JP2021191606A - フィルムの製造方法、フィルムの製造システム、および、スリット加工装置 - Google Patents

フィルムの製造方法、フィルムの製造システム、および、スリット加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基材がカールすることを抑制しながら、基材を切断できるフィルムの製造方法、フィルムの製造システム、および、スリット加工装置を提供する。【解決手段】フィルムFの製造方法は、脆性樹脂からなる基材Sを押出成形する押出成形工程(押出成形装置2)と、押出成形工程によって押出成形された基材Sの幅方向両端を、シェアカット方式の第1スリット加工装置3で切断するスリット工程と、スリット工程によって幅方向両端を切断された基材Sを延伸する第1延伸工程(第1延伸装置4A)とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルムの製造方法、フィルムの製造システム、および、スリット加工装置に関する。
従来、ニップカット方式のスリッター装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ニップカット方式のスリッター装置は、上部ブロック刃と、上部スペーサーリングと、下部ブロック刃と、下部スペーサーリングとを備える。上部スペーサーリングは、上部ブロック刃と並び、下部ブロック刃と向かい合う。下部スペーサーリングは、下部ブロック刃と並び、上部ブロック刃と向かい合う。シート材は、上部ブロック刃と下部スペーサーリングとの間、および、上部スペーサーリングと下部ブロック刃との間でニップされ、上部ブロック刃または下部ブロック刃の幅に切断される。
特開2000−94385号公報
特許文献1に記載されるようなニップカット方式のスリッター装置では、ブロック刃(上部ブロック刃または下部ブロック刃)とスペーサーリング(上部スペーサーリングまたは下部スペーサーリング)とでニップされることによる圧力(ニップ圧)が、切断したい部分の周りに、加わる。
そのため、シート材が割れやすい樹脂(脆性樹脂)からなる場合、切断した部分の周りが、ニップ圧によって、カールする可能性がある。
本発明は、基材がカールすることを抑制しながら、基材を切断できるフィルムの製造方法、フィルムの製造システム、および、スリット加工装置を提供する。
本発明[1]は、脆性樹脂からなる基材を押出成形する押出成形工程と、前記押出成形工程によって押出成形された前記基材の幅方向両端を、シェアカット方式のスリット加工装置で切断するスリット工程と、前記スリット工程によって前記幅方向両端を切断された前記基材を延伸する延伸工程とを含む、フィルムの製造方法を含む。
このような方法によれば、基材の幅方向両端をシェアカット方式のスリット加工装置で切断する。
そのため、ニップカット方式のように、切断したい部分の周りにニップ圧が加わることを抑制できる。
その結果、基材がカールすることを抑制しながら、基材を切断できる。
本発明[2]は、前記スリット加工装置が、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第1シェア刃と、前記第1シェア刃と擦り合わされる第2シェア刃であって、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第2シェア刃とを備える、上記[1]のフィルムの製造方法を含む。
このような方法によれば、第1シェア刃および第2シェア刃のそれぞれの刃先角度が60よりも大きく、90℃以下であるため、基材が割れることを、より抑制できる。
本発明[3]は、脆性樹脂からなる基材を押出成形する押出成形装置と、前記押出成形装置によって押出成形された前記基材の幅方向両端を切断するスリット加工装置であって、シェアカット方式のスリット加工装置と、前記スリット加工装置によって前記幅方向両端を切断された前記基材を延伸する延伸装置とを備える、フィルムの製造システムを含む。
本発明[4]は、前記スリット加工装置が、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第1シェア刃と、前記第1シェア刃と擦り合わされる第2シェア刃であって、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第2シェア刃とを備える、上記[3]のフィルムの製造システムを含む。
本発明[5]は、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第1シェア刃と、前記第1シェア刃と擦り合わされる第2シェア刃であって、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第2シェア刃とを備える、スリット加工装置を含む。
本発明のフィルムの製造方法、フィルムの製造システム、および、スリット加工装置によれば、基材がカールすることを抑制しながら、基材を切断できる。
図1は、本発明の一実施形態としての、フィルムの製造システムによって製造されるフィルムの断面図である。 図2は、フィルムの製造システムの概略構成図である。 図3は、図2に示す第1スリット加工装置の説明図である。 図4Aは、実施例1の切断後の基材の写真である。図4Bは、実施例1の基材の端部の走査型顕微鏡写真である。 図5は、実施例2の基材の端部の走査型顕微鏡写真である。 図6は、実施例3の基材の端部の走査型顕微鏡写真である。 図7Aは、比較例の切断後の基材の写真である。図7Bは、比較例の基材の端部の走査型顕微鏡写真である。
1.フィルムの製造システム
フィルムFの製造システム1について説明する。
図1に示すように、フィルムFは、基材Sと、被膜Cとを備える。基材Sは、基材Sの厚み方向において、第1面S1と、第2面S2とを有する。被膜Cは、基材Sの第1面S1の上に配置される。被膜Cは、基材Sの第1面S1を覆う。被膜Cは、易接着層であってもよい。被膜Cが易接着層である場合、フィルムFは、易接着フィルムである。易接着フィルムは、例えば、モバイル機器、カーナビゲーション装置、パソコン用モニタ、テレビなどの画像表示装置の偏光板に使用される。詳しくは、易接着フィルムは、偏光板の偏光子を保護する保護フィルムとして使用される。易接着フィルムは、接着剤層を介して、偏光子と貼り合わされる。易接着フィルムは、易接着層で、偏光子と貼り合わされる。
図2に示すように、フィルムFの製造システム1は、押出成形装置2と、スリット加工装置の一例としての第1スリット加工装置3と、延伸装置の一例としての第1延伸装置4Aと、塗工装置5と、第2延伸装置4Bと、第2スリット加工装置6と、ナーリング加工装置7と、巻取装置8とを備える。
(1)押出成形装置
押出成形装置2は、基材Sを押出成形する(押出成形工程)。押出成形装置2から押し出された基材Sは、シート形状を有する。
基材Sは、熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アセテート樹脂(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなど)などが挙げられる。
偏光子の保護フィルムとして使用される易接着フィルムを製造する場合、基材Sの材料として、好ましくは、アクリル樹脂が挙げられる。
また、偏光子の保護フィルムとして使用される易接着フィルムを製造する場合、アクリル樹脂は、グルタル酸無水物構造を有するアクリル樹脂、ラクトン環構造を有するアクリル樹脂であってもよい。グルタル酸無水物構造を有するアクリル樹脂、および、ラクトン環構造を有するアクリル樹脂は、高い耐熱性、高い透明性、および高い機械的強度を有するため、偏光度が高くかつ耐久性に優れる偏光板の製造に適する。グルタル酸無水物構造を有するアクリル樹脂は、特開2006−283013号公報、特開2006−335902号公報、特開2006−274118号公報に記載されている。ラクトン環構造を有するアクリル樹脂は、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報に記載されている。
また、基材Sは、アクリル樹脂に加えて、アクリル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を含有してもよい。他の熱可塑性樹脂を含有することにより、アクリル樹脂の複屈折を打ち消して、光学等方性に優れる易接着フィルムを得ることができる。また、易接着フィルムの機械強度を向上させることもできる。
なお、基材Sは、酸化防止剤、安定剤、補強材、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤、可塑剤、滑剤、フィラーなどの添加剤を含有してもよい。
本実施形態では、基材Sは、脆性樹脂からなる。脆性樹脂とは、上記した熱可塑性樹脂のうち、JIS P 8115:2001に準じた耐折強さ試験において、耐折回数が50回未満である樹脂をいう。
耐折強さ試験は、試験機として、BE−202(テスター産業製)を使用し、以下の条件で実施する。
<耐折強さ試験条件>
試験片のサイズ:幅15mm、長さ110mm
試験速度:175cpm
折曲げ角度:135°
荷重:200g重
折曲げクランプの曲率半径R:0.38mm
折曲げクランプの開き:0.25mm
基材Sが脆性樹脂からなると、ニップカット方式のスリット加工装置で切断したときに、切断した部分の周りがカールする、さらには、割れてしまう。
詳しくは、本実施形態では、基材Sは、未延伸の状態で、脆性樹脂からなる。未延伸の状態とは、押出成形工程の後、押出成形された基材Sを流れ方向MDまたは幅方向TDに延伸する前の状態である。幅方向TDは、流れ方向MDと直交する。
本実施形態は、耐折回数が10回未満である脆性樹脂に好ましく、耐折回数が5回未満である脆性樹脂に、より好ましい。
具体的には、脆性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートとの複合樹脂などが挙げられる。
(2)第1スリット加工装置
第1スリット加工装置3は、押出成形工程によって押出成形された基材Sの幅方向両端を、切断する(第1スリット工程)。
(3)第1延伸装置
第1延伸装置4Aは、第1スリット工程によって幅方向両端を切断された基材Sを、加熱した後、基材Sの流れ方向MDに延伸する(第1延伸工程)。
(4)塗工装置
塗工装置5は、押出成形工程によって押出成形された基材Sの第1面S1に、塗工液を塗布する(塗布工程)。塗工装置としては、例えば、バーコーター、グラビアコーター、キスコーターなどが挙げられる。なお、基材Sの第1面S1には、押出成形工程の後、塗布工程の前に、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理が、施されてもよい。
易接着フィルムを製造する場合、塗工液は、易接着層を形成するための易接着組成物である。
易接着層は、バインダ樹脂と、微粒子とを含有する。
バインダ樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。易接着フィルムが偏光子の保護フィルムとして使用される場合、バインダ樹脂は、好ましくは、熱硬化性樹脂である。バインダ樹脂は、複数種類を併用できる。
微粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)などの酸化物、例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩、例えば、タルク、カオリンなどのケイ酸塩鉱物、例えば、リン酸カルシウムなどのリン酸塩などが挙げられる。易接着フィルムが偏光子の保護フィルムとして使用される場合、微粒子は、好ましくは、酸化物、より好ましくは、酸化ケイ素である。微粒子は、複数種類を併用できる。
塗工液(易接着組成物)は、樹脂成分と、上記した微粒子と、分散媒とを含有する。
樹脂成分は、後述する延伸工程によって、上記したバインダ樹脂の被膜(易接着層)を形成する。バインダ樹脂がウレタン樹脂である場合、樹脂成分としては、例えば、水系ウレタン樹脂が挙げられる。水系ウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂の乳化物である非反応型水系ウレタン樹脂、例えば、イソシアネート基をブロック剤で保護したウレタン樹脂の乳化物である反応型水系ウレタン樹脂などが挙げられる。バインダ樹脂がウレタン樹脂である場合、塗工液は、ウレタン硬化触媒(トリエチルアミンなど)、イソシアネートモノマーを含有してもよい。
分散媒としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンなどが挙げられる。
(5)第2延伸装置
第2延伸装置4Bは、塗工工程によって塗布された塗工液を乾燥する。これにより、塗工液が上記した被膜Cになる。また、第2延伸装置4Bは、被膜Cが形成された基材Sを、加熱した後、基材Sの幅方向TDに延伸する(第2延伸工程)。第2延伸工程により、被膜Cが形成された基材Sが幅方向TDに延伸され、上記したフィルムFが得られる。
(6)第2スリット加工装置
第2スリット加工装置6は、第2延伸工程によって延伸されたフィルムFを、所定の幅に切断する(第2スリット工程)。
(7)ナーリング加工装置
ナーリング加工装置7は、スリット工程によって所定の幅に切断されたフィルムFの幅方向両端に、ナールを形成する(ナーリング工程)。ナールは、レーザーによって形成される。ナールは、加熱されたエンボスロールによって形成されてもよい。
(8)巻取装置
巻取装置8は、ナーリング工程によってナールが形成されたフィルムFを巻き取る(巻取工程)。巻取工程が完了することにより、フィルムFのロールを得ることができる。
2.第1スリット加工装置の詳細
第1スリット加工装置3は、シェアカット方式のスリット加工装置である。そのため、基材の幅方向両端を切断するときに、ニップカット方式のように、切断したい部分の周りにニップ圧が加わることを抑制できる。その結果、基材がカールすること、ひいては、割れることを抑制しながら、基材を切断できる。
図3に示すように、第1スリット加工装置3は、2つの第1シェア刃31A、31Bと、2つの第2シェア刃32A、32Bとを備える。
(1)第1シェア刃
第1シェア刃31Aは、幅方向TDにおいて、基材Sの一端部と接触する。第1シェア刃31Aは、基材Sの厚み方向において、基材Sの一方側に配置される。
第1シェア刃31Aの刃先角度θ1は、60°よりも大きく、好ましくは、75°以上、より好ましくは、80°以上である。第1シェア刃31Aの刃先角度θ1が上記の下限値よりも大きいと、基材Sが割れてしまうことを、より抑制できる。
第1シェア刃31Aの刃先角度θ1の上限値は、基材Sを切断できれば、限定されない。具体的には、第1シェア刃31Aの刃先角度θ1は、90°以下、好ましくは、90°未満、より好ましくは、87°以下、より好ましくは、85°以下である。第1シェア刃31Aの刃先角度θ1が上記の上限値以下であると、基材Sを容易に切断できる。
詳しくは、本実施形態では、第1シェア刃31Aは、内刃面311と、小刃面312とを有する。内刃面311は、第2シェア刃32Aの内刃面321と擦り合う。小刃面312は、内刃面311の先端から、第2シェア刃32Aから離れる方向へ延びる。第1シェア刃31Aの刃先は、内刃面311と小刃面312とから形成される。つまり、刃先角度θ1は、内刃面311と小刃面312とが形成する内角である。
第1シェア刃31Bは、幅方向TDにおいて、第1シェア刃31Aから離れて配置される。第1シェア刃31Bは、幅方向TDにおいて、基材Sの他端部と接触する。第1シェア刃31Bは、基材Sの厚み方向において、基材Sの一方側に配置される。
第1シェア刃31Bの刃先角度は、第1シェア刃31Aの刃先角度θ1と同じである。本実施形態では、第1シェア刃31Bも、内刃面と小刃面とを有する。
(2)第2シェア刃
第2シェア刃32Aは、幅方向TDにおいて、基材Sの一端部と接触する。第2シェア刃32Aは、基材Sの厚み方向において、基材Sの他方側に配置される。第2シェア刃32Aの刃先は、幅方向TDにおいて、第1シェア刃31Aの刃先と接触する。第2シェア刃32Aの刃先は、第1シェア刃31Aの刃先と擦り合っている。
第2シェア刃32Aの刃先角度θ2は、60°よりも大きく、好ましくは、75°以上、より好ましくは、80°以上である。第2シェア刃32Aの刃先角度θ2が上記の下限値よりも大きいと、基材Sが割れてしまうことを、より抑制できる。
第2シェア刃32Aの刃先角度θ2の上限値は、基材Sを切断できれば、限定されない。具体的には、第2シェア刃32Aの刃先角度θ2は、90°以下、好ましくは、90°未満、より好ましくは、87°以下、より好ましくは、85°以下である。第2シェア刃32Aの刃先角度θ2が上記の上限値以下であると、基材Sを容易に切断できる。
詳しくは、本実施形態では、第2シェア刃32Aは、内刃面321と、小刃面322とを有する。内刃面321は、第1シェア刃31Aの内刃面311と擦り合う。小刃面322は、内刃面321の先端から、第1シェア刃31Aから離れる方向へ延びる。第2シェア刃32Aの刃先は、内刃面321と小刃面322とから形成される。つまり、刃先角度θ2は、内刃面321と小刃面322とが形成する内角である。
第2シェア刃32Bは、幅方向TDにおいて、第2シェア刃32Aから離れて配置される。第2シェア刃32Bは、幅方向TDにおいて、基材Sの他端部と接触する。第2シェア刃32Bは、基材Sの厚み方向において、基材Sの他方側に配置される。第2シェア刃32Bの刃先は、幅方向TDにおいて、第1シェア刃31Bの刃先と接触する。第2シェア刃32Bの刃先は、第1シェア刃31Bの刃先と擦り合っている。
第2シェア刃32Bの刃先角度は、第2シェア刃32Aの刃先角度θ2と同じである。本実施形態では、第2シェア刃32Bも、内刃面と小刃面とを有する。
3.変形例
(1)フィルムFの製造システム1は、第1スリット工程の後、連続して第1延伸工程を実施しなくてもよい。第1スリット工程の後、一旦、基材Sを巻き取って、未延伸の基材Sのロールを製造してもよい。この場合、第1延伸工程において、未延伸の基材Sのロールから基材Sを繰り出して、繰り出された基材Sを延伸する。
(2)フィルムFの製造システム1は、第1延伸装置4Aを備えなくてもよい。塗工液が塗布された基材Sは、第2延伸装置4Bによって、流れ方向MDおよび幅方向TDに延伸(二軸同時延伸)されてもよい。この場合、第2延伸装置が延伸装置の一例である。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明する。本発明は、下記の実施例によって限定されない。また、以下の記載において用いられる物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する、物性値、パラメータなどの上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「よりも大きい」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
アクリル樹脂からなる基材(上記した耐折強さ試験で測定された耐折回数は、3回である。)の端部を、シェアカット方式のスリット加工装置で切断した。上側のシェア刃(第1シェア刃)および下側のシェア刃(第2シェア刃)のそれぞれの刃先角度は、83°である。切断後の基材の写真を、図4Aに示す。また、切断後の基材の端部の走査型電子顕微鏡写真を、図4Bに示す。
図4Aに示すように、切断後の基材は、カールしなかった。図4Bに示すように、切断後の基材の端部には、亀裂は入らなかった。
実施例2
上側のシェア刃および下側のシェア刃のそれぞれの刃先角度が60°である以外は、実施例1と同様にして、基材の端部を切断した。切断後の基材の端部の走査型電子顕微鏡写真を、図5に示す。
切断後の基材の端部は、微細な亀裂が入ったが、割れていない。なお、実施例1と同様に、切断後の基材は、カールしなかった。
実施例3
上側のシェア刃および下側のシェア刃のそれぞれの刃先角度が40°である以外は、実施例1と同様にして、基材の端部を切断した。切断後の基材の端部の走査型電子顕微鏡写真を、図6に示す。
切断後の基材の端部は、微細な亀裂が入ったが、割れていない。なお、実施例1と同様に、切断後の基材は、カールしなかった。
比較例
ニップカット方式のスリット加工装置を使用して、実施例1と同じ基材の端部を切断した。切断後の基材の写真を、図7Aに示す。また、切断後の基材の端部の走査型電子顕微鏡写真を、図7Bに示す。
図7Aに示すように、切断後の基材は、カールした。図7Bに示すように、切断後の基材の端部には、実施例2、3よりも多くの亀裂が入った。
1 フィルムの製造システム
2 押出成形装置
3 第1スリット加工装置
4 第1延伸装置
31A 第1シェア刃
31B 第1シェア刃
32A 第2シェア刃
32B 第2シェア刃
θ1 刃先角度
θ2 刃先角度
S 基材

Claims (5)

  1. 脆性樹脂からなる基材を押出成形する押出成形工程と、
    前記押出成形工程によって押出成形された前記基材の幅方向両端を、シェアカット方式のスリット加工装置で切断するスリット工程と、
    前記スリット工程によって前記幅方向両端を切断された前記基材を延伸する延伸工程とを含むことを特徴とする、フィルムの製造方法。
  2. 前記スリット加工装置は、
    刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第1シェア刃と、
    前記第1シェア刃と擦り合わされる第2シェア刃であって、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第2シェア刃と
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 脆性樹脂からなる基材を押出成形する押出成形装置と、
    前記押出成形装置によって押出成形された前記基材の幅方向両端を切断するスリット加工装置であって、シェアカット方式のスリット加工装置と、
    前記スリット加工装置によって前記幅方向両端を切断された前記基材を延伸する延伸装置と
    を備えることを特徴とする、フィルムの製造システム。
  4. 前記スリット加工装置は、
    刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第1シェア刃と、
    前記第1シェア刃と擦り合わされる第2シェア刃であって、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第2シェア刃と
    を備えることを特徴とする、請求項3に記載のフィルムの製造システム。
  5. 刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第1シェア刃と、
    前記第1シェア刃と擦り合わされる第2シェア刃であって、刃先角度が60°よりも大きく、90°以下である第2シェア刃と
    を備えることを特徴とする、スリット加工装置。
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JP4530522B2 (ja) * 2000-11-15 2010-08-25 株式会社クラレ 延伸加工用ビニルアルコール系重合体フィルムの切断方法
JP4813013B2 (ja) * 2003-11-25 2011-11-09 東ソー株式会社 ディスプレイ用光学フィルム

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