JP2021191233A - 植物の培養用具及びそれを用いる植物培養方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】枝葉が充実し、整えられた枝ぶりで、細根が充実した性質を持つ盆栽苗を挿し木にて生産するにあたり、目的植物の一部である挿し穂の発根率、生存率、生産効率の改善を提供する。【解決手段】培養する為に用土や多孔質物質が保持され、底部に孔を一つ以上有する培養容器1の下部に、当該培養容器を保持しつつも、培養容器との接触部分で外気への開口があり、底部に孔を持つ環境変化調節装置4を配置された植物の培養用具および前記培養用具を用いる植物培養方法。上面に開口を持つ環境変化調節装置を配置することにより、外気との接触や環境変化調節装置内の空隙によって、外気に影響された培養用土中の乾燥、過湿、温度等の急激な培養容器内の環境変化の緩和が可能になり、さらに、弱度の乾燥が維持したままの培養が可能になることで、発根率が改善された。【選択図】図1
Description
枝葉が細かく繁り、整えられた枝ぶりで、細根が多数伸長し充実した状態の盆栽苗を挿し木による繁殖法を用いて生産する上で、生産効率を向上させる培養用具と培養方法に関する。
盆栽苗は、枝葉の形状や枝葉の数の充実に着目され、さらに鉢の上に収まるように整えられた枝ぶりが好まれる。好まれる形質を持った植物の盆栽苗の繁殖方法においては、親木の形質が受け継がれない可能性のある種子繁殖ではなく、親木の形質を受け継ぐ挿し木や取り木による繁殖方法が好んで選ばれる。
挿し木による繁殖方法は、親木の形質を受け継ぐばかりでなく、数多くの苗を産出でき、生産効率がよく、好まれる培養方法である。しかし、盆栽に頻繁に用いられる植物の中には、五葉松のように挿し木の発根に数ヶ月かかり、明確な発根時期も初夏から秋に限られ、さらに、過湿に弱く枯死する割合が高く、挿し木による盆栽苗の生産効率が雑木類に比べ極めて低いものがある。例えば、一本の親木から、挿し木や取り木などの繁殖により親木の形質を保持した盆栽が得られている五葉松の瑞祥の盆栽苗の需要には、供給が追い付いていない。
挿し木による繁殖方法は、親木の形質を受け継ぐばかりでなく、数多くの苗を産出でき、生産効率がよく、好まれる培養方法である。しかし、盆栽に頻繁に用いられる植物の中には、五葉松のように挿し木の発根に数ヶ月かかり、明確な発根時期も初夏から秋に限られ、さらに、過湿に弱く枯死する割合が高く、挿し木による盆栽苗の生産効率が雑木類に比べ極めて低いものがある。例えば、一本の親木から、挿し木や取り木などの繁殖により親木の形質を保持した盆栽が得られている五葉松の瑞祥の盆栽苗の需要には、供給が追い付いていない。
植物の根は、植物の構造を支える粗根と呼ばれる太い根と、水分や養分の吸収と呼吸を行う直径2mm以下の細根の部分がある。地植えや、大きな植木鉢に植えた場合のように、粗根が太く、長く育つと、地上部の枝、葉も長く、大きく育つ傾向がある。盆栽苗の場合は、限られた鉢の大きさに見合った根や、幹、枝そして葉の地上部となることが求められるため、太根、直根などと呼ばれる粗根は極力取り除く作業がしばしば行われる。粗根が取り除かれると、水分や養分の吸収と呼吸を行う細根の数も増え、細根の枝分かれが細かく充実することで、地上部の枝葉が細かく伸展し、盆栽苗に適した形質を示す傾向がある。さらに、鉢の限られた用土の中から効率よく水や養分、そして酸素などを植物体内に取り込むためにも細根の充実は重要である。
一方、細根は樹木の生育に欠かせないものであるが、用土中の水分濃度、温度、酸素濃度などの環境変化に敏感で枯死しやすく、土壌中の生物に食べられることもあり、一般的に寿命が短い。言い換えれば、土壌中の環境変化は、盆栽苗の形質に重要な細根の充実に影響する。
挿し木の初期では、細根もなく、特に十分な水分が必要である。そこで、水分を供給するために培養容器の下に水を配置したり吸水性部材を接触させた挿し木苗の培養方法などが見受けられる。しかし、特許文献1のような吸水性部材を接触させる方法では、長い間、用土の水分が多すぎる状態、いわゆる過湿状態が生じ、過湿を嫌う五葉松などのような樹種の挿し木では細根発根後の培養用土中の過湿によって細根が枯死に至ることがある。
一方、真夏の外気の急激な温度上昇等、真冬の急激な氷点下に至る温度変化はは培養用土中の環境変化を起こす。急激な環境変化の緩和は、吸水性部材のみでは十分ではない。下部が吸水性部材に覆われていたり水没していた場合の培養用土中の環境変化は、温度ばかりでなく、酸素濃度の低下や培養用土中の生物種の変化にも及び、環境変化の影響で発根したばかりの細根が枯死する事も考えられる。壁面からの空気や水の透過性がないプラスチックポットを培養容器に使用した場合では、外気と接触できる構造は培養用土内の急激な環境変化の緩和に有効と考えられる。
また、適度な乾燥状態と適度な酸素濃度は、細根の生育を促す効果もある。外気と用土が接触したり、用土の中に空気を保持することで、細根生育を促進する。一方、大きな粒径の用土を用いると、用土中の空隙率が上がる。乾燥しすぎない程度の大きな粒径の用土を使用することで、根の成長を促すことも知られている。湿度、温度、酸素などの環境変化を調節することで、枝分かれした細根を増加させ、根が充実した形質に植物を培養することは、鉢という限られた空間で生育させる盆栽苗において重要である。
特許文献2は植物栽培用ポット上面を高湿度状態にし、下部を低湿度状態にする容器及び方法を示している。しかし、気温と日照が変化する四季のある地域に自生する植物にとって、水分の要求度、酸素の要求度は、変化しており、落葉、新葉の芽吹きなど、植物の生長にも季節の変化影響するため、ほぼ密閉した容器に上部を高湿度状態、下部を低湿空気を送り込む形状では、環境変化調節のためには十分でない。また、発根後の根が十分に成長し、低湿空気中に細根が飛び出した場合、細根の生育の抑制につながる。
一般的な植物では、ポットの壁面から水も空気も通さないプラスチックポットを用いて培養すると、保水効果が高く生育を促進することが多い。また、プラスチックポットは軽量で複数の苗を扱う際の作業性が高く、生産効率を高めるためにも頻繁に使用される。しかし、水と空気を通さないポットでは、五葉松のような過湿を嫌う樹種では過湿や酸素不足から細根が枯れたり、挿し穂そのものが枯れて育たないことがある。一方、挿し木の培養用の鉢において植物の生長に好ましいとされる、水と酸素や二酸化炭素を含む空気を通す素焼きの鉢が古くから使用されているが、操作性においては丸い形状、重量、壁面の厚み、そして、破損のしやすさで優れているとは言えない。さらに水と空気が透過する素焼きの素材では、細根の生育を促すために低度の乾燥維持を試みた場合、培養環境のコントロールを複雑にすることがある。プラスチックポットの単用使用や、素焼き鉢を使用し、五葉松の瑞祥での挿し木を一例とすると、挿し木1年後の活着率は1割を切ることが多く、挿し木の発根率は安定しない。
培養容器内の環境をコントロールし、発根した細根が枯死せず伸長できる環境を維持することは大変重要である。
培養容器内の環境をコントロールし、発根した細根が枯死せず伸長できる環境を維持することは大変重要である。
盆栽苗の形状においては、枝葉が細かく繁り、鉢の上に収まる様に整えられた枝ぶりが好まれる。通常、畑や一般的なガーデニングで用いられる大きな鉢内で育てる場合では、細根が少なく、真下に枝分かれなく生育する直根や太根などが伸展する事が多い。直根や太根が伸展することで、地上部の枝は、大きく、太く、粗い枝ぶりに育ちやすい傾向が知られている。盆栽苗において好まれる枝葉が細かく繁る形状とするためには、直根や太根を切り植えなおす操作をし、細根を多く生育させることで、地上部、地下部両方の充実を図ることもある。しかし、根を切り植えなおす操作は、煩雑であり盆栽苗へのダメージも生じる。煩雑な操作を必要とせず、培養容器内の環境をコントロールし、少ない培養用土の中で植物の細根を充実させることは、植物の盆栽苗の挿し木による苗生産効率の向上において重要である。
よって、生産効率の低い五葉松の挿し木において、操作性の良いプラスチックポットを用い、発根、生育し続けるために培養環境を調整できる植物の培養用具と方培養方法が求められる。
本発明は、枝葉が拡がり、細かく繁り、細根が多数伸長し充実した形質の盆栽苗を生産するにあたり、長期間プラスチックポット内で培養、発根、生育させることを要する植物の挿し木による繁殖法において、目的植物の一部である挿し穂(挿し木)や挿し芽の発根率、生存率、そして生産効率を改善することを目的とする。
本発明は、植物を育成するための用具であって、培養する為に用土や多孔質物質が保持され、底部に孔を一つ以上有する培養容器の下部に、当該培養容器を保持しつつも、培養容器との接触部分で外気への開口があり、培養容器の培養環境の変化を調節する事を目的とした環境変化調節装置が配置された植物の培養用具を提供するものである。
さらに、本発明は、環境変化調節装置が上面に開口と底部に孔を持つ植物の培養用具を提供するものである。
また、培養するための用土や多孔質物質が保持され、底部に孔を一つ以上有する培養容器の下部に、当該培養容器を保持しつつも、上面に開口を持つ、環境変化調節装置が配置された上記植物の培養用具を用いる植物培養方法を提供するものである。
前記植物が挿し木、特に五葉松である培養用具を提供するものである。
本発明植物の培養用具を使用すると、培養容器の下部に、上面に開口を持つ環境変化調節装置を配置することにより、外気との接触や環境変化調節装置内の空隙によって、培養用土中の湿度、温度、酸素濃度等の急激な環境変化の緩和を可能にする一方、弱度の乾燥を維持したままの培養が可能になることで、発根率が改善された。
培養容器内の湿度における環境変化は、培養容器下部の環境変化調節装置の開口と環境変化調節装置内用土の空隙へ湿気が拡散することにより過湿が緩和されたり、環境変化調節装置内用土からの湿気により、培養容器内の乾燥が進んでも、湿度が調節される効果がある。この調節効果により弱度の乾燥状態を維持することが可能になり、発根を促す効果がある。
一方、真夏の外気の急激な温度上昇、真冬の急激な氷点下に至る温度変化は、培養用土中の環境変化を起こす。培養容器内の急激な高温や低温は、環境変化調節装置内に粒のある用土を充填することにより、空隙内の空気と、培養容器と環境変化調節装置の隙間の空気の流れによって抑制することができる。さらに、外気の急激な変化は、温度ばかりでなく、培養用土中の生物種の変化や酸素濃度の変化にもおよび、環境変化の影響で細根が枯死する事も考えられる。酸素濃度においては、外気と直接接触できる開口と環境変化調節装置の空隙とつながっている構造は環境変化の緩和に有効である。
本発明の植物の培養用具による培養では、上面から培養容器内用土に潅水されるが、培養容器内部用土に吸水できない余剰の水は、環境変化調節装置の中の用土に吸水され、さらに余剰となった水は排水される。
一方、環境変化調節装置の存在で培養容器内の急激な乾燥を抑制することができるため、使用用土の容積を最小限にすることが可能である。培養用土容積が少ないことは、発根した細根が水平、垂直方向に自由に伸び続ける事が妨げられ、直根、太根の生育を抑制することができる。直根、太根の抑制により、地上部の成長も抑制される傾向に働き、盆栽苗として適した形質の苗が得られる。一方、培養容器と環境変化調節装置の間の孔は、網で遮られているだけで、完全に分断しているわけではなく、十分に地下部の細根等が育った場合には、環境変化調節装置内用土中に細根等が伸展する事を完全に阻止、阻害されず、培養容器底部の網を超えて生育することもできる。
盆栽苗に適した形質を保ちつつ、培養容器内環境の急激な変化を緩和することで、挿し木発根効率を上げ、盆栽苗生産効率を上げることができる。
図4に本発明の培養用具の一例を示す。
図1において、培養容器(1)は、上面(2)が開口していて、底部(3)に1つ又は、2つ以上の孔(7)があり、それらが網(8)により用土等が落下しない程度に孔をふさげる構造であればよい。丸形の植木鉢(ポット)でよく、立方体、直方体、台形等各種の市販のプラスチックポットを利用することができる。プラスチックポットは、培養容器内部の位置による環境変化の差異を小さくするために、縦、横それぞれ25mmから40mm、高さ30mmから40mmの容器を使用することが本発明の効果を得られやすい。植物の培養容器の一例としての形状は、上面は縦、横それぞれ37mm、底面は、縦、横それぞれ28mm、高さ36mmがあげられる(明和株式会社 セルボックス49穴など)。
また、水、空気を通さないプラスチックの材質を選ぶことで、通気性のある素焼き鉢よりも湿度、温度、酸素濃度などのコントロールがしやすく、発根を促すために弱度の乾燥を維持する事が可能である。培養容器に入れる用土は、赤玉土、鹿沼土、桐生砂、富士砂などの混合、あるいは、単用で用いるのが好ましい。植物の特性により、これらに限定されるものではない。粒径は、通常直径1〜12mm、特に1〜5mmの小粒が使用される。一般に粒径は根の発達に影響があることが知られている。乾燥しすぎない程度に比較的大きい粒径を選択することができ、根の発達を促進する可能性が期待される。
環境変化調節装置としては、上面は縦、横それぞれ37mm、底面は、縦、横それぞれ28mm、高さ36mmの培養容器と同様のものがあげられる。環境変化調節装置の上面(5)は開口し、底部に1つ又は、2つ以上の孔(9)があり、孔の上に網(10)がのせてある形状のものでよい。
環境変化調節装置上面(5)と培養容器底部(3)は、一例として環境変化調節装置の上面が縦、横それぞれ37mm、培養容器底面が縦、横それぞれ28mmである容器を使うことで、組み合わさった部位に開口を確保できる。この培養容器(1)と環境変化調節装置(4)が組み合わさった部位(開口)より、外気が入り込む事ができる。環境変化調節装置の一例としての形状は、外気が入り込むことで、培養容器内(1)の湿度、温度、酸素濃度などの急激な変化を外気によって調節する効果がある。
環境変化調節装置上面(5)と培養容器底部(3)は、一例として環境変化調節装置の上面が縦、横それぞれ37mm、培養容器底面が縦、横それぞれ28mmである容器を使うことで、組み合わさった部位に開口を確保できる。この培養容器(1)と環境変化調節装置(4)が組み合わさった部位(開口)より、外気が入り込む事ができる。環境変化調節装置の一例としての形状は、外気が入り込むことで、培養容器内(1)の湿度、温度、酸素濃度などの急激な変化を外気によって調節する効果がある。
環境変化調節装置の中には用土等を入れる。用土は赤玉土、鹿沼土、桐生砂、富士砂等が用いられる。この際、用土の役割は培養容器内(1)の湿度、温度、酸素濃度などの環境変化調節であり、用土部分に水分を保持し、空隙部分に空気が満たされるものが好ましい。用土の粒の間の空隙に満たされる空気は、調湿効果、つまり過湿をふせぐ一方、環境変化調節装置からの湿度の供給によって、培養容器を加湿する効果を生み出すものである。環境変化調節装置から培養容器への加湿は、培養容器が乾燥している状態であっても、挿し穂を枯死させない程度の弱度の乾燥状態に維持させ、挿し穂の細根の生育を促す。
夏の高温、冬の低温に関する急激な温度変化は、用土の空隙内の空気によって緩和される。また、呼吸を行う細根にとっての用土中の酸素不足は細根の枯死をもたらすため、空隙内の酸素は細根の生育に有益である。すなわち、空隙率に影響する用土の粒径は、調湿効果や外気温度の変化を緩和する効果、そして酸素濃度調節効果に影響する。例えば、用土中の過湿に弱い五葉松において、極端な温度変化を防ぎ、酸素濃度の不足を防ぐためには、環境変化調節装置内の用土の空隙を確保するために、用土としては例えば赤玉土を用い、1mm〜12mmの直径の粒であることが望ましく、特に6〜12mmの中粒程度の直径を使用する事が望ましい。
夏の高温、冬の低温に関する急激な温度変化は、用土の空隙内の空気によって緩和される。また、呼吸を行う細根にとっての用土中の酸素不足は細根の枯死をもたらすため、空隙内の酸素は細根の生育に有益である。すなわち、空隙率に影響する用土の粒径は、調湿効果や外気温度の変化を緩和する効果、そして酸素濃度調節効果に影響する。例えば、用土中の過湿に弱い五葉松において、極端な温度変化を防ぎ、酸素濃度の不足を防ぐためには、環境変化調節装置内の用土の空隙を確保するために、用土としては例えば赤玉土を用い、1mm〜12mmの直径の粒であることが望ましく、特に6〜12mmの中粒程度の直径を使用する事が望ましい。
培養用具は、単体で用いても、複数連結して使用しても構わない。生産効率の改善のためには、複数連結して用いるほうが望ましく、例えば明和株式会社 セルボックス49穴などが使用できる。
本発明による培養では、上面から培養容器内用土に潅水されるが、培養容器を流れ出た余剰の水は、環境変化調節装置内に流れ込む。さらに、環境変化調節装置内の用土に吸水された以外の余剰の水は底部の孔から排出される。
与える水には、ハイグレード活力液 商標(株式会社ハイポネックスジャパン)、サーモテック 商標(富士見園芸株式会社)のような活力剤、メネデール 商標(メネデール株式会社)のような活力素、ハイポネクス原液 商標(株式会社ハイポネックスジャパン)のような液体肥料等を含ませることは制限しない。
与える水には、ハイグレード活力液 商標(株式会社ハイポネックスジャパン)、サーモテック 商標(富士見園芸株式会社)のような活力剤、メネデール 商標(メネデール株式会社)のような活力素、ハイポネクス原液 商標(株式会社ハイポネックスジャパン)のような液体肥料等を含ませることは制限しない。
本発明の培養用具を用いて、発根させるには、特に発根率の低い挿し木、特に細根が過湿に弱い五葉松の培養に適している。
本発明は、枝葉が充実し、整えられた枝ぶりで、細根が充実した形質を持つ盆栽苗を挿し木による培養法で生産するにあたり、目的植物の一部である挿し穂の発根率、生存率、生産効率の改善する用具及びその用具を用いた植物培養方法を提供するものである。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれに限定されない。
(挿し穂準備)
挿し木に用いられる挿し穂として、五葉松瑞祥の6月の新葉を25〜35mmとなるように市販のカミソリで切り離したものを6本準備した。挿し穂は200倍に水で希釈したハイグレード活力液に終夜浸した。
挿し木に用いられる挿し穂として、五葉松瑞祥の6月の新葉を25〜35mmとなるように市販のカミソリで切り離したものを6本準備した。挿し穂は200倍に水で希釈したハイグレード活力液に終夜浸した。
(培養容器と環境変化調節装置)
環境変化調節装置としては、セルボックス49穴 商標(明和株式会社)から上部は、縦37mmx横37mm、底部は縦28mmx横28mm、高さ35mmの1ポットを切り離し、内部に網として鉢底ネット細目 商標(遊恵盆栽)を孔の上にいれ使用した。環境変化調節装置には、中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、続けて小粒赤玉(直径1〜5mm)を上面より5mm下まで重ねていれた。培養容器として環境変化調節装置と同様に、セルボックスから1ポットを切り離し、内部に鉢底ネットを孔の上に重ねた。培養容器は、環境調節装置の上面に重ね、中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、続けて小粒赤玉を上面より5mm下までいれた。
環境変化調節装置としては、セルボックス49穴 商標(明和株式会社)から上部は、縦37mmx横37mm、底部は縦28mmx横28mm、高さ35mmの1ポットを切り離し、内部に網として鉢底ネット細目 商標(遊恵盆栽)を孔の上にいれ使用した。環境変化調節装置には、中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、続けて小粒赤玉(直径1〜5mm)を上面より5mm下まで重ねていれた。培養容器として環境変化調節装置と同様に、セルボックスから1ポットを切り離し、内部に鉢底ネットを孔の上に重ねた。培養容器は、環境調節装置の上面に重ね、中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、続けて小粒赤玉を上面より5mm下までいれた。
(挿し穂の挿し木方法)
挿し穂の切り口には、発根剤α−ナフチルアセトアミド(ルートン 商標 住友化学園芸株式会社)をつけ、挿し穂の下部2/3程度を用土に埋めた。同様に6本の挿し穂を挿した。6本の挿し木終了後、上面から100倍に水で薄めた活力剤(ハイポネックス)を十分に与えた。
挿し穂の切り口には、発根剤α−ナフチルアセトアミド(ルートン 商標 住友化学園芸株式会社)をつけ、挿し穂の下部2/3程度を用土に埋めた。同様に6本の挿し穂を挿した。6本の挿し木終了後、上面から100倍に水で薄めた活力剤(ハイポネックス)を十分に与えた。
(培養工程)
実施例1の培養用具は、環境変化調節装置の底面の孔から排水が妨げられないように、カゴトレー小深商標 (兼弥産業株式会社)の中にいれ、雨風、外気のあたる、屋外に設置した。
潅水は、雨風の影響を鑑み、一部、あるいは、全部の培養容器の用土の表面が乾燥により色が変わり、わずかに湿る程度になった時に、培養容器上面から環境調節装置の孔より水が流れ出す程度に水道水をシャワーにより潅水した。通常の培養状態では、、一つの培養用具当たり、50mL程度潅水することで環境調節装置下部の孔より水が確実に流れ出る。平均的潅水間隔は、夏季は、1日1回から2回、秋から冬にかけては、2〜3日に1回程度であった。約2カ月に一度一つの培養用具当たり10mL程度の200倍に水で希釈したハイグレード活力液を培養容器上部より散布した。
実施例1の培養用具は、環境変化調節装置の底面の孔から排水が妨げられないように、カゴトレー小深商標 (兼弥産業株式会社)の中にいれ、雨風、外気のあたる、屋外に設置した。
潅水は、雨風の影響を鑑み、一部、あるいは、全部の培養容器の用土の表面が乾燥により色が変わり、わずかに湿る程度になった時に、培養容器上面から環境調節装置の孔より水が流れ出す程度に水道水をシャワーにより潅水した。通常の培養状態では、、一つの培養用具当たり、50mL程度潅水することで環境調節装置下部の孔より水が確実に流れ出る。平均的潅水間隔は、夏季は、1日1回から2回、秋から冬にかけては、2〜3日に1回程度であった。約2カ月に一度一つの培養用具当たり10mL程度の200倍に水で希釈したハイグレード活力液を培養容器上部より散布した。
(結果)
生存率は、8ヶ月後のそれぞれの挿し穂において、芽、葉、枝がすべて茶色で枯死したと思われるものを0、一部の緑の葉があるものの枝についているものの半分以上茶色になっているように見えるものを1、葉が緑で、芽、枝に(生理的落葉し、落下したものを除き)茶色へあきらかに変色した部分が確認できないものを2として数値化し、6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の挿し穂の生存率は1を示していた。さらに表1で示すように6本中1本の挿し穂で10mm以上の明確な発根が確認できた。
生存率は、8ヶ月後のそれぞれの挿し穂において、芽、葉、枝がすべて茶色で枯死したと思われるものを0、一部の緑の葉があるものの枝についているものの半分以上茶色になっているように見えるものを1、葉が緑で、芽、枝に(生理的落葉し、落下したものを除き)茶色へあきらかに変色した部分が確認できないものを2として数値化し、6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の挿し穂の生存率は1を示していた。さらに表1で示すように6本中1本の挿し穂で10mm以上の明確な発根が確認できた。
環境変化調節装置に、中粒赤玉(直径6〜12mm)を上面より5mm程度下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(結果)
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の平均値は1を示した。さらに、表1で示すように6本中2本の挿し穂で10mm以上の明確な発根が確認できた。
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の平均値は1を示した。さらに、表1で示すように6本中2本の挿し穂で10mm以上の明確な発根が確認できた。
(参考例1)
環境変化調節装置には、中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、微粒富士砂(直径1mm以下)を上面より5mm程度下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
環境変化調節装置には、中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、微粒富士砂(直径1mm以下)を上面より5mm程度下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(結果)
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の平均値は1.8を示していた。しかし表1に示すように6本の挿し穂に発根は確認できなかった。生存率は良好であったが、環境変化調節装置内の直径1mm以下の微粒富士砂は、空隙率が極端に低く、培養容器用土内が弱い乾燥状態にならず、挿し穂の発根を促進できなかったと考えられる。
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の平均値は1.8を示していた。しかし表1に示すように6本の挿し穂に発根は確認できなかった。生存率は良好であったが、環境変化調節装置内の直径1mm以下の微粒富士砂は、空隙率が極端に低く、培養容器用土内が弱い乾燥状態にならず、挿し穂の発根を促進できなかったと考えられる。
(比較例1)
(培養容器)
環境変化調節装置を使用しない以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(培養容器)
環境変化調節装置を使用しない以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(結果)
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の平均値は1を示した。しかし表1に示すように、6本の挿し穂に発根は確認できなかった。
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の平均値は1を示した。しかし表1に示すように、6本の挿し穂に発根は確認できなかった。
(比較例2)
(培養容器)
環境変化調節装置を使用せず、培養容器に中粒赤玉(直径6〜12mm)を上面より5mm下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(培養容器)
環境変化調節装置を使用せず、培養容器に中粒赤玉(直径6〜12mm)を上面より5mm下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(結果)
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後平均値は、0.8まで低下した。さらに、表1に示すように、6本の挿し穂に発根は確認できなかった。
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後平均値は、0.8まで低下した。さらに、表1に示すように、6本の挿し穂に発根は確認できなかった。
(比較例3)
(培養容器)
環境変化調節装置を使用せず。培養容器に中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、続けて微粒富士砂(直径1mm以下)を上面より5mm下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(培養容器)
環境変化調節装置を使用せず。培養容器に中粒赤玉(直径6〜12mm)を一列(底部から10mm程度)いれ、続けて微粒富士砂(直径1mm以下)を上面より5mm下までいれた以外は、実施例1と同様に実験を行った。
(結果)
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の生存率の平均値は0、すなわち全て枯死した。
生存率は実施例1と同様に数値化して6本の平均値を表1に示した。8ヶ月後の生存率の平均値は0、すなわち全て枯死した。
表1に示す通り、実施例1、2は、比較例1、2、3と比較し同等以上の生存率であることが示された。さらに、発根率を比較すると、実施例1および2においては、発根している苗が確認されたが比較例および参考例においては、10mm以上の明確な発根が認められる挿し穂は存在しなかった。
表1においては、6本の挿し穂における8ヶ月後の数値化した生存率の平均と10mm以上の発根が認められた挿し穂の数と発根率を示した。
1…培養容器
2…培養容器上面
3…培養容器底部
4…環境変化調節装置
5…環境変化調節装置上面
6…環境変化調節装置底部
7…培養容器底部孔
8…網
9…環境変化調節装置底部孔
10…網
2…培養容器上面
3…培養容器底部
4…環境変化調節装置
5…環境変化調節装置上面
6…環境変化調節装置底部
7…培養容器底部孔
8…網
9…環境変化調節装置底部孔
10…網
Claims (6)
- 植物を育成するための用具であって、培養する為に用土や多孔質物質が保持され、底部に孔を一つ以上有する培養容器の下部に、当該培養容器を保持しつつも、培養容器との接触部分で外気への開口があり、培養容器の培養環境の変化を調節する事を目的とした環境変化調節装置が配置された植物の培養用具。
- 環境変化調節装置が上面に開口と底部に孔を持つ請求項1に記載の植物の培養用具。
- 培養するための用土や多孔質物質が保持され、底部に孔を一つ以上有する培養容器の下部に、当該培養容器を保持しつつも、上面に開口を持つ、環境変化調節装置が配置された、請求項1記載の植物培養用具を用いる植物培養方法。
- 前記植物が挿し木である、請求項1または2に記載の培養用具。
- 前記植物が挿し木である、請求項3に記載の培養方法。
- 前記植物が五葉松である、請求項1または2に記載の培養用具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020075725A JP2021191233A (ja) | 2020-04-03 | 2020-04-03 | 植物の培養用具及びそれを用いる植物培養方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020075725A JP2021191233A (ja) | 2020-04-03 | 2020-04-03 | 植物の培養用具及びそれを用いる植物培養方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021191233A true JP2021191233A (ja) | 2021-12-16 |
Family
ID=78890450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020075725A Pending JP2021191233A (ja) | 2020-04-03 | 2020-04-03 | 植物の培養用具及びそれを用いる植物培養方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021191233A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08289668A (ja) * | 1995-04-25 | 1996-11-05 | Hirofumi Azuma | 野菜等の栽培方法及び栽培用装置 |
JP2018014935A (ja) * | 2016-07-28 | 2018-02-01 | 正和 川田 | 植木鉢装置 |
-
2020
- 2020-04-03 JP JP2020075725A patent/JP2021191233A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH08289668A (ja) * | 1995-04-25 | 1996-11-05 | Hirofumi Azuma | 野菜等の栽培方法及び栽培用装置 |
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Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
"とってぃ〜 吾妻五葉松をこよなく愛する吾妻五葉松マニアのブログです!", 挿し木那須五葉松, JPN6022002557, 2 April 2014 (2014-04-02), pages 1 - 3, ISSN: 0004696536 * |
"二重鉢にする", (旧)盆栽なんごく, JPN6022002558, 29 May 2018 (2018-05-29), pages 1 - 2, ISSN: 0004696535 * |
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