JP2021504421A - 小麦過敏症を処置するためのhmoの混合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置、二次予防、および/または耐性誘導に用いるヒトミルクオリゴ糖(HMO)、それらに用いるHMOを含む合成組成物、およびそれらの方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、非セリアック小麦過敏症の予防および/または処置のための方法、化合物および組成物に関する。
非セリアック小麦過敏症は、非セリアックグルテン過敏症としても知られ、セリアック病および小麦アレルギーを伴うグルテン関連障害である(非特許文献1)。非セリアック小麦過敏症は、小麦および/またはグルテンの摂取が、他のグルテン関連障害で見られる症状と同様の症状を導き得る非アレルギー性かつ非自己免疫状態である。この状態は、症状が小麦および/またはグルテンの摂取中止によって緩和され、また小麦および/またはグルテンを再摂取すると再び現れるため、小麦および/またはグルテン過敏症と見なされる。しかし、この状態を有する患者は、セリアック病またはグルテンアレルギーに関連する特徴的な自己免疫またはアレルギーマーカーを示さない。それにもかかわらず、臨床症状はセリアック病やグルテンアレルギーと類似している。最もよくある胃腸症状には、膨満、腹痛、上腹部痛、下痢、および便秘がある。胃腸以外の症状には、疲労感、頭痛、不安、「ぼんやりとした心」または集中困難、うつ病および皮膚の発疹がある。これらの症状は、小麦および/またはグルテンへの曝露後数時間から数日以内に発生し得、その後小麦および/またはグルテンの摂取中止よって消失し得る。
非セリアック小麦過敏症の原因は不明である。この状態は、セリアック病やグルテンアレルギーで見られるように、多くの誘因となる可能性がある。開始誘因は主に、腸上皮が小麦および/またはグルテンに曝露することであり、これが免疫介在性および/または非免疫介在性の応答を導く。T細胞の関与の証拠がなく、トール様受容体(TLR)が明らかに関与しているため、この状態は適応免疫応答ではなく、むしろ先天性免疫応答であるのかもしれない。
非セリアック小麦過敏症の状態は、具体的な誘因が特定されていないため、セリアック病やグルテンアレルギーとは異なる機序である可能性がある。セリアック病の誘因であるグルテンはこの状態の重要な誘因であり得るが、それが主な誘因であるのか、または全く誘因ではないのかという疑問が増している。他のいくつかの食品由来の刺激も重要な誘因であり得る。これらには、アルファアミラーゼ/トリプシンインヒビター(ATIs)、発酵性オリゴ−、二−、単糖およびポリオール(FODMAPS)ならびに他の短鎖フルクタンが含まれる。特にATIsは病態に関与している。免疫応答を高める際のATIsの役割は、動物およびヒトの研究モデルで示されており、セリアック病と非セリアック小麦過敏症の両方で重要な経口抗原であると考えられる。ATIは、TLR複合体の活性化を介して、マクロファージ、好中球および腸の樹状細胞が関与する先天性免疫応答を主として引き起こす。逆に、典型的なグリアジン誘発性の腸応答は特徴的に見られないため、グリアジンは主要な誘因ではなさそうであり、加えてグリアジンは主に適応免疫マーカー(例えば、IL−6、IL−21およびINF−γ)を活性化するが、これは非セリアック小麦過敏症の患者には見出だされていない。
非セリアック小麦過敏症の患者は、TLR2発現レベルの上昇、αおよびβ上皮内リンパ球数の増加、そしてT制御性細胞数の減少を示す。また、これらの患者は、リポ多糖結合タンパク質(LBP)および可溶性CD14タンパク質のレベルが上昇している。さらに、これらの患者は、腸上皮細胞の損傷マーカーである脂肪酸結合タンパク質2(FABP2)の循環レベルが上昇している(非特許文献2)。非セリアック小麦過敏症の患者は、抗原が基底膜に侵入することを可能にする腸透過性の増加を示していることが現在認められている。
腸内微生物叢の変化もまた、非セリアック小麦過敏症になんらかの役割を果たしているかもしれない。患者に見られる免疫マーカーは主に先天性免疫応答マーカーであり、このことは微生物叢が役割を果たしている証拠である。しかし、微生物叢の役割の証拠は未だ明確ではない。組成の観点から、患者はブチレート産生細菌とビフィズス菌の存在量が少ない可能性があるようだ。
さらに、幾つかの遺伝的素因を有する個人に発症する状態として、幾つかの証拠がある。遺伝的素因は一般母集団より高いが、強い遺伝要素を有するセリアック病患者より低い。しかし、このことと遺伝子との関連は現在のところ不明である。
非セリアック小麦過敏症の状態の診断は複雑であり、多くの患者はそのプロセスを受けるのを嫌がる。診断の第1工程は、セリアック病と小麦および/またはグルテンアレルギーの排除である。これは、患者にグルテン含有食を6週間与えることによって行われる。この期間中にいくつかのテストを行い、小麦アレルギー、すなわち小麦特異的IgEおよび皮膚プリックテスト、ならびにセリアック病、すなわちIgA−tTG、IgG−DGPおよびIgA−EMAを排除する。必要ならば、確認のために十二指腸生検を行う。第2工程は、患者にグルテンを含まない食事を6週間与え、症状応答を監視する。この症状応答は、胃腸症状評価尺度(GSRS)と数値評価尺度(NRS)を用いて評価する。食事の開始から6週間で患者に症状の改善が見られない場合、この状態の診断を排除し、IBSや他の機能性腸障害などの他の診断を調査する必要がある。第3工程は、グルテン含有食を再び与える。この工程では、患者は2つのプロトコルのいずれかに無作為に割り当てる。グルテンを含まない食事かつプラセボ、またはグルテンを含まない食事かつグルテンに患者を1週間曝露する。その後、厳格にグルテンを含まない食事の1週間のウォッシュアウト期間を患者に課し、次いで1週間クロスオーバーを行う。グルテンを含まない食事の導入で30%の症状改善、またはグルテン含有食の導入で30%の症状出現は、肯定的な結果を示している。この30%値を下回ると、否定的な結果を考える。
診断の難しさは、非セリアック小麦過敏症の状態の有病率が明確でないことを意味する。しかしこの状態はより一般的な診断になりつつある。その結果、この状態の有病率は、西洋人で0.6〜6%と大きく異なると報告されている。この診断能力の欠如によって、患者は正式な臨床試験や医師による管理推奨なしに自己診断後にグルテンを含まない食事を開始することになる。このため、グルテンを含まない食物の摂取は西洋の世界で人気が高まっている。2015年7月に実施されたギャラップの世論調査では、アメリカ人の20%がグルテンを含まない食事を選び、17%がグルテンを含まない食事を避けていると回答している。
現在、非セリアック小麦過敏症の状態の治療法はなく、唯一受け入れられている処置は、グルテンを含まない食事を患者に与えることであり、これにより、腸および腸管外の症状が改善することがよくある。しかし、推奨されるのはグルテンを含まない食事を一生続けることである。グルテンを含む穀物には多くの必須栄養素、特に繊維も含まれているため、このことによる栄養学上の影響は不明である。また、グルテン含有食品を除くと、患者の生活の質に大きな影響を与え得る。たとえ小麦やグルテンを摂取したとしても、症状を少なくとも十分に低減する、またはこの状態の再発を防止する治療介入を患者に提供できるほうが得策と思われる。
従って、小麦および/またはグルテンの摂取を可能にする、ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の管理のための方法および化合物が依然として必要である。
国際公開公報第2011/100980号パンフレット 国際公開第2013/044928号パンフレット 国際公開第2012/155916号パンフレット 国際公開第2013/044928号パンフレット 国際公開第2013/091660号パンフレット 国際公開第2010/115934号パンフレット 国際公開第2010/115935号パンフレット 国際公開第2013/139344号パンフレット 国際公開第2010/100979号パンフレット 国際公開第2012/113404号パンフレット 国際公開第2012/113405号パンフレット 国際公開第2012/007588号パンフレット 国際公開第2012/127410号パンフレット 国際公開第2012/156897号パンフレット 国際公開第2012/156898号パンフレット 国際公開第01/04341号パンフレット 国際公開第2007/101862号パンフレット
Leccioli et al. Nutrients 9, 1203 (2017) Uhde et al. Gut 65, 1930 (2016) Bode: Human milk oligosaccharides and their beneficial effects, in: Handbook of dietary and nutritional aspects of human breast milk (Zibadi et al., eds.), pp. 515-31, Wageningen Academic Publishers (2013) Urashima et al.: Milk Oligosaccharides.Nova Science Publisher(2011); Chen Adv. Carbohydr. Chem. Biochem. 72、113(2015) Duranti et al. Appl. Environ. Microbiol. 79, 336 (2013) Bottacini et al. Microbial Cell Fact. 13:S4 (2014) Commission Notice on the classification of Food for Special Medical Purposes of the European Commission, Official Journal of the European Union C 401, 25.11.2017, p. 10-11
本発明の第1の態様は、
−ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置
−非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導すること、および/または
−ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の二次予防
に使用するためのヒトミルクオリゴ糖(HMO)に関する。
本発明の第2の態様は、
−ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置、
−非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導すること、および/または
−ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の二次予防
に使用するための、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)を含有する合成組成物に関する。
好ましくは、本発明の合成組成物は1g〜15g、より好ましくは2g〜10gの量のHMOを含む。例えば、本発明の合成組成物は3g〜7gの量のHMOを含み得る。
本発明の合成組成物は、ビフィズス菌、例えばビフィドバクテリウム・ロングムおよび/またはビフィドバクテリウム・ビフィダムを含み得る。
本発明の第3の態様は、ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を処置する方法であって、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量を前記ヒトに投与することを含む方法に関する。
本発明の第4の態様は、ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を二次予防する方法であって、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量を前記ヒトに投与することを含む方法に関する。
本発明の第5の態様は、非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導する方法であって、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量を前記患者に投与することを含む方法に関する。
好ましくは、グルテン含有シリアルを摂取しながら患者にHMOを投与する。
投与するHMOの量は、ヒトの腸内のブチレート産生細菌および/またはビフィズス菌の存在量を増加させるのに有効であるのが好ましい。さらに、投与するHMOの量は、ヒトの腸、特に大腸のバリア特性を改善するのに有効であるのが好ましい。
好ましくは、1日当たり1g〜15gの量のHMO、より好ましくは1日当たり2g〜10gをヒトに投与する。例えば、1日当たり3g〜7gをヒトに投与してもよい。好ましくは、少なくとも連続7日間(1週間)、より好ましくは少なくとも連続14日間(2週間)、HMOをヒトに投与する。
非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置の間は高用量、次いで小麦および/またはグルテン耐性を誘導するために、もしくは二次予防として低用量、を患者に投与してもよい。好ましくは、処置の間は少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも2週間HMOをヒトに投与する。小麦および/またはグルテン耐性を誘導するために、もしくは二次予防としては、少なくとも4週間、より好ましくは少なくとも8週間HMOをヒトに投与してもよい。処置の段階に投与される用量は、好ましくは1日当たり約3g〜約15g(例えば、1日当たり約4g〜約7.5g)であり、小麦および/またはグルテン耐性誘導もしくは二次予防の段階に投与される用量は、好ましくは1日当たり約2g〜約7.5g(例えば、1日当たり約2g〜約5g)である。一実施形態では、本発明の方法は、非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を処置する第1段階と、それに続く小麦および/またはグルテン耐性を誘導するもしくは二次予防のための第2段階とを含む。好ましくは、第1段階で、非セリアック病小麦および/またはグルテン過敏症性が改善するまで(通常2〜3か月)、少なくとも7日間(1週間)、より好ましくは少なくとも14日間(2週間)、HMOをヒトに投与し、その後、小麦および/またはグルテン耐性を誘導するもしくは二次予防のために、少なくとも4週間連続、より好ましくは少なくとも8週間連続、HMOをヒトに投与する第2段階が続く。
本発明の第6の態様は、
−ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置、
−非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導すること、および/または
−ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の二次予防
に使用するための、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量の個別の1日用量を少なくとも14日分含むパックに関する。
好ましくは、各用量が約1g〜約15g、好ましくは約2g〜約10g、例えば約3g〜約7gのHMOを含む。好ましくは、パックは少なくとも21日分の個別の1日用量を含み、より好ましくは、少なくとも28日分の1日用量、例えば、少なくとも35日分の1日用量を含む。パックは使用説明書を含むことができる。
本発明の第7の態様は、
−1つもしくはそれ以上のヒトミルクオリゴ糖(HMO)、
−1つもしくはそれ以上のヒトミルクオリゴ糖(HMO)を含む合成組成物、または
−少なくとも1つもしくはそれ以上のヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量の個別の1日用量を少なくとも14日分含むパックの
非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者の食事管理における使用に関する。
前記態様のいずれかのある実施形態において、HMOは中性HMOまたは酸性HMOであり得る。中性HMOは、1つもしくはそれ以上のフコシル化HMOまたは1つもしくはそれ以上の非フコシル化HMOであり得る。好ましくは、HMOは、2'−FL、3−FL、DFL、LNT、LNnT、3'−SL、6'−SL、LNFP−Iまたはこれらの混合物から選択される。好ましくは、HMOは、2'−FL、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ;2'−FLおよびDFLのうちの少なくとも1つ、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ(例えば、2'−FL、DFLならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ);2'−FLおよび6'−SL;DFLおよび6'−SL;2'−FL、DFLおよび6'−SL;2'−FL、6'−SL、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ;および2'−FL、DFL、6'−SL、ならびにLNnTおよび/またはLNTのうちの少なくとも1つを含む、からなる、またはから本質的になる。
驚くべきことに、非セリアック病の小麦および/またはグルテン過敏症の患者への1つもしくはそれ以上のミルクオリゴ糖(HMO)の経口または腸内投与によって、その状態が軽減することがわかった。さらにHMOは驚くべきことに、非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の小麦および/またはグルテン患者に耐性を誘導し、症状を軽減させ、または無くした状態で患者がグルテンを摂取可能とする。従って、母乳オリゴ糖は、非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の食事による二次予防として使用できる。HMOはまた、胃腸管内のビフィズス菌、特にB.アドレセンティス系統発生グループのビフィズス菌、ビフィドバクテリウム・ロングムおよび/またはビフィドバクテリウム・ビフィダムの存在量を優先的に増加させる。これらの細菌はラクテートおよびアセテートを産生し、次にこれらはブチレート産生細菌によってブチレートに変換され得る。
ヒトミルクオリゴ糖は、母乳に含まれる可溶性グリカンの異種混合物である。これは、母乳中の乳糖と脂質に次いで3番目に豊富な固形成分であり、5〜25g/Lの濃度で存在する(非特許文献3)。HMOは、小腸での酵素による加水分解に耐性があるため、大部分は消化・吸収されずにそのまま結腸に到達する。結腸に到達したHMOの大部分は、特定の細菌の成長を選択的に刺激することにより腸の生態系を形成する基質として機能する。HMOは実質的に乳児の腸内微生物叢を調節し、人工栄養児と母乳栄養児との微生物叢の違いにおける決定的な役割を果たすと考えられる。これらの違いとしては、人工栄養児のより多様な腸内微生物叢と比較して母乳栄養児の腸内でのビフィズス菌の優勢が挙げられる。このことは、ビフィドバクテリウム種の菌株が腸の健康に良い影響を与えると考えられているため、乳児にとって有益であると見なされる。
HMOはまた、胃腸管内のビフィズス菌、特にB.アドレセンティス系統発生グループのビフィズス菌、ビフィドバクテリウム・ロングムおよび/またはビフィドバクテリウム・ビフィダムの存在量を優先的に増やす。
この明細書では、以下の用語の意味は次のとおりである。
「非セリアック小麦過敏症」とは、セリアック病または小麦アレルギーのいずれにも影響を受けていない対象における、グルテン含有食品の摂取に関連する腸および腸管外症状を特徴とする症候群を意味する。「非セリアックグルテン過敏症」は同じ意味であり、これら2つの用語は交換可能に使用される。グルテン含有食品は、通常、小麦、大麦およびライ麦などのグルテン含有穀物を含んでいる。
「非乳児のヒト」または「非乳児」とは、3歳およびそれ以上の年齢のヒトを意味する。非乳児のヒトは子供、ティーンエイジャー、大人または高齢者であり得る。
「ヒトミルクオリゴ糖」または「HMO」は、ヒト母乳に含まれる複合炭水化物を意味する(非特許文献4)。HMOは、1つもしくはそれ以上のβ−N−アセチル−ラクトサミニルおよび/または1つもしくはそれ以上のβ−ラクト−N−ビオシル単位によって伸長できる還元末端にラクトース単位を含むコア構造を有し、そのコア構造はα−L−フコピラノシルおよび/またはα−N−アセチル−ノイラミニル(シアリル)部分で置換されていることがある。これに関して、非酸性(または中性)HMOはシアリル残基を欠いており、酸性HMOはその構造中に少なくとも1つのシアリル残基を有する。非酸性(または中性)HMOは、フコシル化または非フコシル化できる。そのような中性の非フコシル化HMOの例としては、ラクト−N−テトラオース(LNT)、ラクト−N−ネオテトラオース(LNnT)、ラクト−N−ネオヘキサオース(LNnH)、パラ−ラクト−N−ネオヘキサオース(pLNnH)、パラ−ラクト−N−ヘキサオース(pLNH)およびラクト−N−ヘキサオース(LNH)が挙げられる。中性フコシル化HMOの例としては、2’−フコシルラクトース(2'−FL)、ラクト−N−フコペンタオースI(LNFP−I)、ラクト−N−ジフコヘキサオースI(LNDFH−I)、3−フコシルラクトース(3−FL)、ジフコシルラクトース(DFL)、ラクト−N−フコペンタオースII(LNFP−II)、ラクト−N−フコペンタオースIII(LNFP−III)、ラクト−N−ジフコヘキサオースIII(LNDFH−III)、フコシル−ラクト−N−ヘキサオースII(FLNH−II)、ラクト−N−フコペンタオースV(LNFP−V)、ラクト−N−フコペンタオースVI(LNFP−VI)、ラクト−N−ジフコヘキサオースII(LNDFH−II)、フコシル−ラクト−N−ヘキサオースI(FLNH−I)、フコシル−パラ−ラクト−N−ヘキサオースI(FpLNH−I)、フコシル−パラ−ラクト−N−ネオヘキサオースII(FpLNnH II)およびフコシル−ラクト−N−ネオヘキサオース(FLNnH)が挙げられる。酸性HMOの例としては、3'−シアリルラクトース(3'−SL)、6'−シアリルラクトース(6'−SL)、3−フコシル−3'−シアリルラクトース(FSL)、LST a、フコシル−LST a(FLST a)、LST b、フコシル−LST b(FLST b)、LST c、フコシル−LST c(FLST c)、シアリル−LNH(SLNH)、シアリル−ラクト−N−ヘキサオース(SLNH)、シアリル−ラクト−N−ネオヘキサオースI(SLNH−I)、シアリルラクト−N−ネオヘキサオースII(SLNH−II)およびジシアリルラクト−N−テトラオース(DSLNT)が挙げられる。
「合成組成物」は、人工的に調製された組成物を意味し、好ましくは、例えば化学反応、酵素反応または組換え法により、生体外で化学的および/または生物学的に生成される少なくとも1つの化合物を含む組成物を意味する。いくつかの実施形態では、本発明の合成組成物は、天然に存在する組成物と同一であってもよいが、好ましくは同一ではないものである。合成組成物は、典型的には、1つもしくはそれ以上のHMOを含む、1つもしくはそれ以上の化合物を含み、ヒトにおける小麦および/またはグルテン過敏症の症状を軽減するか、または耐性を誘導できる。また、いくつかの実施形態では、合成組成物は、上記の化合物の効力に悪影響を及ぼさない栄養的または薬学的に活性な成分を1つもしくはそれ以上含んでもよい。本発明の合成組成物のいくつかの実施形態をさらに以下に説明するが、これらは限定を意図するものでない。
「微生物叢」、「マイクロフローラ」および「マイクロバイオーム」は、身体器官または部分、特にヒトの胃腸器官に通常、生息する微生物の群集を意味する。胃腸器官微生物叢の最も優勢なメンバーとしては、ファーミキューテス、バクテロイデス、アクチノバクテリア、プロテオバクテリア、シネルギステス、ウェルコミクロビア、フソバクテリア、およびユーリアーキオータ門の微生物;属レベルではバクテロイデス、フィーカリバクテリウム、ビフィドバクテリウム、ローズブリア、アリスティペス、コリンセラ、ブラウティア、コプロコッカス、ルミノコッカス、ユーバクテリウム、およびドレア;種レベルではバクテロイデス・ユニフォルミス、アリスティペス・ピュトレディニス、パラバクテロイデス・メルダエ、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・ブロミイ、ドレア・ロンギカテナ、バクテロイデス・カッカエ、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、ユーバクテリウム・ハリー、ルミノコッカス・トルケス、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツイ、ルミノコッカス・ラクタリス、コリンセラ・アエルファシエンス、ドレア・フォルミシゲネランス、バクテロイデス・ブルガタス、およびローズブリアインテスティナリス挙げられる。胃腸内微生物叢としては、胃腸管の上皮を覆う粘膜層に位置するかまたは付着している粘膜関連微生物叢と、胃腸管の内腔に見られる管腔関連微生物叢が挙げられる。
「腸内投与」とは、消化管(胃を含む)に組成物の堆積を引き起こす、非乳児に組成物を供給するための従来からの形態を意味する。腸内投与の方法には、経鼻胃管または空腸管、経口、舌下および直腸を通しての投与が挙げられる。
「経口投与」とは、口を通してヒトに組成物を供給するための従来からの形態を意味する。従って、経口投与は腸内投与の一形態である。
「有効量」とは、ヒトにおいて所望の処置結果をもたらすのに十分な量のHMOを提供する組成物の量を意味する。所望の処置結果を達成するために、有効量を1回もしくはそれ以上の用量で投与することができる。
「ビフィズス菌の相対存在量」とは、ヒトの胃腸管の微生物叢における他のビフィズス菌と比較したあるビフィズス菌種の存在量を意味する。
「ビフィズス菌の相対増殖」とは、ヒトの胃腸管内の微生物叢における他のビフィズス菌と比較したあるビフィズス菌種の増殖を意味する。
「B.アドレセンティス系統発生グループのビフィフィドバクテリウム属」とは、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・アングラタム、ビフィドバクテリウム・アングラタム、ビフィドバクテリウム・カテヌラタム、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラタム、ビフィドバクテリウム・カシワノヘンス、ビフィドバクテリウム・デンタムおよびビフィドバクテリウム・ステルコリスからなる群から選択される細菌である(非特許文献5、非特許文献6)。好ましくは、B.アドレセンティス系統発生グループのビフィフィドバクテリウム属はビフィドバクテリウム・アドレセンティスおよび/またはビフィドバクテリウム・シュードカテヌラタムである。
「処置」とは、処置を受けているヒトの結果を改善もしくは安定させること、もしくは根本的な栄養ニーズに対処することを目的として、医学的状態または疾患に対処することを意味する。従って、処置には、処置を受けるヒトの栄養ニーズに対処することによる、医学的状態または疾患の食事もしくは栄養管理が含まれる。「処置する」と「処置」は文法的に対応する意味を有する。
「食事管理」とは、疾患、障害または医学的状態のために、
−通常の食品もしくはその中に含まれる特定の栄養素、もしくは代謝産物を摂取、消化、吸収、代謝もしくは排泄する能力が制限された、損なわれた、もしくは乱れている、または
−他の医学的に決定された栄養要件を有する
患者に、専らまたは部分的に規定食を与えることを意味する(参照:非特許文献7)。
「微生物叢の調節」とは、微生物叢に変更または制御する影響、例えばビフィドバクテリウム、バルネシエラ、フィーカリバクテリウムおよび/または他のブチレート産生細菌の固有の腸内存在量の増加につながる影響を与えることを意味する。別の例では、その影響は、ルミノコッカス・グナブスおよび/またはプロテオバクテリアの腸内存在量の減少につながる可能性がある。「プロテオバクテリア」はグラム陰性菌の門であり、エシェリヒア、サルモネラ、ビブリオ、ヘリコバクター、エルシニア、および他の多くの注目すべき属などの様々な病原菌が含まれる。
「治療」とは、疾患もしくは病的状態の症状を軽減もしくは排除するために行われる処置またはなされる行為を意味する。
本明細書における「予防的処置」または「予防」は、疾患の発症もしくは再発のリスクを減少させるために施される処置もしくはなされる行為を意味する。
「二次予防」とは、リスクの高い患者におけるその状態の発症の予防、またはすでにその状態を有する患者における症状の再発の予防を意味する。「リスクの高い」患者とは、その状態を発症する素因がある個人、例えば、その状態の家族歴があるヒトである。
HMOは、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギ種を含むがこれらに限定されない哺乳類から分泌された乳から、周知の方法によって単離または濃縮することができる。HMOはまた、微生物発酵、酵素プロセス、化学合成、またはこれらの技術の組み合わせを使用する周知の方法によって調製することができる。例えば、化学的方法を使用し、LNnTは特許文献1および特許文献2に記載されているように製造することができ、LNTは特許文献3および特許文献4に記載されているように合成することができ、LNTおよびLNnTの混合物は特許文献5に記載されているように製造することができ、2'−FLは特許敏件6および特許文献7に記載されているように製造することができ、3−FLは特許文献8に記載されているように製造することができ、6'−SLおよびその塩は特許文献9に記載されているように製造することができ、シアリル化オリゴ糖は、特許文献10に記載されているように製造することができ、ヒトミルクオリゴ糖の混合物は、特許文献11に記載されているように製造することができる。酵素産生の例として、シアリル化オリゴ糖は、特許文献12に記載されているように製造することができ、フコシル化オリゴ糖は、特許文献13に記載されているように製造することができ、ヒトミルクオリゴ糖の多様なブレンドは特許文献14および特許文献15に記載されているように有利に製造することができる。遺伝子組み換え大腸菌を使用して、フコースまたはシアル酸で任意に置換されたコア(非フコシル化中性)ヒトミルクオリゴ糖を製造する方法を説明するバイオテクノロジー法は、特許文献16および特許文献17で見つけることができる。
上記の態様のいずれかにおけるHMOは、本発明の目的に適した単一のHMOまたは任意のHMOの混合物であってよい。HMOは中性HMOまたは酸性HMOであり得る。中性HMOは、一実施形態では、1つもしくはそれ以上のフコシル化HMOであり、別の実施形態では、中性HMOは1つもしくはそれ以上の非フコシル化HMOである。特に、フコシル化中性HMOは、2'−FL、3−FL、DFL、LNFP−I、LNFP−II、LNFP−III、LNFP−V、LNFP−VI、LNDFH−I、LNDFH− II、LNDFH−III、FLNH−I、FLNH−II、FLNnH、FpLNH−IおよびF−pLNnH IIからなるリストから選択され、好ましくは2'−FLであり、非フコシル化中性HMOは、LNT、LNnT、LNH、LNnH、pLNHおよびpLNnHからなるリストから選択され、例えばLNnTである。1つもしくはそれ以上のフコシル化HMOは、例えば、2'−FLおよびDFLを含む、からなる、またはから本質的になる混合物であり得る。
一実施形態では、混合物は、中性HMO、好ましくは少なくとも第1中性HMOおよび少なくとも第2中性HMOを含み、からなり、またはから本質的になり、第1中性HMOはフコシル化中性HMOであり、第2中性HMOは非フコシル化中性HMOである。フコシル化中性HMOおよび非フコシル化中性HMOは、約4:1〜1:1の質量比で存在し得る。特に、HMOの混合物は、2'−FL、3−FL、DFL、LNFP−I、LNFP−II、LNFP−III、LNFP−V、LNDFH−I、LNDFH−II、LNDFH−III、FLNH−I、FLNH−II、FLNnH、FpLNH−IおよびF−pLNnH IIからなるリストから選択されるフコシル化HMO、ならびにLNT、LNnT、LNH、LNnH、pLNHおよびpLNnHからなるリストから選択される非フコシル化中性HMOを含む、からなる、またはから本質的になる。より好ましくは、中性HMOの混合物は2'−FL、3−FLおよびDFLからなるリストから選択されるフコシル化HMO、ならびにLNTおよびLNnTからなるリストから選択される非フコシル化中性HMOを含み、からなり、またはから本質的になる。有利には、混合物は、2'−FLならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ;もしくは2'−FLおよびDFLのうちの少なくとも1つならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ;もしくは2'−FL、DFL、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つを含む、からなる、またはから本質的になる。
他の実施形態では、混合物は少なくとも第1(酸性)HMOおよび少なくとも第2(中性)HMOを含み、からなり、またはから本質的になり、第1(酸性)HMOは3'−SL、6'−SLおよびFSLからなるリストから選択され、第2(中性)HMOは2'−FL、3−FL、DFL、LNTおよびLNnTからなるリストから選択される。有利には、混合物は2'−FLおよび6'−SL、もしくは6'−SLならびに2'−FLおよびDFLのうちの少なくとも1つ;もしくは2'−FL、6'−SL、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つ;もしくは2'−FL、DFL、6'−SL、ならびにLNnTおよび/またはLNTのうちの少なくとも1つを含む、からなる、またはから本質的になる。
さらに、一実施形態では、合成組成物は、栄養組成物の形態であり得る。例えば、栄養組成物は、食品組成物、再水和溶液、医療食品または特別な医療目的のための食品、栄養サプリメントなどであり得る。栄養組成物は、タンパク質、脂質および/または消化可能な炭水化物の供給源を含むことができ、粉末もしくは液体の形態であり得る。栄養組成物は、唯一の栄養源または栄養サプリメントとして設計できる。
適当なタンパク質の供給源(タンパク質源)としては、乳タンパク質、大豆タンパク質、米タンパク質、エンドウ豆タンパク質およびオート麦タンパク質、またはこれらの混合物が挙げられる。乳タンパク質は、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質分離物、乳清タンパク質もしくはカゼイン、または両方の混合物の形態であり得る。タンパク質は、総タンパク質、または部分的に加水分解されたもしくは広範囲に加水分解された加水分解タンパク質であり得る。加水分解されたタンパク質は、消化がより容易であるという利点を提供し、これは、胃腸管が炎症を起こしたまたは損傷したヒトにとって重要であり得る。タンパク質は遊離アミノ酸の形で提供することもできる。タンパク質は、栄養組成物のエネルギーの約5%〜約30%、通常は約10%〜20%を構成することができる。
タンパク質源は、グルタミン、スレオニン、システイン、セリン、プロリン、またはこれらのアミノ酸の組み合わせの源であり得る。グルタミン源は、グルタミンジペプチドおよび/またはグルタミン強化タンパク質であり得る。腸細胞がエネルギー源としてグルタミンを使用することに起因して、グルタミンを含めることができる。スレオニン、セリン、プロリンはムチンの産生に重要なアミノ酸である。ムチンは胃腸管を覆い、腸のバリア機能と粘膜の治癒を改善する。システインはグルタチオンの主要な前駆体であり、体の抗酸化防御の鍵となる。
適当な消化可能な炭水化物としては、マルトデキストリン、加水分解もしくは加工デンプンもしくはコーンスターチ、グルコースポリマー、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、高フルクトースコーンシロップ、米由来炭水化物、エンドウ由来炭水化物、ジャガイモ由来炭水化物、タピオカ、スクロース、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、ハチミツ、糖アルコール(例えばマルチトール、エリスリトール、ソルビトール)、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、組成物は、添加されるラクトースもしくは他のFODMAP炭水化物を減らした、または含まない。一般に、消化可能な炭水化物は、栄養組成物のエネルギーの約35%から約55%を提供する。特に適当な消化可能な炭水化物は、低デキストロース当量(DE)マルトデキストリンである。
適当な脂質としては中鎖トリグリセリド(MCT)および長鎖トリグリセリド(LCT)が挙げられる。好ましくは、脂質は、MCTsとLCTsの混合物である。例えば、MCTsは、約30重量%〜約70重量%の脂質を構成することができ、より具体的には約50重量%〜約60重量%を構成することができる。MCTsは、胃腸管が炎症を起こしたまたは損傷したヒトにとって重要であり得る、消化がより容易であるという利点を提供する。一般的に、脂質は栄養組成物のエネルギーの約35%〜約50%を提供する。脂質は必須脂肪酸(オメガ3およびオメガ6脂肪酸)を含むことができる。好ましくは、これらの多価不飽和脂肪酸は、脂質源の総エネルギーの約30%未満を提供する。
長鎖トリグリセリドの適当な供給源は、菜種油、ヒマワリ油、ヤシ油、大豆油、乳脂肪、トウモロコシ油、高オレイン油、および大豆レシチンである。分画ココナッツオイルは中鎖トリグリセリドの適当な供給源である。栄養組成物の脂質プロファイルは、好ましくは、約4:1〜約10:1の多価不飽和脂肪酸オメガ−6(n−6)対オメガ−3(n−3)比を有するように設計される。例えば、n−6対n−3脂肪酸比は、約6:1〜約9:1であり得る。
栄養組成物は、ビタミンおよびミネラルも含み得る。栄養組成物が唯一の栄養源であることを意図する場合、それは好ましくは完全なビタミンおよびミネラルプロファイルを含む。ビタミンの例としては、ビタミンA、B複合体(B1、B2、B6、およびB12など)、C、D、E、K、ナイアシン、ならびにパントテン酸、葉酸、およびビオチンなどの酸性ビタミンが挙げられる。ミネラルの例としては、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素、銅、リン、マンガン、カリウム、クロム、モリブデン、セレン、ニッケル、スズ、シリコン、バナジウムおよびホウ素が挙げられる。
栄養組成物は、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン、およびベータカロテンなどのカロテノイドも含有することができる。含まれるカロテノイドの総量は、約0.001μg/mL〜約10μg/mLまで変動し得る。ルテインは、約0.001μg/mL〜約10μg/mL、好ましくは約0.044μg/mL〜約5μg/mLの量のルテインを含有することができる。リコピンは、約0.001μg/mL〜約10μg/mL、好ましくは約0.0185μg/mL〜約5μg/mLの量のリコピンを含有することができる。ベータカロテンは、約0.001μg/mL〜約10mg/mL、例えば約0.034μg/mL〜約5μg/mLのベータカロテンを含有することができる。
栄養組成物は、好ましくは、濃度を低くしたナトリウムも、例えば、約300mg/L〜約400mg/L含む。残りの電解質は、腎機能に過度の腎溶質負荷を与えることなく、ニーズを満たすように設定された濃度で存在し得る。例えば、カリウムは、好ましくは約1180〜約1300mg/Lの範囲で存在し、塩化物は、好ましくは約680〜約800mg/Lの範囲で存在する。
栄養組成物はまた他の様々な従来の成分、例えば、防腐剤、乳化剤、増粘剤、緩衝液、繊維およびプレバイオティクス(例えば、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖)、プロバイオティクス(例えば、B.アニマリス亜種ラクティスBB−12、B.ラクティスHN019、B.ラクティスBi07、B.インファンティスATCC 15697、L.ラムノサスGG、L.ラムノサスHN001、L.アシドフィルスLA−5、L.アシドフィルスNCFM、L.ファーメンタムCECT5716、B.ロングムBB536、B.ロングムAH1205、B.ロングムAH1206、B.ブレヴェM−16V、L.レウテリATCC 55730、L.レウテリATCC PTA−6485、L.レウテリDSM 17938)、トコフェロール、カロテノイド、アスコルベート/ビタミンC、パルミチン酸アスコルビル、ポリフェノール、グルタチオン、およびスーパーオキシドジスムターゼ(メロン)などの抗酸化/抗炎症化合物、その他の生物活性因子(例えば、成長ホルモン、サイトカイン、TFG−β)、着色剤、香料、および安定剤、潤滑剤などを含むことができる。
栄養組成物は、可溶性粉末、液体濃縮物、またはすぐに使える製剤として製剤化できる。組成物は、経鼻胃管を介して、または経口で、必要とするヒトに与えることができる。様々なフレーバー、繊維および他の添加剤が存在することもできる。
栄養組成物は、固体または液体の形態の栄養組成物を調製するために一般的に使用される任意の製造技術によって調製できる。例えば、当該組成物は、様々な摂食溶液を混ぜ合わせることによって調製できる。脂質源を加熱および混合し、次に加熱および攪拌しながら乳化剤(例えばレシチン)、脂溶性ビタミン、およびタンパク質源の少なくとも一部を添加することにより、脂肪中タンパク質摂食溶液を調製できる。次に、炭水化物摂食溶液は、ミネラル、微量ミネラルおよび超微量ミネラル、増粘剤または懸濁剤を加熱および攪拌しながら水に添加することによって調製される。得られた溶液は炭水化物(例えば、HMOおよび消化可能な炭水化物源)を追加する前に加熱と攪拌を継続しながら10分間保持される。次に、得られた摂食溶液を加熱および撹拌しながら一緒にブレンドし、pHを6.6〜7.0に調整し、その後、組成物を高温短時間処理にかけ、その間に組成物を熱処理し、乳化し、均質化し、その後、放冷する。水溶性ビタミンとアスコルビン酸を加え、必要に応じてpHを所望の範囲に調整し、フレーバーを加え、水を加えて、所望の全固体濃度を達成する。
液体製品の場合、得られた溶液を無菌で包装して、無菌包装された栄養組成物を形成できる。この形態では、栄養組成物は、すぐに食べられる形態または濃縮された液体形態であり得る。あるいは、組成物を噴霧乾燥し、処理し、再構成可能な粉末として包装できる。
栄養製品がすぐに食べられる栄養液である場合、液体中のHMOの総濃度は、液体の重量で約0.2%〜約1.5%を含む約0.1%〜約1.5%、例えば約0.3%〜約0.7%であることが好ましい場合がある。栄養製品が濃縮栄養液体である場合、液体中のHMOの総濃度は、液体の重量で約0.4%〜約2.0%を含む約0.2%〜約3.0%、例えば、約0.6%〜約1.5%であることが好ましい場合がある。
別の実施形態では、栄養組成物は、単位投与剤型である。単位投与剤型は、許容可能な食品グレードの担体、例えばリン酸緩衝生理食塩水、水中エタノール混合物、水および油/水もしくは水/油エマルションなどのエマルション、ならびに様々な湿潤剤または賦形剤を含むことができる。単位投与剤型はまた、ヒトに投与した場合、有害な、アレルギー性の、またはそうでなければ望ましくない反応を引き起こさない他の物質を含むこともできる。担体および他の材料としては、溶媒、分散剤、コーティング、吸収促進剤、制御放出剤、ならびにデンプン、ポリオール、造粒剤、微結晶性セルロース、希釈剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤などの1つもしくはそれ以上の不活性賦形剤を挙げることができる。
本発明の単位投与剤型は、例えば、所定量の混合物を含有する錠剤、カプセル、もしくはペレットとして、もしくは所定濃度の混合物を含有する粉末もしくは顆粒として、もしくは所定濃度の混合物を含有するゲル、ペースト、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、ボーラス、舐剤、もしくは水性または非水性液体中のスラリーとして経口投与できる。経口投与される組成物は、1つもしくはそれ以上の結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、香味剤、および保湿剤を含むことができる。錠剤などの経口投与される組成物は、場合によってはコーティングでき、HMOの徐放性、遅延性または制御放出を提供するように製剤化できる。
本発明の単位投与剤型はまた、経鼻胃管または直接注入によって胃腸管もしくは胃に投与できる。
本発明の単位投与剤型はまた、抗生物質、プロバイオティクス、鎮痛剤、および抗炎症剤などの治療剤を含むことができる。そのような組成物のヒトへの適切な用量は、ヒトの健康状態、免疫状態、体重および年齢などの要因に基づいて、従来の方法で決定できる。いくつかの場合において、用量は、ヒトの母乳中の組成物のHMOについて見られるものと同様の濃度である。必要な量は、一般に1日あたり約1g〜約15gであり、ある実施形態では1日あたり約2g〜約10g、例えば1日あたり約3g〜約7gの範囲であろう。適切な用法は、当業者に知られている方法によって決定できる。
さらなる実施形態において、HMOは、医薬組成物として製剤化できる。医薬組成物は、薬学的に許容される担体、例えばリン酸緩衝生理食塩水、水中エタノール混合物、水および油/水もしくは水/油エマルションなどのエマルション、ならびに様々な湿潤剤または賦形剤を含むことができる。医薬組成物はまた、非乳児に投与した時、有害な、アレルギー性の、またはそうでなければ望ましくない反応を引き起こさない他の物質を含むこともできる。担体および他の材料としては、溶媒、分散剤、コーティング、吸収促進剤、制御放出剤、およびデンプン、ポリオール、造粒剤、微結晶性セルロース、希釈剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤などの1つもしくはそれ以上の不活性賦形剤を挙げることができる。
医薬組成物は、例えば、所定量を含む錠剤、カプセル、もしくはペレットとして、もしくは所定濃度を含む粉末もしくは顆粒として、もしくは所定濃度を含むゲル、ペースト、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、巨丸薬、舐剤、もしくは、所定濃度を含む水性または非水性液体中のスラリーとして経口投与できる。経口投与される組成物は、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、香味剤、および保湿剤を含むことができる。錠剤などの経口投与組成物は、場合によりコーティングでき、その中の混合物の持続放出、遅延放出または制御放出を提供するように製剤化できる。
医薬組成物はまた、直腸坐剤、エアロゾル管、経鼻胃管または直接注入によって胃腸管もしくは胃へ投与できる。
医薬組成物は、抗生物質、プロバイオティクス、鎮痛剤、および抗炎症剤などの治療薬も含むことができる。ヒトに対するこれらの組成物の適切な用量は、こうした状態、免疫状態、体重および年齢などの要因に基づいて、従来の方法で決定できる。場合によっては、人の母乳中のHMOに見られる濃度と同様の濃度である。所要量は、一般に、1日あたり約1g〜約15g、ある実施形態では、1日あたり約2g〜約10g、例えば、1日あたり約3g〜約7gの範囲であろう。適切な用法は、従来の方法によって決定できる。
ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置では、投与する必要があるHMO(s)の量は、疲労のリスクおよび重症度、任意の根底にある医学的状態もしくは病気、年齢、組成物の形態、ならびに投与されている他の薬物などの要因によって異なる。さらに、HMOが活発な症状を軽減するために使用されているか(用量がより高くてもよい場合)、もしくはHMOが耐性を誘導するためおよび/または二次予防として使用されているか(用量がより低くてもよい場合)によって、量が異なり得る。しかしながら、必要な量は、医師によって容易に設定でき、一般に1日当たり約1g〜約15g、ある実施形態では1日当たり約2g〜約10g、例えば1日当たり約3g〜約7gの範囲であろう。適切な用量は、例えば、体重および/または状態、処置または予防されている非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の重症度、他の障害および/または病気、副作用の発生率および/または重症度、および投与方法などのいくつかの要因に基づいて決定できる。適切な用量範囲は、当業者に既知の方法により決定され得る。例えば、ヒトの非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を処置するためには、投与量は1日当たり約3g〜約15g、好ましくは1日当たり4g〜10gであるのに対し、小麦および/またはグルテン耐性を誘導するためもしくは二次予防においては、投与量は、1日当たり約2g〜約7.5g、好ましくは1日当たり2g〜5gであり得る。併用処置プロトコルでは、非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を処置するための初期処置段階(第1段階)に、投与量はより高くなり得(例えば、1日当たり3g〜15g、好ましくは1日当たり4g〜7.5g)、その後に小麦および/またはグルテン耐性を誘導するもしくは二次予防の段階(第2段階)が続き、投与量を減らすことができる(例えば、1日当たり2g〜7.5g、好ましくは1日当たり2g〜5g)。
実施例1
合計40人の男女の患者を、本研究参加のために採用する。各患者は小麦および/またはグルテン過敏症であると自己診断している。参加者は、参加者が他の医学的状態、ならびに様々な胃腸および生活の質の症状の重症度を示しているベースラインスクリーニング調査票に記入する。症状の測定については、スコア1が「症状なし」を意味し、スコア5が「重度の症状」を意味する、5ポイントのリッカート尺度を用いる。
各参加者には、約4gの1日用量のHMOの3週間分に十分な量のHMOを与える。HMOは2'−FLのみ、または2'−FLとLNnTの(重量で)4:1の混合物として提供する。参加者は通常の食事を維持する。
3週間摂取後、各参加者は参加者が様々な胃腸および生活の質の症状の重症度を示す2回目の調査票に記入する。症状の評価には、同じ5ポイントのリッカート尺度を用いる。
次に、各参加者には、約4gの1日用量のHMOのさらに3週間分の追加量のHMOを与える。この工程を、6週間、9週間および12週間後に繰り返す。
12週間にわたって、参加者は胃腸症状の軽減を示し、特に痛み、下痢、膨満感およびガスが軽減する。さらに、患者は疲労の改善を示している。
実施例2
18〜75歳の非セリアック小麦過敏症患者を、非セリアックグルテン過敏症のコンセンサス基準を使用し、胃腸科外来センターから採用する。患者が、セリアック病特異的なIgA抗筋内膜抗体および/または抗TG2抗体が陽性である場合、または患者が、セリアック病に特徴的な組織学的所見を示す場合、そのような患者は除外する。さらに、患者が、小麦アレルギー特異的なIgE血清検査または皮膚プリック検査で陽性の場合、そのような患者は除外する。その他の除外基準は、炎症性腸疾患、精神障害、腹部の大手術(特に腸切除)、糖尿病、全身性自己免疫疾患、アナフィラキシー症状発現の既往歴、全身性障害、妊娠中または授乳中の女性、および既に薬物療法を受けている患者である。
最初の訪問(スクリーニング)時に、各患者には、試験に関する情報を書面と口頭の両方にて提供し、インフォームド・コンセント(同意説明)文書に署名するよう依頼する。各患者を病歴の全面的な検討によって評価し、適格性分析のため、血液試料を採取する。便試料の採取のための器具を各患者に配布する。患者には、次の訪問まで試料を冷凍庫に保管するよう指示する。各患者に、グルテンを含まない食事療法について指導する。食事療法は専門の医療関係者が説明し、患者には、食事療法について説明し、許可された食品と許可されていない食品とを列挙し、食品ラベルの読み方を説明する小冊子を提供する。また患者には、登録センターへの直接の連絡先リンク(電子メールおよび電話による)を提供し、食事療法についての質問を受け付ける。
全員で80人の患者が含まれる。患者を各40人の患者の2グループに無作為に分け、1グループは処置製品を、1グループはプラセボ製品を8週間摂取させる。処置製品は2'−FLとLNnTの組み合わせ5グラムを含み、一方プラセボ製品はグルコース5グラムを含む。どちらの製品も、単位投与容器に入れた粉末である。
2回目の訪問(介入の開始)時に、適格基準を確認し、適格被験者を本試験の2つの群に無作為に分ける。身体的および精神的健康の症状、胃腸症状、生活の質ならびに便の堅さ(これらはSF36、GSRS、BSFSおよびQoLアンケートにより測定される)について評価を行う。試験補助具を、電子コンプライアンス日記の使用に関する説明書と共に配布する。便試料を回収し、新しい試料を採取するための器具を配布する。患者には、グルテンを含まない厳密な食事を8週間課す。
血液試料を採取し、バイオマーカーおよび免疫細胞の研究、ならびにバイオバンク用に供する。血液試料の血清をクライオチューブ(cryotube)に移し、−80℃で保存する。以下のバイオマーカーを測定する:TNF−α、IL−1β、IL−8、IL−6、IL−12、IL−10、MIP−1β、hs−CRP、リポ多糖結合タンパク質、脂肪酸結合タンパク質2、トリプターゼ、抗フラジェリン、ゾヌリン、ヒスタミン、プロスタグランジン2およびコルチゾール。免疫細胞のレベルを決定するため、血液に対してフローサイトメトリーを行う。
便サンプルを分析まで−80℃で保存する。16S rRNA遺伝子配列を使用して、試料に対して微生物学的分析を行う。
8週間後の3回目の訪問時に、便試料を回収し、血液試料を回収し、身体的および精神的健康の症状、胃腸症状、生活の質、ならびに便の堅さ(SF36、GSRS、BSFSおよびQoLアンケートにより測定される)について評価を行う。新しい試料を採取するための試験補助具および器具を配布する。その後、各患者には、1週間、10グラムのグルテンの1日用量に相当するグルテン含有食を課す。
介入の最後(第9週)に、各患者は医療チームを訪ねる。身体検査を行い、症状(GSRS、IBS−SSS、BSFS、QoLスケールなどで測定される)について再評価する。コンプライアンスを確認するため、試験補助具製品を回収する。便試料および血液試料を回収し、前回同様に分析する。
処置製品の投与を受けている患者は、プラセボ群と比べると、GSRSスコアが低下し、便の堅さが改善していると報告している。血液の分析により、処置患者の炎症マーカーのレベルが低下し、粘膜バリアの改善を示す腸の透過性が低下し、そして制御性免疫細胞が増加していることが分かる。便分析により、処置患者の細菌の異常増殖/腸内毒素症のレベルが低下し、ビフィズス菌、特にビフィドバクテリウム・アドレセンティス系統群のメンバーであるビフィドバクテリウム・ロングムおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムのレベルがより高くなっていることが分かる。
実施例3
杯細胞のヒトLS174T細胞培養モデルにおけるMUC2、TFF3、EIMβ、CHST5およびGAL3ST2発現を誘導する能力について、2'−FLおよびLNnTを試験する。ヒトLS174T細胞株を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手する。LS174T細胞を、5%COを含む空気中、37℃にて使用説明書に従って補充した最小必須培地(MEM)で維持する。2'−FLおよびLNnTを所要の濃度になるように細胞培養等級水に溶解する。LS174T細胞を、0または5mg HMO/mLを含むHMO溶液で処理する。
LS174T細胞を回収し、トリゾール試薬に懸濁し、製造元の指示に従ってRNA分析キット(キアゲン(Qiagen))を用いて全RNAを単離し、ナノドロップ分析(サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific))を用いてRNA単離物を定量する。RNA単離物を、大容量cDNA逆転写キット(アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems))を用いて逆転写してcDNAを作成し、これを用いて定量的RT−PCRによる遺伝子発現を評価する。
定量的RT−PCRのため、MUC2、TFF3、CHST5、GAL3ST2の発現アッセイを含む特定のTaqMAN遺伝子発現アッセイを、アプライドバイオシステムズから入手する。TaqMA PCRマスターミックス(アプライドバイオシステムズ)を用い、定量的リアルタイムPCRを行う。アプライドバイオシステムズ 7900HT高速リアルタイムPCRシステムを用い、384ウェルプレート中、反応を2回行う。結果を、SDS 2.3ソフトウェアを用いて分析し、デルタCt法によって計算する。全てのサンプルをGus−β発現に対して正規化し、未処理の対照に対してフォールド誘導を計算する。遺伝子発現を、HMOを含まない対照細胞と比較してフォールド増加として表す。実験を3回繰り返す。
上記結果は、2'−FLおよびLNnTを用いた処置により、対照培養物と比較してMUC2およびTFF3遺伝子の発現が増加することを示している。杯細胞遺伝子の発現の増加は特異的であり、一般的ではなく、これは、CHST5およびGAL3ST2の最小限の誘導または誘導の欠如によってそれぞれ証明される。MUC2およびTFF3は粘膜バリアの重要な構成成分であり、粘膜バリア機能を改善する。
実施例4
HMO 2'−FLおよびLNnTを4:1の質量比で、ロータリーブレンダーに導入する。0.25w%のステアリン酸マグネシウム量をブレンダーに導入し、得られた混合物を10分間混ぜる。次に、この混合物を流動床で凝集塊にし、5グラムのスティックパックに充填し、パックを密封する。

Claims (28)

  1. −ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置
    −非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導すること、および/または
    −ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の二次予防
    に使用するためのヒトミルクオリゴ糖(HMO)。
  2. −ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置、
    −非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導すること、および/または
    −ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の二次予防
    に使用するための、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)を含有する合成組成物。
  3. 1g〜15g、好ましくは2g〜10g、より好ましくは3g〜7gの量の少なくとも1つのHMOを含む、請求項2に記載の使用のための合成組成物。
  4. −ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の処置、
    −非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導すること、および/または
    −ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の二次予防
    に使用するための、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量の個別の1日用量を少なくとも14日分含むパック。
  5. 各1日用量が約1g〜約15g、好ましくは約2g〜約10gの少なくとも1つのHMOを含む、請求項4に記載の使用のためのパック。
  6. −1つもしくはそれ以上のヒトミルクオリゴ糖(HMO)、
    −1つもしくはそれ以上のヒトミルクオリゴ糖(HMO)を含む合成組成物、または
    −少なくとも1つもしくはそれ以上のヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量の個別の1日用量を少なくとも14日分含むパックの
    非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の食事管理における使用。
  7. ヒトミルクオリゴ糖が2'−FL、3−FL、DFL、LNT、LNnT、3'−SL、6'−SL、LNFP−Iまたはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の使用のためのヒトミルクオリゴ糖、請求項2もしくは3に記載の使用のための合成組成物、請求項4もしくは5に記載の使用のためのパック、または請求項6に記載の使用。
  8. ヒトミルクオリゴ糖が少なくとも1つの中性HMOを含む、からなる、またはから基本的になる、請求項1に記載の使用のためのヒトミルクオリゴ糖、請求項2もしくは3に記載の使用のための合成組成物、請求項4もしくは5に記載の使用のためのパック、または請求項6に記載の使用。
  9. 中性HMOがが、フコシル化HMOおよび非フコシル化HMOの混合物である、請求項8に記載の使用のためのヒトミルクオリゴ糖、使用のための合成組成物、使用のためのパック、または使用。
  10. 混合物が2'−FLおよびDFLのうちの少なくとも1つ、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つを含む、からなる、またはから基本的になる、請求項9に記載の使用のためのヒトミルクオリゴ糖、使用のための合成組成物、使用のためのパック、または使用。
  11. 混合物が、好ましくは約4:1〜1:1の質量比の2'−FLおよびLNnTを含む、からなる、またはから基本的になる、請求項10に記載の使用のためのヒトミルクオリゴ糖、使用のための合成組成物、使用のためのパック、または使用。
  12. ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を処置する方法であって、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量を前記ヒトに投与することを含む方法。
  13. 1日当たり3g〜15gの量のHMOを、例えば、1日当たり約4g〜約7.5gを人に投与する、請求項12に記載の方法。
  14. 少なくとも7日間連続してHMOをヒトに投与する、請求項12または13に記載の方法。
  15. ヒトにおける非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を二次予防する方法であって、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量を前記ヒトに投与することを含む方法。
  16. 非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症の患者に小麦および/またはグルテン耐性を誘導する方法であって、少なくとも1つのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の有効量を前記患者に投与することを含む方法。
  17. グルテン含有シリアルを摂取しながら患者にHMOを投与する、請求項16に記載の方法。
  18. 1日当たり2g〜7.5gの量のHMO、例えば1日当たり約2g〜約5gをヒトに投与する、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 少なくとも4週間連続してHMOをヒトに投与する、請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
  20. ヒトミルクオリゴ糖が、2'−FL、3−FL、DFL、LNT、LNnT、3'−SL、6'−SL、LNFP−Iまたはこれらの混合物を含む、請求項12〜19のいずれかに記載の方法。
  21. ヒトミルクオリゴ糖が少なくとも1つの中性HMOを含む、からなる、またはから基本的になる、請求項12〜19のいずれかに記載の方法。
  22. 中性HMOがフコシル化HMOおよび非フコシル化HMOの混合物である、請求項21に記載の方法。
  23. 混合物が2'−FLおよびDFLのうちの少なくとも1つ、ならびにLNnTおよびLNTのうちの少なくとも1つを含む、からなる、またはから基本的になる、請求項22に記載の方法。
  24. 混合物が、好ましくは約4:1〜1:1の質量比の2'−FLおよびLNnTを含む、からなる、またはから基本的になる、請求項23に記載の方法。
  25. 非セリアック小麦および/またはグルテン過敏症を処置する第1段階と、小麦および/またはグルテン耐性を誘導するもしくは二次予防のための第2段階とを含む、請求項1から請求項24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 第1段階に高用量のHMOをヒトに投与し、次いで第2段階に低用量のHMOを投与する、請求項25に記載の方法。
  27. 高用量が1日当たり約3g〜約15g、例えば1日当たり約4g〜約7.5gであり、低用量が1日当たり約2g〜約7.5g、例えば1日当たり約2g〜約5gである、請求項26に記載の方法。
  28. 第1段階の期間が少なくとも連続する7日間であり、第2段階の期間が少なくとも連続する4週間である、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
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