバ（１４；１４ａ、１４ｂ）の各々に配置され、前記カートリッジ（１０）は、好適には、前記少なくとも１つのチャンバ（１４；１４ａ、１４ｂ）の各々に配置されたそれぞれの流動性マス（Ｍ、Ｍ’）をさらに有している、
    カートリッジ（１０）。
15. 請求項１４に記載のカートリッジ（１０）の空気抜きする方法であって、
    前記ピストン（１６）を前記カートリッジ内（１０）に配置するステップと、
    前記バルブ部材（５２ａ）を作動させるステップと、
    前記バルブ部材（５２ａ）を介して、前記ピストン・カバー（３０）と前記ピストン・ボディ（２８）との間で、前記ピストン（１６）の前記第１の側（３２）の近傍で前記チャンバ（１４；１４ａ、１４ｂ）内に存在する空気を抜くステップと
    を含む方法。

Images