JP2021190992A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ライブビュー中もライブビュー表示がブラックアウトやフリーズすること無く、常時フリッカーを検出すること。【解決手段】 撮像素子と、前記撮像素子の駆動制御手段と、複数の画像に基づく評価値を算出し、当該評価値に基づいてフリッカーを検出する検出手段と、を有し、前記駆動制御手段は、前記撮像素子から繰り返し画像を読み出して表示装置に表示する第1の周期の間に、前記表示装置に表示する第1の画像を読み出す第1の駆動と、前記第1の画像を読み出した残り時間に、前記第2の画像を、前記第1の画像の読み出しにかかる時間よりも短い第2の周期で読み出す第2の駆動とを行うように制御し、前記検出手段は、複数の前記第2の画像に基づいて前記評価値を算出する際に、前記第1の周期に応じて、前記評価値の算出に用いる前記第2の画像の組み合わせを異ならせてフリッカーを検出する。【選択図】 図2
Description
本発明は、撮像装置及びその制御方法に関し、特に撮影時に発生する外光変化(フリッカー)の検出に関するものである。
近年のデジタルカメラの高ISO化に伴い、フリッカーの発生する人工光源下でも高速シャッターが切れるようになってきている。室内スポーツの撮影等でブレのない写真を撮影できるメリットがある一方、フリッカー光源下での高速シャッター撮影では、フリッカーの影響により、フレーム毎、もしくは1フレーム内でも、画像の露出や色のムラが発生してしまうことがある。
このような問題に対して、フリッカーを検出し、明暗の変化が最も少ない、フリッカーのピーク位置での露光を行うことで、フリッカーの影響を軽減する方法がある。特にフリッカー、及びその周波数の検出に関しては、特許文献1に次の方法が開示されている。まず、一定の周期で測光を複数回行い、得られた複数回の測光値のうち、フリッカーの同相に近い第一の間隔で取得された測光値から第一の評価値を、また、フリッカーの逆相に近い第二の間隔で取得された測光値から第二の評価値を取得する。そして、得られた第一の評価値及び第二の評価値から、フリッカーの有無と周波数を判定する。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、高速なフレームレートでフリッカー検出用の画像を取得する必要があるため、フリッカー検出用の画像に対して、現実的には画素の間引きや加算といった処理を行う。このため、フリッカー検出用の画像を、ライブビュー表示など、ユーザーが視認する画像と兼用するには、画質の観点から問題がある。特にミラーレスカメラのように、画像センサを1つしか持たない構成のカメラにおいては、ライブビュー表示用の画像とフリッカー検知のための画像を、同じ画像センサで取得することになる。そのため、フリッカー検知を行う際は、ライブビュー表示を一時的にブラックアウトやフリーズさせることになってしまう。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、ライブビュー中もライブビュー表示がブラックアウトやフリーズすること無く、常時フリッカーを検出できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子の駆動制御手段と、複数の画像に基づく評価値を算出し、当該評価値に基づいてフリッカーを検出する検出手段と、を有し、前記駆動制御手段は、前記撮像素子から繰り返し画像を読み出して表示装置に表示する第1の周期の間に、前記表示装置に表示する第1の画像を読み出す第1の駆動と、前記第1の画像を読み出した残り時間に、前記第2の画像を、前記第1の画像の読み出しにかかる時間よりも短い第2の周期で読み出す第2の駆動とを行うように制御し、前記検出手段は、複数の前記第2の画像に基づいて前記評価値を算出する際に、前記第1の周期に応じて、前記評価値の算出に用いる前記第2の画像の組み合わせを異ならせてフリッカーを検出する。
本発明によれば、ライブビュー中もライブビュー表示がブラックアウトやフリーズすること無く、常時フリッカーを検出することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1の実施形態>
本実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラについて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ機能を備える各種の電子機器であってもよい。例えば、本発明に係る撮像装置は、携帯電話やスマートフォン等のカメラ機能付き携帯通信端末、カメラ機能付き携帯型コンピュータ、カメラ機能付き携帯ゲーム機等であってもよい。
本実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラについて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ機能を備える各種の電子機器であってもよい。例えば、本発明に係る撮像装置は、携帯電話やスマートフォン等のカメラ機能付き携帯通信端末、カメラ機能付き携帯型コンピュータ、カメラ機能付き携帯ゲーム機等であってもよい。
図1は、本実施形態にかかるデジタルカメラの概略構成を示す図である。図1に示すデジタルカメラは、主に、カメラ本体100と撮影レンズ200とにより構成され、両者はレンズマウント機構110を介して、機械的及び電気的に接続される。なお、ここでは撮影レンズ200は、カメラ本体100に対して脱着可能であるものとして説明するが、カメラ本体100と一体的に構成されていてもよい。
カメラ本体100内に搭載される撮像素子101は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含む、CCDやCMOS等の光電変換素子からなるイメージセンサである。シャッター104は、非撮影時には閉じて撮像素子101を遮光し、ライブビュー表示時や撮影時には開いて、撮影レンズ200を通過した入射光を撮像素子101へ導く。
システム制御部102は、カメラ本体100の各部を制御する演算処理装置である。メモリ103は、システム制御部102が実行するプログラムや変数等を格納するROMと、システム制御部102がプログラムを展開する作業領域や一時的な画像データ等の記憶領域を有するRAMを含む。
また、システム制御部102は、レンズマウント機構110を通じて、撮影レンズ200内のレンズ制御部201と接続される。システム制御部102は、撮像素子101で取得した画像を用いて露出制御(AE)及び焦点調節(AF)に関する処理を行い、処理結果に応じたフォーカスレンズ202の位置や絞り値をレンズ制御部201へ通信する。レンズ制御部201は、システム制御部102から通信されたフォーカスレンズ202の位置や絞り値に基づいて、レンズ駆動部203を通じてフォーカスレンズ202の位置を制御すると共に、絞り制御部205を通じて絞り204を制御する。
また、シャッター104もシャッター制御部105を通してシステム制御部102に接続されており、システム制御部102での処理結果に応じた露光時間、撮像素子101を露光するように制御される。
本実施形態では、撮像素子101で撮像した画像の表示先として、背面モニタ106とファインダー表示部107の2種類があり、これらを切り替えながら表示する。切り替えは接眼検知部109の検知結果に応じて行い、接眼状態にあると検出された場合は、ファインダー表示部107に画像を表示する。これにより、ユーザーは、ファインダーを覗き込んで接眼レンズ108を通してファインダー表示部107を観察することで、被写体を確認することができる。一方、接眼検知部109により接眼状態にないと判断された場合は、背面モニタ106に画像を表示する。
また、背面モニタ106は、タッチパネルとしての機能も有し、不図示のボタンやダイヤルと共に、ユーザーからの指示を受け付ける操作部を構成する。システム制御部102は、操作部からユーザーの指示を入力し、入力した指示に応じた制御を行う。
次に、撮像素子101により撮像した画像の表示に関して説明する。ここでは、撮像素子101で連続的に撮像を行い、撮像された画像を表示部にリアルタイムに表示することでユーザーが被写体を観察する、いわゆるライブビューモードでの動きについて説明する。
図2は、ライブビューモード時の撮像素子101の駆動について説明する図であり、横軸は時間、縦軸は撮像素子101の垂直方向の位置(行)を示す。また、実線の斜線は、ライブビュー表示用の画像(以下、「LV用画像」と呼ぶ。)の撮像素子101からの読み出しタイミングを示し、破線の斜線は、フリッカー検出用の画像(以下「フリッカー検出用画像」と呼ぶ。)の読み出しタイミングを示す。図2に示すように、まず初めにLV用画像を1枚読み出し、その後、フリッカー検出用画像を複数枚読み出す。この1枚のLV用画像と、複数枚のフリッカー検出用画像の取得を1セットとして、読み出し動作(以下、「セット動作」と呼ぶ。)を繰り返す。
なお、本実施形態では、フリッカー検出用画像を1.66ms間隔で撮影するものとする。一般的にフリッカー光源の周波数は、商用電源の周波数50Hz、60Hzの倍である100Hz、120Hzのいずれかである。したがって、100Hzと120Hzの最小公倍数である撮像周期600fpsで連続的に画像を取得し、当該画像の輝度を比較することで、商用電源の周波数50Hz、60Hzに起因して発生するフリッカーのいずれの光量変化も検出することができる。本実施形態のようにフリッカー検出用画像を600fps(1.66ms間隔)でフリッカーの光量変化の周期に合わせて連続的に被写体を撮影し、輝度の時系列変化を判断することで、後述するように100Hz、120Hz共にフリッカーの有無と光源のピークを検出することができる。
ライブビュー表示のフレームレートが1/T[fps]の場合、セット動作はT[ms]の周期で繰り返される。1枚のLV用画像の読み出しにかかる時間と、1枚のフリッカー検出用画像の読み出しにかかる時間がそれぞれ一定とすると、各セット動作でフリッカー検出用画像を何枚取得できるかは、セット動作の周期T[ms]に依存している。従って、セット動作の周期T[ms]が長いほど、LV用画像の読み出し後の残り時間で取得できるフリッカー検出用画像の枚数は増加する。
図3に示す表は、本実施形態におけるセット動作の周期と、ライブビュー表示のフレームレートと、各セット動作で取得可能なフリッカー検出用画像の枚数の関係の一例を示す。ライブビュー表示のフレームレートを高くすると、一般的に消費電力も上がってしまうので、消費電力と表示の滑らかさを勘案してフレームレートを設定する。本実施形態では一例として、ユーザーが操作部を介して図3の表に示す30/60/120fpsの3種類の中からフレームレートを設定して使用するものとする。
フレームレートが決まると、セット動作の周期が決まり、各セット動作で取得可能なフリッカー検出用画像の枚数も決まる。システム制御部102は、設定されたフレームレートに基づいて、1枚のLV用画像と図3に示す枚数のフリッカー検出用画像を読み出すように、撮像素子101の駆動制御を行う。
次に、図4のフローチャートを参照して、本実施形態におけるライブビューモード時の撮影処理について説明する。
本実施形態の撮影処理は、ライブビュー表示の開始操作を受け付けると開始される。まず初めにS101において、設定されたライブビュー表示のフレームレートを読み込む。フレームレートの設定は上述したように、ユーザーが消費電力と表示の滑らかさを勘案して、30/60/120fpsの3種類から、予め設定しているものとする。
フレームレートを読み込むと、S102において、読み込んだフレームレートで図2に示すセット動作を行い、LV用画像及びフリッカー検出用画像の蓄積及び読み出しを行う。そして、S103において、セット動作により取得したLV用画像を、接眼検知部109の検知結果に応じて背面モニタ106またはファインダー表示部107に表示する。
次に、S104では、設定されたフレームレートを判断し、30fpsであればS105に進んでライブビュー表示のフレームレートが30fpsの時のフリッカー検出処理を行って、S107に進む。また、60fpsであればS106に進んでライブビュー表示のフレームレートが60fpsの時のフリッカー検出処理を行って、S107に進む。一方、120fpsの時はフリッカー検出処理を行わずにフリッカー非検出としてそのままS107へ進む。なお、S104及びS105における処理は、それぞれ図5及び図6を参照して後述する。また、120fpsの時にフリッカー検出処理を行わない理由についても後述する。
S107では、ユーザーから撮影指示を受けたかどうかを判断する。撮影指示を受けていなければ、S102〜S107の処理を繰り返し、撮影指示を受けると、S108へ進む。
S108では、フリッカーが検出されたかどうかを判断する。S105もしくはS106の処理でフリッカーが検出されなかった場合、及びS104でライブビュー表示のフレームレートが120fpsと判断され、フリッカーの検出を行わずにフリッカー非検出とした場合、S109に進む。S109では、シャッター104の走行タイミングを制御しない通常の撮影を行う。一方、S105もしくはS106の処理でフリッカーが検出された場合は、S110に進んでフリッカーのピークに同期したタイミングでシャッター104を走行させて撮影を行う。S109またはS110で撮影後、処理を終了する。
次に、S104で行われる、ライブビュー表示のフレームレートが30fpsに設定されている場合のフリッカー検出処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、図3に示すように、ライブビュー表示のフレームレートが30fpsの場合、各セット動作で取得可能なフリッカー検出用画像の枚数は18枚であり、この18枚は1.66ms周期、600fpsで撮像される。ここで、100Hzのフリッカー(商用電源50Hzの場合に発生するフリッカー)の環境下における、蓄積制御と測光値の推移を図7(a)に示す。
フリッカーの判定は、基本的な考え方として、検出対象のフリッカーの2周期分の時間に得られたフリッカー検出用画像の測光値データを取得し、前半の1周期分と、後半の1周期分のデータとの相関を計算することで実施する。そのため、100Hzのフリッカー判定時は2周期分である20ms分のデータ、120Hzのフリッカー判定時は2周期分である16.6ms分のデータを使用して計算する。どちらの周波数のフリッカーも検出できるようにするため、より長い20ms分(検出対象のフリッカーの周期の2倍以上)のデータを使用する。フリッカー検出用画像は1.66ms周期で取得されることから、連続する12枚の画像を使用すれば20ms分となり、フリッカー判定可能となる。
すなわち、ライブビュー表示のフレームレートが30fpsの場合、LV用画像の読み出しにかかった時間の残りの時間が、100Hzのフリッカーの周期の2倍以上であって、各セット動作で18枚のフリッカー検出用画像が取得可能となる。この18枚のフリッカー検出用画像のうち、最初の12枚のみを使用するのであるが、これら12枚のフリッカー検出用画像の測光値を図7(a)に示している。
なお、図7(a)において、n回目の蓄積を「蓄積n」、蓄積nの読み出しを「読み出しn」、読み出しnの結果(n枚目のフリッカー検出用画像)から得られる測光値を「AE(n)」(nは自然数)と記述する。本実施形態では最初の12枚のフリッカー検出用画像に着目するので、測光値AE(1)〜AE(12)が得られることになる。また、各測光値の取得時間に関しては、蓄積は有限の時間で行われるため、蓄積期間中の中央値で代表させることとし、それぞれt(1)〜t(12)とする。
S201で処理を開始すると、S202において、S102で取得した18枚のフリッカー検出用画像のうち、12枚の画像に対して、測光値AE(1)〜AE(12)の演算を行い、S204で100Hzフリッカーの判定演算を行う。本実施形態では、フリッカー周波数判定に使用する評価値を、次式(1)により定義する。
式(1)において、SADとはSum of Absolute Differenceの略であり、パターンマッチングの分野等で使われる、類似度を表す指標である。mは、12枚の画像に対して測光値の演算を行ったうちのn回目の測光値AE(n)に対し、何回先の測光値との類似度を計算するか、を意味する数値である。従って、SAD(m)は、(1.66×m)ms経過後の測光値との類似度を算出する式である。式(1)から分かるように、類似度が高いほど、SAD(m)の値は小さくなる。
式(1)において、SADとはSum of Absolute Differenceの略であり、パターンマッチングの分野等で使われる、類似度を表す指標である。mは、12枚の画像に対して測光値の演算を行ったうちのn回目の測光値AE(n)に対し、何回先の測光値との類似度を計算するか、を意味する数値である。従って、SAD(m)は、(1.66×m)ms経過後の測光値との類似度を算出する式である。式(1)から分かるように、類似度が高いほど、SAD(m)の値は小さくなる。
例えば、100Hzフリッカー環境下では、フリッカー周期は約10msである。従って、フリッカー検出用画像の蓄積時間1.66msとの関係性は10÷1.66≒6であるから、図7(a)に示すように、蓄積のタイミングによらず、6回周期で類似した測光値が得られる。すなわち、AE(n)≒AE(n+6)の関係となる。この性質より、100Hzフリッカー環境下でSAD(6)を計算すると、SAD(6)≒0となる。よって、簡易的には適当な所定の閾値SAD_100を設定し、少なくとも
SAD(6)≦SAD_100
を満たせば、100Hzのフリッカーが存在する可能性があることを検出できる。ここで、フリッカーが存在しない環境下では明るさが一定のため、AE(1)≒AE(2)≒・・・≒AE(12)であり、やはりSAD(6)≒0となる。そこで、フリッカーの存在を検出するために、SAD(3)も計算する。SAD(3)は、1.66×3≒5ms経過後の測光値との類似度を計算した値となる。100Hzのフリッカー環境下では、5msずれたタイミングの測光値は、フリッカー周期の完全な逆相の関係となるため、SAD(3)はSAD(6)と比較して、非常に大きな値となる。
SAD(6)≦SAD_100
を満たせば、100Hzのフリッカーが存在する可能性があることを検出できる。ここで、フリッカーが存在しない環境下では明るさが一定のため、AE(1)≒AE(2)≒・・・≒AE(12)であり、やはりSAD(6)≒0となる。そこで、フリッカーの存在を検出するために、SAD(3)も計算する。SAD(3)は、1.66×3≒5ms経過後の測光値との類似度を計算した値となる。100Hzのフリッカー環境下では、5msずれたタイミングの測光値は、フリッカー周期の完全な逆相の関係となるため、SAD(3)はSAD(6)と比較して、非常に大きな値となる。
以上から、12枚のフリッカー検出用画像から得られる12の測光値から得られるSAD(3)を横軸、SAD(6)を縦軸として、フリッカーの有無の境界を示すグラフを図8(a)に示す。本実施形態では、SAD(3)とSAD(6)がグラフより下の領域内に入れば、100Hzフリッカーが存在すると判定する。
S204で100Hzのフリッカーの判定演算を終えると、次にS206において120Hzのフリッカーの判定演算を行う。
120Hzフリッカー環境下では、フリッカー周期は約8.333msであるため、図7(b)に示すように、AE(n)≒AE(n+5)となり、SAD(5)≒0となる。また、120Hzのフリッカーでは、完全に逆相の関係になるのは4.16ms経過後であり、4.16ms経過後の波形との類似度を計算するのが理想的である。しかし、4.16msはフリッカー検出用画像の蓄積時間1.66msの整数倍ではないため、これに比較的近い値として、5ms経過後の波形との類似度を示すSAD(3)の値で代用する。120Hzのフリッカー環境下でも、SAD(3)は逆相に近い間隔での測光値変化の類似度を示すため、SAD(3)はSAD(5)と比較して、非常に大きな値となる。
以上より、S204と同様の考え方から、商用電源60Hz時のフリッカー(フリッカー点灯周波数は120Hz)では、12枚のフリッカー検出用画像から得られる12の測光値から得られるSAD(3)を横軸、SAD(5)を縦軸として、フリッカーの有無の境界を示すグラフを図8(b)に示す。本実施形態では、SAD(3)とSAD(5)がグラフより下の領域内に入れば、120Hzフリッカーが存在すると判定する。
なお、図8(a)、(b)に示した領域分割線はあくまで一例であり、その傾きや折れ曲がるポイントは、この限りではない。
100Hzのフリッカーの判定と120Hzのフリッカーの判定を終えると、S207において、最終的な判定結果の統合処理を行う。統合処理では、図9に示す表により判定を行うが、この表に関して説明する。
フリッカーが存在しない環境下においては、明るさは一定であるためAE(1)≒AE(2)≒・・・≒AE(12)であるから、SAD(3)≒SAD(5)≒SAD(6)=0となる。そのため、図8(a)、図8(b)のいずれにおいても、原点付近に値が存在することになり、「100Hzではない」かつ「120Hzではない」と判定され、その結果、図9に示すように、フリッカーの発生無しと判定する。
次に、100Hzのフリッカー環境下においては、SAD(3)とSAD(5)は大きな値、SAD(6)≒0となるため、「100Hz」かつ「120Hzではない」と判定され、その結果、図9に示すように、100Hzのフリッカーがあると判定する。
逆に、120Hzのフリッカー環境下においては、SAD(3)とSAD(6)は大きな値、SAD(5)≒0となるため、「100Hzではない」かつ「120Hz」と判定され、その結果、図9に示すように、120Hzのフリッカーがあると判定する。
最後に、「100Hz」かつ「120Hz」と判定された場合、通常では考えにくいが、演算の元となる12枚の蓄積時に被写体が変化し、フリッカーによる明るさの変化以外の要因が影響した場合が考えられる。この場合は、検出エラーに相当するが、本処理では、図9に示すように、フリッカー対策用の特別な制御を行わない、フリッカーの発生なしと判定する。
S207でフリッカーの判定結果、フリッカーがあると判定された場合はS208へ、フリッカーの発生無しと判定された場合はS209へ進む。
S208では、フリッカーのピークタイミングを演算する。図10はフリッカーのピークタイミングを算出する方法の一例を説明する図である。
AE(1)〜AE(12)の中で最大の出力を得た点をP2(t(m),AE(m))とし、その1つ前の測光結果の点をP1(t(m−1),AE(m−1))、1つ後の測光結果の点をP3(t(m+1),AE(m+1))とする。まず、AE(m−1)とAE(m+1)の小さい方を取る点(図10の例ではP1)と点P2の2点を通る直線をL1=at+bとして求める。更にAE(m−1)とAE(m+1)の大きい方を取る点(図10の例ではP3)の接線をL2として求める。このようにして求めた直線L1とL2の交点を、フリッカーピークタイミングt_peakと、ピーク時の測光値AE_peakとして算出する。
ピークタイミングは検出したフリッカー周期毎にやってくるので、S208で算出したピークタイミングt_peakに基づいて、S110において、このピークタイミングに同期してシャッター104を走行するように制御する。
さらにS209では、ユーザーが撮影環境下におけるフリッカーの存在に気付けるよう、警告表示を表示する。警告表示は、ライブビュー表示を行っている背面モニタ106、もしくはファインダー表示部107に、例えば、「FLICKER!」といった文字列を重ねて表示する。フリッカーの検出処理であるS104〜S106は、ライブビュー表示中に繰り返し行われているため、例えば、フリッカーのない屋外でカメラを使用して、そのままフリッカー環境下の屋内に移動した場合は、途中から警告表示が表示される。また、この逆に屋内から屋外へ移動した場合は、途中から警告表示が消えることとなる。
フリッカーの検出とその結果を警告表示として反映すると、ライブビュー表示のフレームレートが30fpsに設定されている場合のフリッカー検出処理を終了して、図4のS107に進む。
次に、図4のS106で行われる、ライブビュー表示のフレームレートが60fpsに設定されている場合のフリッカー検出処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
S301で処理を開始すると、S302において、S102で取得したフリッカー検出用画像から測光値の演算を行う。ライブビューのフレームレートが60fpsの場合は、LV用画像を取得した後の残り時間は検出対象のフリッカーの周期の2倍より短く、各セット動作で取得可能なフリッカー検出用画像の枚数は、図3に示すように8枚である。しかしながら、8枚のフリッカー検出用画像だけでは、上述した30fps時と同様のフリッカー検出処理を行うことができない。そこで、S303〜S306では、ライブビュー表示のフレームレートが60fps時のための処理を行う。
図11は、ライブビュー表示のフレームレートが60fpsであって、フリッカーが存在する場合に、フリッカー検出用画像の取得タイミングと、フリッカー検出用画像から得られる測光値の関係を示した図である。図11では、図7と同様に、n枚目のフリッカー検出用画像から得られる測光値をAE(n)と記す。
図11(a)は100Hzのフリッカーが存在する場合の一例を示す図である。図11(a)において、黒丸は、取得したフリッカー検出用画像の撮影タイミングと測光値を示し、白丸は、フリッカー検出用画像を撮影できなかった撮影タイミングと、測光値の予測値を示す。ライブビュー表示のフレームレートが60fpsの時は、LV用画像を撮影した後、8枚連続でフリッカー検出用画像を取得し、これを1セットとして、16.66ms(=1/60fps)毎に繰り返す。
この場合、図11(a)に示すように、本来、フリッカー検出用に連続したAE(1)〜AE(12)の情報が欲しいところ、AE(9)とAE(10)の情報を取得するタイミングを含む、破線で囲んだ期間の情報が取得できない。そのため、上述した30fps時のS204と同様の100Hzフリッカー判定演算は実施できない。
ここで、仮に100Hzフリッカーが存在する場合は、AE(n)=AE(n+6)であるため、次のセットに含まれるAE(15)とAE(16)を、AE(9)とAE(10)の代わりに使用することができる。すなわち、連続した2セットで取得される、AE(1)〜AE(8)、AE(11)〜AE(18)の16個の測光値情報を、
AE(1)〜AE(8)→AE(15)→AE(16)→AE(11)→AE(12)
の順に並び変える。このようにすることで、S204と同様の100Hzフリッカー判定演算を実施することが可能になる。S303では、このように連続した2回のセット動作(ライブビュー表示の複数周期の間)で取得した16枚のフリッカー検出用画像から得られる測光値を並び替え、S304では、並び替えた測光値を用いて、S204と同様の判定演算により、100Hzフリッカーの判定を行う。
AE(1)〜AE(8)→AE(15)→AE(16)→AE(11)→AE(12)
の順に並び変える。このようにすることで、S204と同様の100Hzフリッカー判定演算を実施することが可能になる。S303では、このように連続した2回のセット動作(ライブビュー表示の複数周期の間)で取得した16枚のフリッカー検出用画像から得られる測光値を並び替え、S304では、並び替えた測光値を用いて、S204と同様の判定演算により、100Hzフリッカーの判定を行う。
ここで、連続した2回のセット動作は、現セット動作と1回前のセット動作であり、現セット動作で得られたフリッカー検出用画像と、1回前のセット動作で得られたフリッカー検出用画像とから求めた測光値が用いられる。そのため、現セット動作に対応する測光値がAE(11)〜AE(18)、1つ前のセット動作に対応する測光値がAE(1)〜AE(8)となる。
なお、上述した例では、1回前のセット動作で得られた測光値AE(1)〜AE(8)をすべて用いて並べ替えるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものでは無い。例えば、2回のセット動作から得られるAE(1)〜AE(8)、AE(11)〜AE(18)の16個の測光値情報を用いて、欠落するAE(9)、AE(10)をAE(n)=AE(n+6)の関係を保ちながら補間した上で並び変えてもよい。一例として、
AE(7)→AE(8)→AE(3)→AE(4)→AE(11)〜AE(18)
の順に並び変えることが考えられる。
AE(7)→AE(8)→AE(3)→AE(4)→AE(11)〜AE(18)
の順に並び変えることが考えられる。
また、S304ではAE(n)=AE(n+6)の関係性から、1回前のセット動作では欠落するAE(9)とAE(10)の代わりに、現セット動作から得られるAE(15)とAE(16)を使用した。しかし、100Hzフリッカー環境下では、理想的には、kは任意の整数として、AE(n)=AE(n+6k)の関係性がある。従って、AE(9)とAE(10)は、2回より前のセット動作で欠落した測光値であってもよく、その場合、代わりに用いられる現セット動作で得られる測光値は、AE(21)とAE(22)や、AE(27)とAE(28)等となる。
ただし、現実的には、電力会社から供給される商用電源の周波数は、50Hzや60Hz丁度ではなく、例えば50±0.2Hz等のように、ある範囲内で揺らぎがある。そのため、ある期間中に限って着目すると、フリッカーの周波数も100Hzや120Hzに対して揺らぎを持っている。100Hz丁度ではない場合、AE(n)=AE(n+6k)は成り立たなくなり、kの値が大きくなればなるほど、AE(n)とAE(n+6k)の差は大きくなる。よって、現セット動作で得られる測光値とできる限り時間的に近いタイミングで取得した測光値を使うようにするのが望ましい。
同様の演算を120Hzのフリッカー検出時にも行うが、120Hzフリッカーが存在した場合の一例を図11(b)に示す。図11(b)でもAE(9)とAE(10)が取得できないが、AE(n)=AE(n+5)の関係から、AE(14)とAE(15)を代わりに使用することができる。すなわち、連続した2回のセット動作で取得されるAE(1)〜AE(8)、AE(11)〜AE(18)の16個の測光値情報を、
AE(1)〜AE(8)→AE(14)→AE(15)→AE(11)→AE(12)
の順に並び変えると、S206と同様の120Hzフリッカー判定演算を実施することができる。このように、S305では、連続した2回のセット動作で取得した16枚のフリッカー検出用画像から得られる測光値を並び替え、S306において、並び替えた測光値からS206と同様の判定演算により、120Hzフリッカーの判定を行う。
AE(1)〜AE(8)→AE(14)→AE(15)→AE(11)→AE(12)
の順に並び変えると、S206と同様の120Hzフリッカー判定演算を実施することができる。このように、S305では、連続した2回のセット動作で取得した16枚のフリッカー検出用画像から得られる測光値を並び替え、S306において、並び替えた測光値からS206と同様の判定演算により、120Hzフリッカーの判定を行う。
なお、上述した例では、1回前のセット動作で得られた測光値AE(1)〜AE(8)をすべて用いて並べ替えるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものでは無い。例えば、2回のセット動作から得られるAE(1)〜AE(8)、AE(11)〜AE(18)の16個の測光値情報を用いて、欠落するAE(9)、AE(10)をAE(n)=AE(n+5)の関係を保ちながら補間した上で並び変えてもよい。一例として、
AE(7)→AE(8)→AE(4)→AE(5)→AE(11)〜AE(18)
の順に並び変えることが考えられる。
AE(7)→AE(8)→AE(4)→AE(5)→AE(11)〜AE(18)
の順に並び変えることが考えられる。
また、S304での100Hz判定で説明したのと同様、120Hzフリッカー環境下では、理想的には、kを任意の整数として、AE(n)=AE(n+5k)の関係性がある。そのため、AE(9)とAE(10)は、2回より前のセット動作で欠落した測光値であってもよく、その場合、代わりに用いられる現セット動作で得られる測光値は、AE(24)とAE(25)等となる。しかしながら、商用電源の周波数の揺らぎを考えると、現セット動作で得られる測光値とできる限り時間的に近いタイミングで取得した測光値を使うようにするのが望ましい。
S307〜S309の処理は、S207〜S209と同様の処理のため、説明を省略する。
最後にS104でライブビュー表示のフレームレートが120fpsに設定されている時に、フリッカー検出処理を行わずにフリッカー非検出としてS107へ進む理由に関して説明する。
図12はライブビュー表示のフレームレートが120fps設定時で、かつ120Hzのフリッカーが存在した場合に、フリッカー検出用の画像の撮影タイミングと、そこから得られる測光値の関係を示した図である。
ライブビュー表示のフレームレートが120fpsの時は、図3に示すように、1枚のLV用画像と3枚連続でフリッカー検出用画像を取得し、これを1セットとして、ライブビュー表示の周期である8.33ms毎に繰り返す。図11に示したように、AE(4)、AE(5)、AE(9)、AE(10)の4つの測光値があれば、S206と同様の方法で120Hzのフリッカーを検出することができるが、この4つの情報は取得することができない。また、セット動作の周期と、フリッカーの周波数が120Hzで一致しているため、後続のセット動作で取得したフリッカー検出用画像から、欠落しているAE(4)、AE(5)、AE(9)、AE(10)の情報を補うことができない。よって、ライブビュー表示のフレームレートが120fpsが設定されているときは、120Hzのフリッカーを検出することができないため、S104ではフリッカー検出処理を行わず、フリッカー非検出として以降の処理を行う。
なお、フレームレートを任意の値に設定可能であって、ライブビュー表示のフレームレートが100fpsに設定されているような場合には、100Hzのフリッカーを検出することができないため、フリッカー非検出として以降の処理を行う。すなわち、ライブビュー表示のフレームレートと、検出対象のフリッカーの周期とが同じ場合には、フリッカーの検出を行わない。
なお、図4ではライブビュー表示のフレームレートが120fps時はフリッカー検出処理を行わず、フリッカー非検出として処理するフローを説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものでは無く、120fps時には、図2に示したような駆動を行わず、別のフリッカー検出方法を用いてフリッカー検出を行っても良い。例えば、図2に示すような1枚のLV用画像とフリッカー検出用画像をセット動作として繰り返す駆動ではなく、次のようにしてもよい。即ち、LV用画像のみを120fpsで取得し続け、ライブビュー表示を所定秒数に1回停止して、この停止時にフリッカー検出用の画像を600fpsで12枚取得し、またライブビュー表示に復帰するような動きである。この場合、所定秒数毎にライブビュー表示がフリーズすることになり、ユーザーのフレーミングに影響は出るものの、ライブビュー表示停止中に取得した画像からフリッカーの検出を行うことができる。
上記の通り本実施形態によれば、ライブビュー表示中もライブビュー表示がブラックアウトやフリーズすること無く、常時フリッカーを検出することができる。
なお、上記説明では、LV用画像を読み出したのちにフリッカー検出用画像を読み出す場合について説明したが、本発明はこれに限られるものでは無く、先にフリッカー検出用画像を読み出し、最後にLV用画像を読み出すようにしてもよい。更には、複数枚のフリッカー検出用画像を読み出す間に、LV用画像を読み出すようにしてもよい。
また、上記説明では、LV用画像を1セット動作において1枚読み出す構成について言及したが、例えば、読み出し時間に余裕がある場合(読み出し画素数が低い場合など)は、複数のLV用画像を1セット動作内で読み出す構成であってもよい。
さらに、上記説明では、LV用画像の表示周期に合わせて、可能な限りフレーム毎にフリッカーの検出用のセット動作を行う構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、消費電力を低下させるために、複数フレーム毎に1度のセット動作を行う構成であってもよい。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、ライブビュー表示のフレームレートが120fpsである場合のフリッカーの検出方法について説明する。
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、ライブビュー表示のフレームレートが120fpsである場合のフリッカーの検出方法について説明する。
なお、第2の実施形態における撮像装置構成及び基本的なフリッカー検出のアルゴリズムは、図1乃至図3を参照して前述した第1の実施形態と同様なので説明を省略する。以下、第2の実施形態の特徴的な処理に関して、図13乃至図16を参照して説明する。
図13は、第2の実施形態におけるライブビューモード時の撮影処理を示すフローチャートである。第1の実施形態で説明した図4に示す処理と比較して、設定されたライブビュー表示のフレームレートが120fpsの時にも、S1301においてフリッカー検出処理を行うところが異なる。第1の実施形態では、欠落している測光値を一回前のセット処理で得られた測光値から補うことができないためフリッカー非検出として処理していた。これに対し、第2の実施形態では、フリッカー検出に使用する測光値が欠落していても、取得可能な測光値のみを用いて同様のアルゴリズムのフリッカー検出処理を行う。なお、図13の処理において、図4と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明を省略する。
ライブビュー表示のフレームレートが120fpsに設定されている場合に、S1301においてライブビュー表示のフレームレートが120fpsの時のフリッカー検出処理が実行される。この処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
S1401で処理を開始すると、S1402において、S102で取得したフリッカー検出用画像を用いて、測光値AE(1)〜AE(12)の演算を行う。ここで、ライブビュー表示のフレームレートが120fpsの時は、図12に示すように、AE(4)、AE(5)、AE(9)、AE(10)の情報が欠落する。第1の実施形態に記載したフリッカー周波数判定に使用する評価値を定義した式は、測光値の差分を合計した値を指標として用いる式であった。これに対し、第2の実施形態では、測光値の差分を計算できる画像の組み合わせがSAD値によって異なるため、次式にて定義する。
また、その時にSADの演算に用いることのできる測光値の組数pと測光値の点n(n回目)は、各々次のようになる。
SAD(6):p=2、n=1、2
SAD(5):p=3、n=1、2、3
SAD(3):p=1、n=3
また、その時にSADの演算に用いることのできる測光値の組数pと測光値の点n(n回目)は、各々次のようになる。
SAD(6):p=2、n=1、2
SAD(5):p=3、n=1、2、3
SAD(3):p=1、n=3
具体的には、SAD(5)では、3組の測光値AE(1)とAE(6)、AE(2)とAE(7)、AE(3)とAE(8)を使用でき、SAD(6)では、2組の測光値AE(1)とAE(7)、AE(2)とAE(8)を使用できる。これに対し、SAD(3)では、1組の測光値AE(3)とAE(6)しか使用できない。SAD(3)は第1の実施形態にも記載した通り、検出したい周波数である100Hzあるいは120Hzのフリッカーが存在している場合、蓄積のタイミングがフリッカー周期の逆相の関係になるため、SAD(5)やSAD(6)に対して非常に大きな値になることを想定している。しかし、SAD(3)を算出するための測光値が1組しか使用できないため、図16(a)に示すように、逆相でも画像の測光値が同一になるタイミングが存在する可能性があり、この時、SAD(3)の値は0になる。つまり、フリッカーが存在する環境下でも、タイミングによりフリッカーを検出できない場合がある。
これに対して評価値としてSAD(4)を算出する場合、先に記載したフリッカー周波数判定に使用する評価値を定義した式において、SADの演算に用いることのできる測光値の組数pと測光値の点n(n回目)は、
SAD(4):p=2、n=2、3
となる。即ち、SAD(4)では、2組の測光値AE(2)とAE(6)、AE(3)とAE(7)を使用できる。SAD(4)は、1.667×4=6.67ms経過後の蓄積になるため、100Hzでも120Hzでも完全な逆位相とはならないが、図16(b)に示すようにフリッカーが存在する環境ではSAD(4)でも測光値に差分が生じる。したがって、少なくともSADの値が0になる可能性のあるSAD(3)より、2組の測光値から算出したSAD(4)の最小値の方が大きな値になる。
SAD(4):p=2、n=2、3
となる。即ち、SAD(4)では、2組の測光値AE(2)とAE(6)、AE(3)とAE(7)を使用できる。SAD(4)は、1.667×4=6.67ms経過後の蓄積になるため、100Hzでも120Hzでも完全な逆位相とはならないが、図16(b)に示すようにフリッカーが存在する環境ではSAD(4)でも測光値に差分が生じる。したがって、少なくともSADの値が0になる可能性のあるSAD(3)より、2組の測光値から算出したSAD(4)の最小値の方が大きな値になる。
上述した評価値の決定方法について、図15のフローチャートを参照して説明する。図8のフリッカーの有無の境界を示すグラフの横軸に使用するSAD値にふさわしい指標を選択するフローが開始され、S1501では逆相で一番大きな値を取り得るSAD(3)の算出に使用できる測光値の組数p(3)をカウントする。なお、S1501では、100Hz、120Hzのフリッカーの光量変化の1周期の2倍の期間(すなわち2周期分)に合わせて、600fpsで計12個の測光値(すなわち画像信号)を連続的に取得した場合に、当該12個の測光値における測光値の組数を判定の対象とする。S1502では、測光値の組数p(3)が2以上であるかどうかを判断し、2以上である場合は、S1503に進んでSAD(3)をフリッカーの有無の境界を示すグラフの横軸に使用するように決定する。
一方、S1502で組数p(3)が1以下の場合、S1504に進み、SAD(4)の算出に使用できる測光値の組数p(4)をカウントする。S1505では、測光値の組数p(4)が2以上であるかどうかを判断し、2以上である場合は、S1506に進み、SAD(4)をフリッカーの有無の境界を示すグラフの横軸に使用するように決定する。測光値の組数(4)も1組以下の場合は、S1507に進み、フリッカー非検出とする。
なお、SADの計算は、測光値の組数によって判定したが、予めフレームレートによって判断したり、取得できる1セット内の画像枚数によって切り替えたりできる仕様であってもよい。また、判定方法に依らず、フリッカー判定にSAD(4)を使用するアルゴリズムであっても構わない。すなわち、ライブビュー表示のフレームレートが60fpsの場合に、フリッカー判定にSAD(4)の評価値を参照する構成であってもよい。この場合、SAD(3)の評価値を参照する場合よりもフリッカー検出の精度は低下する可能性はあるが、検知に用いる測光値の並び替え処理を実行しなくてもよいため、メモリにおけるデータ容量の削減が可能となる。
S1403で指標を選択すると、S1404に進む。S1404からS1408における処理は、図5のS204からS209における処理と同様であるため説明を省略する。ただし、第2の実施形態においては、S1404及びS1405における判定処理において、SAD(4)を図8に示すフリッカーの有無の境界を示すグラフの横軸に使用する。
上記の通り本実施形態によれば、更に、ライブビュー表示の周期が120fpsの場合にもフリッカーを検出することが可能になる。
なお、本実施形態では、ライブビュー表示の表示周期(フレームレート)が120fpsである場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ライブビュー表示の周期が240fpsである場合も、120fpsの場合と同様の問題が発生するため、SAD(4)を用いてフリッカーの検出を行う構成であってもよい。また、検出対象のフリッカーの周波数が100Hzであって、ライブビュー表示の周期(フレームレート)が100fpsである場合も同様の方法で、フリッカーの検出が可能である。すなわち、検出対象のフリッカーの周波数の整数倍とライブビュー表示の表示周期が一致する場合は、評価値であるSADの算出に用いる測光値(画像信号)の組み合わせを異ならせて得た評価値SAD(4)を用いて、フリッカーを検出することができる。なお、ライブビュー表示の周期が高速に(短く)なると、1セット動作で得られるフリッカー検出用の測光値の数も減少するため、ライブビュー画像の読み出しに要する時間の調整などが必要な点に注意されたい。
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:カメラ本体、101:撮像素子、102:システム制御部、103:メモリ、104:シャッター、105:シャッター制御部、106:背面モニタ、107:ファインダー表示部、108:接眼レンズ、109:接眼検知部、110:レンズマウント機構、200:撮影レンズ、201:レンズ制御部、202:フォーカスレンズ、203:レンズ駆動部、204:絞り、205:絞り制御部
Claims (12)
- 撮像素子と、
前記撮像素子の駆動制御手段と、
複数の画像に基づく評価値を算出し、当該評価値に基づいてフリッカーを検出する検出手段と、を有し、
前記駆動制御手段は、前記撮像素子から繰り返し画像を読み出して表示装置に表示する第1の周期の間に、
前記表示装置に表示する第1の画像を読み出す第1の駆動と、
前記第1の画像を読み出した残り時間に、フリッカーの検出に用いる第2の画像を、前記第1の画像の読み出しにかかる時間よりも短い第2の周期で読み出す第2の駆動と前記第1の画像を読み出した残り時間に、フリッカーの検出に用いる第2の画像を、前記第1の画像の読み出しにかかる時間よりも短い第2の周期で読み出す第2の駆動とを行うように制御し、
前記検出手段は、複数の前記第2の画像に基づいて前記評価値を算出する際に、前記第1の周期に応じて、前記評価値の算出に用いる前記第2の画像の組み合わせを異ならせてフリッカーを検出することを特徴とする撮像装置。 - 前記検出手段は、前記残り時間が検出対象のフリッカーの光量変化の1周期の2倍以上である場合に、前記第1の周期の1周期の間に得られた前記第2の画像を用いてフリッカーを検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記検出手段は、前記残り時間が検出対象のフリッカーの光量変化の1周期の2倍より短く、かつ、前記第1の周期が前記検出対象のフリッカーの光量変化の1周期ではない場合に、前記第1の周期の複数周期の間に得られた前記第2の画像を用いてフリッカーを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
- 前記検出手段は、前記複数周期の間に得られた前記第2の画像を用いてフリッカーを検出する場合に、前記第1の画像を取得する間に欠落した前記第2の画像を、前記検出対象のフリッカーの周波数に対応する別のタイミングで取得した前記第2の画像で補間することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記検出手段は、前記第1の周期が検出対象のフリッカーの光量変化の1周期の整数倍と略同一である場合に、前記フリッカーの検出を行わないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記検出手段は、検出対象のフリッカーの光量変化の1周期の2倍の期間で得られた複数の前記第2の画像のうち、所定の間隔で得られた2つの前記第2の画像を比較して前記評価値を算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
- 前記検出手段は、前記第1の周期が前記検出対象のフリッカーの光量変化の1周期の整数倍と略同一である場合であって、前記第1の周期が第1のフレームレートである場合は、第1の間隔で得られた前記第2の画像を比較して前記評価値を算出し、前記第1の周期が前記第1のフレームレートよりも短い第2のフレームレートである場合は、前記第1の間隔とは異なる第2の間隔で得られた前記第2の画像を比較して前記評価値を算出することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 前記第1の間隔は、前記第2の間隔よりも、前記検出対象のフリッカーの逆相に近い間隔であることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
- 前記検出手段は、検出対象のフリッカーの光量変化の1周期の2倍の期間で得られる前記第2の画像の組の数が1以下である場合に、前記フリッカーの検出を行わないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の撮像装置。
- 撮像素子を備えた撮像装置の制御方法であって、
前記撮像素子の駆動制御工程と、
複数の画像に基づく評価値を算出し、当該評価値に基づいてフリッカーを検出する検出工程と、を有し、
前記駆動制御工程では、前記撮像素子から繰り返し画像を読み出して表示装置に表示する第1の周期の間に、前記表示装置に表示する第1の画像を読み出す第1の駆動と、前記第1の画像を読み出した残り時間に、フリッカーの検出に用いる第2の画像を、前記第1の画像の読み出しにかかる時間よりも短い第2の周期で読み出す第2の駆動とを行うように制御し、
前記検出工程では、複数の前記第2の画像に基づいて前記評価値を算出する際に、前記第1の周期に応じて、前記評価値の算出に用いる前記第2の画像の組み合わせを異ならせてフリッカーを検出することを特徴とする撮像装置の制御方法。 - コンピュータに、請求項10に記載の撮像装置の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
- 請求項11に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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