JP2021197769A - 亜鉛電池の劣化状態推定方法及び電源システム - Google Patents

亜鉛電池の劣化状態推定方法及び電源システム Download PDF

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Abstract

【課題】使用中において亜鉛電池の劣化状態を推定することが可能な方法及び電源システムを提供する。【解決手段】この方法は、亜鉛電池の劣化状態を推定する方法であって、亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを取得するデータ取得ステップと、定電流充電期間における充電電圧の時間的変化、定電流充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及び定電圧充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定ステップと、を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、亜鉛電池の劣化状態推定方法及び電源システムに関する。
特許文献1には、二次電池の劣化状態推定装置に関する技術が開示されている。この装置は、定電流定電圧充電又は定電力定電圧充電における定電圧充電に移行した際の第1電流値と、定電圧充電に移行した後所定時間経過後の第2電流値とを取得し、第1電流値から第2電流値への時間変化の傾きを求め、この傾きの値に基づいて二次電池の劣化状態を推定する。
特開2018−155706号公報
近年、例えば無停電電源または車載用などの電源システムに用いられる蓄電池として、亜鉛電池が注目されている。例えばニッケル亜鉛電池は、水酸化カリウム水溶液等の水系電解液を用いる水系電池であることから、高い安全性を有すると共に、亜鉛電極とニッケル電極との組み合わせにより、水系電池としては高い起電力を有する。さらに、ニッケル亜鉛電池は、優れた入出力性能に加えて、低コストといった利点を有する。このような電源システムでは、亜鉛電池の劣化状態を使用中に知り得ることが望まれる。亜鉛電池の劣化が進むと放電容量が次第に低下するので、劣化した状態で亜鉛電池の使用を続けると、亜鉛電池の放電容量が不足して十分な電力を供給できないおそれがあるからである。例えば亜鉛電池を完全に放電し、再び満充電とするときの充電電流量を積算して放電容量値を検知することにより劣化状態を知ることもできるが、亜鉛電池の使用中においてそのような操作を行うことは困難である。本発明の一側面は、使用中において亜鉛電池の劣化状態を推定することが可能な方法及び電源システムを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る亜鉛電池の劣化状態推定方法は、亜鉛電池の劣化状態を推定する方法であって、亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを取得するデータ取得ステップと、定電流充電期間における充電電圧の時間的変化、定電流充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及び定電圧充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定ステップと、を含む。
本発明の一側面に係る電源システムは、亜鉛電池と、亜鉛電池の充放電を制御する制御回路と、亜鉛電池の充電電圧及び充電電流を検出する検出部と、亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを記憶する記憶部と、定電流充電期間における充電電圧の時間的変化、定電流充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及び定電圧充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定部と、を備える。
本発明者の実験によれば、亜鉛電池の劣化が進むに従い、定電流充電期間における充電電圧の時間変化の特性、及び定電圧充電期間における充電電流の時間変化の特性が少しずつ変動する。また、これにより、定電流充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧(例えば定電圧充電の電圧)に到達するまでの到達時間もまた、亜鉛電池が劣化するに従って少しずつ変動する。これらの方法及びシステムでは、定電流充電期間における充電電圧の時間的変化、上記到達時間、及び定電圧充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する。故に、使用中において亜鉛電池の劣化状態を推定することができる。
上記の方法の状態推定ステップでは、定電流充電期間における充電電圧の時間的変化を表す量として、定電流充電期間の開始直後における充電電圧の単位時間当たりの変化量を用いてもよい。本発明者の実験によれば、定電流充電期間の開始直後における充電電圧の単位時間当たりの変化量は、亜鉛電池の劣化が進むに従い大きく変動する。故に、この場合、亜鉛電池の劣化状態を精度良く推定することができる。
上記の方法の状態推定ステップでは、定電圧充電期間における充電電流の時間的変化を表す量として、定電圧充電期間の開始直後における充電電流の単位時間当たりの変化量を用いてもよい。本発明者の実験によれば、定電圧充電期間の開始直後における充電電流の単位時間当たりの変化量は、亜鉛電池の劣化が進むに従い大きく変動する。故に、この場合、亜鉛電池の劣化状態を精度良く推定することができる。
本発明の別の側面に係る亜鉛電池の劣化状態推定方法は、亜鉛電池の劣化状態を推定する方法であって、亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを取得するデータ取得ステップと、定電流充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及び定電圧充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定ステップと、を含む。
本発明の別の側面に係る電源システムは、亜鉛電池と、亜鉛電池の充放電を制御する制御回路と、亜鉛電池の充電電圧及び充電電流を検出する検出部と、亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを記憶する記憶部と、定電流充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及び定電圧充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定部と、を備える。
本発明者の実験によれば、亜鉛電池の劣化が進むに従い、定電流充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及び定電圧充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性が少しずつ変動する。これらの方法及びシステムでは、定電流充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及び定電圧充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定する。故に、使用中において亜鉛電池の劣化状態を推定することができる。
上記の各方法のデータ取得ステップにおいて、亜鉛電池の放電中における亜鉛電池の端子電圧の時系列データを取得し、状態推定ステップにおいて、亜鉛電池の放電中における端子電圧の時間的変化と亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定してもよい。充電中に限らず、放電中における端子電圧の時間的変化の特性もまた、亜鉛電池の劣化が進むに従い少しずつ変動する。故に、放電時の端子電圧の時間的変化を劣化推定の材料として加えることにより、亜鉛電池の劣化状態をより精度良く推定することができる。
上記の各方法のデータ取得ステップにおいて、亜鉛電池の放電中における亜鉛電池の端子電圧の時系列データと、亜鉛電池の放電電荷量の時系列データとを取得し、状態推定ステップにおいて、亜鉛電池の放電中における端子電圧の放電電荷量に対する特性と、亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、亜鉛電池の劣化状態を推定してもよい。充電中に限らず、放電中における端子電圧の充電電荷量に対する特性もまた、亜鉛電池の劣化が進むに従い少しずつ変動する。故に、放電時の端子電圧の充電電荷量に対する特性を劣化推定の材料として加えることにより、亜鉛電池の劣化状態をより精度良く推定することができる。
本発明の一側面によれば、使用中において亜鉛電池の劣化状態を推定することが可能な方法及び電源システムを提供できる。
図1は、電源システム及びその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。 図2は、制御部のハードウェア構成例を示す図である。 図3は、制御部の機能ブロックを示す図である。 図4は、発明者のサイクル寿命試験の容量確認試験(DOD100%)により得られたグラフであって、亜鉛電池の放電容量維持率の時間変化を示す。 図5は、発明者のサイクル寿命試験(DOD30%)により得られたグラフであって、CC充電期間及びその後のCV充電期間における充電電流の時間変化を示す。 図6は、発明者のサイクル寿命試験(DOD30%)により得られたグラフであって、図5と同じ期間における充電電圧の時間変化を示す。 図7は、サイクル寿命試験(DOD30%)における亜鉛電池の端子電圧と放電電荷量との関係を示す。 図8は、亜鉛電池の状態推定方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による亜鉛電池の劣化状態推定方法及び電源システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、亜鉛電池とは、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池、及び銀亜鉛電池等、負極に亜鉛を用いる電池の概念である。
図1は、電源システム1及びその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。電源システム1が適用される場面は限定されず、例えば、電源システム1は固定物にも移動体にも適用可能である。固定物への適用の例として、電源システム1は、UPSとして家庭、オフィス、工場、農場等の様々な場所で利用され得る。
電源システム1は、電源システム1に電力を供給可能な供給要素2と、電源システム1から電力を受け取ることが可能な需要要素(負荷)4との間に設けられる。電源システム1と供給要素2とは交流電流が流れる配線6Aを介して電気的に接続され、需要要素4と電源システム1とは、交流電流が流れる配線6Bを介して電気的に接続される。供給要素2から出力された電力は、配線6Aを通じて電源システム1に蓄えられ、また配線6A,6Bを通じて需要要素4に供給される。電源システム1に蓄えられた電力は、配線6Bを通じて需要要素4に供給される。
供給要素2は、電源システム1に電力を供給可能な装置または設備である。供給要素2の種類は何ら限定されない。例えば、供給要素2は、再生可能エネルギを利用して発電を行う発電装置であってもよい。発電方法および発電装置の種類は何ら限定されず、例えば、発電装置は太陽光発電装置でもよいし風力発電機でもよい。供給要素2は、発電、変電、送電、および配電を統合した商用電源の設備である外部の電力系統であってもよい。外部の電力系統は、例えば電力会社により提供される。供給要素2は、自動車などの移動体に搭載された発電機であってもよい。
需要要素4は、電源システム1から電力を受け取ることが可能な装置または設備である。需要要素4の種類も何ら限定されない。需要要素4は、電力を消費する1以上の機器または装置の集合である負荷であってもよい。負荷の例として、1以上の家庭用、業務用または車載用の様々な電気機器の集合と、任意の装置の任意の構成要素とが挙げられる。
電源システム1は、コンバータ7、インバータ8、亜鉛電池10、バッテリ・コントロール・ユニット(Battery Control Unit:BCU)12、及び制御部14を備える。コンバータ7の入力端は配線6Aを介して供給要素2と電気的に接続されており、コンバータ7の出力端は、直流電流が流れる配線6Cを介してインバータ8の入力端と電気的に接続されている。インバータ8の出力端は、配線6Bを介して需要要素4と電気的に接続されている。配線6Bの途中のノードNは、直流電流が流れる配線6Dを介して亜鉛電池10と電気的に接続されている。図1の例では電源システム1は1組の亜鉛電池10及びBCU12を備えるが、その組数は限定されず、2以上でもよい。複数の組が存在する場合に、亜鉛電池10の性能(例えば、定格容量、応答速度など)は統一されてもよいし、統一されなくてもよい。制御部14は、通信線を介してコンバータ7、インバータ8、及びBCU12と通信可能に接続される。
亜鉛電池10は、供給要素2から提供される電力を化学エネルギに変えて蓄える装置であり、充放電が可能である。亜鉛電池10は、直列に接続された複数のセルを含んで構成される。亜鉛電池10には制御機能としてのBCU12が接続されている。BCU12は、亜鉛電池10に関するデータを制御部14に送信する。
BCU12は、検出部を兼ねる。すなわち、BCU12は、亜鉛電池10の充放電電流及び端子電圧を継続的に検出する。また、BCU12は、亜鉛電池10の充放電電流を時間的に積算することにより充電電荷量を継続的に測定する。放電容量に対する充電電荷量の割合は、SOC(State Of Charge)と称される。BCU12が検出した充放電電流及び端子電圧に関する情報、及びBCU12が測定した充電電荷量に関する情報は、制御部14に逐次送信される。なお、充電電荷量の算出に必要な情報をBCU12が制御部14に送信し、制御部14が充電電荷量を算出してもよい。
コンバータ7及びインバータ8は、亜鉛電池10の充電及び放電を制御する制御回路の例である。コンバータ7は、電力を交流から直流に変換する装置であり、インバータ8は、電力を直流から交流に変換する装置である。交流入力側の電源異常(停電、電圧低下等)または電力不足が発生した場合、亜鉛電池10に充電された直流電力をインバータ8で逆変換し、交流出力の供給を継続する。本実施形態の制御部14は、BCU12から得られる亜鉛電池10のSOCに基づいて、コンバータ7及びインバータ8の動作を制御することにより、亜鉛電池10の充放電を制御する。充電モードでは、供給要素2から出力された電力の一部を亜鉛電池10に蓄え、放電モードでは、亜鉛電池10を強制的に放電させて需要要素4に電力を供給する。
制御部14は、亜鉛電池10の充電及び放電を制御するとともに、亜鉛電池10の劣化状態を推定するコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)である。図2は、制御部14のハードウェア構成例を示す図である。この図に示すように、制御部14は、プロセッサ141、メモリ142、および通信インタフェース143を有する。プロセッサ141は例えばCPUであり、メモリ142は例えばフラッシュメモリで構成されるが、制御部14を構成するハードウェア装置の種類はこれらに限定されず、任意に選択されてよい。制御部14の各機能は、プロセッサ141が、メモリ142に格納されているプログラムを実行することで実現される。例えば、プロセッサ141は、メモリ142から読み出したデータまたは通信インタフェース143を介して受信したデータに対して所定の演算を実行し、その演算結果を他の装置に出力することで、該他の装置を制御する。あるいは、プロセッサ141は受信したデータまたは演算結果をメモリ142に格納する。制御部14は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータの集合(すなわち分散システム)で構成されてもよい。
ここで、制御部14における亜鉛電池10の劣化状態の推定について説明する。図3は、制御部14の機能ブロックを示す図である。図3に示されるように、制御部14は、記憶部14aと、状態推定部14bと、警告部14cとを備える。記憶部14aは、例えば図2に示されたメモリ142によって実現される。記憶部14aは、BCU12により測定された亜鉛電池10の端子電圧及び充放電電流を継続的に記憶することにより、これらの電圧及び電流の経時変化に関するデータ(時系列データ)を記憶する。これらの時系列データには、亜鉛電池10の放電中における亜鉛電池10の端子電圧の時系列データと、亜鉛電池10を放電後に充電するための定電流(CC:Constant Current)充電期間における充電電圧の時系列データと、CC充電期間後の定電圧(CV:Constant Voltage)充電期間における充電電流の時系列データと、が含まれる。なお、充電電圧は、充電中における亜鉛電池の端子電圧と同義である。また、記憶部14aは、これらの時系列データに加えて、CC充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧(例えばその後のCV充電における一定電圧)に到達するまでの到達時間を、更に記憶してもよい。
状態推定部14bは、例えば図2に示されたプロセッサ141が、メモリ142に格納されているプログラムを実行することにより実現される。状態推定部14bは、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。なお、劣化状態の推定とは、亜鉛電池10の劣化状態を示す何らかの数値を算出又は取得することをいい、亜鉛電池10の放電容量の低下度合い(すなわち放電容量維持率)を算出する処理も劣化状態の推定に含まれる。
ここで、図4〜図6は、発明者のサイクル寿命試験により得られたグラフである。図4は、亜鉛電池10の放電容量維持率の時間変化、すなわち試験前の放電容量を100%としたときの各サイクル時における放電容量の割合を示す。放電容量維持率の時間変化は、亜鉛電池10の劣化の進行度合いを表す。図4において、縦軸は放電容量維持率(単位:%)を表し、横軸はサイクル数を表す。図5は、CC充電期間及びその後のCV充電期間における充電電流の時間変化を示す。図5において、縦軸は充電電流の大きさ(単位:A)を表し、横軸は時間(単位:Hour)を表す。図6は、図5と同じ期間における充電電圧の時間変化を示す。図6において、縦軸は充電電圧の大きさ(単位:V)を表し、横軸は時間(単位:Hour)を表す。図5及び図6において、グラフG11,G21は1サイクル経過時点を表し、グラフG12,G22は50サイクル経過時点を表し、グラフG13,G23は800サイクル経過時点を表し、グラフG14,G24は1600サイクル経過時点を表す。なお、図4は、容量確認試験(DOD100%)時の放電容量維持率とサイクル数の関係を示し、図5及び図6は、DOD30%のサイクル寿命試験時の充電電流および充電電圧の時間変化を示す。DODは、各放電サイクルの放電深度(Depth of Discharge)である。図5及び図6の試験では、電池温度を25℃とし、各放電サイクルの放電電荷量を2.4Ah(DOD30%)とし、各放電サイクルの放電電流を1Cとし、放電と充電との間の休止時間を0とし、CC充電時の充電電流を1Cとし、CV充電時の充電電圧を1.9Vとし、充電電流が0.05Cになった時点でCV充電を終了し、容量確認試験を50サイクル毎に実施した。また、容量確認試験では、電池温度を25℃とし、DODを100%とし、容量確認電流を1Cとし、容量確認終止電圧を1.1Vとし、CC充電時の充電電流を1Cとし、CV充電時の充電電圧を1.9Vとし、充電電流が0.05Cになった時点でCV充電を終了した。なお、本明細書において、電池の理論容量を1時間で完全放電させる電流の大きさを1Cと定義する。
図4を参照すると、サイクル数が増加するにしたがって放電容量維持率が次第に減少していることがわかる。これは、放電および充電を繰り返すことによって亜鉛電池10が徐々に劣化することを示している。また、図6を参照すると、CC充電期間においては、サイクル数によって充電電圧の時間的変化の様子が異なることがわかる。具体的には、サイクル数が少ないほど充電電圧の時間変化率(グラフの傾き)が小さく、サイクル数が多いほど充電電圧の時間変化率が大きい。この傾向は、CC充電期間の開始直後において特に顕著である。したがって、サイクル数が少ないほど、CV充電の一定電圧(この試験では1.9V)に遅く到達し、サイクル数が多いほど、CV充電の一定電圧に早く到達する。
また、図5を参照すると、CV充電期間においては、サイクル数によって充電電流の変化の様子が異なることがわかる。具体的には、サイクル数が少ない場合、CV充電期間の開始直後では充電電流の時間変化率が大きく、充電電流は急速に低下する。これに対し、CV充電期間の中程より後においては充電電流の時間変化率が小さくなり、充電電流の低下速度は緩慢になる。一方、サイクル数が多い場合には、サイクル数が少ない場合と比較して、CV充電期間の開始直後における充電電流の時間変化率は小さく、充電電流の低下速度もやや緩慢である。そして、CV充電期間の中程より後においては、充電電流の時間変化率はサイクル数が少ないときほど小さくはならず、充電電流の低下速度はサイクル数が少ないときよりも僅かに大きい。
この試験結果から、CC充電期間における充電電圧の時間的変化、CC充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧(この試験ではCV充電電圧)に到達するまでの到達時間、及び、CV充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池10の劣化度合いとの間には、有意な相関関係が存在することがわかる。本実施形態の制御部14は、この相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。
具体的には、状態推定部14bは、CC充電期間における充電電圧の時系列データと、CV充電期間における充電電流の時系列データとを、記憶部14aから読み出す。そして、状態推定部14bは、CC充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧(例えばCV充電電圧)に到達するまでの到達時間を充電電圧の時系列データから求め、CC充電期間における充電電圧の時間的変化、前記到達時間、及びCV充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。なお、CC充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間に関するデータを記憶部14aが記憶し、状態推定部14bはこのデータを読み出してもよい。
前述したように、CC充電期間の開始直後においては、サイクル数による充電電圧の時間変化率の変動が顕著である。したがって、状態推定部14bは、CC充電期間における充電電圧の時間的変化を表す量として、CC充電期間の開始直後における充電電圧の時間変化率すなわち単位時間当たりの変化量を用いてもよい。また、CV充電期間の開始直後においては、サイクル数による充電電流の時間変化率の変動が顕著である。したがって、状態推定部14bは、CV充電期間における充電電流の時間的変化を表す量として、CV充電期間の開始直後における充電電流の時間変化率すなわち単位時間当たりの変化量を用いてもよい。
劣化状態の推定は、例えば次のようにして行うことができる。まず、亜鉛電池10と同一の構造を備える亜鉛電池について、上記と同様のサイクル試験を予め実施しておく。そして、得られたサイクル数毎の充電電圧及び充電電流の時間的変化(例えば単位時間当たりの変化量)と、CC充電期間における充電電圧が所定電圧(例えばCV充電電圧)に到達するまでの到達時間と、サイクル数毎の放電容量維持率とを、相関関係を示すデータとして記憶部14aに記憶させる。状態推定部14bは、電源システム1の運用中に、CC充電期間における充電電圧の時間的変化、CC充電期間における充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及びCV充電期間における充電電流の時間的変化について該データを参照し、その時点での放電容量維持率を推定する。
なお、記憶部14aは、亜鉛電池10のCC充電期間前の放電中における亜鉛電池10の端子電圧の時系列データを更に記憶してもよい。そして、状態推定部14bは、亜鉛電池10の放電中における端子電圧の時間的変化と亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定してもよい。充電中に限らず、放電中における端子電圧の時間変化の特性もまた、亜鉛電池10の劣化が進むに従い少しずつ変動する。故に、放電時の端子電圧の時間的変化を劣化推定の材料として加えることにより、亜鉛電池10の劣化状態をより精度良く推定することができる。
図7は、サイクル試験(DOD30%)における亜鉛電池10の端子電圧の放電電荷量に対する特性を示す。この図において、縦軸は端子電圧(単位:V)を表し、横軸は放電電荷量(単位:Ah)を表す。この図において、グラフG31は1サイクル開始時点を表し、グラフG32は50サイクル経過時点を表し、グラフG33は800サイクル経過時点を表し、グラフG34は1600サイクル経過時点を表す。
図7を参照すると、サイクル数によって端子電圧の放電電荷量に対する特性が異なることがわかる。具体的には、すべて放電電荷量はDOD30%分の2.4Ah放電しているにもかかわらず、放電末期の電圧が大きく異なる。サイクル数が多くなる程、放電末期電圧は小さくなり、放電曲線の傾きも大きくなる。
この試験結果から、放電時における端子電圧の放電電荷量に対する特性と、亜鉛電池10の劣化度合いとの間には、有意な相関関係が存在することがわかる。実施形態の制御部14は、この相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。
具体的には、状態推定部14bは、CC充電期間前の放電期間における端子電圧の時系列データと、その放電期間における放電電流の時系列データとを、記憶部14aから読み出す。状態推定部14bは、放電電流を積算することにより放電電荷量の時系列データを求め、端子電圧の放電電荷量に対する特性(例えば単位放電電荷量あたりの端子電圧の変化量)を求める。状態推定部14bは、この特性と亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。
劣化状態の推定は、例えば次のようにして行うことができる。まず、亜鉛電池10と同一の構造を備える亜鉛電池について、上記と同様のサイクル試験を予め実施しておく。そして、得られたサイクル数毎の端子電圧の放電電荷量に対する特性(例えば単位放電電荷量あたりの端子電圧の変化量)と、サイクル数毎の放電容量維持率とを、相関関係を示すデータとして記憶部14aに記憶させる。状態推定部14bは、電源システム1の運用中に、放電期間における端子電圧の放電電荷量に対する特性について該データを参照し、その時点での放電容量維持率を推定する。
なお、状態推定部14bは、亜鉛電池10のCC充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係、及び、亜鉛電池10のCV充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係、のうち少なくとも一方の相関関係に更に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定してもよい。放電中に限らず、充電中における充電電圧及び充電電流の充電電荷量に対する特性もまた、亜鉛電池10の劣化が進むに従い少しずつ変動する。故に、充電時における充電電圧及び充電電流の少なくとも一方の充電電荷量に対する特性を劣化推定の材料として加えることにより、亜鉛電池10の劣化状態をより精度良く推定することができる。
警告部14cは、状態推定部14bから、亜鉛電池10の劣化状態を示す情報(例えば放電容量維持率)を取得する。警告部14cは、取得した情報に基づく亜鉛電池10の劣化の程度が所定の程度を上回った場合に、亜鉛電池10を新品へ交換することを使用者に促す。所定の程度は、放電容量維持率が例えば80%以下となる場合に相当する程度である。警告部14cは、例えば、亜鉛電池10の交換を促すための警告画像を表示するディスプレイを含む。或いは、警告部14cは、亜鉛電池10の交換を促すための信号を外部装置へ出力してもよい。
ここで、電源システム1を用いた亜鉛電池10の状態推定方法について説明する。図8は、本実施形態の亜鉛電池10の状態推定方法を示すフローチャートである。この方法は、準備ステップST1と、データ取得ステップST2と、状態推定ステップST3とを含む。
準備ステップST1は、亜鉛電池10の使用前に行われる。準備ステップST1では、亜鉛電池10と同一の構造を備える試験用電池を用意し、この試験用電池に対してサイクル試験を行い、サイクル数毎の端子電圧及び充放電電流の時間的変化(例えば単位時間当たりの変化量)に関する試験データと、CC充電期間における充電電圧が所定電圧(例えばCV充電電圧)に到達するまでの到達時間に関するサイクル数毎の試験データと、サイクル数毎の放電容量維持率に関する試験データとを取得する。加えて、端子電圧及び充放電電流の放電電荷量または充電電荷量に対する特性(例えば単位放電電荷量あたりの端子電圧の変化量)に関するサイクル数毎の試験データを取得する。そして、これらの試験データを記憶部14aに記憶させる。
データ取得ステップST2では、電源システム1の使用中に、亜鉛電池10の端子電圧及び充放電電流の時系列データをBCU12から取得する。この時系列データには、放電中における端子電圧及び放電電流の時系列データと、CC充電期間における充電電圧の時系列データと、CV充電期間における充電電流の時系列データとが含まれる。そして、これらのデータを記憶部14aに記憶させる。
状態推定ステップST3では、電源システム1の使用中に、記憶部14aに記憶されたデータから、CC充電期間における充電電圧の時間的変化、CC充電期間における充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及びCV充電期間における充電電流の時間的変化を知得する。そして、これらの時間的変化及び到達時間と、記憶部14aに記憶された試験データとを対照して比較する。加えて、記憶部14aに記憶されたデータから、CC充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及びCV充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、記憶部14aに記憶された試験データとを対照して比較する。これらの比較結果に基づいて、その時点での放電容量維持率を推定する。
状態推定ステップST3では、CC充電期間における充電電圧の時間的変化を表す量として、例えば、CC充電期間の開始直後における充電電圧の単位時間当たりの変化量を用いる。また、状態推定ステップST3では、CV充電期間における充電電流の時間的変化を表す量として、例えば、CV充電期間の開始直後における充電電流の単位時間当たりの変化量を用いる。
また、状態推定ステップST3では、亜鉛電池10の放電中における端子電圧の時間的変化と亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。加えて、亜鉛電池10の放電中における端子電圧の放電電荷量に対する特性と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。亜鉛電池10の劣化の程度が所定の程度を上回った場合には、必要に応じて、警告部14cにより亜鉛電池10の交換を促す。
以上に説明した本実施形態による亜鉛電池10の劣化状態推定方法及び電源システム1によって得られる効果について説明する。前述したように、本発明者の実験によれば、亜鉛電池10の劣化が進むに従い、CC充電期間における充電電圧の時間変化の特性、及びCV充電期間における充電電流の時間変化の特性が少しずつ変動する。また、これにより、CC充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間もまた、亜鉛電池10が劣化するに従って少しずつ変動する。本実施形態では、CC充電期間における充電電圧の時間的変化、上記到達時間、及びCV充電期間における充電電流の時間的変化と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。故に、使用中において亜鉛電池10の劣化状態を推定することができる。
本実施形態のように、状態推定ステップST3では、CC充電期間における充電電圧の時間的変化を表す量として、CC充電期間の開始直後における充電電圧の単位時間当たりの変化量を用いてもよい。本発明者の実験によれば、CC充電期間の開始直後における充電電圧の単位時間当たりの変化量は、亜鉛電池10の劣化が進むに従い、初期と比べて大きく変動する。故に、この場合、亜鉛電池10の劣化状態を精度良く推定することができる。
本実施形態のように、状態推定ステップST3では、CV充電期間における充電電流の時間的変化を表す量として、CV充電期間の開始直後における充電電流の単位時間当たりの変化量を用いてもよい。本発明者の実験によれば、CV充電期間の開始直後における充電電流の単位時間当たりの変化量は、亜鉛電池10の劣化が進むに従い、初期と比べて大きく変動する。故に、この場合、亜鉛電池10の劣化状態を精度良く推定することができる。
本発明者の実験によれば、亜鉛電池10の劣化が進むに従い、CC充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及びCV充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性が少しずつ変動する。本実施形態では、CC充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及びCV充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定する。故に、使用中において亜鉛電池10の劣化状態を推定することができる。
本実施形態のように、データ取得ステップST2において、亜鉛電池10の放電中における亜鉛電池10の端子電圧の時系列データを取得してもよい。そして、状態推定ステップST3において、亜鉛電池10の放電中における端子電圧の時間的変化と亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定してもよい。充電中に限らず、放電中における端子電圧の時間変化の特性もまた、亜鉛電池10の劣化が進むに従い少しずつ変動する。故に、放電時の端子電圧の時間的変化を劣化推定の材料として加えることにより、亜鉛電池10の劣化状態をより精度良く推定することができる。
本実施形態のように、データ取得ステップST2において、亜鉛電池10の放電中における、亜鉛電池10の端子電圧の時系列データと放電電荷量の時系列データとを取得し、状態推定ステップST3において、亜鉛電池10の放電中における端子電圧の放電電荷量に対する特性と、亜鉛電池10の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、亜鉛電池10の劣化状態を推定してもよい。充電中に限らず、放電中における端子電圧の放電電荷量に対する特性もまた、亜鉛電池10の劣化が進むに従い少しずつ変動する。故に、放電時の端子電圧の放電電荷量に対する特性を劣化推定の材料として加えることにより、亜鉛電池10の劣化状態をより精度良く推定することができる。
本発明による亜鉛電池の劣化状態推定方法及び電源システムは、上述した実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電源システム、2…供給要素、4…需要要素、6A〜6D…配線、7…コンバータ、8…インバータ、10…亜鉛電池、12…BCU、14…制御部、14a…記憶部、14b…状態推定部、14c…警告部、141…プロセッサ、142…メモリ、143…通信インタフェース、N…ノード、ST1…準備ステップ、ST2…データ取得ステップ、ST3…状態推定ステップ。

Claims (8)

  1. 亜鉛電池の劣化状態を推定する方法であって、
    前記亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び前記定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを取得するデータ取得ステップと、
    前記定電流充電期間における充電電圧の時間的変化、前記定電流充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及び前記定電圧充電期間における充電電流の時間的変化と、前記亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、前記亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定ステップと、
    を含む、亜鉛電池の劣化状態推定方法。
  2. 前記状態推定ステップでは、前記定電流充電期間における充電電圧の時間的変化を表す量として、前記定電流充電期間の開始直後における充電電圧の単位時間当たりの変化量を用いる、請求項1に記載の亜鉛電池の劣化状態推定方法。
  3. 前記状態推定ステップでは、前記定電圧充電期間における充電電流の時間的変化を表す量として、前記定電圧充電期間の開始直後における充電電流の単位時間当たりの変化量を用いる、請求項1または2に記載の亜鉛電池の劣化状態推定方法。
  4. 亜鉛電池の劣化状態を推定する方法であって、
    前記亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び前記定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを取得するデータ取得ステップと、
    前記定電流充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及び前記定電圧充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、前記亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、前記亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定ステップと、
    を含む、亜鉛電池の劣化状態推定方法。
  5. 前記データ取得ステップにおいて、前記亜鉛電池の放電中における前記亜鉛電池の端子電圧の時系列データを取得し、
    前記状態推定ステップにおいて、前記亜鉛電池の放電中における端子電圧の時間的変化と前記亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、前記亜鉛電池の劣化状態を推定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の亜鉛電池の劣化状態推定方法。
  6. 前記データ取得ステップにおいて、前記亜鉛電池の放電中における前記亜鉛電池の端子電圧及び放電電荷量の時系列データを取得し、
    前記状態推定ステップにおいて、前記亜鉛電池の放電中における端子電圧の放電電荷量に対する特性と、前記亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に更に基づいて、前記亜鉛電池の劣化状態を推定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の亜鉛電池の劣化状態推定方法。
  7. 亜鉛電池と、
    前記亜鉛電池の充放電を制御する制御回路と、
    前記亜鉛電池の充電電圧及び充電電流を検出する検出部と、
    前記亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び前記定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを記憶する記憶部と、
    前記定電流充電期間における充電電圧の時間的変化、前記定電流充電期間における充電の開始から充電電圧が所定電圧に到達するまでの到達時間、及び前記定電圧充電期間における充電電流の時間的変化と、前記亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、前記亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定部と、
    を備える、電源システム。
  8. 亜鉛電池と、
    前記亜鉛電池の充放電を制御する制御回路と、
    前記亜鉛電池の充電電圧及び充電電流を検出する検出部と、
    前記亜鉛電池を放電後に充電するための定電流充電期間における充電電圧の時系列データ、及び前記定電流充電期間後の定電圧充電期間における充電電流の時系列データを記憶する記憶部と、
    前記定電流充電期間における充電電圧の充電電荷量に対する特性、及び前記定電圧充電期間における充電電流の充電電荷量に対する特性のうち少なくとも一方と、前記亜鉛電池の劣化度合いとの相関関係に基づいて、前記亜鉛電池の劣化状態を推定する状態推定部と、
    を備える、電源システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024108791A1 (zh) * 2022-11-25 2024-05-30 贵州梅岭电源有限公司 空间用锌银蓄电池的在轨贮存

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