JP2021192285A - 保存環境判別プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】魚肉類の保存環境の正常性を判別する。【解決手段】魚肉類を保存する保存環境の正常性を判別する保存環境判別プログラムにおいて、魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、保存環境の正常性との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、魚肉類の保存環境を新たに判別する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した設備データに基づき、保存環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。【選択図】図17

Description

本発明は、魚肉類の保存環境の正常性を判別する保存環境判別プログラムに関する。
農作物の生育状況は、栽培環境に応じてその品質が大きく異なる。このため、栽培環境の正常性について、農作物業者は相当な注意を払う。近年において農作物の栽培環境を作り出す温室内の設備の自動化も進んでおり、温度、湿度、肥料の供給量、水の供給量、光量、ガスや気流の流量を最適にコントロールすることで、人手を介することなく最適な栽培環境を作ることも可能となっており、農業界における労働力不足の問題解決の糸口になることが期待されている。
しかしながら、このような栽培環境を作り出す設備において故障等の異常が発生した場合には、農作物の栽培環境が急激に悪化してしまう。制御設備が故障してしまった場合、業者を呼んで修理するまで時間がかかる場合もあり、可能であれば故障の兆候を事前に察知し、早めにアラートを流す必要がある。特に農作物が苗の段階や収穫する前において温度や湿度の制御設備が故障してしまった場合、その設備を早く終了しないと手遅れになってしまう場合もある。従来においては、この栽培環境、或いは魚肉類の保存環境の正常性をこれを作り出す設備の側から随時監視し、異常が発生するか、あるいはその兆候が現れた段階で即座にアラートを流す技術が特段提案されていないのが現状であった。
また栽培環境を実際に判別することができた場合において、その栽培環境から実際の農作物の成育状況がどのようなものであるかを農家に理解してもらう必要があり、その栽培環境を踏まえて今後いかなる栽培方法を実行すればよいかを農家に対して提案する必要がある。また、温室等を通じて栽培環境を自動的に制御している場合に、実際のどのように制御を今後行えばよいかを提案する必要もある。しかしながら、その栽培環境に基づいてこれらを提案することができる技術は未だに開示されていないのが現状であった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、魚肉類の保存環境の正常性を判別することが可能な保存環境判別プログラム栽培環境判別プログラムを提供することにある。
本発明に係る保存環境判別プログラムは、魚肉類を保存する保存環境の正常性を判別する保存環境判別プログラムにおいて、魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、保存環境の正常性との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、魚肉類の保存環境を新たに判別する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した設備データに基づき、保存環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
特段のスキルや経験が無くても、魚肉類の保存環境を判別することが可能となる。
本発明を適用したシステムの全体構成を示すブロック図である。 推定装置の具体的な構成例を示す図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。
以下、本発明を適用した栽培環境判別プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、本発明を適用した栽培環境判別プログラムが実装される栽培環境判別システム1の全体構成を示すブロック図である。栽培環境判別システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された判別装置2と、判別装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する判別装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を判別装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、その他物質や物性を特定することが可能なセンサも含む。
データベース3は、農作物を栽培する栽培環境の正常性を判別する上で必要な様々な情報が蓄積される。栽培環境の正常性を判別する上で必要な情報としては、農作物を栽培する栽培環境を作り出す設備から取得した参照用設備データ、栽培環境を直接センシングした参照用環境データ、農作物の状態を直接センシングした参照用農作物状態データ等が含まれる。データベース3には、このような参照用設備データ、参照用環境データ、参照用農作物状態データの何れか1以上と、実際の農作物を栽培する栽培環境の正常性に関する情報が互いに紐づけられて記憶されている。
判別装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この判別装置2による探索解を得ることができる。
図2は、判別装置2の具体的な構成例を示している。この判別装置2は、判別装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、判別装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる栽培環境判別システム1における動作について説明をする。
栽培環境判別システム1では、例えば図3に示すように、参照用設備データと、栽培環境の正常性との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用設備データとは、栽培環境を作り出す上で必要な設備(デバイス)から直接的に取得したデータである。栽培環境は、温度、湿度、肥料の供給量、農薬の供給量、光、水の供給量、供給するガスの流量や気流の流量並びに方向、照明の照度等によって決まる。近年における自動化された温室や植物工場内における農業においては農作物を栽培する上で、各種設備を通じてこれらの栽培環境を作り出す。例えば温度や湿度については空調設備、肥料や水、農薬の供給は、肥料供給するためのパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。またガスや気流についてもパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。また、照明の照度は照明設備を通じて行われる。
参照用設備データは、このような設備について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。例えば、上述した各種設備に供給される電力、電気、電圧、振動、音、光、電波(以下、これらを総称して物理データという。)、空気や液体の流量、肥料の供給量、農薬の供給量、排水設備における排水量等がこの参照用設備データである。設備を動作させる物理データ、肥料や水を供給する供給量データ、ガスを供給又は排気するガス流量データ、農薬の供給量データ、照射する光の光量の何れか1以上からなる動作データを検知する。これらの動作データを検知することで、栽培環境の現状が正常か、或いは何らかの異常が発生しているのかを把握することができる。またこれらの動作データを検知することで、栽培環境が今後近いうちに異常が発生する可能性があるのか、或いは正常のままなのかも推定することができる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用設備データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用設備データは、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、栽培環境が表示されている。栽培環境は、正常なのか、異常なのか、また異常が発生しているのであれば、具体的な異常の内容(例えば、温度が低い、肥料が少ない、光が少ない等)も含まれる。
参照用設備データは、この出力解としての、栽培環境に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データがこの連関度を介して左側に配列し、各栽培環境が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データに対して、何れの栽培環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データが、いかなる栽培環境に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データから最も確からしい栽培環境を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての栽培環境と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
なお、この参照用設備データや設備データは、後述する第2実施形態における参照用供給量データ、供給量データに置き換えてもよい。
Figure 2021192285
判別装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、その場合の栽培環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用設備データが、空調設備から発生する振動に関するデータであるとする。この振動データの振動量や振動周波数成分において、ある特定の徴候が現れたときに、その数時間後〜数日後に空調設備が壊れる場合が多いものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用設備データと、栽培環境が異常(例えば空調が壊れることにより、栽培環境としては温度が低くなる。)との連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01である場合に、過去の栽培環境のデータから分析する。参照用設備データP01である場合に、栽培環境が異常の事例が多い場合には、この異常につながる連関度をより高く設定し、栽培環境が正常の事例が多い場合には、この正常につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用設備データP01の例では、異常(温度が低い)と、異常(肥料が少ない)にリンクしているが、以前の事例から異常(温度が低い)につながるw13の連関度を7点に、異常(肥料が少ない)につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに栽培環境を判別しようとする際において、上述した学習済みデータを利用して栽培環境を判別することとなる。かかる場合には、その栽培環境を作り出す各種設備の設備データを新たに取得する。
新たに取得する設備データは、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した設備データに基づいて、実際にその設備により作り出される栽培環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「異常(肥料が少ない)」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「異常(肥料が少ない)」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する設備データから、栽培環境において異常が発生しているのか否か、必要に応じて、その発生している異常の詳細を把握することができる。また、栽培環境において現在発生している異常を判別する場合のみならず、近いうちに発生する可能性がある異常を判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、設備データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、異常が発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した電力が徐々に弱まり、最終的に設備が故障して異常状態となった場合、その電力が時系列的に徐々に弱まる過程を、栽培環境の異常状態と紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来における異常状態を判別することが可能となる。また異常事態が現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
図4の例では、参照用設備データと、参照用環境データとの組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用環境データとは、栽培環境を直接センシングすることにより得られたデータであり、そのセンシング時における栽培環境の状態を如実に表したものである。この参照用環境データとしてセンシングする栽培環境として、温度、湿度、肥料の供給量、光量、水の供給量、ガスや気流の流量の何れか1以上とされていてもよい。
図4の例では、入力データとして例えば参照用設備データP11〜P13、参照用環境データP14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用環境データが組み合わさったものが、図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、栽培環境が表示されている。
参照用設備データと参照用環境データとの各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、栽培環境の正常性に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データと参照用環境データがこの連関度を介して左側に配列し、栽培環境の正常性が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データと参照用環境データに対して、栽培環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データと参照用環境データが、いかなる栽培環境の正常性に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データと参照用環境データから最も確からしい栽培環境の正常性を選択する上での的確性を示すものである。図4の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての栽培環境の正常性と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図4に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用環境データ、並びにその場合の栽培環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図4に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にセンシングした設備データが水の単位時間当たりのある供給量であるものとする(例えば1分当たり1lとする。)。また参照用環境データが「温度が34℃」であったものとする。その水の供給量と温度との関係で明らかに農作物に供給する水が不足する状態となっていた場合には、栽培環境が異常(水不足状態)とし、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01で、参照用環境データP16である場合に、その栽培環境の正常性を過去のデータから分析する。栽培環境が、「異常(温度が低い)」の事例が多い場合には、この「異常(温度が低い)」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「異常(温度が低い)」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「異常(温度が低い)」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「異常(温度が低い)」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「異常(温度が低い)」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図4に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図4に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用環境データP14の組み合わせのノードであり、「異常(肥料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用設備データP02に対して、参照用環境データP15、P17の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「異常(光が少ない)」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから栽培環境の正常性の判別を行う際において、上述した学習済みデータを利用して正常性の判別を行うこととなる。かかる場合には、その判別を行う栽培環境を作りだす設備データと、その環境データを実測することで取得する。
新たに取得する設備データ、環境データは、各種センサ、情報取得部9を介して取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した設備データ、環境データに基づいて、実際にその新たに設備データ、環境データとを取得した栽培環境の正常性を判別する。かかる場合には、予め取得した図4(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合であって、環境データがP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「異常
(肥料が少ない)」がw19、「異常(光が少ない)」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「異常(肥料が少ない)」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「異常(光が少ない)」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
Figure 2021192285
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図5は、上述した参照用設備データと、参照用農作物状態データとの組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培環境との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用設備データと、参照用農作物状態データが並んでいる。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用農作物状態データが組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。
参照用農作物状態データとは、農作物の状態をセンシングしたデータである。農作物の状態は、例えば画像データを通じて取得することが可能となる。農作物が枯れていたり、病気になっていたり、害虫に食われていたりする状態は全て画像解析から把握することができる。
判別装置2は、このような図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の栽培環境の正常性の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用農作物状態データ、並びにその場合の栽培環境がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図5に示す連関度を作り上げておく。栽培環境の正常性は、設備データ以外に、農作物の状態からも判別することができる。これら設備データと農作物状態データを組み合わせることで、より精度の高い栽培環境の正常性の判別を行うことが可能となる。
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用農作物状態データP18(例えば、害虫に食われて変色している等)の組み合わせのノードであり、「異常(肥料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、設備データを新たに取得するとともに、農作物状態データを取得する。設備データは参照用設備データに対応し、農作物状態データは、参照用農作物状態データに対応する。
栽培環境の判別を行う上では、予め取得した図5に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した農作物状態データが、参照用農作物状態データP19に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(光が少ない)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに設備データ、農作物状態データとを取得した栽培舎における栽培環境の正常性を判別していくことになる。
図6は、上述した参照用設備データと、参照用農作物育成フェーズデータとの組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培環境との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用設備データと、参照用農作物育成フェーズデータが並んでいる。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用農作物育成データが組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。
参照用農作物育成フェーズデータとは、農作物の育成状況を示すものである。つまり、農作物が種を蒔いてばかりなのか、苗を植えてばかりなのか、或いは苗を植えて1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月・・・なのか、収穫期にあるのか、その育成フェーズを示すものである。
判別装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の栽培環境の正常性の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用農作物育成フェーズデータ、並びにその場合の栽培環境がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。栽培環境の正常性は、設備データ以外に、農作物の育成フェーズによっても影響を受ける。例えば農作物が苗を植えた時期以外であれば、空調設備が故障して急激に温度が低下してもそれほど農作物を栽培する上で影響が少ないことから栽培環境は「正常」と判断するが、農作物が苗を植えた時期にあり、この段階で空調設備が故障して急激に温度が低下した場合に一気に枯れてしまうであれば「異常」と判断する。このように、栽培環境が正常か否かは、設備データに加え、農作物育成フェーズデータにも大きく支配される。このため、これら設備データと農作物育成フェーズデータを組み合わせることで、より精度の高い栽培環境の正常性の判別を行うことが可能となる。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用農作物状態データP22(例えば、苗を植えた時期から3ヶ月後)の組み合わせのノードであり、「異常(肥料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、設備データを新たに取得するとともに、農作物育成フェーズデータを取得する。設備データは参照用設備データに対応し、農作物育成フェーズデータは、参照用農作物育成フェーズデータに対応する。
栽培環境の判別を行う上では、予め取得した図6に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した農作物育成フェーズデータが、参照用農作物育成フェーズデータP23に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(光が少ない)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに設備データ、農作物育成フェーズデータとを取得した栽培舎における栽培環境の正常性を判別していくことになる。
図7は、上述した参照用設備データと、参照用環境データに加えて、更に参照用農作物状態データとの組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培環境の正常性との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
かかる場合において、連関度は、図7に示すように、参照用設備データと、参照用環境データと、参照用農作物状態データとの組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図7において、ノード61cは、参照用設備データP02が連関度w3で、参照用環境データP15が連関度w7で、参照用農作物状態データP19が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用農作物データP03が連関度w5で、参照用環境データP15が連関度w8で、参照用農作物状態データP18が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した設備データ、環境データ、農作物状態データに基づいて、栽培環境を判別する。
この栽培環境を判別する上で予め取得した図7に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した環境データが参照用環境データP15に対応し、更に取得した農作物状態データが参照用農作物状態データP19に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(光が少ない)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせる場合には、参照用設備データに加え、参照用環境データ、参照用農作物状態データ、参照用農作物育成フェーズデータの何れか2以上で組み合わせが構成されたものであっても適用可能である。
第2実施形態
以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態において使用するシステムは、上述した第1実施形態における図1、2において説明した栽培環境判別システム1を利用する。
図8は、参照用供給量データと需給環境との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用供給量データとは、植物についてパイプラインやプラント設備を通じて供給される水、肥料、農薬等の供給量に関する情報である。この供給量は例えばリットル/秒等の単位で示されるものであってもよい。
参照用供給量データは、このような供給量について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。上述した各種設備に供給される水の供給量、肥料の供給量、農薬の供給量は、例えば流量計や、これらの液体を貯蔵するタンクにおける液体の残量等を通じて計測したデータを介して取得することができる。
需給環境は、例えば農薬が多すぎる、水が少ない、肥料が少ない、農薬が多い等、実際に植物に対して供給される水、肥料、農薬が実際に足りているのか、或いは足りていないのか、更には供給過剰であるのか、また需給関係がちょうど良い状態にあるのかを示すデータである。この需給環境については、水が少なければ農作物がしおれがちになり、水が多ければ、農作物の土壌に水たまりができてしまう。これらの状況を人間が識別した上で、供給度合を数値で判定してデータ化してもよいし、農作物や土壌の画像を撮像し、当該農作物のしおれ具合や土壌への水たまりの度合等を画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用した、解析画像の特徴量に基づいて自動判別し、需給環境をデータ化してもよい。農薬についても、農薬が少なすぎれば、害虫による虫食いが進むが、その度合いを人間が判定し、或いは撮像した画像を解析することでその度合を抽出し、需給環境のデータとしてもよい。
このようにして得られた参照用供給量データと、これに対する需給環境のデータとのデータセットを学習させることにより、図8に示す連関度を構成する。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図9に示すように、入力データとして参照用供給量データが入力され、出力データとして各需給環境が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に需給環境が入力で参照用供給量データが出力となるように構成されていてもよい。
図8の例では、入力データとして例えば参照用供給量データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用供給量データは、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、需給環境が表示されている。
参照用供給量データは、この出力解としての、需給環境に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用供給量データがこの連関度を介して左側に配列し、各需給環境が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用供給量データに対して、何れの需給環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用供給量データが、いかなる需給環境に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用供給量データから最も確からしい需給環境を選択する上での的確性を示すものである。図8の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての需給環境と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用供給量データと、その場合の需給環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用供給量データが、肥料の供給量に関するデータであるとする。この肥料の供給量において、実際に農作物の栽培を続けたところ、あまり農作物が大きく育たないケースが多く、肥料が少ないことを原因であることを分析したものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用供給量データと、需給環境として肥料が少なすぎることとの連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用供給量データP01である場合に、過去の需給環境のデータから分析する。参照用供給量データP01である場合に、需給環境が水が供給過多の事例が多い場合には、その水が供給過多につながる連関度をより高く設定し、需給環境のバランスが取れている事例が多い場合には、このバランスが取れている事例につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用供給量データP01の例では、農薬が多すぎると、農薬が少ないにリンクしているが、以前の事例から農薬が多すぎるにつながるw13の連関度を7点に、農薬が少ないにつながるw14の連関度を2点に設定している。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに需給環境を判別しようとする際において、上述した学習済みデータを利用して需給環境を判別することとなる。かかる場合には、その需給環境を作り出す各種設備の供給量データを新たに取得する。
新たに取得する供給量データは、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した供給量データに基づいて、実際にその設備により作り出される需給環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図8、9(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した供給量データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「水が少ない」がw15、「農薬が少ない」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「水が少ない」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「農薬が少ない」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する供給量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。また、需給環境において現在発生している需給環境の悪さを判別する場合のみならず、近いうちに需要過多、供給過多のアンバランスが発生する可能性があることを判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、供給量データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、アンバランスが発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した供給量が、最終的に供給過多として農作物の収率が悪化した場合、その供給量の時系列的変化の過程を、需給環境のアンバランスと紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来におけるアンバランスを判別することが可能となる。またアンバランスが現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
なお、需給環境を新たに判別する際に、プラント設備から肥料の供給量、農薬の供給量、水の供給量の何れか1以上のうち参照用供給量データに対応する供給量データを取得することが前提となる。例えば、上述した連関度が、農薬の供給量からなる参照用供給量データとの関係において構築されている場合、この新たに判別する際に取得する供給量データもこれに対応する、農薬の供給量に関するものを取得する。かかる場合には、データセットとして取得する需給環境は農薬の需給環境を判別することとなる。
なお、参照用供給量データは、肥料の供給量、農薬の供給量、水の供給量のうち、互いに異種の組み合わせで構成されていてもよい。例えば、図9に示す参照用供給量データP01が肥料の供給量であり、参照用供給量データP02が水の供給量であるとき、需給環境は、肥料と水の需給環境について一つの探索解の中に合わせて表示するようにしてもよい。
なお、この参照用供給量データは、肥料の供給量、農薬の供給量、水の供給量等の液体、固体で構成される場合に限定されるものでは無く、ガスや酸素、二酸化炭素、窒素等の空気の構成成分等といった気体を供給する場合においても同様に適用してもよい。
かかる場合には、これらガスの参照用供給量データと需給環境との間で図8、9に示すように連関度を予め構成しておく。そして、新たに需給環境を判別したい場合には、現在における気体の供給量データを新たに取得し、実際の需給環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図8、9(表1)に示す連関度を参照し、同様の方法により需給環境を判別する。気体の供給量は、気体を供給するパイプラインにおいて流量計を設置することで計測するようにしてもよい。また需給環境のデータの取得は、上述と同様である。
このようにして、気体を供給する場合においても、新たに取得する供給量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。また、需給環境において現在発生している需給環境の悪さを判別する場合のみならず、近いうちに需要過多、供給過多のアンバランスが発生する可能性があることを判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、供給量データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、アンバランスが発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した酸素の供給量が、最終的に供給不足として農作物の収率が悪化した場合、その供給量の時系列的変化の過程を、酸素の需給環境のアンバランスと紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来におけるアンバランスを判別することが可能となる。またアンバランスが現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
なお、気体の需給環境は、参照用供給量データを介して判別する場合に限定するものでは無く、図10に示すような参照用排気量データを介して判別するものであってもよい。
かかる場合には、農作物を栽培する栽培環境を作り出すパイプラインから取得した、気体の排気量からなる参照用排気量データと、これらの需給環境との3段階以上の連関度を予め取得しておく。需給環境を新たに判別する際に、気体の排気量データを取得する。次に、取得した連関度を利用し、取得した排気量データに基づき、需給環境を判別する。気体を排気する場合においても、新たに取得する排気量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。
なお、第2実施形態においては需給環境を判別する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものでは無い。この需給環境から、栽培環境の現状が正常であるか否かを判別することができる。例えば需給環境が、バランスがちょうど良い旨が判定された場や、需要と供給のバランスにずれがあっても農作物の成長を妨げるほどではない場合には、栽培環境が正常である旨を判定する。一方、需給環境が、例えば「排気量が多すぎる」、「排気量が少なすぎる」等のように大きくバランスを欠く場合には、異常と判断するようにしてもよい。
このようにして、各需給環境の出力に対して正常、異常を紐付けておき、この正常、異常を出力するようにしてもよい。正常、異常が判定された場合の具体的なプロセスは、第1実施形態と同様である。
また、このようにして各需給環境の出力に対して紐付けられた正常、異常(以下、正常性という。)を、上述した参照用供給量データや、参照用排気量データ、更には参照用光量データとの関係において、学習させるようにしてもよい。つまり、図12に示すように、参照用供給量データと、需給環境を介して紐づけられる栽培環境の正常性との関係において互いに学習させることで連関度を形成させる。他の参照用排気量データ、参照用光量データについても同様である。
実際に栽培環境を判別したい場合には、上述した供給量データを入力することで、これに応じた栽培環境をこの連関度を利用することで判別することが可能となる。他の排気量データ、光量データが入力された場合も同様に栽培環境を判別することが可能となる。
また、参照用供給量データや、参照用排気量データ、参照用光量データは、第1実施形態における図4〜6に示すように、参照用環境データ、参照用農作物状態データ、参照用農作物育成フェーズデータとの各組み合わせの連関度を介して栽培環境と紐付けられていてもよい。つまり、図4〜6における参照用設備データが、参照用供給量データや、参照用排気量データ、参照用光量データの何れかに代替されることになる。かかる場合においても第1実施形態と同様に、栽培環境を判別することが可能となる。
第3実施形態
以下、第3実施形態について説明をする。この第3実施形態において使用するシステムは、上述した第1実施形態における図1、2において説明した栽培環境判別システム1を利用する。また、第3実施形態では、第1実施形態、第2実施形態において説明した各連関度による探索解を利用する。
図13は、参照用栽培環境と成育状況との3段階以上の第2連関度が予め設定されている例である。この第2連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。かかる場合には、入力データとして参照用栽培環境が入力され、出力データとして各成育状況が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に成育状況が入力で参照用栽培環境が出力となるように構成されていてもよい。
参照用栽培環境は、第1実施形態における出力データとしての栽培環境に対応する。第1実施形態は、栽培環境の正常性を出力とする場合を例に挙げているが、これに限定されるものでは無く、栽培環境そのものであってもよい。この栽培環境そのものとは、第1実施形態における栽培環境は、正常なのか、或いは異常が発生しているのであれば、具体的な異常の内容を示すものであり、例えば、温度が低い、肥料が少ない、光が少ない等である。
探索解としての成育状況は、農作物の収穫量、農作物の品質や味、農作物の収率等、出来上がった農作物がどの程度成育しているかを示すものである。但し、この成育状況は、これらに限定されるものでは無く、収穫前の成育途上の農作物がどの程度成育しているかを示すものであってもよく、例えば、つぼみがどの程度の大きさか、実がどの程度熟したかを示すものであってもよい。
このようにして得られた参照用栽培環境と、これに対する成育状況のデータとのデータセットを学習させることにより、図13に示す連関度を構成する。
判別装置2は、このような図13に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用栽培環境と、その場合の成育状況がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図13に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用栽培環境として温度が高い状態が続いた場合、成育状況として収穫量が低下をしてしまったのであれば、その低下してしまった収穫量に対する連関度が強くなる。これに対して、参照用栽培環境として温度がベストな状態が続いた場合、成育状況として収穫量が上昇したのであれば、その上昇した収穫量に対する連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに成育状況を判別しようとする際において、先ず、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解を得る。次に、この探索解としての栽培環境に対応する参照用栽培環境を入力とし、出力である成育状況を探索する。
このようにして、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解から、実際の農作物の成育状況がどのようなものであるかを農家に理解してもらうことが可能となり、農家もその成育状況から、今後の農業改善策の指針を考えることもできる。
図14は、参照用栽培環境と栽培方法との3段階以上の第2連関度が予め設定されている例である。
栽培方法は、現在育成中の農作物に関する最適な栽培方法に関する情報である。例えば、「肥料〇〇の散布を週2回、農薬△△の散布を月1回」や、「水の散布を一日2回、除草を週1回」等、具体的な栽培方法に関する助言に近い内容が含まれていてもよい。以前のデータにおいて実際の農作物を栽培方法を調査し、どの栽培方法が収穫量を向上させる上で、或いは農作物の品質を向上させる上で、ベストであるかを調べることでその栽培方法に関するデータを取得する。かかる場合において、この第2連関度は、栽培環境に関するデータと、これに対して過去いかなる栽培方法を施し、その結果、農作物の収穫量や品質がどの程度であったかを調べた上で、この連関度を形成させる。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに栽培方法を判別しようとする際において、先ず、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解を得る。次に、この探索解としての栽培環境に対応する参照用栽培環境を入力とし、出力である栽培方法を探索する。
このようにして、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解から、実際の農作物の栽培方法がどのようなものであるかを農家に理解してもらうことが可能となり、農家もその栽培方法から、今後の農業改善策の指針を考えることもできる。
図15は、参照用栽培環境と農作物の栽培を行う上での制御指示情報との3段階以上の第2連関度が予め設定されている例である。
制御指示情報とは、栽培環境を作り出す上で必要な設備(デバイス)を制御するためのあらゆる情報である。栽培環境は、温度、湿度、肥料の供給量、農薬の供給量、光、水の供給量、供給するガスの流量や気流の流量並びに方向、照明の照度等によって決まるが、これらの供給を制御するための指示情報が、制御指示情報である。例えば温度や湿度については空調設備、肥料や水、農薬の供給は、肥料供給するためのパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。またガスや気流についてもパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。また、照明の照度は照明設備を通じて行われる。具体的には、この制御指示情報は、水を噴射するスプリンクラーを1分間行うように指示するものや、温室内の暖房を停止させるなどの処理動作を規定するものである。或いはビニールハウスにおける遮光カーテンを自動開閉する制御システムへの制御指示情報等であってもよい。
以前のデータにおいて実際の制御指示情報を調査し、どの制御指示が収穫量を向上させる上で、或いは農作物の品質を向上させる上で、ベストであるかを調べることでその制御指示情報に関するデータを取得する。かかる場合において、この第2連関度は、栽培環境に関するデータと、これに対して過去いかなる制御指示を施し、その結果、農作物の収穫量や品質がどの程度であったかを調べた上で、この連関度を形成させる。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに制御指示情報を判別しようとする際において、先ず、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解を得る。次に、この探索解としての栽培環境に対応する参照用栽培環境を入力とし、出力である制御指示情報を探索する。
このようにして、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解から、実際の制御指示情報がどのようなものであるかを農家に理解してもらうことが可能となり、農家もその栽培方法から、今後の農業改善策の指針を考えることもできる。また、本発明においては、この抽出した制御指示情報に基づいて、実際に農作物の栽培を行う上での制御を施すようにしてもよい。即ち、水を噴射するスプリンクラーを1分間行うように指示するものや、温室内の暖房を停止させる等の制御指示情報が抽出された場合には、これに応じた各種設備、プラント、機器等の制御を行うことになる。
なお、この第3実施形態においては、図16に示すように、第2実施形態を通じて得られた探索解である需給環境との関係で連関度が形成されるものであってもよい。この需給環境に対応する参照用需給環境と、農作物の成育状況との間で、3段階以上の第2連関度を予め作っておく。この作り方に関しては上述と同様である。つまり実際の探索解の判別を行う上で、参照用需給環境と、その場合の成育状況がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図16に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用需給環境として水が少ない状態が続いた場合、成育状況として収穫量が低下をしてしまったのであれば、その低下してしまった収穫量に対する連関度が強くなる。これに対して、参照用栽培環境として農薬が多すぎた場合に、成育状況として収穫量が上昇したのであれば、その上昇した収穫量に対する連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
このような図16に示す第2連関度を予め形成させた後、第2実施形態において判別された需給環境に対応する参照用需給環境を介して農作物の成育状況を推定する。
この需給環境は、肥料、農薬、水のみならず、酸素や温風、冷風等の気体の需給環境を判別した場合も同様であり、これに応じた参照用需給環境を農作物の成育状況との関係において予め第2連関度を作っておくことで、同様に農作物の成育状況を推定することができる。
また、この需給環境は、光の需給環境を判別する場合も同様であり、これに応じた参照用需給環境を農作物の成育状況との関係において予め第2連関度を作っておくことで、同様に農作物の成育状況を推定することができる。
また、探索解として、成育状況以外に、農作物の栽培方法、制御指示情報を探索する場合においても、上述した参照用需給環境との間で第2連関度を形成しておくことにより、同様に解探索を行うことが可能となる。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に栽培環境の判別を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしい栽培環境の正常性を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また設備データを取得し、これ以外に環境データ、農作物状態データ、農作物育成フェーズデータと、これらに対する栽培環境の正常性に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
第4実施形態
第4実施形態においては、上述した参照用設備データを利用し、市場において取引される食肉や魚の保存環境や肉質、魚(以下、これらを魚肉類という)の品質を探索するものである。
例えば図17に示すように、参照用設備データと、魚肉類の品質との3段階以上の連関度が予め設定されていることが前提となる。参照用設備データとは、魚肉類の外観について、画像を撮像することにより得られた設備データから得られるものであり、設備データを解析することで得ることができる。この画像は静止画のみならず動画であってもよい。この参照用設備データは、魚肉類について撮像した画像を解析することで、魚肉類の品質を特定するようにしてもよい。
ここでいう参照用設備データとは、魚肉類が生産又は水揚げされてから消費者に届けられるまでのあらゆる物流、搬送市場、小売店、問屋、スーパーマーケットにおける保存環境に関するデータである。参照用設備データとは、保存環境を作り出す上で必要な設備(デバイス)から直接的に取得したデータである。保存環境は、例えば卸売市場の場合、そこでの温度、湿度、光、水の供給量、供給するガスの流量や気流の流量並びに方向、照明の照度等によって決まる。近年における自動化された冷蔵庫等の各種設備の保存環境もそのような各パラメータによって決まる。例えば温度や湿度については空調設備、水等の供給はパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。またガスや気流についてもパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。また、照明の照度は照明設備を通じて行われる。
参照用設備データは、このような設備について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。例えば、上述した各種設備に供給される電力、電気、電圧、振動、音、光、電波(以下、これらを総称して物理データという。)、空気や液体の流量、排水設備における排水量等がこの参照用設備データである。設備を動作させる物理データ、水を供給する供給量データ、ガスを供給又は排気するガス流量データ、照射する光の光量の何れか1以上からなる動作データを検知する。これらの動作データを検知することで、保存環境の現状が正常か、或いは何らかの異常が発生しているのかを把握することができる。またこれらの動作データを検知することで、保存環境が今後近いうちに異常が発生する可能性があるのか、或いは正常のままなのかも推定することができる。
参照用設備データとして撮像される魚肉類は、魚肉類市場において水揚げされた直後の魚肉類、魚肉類市場で取引されている魚肉類、店頭やスーパーに搬送中の魚肉類、店頭やスーパーに陳列されている魚肉類の何れも含まれる。またここでいう魚肉類は、イカやタコ、ウニ、イクラ、貝等のあらゆる魚、又は牛、馬、羊、豚、鳥、イノシシ等あらゆる動物の肉も含むものである。
ここでいう魚肉類の品質は、特に魚の場合、鮮度で表現されていてもよく、また光沢や味で評価してもよい。この魚肉類の品質は、システム側、又はユーザ側が設定した5段階や10段階で評価したランキングで表現されるものであっても良い。或いは、単に物凄く美味しい、美味しい、まあまあ、普通で表現されたものであってもよい。
これらの魚肉類の品質は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。このとき人工知能を活用し、魚肉類の画像データと、魚肉類の品質を学習させておき、実際に参照用設備データを取得する際には、これらの学習させた画像データと照らし合わせて、その魚肉類の品質を判別するようにしてもよい。
魚肉類の品質は、評価者による以前の経験に基づいてその良しあしを判断してもよいし、実際に試食をしてその味を判断するようにしてもよい。かかる場合には魚肉類の品質を試食する複数人の検査者がその味について、食感、香ばしさ、歯ごたえ、苦み、まろやかさ等の各項目について複数段階で評価し、それらを統計的に分析して品質評価値としてもよい。また、魚肉類の品質は、味覚を検知可能な味覚センサを通じて判別するようにしてもよいし、各種機器分析を通じて判断してもよい。
また、特に魚の場合、その鮮度を魚肉類の品質そのものとして評価してもよい。魚肉類の鮮度も同様に複数人の検査者がその味について、食各項目について複数段階で評価し、それらを統計的に分析して品質評価値としてもよい。
図17の例では、入力データとして例えば参照用設備データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用設備データP01〜P03は、出力としての魚肉類の品質に連結している。この出力においては、出力解としての、魚肉類の品質が表示されている。
参照用設備データは、この出力解としての魚肉類の品質A〜Dに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データがこの連関度を介して左側に配列し、各魚肉類の品質が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データに対して、何れの魚肉類の品質と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データが、いかなる魚肉類の品質に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データから最も確からしい魚肉類の品質を選択する上での的確性を示すものである。図17の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての魚肉類の品質と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図17に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、その場合の魚肉類の品質の何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図17に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去において魚肉類に対して撮像した参照用設備データに対する魚肉類の品質としては魚肉類の品質Aが多く評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用設備データとの連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01である場合に、過去の魚肉類の品質の評価を行った結果の各種データから分析する。参照用設備データP01である場合に、魚肉類の品質Aの事例が多い場合には、この魚肉類の品質の評価につながる連関度をより高く設定し、魚肉類の品質Bの事例が多い場合には、この魚肉類の品質の評価につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用設備データP01の例では、魚肉類の品質Aと、魚肉類の品質Cにリンクしているが、以前の事例から魚肉類の品質Aにつながるw13の連関度を7点に、魚肉類の品質Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図17に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを、以前の評価対象の魚肉類の外観の画像等と実際に判別・評価した魚肉類の品質とのデータセットを通じて作った後に、実際にこれから新たに魚肉類の品質の判別を行う上で、上述した学習済みデータを利用して魚肉類の品質を探索することとなる。かかる場合には、実際に判別対象の領域において魚肉類を撮像した設備データを新たに取得する。新たに取得する設備データは、上述した情報取得部9により入力される。この取得方法は、上述した参照用設備データと同様の手法で行うようにしてもよい。
このようにして新たに取得した設備データに基づいて、魚肉類の品質を判別する。かかる場合には、予め取得した図17(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して魚肉類の品質Bがw15、魚肉類の品質Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い魚肉類の品質Bを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる魚肉類の品質Cを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する設備データから、最も好適な魚肉類の品質を探索し、ユーザに表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ、即ち魚肉類の取引業者、魚肉類の販売業者、流通業者は、探索された魚肉類の品質に基づいて魚肉類の選別を行うことができ、魚肉類の味を予測することができ、さらに魚肉類の値段を決めることができる。
図18は、魚肉類を保存する保存環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、温度又は湿度からなる雰囲気情報との3段階以上の第1連関度を予め取得する例である。雰囲気情報は、実際にその空調設備から作り出される雰囲気に関する情報であり、温度又は湿度がその代表的な例である。このような雰囲気も保存環境に多大な影響を及ぼし、ひいては魚肉類の品質にも影響を及ぼす。
ちなみに図3に示す栽培環境は、設備データから温度や湿度を含む環境を探索するための学習データであるが、これと同様に、図18では、設備データから温度又は湿度からなる雰囲気情報を探索するものである。この探索方法については、図3の説明を流用することにより以下での説明を省略する。実際に学習データを作る上では、空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音と、実際に測定した温度及び/又は湿度のデータのデータセットを収集することで行う。
このようにして設備データから雰囲気情報を探索した後、図19に示すようにその探索した雰囲気情報を介して魚肉類の品質を探索する。
かかる場合には、参照用雰囲気情報と魚肉類の品質が連関度を以って予め学習済みモデルとして形成されていることが前提となる。参照用雰囲気情報は、上述した雰囲気情報に対応するものであり、実際にその空調設備から作り出される雰囲気に関する情報であり、温度又は湿度がその代表的な例である。このような連関度を利用して魚肉類の探索を行うが、その具体的な方法は、図17の説明を引用することにより以下での説明を省略する。
かかる場合において、図18により探索された雰囲気情報に対応する参照用雰囲気情報を介して魚肉類の品質を探索するようにしてもよい。
つまり、この実施形態においては、魚肉類を保存する保存環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、温度又は湿度からなる雰囲気情報との3段階以上の第1連関度を予め取得しておき、温度又は湿度からなる参照用雰囲気情報と、魚肉類の品質との3段階以上の第2連関度を予め取得しておく。そして、魚肉類の品質を新たに判別する際に、先ず当該保存環境を作り出す空調設備から電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上のうち上記参照用設備データに対応する設備データを取得する。次に、取得した第1連関度を利用し、新たに取得した設備データに基づき、温度又は湿度からなる雰囲気情報を判別する。次に、取得した第2連関度を利用し、判別した雰囲気情報に対応する参照用雰囲気情報を介して魚肉類の品質を推定する。
なお、本実施形態では、図18により探索された雰囲気情報に規定される温度又は湿度に対応する参照用雰囲気情報を介することは必須ではなく、雰囲気情報を直接取得して入力するようにしてもよい。実際にこれから品質を測定しようとする魚肉類の保存環境の温度又は湿度を測定することで、雰囲気情報を取得し、これを入力データとして入力することで解探索を行うようにしてもよい。
また、図20は、図3の出力側にある栽培環境の代替として保存環境を出力側に設定した例である。かかる場合も同様に、魚肉類を保存する保存環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、保存環境の正常性との3段階以上の連関度を取得しておく。そして、新たに取得した設備データに基づいて、実際にその設備により作り出される保存環境を判別する。具体的な方法は、図3の説明を引用することにより以下での説明を省略する。
ちなみに、保存環境が正常であるか、異常であるかは、魚肉類の種類毎に予め検証された最適な温度や湿度条件の範囲にあるか否かで判別するようにしてもよい。例えば、鶏肉の場合、最適な保存温度は10〜12℃であるものとする。設備データにより作られる保存環境が、この最適な保存温度10〜12℃を満たしているのであれば、出力解として「正常」への重み付けをより高くする。ある設備データに関しては、この最適な保存温度10〜12℃を上回る場合が多い場合、保存環境として「異常(温度が高い)への重み付けを重くする。
図21は、図20の入力側にある参照用設備データの代替として参照用雰囲気情報を入力側に設定した例である。かかる場合も同様に、魚肉類を保存する保存環境を作り出す温度又は湿度からなる参照用雰囲気情報と、保存環境の正常性との3段階以上の連関度を取得しておく。そして、新たに取得した雰囲気情報に基づいて、実際にその設備により作り出される保存環境を判別する。具体的な方法は、図3の説明を引用することにより以下での説明を省略する。
この図21に示す形態においても、図18により探索された雰囲気情報に規定される温度又は湿度に対応する参照用雰囲気情報を介することは必須ではなく、雰囲気情報を直接取得して入力するようにしてもよい。実際にこれから品質を測定しようとする魚肉類の保存環境の温度又は湿度を測定することで、雰囲気情報を取得し、これを入力データとして入力することで解探索を行うようにしてもよい。
このとき、探索された保存環境の正常性に基づいて、その保存環境を作り出す空調設備を制御するようにしてもよい。例えば、探索された保存環境が、温度が高く、湿度が最適である場合、温度のみを下げるように空調設備を制御する。また探索された保存環境が温度、湿度共に高い場合には、これら両方を下げるように空調設備を制御するようにしてもよい。また、探索された保存環境の異常時において、温度や湿度が正常状態と比較した乖離度から、その具体的な制御を決定してもよく、空調設備の設定温度や風力、風向等をこれに応じて制御してもよい。
また図22は、魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、上記保存環境の改善制御内容との3段階以上の連関度を予め形成する例を示している。ここでいう保存環境の改善制御内容とは、例えば保存環境を作り出すのが空調設備であればその空調設備の具体的な制御内容であり、設定温度や風力、風向等がこれに相当する。また、保存環境を作り出すのが卸売市場内の空気循環設備であればその設備の具体的な制御内容であり、風力、風向等がこれに相当する。
保存環境の改善制御を新たに提案する際には、上述と同様に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する。次に図22に示す連関度を利用し、新たに取得した設備データに基づき、保存環境の改善制御内容を提案する。
図23は、図22の入力側にある参照用設備データの代替として参照用雰囲気情報を入力側に設定した例である。かかる場合も同様に、魚肉類を保存する保存環境を作り出す温度又は湿度からなる参照用雰囲気情報と、保存環境の改善制御内容との3段階以上の連関度を取得しておく。そして、新たに取得した雰囲気情報に基づいて、改善制御内容を判別する。具体的な方法は、図3の説明を引用することにより以下での説明を省略する。
この図23に示す形態においても、図18により探索された雰囲気情報に規定される温度又は湿度に対応する参照用雰囲気情報を介することは必須ではなく、雰囲気情報を直接取得して入力するようにしてもよい。実際にこれから品質を測定しようとする魚肉類の保存環境の温度又は湿度を測定することで、雰囲気情報を取得し、これを入力データとして入力することで解探索を行うようにしてもよい。
なお、図17〜図19に示すような魚肉類の品質を探索する際には、図24に示すように、参照用設備データ以外に他の参照用情報を組み合わせた連関度に対する魚肉類の品質を利用してもよい。ここでいう参照用情報の例としては、魚であれば、参照用画像情報、参照用分析情報、参照用産地情報、参照用種類情報、参照用弾力情報、参照用脂肪率情報、参照用臭気情報、参照用保存情報、参照用成長環境情報等である。
参照用画像情報とは、魚の外観について、画像を撮像することにより得られた画像情報から得られるものであり、画像情報を解析することで得ることができる。この画像は静止画のみならず動画であってもよい。この参照用画像情報は、魚について撮像した画像を解析することで、魚の品質を特定するようにしてもよい。参照用画像情報として撮像される魚は、魚市場において水揚げされた直後の魚、魚市場で取引されている魚、店頭やスーパーに搬送中の魚、店頭やスーパーに陳列されている魚の何れも含まれる。またここでいう魚は、イカやタコ、ウニ、イクラ、貝等のあらゆる魚介類も含むものである。
参照用分析情報は、魚に対して行った化学的、物理的分析結果に関するあらゆる情報である。この参照用分析情報は、ヒスタミン、アンモニア、トリメチルアミン、インドール、硫化水素、揮発性有機酸、揮発性還元物質の何れか1以上であってもよい。これらはいずれも魚のうま味や品質、鮮度に影響を及ぼすものであるから、参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて魚の品質を判別することで、判別精度を向上させることができる。また、この参照用分析情報は、魚のうまみ成分であるIMP(イノシン酸)、更にはATP関連化合物に対するHxRとHxの割合であるK値であってもよい。
参照用産地情報は、その魚の産地に関する情報であり、例えば、米国、日本といった国レベル、東北地方や九州地方といった地方レベル、北海道や鹿児島県といった都道府県レベル、更には群や町、更には漁場レベルで示されていてもよい。このような参照用産地情報に含まれる魚の産地も魚の味に影響を及ぼすことから、参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて魚の品質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用種類情報は、その魚の種類を規定するものであり、例えばまぐろ、はまち、さけ、あじ、ほたて、あわび、サンマ等である。参照用種類情報に含まれる魚の種類に関する情報も画像情報と相まって、魚の味に影響を及ぼすことから、参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて魚の品質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用弾力情報は、その魚を押圧したときの弾力を測定した測定値に基づくものである。魚の弾力は、対象物の弾力を計測するための弾力センサを介して計測されたものであってもよい。このような魚の弾力も魚の鮮度に影響を及ぼすファクターであることから、これを参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて魚の品質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用脂肪率情報、脂肪率情報は、既存の脂肪率計測器を用いてもよい。かかる場合には、電極から魚に微弱な電流を流し、体内に含まれる水分と脂肪分の割合を計測して脂肪率を求めるようにしてもよい。
参照用臭気情報は、その魚の臭気に基づくものである。魚の臭気は、魚から発せられる臭い、臭みを計測するための臭気計、臭気センサを介して計測されたものであってもよい。このような魚の臭気も魚の鮮度や品質に影響を及ぼすファクターであることから、これを参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて魚の品質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用成長環境情報は、その魚の成長環境に基づくものである。魚の成長環境は、魚が成長する環境に関するあらゆる情報を含むものであり、例えば、天然か、養殖かを示すものであってもよいし、養殖であればその成長環境を示すものであってもよい。特に養殖の場合には、その養殖の環境(例えば、餌の内容や頻度、養殖場の環境、水質、糞尿の処理状況等)を示すあらゆる情報を含めるようにしてもよい。このような魚の成長環境も魚の鮮度や品質に影響を及ぼすファクターであることから、これを参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて魚の品質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
また食肉の場合、参照用情報として、参照用画像情報、参照用超音波画像情報、参照用分析情報、参照用産地情報、参照用生体情報、参照用飼育環境情報、参照用餌情報が挙げられれる。
参照用画像情報とは、食肉の外観について、画像を撮像することにより得られた画像情報から得られるものであり、画像情報を解析することで得ることができる。この画像は静止画のみならず動画であってもよい。この参照用画像情報は、食肉について撮像した画像を解析することで、肉質を特定するようにしてもよい。参照用画像情報は、食肉用に解体した、いわば屠畜時の食肉を撮像した画像データで構成されていることを前提としているが、食肉を提供する家畜の生体からの画像データで構成してもよい。
参照用超音波画像情報は、食肉を提供する家畜の生体において予め撮像した肉の部分における超音波画像データである。
参照用分析情報は、食肉に対して行った化学的、物理的分析結果に関するあらゆる情報である。この参照用分析情報は、遊離アミノ酸分析、脂肪酸組成、オレイン酸、イノシン酸、グアニル酸、ビタミンEの何れか1以上を分析した分析情報を含むものであっても良い。遊離アミノ酸分析では、うま味成分であるグルタミン酸など様々なアミノ酸の割合を分析する。脂肪酸組成の分析では、まろやかさや口どけといった食感の評価基準として、脂肪組織に含まれるオレイン酸など、様々な脂肪酸の定量分析の分析結果を示す。オレイン酸の分析は、単価の不飽和脂肪酸が多く含まれるほど柔らかくおいしいと評価されることから、これを分析する。イノシン酸の分析は、有機化合物の一種、イノシン酸は鰹節のうま味成分で、解体処理後の熟成などで増加するといわれているため、これを分析する。グアニル酸の分析は、グアニン酸はシイタケのうま味成分を引き出すため、これを分析する。またビタミンEもうま味に影響を及ぼすことからこれを分析する。
参照用産地情報は、その食肉の産地に関する情報であり、例えば、米国、日本といった国レベル、東北地方や九州地方といった地方レベル、北海道や鹿児島県といった都道府県レベル、更には北海道の群や町、更には牧場レベルで示されていてもよい。このような参照用産地情報に含まれる肉の産地も肉の味に影響を及ぼすことから、参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて肉質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用生体情報は、その食肉を提供する家畜の生体に関して計測したあらゆる生体データを含むものである。この家畜の生体データの種類としては、家畜の心拍数、体温、心電図、血圧、血液検査結果、体重等、あらゆる生体データを含む。参照用生体情報に含まれる生体に関するデータも肉の味に影響を及ぼすことから、参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて肉質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用飼育環境情報は、その食肉を提供する家畜を飼育する環境に関するあらゆるデータを含むものである。この参照用飼育環境情報のデータの種類としては、家畜を飼育する厩舎の温度、湿度、風向き、日照度合、室内照明の度合、音声データ、害虫の駆除状況、清掃状況、糞尿の処理状況等、飼育環境に関するあらゆる情報を含むものである。参照用飼育環境情報に含まれるデータも肉の味に影響を及ぼすことから、参照用画像情報と組み合わせ、連関度を通じて肉質を判別することで、判別精度を向上させることができる。
参照用餌情報は、食肉を提供する家畜の餌に関する情報である。
このような各参照用情報の何れか1以上と、参照用設備データの組み合わせと、魚肉類の品質とを学習させておき、新たに品質を探索した魚肉類についてそれが保存されている保存環境の設備データを取得するとともに、学習させた参照用情報に応じた情報を新たに取得する。仮に学習させた参照用情報が参照用分析情報であれば、これに応じて魚や肉について分析した情報を新たに取得し、入力する。これにより、同様に魚肉類の品質を探索することが可能となる。いずれの場合も、その連関度の参照情報に合わせたデータの入力がなされ、その連関度を利用して魚の品質を求める。
なお、上述した保存環境は、あくまで食肉類を保存する環境に限定されるものではない。例えば、住空間の各室内や屋内施設、オフィス、遊戯施設、学校や病院等の建築構造物内、イベント会場等の屋内環境についても適用可能である。出力解としての保存環境の代替として、住空間やオフィス空間としての生活環境、仕事環境に置き換えて学習させることで、同様の判断を行うことが可能となり、また同様の方法で環境の改善制御を行うことが可能となる。
1 栽培環境判別システム
2 推定装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 推定部
28 記憶部
61 ノード

Claims (9)

  1. 保存環境に保存された魚肉類の品質を判別する魚肉類の品質判別プログラムにおいて、
    上記魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、魚肉類の品質との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    魚肉類の品質を新たに判別する際に、魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上のうち上記参照用設備データに対応する設備データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した設備データに基づき、魚肉類の品質を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする品質判別プログラム。
  2. 上記連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されること
    を特徴とする請求項1記載の魚の品質判別プログラム。
  3. 魚肉類を保存する保存環境の正常性を判別する保存環境判別プログラムにおいて、
    魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、保存環境の正常性との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    魚肉類の保存環境を新たに判別する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した設備データに基づき、保存環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする保存環境判別プログラム。
  4. 上記判別ステップにおいて判別された保存環境の正常性に基づいて、上記保存環境を作り出す設備を制御する制御ステップを更に有すること
    を特徴とする請求項3記載の保存環境判別プログラム。
  5. 魚肉類を保存する保存環境の改善制御を提案する保存環境改善制御提案プログラムにおいて、
    魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、上記保存環境の改善制御内容との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    保存環境の改善制御を新たに提案する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した設備データに基づき、保存環境の改善制御内容を提案する提案ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする保存環境改善制御提案プログラム。
  6. 魚肉類を保存する保存環境の改善制御を行う保存環境改善制御プログラムにおいて、
    魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、上記保存環境の改善制御内容との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    保存環境の改善制御を新たに提案する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した設備データに基づき、保存環境の改善制御を行う制御ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする保存環境改善制御プログラム。
  7. 保存環境に保存された魚肉類の品質を判別する魚肉類の品質判別システムにおいて、
    上記魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、魚肉類の品質との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得手段と、
    魚肉類の品質を新たに判別する際に、魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上のうち上記参照用設備データに対応する設備データを取得する情報取得手段と、
    上記連関度取得手段において取得された連関度を利用し、上記情報取得手段を介して取得した設備データに基づき、魚肉類の品質を判別する判別手段とを備えること
    を特徴とする品質判別システム。
  8. 魚肉類を保存する保存環境の正常性を判別する保存環境判別システムにおいて、
    魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、保存環境の正常性との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得手段と、
    魚肉類の保存環境を新たに判別する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得手段と、
    上記連関度取得手段において取得された連関度を利用し、上記情報取得手段を介して取得した設備データに基づき、保存環境の正常性を判別する判別手段とを備えること
    を特徴とする保存環境判別システム。
  9. 魚肉類を保存する保存環境の改善制御を行う保存環境改善制御システムにおいて、
    魚肉類を保存する保存環境を作り出す設備から取得した参照用設備データと、上記保存環境の改善制御内容との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得手段と、
    保存環境の改善制御を新たに提案する際に、当該保存環境を作り出す設備から設備データを取得する情報取得手段と、
    上記連関度取得手段において取得された連関度を利用し、上記情報取得手段を介して取得した設備データに基づき、保存環境の改善制御を行う制御手段とを備えること
    を特徴とする保存環境改善制御システム。
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