JP2021129479A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術に比較して高効率の発電を行うことができる発電装置を提供する。【解決手段】本発明に係る発電装置は、剛性及び弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端(9a)を自由端として振動する非磁性フレーム(9)と、第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子(3)と、磁歪素子の第1の方向の周囲に巻かれたコイル(6)と、磁歪素子の両端のうち自由端に近い側の端(3a)に固定された磁性体(10)と、磁性体の近傍に、一方の磁極(5a)が他方の磁極(5b)よりも磁性体に近くなるように配置され、磁性体に磁界を印加する磁石(5)と、磁歪素子の自由端から遠い側の端(3b)から磁石の他方の磁極(5b)にわたって、内部を磁束が通過するように接続する磁性フレーム(2)と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は発電装置に関し、特に、磁歪材料を用いて振動から電力を発生する発電装置に関する。
近年、産業分野、防犯・防災分野、社会インフラ分野、医療・福祉分野等の多くの分野において、モノのインターネット(Internet of Things、以下IoTと呼ぶ)の利用シーンが多く想定されている。IoTにおいて、人と機械、又は機械と機械は、センサによって取得された温度、湿度、加速度、又は画像などの情報を、インターネットなどの通信網を介して送受信する。その際に重要となるコンポーネントは、センサ、電源、及び無線通信から構成される無線センサモジュールである。
現在、無線センサモジュールの電源には、例えば使い切りの1次電池、又は充電が可能な2次電池等の電池が多く使用されている。1次電池を用いる場合には、電池の交換が必要となる。また、2次電池を用いる場合には充電が必要となり、充電のための配線及び作業等が必要となる。
このように、無線センサモジュールの電源として電池を使用する場合は、モジュールの定期的な手動メンテナンスが必要となる。しかしながら、無線センサモジュールが壁の中等に埋め込まれる場合、又は機械の狭い隙間に設置される場合等、無線センサモジュールの設置場所によっては、電池の交換、充電等は困難若しくは不可能であり得る。
ここで、設置場所の環境で発生しているエネルギー、例えば、モーター、エンジン若しくは橋梁等から発生する振動エネルギー、プラントの排熱若しくは人体の体温等からの熱エネルギー、又は、太陽、照明等の環境光からの光エネルギー等から電力を発生させることができれば、無線センサモジュールはエネルギー的に自立し、手動のメンテナンスを行うことなく長期間使用可能となる。また、外部との配線を必要としないことから、既に設置された機械、鉄道、又は橋梁などのインフラ設備に後から追加することが容易に可能である。
このような環境で発生するエネルギーを利用する発電には、振動発電、熱発電、光発電等が挙げられる。これらの中でも振動発電は、振動、衝撃、移動等から電気エネルギーを取り出す極めて汎用性の高い発電方式である。
振動発電には、圧電方式、静電誘導方式、電磁誘導方式、磁歪方式等の方式がある。これらの内で圧電素子(ピエゾ素子)を使用した圧電方式は、素子の脆弱性により機械的な耐久性が低い。また、電磁誘導方式の発電部には可動部があるため、小型化が困難である。一方で、鉄系の磁歪材料を用いた磁歪方式は、材料の高い延性のため素子の加工性に優れ、無線センサモジュールへの適用に有用である。
この磁歪方式の振動発電では、磁界中に配置された磁歪素子に応力を加えると、逆磁歪効果により、磁歪素子内を通過する磁束が変化する。この磁歪素子の周囲にコイルを配置することで、電磁誘導によりこの磁束の変化を電気エネルギーに変換することができる。
特許文献1は、振動中の運動エネルギーの損失を抑えて振動を長続きさせることができる発電素子及びこの発電素子の構造を利用するアクチュエータを提供する。
特許文献1に係る逆磁歪式の発電素子は、磁歪材料からなる第1の磁歪棒、これに巻かれる第1のコイル、第1の磁歪棒に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有しており、当該第1の磁歪棒と平行に配置される第1の磁性棒から構成される第1の発電部と、コ字状に屈曲した磁性材料からなり当該屈曲箇所を挟んで一方の端部が固定端、他方の端部が自由端になるフレームと、磁石とを備えている。第1の発電部を自由端側のフレームに取り付け、磁石をフレームのうち互いに対峙する2つの内側面のいずれか一方にのみ取り付けることで、フレームの一部をバックヨークとして機能させると共に当該磁石を取り付けない側の内側面と当該磁石との間に空隙を形成する。
図1は、磁歪素子に応力を加えた時の、磁歪素子に印加される磁界Hと、磁歪素子による磁束密度差ΔBとの関係を示すグラフである。図1には、5MPa、10MPa、20MPa、25MPa、30MPaのそれぞれの応力を加えた際の磁束密度差ΔBが示される。磁歪式の振動発電装置の発電量は磁束密度差ΔBに依存し、磁束密度差ΔBが大きい程、発電量が大きくなる。また図1に示すように、磁歪素子に印加する磁界Hには、磁束密度差ΔBを大きくするための最適磁界の値が存在する。従って、振動から効率よく発電を行うには、磁歪素子に最適磁界に近い値の磁界Hを印加した上で、磁歪素子に応力を加えるのが好ましい。
しかしながら、特許文献1に係る発電装置において、磁歪素子のうち磁石に近い点に印加される磁界は、磁石から遠い点に印加される磁界よりも大きい。従って、たとえ磁歪素子の1点において最適磁界が達成されていたとしても、他の点では磁界の値が異なり、理想的な発電に比して発電効率が低下する。
また、特許文献1に係る発電装置のフレームは磁性材料で構成されるため、フレームの自由端が振動する際、フレームが磁石に引き付けられる。これによりフレームが磁石から離れる方向に湾曲しづらくなり、磁歪素子に印可される圧縮力が低下する。また、この引力によりフレームの振動の持続性も低下する。これらは発電の効率の低下の原因となる。
本発明は、これらの問題点を解決し、従来技術に比較して高効率の発電を行うことができる発電装置を提供する。
本発明に係る発電装置は、
剛性及び弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
磁歪素子の第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の両端のうち自由端に近い側の端に固定された磁性体と、
磁性体の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁性体に近くなるように配置され、磁性体に磁界を印加する磁石と、
磁歪素子の自由端から遠い側の端から磁石の他方の磁極にわたって、内部を磁束が通過するように接続する磁性フレームと、
を備える。
剛性及び弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
磁歪素子の第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の両端のうち自由端に近い側の端に固定された磁性体と、
磁性体の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁性体に近くなるように配置され、磁性体に磁界を印加する磁石と、
磁歪素子の自由端から遠い側の端から磁石の他方の磁極にわたって、内部を磁束が通過するように接続する磁性フレームと、
を備える。
本発明に係る発電装置によれば、従来技術に比較して高効率の発電を行うことができる。
本開示の第1の態様に係る発電装置は、
剛性及び弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
磁歪素子の第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の両端のうち自由端に近い側の端に固定された磁性体と、
磁性体の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁性体に近くなるように配置され、磁性体に磁界を印加する磁石と、
磁歪素子の自由端から遠い側の端から磁石の他方の磁極にわたって、内部を磁束が通過するように接続する磁性フレームと、
を備える。
剛性及び弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
磁歪素子の第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
磁歪素子の両端のうち自由端に近い側の端に固定された磁性体と、
磁性体の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも磁性体に近くなるように配置され、磁性体に磁界を印加する磁石と、
磁歪素子の自由端から遠い側の端から磁石の他方の磁極にわたって、内部を磁束が通過するように接続する磁性フレームと、
を備える。
本開示の第2の態様に係る発電装置は、上記第1の態様において、磁性体が磁歪素子と同一の材料で構成され、かつ磁歪素子と一体化してもよい。
本開示の第3の態様に係る発電装置は、上記第1の態様において、磁性体が、複数の磁性体から構成されてもよい。
本開示の第4の態様に係る発電装置は、上記第1から第3の態様のうちいずれかにおいて、コイルが、複数のコイルから構成されてもよい。
本開示の第5の態様に係る発電装置は、上記第1から第4の態様のうちいずれかにおいて、非磁性フレームの自由端の近傍に錘をさらに備えてもよい。
本開示の第6の態様に係る発電装置は、上記第1から第5の態様のうちいずれかにおいて、磁性フレームが外部の振動源に接続され、非磁性フレームに外力を伝達してもよい。
以下、実施の形態に係る発電装置について、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1に係る発電装置100の構成例を示す斜視図である。図2において、発電装置100は、非磁性フレーム9と、錘8と、磁歪素子3と、コイル6と、磁性体10と、磁性フレーム2と、磁石5と、を備えて構成される。
図2は、実施の形態1に係る発電装置100の構成例を示す斜視図である。図2において、発電装置100は、非磁性フレーム9と、錘8と、磁歪素子3と、コイル6と、磁性体10と、磁性フレーム2と、磁石5と、を備えて構成される。
図2において、非磁性フレーム9は、非磁性材料で構成され、図のx軸方向に長くz軸方向に薄い板状の形状を有する。非磁性フレーム9は、剛性及び弾性を有する材料で構成され、外力により一方の端部9aを自由端としてz軸方向に振動する。錘8は非磁性フレーム9の自由端9aに固定され、非磁性フレーム9の振動を長く持続させる。磁歪素子3は、x軸方向に長くz軸方向に薄い磁歪材料で構成され、非磁性フレーム9の上面(z軸正方向の面)に固定されている。
コイル6は磁歪素子3の周囲に巻かれ、磁歪素子3を通過する磁束の変化により誘導起電力を生じる。磁性体10は例えばブロック状の磁性材料で構成され、磁歪素子3の自由端9a側の端部3aに固定されている。磁性フレーム2は、U字型の磁性材料で構成され、磁歪素子3の第2の端3bと磁石5のS極5bとの間を、磁束12が通過するように接続する。磁性フレーム2は振動源7にも接続されており、振動源7からの外力は磁性フレーム2を介して非磁性フレーム9に伝えられる。磁石5は、N極5aがS極5bよりも磁性体10に近くなるように、磁性体10の近傍に固定される。これにより磁石5は、磁性体10及び磁歪素子3に磁界を印加する。
振動源7は発電装置100の外部に接続されており、外部の物理的な動きを外力として発電装置100の磁性フレーム2に伝える。この外力により非磁性フレーム9が振動すると、非磁性フレーム9の上面が湾曲するため、磁歪素子3は非磁性フレーム9からの圧縮力又は引張り力を受ける。磁歪素子3が圧縮力又は引張り力を受けると、逆磁歪効果により磁歪素子3を通過する磁束12が変化し、この磁束12の変化によりコイル6に電流が発生する。
図3は、図2の発電装置100のうちの一部の構成要素を省いた斜視図である。また、図4は、図2の発電装置100における磁束12の経路を示す断面図である。図3において、コイル6、振動源7、及び錘8が省略されている。また、図4ではコイル6が省略されている。これらは図の簡単のための省略であり、発明の限定を意図するものではない。
以上の図2〜図4を参照しながら、発電装置100の詳細な構成を構成要素ごとに説明する。以下の説明において「x軸」、「y軸」、「z軸」の語は、それぞれ図2に示すx、y、zの方向の軸を指す。また、x軸の正方向を「右」、負方向を「左」、z軸の正方向を「上」、負方向を「下」と表現することがある。
<非磁性フレーム9>
非磁性フレーム9は、x軸方向に長い板状の非磁性材料又は透磁率の低い材料で構成される。非磁性フレーム9は十分な弾性を有し、外力を加えられることでz軸方向に湾曲及び振動する。また、非磁性フレーム9は十分な剛性を有し、外力による湾曲の際に、非磁性フレーム9の湾曲面に固定された磁歪素子3に応力を加える。本実施の形態では、磁歪素子3は非磁性フレーム9の上面に固定されているため、非磁性フレーム9が上方向に湾曲すると、磁歪素子3に圧縮力がかかり、非磁性フレーム9が下方向に湾曲すると、磁歪素子3に引っ張り力がかかる。非磁性フレーム9の非磁性材料の種類は特に限定されるものではないが、バネ性を有する材料を用いることで、低周波の振動が持続しやすくなる。また、成形等の加工により磁性を帯びないものが望ましい。本実施の形態においては、非磁性フレーム9は、z軸方向の寸法が0.8mm、y軸方向の寸法が16mmのSUS316(ステンレス鋼の一種)のフレームである。
非磁性フレーム9は、x軸方向に長い板状の非磁性材料又は透磁率の低い材料で構成される。非磁性フレーム9は十分な弾性を有し、外力を加えられることでz軸方向に湾曲及び振動する。また、非磁性フレーム9は十分な剛性を有し、外力による湾曲の際に、非磁性フレーム9の湾曲面に固定された磁歪素子3に応力を加える。本実施の形態では、磁歪素子3は非磁性フレーム9の上面に固定されているため、非磁性フレーム9が上方向に湾曲すると、磁歪素子3に圧縮力がかかり、非磁性フレーム9が下方向に湾曲すると、磁歪素子3に引っ張り力がかかる。非磁性フレーム9の非磁性材料の種類は特に限定されるものではないが、バネ性を有する材料を用いることで、低周波の振動が持続しやすくなる。また、成形等の加工により磁性を帯びないものが望ましい。本実施の形態においては、非磁性フレーム9は、z軸方向の寸法が0.8mm、y軸方向の寸法が16mmのSUS316(ステンレス鋼の一種)のフレームである。
<磁歪素子3>
磁歪素子3は、x軸方向に長い板状の磁歪材料で構成される。磁歪材料の種類は特に限定されるものではないが、応力に対する磁束変化の比率が高い単結晶の材料が望ましい。また、磁歪素子3は非磁性フレーム9の湾曲により伸長/収縮するため、延性の高い材料を用いるのが望ましい。磁歪素子3を構成する磁歪材料の例としては、TbFe2(テルビウム−鉄合金)、DyFe2(ディスプロシウム−鉄合金)、HoFe2(ホルミウム−鉄合金)、Galfenol(登録商標)(ガリウム−鉄合金)、Terfenol−D(登録商標)(テルビウム−ディスプロシウム−鉄合金)、FeSiB(鉄−シリコン−ホウ素アモルファス合金)等が挙げられる。本実施の形態においては、磁歪素子3は、z軸方向の寸法(以下「厚さ」)が1mm、y軸方向の寸法(以下「幅」)が16mmのガリウム−鉄合金の板状の素子である。
磁歪素子3は、x軸方向に長い板状の磁歪材料で構成される。磁歪材料の種類は特に限定されるものではないが、応力に対する磁束変化の比率が高い単結晶の材料が望ましい。また、磁歪素子3は非磁性フレーム9の湾曲により伸長/収縮するため、延性の高い材料を用いるのが望ましい。磁歪素子3を構成する磁歪材料の例としては、TbFe2(テルビウム−鉄合金)、DyFe2(ディスプロシウム−鉄合金)、HoFe2(ホルミウム−鉄合金)、Galfenol(登録商標)(ガリウム−鉄合金)、Terfenol−D(登録商標)(テルビウム−ディスプロシウム−鉄合金)、FeSiB(鉄−シリコン−ホウ素アモルファス合金)等が挙げられる。本実施の形態においては、磁歪素子3は、z軸方向の寸法(以下「厚さ」)が1mm、y軸方向の寸法(以下「幅」)が16mmのガリウム−鉄合金の板状の素子である。
<コイル6>
コイル6は、磁歪素子3の周囲に、例えばx軸の周囲に、空間を設けて巻かれるか、又は接着層を設けて巻かれており、磁歪素子3を通過する磁束12の時間変化により誘導起電力を生じる。コイル6の材料は特に限定されるものではないが、例えば銅線、アルミ線等を用いればよい。また、コイル6の巻き数、線の太さ等の特性は、所望の起電力の大きさに応じて、望むように変更が可能である。さらに、コイル6は複数に分割されていてもよい。
コイル6は、磁歪素子3の周囲に、例えばx軸の周囲に、空間を設けて巻かれるか、又は接着層を設けて巻かれており、磁歪素子3を通過する磁束12の時間変化により誘導起電力を生じる。コイル6の材料は特に限定されるものではないが、例えば銅線、アルミ線等を用いればよい。また、コイル6の巻き数、線の太さ等の特性は、所望の起電力の大きさに応じて、望むように変更が可能である。さらに、コイル6は複数に分割されていてもよい。
<磁性体10>
磁性体10は、磁性材料で構成される部材であり、磁歪素子3の自由端側の端部3aに固定されている。磁性材料の種類は特に限定されるものではないが、体積を小さくするために、密度の高い鉄系の材料を用いるのがよい。本実施の形態においては、磁性体10は、x軸、y軸、z軸方向にそれぞれ5mm、25mm、5mmの寸法を有する磁性材料で構成される。また、磁性体10は磁歪素子3の自由端側の端部3aの上面に1つのみを配置しているが、磁性体10は端部3aの側面に配置されてもよいし、複数の磁性体10が配置されてもよい。
磁性体10は、磁性材料で構成される部材であり、磁歪素子3の自由端側の端部3aに固定されている。磁性材料の種類は特に限定されるものではないが、体積を小さくするために、密度の高い鉄系の材料を用いるのがよい。本実施の形態においては、磁性体10は、x軸、y軸、z軸方向にそれぞれ5mm、25mm、5mmの寸法を有する磁性材料で構成される。また、磁性体10は磁歪素子3の自由端側の端部3aの上面に1つのみを配置しているが、磁性体10は端部3aの側面に配置されてもよいし、複数の磁性体10が配置されてもよい。
<磁石5>
磁石5は、磁歪素子3のx軸正方向の端3aの近傍に配置され、磁歪素子3に磁界を印加する。磁石5は、非磁性フレーム9が振動する際にコイル6等と接触しない位置に固定されるのが望ましい。また、磁石5は、一方の磁極(図ではN極)5aが他方の磁極(S極)5bよりも端部3aに近くなるように配置される。磁石5の材料は特に限定されるものではないが、ネオジウム磁石、フェライト磁石、コバルト磁石等の永久磁石、又は電磁石等であってよい。また、磁石5は、所望の磁界を印加するために複数配置されてもよい。
磁石5は、磁歪素子3のx軸正方向の端3aの近傍に配置され、磁歪素子3に磁界を印加する。磁石5は、非磁性フレーム9が振動する際にコイル6等と接触しない位置に固定されるのが望ましい。また、磁石5は、一方の磁極(図ではN極)5aが他方の磁極(S極)5bよりも端部3aに近くなるように配置される。磁石5の材料は特に限定されるものではないが、ネオジウム磁石、フェライト磁石、コバルト磁石等の永久磁石、又は電磁石等であってよい。また、磁石5は、所望の磁界を印加するために複数配置されてもよい。
<磁性フレーム2>
磁性フレーム2は、透磁率の高い材料で構成され、磁歪素子3の自由端9aから遠い側の端3bと、磁石の磁歪素子3から遠い側の磁極5bとの間を、磁束12が通過できるように接続する。本実施の形態では、磁性フレーム2は振動源7にも接続されており、振動源7からの外力を非磁性フレーム9に伝達する。ここで、図4に矢印で示すように、磁石の磁極5aから出た磁束12は、磁性体10、磁歪素子3、及び磁性フレーム2を通過して磁極5bに戻る。この閉磁路を除く構成要素は非磁性材料又は透磁率の低い材料で構成されているため、この閉磁路から漏れる磁束12が低減される。
磁性フレーム2は、透磁率の高い材料で構成され、磁歪素子3の自由端9aから遠い側の端3bと、磁石の磁歪素子3から遠い側の磁極5bとの間を、磁束12が通過できるように接続する。本実施の形態では、磁性フレーム2は振動源7にも接続されており、振動源7からの外力を非磁性フレーム9に伝達する。ここで、図4に矢印で示すように、磁石の磁極5aから出た磁束12は、磁性体10、磁歪素子3、及び磁性フレーム2を通過して磁極5bに戻る。この閉磁路を除く構成要素は非磁性材料又は透磁率の低い材料で構成されているため、この閉磁路から漏れる磁束12が低減される。
<錘8>
錘8は、非磁性材料又は透磁率の低い材料で構成され、非磁性フレーム9の自由端9aに配置されることで、振動を長く持続させるのに十分な質量を有する。磁歪素子3になるべく大きい応力をかけるためには、錘8は、非磁性フレーム9のうちのなるべく磁歪素子3から遠い位置に、即ち自由端9aの近傍に配置されるのが好ましい。錘8は複数の錘で構成されていてもよい。
錘8は、非磁性材料又は透磁率の低い材料で構成され、非磁性フレーム9の自由端9aに配置されることで、振動を長く持続させるのに十分な質量を有する。磁歪素子3になるべく大きい応力をかけるためには、錘8は、非磁性フレーム9のうちのなるべく磁歪素子3から遠い位置に、即ち自由端9aの近傍に配置されるのが好ましい。錘8は複数の錘で構成されていてもよい。
このような構成において、振動源7は磁性フレーム2を介して、外部の動きを非磁性フレーム9に伝える。非磁性フレーム9はこの外力により振動及び湾曲し、非磁性フレーム9の上面に固定された磁歪素子3に応力を加える。磁歪素子3は応力を加えられることで逆磁歪効果を発揮し、磁歪素子3を通る磁束12を変化させる。コイル6はこの磁束12の変化により誘導起電力を生じて発電する。
以上のように構成された発電装置100について、その詳細な動作を説明する。
図1に関して上述した通り、磁歪素子が応力に対して生じる起電力は磁歪素子にかかる磁界の大きさによって異なる。この磁界の大きさには最適磁界の値があり、磁歪素子に印加される磁界が最適磁界より大きすぎても小さすぎても、発電装置の発電効率が低下する。
図5は、従来技術、実施の形態1、実施の形態2に係る発電装置に関して、磁歪素子上の位置と、その位置における磁界H及び磁歪素子の最適磁界の比率との関係の例を示すグラフである。実線は従来技術に係る発電装置を示し、破線は実施の形態1に係る発電装置100を示し、点線は実施の形態2に係る発電装置200を示す。実施の形態2に関しては後述する。
図5において、グラフの横軸は磁歪素子3上の位置を示し、左端は磁歪素子3の磁性フレーム側の端部3b、右端は磁歪素子3の自由端側の端部3aに対応する。縦軸は、磁歪素子3のその位置における磁界Hの、最適磁界に対する比率を示す。この比率の値が1.0に近いほど、磁歪素子のその部分における発電効率が高くなる。
図5に示す通り、従来技術に係る発電装置では、磁歪素子の自由端側の端では、磁石に近いため磁界の値が大きく、磁歪素子に最適磁界の2倍以上の磁界が印加されている。一方で、実施の形態1においては、磁石5からの磁束12の一部が直接に磁歪素子3に入るかわりに磁性体10に入るため、磁歪素子3の自由端9a側の端部3aに入る磁束12が減り、端部3aにおける磁界の値が従来技術と比較して小さくなる。これにより、磁歪素子3の自由端側の端部3aにおける磁界が、最適磁界の1.4倍程度まで低減されて最適磁界に近づき、発電効率が向上している。
また、従来技術に係る発電装置では磁性材料で構成されていた振動部は、本実施の形態では非磁性材料で構成される非磁性フレーム9である。従って、非磁性フレーム9が振動する際に磁石5の磁力により非磁性フレーム9が引きつけられることはなく、発電効率の低下を軽減することができる。
以上のように、実施の形態1に係る発電装置100は、磁歪素子3の自由端9a側の端部3aに磁性体10を備えることにより、印加される磁界の大きさを磁歪素子3の最適磁界に近づける。また、自由端9aを有して振動するフレーム9を非磁性材料で構成することにより、フレームが磁石に引きつけられて磁歪素子に印加される圧縮力を低下させることを防ぐ。従って、実施の形態1に係る発電装置100は、従来技術に比較して高効率の発電を行うことができる。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2に係る発電装置200の構成例を示す斜視図である。図7は、図6の発電装置200における磁束12の経路を示す断面図である。図6において、発電装置200は、図2の発電装置100と比較して以下の点で異なる。
(1)磁歪素子3及び磁性体10に代えて、磁歪素子4を備える。
(2)磁歪素子4は、自由端9aに近い側の端部4aが、逆側の端部4bと比較してz軸方向に厚い。
図6は、実施の形態2に係る発電装置200の構成例を示す斜視図である。図7は、図6の発電装置200における磁束12の経路を示す断面図である。図6において、発電装置200は、図2の発電装置100と比較して以下の点で異なる。
(1)磁歪素子3及び磁性体10に代えて、磁歪素子4を備える。
(2)磁歪素子4は、自由端9aに近い側の端部4aが、逆側の端部4bと比較してz軸方向に厚い。
以上のように構成された発電装置200について、その詳細な動作を以下説明する。
磁歪素子4は、自由端9aに近い側の端部4aが、逆側の端部4bと比較してz軸方向に厚い、階段状の形状を有する。これは、磁歪素子3と磁性体10が同一の材料で構成されかつ一体化したものと見なすことができる。磁石5の磁極5aから出た磁束12は、磁歪素子4の端部4aに入る。このとき、端部4aは従来技術に係る磁歪素子の端部よりも厚いため、磁束12が入る面積が広くなり、磁束密度が低下し、従って磁界が小さくなる。これにより、図5に示すように、磁歪素子の自由端9a側の端部4aにおける磁界が従来技術に比較して最適磁界に近い値となり、発電効率が向上する。
本実施の形態においては、磁歪素子4は、2段の階段形状を有する幅16mmのガリウム−鉄合金の素子であり、自由端9aに近い側の端部4aの厚さは3mm、逆側の端部4bの厚さは1mmである。しかしながら、磁歪素子4の形状は、上述のように端部4aにおける面積が端部4bにおける面積よりも広くなるように構成されていればどのようなものでもよい。例えば、3段以上の階段状の形状、又は、磁歪素子の中央部から端部4aにわたってなだらかに厚さが増加する形状であってもよい。
[変形例]
実施の形態1,2に係る発電装置100,200では、U字型に湾曲した磁性フレーム2を用いて非磁性フレーム9及び磁石5を接続した。しかしながら、磁性フレーム2は、振動源7からの外力を非磁性フレーム9に伝達するとともに、磁歪素子3及び磁石5と閉磁路を形成することができればどのような形状であっても構わない。即ち、例えばV字型、コ字型、L字型等の形状が考えられる。
実施の形態1,2に係る発電装置100,200では、U字型に湾曲した磁性フレーム2を用いて非磁性フレーム9及び磁石5を接続した。しかしながら、磁性フレーム2は、振動源7からの外力を非磁性フレーム9に伝達するとともに、磁歪素子3及び磁石5と閉磁路を形成することができればどのような形状であっても構わない。即ち、例えばV字型、コ字型、L字型等の形状が考えられる。
また、実施の形態1,2では、磁性フレーム2を介して振動源7からの外力を非磁性フレーム9に伝達した。しかしながら、外力は必ずしも磁性フレーム2を介して伝達される必要があるわけではなく、例えば振動源7が非磁性フレーム9に直接接続されてもよい。その場合、磁性フレーム2は、振動源7からの外力を伝達する必要はない。従って、磁歪素子3,4及び磁石5と閉磁路を形成することができればどのような形状であっても構わない。例えばワイヤ状の磁性材料を束ねた磁性フレーム2等が考えられる。
本発明に係る発電装置は、発電効率を向上させることが可能である。産業分野、防犯・防災分野、社会インフラ分野、医療・福祉分野等の様々な分野における多くの利用シーンが想定されているIoTにおいて、その重要なコンポーネントである無線センサモジュールへの本発明の発電装置の適用が特に有用である。
100,200 発電装置
2 磁性フレーム
3,4 磁歪素子
3a,4a 磁歪素子の磁石側端部
3b,4b 磁歪素子の磁性フレーム側端部
5 磁石
5a,5b 磁極
6 コイル
7 振動源
8 錘
9 非磁性フレーム
10 磁性体
12 磁束
2 磁性フレーム
3,4 磁歪素子
3a,4a 磁歪素子の磁石側端部
3b,4b 磁歪素子の磁性フレーム側端部
5 磁石
5a,5b 磁極
6 コイル
7 振動源
8 錘
9 非磁性フレーム
10 磁性体
12 磁束
Claims (6)
- 剛性及び弾性を有し、第1の方向に長い形状の非磁性材料で構成され、外力によりその一端を自由端として振動する非磁性フレームと、
前記第1の方向に長い磁歪材料で構成され、振動により湾曲する前記非磁性フレームの面のうちの1面に固定されて非磁性フレームから応力を受ける磁歪素子と、
前記磁歪素子の前記第1の方向の周囲に巻かれたコイルと、
前記磁歪素子の両端のうち前記自由端に近い側の端に固定された磁性体と、
前記磁性体の近傍に、一方の磁極が他方の磁極よりも前記磁性体に近くなるように配置され、前記磁性体に磁界を印加する磁石と、
前記磁歪素子の前記自由端から遠い側の端から前記磁石の他方の磁極にわたって、内部を磁束が通過するように接続する磁性フレームと、
を備える、発電装置。 - 前記磁性体は前記磁歪素子と同一の材料で構成され、かつ前記磁歪素子と一体化している、請求項1に記載の発電装置。
- 前記磁性体は、複数の磁性体から構成される、請求項1に記載の発電装置。
- 前記コイルは、複数のコイルから構成される、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の発電装置。
- 前記非磁性フレームの前記自由端の近傍に錘をさらに備える、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の発電装置。
- 前記磁性フレームは外部の振動源に接続され、前記非磁性フレームに前記外力を伝達する、請求項1から5のうちいずれか1項に記載の発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020024507A JP2021129479A (ja) | 2020-02-17 | 2020-02-17 | 発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020024507A JP2021129479A (ja) | 2020-02-17 | 2020-02-17 | 発電装置 |
Publications (1)
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ID=77489187
Family Applications (1)
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JP2020024507A Pending JP2021129479A (ja) | 2020-02-17 | 2020-02-17 | 発電装置 |
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Country | Link |
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-
2020
- 2020-02-17 JP JP2020024507A patent/JP2021129479A/ja active Pending
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