JP2021190420A - 誘導加熱ローラ、及び、紡糸延伸装置 - Google Patents

誘導加熱ローラ、及び、紡糸延伸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誘導加熱ローラにおいて、軸方向におけるローラ本体の筒状部の温度ばらつきを効果的に低減する。【解決手段】誘導加熱ローラ20は、回転可能なローラユニット30と、コイル52とを備える。ローラユニット30は、ローラユニット30の軸方向に延びた外筒部34(筒状部)を有し、コイル52に電流が流れているときに外筒部34が誘導加熱されるローラ本体31と、外筒部34に発生した熱を軸方向に移動させることが可能であり、且つ、軸方向において外筒部34よりも熱を移動させやすい均熱部材32と、軸方向において外筒部34の端部の位置に配置され、コイル52に電流が流れているときに誘導加熱される発熱部材60と、を有する。発熱部材60は、外筒部34を構成する材料及び均熱部材32を構成する材料よりも電気抵抗率が低い材料からなる。発熱部材60は、外筒部34及び均熱部材32のうち少なくとも一方と隣接配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、誘導加熱ローラ、及び、誘導加熱ローラを備える紡糸延伸装置に関する。
特許文献1、2には、加熱対象物(糸、トナー等)を加熱する誘導加熱ローラが開示されている。誘導加熱ローラは、コイルと、誘導加熱される外筒部(以下、筒状部とする)を有するローラ(以下、ローラユニットとする)とを備える。コイルに交流電流が流れることにより磁束が生成されると、電磁誘導によってローラユニットの筒状部の周方向に渦電流が発生し、ジュール熱によって筒状部が発熱する。このような誘導加熱によって、ローラユニットと接触している加熱対象物が加熱される。
特開2018−35488号公報 特開平10−31379号公報
一般的に、誘導加熱ローラにおいては、磁束の漏れに起因して、ローラユニットの軸方向(以下、単に軸方向とする)において磁束が一様に流れにくく、筒状部の発熱が軸方向において均一になりにくい。より詳細には、筒状部の軸方向端部を通過する磁束が筒状部の軸方向中央部を通過する磁束よりも少ないため、軸方向端部が発熱しにくい。また、一般的に、ローラユニットの軸方向端部は、軸方向中央部と比べて、外気に晒されている部分の面積が大きい。このため、放熱によって筒状部の軸方向端部が冷えてしまいやすい。このように、発熱のしにくさ及び放熱のしやすさに起因して、筒状部の軸方向端部の温度が軸方向中央部の温度と比べて低くなりやすく、筒状部の温度が軸方向においてばらつきやすいという問題がある。
これに関して、特許文献1に記載された誘導加熱ローラにおいて、筒状部の内周面には、軸方向における熱伝導率が筒状部よりも高い均熱部(特許文献1には均熱部材と記載されている)が接触している。このような均熱部によって、筒状部に発生した熱を軸方向に伝導させやすくすることで、軸方向における筒状部の温度ばらつきの低減が図られる。しかしながら、このような構成においても、実際にはさらなる改善の余地があることが本願発明者によって知見された。
また、特許文献2に記載された誘導加熱ローラにおいては、筒状部(特許文献2には定着ローラと記載されている)の内周面の軸方向端部に、筒状部よりも電気抵抗率が低いリング部材が接触している。このようなリング部材にも磁束が通ることにより、リング部材に渦電流が発生する。このため、筒状部の軸方向端部の近傍における発熱量が増加する。これにより、筒状部の軸方向における温度ばらつきの抑制が図られる。しかしながら、このような構成では、電気抵抗率の低いリング部材に渦電流が過剰に流れてリング部材が異常に発熱するおそれもあり、筒状部の温度分布が却って悪化する懸念もある。
本発明の目的は、誘導加熱ローラにおいて、軸方向におけるローラ本体の筒状部の温度ばらつきを効果的に低減することである。
第1の発明の誘導加熱ローラは、回転可能なローラユニットと、コイルと、を備える誘導加熱ローラであって、前記ローラユニットは、前記ローラユニットの軸方向に延びた筒状部を有し、前記コイルに電流が流れているときに前記筒状部が誘導加熱されるローラ本体と、前記筒状部に生じた熱を前記軸方向に移動させることが可能であり、且つ、前記軸方向において前記筒状部よりも熱を移動させやすい均熱部と、前記軸方向において前記筒状部の端部の位置に配置され、前記コイルに電流が流れているときに誘導加熱される発熱部と、を有し、前記発熱部は、前記筒状部を構成する材料及び前記均熱部を構成する材料よりも電気抵抗率が低い材料からなり、前記筒状部及び前記均熱部のうち少なくとも一方と隣接配置されていることを特徴とする。
本発明では、電気抵抗率が低い発熱部が誘導加熱されることにより、筒状部の軸方向端部近傍における発熱量を増やすことができる。これにより、筒状部の軸方向端部近傍の温度を上げやすくすることができる。
さらに、本発明では、発熱部が、筒状部及び均熱部のうち少なくとも一方と隣接配置されている。これにより、発熱部において発生した熱を、均熱部に直接伝導させ或いは筒状部を介して均熱部に伝えることができる。このため、均熱部によって、上記熱を軸方向においてローラ本体の筒状部に略均一に伝えることができる。これにより、筒状部の軸方向端部のみの温度が異常に高くなることを抑制できる。
以上のようにして、誘導加熱ローラにおいて、軸方向におけるローラ本体の筒状部の温度ばらつきを効果的に低減できる。
第2の発明の誘導加熱ローラは、前記第1の発明において、前記発熱部は、前記ローラ本体及び前記均熱部とは別の部材として設けられ且つ前記筒状部及び前記均熱部のうち少なくとも一方と接触している、リング状の発熱部材を有することを特徴とする。
筒状部よりも電気抵抗率が低い材料で構成された発熱部が、例えば圧接により筒状部又は均熱部と一体的に形成されていても良い。しかしながら、このような構成では、製造の手間及び製造コストが増大するおそれがある。本発明では、容易且つ安価に製造可能なリング状の発熱部材が、筒状部及び均熱部とは別の部材として設けられている。このため、発熱部が筒状部又は均熱部と一体的に形成されている場合と比べて、製造の手間及び製造コストの増大を抑制できる。
第3の発明の誘導加熱ローラは、前記第1又は第2の発明において、前記均熱部は、前記ローラ本体とは別の部材として設けられ且つ前記筒状部の内周面に接触している、前記筒状部よりも前記軸方向における熱伝導率が高い均熱部材を有することを特徴とする。
均熱部として、例えば、熱を軸方向に移動させる熱媒体が封入されたジャケット室がローラユニットに設けられていても良い。但し、このような構成では、ローラユニットの構造が複雑化するおそれがある。本発明では、均熱部が、シンプルに、熱伝導率の高い均熱部材を有する。したがって、例えばジャケット室が設けられた構成と比べて、ローラユニットの構造を単純化できる。
第4の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第3のいずれかの発明において、前記均熱部は、前記ローラユニットの径方向において前記筒状部の内側に配置され、前記発熱部は、前記均熱部と前記軸方向に並べて配置されていることを特徴とする。
均熱部が筒状部の径方向内側に配置された構成において、発熱部が、例えば均熱部の径方向内側に配置されている場合、発熱部が径方向において筒状部から遠くなる。この場合、発熱部に発生した熱のうち筒状部に伝わらずに逃げてしまう熱の量が多くなるおそれがあり、筒状部の加熱効率が悪くなりうる。本発明では、発熱部が均熱部と軸方向に並べて配置されている。言い換えると、径方向において、発熱部が筒状部の近くに配置されている。したがって、筒状部の加熱効率の悪化を抑制できる。
第5の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第4のいずれかの発明において、前記発熱部は、前記均熱部と隣接配置されていることを特徴とする。
本発明では、発熱部に発生した熱を均熱部に直接伝導させることができる。したがって、均熱部によって、筒状部の温度を軸方向において効果的に均一化できる。
第6の発明の誘導加熱ローラは、前記第5の発明において、前記発熱部は、前記筒状部と離隔して配置されていることを特徴とする。
本発明では、発熱部に発生した熱は、筒状部に直接伝導されるのではなく、均熱部を介して筒状部に間接的に伝導される。したがって、発熱部に発生した熱を筒状部に直接伝導させる場合と比べて、筒状部の軸方向端部のみの温度が異常に高くなることをより確実に抑制できる。
第7の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第5のいずれかの発明において、前記発熱部は、前記筒状部と隣接配置されていることを特徴とする。
本発明では、発熱部に発生した熱を筒状部に直接伝導させることができる。したがって、筒状部を効率的に温めることができるため、発熱部において発生する熱量が少ない場合にはこのような構成が有効である。
第8の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第7のいずれかの発明において、前記ローラ本体は、前記筒状部の前記軸方向における一方側の端から前記ローラユニットの径方向における内側へ延びた円板部を有し、前記均熱部は、前記ローラ本体とは別の部材として設けられ且つ前記筒状部の内周面に接触している、前記筒状部よりも前記軸方向における熱伝導率が高い均熱部材を有し、前記発熱部は、前記ローラ本体及び前記均熱部材とは別の部材として設けられ且つ前記均熱部材と前記軸方向に並べて配置された、リング状の発熱部材を有し、前記均熱部材及び前記発熱部材よりも前記軸方向における他方側に配置され、前記均熱部材及び前記発熱部材を前記一方側へ押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする。
本発明では、ローラ本体と均熱部材と発熱部材とが別々の部材として設けられた構成において、1つの押圧部によって、均熱部材及び発熱部材の両方を軸方向における一方側(円板部側)へ押圧することができる。これにより、軸方向において、均熱部材及び発熱部材を押圧部と円板部との間に挟んでローラ本体に固定できる。したがって、発熱部材が均熱部材と径方向において異なる位置に配置されている場合と比べて、単純な構成によって発熱部材をローラ本体に固定できる。
第9の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第8のいずれかの発明において、前記ローラ本体は、片持ち支持されており、前記発熱部は、前記筒状部の前記軸方向における先端側の端部の位置に配置されていることを特徴とする。
ローラ本体が片持ち支持された誘導加熱ローラにおいては、通常、ローラ本体の軸方向における先端面が外気に晒されている。このため、ローラ本体の軸方向先端部からの放熱が多く、筒状部の軸方向先端部の温度が特に下がりやすいという問題がある。この点、本発明では、発熱部によって筒状部の軸方向先端部近傍が加熱されるため、筒状部の軸方向先端部の温度低下を効果的に抑制できる。したがって、筒状部の温度ばらつきを効果的に低減できる。
第10の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第9のいずれかの発明において、前記発熱部は、非磁性材料で構成されていることを特徴とする。
発熱部が炭素鋼等の磁性材料で構成されている場合には、発熱部が非磁性材料で構成されている場合と比べて磁束の流れ方が変わりうる。このため、発熱部の配置等によっては、例えば、筒状部に磁束が通りにくくなり、筒状部自体の発熱が妨げられるおそれがある。本発明では、発熱部が非磁性材料で構成されているため、磁束の流れ方が本来意図する流れ方と異なる事態を回避できる。
第11の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第10のいずれかの発明において、前記発熱部の密度は、少なくとも、前記筒状部の密度よりも低いことを特徴とする。
本発明では、発熱部が設けられたことによる誘導加熱ローラの重量の増加を抑制できる。
第12の発明の誘導加熱ローラは、前記第1〜第11のいずれかの発明において、前記軸方向において、前記均熱部を構成する材料の熱伝導率が、前記筒状部を構成する材料の熱伝導率よりも高く、前記ローラユニットの周方向において、前記均熱部を構成する材料の電気抵抗率が、前記筒状部を構成する材料の電気抵抗率よりも高いことを特徴とする。
誘導加熱ローラは、主にローラユニットの周方向に渦電流が流れることによってジュール熱で昇温される。仮に、周方向において筒状部よりも均熱部に渦電流が流れやすい場合、以下のような問題が生じうる。まず、昇温の対象である筒状部から多少なりとも離れた位置に配置された均熱部が発熱すると、筒状部だけでなく他の部材及び/又は空間にも熱が拡散しうる。このように拡散する熱が、筒状部へ均一に伝わるとは限らない。また、一般的に、均熱部は軸方向において筒状部よりも短いため、均熱部が発熱すると、筒状部にとって、軸方向における発熱分布が不均一になってしまう。これらの要因により、軸方向における筒状部の温度ばらつきが大きくなるおそれがある。本発明では、均熱部によって熱を軸方向に伝えやすくすることができるとともに、周方向において均熱部に渦電流が流れることを抑制し、均熱部自体の不要な発熱を抑制できる。このため、均熱部の発熱に起因して筒状部の温度ばらつきが大きくなってしまうことを抑制できる。
第13の発明の紡糸延伸装置は、前記第1〜第12のいずれかの発明の誘導加熱ローラを備える紡糸延伸装置であって、前記筒状部の周りに、加熱対象物として複数の糸が前記軸方向に並べて巻き掛けられることを特徴とする。
本発明では、軸方向における温度ばらつきが低減された筒状部の周りに糸が巻き掛けられる。したがって、誘導加熱ローラによって加熱される複数の糸の間での品質ばらつきを低減できる。
本実施形態に係る誘導加熱ローラを備える紡糸引取機を示す模式図である。 誘導加熱ローラの断面図である。 ローラ本体、均熱部材、及び発熱部材の物性値を示す表である。 軸方向における外周面の温度分布を示すグラフである。 (a)、(b)は、変形例に係るローラ本体、均熱部材、及び発熱部材の物性値を示す表である。 (a)〜(f)は、別の複数の変形例に係る発熱部材の配置を示す説明図である。 さらに別の変形例に係る誘導加熱ローラを示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、図1の紙面上下方向を上下方向(重力が作用する鉛直方向)とする。図1の紙面左右方向を左右方向とする。図1の紙面垂直方向を前後方向とする。
(紡糸引取機)
本実施形態に係る誘導加熱ローラ20を備える紡糸引取機1の構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、紡糸引取機1を前側から見た模式図である。紡糸引取機1は、紡糸装置2から紡出された複数の糸Y(本発明の加熱対象物)を、紡糸延伸装置3で延伸した後、糸巻取装置4で巻き取るように構成されている。
紡糸装置2は、ポリエステル等の溶融ポリマーを連続的に紡出することにより、複数の糸Yを生成する。紡糸装置2から紡出された複数の糸Yには、油剤ガイド10によって油剤が付与される。その後、糸Yは、案内ローラ11を経て紡糸延伸装置3に送られる。
紡糸延伸装置3は、複数の糸Yを延伸する装置である。紡糸延伸装置3は、紡糸装置2の下方に配置されている。紡糸延伸装置3は、保温箱12の内部に収容された複数のゴデットローラ21〜25を有する。ゴデットローラ21〜25は、各々に対応して設けられた不図示のモータによって回転駆動される。ゴデットローラ21〜25の各々は、コイルによって誘導加熱される誘導加熱ローラ20である(詳細は後述する)。ゴデットローラ21〜25の外周面には、複数の糸Yが巻き掛けられている。保温箱12の右側面部の下部には、複数の糸Yを保温箱12の内部に導入するための導入口12aが形成されている。保温箱12の右側面部の上部には、複数の糸Yを保温箱12の外部に導出するための導出口12bが形成されている。複数の糸Yは、下側のゴデットローラ21から順番に、各ゴデットローラ21〜25に対して360度未満の巻き掛け角度で巻き掛けられている。
下側の3つのゴデットローラ21〜23は、複数の糸Yを延伸する前に予熱するための予熱ローラである。ゴデットローラ21〜23の表面温度は、糸Yのガラス転移点以上の温度(例えば90〜100℃)に設定されている。上側の2つのゴデットローラ24、25は、延伸された複数の糸Yを熱セットするための調質ローラである。ゴデットローラ24、25の表面温度は、ゴデットローラ21〜23の表面温度よりも高い温度(例えば150〜200℃)に設定されている。また、ゴデットローラ24、25の糸送り速度は、ゴデットローラ21〜23の糸送り速度よりも速くなるように設定される。
導入口12aを介して保温箱12に導入された複数の糸Yは、ゴデットローラ21〜23によって送られる間に、延伸されることが可能な温度まで予熱される。予熱された複数の糸Yは、ゴデットローラ23とゴデットローラ24との間の糸送り速度の差によって延伸される。複数の糸Yは、ゴデットローラ24、25によって送られる間に、さらに高温に加熱される。これにより、複数の糸Yは、延伸された状態で熱セットされる。このようにして延伸された複数の糸Yは、導出口12bを介して保温箱12の外に導出される。
紡糸延伸装置3によって延伸された複数の糸Yは、案内ローラ13を経て糸巻取装置4へ送られる。糸巻取装置4は、複数の糸Yを巻き取る装置である。糸巻取装置4は、紡糸延伸装置3の下方に配置されている。糸巻取装置4は、ボビンホルダ14及びコンタクトローラ15等を備える。ボビンホルダ14は、前後方向に延びた円筒形状を有する。ボビンホルダ14は、不図示のモータによって回転駆動される。ボビンホルダ14には、前後方向に複数のボビンBが並べて装着される。糸巻取装置4は、ボビンホルダ14を回転させることによって、複数のボビンBに複数の糸Yを同時に巻取り、複数のパッケージPを生産する。コンタクトローラ15は、複数のパッケージPの表面に接触して所定の接圧を付与し、パッケージPの形状を整える。
(誘導加熱ローラの構成)
次に、ゴデットローラ21〜25に適用される誘導加熱ローラ20の構成について、図2の断面図及び図3の表を参照しつつ説明する。図2は、誘導加熱ローラ20の軸中心を通る誘導加熱ローラ20の断面図である。図2に示すように、誘導加熱ローラ20のローラユニット30(後述)は、ローラユニット30を回転駆動するモータ100によって片持ち支持されている。以下、ローラユニット30の延びている方向(図2の紙面左右方向)をローラユニット30の軸方向とする。ローラユニット30の軸方向を、以下、単に軸方向とも呼ぶ。軸方向において、モータ100側(図2の紙面右側)を基端側(本発明の他方側)とする。軸方向において、モータ100とは反対側(図2の紙面左側)を先端側(本発明の一方側)とする。また、ローラユニット30の径方向(図2の紙面上下方向)を、単に径方向とも呼ぶ。ローラユニット30の周方向(軸方向及び径方向の両方と直交する方向)を、単に周方向とも呼ぶ。
図2に示すように、誘導加熱ローラ20は、回転可能なローラユニット30と、回転しない固定部50とを有する。誘導加熱ローラ20は、固定部50に設けられた後述のコイル52を用いた誘導加熱によって、ローラユニット30の外周面(後述するローラ本体31の外周面31a)を昇温させるように構成されている。これにより、誘導加熱ローラ20は、外周面31aに巻き掛けられた複数の糸Yを加熱する。ローラユニット30は、モータ100によって回転駆動される。固定部50は、例えば、モータ100に取り付けられた不図示の支持部に固定されている。
ローラユニット30は、ローラ本体31と、均熱部材32(本発明の均熱部)とを有する。ローラ本体31は、概ね円筒状の部材である。ローラ本体31は、モータ100によって回転駆動される。均熱部材32は、ローラ本体31の軸方向における温度を均一化させるように構成されている。ローラ本体31と均熱部材32は、ローラユニット30の軸方向基端部に設けられた固定リング33等を介して、互いに固定されている。
ローラ本体31は、例えば、磁性体(強磁性体)且つ導体である炭素鋼からなる。炭素鋼の比透磁率は、100〜2000である(図3参照)。ローラ本体31は、外筒部34(本発明の筒状部)と、軸心部35と、円板部36とを有する。外筒部34は、ローラ本体31のうち径方向において最も外側に配置された略円筒状の部分である。外筒部34は、軸方向に沿って延びるように配置されている。外筒部34の軸方向、径方向及び周方向は、ローラユニット30の軸方向、径方向及び周方向とそれぞれ略一致する。軸心部35は、コイル52の径方向内側に配置された略円筒状の部分である。円板部36は、外筒部34の先端部と軸心部35の先端部とをつなぐ略円板状の部分である。言い換えると、円板部36は、外筒部34の軸方向先端部から径方向内側へ延びた部分である。ローラ本体31の軸方向基端側は、開口している。
本実施形態では、外筒部34、軸心部35及び円板部36は、1つの部材として一体的に形成されている。但し、これには限られない。例えば、外筒部34が1つの第1部材からなり、軸心部35及び円板部36が1つの第2部材からなるように構成されていても良い(図示省略)。この場合、第1部材と第2部材とが、例えば、溶接や、ネジ等の固定部材を用いた固定方法等によって、互いに固定されている。
外筒部34の外周面34aの径方向外側には、例えば厚み0.05mm程度のコーティング層(不図示)が形成されている。当該コーティング層の表面が、ローラ本体31の外周面31a(ローラ表面)である。外周面31aには、加熱対象物として複数の糸Yが軸方向に並べて巻き掛けられる(言い換えれば、外筒部34の周りに複数の糸Yが巻き掛けられる)。なお、コーティング層は必ずしも設けられていなくても良い(この場合、外筒部34の外周面34aが、ローラ本体31の外周面である)。外周面31aの軸方向における長さは、例えば150mmである。外筒部34の内周面34bには、均熱部材32が接触している。軸心部35には、モータ100の駆動軸101が挿通される軸取付孔35aが形成されている。駆動軸101は、軸取付孔35aに嵌装されている。これにより、ローラ本体31は、駆動軸101に固定されており、駆動軸101と一体的に回転可能となっている。ローラ本体31は、駆動軸101によって片持ち支持されている。円板部36の軸方向基端側の面(基端面36a)には、発熱部材60(後述)が接触する。また、円板部36の軸方向先端側の面(先端面36b)の軸方向先端側には、略円板状の断熱材(不図示)が取り付けられている。断熱材は、外気(保温箱12内の空気)に晒されている。
均熱部材32は、熱を軸方向に移動させることにより、ローラ本体31の表面温度(すなわち、外周面31aの温度)の分布を軸方向において均一化するための部材である。均熱部材32の軸方向、径方向及び周方向は、ローラユニット30の軸方向、径方向及び周方向とそれぞれ略一致する。均熱部材32は、外筒部34の径方向内側に配置されている。また、均熱部材32は、コイル52の径方向外側に配置されている。均熱部材32は、押圧部42によって軸方向先端側へ押圧されている(詳細は後述)。これにより、均熱部材32及び後述する発熱部材60が、ローラ本体31に固定されている。
均熱部材32は、軸方向に延びた筒状の部材である。均熱部材32は、例えば、炭素繊維と黒鉛との複合材料であるC/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材料)からなる。C/Cコンポジットは、非磁性材料である。本実施形態において、C/Cコンポジットの炭素繊維は、軸方向に配向している。言い換えれば、本実施形態では、均熱部材32を構成する材料は、後述するように、熱伝導率及び電気抵抗率に関して異方性を有する材料である。C/Cコンポジットの軸方向における熱伝導率は、ローラ本体31を構成する材料の熱伝導率よりも高い(少なくとも、外筒部34の内周面34bの熱伝導率よりも高い)。言い換えると、均熱部材32は、軸方向において、外筒部34よりも熱を移動させやすい。例えば、ローラ本体31を構成する炭素鋼の熱伝導率は51.5W/(m・K)である(図3参照)。一方、均熱部材32を構成するC/Cコンポジットの軸方向における熱伝導率は404W/(m・K)である(図3参照)。均熱部材32を構成する材料の軸方向における熱伝導率は、均熱部材32を構成する材料の周方向における熱伝導率(15.2W/(m・K)。図3参照)よりも高い。均熱部材32は、熱伝導によって熱を軸方向に移動させることにより、ローラ本体31の外周面31aの温度を均一化する。なお、C/Cコンポジットの炭素繊維は、必ずしも軸方向に配向していなくても良い。例えば、炭素繊維がランダム配向されたC/Cコンポジットによって均熱部材32が形成されていても良い。
均熱部材32は、周方向において複数の均熱片41に分割されている。各均熱片41の径方向外側の面(外面41a)は、外筒部34の内周面34bに接触している。ローラ本体31の外周面31aのうち、複数の糸Yが巻き掛けられる軸方向の領域を巻掛領域Rとしたとき、各均熱片41は、軸方向において巻掛領域Rと概ね同じ範囲に亘って設けられている。各均熱片41の径方向内側の面(内面41b)は、径方向においてコイル52と向かい合っている。各均熱片41の軸方向基端側の面(基端面41c)は、テーパ面となっている。詳細には、基端面41cは、径方向外側に向かうほど軸方向基端側に突出している。軸方向において、各均熱片41の軸方向先端側の面(先端面41d)と円板部36の基端面36aとの間には、隙間が形成されている。当該隙間には、後述する発熱部材60が配置されている。
各均熱片41は、押圧部42によって軸方向先端側及び径方向外側へ押圧されている。押圧部42は、押圧部材43と、複数のばね44とを有する。押圧部材43は、例えば、ローラ本体31と同じく炭素鋼からなる略リング状の部材である。押圧部材43の外周面は、径方向において、例えば均熱片41の外面41aと略同じ位置に配置されている。押圧部材43の内周面は、例えば、均熱片41の内面41bよりも径方向内側に配置されている。押圧部材43の軸方向先端側の面(先端面43a)は、テーパ状の押圧面である。詳細には、先端面43aは、径方向内側に向かうほど軸方向先端側に突出している。これにより、先端面43aと、上述した均熱片41の基端面41cとが、互いにしっかりと接触している。
ばね44は、軸方向において押圧部材43と固定リング33との間に配置されている。ばね44の基端部は、固定リング33に接触している。ばね44の先端部は、押圧部材43に接触している。ばね44は、固定リング33及び押圧部材43によって軸方向に圧縮されている。これにより、ばね44は、弾性復元力によって押圧部材43を軸方向先端側へ付勢する。押圧部材43がばね44によって付勢されることにより、均熱部材32が軸方向先端側へ押圧される。このとき、均熱部材32の各均熱片41は、押圧部材43のテーパ状の先端面43aによって、径方向外側へも押圧される。これにより、各均熱片41が、外筒部34にしっかり押し付けられる。このため、外筒部34の熱膨張量と均熱部材32の熱膨張量との間に差が生じた場合でも、外筒部34と均熱部材32との間に隙間が空くことを防止できる。なお、ばね44の数はいくつでも良い。また、押圧部材43を付勢する付勢部材として、ばね44の代わりに、例えばゴム製の弾性部材が適用されても良い。
固定リング33は、例えば、ローラ本体31と同じく炭素鋼からなる略リング状の部材である。固定リング33は、例えば不図示のネジによって、ローラ本体31の外筒部34の軸方向基端部に固定されている。固定リング33は、軸方向において固定リング33と押圧部材43との間に配置されたばね44を、軸方向に圧縮するように設けられている。これにより、上述したように、ローラ本体31と均熱部材32が、固定リング33等を介して互いに固定されている。
次に、固定部50について説明する。図2に示すように、固定部50は、ボビン部材51と、コイル52と、フランジ53とを有する。固定部50においては、軸方向に延びたボビン部材51に、軸方向に沿ってコイル52が巻き付けられている。ボビン部材51の軸方向基端部は、フランジ53に取り付けられている。
ボビン部材51は、例えば、ローラ本体31と同じく炭素鋼からなる略円筒状の部材である。ボビン部材51は、ローラユニット30の軸方向に沿って延在している。ボビン部材51の周方向は、ローラユニット30の周方向と略一致している。ボビン部材51は、ローラ本体31の外筒部34よりも径方向内側に配置されている。また、ボビン部材51は、ローラ本体31の軸心部35よりも径方向外側に配置されている。ボビン部材51の外周に、軸方向に沿ってコイル52が巻き付けられている。
コイル52は、少なくとも、外筒部34及び後述する発熱部材60(本発明の発熱部)を誘導加熱するためのものである。コイル52は、ボビン部材51の外周に巻き付けられている。ボビン部材51の外周に巻き付けられたコイル52は、ボビン部材51の延在方向に沿って延びている(図2参照)。言い換えれば、コイル52が延びている長手方向は、ローラユニット30の軸方向と略一致している。コイル52は、ローラ本体31の外筒部34よりも径方向内側に配置されている。また、コイル52は、ローラ本体31の軸心部35よりも径方向外側に配置されている。例えば不図示の交流電源によって、コイル52に交流電圧が印加されているとき、コイル52に交流電流が流れて交流磁場が発生する。なお、交流電源は、例えば一般的な商用電源(電源周波数は、50Hz又は60Hz)であるが、これには限られない。
フランジ53は、例えば、ローラ本体31と同じく炭素鋼からなる略円板状の部材である。フランジ53は、固定部50の軸方向基端部に配置されている。フランジ53の径方向中心部には、フランジ53とモータ100の駆動軸101とが互いに干渉しないように、貫通孔53aが形成されている。フランジ53には、ボビン部材51の軸方向基端部が取り付けられている。フランジ53は、モータ100に設けられた不図示の支持部に固定されている。フランジ53は、例えば、固定リング33と軸方向に並べて配置されている。フランジ53と固定リング33は、互いに離隔して配置されている。
以上の構成を有する誘導加熱ローラ20において、コイル52に交流電圧が印加されると、コイル52に交流電流が流れて交流磁場が生成される。これにより、磁束が、ローラ本体31の外筒部34を軸方向に通る(図2の二点鎖線の矢印A参照)。このとき、ローラ本体31において周方向に渦電流が流れ、ジュール熱によって外筒部34が発熱する。
ここで、一般的に、誘導加熱ローラ20においては、磁束の漏れに起因して、軸方向において磁束が一様に流れにくく、外筒部34の発熱が軸方向において均一になりにくい。より詳細には、外筒部34の軸方向端部を通過する磁束が軸方向中央部を通過する磁束よりも少ないため、軸方向端部(両端部)が発熱しにくい。さらに、ローラユニット30の軸方向先端部においては、円板部36を介して熱が外部へ放出されやすい(上述した断熱材によって放熱の抑制が図られているが、放熱を完全に防止することは難しい)。したがって、放熱によって外筒部34の軸方向先端部が冷えてしまいやすい。このように、発熱のしにくさ及び放熱のしやすさに起因して、外周面31aの軸方向先端部の温度が軸方向中央部の温度と比べて低くなりやすく、外周面31aの温度が軸方向においてばらつきやすいという問題がある。
本実施形態では、外筒部34に発生した熱を均熱部材32によって軸方向に伝導させやすくする(移動させやすくする)ことで、均熱部材32が設けられていない場合と比べて、外周面31aの軸方向における温度ばらつきが低減される。しかしながら、このような構成においても、実際にはさらなる改善の余地があることが本願発明者によって知見された。そこで、軸方向における外周面31a(ローラ表面)の温度ばらつきを効果的に低減するため、本実施形態のローラユニット30は以下の構成を有する。
(ローラユニットの詳細構成)
ローラユニット30の詳細構成について、引き続き図2及び図3を参照しつつ説明する。図2に示すように、ローラユニット30は、均熱部材32の軸方向先端側に配置された発熱部材60をさらに有する。発熱部材60は、誘導加熱されることにより外筒部34の先端部及びその近傍を加熱するように構成されている。本実施形態では、発熱部材60は、ローラ本体31及び均熱部材32とは別の部材として設けられている。
発熱部材60は、リング状の導電性部材である。リング状とは、発熱部材60の周方向における全体に亘って形成されていることを意味する。例えば、発熱部材60は、円環状であっても良く、多角形状であっても良い。或いは、発熱部材60は、周方向において複数の導電性のリング片(図示省略)に分割されており、且つ、周方向において隣り合う2つのリング片が互いに接触するように構成されていても良い。発熱部材60の周方向は、外筒部34の周方向と略一致する。発熱部材60の断面(図2参照)は、例えば略矩形状である。つまり、発熱部材60は、例えば、径方向外側に配置された外周面60aと、径方向内側に配置された内周面60bと、軸方向基端側に配置された基端面60cと、軸方向先端側に配置された先端面60dとを有する。
発熱部材60を構成する材料は、好ましくはアルミニウムである。すなわち、少なくとも周方向において、発熱部材60を構成する材料の電気抵抗率は、ローラ本体31を構成する材料の電気抵抗率及び均熱部材32を構成する材料の電気抵抗率よりも低い。具体的には、発熱部材60を構成する材料であるアルミニウムの電気抵抗率は、3.0μΩ・cmである(図3参照)。ローラ本体31を構成する材料である炭素鋼の電気抵抗率は、11.8μΩ・cmである(図3参照)。均熱部材32を構成する材料であるC/Cコンポジットの周方向における電気抵抗率は、ローラ本体31(外筒部34)を構成する材料の電気抵抗率よりも高く、1.3×106μΩ・cmである(図3参照)。均熱部材32を構成する材料の周方向における電気抵抗率は、均熱部材32を構成する材料の軸方向における電気抵抗率(3.9×104μΩ・cm。図3参照)よりも高い。また、発熱部材60は、磁束がローラ本体31を通ることを妨げないように、非磁性材料(強磁性材料でない材料)で形成されていることが好ましい。アルミニウムは非磁性材料である(アルミニウムの比透磁率は1.0である)ため、上記条件が満たされている。また、ローラユニット30の重量の増加を極力避けるため、発熱部材60を構成する材料の密度は低い方が好ましい。これに関して、アルミニウムの密度は、2.7g/cm3である(図3参照)。また、炭素鋼の密度は7.8g/cm3である(図3参照)。また、C/Cコンポジットの密度は1.7g/cm3である(図3参照)。したがって、本実施形態では、発熱部材60の密度(発熱部材60を構成する材料の密度)は、少なくとも、ローラ本体31の密度(ローラ本体31を構成する材料の密度)よりも低い。
本実施形態のように発熱部材60がアルミニウムで構成されている場合、発熱部材60の軸方向における好適な厚みは、例えば2mmである。但し、厚みは上述したものに限られない。
発熱部材60の配置について説明する。発熱部材60は、軸方向において外筒部34の先端側の端部の位置に配置されている。本実施形態では、「外筒部34の先端側の端部の位置」とは、軸方向において、円板部36の基端面36aと、均熱部材32の先端(均熱片41の先端面41d)との間の位置である。発熱部材60は、外筒部34の径方向内側且つ円板部36の軸方向基端側に配置されている。また、発熱部材60は、均熱部材32の軸方向先端側に配置されている。発熱部材60は、均熱部材32と軸方向に並べて隣接配置されている。発熱部材60の基端面60cは、均熱部材32の先端面41dと接触している。これにより、発熱部材60は、ローラ本体31等の他の部材を介さなくても均熱部材32と互いに熱伝導可能である。言い換えると、発熱部材60は、均熱部材32と直接熱伝導可能である。
発熱部材60の先端面60dは、円板部36の基端面36aと接触している。一方、発熱部材60は、径方向において外筒部34と離隔して配置されている。つまり、発熱部材60の外周面60aは、外筒部34の内周面34bと離れている。発熱部材60の内周面60bは、各均熱片41の内面41bと概ね面一になるように配置されているが、これには限られない。本実施形態では、発熱部材60は、軸方向において、少なくとも一部が、巻掛領域Rと重なる位置に配置されているが、これには限られない。
発熱部材60は、上述した押圧部材43及びばね44によって、均熱部材32と共に軸方向先端側へ押圧されている。これにより、発熱部材60は、軸方向において均熱部材32とローラ本体31の円板部36との間に挟まれて固定されている。
(温度ばらつきの低減のメカニズム)
以上の構成を有する誘導加熱ローラ20において、以下のようにして外周面31aの温度が均一化される。すなわち、コイル52に電流が流れることにより発生する磁束のうち、大部分の磁束はローラ本体31を通る(図2の矢印A参照)。一方、一部の磁束はローラ本体31から漏れ、発熱部材60を通る。上記一部の磁束のうち、発熱部材60を軸方向に通る成分によって、発熱部材60の内部において、発熱部材60の周方向に誘導起電力が生じる。この誘導起電力によって、発熱部材60の周方向に渦電流が流れ、発熱部材60がジュール熱によって発熱する。上述したように、発熱部材60を構成する材料の電気抵抗率は、ローラ本体31を構成する材料の電気抵抗率よりも低い。このため、発熱部材60の内部に大きな渦電流が流れやすいので、発熱部材60が大きく発熱する。このように、発熱部材60が誘導加熱されることによって、外筒部34の軸方向端部近傍における発熱量が増える。これにより、外筒部34の軸方向端部近傍の温度が上がりやすくなる。
さらに、本実施形態では、発熱部材60において発生した熱は、発熱部材60と接触している均熱部材32に直接伝導される。このため、均熱部材32によって、発熱部材60において発生した熱を軸方向において外筒部34に略均一に伝えることができ、ひいてはローラ本体31の外周面31aに熱を略均一に伝えることができる。これにより、外周面31aの軸方向端部のみの温度が異常に高くなることが抑制される。また、発熱部材60に発生した熱は、外筒部34に直接伝導されるのではなく、均熱部材32を介して外筒部34に間接的に伝導される。したがって、発熱部材60に発生した熱を外筒部34に直接伝導させる場合と比べて、外周面31aの軸方向端部のみの温度が異常に高くなることがより効果的に抑制される。以上のようなメカニズムによって、軸方向における外周面31aの温度ばらつきが低減される。
(温度ばらつきの低減効果の確認結果)
次に、発熱部材60による温度ばらつきの低減効果の確認結果について、図4のグラフを参照しつつ具体的に説明する。本願発明者は、ローラユニット30に発熱部材60が設けられている場合(実施例)と設けられていない場合(比較例)とで、ローラ本体31の外周面31aの軸方向における温度分布を実測して比較した。共通条件として、外周面31aの設定温度を200℃とした。
比較結果を図4に示す。グラフの横軸は、外周面31aの、ローラ本体31の先端からの距離を表す。つまり、上記距離が小さいほどローラ本体31の軸方向先端に近く、上記距離が大きいほどローラ本体31の軸方向基端に近い。なお、上述したように、外周面31aの軸方向における長さは150mmである。糸Yが巻き掛けられる巻掛領域Rは、例えば、ローラ本体31の軸方向先端から軸方向基端側に16〜140mmの領域である。グラフの縦軸は、外周面31aの温度の、設定温度(200℃)との差を示す。比較例(図4の塗りつぶされていない丸印を参照)においては、外周面31aの軸方向中央部から遠い部分の温度が大きく低下する。特に、巻掛領域Rの軸方向先端(ローラ本体31の先端から軸方向基端側に16mmの位置)において、外周面31aの温度は、設定温度よりも約5℃低いという結果になった。一方、実施例(図4の塗りつぶされた丸印を参照)においては、巻掛領域Rの軸方向先端部の温度と設定温度との差が約1.5℃まで低減された。したがって、誘導加熱ローラ20において、均熱部材32及び発熱部材60によって、軸方向における外周面31aの温度ばらつきが低減されることが実証された。
以上のように、電気抵抗率が低い発熱部材60が誘導加熱されることにより、外筒部34の軸方向端部近傍における発熱量を増やすことができる。これにより、外筒部34の軸方向端部近傍の温度を上げやすくすることができる。さらに、発熱部材60において発生した熱は、均熱部材32に直接伝導される。このため、均熱部材32によって、上記熱を軸方向において外筒部34に略均一に伝えることができ、ひいてはローラ本体31の外周面31aに熱を略均一に伝えることができる。これにより、ローラ本体31の外周面31aの軸方向端部のみの温度が異常に高くなることを抑制できる。以上のようにして、誘導加熱ローラ20において、軸方向における外筒部34の温度ばらつきを効果的に低減でき、外周面31aの温度ばらつきを効果的に低減できる。
また、容易且つ安価に製造可能なリング状の発熱部材60が、ローラ本体31及び均熱部材32とは別の部材として設けられている。このため、発熱部材60がローラ本体31又は均熱部材32と一体的に形成されている場合と比べて、製造の手間及び製造コストの増大を抑制できる。
また、熱を軸方向に移動させる均熱部として、単純に、熱伝導率の高い均熱部材32が設けられている。したがって、均熱部として例えばジャケット室(後述)が設けられた構成と比べて、ローラユニット30の構造を単純化できる。
また、本実施形態では、均熱部材32が外筒部34の径方向内側に配置され、発熱部材60が均熱部材32と軸方向において隣接している。このため、例えば、発熱部材60が均熱部材32の径方向内側に配置された場合と比べて、径方向において発熱部材60が外筒部34の近くに配置される。したがって、外筒部34の加熱効率の悪化を抑制できる。
また、本実施形態では、発熱部材60に発生した熱を均熱部材32に直接伝導させることができる。このため、外周面31aの軸方向端部のみの温度が異常に高くなることを抑制できる。したがって、外筒部34の温度を軸方向において効果的に均一化でき、ローラ本体31の外周面31aの温度ばらつきを低減できる。
また、本実施形態では、発熱部材60に発生した熱は、外筒部34に直接伝導されるのではなく、均熱部材32を介して外筒部34に間接的に伝導される。したがって、発熱部材60に発生した熱を外筒部34に直接伝導させる場合と比べて、外筒部34の軸方向端部のみの温度が異常に高くなることをより確実に抑制できる。
また、本実施形態では、ローラ本体31と均熱部材32と発熱部材60とが別々の部材として設けられた構成において、1つの押圧部42によって、均熱部材32及び発熱部材60の両方を軸方向先端側(円板部36側)へ押圧することができる。これにより、軸方向において、均熱部材32及び発熱部材60を押圧部42と円板部36との間に挟んでローラ本体31に固定できる。したがって、発熱部材60が均熱部材32と径方向において異なる位置に配置されている場合と比べて、単純な構成によって発熱部材60をローラ本体31に固定できる。
また、本実施形態のように、ローラ本体31が片持ち支持された誘導加熱ローラ20においては、ローラ本体31の軸方向における端面(先端面36b)が外気に晒されている。このため、ローラ本体31の軸方向先端部からの放熱が多く、外筒部34の軸方向先端部の温度が特に下がりやすいという問題がある。この点、本実施形態では、発熱部材60によって外筒部34の軸方向先端部近傍が加熱されるため、外筒部34の軸方向先端部の温度低下を効果的に抑制できる。したがって、外筒部34の温度ばらつきを効果的に低減でき、ローラ本体31の外周面31aの温度ばらつきを低減できる。
また、発熱部材60が非磁性材料で構成されている。したがって、磁束の流れ方が本来意図する流れ方と異なる事態を回避できる。
また、発熱部材60の密度(すなわち、発熱部材60を構成する材料であるアルミニウムの密度)は、少なくとも、外筒部34の密度(すなわち、外筒部34を構成する材料である炭素鋼の密度)よりも低い。したがって、発熱部材60が設けられたことによる誘導加熱ローラ20の重量の増加を抑制できる。
また、周方向において外筒部34よりも均熱部材32に渦電流が流れやすい場合、以下のような問題が生じうる。まず、昇温の対象である外筒部34から多少なりとも離れた位置に配置された均熱部材32が発熱すると、外筒部34だけでなく他の部材及び/又は空間にも熱が拡散しうる。このように拡散する熱が、外筒部34へ均一に伝わるとは限らない。また、均熱部材32は軸方向において外筒部34よりも短いため、均熱部材32が発熱すると、外筒部34にとって、軸方向における発熱分布が不均一になってしまう。これらの要因により、軸方向における外筒部34の温度ばらつきが大きくなるおそれがある。本実施形態では、軸方向において、均熱部材32を構成する材料の熱伝導率が、外筒部34を構成する材料の熱伝導率よりも高い。また、周方向において、均熱部材32を構成する材料の電気抵抗率は、外筒部34を構成する材料の電気抵抗率よりも高い。したがって、均熱部材32によって熱を軸方向に伝えやすくすることができるとともに、周方向において均熱部材32に渦電流が流れることを抑制し、均熱部材32自体の不要な発熱を抑制できる。このため、均熱部材32の発熱に起因して外筒部34の温度ばらつきが大きくなってしまうことを抑制できる。
また、本実施形態の紡糸延伸装置3では、軸方向における温度ばらつきが低減された外筒部34の周りに糸Yが巻き掛けられる。したがって、誘導加熱ローラ20によって加熱される複数の糸Yの間での品質ばらつきを低減できる。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態においては、均熱部材32が、炭素繊維が軸方向に配向されたC/Cコンポジットで構成され、且つ、発熱部材60がアルミニウムで構成されているものとしたが、これには限られない。均熱部材32を構成する材料は、熱伝導率及び電気抵抗率に関して異方性を有する(つまり、熱伝導率が軸方向と周方向とで互いに異なり、且つ、電気抵抗率が軸方向と周方向とで互いに異なる)ものとしたが、これには限られない。例として、図5(a)に示すように、均熱部材32は炭素繊維がランダム配向されたC/Cコンポジットで構成されていても良い。また、発熱部材60が亜鉛で構成されていても良い。具体的には、ランダム配向のC/Cコンポジットの電気抵抗率は1.3×103μΩ・cmである。亜鉛の電気抵抗率は6.0μΩ・cmである。本構成においても、発熱部材60を構成する亜鉛の密度は7.1g/cm3であり、ローラ本体31を構成する炭素鋼の密度(7.8g/cm3)よりも低い。
(2)前記までの実施形態において、発熱部材60を構成する材料の密度は、ローラ本体31を構成する材料の密度よりも低いものとしたが、これには限られない。例として、図5(b)に示すように、均熱部材32がアルミニウム(金属材料)で構成され、且つ、発熱部材60が、アルミニウムの電気抵抗率(3.0μΩ・cm)よりも低い電気抵抗率(1.9μΩ・cm)を有する銅で構成されていても良い。この場合、発熱部材60を構成する銅の密度は8.9g/cm3であり、ローラ本体31を構成する炭素鋼の密度(7.8g/cm3)よりも高い。また、上述したように、均熱部材32は、必ずしもC/Cコンポジットで構成されていなくても良い。少なくとも、均熱部材32を構成する材料の軸方向における熱伝導率が、ローラ本体31を構成する材料の軸方向における熱伝導率よりも高ければ良い。具体的には、アルミニウムの熱伝導率は222W/(m・K)であり、炭素鋼の熱伝導率(51.5W/(m・K))よりも高い。また、均熱部材32が金属材料で構成されている場合、均熱部材32は必ずしも複数の均熱片41に分割されていなくても良い(均熱部材32が、例えば1つの略円筒状の部材で構成されていても良い)。
また、ローラ本体31、均熱部材32及び発熱部材60をそれぞれ構成する材料の組み合わせは、上述したものに限定されない。発熱部材60は、少なくとも、ローラ本体31を構成する材料及び均熱部材32を構成する材料よりも電気抵抗率が低い材料で構成されていれば良い。例えば、発熱部材60は、真鍮、金又は銀で構成されていても良い。また、発熱部材60が複数のリング片に分割された構成において、複数のリング片は必ずしも同じ種類の材料で構成されていなくても良い。つまり、複数のリング片がそれぞれ異なる種類の材料で構成されていても良い。また、周方向において、均熱部材32を構成する材料の電気抵抗率は、必ずしもローラ本体31(外筒部34)を構成する材料の電気抵抗率よりも高くなくても良い。
(3)前記までの実施形態において、発熱部材60は、非磁性材料で構成されているものとしたが、これには限られない。発熱部材60が強磁性材料で構成されている場合でも、発熱部材60の大きさ及び配置を工夫することで、外筒部34の軸方向先端部に磁束が通りにくくなることを抑制しつつ、発熱部材60によって外筒部34の軸方向先端部を加熱しても良い。
(4)ローラ本体31は、炭素鋼以外の強磁性材料(コバルト、ニッケル等)で構成されていても良い。或いは、ローラ本体31は、必ずしも強磁性材料で構成されていなくても良い。
(5)前記までの実施形態において、発熱部材60等は、円板部36の基端面36aと接触しているものとしたが、これには限られない。軸方向において、発熱部材60と円板部36との間に、例えば不図示のスペーサーが設けられていても良い。
(6)前記までの実施形態において、発熱部材60は径方向において外筒部34と離隔して配置されているものとしたが、これには限られない。例えば図6(a)に示すように、発熱部材61の外周面61aが、外筒部34の内周面34bと接触していても良い。これにより、発熱部材61が外筒部34と直接熱伝導可能であっても良い。このような構成は、製造工程において発熱部材61をローラ本体31に組み付ける際に、ローラ本体31を予め温めて膨張させておくことにより実現できる(焼き嵌め)。このような構成では、発熱部材61に発生する熱によって外筒部34を効率的に温めることができる。このため、当該構成は、発熱部材61において発生する熱量が少ない場合に有効である。さらに、このような構成において、発熱部材61は、必ずしも均熱部材32と接触していなくても良い。つまり、発熱部材61は、必ずしも均熱部材32と直接熱伝導可能でなくても良い。具体例として、図6(b)に示すように、軸方向において、発熱部材61と均熱部材32との間にリング部材62が設けられていても良い。リング部材62を構成する材料の熱伝導率は、例えば、ローラ本体31を構成する材料の熱伝導率よりも低くても良い。この場合、発熱部材61において発生した熱は、まず外筒部34に伝導された後、外筒部34を介して均熱部材32にも伝導される。
(7)前記までの実施形態において、発熱部材60の内周面60bは、各均熱片41の内面41bと概ね面一に配置されているものとしたが、これには限られない。例えば、図6(c)に示すように、発熱部材63の内面63bは、各均熱片41の内面41bよりも径方向外側に配置されていても良い。或いは、図6(d)に示すように、発熱部材64の内面64bが、内面41bよりも径方向内側に配置されていても良い。
或いは、図6(e)に示すように、断面L字形状を有する発熱部材65が、各均熱片41の先端面41d及び内面41bの両方と接触するように配置されていても良い。この場合、「外筒部34の先端側の端部の位置」とは、例えば、円板部36の先端面36bから軸方向基端側に15mm以内の位置である。つまり、発熱部材65は、軸方向において、先端面36bから基端側に15mm以内の領域内に収まるように配置されている。なお、当該領域は、軸方向において巻掛領域R(図2参照)と重ならない領域であることがより好ましい。この場合、軸方向において、ローラユニット30のうち巻掛領域Rを構成する部分の構造を略均一にすることができる。
(8)前記までの実施形態において、発熱部材60等は、均熱部材32と軸方向に並べて配置されているものとしたが、これには限られない。例えば、図6(f)に示すように、発熱部材66は、均熱片41の径方向内側に配置されており内面41bと接触していても良い。この場合、発熱部材66は、例えば不図示のネジによってローラ本体31の円板部36に固定されていても良い。この場合においても、「外筒部34の先端側の端部の位置」は、上記(7)の変形例と同様に定義される。
(9)前記までの実施形態において、コイル52が外筒部34の径方向内側に配置されているものとしたが、これには限られない。コイル52の代わりに、外筒部34の径方向外側に不図示のコイルが配置されていても良い。この場合、発熱部材60は、外筒部34の径方向外側に隣接配置されていても良い。また、この場合、発熱部材60の軸方向における少なくとも一部が、円板部36の基端面36aよりも軸方向先端側に配置されていても良い。
(10)前記までの実施形態において、発熱部材60等は、軸方向において外筒部34の先端側の端部の位置に配置されているものとしたが、これには限られない。発熱部材60等は、軸方向において、外筒部34の基端側の端部の位置(例えば、外筒部34の軸方向基端から軸方向先端側に10mm以内の領域内)に配置されていても良い。なお、当該領域は、軸方向において巻掛領域R(図2参照)と重ならない領域であることがより好ましい。
(11)前記までの実施形態においては、ローラ本体31が片持ち支持されているものとしたが、これには限られない。すなわち、誘導加熱ローラ20は、両持ち支持されたローラ本体(不図示)を備えていても良い。また、当該ローラ本体の軸方向における両端部に、上述した円板部36と同様の円板部(不図示)が配置されていても良い。
(12)前記までの実施形態において、均熱部材32(均熱部)は、ローラ本体31とは別の部材として設けられている(すなわち、互いに分離可能である)ものとしたが、これには限られない。以下、図7を参照しつつ具体的に説明する。図7に示すように、誘導加熱ローラ20Aにおいて、ローラユニット70のローラ本体71は、上述した外筒部34の代わりに外筒部74を有する。また、ローラユニット70は、ローラ本体71内に形成された均熱部72を有する。均熱部72は、径方向において、外筒部74の外周面74aと内周面74bとの間に配置されている。より詳細には、均熱部72は、外筒部74の内部に形成されたジャケット室75を有する。ジャケット室75は、軸方向に延びている。ジャケット室75内には、気液二相の熱媒体(不図示)が封入されている。このような均熱部72は、いわゆるヒートパイプとして機能する。より詳細には、ジャケット室75内の気体が軸方向に高速移動することにより、熱が軸方向に高速移動する。均熱部72によって、軸方向に熱を移動させ、ローラ本体71の外周面71aの温度を均一化しても良い。この場合、発熱部材67は、外筒部74の内周面74bと接触していても良い。なお、当該変形例においては、固定リング33の代わりに固定リング73が設けられているが、固定リング73は、必ずしもローラ本体71と別の部材でなくても良い。固定リング73は、ローラ本体71と一体的に形成されていても良い。
(13)前記までの実施形態において、例えば発熱部材60が、ローラ本体31及び均熱部材32とは別の部材として設けられているものとしたが、これには限られない。例えば、外筒部34よりも電気抵抗率が低く、誘導加熱される発熱部として機能するリング部(不図示)が、外筒部34の軸方向先端部に圧接(溶接)されていても良い。これにより、リング部が外筒部34と一体的に形成されていても良い。このような構成においても、外筒部34に圧接されたリング部は、外筒部34と隣接配置されている。これにより、リング部は、外筒部34と直接(すなわち、他の部分を介さずに)熱伝導可能である。外筒部34に圧接されたリング部は、均熱部材32と接触していても良く、或いは均熱部材32と離隔していても良い。或いは、このようなリング部は、均熱部材32に圧接されていても良い。均熱部材32に圧接されたリング部は、均熱部材32と隣接配置されている。これにより、リング部は、均熱部材32と直接熱伝導可能である。均熱部材32に圧接されたリング部は、外筒部34と接触していても良く、或いは外筒部34と離隔していても良い。
(14)発熱部材60等の発熱部は、糸Y以外の加熱対象物(例えば、プリンタ用のトナー)を加熱するための誘導加熱ローラ(不図示)に設けられていても良い。
3 紡糸延伸装置
20 誘導加熱ローラ
30 ローラユニット
31 ローラ本体
32 均熱部材(均熱部)
34 外筒部(筒状部)
34b 内周面
42 押圧部
52 コイル
60 発熱部材(発熱部)
Y 糸(加熱対象物)

Claims (13)

  1. 回転可能なローラユニットと、コイルと、を備える誘導加熱ローラであって、
    前記ローラユニットは、
    前記ローラユニットの軸方向に延びた筒状部を有し、前記コイルに電流が流れているときに前記筒状部が誘導加熱されるローラ本体と、
    前記筒状部に生じた熱を前記軸方向に移動させることが可能であり、且つ、前記軸方向において前記筒状部よりも熱を移動させやすい均熱部と、
    前記軸方向において前記筒状部の端部の位置に配置され、前記コイルに電流が流れているときに誘導加熱される発熱部と、を有し、
    前記発熱部は、
    前記筒状部を構成する材料及び前記均熱部を構成する材料よりも電気抵抗率が低い材料からなり、
    前記筒状部及び前記均熱部のうち少なくとも一方と隣接配置されていることを特徴とする誘導加熱ローラ。
  2. 前記発熱部は、
    前記ローラ本体及び前記均熱部とは別の部材として設けられ且つ前記筒状部及び前記均熱部のうち少なくとも一方と接触している、リング状の発熱部材を有することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱ローラ。
  3. 前記均熱部は、
    前記ローラ本体とは別の部材として設けられ且つ前記筒状部の内周面に接触している、前記筒状部よりも前記軸方向における熱伝導率が高い均熱部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱ローラ。
  4. 前記均熱部は、前記ローラユニットの径方向において前記筒状部の内側に配置され、
    前記発熱部は、前記均熱部と前記軸方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  5. 前記発熱部は、前記均熱部と隣接配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  6. 前記発熱部は、前記筒状部と離隔して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱ローラ。
  7. 前記発熱部は、前記筒状部と隣接配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  8. 前記ローラ本体は、
    前記筒状部の前記軸方向における一方側の端から前記ローラユニットの径方向における内側へ延びた円板部を有し、
    前記均熱部は、
    前記ローラ本体とは別の部材として設けられ且つ前記筒状部の内周面に接触している、前記筒状部よりも前記軸方向における熱伝導率が高い均熱部材を有し、
    前記発熱部は、
    前記ローラ本体及び前記均熱部材とは別の部材として設けられ且つ前記均熱部材と前記軸方向に並べて配置された、リング状の発熱部材を有し、
    前記均熱部材及び前記発熱部材よりも前記軸方向における他方側に配置され、前記均熱部材及び前記発熱部材を前記一方側へ押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  9. 前記ローラ本体は、片持ち支持されており、
    前記発熱部は、前記筒状部の前記軸方向における先端側の端部の位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  10. 前記発熱部は、非磁性材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  11. 前記発熱部の密度は、少なくとも、前記筒状部の密度よりも低いことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  12. 前記軸方向において、前記均熱部を構成する材料の熱伝導率が、前記筒状部を構成する材料の熱伝導率よりも高く、
    前記ローラユニットの周方向において、前記均熱部を構成する材料の電気抵抗率が、前記筒状部を構成する材料の電気抵抗率よりも高いことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の誘導加熱ローラ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の誘導加熱ローラを備える紡糸延伸装置であって、
    前記筒状部の周りに、加熱対象物として複数の糸が前記軸方向に並べて巻き掛けられることを特徴とする紡糸延伸装置。
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