JP2021193663A - メンブレンスイッチおよびこれを備えたモバイルプリンタ - Google Patents

Abstract

【課題】表示用ＬＥＤを実装したメンブレンスイッチにおいて、ユニット全体の厚さを薄くするとともに、表示パネル上に設けられた表示部の発光ムラや色ムラを防止し、均一に発光させる。【解決手段】回路基板２４に実装されたスイッチ２４ａ、２４ｂと、スイッチと並んで回路基板に実装されたＬＥＤ２５、２６と、回路基板上部に配置され、ＬＥＤから照射された光を透過する表示窓部８、１０、１１、１２を有する表示パネル６と、回路基板と表示パネルとの間に設けられ、ＬＥＤを露出させるＬＥＤ用窓孔２８ｂとスイッチを露出させるスイッチ用窓孔２８ａとを有するスペーサー部材２８と、スペーサー部材と表示パネルとの間に設けられた粘着層３１とを備え、粘着層は、ＬＥＤ用窓孔を覆う遮蔽部とスイッチに対応して開口する窓部３１ａとを有することを特徴とする。【選択図】図５

Description

本発明は、プリンタやドキュメントスキャナ等のコンピュータ周辺機器や、その他の電子機器の操作部に使用されるＬＥＤ実装メンブレンスイッチに関するものである。

ＬＥＤ実装メンブレンスイッチは、パネルシートとメンブレンスイッチおよび表示用ＬＥＤを一体化したフィルム積層タイプのユニットで、薄型省スペース・軽量・低コストを目的とした製品に広く使用されている。

図６（ａ）、（ｂ）に示すように、一般的にＬＥＤ実装メンブレンスイッチ１００は、パネルシート１０１上にスイッチ押下部１０１ａとＬＥＤ表示窓１０１ｂが設けられている。回路基板であるＦＰＣ（フレキシブルプリント基板）１０２の上部に、スイッチ用ドーム１０３（メタルドームもしくは金属製クリックバネ）が組み込まれ、ＦＰＣ１０２に設けられた固定接点部１０２ａ、１０２ｂとスイッチ用ドーム１０３でスイッチ素子が形成される構成である。スイッチ用ドーム１０３は、ドーム固定シート１０４に接着固定されている。

パネルシート１０１は透明の絶縁樹脂シートであり、前記スイッチ押下部１０１ａが前記各スイッチ用ドーム１０３の上方に位置するように、スペーサーシート部材１０５を介してＦＰＣ１０２に接着固定されている。

パネルシート１０１には、ＬＥＤ表示窓１０１ｂ部を除き、裏面側から印刷が施されている。

また、ＦＰＣ１０２には、パネルシート１０１のＬＥＤ表示窓１０１ｂに相当する位置に表面実装タイプのチップＬＥＤ１０６が実装されている。メンブレンスイッチ１００のＯＮ状態に応じてＬＥＤを点灯表示することが可能である。チップＬＥＤ１０６からの光は、スペーサーシート部材１０５およびドーム固定用シート１０４に形成されたＬＥＤ用窓孔を通して、パネルシート１０１のＬＥＤ表示窓１０１ｂ部を透過することで、発光表示される。なお、両面粘着テープなどの粘着材１０７が、それぞれのシートやＦＰＣを接着固定するために設けられている。

実開平５−７７８２３号公報 特開２００８−２７７２２３号公報 特開２０００−２０６９０６号公報

ところで、前述のＬＥＤ実装メンブレンスイッチにおいては、小型・薄型化を目的とした電子機器に搭載するためには、ユニット全体の厚さを薄くすることが好ましい。

しかしながら、チップＬＥＤの発光面からパネルシート１０１までの距離を小さくすると、チップＬＥＤの光は点光源であるため、パネルシート１０１の表示窓部から視認される光は拡散せずにムラになり、表示窓部が均一に発光しないので見た目や視認性が悪くなる。

また、マルチカラータイプのＬＥＤの場合には、チップ内のＲ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）に対応する各ＬＥＤ素子から発する光が十分に混色されずに、各色が単独で見えてしまう。尚、一般的にＬＥＤの光量を上げれば、色ムラは少なくなるが、表示部の輝度が高すぎて目視しづらくなる。

そのため、特許文献１には、パネルシートの発光表示部をドーム状に突出させることでＬＥＤの発光面から距離と角度を確保するようにした構成が示されているが、表面が平坦なスイッチとならず、操作性やデザインにも影響する。

特許文献２には、拡散材を含む封止樹脂によってチップＬＥＤを封止することにより、表示面を均一にムラなく発光するようにした構成が示されているが、封止の工程が増えてコストアップの要因となる。

特許文献３には、ＬＥＤ素子の上面のスペースに光拡散シートを配置することで、ＬＥＤの光を拡散させる構成が示されているが、シートの厚み分ユニット全体の厚さ（総厚）が増えてしまう。また、コストアップとなる。

上記課題を解決するために、本発明のメンブレンスイッチは、
回路基板に実装されたスイッチと、
前記スイッチと並んで前記回路基板に実装されたＬＥＤと、
前記回路基板上部に配置され、前記ＬＥＤから照射された光を透過する表示窓部を有する表示パネルと、
前記回路基板と前記表示パネルとの間に設けられ、前記ＬＥＤを露出させるＬＥＤ用窓孔と前記スイッチを露出させるスイッチ用窓孔とを有するスペーサー部材と、
前記スペーサー部材と前記表示パネルとの間に設けられた粘着層と
を備え、
前記粘着層は、前記ＬＥＤ用窓孔を覆う遮蔽部と前記スイッチに対応して開口する窓部とを有することを特徴とする。

本発明によれば、メンブレンスイッチの総厚を厚くすることなく、簡単かつ安価な構成でＬＥＤの光の拡散効果を高め、表示パネル上の表示面における発光ムラや色ムラを防止し、均一に発光させることができる。

本発明のＬＥＤ実装メンブレンスイッチを適用したモバイルプリンタの外観構成を示す斜視図。 モバイルプリンタの内部構成を示すＸ−Ｘ断面図。 モバイルプリンタの操作部であるＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニットの平面図。 ＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニットの構成を示す部分断面図。 ＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニットの構成を示す分解斜視図。 従来のＬＥＤ実装メンブレンスイッチの構成を示す説明図。

以下、本発明のＬＥＤ実装メンブレンスイッチをモバイルプリンタに適用した場合の実施形態について説明する。図１は、本実施形態に係るモバイルプリンタ１の外観構成を示す斜視図である。

図１において、モバイルプリンタ１は、ＰＣ端末やスマートフォン等の外部接続機器から有線通信または無線通信を介して受信した印刷データを被印刷用紙である感熱紙Ｓに印刷する。本実施形態のモバイルプリンタ１は、ユーザーが携帯可能なように、比較的簡単な構造でコンパクトなサイズに設計されている。

モバイルプリンタ１の筐体は、上カバー２、下カバー３、開閉カバー４より構成されている。本体上面となる上カバー２の上面には、操作部であるＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニット５が設けられており、ＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニット５の表面のパネルシート６（表示パネル）には、電源のＯＮ／ＯＦＦを切り替える電源スイッチ７、電源スイッチ７のＯＮ／ＯＦＦ状態を表示するＬＥＤ表示窓部８、印刷データの通信モードを切り替える通信スイッチ９、通信スイッチ９による通信モード状態を複数の発光色で表示するＬＥＤ表示窓部１０、モバイルプリンタ１の各種動作状態を複数の発光色で表示するＬＥＤ表示窓部１１、モバイルプリンタ１の充電状態を表示するＬＥＤ表示窓部１２が配置され、後述するＬＥＤ２５、２６やメンブレンスイッチを構成する内側接点２４ａと外側接点２４ｂが実装された回路基板に対し、その上部で対向する位置に設けられている。

図２は、モバイルプリンタ１の内部構造を示すＸ−Ｘ断面図である。図２において、上カバー２と開閉カバー４の間には、搬送ガイド１３が設けられている。モバイルプリンタ１の筐体内部には、プラテンローラ１４とサーマルヘッド１５が設けられている。

プラテンローラ１４は、筐体内部の不図示のシャーシに一対の軸受１４ａを介して回転自在に支持されており、シャーシ内部に固定された駆動モータとこれに連結する複数のギアにより回転駆動されることで感熱紙Ｓを搬送する。

サーマルヘッド１５は、アルミ等の板状の放熱部材１５ａに固定されており、放熱部材１５ａの左右に設けられた支持軸１５ｂを支点に側板に回動自在に軸支されている。また、シャーシの底板１７には、コイルバネ１８が設けられており、これによりサーマルヘッド１５を支持する放熱部材１５ａは上方向に付勢され、サーマルヘッド１５はプラテンローラ１４に所定の圧力で圧接されている。

印刷時には、搬送ガイド１３と開閉カバー４との間に形成された挿入口Ａにユーザーが手差しにより感熱紙Ｓを挿入する。挿入された感熱紙Ｓは、搬送ガイド１３に沿ってプラテンローラ１４とサーマルヘッド１５の圧接部Ｂに案内される。この時、搬送ガイド１３の搬送路上に配設された反射型フォトセンサ１９により、感熱紙Ｓが挿入されたことが検出される。感熱紙Ｓの検出後、プラテンローラ１４が回転して、サーマルヘッド１５との圧接部Ｂに到達した感熱紙Ｓの先端部がプラテンローラ１４とサーマルヘッド１５に挟まれる。その後、ＰＣ等から印刷指令を受信して印刷が開始される。印刷中、感熱紙Ｓはサーマルヘッド１５に圧接されながらプラテンローラ１４によって所定の速度で搬送され印刷終了後に下カバー３と開閉カバー４の間に形成された排出口Ｃより排出される。

また、モバイルプリンタ１の後方に設けられた収納ケース２２には、内部に円筒状の充電式電池２０を収容するバッテリーユニット２１が、着脱可能に装着されている。モバイルプリンタ１は、この充電式電池２０を電源として駆動可能である。さらに、筐体内部のシャーシである底板１７には、制御基板２３が支持されている。

次に、モバイルプリンタ１の操作部であるＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニット５の構成について説明する。

図３は、ＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニット５の外観平面図である。図４は、図３におけるＺ−Ｚ断面の部分断面図である。図５は、ＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニット５の構成を示す分解斜視図である。

図３から図５に示すように、回路基板であるＦＰＣ（フレキシブルプリント基板）２４上には、各メンブレンスイッチを構成する内側接点２４ａと外側接点２４ｂが形成されている。また、発光表示用のチップＬＥＤ２５、２６が実装されている。表示機能の違いにより、チップＬＥＤ２５は単色タイプ、チップＬＥＤ２６はマルチカラータイプのＬＥＤである。ＦＰＣ２４は、モバイルプリンタ１内部の制御基板２３に接続するための接続部２４ｃとコネクタ部２４ｄを一体に備え、操作部分のパネルシート６の位置に対応するＦＰＣ２４の裏面には、剥離紙付の両面粘着テープ２７が貼付されており、ユニットとなった状態で上カバー２に容易に支持固定可能である。

ＦＰＣ２４の上面には、スペーサーシート部材２８（スペーサー部材）が粘着材により固定されている。さらに、スペーサーシート部材２８の上面には、メタルドーム２９を支持固定するためのドーム固定シート３０が粘着材により固定されている。メタルドーム２９は、スペーサーシート部材２８に設けられたスイッチ用窓孔２８ａ内に収められる。また、スペーサーシート部材２８とドーム固定シート３０には、それぞれチップＬＥＤ２５、２６を露出するＬＥＤ用窓孔２８ｂおよび３０ｂが形成されている。ＬＥＤ用窓孔２８ｂおよび３０ｂは、チップＬＥＤ２５、２６から発光する光を妨げないように各ＬＥＤよりも大きな孔としている。スペーサーシート部材２８とドーム固定シート３０は、貼り合わされた状態で、チップＬＥＤ２５、２６の実装高さよりも厚くなり、スペーサー部材としての機能を有するように、それぞれのシートの厚さが設定されている。

ドーム固定シート３０の上面には、パネルシート６が基材付両面粘着テープ３１によって、支持固定される。パネルシート６は、透明の絶縁樹脂シートであり、裏面からパネル地色およびスイッチのアイコンや文字の印刷を行うことで、不透明とし、かつインクの剥がれを防止している。

また、パネルシート６には、凸部にエンボス加工されたスイッチ押下部である電源スイッチ７および通信スイッチ９と、チップＬＥＤ２５、２６に対応する位置にＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２が形成されている。ＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２は、地色の印刷部分をマスキングして透明のままとしても、拡散印刷により透過する光に拡散効果をもたらしても良い。いずれにしてもＬＥＤ２５、２６から照射された光が透過し、パネルシート６のＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２がＬＥＤ発光表示部として視認可能である。

ＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２のサイズは、スペーサーシート部材２８とドーム固定シート３０の各ＬＥＤ用窓孔２８ｂ、３０ｂのサイズよりも小さく設定している。これは、各シート間の貼り合わせ時の位置ずれにより、ＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２へ到達する光がＬＥＤ用窓孔２８ｂ、３０ｂの周辺部分によって妨げられないようにするためである。ここで、ＬＥＤ表示窓部、各ＬＥＤ用窓孔のサイズとは開口面積を意味し、ＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２のサイズがＬＥＤ用窓孔２８ｂ、３０ｂのサイズよりも小さいとは、ＬＥＤ用窓孔２８ｂ、３０ｂの開口内にＬＥＤ表示窓部８などの開口縁がすべて位置する状態であることを意味する。

スイッチ押下部である電源スイッチ７および通信スイッチ９の裏側には、メタルドーム２９を押し込むための押し子部材３２が粘着材３２ａにより固定されている。

メンブレンスイッチの押圧部としての電源スイッチ７や通信スイッチ９が押圧されることで、メタルドーム２９が押し込まれて弾性変形することにより、ＦＰＣ２４上に形成された内側接点２４ａと外側接点２４ｂがメタルドーム２９を介して導通することにより、スイッチがＯＮとなる。

基材付両面粘着テープ３１は、不織布を基材とする安価で一般的な両面粘着テープであり、パネルシート６の電源スイッチ７および通信スイッチ９のスイッチ押下部に対応する位置にスイッチ用窓孔３１ａが形成されている。上述した従来例の構成では、基材付両面粘着テープ３１のＬＥＤ発光表示部に対応する位置にＬＥＤ用窓孔を設けて、ＬＥＤから発光する光を妨げないようにしているが、本発明のＬＥＤ実装メンブレンスイッチでは、基材付両面粘着テープ３１がパネルシート６のＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２をすべて覆う遮蔽部を形成するように構成している。

この構成によって、チップＬＥＤ２５、２６から発せられる光に基材付両面粘着テープ３１の基材である不織布を通過させることで透過率を下げ、また不織布表面の凹凸形状により拡散効果が得られるので、発光表示面（ＬＥＤ表示窓部８、１０、１１、１２）の発光ムラや色ムラを防止し、均一に発光させることができる。

なお、不織布を基材とする両面粘着テープは一例であり、透過した光を拡散する作用のある基材もしくは粘着剤を有する両面粘着可能な粘着剤など、粘着層を形成するものであれば好適に使用することができる。

なお、基材付両面粘着テープ３１は、従来からメンブレンスイッチの構成に必要な部材であり、本発明においては、これをチップＬＥＤ２５、２６からの光の拡散に利用することで、拡散シート等の部材を追加することないためメンブレンスイッチユニット全体の厚さ（総厚）を厚くすることなく上記の効果が得られる。

さらに、小型化のため、パネルシート６には、複数のスイッチ押下部とＬＥＤ表示窓部を隣接させて設ける必要があり、基材付両面粘着テープ３１にＬＥＤ用窓孔を設ける従来の構成では、スイッチ押下部周辺の基材付両面粘着テープ３１の貼付面積が減少してパネルシート６の粘着強度が低下する場合がある。具体的には、電源スイッチ７および通信スイッチ９などのスイッチ押下部のいずれかに対応するＬＥＤ用窓孔を２つのスイッチ押下部の間に配置する場合であり、本実施形態ではＬＥＤ表示窓部１０を貼り付ける部分である。

この部分に対応する基材付両面粘着テープ３１にＬＥＤ用窓孔を設ける場合、小型化によりスペースを詰めた場合には、ＬＥＤ用窓孔とスイッチ用窓孔３１ａとの間の部分を繋げることができず、ＬＥＤ用窓孔周辺の基材付両面粘着テープ３１が片持ち状態となってしまい、貼り付け作業性の低下、粘着強度の低下を招くことがある。しかし、本発明の構成では、基材付両面粘着テープ３１の貼付面積を減少させることがないので十分な粘着強度を確保できる効果もある。

メンブレンスイッチの構造は、本実施形態の構造に限るものでなく、従来より知られている様々な構造を用いることができる。

また、本発明のＬＥＤ実装メンブレンスイッチは、本実施形態のモバイルプリンタに限らず他の電子機器に適用することができる。

１ モバイルプリンタ
５ ＬＥＤ実装メンブレンスイッチユニット
６ パネルシート
７ 電源スイッチ
８、１０、１１、１２ ＬＥＤ表示窓部
２４ ＦＰＣ（回路基板）
２５、２６ チップＬＥＤ
２８ スペーサーシート部材
２８ａ スイッチ用窓孔
２８ｂ ＬＥＤ用窓孔
２９ メタルドーム
３０ ドーム固定シート
３０ｂ ＬＥＤ用窓孔
３１ 基材付両面粘着テープ
３１ａ スイッチ用窓孔
３２ 押し子部材

Claims (5)

1. 回路基板に実装されたスイッチと、
   前記スイッチと並んで前記回路基板に実装されたＬＥＤと、
   前記回路基板に対向する位置に配置され、前記ＬＥＤから照射された光を透過する表示窓部を有する表示パネルと、
   前記回路基板と前記表示パネルとの間に設けられ、前記ＬＥＤを露出させるＬＥＤ用窓孔と前記スイッチを露出させるスイッチ用窓孔とを有するスペーサー部材と、
   前記スペーサー部材と前記表示パネルとの間に設けられた粘着層と
   を備え、
   前記粘着層は、前記ＬＥＤ用窓孔を覆う遮蔽部と前記スイッチに対応して開口する窓部とを有することを特徴とするメンブレンスイッチ。
2. 前記粘着層は、不織布を基材とした両面テープであることを特徴とする請求項１に記載のメンブレンスイッチ。
3. 前記ＬＥＤ用窓孔は、前記表示窓部よりも大きいことを特徴とする請求項１または２に記載のメンブレンスイッチ。
4. 前記表示パネルは、押圧されることで前記スイッチ側に突出し、前記スイッチを押圧する複数の押圧部を有し、
   前記表示窓部は、前記表示パネルにおける前記複数の押圧部の間に設けられたことを特徴とする請求項１または２に記載のメンブレンスイッチ。
5. 請求項１から４のいずれかの一項に記載のＬＥＤ実装メンブレンスイッチを備え、
   前記表示パネルが本体上面に設けられたことを特徴とするモバイルプリンタ。

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