JP2021193010A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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明子 荻原
Akiko Ogiwara
靖宏 庄田
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Abstract

【課題】耐カット性及び耐摩耗性に優れるとともに、高い荷重能力と省スペース化との両立が図られた、空気入りタイヤを提供する。【解決手段】路面に接するトレッドと、トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着される空気入りタイヤ10であって、空気入りタイヤの外径ODは、350mm以上、600mm以下であり、空気入りタイヤに組み付けられるリムホイールのリム幅をRW、空気入りタイヤのタイヤ断面幅をSWとした場合、以下の関係;0.78≦RW/SW≦0.88を満たし、天然ゴムを含有するゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物及び/又は直鎖状多価アルコールと、を含むゴム組成物を用いたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
ゴム組成物及びそれを架橋して得られる架橋ゴムの機能向上のために、種々の成分がゴム組成物の添加剤としても用いられている。
例えば、特許文献1には、ジエン系ゴムと、ガラス転移点及びCTAB吸着比表面積を特定範囲に規定したシリカと、を含有させることにより、耐摩耗性と、ウェット性能及び氷上性能との両立を図った技術が開示されている。
ただし、特許文献1に開示された技術は、ゴム組成物が低弾性であるため、加硫後のゴム組成物の耐カット性や、耐摩耗性について、十分な効果が得られておらず、さらなる改良が望まれていた。
また近年では、都市内での人や物などの輸送に主眼を置いた新たな小型シャトルバスが提案されている。この小型シャトルバスでは、小型(全長5メートル、全幅2メートル程度の大きさ)であるものの、車両総重量が3トンを超える場合も想定されている。そのため、このような車両に装着される空気入りタイヤについては、高い耐荷重能力と、省スペース化とが求められており、上述した耐カット性及び耐摩耗性とともに技術の開発が望まれている。
特開2016−47888号公報
そのため、本発明の目的は、耐カット性及び耐摩耗性に優れるとともに、高い荷重能力と省スペース化との両立が図られた、空気入りタイヤを提供することにある。
そして、本発明の空気入りタイヤは、路面に接するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着される空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤの外径は、350mm以上、600mm以下であり、前記空気入りタイヤに組み付けられるリムホイールのリム幅をRW、前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅をSWとした場合、0.78≦RW/SW≦0.88の関係を満たし、
天然ゴムを含有するゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物及び/又は直鎖状多価アルコールと、を含むゴム組成物を用いたことを特徴とする。
上記構成により、空気入りタイヤの耐カット性及び耐摩耗性を改善できるとともに、高い荷重能力と省スペース化とを両立できる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記ベルト層は、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き回されたシースベルトを含むことが好ましい。ベルト層の耐久性を、より向上させることができるためである。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、前記環状ポリオール化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、0.1〜6質量部であることがより好ましい。伸長疲労性を良好に維持しつつ、より優れた耐カット性を実現できる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物が、下記式(1):
Figure 2021193010
[式中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである]で表わされる化合物であることがより好ましく、式(1)中のAのヒドロカルビル基部分の炭素数が12〜24であることがより好ましい。より優れた伸長疲労性及び耐カット性を実現できるためである。
さらにまた、本発明の空気入りタイヤでは、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の融点が、40〜100℃であることが好ましい。高温時の耐カット性をより向上できるためである。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記直鎖状多価アルコールが、3つ以上の水酸基を有することが好ましい。より優れた耐カット性を実現できるからである。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、前記直鎖状多価アルコールの融点が160℃未満であることが好ましい。混練、加硫反応時の溶解性を向上できるからである。
さらにまた、本発明の空気入りタイヤでは、前記直鎖状多価アルコールが、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びガラクチトールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。より優れた耐カット性を実現できるからである。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記直鎖状多価アルコールの含有量が、前記ゴム成分中の天然ゴム100質量部に対して、0.1〜6質量部であることが好ましい。低発熱性や伸長疲労性等の性能を良好に維持しつつ、優れた耐カット性を実現できるからである。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは前記ゴム成分中の天然ゴムの含有量が、70質量%以上であることが好ましい。より優れた耐カット性及び耐摩耗性を実現できるためである。
さらにまた、本発明の空気入りタイヤでは、前記ゴム組成物が、少なくともシリカ又はカーボンブラックを含有する充填剤を、さらに含むことが好ましく、前記充填剤のうち、前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜100質量部であることがより好ましく、前記充填剤のうち、前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜100質量部であることがより好ましい。加工性を悪化させることなく、より優れた耐カット性及び耐摩耗性を実現できるためである。
加えて、本発明の空気入りタイヤでは、前記ゴム組成物が、少なくともトレッド部材に用いられることが好ましい。耐摩耗性や補強性の向上効果がより顕著に発揮されるためである。
本発明によれば、耐カット性及び耐摩耗性に優れるとともに、高い荷重能力と省スペース化との両立が図られた、空気入りタイヤを提供することができる。
タイヤが装着される車両の全体概略側面図である。 本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ及びリムホイールの断面図である。 本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 製造途中におけるベルト層の単体斜視図である。 製造後におけるベルト層の単体斜視図である。 タイヤ形状(タイヤ外径OD及びタイヤ幅SW)と、リムホイール形状(リム径RD及びリム幅RW)との組合せに基づく典型的なタイヤサイズのポジショニングを示す図である。
本発明の空気入りタイヤについて、図面を参照しながら詳細に例示説明する。
(1)空気入りタイヤが装着される車両の概略構成
図1は、タイヤが装着される車両の全体概略側面図である。図1に示すように、本実施形態では、車両1は、4輪自動車である。なお、車両1は、4輪に限定されず、6輪構成或いは8輪構成などであってもよい。
車両1は、車輪構成に応じて、所定数の空気入りタイヤ10が装着される。具体的には、車両1には、リムホイール100に組み付けられた空気入りタイヤ10が所定位置に装着される。
車両1は、都市内での人や物などの輸送に主眼を置いた新たな小型シャトルバスに属する。本実施形態では、新たな小型シャトルバスとは、全長が4m〜7m、全幅2m程度であり、車両総重量が3tоn前後である車両を想定する。但し、サイズ及び車両総重量は、必ずしも当該範囲に限定されず、多少であれば、当該範囲から外れても構わない。
また、小型シャトルバスは、必ずしも人の輸送に限らず、物の輸送、移動店舗、移動オフィスなどとして用いられてもよい。
さらに、小型シャトルバスは、都市内での人や物などの輸送に主眼が置かれているため、比較的低い走行速度レンジ(最高速度70km/h以下、平均速度50km/h程度)を想定する。このため、ハイドロプレーニング対策は重視されなくても構わない。
本実施形態では、車両1は、自動運転機能(レベル4以上を想定)を備えた電気自動車であることが好ましいが、自動運転機能は必須ではなく、また、電気自動車でなくても構わない。
車両1が電気自動車である場合、インホイールモーター(不図示)をパワーユニットとして用いられることが好ましい。インホイールモーターは、ユニット全体がリムホイール100の内側空間に設けられてもよいし、ユニットの一部がリムホイール100の内側空間に設けられてもよい。
また、インホイールモーターを用いる場合、車両1は、各車輪が独立して操舵が可能な独立操舵機能を備えることが好ましい。これにより、その場での転回、及び横方向への移動が可能となるとともに、動力伝達機構が不要となるため、車両1のスペース効率を向上し得る。
このように、車両1では、高いスペース効率が要求される。このため、空気入りタイヤ10は、極力小径であることが好ましい。
一方、車両サイズ及び用途に応じた相応の車両総重量となる車両1に装着されるため、高い耐荷重能力(最大負荷能力)が要求される。
そのため、空気入りタイヤ10は、このような要件を満たすべく、タイヤ外径OD(図1において不図示、図2参照)を小さくしつつ、車両1の車両総重量に対応した耐荷重能力を有する。
(2)空気入りタイヤの構造
図2は、空気入りタイヤ10及びリムホイール100の断面図である。具体的には、図2は、リムホイール100に組み付けられた空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。なお、図2では、断面のハッチング表示は、省略されている(図3以降も同様)。
空気入りタイヤ10は、比較的小径である一方、幅広である。具体的には、リムホイール100の径であるリム径RDは、12インチ以上、17.5インチ以下であることが好ましい。但し、リム径RDは、他の数値範囲(下記の(式2)及び(式3))を満たすのであれば、10インチ以上、22インチ以下であってもよい。
なお、図2に示すように、リム径RDは、リムホイール100のリム本体部分の外径であり、リムフランジ110の部分は含まない。
また、空気入りタイヤ10のタイヤ幅SWは、125mm以上、255mm以下であることが好ましい。図2に示すように、タイヤ幅SWは、空気入りタイヤ10の断面幅を意味し、空気入りタイヤ10がリムガード(不図示)を備える場合、リムガード部分は含まれない。
さらに、空気入りタイヤ10の偏平率は、35%以上、75%以下であることが好ましい。なお、偏平率は、下記の(式A)を用いて算出される。
偏平率(%)=タイヤ断面高さH/タイヤ幅SW(断面幅)×100 ・・・(式A)
空気入りタイヤ10の外径であるタイヤ外径ODは、350mm以上、600mm以下である。なお、タイヤ外径ODは、500mm以下であることが好ましい。
タイヤ外径ODがこのようなサイズであって、空気入りタイヤ10に組み付けられるリムホイール100のリム幅をリム幅RWとした場合、空気入りタイヤ10は、(式B)及び(式C)の関係を満たす。
0.78≦RW/SW≦0.88 ・・・(式B)
0.56≦RD/OD≦0.66 ・・・(式C)
このような関係を満たす空気入りタイヤ10は、小径でありながら、車両1の車両総重量を支持するために必要なエアボリュームを確保し得る。具体的には、エアボリュームは、荷重支持性能を考慮すると20,000cm以上であることが好ましい。また、省スペース化を考慮すると80,000cm以下であることが好ましい。
なお、RWに代えて、ビードヒール間のタイヤ幅方向距離Dについて、
0.78≦D/SW≦0.88
としても良い。
なお、上述の関係を満たすのであれば、リム幅RWは、特に限定されないが、エアボリュームを確保する観点からは、なるべく広いことが好ましい。
また、同じくエアボリュームを確保する観点からは、タイヤ外径ODに対するリム径RDの比率が小さい、つまり、偏平率が高いことが好ましい。但し、上述したように、応答性の観点からは偏平率が低いことが好ましく、また、インホイールモーターなどの収容スペースを考慮すると、リム径RDは大きいことが好ましいため、偏平率及びリム径RDは、エアボリュームと、応答性及びインホイールモーターなどの収容スペースとにおいてトレードオフの関係となる。
空気入りタイヤ10としての好適なサイズの一例としては、215/45R12が挙げられる。また適合リム幅は、7.0J程度である。
さらに、特に限定されないが、空気入りタイヤ10の設定内圧(正規内圧)は、400〜1,100kPa、好ましくは500〜900kPaを想定する。なお、正規内圧とは、例えば、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBookにおける最大負荷能力に対応する空気圧であり、欧州ではETRTO、米国ではTRA、その他各国のタイヤ規格が対応する。
また、空気入りタイヤ10が負担する荷重は、500〜1,500kgfであることが好ましく、例えば900kgf程度である。
ここで、図3は、空気入りタイヤ10の単体断面図である。具体的には、図3は、空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。
図3に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド20、タイヤサイド部30、カーカス40、ベルト層50、ビード部60、及びベルト補強層70を備える。
トレッド20は、路面と接する部分である。トレッド20には、空気入りタイヤ10の使用環境や装着される車両の種別に応じたパターン(不図示)が形成される。
本実施形態では、トレッド20には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝21及び周方向主溝22を含む複数の周方向溝が形成される。
タイヤサイド部30は、トレッド20に連なり、トレッド20のタイヤ径方向内側に位置する。タイヤサイド部30は、トレッド20のタイヤ幅方向外側端からビード部60の上端までの領域である。タイヤサイド部30は、サイドウォールなどと呼ばれることもある。
カーカス40は、空気入りタイヤ10の骨格を形成する。カーカス40は、タイヤ径方向に沿って放射状に配置されたカーカスコード(不図示)がゴム材料によって被覆されたラジアル構造である。但し、ラジアル構造に限定されず、カーカスコードがタイヤ径方向に交錯するように配置されたバイアス構造でも構わない。
ベルト層50は、トレッド20のタイヤ径方向内側に設けられる。ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52によって構成される。
コアベルト51は、トレッド20の一方のショルダー部26からトレッド20の他方のショルダー部27に亘って設けられる。ショルダー部26は、周方向主溝21よりもタイヤ幅方向外側の領域であり、ショルダー部27は、周方向主溝22よりもタイヤ幅方向外側の領域である。つまり、ショルダー部26及びショルダー部27は、最もタイヤ幅方向外側に形成されている周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の領域である。
また、コアベルト51は、タイヤ幅方向に対して低角度で傾斜したベルトコード51a(図3において不図示、図4A参照)をゴム被覆したベルトである。シースベルト52は、コード(不図示)を含むテープ状のベルトであり、コアベルト51の全周に亘って巻き付けられる。ベルト層50は、交錯ベルト層と同様の機能を提供する。なお、ベルト層50の構成については、さらに後述する。
ビード部60は、タイヤサイド部30に連なり、タイヤサイド部30のタイヤ径方向内側に位置する。ビード部60は、リムホイール100に係止され、円環状のビードコア61を有する。カーカス40は、ビードコア61を介してタイヤ幅方向外側に折り返されている。
また、ビード部60において折り返されたカーカス40の折り返し端部41は、ビードコア61に沿って巻き付けられるように設けられている。折り返し端部41は、ビードコア61のタイヤ径方向外側端に接している。具体的には、カーカス40の折り返し端部41では、カーカスコードがビードコア61のタイヤ径方向外側端に巻き付けられている。
なお、ビード部60には、ビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラーが設けられてもよいし、ビード部60で折り返されているカーカス40などがリムホイール100と擦れて摩耗することを防止するチェーファーが設けられてもよい。
(3)ベルト層50の構成
図4A及び図4Bは、ベルト層50の構成を示す。具体的には、図4Aは、製造途中におけるベルト層50の単体斜視図であり、図4Bは、製造後におけるベルト層50の単体斜視図である。
上述したように、ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52によって構成される。図4Aに示すように、コアベルト51は、タイヤ幅方向に沿って配置されたベルトコード51aを有する。コアベルト51は、複数のベルトコード51aをゴム被覆することによって形成された円環状のベルトである。
なお、ベルトコード51aは、図4Aに示すように、タイヤ幅方向に対して多少傾斜していることが好ましい。具体的には、ベルトコード51aは、シースベルト52の傾斜方向と同一方向(図4Aでは左上がり)に傾斜していることが好ましい。
シースベルト52は、幅が1cm程度のテープ状のベルトであり、タイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回される。具体的には、シースベルト52は、シースベルト52の幅以上の所定距離を隔ててタイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回される。
シースベルト52が、隣接するシースベルト52と重複しないようにタイヤ周方向において複数周回に亘って巻き回されることによって、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面を覆う。
また、テープ状であるシースベルト52の長手方向の端部(不図示)は、ショルダー部26, 27、及びセンター領域(タイヤ赤道線直下)には位置しないようにコアベルト51に巻き回される。
さらに、シースベルト52は、図4Bに示すように、円環状のコアベルト51の全周に亘って巻き付けられる。
また、本実施形態では、ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52のみによって構成される。上述したように、ベルト層50は、交錯ベルト層と同様の機能を提供する。本実施形態では、コアベルト51及びシースベルト52からなるベルト層50のタイヤ径方向外側に図示例で1層のベルト補強層70が配置されている。ベルト補強層70は、例えば1層以上の、タイヤ周方向に延びるコードのゴム引き層とすることができる。図示例では、ベルト補強層70のタイヤ幅方向の幅は、ベルト層50のタイヤ幅方向の幅より大きいが、等しくすることもでき、小さくすることもできる。ベルト補強層70を2層以上設ける場合には、いわゆるキャップ・アンド・レイヤー構造とすることもでき、タイヤ径方向外側のベルト補強層をタイヤ幅方向各半部のショルダー部にのみ設けることができる。
コアベルト51におけるベルトコード51aの打ち込み本数は、15本/50mm以上、30本/50mm以下であることが好ましい。また、シースベルト52におけるコードの打ち込み本数は、10本/50mm以上、25本/50mm以下であることが好ましい。また、ベルトコード51aの打ち込み本数は、シースベルト52におけるコードの打ち込み本数よりも多い(つまり、密)なことが好ましい。
ベルトコード51aがタイヤ幅方向と成す角度は、20度以上、60度以下であることが好ましい。シースベルト52のコードがタイヤ幅方向と成す角度は、50度以上、80度以下であることが好ましい。また、シースベルト52のコードがタイヤ幅方向と成す角度は、ベルトコード51aがタイヤ幅方向と成す角度よりも大きいことが好ましい。
また、シースベルト52のタイヤ周方向における折り返し回数は、性能確保及び生産性を考慮すると、3回以上、6回以下であることが好ましい。
(3)作用・効果
次に、上述した空気入りタイヤ10の作用・効果について説明する。図5は、タイヤ形状(タイヤ外径OD及びタイヤ幅SW)と、リムホイール形状(リム径RD及びリム幅RW)との組合せに基づく典型的なタイヤサイズのポジショニングを示す図である。
具体的には、図5に示すグラフの横軸は、リム幅RWとタイヤ幅SWとの比率(RW/SW)を示し、縦軸は、リム径RDとタイヤ外径ODとの比率(RD/OD)を示す。図5では、RW/SW及びRD/ODの値に従って、典型的なタイヤサイズのポジションがプロットされている。
図5に示すように、トラック・バス用タイヤの領域は、RW/SW及びRD/OD共に低い。乗用車又は小型トラック用タイヤの領域は、RW/SW及びRD/OD共に、トラック・バス用タイヤよりも高い。
上述した空気入りタイヤ10としての好適なサイズの一例である215/45R12は、領域A1に含まれる。領域A1は、上述したように、0.78≦RW/SW≦0.88であり、0.56≦RD/OD≦0.66の範囲である。このような領域A1は、上述した車両1のように、都市内での人や物などの輸送に主眼を置いた新小型シャトルバス用タイヤの領域と位置付けられる。
新小型シャトルバス用タイヤの領域のRD/ODは、乗用車又は小型トラック用タイヤの領域のRD/ODと大きく変わらず、一部は重複している。一方、新小型シャトルバス用タイヤの領域のRW/SWは、乗用車又は小型トラック用タイヤの領域のRW/SWよりも高い。
上述したように、空気入りタイヤ10のタイヤ外径ODは、350mm以上、600mm以下である。このため、車両1のサイズと比較して十分に小径であり、車両1の省スペース化に貢献し得る。
また、領域A1に含まれるサイズの空気入りタイヤ10によれば、
0.78≦RW/SW≦0.88
の関係を満たすため、タイヤ幅SWに対するリム幅RWが広く、つまり、幅広のタイヤを構成でき、高い耐荷重能力を発揮するために必要なエアボリュームを確保し易い。なお、リム幅RWが広くなり過ぎると、タイヤ幅SWも広がりスペース効率が低下するとともに、ビード部60がリムホイール100から外れやすくなる。
さらに、領域A1に含まれるサイズの空気入りタイヤ10によれば、
0.56≦RD/OD≦0.66
の関係を満たすため、タイヤ外径ODに対するリム径RDが大きく、インホイールモーターなどの収容スペースを確保し易い。なお、リム径RDが小さくなり過ぎると、ディスクブレーキ又はドラムブレーキの径サイズが小さくなる。このため、有効なブレーキの接触面積が小さくなり、必要な制動性能の確保が難しくなる。
すなわち、空気入りタイヤ10によれば、新たな小型シャトルバスなどに装着される場合において、さらに高い耐荷重能力を有しつつ、高いスペース効率を達成し得る。
空気入りタイヤ10のリム径RDは、12インチ以上、17.5インチ以下であることが好ましい。これにより、小径を維持しつつ、必要十分なエアボリューム及びインホイールモーターなどの収容スペースを確保し得る。また、制動性能及び駆動性能も確保できる。
また、空気入りタイヤ10のタイヤ幅SWは、125mm以上、255mm以下であることが好ましい。さらに、空気入りタイヤ10の偏平率は、35%以上、75%以下であることが好ましい。これにより、必要十分なエアボリューム及びインホイールモーターなどの収容スペースを確保し得る。
さらに、本実施形態では、上述したように、ベルト層50は、トレッド20の一方のショルダー部26からトレッド20の他方のショルダー部27に亘って設けられるコアベルト51と、タイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回されたシースベルト52とを含む。
このようなベルト層50は、一般的な交錯ベルト層と比較して、特にトレッド20のショルダー部26及びショルダー部27の剛性が高く、空気入りタイヤ10のような小径タイヤで懸念される当該ショルダー部の径成長を効果的に抑制し得る。
具体的には、空気入りタイヤ10のタイヤ外径ODが小さいため、カーカス40の張力が一定であると仮定すると、相対的にベルト層50の張力が、タイヤ外径ODが大きいタイヤよりも低くなる。このため、特に、ベルト層の剛性が低いショルダー部では、タイヤの径成長が顕著である。
また、空気入りタイヤ10の偏平率が低いため、カーカス40がタイヤ幅方向により強く引っ張られ、相対的にタイヤ径方向への引っ張りが低くなる。このため、やはり、ショルダー部ではタイヤの径成長が顕著である。
さらに、空気入りタイヤ10は、上述したように、大きな荷重を支持しなくてはならず、また、車両総重量に対応した高い内圧に設定されるため、ベルト層の耐久性の悪化が懸念される。
空気入りタイヤ10では、コアベルト51及びシースベルト52によって構成されるベルト層50によって、このようなトレッド20のショルダー部26及びショルダー部27における径成長が抑制される。
すなわち、空気入りタイヤ10によれば、高い耐荷重能力と省スペース化とを達成しつつ、ベルト(ベルト層50)の耐久性も向上し得る。
また、本実施形態では、螺旋状に巻き回されるシースベルト52の長手方向の端部は、ショルダー部26, 27(つまり、最もタイヤ径方向外側に形成されている周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の領域)、及びセンター領域(つまり、タイヤ赤道線直下)には位置しないため、シースベルト52の長手方向の端部に起因する歪の発生を抑制し得る。
さらに、本実施形態では、ベルトコード51aは、シースベルト52の傾斜方向と同一方向に傾斜している。これにより、コアベルト51及びシースベルト52は、同様な変形時の特性を有するため、ベルト層50の耐久性が向上する。
本実施形態では、シースベルト52は、テープ状のベルトであり、シースベルト52の幅以上の所定距離を隔ててタイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回される。また、シースベルト52は、タイヤ周方向において複数周回に亘って巻き回されることによって、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面を覆う。
このため、タイヤ全周に亘って、特にタイヤ幅方向端部の剛性が高いベルト層50を提供し得る。これにより、ベルト層50の耐久性をさらに向上し得る。
本実施形態では、ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52のみによって構成される。上述したように、コアベルト51及びシースベルト52によって構成されるベルト層50は、トレッド20のショルダー部26及びショルダー部27における径成長を十分に抑制することができるため、さらに補強ベルトなどを追加する必要がない。これにより、空気入りタイヤ10の重量増を抑制しつつ、ベルト層50の耐久性を向上し得る。
(4)空気入りタイヤを構成するゴム組成物
本実施形態では、上述した構造の特徴に加えて、天然ゴムを含有するゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物及び/又は直鎖状多価アルコールと、を含むゴム組成物を用いたことを特徴とする。
ゴム成分として天然ゴムを含有するゴム組成物中に、上述した環状ポリオール化合物及び/又は直鎖状多価アルコールを含有させることによって、ゴムの強度を高め、耐カット性及び耐摩耗性の向上が可能となる。
・ゴム成分
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分については、天然ゴム(NR)を含有する。天然ゴムを一定量含有することで、後述する直鎖状多価アルコールやヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物とともに用いることで、優れた耐カット性や、補強性、耐摩耗性等を得ることができる。
ここで、前記ゴム成分中の天然ゴムの含有量については、特に限定はされないが、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。前記ゴム成分中の天然ゴムの含有量を50質量%以上とすることで、後述する直鎖状多価アルコールやヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物とともに用いた際、より確実に耐カット性や耐摩耗性の向上を図れるためである。
なお、前記ゴム成分は、前記天然ゴムの他にも、任意の合成ゴムを含有することが可能である。
例えば、優れた耐カット性や耐摩耗性を得ることができる点からは、前記ゴム成分は、ジエン系合成ゴムを含むことが好ましい。
前記ジエン系合成ゴムについては、例えば、合成ポリイソプレン(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等を挙げられる。なお、前記ゴム成分中のジエン系合成ゴムについては、1種単独で含有してもよいし、2種以上のブレンドとして含有してもよい。また、前記ゴム成分は、要求される性能に応じて、非ジエン系の合成ゴムを含有することも可能である。
・ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物
前記ゴム組成物は、上述したゴム成分に加えて、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物をさらに含むことができる。
ゴム組成物中に含有されたヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物は、ゴム組成物(ひいては空気入りタイヤ)の耐カット性を大きく向上させることができる。また、前記ゴム成分のゴム分子と後述する充填剤との相互作用を高めることによって、架橋後のゴムの物理的特性を均質化させることができる結果、補強性や耐摩耗性についても向上できる。
さらに、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物は、ソルビトール等の化合物に比べて親水部位が少ないため、ゴム組成物中での自己凝集についても抑えることができ、その結果、ゴム組成物の伸長疲労性や低発熱性の悪化を抑えることができる。
ここで、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物については、2つ以上の水酸基を有することが好ましく、3つ以上の水酸基を有することが好ましい。多くの水酸基を有することにより、ゴム成分と添加剤との相互作用がより強く発揮され、より優れた耐カット性を実現できるからである。
また、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物については、より優れた伸長疲労性及び耐カット性を実現する観点から、下記式(1):
Figure 2021193010
で表わされる化合物であることがより好ましい。
上記式(1)中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、該Aのヒドロカルビル基部分の炭素数は、12〜24であることが好ましい。式(1)中のAのヒドロカルビル基部分の炭素数が12〜24の範囲であれば、良好な伸長疲労性を維持しつつ、耐カット性がより向上する。
なお、式(1)中のAは、環部分から1番目の原子(即ち、環に結合している原子)、又は環部分から2番目の原子が酸素原子であることが好ましい。環部分から1番目の原子が酸素原子であるAとしては、例えば、−O−A’、−O−CO−A’’で表わされる基が挙げられ、また、環部分から2番目の原子が酸素原子であるAとしては、例えば、−CH−O−A''、−CH−O−CO−A’’’で表わされる基が挙げられ、ここで、A’は炭素数6〜30のヒドロカルビル基、A’’は炭素数5〜29のヒドロカルビル基、A’’’は炭素数4〜28のヒドロカルビル基であることが好ましく、また、A’、A’’及びA’’’は炭素数12〜24のヒドロカルビル基であることがさらに好ましい。
また、上記式(1)中、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである。X、X、X及びXの3つ以上が−OHであることで、ゴム組成物の耐カット性が更に向上する。
さらに、上記式(1)で表わされる化合物の中でも、下記式(2)又は式(3):
Figure 2021193010
で表わされる化合物が更に好ましく、上記式(2)で表わされる化合物が特に好ましい。
なお、式(2)及び式(3)中、nは自然数であり、11〜23の範囲が好ましい。
前記変性環状ポリオール化合物として、上記式(2)又は式(3)で表わされる化合物を配合することで、良好な伸長疲労性を維持しつつ、耐カット性をより向上させることができる。
前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物については、特に限定されるものではないが、例えば、ソルビット、ソルビタン、グルコース、フルクトース等のポリオール化合物に、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール等の脂肪族アルコールや、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸を反応させることで得ることができる。
前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の例として、具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のエステル化合物、オクチル−β−D−グルコピラノシド、デシル−β−D−グルコピラノシド、ドデシル−β−D−グルコピラノシド、テトラデシル−β−D−グルコピラノシド、ヘキサデシル−β−D−グルコピラノシド等のエーテル化合物が挙げられる。これら化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらの化合物の中でも、伸長疲労性及び耐カット性をより高いレベルで両立できる観点からは、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物は、ソルビタンモノエステルであることが好ましい。
さらに、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の融点は、40〜100℃であることが好ましく、45〜90℃であることがより好ましい。前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の融点が100℃以下の場合、混練、加硫反応時の溶解性を向上でき、40℃以上の場合、高温時の耐カット性を高めることができるためである。
ここで、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の含有量は、前記天然ゴム100質量部に対して0.1〜6質量部であることが好ましい。、前記天然ゴム100質量部に対して0.1質量部未満の場合には、当該環状ポリオール化合物が少ないため、十分な耐カット性の向上効果が得られず、伸長疲労性についても十分な効果が得られないおそれいがある。一方、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の含有量が、前記天然ゴム100質量部に対して6質量部を超える場合には、当該環状ポリオール化合物の量が多くなりすぎるため、ゴム組成物中での自己凝集が発生し、伸長疲労性の悪化を招くおそれがある。
また、同様の観点から、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の含有量は、前記天然ゴム100質量部に対し0.1〜4質量部であることが好ましく、0.3〜2質量部であることがより好ましい。
・直鎖状多価アルコール
また、前記ゴム組成物は、上述したゴム成分に加えて、直鎖状多価アルコールをさらに含むことができる。
前記直鎖状多価アルコールをさらに含むことによって、ゴム組成物の耐カット性をより高めることができる。
ここで、前記直鎖状多価アルコールについては、3つ以上の水酸基を有することが好ましく、5つ以上の水酸基を有することがより好ましい。前記直鎖状多価アルコール中に多くの水酸基を有することにより、より優れた耐カット性や、耐摩耗性を実現できるからである。
さらに、前記直鎖状多価アルコールの融点は、170℃未満であることが好ましい。混練、加硫反応時の溶解性を向上できるためである。また、ブロッキング性の観点から、前記直鎖状多価アルコールの融点は、40℃以上であることが好ましい。
ここで、前記直鎖状多価アルコールの種類については、特に限定はされず、公知の直鎖状多価アルコールを用いることができる。例えば、より優れた耐カット性を実現できる観点からは、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びガラクチトールからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
また、前記直鎖状多価アルコールの含有量は、前記ゴム成分中の天然ゴム100質量部に対して0.1〜6質量部であることが好ましく、1〜4質量部であることがより好ましい。前記直鎖状多価アルコールの含有量が、前記天然ゴム100質量部に対して0.1質量部以上であることによって、より優れた耐カット性を得ることができ、前記天然ゴム100質量部に対して6質量部以下であることによって、前記直鎖状多価アルコールが凝集することに起因した伸長疲労性の低下を抑制することができる。
なお、前記ゴム組成物においては、前記環状ポリオール化合物及び前記直鎖状多価アルコールのうちの少なくとも一方を含むことで、耐カット性及び耐摩耗性向上の効果を得ることができるが、低発熱性や伸長疲労性を良好に維持しつつ、耐カット性及び耐摩耗性をより高める観点からは、前記環状ポリオール化合物及び前記直鎖状多価アルコールの両方を含むことが好ましい。
・充填剤
前記ゴム組成物は、上述したゴム成分、並びに、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物及び/又は直鎖状多価アルコールに加えて、少なくともシリカ又はカーボンブラックを含有する充填剤を含むことが好ましい。
シリカを含む充填剤を前記ゴム成分とともに含むことによって、低発熱性や、低カット性、耐摩耗性等の特性を向上でき、カーボンブラックを含む充填剤を前記ゴム成分とともに含むことによって、低カット性や、耐摩耗性等の特性を向上できる。
ここで、前記シリカの種類としては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記湿式シリカは、沈降シリカを用いることができる。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性〜アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
また、前記シリカとしては、特に限定されないが、例えばCTAB比表面積(セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積)を、70m/g以上、250m/g以下とすることができる。なお、前記CTAB比表面積は、ASTMD3765−92に準拠して測定された値を意味する。ただし、シリカ表面に対するセチルトリメチルアンモニウムブロミド1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CTABの吸着量から算出される比表面積(m/g)をCTAB比表面積とする。
また、前記シリカのBET比表面積は、100m/g以上、250m/g以下とすることができる。なお、前記BET比表面積は、BET法により求めた比表面積のことであり、本発明では、ASTMD4820−93に準拠して測定することができる。
なお、前記シリカの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であれば、耐カット性や操縦安定性をより向上でき、50質量部未満とすることで、ゴム組成物の加工性悪化や低転がり抵抗性の悪化を抑えることができる。
また、前記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが挙げられ、窒素吸着比表面積(NSA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が20〜250m/gのカーボンブラックを用いることができる。これらの中でも、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させる観点から、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックが好ましい。これらカーボンブラックは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、前記カーボンブラックの含有量については、特に限定はされないが、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上であれば、耐カット性をより向上でき、50質量部未満とすることで発熱性を抑えることができる。
さらにまた、前記カーボンブラックの含有量については、前記シリカの含有量に対する前記カーボンブラックの含有量(カーボンブラックの含有量/シリカの含有量)が、質量比で、0.1〜4であることが好ましい。
前記シリカの含有量に対する前記カーボンブラックの含有質量比が0.1以上であることで、より優れた耐摩耗性や補強性を得ることができ、前記シリカの含有量に対する前記カーボンブラックの含有質量比が4以下であることで、低発熱性の悪化を招くことなく、より優れた耐カット性を得ることができる。
また、前記充填剤は、上述したシリカ及びカーボンブラックの他、下記一般式(XX):
nM・xSiO・zHO ・・・ (XX)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物を含むこともできる。
前記一般式(XX)の無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・H2O)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(CaSiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように、電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
前記一般式(XX)の無機化合物は、耐摩耗性とウェット性能のバランスの観点から、平均粒径が0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜5μmであることがより好ましい。
ここで、前記充填剤の合計含有量は、特に限定されるものではないが、前記ゴム成分100質量部に対して20〜150質量部であることが好ましく、30〜120質量部であることがより好ましく、40〜100質量部であることが特に好ましい。前記充填剤の量について適正化を図ることで、例えば、耐カット性、低ロス性、耐摩耗性等のタイヤ特性をより向上できるためである。
・その他の成分
前記ゴム組成物は、上述した、ゴム成分、直鎖状多価アルコール、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物及び充填剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤を、その他の成分として含むことができる。
その他の成分については、例えば、シランカップリング剤、架橋剤、加硫促進剤、ポリエチレングリコール、軟化剤、樹脂、老化防止剤、亜鉛華等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して含むことができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
また、前記充填剤としてシリカを含有する場合には、シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。シリカによる耐カット性や、補強性、低ロス性の効果をさらに向上させることができるからである。なお、シランカップリング剤は、公知のものを適宜使用することができる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、前記シランカップリング剤の含有量については、シランカップリング剤の種類などによっても異なるが、前記シリカの含有量に対して、質量比で0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。前記シランカップリング剤の含有量を、前記シリカの含有量に対して質量比で0.2以下と小さくすることで、ゴム組成物の耐カット性をより向上させることができるためである。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤等が挙げられる。なお、タイヤ用のゴム組成物としては、これらの架橋剤の中でも硫黄系架橋剤(加硫剤)がより好ましい。
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ゴム成分100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましい。
また、前記架橋剤として硫黄を用いる場合には、加硫促進剤を含むことが好ましい。該加硫促進剤としては、従来公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、例えば、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBSI(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンイミド)等のスルフェンアミド系の加硫促進剤;DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤;テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。その含有量としては、前記硫黄の含有量よりも少ないことが好ましく、前記ゴム成分100質量部に対し、1〜10質量部程度であることがより好ましい。
また、前記ゴム組成物は、スコーチタイムを短縮し、タイヤの製造時における加硫速度を高める等の作業性をより向上できる点から、グリセロールモノステアレートをさらに含むことが好ましい。
なお、前記グリセロールモノステアレートの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上であり、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。該含有量は、3.5質量部以下であり、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。3.5質量部を超えると、スコーチタイムが短くなり過ぎる傾向がある。
さらに、前記ゴム組成物は、ゴムの柔軟性を高め、より優れたウェット性能及び氷上性能を実現できる点から、軟化剤を含むこともできる。該軟化剤は、従来公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤や、パーム油、ひまし油、綿実油、大豆油等の植物系軟化剤が挙げられる。使用の際にはこれらの中から1種単独で又は2種以上を適宜選択使用すればよい。
前記軟化剤を含有する場合には、取り扱い容易性の観点から、上述した軟化剤中でも、25℃等の常温で液体であるもの、例えば、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤を含有することが好ましい。
さらに、前記ゴム組成物は、ゴムの柔軟性を高め、より優れたウェット性能及び氷上性能を実現できる点から、樹脂を含有することができる。前記樹脂としては、種々の天然樹脂及び合成樹脂を使用することができ、具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、石炭系樹脂、キシレン系樹脂等を使用することが好ましい。これら樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記ゴム組成物の製造方法は、特に限定はされない。例えば、上述した、ゴム成分と、直鎖状多価アルコールと、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物と、充填剤と、任意に配合されるその他の成分等とを、公知の方法で、配合し、混錬することで得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、上述したゴム組成物を用いたものであるが、該ゴム組成物を適用する部位については特に限定はされない。
例えば、トレッド部、ショルダー部、サイドウォール部、ビード部、ベルト層(ベルトコーティングゴム)及びカーカス(プライコーティングゴム)の少なくとも一か所に用いることができる。これらの部位の中でも、トレッド部に好適に用いることができる。前記ゴム組成物をタイヤトレッド部に適用することで、低転がり抵抗性や伸長疲労性等の性能を良好に維持しつつ、優れた耐カット性を実現できる。
(5)その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、空気入りタイヤ10が、0.56≦RD/OD≦0.66の関係を満たすとしたが、当該関係は、必ずしも満たしていなくても構わない。また、上述した実施形態では、カーカス40の折り返し端部41は、ビードコア61に沿って巻き付けられるように設けられていたが、折り返し端部41は、ビードコア61に沿って巻き付けられていなくても構わない。さらに、上述した実施形態では、シースベルト52は、シースベルト52の幅以上の所定距離を隔ててタイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回されるとともに、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面を覆っていたが、シースベルト52は、必ずしもこのように構成されなくても構わない。例えば、シースベルト52は、所定距離を隔てることなく、タイヤ周方向に沿って単純に螺旋状に巻き回されてもよいし、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面は、完全に覆われていなくても構わない。また、コアベルト51は必ずしも設けられていなくても構わない。つまり、シースベルト52は、コアベルト51を覆わずに、単純にタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き回されてもよい。
なお、本発明のタイヤは、スチーム加硫や電気加硫で成形することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1−1〜3−3、比較例1〜3>
表1に示す配合に従って、常法で配合・混練することで、ゴム組成物のサンプルを調製した。なお、表1に示す配合量は、ゴム成分100質量部に対する配合量(質量部)である。
そして、得られた各サンプルについては、以下の評価を実施した。
<評価>
(1)耐カット性
実施例及び比較例の各サンプルについて、加硫処理を施した後、pure shear型の試験片を作製し、引張試験装置(株式会社島津製作所)を使用して試験片を引っ張った状態で切り込みを入れ、き裂が進展する様子を観察し、き裂進展速度が不連続に増大するエネルギー解放率(転移エネルギー)を測定した。
評価は、測定した各サンプルの転移エネルギーの逆数を算出し、実施例1−1及び1−2については比較例1のサンプルの移転エネルギーの逆数を100としたときの指数値、実施例2−1及び2−2については比較例2のサンプルの移転エネルギーの逆数を100としたときの指数値、実施例3−1〜3−3については比較例3のサンプルの移転エネルギーの逆数を100としたときの指数値、として表示する。なお、表1中の指数値は、大きいほど耐カット性が良好であることを示す。
(2)伸長疲労性
実施例及び比較例の各サンプルについて、加硫処理を施した後、引張試験装置(株式会社島津製作所)を使用し、幅6mmのダンベル型の試験片に0.5mm幅の切り込みを入れて5Hzで繰り返し引張する試験を行った。評価については、エネルギー解放率の常用対数をとった値が4.3のときの破断回数を測定した。評価については、実施例1−1及び1−2については比較例1の破断回数を100としたときの指数、実施例2−1及び2−2については比較例2の破断回数を100としたときの指数、実施例3−1〜3−3については比較例3の破断回数を100としたときの指数、として表示し、表1に示す。なお、表1中の指数値は、大きいほど伸長疲労性に優れることを示す。
Figure 2021193010
*1 天然ゴム:RSS#3
*2 ソルビタンモノエステル:ソルビタンモノステアレート、株式会社花王製、「レオドールAS−10V」、水酸基数3
*3 ソルビトール:関東化学株式会社製、水酸基数6
*4 カーボンブラック:N234、三菱化学株式会社製、「DIABLACK N234」
*5 シリカ: 東ソーシリカ株式会社製、「NIPSIL AQ」
*6 老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック6C」
*7 シランカップリング剤:ビストリエトキシシリルプロピルポリスルフィド、信越化学株式会社製
*8 加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド 三新化学工業株式会社製、「サンセラーCM−G」*9 スチレンブタジエンゴム:旭化成株式会社製、「タフデン2
表1の結果から、各実施例のゴム組成物は、いずれも、伸長疲労性を良好に維持しつつ、耐カット性について、優れた結果が得られていることがわかる。一方、比較例のゴム組成物については、評価項目のうちの伸長疲労性については実施例と同等であるものの、耐カット性については実施例に比べて劣る結果となっていることがわかる。
本発明によれば、耐カット性及び耐摩耗性に優れるとともに、高い荷重能力と省スペース化との両立が図られた、空気入りタイヤを提供することができる。
1:車両
10:空気入りタイヤ
20:トレッド
21,22:周方向主溝
26,27:ショルダー部
30:タイヤサイド部
40:カーカス
41:折り返し端部

Claims (15)

  1. 路面に接するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着される空気入りタイヤであって、
    前記空気入りタイヤの外径は、350mm以上、600mm以下であり、
    前記空気入りタイヤに組み付けられるリムホイールのリム幅をRW、前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅をSWとした場合、
    0.78≦RW/SW≦0.88
    の関係を満たし、
    天然ゴムを含有するゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物及び/又は直鎖状多価アルコールと、を含むゴム組成物を用いたことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記ベルト層は、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き回されたシースベルトを含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記環状ポリオール化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、0.1〜6質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物が、下記式(1):
    Figure 2021193010
    [式中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである]で表わされる化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物は、式(1)中のAのヒドロカルビル基部分の炭素数が12〜24であることを特徴とする、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の融点が、40〜100℃であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記直鎖状多価アルコールが、3つ以上の水酸基を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記直鎖状多価アルコールの融点が160℃未満であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記直鎖状多価アルコールが、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びガラクチトールからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記直鎖状多価アルコールの含有量が、前記ゴム成分中の天然ゴム100質量部に対して、0.1〜6質量部であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ゴム成分中の天然ゴムの含有量が、70質量%以上であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記ゴム組成物が、少なくともシリカ又はカーボンブラックを含有する充填剤を、さらに含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記充填剤のうち、前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜100質量部であることを特徴とする、請求項12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記充填剤のうち、前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜100質量部であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記ゴム組成物が、少なくともトレッド部材に用いられることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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