JP2021503904A - プロリンヒドロキシラーゼ、ならびにそれに伴う使用、方法および生成物 - Google Patents
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Abstract
Description
− 配列番号1のポリペプチド、またはピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有するその機能的に活性な変異体(機能的に活性な変異体は、配列番号1のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有する);および/または
− 配列番号2のポリペプチド、またはピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有するその機能的に活性な変異体(機能的に活性な変異体は、配列番号2のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有する)
を含む。
配列番号1のポリペプチドは、ミクロモノスポラ エキノスポラ(Micromonospora echinospora)(ミクロモノスポラ パープレア(Micromonospora purpurea))に由来し、以下のアミノ酸配列:
MRTHYVATVP LDDARLGEDL ERSLSLRWSE AYSDYIFGGS WNSCMLWAPG GDTGDGVVTN 60
YAYDRPPAFT AYADQLPYLR KLITDTADLD RLNFARLALV TNSVGIPHRD LLELDDLPNQ 120
SRNAHRMHIP LATDDNCLFT EGNTVYRMRQ GEIWFLDASV IHAVAVLSGI KRIHLMLDFV 180
DTPDPGSLLT VAGGTPDTGI PADRMVSRPA LTGPERASLL GLADVLTMDT FNEVFSIVIK 240
KHYRSDGGDD FVWSTLIDLA RGSADPAVLP HALKLRRYYT LERSAQELDP FSTVDPAVKE 300
(配列番号1)
を有する。
界:細菌
門:放線菌門
目:放線菌
科:ミクロモノスポラ
属:ミクロモノスポラ
種:エキノスポラ
配列番号2のポリペプチドは、コルディア ジェジュドネンシス(Kordia jejudonensis)に由来し、以下のアミノ酸配列:
MESKIIGKVN FEEHLLDKEL KLIDTFEFND SYSEYASGIW KTCMLWNRSG QKDDHLSIEH 60
DTYVKPTEYG KQLAYVNEII ANTFKKEHIK TVRLFMCING LIIPHKDYLE FKKGFTRIHI 120
PLKINEHALT SEEDVVYNMQ KGEIWFIEGR KIHSAANFSK VKRINLVIDF APDIPFEELF 180
LNSENYQPNL IPKISQRTQL KEEELGYIKG LSKIINEMNF DDILSILSKI HFYRNVSSEL 240
VFGWLDEIAT ASNNYNIQRK AQEVTDLLIR KGPINN 276
(配列番号2)
を有する。
界:細菌
門:バクテロイデス
目:フラボバクテリウム
科:フラボバクテリウム
属:コルディア
種:ジェジュドネンシス(jejundanensis)
配列番号1および配列番号2のポリペプチドは、ピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を示す。これは、以下のスキーム1に示されるように、これらのポリペプチドが、ピペコリン酸(PA)、具体的にはL−ピペコリン酸(L−PA)をヒドロキシピペコリン酸(HPA)、好ましくは5−ヒドロキシピペコリン酸(5−HPA)にヒドロキシル化し得ることを意味する:
スキーム1:
本発明による変異体は、1つ以上のアミノ酸欠失、具体的には少ない(例えば、最大10個のアミノ酸の)Nおよび/またはC末端欠失、1つ以上の付加、具体的には少ない(例えば、最大10個のアミノ酸の)Nおよび/またはC末端付加、1つ以上の置換、具体的には1つ以上の保存的アミノ酸置換、またはそれらの組み合わせを含み得る。保存的アミノ酸置換は、類似の側鎖を有する異なる残基による残基の置換を指し、したがって、典型的には、ポリペプチド中のアミノ酸の、同じまたは類似の定義されたクラスのアミノ酸内のアミノ酸による置換を伴う。例えば、限定されないが、脂肪族側鎖を有するアミノ酸は、別の脂肪族アミノ酸、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンで置換され得る;ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、セリンおよびスレオニンで置換される;芳香族側鎖を有するアミノ酸は、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、およびヒスチジンで置換される;塩基性側鎖を有するアミノ酸は、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、リジンおよびアルギニンで置換される;酸性側鎖を有するアミノ酸は、酸性側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置換される;疎水性または親水性アミノ酸は、それぞれ別の疎水性または親水性アミノ酸で置換される。保存的アミノ酸置換の例は、以下に列挙されたものを包含する。
元の残基 保守的置換
Ala、Leu、Val、Ile 他の脂肪族(Ala、Leu、Val、Ile)
他の非極性(Ala、Leu、Val、Ile、Gly、Met)
Gly、Met 他の非極性(Ala、Leu、Val、Ile、Gly、Met)
Asp、Glu 他の酸性(Asp、Glu)
Lys、Arg 他の塩基性(Lys、Arg)
Asn、Gln、Ser、Thr 他の極性(Asn、Gln、Ser、Thr)
His、Tyr、Trp、Phe 他の芳香族(His、Tyr、Trp、Phe)
Cys、Pro なし
本発明の一実施形態では、本発明による変異体は、最大50、40、30、20、特に10個の付加、欠失、および/または置換を含み得る。
最も好ましくは、タンパク質は、配列番号1または2のポリペプチドを含むかまたはそれからなり、さらにより好ましくは、配列番号1のポリペプチドからなる。
i)少なくとも90%、特に少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%の5−HPAに関する位置選択性;
ii)少なくとも90%、特に少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%のシス−5−HPAに関する立体選択性;および/または
iii)少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも95%の変換率
によって特徴付けられる。
一実施形態では、PAを位置選択的にヒドロキシル化することが意図される。具体的には、例えば、3−ヒドロキシ−ピペコリン酸(3−HPA)またはその混合物ではなく5−HPAを生成することが望ましい場合がある。したがって、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%の5−HPAに関する位置選択性によって特徴付けられるタンパク質が好ましい。
a.細胞が、ミクロモノスポラ エキノスポラ細胞ではなく、具体的にはミクロモノスポラ属細胞ではなく、より具体的にはミクロモノスポラ科細胞ではなく、なおより具体的にはミクロモノスポラ目細胞ではなく、さらにより具体的には放線菌門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない、上に定義される配列番号1のポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸;または
b.細胞が、コルディア ジェジュドネンシス(Kordia jejundanensis)細胞ではなく、具体的にはコルディア属細胞ではなく、より具体的にはフラボバクテリア科細胞ではなく、なおより具体的にはフラボバクテリア目細胞ではなく、さらにより具体的にはバクテロイデス門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない、上に定義される配列番号2のポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸;
c.(i)上に定義される配列番号1のポリペプチドおよび少なくとも1つの追加のアミノ酸、もしくは(ii)上に定義される配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体を含むタンパク質またはタンパク質をコードする核酸であって、具体的に、細胞が、ミクロモノスポラ エキノスポラ細胞ではなく、具体的にはミクロモノスポラ属細胞ではなく、より具体的にはミクロモノスポラ科細胞ではなく、なおより具体的にはミクロモノスポラ目細胞ではなく、さらにより具体的には放線菌門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない、タンパク質またはタンパク質をコードする核酸;
d.(i)上に定義される配列番号2のポリペプチドおよび少なくとも1つの追加のアミノ酸、もしくは(ii)上に定義される配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体を含むタンパク質またはタンパク質をコードする核酸であって、具体的には、細胞が、コルディア ジェジュドネンシス細胞ではなく、具体的にはコルディア属細胞ではなく、より具体的にはフラボバクテリア科細胞ではなく、なおより具体的にはフラボバクテリア目細胞ではなく、さらにより具体的にはバクテロイデス門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない、タンパク質またはタンパク質をコードする核酸
を含むタンパク質を含む宿主に関する。
本発明の宿主細胞は、上の例外を除き、組換えDNA技術における適用に適した任意の種類の生物であり得、限定されないが、1つ以上の組換えタンパク質(単数または複数)の発現に適切なすべての種類の細菌および酵母株が含まれる。宿主細胞の例には、例えば、様々なBacillus subtilisまたは大腸菌(E. coli)株が包含される。様々な大腸菌の細菌宿主細胞が当業者に公知であり、限定されないが、BL21(DE3)、DH5−アルファ、HB101、MV1190、JM109、JM101、またはXL−1ブルーなどの株が包含され、これらは、例えば、New England Biolabs(MA、USA)、Stratagene(CA、USA)、Promega(Wl、USA)またはQiagen(Hilden、Germany)などの様々な供給業者から商業的に購入することができる。具体的に適切な宿主細胞はまた、実施例に記載され、すなわち、大腸菌BL21(DE3)細胞である。宿主細胞として使用することができるBacillus subtilis株には、例えば、1012野生型:leuA8 metB5 trpC2 hsdRMIおよび168 Marburg:trpC2(Trp−)が包含され、これらは、例えば、MoBiTec(Germany)から商業的に利用可能である。
a)本発明との関連で、上で定義されたタンパク質をコードする核酸を含むベクターを宿主細胞、具体的には本発明との関連で、上で定義された宿主細胞に導入すること、
b)本発明との関連で、上で定義されたタンパク質の発現を可能にする条件下で宿主細胞を増殖させること、
c)任意選択で宿主細胞からタンパク質を単離すること
を含む。
− 配列番号1のポリペプチド、ならびに特にC末端および/またはN末端の少なくとも1つの追加のアミノ酸;
− 配列番号2のポリペプチド、ならびに特にC末端および/またはN末端にある、少なくとも1つの追加のアミノ酸;
− 配列番号1のポリペプチドと少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるが、配列番号1のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有し、ピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有する、配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体;または
− 配列番号2のポリペプチドと少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるが、配列番号2のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有し、ピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有する、配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体
を含むまたはそれからなるタンパク質に関し、具体的には、タンパク質は、本発明の特定の好ましい実施形態との関連で、上で定義されたようにさらに特徴付けられる。好ましい実施形態では、配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体は、配列番号1のポリペプチドと少なくとも80%の配列同一性、好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性、最も好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し;または、配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体は、配列番号2の親ポリペプチドと少なくとも80%の配列同一性、好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性、最も好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有する。配列同一性は、上に詳述されるように測定され得る。より好ましくは、配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体は、配列番号1のポリペプチドと少なくとも96%の配列同一性、好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも98%の配列同一性、最も好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも99%の配列同一性を有し;または配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体は、配列番号2の親ポリペプチドと少なくとも96%の配列同一性、好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも98%の配列同一性、最も好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも99%の配列同一性を有する。
本明細書で使用される「核酸」という用語は、一般的に、本発明の先の態様で定義されたタンパク質をコードし、可変長であり得る任意のヌクレオチド分子に関する。本発明の核酸の例としては、限定されないが、プラスミド、ベクター、または、例えば、イオン交換クロマトグラフィーを包含する標準的な分子生物学手順によって単離され得る任意の種類のDNAおよび/もしくはRNA断片が包含される。本発明の核酸は、本発明の宿主細胞などの特定の細胞または生物のトランスフェクションもしくは形質導入に使用することができる。
したがって、別の態様では、本発明は、本発明の先の態様で定義された核酸、または本発明との関連で、上で定義されたタンパク質をコードする核酸を含むベクターに関する。
反応設定:
生体触媒として、過剰発現された異なるプロリンヒドロキシラーゼ(PHs)を含む大腸菌BL21(DE3)全細胞を使用した分取スケール生体内形質転換は、総容量30mLで行われた。他に明記されない限り、PHsを使用する反応は、pHセンサーおよび温度センサーを包含するメカニカルスターラーを備えた100mLフラスコで(クライオスタットを使用して)15℃で行われた。反応はpH7.0で行われ、1〜2M HCl溶液およびMetrohmの滴定システム(Titrando 902、Touch control)を使用して一定に保たれた。以下の反応の説明に記載されている濃度は、開始体積(30mL)に関連する。
100μLの反応混合物を反応から採取し、14,100×g.で10分間、遠心分離した。20μL(最終濃度5mM、258μg、2μmol)の上清を新しい微量反応管に移し、220μL(22μmol)の1M NaHCO3溶液を加えた。その後、アセトニトリル中の160μLの6g/Lダンシルクロリド溶液を加え、反応溶液をEppendorf ThermoMixerで55℃、850rpmで15分間振とうした。反応液を14,100×gで5分間遠心分離した。50μLの上清を、HPLCを使用した変換測定に使用した。
方法: 流量: 1mL/分
カラム温度: 40℃
固定相: Waters Xbridge C18(2.5μm、2.1×50mm)
移動相: A:H2O+0.1%TFA;B:ACN+0.1%TFA
方法: 流量: 2mL/分
カラム温度: 30℃
固定相: Waters Xbridge C18(2.5μm、2.1×50mm)
移動相: A:H2O+0.02%ギ酸;B:ACN+0.02%ギ酸;希釈剤:ACN
試料の誘導体化のために、当業者に公知であるようなインラインの誘導体化プログラムが設定された。以下の試薬を誘導体化手順に使用した:1)ホウ酸緩衝液0.4M(pH10.2;Agilentから;製品番号5061−3339)、2)アセトニトリル、3)FMOC塩化物溶液(50mg/mLアセトニトリル溶液)。2容量の試薬1)を0.25容量の試料と混合し、0.5容量の3)を加えた。得られた誘導体化混合物を混合し、注射前に0.1分間反応させた。注射後、注射針を10μLのアセトニトリルで洗浄した。
新しいプロリンヒドロキシラーゼを同定するために、46個の遺伝子を選択した。対応するタンパク質をさらなる分析のために選択し、それらのヒドロキシラーゼ活性について試験した。タンパク質のうちの18個は、L−PAのヒドロキシラーゼ活性を示し、タンパク質のうちの3個は、5−HPA位置異性体の主要な形成を示した。
それらは、対応する酵素に適切であると以前に測定された以下の条件下(0.5ml)で立体選択性についてスクリーニングされた:
− ミクロモノスポラ エキノスポラ由来のPH(PH05と呼ばれる):10mM PA、20mM αKG、1.5mMアスコルビン酸(ナトリウム塩)、0.5mMモール塩、25%(v/v)溶解物、pH5.5、5℃
− ミクロモノスポラ チョコリエンシス(Micromonospora chokoriensis)由来のPH(PH11と呼ばれる):10mM PA、20mM αKG、1.5mMアスコルビン酸(ナトリウム塩)、0.5mMモール塩、90%(v/v)溶解物、pH6.0、25℃
− コルディア ジェジュドネンシス由来のPH(PH12と呼ばれる):10mM PA、20mM αKG、1.5mMアスコルビン酸(ナトリウム塩)、0.5mMモール塩、25%(v/v)溶解物、pH6.0、25℃。
プロリンヒドロキシラーゼPH05およびPH12がピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性および意図された位置選択性によって特徴付けられたという事実を考慮して、それらはさらに特徴付けられた:
以前に行われた小スケール(約6.5mg/mL)の反応パラメーターの測定では、全細胞を使用したPH05触媒による反応の高い変換は、15℃で吸気を使用して行われた反応で得ることができたことが示されている。また、高い変換を達成するには、αKGの追加供給が必要であることが判明した。異なる反応時間後の反応の進行を監視するために、試料は、異なる時間点(1時間、3時間、18時間、21時間、...、89時間)で採取された(図2A)。PA 1から5−HPA 2への変換をHPLCによりモニターした(図2Bを参照されたい)。
L−ピペコリン酸(PA)(1)(0.387g、3mmol、100mM)を、PH05を発現する大腸菌BL21(DE3)全細胞(83g/L湿潤細胞塊)、α−ケトグルタル酸二ナトリウム塩(αKG)(1.356g、6mmol、200mM、2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(0.018g、3mM、0.03当量)およびモール塩(0.012g、0.03mmol、1mM、0.01当量)を含有する30mLのリン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7)に加えた。600μL(2%v/v)の消泡剤Y−30を添加し、反応液を15℃で撹拌し、一方、一定流量の水飽和空気を適用した(250mL/分)。
L−ピペコリン酸(PA)(1)(0.387g、3mmol、100mM)を、PH05を発現する大腸菌BL21(DE3)全細胞(83g/L湿潤細胞塊)、α−ケトグルタル酸二ナトリウム塩(αKG)(1.356g、6mmol、200mM、2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(0.018g、0.09mmol、3mM、0.03当量)およびモール塩(0.012g、0.03mmol、1mM、0.01当量)を含有する30mLのリン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7)に溶解した。600μL(2%v/v)の消泡剤Y−30を加え、反応液を15℃で撹拌し、一方、一定流量の水飽和空気を適用した(250mL/分)。
L−ピペコリン酸(PA)(1)(約0.1g、0.75mmol、25mM)を、PH05を発現する大腸菌BL21(DE3)全細胞(83g/L湿潤細胞塊)、α−ケトグルタル酸二ナトリウム塩(αKG)(0.338g、1.5mmol、50mM、2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(1.5mM)およびモール塩(0.5mM)を含有する30mLのリン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7)に溶解した。600μL(2%v/v)の消泡剤Y−30を加え、反応液を15℃で撹拌し、一方、一定流量の水飽和空気を適用した(250mL/分)。反応時間にわたって1M HCl溶液(6mL、6mmol)を加えることにより、pHを一定に保った。
L−ピペコリン酸(PA)(1)(約0.1g、0.75mmol、25mM)を、PH12を発現する大腸菌BL21(DE3)全細胞(83g/L湿潤細胞塊)、α−ケトグルタル酸二ナトリウム塩(αKG)(0.339g、1.5mmol、2当量、50mM)、アスコルビン酸ナトリウム(1.5mM)、モール塩(0.5mM)を含有する30mLのリン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7)に溶解した。600μL(2%v/v)消泡剤Y−30を加えた。反応液を25℃で撹拌し、一定流量の水飽和空気を適用した(250mL/分)。反応時間にわたって1M HCl溶液(5mL、5mmol)を加えることにより、pHを一定に保った。
Claims (20)
- ヒドロキシラーゼとしてのタンパク質の使用であって、タンパク質が、
− 配列番号1のポリペプチド、またはピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有するその機能的に活性な変異体であって、配列番号1のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有する機能的な活性な変異体;および/または
− 配列番号2のポリペプチド、またはピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有するその機能的に活性な変異体であって、配列番号2のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有する機能的に活性な変異体
を含む、使用。 - 配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体が、配列番号1のポリペプチドと少なくとも80%の配列同一性、好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性、最も好ましくは配列番号1のポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有し;または、配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体は、配列番号2の親ポリペプチドと少なくとも80%の配列同一性、好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性、より好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性、最も好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1に記載の使用。
- タンパク質が、配列番号1または2のポリペプチドを含むかまたはそれからなる、請求項1または2のいずれかに記載の使用。
- タンパク質が、配列番号1のポリペプチドを含むかまたはそれからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
- タンパク質が、ピペコリン酸(PA)、具体的にはL−ピペコリン酸(L−PA)をヒドロキシ−ピペコリン酸(HPA)、具体的には5−ヒドロキシ−ピペコリン酸(5−HPA)、より具体的にはシス−5−ヒドロキシ−ピペコリン酸(シス−5−HPA)、さらにより具体的には(2S,5S)−シス−5−ヒドロキシ−ピペコリン酸((2S,5S)−シス−5−HPA)にヒドロキシル化することができる、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
- タンパク質が
i)少なくとも90%、特に少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%の5−HPAに関する位置選択性;
ii)少なくとも90%、特に少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%のシス−5−HPAに関する立体選択性;および/または
iii)少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも95%の変換率
によって特徴付けられる、請求項5に記載の使用。 - 宿主細胞であって、以下を含む
a.請求項1および3〜6のいずれかに定義される配列番号1のポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードする核酸、ここで該細胞が、ミクロモノスポラ エキノスポラ細胞ではなく、具体的にはミクロモノスポラ属細胞ではなく、より具体的にはミクロモノスポラ科(細胞ではなく、なおより具体的にはミクロモノスポラ目細胞ではなく、さらにより具体的には放線菌門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない;または
b.請求項1および3〜6のいずれかに定義される配列番号2のポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードする核酸、ここで、該細胞が、コルディア ジェジュドネンシス細胞ではなく、具体的にはコルディア属細胞ではなく、より具体的にはフラボバクテリア科細胞ではなく、なおより具体的にはフラボバクテリア目細胞ではなく、さらにより具体的にはバクテロイデス門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない;または
c.(i)請求項1および3〜6のいずれかに定義される配列番号1のポリペプチドおよび少なくとも1つの追加のアミノ酸もしくは(ii)請求項1〜6のいずれかに定義される配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体を含むタンパク質、または該タンパク質をコードする核酸、具体的に、該細胞が、ミクロモノスポラ エキノスポラ細胞ではなく、具体的にはミクロモノスポラ属細胞ではなく、より具体的にはミクロモノスポラ科細胞ではなく、なおより具体的にはミクロモノスポラ目細胞ではなく、さらにより具体的には放線菌門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない;または
d.(i)請求項1および3〜6のいずれかに定義される配列番号2のポリペプチドおよび少なくとも1つの追加のアミノ酸もしくは(ii)請求項1〜6のいずれかに定義される配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体を含むタンパク質、または該タンパク質をコードする核酸、具体的に、該細胞が、コルディア ジェジュドネンシス細胞ではなく、具体的にはコルディア属細胞ではなく、より具体的にはフラボバクテリア科細胞ではなく、なおより具体的にはフラボバクテリア目細胞ではなく、さらにより具体的にはバクテロイデス門細胞ではなく、特に細菌細胞ではない;
前記宿主細胞。 - 宿主細胞が、真核細胞、具体的には動物細胞、植物細胞もしくは真菌細胞であるか、または宿主細胞が、原核細胞であり、請求項7において定義されるタンパク質、ポリペプチドまたは核酸が天然には見いだされない、請求項7に記載の宿主細胞。
- HPA、具体的には5−HPA、より具体的にはシス−5−HPA、さらにより具体的には(2S,5S)−シス−5−ヒドロキシ−ピペコリン酸((2S,5S)−シス−5−HPA)の生成における、請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質または請求項7もしくは8に記載の宿主細胞の使用。
- 酸素の存在下で請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質を用いて、PA、特にL−PAをヒドロキシル化することを含む、HPAを生成する方法。
- HPAが、5−HPA、具体的にはシス−5−HPA、さらにより具体的には(2S,5S)−シス−5−HPAである、請求項10に記載の方法。
- タンパク質が、請求項7または8に記載の宿主細胞において生成される、請求項10または11に記載の方法。
- ヒドロキシル化が、酸素アクセプター/補基質、具体的にはα−ケトグルタル酸の存在下およびFe2+の存在下で行われる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
- ヒドロキシル化が、pH4.5〜8を有する水性環境において、5℃〜30℃の温度でおよび/または50mM〜500mMのα−ケトグルタル酸濃度で、25mM〜200mMのPA濃度、具体的にはL−PA濃度を用いて行われる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 方法が、HPA、具体的にはシス−5−HPAまたはさらにより具体的には(2S,5S)−シス−5−HPAを単離するステップを含んでもよい、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 宿主細胞、具体的には請求項7または8に記載の宿主細胞において、タンパク質をコードする核酸を発現させることを含む、請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質を生成する方法。
- a)請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質をコードする核酸を含むベクターを宿主細胞、具体的には請求項7または8に記載の宿主細胞に導入すること、
b)請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質の発現を可能にする条件下で該宿主細胞を増殖させること、
c)該宿主細胞からタンパク質を単離してもよい
を含む、請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質を生成する方法。 - − 配列番号1のポリペプチド、ならびに特にC末端および/またはN末端の少なくとも1つの追加のアミノ酸;
− 配列番号2のポリペプチド、ならびに特にC末端および/またはN末端の少なくとも1つの追加のアミノ酸;
− 配列番号1のポリペプチドと少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるが、配列番号1のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有し、ピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有する、配列番号1のポリペプチドの機能的に活性な変異体;または
− 配列番号2のポリペプチドと少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるが、配列番号2のポリペプチドと少なくとも75%の配列同一性を有し、ピペコリン酸ヒドロキシラーゼ活性を有する、配列番号2のポリペプチドの機能的に活性な変異体
を含むかまたはそれからなるタンパク質であって、
具体的には、該タンパク質は、請求項2〜6のいずれかにあるようにさらに特徴付けられる、前記タンパク質。 - 請求項18に記載のタンパク質をコードする核酸。
- 請求項19に記載される核酸または請求項1〜6のいずれかに定義されるタンパク質をコードする核酸を含むベクター。
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