JP2021504371A - Yeats阻害剤およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書に開示されるのは、YEATSタンパク質ドメインにおけるπ−π−πスタッキングを阻害することにより急性白血病を治療するのに適した組成物および方法である。YEATSタンパク質ドメインは、典型的にさまざまなクロマチン修飾分子複合体に見られる。癌細胞は異常なエピジェネティックな状況によって特徴づけられ、しばしばクロマチン機構を利用して癌遺伝子発現プログラムを活性化する。蛍光ベースのアッセイの使用によるYEATSドメイン阻害剤の阻害活性の定量分析により、試験した阻害剤のいくつかがサブマイクロ/ナノモルレベルで50%阻害を達成したことを示した。したがって、本発明は、白血病性MLL−r細胞を選択的に殺すためにENL YEATSドメインを標的とする小分子阻害剤の使用を開示する。

Description

発明の分野
開示する発明は、一般に官能化オリゴマーの分野、特に官能化ペプチドおよびペプチド阻害剤の分野に属する。
発明の背景
白血病は、通常、骨髄で始まる、異常な完全に発達していない白血球を多数発生させる癌のグループである。白血病とリンパ腫はどちらも、血液、骨髄、リンパ系に影響を与える腫瘍のより広いグループに属しており、造血組織とリンパ組織の腫瘍として知られている。急性白血病は、未熟な血液細胞の数の急速な増加を特徴とする。そのような細胞から生じる過密状態により、骨髄は健康な血液細胞を産生できなくなる。急性白血病は、悪性細胞が急速に発達し蓄積し、その後、血流に溢れて身体の他の臓器に拡がるため、即時の治療を必要とする。急性型の白血病は、子供の最も一般的な白血病の型である。慢性白血病は、比較的成熟しているが異常な白血球の過剰な蓄積を特徴とする。通常は進行に数か月または数年かかるが、細胞は、通常よりもはるかに高い速度で生成され、その結果多くの異常な白血球が生じる。急性白血病は直ちに治療しなければならないのに対し、慢性型は治療の最大の効果を確実にするために治療前にしばらくモニターされることがある。慢性白血病は主に高齢者に発生するが、あらゆる年齢層に発生する可能性がある。
白血病には主に4つのタイプ:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、および慢性骨髄性白血病(CML)があり;また、あまり一般的でないタイプもいくつかある。
ALLは、幼児における最も一般的なタイプの白血病である。ただし、成人、特に65歳以上にも影響を与える可能性がある。ALLのサブタイプには、前駆B急性リンパ芽球性白血病、前駆T急性リンパ芽球性白血病、バーキット白血病、および急性二重表現型白血病が含まれる。AMLは、子供よりも大人に、女性より男性に多い。AMLのサブタイプには、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、および急性巨核芽球性白血病が含まれる。CLLは最も55歳以上の成人に最も多く、罹患した人の3分の2は男性である。若い成人も罹患することがあるが、子供はほとんど罹患しない。CLLの1つのサブタイプは、B細胞前リンパ性白血病であり、より攻撃的な疾患である。CMLも成人に多く、罹患する子供はごく少数である。CLLの1つのサブタイプは慢性骨髄単球性白血病である。
ほとんどの白血病に伴う症状は、正常な血液細胞の欠乏に起因し、出血やあざの問題、疲労、発熱、感染リスクの増加などがある。診断は通常、血液検査または骨髄生検によって行われる。白血病の詳しい原因は不明であるが、遺伝的要因と環境的(非遺伝的)要因の両方が関与していると考えられている。白血病の種類が異なれば、原因も異なると考えられている。危険因子としては、喫煙、電離放射線、一部の化学物質(ベンゼンなど)、過去の化学療法やダウン症候群などが挙げられる。白血病の家族歴がある人もリスクが高くなる。
治療には、必要に応じて支持療法と緩和ケアに加えて、化学療法、放射線療法、標的療法、および骨髄移植のいくつかの組み合わせが含まれる。特定のタイプの白血病は、注意深い経過観察で管理できる場合がある。治療の成功は白血病の種類とその人の年齢に依存する。先進国では結果が改善されており、米国では平均5年生存率が57%である。15歳未満の子供では、白血病の種類に応じて、5年生存率が60〜85%を超える。5年後に癌がない急性白血病の小児では、癌が再発する可能性は低い。2015年の時点で、230万人が白血病を発症し、世界中で353,500人が死亡している。白血病は、子供の最も一般的なタイプの癌であり、子供における白血病の症例の4分の3は急性リンパ芽球型である。ただし、白血病全体の約90%は成人で診断され、AMLとCLLが成人で最も多い。白血病は先進国のほうが多い。
混合血統白血病(MLL)は、主に小児患者に起こる非常に攻撃的な急性血液癌である。他のタイプの小児急性白血病とは対照的に、MLLは予後不良であり、高度な治療法が利用可能であるにもかかわらず、治癒率は過去数年間低かった。このよく特徴付けられた疾患に対する利用可能な治療法は依然として不十分であり、治療的介入のための新しい標的を特定することが急務である。
本発明の目的は、急性白血病を治療するための改善された組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、YEATSタンパク質ドメインにおけるπ−π−πスタッキングを阻害する改善された組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、急性白血病を治療するための改善された方法を提供することである。
発明の概要
本明細書に開示されるのは、YEATSタンパク質ドメインにおけるπ−π−πスタッキングを阻害することにより急性白血病を治療するのに適した組成物および方法である。YEATSタンパク質ドメインは、通常、さまざまなクロマチン修飾分子複合体に見られる。これらのドメインの芳香環間の非共有的相互作用は、通常、πスタッキング(あるいはパイスタッキング)相互作用と呼ばれる。YEATSドメインは、ヒストンのリジンクロトン化マークを特異的に認識し、アミノ酸残基を含む2つの保存された芳香環を使用してπ−π−πスタッキングを形成することにより、クロトニル基を収容する。
癌細胞は異常なエピジェネティックな状況(epigenetic landscapes)によって特徴付けられ、クロマチン機構を利用して癌遺伝子発現プログラムを活性化することがよくある。特に混合白血病(MLL)は、11q23のMLL遺伝子に影響を与える染色体転座または転位(MLL−r)の結果であるMLL融合タンパク質の存在によって特徴付けられる。
一部の白血病は、MLLタンパク質の部分と第二のタンパク質の部分との融合によって形成される異常なハイブリッドタンパク質が関与する。この第二のタンパク質は、多くの場合、超伸長複合体(SEC)またはDOT1L含有複合体(DotCom)の部分であり、どちらもMLL再構成白血病の遺伝子転写プログラムをモジュレートする。ENLと呼ばれるタンパク質は両方の複合体と会合し、複合体の1コピーがMLLに融合している細胞では、融合複合体と非融合複合体の両方と相互作用する。ENLは、その周りにDNAがパッケージされているヒストン複合体の部分であるタンパク質ヒストンH3の、特定のアセチル基(Ac)に結合するYEATSドメインを含んでいる。ENL YEATSドメインは、SECとDotComのDNAとの会合を安定化するのを助け、遺伝子発現の白血病駆動プログラムをプロモートする(Erb et al. Nature 543:270 274 (2017); Wan et al. Nature 543:265 269 (2017))。構造ベースの変異誘発による、YEATSドメインとヒストンアセチル化との間の相互作用の破壊は、RNAポリメラーゼIIのENL標的遺伝子への動員を減らし癌遺伝子発現プログラムの抑制につながることが、過去に示されている。
蛍光ベースのアッセイの使用によるYEATSドメイン阻害剤の阻害活性の定量分析により、試験した阻害剤のいくつかがサブマイクロ/ナノモルレベルで50%阻害を達成したことを示した。したがって、本発明は、白血病性MLL−r細胞を選択的に殺すために、ENL YEATSドメインにおけるπ−π−πスタッキング相互作用を標的とする小分子阻害剤の使用を開示す。
急性白血病を有する対象を治療するための組成物および方法が開示される。一般に、組成物は、ベースオリゴマーおよび側鎖を含む線状または環状オリゴマーを含む。側鎖は一般に、共役/非局在化基を含むように設計または選択される。オリゴマーは一般に、共役/非局在化基を介してYEATSタンパク質ドメインと相互作用できる。この相互作用は、YEATSタンパク質ドメインにおけるπ−π−πスタッキング相互作用を妨害または阻害し、これが所望のYEATS阻害効果を有すると考えられている。
好ましい形態では、ベースオリゴマーはペプチドまたはペプチド類似体である。一般に、オリゴマーは、適切な結合を介して連結単位が一緒に結合されている二価の連結単位から構成され得る。結合は、例えば、アミド、エステル、チオエステル、チオアミド、イミデート、イミド、スルホネート、またはスルホンアミド結合であり得る。オリゴマー内の各種結合は、同じでも異なっていてもよく、結合の任意の組み合わせで構成されていてもよい。好ましい結合は、アミド結合である。連結単位は、頭−尾、頭−頭、尾−尾連結であり得る。オリゴマー内の各種連結単位は、同じ方向に、または異なる方向に任意の順序で連結し得る。好ましい連結の向きは頭−尾の方向である。オリゴマー内の各種連結単位は、同じでも異なっていてもよく、連結単位の任意の組み合わせで構成されていてもよい。好ましい連結単位はα−アミノ酸である。
ある形態では、組成物は、ベースオリゴマーおよび側鎖を含む化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。ある形態では、化合物は式(I)に従って定義することができる:
Figure 2021504371
[式中、AはCR又はNであり得;B及びBはそれぞれ、独立して選択された二価の連結単位であり得、該連結単位は、アミド、エステル、チオエステル、チオアミド、イミダート、イミド、スルホネート、又はスルホンアミド結合で連結し得;ここで、該連結単位は、頭−尾方向に連結し得;Dは、H又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得;YはNR、O、又はSであり得;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり得;ここで、R15、R16、R17、R18は、H又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得;R、R、Rは、独立して、H又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得;Rは共役/非局在化基であり得る]。ある形態では、共役/非局在化基は、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(例えば、単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニル基であり得、ここで、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立して0〜10の整数である。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。ある形態では、置換されたヒドロカルビルアセチルを含み得る。
ある形態では、AはCR又はNであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る。ある形態では、AはCRであり、RはHであり得る。
ある形態では、Bは−NH−、−O−、−S−、又は−(CH−(ここで、pは1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5、及び6であり得る)であり得る。ある形態では、末端のBは−C(=O)−、−C(=NH)−、−C(=S)−、−S(=O)−、又は(B上の末端結合を表す)であり得る。ある形態では、DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得、ここで、R15、R16、R17であり、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る。
ある形態では、二価の単位は、
Figure 2021504371
[式中、WはCRであり、R11は側鎖であり、R12及びR13は結合の構成単位(例えば、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、チオアミン結合、イミダート結合、イミド結合、スルホネート結合、及びスルホンアミド結合)であり得る]であり得る。種々の二価の単位が、目的の連結の互換性のある構成要素であるR12及びR13で、同じ又は異なるタイプの連結により連結することができる。ある形態では、R12は−C(=O)−R19、−C(=NH)−R19、−C(=S)−R19、又は−S(=O)−R19であり得る。ある形態では、R19はN(R14)−、O−、S−、又はN(R14)−C−(=O)−、(ここで、R14はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る)であり得る。
ある形態では、R11は、オリゴマーのモノマーの既存のまたは通常の側鎖の一部で構成され得る。したがって、例えば、直線ベースのオリゴマーがペプチドである構成物では、ペプチド中のアミノ酸の側鎖の1つは、R11の一部を含むことができ、またはR11で置き換えることができる。一般に、この形態の構成物は、Rで終結する少なくとも1つのR11を含む(Rは本明細書で定義されるとおりである)。ある形態では、この形態の構成物は、以下の構造で定義される少なくとも1つのR11を含む:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、Rは共役/非局在化基であり得、X、Y、及びZは本明細書で定義する通りである]。
ある形態では、二価の単位はいずれも独立に任意のα−アミノ酸であり得る。ある形態では、二価の単位はそれぞれLys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、Leu、Trp、及びGlyからなる群から独立に選択されるα−アミノ酸であり得る。
ある形態では、DはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、DはHであり得る。ある形態では、Dはカルボキシベンジル(Cbz)であり得る。ある形態では、Dはアセチルであり得る。ある形態では、Dはベンゼンカルボニルであり得る。ある形態では、Dはベンゼンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、Dはベンゼンエチルカルボニルであり得る。ある形態では、Dはベンゼンプロピルカルボニルであり得る。ある形態では、Dはナフタレンメチルカルボニル.ある形態では、Dはナフタレンエチルカルボニルであり得る。
ある形態では、Dは、H、−NH、−NHR15、−NR1617、−OH、−OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリル(ここで、R15、R16、R17であり、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る)であり得る。ある形態では、DはH又はNHであり得る。ある形態では、Dはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、DはHであり得る。ある形態では、Dは−NHであり得る。ある形態では、DはOH又はOR18であり得る。ある形態では、DはOHであり得る。
ある形態では、Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、Xはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは4)であり得る。
ある形態では、Yは−NR、−O−、又は−S−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、YはNRであり、RはHであり得る。
ある形態では、Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり得る。ある形態では、Zは−CO−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。
ある形態では、共役/非局在化基は、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含む。ある形態では、共役/非局在化基は置換されていない又は置換された芳香環であり得る。ある形態では、共役/非局在化基は置換されていない又は置換された芳香族の単環、二環、三環、又は四環であり得る。ある形態では、共役/非局在化基は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであり得る。
ある形態では、Rは置換されていない又は置換されたヘテロ環又は炭素環、芳香環又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであり得る(ここで、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含む)。ある形態では、Rは置換されていない又は置換された芳香環であり得る。ある形態では、Rは置換されていない又は置換された芳香族の単環、二環、三環、又は四環であり得る。ある形態では、Rは置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであり得る。ある形態では、Rは、
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を表す]であり得る。
ある形態では、Rは置換されていないC炭素環芳香環(例えば、アリール基であり得る。ある形態では、Rは置換されていないCヘテロ環芳香環であり得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は6位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は4位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2、3、4、5、又は6位のいずれか2つの位置に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および5位に窒素を有し得る。
ある形態では、Rは置換されていないC炭素環芳香環であり得る。ある形態では、Rは置換されていないCヘテロ環芳香環であり得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれか2つの位置に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に硫黄を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、1位に窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれか2つの位置に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに酸素を有し、酸素が位置していない2、3、4、又は1位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに窒素を有し、窒素が位置していない2、3、4、又は1位のいずれかに酸素を有し得る。
ある形態では、Rは置換されていないC二環炭素環芳香環であり得る。ある形態では、Rは置換されていないC二環ヘテロ環芳香環であり得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれか2つの位置に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に硫黄を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し得るか、又は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれか2つの位置に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し、酸素が位置していない1、2、3、4、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し、窒素が位置していない1、2、3、4、6、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し得る。
ある形態では、mは1〜10の整数である。ある形態では、mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、nは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、m+nは0〜20の整数であり得る。ある形態では、m+nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15,16、17、18、19、又は20であり得る。
ある形態では、化合物は、式(II):
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Rは、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)、又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含んでなる、共役/非局在化基であって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数である]で定義され得る。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、化合物は、式(III):
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはNR、O、又はSであり;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;R及びRは独立してH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは共役/非局在化基(例えば、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであり、ここで、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立して0〜10の整数である]
で定義され得る。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、化合物は、式(IV):
Figure 2021504371
[式中、E及びEはそれぞれ、独立して置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリル、又はO、S、又はNRであり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはNR、O、又はSであり;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり;R、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは共役/非局在化基(例えば、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニル)であって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数である]で定義され得る。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態の化合物では、B連結単位の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、B連結単位の側鎖の2つは互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、B連結単位の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、B連結単位の側鎖の2つは互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、B連結単位の少なくとも1つおよびB連結単位の少なくとも1つは側鎖を含むことができ、BおよびB連結単位の側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Jアミノ酸の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、Jアミノ酸の側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成することができる。
ある形態の化合物では、Jアミノ酸の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、Jアミノ酸の側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成することができる。
ある形態の化合物では、Jアミノ酸の少なくとも1つおよびJアミノ酸の少なくとも1つは側鎖を含むことができ、J及びJアミノ酸の側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Eの少なくとも2つは側鎖を含むことができ、Eの側鎖の2つは互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Eの少なくとも2つは側鎖を含むことができ、Eの側鎖の2つは互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Eの少なくとも1つおよびEの少なくとも1つは側鎖を含むことができ、EおよびEの側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態では、化合物は、式(V):
Figure 2021504371
[式中、Rは置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;R、R、R、R、R10は独立してH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;G、G、及びGはそれぞれ置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、C1−10ヘテロシクリル、又はC5−9ヘテロアリールであり;i、i、j、j、k、kはそれぞれ独立して0〜10の整数である]
で定義され得る。ある形態では、R及びRはアミノ酸の側鎖であり、アミノ酸Lys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、Leu、Trp、及びGlyの側鎖から独立して選択され得る。
ある形態では、R10はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、R10はHであり得る。ある形態では、R10はカルボキシベンジル(Cbz)であり得る。ある形態では、R10は、アセチルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンエチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンプロピルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ナフタレンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ナフタレンエチルカルボニルであり得る。
ある形態では、iは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、iは0〜10の整数であり得る。ある形態では、iは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、jは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、jは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、j0〜10の整数であり得る。ある形態では、jは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、kは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、kは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。ある形態では、kは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、kは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、化合物は、π−π−πスタッキング相互作用を阻害する。ある形態では、化合物はYEATSタンパク質ドメインおよびその中のπ−π−πスタッキング相互作用を選択的に標的とする。
また、開示すいずれかの化合物の有効量を含む医薬組成物も開示される。ある形態では、組成物は、1以上の薬学的に許容される担体または添加剤をさらに含み得る。ある形態では、組成物は、π−π−πスタッキング相互作用を選択的に阻害する。ある形態では、組成物はYEATSタンパク質ドメインを選択的に標的とする。ある形態では、組成物は癌の治療に有効である。ある形態では、癌は急性白血病である。
癌を治療する方法も開示され、その方法は、開示された組成物のいずれかを、それを必要とする対象に投与することを含む。ある形態では、対象は急性白血病を患っている。
急性白血病を有する対象を治療するための組成物および方法が開示される。ある形態では、組成物は、式(I)で示される、線状ベースオリゴマー(ペプチドなど)および側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、AはN又はCRであり;B及びBはそれぞれ、独立して、各単位がエステル、アミド、チオエステル、チオアミド、イミデート、イミド、スルホネート、スルホンアミド結合で頭−尾方向に連結している二価の連結基であり;DはH又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはO、S又はNR;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;R15、R16、R17、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得;R、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは、置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。側鎖は、オリゴマーのモノマーの既存のまたは通常の側鎖の一部で構成され得る。したがって、例えば、線状ベースオリゴマーがペプチドである構造物では、ペプチド中のアミノ酸の側鎖の1つは、側鎖の一部を含むことができ、または側鎖によって置き換わり得る。
ある形態では、Bは−NH−、−O−、−S−、又は−(CH−(ここで、pは1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5、及び6であり得る)であり得る。ある形態では、末端のBは−C(=O)−、−C(=NH)−、−C(=S)−、−S(=O)−、又は−(B上の末端結合を表す)であり得る。ある形態では、DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得、ここで、R15、R16、R17、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る。
ある形態では、組成物は、式(II)で示される線状ベースペプチドおよび側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない]。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、組成物は、式(III)で示される線状ベースペプチドおよび側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはO、S又はNRであり;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、組成物は、式(IV)で示される線状ベースペプチドおよび側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、E及びEはそれぞれ独立してO、S、NR、置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはO、S又はNRであり;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり;R、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
別の形態では、組成物は、式(V)で示される環状ペプチドを含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;R、R、R、R、R10は独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;G、G、及びGはそれぞれ置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、C1−10ヘテロシクリル、又はC5−9ヘテロアリールであり;i、i、j、j、k、kは0〜10の整数である]。
ある形態では、R及びRはアミノ酸の側鎖であり、アミノ酸Lys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、Leu、Trp、及びGlyの側鎖から独立して選択され得る。
ある形態では、R10はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、R10はHであり得る。ある形態では、R10はカルボキシベンジル(Cbz)であり得る。ある形態では、R10はアセチルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンカルボニルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンエチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンプロピルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はナフタレンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はナフタレンエチルカルボニルであり得る。
ある形態では、組成物は、式(VI)で示される線状ベースペプチドおよび側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、nは、1より大きい整数、好ましくは2〜10の範囲の整数であり;L及びLは独立して水素、−NH、置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択される]。ある形態では、Lは、好ましくは、−NH基である。
式(VI)の化合物のある形態では、Lは、水素又は以下の基から選択される。
Figure 2021504371
式(VI)の化合物のある形態では、U及びUはそれぞれ独立して以下の基から選択される:
プロリン構造、
Figure 2021504371
[式中、破線は上記の基の結合点を示す]。
場合により、Uはプロリン構造を形成し得る(ここで、Uは、式(IV)の阻害剤の括弧で囲まれた繰り返し単位に示されているNH基の窒素と環状構造を形成し、NH基の水素は不在である、Cアルキルである)。場合により、Uはプロリン構造を形成し得る(ここで、Uは、式(IV)の阻害剤の括弧で囲まれた繰り返し単位に示されているNH基の窒素と環状構造を形成し、NH基の水素は不在である、Cアルキルである)。
式(VI)の化合物は、以下の構造で定義される少なくとも1つのU又はU基を含む:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、R1は共役/非局在化基であり得る]。ある形態では、共役/非局在化基は置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(例えば、単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニル基であり得、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含む。
式(VI)の化合物のある形態では、Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、Xはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは4)であり得る。
式(VI)の化合物のある形態では、Yは−NR、−O−、又は−S−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、YはNRであり、RはHであり得る。
式(VI)の化合物のある形態では、Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり得る。ある形態では、Zは−CO−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。
さらに他の形態では、組成物は、式(VII)で示される線状ベースペプチドおよび側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、n、L、L、U、及びU基は、式(VI)と同様に定義され、以下の構造で定義される少なくとも1つのUまたはU基を含む:
Figure 2021504371
(式中、破線は上記構造の結合点を示し、X、Y、Z、Rは式(VI)と同様に定義される)]。
さらに他の形態では、組成物は、式(VIII)で示される線状ベースペプチドおよび側鎖を含む阻害剤化合物である:
Figure 2021504371
[式中、nは、1より大きい整数、好ましくは2〜10の範囲の整数であり;xおよびyは独立して1〜10の整数である]。式(VIII)の化合物は、式(VI)で定義されているU基を含み、以下の構造で定義されるU基を少なくとも1つ含む:
Figure 2021504371
(式中、破線は上記構造の結合点を示し、X、Y、Z、Rは式(VI)と同様に定義される)]。
式(VIII)の化合物のある形態では、R及びRはそれぞれ独立して水素、C1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択され;及びRは、水素、−OH、−NH、C1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択される。
式(VIII)の化合物のある形態では、D及びDはそれぞれ独立して置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択され;Eは以下の構造で定義される:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、Mはそれぞれ独立して置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る]。ある形態では、Mはそれぞれアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、Mは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは4)であり;Qは−CH、C=NH、C(O)、S(O)、又はS(O)であり得る。ある形態では、ZはC(O)又はC=NHであり得る。ある形態では、Qは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Qは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Qは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。
本明細書に記載の化合物は、それを必要とする患者への投与のために、例えば、薬学的に許容される担体および、場合により1以上の薬学的に許容される添加剤と共に製剤化することができる。
開示された方法および組成物のさらなる利点は、一部は以下の説明に示され、一部はその説明から理解されるか、または開示された方法および組成物の実践によって知ることができる。開示された方法および組成物の利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘された要素および組み合わせによって実現および達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも、単なる例示および説明であり、請求項に記載した発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、開示された方法および組成物のいくつかの実施形態を示し、明細書の記載とともに、開示された方法および組成物の原理を説明するのに役立つ。
図1は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物1阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図2は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物2阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図3は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物3阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図4は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物4阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図5は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物5阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図6は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物6阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図7は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物7阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図8は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物8阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図9は、IC9の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物9阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図10は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物10阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図11は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物11阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図12は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物12阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図13は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物13阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図14は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物14阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図15は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物15阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図16は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物16阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図17は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物84阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図18は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物7h(24)阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図19は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物7i(25)阻害剤濃度の効果を示すグラフである。 図20は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物7j(26)阻害剤濃度の効果を示すグラフである。 図21は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物13a(27)阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図22は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物83阻害剤濃度の効果を示すグラフである。 図23は、阻害剤設計の戦略を示す概略図である。 図24は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対するH3K9crペプチド(陽性対照)濃度の影響を示すグラフである。 図25は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物1(XL−01)阻害剤濃度の影響を示すグラフである。 図26は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の実際の蛍光強度に対する化合物の濃度の影響を示すグラフである。化合物7(XL−07)、13(XL−13)、および84(XL−17)の値を、H3K9cr陽性対照ペプチドと比較して示す。 図27Aは、等温滴定熱量測定(ITC)の結果を示すグラフである。ネイティブのクロトニル基(図27A)。 図27Bは、等温滴定熱量測定(ITC)の結果を示すグラフである。2−フランカルボニル(図27B)。 図27Cは、等温滴定熱量測定(ITC)の結果を示すグラフである。5−オキサゾールカルボニル(図27C)。 図28は、光親和性プローブを使用して化合物の阻害活性を推定するための戦略を例示する概略図である。YEATSドメインをインキュベートし、Kcr依存認識を介してプローブに結合させる。UV照射により、光架橋が活性化され、タンパク質に急速に架橋され、非共有結合タンパク質−プローブ相互作用が共有結合に変換される。続いて、プローブで標識されたタンパク質を、Cu(I)触媒によるアジドアルキンの環状付加(CuAAC、「クリック」ケミストリー)を介して、アジド官能化蛍光色素(たとえば、ローダミン−N3、Rho−N3)に結合させる。SDS PAGE後、タンパク質をゲル蛍光スキャンで可視化することができる。 図29は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物の濃度の影響を示すグラフである。AF9 YEATSドメインとの相互作用に基づく化合物7(XL−07)、13(XL−13)、27(XL−07h)、25(XL−07i)、26(XL−07j)、および27(XL−13a)のIC50値を示す。 図30は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物の濃度の影響を示すグラフである。ENL YEATSドメインとの相互作用に基づく、H3K9cr陽性対照ペプチドに対する化合物26(XL−07j)、27(XL−13a)、39(XL−13m)、および40(XL−13n)のIC50値の比較を示す。 図31は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物26(XL−07j)阻害剤濃度の効果を示すグラフである。この値は、ENL YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図32は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物27(XL−13a)阻害剤濃度の効果を示すグラフである。この値は、ENL YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図33は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物39(XL−13m)阻害剤濃度の効果を示すグラフである。この値は、ENL YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図34は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物40(XL−13n)阻害剤濃度の効果を示すグラフである。この値は、ENL YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図35は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対するH3K9crペプチド(陽性対照)濃度の影響を示すグラフである。この値は、ENL YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図36は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物39(XL−13m)濃度の効果を示すグラフである。この値は、AF9 YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図37は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物40(XL−13n)濃度の効果を示すグラフである。この値は、AF9 YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図38は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物26(XL−07j)濃度の影響を示すグラフである。この値は、YEATS2ドメインとの相互作用に基づく。 図39は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物27(XL−13a)濃度の効果を示すグラフである。この値は、YEATS2ドメインとの相互作用に基づく。 図40は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物39(XL−13m)濃度の影響を示すグラフである。この値は、YEATS2ドメインとの相互作用に基づく。 図41は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物40(XL−13n)濃度の効果を示すグラフである。この値は、YEATS2ドメインとの相互作用に基づく。 図42は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物26(XL−07j)濃度の効果を示すグラフである。この値は、GAS41 YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図43は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物27(XL−13a)濃度の効果を示すグラフである。この値は、GAS41 YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図44は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物39(XL−13m)濃度の効果を示すグラフである。この値は、GAS41 YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図45は、IC50の決定をもたらす、プローブ標識タンパク質の相対蛍光強度に対する化合物40(XL−13n)濃度の効果を示すグラフである。この値は、GAS41 YEATSドメインとの相互作用に基づく。 図46は、QTARK配列におけるアルギニン残基の代替置換基(リジン、シトルリン、グルタミンなど)を示す。Lysへの変異では正電荷が維持され、CitとGlnでは正電荷がブロックまたは負電荷に変換した。 図47は、QTARK配列におけるアラニン残基の代替置換基(グリシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、βアラニン、γアミノ酪酸(GABA)など)を示す。 図48は、細胞増殖に対する化合物39の効果を示すグラフである。スチューデントのt検定によるP値。平均±s.d.、3つの生物学的複製(biological replicates)。 図49Aは、JMQ1の感受性のc−Myc発現の減少に対する化合物39(XL−13m)でのMOLM13細胞の処理の効果を示すグラフである。c−Mycの発現はqPCRによって定量化した。スチューデントのt検定によるP値。平均±s.d.、3つの生物学的複製。 図49Bは、化合物39(XL−13m)でのMOLM13細胞の処理が、示された遺伝子のENLの富化に及ぼす影響を示すグラフである。入力サンプルのパーセンテージはqPCRによって定量化され、富化倍率は、ENL濃縮されていないHoxa遺伝子間領域の入力%によって正規化した。スチューデントのt検定によるP値。平均±s.d.、3回のPCR分析。 図50は、化合物サイクリック3とAF9 YEATSドメイン間の解離定数のITC測定を示すグラフである。Kd=0.52μM。 図51は、化合物サイクリック3とENL YEATSドメインの間の解離定数のITC測定を示すグラフである(Kd=11.4μM)。 図52は、増加する濃度の阻害剤サイクリック3を用いた核抽出物(1mg/mL)のin vitroでの光架橋プルダウンを示すグラフである。溶出したタンパク質混合物を、示された抗体に対するイムノブロッティングで分析した。ブロッティングは3つの独立した実験の代表的なものである(上パネル)。ENLおよびAF9の富化に対する阻害剤サイクリック3の阻害効果の定量化(平均±s.d.、n=3)(下のパネル)。 図53は、阻害剤サイクリック3(50μM)の有無で処理したHeLa細胞におけるAF9標的遺伝子のクロマチン免疫沈降および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(ChIP-qPCR)分析を示すグラフである。結果は、HOXA10、MYC、およびPABPC2でのAF9の存在量が、阻害剤サイクリック3で処理されたHeLa細胞で減少したことを示し、AF9 YEATSドメインと阻害剤の結合が、標的遺伝子のAF9の富化を実際に防止できることを示唆した。 図54は、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT−qPCR)分析が、阻害剤サイクリック3(50μM)で処理されたまたは処理されていないHeLa細胞におけるAF9標的遺伝子のmRNAレベルを示すグラフである。結果は、サイクリック阻害剤3が、3つのAF9ターゲット遺伝子、MYC、PABPC1、およびHOXA9の転写レベルの低下につながることを示した。データは平均±s.e.m(n=3)として示す。P値は、両側スチューデント検定に基づく。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
発明の詳細な記載
開示される方法および組成物は、以下の特定の実施形態の詳細な説明およびそこに含まれる実施例、ならびに図面およびそれらの上記および下記の説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
開示される方法および組成物は、特に記載しない限り、特定の合成方法、特定の分析技術、または特定の試薬には限定されず、変更し得ると理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明することを目的としており、限定を意図するものではないことも理解されたい。
I.定義
ここで使用される「アルキル基」という用語は、1〜24炭素原子の分岐または非分岐の飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど)である。「低級アルキル」基は、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基である。
ここで使用される「アルケニル基」とは、炭素数が2〜24の炭化水素基であり、構造式には炭素−炭素の二重結合が少なくとも1つ含まれている。(AB)C=C(CD)などの非対称構造には、E異性体とZ異性体の両方が含まれる。これは、非対称アルケンが存在する本明細書の構造式で推定されるか、又は結合記号Cによって明示的に示される。
ここで使用される「アルキニル基」という用語は、2〜24炭素原子の炭化水素基であり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む構造式である。
ここで使用される「アリール基」という用語は、ベンゼン、ナフタレンなどを含むがこれらに限定されない任意の炭素ベースの芳香族の基である。また、「芳香族」という用語は、「ヘテロアリール基」または「複素環式芳香族基」も含み、これは芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基として定義され、「ヘテロアリール基」または「複素環式芳香族基」は、炭素原子およびヘテロ原子から選択される5〜9個の環原子(「C5−9複素環式芳香族基」)(例えば、5または6個の環原子(「C5またはC6複素環式芳香族基」)など)を有する。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、硫黄、及びリンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は置換又は非置換であり得る。アリール基は、アルキル、アルキニル、アルケニル、アリール、ハライド、ニトロ、アミノ、エステル、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシ、カルボン酸、またはアルコキシが挙げられるがこれらに限定されない1以上の基で置換され得る。
本明細書で使用される「環状オリゴマー」という用語は、その末端、その2つの側鎖、またはそれらの組み合わせが、環状構造を形成するように共有結合されたオリゴマーである。
本明細書で提供される化合物の「有効量」という用語は、非毒性であるが、所望の結果を提供するのに十分な量の化合物を意味する。以下で指摘するように、必要な正確な量は、種、年齢、および対象の一般的な状態、治療される疾患の重症度、使用される特定の化合物、その投与形式などに応じて、対象ごとに異なる。したがって、正確な「有効量」を特定することはできない。しかしながら、適切な有効量は、日常的な実験のみ用いて当業者が決定することができる。
本明細書で使用される「エステル」という用語は、式−C(O)OA[式中、Aは、上記のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基であり得る]によって表される。
「阻害する」という用語は、活性または発現を低減または減少させることを意味する。これは、活性または発現の完全な阻害、または部分的な阻害であり得る。阻害は、対照または標準レベルと比較され得る。阻害は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%であり得る。
本明細書で使用される「処置を必要とする」という用語は、介護者(例えば、ヒトの場合、医師、看護師、ナース・プラクティショナー、または個人;非ヒト哺乳動物を含む動物の場合は獣医)が下す、対象が治療を必要としているかまたは治療から恩恵を受けるという判断を指す。この判断は、介護者の専門知識の領域にあるさまざまな要因に基づいて行われるが、これには、本発明の化合物により治療可能な状態の結果として、対象が病気であるか、または病気になるであろうという知識が含まれる。
本明細書で使用される「チオエステル」という用語は、1つのカルボニル基および任意のハイブリダイゼーションの1つの炭素が隣接する硫黄原子を特徴とする官能基を指す。
本明細書で使用される「スルホネート」という用語は、スルホン酸の塩またはエステルを指す。
本明細書で使用する場合、「ペプチド」という用語は、化学的に一緒に結合したアミノ酸から構成される化合物のクラスを指す。一般に、アミノ酸はアミド結合(CONH)を介して化学的に結合する;但し、アミノ酸は、当分野で知られている他の化学結合によって一緒に結合されていてもよい。例えば、アミノ酸は、アミン結合によって結合され得る。本明細書で使用されるペプチドは、アミノ酸のオリゴマーおよびポリペプチドを含む小さいペプチドおよび大きいペプチドを含む。
本明細書で使用する場合、「π−π−πスタッキング」、「π−πスタッキング」、または「πスタッキング」、または「パイスタッキング」という用語は互換的に使用され、π結合を含む芳香環間の非共有的な引力相互作用を指す。
本明細書で使用される、「共役」および「非局在化」という用語は、非局在化π電子(共役π電子と呼ばれることもある)を指す。共役π電子または共役系とは、p軌道(介在するシグマ結合が橋渡しする)が非局在化電子と重なり、単一結合と多重結合(多くは二重結合)が交互に存在する化合物に存在する系を指す。
本明細書で使用される、「薬理学的活性」という用語は、ペプチドまたはポリペプチドの固有の物理的特性を指す。これらの特性には、半減期、溶解度、安定性、およびその他の薬物動態特性が挙げられるがこれらに限定されない。
「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたはその他の点で有害でない物質、つまり、望ましくない生物学的効果を引き起こしたり、有害な方法で相互作用したりすることなく、核酸またはベクターと一緒に、それが含まれる医薬組成物の他の任意の成分とともに対象に投与できる物質を意味する。担体は、当業者に周知であるように、活性成分の分解を最小限に抑え、対象における有害な副作用を最小限に抑えるように当然選択されるであろう。材料は、溶液、懸濁液(例えば、微粒子、リポソーム、または細胞に組み込まれている)であり得る。
本明細書で使用する場合、「環」は、分子内の原子および結合の環、またはすべての原子および結合が環の一員である、連結しあった一連の原子および結合を指す。「単環式の」環は、典型的には1つの環状構造からなり;「二環式の」環は2つの環式構造を有し;「三環式の」環は3つの環状構造を有し;「四環式の」環は4つの環状構造を有する。
本明細書で使用される場合、「選択的に標的とする」という用語は、1つの特定の領域に特異的に誘導される能力を指す。
本明細書で使用される場合、「対象」には、動物、植物、細菌、ウイルス、寄生虫、および任意の他の生物または実体が挙げられるがこれらに限定されない。対象は脊椎動物、より具体的には哺乳動物(例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類、ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類)、魚、鳥または爬虫類または両生類動物であり得る。対象は無脊椎動物、より具体的には節足動物(例えば、昆虫および甲殻類)であり得る。この用語は特定の年齢や性別を表すものではない。したがって、成人と新生児、並びに胎児、の対象は、男性か女性かにかかわらず包含されることが意図される。患者は、疾患または障害に苦しんでいる対象を指す。「患者」という用語は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。
本明細書で使用される「置換された」という用語は、本明細書に記載されている化合物のすべての許容可能な置換基を指す。最も広い意味で、許容される置換基には、有機化合物の、非環式および環式の、分岐および非分岐鎖の、炭素環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の置換基が含まれる。置換基の例としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、または任意の数の炭素原子、好ましくは1〜14の炭素原子、および、場合により酸素、硫黄、または窒素などの1以上のヘテロ原子を、線状、分岐状、または環状の構造形式で含む他の任意の有機の基が挙げられるがこれらに限定されない。代表的な置換基としては、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、フェニル、置換フェニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、フェノキシ、置換フェノキシ、アロキシ、置換アロキシ、アルキルチオ、置換アルキルチオ、フェニルチオ、置換フェニルチオ、アリールチオ、置換アリールチオ、シアノ、イソシアノ、置換イソシアノ、カルボニル、置換カルボニル、カルボキシル、置換カルボキシル、アミノ、置換アミノ、アミド、置換アミド、スルホニル、置換スルホニル、スルホン酸、ホスホリル、置換ホスホリル、ホスホニル、置換ホスホニル、ポリアリール、置換ポリアリール、C−C20環、置換C−C20環、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アミノ酸、ペプチド、およびポリペプチド気が挙げられる。
本明細書で使用される「処置」および「処置する」という用語は、疾患、病的状態、または障害を治癒、改善、安定化、または予防することを意図した対象の医学的管理を意味する。この用語には、積極的治療、つまり、疾患、病的状態、または障害の改善を具体的に目標とする治療、また、原因治療、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の原因の除去を目的とする治療が含まれる。さらに、この用語には、緩和的治療、つまり、疾患、病的状態、または障害の治癒ではなく症状の緩和のために設計された治療;予防的治療、すなわち、関連する疾患、病的状態、または障害の発症を最小限にするか、または部分的または完全に阻害することを対象とした治療;支援治療、すなわち、関連する疾患、病的状態、または障害の改善に向けられた別の特定の療法を補うために採用される治療が含まれる。治療は、疾患、病的状態、または障害を治癒、改善、安定化、または予防することを目的としているが、実際に治癒、改善、安定化、または予防をもたらす必要はないことは理解される。治療の効果は、本明細書に記載されているように、および関与する疾患、病理学的状態、または障害に適していると当分野で知られているように、測定または評価することができる。このような測定と評価は、定性的および/または定量的に行うことができる。したがって、例えば、疾患、病的状態、または障害の特徴、および/または疾患、病的状態、または障害の症状を、なんらかの影響またはなんらかの量にまで低減し得る。
任意のタイプの本願で開示される数値範囲は、そのような範囲が合理的に包含することができる可能な数、ならびにその範囲に包含される任意のサブ範囲およびサブ範囲の組み合わせを個別に開示す。炭素数の範囲(つまり、C1−C10)は、可能なすべての炭素数および/またはその中に含まれるサブ範囲を個別に開示すことを目的とする。たとえば、C−C10の炭素長範囲は、C、C、C、C、C、C、C、C、C、及びC10、並びにその範囲内に含まれるサブ範囲(例えば、C−C、C−C、C−Cなど)を開示すことを意図する。
II.化合物
本明細書では、ベースペプチドおよび側鎖を含む化合物、ならびにそれらの薬学的に許容される形態が開示される。本明細書で使用される「側鎖」という用語は、分子の主要部分またはベースペプチドに結合された原子群を指す。最も好ましい実施形態では、化合物は線状ペプチドである。ある形態では、化合物は環状ペプチドである。線状ペプチドまたは環状ペプチドを含む医薬組成物は、化合物および医薬的に許容される添加剤を含むタンパク質である。そのような医薬組成物は、場合により、1以上の追加の生物活性物質を含んでもよい。本開示の目的のために、語句「活性成分」は、一般に、線状または環状化合物を指す。
医薬組成物中の、活性成分、薬学的に許容される添加剤、および/または任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の同一性、サイズ、および/または状態さらにはその組成物が投与される経路によって異なる。一例として、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の有効成分を含有し得る。
送達は、腫瘍などの目的の細胞または組織を標的とし得る。ある形態では、送達は、タンパク質のYEATSドメイン内のπ−π−πスタック分子を標的とする。組成物(ナノ粒子、薬物、検出可能なマーカー、その他の化合物を含む)の内在化と標的細胞へのペイロードおよび標的組織への浸透により、ターゲティングの効率とペイロードの有効性を高めることができる。
A.オリゴマー骨格
ペプチドの合成は、最初に、アミノ酸およびアミノ酸類似体の、所望の配列と数が選択される。当業者が理解するように、選択されるアミノ酸構造(天然または非天然)の数、立体化学、およびタイプは、調製されるペプチドのサイズ、所望の構造モチーフ(例えば、αヘリックス)を生成する特定のアミノ酸の能力、および標的またはエフェクター生体分子に効果的に結合するタンパク質ドメインを模倣することが望ましい任意の特定のモチーフに依存する。ある形態では、ペプチドはらせん状である。ある形態では、ペプチドはらせん状ではない。したがって、ペプチド配列は、既知のペプチドまたはタンパク質の配列または部分配列に対応し、その中の既存のαヘリックスまたは他のアミノ酸モチーフの安定性または他の特性を改善することができる。さらにあるいは別法として、ペプチド配列を既知のペプチドまたはタンパク質に付加して、以前は存在しなかったαヘリックスまたは他のアミノ酸モチーフを追加することができる。
好ましい形態では、ペプチド骨格は線状モチーフを含む。各種アミノ酸は、種々の二次構造を形成する傾向が異なる。たとえば、メチオニン(M、Met)、アラニン(A、Ala)、ロイシン(L、Leu)、グルタミン酸(E、Glu)、およびリジン(K、Lys)はいずれも、αヘリックスを形成する傾向が特に高い。したがって、ある形態では、ペプチド配列は、メチオニン(M、Met)、アラニン(A、Ala)、ロイシン(L、Leu)、グルタミン酸(E、Glu)、およびリジン(K、Lys)を含むか、またはそれらからなる。対照的に、プロリン(P、Pro)とグリシン(G、Gly)はαヘリックスを破壊する。したがって、ある形態では、ペプチド配列はメチオニン(M、Met)、アラニン(A、Ala)、ロイシン(L、Leu)、グルタミン酸(E、Glu)、およびリジン(K、Lys)を含まない。
特定の例示的な形態では、ペプチド骨格は、以下のものを含むか、または以下のものからなる。
N−Lys−Gln−Thr−Ala−Arg−Lys−Ser−Thr−Gly−Gly−CONH(配列番号1);
N−Gln−Thr−Ala−Arg−Lys−CONH(配列番号2);
N−Lys−Gln−Thr−Ala−Arg−Lys−CONH(配列番号3);又は
CbzHN−Gln−Thr−Ala−Arg−Lys−CONH(配列番号4)
Cbzはカルボキシベンジルを意味する。
但し、ペプチド骨格の構造は、上記で同定された配列に限定されず、変更し得るものと理解されるべきである。
開示されたペプチドに組み込むことができる多数のアミノ酸類似体があることは理解される。例えば、使用することができる多数のD−アミノ酸または他の非天然アミノ酸がある。天然に存在するペプチドの反対の立体異性体、ならびにペプチド類似体の立体異性体が開示されている。これらのアミノ酸は、化学合成によって、またはtRNA分子に選択したアミノ酸を充填し、例えばアンバーコドンを利用して遺伝子構築物を操作して部位特異的な方法でペプチド鎖中にアナログアミノ酸を挿入することによって、ポリペプチド鎖に容易に組み込むことができる(Thorson et al., Methods in Molec. Biol. 77:43 73 (1991), Zoller, Current Opinion in Biotechnology, 3:348 354 (1992);Ibba、Biotechnology & Genetic Engineering Reviews 13:197 216 (1995), Cahill et al., TIBS, 14(10):400 403 (1989);Benner, TIB Tech, 12:158 163 (1994);Ibba and Hennecke、Bio/technology, 12:678 682 (1994)、これらはすべて、少なくともアミノ酸類似体に関連する材料について、参照により本明細書に組み込まれる)。
B.活性成分
急性白血病を有する対象を治療するための組成物および方法が開示される。一般に、組成物は、ベースオリゴマーおよび側鎖を含む線状または環状オリゴマーを含む。側鎖は一般に、共役/非局在化基を含むように設計または選択される。オリゴマーは一般に、共役/非局在化基を介してYEATSタンパク質ドメインと相互作用し得る。この相互作用は、YEATSタンパク質ドメインにおけるπ−π−πスタッキング相互作用を妨害または阻害し、これが所望のYEATS阻害効果を有すると考えられる。YEATSドメインは、ヒストンのリジンクロトン化マークを特異的に認識し、アミノ酸残基を含む2つの保存された芳香環を使用してπ−π−πスタッキングを形成することにより、クロトニル基を提供する。
好ましい形態では、ベースオリゴマーはペプチドまたはペプチド類似体である。一般に、オリゴマーは、適切な結合を介して連結単位が一緒に結合されている二価の連結単位から構成され得る。二価の連結単位は、他の化合物、単位、モノマーなどへの結合を可能にする2つの部分または基を有する化合物、単位、モノマーなどである。これにより、二価の連結単位のオリゴマーを形成または構成することができる。一般に、開示される二価の連結単位は、他の二価の連結単位への連結を可能にする部分または基の間の骨格または連結に加えて、1以上の側鎖を含む。α−アミノ酸は、二価の連結単位の好ましい例である。
二価の連結単位の結合は、例えば、アミド、エステル、チオエステル、チオアミド、イミデート、イミド、スルホネート、またはスルホンアミド結合であり得る。オリゴマー中の各種結合は、同じでも異なっていてもよく、任意の結合の組み合わせで構成されていてもよい。好ましい結合は、アミド結合である。連結単位は、頭−尾、頭−頭、尾−尾の連結であり得る。オリゴマー中の各種連結単位は、同じ方向に、または任意の順序で異なる方向に連結していてもよい。好ましい連結の向きは頭−尾への方向である。オリゴマー中の各種連結単位は、同じでも異なっていてもよく、連結単位の任意の組み合わせで構成されていてもよい。好ましい連結単位はα−アミノ酸である。
ある形態では、組成物は、ベースオリゴマーおよび側鎖を含む化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。ある形態では、化合物は式(I)で定義され得る:
Figure 2021504371
[式中、
AはCR又はNであり得;
及びBはそれぞれ独立して選択された二価の連結単位であり得、
該連結単位は、アミド、エステル、チオエステル、チオアミド、イミダート、イミド、スルホネート、又はスルホンアミド結合で頭−尾方向に連結し;
は、H又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;
はH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;
Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得:
YはNR、O、又はSであり得:
Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり得;
15、R16、R17およびR18は、H又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得;
、R、Rは、独立して、H又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得;
は共役/非局在化基であり得る]。ある形態では、共役/非局在化基は置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(例えば、単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするオーバーラップするp軌道を含み;ここで、mおよびnはそれぞれ独立して0〜10の整数であって、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、AはCR又はNであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、AはCRであり、RはHであり得る。
ある形態では、Bは−NH−、−O−、−S−、又は−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)、例えば1、2、3、4、5、及び6であり得る。ある形態では、末端のBは−C(=O)−、−C(=NH)−、−C(=S)−、−S(=O)−、又は(B上の末端結合を表す)であり得る。ある形態では、DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリル(ここで、R15、R16、R17であり、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る)であり得る。
ある形態では、二価の単位は、
Figure 2021504371
[式中、WはCRであり、R11は側鎖であり、R12及びR13は結合の構成単位(例えば、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合、チオアミン結合、イミダート結合、イミド結合、スルホネート結合、及びスルホンアミド結合)であり得る]。種々の二価の単位が、目的の連結の互換性のある構成要素であるR12及びR13で、同じ又は異なるタイプの連結により連結することができる。ある形態では、R12は−C(=O)−R19、−C(=NH)−R19、−C(=S)−R19、又は−S(=O)−R19であり得る。ある形態では、R19はN(R14)−、O−、S−、又はN(R14)−C−(=O)−、(ここで、R14はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る)であり得る。
ある形態では、R11は、オリゴマーのモノマーの既存のまたは通常の側鎖の一部で構成され得る。したがって、例えば、直線ベースのオリゴマーがペプチドである構成物では、ペプチド中のアミノ酸の側鎖の1つは、R11の一部を含むことができ、またはR11で置き換えることができる。一般に、この形態の構成物は、Rで終結する少なくとも1つのR11を含む(Rは本明細書で定義されるとおりである)。ある形態では、この形態の構成物は、以下の構造で定義される少なくとも1つのR11を含む:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、Rは共役/非局在化基であり得、X、Y、及びZは本明細書で定義する通りである]。
ある形態では、二価の単位はいずれも独立に任意のα−アミノ酸であり得る。ある形態では、二価の単位はそれぞれLys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、及びGlyからなる群から独立に選択されるα−アミノ酸であり得る。
ある形態では、DはH又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得る。ある形態では、Dはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、DはHであり得る。ある形態では、Dはカルボキシベンジル(Cbz)であり得る。ある形態では、Dはアセチルであり得る。ある形態では、Dはでベンゼンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、Dはベンゼンエチルカルボニルであり得る。ある形態では、Dはベンゼンプロピルカルボニルであり得る。ある形態では、Dはナフタレンエチルカルボニルであり得る。
ある形態では、DはH、−NH、−NHR15、−NR1617、−OH、−OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリル(ここで、R15、R16、R17であり、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る)であり得る。ある形態では、DはH又はNHであり得る。ある形態では、Dはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、DはHであり得る。ある形態では、Dは−NHであり得る。ある形態では、DはOH又はOR18であり得る。ある形態では、DはOHであり得る。
ある形態では、Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、Xはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは4)であり得る。
ある形態では、Yは−NR、−O−、又は−S−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、YはNRであり、RはHであり得る。
ある形態では、Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり得る。ある形態では、Zは−CO−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。
ある形態では、共役/非局在化基は置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含む。ある形態では、共役/非局在化基は置換されていない又は置換された芳香環。ある形態では、共役/非局在化基は置換されていない又は置換された芳香族の単環、二環、三環、又は四環である。ある形態では、共役/非局在化基は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルである。
ある形態では、Rは置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含む。ある形態では、Rは置換されていない又は置換された芳香環である。ある形態では、Rは置換されていない又は置換された芳香族の単環、二環、三環、又は四環である。ある形態では、Rは置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルである。ある形態では、Rは、
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を表す]であり得る。
ある形態では、Rは置換されていないC炭素環芳香環である。ある形態では、Rは置換されていないCヘテロ環芳香環である。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2、3、4、5、又は6位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は6位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2、3、4、5、又は6位のいずれか2つの位置に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位および4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は4位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は4位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は5位および6位に窒素を有し得る。
ある形態では、Rは置換されていないC炭素環芳香環である。ある形態では、Rは置換されていないCヘテロ環芳香環である。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれか2つの位置に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は2位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位および1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位および4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は3位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位および1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は4位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位および1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位および1位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、1位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、1位に硫黄を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、1位に窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれか2つの位置に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位および3位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位および4位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位および5位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位および1位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位および4位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位および5位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位および1位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位および5位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位および1位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位および1位に独立して窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに酸素を有し、酸素が位置していない2、3、4、又は1位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し、1位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、又は1位のいずれかに窒素を有し、窒素が位置していない2、3、4、又は1位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、3位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、1位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、1位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、4位に窒素を有し、1位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないCヘテロ環芳香環は、5位に窒素を有し、1位に酸素を有し得る。
ある形態では、Rは置換されていないC二環炭素環芳香環である。ある形態では、Rは置換されていないC二環ヘテロ環芳香環である。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は2位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれか2つの位置に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位と9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は2位および3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は2位および4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は2位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は2位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位と7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位と9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は3位および4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は3位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は3位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位と7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位と9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は4位および5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は4位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位と7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位と9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は5位および6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位と7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位と9位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、6位と7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、6位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、6位と9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位と8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位と9位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位と9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位に硫黄を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、9位に硫黄を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し得るか、又は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、9位に窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれか2つの位置に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、2位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、3位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、4位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、5位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、7位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、8位に窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、9位に窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位および3位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位および4位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位および5位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素または酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位および7位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位および8位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位および9位に独立して窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位および4位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位および5位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素または酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位および7位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位および8位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位および9位に独立して窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位および5位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に窒素または酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位および7位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位および8位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位および9位に独立して窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に窒素または酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位および7位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位および8位に独立して窒素または酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位および9位に独立して窒素または酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2、3、4、5、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し、酸素が位置していない1、2、3、4、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、3位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に酸素を有し、9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、4位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に酸素を有し、9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、5位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に酸素を有し、9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し、6位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し、7位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し、8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に酸素を有し、9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に酸素を有し、8位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に酸素を有し、9位に窒素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位に酸素を有し、9位に窒素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9位のいずれかに窒素を有し、窒素が位置していない1、2、3、4、6、7、8、又は9位のいずれかに酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、2位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、3位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、1位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、3位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、2位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、4位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、3位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に窒素を有し、5位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に窒素を有し、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、4位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に窒素を有し、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、5位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、6位に窒素を有し、7位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、6位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、6位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に窒素を有し、8位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、7位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。ある形態では、置換されていないC二環ヘテロ環芳香環は、8位に窒素を有し、9位に酸素を有し得る。
ある形態では、mは1〜10の整数である。ある形態では、mは、0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、nは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、nは、0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、m+nは、0〜20の整数であり得る。
0〜20、1〜20、2〜20、3〜20、4〜20、5〜20、6〜20、7〜20、8〜20、9〜20、10〜20、11〜20、12〜20、13〜20、14〜20、15〜20、16〜20、17〜20、18〜20、19〜20、0〜19、1〜19、2〜19、3〜19、4〜19、5〜19、6〜19、7〜19、8〜19、9〜19、10〜19、11〜19、12〜19、13〜19、14〜19、15〜19、16〜19、17〜19、18〜19、0〜18、1〜18、2〜18、3〜18、4〜18、5〜18、6〜18、7〜18、8〜18、9〜18、10〜18、11〜18、12〜18、13〜18、14〜18、15〜18、16〜18、17〜18、0〜17、1〜17、2〜17、3〜17、4〜17、5〜17、6〜17、7〜17、8〜17、9〜17、10〜17、11〜17、12〜17、13〜17、14〜17、15〜17、16〜17、0〜16、1〜16、2〜16、3〜16、4〜16、5〜16、6〜16、7〜16、8〜16、9〜16、10〜16、11〜16、12〜16、13〜16、14〜16、15〜16、0〜15、1〜15、2〜15、3〜15、4〜15、5〜15、6〜15、7〜15、8〜15、9〜15、10〜15、11〜15、12〜15、13〜15、14〜15、0〜14、1〜14、2〜14、3〜14、4〜14、5〜14、6〜14、7〜14、8〜14、9〜14、10〜14、11〜14、12〜14、13〜14、0〜13、1〜13、2〜13、3〜13、4〜13、5〜13、6〜13、7〜13、8〜13、9〜13、10〜13、11〜13、12〜13、0〜12、1〜12、2〜12、3〜12、4〜12、5〜12、6〜12、7〜12、8〜12、9〜12、10〜12、11〜12、0〜11、1〜11、2〜11、3〜11、4〜11、5〜11、6〜11、7〜11、8〜11、9〜11、10〜11、0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1。ある形態では、m+nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20であり得る。
ある形態では、化合物は、式(II)で定義され得る:
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Rは、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)、又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含んでなる、共役/非局在化基であって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数であって、m又はnの少なくとも一方は0ではない]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、化合物は、式(III)で定義され得る:
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはNR、O、又はSであり;ここで、Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;R及びRは独立してH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは共役/非局在化基(例えば、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、化合物は、式(IV)で定義され得る:
Figure 2021504371
[式中、E及びEはそれぞれ、独立して置換されていない又は置換されたC1−101−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリル、又はO、S、又はNRであり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはNR、O、又はSであり;ここで、Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり;R、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは共役/非局在化基(例えば、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルであって、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態の化合物では、B連結単位の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、ここで、B連結単位のこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、B連結単位の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、ここで、B連結単位のこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、B連結単位の少なくとも1つとB連結単位の少なくとも1つは側鎖を含むことができ、ここで、BおよびB連結単位のこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Jアミノ酸の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、ここで、Jアミノ酸のこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Jアミノ酸の少なくとも2つは側鎖を含むことができ、ここで、Jアミノ酸のこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Jアミノ酸の少なくとも1つとJアミノ酸の少なくとも1つは側鎖を含むことができ、ここで、JおよびJアミノ酸のこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Eの少なくとも2つは側鎖を含むことができ、ここで、Eのこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Eの少なくとも2つは側鎖を含むことができ、ここで、Eのこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態の化合物では、Eの少なくとも1つとEの少なくとも1つは側鎖を含むことができ、ここで、E及びEのこの2つの側鎖は互いに共有結合して環状オリゴマーを形成し得る。
ある形態では、化合物は、式(V)で定義され得る:
Figure 2021504371
[式中、Rは置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;R、R、R、R、R10は独立してH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;G、G、及びGはそれぞれ置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、C1−10ヘテロシクリル、又は5〜9員のヘテロアリールであり;i、i、j、j、k、kはそれぞれ独立して0〜10の整数である]。
ある形態では、R及びRはアミノ酸の側鎖であり、アミノ酸Lys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、Leu、Trp、及びGlyの側鎖から独立して選択され得る。
ある形態では、R10はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、R10はHであり得る。ある形態では、R10はカルボキシベンジル(Cbz)であり得る。ある形態では、R10は、アセチルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンエチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ベンゼンプロピルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ナフタレンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10は、ナフタレンエチルカルボニルであり得る。
ある形態では、iは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、iは0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、iは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、iは0〜10の整数であり得る。ある形態では、iは0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、iは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、jは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、jは0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、jは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、jは0〜10の整数であり得る。ある形態では、jは0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、jは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、kは、0〜10の整数であり得る。ある形態では、kは0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、kは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、kは0〜10の整数であり得る。ある形態では、kは0〜10、1〜10、2〜10、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10、7〜10、8〜10、9〜10、0〜9、1〜9、2〜9、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、8〜9、0〜8、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、7〜8、0〜7、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、5〜7、6〜7、0〜6、1〜6、2〜6、3〜6、4〜6、5〜6、0〜5、1〜5、2〜5、3〜5、4〜5、0〜4、1〜4、2〜4、3〜4、0〜3、1〜3、2〜3、0〜2、1〜2、及び0〜1の整数であり得る。ある形態では、kは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
ある形態では、化合物は、π−π−πスタッキング相互作用を阻害する。ある形態では、化合物はYEATSタンパク質ドメインを選択的に標的とする。
また、開示すいずれかの化合物の有効量を含む医薬組成物も開示される。ある形態では、組成物は、1以上の薬学的に許容される担体または添加剤をさらに含み得る。ある形態では、組成物は、π−π−πスタッキング相互作用を選択的に阻害する。ある形態では、組成物はYEATSタンパク質ドメインを選択的に標的とする。ある形態では、組成物は癌の治療に有効である。ある形態では、癌は急性白血病である。
癌を治療する方法も開示され、その方法は、開示された組成物のいずれかを、それを必要とする対象に投与することを含む。ある形態では、対象は急性白血病を患っている。
特定の形態では、化合物は、ベースペプチドおよび側鎖を含み、式(I)に従って定義される:
Figure 2021504371
[式中、AはN又はCRであり;B及びBはそれぞれ、独立して、各単位がエステル、アミド、チオエステル、チオアミド、イミデート、イミド、スルホネート、スルホンアミド結合で頭−尾方向に連結している二価の連結基であり;DはH又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはO、S又はNR;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;R15、R16、R17、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得;R、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは、置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
ある形態では、Bは−NH−、−O−、−S−、又は−(CH−(ここで、pは1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5、及び6であり得る)であり得る。ある形態では、末端のBは−C(=O)−、−C(=NH)−、−C(=S)−、−S(=O)−、又は−(B上の末端結合を表す)であり得る。ある形態では、DはH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり得、ここで、R15、R16、R17、R18はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり得る。
他の形態では、化合物は、ベースペプチドおよび側鎖を含み、式(II)に従って定義される:
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない]。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
他の形態では、化合物は、ベースペプチドおよび側鎖を含み、式(III)に従って定義される:
Figure 2021504371
[式中、JおよびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはO、S又はNRであり;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
他の形態では、化合物は、ベースペプチドおよび側鎖を含み、式(IV)に従って定義される:
Figure 2021504371
[式中、E及びEはそれぞれ独立してO、S、NR、置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;YはO、S又はNRであり;Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり;R、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;mおよびnは0〜10の整数である]。ある形態では、m又はnの少なくとも一方は0ではない。ある形態では、mまたはnはいずれも0ではない。
別の形態では、化合物は環状ペプチドを含み、式(V)に従って定義される:
Figure 2021504371
[式中、Rは置換されていない又は置換された芳香環(単環、二環、三環、四環の)、置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルを含む共役/非局在化基であり、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含み;R、R、R、R、R10は独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;G、G、及びGはそれぞれ置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、C1−10ヘテロシクリル、又は5〜9員のヘテロアリールであり;i、i、j、j、k、kは0〜10の整数である]。
ある形態では、R及びRはアミノ酸の側鎖であり、アミノ酸Lys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、Leu、Trp、及びGlyの側鎖から独立して選択され得る。
ある形態では、R10はH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、R10はHであり得る。ある形態では、R10はカルボキシベンジル(Cbz)であり得る。ある形態では、R10はアセチルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンカルボニルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンエチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はベンゼンプロピルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はナフタレンメチルカルボニルであり得る。ある形態では、R10はナフタレンエチルカルボニルであり得る。
一部の他の形態では、組成物は、ベースオリゴマーおよび側鎖を含む化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。ある形態では、化合物は式(VI)に従って定義することができる:
Figure 2021504371
[式中、nは、1より大きい整数、好ましくは2〜10の範囲の整数である]。
式(VI)の化合物のある形態では、L及びLは独立して水素、−NH、置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択される。ある形態では、Lは、好ましくは、−NH基である。
式(VI)の化合物のある形態では、Lは、水素又は以下の基から選択される:
Figure 2021504371
式(VI)の化合物のある形態では、U及びUはそれぞれ独立して以下の基から選択される:
プロリン構造、
Figure 2021504371
[式中、破線は上記の基の結合点を示す]。
場合により、Uはプロリン構造を形成し得る(ここで、Uは、式(IV)の阻害剤の括弧で囲まれた繰り返し単位に示されているNH基の窒素と環状構造を形成し、NH基の水素は不在である、Cアルキルである)。場合により、Uはプロリン構造を形成し得る(ここで、Uは、式(IV)の阻害剤の括弧で囲まれた繰り返し単位に示されているNH基の窒素と環状構造を形成し、NH基の水素は不在である、Cアルキルである)。式(VI)の化合物は、以下の構造で定義される少なくとも1つのU又はU基を含む:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、R1は共役/非局在化基であり得る]。ある形態では、共役/非局在化基は置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(例えば、単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニル基であり得、共役/非局在化基は、π電子が非局在化することを可能にするp軌道を含む。
式(VI)の化合物のある形態では、Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、Xはアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは4)であり得る。
式(VI)の化合物のある形態では、Yは−NR、−O−、又は−S−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。ある形態では、YはNRであり、RはHであり得る。
式(VI)の化合物のある形態では、Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり得る。ある形態では、Zは−CO−であり得る。ある形態では、RはH又はC1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る。ある形態では、RはH又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る。
さらに他の形態では、組成物は、ベースオリゴマーおよび側鎖を含む化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。ある形態では、化合物は式(VII)に従って定義することができる:
Figure 2021504371
[式中、n、L、及びL基は、式(VI)と同様に定義される]。式(VII)の化合物は、式(VI)において定義されるU基を含み、以下の構造式で定義されるU又はU基の少なくとも1つを含む。
Figure 2021504371
(式中、破線は上記構造の結合点を示し、X、Y、Z、Rは式(VI)と同様に定義される)。
さらに一部の他の形態では、組成物は、側鎖をその上に有する環状オリゴマーを含む化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
ある形態では、化合物は式(VIII)で定義され得る:
Figure 2021504371
[式中、nは、1より大きい整数、好ましくは2〜10の範囲の整数であり;xおよびyは独立して1〜10の整数である]。式(VIII)の化合物は、式(VI)で定義されているU基を含み、以下の構造で定義されるU基を少なくとも1つ含む:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、X、Y、Z、Rは式(VI)と同様に定義される]。
式(VIII)の化合物のある形態では、R及びRはそれぞれ独立して水素、C1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択され;及びRは、水素、−OH、−NH、C1−10ヒドロカルビル、C3−10カルボシクリル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択される。
式(VIII)の化合物のある形態では、D及びDはそれぞれ独立して置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルから選択され;Eは以下の構造で定義される:
Figure 2021504371
[式中、破線は上記構造の結合点を示し、Mはそれぞれ独立して置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC3−10ヘテロシクリルであり得る]。ある形態では、Mはそれぞれアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環基であり得る]。ある形態では、Mは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。ある形態では、Xは−(CH−(ここで、pは4)であり;Qは−CH、C=NH、C(O)、S(O)、又はS(O)であり得る。ある形態では、ZはC(O)又はC=NHであり得る。ある形態では、Qは−(CH−(ここで、pは1〜6の整数)であり得る。ある形態では、Qは−(CH−(ここで、pは2〜5の整数)であり得る。ある形態では、Qは−(CH−(ここで、pは3又は4)であり得る。
ある形態では、化合物はサイン鎖(sign chains)(例えば、二価の連結単位又はモノマー単位(例えば、B、B、J、J、E、E)の側鎖)の「配列」を含み得、側鎖の配列はアミノ酸の側鎖に対応する。ここで、側鎖とは、例えば、R11、U、U、R、R、又はR10、又は二価の連結単位又はモノマー単位(例えば、B、B、J、J、E、E)の側鎖を意味する。側鎖の配列に関する以下の説明は、これらの側鎖または本明細書に記載した他の側鎖にいずれかを指す。ある形態では、側鎖は、独立して、アミノ酸Lys、Gln、Thr、Ala、Arg、Ser、Leu、Trp及びGlyの側鎖から選択される。
ある形態では、二価の単位またはモノマー単位のサイン鎖の配列は、ペプチドARKのアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTARK(配列番号4のアミノ酸2〜5)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTARK(配列番号4)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTARK(配列番号5)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドARKSTGG(配列番号6のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTARKSTGG(配列番号6のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTARKSTGG(配列番号6のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTARKSTGG(配列番号6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)ARK(配列番号7のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)ARK(配列番号7のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)ARK(配列番号7)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)ARKSTGG(配列番号8のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)ARKSTGG(配列番号8のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)ARKSTGG(配列番号8)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドAARK(配列番号13のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQAARK(配列番号13のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQAARK(配列番号13)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドAARKSTGG(配列番号14のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQAARKSTGG(配列番号14のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQAARKSTGG(配列番号14)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドSARK(配列番号15のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQSARK(配列番号15のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQSARK(配列番号15)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドSARKSTGG(配列番号16のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQSARKSTGG(配列番号16のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQSARKSTGG(配列番号16)を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(A/L/W)RKのアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドT(A/L/W)RK(配列番号9のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQT(A/L/W)RK(配列番号9のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQT(A/L/W)RK(配列番号9)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドA/L/W)RKSTGG(配列番号10のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドT(A/L/W)RKSTGG(配列番号10のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQT(A/L/W)RKSTGG(配列番号10のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQT(A/L/W)RKSTGG(配列番号10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドLRKのアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドLRK(配列番号19のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTLRK(配列番号19のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTLRK(配列番号19)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドLRKSTGG(配列番号20のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTLRKSTGG(配列番号20のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTLRKSTGG(配列番号20のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTLRKSTGG(配列番号20)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドWRKのアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTWRK(配列番号17のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTWRK(配列番号17のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTWRK(配列番号17)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドWRKSTGG(配列番号18のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTWRKSTGG(配列番号18のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTWRKSTGG(配列番号18のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTWRKSTGG(配列番号18)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)(A/L/W)RK(配列番号11のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)(A/L/W)RK(配列番号11のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)(A/L/W)RK(配列番号11)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドT/A/S)(A/L/W)RKSTGG(配列番号12のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)(A/L/W)RKSTGG(配列番号12のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)(A/L/W)RKSTGG(配列番号12)のアミノ酸側鎖配列を含み得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドARKのアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTARK(配列番号4のアミノ酸2〜5)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTARK(配列番号4)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTARK(配列番号5)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドARKSTGG(配列番号6のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTARKSTGG(配列番号6のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTARKSTGG(配列番号6のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTARKSTGG(配列番号6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)ARK(配列番号7のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)ARK(配列番号7のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)ARK(配列番号7)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)ARKSTGG(配列番号8のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)ARKSTGG(配列番号8のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)ARKSTGG(配列番号8)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドAARK(配列番号13のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQAARK(配列番号13のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQAARK(配列番号13)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドAARKSTGG(配列番号14のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQAARKSTGG(配列番号14のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQAARKSTGG(配列番号14)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドSARK(配列番号15のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQSARK(配列番号15のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQSARK(配列番号15)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドSARKSTGG(配列番号16のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQSARKSTGG(配列番号16のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQSARKSTGG(配列番号16)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(A/L/W)RKのアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドT(A/L/W)RK(配列番号9のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQT(A/L/W)RK(配列番号9のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQT(A/L/W)RK(配列番号9)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(A/L/W)RKSTGG(配列番号10のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドT(A/L/W)RKSTGG(配列番号10のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQT(A/L/W)RKSTGG(配列番号10のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQT(A/L/W)RKSTGG(配列番号10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドLRKのアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドLRK(配列番号19のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTLRK(配列番号19のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTLRK(配列番号19)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドLRKSTGG(配列番号20のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTLRKSTGG(配列番号20のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTLRKSTGG(配列番号20のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTLRKSTGG(配列番号20)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドWRKのアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTWRK(配列番号17のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTWRK(配列番号17のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTWRK(配列番号17)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドWRKSTGG(配列番号18のアミノ酸4〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドTWRKSTGG(配列番号18のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQTWRKSTGG(配列番号18のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQTWRKSTGG(配列番号18)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)(A/L/W)RK(配列番号11のアミノ酸3〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)(A/L/W)RK(配列番号11のアミノ酸2〜6)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)(A/L/W)RK(配列番号11)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチド(T/A/S)(A/L/W)RKSTGG(配列番号12のアミノ酸3〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドQ(T/A/S)(A/L/W)RKSTGG(配列番号12のアミノ酸2〜10)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。ある形態では、サイン鎖の配列はペプチドKQ(T/A/S)(A/L/W)RKSTGG(配列番号12)のアミノ酸側鎖配列から構成され得る。
薬学的に許容される塩は、遊離の酸を適切な量の薬学的に許容される塩基で処理することにより調製される。代表的な薬学的に許容される塩基は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化第一鉄、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、リジン、アルギニン、ヒスチジン、などである。一態様では、反応は、水中で、単独でまたは不活性な水混和性有機溶媒と組み合わせて、室温などの約0℃〜約100℃の温度で行われる。使用される塩基に対する構造式(I)の化合物のモル比は、任意の特定の塩に望ましい比を提供するように選択される。例えば、遊離酸の出発物質のアンモニウム塩を調製するために、出発物質を約1当量の薬学的に許容される塩基で処理して、中性な塩を得ることができる。
III.医薬組成物
開示される化合物は、それを必要とする対象を治療するために使用することができる。この目的のために、本化合物を医薬組成物に配合することが有用である。そのような医薬組成物は、開示された線状または環状ペプチド化合物の1つ以上および医薬的に許容される添加剤を含む。
本明細書で使用される薬学的に許容される添加剤としては、所望の特定の剤形に適した、あらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体結合剤、潤滑剤などが挙げられる。Remington's The Science and Practice of Pharmacy, 21.sup.st Edition, A. R. Gennaro, (Lippincott, Williams & Wilkins、Baltimore, Md., 2006)は、医薬組成物の製剤化に使用される様々な添加剤とその調製のための既知の技術を開示している。慣用の添加剤媒体が、物質やその誘導体と適合しない(例えば、望ましくない生物学的効果、または医薬組成物の他の成分と有害に相互作用することことにより)場合を除いて、その使用は本発明の範囲内であるとされる。
ある形態では、薬学的に許容される添加剤は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または100%純粋である。ある形態では、添加剤は、ヒトでの使用および獣医での使用が承認されている。ある形態では、添加剤は米国食品医薬品局によって承認されている。ある形態では、添加剤は医薬品グレードのものである。ある形態では、添加剤は、米国薬局方(USP)、ヨーロッパ薬局方(EP)、イギリス薬局方、および/または国際薬局方の基準を満たしている。
医薬組成物の製造に使用される医薬的に許容される添加剤としては、不活性な希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤および/または油が挙げられるが、これらに限定されない。そのような添加剤は、場合により製剤に含まれてもよい。ココアバターおよび坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味料、矯味料および香料などの添加剤は、処方者の判断に従って、組成物中に存在させることができる。
希釈剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖など、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
造粒剤および/または分散剤の例としては、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(スターチ1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物など、およびそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
界面活性剤および/または乳化剤の例としては、天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、軟骨、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂肪、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイダルクレイ(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびビーガム[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量 アルコール(例えば、ステアリール アルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレート、及びプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミテート[Span 40]、ソルビタンモノステアレート[Span 60]、ソルビタントリステアレート[Span 65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、及びソルトール)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、クレモホール)、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル [Brij 30])、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、エチルオレエート、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF 68、ポロキサマー188、セトリモニウムブロミド、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、および/またはそれらの組み合わせ、が挙げられるがこれらに限定されない。
結合剤の例としては、デンプン(例えば、コーンスターチおよびデンプンペースト);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然および合成ゴム(例、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワーガム、ガティガム、イサポール殻の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、カラマツアラボガラクタン);アルギン酸塩;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコール、等;およびそれらの組み合わせ、が挙げられるがこれらに限定されない。
防腐剤の例としては、抗酸化剤、キレート剤、抗菌防腐剤、抗真菌防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤、および他の防腐剤が挙げられる。抗酸化剤の例としては、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられるがこれらに限定されない。キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、およびエデト酸三ナトリウムが挙げられる。抗菌防腐剤の例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロオキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミズ尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、フェニル水銀硝酸塩、プロピレングリコール、チメロサールが挙げられるがこれらに限定されない。抗真菌防腐剤の例としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられるがこれらに限定されない。アルコール防腐剤の例としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、およびフェニルエチルアルコールが挙げられるがこれらに限定されない。酸性防腐剤の例としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられるがこれらに限定されない。他の防腐剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenopnip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylが挙げられるがこれらに限定されない。特定の形態では、防腐剤は抗酸化剤である。他の形態では、防腐剤はキレート剤である。
緩衝剤の例としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウムが、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張食塩水、リンガー溶液、エチルアルコールなど、およびそれらの組み合わせ、が挙げられるがこれらに限定されない。
潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびそれらの組み合わせ、が挙げられるがこれらに限定されない。
油の例としては、アーモンド、アプリコットカーネル、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレントシード、ルリジサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、キャスター、シナモン、カカオバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ひょうたん、ブドウの種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンディン、ラベンダー、レモン、リトシーキューブバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴーシード、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフ、パーム、パームカーネル、ピーチカーネル、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サスカナ、セイボリー、海クロウメモドキ、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミ、小麦胚芽油が挙げられるがこれらに限定されない。油の例としては、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーンオイル、およびそれらの組み合わせ、が挙げられるがこれらに限定されない。
経口投与および非経口投与のための液体製剤としては、薬学的に許容される乳濁液、マイクロ乳濁液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられるがこれらに限定されない。活性成分に加えて、液体製剤は、当分野で一般的に使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物、を含むことができる。不活性な希釈剤のほか、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、矯味料、香味料および芳香料などのアジュバントを含み得る。非経口投与の特定の形態では、本発明のコンジュゲートは、クレモファー、アルコール、油、修飾油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの組み合わせなどの可溶化剤と混合される。
注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知技術に従って処方され得る。無菌の注射可能な調製物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液、懸濁液または乳濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.Pおよび等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を使用することができる。さらに、注射剤の調製にはオレイン酸などの脂肪酸が使用される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形で滅菌剤を組み込むことによって滅菌できる。
薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶性または非晶性物質の液体懸濁液を使用することによって達成できる。次に、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
直腸または膣投与用の組成物は、典型的には坐剤であり、本発明のコンジュゲートを適切な非刺激性添加剤、例えば、周囲温度で固体であるが体温で液体になり、直腸または膣腔で溶けて有効成分を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックス、と混合することにより調製できる。
経口投与用の固体製剤としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒が挙げられる。そのような固体製剤では、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される添加剤、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)例えばグリセロールなどの保湿剤、d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)セチルアルコールやモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンやベントナイトクレイなどの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、製剤は緩衝剤を含有し得る。
類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの添加剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒の固体製剤は、医薬製剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングやシェル、例えば腸溶性コーティングを用いて調製することができる。それらは、場合により乳白剤を含んでいてもよく、それらが有効成分のみを、または優先的に、腸管の特定の部分で、場合により遅延した様式で放出する組成物であり得る。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの添加剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用することができる。
活性成分は、上記のような1以上の添加剤とともにマイクロカプセル化された形態中に存在し得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒の固形製剤は、コーティングやシェル、例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングや医薬製剤分野で周知の他のコーティングなど、を用いて調製することができる。そのような固形製剤では、活性成分は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されていてもよい。そのような製剤は、慣用的に、不活性な希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースなどの打錠潤滑剤や他の打錠助剤を含有することができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含有し得る。それらは、場合により乳白剤を含んでいてもよく、また、有効成分のみを、または優先的に、腸管の特定の部分で、場合により遅延した様式で放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質やワックスが挙げられる。
本発明のコンジュゲートの局所および/または経皮投与のための剤形としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤および/またはパッチが挙げられる。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容される添加剤および/または必要に応じ必要な防腐剤および/または緩衝剤と混合される。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、これは、しばしば、活性成分の身体への制御された送達を提供するという追加の利点を有する。そのような製剤は、例えば、有効成分を適切な媒体に溶解および/または分配することによって調製することができる。あるいはまたはさらに、速度は、速度制御膜によって、および/またはポリマーマトリックスおよび/またはゲル中に活性成分を分散させることによって、制御することができる。
本明細書に記載される化合物、タンパク質、またはペプチド(例えば、アミノ酸、ならびに線状または環状のペプチドおよびタンパク質)は、特定の幾何異性体または立体異性体の形態で存在し得る。それらは1以上のキラル中心を有することがあり、したがって1以上の立体異性体として存在し得る。本開示に包含されるそのような立体異性体は、単一の鏡像異性体、ジアステレオマーの混合物またはラセミ混合物として存在し得る。本明細書で使用される「立体異性体」という用語は、同じ結合を有するが、互換性のない原子の異なる三次元配置を有する同一の原子から構成される化合物を指す。三次元構造は立体配置と呼ばれる。本開示では、示した化学構造には、描かれるキラル中心のそれぞれで可能なすべての鏡像異性体を表す1以上の波線結合がその中に含まれ得る。本明細書で使用される、化学構造で示される波線結合は、ハッシュ結合またはくさび状結合によって典型的に示されるキラル構成のいずれかを示すことを意図し、複数の波線結合を含むペプチドにおいて、可能な立体化学の任意の組み合わせが開示される。本明細書で使用される「エナンチオマー」という用語は、互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す。本明細書で使用する「光学異性体」という用語は、「鏡像異性体」という用語と等価である。本明細書で使用する「ジアステレオマー」という用語は、鏡像ではないが重ね合わせることもできない2つの立体異性体を指す。「ラセミ化合物」、「ラセミ混合物」または「ラセミ修飾」という用語は、等量の鏡像異性体の混合物を指す。「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合している炭素原子を指す。標準的な技術を使用してエナンチオマーの対の分離を行うのに必要な適切なキラルカラム、溶離液、および条件の選択は、当業者に周知である(例えば、Jacques, J. et al., "Enantiomers, Racemates, and Resolutions," John Wiley and Sons, Inc. 1981)。本発明は、シスおよびトランス異性体、RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)および(L)異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を含む、すべてのそのような化合物を、本発明の範囲内にあるものとして企図する。
本明細書に記載される化合物は、任意の数の置換基または官能基で置換され得ると理解される。一般に、用語「場合により」が前にあってもなくても、「置換された」という用語、および本発明の式に含まれる置換基は、特定の置換基のラジカルによる、所定の構造の水素ラジカルの置換を指す。任意の所与の構造の複数の位置が、特定の群から選択される複数の置換基で置換され得る場合、置換基は、すべての位置で同じでも異なっていてもよい。本明細書で使用される、「置換」という用語は、安定した部分の形成をもたらす、有機化合物のすべての許容可能な置換基、本明細書に記載された任意の置換基(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロなど)、およびそれらの任意の組み合わせ(たとえば、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど)を包含する。本発明は、安定した置換基/部分に至る、そのような組み合わせのいずれかおよびすべてを企図する。一般的に適用可能な置換基のさらなる例は、本明細書に記載されている実施例に示されている特定の形態によって示されている。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たし結果として安定な部分の形成をもたらす、水素置換基および/または本明細書に記載される任意の適切な置換基を有し得る。
タンパク質またはペプチドとカーゴ組成物を含む組成物も開示され、ここでタンパク質またはペプチドは、式I、II、III、IV、V、または他の式で示されるペプチド、およびホーミングペプチドを含み、式I、II、III、IV、V、またはその他の式で示されるペプチドとカーゴ組成物は、互いに共有結合しているか、または非共有結合で会合している。これらの組成物において、組成物は、1以上のカーゴ組成物および/または1以上のホーミングペプチドを含むことができ、ここでタンパク質またはペプチドと、カーゴ組成物の少なくとも1つは、互いに共有結合していないかまたは非共有結合で会合しておらず、タンパク質またはペプチドと、ホーミングペプチドの少なくとも1つは、互いに共有結合または非共有結合している。
本明細書で使用される、「共有結合していない」構成要素への言及は、構成要素が共有結合を介して接続されていないことを意味する。すなわち、例えば、式I、II、III、IV、V、または他の式で示されるペプチドと共組成物との間に共有結合の連続鎖は存在しない。逆に、「共有結合している」構成要素への言及は、構成要素が共有結合を介して接続されていることを意味する。すなわち、例えば、式I、II、III、IV、V、または他の式で示されるペプチドとカーゴ組成物との間に共有結合の連続鎖がある。構成要素は、直接または間接的に共有結合し得る。直接の共有結合とは、各構成要素の原子間に共有結合が存在することを指す。間接的な共有結合とは、各構成要素の原子間に共有結合がないことを意味する。すなわち、結合された構成要素のいずれにも属さない他のいくつかの原子が、構成要素の原子の間に介在する。直接のおよび間接的な共有結合はいずれも、共有結合の連続鎖が介在する。
非共有結合は、非共有結合と相互作用を介した構成要素の会合を指す。非共有結合は直接的または間接的であり得る。直接的な非共有結合とは、共有結合の鎖を介してそれぞれ構成要素にそれぞれ接続されている原子が介在する非共有結合を指す。したがって、直接的な非共有結合では、会合する構成要素の間に他の分子が介在することはない。間接的な非共有結合とは、構成要素が共有結合していない、構成要素を連結する分子と結合の鎖を指す(つまり、構成要素以外の少なくとも1つの個別の分子が非共有結合を介して構成要素間に介在する)。
非共有結合による会合は、非共有結合と相互作用を介した構成要素の会合を指す。非共有結合による会合は、直接的または間接的であり得る。直接的な非共有結合による会合とは、共有結合の鎖を介してそれぞれ構成要素に接続されている原子が介在する非共有結合を指す。即ち、直接的な非共有結合では、会合する構成要素の間に他の分子が介在することはない。間接的な非共有結合による会合とは、構成要素が共有結合していない、構成要素を連結する分子と結合の鎖を指す(つまり、構成要素以外の少なくとも1つの個別の分子が非共有結合を介して構成要素間に介在する)。
アミノ酸配列は、1以上のアクセサリー分子と会合し得る。例えば、アクセサリー分子は、アミノ酸配列、タンパク質、ペプチド、コンジュゲート、またはアミノ酸配列を含む組成物の一部であり得る。さらなる例として、アクセサリー分子は、そのアミノ酸配列と共有結合しているかまたは非共有結合で会合し得るか、またはそのアミノ酸配列を含む、アミノ酸配列、タンパク質、ペプチド、コンジュゲート、または組成物であり得る。例えば、アミノ酸配列は、iRGDペプチド、LyP1ペプチド、RGRペプチド、HER2結合ペプチド、CREKAペプチド、NGRペプチド、iNGR、RGDペプチド、またはそれらの組み合わせを含み得る。アミノ酸配列は、CREKAペプチドを含み得る。タンパク質またはペプチドは、1以上のアクセサリー分子と会合し得る。例えば、アクセサリー分子は、そのペプチドを含むタンパク質、ペプチド、コンジュゲートまたは組成物の一部であり得る。さらなる例として、アクセサリー分子は、ペプチドまたはそのペプチドを含むタンパク質、ペプチド、コンジュゲートまたは組成物と共有結合しているかまたは非共有結合で会合し得る。例えば、アクセサリー分子は、そのタンパク質を含む、タンパク質、コンジュゲートまたは組成物の一部であり得る。
細胞への内在化のためにアミノ酸配列を選択することができる。組織浸透のためにアミノ酸配列を選択することができる。細胞への内在化および組織浸透のためにアミノ酸配列を選択することができる。細胞への内在化のためにタンパク質またはペプチドを選択することができる。組織浸透のためにタンパク質またはペプチドを選択することができる。細胞への内在化および組織浸透のためにタンパク質またはペプチドを選択することができる。細胞への内在化のためにコンジュゲートを選択することができる。組織浸透のためにコンジュゲートを選択することができる。細胞への内在化および組織浸透のためにコンジュゲートを選択することができる。細胞への内在化のために組成物を選択することができる。組織浸透のために組成物を選択することができる。細胞への内在化および組織浸透のために組成物を選択することができる。
開示されるペプチド、コンジュゲート、組成物、アミノ酸配列、タンパク質共組成物、カーゴ組成物、またはそれらの組み合わせは、脳細胞、脳幹細胞、脳組織、および/または脳血管系、腎臓細胞、腎臓幹細胞、腎臓組織、および/または腎臓血管系、皮膚細胞、皮膚幹細胞、皮膚組織、および/または皮膚血管系、肺細胞、肺組織、および/または肺血管系、膵臓細胞、膵臓組織、および/または膵臓血管系、腸細胞、腸組織、および/または腸血管系、副腎細胞、副腎組織、および/または副腎血管系、網膜細胞、網膜組織、および/または網膜血管系、肝細胞、肝組織、および/または肝血管系、前立腺細胞、前立腺組織、および/または前立腺血管系、子宮内膜症細胞、子宮内膜症組織、および/または子宮内膜症血管系、卵巣細胞、卵巣組織、および/またはまたは卵巣血管系、腫瘍細胞、腫瘍、腫瘍血管、および/または腫瘍血管系、骨細胞、骨組織、および/または骨血管系、骨髄細胞、骨髄組織、および/または骨髄血管系、軟骨細胞、軟骨組織、および/または軟骨血管系、幹細胞、胚性幹細胞、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、成体幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞、乳腺幹細胞、内皮幹細胞、嗅覚成体幹細胞、神経冠幹細胞、癌幹細胞、血液細胞、赤血球、血小板、白血球、顆粒球、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ系細胞、リンパ球、単球、創傷脈管構造、損傷組織の脈管構造、炎症組織の脈管構造、アテローム斑、またはその組み合わせに選択的にホーミングすることができる。
ある形態では、化合物は選択的に腫瘍にホーミングすることができる。ある形態では、化合物は腫瘍血管系に選択的にホーミングすることができる。ある形態では、化合物および共組成物は互いに結合していない。ある形態では、共組成物および/またはカーゴ組成物は、治療剤を含み得る。ある形態では、共組成物および/またはカーゴ組成物は、検出剤を含み得る。ある形態では、共同組成物および/またはカーゴ組成物は、担体、ビヒクル、またはその両方を含むことができる。ある形態では、共組成物および/またはカーゴ組成物は、治療用タンパク質、治療用化合物、治療用組成物、癌化学療法剤、毒素、細胞毒性剤、ウイルス、ファージ、ウイルス粒子、ファージ粒子、ウイルスキャプシド、ファージキャプシド、ウイルス様粒子、リポソーム、ミセル、ビーズ、ナノ粒子、マイクロ粒子、化学療法剤、造影剤、イメージング剤、標識、標識化剤、抗血管新生剤、またはその組み合わせを含むことができる。
IV.使用方法
A.条件
疾患、障害、または病気と診断された、または疾患、障害、または病気に対して感受性を有する対象に、治療的に有効な量のペプチド阻害剤を投与することによって、疾患、障害または病気を治療する方法が提供される。本明細書に記載のペプチド阻害剤化合物は、そのような二次構造モチーフが、例えば治療薬または研究ツールとして有利であれば有用であり得る。ある形態では、化合物は、π−π−πスタッキング相互作用の阻害剤として機能し得る。特定の形態では、化合物は、YEATSドメインにおけるπ−π−πスタッキング相互作用の阻害剤として機能し得る。一般的に言えば、化合物はタンパク質−タンパク質、タンパク質−リガンド、またはタンパク質−受容体結合相互作用のモジュレーターであり得る。ある形態では、これらの化合物は、クロマチン修飾またはリモデリングを特徴とする任意の状態の治療に有用である。ある形態では、これらの化合物は急性白血病の治療に有用である。特定の形態では、これらの化合物は混合系統型白血病の治療に有用である。
特定の形態では、ペプチド阻害剤化合物を使用して、標的の1以上の特性を変えることができる。特定の形態では、標的の特徴は、この変化は細胞の運命および/または細胞の挙動に影響を与えるように変化する。特定の形態では、標的の1以上の特徴の変化の結果としての細胞運命または細胞挙動の変化は、哺乳動物、例えばヒトなどの対象の病状に影響を与える。特定の形態では、ペプチド阻害剤化合物を使用して疾患を治療することができる。特定の形態では、ペプチド阻害剤化合物を使用して、研究において生物学的経路を探索または解明することができる。生物学的経路の探索は、細胞または組織培養などのインビトロ、または動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、魚、または霊長類などのインビボの両方で行うことができる。
B.投与量
本明細書に記載される化合物の投与量は、送達が行われる方法において所望の効果を生み出すのに十分な量である。投与量は、望ましくない交差反応、アナフィラキシー反応などの有害な副作用を引き起こすほど多くすべきではない。一般に、投与量は、対象の年齢、状態、性別および疾患の程度によって異なり、当業者が決定することができる。投与量は、関与する対象の臨床状態に基づいて、個々の医師によって調整され得る。用量、投与のスケジュール、および投与経路は変更することができる。
必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、および一般的な状態、特定のタンパク質、その投与様式、その活性の様式などに応じて、対象ごとに異なる。本発明のタンパク質は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために単位投与形態で処方される。しかし、本発明のタンパク質および組成物の総日用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されると理解されるであろう。特定の患者または生物に対する特定の治療上有効な用量レベルは、治療される障害およびその障害の重症度、使用される特定のタンパク質の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、健康状態、性別、食事;投与時間、投与経路、および使用した特定の化合物の排出速度;治療期間;使用される特定のタンパク質と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;および同様の医療分野で周知の要素を含むさまざまな因子に依存する。
特定の形態では、本発明のペプチド阻害剤化合物は、所望の治療効果を得るために、対象の体重につき、1日あたり、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg〜約25mg/kgの十分な投与量レベルで、1日1回以上、投与することができる。所望の投与量を、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日おき、毎週、2週間おき、3週間おき、または4週間おきに分割してもよい。特定の形態では、所望の投与量は、複数回の投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、またはそれ以上の投与)を使用して送達してもよい。
C.投与経路
本発明の医薬組成物は、任意の経路で投与することができる。ある形態では、本発明の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、くも膜下腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末剤、軟膏、クリーム、および/またはドロップなどによる)、粘膜、鼻腔、バッカル、経腸、舌下;気管内注入、気管支注入、および/または吸入;および/または経口スプレー、鼻スプレー、および/またはエアロゾルを含む、様々な経路で投与される。具体的に考えられる経路は、全身静脈内注射、血液および/またはリンパ液供給を介した局所投与、および/または罹患部位への直接投与である。一般的に、最も適切な投与経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境におけるその安定性)、対象の状態(例えば、対象が耐えられるかどうか)を含む様々な要因に依存する。現在、経口および/または経鼻スプレーおよび/またはエアロゾル経路が、肺および/または呼吸器系に治療薬を直接送達するために最も一般的に使用されている。但し、本発明は、薬物送達の科学における可能性のある進歩を考慮して、任意の適切な経路による医薬組成物の送達を包含する。
開示されるペプチドおよび医薬組成物は、動物、好ましくは哺乳動物(例えば、家畜、ネコ、イヌ、マウス、ラット)、より好ましくはヒト、に投与され得る。
経口投与および非経口投与のための液体製剤としては、薬学的に許容される乳濁液、マイクロ乳濁液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられるがこれらに限定されない。活性成分に加えて、液体製剤は、当分野で一般的に使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物、を含むことができる。不活性な希釈剤のほか、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、矯味料、香味料および芳香料などのアジュバントを含み得る。非経口投与の特定の形態では、本発明のコンジュゲートは、クレモファー、アルコール、油、修飾油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの組み合わせなどの可溶化剤と混合される。
注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知技術に従って処方され得る。無菌の注射可能な調製物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液、懸濁液または乳濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.Pおよび等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を使用することができる。さらに、注射剤の調製にはオレイン酸などの脂肪酸が使用される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形で滅菌剤を組み込むことによって滅菌できる。
薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶性または非晶性物質の液体懸濁液を使用することによって達成できる。次に、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーで薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を封入することによっても調製される。
本発明のタンパク質および医薬組成物は、併用療法で使用できること、すなわち、化合物および医薬組成物を、1以上の他の所望の治療法または医療処置と同時に、その前に、またはその後に投与できることも理解されよう。併用レジメンで使用する治療法(療法または手順)の特定の組み合わせは、所望の療法および/または手順の適合性、ならびに達成されるべき所望の治療効果を考慮に入れる。使用される治療法は、同じ障害に対し所望の効果を達成する場合(例えば、化合物を別の抗癌剤と同時に投与することができる)、またはそれらが異なる効果(例えば、なんらかの有害作用の制御)を達成する場合があることも理解されよう。
ある形態では、組成物は、腫瘍を除去するための手術と組み合わせて投与することができる。患者の身体の他の部分への損傷が最小限であるか、まったくない腫瘍の完全な除去は、通常、癌治療の目標であるため、腫瘍の一部またはすべてを物理的に除去するために手術がしばしば行われる。手術で腫瘍を完全に取り除くことができない場合は、追加の治療法(例、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、補完的または代替療法)が行われることがある。
ある形態では、組成物は、放射線療法と組み合わせて投与することができる。放射線療法(放射線療法、X線療法、または放射線療法とも呼ばれる)は、癌細胞を殺し、腫瘍を縮小させるために電離放射線を使用するものである。放射線療法は、脳、乳房、子宮頸部、喉頭、肺、膵臓、前立腺、皮膚、胃、子宮、または軟部肉腫の癌を含む、ほぼすべてのタイプの固形腫瘍の治療に使用できる。放射線は白血病やリンパ腫の治療に使用できる。放射線療法は、外部ビーム放射線療法(EBRT)を介して外部的に、または近接照射療法を介して内部的に投与できる。典型的には、放射線療法の効果は局所化され、治療される領域に限定される。放射線療法は、その遺伝物質に損傷を与え、腫瘍細胞の成長と分裂を妨げることにより、治療中の領域(標的臓器、組織、および/または細胞など)の腫瘍細胞を損傷または破壊する。一般に、放射線療法は、近くの健康な組織への害を制限しながら、できるだけ多くの腫瘍細胞を損傷しようとするものである。したがって、しばしば複数回に分けて行い、健康な組織が回復可能なようにする。
ある形態では、組成物は免疫療法と組み合わせて投与することができる。免疫療法は、腫瘍に対して免疫機構を用いるものであり、乳癌(例:トラスツズマブ/ハーセプチン(登録商標))、白血病(例:ゲムツズマブオゾガマイシン/マイロターグ(登録商標))、非ホジキンリンパ腫(例:リツキシマブ/リツキサン(登録商標))などの、さまざまな形態の癌に使用できる。ある形態では、免疫療法剤は、問題の癌細胞に特徴的なタンパク質に対するモノクローナル抗体である。ある形態では、免疫療法剤は、免疫系の応答を調節するサイトカインである。ある形態では、免疫療法剤はワクチンであり得る。
材料および方法
試薬と器具
特に明記しない限り、化学試薬はすべてSigma Aldrichから購入した。FmocまたはCbz保護アミノ酸、固相ペプチド合成用の樹脂、およびカップリング試薬はすべてGL Biochemから購入した。溶液中の反応は、メルクのTLCシリカゲル60 F254によってモニターした。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Graceから購入したシリカゲルを用いて行った。
1Hおよび13C NMRスペクトルは、Bruker UltraShield 400または600MHz分光計で記録し、内部参照として残留非重水素化溶媒を使用して校正した。化学シフトはppmで示し、結合定数JはHzで示した。ペプチドは、Thermo Finnigan LCQ DecaXP MS検出器に接続したAgilent 1260 Infinity HPLCシステムを用いるLC−MSにより分析した。ペプチドは、Waters 2535 Quaternary Gradient Module、Waters 515 HPLCポンプ、Waters SFO System Fluidics Organizer、およびWaters 2767 Sample Managerを備えた分取HPLCシステムで精製した。ENF 260C/FEハンドハングUVランプ(Spectroline)を使用して、光架橋を実施した。ゲルでは、GE Healthcare Life SciencesのTyphoon 9410可変モードイメージャー(励起532nm、発光580nm)を使用してIn-gel蛍光スキャンを実行した。クーマシーブルー染色の画像を、Thermo ScientificのMyECL Imagerによって取得した。すべての画像はImageJソフトウェア(National Institutes of Health)で処理され、コントラストを適切に調整した。ITC試験は、MicroCal iTC200滴定熱量計(MicroCal)で行った。IC50と解離定数は、Origin 7.0ソフトウェアパッケージ(OriginLab)を用いて適合させた。
タンパク質の発現と精製
プラスミドHis AF9(1 138)、His SUMO ENL(1 138)、His SUMO YEATS2(201 332)、His Gas41(15 159)およびタンパク質すべて、以下の参考文献に記載されている方法で発現させ、精製した:Y. Li, et al., AF9 YEATS domain links histone acetylation to DOT1L-mediated H3K79 methylation, Cell, 2014, 159(3), 558-571;Y. Li, et al., Molecular Coupling of Histone Crotonylation and Active Transcription by AF9 YEATS Domain, Molecular Cell, 2016, 62(2), 181-193;and YEATS2 is a selective histone crotonylation reader, Cell Research (2016) 26:629-632。タンパク質は大腸菌ロゼッタ細胞で発現させた。発現を誘導するため、IPTGをO.D.600が0.6のときの最終濃度0.4mMに添加し、培養物を16℃でさらに16時間培養した。細胞を回収し、溶解バッファー(50mM Tris HCl、pH 7.5、500mM NaCl、1mM TCEP、20mMイミダゾール、1mM PMSFおよびRoche EDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤を新たに添加)に再懸濁した。超音波処理と遠心分離に続いて、溶解バッファーであらかじめ平衡化したNiカラムに上清をロードした。カラムを5カラム容量の洗浄バッファー(50mM Tris HCl、pH 7.5、500mM NaCl、20mMイミダゾール)で洗浄した後、標的タンパク質を溶出バッファー(50mM Tris HCl、pH 7.5、500mM NaCl、250mMイミダゾール)で溶出した。タンパク質をさらにHighload 26/60 Superdex 200ゲルろ過カラム(GE Healthcare Life Sciences)にロードし、溶出バッファー(500mM NaCl、50mM HEPES、1mM TCEP、pH 7.5)で溶出した。濃縮後、標的タンパク質を凍結し、後で使用するために80℃で保存した。
Fmoc−Lys(2−フランカルボニル)−OHの合成
2−フランカルボン酸(1.5当量)とN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS、1.4当量)を乾燥テトラヒドロフラン(THF)に溶解した。乾燥THF中のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.4当量)を上記の溶液に加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液にN,N−イソプロピルエチルアミン(DIEA、3当量)と共にFmoc Lys OH・HCl(1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温でさらに4〜6時間撹拌した。混合物のpHを1M HClで7に調整した。溶媒を真空下で留去した。残留物をジクロロメタンおよび1M HClで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去した後、粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体を得た(収率74%)。1H NMR(DMSO d6、400MHz)δ8.37 (t,1H,J=5.41),7.89 (d,2H,J=7.48),7.79 (s,1H),7.72 (d,2H,J=7.44),7.65 (d,1H,J=7.90),7.41 (t,2H,J=7.39),7.32 (t,2H,J=7.42),7.06 (d,1H,J=3.29),6.60 (d,1H,J=1.43),4.29-4.20 (m,3H),3.95-3.89 (m,1H),3.20 (q,2H,J=6.29),1.73-1.58 (m,2H),1.52-1.42 (m,2H),1.38-1.32 (m,2H)。13C-NMR (DMSO-d6,100MHz)δ174.07、157.75、156.23、148.14、144.80、143.84、140.77、127.70、127.12、125.35、120.17、113.11、111.82、65.65、53.85、46.70、38.26、30.49、28.84、23.84
HRMS(ESI)[M+Na]+ m/z計算値485.1683、実測値485.1681。
ペプチドの合成と精製
ペプチドは、Rink Amide MBHA樹脂で合成した後、標準的なFmocベースの固相ペプチド合成プロトコルを行った。すべてのアミノ酸が結合した後、樹脂を95%トリフルオロ酢酸、2.5%トリイソプロピルシラン、1.5%H2O、および1%チオアニソールを含む切断カクテルと2時間インキュベートすることにより、保護基と樹脂からのペプチドの切断を行った。ペプチドは、XBridge Prep OBDTM C18カラム(30mm×250mm、10μm、Waters)を用いた分取HPLCで精製した。使用した移動相は、0.1%トリフルオロ酢酸を含む水(バッファーA)および0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の90%アセトニトリル(バッファーB)である。ペプチドの純度(>95%)と同一性はLC−MSによって確認した。阻害剤の阻害活性は、光架橋に基づく競合アッセイによって決定した。
光架橋
示した濃度の異なる阻害剤を含むプローブ4.1または4.2(2μM)を、結合バッファー(50mM HEPES、150mM NaCl、2mM MgCl2、0.1%Tween 20、20%グリセロール、pH7.5、50ng/μL BSAありまたはなし))中でYEATSドメインタンパク質(5または20ng/μL)と、4℃で10分間インキュベートした。次に、サンプルを、氷上の96ウェルプレート内でUVランプを使用して365nmで20分間照射した。
Cu(I)触媒によるアジド−アルキン環付加/「クリック」ケミストリー
調製した光架橋サンプルに、100μM Rho−N3(DMSO中の10mMストック)を加え、1mM TCEP(H2O中で新たに調製した50mMストック)、100μM TBTA(DMSO中の10mMストック)を加え、最後に1mM CuSO4(H2O中で新しく調製した50mMストック)を添加して反応を開始した。反応液を室温で1時間インキュベートした。5容量の氷冷アセトンを加えて反応を停止させ、−20℃で一晩置いてタンパク質を沈殿させた。
In-Gel蛍光スキャン
タンパク質沈殿後、サンプルを6000×gで5分間、4℃で遠心分離した。上澄みを捨て、ペレットを氷冷メタノールで2回洗浄し、10分間風乾した。タンパク質を、50mM DTTを含む1XLDSサンプルローディングバッファー(Invitrogen)に再懸濁し、80℃で8分間加熱した。次に、サンプルをSDS−PAGEで分析した。Typhoon 9410可変モードイメージャー(励起532nm、エミッションフィルター580nm)でゲルをスキャンして、標識されたタンパク質を可視化した。
実施例1.YEATS阻害のためのターゲティングπ−π−πスタッキング
リジンアセチル化(以下に示すKac)を認識するブロモドメイン(BrD)は、阻害剤の開発のために広く研究されているエピジェネティックリーダーの1つである。配列は種々異なるが、BrDは同様の構造を共有する疎水性ポケットでアセチルリジンを収容する。アセチル基は主に、結合ポケット内の保存されたアスパラギンと水素結合を形成することによって固定される。報告されたBrD阻害剤の主要なクラスは、アセチルリジン模倣体であり、BrDに結合したときに特徴的な水素結合を保持する。BrDの阻害は、癌、ウイルス感染、炎症、および神経疾患の治療の効果的な方法として実証されている。
Figure 2021504371
BrDのほかに、YEATSドメインがKacの新しいリーダーとして同定されている。ヒトのゲノムは、AF9、ENL、YEATS2、Gas41の4つのYEATSドメインを含むタンパク質をコードしている。末端が閉じた結合空洞を有するBrDとは異なり、YEATSドメインは、2つの保存された芳香族残基によって形作られた末端が開いた芳香族「サンドイッチ」ケージでアセチルリジンと適合する。特に、エンドオープンケージのトンネルのような特徴により、YEATSドメインは、アシル鎖がKacよりも2炭素分長いヒストンリジンクロトン化(以下に示すKcr)マークを認識することができる。
Figure 2021504371
さらに、クロトニル基の共役した「O=C−C=C」部分は、2つの保存された芳香族残基と、結合親和性を大幅に高める特有のπ−π−πスタックを形成し、分子レベルでKacよりもKcrに向かうYEATSドメインが優先されることが示唆される。BrD含有タンパク質とYEATSドメイン含有タンパク質が異なる核複合体で提示されるという事実、およびBrDがKcrに対する親和性が低いまたはKcrと相互作用する能力がないことを考慮すると、ヒストンKacおよびKcrマークに対するYEATS依存の認識は、BrD−Kac認識と比較して異なる生物学的機能をもたらす可能性が高い。最近、AF9 YEATSドメインが、ヒストンKacおよびKcrマークを読み取ることでアクティブな転写を仲介することが分かった。ENLとアセチル化ヒストンH3とのYEATS依存の会合は、侵攻性白血病における発癌遺伝子発現に必須であることが報告されている。これらの発見にもかかわらず、エピジェネティック制御におけるYEATS−Kac/Kcr相互作用の機能的結果に関する知識は限られている。YEATSドメイン阻害剤の開発は、そのような知識のギャップを補い、YEATSドメインを標的とする有望な治療薬をもたらす、有用なツールを提供する。
YEATS Kcr複合体では、共役クロトニル基が芳香族「サンドイッチ」ケージに挿入され、2つの保存された芳香族残基(AF9のF59およびY78、図23)とπ−π−πスタックを形成する。YEATSドメインは同じポケットを使用してKacとKcrの両方を認識するが、Kcrに対する結合親和性は通常Kacよりも2〜5倍高く、認識には拡張したπ系が好ましいことを示唆している。したがって、ネイティブのクロトニル基を非天然の共役したπ系を含む官能基で置き換えることにより、π−π−πスタッキングを標的化することは、阻害剤設計の直接的な戦略であると推論した(図23)。報告されているYEATS−Kcr相互作用のすべてでAF9−H3K9crペアが最も高い結合親和性を示したため、阻害剤の開発として、まず、ヒストンH3K9配列とAF9 YEATSドメインに焦点を当てた。YEATS−Kcr相互作用をブロックするπ系を調べるため、最初に16のグループを選択し、K9位(ヒストンH3 K4−G13由来の配列)に組み込み、元のクロトニル側鎖を置き換えた(阻害剤XL−01〜XL−16、Table 1)。同時に、共役π系を欠くシクロペンタンカルボニル基を有する化合物(XL−17、Table 1)を陰性対照として得た。
Figure 2021504371
実施例2.阻害剤の作製
「H3R8−D103」相互作用の有意性を調べるため、アルギニン残基をリジン、シトルリンおよびグルタミンを含む他の3つのアミノ酸に変更した(図46)。Lysへの変異では正電荷が維持され、CitとGlnでは正電荷がブロックまたは負電荷に変換された。0.3μMで、ペプチド対照、競合阻害物質のR8−K、R8−Cit、およびR8−Qのシグナル強度を比較することにより、阻害剤の活性を予備的に推定できる。サンプルR8−K、R8−Cit、およびR8−Qの強い蛍光シグナル強度は、AF9の比較的小さい部分が競合阻害物質に結合することを示した。従来の阻害剤(ペプチド対照)との比較では、これら3つの競合阻害物質がAF9 YEATSドメインと弱く相互作用することを示している。
次に、H3A7の修飾を検討した。アラニンの場合、α炭素はメチル基に結合している。アラニンからグリシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、β−アラニンまたはγ−アミノ酪酸(GABA)への変異を行った(図47)。ロイシン(A7−L)、トリプトファン(A7−W)への変更は、同等の結果を示した。これらの2つの競合阻害物質をさらなる試験のために選択した。
競合阻害物質Q5−Nの場合、側鎖のアミドをカルボキシル基で置き換える。グルタミンがグルタミン酸に変えると阻害剤の活性が低下する。
生理学的pHでは、スレオニンの側鎖は極性であり、荷電していない。この残基をVal、Ala、Leu、Ser、HoFなどの他の中性残基に変更すると、結合が失われた。
他の変更の効果も試験した。スレオニンおよびアラニン残基のAva、Ahx、GABAおよびAMCへの同時修飾により、阻害活性がかなり低下した。競合阻害物質の対照−COOHの場合、C末端アミドをカルボン酸基に置き換えた。この-COOHは、脱プロトン化後にカルボン酸アニオンを形成して負の電荷を生じる。それでも、この阻害剤は有意な改善を示さなかった。
同様に競合阻害物質のN末端も変更した。H3ペプチドのK4残基は、AF9のH107とH111残基の間に挟まれている。ヒスチジンは芳香族イミダゾール側鎖を有している。以前、我々は、Lys4を芳香族Cbz基に置き換えることで、競合阻害物質の結合親和性が増加することを発見した。この発見に触発され、阻害剤とAF9 YEATSドメイン間のπ−πスタッキング相互作用を増強するために、他の芳香族基を競合阻害物質のN末端に組み込んだ。芳香族系が拡張された競合阻害物質のCbz−4は、AF9と同等の結合親和性を示した。意外にも、ネイティブなGlnのβ−Glnへの変更は、劇的な結合の低下をもたらした。
要約すると、すべてのペプチドベース阻害剤の予備スクリーニングで、競合阻害物質のA7−L、A7−W、T6−S、T6−AおよびCbz−4が同等の阻害活性を示したことが示された。
実施例3.光架橋ベースの競合による活性推定
この試験では、光架橋ベースの方法を使用して阻害活性を推定した(図28)。この方法は、光親和性プローブを使用する必要がある。プローブ(プローブ1、下記参照)は、タンパク質のリガンドであるクロトニル化ペプチドに由来し、光クロスリンカーと、生体直交型(bioorthogonal)の末端アルキンを有している。
Figure 2021504371
YEATSドメインをインキュベートし、Kcr依存認識を介してプローブに結合させる。UV照射により光クロスリンカーが活性化され、タンパク質に急速に架橋され、非共有結合タンパク質プローブ相互作用が共有結合に変換される。その後、プローブ標識タンパク質を、Cu(I)を触媒とするアジドアルキン付加環化(CuAAC、すなわち「クリック」ケミストリー)を介して、アジド官能化蛍光色素(たとえば、ローダミン−N3、Rho−N3)にコンジュゲートする。SDS PAGE後、タンパク質をゲル蛍光スキャンで可視化できる。YEATSドメインと光親和性プローブの光架橋が、YEATSドメインのKcr結合ポケットを占有し、タンパク質プローブ相互作用を阻害する阻害剤の存在下で実行される場合、サンプルにおける、プローブ標識されたYEATSドメインのパーセンテージが減少する。検出されるIn-Gel蛍光強度も低下する。サンプルに添加する阻害剤の濃度を変化させ、結果として生じる蛍光強度を定量化することにより、タンパク質プローブ相互作用に対する阻害剤の競合曲線が得られ、これを用いてIC50値を推定できる。光架橋の共有結合の性質により、弱いタンパク質間相互作用を捕捉し最終的に視覚化できる。アッセイで使用されるタンパク質濃度は、マイクロリットルあたり数ナノグラムまで低くすることが可能であるが、蛍光シグナルは確実に検出し定量化できる。
プローブ1では、元のT11残基をジアジリンベースの光反応性アミノ酸であるフォトロイシンに置換した。報告されているAF9 YEATS−H3K9cr複合体の結晶構造では、T11は見えず(ただし、結晶化には配列にA1-A15を有するH3K9crペプチドを使用した)、これはタンパク質−ペプチド相互作用におけるこの残基の小さな役割を示唆している。したがって、この位置でのフォトロイシンの取り込みは、タンパク質プローブの相互作用と干渉する可能性は低いと思われる。一方、この位置は、標的タンパク質のKcr結合部位に十分に近く、架橋の効率と特異性を保証する。
各阻害剤を競合阻害物質として使用して、阻害活性を試験した(図2〜17、24、および25)。驚いたことに、17個の阻害剤のうち6個は、H3K9crペプチドよりもAF9 YEATSドメインに対し高い親和性を示した(IC50=6.0μM、図24および26)。このような高い陽性率は、π−π−πスタッキングを標的とした阻害剤設計の戦略の実現可能性を示している。2−フランカルボニル側鎖(XL−07(別名:4.7)、Table 1)と5−オキサゾールカルボニル側鎖(XL−13(別名:4.13)、Table 1)を有する2つの阻害剤は、IC50値がそれぞれ1.3および0.74μM(図26、7、および13)と、最も強い阻害活性をもたらした。予想通り、共役π系なしの陰性対照化合物XL−17は、試験したすべての阻害剤の中で最も低い活性を示した(IC50=34.5μM、図17および26)。
競合阻害物質のCbz−4、A7−L、A7−W、T6−AおよびT6−SのIC50値は、それぞれ0.226μM、0.338μM、0.315μM、0.715μMおよび0.778μMと測定された。ペプチド対照(0.189μM)と比較して、阻害活性の改善を示した競合阻害物質はなかった。選択された競合阻害物質の中で、N末端に2−のナフタレンアセチル基を有する競合阻害物質Cbz−4は、AF9 YEATSドメインに対する最高の結合親和性を示した。
試験した阻害剤の蛍光強度を図1〜22、24〜26、および29〜45に示す。阻害剤のIC50値をTable 2に示す。ネイティブリガンドH3K9crペプチドのIC50は6.0μMと推定された(図22)。合計82個の阻害剤のうち22個は、H3K9crペプチド(化合物83)と比較して低いIC50値を示した。これらには、イソニコチノイル側鎖を有する化合物5(IC50=2.1μM(図5))、2−ピリミジンカルボニル側鎖を有する化合物6(IC50=3.7μM(図6))、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物7(IC50=1.3μM(図7))、3−フランカルボニル側鎖を有する化合物8(IC50=1.7μM(図8))、5−オキサゾールカルボニル側鎖を有する化合物13(IC50=0.74μM(図13))、4−オキサゾールカルボニル側鎖を有する化合物14(IC50=3.0μM(図14))、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物24(IC50=4.5μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物25(IC50=0.46μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物26(IC50=0.26μM)、5−オキサゾールカルボニル側鎖を有する化合物27(IC50=0.24μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物39(IC50=2.5μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物40(IC50=1.7μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物47(IC50=0.34μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物49(IC50=0.32μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物53(IC50=0.72μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物55(IC50=0.78μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物74(IC50=0.23μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物78(IC50=2.2μM)、2−フランカルボニル側鎖を有する化合物79(IC50=1.8μM)、5−オキサゾールカルボニル側鎖を有する化合物80(IC50=5.1μM)、5−オキサゾールカルボニル側鎖を有する化合物81(IC50=2.3μM)、5−オキサゾールカルボニル側鎖を有する化合物82(IC50=2.8μM)が含まれていた。予想通り、π系なしの陰性対照化合物84は、試験したすべての阻害剤の中で最も低い活性を示した(IC50=34.5μM(図17))。
ペプチド阻害剤の配列をさらに修飾することにより、リジン残基に、フランカルボニル(化合物26(7j)、Kd 330 nM)および5−オキサゾールカルボニル(化合物27(13a)、Kd 131nM)側鎖を有する、2つの強力なCbz−QTARK−CONH(配列番号4)ペンタペプチド阻害剤を得た(それぞれ図20および21)。
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
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Figure 2021504371
Figure 2021504371
実施例4.等温滴定熱量測定(ITC)による活性推定
さらに、光架橋ベースの競合アッセイから得られた結果の信頼性を検証するために、等温滴定熱量測定(ITC)を行い、AF9 YEATSドメインに対する阻害剤の直接の結合親和性を測定した。得られた解離定数は、ネイティブのクロトニル基(Kd=14.8μM)を2−フランカルボニル(XL−07、Kd=3.3μM)および5−オキサゾールカルボニル(XL−13、Kd=1.0μM)で置換することで、それぞれ4.5倍、14.8倍、結合が増強したことを示した(図27A〜CおよびTable 3)。ITCの測定値はIC50データと一致しており、光架橋ベースの競合アッセイから得られた結果の信頼性を示している。

Figure 2021504371
化合物サイクリック3もAF9およびENL YEATSドメインについて試験した。化合物サイクリック3によるAF9およびENL YEATSドメインの熱力学的パラメーターの概要をTable 4に示す。
Figure 2021504371
実施例5.質量分析による競合阻害物質の分析
対照の競合阻害物質のLC−MS分析は、質量電荷比(m/z)830.43(M+H+)、計算値m/z 830.41(M+H+)を示した。競合阻害物質R8−KのLC−MS分析は、m/z 824.47(M+Na+)、計算値m/z 824.39(M+Na+)、m/z 802.40(M+H+)、計算値m/z 802.40(M+H+);m/z 401.67(M+2H+)、計算値m/z 401.70(M+2H+)を示した。競合阻害物質R8−citのLC−MS分析は、m/z 831.39、計算値m/z 831.30(M+H+)を示した。競合阻害物質R8−QのLC−MS分析は、m/z 802.24(M+H+)、計算値m/z 802.37(M+H+)を示した。競合阻害物質A7−GのLC−MS分析は、m/z 816.47(M+H+)、計算値m/z 816.39(M+H+)、m/z 408.67(M+2H+)、計算値m/z 408.70(M+2H+)を示した。
競合阻害物質A7−LのLC−MS分析は、m/z 872.40(M+H+)、計算値m/z 872.50(M+H+)、m/z 436.80(M+2H+)、計算値m/z 437.23(M+2H+)を示した。競合阻害物質A7−FのLC−MS分析は、m/z 906.50(M+H+)、計算値m/z 906.44(M+H+)、m/z 453.77(M+2H+)、計算値m/z 453.72(M+2H+)を示した。競合阻害物質A7−WのLC−MS分析は、m/z 945.63(M+H+)、計算値m/z 945.45(M+H+)を示した。競合阻害物質A7−βAlaのLC−MS分析は、m/z 830.50(M+H+)、計算値m/z 830.41(M+H+)を示した。競合阻害物質A7−GABAのLC−MS分析は、m/z 844.51(M+H+)、計算値m/z 844.44(M+H+)を示した。競合阻害物質T6−VのLC−MS分析は、m/z 828.48(M+H+)、計算値m/z 828.43(M+H+)、m/z 414.80(M+2H+)、計算値m/z 414.74(M+2H+)を示した。
競合阻害物質T6−AのLC−MS分析は、m/z 800.47(M+H+)、計算値m/z 800.40(M+H+)、m/z 400.67(M+2H+)、計算値m/z 400.70(M+2H+)を示した。競合阻害物質T6−LのLC−MS分析は、m/z 842.49(M+H+)、計算値m/z 842.44(M+H+)、m/z 421.79(M+2H+)、計算値m/z 421.90(M+2H+)を示した。競合阻害物質T6−SのLC−MS分析は、m/z 816.47(M+H+)、計算値m/z 816.39(M+H+)、m/z 408.67(M+2H+)、計算値m/z 408.70(M+2H+)を示した。競合阻害物質Q5−EのLC−MS分析は、m/z 831.47(M+H+)、計算値m/z 831.90(M+H+)、m/z 416.13(M+2H+)、計算値m/z 416.45(M+2H+)を示した。競合阻害物質Cbz−1のLC−MS分析は、m/z 800.47(M+H+)、計算値m/z 800.40(M+H+)を示した。競合阻害物質Cbz−2のLC−MS分析は、m/z 814.49(M+H+)、計算値m/z 814.41(M+H+)を示した。競合阻害物質Cbz−3のLC−MS分析は、m/z 828.47(M+H+)、計算値m/z 828.43(M+H+)、m/z 414.67(M+2H+)、計算値m/z 414.72(M+2H+)を示した。
競合阻害物質Cbz−4のLC−MS分析は、m/z 864.53(M+H+)、計算値m/z 864.43(M+H+)を示した。競合阻害物質対照−COOHのLC−MS分析は、m/z 831.41(M+H+、計算値m/z 831.39(M+H+)を示した。競合阻害物質TA−GABAのLC−MS分析は、m/z 743.41(M+H+)、計算値m/z 743.38(M+H+)を示した。競合阻害物質TA−AMCのLC−MS分析は、m/z 797.48(M+H+)、計算値m/z 797.42(M+H+)を示した。競合阻害物質TA−AvaのLC−MS分析は、m/z 757.41(M+H+)、計算値m/z 757.39(M+H+)を示した。競合阻害物質TA−AhxのLC−MS分析は、計算値m/z 771.44(M+H+)、計算値m/z 771.41(M+H+)を示した。競合阻害物質Q5−AのLC−MS分析は、m/z 773.43(M+H+)、計算値m/z 773.39(M+H+)を示した。競合阻害物質Q5−NのLC−MS分析は、m/z 816.42(M+H+)、計算値m/z 816.39(M+H+)を示した。
競合阻害物質Q5−E(OCH2Ph)のLC−MS分析は、m/z 921.48(M+H+)、計算値m/z 921.44(M+H+)を示した。競合阻害物質Q5−D(OCH2Ph)のLC−MS分析は、m/z 907.46(M+H+)、計算値m/z 907.42(M+H+)を示した。競合阻害物質Q5−βQのLC−MS分析は、m/z 830.45(M+H+)、計算値m/z 830.41(M+H+)を示した。競合阻害物質CbzQ−1のLC−MS分析は、m/z 800.41(M+H+)、計算値m/z 800.40(M+H+)を示した。競合阻害物質CbzQ−2のLC−MS分析は、m/z 814.44(M+H+)、計算値m/z 814.41(M+H+)を示した。競合阻害物質CbzQ−3のLC−MS分析は、m/z 864.45(M+H+)、計算値m/z 864.43(M+H+)を示した。競合阻害物質TA−1のLC−MS分析は、m/z 797.49(M+H+)、計算値m/z 797.42(M+H+)を示した。競合阻害物質TA−2のLC−MS分析は、m/z 783.45(M+H+)、計算値m/z 783.90(M+H+)を示した。競合阻害物質T6−HoFのLC−MS分析は、m/z 890.52(M+H+)、計算値m/z 890.44(M+H+)を示した。競合阻害物質Q5−E(NHPh)のLC−MS分析は、m/z 906.51(M+H+)、計算値m/z 906.44(M+H+)を示した。競合阻害物質Q5−D(NHPh)のLC−MS分析は、m/z 892.51(M+H+)、計算値m/z 892.42(M+H+)を示した。
実施例6.阻害剤活性の微調整
次に、AF9 YEATS阻害の最適な配列を見い出そうとした。AF9 YEATS H3K9cr複合体では、R8残基がAF9のD103と電荷が安定化した水素結合を形成し、これにより、π−π−πスタッキングの他に、認識における別の重要な接触が提供される。YEATS阻害に対する隣接する残基の寄与を調べるために、阻害剤XL−07のRK特徴モチーフを抽出し、他の残基を1つずつ追加して、元のK4−G13デカマーとは配列の長さが異なる、更なる9つの阻害剤(XL−07a〜XL−07i、以下の構造とTable 5を参照)を作製した。
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
大まかなスクリーニングにより、RKモチーフのC末端側の残基は、阻害剤とAF9 YEATSドメイン間の結合に必要ではないことが示された。それどころか、これらの残基の存在は阻害活性に悪影響を及ぼした。RKモチーフのN末端側の残基が蓄積すると徐々に活性を取り戻した。残基の追加が配列でQTARKの五量体に到達するまで、阻害剤XL−07hはXL−07と同等の活性を示さなかった(IC50=4.5μM、図18および29)。N側最末端でのK残基(上記の構造XL−07i)の結合により、結合親和性が大幅に増加した(IC50=0.46μM、図19および29)。AF9 YEATS H3K9crの複雑な構造で示唆されているように、H3Q5残基は、R8との分子内水素結合を介してペプチドのコンフォメーションを固定することで相互作用に寄与する。さらに、H3K4残基のメチレン鎖は、AF9 YEATSのL8ループの残基と強力な疎水性相互作用を形成する。これは、QTARK配列が効果的なAF9 YEATS阻害を維持するための最低限の要件である一方、さらにK残基を付加すると活性が大幅に向上した理由を説明できる。N末端のKを疎水性カルボキシベンジル(Cbz)基(上記の構造XL−07j)で置換すること、および5−オキサゾールカルボニル側鎖(上記の構造XL−13a)を導入することによるさらなる構造最適化は、阻害活性をさらに強化した(IC50値はそれぞれ0.26μM、0.24μM、図20および21)。
実施例7.他のYEATSドメインに対する阻害剤の選択性の調整
次に、阻害剤が他のYEATSドメインを標的にできるかどうかを調べた。ENL YEATSドメインに対する競合アッセイは、2つの最も強力な化合物、XL−07jとXL−13aがENLをそれぞれ1.3μMと0.71μMのIC50値で阻害したことを示した(図30〜32)。AF9とENLの間の類似性が高いことを考えると、AF9に活性な阻害剤が、同様にENLと密接に相互作用することが予測できた。しかし、XL−07jとXL−13aは、AF9と比較してENLに対し、それぞれ5倍、2.9倍の活性が低かったことも興味深い。AF9およびENLのYEATSドメインの芳香族「サンドイッチ」ケージは互いにほぼ同一であるため、阻害剤の活性の変化は、他の隣接残基によってもたらされる相互作用の違いに起因する可能性が高かった。この観察結果は、さまざまな配列が2つのYEATSドメインに対する阻害剤の選択性を逆転させる可能性の追求を触発した。報告されているように、ENL YEATSドメインは、H3K9よりもH3K27でのアシル化に対してわずかに高い親和性を示した。したがって、ENL選択的阻害剤を検索するためにH3K27配列に焦点を当てた。5−オキサゾールカルボニル側鎖をK27位置に組み込み、RKモチーフの隣接残基を変更し、これらを、上記のとおり、ENLに対する活性について大まかにスクリーニングすることで14個の阻害剤(XL−13bからXL−13o、以下の構造とTable 6を参照)を得た。
Figure 2021504371
Figure 2021504371
Figure 2021504371
同様に、RKモチーフのC末端側の残基はENL阻害には望ましくなかった一方、N末端側の残基の追加と除去は、阻害活性にわずかな影響を示した。光架橋ベースの競合は、三量体(上記の構造XL−13m)と四量体(上記の構造XL−13n)がENL YEATSドメインを阻害し、IC50値がそれぞれ0.56μMと0.28μMであることを示した(図30、33、および34);一方、AF9に対する活性は、それぞれ4.5および6.1倍弱かった(XL−13mの場合、IC50=2.5μM、XL−13nの場合、IC50=1.7μM、図36および37)。この結果は、RKモチーフに隣接する残基(特にN末端のもの)が果たす補助的な役割がAF9 YEATS阻害にとってより重要である一方、ENLでは要件がより少ないことを示した。このような違いは、それらの構造に高い保存性をもたらして、これら2つのYEATSドメイン間の選択性を実現するのに役立った。
さらに、YEATS2とGas14のYEATSドメインに対する阻害剤XL−07j、XL−13a、XL−13m、およびXL−13nの活性を測定したところ、活性が大幅に低下した(Table 7および図38〜45)。Kac/Kcrイレーサー(Sirt3)、Kacリーダー(CBP、BAZ2B、BRD4のBrD)、およびリジンメチル化マークのリーダー(SPIN1およびING2)では、明らかな阻害は観察されなかった。
Figure 2021504371
実施例8.MOLM13細胞における化合物XL−13mの分析
次に、セルラーサーマルシフトアッセイ(CETSA)を適用して、XL−13mが細胞透過性であり、生きている細胞のENLを標的にできるかどうかを調べた。MOLM−13(FLAG−ENL)をXL−13mで12時間処理した後、異なる温度で加熱してタンパク質を変性および沈殿させた。ENLが阻害剤と相互作用すると、熱安定性が向上し、高温で沈殿する。可溶性タンパク質を凍結融解サイクルによって抽出し、ウエスタンブロッティング分析にかけた。FLAG−タグとENLに対する抗体を使用して、XL−13m処理されたMOLM−13細胞中に可溶性ENLタンパク質が豊富に存在することが高い温度(55℃、57℃、59℃)で検出された。また、この阻害剤を別の白血病細胞株MV4−11とインキュベートしても同じ結果が得られ、XL−13mが細胞内に入り内因性ENLを標的にできることを示した。
MOLM13(FLAG−ENL)細胞を、50μMの化合物XL−13mの存在下または非存在下で培養した。2〜3日ごとに、生細胞をトリパンブルー排除アッセイでカウントし、再度プレートした。図48に示すように、化合物XL−13mは細胞増殖に影響を与えた。
MOLM13(FLAG−ENL)細胞を、50μMの化合物XL−13mの存在下または非存在下で24時間培養し、細胞を50μMでさらに24時間処理した。細胞をXL−13mで処理すると、c−Myc発現のJQ1誘導減少の感受性が増加した(図49A)。c−Mycの発現はqPCRによって定量化した。
MOLM13(FLAG−ENL)細胞を、50μMの化合物XL−13mの存在下または非存在下で72時間培養した。入力サンプルのパーセンテージはqPCRによって定量化し、濃縮倍率は、ENLエンリッチでないHoxa遺伝子間領域の入力%によって正規化した。図49Bに示すように、ChIP qPCRは、XL−13mによる処理後、示された遺伝子のENL豊富化の減少を示した。
MOLM13(FLAG−ENL)細胞を、50μMの化合物の存在下または非存在下で16時間インキュベートし、既に記載したようにセルラーサーマルシフトアッセイ(CETSA)のために回収した。抗FLAG抗体を使用してENLタンパク質を検出し、γ−アクチンブロッティングをネガティブコントロールとした。サーマルシフトアッセイにより、生きている細胞における、化合物XL−13l、XL−13m、およびXL−13nによるENLタンパク質の標的を明らかにした。
結論
36個のAF9 YEATSドメイン阻害剤を設計および合成した。競合阻害物質の阻害活性を定量的に測定するために、光架橋と「クリックケミストリー」を組み合わせた確実な戦略を採用した。AF9 YEATSドメインへの結合親和性が弱い競合阻害物質を排除するために、すべての阻害剤の予備的スクリーニングを行った。同等の活性を有する阻害剤の50%最大阻害濃度(IC50)を最終的に決定した。それでも、阻害剤は改善された阻害活性を示さなかった。競合阻害物質Cbz−4は、N末端に拡張された芳香族系を有し、他の設計された競合阻害物質の中で最大の活性を示した。競合阻害物質Cbz−4のIC50は、0.226μMと測定され、これは、対照の競合阻害物質(0.189μM)よりわずかに大きい。
開示された方法および組成物は、記載した特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されず、変更し得ることが理解される。本明細書で使用される用語は、単に、特定の実施形態を説明することを目的としており、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲に限定することを意図したものでないことも理解されたい。
当業者は、本明細書に記載した方法および組成物の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識し、または通常の実験のみを使用して確認することができるであろう。そのような等価物が以下の特許請求の範囲に包含されることを意図するものである。

Claims (17)

  1. ベースオリゴマーおよび側鎖を含んでなる化合物又はその薬学的に許容される塩であって、該化合物が式(I):
    Figure 2021504371
    [式中、
    AはCR又はNであり;
    及びBはそれぞれ独立して選択された二価の連結単位であり得、該連結単位は、アミド、エステル、チオエステル、チオアミド、イミダート、イミド、スルホネート、又はスルホンアミド結合で頭−尾方向に連結し;
    は、H又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり;
    はH、NH、NHR15、NR1617、OH、OR18、又は置換されていない又は置換されたヒドロカルビル、カルボシクリル又はヘテロシクリルであり;
    Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    YはNR、O、又はSであり;
    Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり;
    、R、Rは、独立して、H又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    は、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニル基のような、共役/非局在化基であり;
    15、R16、R17およびR18は、H又はアルキル、アルケニル、アルキニル、置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されたアルコキシ、カルボキシル、置換されたカルボキシル、アミノ、置換されたアミノ、アミド、置換されたアミド、C−C20環、置換されたC−C20環、ヘテロ環、又は置換されたヘテロ環であり;
    mおよびnはそれぞれ独立して0〜10の整数であって、m又はnの少なくとも一方は0ではない]
    で定義される、化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 化合物が、式(II):
    Figure 2021504371
    [式中、
    およびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;
    は、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)、又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルのような、共役/非局在化基であり;
    mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数であって、m又はnの少なくとも一方は0ではない]
    で定義される、請求項1記載の化合物。
  3. 化合物が、式(III):
    Figure 2021504371
    [式中、
    およびJは、それぞれ独立に任意のα−アミノ酸であり;
    Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    YはNR、O、又はSであり;
    Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、及び−SO−であり;
    及びRは独立してH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    は、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)、または置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルのような、共役/非局在化基であり;
    mおよびnはそれぞれ独立して0〜10の整数であって、m又はnの少なくとも一方は0ではない]
    で定義される、請求項1記載の化合物。
  4. 化合物が、式(IV):
    Figure 2021504371
    [式中、
    及びEはそれぞれ、独立して置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリル、又はO、S、又はNRであり;
    Xは置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    YはNR、O、又はSであり;
    Zは−CO−、−CS−、−CNR−、−SO−、又は−SO−であり;
    、R、Rは独立してH、C1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    は、置換された又は置換されていない、ヘテロ環又は炭素環、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルのような、共役/非局在化基であり;
    mおよびnはそれぞれ独立して0〜10の整数であって、m又はnの少なくとも一方は0ではない]
    で示される、請求項1記載の化合物。
  5. 連結単位の少なくとも2つは側鎖を含み、B連結単位の側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成している、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 化合物が、式(V):
    Figure 2021504371
    [式中、
    は置換された又は置換されていない、芳香環(単環、二環、三環、四環の)又は置換されていない又は置換されたアルケニル又はアルキニルのような、共役/非局在化基であり;
    、R、R、R、およびR10は独立してH又はC1−10ヒドロカルビル、C1−10カルボシクリル又はC1−10ヘテロシクリルであり;
    、G、及びGはそれぞれ置換されていない又は置換されたC1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、C1−10カルボシクリル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ヘテロアルケニル、C1−10ヘテロアルキニル、C1−10ヘテロシクリル、又は5〜9員のヘテロアリールであり;
    、i、j、j、k、kはそれぞれ独立して0〜10の整数である]
    で定義される、請求項5記載の化合物。
  7. 連結単位の少なくとも2つは側鎖を含み、B連結単位の側鎖の2つが互いに共有結合して環状オリゴマーを形成している、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  8. 化合物がπ−π−πスタッキング相互作用を阻害する、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  9. 化合物がYEATSタンパク質ドメインを選択的に標的とする、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物の有効量を含む医薬組成物。
  11. 1以上の薬学的に許容される担体または添加物をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 化合物がπ−π−πスタッキング相互作用を選択的に阻害する、請求項10または11に記載の組成物。
  13. 化合物がYEATSタンパク質ドメインを選択的に標的とする、請求項10〜12のいずれかに記載の組成物。
  14. 化合物が癌の治療に有効である、請求項10〜13のいずれかに記載の組成物。
  15. 癌が急性白血病である、請求項10〜14のいずれかに記載の組成物。
  16. 請求項10〜15のいずれかに記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌を治療する方法。
  17. 対象が急性白血病を有する、請求項16に記載の方法。
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