本出願は2017年12月8日に出願された米国予備出願第62/596,300号の優先権を主張するもので、該予備出願は参照により全体として組み込まれるものである。
[0035] 本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に記載された実施態様を参照すると共に、該実施態様を説明するために特定の言語が用いられる。それにも拘わらず、本開示の範囲に対する如何なる限定も意図するものではないことが理解される。記載される装置、システム及び方法に対する如何なる変形及び更なる修正並びに本開示の原理の如何なる更なる適用も、本開示が関係する当業者により通常に思い付くように、本開示内で十分に想定されるものであり、本開示に含まれるものである。例えば、焦点を合わせたシステムは心血管系撮像に関して説明されているが、この用途に限定されることが意図されるものではないと理解される。該システムは、限定された空洞内を撮像することを要する如何なるアプリケーションにも等しく適するものである。特に、一実施態様に関して説明されるフィーチャ、構成要素及び/又はステップが、本開示の他の実施態様に関して説明されるフィーチャ、構成要素及び/又はステップと組み合わされ得ることも十分に考えられる。しかしながら、説明を簡単にするために、これらの組合せの多数の繰り返し説明は別途なされるものではない。
[0036] 図1は、本開示の態様による血管内超音波(IVUS)撮像システム100の概略図である。該IVUS撮像システム100は、カテーテル、ガイドワイヤ又はガイドカテーテル等の固体IVUS装置102、患者インターフェースモジュール(PIM)104、IVUS処理システム又はコンソール106、及びモニタ108を含むことができる。
[0037] 大まかに言うと、IVUS装置102は当該カテーテル装置の遠端の近傍に取り付けられたスキャナアセンブリ110に含まれるトランスジューサアレイ124から超音波エネルギを放出する。該超音波エネルギは、スキャナアセンブリ110を囲む血管120等の当該媒体内の組織構造により反射され、該超音波エコー信号はトランスジューサアレイ124により受信される。PIM104は、受信されたエコー信号をコンソール又はコンピュータ106に伝送し、該コンソール又はコンピュータにおいて超音波画像(フロー情報を含む)が再構成されてモニタ108上に表示される。該コンソール又はコンピュータ106はプロセッサ及びメモリを含むことができる。該コンソール又はコンピュータ106は、ここに記載されるIVUS撮像システム100のフィーチャを容易にするように動作することができる。例えば、該プロセッサは非一時的有形コンピュータ読取可能な媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行することができる。
[0038] PIM104は、IVUSコンソール106とIVUS装置102に含まれるスキャナアセンブリ110との間の信号の通信を容易にする。この通信は、(1)送信及び受信のために使用されるべき特定のトランスジューサアレイ素子(又は複数の素子)を選択するためにスキャナアセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップ206A,206B(図2に図示)にコマンドを供給するステップ、(2)選択されたトランスジューサアレイ素子(又は複数の素子)を励起するための電気パルスを発生するよう送信器回路を駆動するために、スキャナアセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップ206A,206Bに送信トリガ信号を供給するステップ、及び/又は(3)前記選択されたトランスジューサアレイ素子(又は複数の素子)からスキャナアセンブリ110の集積回路コントローラチップ206A,B上に含まれる増幅器を介して受信される増幅されたエコー信号を受けるステップを含む。幾つかの実施態様において、PIM104は、エコーデータをコンソール106に中継する前に該データの予備処理を実行する。このような実施態様の例において、PIM104は上記データの増幅、フィルタ処理及び/又は集計を実行する。一実施態様において、PIM104は、スキャナアセンブリ110内の回路を含む装置102の動作をサポートするために高及び低電圧DC電力も供給する。
[0039] IVUSコンソール106は、PIM104によりスキャナアセンブリ110から前記エコーデータを受信すると共に、該データを処理してスキャナアセンブリ110を囲む媒体内の組織構造の画像を再構成する。該コンソール106は画像データを出力し、血管120の断面画像等の該血管120の画像がモニタ108上に表示されるようにする。一般的に、システム100及び/又は装置102は、患者身体の如何なる適した体腔内でも使用することができる。この点で、システム100は腔内超音波撮像システム100であり得、装置102は腔内超音波撮像システム100であり得る。システム100及び/又は装置102は、介入装置、治療装置、診断装置等として参照することができる。装置102は、血管又は体腔(管腔)120内に配置されるように寸法決め及び成形し、構造的に構成し及び/又はそれ以外で構成することができる。管腔又は血管120は、患者の身体内にあり得る。血管120は、心血管系、抹消血管系、神経血管系、腎血管系及び/又は身体内の何らかの他の適した管腔を含む、患者の血管系動脈又は静脈等の血管であり得る。例えば、装置102は、限定するものではないが、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺臓を含む臓器;導管;腸;脳、硬膜嚢、脊髄及び末梢神経を含む神経系構造;泌尿器系;並びに心臓の血液、心室若しくは他の部分内の弁及び/又は身体の他の系を含む如何なる数の生体構造位置及び組織型をも検査するために用いることもできる。自然構造に加えて、当該装置102は、限定するものでないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ及び他の装置等の人工構造を検査するために使用することもできる。
[0040] 幾つかの実施態様において、当該IVUS装置は、Volcano社から入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテル及び米国特許第7,846,101号(参照により本明細書に全体として組み込まれる)に開示されたもの等の伝統的固体IVUSカテーテルと同様の幾つかのフィーチャを含む。例えば、IVUS装置102は、該装置102の遠端近傍のスキャナアセンブリ110及び該装置102の長尺本体に沿って延びる伝送ライン束112を含む。上記伝送ライン束又はケーブル112は、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本又はそれ以上の導体218(図2に示されるような)を含む複数の導体を含むことができる。導体218のためには如何なる好適なガイドワイヤを用いることもできると理解される。一実施態様において、ケーブル112は、例えば41 AWGガイドワイヤによる4導体伝送ライン構成を含むことができる。一実施態様において、ケーブル112は、例えば44 AWGガイドワイヤを用いた7導体伝送ライン構成を含むことができる。幾つかの実施態様においては、43 AWGガイドワイヤを用いることができる。
[0041] 伝送ライン束112は、装置102の遠端においてPIMコネクタ114内で終端する。該PIMコネクタ114は、伝送ライン束112をPIM104に電気的に結合すると共に、IVUS装置102をPIM104に物理的に結合する。一実施態様において、IVUS装置102はガイドワイヤ出口ポート116を更に含む。従って、幾つかの事例において、当該IVUS装置は迅速交換式カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116は、血管120を介して当該装置102を導くためにガイドワイヤ118が遠端に向かって挿入されることを可能にする。
[0042] 図2は、本開示の一実施態様による、巻き取られていない又は平らな状態の超音波スキャナアセンブリ110の上部の斜視図である。図3は、本開示の態様による、支持部材230及び平らな状態の図2に示した超音波スキャナアセンブリ110の低部の斜視図である。特に、図3は、可撓性基板214が支持部材230の周りに巻き取られる前の該可撓性基板214及び支持部材230を示している。
[0043] 該アセンブリ110は、トランスジューサ領域204に形成されたトランスジューサアレイ124及び制御領域208に形成されたトランスジューサ制御ロジックダイ206(ダイ206A及び206Bを含む)を含み、これら領域の間には移行領域210が配置されている。トランスジューサアレイ124は、医療用センサ素子及び/又は医療用センサ素子アレイの非限定的例である。トランスジューサ制御ロジックダイ206は、コントローラ又は制御回路の非限定的例である。
[0044] トランスジューサ制御ロジックダイ206及びトランスジューサ212は、図2では巻き取られていない又は平らな状態で示された可撓性基板214(又はフレキシブル回路214)上に取り付けられる。該可撓性基板214は、全体の長手方向の長さL1に沿って延在する3つのゾーン又は部分、即ち、近位部分209、遠位部分211及び中央部分213、を含む。図2に示された実施態様において、トランスジューサ領域204、移行領域210及び制御領域208は、上記中央部分213内で横方向に互いに隣接して配置される(又は重ねられる)。このように、トランスジューサ212は、可撓性基板214の中央部分213内でトランスジューサ制御ロジックダイ206に対して横方向に配置される(重ねられる)。ここで使用される“隣接する”なる用語は、トランスジューサ領域204及び制御領域208が互いに接触することを要するものではない。該“隣接する”なる用語は、単に、これら2つの領域が概ね同軸的に配置されることを意味するために使用される。他の実施態様において、トランスジューサ212及び/又はトランスジューサ制御ロジックダイ206は、近位部分209及び/又は遠位部分211内に少なくとも部分的に配置することができる。名前が暗示する通り、トランスジューサ領域204はトランスジューサ212を含む一方、制御領域208はトランスジューサ制御ロジックダイ206を含む。トランスジューサ領域204及び制御領域208が可撓性基板の長手方向の幅W1に沿って並んで配置される当該トランスジューサ212及びトランスジューサ制御ロジックダイ206の横方向配置は、スキャナアセンブリ110の全体の長手方向の長さL1及び全剛性長L2を最小化する。この実施態様において、スキャナアセンブリ110の剛性長L2は、可撓性基板214に含まれる2つの剛性部品のうちの長い方の長さ(この場合においては、トランスジューサ制御ロジックダイ206の長さである)を有する。対照的に、例えば、トランスジューサ212を可撓性基板214上においてトランスジューサ制御ロジックダイ206より遠端側に配置することは、スキャナアセンブリ110の剛性長L2及び可撓性基板214の全長L1の両方(即ち、トランスジューサ制御ロジックダイ206、移行領域110及びトランスジューサ212の合成長)の増加を必然的に必要とする。長さL1は、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、及び/又は一層大きい及び一層小さい両方の他の好適な値等の、0.5mm〜1.5mmの間の値を含む0.5mm〜5mmの間の寸法であり得る。長さL2は、0.5mm、1mm、1.5mm、及び/又は一層大きい及び一層小さい両方の他の好適な値等を含む、0.5mm〜5mmの間又は1mm〜5mmの間の寸法であり得る。
[0045] 図示された実施態様において、トランスジューサ領域204及び制御領域208の両方は、可撓性基板214の内側エッジ222から外側エッジ223へ中央部分213を介して延びる中心軸CAに沿って整列されている。図2に図示された実施態様においてトランスジューサ212及びトランスジューサ制御ロジックダイ206は中心軸CAに沿い同軸的に整列されるよう図示されているが、他の実施態様において該トランスジューサ212及びトランスジューサ制御ロジックダイ206は可撓性基板214上に類似しない非整列パターンで配置することもできる。トランスジューサ領域204は、可撓性基板214の外側エッジ223に隣接して配置されている。制御領域208は、可撓性基板214の内側エッジ222に隣接して配置されている。幾つかの実施態様において、トランスジューサ領域204及び/又は制御領域208は、可撓性基板214の外側エッジ223及び内側エッジ222から、各々、離隔することができる。移行領域210は、制御領域208とトランスジューサ領域204との間に配置される。トランスジューサ領域204、制御領域208及び移行領域210の寸法(例えば、各々の幅W2、W4及びW3)は、異なる実施態様では様々であり得る。種々の実施態様において、幅W2、W3及びW4は実質的に類似又は非類似とすることができる。例えば、図示された実施態様において、移行領域210の幅W3はトランスジューサ領域204及び制御領域の幅W2及びW4より、各々、大幅に小さい。トランスジューサ領域204の幅W2及び/又は制御領域208の幅W4は、例えば、おおよそ1〜5mmの間とすることができる。移行領域210の幅W3は、おおよそ1〜5mmの間を含む任意の好適な値とすることができる。トランスジューサ領域204の幅W2及び/又は制御領域208の幅W4は、例えば、約1〜5mmの間、及び/又は一層大きい及び一層小さい両方の他の好適な値とすることができる。移行領域210の幅W3、例えば、約1〜5mmの間、及び/又は一層大きい及び一層小さい両方の他の好適な値とすることができる。
[0046] トランスジューサアレイ124は如何なる数及びタイプの超音波トランスジューサ212を含むこともできるが、図2には、明瞭化のために、限られた数の超音波トランスジューサのみが示されている。図示された実施態様において、トランスジューサアレイ124は40個の個別の超音波トランスジューサ212を含む。他の実施態様において、トランスジューサアレイ124は64個の超音波トランスジューサ212を含む。更なる実施態様において、トランスジューサアレイ124は32個の超音波トランスジューサ212を含む。他の数(一層大きい及び小さいの両方)も想定され且つ設けられる。トランスジューサのタイプに関し、幾つかの実施態様において、超音波トランスジューサ212は、例えば、2015年7月29日に出願された“Intravascular Ultrasound Imaging Apparatus, Interface Architecture, and Method of Manufacturing”なる名称の米国特許出願第14/812,792号(参照により本明細書に全体として組み込まれる)に開示された容量型微細加工超音波トランスジューサ(cMUT)である。cMUTを組み込むことは、スキャナアセンブリ110の全体のプロファイル(外形)及び直径を最小にさせる。cMUTは幾つかの他のタイプのトランスジューサより大幅に小さく且つ薄いからである。更に、cMUTを組み込むことは、cMUT及びcMUTの導電路が既に形成された当該可撓性基板がシリコンウェファ上に効率的に形成されることを可能にすることにより、有利にも組み立ての容易さを増加させることができる。加えて、cMUT製造工程の一層正確なトランスジューサアイランドの画定及びシリコンウェファの薄く柔軟な性質は、スキャナアセンブリ110の十分な湾曲を可能にするための可撓性基板214のダイシングの量及び程度を減少させることができる。他の実施態様において、超音波トランスジューサ212は、例えば米国特許第6,641,540号(参照により、全体として本明細書に組み込まれる)に開示されたようなポリマ圧電材料を用いて微小電気機械システム(MEMS)基板上に作製される圧電微細加工超音波トランスジューサ(PMUT)とすることができる。他の実施態様において、当該トランスジューサアレイは、バルクPZTトランスジューサ等の圧電ジルコン酸トランスジューサ(PZT)、単結晶圧電材料、他の好適な超音波送信器及び受信器、及び/又はこれらの組合せを含む。
[0047] スキャナアセンブリ110は種々のトランスジューサ制御ロジックを含むことができ、該ロジックは図示された実施態様では別個の制御ロジックダイ206に分割される。種々の例において、スキャナアセンブリ110の制御ロジックは:PIM104によりケーブル112を介して伝送される制御信号を復号する動作、超音波信号を放出するために1以上のトランスジューサ212を駆動する動作、該超音波信号の反射エコーを受信するために1以上のトランスジューサ212を選択する動作、該受信されたエコーを表す信号を増幅する動作、及び/又は該信号をPIMにケーブル112を介して送信する動作を実行する。図示された実施態様において、40個の超音波トランスジューサ212を有するスキャナアセンブリ110は当該制御ロジックを5個の制御ロジックダイ206に跨がって分割する。8、9、16、17及びそれ以上を含む他の数の制御ロジックダイ206を組み込む設計が、他の実施態様において用いられる。一般的に、制御ロジックダイ206は駆動することができるトランスジューサの数により特徴付けられ、例示的な制御ロジックダイ206は4、8及び/又は16個のトランスジューサを駆動する。
[0048] 当該制御ロジックダイは必ずしも同種ではない。幾つかの実施態様において、単一のコントローラがマスタ制御ロジックダイ206Aに指定され、ケーブル112(即ち、導体218)のための通信インターフェースを含む。従って、該マスタ制御回路は、ケーブル112を介して受信される制御信号を復号し、ケーブル112を介して制御応答を送信し、エコー信号を増幅し、及び/又はケーブル112を介して該エコー信号を送信する制御ロジックを含むことができる。残りのコントローラはスレーブコントローラ206Bである。スレーブコントローラ206Bは、超音波信号を放出するためにトランスジューサ212を駆動すると共にエコー信号を受信するためにトランスジューサ212を選択する制御ロジックを含むことができる。幾つかの実施態様において、マスタコントローラ206Aは如何なるトランスジューサ212も直接に制御することはない。他の実施態様において、マスタコントローラ206Aは、スレーブコントローラ206Bと同じ数のトランスジューサ212を駆動し、又はスレーブコントローラ206Bと比較して少ない組のトランスジューサ212を駆動する。例示的実施態様においては、10個のトランスジューサが各スレーブコントローラ206Bに割り当てられるとして、単一のマスタコントローラ206A及び4つのスレーブコントローラ206Bが設けられる。
[0049] トランスジューサ制御ロジックダイ206及びトランスジューサ212が取り付けられる可撓性基板214は、構造的支持及び電気結合のための相互接続を提供する。可撓性基板214は、KAPTON(DuPontの登録商標)等の可撓性ポリイミド材料の薄膜層を含むように構成することができる。他の好適な材料は、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム又はポリエーテルイミドフィルム、他の可撓性印刷半導体基板並びにUpilex(宇部興産の登録商標)及びTEFLON(E.I.du Pontの登録商標)等の製品を含む。図2及び図3に示された平らな状態において、可撓性基板214は概ね長方形の形状を有する。ここでは可撓性基板214は概ね長方形の形状を有するように示されているが、他の実施態様は他の形状(例えば、正方形)を持つ可撓性基板214を含むことができる。幾つかの事例において、可撓性基板214は、更に、該可撓性基板214の表面のクロム接着層上における微細電子回路の製造に採用される既知のスパッタリング、メッキ及びエッチング技術により堆積される展性金属(金等の)から形成される金属相互接続回路を有する。
[0050] 移行領域210は、非長方形であってもよく、巻き取られた状態を小さなプロファイルで容易に呈するように互いに部分的に入れ子状態となるべく、可撓性基板214の可撓性を増加させ及び/又は該可撓性基板の別個の領域を可能にするような1以上の切欠き又はスロットを含むことができる。図示された実施態様において、可撓性基板214は移行領域210内に配置されたスロット215を含んでいる。該スロット215は、可撓性基板214から、限定無しで化学エッチング、レーザエッチング、機械的鋸引き及び/又は他の好適なエッチング/除去処理を含む当業者により既知の種々の製造処理の何れかにより除去され得る犠牲領域を有する。図示された実施態様において、スロット215は、制御領域から僅かに離隔されると共にトランスジューサアレイ124に隣接している。導電路216は、トランスジューサアレイ124、トランスジューサ制御ロジックダイ206及び伝送ライン束又はケーブル112(即ち、導体218)を接続する。スロット215は、図2及び図3に示されるように当該フレキシブル回路を経て可撓性基板214の第1表面217から反対側の第2表面219まで延びることができるか、又は第2表面219内の凹部であり得る。スロット215は、図4及び図5に示されるように、可撓性基板214を概ね円筒状の形状に巻き付け又は巻き取ることを容易にするように成形又は構成され、かくして、トランスジューサ領域204が完全な円筒を形成するようにする(図6に示されるように)。
[0051] ここに図示及び記載されるように、可撓性基板214は、幾つかの事例では円筒状環体を形成するように支持部材230(図3に示されるような)の周りに巻き付けられるように構成される。従って、可撓性基板214の前記薄膜層の厚さT1は最終組立スキャナアセンブリ110における湾曲の程度に概ね関係する。該厚さT1は、可撓性基板214の第1表面217から該可撓性基板214の第2表面219まで延びるものである。幾つかの実施態様において、当該薄膜層の厚さは2μm〜10μmの間である。幾つかの事例において、可撓性基板214の厚さT1はVolcano Corporationから入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテルのフレキシブル回路の2倍の薄さであり、これにより、一層小さな曲げ半径を可能にすると共に可撓性基板214の一層多くの“巻取部”又は層が支持部材230(図3に図示)の周りに巻き付くことを可能にする。図示された実施態様において、可撓性基板214は超音波トランスジューサ212及び制御ロジックダイ206の両方が取り付けられる埋込路(トラック)を含み、これにより、平らな状態におけるスキャナアセンブリ110の薄いプロファイル及び小さな全体厚T2を促進する。トランスジューサ212及び制御ロジックダイ206に対して埋込路を有することは、図5に示されるように、可撓性基板214(及び全体のスキャナアセンブリ110)の最適に小さな直径を持つ所望の形状(例えば、円筒形状)への巻取りを可能にする。このような埋込路は、可撓性基板214内に、当業者により既知の種々の製造工程の何れかにより形成することができる。これらの埋込路は、0.5〜1ミクロンの範囲内であり、全体の直径を実質的に増やすことはない。
[0052] 幾つかの実施態様において、制御ロジックダイ206及びトランスジューサ212を電気的に相互接続するために、可撓性基板214は前記薄膜層上に形成された導電路216を更に有する。該導電路216は制御ロジックダイとトランスジューサ212との間で信号を結合及び伝達する。特に、制御ロジックダイ206とトランスジューサ212との間の通信を提供する導電路216は、可撓性基板214に沿い移行領域210に跨がって延在する。幾つかの事例において、導電路216はマスタコントローラ206Aとスレーブコントローラ206Bとの間の電気的通信も容易化することができる。導電路216は、前記ケーブル112の導体218が可撓性基板214に機械的且つ電気的に結合される場合に該ケーブル112の導体218に接触する一群の導電パッドも提供することができる。導電路216に適した材料は、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル及び錫を含み、可撓性基板214上にスパッタリング、メッキ及びエッチング等の処理により堆積することができる。一実施態様において、可撓性基板214はクロム接着層を含む。導電路216の幅及び厚さは、可撓性基板214が巻き取られる場合に適切な導電性及び可撓性をもたらすように選択される。この点に関し、導電路216及び/又は導電パッドの厚さの適切な範囲は、0.5〜1.5μmの間である。例えば、一実施態様においては、20μm幅の導電路216が20μmの間隔で分離される。幾つかの実施態様において、当該導電路の幅は3ミクロンの間隔で3ミクロンと小さくすることができる。可撓性基板214上の導電路216の幅は、更に、該導電路/パッドに結合されるべき導体218の幅により決定することができる。導電路216の厚さ、幅及び間隔に関する該選択された大きさは、該導電路が相対可撓性及び弾性を維持しながら十分に導電的であることを可能にし、かくして、当該導体ラインは可撓性基板214を図4及び図5に示されるような円筒状の形状に巻き取った後に破断又は故障することがない。当該可撓性基板内の導電路216は、該可撓性基板214に或る程度の構造性及び剛性も付与する。幾つかの事例において、可撓性基板214及び導電路216の組合せは、フレキシブル回路214としても参照される。可撓性基板214は、ここでは、時にはフレキシブル回路として説明され得るが、他の構成において、前記トランスジューサ及び/又はコントローラは撮像アセンブリ110を、フレキシブル回路を除くものを含んで形成するように構成することができると理解される。
[0053] 可撓性基板214は、図示した実施態様では導体インターフェース220(図2では点線で示される)を含む。導体インターフェース220は可撓性基板214における伝送ライン束112の導体218が該可撓性基板214に結合される部分を画定する。例えば、伝送ライン束112の裸導体218は可撓性基板214に該導体インターフェース220において電気的に結合される。該導体インターフェース220は可撓性基板214の近位部分に配置されている。幾つかの実施態様において、導体インターフェース220は、可撓性基板214の本体から近位側に延びるタブ又はフランジとすることができる。この点に関し、可撓性基板214の該本体は、集合的に、トランスジューサ領域204、コントローラ領域208及び移行領域210を指すことができる。図示された実施態様において、導体インターフェース220は可撓性基板214の内側エッジ222及び制御領域208に隣接して配置されている。他の実施態様において、導体インターフェース220は、可撓性基板214の外側エッジ223、移行領域210又はトランスジューサ領域204等の他の部分に隣接して配置することもできる。他の実施態様において、可撓性基板214は導体インターフェース220を有さない。長さL3等の前記タブ又は導体インターフェース220の寸法の値は、長さL1等の当該可撓性基板214の本体の寸法の値より小さくすることができる。長さL1は、可撓性基板214の近位部分209、中央部分213及び遠位部分211の長さを含む。
[0054] 幾つかの実施態様において、導体インターフェース220を形成する基板は、可撓性基板214と同一の材料から形成され、及び/又は同様に可撓的である。他の実施態様において、導体インターフェース220は、可撓性基板214とは別の材料から形成され、及び/又は可撓性基板214より比較的に一層剛性である。例えば、導体インターフェース220は、ポリオキシメチレン(例えば、DELRIN®)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン及び/又は他の好適な材料を含む、プラスチック、熱可塑性プラスチック、ポリマ、硬質ポリマ等から形成することができる。ここに詳細に説明されるように、支持部材230、可撓性基板214、導体インターフェース220及び/又は導体218は、当該スキャナアセンブリ110の効率的な製造及び動作を容易にするように多様に構成することができる。
[0055] ここに図示された実施態様によれば、スキャナアセンブリ110は、平らな状態(図2及び図3に示されるような)から巻き取られた概ね円筒状の状態(図5に示されるような)へと移行される。例えば、幾つかの実施態様においては、“ULTRASONIC TRANSDUCER ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME”なる名称の米国特許第6,776,763号及び“HIGH RESOLUTION INTRAVASCULAR ULTRASOUND TRANSDUCER ASSEMBLY HAVING A FLEXIBLE SUBSTRATE”なる名称の米国特許第7,226,417号(これらの各々は参照により本明細書に全体として組み込まれる)の1以上に開示されたような技術が用いられる。
[0056] 図4及び図5は、本開示の態様による、図2及び図3に示されたスキャナアセンブリ110の支持部材230の周りに巻き取られた状態での概略斜視図である。特に、図4はスキャナアセンブリ110を支持部材230の周りに部分的に巻き取られた状態で示す一方、図5はスキャナアセンブリ110を支持部材230の周りに完全に巻き取られた状態で示している。
[0057] 図示された実施態様において、支持部材230は、自身を介して延在する内腔232を備えた円筒管を有する。該支持部材230は遠端234及び近端236を有する。支持部材230は、幾つかの事例では、ユニボディとして参照することができる。支持部材230は、ステンレス鋼等の金属材料、又は2014年4月28日に出願された“Pre-Doped Solid Substrate for Intravascular Devices”なる名称の米国予備出願第61/985,220号に記載されたプラスチック若しくはポリマ等の非金属材料からなることができる。内腔232は出口ポート116と連通し、ガイドワイヤ118(図1に示される)を受け入れるように寸法決め及び成形される。内腔232は可撓性内部近位部材及び/又はガイドワイヤを収容するように寸法決め及び成形される。
[0058] 支持部材230は、如何なる好適な工程によっても製造することができる。例えば、支持部材230は、該支持部材230を成形するために未加工材から材料を除去する等のように加工することができ、又は射出成形工程等により鋳型成形することができる。幾つかの実施態様において、支持部材230は一体構造として一体的に形成することができるが、他の実施態様において、支持部材230は互いに固定的に結合されるフェルール(即ち、円筒体又はリング)及びスタンド(例えば、支持部材230の遠端234及び近端236における)等の異なる部品からなることもできる。図2〜図5には示されていないが、支持部材230の近端部236及び遠端部234は、可撓性基板214の近位部分209及び遠位部分211を持ち上げて支持するように成形及び構成することができる。この点に関し、可撓性基板214のトランスジューサ部分204及び制御部分208等の部分は、支持部材230の近端236と遠端234との間に延在する該支持部材230の中央本体部分238(図3に示される)から隔てることができる。
[0059] 支持部材230は、幾つかの実施態様においては、実質的に円筒状とすることができる。幾何学的、非幾何学的、対称的、非対称的断面プロファイルを含む、支持部材230の他の形状も考えられる。支持部材230の異なる部分は、他の実施態様では、様々に成形することができる。支持部材230は、該支持部材230の周りでの可撓性基板214の最適な向きを付与するように成形することができる。支持部材230の近端236及び遠端234は同じ外径又は異なる外径を有することができる。例えば、該支持部材は、遠端234が近端236より大きな又は小さな外径を有する場合、テーパ状の外形を有することができる。一実施態様において、近端236は、遠端234又は遠端234と近端236との間に延びる中央本体部分238の外径より大きな外径を有することができる。幾つかの実施態様において、支持部材230の内径(例えば、内腔232の直径)は、外径が変化するにつれ対応して増加又は減少することができる。他の実施態様において、支持部材230の内径は、外径の変化に拘わらず同一のままである。支持部材230は、当該血管内装置のために一層大きな柔軟性を可能にするように寸法決め及び成形することができる。例えば、支持部材230は巻き取られた可撓性基板214の寸法及び形状を付与することができる。支持部材230の寸法は、当該血管内装置102が、例えば約2Fr〜約10Frの間の直径を有するように選択することができる。
[0060] 図3に示されるように、巻き取り過程の開始前に、支持部材230は可撓性基板214の第2表面219上における制御領域208上に配置される。特に、支持部材230は可撓性基板214の内側エッジ222に隣接して配置される。支持部材230は、可撓性基板214の遠位部分211が該支持部材230の遠端234に隣接すると共に可撓性基板214の近位部分209が該支持部材230の近端236に隣接するように配置される。幾つかの実施態様においては、当該血管内装置102の遠端部における種々の部品の間に1以上の接着部を配することができる。例えば、可撓性基板214及び支持部材230は、巻き取り過程に先立ち接着剤を介して互いに結合することができる。支持部材230が適切に配置された後、巻き取り過程が、支持部材230及び可撓性基板214を矢印A1の方向に同時に巻き取ることにより開始する。代わりに又は加えて、可撓性基板214を静止した支持部材230の周りに矢印A2の方向に巻き付けることもできる。該巻き取り過程又は巻き付け過程が完了した後、図6に図示された断面図に示されるように、スキャナアセンブリ110は、支持部材230が当該スキャナアセンブリ110の内側層を形成し、制御領域208が中間層を形成し、トランスジューサ領域204が外側層を形成するような、重ねられた撮像部品を備える多層円筒構造に類似したものとなる。
[0061] 図6は、本開示の態様による、支持部材230の周りに完全に巻き取られた状態のスキャナアセンブリ110の遠端部の概略正面図である。該スキャナアセンブリ110は、図1に示されたように、当該IVUS装置102の概ね遠端部分に配置される。図5及び図6に示される概ね円筒状の形状は、図2に示された平らな可撓性基板214及び埋込撮像部品を支持部材230の周りで図3〜図5を参照して上述した巻き取り又は巻き付け工程により環状の重ね構造へと巻き付け又は巻き取ることにより得られる。可撓性基板214は、血管の空間的制限に対応するために典型的に非常に小さな円筒状形状に整形される。このような事例において、円筒状に整形された超音波トランスジューサアセンブリの直径の範囲は、典型的に、0.5mm〜3.0mmの範囲内である。しかしながら、IVUS装置102における該円筒状積層スキャナアセンブリ110の全直径D1が0.8mm〜1.2mm程度であり得ることも考えられる。幾つかの実施態様において、該可撓性基板214上のcMUTトランスジューサの細い外形及び柔軟な性質は、IVUS撮像装置102の遠端の全直径の減少及びスキャナアセンブリ110の全剛性長の減少を可能にする。層状部品(即ち、制御領域208及びトランスジューサ領域204)の各々の薄い外形は、当該スキャナアセンブリ110の一層細い全体的外形及び低減された全直径を可能にする。更に、可撓性基板214上に横方向に積層される撮像部品(即ち、制御領域208及びトランスジューサ領域204)は、当該スキャナアセンブリ110の全剛性長の減少を可能にする。スキャナアセンブリ110の斯かるフィーチャの両者は、有利にも、当該IVUS装置102の柔軟性を増加させると共に、該血管内装置が患者の解剖学的構造(例えば、冠状血管系を含む)を介して操られる間における捻れの可能性を減少させることができる。
[0062] 音響的性能を改善するために、可撓性基板214と支持部材230の表面との間の如何なる空洞も、一般的に、裏打ち材料246により充填される。液状裏打ち材料246は、相対的に低い音響インピーダンスを有し、可撓性基板214と支持部材230との間に該支持部材230の通路(図示略)を介して導入することができる。該裏打ち材料246は、支持部材230とトランスジューサアレイ124との間の空間及び隣接する個々のトランスジューサ212の間のギャップを充填する。該裏打ち材料246は、トランスジューサアレイ124により送信される超音波を高度に減衰させる能力を有する。該裏打ち材料246は、トランスジューサ素子のための支えも提供する。該裏打ち材料246は、製造上の要求を満たすために十分に短い期間内に固化及び固まるのを可能にするために硬化させることができる。良好な裏打ち材料のための上述した基準を満たす多数の既知の材料は、当業者により分かるであろう。このような裏打ち材料の一例は、高い超音波信号減衰度及び超音波トランスジューサアセンブリに対する満足の行く支えを提供するエポキシ、硬化剤及びフェノールマイクロバルーンの混合物を含む。
[0063] 図7及び図8は、図2〜図6を参照して上述したスキャナアセンブリ110に形態及び機能が実質的に類似した幾つかの部品を含むスキャナアセンブリ300を示す。特に、図7は本開示の一実施態様による巻き取られていない又は平らな状態の超音波スキャナアセンブリ300の上部の斜視図である。図8は、平らな状態の図7に示される超音波スキャナアセンブリ300の底部の斜視図である。
[0064] スキャナアセンブリ300は、可撓性基板314及び幾つかの埋め込まれた撮像部品を有する。可撓性基板314は、ここに記載される差違を除いて前記可撓性基板214と実質的に同様である。図7は、可撓性基板314が円筒形状に巻き取られる前の該可撓性基板314を示している。特に、可撓性基板214と異なり、可撓性基板314はトランスジューサ領域304、制御領域308及び第1移行領域310に加えて支持領域301及び第2移行領域302を有している。支持領域301は、可撓性基板314の本体305から延びるタブ又はフランジを有している。本体305は、可撓性基板314における第2移行領域302、制御領域308、第1移行領域310及びトランスジューサ領域304を含む部分を有する。図示された実施態様において、第2移行領域302は本体305の一部であり、制御領域308と支持領域301との間に位置する。図7において、第2移行領域302は可撓性基板314の本体と相対的に同じ長さL5を有する。他の実施態様において、第2移行領域302は可撓性基板314の本体305とは異なるように寸法決めすることができる。第2移行領域302は、可撓性基板314の別個の入れ子状態の円筒への巻き取りを容易にする幅W5を有し、その場合、各円筒は支持領域301、制御領域308及びトランスジューサ領域304のうちの1つから形成される。該移行領域302の幅W5は、約5〜15mmの間を含む如何なる好適な値とすることもできる。支持領域301は可撓性基板314の内側エッジ322を規定し、トランスジューサ領域304は該可撓性基板314の外側エッジ323を規定する。支持領域301、第2移行領域302、制御領域308、第1移行領域310及びトランスジューサ領域304は全て、横方向に、且つ、可撓性基板314全体の幅W8に沿って延びる中心軸に沿って互いに隣接して配列される。このことは、当該スキャナアセンブリ300の全体の長手方向の長さL4を低減するという利点を有する。
[0065] 支持領域301は、可撓性基板314に埋め込まれた複数の平行な長尺ワイヤ303を含む。図示された実施態様において、ワイヤ303は可撓性基板314の長さL4にわたって延在する。幾つかの実施態様において、ワイヤ303は可撓性基板314全体の長手方向の長さL4より長さを小さく又は大きくすることができる。支持領域301は、可撓性基板314の本体305の幅W7より小さい幅W6を有する。ワイヤ303は、支持領域301が円筒形状に巻き取られた場合に補強された内腔を形成するように構成された種々の剛性エレメント(限定無しで、埋込トラック及び/又は金属ワイヤを含む)の何れかから形成することができる。幾つかの実施態様において、ワイヤ303は15ミクロンのタングステンワイヤとすることができる。ワイヤ303の異なる寸法も考えられる。
[0066] 図8に示されるように、可撓性基板314は第1表面317(図7に示される)から第2の反対側の表面318まで延びる厚さT3を有する。前記可撓性基板214と同様に、可撓性基板314は超音波トランスジューサ212及び制御ロジックダイ206が取り付けられる埋込トラックを含み、平らな状態におけるスキャナアセンブリ300の薄いプロファイル及び少ない全体厚T4(図8に示される)を可能にする。可撓性基板314の中央部分313内における超音波トランスジューサ212及び制御ロジックダイ206の配置は、スキャナアセンブリ110と実質的に同様である。トランスジューサ領域304及び制御領域308が当該可撓性基板の長手方向の幅W7に沿って並んで配置されるトランスジューサ212及びトランスジューサ制御ロジックダイ206の横方向配列は、該スキャナアセンブリ300の全体の剛性長さL4を最小にする。この実施態様において、該スキャナアセンブリ300の剛性長L4は、可撓性基板314に含まれる3つの剛性部品のうちの最長のもの長さ(この場合では、長尺ワイヤ303の長さである)を含む。第1移行領域310のスロット315、第1移行領域310自体及び/又は第2移行領域302等の当該スキャナアセンブリ300の少なくとも一部は、可撓性基板314の別個の入れ子状態の円筒への巻き取りを容易にするように寸法決め及び成形することができ、その場合、各円筒は支持領域301、制御領域308及びトランスジューサ領域304のうちの1つから形成される。
[0067] 図9は、本開示の態様による、部分的に巻き取られた状態のスキャナアセンブリ300の斜視図である。部分的に巻き取られた状態のスキャナアセンブリ300の更なる図が図13〜図15に示されている。図10は、本開示の態様による、完全に巻き取られた状態のスキャナアセンブリ300の斜視図である。細い特徴のワイヤ303の場合、支持領域301は、可撓性基板314のエッジ322を矢印A3の方向に巻き取ることにより非常に薄い壁の支持部材330へと変形又は再成形される。図示された実施態様において、支持領域301は矢印A3の方向に統合された(一体化された)ワイヤで補強された内腔335を画定する円筒状支持部材330へと巻き取られる。該内腔335の腔壁は、可撓性基板314における支持領域301の第2表面318により形成される。支持領域301に隣接する内側エッジ322は、該巻き取り体(ロール)の内側エッジを形成する。図9及び図10に示されるように、支持部材330の長さL4は可撓性基板314の主本体305の長さL5を超え得る。他の実施態様において、支持部材330の長さL4は可撓性基板314の主本体305の長さL5に等しくすることができ、これにより、当該スキャナアセンブリ300の全体の剛性長を低減する。
[0068] 図示された実施態様において、第2移行領域302は除去することができ、又は支持領域301が完全に円筒状の支持部材330へと巻き取られることを可能にするために可撓性基板314を第2移行領域302に跨がってスライスすることができる。他の実施態様において、第2移行領域302は支持部材330を当該スキャナアセンブリ300の残部(例えば、制御領域308及びトランスジューサ領域304)に接続するブリッジを形成することができ、該支持部材330は螺旋形状に巻き取ることができる。第2移行領域302は可撓性基板314の連続した部分であり、円筒と巻き取られた角柱との間の接続を提供する。
[0069] ワイヤ303は、当該IVUS装置102の使用の間において支持部材330のワイヤ補強された内腔がガイドワイヤを十分に保護することを可能にするために、支持領域301における可撓性基板314に十分な剛性を付与するように構成される。ワイヤ303は、支持部材330の機械的補強及び内腔335の電気的遮蔽を提供する。更に、可撓性基板314に対するワイヤ補強された支持領域301の追加は、別個の支持部材(例えば、図3〜図6に示された支持部材230)の必要性を除去する。このように、統合(一体化)されたワイヤ補強された支持領域301を備える実施態様は、当該支持部材の全体の直径を減じることにより小さなプロファイル及び全体の直径を有するスキャナアセンブリ300を提供する。一体化されたワイヤ補強された支持領域301を備える実施態様は、通常の剛性支持部材(例えば、図2〜図6を参照して前述した支持部材230)より柔軟な支持部材を提供することにより当該IVUS撮像装置102の一層柔軟な遠位先端部も可能にする。更に、一体化されたワイヤ補強された支持領域301を備える実施態様は、組立を容易にする(例えば、当該スキャナアセンブリの複雑さ及び部品の数を低減すると共に、製造の所要時間を減じることにより)と共に製造コストを低減することにより、スキャナアセンブリ300の製造性を向上させる。
[0070] 図11は、本開示の態様による平らな状態の例示的スキャナアセンブリ400の上部の概略斜視図である。図12は、本開示の態様による平らな状態のスキャナアセンブリ400の底部の概略斜視図である。cMUTアレイを含むもののような幾つかのIVUS撮像装置は、十分な音響整合媒質を収容すると共に撮像部品に対して十分な電気的及び機械的保護を提供するために外側ウインドウ又は外側シールドを用いる。
[0071] 該スキャナアセンブリ400は、血管内撮像に適した種々の構成の何れかで撮像構成要素が埋め込まれた例示的可撓性基板に取り付けられる外側ウインドウ領域405を有する。図示された実施態様においては、簡略化のために、スキャナアセンブリ400は図7〜図10を参照して前述したスキャナアセンブリ300に結合される外側ウインドウ領域405を有する。図示された実施態様において、外側ウインドウ領域405は、可撓性基板314の一体化された部分として形成されている。外側ウインドウ領域405は、可撓性基板314の外側エッジ323においてトランスジューサ領域304に隣接して配置される。外側ウインドウ領域405は、外側ウインドウエッジ410から内側ウインドウエッジ415まで延びる。外側ウインドウ領域405の内側ウインドウエッジ415は、可撓性基板314の外側エッジ323に結合される。図示された実施態様においては、第3移行領域420が外側ウインドウ領域405と可撓性基板314のトランスジューサ領域304との間のブリッジを形成する。該第3移行領域420は、可撓性基板及び/又はウインドウ材料の長方形部分として成形される。他の実施態様において、スキャナアセンブリ400は第3移行領域420を有さず、外側ウインドウ領域405はトランスジューサ領域304に直接結合される。
[0072] 図11及び図12に示された平らな状態において、外側ウインドウ領域405は概ね長方形の形状を有している。外側ウインドウ領域405はここでは概ね長方形の形状を有するように示されているが、他の実施態様は他の形状(例えば、正方形)の形状を有する外側ウインドウ領域を含むことができる。外側ウインドウ領域405は、長さL6を有する。該長さL6は2〜5mmの間である。該長さL6は、スキャナアセンブリ400のワイヤ補強された支持領域301の長さL4以上とすることができる。図示された実施態様において、長さL6は長さL4に等しい。幾つかの実施態様において、外側ウインドウ領域405は可撓性基板314の延長部上に形成される。外側ウインドウ領域405のための材料は、生体適合性、耐久性、親水又は疎水特性、低摩擦特性、超音波透過性及び/又は他の関連のある基準に関して選定することができる。例えば、外側ウインドウ領域405は、Parylene®を含むことができる。他の好適な材料は、ポリエステル、ポリエチレン又はポリイミドを含む。
[0073] 図13、図14及び図15は、本開示の態様による部分的に巻き取られた状態の図12に示されたスキャナアセンブリを示す。特に、図13は該スキャナアセンブリの概略透視図であり、図14は該スキャナアセンブリの側面図であり、図15は該スキャナアセンブリの斜視図である。図示された実施態様において、スキャナアセンブリ400は矢印A4の方向に巻き取られ、支持領域301を統合されたワイヤ補強された内腔335を画定する円筒状支持部材330へと巻き取ると共に、制御領域308を五角形角柱形状に巻き取る。図14に示されるように、外側ウインドウ領域405は当該可撓性基板の残部の厚さT3(図8に示される)より小さく又は大きくすることができる厚さT5を有する。幾つかの実施態様において、厚さT3は2〜10ミクロンの間である。
[0074] 図16、図17及び図18は、本開示の態様による図12に示すスキャナアセンブリを巻き取られた状態で示す。特に、図16は該スキャナアセンブリの概略透視図であり、図17は該スキャナアセンブリの側面図であり、図18は該スキャナアセンブリの斜視図である。外側ウインドウ領域405は、当該スキャナアセンブリ400が図16〜図18に示されるような巻き取られた状態を呈する場合に、該スキャナアセンブリ400の電気的及び機械的構成部品の周囲に保護層を提供する。巻き取られた状態において、スキャナアセンブリ400は実質的に円筒状の外形を有する。外側ウインドウ領域405、トランスジューサ領域304及び制御領域308の外側表面は、連続した螺旋表面を形成することができる。外側ウインドウ領域405の他の構成も考えられる。例えば、他の実施態様において、可撓性基板314は分割して外側ウインドウ領域405から分離することができ、該外側ウインドウ領域はスキャナアセンブリ400の周りの別個の環状円筒を形成することができる。幾つかの実施態様において、ウインドウ領域405は長さL6に沿って厚さが変化してもよい。例えば、幾つかの実施態様において、外側ウインドウ領域405の厚さT5は、トランスジューサ領域304に重なるように位置されるトランスジューサウインドウ領域430において一層大きくすることができる(即ち、外側ウインドウ領域405はトランスジューサ領域304に重なる領域において可撓性基板314の近位部分209又は遠位領域211に重なる領域よりも厚くすることができる)。このように、外側ウインドウ領域405は、スキャナアセンブリ400を周に沿って囲むと共に使用の間に該アセンブリを周囲の環境から保護するシールドとして作用する。統合された外側ウインドウ領域405を備える実施態様は、組立を容易にする(例えば、当該スキャナアセンブリの複雑さ及び部品の数を低減すると共に、製造の所要時間を減じることにより)と共に製造コストを低減することにより、スキャナアセンブリ400の製造性を向上させる。
[0075] 図19及び図20は、本開示の態様によるスキャナアセンブリ400を巻き取られた状態で示す。特に、図19はスキャナアセンブリ400の概略透視図であり、図20はスキャナアセンブリ400の遠位部分の概略正面図である。外側ウインドウ405は、該外側ウインドウ領域405とトランスジューサ領域304との間の音響整合媒質を収容するように作用する。他の実施態様において、スキャナアセンブリ400は前記スキャナアセンブリ300以外のスキャナアセンブリを含むことができる。例えば、スキャナアセンブリ400はワイヤ補強された支持部材330を含む必要はない。とにかく、統合された外側ウインドウ領域405を備える実施態様は、支持部材の全体の直径を低減することにより小さなプロファイルを持つスキャナアセンブリ400を提供する。統合された外側ウインドウ領域405を備える実施態様は、通常の外側膜体よりも柔軟なウインドウ領域を設けることによりIVUS撮像装置102の一層柔軟な遠位先端を可能にすることができる。加えて、統合された外側ウインドウ領域405を備える実施態様は、組立を容易にする(例えば、当該スキャナアセンブリの複雑さ及び部品の数を低減すると共に、製造の所要時間を減じることにより)と共に製造コストを低減することにより、スキャナアセンブリ400の製造性を向上させる。
[0076] 通常のスキャナアセンブリは、個々のトランスジューサ素子の垂直側壁により画定される溝を含むように基板上に配置されたフェーズドアレイトランスジューサ素子(即ち、中央管腔の周りに巻き付けられ又は配置されたトランスジューサ素子のアレイ)を含み得る。超音波トランスジューサ素子が作製される埋込金属トラックを備えた可撓性基板を使用することにより、このような可撓性トランスジューサアレイを非常に小さな直径を持つ所望のフォームファクタへと巻き取ることが可能になる。このようなトランスジューサアレイは、当該トランスジューサが構築される剛性シリコンアイランド又はシリコン細条(ストリップ)及び上面で隣接する細条を接続する可撓性基板からなり得る。溝はトランスジューサ素子の間に形成され、斯かる溝は隣接する細条の対向する側壁により画定される。典型的に、隣接する素子の間の溝は深掘り反応性イオンエッチング(“DRIE”)により実現され、該エッチングは一般的に基板表面(即ち、シリコン表面)に垂直な真っ直ぐな側壁を生じる。これらの可撓性トランスジューサアレイが凸形状(例えば、円筒)へと整形される場合、隣接するトランスジューサ素子(即ち、隣接するトランスジューサ細条又はアイランド)の対向する側壁の底縁が衝突し、かくして、達成可能な曲率半径を制限する。上記垂直な溝は、基板を湾曲させる際にトランスジューサ素子が互いに接触するので、これらトランスジューサ素子の曲率に対して望ましくない座屈を生じさせ得る。更に、隣り合うトランスジューサ素子の間の垂直側壁は、基板を湾曲又は屈曲させる際にトランスジューサ素子を互いに部分的にのみ当接させ、これにより、基板の可能な曲率を最小にさせると共にトランスジューサ素子にとり利用可能な表面積を最小化させる。この衝突及び結果的曲率半径は、溝幅、トランスジューサ素子厚及び所望の曲率半径を含む幾つかの要因に依存する。最適な機械的強靱さのために、個々のトランスジューサ素子(即ち、トランスジューサアイランド又は細条)は、特定の最小厚(例えば、限定無しで、40μm)を有する必要がある。該厚さは30〜50ミクロンとすることができる。トランスジューサ素子の所与の厚さに対して一層小さな曲率半径を達成するために、溝幅は増加されることを要するであろう。しかしながら、溝幅又はトランスジューサ素子の間の隔たりを増加させることは、基板上の使用可能な能動トランスジューサ領域を不所望に減じるであろう。代わりに、トランスジューサ素子の底縁が斯かるトランスジューサ素子の上縁(即ち、当該トランスジューサ素子が基板につながる箇所)より遠く離されるように垂直でない及び/又は真っ直ぐでない側壁を含めることは、対向する底縁を衝突させる危険性無しで、強く湾曲されるトランスジューサに対して狭い溝を使用することを可能にする。この構成は、巻き取られたトランスジューサ領域の一層小さな全直径ももたらしながら、当該基板の能動的トランスジューサ使用のための最大の表面積を保つことになる。この利点は、トランスジューサ直径を減少させることに伴い増加する。
[0077] 図21及び図22は、本開示の態様による基板444上に配設されたトランスジューサ素子442のアレイ440を示す。特に、図21は平らな状態の基板444を伴うトランスジューサ素子442a〜eのアレイ440の概略側面図であり、図22は湾曲された(又は巻き取られた)状態の基板444を伴うトランスジューサ素子442a〜eのアレイ440の概略側面図である。図21に示されるように、トランスジューサ素子442a〜eは基板444上に直線状に配列される。幾つかの実施態様において、基板444は可撓性基板を有する。トランスジューサ素子442は厚さT7を有する。該厚さT7は30〜50ミクロンであり得る。トランスジューサ素子442a〜eは傾斜された側壁446a〜jを有する。側壁446は互いに垂直ではなく、これにより、垂直でない側壁446の間に楔状の溝448を画定する。幾つかの例において、側壁446は、おおよそ、22.5°、11.25°、9°、5.625°、4.5°、2.8125°を含む1°〜45°の間、1°〜30°の間、1°〜15°の間、1°〜10°の間、1°〜5°の間、及び/又は一層大きい及び一層小さい両方の他の好適な値で傾斜させることができる。側壁446の角度は、トランスジューサ素子442の数、スキャナアセンブリ110の直径、撮像装置102の直径、トランスジューサ素子442の寸法、隣接するトランスジューサ素子442の間の間隔に基づくものとすることができる。幾つかの実施態様において、全トランスジューサの側壁446は同じ量で傾斜させることができる。他の実施態様において、異なるトランスジューサ素子の側壁446は異なる量で傾斜される。
[0078] 図22に示されるように、基板444が湾曲又は屈曲された場合、トランスジューサ素子442は自身の側壁の全長に沿って互いに接触する。例えば、トランスジューサ素子442aの側壁446bはトランスジューサ素子442bの側壁446cと完全に接触するようになる。このように、この非垂直溝構成は、基板上のトランスジューサ素子442のために利用可能な表面積を最大化する。トランスジューサ素子442の他の非垂直分離も考えられる。例えば、幾つかの実施態様において、側壁446は湾曲状又は蛇行状とすることができ、その場合、隣り合う側壁446は、可撓性基板444が屈曲され又は湾曲状態の場合に溝448の長さの少なくとも一部に沿って互いに当接し又は互いに接触するように構成される。1つの製造方法は、所望の溝側壁のプロファイルが得られるようにする異方性ドライエッチング又は異方性ドライエッチング及び等方性ドライエッチングの適切な組み合わせであり得る。
[0079] 図23は、本開示の態様による平らな状態の例示的スキャナアセンブリ450の概略上面図である。該スキャナアセンブリ450は、図2〜図6を参照して前述したスキャナアセンブリ110と実質的に同様である。該アセンブリ450は、制御領域456、トランスジューサ領域454及び移行領域455を画定するトラックが埋め込まれた可撓性基板452を含む。可撓性基板452は巻き取られていない又は平らな状態で示されている。トランスジューサ領域454はトランスジューサアレイ458を含む。制御領域456はトランスジューサ制御ロジックダイ460を含む。移行領域455は、トランスジューサ領域454と制御領域456との間に配置される。該移行領域455はスロット又は切欠き457を含む。可撓性基板452は、トランスジューサアレイ458及びトランスジューサ制御ロジックダイ460を接続するように構成された複数の導電路462を含む。トランスジューサアレイ458は、医療用センサ素子及び/又は医療用センサ素子アレイの限定するものでない例である。トランスジューサ制御ロジックダイ460は制御回路の限定するものでない例である。
[0080] 図23に示された実施態様において、トランスジューサ領域454、移行領域455及び制御領域456は、可撓性基板452の中央部分464内で互いに隣接して横方向に配置(又はスタック)されている。可撓性基板452の中央部分464は、該可撓性基板の近端エッジ464と遠端エッジ466との間に延在する。トランスジューサ領域454及び制御領域456の両者は、上記中央部分464を介して可撓性基板452の内側エッジ468から外側エッジ470まで延びる中心軸CAに沿って整列されている。トランスジューサ領域454は可撓性基板452の外側エッジ470に隣接して配置される。制御領域456は可撓性基板452の内側エッジ468に隣接して配置される。幾つかの実施態様において、トランスジューサ領域454及び/又は制御領域456は、可撓性基板452の外側エッジ470及び内側エッジ468から、各々、隔てることができる。このように、トランスジューサアレイ458は可撓性基板452の中央部分464内においてトランスジューサ制御ロジックダイ460に対して横方向に配置(又はスタック)される。このトランスジューサアレイ458及びトランスジューサ制御ロジックダイ460の横方向配置(トランスジューサ領域454及び制御領域456が当該可撓性基板の長手方向の幅に沿って並んで配置される)は、当該スキャナアセンブリ450の全体の長手方向の長さ及び全体の剛性長を最小化する。この実施態様において、スキャナアセンブリ450の剛性長L8は、可撓性基板452上に含まれる2つの剛性部品のうちの長い方の長さ(この場合においては、トランスジューサ制御ロジックダイ460の長さである)を有する。
[0081] 図24A及び図24Bは、本開示の態様による例示的なスキャナアセンブリ475を示す。特に、図24Aは平らな状態のスキャナアセンブリ475の概略上面図であり、図24Bは巻き取られた状態のスキャナアセンブリ475の遠端部の概略正面図である。図24Aに示されるように、スキャナアセンブリ475は“二重積層”構成で組み立てられ、その場合において、トランスジューサ領域476は、両側において、2つの分かれた制御領域478、480により張り出されている。図示された実施態様において、可撓性基板482は、該可撓性基板482を介して第1エッジ484から第2エッジ486まで延びる中心軸CAに沿って横方向に(例えば、並んで)配置された第1制御領域487、トランスジューサ領域476及び第2制御領域480を含む。中心軸CAは、可撓性基板482の長手方向の幅W8と平行に延びる。図24Bに示されるように、スキャナアセンブリ475は、各制御領域478及び480が環状の円筒形状を形成するように矢印A5及びA6の方向のように反対方向に巻き取られる場合に巻き取られた状態を呈する。この実施態様は、cMUT素子と制御電子回路との間に最短のリード線をもたらす。
[0082] 図25は血管内撮像装置を組み立てる方法500のフローチャートである。方法500のステップは図25に示されるものとは異なる順序で実行することができ、追加のステップを当該ステップの前、間及び後に設けることができ、及び/又は当該記載されたステップの幾つかは他の実施態様では置換若しくは削除することができると理解される。方法500のステップは、当該血管内撮像装置の製造者により実行することができる。
[0083] ステップ510において、方法500はトランスジューサ領域を制御領域に結合するための導電路が埋め込まれた可撓性基板を得るステップを含む。該可撓性基板は、該基板の長さに沿って延びる3つの別個の領域、即ち、近位部分、中央部分及び遠位部分、を含むように構成することができる。
[0084] ステップ520において、制御領域、移行領域及びトランスジューサ領域が可撓性基板の中心軸に沿って横方向に配置される。幾つかの実施態様において、トランスジューサ領域、移行領域及び制御領域は、可撓性基板の中央部分内で並んで配置される。
[0085] ステップ530において、第1支持部材が得られる。幾つかの実施態様において、該第1支持部材は可撓性基板とは別体である。該支持部材は、可撓性基板を概ね円筒状のスキャナアセンブリを形成するために該支持部材の周りに巻き付けることができるように寸法決め及び成形することができる。
[0086] ステップ540において、第1支持部材は可撓性基板の内側エッジに沿って制御領域上に又は制御領域に隣接して配置される。
[0087] ステップ550において、可撓性基板は第1支持部材の周りに円筒状螺旋に巻き取られ又は巻き付けられ、制御領域は内側円筒(又は角柱)を形成し、移行領域はブリッジを形成し、トランスジューサ領域は制御領域の周りに外側円筒を形成するようになる。
[0088] 図26は血管内撮像装置を組み立てる方法600のフローチャートである。方法600のステップは図26に示されるものとは異なる順序で実行することができ、追加のステップを当該ステップの前、間及び後に設けることができ、及び/又は当該記載されたステップの幾つかは他の実施態様では置換若しくは削除することができると理解される。方法600のステップは、当該血管内撮像装置の製造者により実行することができる。
[0089] ステップ610において、方法600はトランスジューサ領域を制御領域に結合するための導電路が埋め込まれた可撓性基板を得るステップを含む。該可撓性基板は、該基板の長さに沿って延びる3つの別個の領域、即ち、近位部分、中央部分及び遠位部分、を含むように構成することができる。
[0090] ステップ620において、支持領域、第2移行領域、制御領域、第1移行領域及びトランスジューサ領域が可撓性基板の中心軸に沿って横方向に配置される。幾つかの実施態様において、制御領域、第1移行領域及びトランスジューサ領域は、可撓性基板の中央部分内で並んで配置される。支持領域は、可撓性基板のワイヤ補強された一体部分を有する。該支持領域は、可撓性基板を該支持領域の周りに概ね円筒状のスキャナアセンブリを形成すべく巻き付けることができるように寸法決め及び成形することができる。
[0091] ステップ630において、支持領域は、スキャナアセンブリのための支持部材として作用するよう円筒形状に巻き取られる。該支持領域は、貫通する内腔を含む支持部材を形成する。該内腔は、ガイドワイヤ又は他の医療用器具を収容するように寸法決め及び成形することができる。
[0092] ステップ640において、可撓性基板は支持部材の周りに円筒状螺旋に巻き取られ又は巻き付けられ、支持領域は内側円筒状支持部材を形成し、制御領域は支持領域の周りに円筒(又は角柱)を形成し、トランスジューサ領域は制御領域の周りに外側円筒を形成するようになる。この事例において、支持領域及びトランスジューサ領域は制御領域を周方向に沿って挟み又は取り囲む。支持領域、トランスジューサ領域及び制御領域は、当該スキャナアセンブリが巻き取られた状態にある場合、放射方向に互いに離隔されたままとなる。
[0093] 図27は血管内撮像装置を組み立てる方法700のフローチャートである。方法700のステップは図27に示されるものとは異なる順序で実行することができ、追加のステップを当該ステップの前、間及び後に設けることができ、及び/又は当該記載されたステップの幾つかは他の実施態様では置換若しくは削除することができると理解される。方法700のステップは、当該血管内撮像装置の製造者により実行することができる。
[0094] ステップ710において、方法700はトランスジューサ領域を制御領域に結合するための導電路が埋め込まれた可撓性基板を得るステップを含む。該可撓性基板は、該基板の長さに沿って延びる3つの別個の領域、即ち、近位部分、中央部分及び遠位部分、を含むように構成することができる。
[0095] ステップ720において、支持領域、第2移行領域、制御領域、第1移行領域、トランスジューサ領域、第3移行領域及び統合された外側ウインドウ領域が可撓性基板の中心軸に沿って横方向に配置される。幾つかの実施態様において、制御領域、第1移行領域及びトランスジューサ領域は、可撓性基板の中央部分内で並んで配置される。支持領域は、可撓性基板のワイヤ補強された一体部分を有することができる。該支持領域は、可撓性基板を該支持領域の周りに概ね円筒状のスキャナアセンブリを形成すべく巻き付けることができるように寸法決め及び成形することができる。幾つかの実施態様は第3移行領域を有さない。
[0096] ステップ730において、支持領域は、スキャナアセンブリのための支持部材として作用するよう円筒形状に巻き取られる。該支持領域は、貫通する内腔を含む支持部材を形成する。該内腔は、ガイドワイヤ又は他の医療用器具を収容するように寸法決め及び成形することができる。他の実施態様において、可撓性基板は支持領域及び第2移行領域を有さない。このような実施態様において、支持部材は可撓性基板から別途形成され、ステップ740の前に、制御領域上に重ねられる。
[0097] ステップ740において、可撓性基板は支持部材の周りに円筒状螺旋に巻き取られ又は巻き付けられ、支持領域は内側円筒状支持部材を形成し、制御領域は支持領域の周りに円筒(又は角柱)を形成し、トランスジューサ領域は制御領域の周りに円筒を形成し、外側ウインドウ領域は可撓性基板の残部の周りに周方向に沿って巻き付けられたシールドを形成するようになる。ウインドウ領域、支持領域、トランスジューサ領域及び制御領域は、当該スキャナアセンブリが巻き取られた状態にある場合、放射方向に互いに離隔されたままとなる。
[0098] 当業者であれば、上述した装置、システム及び方法は種々の方法で修正することができることを認識するであろう。従って、当業者であれば、本開示により含まれる実施態様は上述した特定の例示的実施態様に限定されるものではないと理解するであろう。この点に関し、例示的実施態様が図示及び記載されたが、広範囲の修正、変更及び置換が上述した開示において考えられる。このような変形は上記から本開示の範囲から逸脱することなしに行うことができる。従って、添付請求項は広く且つ本開示と一貫した態様で解釈されることが適切である。