JP2021191054A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電効率と耐久性が高い発電装置を提供する。【解決手段】発電装置1は、剛性と弾性を有し、第1の方向に長い非磁性材料で構成され外力で一端を自由端として振動する非磁性フレーム2と、同方向に長い磁歪材料で構成され振動で湾曲する非磁性フレーム2の1面に固定され応力を受ける磁歪素子3と、同方向に長い非磁性材料で構成され磁歪素子3の固定面と逆側の面に固定される非磁性プレート4と、磁歪素子3の同方向の周囲に巻かれたコイル5と、一方の磁極が他方より磁歪素子3の自由端側の端点の近傍に配置された磁石6と、同方向に長い磁性材料で構成され、非磁性フレーム2の自由端と逆の端部と、磁石6の磁歪素子3から遠い磁極との間を磁束が通過するよう接続する磁性フレーム7と、を備え、非磁性フレーム2と非磁性プレート4とは固定手段で互いに固定され磁歪素子3を挟んで押止し、非磁性プレート4、磁歪素子3の厚みが特定の式を満たす。【選択図】図1
Description
本発明は発電装置に関し、より詳細には、逆磁歪効果を利用して、磁歪素子に印加された機械エネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電装置に関する。
近年、産業分野、防犯・防災分野、社会インフラ分野、医療・福祉分野等の多くの分野において、モノのインターネット(Internet of Things、以下IoTと呼ぶ)の利用シーンが多く想定されている。IoTにおいて、人と機械、又は機械と機械は、センサによって取得された温度、湿度、加速度、又は画像などの情報を、インターネットなどの通信網を介して送受信する。その際に重要となるコンポーネントは、センサ、電源、及び無線通信から構成される無線センサモジュールである。
現在、無線センサモジュールの電源には、例えば使い切りの1次電池、又は充電が可能な2次電池等の電池が多く使用されている。1次電池を用いる場合には、電池の交換が必要となる。また、2次電池を用いる場合には充電が必要となり、充電のための配線及び作業等が必要となる。
このように、無線センサモジュールの電源として電池を使用する場合は、モジュールの定期的な手動メンテナンスが必要となる。しかしながら、無線センサモジュールが壁の中等に埋め込まれる場合、又は機械の狭い隙間に設置される場合等、無線センサモジュールの設置場所によっては、電池の交換、充電等は困難若しくは不可能であり得る。
ここで、設置場所の環境で発生しているエネルギー、例えば、モーター、エンジン若しくは橋梁等から発生する振動エネルギー、プラントの排熱若しくは人体の体温等からの熱エネルギー、又は、太陽、照明等の環境光からの光エネルギー等から電力を発生させることができれば、無線センサモジュールはエネルギー的に自立し、手動のメンテナンスを行うことなく長期間使用可能となる。また、外部との配線を必要としないことから、既に設置された機械、鉄道、又は橋梁などのインフラ設備に後から追加することが容易に可能である。
このような環境で発生するエネルギーを利用する発電には、振動発電、熱発電、光発電等が挙げられる。これらの中でも振動発電は、振動、衝撃、移動等から電気エネルギーを取り出す極めて汎用性の高い発電方式である。
振動発電には、圧電方式、静電誘導方式、電磁誘導方式、磁歪方式等の方式がある。これらの内で圧電素子(ピエゾ素子)を使用した圧電方式は、素子の脆弱性により機械的な耐久性が低い。また、電磁誘導方式の発電部には可動部があるため、小型化が困難である。一方で、鉄系の磁歪材料を用いた磁歪方式は、材料の高い延性のため素子の加工性に優れ、無線センサモジュールへの適用に有用である。
この磁歪方式の振動発電では、磁界中に配置された磁歪素子に応力を加えると、逆磁歪効果により、磁歪素子内を通過する磁束が変化する。この磁歪素子の周囲にコイルを配置することで、電磁誘導によりこの磁束の変化を電気エネルギーに変換することができる。
特許文献1は、振動中の運動エネルギーの損失を抑えて振動を長続きさせることができる発電素子及びこの発電素子の構造を利用するアクチュエータを提供する。
特許文献1に係る逆磁歪式の発電素子は、磁歪材料からなる第1の磁歪棒、これに巻かれる第1のコイル、第1の磁歪棒に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有しており、当該第1の磁歪棒と平行に配置される第2の磁性棒から構成される第1の発電部と、コ字状に屈曲した磁性材料からなり当該屈曲箇所を挟んで一方の端部が固定端、他方の端部が自由端になるフレームと、磁石とを備えている。第1の発電部を自由端側のフレームに取り付け、磁石をフレームのうち互いに対峙する2つの内側面のいずれか一方にのみ取り付けることで、フレームの一部をバックヨークとして機能させると共に当該磁石を取り付けない側の内側面と当該磁石との間に空隙を形成する。
しかしながら、特許文献1に係る発電装置において、磁歪素子とフレームとの間の固定手段に、エポキシ樹脂等の接着手段を用いる場合、当該接着手段に局所的に応力がかかる。従って、長期間の使用において、接着手段の劣化、剥がれ等が発生し得る。
これを解決するために、磁歪素子をフレームにネジ止めすることが考えられる。しかしながら、ネジ止めのためには磁歪素子にネジ穴を切る必要があり、このネジ穴によって磁歪素子の磁気特性が変化し、磁歪素子の逆磁歪効果が低減されてしまう。これは発電装置全体の発電効率の低下を招くため、好ましくない。
本発明は、上記の問題点を解決し、従来技術に比較して発電効率と耐久性が高い発電装置を提供することを目的とする。
本発明に係る発電装置は、剛性と弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて、非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
第1の方向に長い非磁性材料で構成され、磁歪素子の非磁性フレームに固定された面と逆側の面に固定される非磁性プレートと、
磁歪素子の周囲の、第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の、自由端側の端点の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁歪素子に近くなるように配置された磁石と、
第1の方向に長い磁性材料で構成され、非磁性フレームの両端のうち自由端と逆側の端部と、磁石の磁歪素子から遠い側の磁極と間を磁束が通過するように接続する、磁性フレームと、
を備え、
非磁性フレームと非磁性プレートとは、固定手段により互いに固定され、磁歪素子を挟んで押止する、
発電装置であって、
非磁性プレートの厚みh1と、非磁性プレートのヤング率E1と、磁歪素子の厚みh2と、磁歪素子のヤング率E2と、非磁性フレームの厚みh3と、非磁性フレームのヤング率E3とは、次式の関係を満たす。
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて、非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
第1の方向に長い非磁性材料で構成され、磁歪素子の非磁性フレームに固定された面と逆側の面に固定される非磁性プレートと、
磁歪素子の周囲の、第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の、自由端側の端点の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁歪素子に近くなるように配置された磁石と、
第1の方向に長い磁性材料で構成され、非磁性フレームの両端のうち自由端と逆側の端部と、磁石の磁歪素子から遠い側の磁極と間を磁束が通過するように接続する、磁性フレームと、
を備え、
非磁性フレームと非磁性プレートとは、固定手段により互いに固定され、磁歪素子を挟んで押止する、
発電装置であって、
非磁性プレートの厚みh1と、非磁性プレートのヤング率E1と、磁歪素子の厚みh2と、磁歪素子のヤング率E2と、非磁性フレームの厚みh3と、非磁性フレームのヤング率E3とは、次式の関係を満たす。
本発明に係る発電装置は、従来技術に比較して発電効率と耐久性が高い。
本開示の第1の態様に係る発電装置は、剛性と弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて、非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
第1の方向に長い非磁性材料で構成され、磁歪素子の非磁性フレームに固定された面と逆側の面に固定される非磁性プレートと、
磁歪素子の周囲の、第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の、自由端側の端点の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁歪素子に近くなるように配置された磁石と、
第1の方向に長い磁性材料で構成され、非磁性フレームの両端のうち自由端と逆側の端部と、磁石の磁歪素子から遠い側の磁極と間を磁束が通過するように接続する、磁性フレームと、
を備え、
非磁性フレームと非磁性プレートとは、固定手段により互いに固定され、磁歪素子を挟んで押止する、
発電装置であって、
非磁性プレートの厚みh1と、非磁性プレートのヤング率E1と、磁歪素子の厚みh2と、磁歪素子のヤング率E2と、非磁性フレームの厚みh3と、非磁性フレームのヤング率E3とは、次式の関係を満たす。
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて、非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
第1の方向に長い非磁性材料で構成され、磁歪素子の非磁性フレームに固定された面と逆側の面に固定される非磁性プレートと、
磁歪素子の周囲の、第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の、自由端側の端点の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁歪素子に近くなるように配置された磁石と、
第1の方向に長い磁性材料で構成され、非磁性フレームの両端のうち自由端と逆側の端部と、磁石の磁歪素子から遠い側の磁極と間を磁束が通過するように接続する、磁性フレームと、
を備え、
非磁性フレームと非磁性プレートとは、固定手段により互いに固定され、磁歪素子を挟んで押止する、
発電装置であって、
非磁性プレートの厚みh1と、非磁性プレートのヤング率E1と、磁歪素子の厚みh2と、磁歪素子のヤング率E2と、非磁性フレームの厚みh3と、非磁性フレームのヤング率E3とは、次式の関係を満たす。
本開示の第2の態様に係る発電装置は、上記第1の態様において、固定手段は、非磁性材料で構成されたねじ又はボルトであってよい。
本開示の第3の態様に係る発電装置は、上記第1又は第2の態様において、非磁性プレートは、磁歪素子よりも第1の方向に長くてもよい。
[実施の形態1]
図1及び図2を用いて、実施の形態1に係る発電装置1について、その構成と動作を以下説明する。なお、図面において、同一又は類似の構成を有する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略することがある。また、図面及び実施の形態の詳細な説明において、構成要素の一部を説明の簡単のため断りなく省略することがある。
図1及び図2を用いて、実施の形態1に係る発電装置1について、その構成と動作を以下説明する。なお、図面において、同一又は類似の構成を有する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略することがある。また、図面及び実施の形態の詳細な説明において、構成要素の一部を説明の簡単のため断りなく省略することがある。
また、以下の説明において、上下又は左右等の方向を示す単語が用いられる場合、特に断りがない限り、「上」はZ軸の正方向を指し、「下」はZ軸の負方向を指し、「右」はX軸の正方向を指し、「左」はX軸の負方向を指す。また、「横」はX軸方向、「縦」はZ軸方向を指す。さらに、紙面手前から奥に向かう方向をY軸の正方向としている。ただし、これらは説明の簡単のために用いられている相対的な語であり、例えば説明の「上」が実際の上方である必要はない。
図1は、実施の形態1に係る発電装置1の構成例を示す斜視図である。また、図2は、図1の発電装置1の断面図である。図1及び図2において、発電装置1は、非磁性フレーム2と、磁歪素子3と、非磁性プレート4と、コイル5と、磁石6と、磁性フレーム7と、錘8と、振動体9と、固定ボルト10a,10bを備える。
図1及び図2において、非磁性フレーム2は、X軸方向に長い非磁性材料で構成された板状のフレームである。非磁性フレーム2は十分な剛性及び弾性を有し、外力を受けると右端を自由端21として上下方向に振動する。
磁歪素子3は、板状の磁性材料で構成され、圧縮/伸長方向の応力を受けると逆磁歪効果を発生し、内部を通過する磁束を減少/増加させる。
非磁性プレート4は、X軸方向に長い非磁性材料で構成された板状のプレートである。非磁性プレート4は、磁歪素子3の上面に固定される。
コイル5は、磁歪素子3のX軸方向の周囲に巻かれたコイルであり、内部を通過する磁束の変化により誘導電圧を発生する。このコイル5に生じる誘導電圧が、発電装置1の出力電圧となる。
磁性フレーム7は、X軸方向に長い磁性材料で構成され、一端が上方向にU字状に屈曲した板状のフレームである。説明のため、屈曲側の端部を接続端71、他端を固定端72と呼ぶ。接続端71は非磁性フレーム4の接続端22に固定されている。また、固定端72は外部の振動源9に接続され、振動源9の振動を外力として伝達することで、非磁性フレーム4を振動させる。
固定ボルト10a,10bは、非磁性材料で構成されたねじ部を有するボルトである。非磁性プレート4の右端は、固定ボルト10aにより非磁性フレーム2と結合されている。また、非磁性プレート4の左端と、磁性フレーム7の接続端71は、いずれも固定ボルト10bにより非磁性フレーム2の接続端22に固定されている。磁歪素子3は、ボルト10a,10bにより固定された非磁性フレーム2及び非磁性プレート4に挟まれて固定される。なお、本実施の形態では、磁歪素子3は非磁性フレーム2に接着されているが、これは主に組み立ての簡単のためであり、必ずしも接着されている必要はない。
磁石6は、磁性フレーム7のうち、磁歪素子3の右端に近い位置に固定される。磁石6は一方の磁極が他方の磁極よりも磁歪素子3の右端に近くなるように配置される。これにより、磁石6,磁歪素子3、及び磁性フレーム7は閉磁路を形成する。すなわち、磁石6の磁歪素子3の右端に近い上面のN極から出た磁束は、磁歪素子3及び磁性フレーム7を通じて磁石6の下面のS極に戻る。なお、磁石6の上面のN極と下面のS極とは上記に限らず互いに逆の磁極であってもよい。
錘8は非磁性材料で構成され、非磁性フレーム2の右端に固定されており、慣性により非磁性フレーム2の振動を長く持続させる。
本実施の形態においては、非磁性フレーム2は、厚さ(z軸方向の寸法)0.8mmのSUS304−CSPで構成され、磁歪素子3は、厚さ1.0mm、長さ(x軸方向の寸法)の単結晶FeGaで構成され、非磁性プレート4は厚さ0.2mm、長さ36mmのC1020で構成されている。また、本実施の形態では、ボルト10a,10bは直径2mmのねじ部を有するSUS303で構成される。
以上のように構成された発電装置1について、その詳細な動作を以下説明する。
振動源9が振動すると、磁性フレーム4が振動を外力として非磁性フレーム2に伝達し、非磁性フレーム2を振動させる。非磁性フレーム2が上下(Z方向)に振動すると、非磁性フレーム2の上面が湾曲するため、磁歪素子3が圧縮/伸長方向の応力を受ける。これにより、逆磁歪効果が発生し、磁歪素子3を通る磁束が減少/増加し、この磁束の変化により、コイル5に誘導電圧が生じる。
ここで、従来技術に係る発電装置に関して上述したように、磁歪素子3を非磁性フレーム2に接着する場合、接着剤の一部に応力が集中し、接着剥がれが生じて応力が正しく加えられず、発電効率が低下してしまうことが考えられる。しかしながら、実施の形態1に係る発電装置1は、非磁性フレーム2及び非磁性プレート4の間に磁歪素子3を挟むことで固定しているため、接着剥がれが防止される。
また、磁歪素子3をボルト等により非磁性フレーム2にねじ留めして固定する場合、磁歪素子3にねじ穴を切る必要がある。しかしながら、このようなねじ穴を設けた磁歪素子3は、物理的及び磁気的特性が不均一となる。その結果、磁歪素子3の一部に応力が集中し、応力に対する磁束変化が局所的に変化するため、発電効率が低下してしまう。しかしながら、実施の形態1に係る発電装置1は、非磁性フレーム2、非磁性プレート4、及び磁性フレーム7にねじ穴を設け、磁歪素子3を挟んで固定しているため、磁歪素子3にねじ穴を設ける必要がない。従って、発電装置1において、上述の発電効率の低下が防止される。
ただし、式(1)において、E1は非磁性プレート4のヤング率、h1は非磁性プレート4の厚さ(Z軸方向の寸法)、E2は磁歪素子3のヤング率、h2は磁歪素子3のヤング率、E3は非磁性フレーム2のヤング率、h3は非磁性フレーム2の厚さである。
この式(1)が満たされている場合の効果について、以下説明する。発電装置1が振動した時に応力がゼロになる位置を中立軸23とする。数式(1)を満たさない場合、中立軸23は磁歪素子3の内部にある。このとき、例えば、錘8が振動源9側に近づく時に、磁歪素子3の中立軸23より上側には引張り方向の応力、中立軸23の下側には圧縮方向の応力が発生することとなり、磁歪素子3の内部を通過する磁束は打ち消し合う。
それに対して、数式(1)を満たす、非磁性フレーム2、磁歪素子3、及び非磁性プレート4の厚み及びヤング率を選択する場合を考える。この場合、錘8が振動源9側に近づく時には、磁歪素子3には引張り方向の応力のみ発生し、錘8が振動源9から遠ざかる時には、磁歪素子3には圧縮方向の応力のみが発生する。すなわち、磁歪素子3は内部を通過する磁束を強める方向にのみ磁束が変化する。従って、コイル5は、この磁束の変化により正もしくは負の誘導電圧だけを発生するため、発電量が低減されない。
非磁性フレーム2が磁歪素子3に圧縮/伸長方向の応力のいずれも加えていない場合の非磁性フレーム2の位置を中立軸23とすると、このように非磁性フレーム2、磁歪素子3、及び非磁性プレート4の厚み及びヤング率を選択することにより、振動に際して非磁性フレーム2は、中立軸23よりも下側でのみ振動する。従って、磁歪素子3には伸長方向の応力のみがかかり、磁歪素子3は内部を通過する磁束を強める方向にのみ磁束を変化させる。コイル5は、この磁束の変化により正の誘導電圧だけを発生する。従って、上述のような交流−直流変換における電力損失が低減され、高効率の発電が可能となる。
以上のように、実施の形態1に係る発電装置1は、振動体からの外力により振動する非磁性フレームが、非磁性フレームに固定された磁歪素子に応力を加えることで、磁歪素子を通過する磁束を変化させてコイルに誘導電圧を発生させる。この時、磁歪素子は、非磁性フレームに接着されるかわりに、非磁性フレームと、非磁性フレームに固定ボルトでねじ留めされた非磁性プレートとで挟まれて固定される。これにより、応力集中による接着剥がれを防止し、発電装置の耐久性を高めることができる。
また、非磁性フレーム、磁歪素子、及び非磁性プレートの厚さ及び応力特性(ヤング率)を適切に選択することで、非磁性フレームの振動方向を中立軸よりも一方に偏らせることができ、これにより磁歪素子には、圧縮もしくは引張りの一方の応力のみを発生させることができる。従って、磁束変化を最大限に発揮し、発電装置の発電量低減を抑制できる。
[変形例]
実施の形態1では、固定ボルト10bを用いて、磁性フレーム7の接続端71、非磁性フレーム2の接続端22、及び非磁性プレート4の左端42を互いに固定した。しかしながら、発電装置1は必ずしもこのような構成を必要とするわけではない。
実施の形態1では、固定ボルト10bを用いて、磁性フレーム7の接続端71、非磁性フレーム2の接続端22、及び非磁性プレート4の左端42を互いに固定した。しかしながら、発電装置1は必ずしもこのような構成を必要とするわけではない。
例えば、図3は、変形例に係る発電装置1aの構成例を示す図である。図3において、発電装置1aは、固定ボルト10bに代えて、非磁性フレーム2の接続端と非磁性プレート4の左端42を互いに固定する固定ボルト10cと、非磁性フレーム2の接続端22と磁性フレーム7の接続端71を互いに固定する固定ボルト10dとを備える。
本発明に係る発電装置は、発電効率を向上させることが可能である。産業分野、防犯・防災分野、社会インフラ分野、医療・福祉分野等の様々な分野における多くの利用シーンが想定されているIoTにおいて、その重要なコンポーネントである無線センサモジュールへの本発明の発電装置の適用が特に有用である。
1,1a 発電装置
2 非磁性フレーム
21 自由端
22 接続端
23 中立軸
3 磁歪素子
4 非磁性プレート
5 コイル
6 磁石
7 磁性フレーム
71 接続端
72 固定端
8 錘
9 振動源
10a〜10d 固定ボルト
2 非磁性フレーム
21 自由端
22 接続端
23 中立軸
3 磁歪素子
4 非磁性プレート
5 コイル
6 磁石
7 磁性フレーム
71 接続端
72 固定端
8 錘
9 振動源
10a〜10d 固定ボルト
Claims (3)
- 剛性と弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
前記第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する前記非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて、前記非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
前記第1の方向に長い非磁性材料で構成され、前記磁歪素子の前記非磁性フレームに固定された面と逆側の面に固定される非磁性プレートと、
前記磁歪素子の周囲の、前記第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
前記磁歪素子の、前記自由端側の端点の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも前記磁歪素子に近くなるように配置された磁石と、
前記第1の方向に長い磁性材料で構成され、前記非磁性フレームの両端のうち自由端と逆側の端部と、前記磁石の前記磁歪素子から遠い側の磁極との間を磁束が通過するように接続する、磁性フレームと、
を備え、
前記非磁性フレームと前記非磁性プレートとは、固定手段により互いに固定され、前記磁歪素子を挟んで押止する、
発電装置であって、
前記非磁性プレートの厚みh1と、前記非磁性プレートのヤング率E1と、前記磁歪素子の厚みh2と、前記磁歪素子のヤング率E2と、前記非磁性フレームの厚みh3と、前記非磁性フレームのヤング率E3とは、次式の関係を満たす、
- 前記固定手段は、非磁性材料で構成されたねじ又はボルトである、請求項1に記載の発電装置。
- 前記非磁性プレートは、前記磁歪素子よりも前記第1の方向に長い、請求項1又は2のいずれか1つに記載の発電装置。
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