JP2021502872A - 気管挿管を容易にするレバーの自動または手動機構を備えた機械的喉頭鏡 - Google Patents

Abstract

本発明は、手動（１）および自動（２）喉頭鏡に関するものであり、前記喉頭鏡は下部伝達軸（１０）、上部伝達軸（９）ならびに近位ブレード（5）内部にあって前記近位ブレード（5）に対して斜めに出る口蓋支持（３）付きのレバー（８）を備えており、さらに手動喉頭鏡（１）は、ボールジョイント（４ａ）とねじりバネ（Ｍｔ）が付いた作動レバー（４）に加えて、ハンドル（１２）のロック（７）も備えており、このハンドルには、C２タイプのアルカリ電池を収納するための内部コンパートメントがあり、自動喉頭鏡（２）にはさらに、３つの電気端子を備えたサーボモーター（２０）、コンパートメント（１９）、補助軸で補助受け（ １５）とブレード受け（１５）に接続された上部トランスミッション（１７） と下部トランスミッション（１６）も備え、上部および下部伝達軸（９および１０）と口蓋支持（３）レバー（８）および遠位ブレード（６）を動かし、両装置ともＬＥＤランプ（２５）による照明と、内部および外部ワイヤシステム（２１および２４）を介したハンドル（ １２）から近位ブレード（５）末端までの電気伝導を備え、両装置のレバーは気管挿管を容易にし、自動バージョンにはビデオシステムの使用の有無を問わずカメラサポート（２３）が含まれている。

Description

本発明の特許は、レバーシステムを備えた喉頭鏡についてのものであり、前記レバーを手動、または電気電子作動機構により作動させ、術者によって加えられる力を全体的または部分的に低減することで、作動時に口腔の開きと声門の視覚化を容易にし、その結果として気管挿管を容易にする。

最先端の喉頭鏡モデルには、いくつか知られているものがある。多様なビデオ喉頭鏡モデルも知られており、本発明の場合、喉頭蓋の視覚化を容易にするため、結合されたビデオシステムでの光ケーブルの使用を可能にする自動作動を備えた機械的喉頭鏡の経路が開発され、既に市販されているモデルが選択された。前記システムが滅菌可能性を維持し、可能な限り多くのビデオシステムを収容できるように、内視鏡カメラは、内径5.5mm以上、外径10mm以内の半透明の素材で作られた外科用チューブで覆われるものとし、これを踏まえて、このソリューションには直径3.3mmから6mmの内視鏡カメラを装備した市販のシステムが含まれるものとし、互換性のあるシステムの例としては、Clarusポケットスコープ、Teslongnts 150 RS、Giraffecam 1.0ソフトショートフォーカスが挙げられるが、口蓋を支持し、喉頭蓋を開通させるための、作動用レバーおよび他のレバーによる作動機構を備えた喉頭鏡は知られていない。

また、米国特許2017/0181614も最先端のものとして知られており、これは複数のアームによってブレードに接続された口蓋支持を呈し、前記支持を口蓋に押し付けることで、気道を開いて声帯の視覚化を容易にする喉頭鏡を扱ったものである。

強調すべき点は、含まれている複数のアーム（５ａ、５ｂ、および５ｃ）すべてがブレードの外側に配置されていることから、製造および患者の口内での使用の両方に困難を呈していることであるが、当該製品の商品化は 知られていない。本発明の喉頭鏡は、２つのレバーを呈する点で異なっており、前記レバーは鉗子の動きを模して口内で反対方向に作用することに加え、伝達機構全体がブレードの内側に配置されており、手動でも、電気電子的手段による自動でも作動が可能である。

一方、マッキントッシュ型ブレードをベースにしたマッコイの喉頭鏡は、市場で広く知られている。その主な特徴は、機器の背面にあるレバーで操作する可動の先端である。これにより、マッコイ型は喉頭蓋を上げて、声門を視覚化しやすい。

しかしながら、ブレードの先端のみが可動であるマッコイ型喉頭鏡とは異なり、本発明の喉頭鏡は、可動部分がより長く、作動すると喉頭蓋に加え、舌の付け根や咽頭の前壁などの他の構造を広げるため、実用性と操作性がより高い。

さらに上記の器具は、術者の労力をほとんど軽減しない上に、挿管に多大な労力を必要とするため、試行を繰り返すことで術者の疲労を引き起こすということも強調に値する。しかしながら、本発明を用いると、手動機構の使用により、または完全に自動機構を使用することによっても、術者の労力は顕著に軽減される。これに要する力は口内に伝達されていることに注意することが重要である。

困難な気道の存在が大きな課題の1つであることから、本発明の特許によって解決を目論んでいる既存の問題の中で、気管挿管実施時の最大の懸念の1つが常に、当該手順の成功とその適切な維持に関連しているという事実 と関係づけることができる。気道の不適切な取り扱いは、当該専門分野（麻酔学）に関連する合併症の最も大きな原因であり、麻酔のみに起因する死亡の３ ０％を引き起こしている。

米国麻酔学会（ＡＳＡ）の専門家擁護委員会は、麻酔科医に対して提起され、合意により解決した訴訟を分析する調査を行った。この調査により、有害事象の大部分が肺と気道に関連していることが明らかとなった。

換気の困難（３８％）、食道挿管の不認識（１７％）、挿管の困難または不可能（１８％）という３つの原因が、合併症の原因の７５％を占めている。これらの症例の８５％で死亡または脳の損傷が発生しており、そのほとんどは、問題の重大度をすぐに認識できなかったこと、気道を注意深く観察 していなかったこと、適切なタイミングで正しい対処を行わなかったことなど、誤りや怠慢が原因となっている。

困難な気道の不適切な取り扱いに関連する主な後遺症は、死、脳 損傷、心肺停止、不必要な気管切開、気道または歯への損傷である。

困難な気道は、訓練を受けた医師が患者に挿管すること、手動換気を維持すること、またはその両方が困難な臨床状況として定義される。

困難な喉頭鏡検査とは、従来の喉頭鏡検査を使用して声帯のいか なる部分も視覚化されないことである。

喉頭鏡検査の目的は、気管挿管が可能となるように、声門を露出させることである。期待されるのは、円筒形の構造で、中央の割れ目が逆Ｖ字の形をしており、その縁の声帯から喉頭が見えることである。時には、解剖学的な問題により、喉頭鏡検査中に喉頭構造を観察できるかどうかに応じて、この画像が制限される。CormarckとLehaneは１９８４年に実用的な分類を提案した。

Cormarck & Lehane分類では、喉頭鏡検査は視覚化された構造に従い、次の４つのカテゴリに分類される。
クラス１ - 声門がよく見える
クラス２ - 声門の後部のみが見える
クラス３ - 見えるのは喉頭蓋のみで、声門はまったく見えない
クラス４ - 喉頭蓋も声門も見えない

喉頭鏡検査を成功させるためには、下顎の可動性、首の可動性と直径と長さ、口の開き、上切歯の長さ、口蓋の形状、舌のサイズなど、さまざまな要因が重要となる。

米国特許出願第2017/0181614号明細書

したがって、このような問題および困難の解決を目指して本発明が開発された。本発明の詳細は、添付の図面に沿って、以下のように説明される。

本発明は、声門の視覚化を容易にするために気管挿管で使用される「気管挿管を容易にする自動または手動レバー機構を備えた 機械的喉頭鏡」であって、
近位ブレード（５）内部に配置された口蓋支持（３）のための遠位ブレード（ ６）およびレバー（８）の移動システムを含む喉頭鏡（１および２）に含まれることを特徴とする喉頭鏡を提供する。

側面に開口部がある手動作動喉頭鏡の側面図を示している。これにより、作動機構、口蓋支持レバーおよび遠位ブレードが確認できる。口蓋支持レバーおよび遠位ブレードは、ブレードとして機能する。 図２は、図１と同じ図だが、手動作動喉頭鏡が逆向きになっている。 図３ は、図１に示す手動作動喉頭鏡の斜視図を示している。 図３ａは、喉頭鏡の上蓋に取り付けられた、サイズと曲率の異なる２つのブレードの斜視図を示している。 図４は、図１と同じ図だが、喉頭鏡のレバーシステムが作動しており、作動レバーがハンドルにロックされている。 図５は、電気電子機構による自動作動喉頭鏡の前方斜視図を示している。 図６ は、自動作動喉頭鏡の側面断面図を示している。 図７ は、手動作動喉頭鏡の後方斜視図を示している。 図７ａ は自動作動喉頭鏡の後方斜視図を示している。 図８は、手動操作動喉頭鏡のレバーとケーブルのセットの側面図を示している。 図８ａは、前記レバーのねじりばねを視覚化するために、作動機構のボールジョイントの断面図を示している。 図９は、作動中の手動作動喉頭鏡の前記レバーおよび伝達軸の方向を示している。 図１０は、作動中の自動作動喉頭鏡の前記レバーおよび伝達軸の方向を示している。 図１１は、作動機構の反対側にあるブレードの側面図で、自動作動機構の一部のみを示している。 図１２は、レバーを動かす回転運動を実行するサーボ受け（１８）とともに、サーボモーターとそのコンパートメントの斜視図を示している。 図１３ は、自動作動機構の動作中の動きを示している。 図１４は、口蓋支持とサーボモーターを備えた自動作動機構アセンブリを示している。 図１５ は、口蓋支持とともに、自動作動機構全体を示している。 図１５ａは、作動機構の中央部分の「分解」画像を示している。 図１６は、照明システムの電気伝導のためにワイヤが通過する経路を視覚化した、近位ブレードの断面を示している。 図１７は、内部バッテリーを相互接続する下部（Ｔｉ）および上部（Ｔｓ）カバーから分離された喉頭鏡ハンドルを示している。 図１８は、覆っているシリコングリップから取り外した手動喉頭鏡のハンドルを示している。 図１９は、喉頭鏡の側面断面図で、近位ブレードの遠位部分の照明を促進する役割を持つ、ハンドルと近位ブレードの電気部分を示している。 図２０は、喉頭鏡検査の目的が、気管挿管を可能とするために、声門を露出させることである場合に期待される画像を示しており、円筒形の構造で、中央の割れ目が逆Ｖ字の形をしており、その縁の声帯から喉頭が見える。 図２１は、CormarckとLehaneによって提案された分類を示しており、喉頭鏡検査中に通常観察できる喉頭構造を併記している。

添付の図から分かるように、本発明は、手動または自動の作動レバーを備えた喉頭鏡を扱っており、自動作動喉頭鏡は電気電子作動システムを有する。手動喉頭鏡と自動喉頭鏡のいずれも、特に「挿管困難」と見なされる患者に対する気管挿管の困難を軽減し、挿管困難によって引き起こされる損傷を軽減するばかりでなく、術者側の負担も軽減する。

添付の図に示すように、手動作動喉頭鏡（１）には、近位ブレー ド（５）と遠位ブレード（６）、下部伝達軸（１０）、上部伝達軸（９）、および近位ブレード（５）に対して対角位置にある口蓋支持レバー（８）があり、前記レバーは継手を介して口蓋支持部（３）に接合されている。

手動喉頭鏡（１）にはさらに、作動レバー（４）とロック（７） もあり、前記ロックはさまざまな患者や状況に合わせていくつかの異なる位置に配置できる。ハンドル（１２）には、アルカリ電池2本（C2タイプ）を収納するための内部コンパートメントがあり、ＬＥＤランプ（２５）で構成される照明システムに電力を供給し、電気伝導は、内部および外部ワイヤ（２１および２４）により、ハンドルから近位ブレードの端部まで行われる。前記ハンドル（１２）はまた、これを覆うために使用されるシリコングリップ（１２ａ） を有し、それにより人間工学を改善する。手動喉頭鏡（１）の操作機構は、図４、８および９で示されるように、レバー（４）をハンドル（１２）の方へ押すことにより、近位ブレード（５）のベースに接続されている前記レバーは、上部および下部の伝達軸（９および１０）に固定され、これらの軸を前後に動かすボールジョイント（４ａ）を備えていることから、口蓋支持レバー（８）が押し上げられ、口蓋支持（３）を口蓋（硬口蓋）に当てるとともに、遠位ブレード（６）によって形成されるもう１つの口腔内レバーが反対方向へ動く。前記ボールジョイント（４ａ）は、図８ａに見られるようにねじりばね（Ｍｔ）で固定されており、その機能は、レバーが押されていないときにレバーを休止位置に戻すことである。

図１０、１３、１４、１５に示されている動きからわかるように、自動喉頭鏡（２）は、ハンドル（１２）と近位ブレード（５）を相互接続するように配置されたコンパートメント（１９）に収納されたサーボモーター（２０）で構成されており、前記サーボモーター（２０）は、サーボ受け（１８）を介して作動する作動ボタン（２２）によって作動する。上部トランスミッション（１７）および下部トランスミッション（１６）は、補助軸（１３）によって補助受け（１５）およびブレード受け（１４）に接続されているため、上部および下部伝達軸（ ９および１０）を前後に動かし、上部の伝達軸（９）が引かれるのと同じピッチで、口蓋支持レバー（８）を引いてその角度を増加させることで、口蓋支持（３）を上げ、これにより、逆向きの動きで、下部伝達軸（１０）を押して遠位ブレード（６）の上部を押し、患者の声門を開いて舌の付け根を押す。

サーボモーター（２０）には３つの電気端子があり、２つはサーボモータの電源専用で、３つ目は制御信号の受信を担う。本装置に電力を供給するため、充電式バッテリー（Ｂｔ）、またはコンセントに接続された直流電源で使用できるシステムが設計された。サーボモーターの制御のために、マイクロコントローラーに基づくプリント回路基板が設計された。

照明システムは、ハンドル（１２）に収納されたカートリッジ（ １１）内の充電式バッテリー（Ｂｔ）で構成され、近位ブレード（５）にある ＬＥＤランプ（２５）に給電する機能をもつ。本システムは、ハンドルにあり、手動喉頭鏡（１）と同様の伝導システム（２１および２５）によってランプへと導かれるボタンによって作動される。

気管挿管を容易にするためのレバー付き喉頭鏡には、自動バージ ョン（図５）と手動バージョン（図１）があり、自動バージョンにはビデオシステムの使用の有無を問わずカメラサポート（２３）が含まれている。

当然ながら、自動または手動の前記喉頭鏡は、異なる形状およびサイズのブレードを使用して、さまざまな設計者により作成することが可能であることを考慮すれば、他と差別化するレバーシステムを維持することで、添付の図に示されているモデルは限定的なものではなくなる。

Claims (6)

1. 声門の視覚化を容易にするために気管挿管で使用される「気管挿管を容易にする自動または手動レバー機構を備えた 機械的喉頭鏡」であって、
   近位ブレード（５）内部に配置された口蓋支持（３）のための遠位ブレード（ ６）およびレバー（８）の移動システムを含む喉頭鏡（１および２）に含まれることを特徴とする喉頭鏡。
2. 「自動機構を備えた機械的喉頭鏡であり、サーボ受け（１８）、上部トランスミッション（１７）、下部トランスミッション（１６）を作動させるために、ハンドル（１２）と近位ブレード（５）を相互接続するコンパートメント（１９）に収納されたサーボモーター（２０）から構成され、前記上部トランスミッションおよび下部トランスミッションはいずれも補助軸（１３）によって補助受け（１５）およびブレード受け（１４）に接続され、上部伝達軸（９）および下部伝達軸（１０）を前後に動かし、レバー（８）および口蓋支持（３）ならびに遠位ブレード（６）を前後に引く、口蓋支持（３）を備えた遠位ブレード（６）とレバー（８）の動きを特徴とする、請求項１に記載の喉頭鏡。
3. 自動機構を備えた機械的喉頭鏡であり、ハンドル（１２）内側のカートリッジ（１１）に収納されたバッテリー（Ｂｔ）から、内部および外部ワイヤー（２１および２４）を介した電気伝導によってＬＥＤランプ照明システム（２５）に、またPCIカードを介してサーボモーターに電源を供給する、照明および電子電気作動システムを特徴とする、請求項１および２に記載の喉頭鏡。
4. 手動機構を備えた機械的喉頭鏡であり、下部伝達軸（１０）、上部伝達軸（９）、および口蓋支持（３）を備えたレバー（８）からなる近位ブレード（５）内部における運動システムを特徴とする、請求項１に記載の喉頭鏡。
5. 手動機構を備えた機械的喉頭鏡であり、作動レバー（４）上部には、上部および下部伝達軸（９および１０） とねじりばね（Ｍｔ）に固定されたボールジョイント（４ａ）があり、前記レバー下部には、ロック（７）を固定するための歯一式（ｄｔ）がある、作動レバー（４）を介した手動作動を特徴とする、請求項１および４に記載の 喉頭鏡。
6. 手動機構を備えた機械的喉頭鏡であり、シリコングリップ（１２ａ）に加え、内部に電池（Ｂｔ）用コンパートメントのあるハンドル（１２）、ＬＥＤランプ（２５）ならびに内部および外部ワイヤ（２１および２４）を介した電気伝導による照明システムを含む手動喉頭鏡（１）を特徴とする、請求項１、４および５に記載の喉頭鏡。