JP2021504353A - Urat1阻害剤の結晶形及びその製造方法 - Google Patents

Urat1阻害剤の結晶形及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、URAT1阻害剤の結晶形及びその製造方法を公開した。【化1】

Description

発明の詳細な説明
関連出願の参照
CN201711181960.2、出願日:2017.11.23
技術分野
本発明は、URAT1阻害剤の結晶形及びその製造方法に関する。
背景技術
尿酸は動物体内のプリン類化合物の代謝産物である。人間にとって、尿酸を継続的に酸化分解する尿酸酵素が足りないため、尿酸は人体内でプリン体代謝の最終産物として腸と腎臓を通じて体外に排出され、その中で、腎臓を通じた排泄は人体内の尿酸排出の主要なルートである。人体内の正常な尿酸濃度範囲の上限は:男性は400μmol/L (6.8mg/dL)、女性は360μmol/L (6mg/dL)である。人体内の尿酸レベルの異常は、尿酸の生成の増加又は尿酸排泄の減少によるものが多い。尿酸レベルの異常に関連する病気は高尿酸血症、痛風などがある。
高尿酸血症とは、人体内のプリン体物質の代謝が乱れ、人体の尿酸の合成が増加又は排出が減少して、血液中の尿酸レベルが異常に高くなる病気のことである。痛風性関節炎とは、尿酸が人体血液中の濃度が7 mg/dLを超える時、モノナトリウム塩の形で関節、軟骨及び腎臓に堆積して、体の免疫システムの過剰反応(敏感)を来たして痛みの炎症を引き起こす病気のことである。一般的な発症部位は、親指関節、足首関節、膝関節等である。急性の痛風の発作部位は赤くなって、腫れて、熱くなって、激しい痛みが現れ、普通は真夜中に発作して、人を睡眠の中から目覚ませる。初期の痛風は下肢の関節に多発する。高尿酸血症は痛風性関節炎の病理的な基礎であり、薬を使って血液の中の尿酸濃度を下げることは痛風性関節炎を予防する通常の方法の一つである。
欧米では、高尿酸血症及び痛風疾患の発作が増加する傾向がある。疫学の研究は、痛風性関節炎の発症者数は総人口の1〜2%を占め、成人男性の最も主要な関節炎のタイプであることを表明した。ブルームバーグ通信は2021年には1770万人の痛風患者がいると予想した。中国では、調査によると、20〜74歳の年齢層の人口のうち、25.3%の人口の血尿酸含有量が高く、0.36%の人口が痛風疾患を患っている。現在、臨床治療薬は主に1)例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤であるアロプリノール及びフェブリク等の尿酸の生成を抑える薬;2)例えば、プロベネシド及びベンズブロマロン等の尿酸の排泄を促進する薬;3)例えば、コルヒチン等の炎症阻害剤がある。これらの薬は治療上では全部一定の欠陥があって、治療効果が悪い、副作用が大きい、費用が高いのはその臨床の応用のいくつかの主要なボトルネックである。報道によれば、40%〜70%の患者が標準流れの治療を受けた後、血尿酸の含有量が予想される治療目標(<6mg/dL)に達していなかった。
尿酸排出促進剤として、その作用メカニズムは、近衛曲細尿管ブラシ状縁膜上のURAT 1トランスポーターを抑制することにより、尿酸の再吸収を低減することである。尿酸は体内のプリン体の代謝産物であり、主に原形で糸球体のろ過、細尿管の再吸収及び再分泌を通じて、最後に尿を通じて体外に排除され、ごく一部が腸間膜細胞から腸の中に分泌される。近衛曲細尿管S 1段は尿酸の再吸収の場所であり、98%〜100%のろ過された尿酸はここで細尿管上皮細胞のブラシ状縁膜上の尿酸トランスポーターURAT 1及び有機陰イオントランスポーターOAT 4を介して上皮細胞に入る。上皮細胞に入った尿酸は、再び細尿管基底膜を経て細尿管周りの毛細血管に再吸収される。近衛曲細尿管S 2段は尿酸再分泌の場所であり、分泌量は糸球体ろ過量の約50%である。腎間質の尿酸は、まず細尿管上皮細胞基底膜の陰イオントランスポーターOAT 1、OAT 3を経て上皮細胞内に入る。上皮細胞に入った尿酸はブラシ状縁膜上のもう一種の陰イオントランスポーターMRP4を経て、細尿管空洞内に排出される。近衛曲細尿管S 3段は尿酸が分泌された後の再吸収場所である可能性があり、再吸収量は約糸球体ろ過量の40%で、且つ、第一回目の吸収と似たように、URAT 1は重要な重吸収トランスポーターである可能性がある。そのため、尿酸塩トランスポーターURAT 1を著しく抑えることができれば、体内の尿酸の排泄を強化し、これにより、血尿酸レベルを低下させ、痛風発作の可能性を低下させる。
2015年12月、アメリカのFDAは最初のURAT 1抑制剤Zurampic(Leinurad)を承認した。その200 mgの用量とキサンチンオキシダーゼ阻害剤XOI(例えば、Febuxostat等)を併用して高尿酸血症と痛風性関節炎の治療に使用することを承認したが、併用する場合とキサンチンオキシダーゼ阻害剤を単独投与する場合を比較して、その付加的な効果はあまり目立つものではなかった。Zurampic 400mgの用量が承認されてない原因は、容量が高い場合、著しい毒副作用(腎臓に関連する有害な事象が発生する率、特に腎結石の発症率)があるからである。したがって、FDAはZurampicのラベルに黒枠の警告を付け、医療関係者にZurampicが急性腎不全のリスクを引き起こし、特にXOIとの併用しない場合にはよりよく見られ、もし許可された容量を超えてZurampicを使用する場合、腎臓不全を引き起こすリスクはもっと高くなることを警告するように要求した。同時に、FDAはZurampicが市場にでた後、アスリカンで腎臓と心血管の安全性についての考察を続けことを要請した。そのため、新型の安全的に血尿酸を下げる薬がこの分野の強い需要となった。
WO2009070740はLeinuradを公開し、その構造は以下の通りである:
Figure 2021504353
発明の概要
本発明は、結晶形の粉末X線回折スペクトルが、7.50±0.2°、13.04±0.2°、21.43±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する式(I)化合物のA結晶形を提供する。
Figure 2021504353
本発明の一部の形態において、上記A結晶形の粉末X線回折スペクトルが、7.50±0.2°、9.66±0.2°、13.04±0.2°、14.42±0.2°、17.46±0.2°、18.57±0.2°、21.43±0.2°、26.18±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する。
本発明の一部の形態において、上記A結晶形のXRPDスペクトルは図1の通りである。
本発明の一部の形態において、上記A結晶形のXRPDスペクトルの解析データは表1の通りである。
Figure 2021504353
Figure 2021504353
Figure 2021504353
本発明の一部の形態において、上記A結晶形の示差走査熱量曲線が、169.42±3℃に一つの吸熱ピークの開始点を有する。
本発明の一部の形態において、上記A結晶形のDSCスペクトルが図2で示される通りである。
本発明の一部の形態において、上記A結晶形の熱重量分析曲線が100±3℃といったところで重量損失が0.04491%に達する。
本発明の一部の形態において、上記A結晶形のTGAスペクトルが図3で示される通りである。
また、式(I)化合物のB結晶形であって、粉末X線回折スペクトルが、9.88±0.2°、10.56±0.2°、20.38±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する。
本発明の一部の形態において、上述B結晶形の粉末X線回折スペクトルが、9.88±0.2°、10.56±0.2°、12.23±0.2°、13.04±0.2°、14.62±0.2°、17.57±0.2°、20.38±0.2°、26.89±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する。
本発明の一部の形態において、上述B結晶形のXRPDスペクトルが図4で示される通りである。
本発明の一部の形態において、上述B結晶形のXRPDスペクトルの解析データは表2の通りである:
Figure 2021504353
Figure 2021504353
Figure 2021504353
本発明の一部の形態において、上述B結晶形の示差走査熱量曲線が、163.51±3℃に一つの吸熱ピークの開始点を有する。
本発明の一部の形態において、上述B結晶形のDSCスペクトルが図5で示される通りである。
本発明の一部の形態において、上述B結晶形の熱重量分析曲線が120±3℃といったところの重量損失が0.1191%に達し;120±3℃から153.60±3℃といったところで重量損失が0.6282%に達する。
本発明の一部の形態において、上述B結晶形のTGAスペクトルが図6で示される通りである。
技術効果
本発明の式(I)化合物はURAT 1(尿酸輸送タンパク質)遺伝子を安定的に転写するHEK 293細胞系において、URAT 1が媒介する14C−尿酸の輸送に対して、より優れた体外阻害活性を示し;本発明の式(I)化合物はより良い薬物代謝の安定性を有し、同時に薬物の経口吸収のバイオアベイラビリティも大幅に向上させ;その結晶形は溶解度が良く、安定性が比較的に良い。したがって、本発明の化合物は良好な医薬としての将来性を有する。

定義と説明
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語および連語は以下の意味を含む。一つの特定の連語または用語は、特別に定義されない場合、不確定または不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品またはその活性成分を指す。
本発明の中間体化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態および当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明の具体的な実施形態の化学反応は適切な溶媒で完成され、前記の溶媒は本発明の化学変化およびそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るため、当業者が既存の実施形態に基づいて合成工程または反応スキームを変更または選択することが必要であることもある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の何らの制限にもならない。
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品で、さらに精製せずにそのままで使用してもよい。
本発明に使用されたすべての溶媒は市販により得られる。本発明は下記略語を使用する:DCMはジクロロメタンで、DMFはN、N−ジメチルホルムアミドで、DMSOはジメチルスルホキシドで、EtOHはエタノールで、MeOHはメタノールで、TFAはトリフルオロ酢酸で、TsOHはp−トルエンスルホンで、mpは融点で、EtSOHはエタンスルホン酸で、MeSOHはメタンスルホン酸で、ATPはアデノシン三リン酸で、HEPESは4‐ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸で、EGTAはエチレングリコールビス(2‐アミノエチルエーテル)四酢酸で、MgClは二塩化マグネシウムで、MnClは二塩化マンガンで、DTTはジチオトレイトールを表す。
粉末X線回折(X−ray powder diffractometer、XRPD)
装置型式:ブルカーD8 advance X線回折装置
測定方法:約10〜20 mgのサンプルをXRPD検出に使用した。
詳細なXRPDパラメーターは以下の通りである。
X線管:Cu、kα、(λ=1.54056Å)
管電圧:40 kV、管電流:40 mA
発散スリット:0.60 mm
検出器スリット:10.50 mm
散乱防止スリット:7.10 mm
走査範囲:4〜40度
ステップ幅:0.02度
ステップ時間:0.12秒
サンプルプレート回転数:15 rpm
示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)
装置型式:TA Q2000示差走査熱量計
測定方法:サンプル(〜1 mg)をDSCアルミニウムパン内に置いて測定し、50 mL/min Nの条件において、10℃/minの升温速度で、サンプルを25℃から300℃(または350℃)に加熱する。
熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)
装置型式:TA Q5000IR熱重量分析装置
測定方法:サンプル(2〜5 mg)をTGA白金パン内に置いて測定し、25 mL/min Nの条件において、10℃/minの升温速度で、サンプルを室温から重量減少が20%になるまで加熱する。
A結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである。 A結晶形のDSCスペクトルである。 A結晶形のTGAスペクトルである。 B結晶形のCu−Kα線のXRPDスペクトルである。 B結晶形のDSCスペクトルである。 B結晶形のTGAスペクトルである。
具体的な実施形態
以下、本発明の内容がより良く理解されるように、具体的な実施例と合わせてさらに説明するが、具体的な実施形態は本発明の内容に対する制限ではない。
実施例1: 式(I)化合物の調製
Figure 2021504353
合成スキーム:
Figure 2021504353
工程1:化合物2の合成
三口フラスコ(10 L)にジメチルスルホキシド4.5 Lを入れ、撹拌しながらカリウムtert−ブトキシド(836.66 g、 7.46 mol、 2 eq)を添加し、添加完了後全部溶解するまで反応物を10分間撹拌し、次に氷水浴下で反応液を内部温度が20〜25℃になるまでに冷却した。前記溶液に化合物1(500.05 g、3.73 mol、1 eq)のジメチルスルホキシド(500 mL)溶液を滴下し、滴下が完了した後、30分間撹拌して反応させ、次にその中に二硫化炭素(283.86 g、3.73 mol、1 eq)を滴下し、滴下が完了した後、続いて30分撹拌した。更に、ブロモ酢酸エチル(1250 g、 7.46 mol、 2 eq)を滴下し、滴下が完了した後、続いて2時間撹拌して反応させた。最後に炭酸カリウム(515.52 g、7.46 mol、1 eq)を添加し、内部温度が65℃になるまで温度を上げ、引き続いて8時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応液を室温まで冷却させた。反応液を酢酸エチル(10L)で希釈し、次に1M塩酸(2 L)及び水(2 L)を入れ、10分間撹拌し、静置して液を分離させた。水層を分離し、有機相を水(2 L×3)で洗浄した。水層を合わせ、酢酸エチル(3 L)で抽出した。全部の有機相を合わせ、飽和食塩水(2 L×2)で洗浄した。有機相を適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して乾燥剤を除去し、ろ過液を減圧して溶剤を除去して、粗生成物を得た。同じ規模で、6バッチを並行供給し、合わせた後、黒い赤色の油状の粗生成物を得た。粗生成物を72時間静置して大量の個体が析出し、その中にエタノール(2 L)を入れ、30分間撹拌し、ろ過し、ケーキを収集して真空乾燥させ、化合物2を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 4.32 (q、 J=7.2 Hz、 2H)、 4.19 (q、 J=7.2 Hz、 2H)、 3.56 (s、 2H)、 3.25 (t、 J= 6.8 Hz、 2H)、 3.19 (t、 J=14.4 Hz、 2H)、 2.26−2.17 (m、 2H)、 1.37 (t、 J=7.2 Hz、 3H)、 1.27(t、 J=7.2Hz、 3H);MS m/z= 364.8 [M+H]
工程2:化合物3の合成
化合物2(241.00 g、0.66 mol)をエタノール(1 L)に溶解し、且つ、高圧釜(5 L)に置き、アルゴンガスの保護下でラネーニッケル(120 g)を添加し、更にエタノール(2 L)を追加した。高圧釜をよく詰め、アルゴンガスで3回置換し、次に水素で3回置換し、タンク内圧力が2.0 MPになるまで水素を充填し、撹拌しながら釜内温度が85℃になるまで加熱して28時間反応させた。反応を停止させ、反応システムを室温まで冷却し、反応液を濾過し、ケーキをエタノールで毎回0.5 Lで三回洗浄した。ろ過液を合わせ、次にスピン乾燥して化合物3を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 7.09 (s、 1H)、 4.26 (q、 J=7.2 Hz、 2H)、 3.20 (t、 J= 6.8 Hz、 2H)、 3.12 (t、 J=14.4 Hz、 2H)、 2.20−2.10 (m、 2H)、 1.30 (t、 J=6.8 Hz、 3H);MS m/z=247.0 [M+H]
工程3:化合物4の合成
化合物3(406.2 g、1.65 mol、1 eq)をアセトニトリル(6 L)に溶解し、次にN−ブロモスクシンイミド(1484.2 g、6.60 mol、4 eq)をゆっくりと添加し、得た反応液を23〜25℃で12時間撹して反応させた。反応終了後、反応液を約1.0 Lまでに濃縮させた。ろ過して固体を除去し、ろ過液に亜硫酸水素ナトリウム飽和溶液(1 L)を入れ、10分間撹拌した。酸エチルを入れ、毎回2 Lで3回抽出した。有機相を合わせ、適量の無水硫酸ナトリウムを入れ乾燥させた。ろ過して乾燥剤を除去し、ろ過液を減圧濃縮した。残留物に石油エーテル(3 L)を入れ、30℃で30分間十分に撹拌した。ろ過し、ケーキを石油エーテルで製品が残らないまで毎回200 mLで5回洗浄した。全部の有機相を合わせ、スピン乾燥して粗生成物を得た。粗生成物に石油エーテル(100 mL)を入れ、十分に撹拌し、ろ過し、ケーキを収集して真空乾燥させて化合物4を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 4.24 (q、 J=7.2 Hz、 2H)、 3.19 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.95 (t、 J=14.4 Hz、 2H)、 2.17−2.07 (m、 2H)、 1.29 (t、 J=7.2 Hz、 3H)。
工程4:化合物5の合成
化合物4(340.21 g,1.05 mol)、シクロプロピルホウ酸(108.12 g,1.26mol)、無水リン酸カリウム(444.98 g,2.10 mol)、酢酸パラジウム(12.03 g,53.58mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、4’、6‘−トリイソプロピルビフェニル(23.86 g,50.05mmol)をトルエンと水の混合溶媒(10:1、3.4 L/340 mL)に入れ、反応フラスコを窒素で6回置換してからオイルバスに入れた。反応液の内部温度が80℃になるまで加熱し、この温度で16時間撹拌して反応させた。反応が完了した後、反応液を室温まで冷却し、反応液にトリチオシアヌル酸(6.51 gを34 mLのエタノールに懸濁させ)を加え、0.5時間撹拌した。似たような規模(300.00 gの化合物4)で、5バッチを並行供給し、合わせて処理した。ろ過し、有機相を分離し、水相は酢酸エチル(250 mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、適量の無水硫酸ナトリウムを入れて乾燥させた。ろ過して乾燥剤を除去し、ろ過液を減圧濃縮して、黒い油状の粗生成物を得た。粗生成物20時間静置した後、黄色の固体が析出し、その中に石油エーテル(3 L)を入れ、1時間攪拌した。ろ過し、ケーキを真空乾燥させ、化合物5を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 4.29 (q、 J=7.2 Hz、 2H)、 3.23 (t、 J=6.4 Hz、 2H)、 3.16 (t、 J=14.8 Hz、 2H)、 2.24−2.18 (m、 2H)、 1.95−1.85 (m、 1H)、 1.35 (t、 J=6.8Hz、 3H)、 1.09−1.07 (m、 2H)、 0.77−0.75 (m、 2H)。
工程5:化合物6の合成
化合物5(619.27 g,2.16 mol)を水酸化ナトリウム(173.55 g、4.33 mol)のエタノール及び水の混合溶液(3 L/3 L)に添加し、反応液を内部温度が60℃になるまで加熱し、3時間撹拌した。反応完了後、反応液を室温まで冷却させた。似たような規模(750.17 gの化合物5)で、1バッチを並行供給し、合わせて処理した。合わせた反応液を石油エーテル(4 L)で抽出した。有機相を分離し、有機相を水(1.5 L×2)で2回逆洗した。水相を合わせ、減圧濃縮してエタノールを除去した。水相に水を加えて13 Lに希釈し、希塩酸(3 M)をゆっくり添加してpH=2に調節し、大量の薄い黄色の固体が析出した。ろ過し、ケーキを水(3.0 L×2)でシャワーさせた。ドレインして、ケーキを収集し、真空オーブン60℃で真空乾燥させて化合物6を得た。
H NMR (400MHz、 DMSO−d) δ: 12.79 (brs、 1H)、 3.23 (t、 J=14.8 Hz、 2H)、 3.07 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.27−2.20 (m、 2H)、 2.19−2.02 (m、 1H)、 1.09−1.04 (m、 2H)、 0.68−0.66 (m、 2H)。
工程6:化合物7の合成
攪拌しながら、化合物6(641.27 g、2.48 mol)、トリエチルアミン(754.07 g、7.45 mol)及びジフェニルホスホリルアジド(1025.34 g、3.73 mol)をtert−ブタノール(6.5 L)に添加した。反応液を100℃の油浴に置いて16時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却させた。似たような規模(650.00 gの化合物6)で、4バッチを並行供給し、合わせて処理した。反応液を合わせ、減圧濃縮してtert−ブタノールを除去した。残りの黒い残留物を酢酸エチル(10 L)で溶解し、得た酢酸エチル溶液を水酸化ナトリウム水溶液(5%,5.0 L×2)で洗浄し、次に飽和食塩水(5.0 L)で洗浄した。適量の無水硫酸ナトリウムを入れ、乾燥させた。ろ過して乾燥剤を除去し、ろ過液を減圧濃縮させ、ブラウンブラックの固体の粗生成物を得、静置した後、固体が析出した。石油エーテル(8 L)を粗生成物に添加し、2時間撹拌した。ろ過し、ケーキは石油エーテル(1 L)でバッチにシャワーさせ、ケーキを真空オーブン60℃で真空乾燥させて化合物7を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 6.31(brs、 1H)、 3.11 (t、 J=14.8 Hz、 2H)、 2.66 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.23−2.15 (m、 2H)、 1.82−1.75 (m、 1H)、 1.51 (s、 9H)、 0.94−0.90 (m、 2H)、 0.68−0.65 (m、 2H)。
工程7:化合物8の合成
化合物7(1199.17 g,3.64 mol)を酢酸エチル(2 L)に入れ、よく混ぜてから塩化水素の酢酸エチル溶液(4 L,16.00 mol,4 M)を添加した。反応液を15℃で2.5時間反応させ、その後40℃の温水浴に置いて続いて2時間反応させた。反応終了後、大量の暗い赤色の固体が析出した。ろ過し、ケーキを酢酸エチル(2.0 L)でバッチにシャワーさせた。ケーキを真空オーブン60℃で真空乾燥させて化合物8を得た。
H NMR (400MHz、 DMSO−d) δ: 3.17 (t、 J=14.8 Hz、 2H)、 2.82 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.25−2.15 (m、 2H)、 2.00−1.94 (m、 1H)、 0.99−0.95 (m、 2H)、 0.58−0.54 (m、 2H);MS m/z=229.8 [M+H−HCl]
工程8:化合物9の合成
3 Lの三口フラスコの中で、化合物8(301.25 g)をテトラヒドロフラン(600 mL)に添加し、内部温度が0〜10℃になるまで氷水浴の冷却下で撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(635.72 g)を滴下し、滴下完了後、氷水浴を撤収し、内部温度10〜15℃で約10分間撹拌した。ろ過し、ケーキをテトラヒドロフラン(100 mL× 2)で洗浄した。ろ過液を合わせ、予備の溶液Aを得た。
テトラヒドロフラン(2 L)を、チオホスゲン(257.48 g)を入れた5 Lの反応フラスコに入れた。氷水浴下で撹拌して内部温度が0〜10℃になるまで冷却し、ゆっくりと溶液Aを滴下し、保温して約5.5時間内に滴下完了させ、続いて10分間攪拌した。反応終了後、ろ過し、ケーキをテトラヒドロフラン(150 mL×2)で洗浄した。ろ過液を合わせ、減圧濃縮して溶剤を除去した。残留物にテトラヒドロフラン(400 mL)を添加して、予備の溶液Bを得た。
ヒドラジン水和物(112.94 g)をテトラヒドロフラン(2.5 L)に入れ、氷水浴下で攪拌して内部温度が5〜10℃になるまで冷却した。溶液Bを滴下し、保温しながら約2時間以内に滴下を完了させ、続いて10分間撹拌した。反応が完了した後、反応を停止させた。氷水浴を撤去し、N、N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(333.45 g)を添加し、内部温度が60〜65℃になるまで加熱し、保温しながら3時間反応させ、その後停止させた。
反応液をスピン乾燥させ、残留物に酢酸エチル(2 L)と純水(1 L)を入れ、よく混ぜた。10%の臭化水素酸でpH5〜6まで調整し、続いて5分間攪拌し、10分間静置した。液を分け、水相を分離した。有機相を純水(500 mL×2)で洗浄した。水相を合わせ、酢酸エチル(1 L)で抽出し、有機相を合わせ、適量の無水硫酸ナトリウムを入れ、乾燥させた。ろ過して乾燥剤を除去し、ろ過液を減圧濃縮して乾燥させ、化合物9の粗生成物を得た。粗生成物にn-ヘプタン(2.0 L)及びメチルtert-ブチルエーテル(150 mL)を添加し、18時間スラリー化(攪拌回転速度550回転/分)させた。ろ過し、ケーキをnーヘプタン(150 mL)で洗浄した。ケーキを収集し、真空オーブン60℃で真空乾燥して化合物9を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 7.82 (s、 1H)、 3.20 (t、 J=14.8 Hz、 2H)、 2.74 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.28−2.10 (m、 2H)、 1.98−1.82 (m、 1H)、 1.06−1.02 (m、 2H)、 0.75−0.71 (m、 2H); MS m/z=313.9 [M+H]
工程9:化合物10の合成
アセトニトリル(3 L)を5 Lの三口フラスコで入れた。攪拌しながら、まず化合物9(303.25 g)及び炭酸カリウム(261.83 g)を添加した。さらに2−ブロモイソ酪酸メチル(203.85 g)を添加し、反応系を窒素ガスで置換した後、内部温度が60〜65℃になるまで加熱し、保温しながら約2時間反応させた。反応が終了した後、加熱を止め、撹拌しながら15〜20℃までに自然冷却した。ろ過し、ケーキを酢酸エチル(100 mL×3)で洗浄した。ろ過液を合わせ、減圧濃縮し、乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/n-ヘプタン=1:5〜2:1)によって精製して化合物10を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 8.20 (s、 1H)、 3.68 (s、 3H)、 3.19 (t、 J=14.4 Hz、 2H)、 2.57 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.22−2.12 (m、 2H)、 1.93−1.83 (m、 1H)、 1.67 (s、 6H)、 1.08−1.03 (m、 2H)、 0.73−0.69 (m、 2H);MS m/z=414.0 [M+H]
工程10:化合物11の合成
アセトニトリル(3.17 L)を5 Lの三口フラスコで入れた。攪拌しながら、化合物10(317.22 g)及びチオカルボニルジイミダゾール(26.94 g)を入れ、16〜20℃に保温しながら5分間撹拌した。N‐ブロモスクシンイミド(158.60 g)を入れ、保温しながら約30分間撹拌した。反応終了後、反応を中止させた。ろ過し、濾過液を減圧濃縮して黒色の粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/n−ヘプタン=0〜50%)によって精製して340.62 gの黄色の固体粗生成物を得た。この粗生成物を酢酸エチル(3.5 L)で溶解し、更に純水(700 mL×4)で洗浄した。有機相を分離し、適量の無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過して乾燥剤を除去し、ろ過液を減圧濃縮して乾燥させて化合物11を得た。
H NMR (400MHz、 CDCl) δ: 3.73 (s、 3H)、 3.22 (t、 J=14.4 Hz、 2H)、 2.53 (t、 J=6.8 Hz、 2H)、 2.24−2.14 (m、 2H)、 1.95−1.91 (m、 1H)、 1.71 (d、 J= 4.4 Hz、 6H)、 1.11−1.07 (m、 2H)、 0.78−0.74 (m、 2H);MS m/z=491.7 [M+H]、 493.7 [M+H+2]
工程11:式(I)化合物の合成
5 Lの反応フラスコにテトラヒドロフラン(1.2 L)を入れ、撹拌しながら化合物11(243.03 g)を添加した。溶解後、純水(1.2 L)を加え、次に水酸化リチウム一水和物(125.46 g)を入れ、20〜25℃に保温しながら約2.5時間撹拌した。反応終了後、反応を中止した。反応液を40℃で減圧濃縮して有機溶剤を除去した。残留物に純水(1 L)を添加し、メチルtertブチルエーテル(300 mL)でストリッピングし、有機相を分離した。水相を10 Lの三口フラスコに置き、氷浴で温度を5〜10℃まで下げた。40%の臭化水素酸溶液でpH2〜3に調整し、大量の薄い黄色の固体が析出した。続いて30分間攪拌し、再度測定したpHは2〜3のままであった。続いて20分間攪拌し、ろ過した。ケーキを純水(150 mL×3)で洗浄した。ケーキを収集し、純水(1500 mL)を入れ、室温で1時間スラリー化した。ろ過し、ケーキを純水(150 mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、40℃で3時間真空乾燥させ、式(I)化合物を得た。
H NMR (400MHz、 CDOD) δ: 3.27 (t、 J=15.6 Hz、 2H)、 2.60−2.47 (m、 2H)、 2.27−2.17 (m、 2H)、 2.10−2.03 (m、 1H)、 1.68 (d、 J=1.2 Hz、 6H)、 1.15−1.10 (m、 2H)、 0.80−0.71 (m、 2H);MS m/z =477.99 [M+H]、 480.1 [M+H+2]
実施例2: 式(I)化合物のA結晶形の製造
式(I)化合物(50 mg)をガラス瓶に入れ、それぞれメタノール(0.4 mL)を添加し、懸濁液又は溶液になるまで撹拌した。前記懸濁液サンプルを恒温ミキサー(40℃)に置き、40℃で60時間振動してから遠心し、サンプルを収集した。前記溶解したサンプルを室温で揮発させた後遠心し,サンプルを収集した。前記サンプルを真空乾燥箱(40℃)に入れ、一晩乾燥させた後、XRPDでその結晶形の状態を検査し、得た最終生成物の結晶形は式(I)化合物のA結晶形であった。
式(I)化合物(50 mg)をガラス瓶に入れ、それぞれ酢酸エチル(0.4 mL)を添加し、懸濁液又は溶液になるまで撹拌した。前記懸濁液サンプルを恒温ミキサー(40℃)に置いて、40℃で60時間振動してから遠心し、サンプルを収集した。前記溶解したサンプルを室温で揮発させて遠心し,サンプルを収集した。前記サンプルを真空乾燥箱(40℃)に入れ、一晩乾燥させた後、XRPDでその結晶形状態を検査し、得た終生成物の結晶形は式(I)化合物のA結晶形であった。
実施例3:式(I)化合物のB結晶形の製造
式(I)化合物(50 mg)をガラス瓶に入れ、テトラヒドロフラン(0.4 mL)を添加し、全部溶解するまでに撹拌した。前記溶解したサンプルを室温で揮発させた後遠心し,サンプルを収集した。サンプルを収集し、真空乾燥箱(40℃)に入れ、一晩乾燥させた後、XRPDでその結晶形状態を検査し、得た終生成物の結晶形は式(I)化合物のB結晶形であった。
実施例4:式(I)化合物のA結晶形の溶解度試験
1.希釈剤及び移動相の調製
希釈剤:正確な量の300 mLの純水と100 mLの純アセトニトリルを取り、1 Lのガラス瓶の中で混合し、超音波で10分間脱気して、次のステップに使うように用意した。
移動相A:0.1%のリン酸水溶液
例えば:2.0 mLのリン酸を取って2000 mLの水に添加し、10分間超音波して、均一に混合し、室温に冷却するまでに置き、移動相Aとした。
移動相B:アセトニトリル。
2.対照品溶液の調製(A結晶形自体を対照サンプルとする)
正確に5mgのA結晶形を称って取り、試料瓶に入れ、希釈剤10 mLを入れ、5分間超音波した後、室温に冷却するまでに置き、均一に混合し、作業対照品溶液STD−1として表記した。
正確に5mgのA結晶形を称って取り、試料瓶に入れ、希釈剤10 mLを入れ、5分間超音波した後、室温に冷却するまでに置、均一に混合し、作業対照品溶液STD−2として表記した。
3.線形溶液の調製
前記作業の対照品溶液STD−1を段階的に1倍、10倍、100倍、1000倍及び2000倍に希釈し、線形溶液L 1、L 2、L 3、L 4及びL 5と表記した。
4.溶解度テスト試験
それぞれ正確に6mgのA結晶形を秤り取り、8mLのガラス瓶に入れ、次に正確に3mLの異なる溶媒(0.1N塩酸溶液、0.01N塩酸溶液、純化水、pH3.8の緩衝液、pH4.5の緩衝液、pH5.5の緩衝液、pH6.0の緩衝液、pH7.4の緩衝液、pH6.8の緩衝液)を入れ、懸濁液に調製した。前記懸濁液に攪拌子を添加し、37℃で光を避けてよく攪拌した。撹拌後、pH 7.4の緩衝液とpH 6.8の緩衝液の中の固体が全部溶解し、それぞれ6 mgのA結晶形を正確に秤り、緩衝液に補足し、再度十分に撹拌して懸濁液を調製した。4時間及び24時間撹拌した後サンプリングして遠心し、溶液をろ過膜でろ過した後、HPLCでその濃度を測定し、ここで、HPLC分析方法は表3に示す通りであった。
Figure 2021504353
結界は表4に示す通りであった:
Figure 2021504353
注:LOQは測定限界を下回ることを表す;前記異なるPHの緩衝液は、各PHの特定された塩溶液のことを表す。
結論:式(I)化合物のA結晶形はpHの高い緩衝液でより良い溶解度有する。

テスト例1:式(I)化合物の体外評価
1.各作業液の調製
1)DMSOを200倍作業液の溶媒とし、備蓄液を各投与濃度の200倍作業液に希釈した。
A結晶形:0、0.002、0.006、0.02、0.06、0.2及び0.6 mmol/L;
lesinurad:0、0.06、0.2、0.6、2、6及び20 mmol/L。
2)Hanks平衡塩溶液(Cl−なし)をトランスポートタンパク質URAT 1の2倍作業液の溶媒とし、1)の200倍作業液を100倍に希釈した後、それぞれの投与濃度の2倍の作業液を得た。
3)Hanks平衡塩溶液(Cl−なし)を使用して、薬物輸送トランスポートタンパク質URAT1基質の2倍の作業溶液を調製し、次に2)の各濃度の2倍作業溶液と同じ容量で混合し、よく混合して次のステップに使うように用意した。
2.投与方法
2.1.摂取型細胞の阻害実験
摂取阻害実験に使用された細胞培地は、DMEM培地に10% FBS(ペニシリン及びストレプトマイシンを含む)を添加したものである。
ヒト薬物トランスポーターを過剰発現する細胞株(HEK 293 A−URAT 1)及び空のキャリア細胞(HEK 293 A−pcDNA 3.1)を蘇生させ及び継代育成した後、成長が良好な接着細胞を選んでバンクレアチンで消化して単細胞懸濁液に分散させ、その後、培地で細胞密度を2.0 〜3.0×105セル/mLに調節し、次に細胞懸濁液を1 mL/穴の量で24ウェルの細胞培養板に接種し、37℃、5%CO、飽和空気湿度のインキュベーターで、各ウェルをカバーするまで細胞を2〜3日間インキュベートした。
先ず、培養板内の培養液を取り出し、Hanks緩衝塩溶液(Cl−なし)で一回洗浄し、その後、各ウェルに37℃のHanks緩衝塩溶液(Cl−なし)を入れ10分間インキュベートし、次に放射性マーカーを含む500μLのプローブ基質溶液で24ウェルプレートの中のHanks緩衝塩溶液(Cl−なし)を置換し、薬の投与を開始した;投与終了後(2分)、それぞれの事前に冷却した緩衝塩溶液で反応を終了させ、細胞を3回洗浄した;ウェル当たりに400μL 0.1 mmol/L NaOHを添加して細胞を溶解した;細胞溶解液を点滅瓶に取り、3 mLのAquasol−2点滅液を添加し、Tri−CSarb 2910 TR液体シンチレーションメーターでサンプル中の放射強度を測定した。細胞輸送試験で、各濃度および陽性対照、ブランク対照(mock)を、3ウェル(n=3)を設定した。
2.2.データの処理
2.2.1.阻害作用の計算
標的物投与群のトランスポーター細胞のみを含む摂取値(ベースbackgroundグループ、即ち、空のキャリア細胞の摂取値Uを除く)を100%(対照,Uc)と定義し、これを標準として、測定対象化合物を入れた後の、各投与群からベースを差し引いた摂取値Uと対照群の摂取値Ucの割合(%)を計算し、トランスポーター活性に対する各濃度の阻害率(IR)を計算し、これにより化合物がトランスポーターに対する阻害作用の強さを表し、その計算式は以下の通りである:
IR=1−[100×(U−U)/(Uc−U)]%
投与濃度当たり3つの繰り返し(即ち、n=3)を設定し、Mean ± standard error (SD)をMicrosoft(登録商標) Excel 2010ソフトウェアの統計学公式で計算した。
各トランスポーターのそれぞれの投与濃度阻害率(IR)に基づき、Prism 5.0を通して、且つ、Microsoft(登録商標)Excel 2010ソフトウェアのForecast関数と結合して化合物が薬物トランスポーターの転送活性に影響するIC50を計算した。
2.2.2.統計学方法
各サンプルの平均値の差の分析はt−test(P<0.05は有意な差があるとみなされる)を採用した。
3.実験結果
式(I)化合物、lesinuradは、尿酸トランスポーターURAT 1を媒介する14C−UA摂取に対して有意な抑制作用(P<0.001)があり、IC50はそれぞれ0.034 μmol/L及び6.01 μmol/Lであった。URAT 1に対する式(I)化合物の阻害作用は、参考化合物lesinuradの約177倍であり、阻害効果がより顕著である。

テスト例2:式(I)化合物の薬物動態学の評価
実験目的:式(I)化合物の単回静脈注射と胃内投与、及び8日間繰り返しして胃内投与した後、雌雄SDラットの体内の血漿の薬物動態学。
実験プロトコル:
1.本実験ではメスオス各半の12匹のSDラットを使用し、ラットは北京VITAL RIVER Co.、Ltd.が提供した。体重が似たことにより2つのグループに分け、各グループはオス3匹とメス3匹を含み、詳しい投与方案及び採血方法はそれぞれ表5、表6の通りであった:
Figure 2021504353
Figure 2021504353
2.サンプルの収集及び分析方法
実験動物は首の静脈を貫通して0.15 mLの血液サンプルを採取し、直ちにラベルを貼ったK2−EDTA(0.5 M)を含む遠心管に移行し、30分以内で血漿を遠心分離(遠心条件:3000 g、4℃、15分間)させた。検証済みのLC/MS/MS分析方法を用いて血漿の濃度を測定し;WinNonlin(商標) Version 6.3 (Pharsight、 Mountain View、 CA)の薬物動態学ソフトウェアを用いたノンコンパートメントモデルにより血漿の濃度を処理し、線形対数台形法を用いて薬物動態学パラメーターを計算した。
3.実験結果及び結論
SDラット静脈投与後、式(I)化合物は体内で急速に分布し、且つ、ゆっくりと除去され、オスラットの血漿除去率は9.76 ± 2.29 mL/min/kgで、定常状態の見かけの分布容積(Vdss)は1.65 ±0.440 L/kgで、T1/2及びAUC0−infはそれぞれ2.52 ± 0.671h及び3530 ± 723ng・h/mLで;メスラットの血漿除去率は6.41 ± 0.656 mL/min/kgで、定常状態の見かけの分布容積(Vdss)は1.55 ±0.408 L/kgで、消失半減期(T1/2)とAUC0−infはそれぞれ3.04 ± 1.12 h及び5240 ± 544ng・h/mLであった。
SDラットに式(I)化合物4.0 mg/kgを単回胃内投与した後、オスラットのピークに到達する濃度(Cmax)は1130 ± 483 ng/mL、AUC0−infは2510 ng・h/mL、ピークに到達する時間(Tmax)は0.417 ± 0.144 h、消失半減期(T 1/2)は1.72 hで;メスラットのピークに到達する濃度(Cmax)は2110 ± 1350ng/mL、AUC0−infは9010 ± 4670ng・h/mL、ピークに到達する時間(Tmax)は0.667 ± 0.289 h、消失半減期(T1/2)は3.48±0.835 hであった。オスラットのバイオアベイラビリティは35.6%で、メスラットのバイオアベイラビリティは86.0%であった(注:AUC0−infは0時間から無限大に伸ばした場合の血中濃度−時間曲線下面積を表す。)。
上記のように、式(I)化合物は薬物代謝の安定性を大幅に高め、同時に薬物の経口吸収のバイオアベイラビリティも大幅に向上させた。

Claims (14)

  1. 結晶形の粉末X線回折スペクトルが、7.50±0.2°、13.04±0.2°、21.43±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する式(I)化合物のA結晶形。
    Figure 2021504353
  2. 結晶形の粉末X線回折スペクトルが、7.50±0.2°、9.66±0.2°、13.04±0.2°、14.42±0.2°、17.46±0.2°、18.57±0.2°、21.43±0.2°、26.18±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する、
    請求項1に記載のA結晶形。
  3. XRPDスペクトルが図1で示される通りである、請求項2に記載のA結晶形。
  4. 示差走査熱量曲線が、169.42±3℃に一つの吸熱ピークの開始点を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のA結晶形。
  5. DSCスペクトルが図2で示される通りである、請求項4に記載のA結晶形。
  6. 熱重量分析曲線が100±3℃といったところで重量損失が0.04491%に達する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のA結晶形。
  7. TGAスペクトルが図3で示される通りである、請求項6に記載のA結晶形。
  8. 粉末X線回折スペクトルが、9.88±0.2°、10.56±0.2°、20.38±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する、
    式(I)化合物のB結晶形。
  9. 粉末X線回折スペクトルが、9.88±0.2°、10.56±0.2°、12.23±0.2°、13.04±0.2°、14.62±0.2°、17.57±0.2°、20.38±0.2°、26.89±0.2°といった2θ角に特徴的回折ピークを有する、
    請求項8に記載のB結晶形。
  10. XRPDスペクトルが図4で示される通りである、請求項9に記載のB結晶形。
  11. 示差走査熱量曲線が、163.51±3℃に一つの吸熱ピークの開始点を有する、
    請求項8〜10のいずれか1項に記載のB結晶形。
  12. DSCスペクトルが図5で示される通りである、請求項11に記載のB結晶形。
  13. 熱重量分析曲線が120±3℃といったところの重量損失が0.1191%に達し;120±3℃から153.60±3℃いったところで重量損失が0.6282%に達する、
    請求項8〜10のいずれか1項に記載のB結晶形。
  14. TGAスペクトルが図6で示される通りである、請求項13に記載のB結晶形。
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