JP2021197535A - セラミックス焼結体の製造方法、電極埋設部材の製造方法、および電極埋設部材 - Google Patents

セラミックス焼結体の製造方法、電極埋設部材の製造方法、および電極埋設部材 Download PDF

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Abstract

【課題】大電流化に対応できるビアを有するセラミックス焼結体の製造方法、電極埋設部材の製造方法、および電極埋設部材を提供する。【解決手段】ビアを有するセラミックス焼結体100の製造方法であって、タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼結により前記ビア130となる多孔体110を準備する工程と、平板状のセラミックス成形体120を準備し、前記セラミックス成形体120に前記多孔体110が配置される穴部125を設ける工程と、前記穴部125に前記多孔体110を配置する工程と、前記多孔体110が配置された前記セラミックス成形体120を焼成する工程と、を含み、前記多孔体110は、前記セラミックス成形体120と同時に焼成されて、前記セラミックス焼結体に埋設された前記ビア130となる。【選択図】図3

Description

本発明は、ビアを有するセラミックス焼結体の製造方法、電極埋設部材の製造方法、および電極埋設部材に関する。
半導体製造装置用部材としての電極埋設部材を作製する際にはセラミックスに埋設された内部電極と端子や内部電極同士を接続するためにビア(電気的接続部材)が形成される。
特許文献1は、電極埋設部材の基材のクラックの不具合を抑制するため、複数の金属粒子を含む粉末原料を加圧成形することにより接続部材となる金属成形体を準備する準備工程と、内部電極及び金属成形体が埋設されたセラミックス体を作製するセラミックス体作製工程と、内部電極及び金属成形体が埋設されたセラミックス体を焼成することにより内部に金属の存在しない空間を有する接続部材が埋設された基材を作製する基材作製工程と、を有する電極埋設部材の製造方法が開示されている。
特許文献2は、板状セラミック体の給電端子と静電吸着用電極とが電気的に接続する接続部の周囲の静電吸着用電極の表面が電流密度が大きくなり異常発熱することで、ウェハの面内温度差が大きくなり均熱が悪くなることを防ぐため、板状セラミック体の一方の主面を、ウェハを載せる載置面とするとともに、上記板状セラミック体中に少なくとも一つの内部電極を備えるとともに、上記載置面以外の板状セラミック体の表面に、上記内部電極と電気的に接続される給電端子を有するウェハ支持部材において、上記給電端子と上記内部電極とが電気的に接続する接続部の周囲の上記内部電極の厚みをその他の内部電極の厚みより大きくするウェハ支持部材が開示されている。
特許文献3は、高温領域で長時間運転しながら空気等にさらされても、埋設部材の浸食や絶縁不良などが生じないようにするため、セラミックス部材の接合層と接触する接合面に金属部材の一部が露出して金属露出部を形成しており、この接合面に沿ってセラミックス部材と金属露出部とがそれぞれ接合層を介して金属接合部材へと接合され、接合層の主成分が金、白金およびパラジウムからなる群より選ばれた一種以上の金属であるセラミックスの接合構造が開示されている。
特開2019−208006号公報 特開2005−277335号公報 特開平11−12053号公報
近年の半導体製造プロセスで要求されるヒーターや静電チャックの大電流化に対応するためには、ビアの局所発熱を抑制する必要がある。そのためには、ビアは大径かつできるだけ緻密な方がよいが、特許文献1は、接続部材の緻密化は考慮しておらず、特許文献3は端子の大径化は考慮していない。
また、特許文献2のような、グリーンシート積層法の場合、スクリーン印刷によりシートに開けた穴部分にペースト状にしたタングステンまたはモリブデンを埋め込みビアホールを形成するが、ペーストにはペースト状にするための有機バインダや溶剤成分が多く含まれているため、焼成前の乾燥工程で、表面部分に図1に示されるような引けが発生し、セラミックス表面に対してペースト表面が凹形状となるため、これを積層したときに導通不良が発生する問題があった。特に、セラミックスグリーンシートの厚みが厚い場合やビアの径が大きい場合に当該不具合が発生しやすかった。また、セラミックス粉末のプレス成形によるセラミックス成形体が用いられる場合、セラミックス成形体に設けた穴へのペースト注入によるビア形成は更に困難であった。
また、ペーストの代わりにビアをタングステン(W)やモリブデン(Mo)をペレット状の金属とし、これを電極と同時にセラミックス成形体の中に埋設し、同時に焼成してビアを作製することも行われてきた。しかし、セラミックス成形体に大きなペレットを埋設して同時焼成すると、セラミックスとWやMoの焼成収縮率の差に起因して応力が発生し、焼成後に両者の境界付近にクラックが発生する場合が多かった。そのため、WやMoのペレットの寸法は大きくすることができなかった。そのため、ペレット自体をビアとして設けて、そのビアに大電流を流す用途には適用の限界があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、大電流化に対応できるビアを有するセラミックス焼結体の製造方法、電極埋設部材の製造方法、および電極埋設部材を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明のセラミックス焼結体の製造方法は、ビアを有するセラミックス焼結体の製造方法であって、タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼結により前記ビアとなる多孔体を準備する工程と、平板状のセラミックス成形体を準備し、前記セラミックス成形体に前記多孔体が配置される穴部を設ける工程と、前記穴部に前記多孔体を配置する工程と、前記多孔体が配置された前記セラミックス成形体を焼成する工程と、を含み、前記多孔体は、前記セラミックス成形体と同時に焼成されて、前記セラミックス焼結体に埋設された前記ビアとなることを特徴としている。
このように、金属の多孔体を用いてセラミックス成形体と同時に焼成することで、セラミックスの収縮率と多孔体の収縮率が異なっていても、セラミックス焼結体の内部に金属製のビアを形成することができる。これにより、金属の緻密体を使用してビアを形成したときに、金属の緻密体のサイズが大きすぎることにより生じる収縮率の差によるセラミックス焼結体のクラックの発生や、金属の緻密体のサイズが小さすぎることにより生じるビアの接触不良を低減することができる。
(2)また、本発明のセラミックス焼結体の製造方法において、前記多孔体は、前記穴部に隙間なく配置され、前記セラミックス成形体を焼成する工程は、前記多孔体の高さ方向に加圧する1軸ホットプレス焼成により焼成することを特徴としている。
これにより、1軸ホットプレス焼成は加圧方向のみに収縮することから、穴部の形状および大きさを多孔体の底面と略同一に形成することができ、多孔体の大きさも高さ方向の寸法の収縮のみを考慮するだけでよいため、寸法設計が容易になる。また、セラミックス焼結体のクラックの発生やビアの接触不良をより確実に低減することができる。
(3)また、本発明のセラミックス焼結体の製造方法において、前記多孔体は、前記セラミックス成形体を焼成する工程後に最大径1.0mm以上、高さ1.0mm以上の円柱状になるように形成されていることを特徴としている。
これにより、大きな形状のビアを通じてこれまでより大きな電流を通すことができる。
(4)また、本発明の電極埋設部材の製造方法は、ビアを有する電極埋設部材の製造方法であって、タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼成により前記ビアとなる多孔体を準備する工程と、平板状の第1のセラミックス成形体を準備し、前記第1のセラミックス成形体に前記多孔体が配置される穴部を設ける工程と、前記穴部に前記多孔体を配置する工程と、内部電極を準備し、前記穴部と重なるように前記セラミックス成形体の上面に前記内部電極を配置する工程と、前記内部電極および前記多孔体が配置された前記第1のセラミックス成形体の上面に、第2のセラミックス成形体を配置する工程と、前記第1および第2のセラミックス成形体を焼成する工程と、を含み、前記多孔体は、前記第1および第2のセラミックス成形体と同時に焼成されて、セラミックス焼結体に埋設され、前記内部電極に電気的に接続された前記ビアとなることを特徴としている。
これにより、セラミックス焼結体のクラックの発生やビアと内部電極との接触不良を起こしにくい電極埋設部材を形成することができる。
(5)また、本発明の電極埋設部材の製造方法は、第2の内部電極を準備し、前記穴部と重なるように前記第1のセラミックス成形体の下面に前記第2の内部電極を配置する工程と、前記第2の内部電極および前記多孔体が配置された前記第1のセラミックス成形体の下面に、第3のセラミックス成形体を配置する工程をさらに含み、前記穴部は前記第1のセラミックス成形体を貫通し、前記多孔体は、前記第1、第2、および第3のセラミックス成形体と同時に焼成されて、セラミックス焼結体に埋設され、前記内部電極と前記第2の内部電極とを電気的に接続する前記ビアとなることを特徴としている。
これにより、異なる層に形成された内部電極の間の導電性を確保することができる。その結果、電極埋設部材の外部から形成される穴を極力少なくして、内部電極に通電することができるほか、例えば、一方の電極を導通用の引き回し電極とすることにより、外周領域に配置された発熱抵抗体への給電が容易に行えることとなり、マルチゾーンヒーターなどを容易に構成することができる。
(6)また、本発明の電極埋設部材は、セラミックス焼結体により形成された基体と、前記基体の内部の複数の層に埋設された複数の内部電極と、前記基体の内部に埋設され、前記複数の内部電極のうち少なくとも2つを電気的に接続するビアと、を備え、前記ビアは、タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、前記ビアは、最大径1.0mm以上、高さ1.0mm以上の柱状に形成されていることを特徴としている。
これにより、異なる層に形成された内部電極の間の導電性を確保することができる。その結果、電極埋設部材の外部から形成される穴を極力少なくして、内部電極に通電することができ、例えば、マルチゾーンヒーターなどを構成することができる。
本発明によれ、ビアを有するセラミックス焼結体の製造方法、電極埋設部材の製造方法、および電極埋設部材を提供でき、大電流化に対応できる。
従来技術の不具合を示す断面図である。 第1の実施形態のビアを有するセラミックス焼結体の製造工程の一例を示す断面図である。 第1の実施形態のビアを有するセラミックス焼結体の製造工程の一例を示す断面図である。 (a)、(b)それぞれ第2および第3の実施形態の一例のヒーターを示す上方斜視図および下方斜視図である。 (a)、(b)それぞれ第2および第3の実施形態の一例の静電チャックを示す上方斜視図および下方斜視図である。 第2の実施形態のヒーターの製造工程の一例を示す断面図である。 第2の実施形態のヒーターの一例を示す断面図である。 第2の実施形態のヒーターの製造工程の変形例を示す断面図である。 第2の実施形態のヒーターの変形例を示す断面図である。 第3の実施形態のヒーターの製造工程の一例を示す断面図である。 第3の実施形態のヒーターの一例を示す断面図である。 第3の実施形態のヒーターの変形例を示す断面図である。 第3の実施形態の電極埋設部材の一例を示す断面図である。 第3の実施形態の電極埋設部材の変形例を示す断面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[第1の実施形態]
[セラミックス焼結体の製造方法]
本実施形態に係るセラミックス焼結体の製造方法を説明する。図2および図3は、第1の実施形態のビアを有するセラミックス焼結体100の製造工程の一例を示す断面図である。図2は、1軸ホットプレスにより製造する方法を示している。図3は、常圧焼成により第1の実施製造する方法を示している。
まず、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼結によりビアとなる多孔体110を準備する。多孔体110は、相対密度が40%以上90%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより好ましい。相対密度が40%より小さい多孔体は、製造が困難であり、また、セラミックス成形体120を焼成したときの収縮率よりも収縮率が大きくなる虞が高く、多孔体110および後述する穴部125のサイズの調整が難しくなる。また、相対密度が90%より大きい多孔体は、セラミックス成形体120を焼成したときの収縮率よりも収縮率が大幅に小さくなる虞が高く、多孔体110および穴部125のサイズの調整が難しくなる。多孔体110の焼成時の最大の収縮率は、セラミックス成形体120の焼成時の収縮率との差が0ポイント以上50ポイント以下であることが好ましく、10ポイント以上30ポイント以下であることがより好ましい。
多孔体110は、セラミックス成形体120を焼成したときの収縮率および多孔体110の焼結後のビア130の狙いとする相対密度の値に応じて相対密度およびサイズが決定されることが好ましい。また、多孔体110は、セラミックス成形体120を焼成する工程後に最大径1.0mm以上、高さ1.0mm以上の円柱状になるように形成されていることが好ましい。最大径が1.0mm未満であると多孔体110の製造が困難になる。また、焼成後の多孔体110の最大径は1.5mm以上であることがより好ましく、高さは3.0mm以上であることがより好ましい。これにより、大きな形状のビア130を通じてこれまでより大きな電流を、ビアを有するセラミックス焼結体100の厚み方向に距離が離れた異なる層間に通すことができる。なお、焼成後の多孔体110の最大径および高さの上限は特に設ける必要はないが、ビアとして使用する大きさを考慮すると、例えば、最大径10mm以下、高さ20mm以下とすることができる。また、多孔体110は、円柱状以外の柱状であってもよい。
多孔体110の作製方法はどのような方法であってもよい。例えば、金属粒子にバインダが添加された粉末原料を一軸プレス成形することにより、多孔体110を作製することができる。なお、バインダを除去する目的で加圧成形した多孔体110を大気雰囲気または窒素雰囲気で200℃〜600℃の温度範囲で脱脂する脱脂工程を行なってもよい。また、加圧成形またはそれを脱脂した多孔体110に対して窒素、アルゴン、または真空雰囲気炉で、例えば、1000℃以上1800℃以下の温度条件で仮焼成を行い、多孔体110を仮焼体として形成してもよい。また、研削や研磨加工を行うことにより多孔体110の外径や厚みを調整してもよい。
次に、平板状のセラミックス成形体120を準備する。セラミックス成形体120の作製方法は既存の方法を用いることができる。材料も、製造するセラミックス焼結体140の使用目的に応じて適宜選択することができる。例えば、Al、AlN、Si、SiC等の原料粉から造粒粉を造粒する。焼結助剤、バインダ等を添加してもよい。そして、得られた造粒粉を用いて所定の形状のセラミックス成形体120を作製する。セラミックス成形体120を所定の温度以上、所定の時間以上脱脂処理する脱脂工程を設けてもよい。なお、脱脂には、大気炉や窒素雰囲気炉等を用いることができる。
次に、セラミックス成形体120に多孔体110が配置される穴部125を設ける。穴部125は、セラミックス成形体120の収縮率、多孔体110の収縮率、焼成方法、および焼成条件等に応じて、焼成後の穴部125に焼成後の多孔体110、すなわちビア130が密着し、かつ相互の応力が小さくなるサイズで作製されることが好ましい。
次に、穴部125に多孔体110を配置する。そして、多孔体110が配置されたセラミックス成形体120を焼成する。焼結条件は、通常のセラミックス焼結体を作製する条件でよく、例えば、1400℃以上2200℃以下の温度で0.1時間以上10時間以下保持することで焼成することができる。焼成は、常圧焼成、または1軸ホットプレス焼成を適用することができる。焼結後の多孔体110、すなわちビア130の相対密度は、多孔体110の相対密度より大きいことが好ましい。また、ビア130の相対密度は、80%より大きいことが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
1軸ホットプレス焼成の場合、多孔体110は、穴部125に隙間なく配置されることが好ましい。すなわち、多孔体110の収縮率がセラミックス成形体120の収縮率より小さく、1軸ホットプレス焼成により焼成される場合、図2に示されるように、穴部125の軸方向(加圧方向)に垂直な面のサイズは、多孔体110の軸方向に垂直な面のサイズと略同一であり、穴部125の軸方向のサイズは、多孔体110の軸方向のサイズより大きく作製されることが好ましい。
1軸ホットプレス焼成は加圧方向のみに収縮することから、穴部125の軸方向に垂直な面の形状および大きさを多孔体110の底面と略同一に形成することができ、多孔体110の大きさも軸方向の寸法の収縮のみを考慮するだけでよいため、寸法設計が容易になる。また、ビアを有するセラミックス焼結体100のクラックの発生やビアの接触不良をより確実に低減することができる。
一方、常圧焼成の場合、多孔体110と穴部125との間に全体的な隙間を介して配置されることが好ましい。すなわち多孔体110の収縮率がセラミックス成形体120の収縮率より小さく、常圧焼成により焼成される場合、図3に示されるように、穴部125の全体のサイズは、多孔体110のサイズより大きく作製されることが好ましい。常圧焼成の場合は、多孔体110もセラミックス成形体120も全体的に収縮するからである。
したがって、多孔体110と穴部125とのサイズ調整が容易な1軸ホットプレス焼成により焼成されることが好ましい。なお、図2および図3では、ビア130はセラミックス焼結体140を貫通し、ビア130の上面および下面はビアを有するセラミックス焼結体100の上面および下面に露出する形状に形成されているが、ビア130の一方の面または両方の面がセラミックス焼結体140に被覆される形状に形成されていてもよい。その場合、被覆される面は、ビアを有するセラミックス焼結体100に埋設された図示しない導電性部材と電気的に接続されるか、またはビア130の一部が露出する端子穴が形成されて外部から電気的に接続されるように形成されることが好ましい。なお、図2および3には端子は記載されていないが、ビアを有するセラミックス焼結体100に接続される端子の数、すなわち端子接続位置は、2であっても3以上であってもよい。
多孔体110は、セラミックス成形体120と同時に焼成されて、セラミックス焼結体140に埋設されたビア130となる。
このようにして、ビアを有するセラミックス焼結体100を製造することができる。本発明のセラミックス焼結体の製造方法は、金属の多孔体を用いてセラミックス成形体と同時に焼成することで、セラミックスの収縮率と多孔体の収縮率が異なっていても、セラミックス焼結体の内部に金属製のビアを形成することができる。これにより、金属の緻密体を使用してビアを形成したときに、金属の緻密体のサイズが大きすぎることにより生じる収縮率の差によるセラミックス焼結体のクラックの発生や、金属の緻密体のサイズが小さすぎることにより生じるビアの接触不良を低減することができる。
[第2の実施形態]
[電極埋設部材の製造方法]
本実施形態に係る電極埋設部材の製造方法を説明する。基本的な製造方法は、第1の実施形態のビアを有するセラミックス焼結体100の製造方法と同様である。なお、本実施形態および第3の実施形態の電極埋設部材の製造方法は、図4に示すシャフト付きヒーターの製造方法を例に説明するが、本発明の電極埋設部材の製造方法は、図5に示す静電チャックや、その他の用途に使用される様々なビアを有する電極埋設部材の製造に適用することができ、形状も図示されたものに限定されないことは言うまでもない。図4(a)、(b)は、それぞれ第2および第3の実施形態の一例のヒーターを示す上方斜視図および下方斜視図である。また、図5(a)、(b)は、それぞれ第2および第3の実施形態の一例の静電チャックを示す上方斜視図および下方斜視図である。
図6は、本実施形態のヒーターの製造工程の一例を示す断面図である。また、図7は、本実施形態のヒーターの一例を示す断面図である。まず、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼結によりビア130となる多孔体110を準備する。多孔体110の相対密度や焼結後のサイズの範囲、製造方法等は、第1の実施形態と同様である。
次に、平板状の第1のセラミックス成形体121を準備する。次に、第1のセラミックス成形体121に多孔体110が配置される穴部125を設ける。このとき、第1の実施形態では、穴部125はセラミックス成形体120を貫通している例で説明したが、本実施形態では、穴部125に配置される多孔体110を、第1のセラミックス成形体121の上面に配置される内部電極150と接触させれば十分であるため、穴部125は第1のセラミックス成形体121を貫通するように設けてもよいし、貫通しないように設けてもよい。図6は貫通しない例を示している。貫通しないように設ける場合、焼成後に下面からビア130まで到達する端子穴127を設ければよい。穴部125は、第1のセラミックス成形体121の収縮率および多孔体110の収縮率に応じて、焼成後の穴部125に焼成後の多孔体110、すなわちビア130が密着し、かつ相互の応力が小さくなるサイズで作製されることが好ましい。次に、穴部125に多孔体110を配置する。
次に、内部電極150を準備し、穴部125と重なるように第1のセラミックス成形体121の上面に内部電極150を配置する。内部電極150の形状は、メッシュ状や箔状など、用途に応じて様々な形状とすることができる。また、材質も、モリブデン、タングステンなど、用途に応じて様々な材質とすることができる。準備した内部電極150を、穴部125に配置した多孔体110と焼成後に確実に接触するように穴部125と重なるように配置する。このとき、第1のセラミックス成形体121の上面に、内部電極150の形状に合わせた溝等を形成してもよい。
次に、第2のセラミックス成形体122を準備し、内部電極150および多孔体110が配置された第1のセラミックス成形体121の上面に配置する。第2のセラミックス成形体122は、内部電極150およびビア130を被覆する保護層となる。第2のセラミックス成形体122は、平板状であることが好ましい。
第1および第2のセラミックス成形体121、122の作製方法は上記と同様に既存の方法でよい。また、材質も、用途に応じて様々なものが使用できる。なお、第2のセラミックス成形体122は、成形体として形成してから第1のセラミックス成形体121の上面に配置してもよいが、第1のセラミックス成形体121の上面にセラミックスの造粒粉を適量充填して加圧処理して第2のセラミックス成形体122としてもよい。
第1および第2のセラミックス成形体121、122は焼成されることで、内部電極150およびビア130が埋設された一体のセラミックス焼結体140となる。また、多孔体110は、第1および第2のセラミックス成形体121、122と同時に焼成されることで、セラミックス焼結体140に埋設され、内部電極150に電気的に接続されたビア130となる。そして、ビア130と端子180とを電気的に接続する。なお、端子180の数、すなわち電極埋設部材200の端子接続位置は、3以上であってもよい。
電極埋設部材200をヒーターとして使用する場合、焼成後にシャフト170と接合してもよい。これにより、シャフト付きヒーターとすることができる。シャフト170は、円筒等の柱状に形成されることが好ましい。また、シャフト170は、電極埋設部材200のセラミックス焼結体140の主成分と同一の主成分からなるセラミック焼結体で形成されていることが好ましい。
(変形例)
図8は、第3のセラミックス成形体および接続部材(ペレット)を用いる第2の実施形態のヒーターの製造工程の変形例を示す断面図である。また、図9は、第3のセラミックス成形体およびペレットを用いる第2の実施形態のヒーターの変形例を示す断面図である。上記の穴部125を設ける工程において、第1のセラミックス成形体121を貫通するように穴部125を設け、第1のセラミックス成形体121の穴部125の位置にペレット160を配置した第3のセラミックス成形体123を第1のセラミックス成形体121の下面に配置してもよい。なお、穴部125の底面に多孔体110とは別に金属製のペレット160を配置してもよい。
これらの場合、外部からの電気的接続は、ビア130に直接ではなく、ペレット160を介して行なうことができる。また、内部電極150と多孔体110との間にペレット160を挿入してもよい。その場合は、第1のセラミックス成形体121の上面にペレット160を収納するための溝を形成すればよい。ペレット160は、最大径5mm以上12mm以下、厚さ0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましい。また、ペレット160は、タングステン、モリブデン等により形成できる。ペレット160は、多孔質ではなく緻密質なバルク体である。ペレット160は、厚みが十分に薄いので、焼成時および電極埋設部材200の使用時にセラミックス焼結体140にクラックを生じさせることはない。
このようにして、内部電極150とビア130とを有する電極埋設部材200を製造することができる。本発明の電極埋設部材の製造方法は、セラミックス焼結体のクラックの発生やビアと内部電極との接触不良を起こしにくい電極埋設部材を形成することができる。また、本発明の電極埋設部材の製造方法は、大径のビアであっても、セラミックス焼結体に完全に埋設される構成の電極埋設部材を製造することができ、大電流化に対応できる。
[第3の実施形態]
[電極埋設部材の製造方法]
本実施形態に係る電極埋設部材の製造方法を説明する。基本的な製造方法は、第2の実施形態の電極埋設部材200の製造方法と同様である。図10は、本実施形態のヒーターの製造工程の一例を示す断面図である。また、図11は、本実施形態のヒーターの一例を示す断面図である。まず、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼結によりビア130となる多孔体110を準備する。多孔体110の相対密度や焼結後のサイズの範囲、製造方法等は、第1の実施形態と同様である。
次に、平板状の第1のセラミックス成形体121を準備する。次に、第1のセラミックス成形体121に多孔体110が配置される穴部125を設ける。このとき、第2の実施形態では、穴部125は第1のセラミックス成形体121を貫通している必要はなかったが、本実施形態では、穴部125に配置される多孔体110を、第1のセラミックス成形体121の下面に配置される第2の内部電極152と焼成後に接触させるために、穴部125は第1のセラミックス成形体121を貫通するように設けられる。次に、穴部125に多孔体110を配置する。
次に、内部電極150を準備し、穴部125と重なるように第1のセラミックス成形体121の上面に内部電極150を配置する。内部電極150の形状および材質は、第2の実施形態と同様である。準備した内部電極150を、穴部125に配置した多孔体110と焼成後に確実に接触するように穴部125と重なるように配置する。このとき、第1のセラミックス成形体121の上面に、内部電極150の形状に合わせた溝等を形成してもよい。
次に、第2のセラミックス成形体122を準備し、内部電極150および多孔体110が配置された第1のセラミックス成形体121の上面に配置する。第2のセラミックス成形体122は、内部電極150およびビア130を被覆する保護層となる。第2のセラミックス成形体122は、平板状であることが好ましい。なお、第2のセラミックス成形体122は、成形体として形成してから第1のセラミックス成形体121の上面に配置してもよいが、第1のセラミックス成形体121の上面にセラミックスの造粒粉を適量充填して加圧処理して第2のセラミックス成形体122としてもよい。
次に、第2の内部電極152を準備し、穴部125と重なるように第1のセラミックス成形体121の下面に第2の内部電極152を配置する。本実施形態において、内部電極150と第2の内部電極152とは、用途に応じて同一の材質としてもよいし、異なる材質、形状としてもよい。また、一方の内部電極を、ビア130から端子180までを電気的に接続するための引き回し電極としてもよい。準備した第2の内部電極152を、穴部125に配置した多孔体110と焼成後に確実に接触するように穴部125と重なるように配置する。このとき、第1のセラミックス成形体121の下面または後述する第3のセラミックス成形体123の上面に、第2の内部電極152の形状に合わせた溝等を形成してもよい。
次に、第3のセラミックス成形体123を準備し、第2の内部電極152および多孔体110が配置された第1のセラミックス成形体121の下面に配置する。第3のセラミックス成形体123は、第2の内部電極152およびビア130を被覆する保護層となる。第3のセラミックス成形体123は、平板状であることが好ましい。
なお、第1、第2、および第3のセラミックス成形体121、122、123の作製方法は上記と同様に既存の方法でよい。また、材質も、用途に応じて様々なものが使用できる。
第1、第2、および第3のセラミックス成形体121、122、123は焼成されることで一体となり、2層の内部電極150、152およびビア130が埋設されたセラミックス焼結体140となる。また、多孔体110は、第1、第2、および第3のセラミックス成形体121、122、123と同時に焼成されて、セラミックス焼結体140に埋設され、内部電極150と第2の内部電極152とを電気的に接続するビア130となる。これにより、電極埋設部材の厚み方向に距離が離れた異なる層に形成された内部電極の間の導電性を確保することができる。その結果、電極埋設部材の外部から形成される穴を極力少なくして、内部電極に通電することができ、例えば、マルチゾーンヒーターなどを構成することができる。そして、内部電極150および第2の内部電極152と端子180とを電気的に接続する。なお、端子180の数、すなわち電極埋設部材200の端子接続位置は、3以上であってもよい。
また、第2の実施形態と同様に、電極埋設部材200をヒーターとして使用する場合、焼成後にシャフト170と接合してもよい。これにより、シャフト付きヒーターとすることができる。シャフト170の形状、材質等は、第2の実施形態と同様である。
また、第2の内部電極152と端子180とを接続する場合、第3のセラミックス成形体123の上面の端子接続位置に、金属製のペレット160を配置してもよい。このとき、第3のセラミックス成形体123の上面にペレット160を配置する凹部を設けてもよい。また、内部電極150または第2の内部電極152と多孔体110との間に、ペレット160を配置してもよい。ペレット160の材質、サイズ等は、第2の実施形態と同様である。
このようにして、複数の内部電極150、152とビア130とを有する電極埋設部材200を製造することができる。本発明の電極埋設部材の製造方法は、大径のビアであっても、セラミックス焼結体にクラック等の不具合を生じさせないで、セラミックス焼結体に完全に埋設される構成の電極埋設部材を製造することができ、大電流化に対応できる。
(変形例)
図12は、第3の実施形態のヒーターの変形例を示す断面図である。図12に示されるように、ビア130の位置は、端子180の位置とは無関係の位置にすることができる。これにより、電極埋設部材200を様々な構成とすることができ、応用範囲が広がる。
[電極埋設部材の構成]
次に、本実施形態に係る電極埋設部材200を説明する。図13は、本実施形態の電極埋設部材200の一例を示す断面図である。また、図14は、本実施形態の電極埋設部材200の変形例を示す断面図である。図13と図14とは、ビア130の位置のみ異なる。電極埋設部材200は、基体190と、複数の内部電極150、152と、ビア130と、を備える。
基体190は、セラミックス焼結体により形成される。基体190の材質は、用途に応じて様々な材料を使用することができる。例えば、Al、AlN、Si、SiC等を使用することができる。また、基体190の形状は、静電チャック、ヒーター等、用途に応じて様々な形状にすることができる。
内部電極150、152は、基体190の内部の複数の層に埋設される。複数の層とは、基体190のウェハ載置面192に略平行な基体190内部の面である。内部電極150、152は、何層であってもよい。図13は、2層の内部電極150、152を有する例を示している。内部電極150、152の形状は、メッシュ状や箔状など、用途に応じて様々な形状とすることができる。また、材質も、モリブデン、タングステンなど、用途に応じて様々な材質とすることができる。内部電極150、152は、用途に応じて同一の材質のものであってもよいし、異なる材質のものであってもよい。また、内部電極150または152を、ビア130から端子180までを電気的に接続するための導通用の引き回し電極としてもよい。
ビア130は、基体190の内部に埋設され、内部電極150、152を電気的に接続する。これにより、異なる層に形成された内部電極150、152の間の導電性を確保することができる。その結果、電極埋設部材200の外部から形成される穴を極力少なくして、内部電極150、152に通電することができ、例えば、マルチゾーンヒーターなどを構成することができる。なお、端子180の数、すなわち電極埋設部材200の端子接続位置は、3以上であってもよい。
ビア130は、タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成される。また、ビア130は、最大径1.0mm以上、高さ1.0mm以上の柱状に形成される。また、ビア130の最大径は1.5mm以上であることがより好ましく、高さは3.0mm以上であることがより好ましい。これにより、大きな形状のビア130を通じて基体190の外周部(例えば、シャフトがある場合のシャフトの外側領域)でも電極埋設部材の厚み方向に距離が離れた異なる層間にこれまでより大きな電流を通すことができる。なお、ビア130の最大径および高さの上限は特に設ける必要はないが、ビアとして使用する大きさを考慮すると、例えば、最大径15mm以下、高さ30mm以下とすることができる。また、ビア130の相対密度は、80%より大きいことが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。また、多孔体110は、円柱状であることが好ましい。
ビア130が一つである場合、そのビア130は基体190の内部に埋設され、基体190から露出する部分を有しないことが好ましい。また、ビア130が複数ある場合、そのうちの少なくとも1つは基体190の内部に埋設され、基体190から露出する部分を有しないことが好ましい。
電極埋設部材200の外部と電気的に接続するための端子180を接続する端子接続位置や内部電極150とビア130との間に、金属製のペレット160を配置してもよい。ペレット160の材質、サイズ等は、上記と同様である。
本発明の電極埋設部材200は、これまで困難であったこのような構成の電極埋設部材とすることができ、その結果、大きな形状のビアを通じてこれまでより大きな電流を通すことができる。これにより、様々な用途に応用が可能となる。
[実施例]
(実施例1)
第2の実施形態の製造方法に準じて、ホットプレス法にて、半導体製造装置で使用されるウェハ加熱用のヒーターを製作した。まず、有機バインダを加えたAlNを主成分とする原料粉末をプレス成形法にてΦ300mm、厚み10mmの第1のセラミックス成形体、Φ300mm、厚み10mmの第2のセラミックス成形体、およびΦ300mm、厚み10mmの第3のセラミックス成形体を作製した。次に、大気中500℃以上の雰囲気で脱脂処理を行なった。
次に、第1のセラミックス成形体に、ビア形成用のΦ2mmの貫通孔(穴部)を開けた。また、多孔体を準備した。一軸ホットプレス焼成の場合、焼成後のAlNセラミックス成形体の体積(すなわち厚み)は60%程度になるため、焼成後の第1のセラミックス成形体の穴部のサイズは、約Φ2mm×6mmとなる。そのため、例えば、相対密度が75%の多孔体を使用し、焼成後6mmの高さのビアを形成する場合、高さが最大で25%程度減少することを考慮し、Φ2mm、高さ6mm以上8mm以下の円柱状の多孔体を使用すればよい。これにより、焼成後にセラミックス焼結体の収縮後の穴の寸法と多孔体の焼成収縮後の寸法が略一致し、約Φ2mm×6mmのビアがセラミックス焼結体に形成される。これにより、ビア周辺にクラックがなく、多孔体が範囲の上限に近いほど十分に緻密化するためビアの電気抵抗が十分に低いビアが形成されることとなる。本実施例では、相対密度が75%、Φ2mm、高さ7.2mmの多孔体を準備し、準備した多孔体を穴部に挿入した。
次に、内部電極を準備した。内部電極は、Moメッシュを所定の形状に裁断したヒーター電極とした。また、第1のセラミックス成形体に、内部電極が載置される溝を加工した。そして、準備した内部電極を、多孔体を穴部に挿入した第1のセラミックス成形体の溝部分に載置して第一層とした。
次に、Wペレットを準備した。Wペレットの寸法はΦ5mm、厚み0.5mmtである。また、第3のセラミックス成形体の上面のビアと端子の間となる位置にWペレットを載置する溝を形成した。そして、Wペレットを第3のセラミックス成形体の溝に載置して第三層とした。ここで、Wペレットはタングステンのバルク体からなり、焼成後に端子をロウ付けするパッドとして機能する。これにより端子とヒーター電極(内部電極)は、ペレットとビアを介して電気的な接続がされる。
このように作製した第三層を第一層の下に重ね合わせ、さらに第2のセラミックス成形体を第二層として、第一層の上面に重ね合わせたのち、1800℃以上、1MPa以上の窒素雰囲気で一軸ホットプレス焼成し一体化した。焼成したセラミックス焼結体から埋設したWペレットを加工により露出させた。また、ヒーターの底面にシャフトを接合した。最後に、露出したペレットに、Φ4mmのNi製の端子をロウ付けして、実施例1のシャフト付きヒーターを完成させた。
(実施例2)
第1のセラミックス成形体に設けるビア形成用の貫通孔の径、および多孔体の相対密度を変えた以外、上記実施例1と同一の条件でヒーターを作製した。すなわち、ビア形成用のΦ1.5mmの貫通孔(穴部)、相対密度が65%の多孔体を使用し、Φ1.5mm、高さ7.8mmの円柱状の多孔体を使用してヒーターを作製した。
(実施例3)
第1のセラミックス成形体に設けるビア形成用の貫通孔の径、および多孔体の材料、相対密度を変えた以外上記実施例1と同一の条件でヒーターを作製した。すなわち、ビア形成用のΦ1.5mmの貫通孔(穴部)、材料をMoとし、相対密度が80%の多孔体を使用し、Φ1.5mm、高さ6.8mmの円柱状の多孔体を使用してヒーターを作製した。
(機能評価)
作製された実施例1〜3のヒーターのヒーター電極に20Aの電流を流し、ヒーター表面温度を赤外線カメラで観察した。観察の結果、実施例1〜3のいずれも、ビア直上であってもホットスポットの発生はなく、ビアの局所発熱が抑制されていることが確認された。
(断面観察)
また、機能評価後、実施例1〜3のヒーターのセラミックス焼結体およびビアを切断し、断面を観察した。実施例1〜3のいずれも、セラミックス焼結体とビアとの境界において、セラミックス焼結体にもビアにもクラックは発生していなかった。また、ビアの組織は、セラミックス成形体に埋設した多孔体の組織と比較して十分に緻密化していた。
(ビアの相対密度測定)
また、ビアの相対密度をビアの断面SEM写真(倍率2000倍)を画像処理して気孔の面積比率を計算し、相対密度を100%−気孔の面積比率として計算する方法を用いて測定した。その結果、実施例1のビアの相対密度は90%、実施例2は88%、実施例3は92%となっていた。画像処理にはImage−Proなどの市販のソフトウェアが使用できる。
以上により、本発明の電極埋設部材は、大電流化に対応できることが確かめられた。また、本発明の製造方法は、そのような電極埋設部材を製造できることが確かめられた。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形および均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
100 ビアを有するセラミックス焼結体
110 多孔体
120 セラミックス成形体
121 第1のセラミックス成形体
122 第2のセラミックス成形体
123 第3のセラミックス成形体
125 穴部
127 端子穴
130 ビア
140 セラミックス焼結体
150 内部電極
152 第2の内部電極
160 ペレット
170 シャフト
180 端子
190 基体
192 ウェハ載置面
200 電極埋設部材

Claims (6)

  1. ビアを有するセラミックス焼結体の製造方法であって、
    タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼結により前記ビアとなる多孔体を準備する工程と、
    平板状のセラミックス成形体を準備し、前記セラミックス成形体に前記多孔体が配置される穴部を設ける工程と、
    前記穴部に前記多孔体を配置する工程と、
    前記多孔体が配置された前記セラミックス成形体を焼成する工程と、を含み、
    前記多孔体は、前記セラミックス成形体と同時に焼成されて、前記セラミックス焼結体に埋設された前記ビアとなることを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
  2. 前記多孔体は、前記穴部に隙間なく配置され、
    前記セラミックス成形体を焼成する工程は、前記多孔体の高さ方向に加圧する1軸ホットプレス焼成により焼成することを特徴とする請求項1に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  3. 前記多孔体は、前記セラミックス成形体を焼成する工程後に最大径1.0mm以上、高さ1.0mm以上の円柱状になるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  4. ビアを有する電極埋設部材の製造方法であって、
    タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、焼成により前記ビアとなる多孔体を準備する工程と、
    平板状の第1のセラミックス成形体を準備し、前記第1のセラミックス成形体に前記多孔体が配置される穴部を設ける工程と、
    前記穴部に前記多孔体を配置する工程と、
    内部電極を準備し、前記穴部と重なるように前記第1のセラミックス成形体の上面に前記内部電極を配置する工程と、
    前記内部電極および前記多孔体が配置された前記第1のセラミックス成形体の上面に、第2のセラミックス成形体を配置する工程と、
    前記第1および第2のセラミックス成形体を焼成する工程と、を含み、
    前記多孔体は、前記第1および第2のセラミックス成形体と同時に焼成されて、セラミックス焼結体に埋設され、前記内部電極に電気的に接続された前記ビアとなることを特徴とする電極埋設部材の製造方法。
  5. 第2の内部電極を準備し、前記穴部と重なるように前記第1のセラミックス成形体の下面に前記第2の内部電極を配置する工程と、
    前記第2の内部電極および前記多孔体が配置された前記第1のセラミックス成形体の下面に、第3のセラミックス成形体を配置する工程をさらに含み、
    前記穴部は前記第1のセラミックス成形体を貫通し、
    前記多孔体は、前記第1、第2、および第3のセラミックス成形体と同時に焼成されて、セラミックス焼結体に埋設され、前記内部電極と前記第2の内部電極とを電気的に接続する前記ビアとなることを特徴とする請求項4に記載の電極埋設部材の製造方法。
  6. セラミックス焼結体により形成された基体と、
    前記基体の内部の複数の層に埋設された複数の内部電極と、
    前記基体の内部に埋設され、前記複数の内部電極のうち少なくとも2つを電気的に接続するビアと、を備え、
    前記ビアは、タングステン、モリブデン、またはこれらのうち少なくとも1つを含む材料により形成され、
    前記ビアは、最大径1.0mm以上、高さ1.0mm以上の柱状に形成されていることを特徴とする電極埋設部材。
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