JP2021193431A - 焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法 - Google Patents

焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021193431A
JP2021193431A JP2020099602A JP2020099602A JP2021193431A JP 2021193431 A JP2021193431 A JP 2021193431A JP 2020099602 A JP2020099602 A JP 2020099602A JP 2020099602 A JP2020099602 A JP 2020099602A JP 2021193431 A JP2021193431 A JP 2021193431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase difference
target
lens system
target phase
active power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020099602A
Other languages
English (en)
Inventor
悟 吉田
Satoru Yoshida
光司 久保
Koji Kubo
史朗 伊賀崎
Shiro Igasaki
佑旗 倉橋
Yuki Kurahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitutoyo Corp, Mitsutoyo Kiko Co Ltd filed Critical Mitutoyo Corp
Priority to JP2020099602A priority Critical patent/JP2021193431A/ja
Publication of JP2021193431A publication Critical patent/JP2021193431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

【課題】レンズシステムが経年変化した場合であっても、レンズシステムの最大屈折力を所望の値に制御できる焦点距離可変レンズ装置を提供する。【解決手段】焦点距離可変レンズ装置1は、入力される駆動信号Cfに応じて屈折率が変化する液体共振式の液体レンズユニット3と、液体レンズユニット3から得られる電圧電流位相差と目標位相差との比較に基づいて、駆動信号Cfの周波数を液体レンズユニット3の共振周波数に制御する共振ロック制御部611と、液体レンズユニット3の校正時に設定された校正時目標位相差と液体レンズユニット3の初期設定時に設定された初期設定時目標位相差とに基づいて目標有効電力の補正を行う補正部613と、液体レンズユニット3に供給される有効電力と補正部613により補正された目標有効電力との比較に基づいて、駆動信号Cfの電圧を制御する屈折力制御部612と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法に関する。
焦点距離可変レンズとして、液体共振式のレンズシステムが開発されている。液体共振式のレンズシステムでは、周期的な駆動信号により内部の液体に定在波を生じさせており、焦点位置が高周波で周期的に変化する。
前述したレンズシステムでは、外気温の影響または稼働に伴う発熱などにより、レンズシステム内部の液体等の温度が変化し、定在波が得られる交流信号の周波数(レンズシステムの共振周波数)が変化する。このため、レンズシステムに入力される駆動信号の周波数が一定であるとレンズシステムの共振周波数のピークからずれてしまい、定在波を効率的に得ることができない。そこで、特許文献1に開示のレンズシステムでは、共振周波数の変化に対して駆動信号の周波数を自動的に追従させる共振ロック機能が採用されている。
また、共振ロック機能によってレンズシステムに定在波が得られた場合であっても、レンズシステム内部の液体等の温度の変化により、レンズシステムで得られる最大屈折力が変化してしまうことがある。そこで、特許文献2に開示のレンズシステムでは、レンズシステムの最大屈折力とレンズシステムに供給される有効電力とが相関関係を有することを利用して、有効電力の制御を行っている。すなわち、レンズシステムに供給される有効電力が目標値になるように駆動電力の電圧を調整することで、レンズシステムで得られる最大屈折力を所望の値に制御している。
特開2018-189700号公報 特開2020−034725号公報
しかし、特許文献2に開示のレンズシステムでは、レンズシステムの経年変化により、レンズシステムに供給される有効電力と、レンズシステムの最大屈折力との相関関係に変化が生じることがある。この場合、レンズシステムに供給される有効電力が目標値に制御されていても、レンズシステムの最大屈折力が所望の値に制御できなくなってしまう。
本発明の目的は、レンズシステムが経年変化した場合であっても、レンズシステムの最大屈折力を所望の値に制御できる焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法を提供することにある。
本発明の焦点距離可変レンズ装置は、入力される駆動信号に応じて屈折率が変化する液体共振式のレンズシステムと、前記駆動信号の入力により前記レンズシステムに加えられる駆動電圧と駆動電流との間の位相差である電圧電流位相差について所定の目標位相差を設定し、前記レンズシステムから得られる前記電圧電流位相差と前記目標位相差との比較に基づいて、前記駆動信号の周波数を前記レンズシステムの共振周波数に制御する共振ロック制御部と、前記レンズシステムの校正時に設定された前記目標位相差である校正時目標位相差と前記校正時に設定された前記レンズシステムの目標有効電力とを記憶する記憶部と、前記レンズシステムの初期設定時に設定された前記目標位相差である初期設定時目標位相差と前記校正時目標位相差とに基づいて、前記目標有効電力を補正する補正部と、前記レンズシステムに供給される前記有効電力と前記補正部により補正された前記目標有効電力との比較に基づいて、前記駆動信号の電圧を制御する屈折力制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の焦点距離可変レンズ装置では、レンズシステムの経年変化により、駆動信号の周波数をレンズシステムの共振周波数に制御するための目標位相差の値が変化する。この目標位相差の変化は、すなわちレンズシステムにおける電圧電流位相差の変化となるため、レンズシステムの有効電力とレンズシステムの最大屈折力との間の関係に変化を与える。
そこで、本発明の焦点距離可変レンズ装置では、レンズシステムの校正時に設定された目標位相差である校正時目標位相差と、レンズシステムの初期設定時に設定された目標位相差である初期設定時目標位相差との差異に応じて、レンズシステムの屈折力制御のための目標有効電力を補正する。なお、レンズシステムの初期設定とは、レンズシステムの校正後、レンズシステムの動作を開始するときに行われる設定である。
このような構成によれば、レンズシステムの校正後、レンズシステムの有効電力とレンズシステムの最大屈折力との関係に経年変化が生じている場合であっても、補正後の目標有効電力に基づいた屈折力制御を行うことにより、レンズシステムの最大屈折力を所望の値に制御することができる。
本発明の焦点距離可変レンズ装置において、前記補正部は、前記初期設定時目標位相差が前記校正時目標位相差より増加している場合、前記目標有効電力を減少させ、前記初期設定時目標位相差が前記校正時目標位相差より減少している場合、前記目標有効電力を増加させることが好ましい。
このような構成によれば、目標有効電力を適切な値に補正することができる。
本発明の焦点距離可変レンズ装置の制御方法は、入力される駆動信号に応じて屈折率が変化する液体共振式のレンズシステムと、前記駆動信号の入力により前記レンズシステムに加えられる駆動電圧と駆動電流との間の位相差である電圧電流位相差について所定の目標位相差を設定し、前記レンズシステムから得られる前記電圧電流位相差と前記目標位相差との比較に基づいて、前記駆動信号の周波数を前記レンズシステムの共振周波数に制御する共振ロック制御部と、前記レンズシステムの校正時に設定された前記目標位相差である校正時目標位相差と前記校正時に設定された前記レンズシステムの目標有効電力とを記憶する記憶部と、を備える焦点距離可変レンズ装置の制御方法であって、前記レンズシステムの初期設定時に設定された前記目標位相差である初期設定時目標位相差と前記校正時目標位相差とに基づいて、前記目標有効電力を補正する補正ステップと、前記レンズシステムに供給される有効電力と前記補正ステップにより補正された前記目標有効電力との比較に基づいて、前記駆動信号の電圧を制御する屈折力制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の焦点距離可変レンズ装置の制御方法によれば、上述した本発明の焦点距離可変レンズ装置の効果と同様の効果を奏する。
本発明によれば、レンズシステムの最大屈折力を制御できる焦点距離可変レンズ装置およびその方法を提供できる。
本発明の一実施形態にかかる焦点距離可変レンズ装置を示す模式図。 前記実施形態のレンズ制御部および制御用PCを示すブロック図。 前記実施形態において駆動信号の周波数掃引により得られる電圧電流位相差を示すグラフ。 前記実施形態のレンズシステムにおける有効電力と最大屈折力との関係を示すグラフ。 前記実施形態のレンズシステムにおける電圧電流位相差と駆動効率との関係を示すグラフ。 前記実施形態の焦点距離可変レンズ装置における屈折力制御の処理手順を示すフローチャート。 前記実施形態において駆動信号の周波数に対する有効電力の変化を示すグラフ。
本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本実施形態にかかる焦点距離可変レンズ装置1の全体構成が示されている。焦点距離可変レンズ装置1は、合焦位置Pfまでの合焦距離Dfを周期的に変化させつつ撮像領域におかれた測定対象物9の表面の画像を検出するものである。
(焦点距離可変レンズ装置の構成)
図1に示すように、焦点距離可変レンズ装置1は、測定対象物9の表面に交差する光軸A上に配置された対物レンズ2、液体レンズユニット3および画像検出部4と、測定対象物9の表面をパルス照明するパルス照明部5と、液体レンズユニット3などの動作を制御するレンズ制御部6と、レンズ制御部6を操作するための制御用PC7とを備えている。
対物レンズ2は、既存の凸レンズまたはレンズ群によって構成される。
液体レンズユニット3は、液体共振式のレンズシステムを内部に構成するものであり、この液体レンズユニット3では、レンズ制御部6から入力される駆動信号Cfに応じて屈折率が変化する。駆動信号Cfは、液体レンズユニット3が有する振動部材を振動させる正弦波状の交流信号である。駆動信号Cfの周波数(加振周波数)が液体レンズユニット3の共振周波数に調整されると、液体レンズユニット3の内部の液体に定在波が生じ、当該液体の屈折率が周期的に変化する。
本実施形態の焦点距離可変レンズ装置1において、合焦位置Pfまでの合焦距離Dfは、対物レンズ2の焦点距離を基本としつつ、液体レンズユニット3の屈折率の変化に従って、周期的に変化する。
画像検出部4は、既存のCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサあるいは他の形式のカメラ等で構成される。画像検出部4は、対物レンズ2および液体レンズユニット3を介して入射される測定対象物9の画像Lgを検出し、所定の信号形式の検出画像Imとして制御用PC7へ出力する。
パルス照明部5は、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子で構成される。パルス照明部5は、所定時間だけ照明光Liを発光させ、測定対象物9の表面に対するパルス照明を行うことができる。測定対象物9で反射された反射光Lrは、対物レンズ2および液体レンズユニット3によって画像Lgを形成し、画像検出部4に入射する。
焦点距離可変レンズ装置1において、液体レンズユニット3の駆動、パルス照明部5の発光および画像検出部4の画像検出は、レンズ制御部6からの駆動信号Cfおよび発光信号Ciおよび画像検出信号Ccにより制御される。これらを制御するレンズ制御部6の設定などを操作するために、制御用PC7が接続されている。
(レンズ制御部および制御用PC)
図2には、本実施形態のレンズ制御部6および制御用PC7の構成が示されている。
レンズ制御部6は、液体レンズユニット3、画像検出部4およびパルス照明部5の各動作を制御する専用ユニットである。なお、レンズ制御部6は、複数のIC等によってハードウェア的に構成されてもよいし、CPUを備えるコンピュータを中心に構成され、CPUが記憶部64に格納されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。
レンズ制御部6は、液体レンズユニット3に駆動信号Cfを出力する駆動制御部61と、パルス照明部5に発光信号Ciを出力する発光制御部62と、画像検出部4に画像検出信号Ccを出力する画像検出制御部63と、種々の情報が記録される記憶部64と、を有する。
駆動制御部61は、駆動信号Cfに基づいて振動する液体レンズユニット3の振動状態Vfを検出すると共に、検出された振動状態Vfに基づいて制御される正弦波状の交流信号を駆動信号Cfとして出力する。
なお、液体レンズユニット3の振動状態Vfとは、具体的には、駆動信号Cfにより液体レンズユニット3に供給される駆動電圧V、駆動電流Iおよび有効電力P、ならびに、駆動電圧Vと駆動電流Iの位相差である電圧電流位相差θである。
ここで、有効電力Pは、駆動電圧Vの実効値をVe、駆動電流Iの実効値をIeとするとき、以下の式(1)によって算出可能である。
P=Ve・Ie・cosθ ・・・式(1)
駆動制御部61は、振動状態Vfに基づいて駆動信号Cfを制御するための機能として、共振ロック制御部611、屈折力制御部612および補正部613を有する。
共振ロック制御部611は、駆動信号Cfの入力により液体レンズユニット3が動作する間、液体レンズユニット3から検出される電圧電流位相差θが目標位相差θ(例えば校正時目標位相差θtcまたは初期設定時目標位相差θtm)を保つように、駆動信号Cfの周波数(駆動周波数)を調整する。これにより、駆動周波数が液体レンズユニット3の共振周波数にロックされる。なお、共振ロック制御部611の詳細については、特開2018-189700号公報を参照できる。
屈折力制御部612は、駆動信号Cfの入力により液体レンズユニット3が動作する間、液体レンズユニット3から検出される有効電力Pが目標有効電力Ptを保つように、駆動信号Cfの電圧を調整する。これにより、屈折力制御部612は、液体レンズユニット3の最大屈折力Dを制御する。
補正部613は、共振ロック制御部611の初期設定に応じて、目標有効電力Ptを補正する。
屈折力制御部612および補正部613の詳細については後述する。
発光制御部62は、発光信号Ciによってパルス照明部5の発光タイミングを制御する。例えば、駆動信号Cfが任意の位相になった時点で発光信号Ciを出力することにより、当該位相に対応する合焦位置Pfで測定対象物9がパルス照明される。
画像検出制御部63は、画像検出信号Ccによって画像検出部4による画像検出のタイミングを制御する。画像検出部4は、画像検出信号Ccのオンからオフまでの期間に検出した画像Lgを1フレーム分の検出画像Imとして出力する。
制御用PC7は、レンズ制御部6に各種設定操作などを行うレンズ操作部71と、画像検出部4から検出画像Imを取り込んで処理する画像処理部72と、焦点距離可変レンズ装置1に対するユーザの操作を受け付ける操作インターフェイス73とを有する。
制御用PC7は、汎用のパーソナルコンピュータで構成され、専用のソフトウェアを実行することで、所期の機能を実現している。すなわち、レンズ操作ソフトウェアを実行することで、レンズ制御部6を制御するレンズ操作部71の機能が実現される。また、画像処理ソフトウェアを実行することで、画像検出部4からの検出画像Imを処理する画像処理部72の機能が実現される。これらのレンズ操作ソフトウェアおよび画像処理ソフトウェアは、制御用PC7の表示画面および入力装置を用いた操作インターフェイス73を介してユーザが操作することができる。
(校正処理)
焦点距離可変レンズ装置1では、校正処理により、駆動信号Cfの設定周波数fhtと、目標位相差θである校正時目標位相差θtcと、目標有効電力Ptとがそれぞれ設定され、記憶部64に記憶される。
この校正処理において、まず、共振ロック制御部611は、液体レンズユニット3に駆動信号Cfを印加し、この駆動信号Cfの周波数を所定の下限値から上限値まで掃引することで、電圧電流位相差θのピークスキャンを行う。これにより、図3に実線で示すようなグラフが得られる。このとき、共振ロック制御部611は、電圧電流位相差θのピーク値θpを求め、このピーク値θpよりも低い所定値を校正時目標位相差θtcとして設定し、記憶部64に記憶させる。
また、共振ロック制御部611は、駆動信号Cfの周波数について、電圧電流位相差θが校正時目標位相差θtcになる2つの周波数のうちの一方の周波数(図3の例では低い方の周波数)を求め、当該周波数が液体レンズユニット3の共振周波数であるとして、当該周波数を駆動信号Cfの設定周波数fhtに設定する。
なお、校正時目標位相差θtcは、例えば電圧電流位相差θのピーク値θpに対して所定の比率を有する値であってもよいし、ピーク値θpよりも所定の値だけ小さい値であってもよい。
その後、共振ロック制御部611は、設定周波数fhtに調整された駆動信号Cfを液体レンズユニット3に印加し、校正時目標位相差θtcに基づく共振ロック制御を行う。
例えば、液体レンズユニット3から得られる電圧電流位相差θが校正時目標位相差θtcよりも減少した場合には、液体レンズユニット3の共振周波数が増加側に変化したという推測に基づき、駆動信号Cfの設定周波数fhtを現在値よりも増加させる。なお、図3では、液体レンズユニット3の共振周波数が設定周波数fhtから周波数fhuに増加した例を点線で示している。
一方、液体レンズユニット3から得られる電圧電流位相差θが校正時目標位相差θtcよりも増加した場合には、液体レンズユニット3の共振周波数が減少側に変化したという推測に基づき、駆動信号Cfの設定周波数fhtを現在値よりも減少させる。
この共振ロック制御が周期的に行われている間、屈折力制御部612は、有効電力Pを所定範囲で変更させる。そして、校正者は、有効電力Pが変更するごとに、液体レンズユニット3の最大屈折力Dを公知の屈折率測定法により測定する。
ここで、図4には、校正時における有効電力Pと最大屈折力Dとの関係が実線L1で示されている。
屈折力制御部612は、液体レンズユニット3の最大屈折力Dが校正者の所望値Dtとなるときの有効電力Pの値を、目標有効電力Ptとして設定し、記憶部64に記憶させる。
(補正処理)
焦点距離可変レンズ装置1では、液体レンズユニット3の経年変化により、駆動信号Cfの設定周波数fhtを液体レンズユニット3の共振周波数に制御するための目標位相差θの値が変化する。この目標位相差θの変化は、すなわち液体レンズユニット3における電圧電流位相差θの変化となるため、液体レンズユニット3の有効電力Pと液体レンズユニット3の最大屈折力Dとの間の関係に変化を与える。
例えば、図4は、校正時の有効電力Pと最大屈折力Dとの関係を実線L1で示すと共に、経年変化後の有効電力Pと最大屈折力Dとの関係を鎖線L2,L3で示している。
このような変化が生じた場合、液体レンズユニット3に供給される有効電力Pが校正時に設定された目標有効電力Ptに制御されていても、液体レンズユニット3の最大屈折力Dが所望値Dtからずれてしまう(図4の矢印参照)。
そこで、本実施形態の焦点距離可変レンズ装置1は、このような経年変化に対応するために、液体レンズユニット3の屈折力制御に利用する目標有効電力を補正する。
以下、目標有効電力を補正する方法の原理について説明する。
液体レンズユニット3には、最大屈折力Dおよび有効電力Pにより表される駆動効率D/Pと目標位相差θとの間に、図5に示すような関係性が存在する。この関係性は、以下の式(2)によって表される。
/P=acosθ+b ・・・(2)
なお、式(2)において、a,bは、液体レンズユニット3の構造や液体の特性に由来する固有の値である。
上記式(2)は、以下の式(3)に変換可能である。この式(3)によれば、焦点距離可変レンズ装置1の校正時における最大屈折力Dと、経年変化後における焦点距離可変レンズ装置1の駆動時における最大屈折力Dとが互いに同じ所望値Dtに設定される場合、以下の式(4)を満たすことが条件になると分かる。
=(acosθ+b)P ・・・(3)
(acosθtc+b)Pt=(acosθtm+b)Ptr ・・・(4)
なお、上記式(4)において、θtcは、校正時に設定される校正時目標位相差であり、θtmは、後述する初期設定時に設定される初期設定時目標位相差である。Ptは、校正時に設定される目標有効電力であり、Ptrは、補正後の目標有効電力である。
上記式(4)によれば、経年変化後において校正時と同様の所望の最大屈折力Dを得る場合、補正後の目標有効電力Ptrは、以下の式(5)を満たすことが条件になると分かる。すなわち、以下の式(5)により、補正後の目標有効電力Ptrを算出できる。
Ptr=(acosθtc+b)Pt/(acosθtm+b) ・・・(5)
(補正処理を含んだ屈折力制御処理)
次に、本実施形態の補正処理を含んだ屈折力制御処理について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
例えば、作業者が操作インターフェイス73を操作し、レンズ操作部71が液体レンズユニット3の起動指令を駆動制御部61に入力すると、設定周波数fhtに調整された駆動信号Cfが液体レンズユニット3に印加開始され、図6に示すフローチャートが開始する。
図6において、共振ロック制御部611は、初期設定として、前述の校正処理と同様、電圧電流位相差θのピークスキャンを行い、電圧電流位相差θのピーク値θpよりも低い所定値を初期設定時目標位相差θtmとして設定し、記憶部64に記憶させる(ステップS1)。
なお、ここでは説明を省略するが、共振ロック制御部611は、ステップS1の後、所定の周期で共振ロック制御を実施する。この共振ロック制御の方法は、校正処理で説明した方法と同様である。
補正部613は、ステップS1で設定された初期設定時目標位相差θtmと校正時目標位相差θtcとを比較し、初期設定時目標位相差θtmと校正時目標位相差θtcとの絶対差が閾値Th1以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
なお、閾値Th1は、検出誤差を考慮して予め設定された値である。
初期設定時目標位相差θtmと校正時目標位相差θtcとの絶対差が閾値Th1以上である場合(ステップS2;Yesの場合)、補正部613は、校正処理時に設定された目標有効電力Ptを補正する(ステップS3;補正ステップ)。
具体的には、補正部613は、校正時に設定された目標有効電力Pt、校正時目標位相差θtc、ステップS1で設定された初期設定時目標位相差θtm、および、所定の定数に基づいて、上述の式(5)により、補正後の目標有効電力Ptrを算出する。
一方、初期設定時目標位相差θtmと校正時目標位相差θtcとの絶対差が閾値Th1未満である場合、(ステップS2;Noの場合)、補正部613は、目標有効電力Ptをそのまま補正後の目標有効電力Ptrとして扱う。
その後、ステップS4〜S8において、屈折力制御部612は、従来と同様の屈折力制御を行う(屈折力制御ステップ)。
具体的には、屈折力制御部612は、液体レンズユニット3の有効電力Pを所定周期で取得し(ステップS4)、取得された有効電力Pと目標有効電力Ptrとの絶対差を算出し、当該絶対差が閾値Th2以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
なお、閾値Th2は、検出誤差を考慮して予め設定された値である。
有効電力Pの検出値と目標有効電力Ptrとの絶対差が閾値Th2以上である場合(ステップS5;Yesの場合)、屈折力制御部612は、有効電力Pの検出値の変化の方向(減少か増加か)を判定する(ステップS6)。
そして、有効電力Pが減少した場合(ステップS6;Yesの場合)、屈折力制御部612は、駆動信号Cfの電圧(駆動電圧V)を現在値より増加させ(ステップS7)、有効電力Pが増加した際には、駆動電圧Vを現在値より減少させる(ステップS8)。
なお、ステップS7またはS8における駆動電圧Vの変化量は、有効電力Pの検出値と目標有効電力Ptrとの差異に対応してもよい。
また、図7は、説明のために、駆動信号Cfの周波数に対する有効電力Pの変化を示すグラフである。この図7に示す例では、変化前の有効電力Pを実線で示し、減少側に変化した有効電力Pを点線で示している。このような変化が生じた場合には、駆動電圧Vを増加させることで有効電力Pを目標有効電力Ptrに近づける。
一方、有効電力Pの検出値と目標有効電力Ptrとの絶対差が閾値Th2未満である場合(ステップS5;Noの場合)、ステップS4に戻り、有効電力Pの監視を継続する。
以上のステップS5〜ステップS8によれば、液体レンズユニット3における有効電力Pは目標有効電力Ptrに制御される。これにより、液体レンズユニット3の最大屈折力Dが所望の値に安定化される。
(本実施形態の効果)
本実施形態の焦点距離可変レンズ装置1は、液体レンズユニット3に供給される有効電力Pと目標有効電力Ptrとの比較に基づいて駆動信号Cfの電圧を制御する屈折力制御部612と、目標有効電力Ptの補正を行う補正部613と、を備える。また、補正部613は、共振ロック制御部611により液体レンズユニット3の校正時に設定された目標位相差θである校正時目標位相差θtcと、共振ロック制御部611により液体レンズユニット3の初期設定時に設定された目標位相差θである初期設定時目標位相差θtmとに基づいて、目標有効電力Ptを補正する。
このような本実施形態の焦点距離可変レンズ装置1では、液体レンズユニット3の校正後、液体レンズユニット3の有効電力Pと液体レンズユニット3の最大屈折力Dとの関係に経年変化が生じている場合であっても、補正後の目標有効電力Ptrに基づいた屈折力制御が行われることにより、液体レンズユニット3の最大屈折力Dを所望の値に制御することができる。
また、本実施形態において、補正部613は、初期設定時目標位相差θtmが校正時目標位相差θtcより増加している場合、目標有効電力を減少させ、初期設定時目標位相差θtmが校正時目標位相差θtcより減少している場合、目標有効電力Ptを増加させることが好ましい。
このような構成によれば、目標有効電力Ptを適切な値に補正することができる。
(変形例)
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前記実施形態において、共振ロック制御部611は、電圧電流位相差θのピーク値θpを求め、このピーク値θpよりも低い所定値を目標位相差θ(例えば校正時目標位相差θtcまたは初期設定時目標位相差θtm)として設定しているが、本発明はこれに限られない。
例えば、共振ロック制御部611は、電圧電流位相差θのピーク値θpを目標位相差θとして設定してもよい。この場合、共振ロック制御部611は、電圧電流位相差θだけでなく、駆動電流Iを監視することで、共振ロック制御を行うことができる。具体的には、共振ロック制御部611は、電圧電流位相差θが低下している場合、駆動電流Iが低下しているか否かを判定する。そして、共振ロック制御部611は、駆動電流Iが低下している場合、駆動信号Cfの設定周波数fhtを下げ、駆動電流Iが上昇している場合、駆動信号Cfの設定周波数fhtを上げる。これにより、駆動信号Cfの設定周波数fhtが液体レンズユニット3の共振周波数にロックされる。
なお、このような変形例では、共振ロック制御部611の制御中に参照対象が変動することを回避するために、屈折力制御部612が駆動電圧を増減させる間、共振ロック制御部611が待機状態になることが望ましい。
前記実施形態では、液体レンズユニット3の駆動および制御を行うために、レンズ制御部6と制御用PC7との組み合わせを用いたが、これらは一体の装置として構成されてもよい。
1…焦点距離可変レンズ装置、2…対物レンズ、3…液体レンズユニット(レンズシステム)、4…画像検出部、5…パルス照明部、6…レンズ制御部、61…駆動制御部、611…共振ロック制御部、612…屈折力制御部、613…補正部、62…発光制御部、63…画像検出制御部、64…記憶部、7…制御用PC、71…レンズ操作部、72…画像処理部、73…操作インターフェイス、9…測定対象物、A…光軸、Cc…画像検出信号、Cf…駆動信号、Ci…発光信号、Df…合焦距離、Pf…合焦位置、Im…検出画像、Lg…画像、Li…照明光、Lr…反射光、Vf…振動状態、θ…電圧電流位相差、fht…設定周波数、D…最大屈折力、P…有効電力、Pt,Ptr…目標有効電力。

Claims (3)

  1. 入力される駆動信号に応じて屈折率が変化する液体共振式のレンズシステムと、
    前記駆動信号の入力により前記レンズシステムに加えられる駆動電圧と駆動電流との間の位相差である電圧電流位相差について所定の目標位相差を設定し、前記レンズシステムから得られる前記電圧電流位相差と前記目標位相差との比較に基づいて、前記駆動信号の周波数を前記レンズシステムの共振周波数に制御する共振ロック制御部と、
    前記レンズシステムの校正時に設定された前記目標位相差である校正時目標位相差と前記校正時に設定された前記レンズシステムの目標有効電力とを記憶する記憶部と、
    前記レンズシステムの初期設定時に設定された前記目標位相差である初期設定時目標位相差と前記校正時目標位相差とに基づいて、前記目標有効電力を補正する補正部と、
    前記レンズシステムに供給される有効電力と前記補正部により補正された前記目標有効電力との比較に基づいて、前記駆動信号の電圧を制御する屈折力制御部と、を備える
    ことを特徴とする焦点距離可変レンズ装置。
  2. 請求項1に記載の焦点距離可変レンズ装置において、
    前記補正部は、前記初期設定時目標位相差が前記校正時目標位相差より増加している場合、前記目標有効電力を減少させ、前記初期設定時目標位相差が前記校正時目標位相差より減少している場合、前記目標有効電力を増加させる
    ことを特徴とする焦点距離可変レンズ装置。
  3. 入力される駆動信号に応じて屈折率が変化する液体共振式のレンズシステムと、
    前記駆動信号の入力により前記レンズシステムに加えられる駆動電圧と駆動電流との間の位相差である電圧電流位相差について所定の目標位相差を設定し、前記レンズシステムから得られる前記電圧電流位相差と前記目標位相差との比較に基づいて、前記駆動信号の周波数を前記レンズシステムの共振周波数に制御する共振ロック制御部と、
    前記レンズシステムの校正時に設定された前記目標位相差である校正時目標位相差と前記校正時に設定された前記レンズシステムの目標有効電力とを記憶する記憶部と、を備える焦点距離可変レンズ装置の制御方法であって、
    前記レンズシステムの初期設定時に設定された前記目標位相差である初期設定時目標位相差と前記校正時目標位相差とに基づいて、前記目標有効電力を補正する補正ステップと、
    前記レンズシステムに供給される有効電力と前記補正ステップにより補正された前記目標有効電力との比較に基づいて、前記駆動信号の電圧を制御する屈折力制御ステップと、を含むことを特徴とする焦点距離可変レンズ装置の制御方法。
JP2020099602A 2020-06-08 2020-06-08 焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法 Pending JP2021193431A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020099602A JP2021193431A (ja) 2020-06-08 2020-06-08 焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020099602A JP2021193431A (ja) 2020-06-08 2020-06-08 焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021193431A true JP2021193431A (ja) 2021-12-23

Family

ID=79168789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020099602A Pending JP2021193431A (ja) 2020-06-08 2020-06-08 焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021193431A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10816755B2 (en) Variable focal length lens device
EP1482344B1 (en) Optical apparatus having photoelectric conversion element and vibrating dust-off glass plate
JP6925857B2 (ja) 焦点距離可変レンズ装置および焦点距離可変レンズ制御方法
KR100803406B1 (ko) 광원 구동 방법 및 프로젝터
US11022727B2 (en) Variable focal length lens apparatus and control method
US11215788B2 (en) Variable focal length lens device and variable focal length lens control method
JP7189702B2 (ja) 焦点距離可変レンズ装置および焦点距離可変レンズ制御方法
US20200296337A1 (en) Control device, optical scanning device, display apparatus, and control method
JP2010251448A (ja) 第三高調波を出力する固体パルスレーザ装置
JP2021193431A (ja) 焦点距離可変レンズ装置およびその制御方法
US11474285B2 (en) Variable focal length lens device and variable focal length lens control method
US20210075955A1 (en) Image detection device
CN110488487B (zh) 控制装置、光扫描装置、显示装置以及控制方法
JP4983752B2 (ja) 光源駆動方法およびプロジェクタ
JP7333744B2 (ja) 高さ測定方法および高さ測定装置
JP7478529B2 (ja) 焦点距離可変レンズ装置および焦点距離可変レンズ装置の制御方法
JP2022000679A (ja) 焦点距離可変レンズ制御方法、焦点距離可変レンズ制御装置、画像検出方法、および画像検出装置
JP5304843B2 (ja) 光源駆動方法およびプロジェクタ
US20240210601A1 (en) Variable focal length lens device and variable focal length lens control method
KR100799832B1 (ko) 압전 액츄에이터 구동주파수 설정 방법
JP2010237534A (ja) 駆動信号発生器及びそれを備えた光走査装置並びに画像表示装置
JP2010245647A (ja) 圧電素子の駆動回路及び異物除去装置
CN118259384A (en) Variable focal length lens device and variable focal length lens control method
CN114764065A (zh) 图像检测装置和图像检测方法
JP2024093658A (ja) 焦点距離可変レンズ装置および焦点距離可変レンズ制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240528