JP2021195513A - プラズマ処理検知用インキ組成物及びプラズマ処理検知インジケータ - Google Patents

プラズマ処理検知用インキ組成物及びプラズマ処理検知インジケータ Download PDF

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Abstract

【課題】減圧プラズマ及び大気圧プラズマの種類やプラズマ強度の大小にかかわらず、変色速度を制御することによりプラズマ処理の完了を変色層の変色により従来品よりも高感度に確認することができるプラズマ処理検知インジケータ、及び当該変色層を形成するためのプラズマ処理検知用インキ組成物を提供する。【解決手段】1)有機染料、2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有することを特徴とするプラズマ処理検知用インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマ処理検知用インキ組成物及びそれを用いたプラズマ処理検知インジケータに関する。なお、本明細書におけるプラズマ処理は、プラズマ発生用ガスを用い、交流電圧、パルス電圧、高周波、マイクロ波等を印加することにより発生するプラズマを利用したプラズマ処理を意味し、減圧プラズマ及び大気圧プラズマの両方が該当する。
病院、研究所等において使用される各種の器材、器具等は、消毒及び殺菌のために滅菌処理が施される。この滅菌処理の一つとしてプラズマ処理が知られている(例えば、非特許文献1の「3.3.1低圧力放電プラズマを用いた滅菌実験」欄)。
また、プラズマ処理は、滅菌処理だけでなく半導体素子の製造におけるプラズマドライエッチング及び電子部品などの被処理物の表面のプラズマ洗浄にも用いられている。
プラズマドライエッチングは、一般には真空容器である反応チャンバー内に配置された電極に高周波電力を印加し、反応チャンバー内に導入したプラズマ発生用ガスをプラズマ化して半導体ウェハーを高精度にエッチングする。また、プラズマ洗浄は、電子部品などの被処理物の表面に析出又は付着した金属酸化物、有機物、バリ等を除去することにより、ボンディング性や半田の濡れ性を改善して接着強度を向上させたり、封止樹脂との密着性や濡れ性を改善させたりする。
これらのプラズマ処理の完了を検知する方法として、プラズマ処理雰囲気下で変色層が変色するプラズマ処理検知インジケータを用いる方法が知られている。
例えば、特許文献1には、有機染料と、光重合開始剤、シリカ及び疎水性アルミナからなる群から選択される少なくとも一種とを含有することを特徴とするプラズマ処理検知用インキ組成物、並びに、当該インキ組成物からなる変色層を基材上に形成したプラズマ処理検知インジケータが開示されている。
特許文献1のプラズマ処理検知インジケータは、減圧プラズマの中でもプラズマ強度が弱い設定の場合、及び一般的に減圧プラズマよりもプラズマ強度が弱い大気圧プラズマで用いる場合でもプラズマ処理の完了を判断することができる。
しかしながら、プラズマ処理検知インジケータに対する高性能化の要求の高まりから、特に大気圧プラズマで用いる場合には特許文献1に記載のプラズマ処理検知インジケータにおいても変色層の変色挙動に改善の余地があり検知の高感度化が求められている。
よって、上記問題点に鑑み、減圧プラズマ及び大気圧プラズマの種類やプラズマ強度の大小にかかわらず、変色速度を制御することによりプラズマ処理の完了を変色層の変色により従来品よりも高感度に確認することができるプラズマ処理検知インジケータ、及び当該変色層を形成するためのプラズマ処理検知用インキ組成物の開発が望まれている。
特開2016−065204号公報
Journal of Plasma and Fusion Research Vol.83, No.7 July 2007
本発明は、減圧プラズマ及び大気圧プラズマの種類やプラズマ強度の大小にかかわらず、変色速度を制御することによりプラズマ処理の完了を変色層の変色により従来品よりも高感度に確認することができるプラズマ処理検知インジケータ、及び当該変色層を形成するためのプラズマ処理検知用インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定組成のインキ組成物を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のプラズマ処理検知用インキ組成物及びプラズマ処理検知インジケータに関する。
1.1)有機染料、2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有することを特徴とするプラズマ処理検知用インキ組成物。
2.前記有機染料は、ニトロソ系染料、ニトロ系染料、モノアゾ系染料、ジアゾ系染料、トリアゾ系染料、ポリアゾ系染料、アゾイック系染料(ジアゾコンポーネント)、アゾイック系染料(カップリングコンポーネント)、スチルベン系染料、カロテノイド系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料、キノリン系染料、メチン系染料、チアゾール系染料、インダミン系染料、インドフェノール系染料、アジン系染料、オキサジン系染料、チアジン系染料、硫化系染料、ラクトン系染料、ヒドロキシケトン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、フタロシアニン系染料、天然系染料及び酸化系染料からなる群から選択される少なくとも一種である、上記項1に記載のインキ組成物。
3.前記光重合開始剤は、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンアキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤及びアニオン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一種である、上記項1又は2に記載のインキ組成物。
4.前記カチオン系界面活性剤は、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤である、上記項1〜3のいずれかに記載のインキ組成物。
5.更にバインダー樹脂を含有する、上記項1〜4のいずれかに記載のインキ組成物。
6.更に増量剤を含有する、上記項1〜5のいずれかに記載のインキ組成物。
7.上記項1〜6のいずれかに記載のインキ組成物からなる変色層を含むプラズマ処理検知インジケータ。
8.大気圧プラズマにおけるプラズマ処理検知に用いる、上記項7に記載のプラズマ処理検知インジケータ。
9.気体透過性包装体の内部に上記項7又は8に記載のインジケータが設けられているプラズマ処理用包装体。
10.前記インジケータを外部から確認できるように、包装体の一部に透明窓部が設けられている、上記項9に記載の包装体。
11.上記項9又は10に記載の包装体に被処理物を装填する工程、被処理物が装填された包装体を密封する工程、及び当該包装体をプラズマ処理雰囲気下に置く工程を有するプラズマ処理方法。
12.前記インジケータの変色層が変色するまで前記プラズマ処理雰囲気下に包装体を置く、上記項11に記載の処理方法。
本発明のプラズマ処理検知用インキ組成物は、プラズマ処理雰囲気下において変色する変色成分として1)有機染料を使用し、更に2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有することにより、当該インキ組成物からなる変色層のプラズマ処理雰囲気下での変色性(変色速度)が従来品と比べて向上している。よって、当該変色層を有するプラズマ処理検知インジケータは、減圧プラズマ及び大気圧プラズマの種類やプラズマ強度の大小にかかわらず、変色速度を制御することによりプラズマ処理の完了を変色層の変色により従来品よりも高感度に確認することができる。特に大気圧プラズマにおいても従来品よりも高感度にプラズマ処理の完了を検知できる点で有用性が大きい。
以下、本発明のプラズマ処理検知用インキ組成物及びプラズマ処理検知インジケータについて詳細に説明する。
1.プラズマ処理検知用インキ組成物
本発明のプラズマ処理検知用インキ組成物(以下、単に「インキ組成物」とも言う)は、1)有機染料、2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明のプラズマ処理検知用インキ組成物は、プラズマ処理雰囲気下において変色する変色成分として1)有機染料を使用し、更に2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有することにより、当該インキ組成物からなる変色層のプラズマ処理雰囲気下での変色性(変色速度)が従来品と比べて向上している。よって、当該変色層を有するプラズマ処理検知インジケータは、減圧プラズマ及び大気圧プラズマの種類やプラズマ強度の大小にかかわらず、変色速度を制御することによりプラズマ処理の完了を変色層の変色により従来品よりも高感度に確認することができる。特に大気圧プラズマにおいても従来品よりも高感度にプラズマ処理の完了を検知できる点で有用性が大きい。
以下、インキ組成物の各成分について説明する。
プラズマ処理雰囲気下における変色成分
本発明のインキ組成物は、プラズマ処理雰囲気下において、プラズマを検知するための変色成分として有機染料を用いる。有機染料は、プラズマ処理雰囲気下においてプラズマの作用により有機染料の構造が変化(一部分解、結合の切断等)することによって変色の挙動を示す。一般に有機染料はプラズマの作用により有色から無色に変化する。
有機染料としては、上記挙動を示すものであれば限定されないが、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、建染染料、分散染料、反応染料及び蛍光増白染料の中から適宜選択することができる。有機染料としては、具体的には、ニトロソ系染料(10000-10299)、ニトロ系染料(10300-10999)、モノアゾ系染料(11000-19999)、ジアゾ系染料(20000-29999)、トリアゾ系染料(30000-34999)、ポリアゾ系染料(35000-36999)、アゾイック系染料(ジアゾコンポーネント)(37000-37275)、アゾイック系染料(カップリングコンポーネント)(37500-37625)、スチルベン系染料(40000-40799)、カロテノイド系染料(40800-40999)、ジアリールメタン系染料(41000-41999)、トリアリールメタン系染料(42000-44999)、キサンテン系染料(45000-45999)、アクリジン系染料(46000-46999)、キノリン系染料(47000-47999)、メチン系染料(48000-48999)、チアゾール系染料(49000-49399)、インダミン系染料(49400-49699)、インドフェノール系染料(49700-49999)、アジン系染料(50000-50999)、オキサジン系染料(51000-51999)、チアジン系染料(52000-52999)、硫化系染料(53000-53999)、ラクトン系染料(54000-54999)、ヒドロキシケトン系染料(55000-55999)、アミノケトン系染料(56000-56999)、アントラキノン系染料(58000-72999)、インジゴイド系染料(73000-73999)、フタロシアニン系染料(74000-74999)、天然系染料(75000-75999)及び酸化系染料(76000-76999)からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる(括弧内はカラーインデックス(CI)ナンバーである)。上記の有機染料の中でも、下記に記載するアントラキノン系染料及びトリアリールメタン系染料の少なくとも一種が好ましく、特にプラズマ処理雰囲気下における変色し易さの観点からはアントラキノン系染料が好ましい。
アントラキノン系染料はアントラキノンを基本骨格とするものであれば限定的でなく、アントラキノン系分散染料等も使用できる。特にアミノ基を有するアントラキノン系染料が好ましい。より好ましくは、第一アミノ基及び第二アミノ基の少なくとも一種のアミノ基を有するアントラキノン系染料である。この場合、各アミノ基は、2以上有していてもよく、これらは互いに同種又は相異なってもよい。
具体的には、例えば1,4−ジアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 1)、1−アミノ−4−ヒドロキシ−2−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Red 4)、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン(C.I.Disperse Violet 4)、1,4−ジアミノ−2−メトキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 11)、1−アミノ−2−メチルアントラキノン(C.I.Disperse Orange 11)、1−アミノ−4−ヒドロキシアントラキノン(C.I.Disperse Red 15)、1,4,5,8−テトラアミノアントラキノン(C.I.Disperse Blue 1)、1,4−ジアミノ−5−ニトロアントラキノン(C.I.Disperse Violet 8)等を挙げることができる(カッコ内はカラーインデックス名)。
その他、C.I.Solvent Blue 14、C.I.Solvent Blue 35、C.I.Solvent Blue 63、C.I.Solvent Violet 13、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Solvent Red 52、C.I.Solvent Red 114、C.I.Vat Blue 21、C.I.Vat Blue 30、C.I.Vat Violet 15、C.I.Vat Violet 17、C.I.Vat Red 19、C.I.Vat Red 28、C.I.Acid Blue 23、C.I.Acid Blue 80、C.I.Acid Violet 43、C.I.Acid Violet 48、C.I.Acid Red 81、C.I.Acid Red 83、C.I.Reactive Blue 4、C.I.Reactive Blue 19、C.I.Disperse Blue 7 等として知られている染料も使用することができる。これらのアントラキノン系染料の中でもC.I Disperse Blue 7、C.I Disperse Violet 1 等が好ましい。
トリアリールメタン系染料としてはトリアリールメタン構造を有する染料であれば限定されない。例えば、C.I.Acid Blue 90、C.I.Acid Green 16、C.I.Acid Violet 49、C.I.Basic Red 9、C.I.Basic Blue 7、C.I.Acid Violet 1、C.I.Direct Blue 41、C.I.Mordnt Blue 1、C.I.Mordnt Violet 1等が挙げられる。
これらの有機染料は、1種又は2種以上を混合して使用することができ、染料の種類や混合の組み合わせを変えることにより変色状態における色彩(色の種類や濃度)及び検知感度を任意に調整することができる。
有機染料の含有量は、有機染料の種類、所望の色相等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中0.05〜20重量%程度、特に0.1〜10重量%とすることが望ましい。有機染料の含有量が20重量%を超える場合には、インキ組成物の調製時に溶剤への溶解性又は分散性が低下したり、変色層の形成時にインキ組成物の均一な塗膜を形成することが難しくなったりするおそれがある。また、インジケータを作製した際に変色層の色(変色前の色)が濃くなり過ぎるおそれがある。他方、有機染料の含有量が0.05重量%未満の場合には、インジケータを作製した際に変色層の色(変色前の色)が薄くなり過ぎ、特に変色層の厚さ変化に伴う色相変化が少なく階調性が低下するおそれがある。有機染料の含有量が過剰である場合及び過少である場合のいずれも、変色の前後における色変化が目視観察において確認し難くなるおそれがある。
本発明では、上記有機染料以外に色素又は顔料を併存させてもよい。例えば、プラズマ処理雰囲気下において非変色又は難変色の色素等を含有させてもよい。この非変色又は難変色の色素等としては、例えば、有機顔料、酸化チタン等が挙げられる。これにより、有機染料が変色した際の色調の変化を高めて変色の視認効果を一層高めることができる。なお、プラズマ処理雰囲気下において難変色の色素等には、プラズマ処理雰囲気下において物理的なエッチング作用を受けて若干変色する場合が含まれていてもよい。
光重合開始剤
本発明のインキ組成物は、プラズマ処理雰囲気下における1)有機染料の変色速度を向上させる変色促進剤として2)光重合開始剤、更に後述する3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有する。これらの変色促進剤を有機染料と併用することによって大気圧プラズマにおけるプラズマ処理であっても優れた検知感度を得ることができるとともに変色促進剤の含有量を調整することによって変色速度を制御することもできる。
2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤がそれぞれ変色促進剤として作用する理由の詳細は不詳であるが、光重合開始剤及び疎水性アルミナはそれぞれプラズマ処理雰囲気下でラジカルを発生することにより、有機染料の構造を変化させ(一部分解、結合の切断等)、それにより変色促進効果を発揮するものと考えられる。また、シリカはその表面がポーラスであることにより有機染料が付着する表面積が増加すること、及びシリカが本発明のインキ組成物の塗膜(変色層)自体の表面をポーラスにすることによりプラズマが当たり易い環境を作る効果があるため変色促進効果を発揮するものと考えられる。
光重合開始剤としては限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンアキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤及びアニオン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。これらの光重合開始剤の中でも、アルキルフェノン系光重合開始剤及びアシルフォスフィンアキサイド系光重合開始剤の少なくとも一種がより好ましい。
光重合開始剤の含有量は、その種類及び用いる有機染料の種類等に応じて適宜決定できるが、インキ組成物中の保存性及び変色促進効果を考慮して、一般的にはインキ組成物中0.05〜20重量%程度、特に1〜10重量%とすることが望ましい。光重合開始剤の含有量が20重量%を超える場合には、インキ組成物中に溶解しないで溶け残るおそれがある。また、光重合開始剤の含有量が0.05重量%未満の場合には、変色促進効果が十分に発揮されないおそれがある。
シリカ及び疎水性アルミナ
シリカ及び疎水性アルミナは、その片方又は両方を使用することができる。
シリカとしては限定されないが、例えば、疎水性のシリカが好ましい。シリカは疎水性を付与するために表面処理されたシリカであってもよい。シリカの平均粒子径は限定的ではないが、5〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
シリカの含有量は、その種類及び用いる有機染料の種類等に応じて適宜決定できるが、インキ組成物中の保存性及び変色促進効果を考慮して、一般的にはインキ組成物中1〜30重量%程度、特に2〜20重量%とすることが望ましい。シリカの含有量が20重量%を超える場合には、変色促進効果が十分に発揮されないおそれがある。また、シリカの含有量が0.1重量%未満の場合には、変色促進効果が十分に発揮されないおそれがある。
疎水性アルミナとしては疎水基を有する化合物により表面処理されたアルミナであれば限定されない。なお、未処理アルミナ及び親水性アルミナは後記の通り増量剤として使用することができるが、これらは表面処理の有無及び表面処理の種類の相違により疎水性アルミナとは明確に区別される。疎水性アルミナの平均粒子径は限定的ではないが、5〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
疎水性アルミナの含有量は、疎水性の程度及び用いる有機染料の種類等に応じて適宜決定できるが、インキ組成物中の保存性及び変色促進効果を考慮して、一般的にはインキ組成物中0.5〜50重量%程度、特に1〜30重量%とすることが望ましい。疎水性アルミナの含有量が50重量%を超える場合には、インキ組成物の塗膜の定着性が低下するおそれがある。疎水性アルミナの含有量が0.5重量%未満の場合には、変色促進効果が十分に発揮されないおそれがある。
カチオン系界面活性剤
カチオン系界面活性剤としては制限されないが、例えば、アルキルアンモニウム塩、イソキノリニウム塩、イミダゾリニウム塩及びピリジニウム塩からなる群から選択される少なくとも一種が望ましい。これらは、公知もの又は市販品も使用できる。
上記アルキルアンモニウム塩の中でも、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が好ましく、特にプラズマ処理雰囲気下における変色性の制御の観点からはアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。具体的には、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム等が挙げられる。特に、塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等が好ましい。
上記イソキノリニウム塩としては、例えばラウリルイソキノリニウムブロマイド、セチルイソキノリニウムブロマイド、セチルイソキノリニウムクロライド、ラウリルイソキノリニウムクロライド等が挙げられる。この中でも、特にラウリルイソキノリニウムブロマイドが好ましい。
上記イミダゾリニウム塩としては、例えば1−ヒドロキシエチル−2−オレイルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド等が挙げられる。この中でも、特に2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライドが好ましい。
上記ピリジニウム塩としては、例えばピリジニウムクロライド、1−エチルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、1−ブチルピリジニウムクロライド、N−n−ブチルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、N−ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、1−ドデシルピリジニウムクロライド、3−メチルヘキシルピリジニウムクロライド、4−メチルヘキシルピリジニウムクロライド、3−メチルオクチルピリジニウムクロライド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、3,4−ジメチルブチルピリジニウムクロリド、ピリジニウム−n−ヘキサデシルクロリド−水和物、N−(シアノメチル)ピリジニウムクロリド、N−アセトニルピリジニウムブロマイド、1−(アミノホルミルメチル)ピリジニウムクロライド、2−アミジノピリジニウムクロライド、2−アミノピリジニウムクロライド、N−アミノピリジニウムアイオダイド、1−アミノピリジニウムアイオダイド、1−アセトニルピリジニウムクロリド、N−アセトニルピリジニウムブロマイド等が挙げられる。この中でも、特にヘキサデシルピリジニウムクロライドが好ましい。
カチオン系界面活性剤の含有量は、その種類及び用いる有機染料の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中0.2〜20重量%程度、特に0.5〜10重量%とすることが望ましい。
バインダー樹脂
バインダー樹脂としては、後述のプラズマ処理検知インジケータにおける基材の種類等に応じて適宜選択すればよく、例えば筆記用、印刷用等のインキ組成物に用いられている公知の樹脂成分をそのまま採用できる。例えば、マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルイミダゾール樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、アミノ樹脂等を挙げることができる。
本発明では、特にセルロース系樹脂を好適に用いることができる。セルロース系樹脂を用いることによって、インキ組成物にシリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種に加えて増量剤等が含まれていても優れた定着性を得ることができ、基材上にインキ組成物の塗膜を形成した後に、基材からの脱落、剥離等を効果的に防止することができる。また、インキ組成物の塗膜表面に複数のクラックを効果的に生じさせることにより、プラズマが当たり易い環境を作る効果があるため変色促進効果を発揮するものと考えられる。
本発明では、更にポリビニルブチラール樹脂を好適に用いることができる。ポリビニルブチラール樹脂を用いることにより、他のバインダー樹脂(特にセルロース系樹脂)を用いる場合又はバインダー樹脂を用いない場合と比べて、有機染料を含有する本発明のインキ組成物及びその塗膜(後記の変色層)の耐光性を向上させることができる。詳細には、インキ組成物及びその塗膜に蛍光灯などの紫外線を含む光を照射するとプラズマ処理ではないにも関わらず若干の変色が認められる場合があるが、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用いることにより、紫外線を含む光を照射した場合のインキ組成物及びその塗膜(変色層)の変色を抑制して耐光性を向上させることができる。
本発明では、バインダー樹脂の一部又は全部として、上記列挙した樹脂以外に窒素含有高分子を用いてもよい。窒素含有高分子はバインダーとしての役割に加えて感度強化剤としての役割を果たす。即ち、感度強化剤を用いることにより、プラズマ処理検知の精度(感度)をより高めることができる。これにより、プラズマ処理検知用包装体中においても確実に変色するので、包装体に用いるインジケータとして非常に有利である。
窒素含有高分子は、例えばポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アミノ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン等の合成樹脂を好適に用いることができる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。本発明では特にポリアミド樹脂を用いることが好ましい。ポリアミド樹脂の種類、分子量等は特に限定されず、公知又は市販のポリアミド樹脂を用いることができる。この中でも、リノール酸の二量体とジアミン又はポリアミンとの反応生成物(長鎖線状重合物)であるポリアミド樹脂を好適に用いることができる。ポリアミド樹脂は、分子量4000〜7000の熱可塑性樹脂である。このような樹脂も市販品を用いることができる。
本発明では、バインダー樹脂の一部又は全部として、上記列挙した樹脂以外にフェノール系樹脂を用いることによって、インキ組成物及び当該インキ組成物の塗膜(変色層)の耐熱性を向上させることができる。
フェノール系樹脂としては、フェノール構造を有する樹脂であれば限定されない。例えば、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂及びロジン変性フェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を好適に使用することができる。これらのフェノール系樹脂は、1種又は2種以上で使用することができる。
バインダー樹脂の含有量は、バインダー樹脂の種類、用いる有機染料の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中50重量%程度以下、特に5〜35重量%とすることが望ましい。バインダー樹脂として窒素含有高分子を用いる場合には、インキ組成物中の窒素含有高分子の含有量は、0.1〜50重量%程度、特に1〜20重量%とすることが望ましい。なお、バインダー樹脂の含有量は変色層の変色速度に影響を与え、バインダー樹脂が多いと変色速度が遅くなり、バインダー樹脂が少ないと変色速度が速くなる傾向がある。よって、変色速度を速く調整する場合には、バインダー樹脂を含有しないインキ組成物を用いることもできる。ここで、バインダー樹脂を含有しない場合又はバインダー樹脂が少ない場合にはインキ組成物の定着性が低下し易いが、その場合は後記のように定着性の良い基材を適用することが考えられる。
その他の添加剤
インキ組成物は、必要に応じて溶剤、増量剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、表面調整剤等の公知のインキに用いられている成分を適宜配合することができる。
本発明で使用できる溶剤としては、通常、印刷用、筆記用等のインキ組成物に用いられる溶剤であればいずれも使用できる。例えば、アルコール、多価アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系、グリコールエーテル系等の各種溶剤が使用でき、使用する有機染料、バインダー樹脂の溶解性等に応じて適宜選択すればよい。上記溶剤は1種又は2種以上で使用することができる。
溶剤の含有量は、用いる溶剤や有機染料の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中40〜95重量%程度、特に60〜90重量%とすることが望ましい。
増量剤としては、特に制限されず、例えばベントナイト、活性白土、未処理アルミナ、親水性アルミナ、シリカゲル等の無機材料を挙げることができる。その他にも公知の体質顔料として知られている材料を用いることができる。この中でも、シリカゲル及び親水性アルミナの少なくとも一種が好ましい。上記増量剤は1種又は2種以上で使用することができる。増量剤を用いる場合には、増量剤が本発明のインキ組成物の塗膜(変色層)自体の表面をポーラスにすることによりプラズマが当たり易い環境を作る効果があるため、光重合開始剤,シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種,並びにカチオン系界面活性剤に基づく本発明の変色促進効果に加えて、増量剤の添加に基づく変色促進効果を付加することもできる。
増量剤の含有量は、用いる増量剤や着色剤の種類等に応じて適宜決定できるが、一般的にはインキ組成物中1〜30重量%程度、特に2〜20重量%とすることが望ましい。
本発明におけるインキ組成物の各成分は、同時に又は順次に配合し、ホモジナイザー、ディゾルバー等の公知の攪拌機を用いて均一に混合すればよい。例えば、まず溶剤に前記有機染料、並びに変色促進剤及びバインダー樹脂の少なくとも1種(必要に応じてその他の添加剤(但し増量剤を除く))を順に配合し、最後に必要に応じて増量剤を配合し、攪拌機により混合・攪拌すればよい。
2.プラズマ処理検知インジケータ
本発明のインジケータは、本発明のインキ組成物からなる変色層を含む。一般的には、基材上に本発明のインキ組成物を塗布又は印刷することによって変色層を形成することができる。この場合の基材としては、変色層を形成できるものであれば特に制限されない。
基材としては、例えば、金属又は合金、セラミックス、ガラス、コンクリート、プラスチックス(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等)、繊維類(不織布、織布、紙、その他の繊維シート)、これらの複合材料等を用いることができる。また、ポリプロピレン合成紙、ポリエチレン合成紙等の合成樹脂繊維紙(合成紙)も好適に用いることができる。これらの基材の中でも、本発明のインキ組成物が樹脂バインダーを含まない場合又は樹脂バインダーの含有量が少ない場合には、インキ組成物の定着性の観点からインキ組成物を含浸可能な繊維類などの浸透性基材を好適に用いることができる。
本発明における変色層の変色態様としては、色が無色から有色に変化する態様及びある色が他の色に変化する態様が挙げられる。
変色層の形成は、本発明のインキ組成物を用い、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法に従って行うことができる。また、印刷以外の方法でも形成できる。例えば、基材をインキ組成物中に浸漬することによって変色層を形成することもできる。
変色層は、その表面に複数のクラックを有することが望ましい。すなわち、変色層の表面に開放気孔が形成され、多孔質化していることが望ましい。かかる構成により、プラズマ処理検知の感度をより高めることができる。この場合には、プラズマ処理検知包装体の内部に変色層が配置されても、所望の変色効果が得られる。クラックは、特に本発明のインキ組成物のバインダー樹脂としてセルロース系樹脂を併用することによって効果的に形成することができる。すなわち、セルロース系樹脂の使用により、良好な定着性を維持しつつ、上記のようなクラックを形成することができる。
本発明では、変色層が変色した際の視認効果を一層高めるために、例えば、前記基材と前記変色層との間に非変色層を形成してもよい。非変色層は、通常は市販の普通色インキにより形成することができる。例えば、水性インキ、油性インキ、無溶剤型インキ等を用いることができる。非変色層の形成に用いるインキには、公知のインキに配合されている成分、例えば樹脂バインダー、増量剤、溶剤等が含まれていてもよい。
非変色層の形成は、変色層の場合と同様にすればよい。例えば、普通色インキを用い、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法に従って行うことができる。
本発明のインジケータは、プラズマ発生用ガスを用いるプラズマ処理であればいずれにも適用できる。つまり、減圧プラズマ処理及び大気圧プラズマ処理の両方に適用できる。なお、これらの中でもプラズマ強度が比較的弱いとされる大気圧プラズマにおいてもプラズマ処理の完了を高感度に検知することができる点で優位性が大きい。
減圧プラズマ処理の具体例としては、例えば、フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイなど)の製膜、灰化、洗浄、表面改質等の用途;半導体製造工程における製膜、灰化、洗浄、表面改質等の用途;実装基板又はプリント配線基板の洗浄、表面改質等の用途;医療器具などの滅菌用途;実装部品の洗浄、表面改質等の用途等が挙げられる。
また、大気圧プラズマ処理の具体例としては、例えば、フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイなど)の洗浄、表面改質等の用途;実装基板又はプリント配線基板の洗浄、表面改質等の用途;自動車、航空機部品等の表面改質用途、医療分野(歯科又は外科)における消毒、殺菌、治療等の用途等が挙げられる。
減圧プラズマ発生用ガスとしては、減圧下、交流電圧、パルス電圧、高周波、マイクロ波等を印加することによりプラズマを発生させることができるガスであれば限定されず、例えば、酸素、窒素、水素、塩素、過酸化水素、ヘリウム、アルゴン、シラン、アンモニア、臭化硫黄、水蒸気、亜酸化窒素、テトラエトキシラン、四フッ化炭素、トリフルオロメタン、四塩化炭素、四塩化ケイ素、六フッ化硫黄、四塩化チタン、ジクロロシラン、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウム等が挙げられる。これらの減圧プラズマ発生用ガスは、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
大気圧プラズマ発生用ガスとしては、大気圧下、交流電圧、パルス電圧、高周波、マイクロ波等を印加することによりプラズマを発生させることができるガスであれば限定されず、例えば、酸素、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム、空気等があげられる。これらの大気圧プラズマ発生用ガスは、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインジケータを使用する際は、具体的には、プラズマ発生用ガスを用いるプラズマ処理装置(具体的には、プラズマ発生用ガスを含有する雰囲気下で交流電圧、パルス電圧、高周波、マイクロ波等を印加してプラズマを発生させることによりプラズマ処理を行う装置)の内部又は当該内部に収容されている被処理物に本発明インジケータを置き、プラズマ処理雰囲気下に晒せばよい。この場合、装置内に置かれたインジケータの変色により所定のプラズマ処理が行われたこと検知することができる。
本発明インジケータは、そのままインジケータカードとして使用することができる。このとき、変色層の形状を公知のバーコードの形状とし、所定のプラズマ処理が完了した段階(変色の程度)でバーコードリーダーによる読み取りが可能となる条件に設定すれば、プラズマ処理の完了とその後のプラズマ処理物の物流管理をバーコードにより一元管理することができる。本発明は、かかる用途に用いるインジケータ、プラズマ処理管理方法及び物流管理方法の発明も包含している。
3.包装体
本発明は、気体透過性包装体の内部に本発明のインジケータが設けられているプラズマ処理用包装体を包含する。
気体透過性包装体は、その中に被処理物を封入したままでプラズマ処理できる包装体が好ましい。これは、プラズマ処理用包装体(パウチ)として使用されている公知又は市販のものを使用することができる。例えば、ポリエチレン系繊維(ポリエチレン合成紙)により形成されている包装体を好適に用いることができる。具体的には、内部に本発明のインジケータが設けられている包装体に被処理物を装填し、開口部をヒートシール等により密閉した後、包装体ごとプラズマ処理装置中で処理することができる。
本発明のインジケータは、上記包装体の内部に配置すればよい。配置する方法は限定的でなく、接着剤、ヒートシール等による方法のほか、本発明のインキ組成物を直接に包装体の内面に塗布又は印刷することによりインジケータを構成することもできる。また、上記塗布又は印刷による場合は、包装体の製造段階でインジケータを形成しておくこともできる。
本発明包装体では、インジケータを外部から確認できるように、包装体の一部に透明窓部が設けられていることが望ましい。例えば、包装体を透明シートと前記ポリエチレン合成紙で作製し、その透明シートを通して視認できるような位置に包装体内面にインジケータを形成すればよい。
本発明の包装体を用いてプラズマ処理する場合、例えば包装体に被処理物を装填する工程、被処理物が装填された包装体を密封する工程、及び当該包装体をプラズマ処理雰囲気下に置く工程を有する方法により行える。より具体的には、被処理物を包装体に入れた後、ヒートシール等の公知の方法に従って密封する。次いで、その包装体ごとプラズマ処理雰囲気下に配置する。例えば、公知又は市販のプラズマ処理装置の処理室に配置し、処理を行う。処理が終了した後は、包装体ごと取り出し、そのまま使用時まで包装体中で保管することができる。この場合、プラズマ処理は、インジケータの変色層が変色するまでプラズマ処理雰囲気下に包装体を置くことが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。なお、本発明は、実施例の態様に制限されない。
実施例1〜2及び比較例1〜4
表1に示される組成で各成分を混合することにより各インキ組成物を調製した。
また、各インキ組成物を基材(櫻井製印刷用紙、商品名「スタクリンSC175RS」)にシルクスクリーン印刷し、恒温槽(75℃)で15分間強制乾燥させることにより変色層を形成し、各インジケータを得た。
各インジケータに対して変色性試験を行った。
各試験方法及び評価基準は下記の通りである。
≪変色性試験2:大気圧プラズマ処理≫
先ず、各インジケータの変色層(プラズマ処理前)の色度L*a*b*をコニカミノルタ製色彩計FD−5で測色した。
次に、各インジケータを大気圧プラズマ処理装置「AP2000(電子技研製)」に設置した。
プラズマ処理前の色度をL*1、a*1、b*1、プラズマ処理後の色度をL*2、a*2、b*2とし、色度の差(色差)を下記の式より△E*abで表した。各インジケータにおける変色層の色差を表1に示した。
色差△E*ab=[(L*2-L*1)2+(a*2-a*1)2+(b*2-b*1)2]1/2
(プラズマ処理条件)
・ガス:ドライエアー50SLM,
・高周波電源出力:7.0kV,
・照射距離:5mm,
・処理回数:1回,
・処理速度:条件(1)3000mm/min,条件(2)1000mm/min,
Figure 2021195513
(考 察)
プラズマ処理雰囲気下における変色成分として1)有機染料を使用し、更に2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有する実施例のプラズマ処理検知用インジケータは、いずれのプラズマ処理条件においても色差(△E*ab)が比較例のプラズマ処理検知用インジケータの結果と比べて大きく検知感度が高いことが分かる。

Claims (12)

  1. 1)有機染料、2)光重合開始剤、3)シリカ及び疎水性アルミナの少なくとも一種、並びに4)カチオン系界面活性剤を含有することを特徴とするプラズマ処理検知用インキ組成物。
  2. 前記有機染料は、ニトロソ系染料、ニトロ系染料、モノアゾ系染料、ジアゾ系染料、トリアゾ系染料、ポリアゾ系染料、アゾイック系染料(ジアゾコンポーネント)、アゾイック系染料(カップリングコンポーネント)、スチルベン系染料、カロテノイド系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料、キノリン系染料、メチン系染料、チアゾール系染料、インダミン系染料、インドフェノール系染料、アジン系染料、オキサジン系染料、チアジン系染料、硫化系染料、ラクトン系染料、ヒドロキシケトン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、フタロシアニン系染料、天然系染料及び酸化系染料からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載のインキ組成物。
  3. 前記光重合開始剤は、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンアキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤及びアニオン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載のインキ組成物。
  4. 前記カチオン系界面活性剤は、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤である、請求項1〜3のいずれかに記載のインキ組成物。
  5. 更にバインダー樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のインキ組成物。
  6. 更に増量剤を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のインキ組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のインキ組成物からなる変色層を含むプラズマ処理検知インジケータ。
  8. 大気圧プラズマにおけるプラズマ処理検知に用いる、請求項7に記載のプラズマ処理検知インジケータ。
  9. 気体透過性包装体の内部に請求項7又は8に記載のインジケータが設けられているプラズマ処理用包装体。
  10. 前記インジケータを外部から確認できるように、包装体の一部に透明窓部が設けられている、請求項9に記載の包装体。
  11. 請求項9又は10に記載の包装体に被処理物を装填する工程、被処理物が装填された包装体を密封する工程、及び当該包装体をプラズマ処理雰囲気下に置く工程を有するプラズマ処理方法。
  12. 前記インジケータの変色層が変色するまで前記プラズマ処理雰囲気下に包装体を置く、請求項11に記載の処理方法。
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