JP2021197220A - 亜鉛電池の制御方法および電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】充電状態で待機させる用途において亜鉛電池の寿命を延ばすことができる、亜鉛電池の制御方法及び電源システムを提供する。【解決手段】この制御方法は、亜鉛電池を充電状態で待機させる方法であって、亜鉛電池の定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、亜鉛電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、を含む。定電圧充電ステップにおいて、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えた場合、及び亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたことを亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、定電圧充電ステップから定電流充電ステップへ移行する。【選択図】図4
Description
本発明は、亜鉛電池の制御方法および電源システムに関する。
特許文献1には、充電装置に関する技術が開示されている。この文献に記載された充電装置は、充電電圧が段階的に上昇する充電電力によって充電がなされるリチウムイオン2次電池と、リチウムイオン2次電池の満充電を検出する制御部と、制御部からの信号を受けて、リチウムイオン2次電池が満充電に至った場合に、リチウムイオン2次電池への充電経路を切断するスイッチとを備える。制御部は、充電電流が所定の電流値を下回ることにより満充電を判断する。リチウムイオン2次電池の充電を行う際には、定電流充電と、定電圧充電とを交互に切り替える。第1の定電流充電が第1の電圧まで行われると、第1の電圧での第1の定電圧充電に切り替える。第1の定電圧充電の電流が所定の値を下回ると、第2の定電流充電に切り替える。第2の定電流充電が第2の電圧まで行われると、第2の電圧での第2の定電圧充電に切り替える。第1の電圧は、第2の電圧より低い。
蓄電池を充電状態で待機させ、蓄電池の電力が必要となった場合に電源を蓄電池に切り替える電源システムが知られている。例えば、無停電電源システム(Uninterruptible Power Systems;UPS)では、商用電源を用いて充電した蓄電池を充電状態で待機させ、停電の際に、電源を商用電源から蓄電池に切り替える。このような電源システムでは、蓄電池の寿命が重要となる。蓄電池の寿命が長くなるほど蓄電池の交換サイクルが長くなり、運用コストを抑制できるからである。また、近年、このような用途で用いられる電源システムの蓄電池として、亜鉛電池が注目されている。例えばニッケル亜鉛電池は、水酸化カリウム水溶液等の水系電解液を用いる水系電池であることから、高い安全性を有すると共に、亜鉛電極とニッケル電極との組み合わせにより、水系電池としては高い起電力を有する。さらに、ニッケル亜鉛電池は、優れた入出力性能に加えて、低コストといった利点を有する。
蓄電池を充電状態で待機させるUPSなどの装置において、蓄電池を放電した後には、次回の放電に備え、充電電荷量(または充電状態:SOC(State of Charge))を早期に回復することが望ましい。しかし、高い充電電圧で充電を続けると、次第に過充電となる。亜鉛電池の場合、過充電の状態を継続すると劣化を引き起こし、電池寿命が短くなってしまう。また、過充電を抑制するために充電電圧を低くすると、充電不足を引き起こし、やはり電池寿命が短くなってしまう。本発明の一側面は、充電状態で待機させる用途において亜鉛電池の寿命を延ばすことができる、亜鉛電池の制御方法及び亜鉛電池を備える電源システムを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る亜鉛電池の制御方法は、亜鉛電池を充電状態で待機させる方法であって、亜鉛電池の定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、亜鉛電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、を含む。定電圧充電ステップでは、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えた場合、及び亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたことを亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、定電圧充電ステップから定電流充電ステップへ移行する。
本発明の一側面に係る電源システムは、亜鉛電池と、亜鉛電池の充電及び放電を制御する制御部と、を備える。制御部は、亜鉛電池を充電状態で待機させる際に、亜鉛電池を定電圧にて充電する定電圧充電動作と、亜鉛電池を定電流にて充電する定電流充電動作と、を行い、定電圧充電動作において、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えた場合、及び、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたことを亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、定電圧充電動作から定電流充電動作へ移行する。
これらの制御方法及び制御システムでは、亜鉛電池の定電圧充電を行い、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えた場合、言い換えると亜鉛電池の充電が或る程度進んだ場合に、定電流充電に切り替える。定電圧充電ステップ及び定電圧充電動作では、比較的大きな定電圧での充電が可能であり、亜鉛電池の充電電荷量を早期に回復することができる。そして、亜鉛電池の充電が或る程度進んだときに定電流充電動作に切り替えることにより、充電不足を補いつつ、亜鉛電池の劣化を抑制して過充電を抑制することができる。したがって、これらの制御方法及び制御システムによれば、充電状態で待機させる用途において亜鉛電池の寿命を延ばすことができる。
定電流充電ステップ及び定電流充電動作においては、充電電流の大きさを、自然放電による充電電荷量の低下を補いつつ過充電にならない大きさに設定することが望ましい。しかしながら、充電電流をそのような大きさに厳密に設定することは困難であり、実際には、充電電流の大きさを、そのような大きさよりも僅かに小さく設定する。その場合、自然放電が定電流充電に勝り、充電電荷量が徐々に低下する。そこで、上記制御方法の定電流充電ステップにおいて、亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回った場合、亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回ったことを亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータが示唆した場合、及び、定電流充電の開始からの経過時間が第3の閾値を超えた場合のうち少なくとも一つの場合に、定電流充電ステップから定電圧充電ステップへ移行してもよい。同様に、上記電源システムにおいて、制御部は、定電流充電動作において、亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回った場合、亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回ったことを亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータが示唆した場合、及び、定電流充電動作の開始からの経過時間が第3の閾値を超えた場合のうち少なくとも一つの場合に、定電流充電動作から定電圧充電動作へ移行してもよい。これにより、定電流充電ステップ(定電流充電動作)において減少した充電電荷量を、再度の定電圧充電ステップ(定電圧充電動作)により回復することができる。
上記制御方法の定電流充電ステップにおける充電電流の大きさは、定電圧充電ステップにおける定電流充電ステップへの切り替え直前の充電電流の大きさ以下であってもよい。同様に、上記電源システムの定電流充電動作における充電電流の大きさは、定電圧充電動作における定電流充電動作への切り替え直前の充電電流の大きさ以下であってもよい。定電流充電ステップ及び定電流充電動作における充電電流の大きさをこのように小さく設定することにより、定電流充電ステップ(定電流充電動作)においても過充電を抑制することができる。
上記制御方法の定電圧充電ステップ又は上記電源システムの定電圧充電動作において、一又は複数の第1のパラメータは、充電電流の大きさを含んでもよい。定電圧充電においては、亜鉛電池の充電電荷量が増大すると、充電中に流れる充電電流は次第に小さくなる。故に、充電中に流れる充電電流の大きさは、亜鉛電池の充電電荷量と密接な相関を有する。したがって、一又は複数の第1のパラメータが充電電流の大きさを含む場合、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたことを容易に検知することができる。
上記制御方法の定電圧充電ステップ又は上記電源システムの定電圧充電動作において、一又は複数の第1のパラメータは、充電電流の単位時間あたりの変化量を含んでもよい。定電圧充電においては、亜鉛電池の充電電荷量が増大すると、充電電流は徐々に安定し、充電電流の単位時間あたりの変化量は次第に小さくなる。故に、充電電流の単位時間あたりの変化量は、亜鉛電池の充電電荷量と密接な相関を有する。したがって、一又は複数の第1のパラメータが充電電流の単位時間あたりの変化量を含む場合、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたことを容易に検知することができる。
上記制御方法の定電流充電ステップ又は上記電源システムの定電流充電動作において、一又は複数の第2のパラメータは、充電電圧の大きさを含んでもよい。定電流充電においては、亜鉛電池の充電電荷量が減少すると、充電中に生じる充電電圧は次第に小さくなる。故に、充電中に生じる充電電圧の大きさは、亜鉛電池の充電電荷量と密接な相関を有する。したがって、一又は複数の第2のパラメータが充電電圧の大きさを含む場合、亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回ったことを容易に検知することができる。
定電圧充電における充電電流の大きさ、及び定電流充電における充電電圧の大きさといったパラメータは、亜鉛電池の温度に応じて変動する。したがって、上記制御方法又は上記電源システムにおいて、第1及び第2のパラメータのうち少なくとも一方を、亜鉛電池の温度に基づいて補正してもよい。これにより、亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたこと、又は第2の閾値を下回ったことをより精度よく検知することができる。
本発明の一側面によれば、充電状態で待機させる用途において亜鉛電池の寿命を延ばすことができる亜鉛電池の制御方法および電源システムを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による亜鉛電池の制御方法および電源システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、亜鉛電池とは、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池、及び銀亜鉛電池等、負極に亜鉛を用いる電池の概念である。
図1は、電源システム1及びその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。電源システム1は、蓄電池の充電状態を維持しつつ未使用状態で待機させ、必要に応じて蓄電池の電力を供給する。電源システム1が適用される場面は限定されず、例えば、電源システム1は固定物にも移動体にも適用可能である。固定物への適用の例として、電源システム1は、UPSとして家庭、オフィス、工場、農場等の様々な場所で利用され得る。
電源システム1は、電源システム1に電力を供給可能な供給要素2と、電源システム1から電力を受け取ることが可能な需要要素(負荷)4との間に設けられる。電源システム1と供給要素2とは交流電流が流れる配線6Aを介して電気的に接続され、需要要素4と電源システム1とは、交流電流が流れる配線6Bを介して電気的に接続される。供給要素2から出力された電力は、配線6Aを通じて電源システム1に蓄えられ、また配線6A,6Bを通じて需要要素4に供給される。電源システム1に蓄えられた電力は、配線6Bを通じて需要要素4に供給される。
供給要素2は、電源システム1に電力を供給可能な装置または設備である。供給要素2の種類は何ら限定されない。例えば、供給要素2は、再生可能エネルギを利用して発電を行う発電装置であってもよい。発電方法および発電装置の種類は何ら限定されず、例えば、発電装置は太陽光発電装置でもよいし風力発電機でもよい。あるいは、供給要素2は、発電、変電、送電、および配電を統合した商用電源の設備である外部の電力系統であってもよい。外部の電力系統は、例えば電力会社により提供される。
需要要素4は、電源システム1から電力を受け取ることが可能な装置または設備である。需要要素4の種類も何ら限定されない。需要要素4は、電力を消費する1以上の機器または装置の集合である負荷であってもよい。負荷の例として、1以上の家庭用または業務用の様々な電気機器の集合と、任意の装置の任意の構成要素とが挙げられる。
電源システム1は、コンバータ7、インバータ8、亜鉛電池10、バッテリ・コントロール・ユニット(Battery Control Unit:BCU)12、温度センサ13、および制御部14を備える。コンバータ7の入力端は配線6Aを介して供給要素2と電気的に接続されており、コンバータ7の出力端は、直流電流が流れる配線6Cを介してインバータ8の入力端と電気的に接続されている。インバータ8の出力端は、配線6Bを介して需要要素4と電気的に接続されている。配線6Cの途中のノードNは、直流電流が流れる配線6Dを介して亜鉛電池10と電気的に接続されている。図1の例では電源システム1は1組の亜鉛電池10及びBCU12を備えるが、その組数は限定されず、2以上でもよい。複数の組が存在する場合に、亜鉛電池10の性能(例えば、定格容量、応答速度など)は統一されてもよいし、統一されなくてもよい。制御部14は、通信線を介してコンバータ7、インバータ8、及びBCU12と通信可能に接続される。
亜鉛電池10は、供給要素2から提供される電力を化学エネルギに変えて蓄える装置であり、充放電が可能である。亜鉛電池10は、直列に接続された複数のセルを含んで構成される。亜鉛電池10には制御機能としてのBCU12が接続されている。BCU12は、亜鉛電池10に関するデータを制御部14に送信する。
BCU12は、充電電荷量測定部を兼ねる。すなわち、BCU12は、亜鉛電池10の充電電荷量を測定する。充電電荷量とは、亜鉛電池10に蓄えられている電荷量である。亜鉛電池10の放電容量に対する充電電荷量の割合を、SOCと称する。例えば、BCU12は、亜鉛電池10に通電された電流を計測し、積算することにより充電電荷量を測定する。BCU12が測定した充電電荷量に関する情報は、他のデータとともに制御部14に送信される。なお、充電電荷量の算出に必要な情報(例えば電池の開回路電圧、放電電流量及び充電電流量、または放電電流の積算量および充電電流の積算量)をBCU12が制御部14に送信し、制御部14が充電電荷量を算出してもよい。
充電電荷量は、例えば次のようにして測定される。まず、亜鉛電池10の充電中における、亜鉛電池10へ流れる電流量を時間的に連続して取得する。そして、該電流量を時間積分することにより、充電した電荷の総量を得る。次に、亜鉛電池10の放電中における、亜鉛電池10から流れる電流量を時間的に連続して取得する。そして、該電流量を時間積分することにより、放電した電荷の総量を得る。充電した電荷の総量から放電した電荷の総量を差し引くことにより、亜鉛電池10に蓄えられている充電電荷量を算出することができる。
コンバータ7及びインバータ8は、亜鉛電池10の充放電を制御する。コンバータ7は、電力を交流から直流に変換する装置であり、インバータ8は、電力を直流から交流に変換する装置である。交流入力側の電源異常(停電、電圧低下等)が発生した場合、亜鉛電池10に充電された直流電力をインバータ8で逆変換し、交流出力の供給を継続する。本実施形態の制御部14は、BCU12から得られる亜鉛電池10の充電電荷量に基づいて、コンバータ7及びインバータ8の動作を制御することにより、亜鉛電池10の充放電を制御する。充電モードでは、供給要素2から出力された電力の一部を亜鉛電池10に蓄え、放電モードでは、亜鉛電池10を強制的に放電させて需要要素4に電力を供給する。
制御部14は、亜鉛電池10の充電及び放電を制御するコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)である。図2は、制御部14のハードウェア構成例を示す図である。この図に示すように、制御部14は、プロセッサ141、メモリ142、および通信インタフェース143を有する。プロセッサ141は例えばCPUであり、メモリ142は例えばフラッシュメモリで構成されるが、制御部14を構成するハードウェア装置の種類はこれらに限定されず、任意に選択されてよい。制御部14の各機能は、プロセッサ141が、メモリ142に格納されているプログラムを実行することで実現される。例えば、プロセッサ141は、メモリ142から読み出したデータまたは通信インタフェース143を介して受信したデータに対して所定の演算を実行し、その演算結果を他の装置に出力することで、該他の装置を制御する。あるいは、プロセッサ141は受信したデータまたは演算結果をメモリ142に格納する。制御部14は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータの集合(すなわち分散システム)で構成されてもよい。
例えばUPS等である電源システム1は、亜鉛電池10の電力を必要としない平常時においては、亜鉛電池10の充電状態を維持しつつ停電発生時まで待機させる。その際、制御部14は、亜鉛電池10の充電電荷量を、或る大きさ(例えばSOCが60%〜100%の範囲内)となるように制御する。この期間は、停電が発生しない限り、例えば数年(例えば約1年)といった長期間にわたって継続される。
ここで、上記の充放電制御について詳細に説明する。図3は、運用中における亜鉛電池10の充電電荷量の変化を模式的に示すグラフである。同図において、横軸は時間を表し、縦軸は充電電荷量を表す。図3に示されるように、電源システム1は、停電等の不定期(ランダム)な要因による放電後の充電期間P11と、充電状態を維持した状態で待機させる待機期間P12とを交互に繰り返す。充電期間P11では、定電圧充電(フロート充電)によって亜鉛電池10を充電するよう制御部14がコンバータ7を制御する。なお、充電とは、配線6C,6Dから亜鉛電池10へ電力を供給し、電荷を亜鉛電池10において蓄えることをいう。
図4は、充電期間P11と待機期間P12の一部とにおける、充電電圧、充電電流及び充電電荷量の時間変化を概略的に示すグラフである。制御部14は、充電期間P11においては、一定の充電電流J0にて亜鉛電池10を充電するよう制御する(定電流充電、期間P11a)。充電電流J0の大きさは、例えば0.2Cである。なお、本明細書において、電池の理論容量を1時間で完全放電させる電流の大きさを1Cと定義する。そして、制御部14は、端子電圧が電圧V1に達した後、比較的高い一定の充電電圧V1にて亜鉛電池10を充電するよう制御する(定電圧充電、期間P11b)。この定電圧充電動作によって、亜鉛電池10の充電電荷量は急速に増大する。また、亜鉛電池10の充電電荷量の増大に応じて、充電電流の大きさは次第に低下する。そして、この定電圧充電動作において、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1(第1の閾値)を超えた場合、及び、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、制御部14は、定電圧充電動作から定電流充電(トリクル充電)動作に切り替え、一定の充電電流J1にて亜鉛電池10を充電するよう制御する(図中の期間P12a)。すなわち、制御部14は、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えた場合に、定電圧充電動作から定電流充電動作へ移行する。閾値Q1は、SOCに換算して、例えば80%以上100%以下であることが好ましい。充電電流J1は、充電電流J0よりも小さい。
亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータには、定電圧充電中における充電電流の大きさと、定電圧充電中における充電電流の単位時間あたりの変化量とのうち少なくとも一方が含まれる。充電電圧が一定である場合、充電電荷量が大きくなる(SOCが100%に近づく)ほど、亜鉛電池10の充電中に流れる充電電流の大きさが次第に小さくなる。故に、充電中に流れる充電電流の大きさは、亜鉛電池10の充電電荷量と密接な相関を有する。また、充電電圧が一定である場合、充電電荷量が大きくなる(SOCが100%に近づく)ほど、充電電流が徐々に安定し、充電電流の単位時間あたりの変化量は次第に小さくなる。故に、充電電流の単位時間あたりの変化量は亜鉛電池の充電電荷量と密接な相関を有する。なお、充電電流の大きさに関する情報は、BCU12から制御部14へ常時提供される。充電電流の単位時間あたりの変化量は、BCU12から提供された充電電流の大きさに関する情報に基づいて、制御部14において計算することができる。
定電圧充電中における充電電流の大きさは、亜鉛電池10の温度に応じて変動する。したがって、上述した第1のパラメータを、亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。その場合、制御部14は、定電圧充電中における充電電流の大きさと温度との相関を示すテーブルまたは関係式を、メモリ142に予め記憶しておく。亜鉛電池10の温度は、温度センサ13からの電気信号により得られる。温度センサ13からの電気信号は、温度センサ13から制御部14に直接送られてもよく、温度センサ13からBCU12を介して制御部14に送られてもよい。
図5は、待機期間P12の一部分における、充電電圧、充電電流及び充電電荷量の時間変化を概略的に示すグラフである。制御部14は、待機期間P12において、先ず、上述した定電流充電動作を行う(期間P12a)。すなわち、制御部14は、一定の充電電流J1にて亜鉛電池10を充電するよう制御する。
この定電流充電動作においては、充電電流J1の大きさを、自然放電による充電電荷量の低下を補いつつ過充電にならない大きさに設定することが望ましい。しかしながら、充電電流J1をそのような大きさに厳密に設定することは困難であり、実際には、充電電流J1の大きさを、そのような大きさよりも僅かに小さく設定する。その場合、自然放電が定電流充電に勝り、充電電荷量が徐々に低下する。充電電流J1の大きさは、例えば、定電圧充電動作における定電流充電動作への切り替え直前の充電電流の大きさ以下である。
そこで、制御部14は、期間P12aの後の期間P12bにおいて、再び定電圧充電動作を行う。すなわち、制御部14は、一定の充電電圧V1にて亜鉛電池10を充電するよう制御する。このときの充電電圧V1は、前述した充電期間P11と同じであってもよい。この定電圧充電動作によって、亜鉛電池10の充電電荷量は急速に上昇し、自然放電により減少した分を回復する。制御部14は、期間P12aの定電流充電動作において、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2(第2の閾値、Q2<Q1)を下回った場合、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回ったことを亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータが示唆した場合、及び、定電流充電の開始からの経過時間Tが閾値Ta(第3の閾値)を超えた場合のうち少なくとも一つの場合に、定電流充電動作から定電圧充電動作に切り替える。すなわち、制御部14は、亜鉛電池10の充電電荷量が所定の条件を満たした場合に、定電流充電動作から定電圧充電動作へ移行する。閾値Q2は、SOCに換算して、例えば60%以上80%以下であることが好ましい。
亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータには、定電流充電中における充電電圧の大きさが含まれる。充電電流が一定である場合、充電電荷量が小さくなるほど、亜鉛電池10の充電中に生じる充電電圧の大きさが次第に小さくなる。故に、充電中に生じる充電電圧の大きさは、亜鉛電池10の充電電荷量と密接な相関を有する。なお、充電電圧の大きさに関する情報は、BCU12から制御部14へ常時提供される。また、定電流充電中における充電電圧の大きさは、亜鉛電池10の温度に応じて変動する。したがって、上述した第2のパラメータを、亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。その場合、制御部14は、定電流充電中における充電電圧の大きさと温度との相関を示すテーブルまたは関係式を、メモリ142に予め記憶しておく。
その後、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えた場合、及び、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、制御部14は、定電圧充電動作から定電流充電動作に切り替える。そして、制御部14は、一定の充電電流J1にて亜鉛電池10を充電するよう制御する(期間P12a)。以降、待機期間P12においては、定電流充電動作(期間P12a)と定電圧充電動作(期間P12b)とを繰り返しながら亜鉛電池10の充電状態を維持する。
なお、定電圧充電動作と定電流充電動作とを交互に繰り返す際、定電圧充電動作とその次の定電流充電動作との間、及び定電流充電動作とその次の定電圧充電動作との間のいずれにおいても、他の動作が介在することを妨げない。
ここで、電源システム1を用いた亜鉛電池10の制御方法について説明する。図6は、本実施形態の亜鉛電池10の制御方法を示すフローチャートである。この制御方法は、亜鉛電池10の充電状態を維持しつつ未使用状態で待機させる方法であって、亜鉛電池10を一定の電圧にて充電する定電圧充電ステップST1と、亜鉛電池10を一定の電流にて充電する定電流充電ステップST2と、を含む。そして、定電圧充電ステップST1においては、一定の充電電圧にて亜鉛電池10の充電を行いながら(ステップST11)、定電圧充電動作を定電流充電動作に切り替えるか否かの判断を常時行う(ステップST12)。ステップST12では、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えた場合、及び、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、定電圧充電動作を定電流充電動作に切り替え、定電流充電ステップST2に移行する。また、定電流充電ステップST2においては、一定の充電電流にて亜鉛電池10の充電を行いながら(ステップST21)、定電流充電動作を定電圧充電動作に切り替えるか否かの判断を常時行う(ステップST22)。ステップST22では、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回った場合、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回ったことを亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータが示唆した場合、及び、定電流充電の開始からの経過時間Tが閾値Taを超えた場合のうち少なくとも一つの場合に、定電流充電動作を定電圧充電動作に切り替え、定電圧充電ステップST1に移行する。
図7は、定電圧充電ステップST1から定電流充電ステップST2に切り替えるか否かの判断を行うステップST12の具体例を示すフローチャートである。制御部14は、まず、充電電流の大きさが第4の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST121)。第4の閾値は、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを示唆する値に予め設定される。充電電流の大きさが第4の閾値を下回った場合(ステップST121:NO)、制御部14は定電圧充電ステップST1から定電流充電ステップST2に切り替える(ステップST124)。充電電流の大きさが第4の閾値以上である場合(ステップST121:YES)、制御部14は、充電電流の単位時間あたりの変化量が第5の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST122)。第5の閾値は、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを示唆する値に予め設定される。充電電流の単位時間あたりの変化量が第5の閾値を下回った場合(ステップST122:NO)、制御部14は定電圧充電ステップST1から定電流充電ステップST2に切り替える(ステップST124)。充電電流の単位時間あたりの変化量が第5の閾値以上である場合(ステップST122:YES)、制御部14は、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1以下であるか否かを判断する(ステップST123)。充電電荷量が閾値Q1を超えた場合(ステップST123:NO)、制御部14は定電圧充電ステップST1から定電流充電ステップST2に切り替える(ステップST124)。充電電荷量が閾値Q1以下である場合(ステップST123:YES)、制御部14は定電圧充電ステップST1を継続して行う(ステップST11)。
定電圧充電ステップST1の実行中、ステップST121〜ST123の判断は、定期的に(例えば1日に1回、所定の時刻に)行われる。必要に応じて、3つのステップST121〜ST123のうち少なくとも2つは省略されてもよい。また、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを、亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する上記以外のパラメータが示唆した場合に、制御部14は定電圧充電ステップST1から定電流充電ステップST2に切り替えてもよい。また、定電圧充電中における充電電流の大きさは、亜鉛電池10の温度に応じて変動するので、充電電流の大きさ、及び充電電流の単位時間あたりの変化量を、亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。或いは、第4及び第5の閾値を亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。
図8は、定電流充電ステップST2から定電圧充電ステップST1に切り替えるか否かの判断を行うステップST22の具体例を示すフローチャートである。制御部14は、まず、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2以上であるか否かを判断する(ステップST221)。充電電荷量が閾値Q2を下回った場合(ステップST221:NO)、制御部14は定電流充電ステップST2から定電圧充電ステップST1に切り替える(ステップST224)。充電電荷量が閾値Q1以上である場合(ステップST221:YES)、制御部14は、充電電圧の大きさが第6の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST222)。第6の閾値は、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回ったことを示唆する値に予め設定される。充電電圧の大きさが第6の閾値を下回った場合(ステップST222:NO)、制御部14は定電流充電ステップST2から定電圧充電ステップST1に切り替える(ステップST224)。充電電圧の大きさが第6の閾値以上である場合(ステップST222:YES)、制御部14は、定電流充電ステップST2を開始してからの経過時間Tが閾値Taを超えたか否かを判断する(ステップST223)。経過時間Tが閾値Taを超えた場合(ステップST223:YES)、制御部14は定電流充電ステップST2から定電圧充電ステップST1に切り替える(ステップST224)。経過時間Tが閾値Ta以内である場合(ステップST223:NO)、制御部14は定電流充電ステップST2を継続して行う(ステップST21)。閾値Taは、理論的または実験的に、自然放電電流と充電電流との差分により亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回る時間(日数)に予め設定される。
定電流充電ステップST2の実行中、ステップST221〜ST223の判断は、定期的に(例えば1日に1回、所定の時刻に)行われる。必要に応じて、3つのステップST221〜ST223のうち少なくとも2つは省略されてもよい。また、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回ったことを、亜鉛電池10の充電電荷量と相関を有する上記以外のパラメータが示唆した場合に、制御部14は定電流充電ステップST2から定電圧充電ステップST1に切り替えてもよい。また、定電流充電中における充電電圧の大きさは、亜鉛電池10の温度に応じて変動するので、充電電圧の大きさを、亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。或いは、第6の閾値を亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。
以上に説明した本実施形態の亜鉛電池10の制御方法及び電源システム1によって得られる効果について説明する。前述したように、充電電荷量を早期に回復するために高い充電電圧で充電を続けると、蓄電池の劣化が促進され、次第に過充電となる。亜鉛電池の場合、過充電の状態を継続すると劣化を引き起こし、電池寿命が短くなってしまう。図9は、実験により得られた、ニッケル亜鉛電池の定電圧充電期間と放電容量維持率(初期の放電容量に対する各時点での放電容量の割合、単位:%)との関係を示すグラフである。図9において、グラフG11〜G14は、充電電圧を1.825Vとして電池温度をそれぞれ25℃、35℃、40℃、及び55℃とした場合を示している。また、グラフG15は、充電電圧を1.83Vとして電池温度を25℃とした場合を示している。図9において、縦軸は放電容量維持率を表し、横軸は試験期間(充電日数)を表す。なお、この実験では、放電容量を測定する際の放電電流を4C、容量確認間隔(すなわち放電間隔)を30日とした。図9を参照すると、いずれの電池温度においても充電日数が長くなるほど放電容量維持率が低下することがわかる。放電容量維持率の低下は、ニッケル亜鉛電池の劣化を意味する。そして、図9を参照すると、電池温度が高いほど、放電容量維持率の低下(亜鉛電池の劣化)が早く進むことがわかる。
図10は、実験により得られた、ニッケル亜鉛電池の定電圧充電期間と充電電流との関係をプロットしたグラフである。図10において、プロットP21〜P23は、充電電圧を1.825Vとして電池温度をそれぞれ25℃、35℃、及び40℃とした場合を示している。曲線G22はプロットP22の近似曲線であり、曲線G23はプロットP23の近似曲線である。図10において、縦軸は充電電流(単位:mA)を表し、横軸は試験期間(充電日数)を表す。なお、この実験における、放電容量を測定する際の放電電流及び容量確認間隔は図9と同じである。図10を参照すると、いずれの電池温度においても充電日数が長くなるほど充電電流が次第に増大することがわかる。充電電流の増大は、ニッケル亜鉛電池の劣化を意味する。そして、図10を参照すると、電池温度が高いほど、充電電流の増大(亜鉛電池の劣化)が早く進むことがわかる。
図11は、実験により得られた、ニッケル亜鉛電池の定電圧充電期間と充電電流との関係をプロットしたグラフである。図11において、プロットP31〜P34は、充電電圧をそれぞれ1.81V、1.82V、1.825V、及び1.83Vとした場合を示している。曲線G32〜G34はそれぞれプロットP32〜P34の近似曲線である。図11において、縦軸は充電電流(単位:mA)を表し、横軸は試験期間(充電日数)を表す。この実験では、電池温度を40℃とした。放電容量を測定する際の放電電流及び容量確認間隔は図9と同じである。図11を参照すると、いずれの充電電圧においても充電日数が長くなるほど充電電流が次第に増大することがわかる。上述したように、充電電流の増大はニッケル亜鉛電池の劣化を意味する。そして、図11を参照すると、充電電圧が大きいほど、充電電流の増大(亜鉛電池の劣化)が早く進むことがわかる。なお、この実験結果から、充電電圧を低く設定することが考えられるが、充電電圧を低くすると、継続的な充電不足を引き起こし、やはり亜鉛電池の劣化が早く進んでしまう。
本実施形態では、亜鉛電池10の定電圧充電を行い、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えた場合、言い換えると亜鉛電池10の充電が或る程度進んだ場合に、定電流充電に切り替える。定電圧充電では、比較的大きな定電圧での充電が可能であり、亜鉛電池10の充電電荷量を早期に回復することができる。そして、亜鉛電池10の充電が或る程度進んだときに定電流充電動作に切り替えることにより、充電不足を補いつつ、亜鉛電池10の劣化を抑制して過充電を抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、充電状態で待機させる用途において亜鉛電池10の寿命を延ばすことができる。
また、前述したように、定電流充電においては、充電電流の大きさを、自然放電による充電電荷量の低下を補いつつ過充電にならない大きさに設定することが望ましい。しかしながら、充電電流をそのような大きさに厳密に設定することは困難であり、実際には、充電電流の大きさを、そのような大きさよりも僅かに小さく設定する。その場合、自然放電が定電流充電に勝り、充電電荷量が徐々に低下する。そこで、本実施形態のように、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回った場合、及び、定電流充電の開始からの経過時間Tが閾値Taを超えた場合のうち少なくとも何れかの場合に、定電流充電から定電圧充電へ再び移行してもよい。これにより、定電流充電において減少した充電電荷量を、再度の定電圧充電により回復することができる。
本実施形態のように、定電流充電における充電電流の大きさは、定電圧充電における定電流充電への切り替え直前の充電電流の大きさ以下であってもよい。定電流充電における充電電流の大きさをこのように小さく設定することにより、定電流充電においても過充電を抑制することができる。
本実施形態のように、定電圧充電から定電流充電への切り替えのために参照される一又は複数の第1のパラメータは、充電電流の大きさを含んでもよい。前述したように、定電圧充電中に流れる充電電流の大きさは、亜鉛電池10の充電電荷量と密接な相関を有する。したがって、一又は複数の第1のパラメータが充電電流の大きさを含む場合、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを容易に検知することができる。
本実施形態のように、定電圧充電から定電流充電への切り替えのために参照される一又は複数の第1のパラメータは、充電電流の単位時間あたりの変化量を含んでもよい。前述したように、定電圧充電中における充電電流の単位時間あたりの変化量は、亜鉛電池10の充電電荷量と密接な相関を有する。したがって、一又は複数の第1のパラメータが充電電流の単位時間あたりの変化量を含む場合、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたことを容易に検知することができる。
本実施形態のように、定電流充電から定電圧充電への切り替えのために参照される一又は複数の第2のパラメータは、充電電圧の大きさを含んでもよい。前述したように、定電流充電中に生じる充電電圧の大きさは、亜鉛電池10の充電電荷量と密接な相関を有する。したがって、一又は複数の第2のパラメータが充電電圧の大きさを含む場合、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q2を下回ったことを容易に検知することができる。
前述したように、定電圧充電における充電電流の大きさ、及び定電流充電における充電電圧の大きさといったパラメータは、亜鉛電池10の温度に応じて変動する。したがって、本実施形態のように、定電圧充電から定電流充電への切り替えのために参照される第1のパラメータ、及び定電流充電から定電圧充電への切り替えのために参照される第2のパラメータのうち少なくとも一方を、亜鉛電池10の温度に基づいて補正してもよい。これにより、亜鉛電池10の充電電荷量が閾値Q1を超えたこと、又は閾値Q2を下回ったことをより精度よく検知することができる。
本発明による亜鉛電池の制御方法及び電源システムは、上述した実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電源システム、2…供給要素、4…需要要素、6A〜6D…配線、7…コンバータ、8…インバータ、10…亜鉛電池、12…BCU、14…制御部、141…プロセッサ、142…メモリ、143…通信インタフェース、N…ノード、P11…充電期間、P12…待機期間、Q1…第1の閾値、Q2…第2の閾値、Ta…第3の閾値。
Claims (9)
- 亜鉛電池を充電状態で待機させる方法であって、
前記亜鉛電池の定電圧充電を行う定電圧充電ステップと、
前記亜鉛電池の定電流充電を行う定電流充電ステップと、
を含み、
前記定電圧充電ステップにおいて、前記亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えた場合、及び前記亜鉛電池の充電電荷量が前記第1の閾値を超えたことを前記亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、前記定電圧充電ステップから前記定電流充電ステップへ移行する、亜鉛電池の制御方法。 - 前記定電流充電ステップにおいて、前記亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回った場合、前記亜鉛電池の充電電荷量が前記第2の閾値を下回ったことを前記亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータが示唆した場合、及び、前記定電流充電の開始からの経過時間が第3の閾値を超えた場合のうち少なくとも一つの場合に、前記定電流充電ステップから前記定電圧充電ステップへ移行する、請求項1に記載の亜鉛電池の制御方法。
- 前記定電流充電ステップにおける充電電流の大きさは、前記定電圧充電ステップにおける前記定電流充電ステップへの切り替え直前の充電電流の大きさ以下である、請求項1または2に記載の亜鉛電池の制御方法。
- 前記一又は複数の第1のパラメータは、充電電流の大きさを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の亜鉛電池の制御方法。
- 前記一又は複数の第1のパラメータは、充電電流の単位時間あたりの変化量を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の亜鉛電池の制御方法。
- 前記一又は複数の第2のパラメータは、充電電圧の大きさを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の亜鉛電池の制御方法。
- 前記第1及び第2のパラメータのうち少なくとも一方を、前記亜鉛電池の温度に基づいて補正する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の亜鉛電池の制御方法。
- 亜鉛電池と、
前記亜鉛電池の充電及び放電を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記亜鉛電池を充電状態で待機させる際に、前記亜鉛電池を定電圧にて充電する定電圧充電動作と、前記亜鉛電池を定電流にて充電する定電流充電動作と、を行い、前記定電圧充電動作において、前記亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えた場合、及び、前記亜鉛電池の充電電荷量が第1の閾値を超えたことを前記亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第1のパラメータが示唆した場合のうち少なくとも一方の場合に、前記定電圧充電動作から前記定電流充電動作へ移行する、電源システム。 - 前記制御部は、前記定電流充電動作において、前記亜鉛電池の充電電荷量が第2の閾値を下回った場合、前記亜鉛電池の充電電荷量が前記第2の閾値を下回ったことを前記亜鉛電池の充電電荷量と相関を有する一又は複数の第2のパラメータが示唆した場合、及び、前記定電流充電動作の開始からの経過時間が第3の閾値を超えた場合のうち少なくとも一つの場合に、前記定電流充電動作から前記定電圧充電動作へ移行する、請求項8に記載の電源システム。
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