JP2021189029A - 河川水流測定装置、該方法および該プログラムならびに記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、水流測定の精度を向上できる河川水流測定装置、河川水流測定方法、河川水流測定プログラムおよび記録媒体を提供する。【解決手段】本発明の河川水流測定装置Dは、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する装置であって、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成部23と、機械学習後の推定モデルを用いることによって、STI生成部23で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定部27と、推定部27から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理部28とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、河川の水流を測定する河川水流測定装置、河川水流測定方法および河川水流測定プログラム、ならびに、前記河川水流測定プログラムを記録した記録媒体に関する。
近年、河川災害の防止、農工業利用および飲水利用等のために、流速や流量等の、河川の水流を測定することが重要となってきている。河川水流の測定には、浮子法やADCP(Acoustic Doppler Current Profile)等の手法が、種々、開発されているが、その1つに、非特許文献1ないし非特許文献3に開示されたSTIV(Space−Time Image Velocimetry)と呼ばれる手法がある。
このSTIVは、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速(表面流速)を測定する手法である。より具体的には、まず、測定対象の河川の表面が例えばビデオ撮影され、前記河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像が生成される。前記複数の表面画像は、河川を斜めから撮像したものであるため、続いて、前記複数の表面画像それぞれについて、当該表面画像は、河川を真上から見た平面の表面画像(オルソ補正後の表面画像)に変換(補正)される。続いて、表面流速を求める所望の箇所に、前記河川の主流方向に沿って、所定の幅であって所定の長さである帯状(線状、リボン状)の検査線が設定される。続いて、前記変換後の複数の表面画像それぞれから、前記検査線に対応する複数の帯状部分画像が抽出され、これら抽出された複数の帯状部分画像が各一方端を揃えて時系列順に並置され、これによって前記検査線の時空間画像(STI、Space−Time Image)が生成される。例えば波紋や浮遊物等の、前記検査線に対応する帯状部分画像における特徴点は、表面流速によって流れるので、前記検査線の時空間画像では、略斜線のパターン(斜線パターン)となって現れる。このため、続いて、前記検査線の時空間画像から前記斜線パターンが抽出される。そして、この抽出した斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面平均流速が求められる。
Ichiro Fujita、at al.、"Development of a non-intrusive and efficient flow monitoring technique: The space-time image velocimetry (STIV)"、Intl. J. River Basin Management Vol.5、No.2 (2007)、pp.105-114 藤田一郎、at al.、「STIVによる劣悪な撮影条件での河川洪水流計測」、水工学論文集.第53巻.pp.1003-1008、2009年2月 能登谷祐一、at al.、「河川表面画像計測STIVにおける新手法とSTI画質評価法の開発」、土木学会論文集B1(水工学)、Vol.73、No.4、I_505-I_510、2017.
このSTIVでは、上述から分かるように、精度向上には、STIから斜線パターンをより精度よく検出することが1つの重要なファクターである。このため、当初、マニュアルで目視により斜線パターンを検出していたが、精度向上のために、輝度勾配テンソル法やQESTA(Quality Evaluation of STI by using Two dimensional Autocorrelation function)等が開発されてきている。しかしながら、例えばレンズに水滴が付着した状態で河川が撮像される場合や、夜間に河川が撮影される場合等では、輝度分布が曖昧な表面画像となってしまうため、前記輝度勾配テンソル法やQESTAでは、精度が低下してしまい、精度向上には、改善の余地がある。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、水流測定の精度を向上できる河川水流測定装置、河川水流測定方法および河川水流測定プログラム、ならびに、前記河川水流測定プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる河川水流測定装置は、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する装置であって、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成部と、機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成部で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定部と、前記推定部から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理部とを備える。好ましくは、上述の河川水流測定装置において、前記推定モデルは、深層学習モデルである。好ましくは、前記深層学習モデルは、CNN(Convolution Neural Network)である。
このような河川水流測定装置は、機械学習後の推定モデルを用いる推定部を備えるので、より精度よく斜めパターンの角度を出力できるから、水流測定(ここでは表面流速測定)の精度を向上できる。
他の一態様では、上述の河川水流測定装置において、前記STI生成部で生成したSTIに基づいて、互いに倍率の異なる複数の変倍STIを生成する変倍STI生成部をさらに備え、前記推定部は、前記斜めパターンの角度と共に、さらに、前記角度に対する信頼の度合いを表す信頼度を出力し、前記流速処理部は、前記変倍STI生成部で生成した複数の変倍STIそれぞれについて前記推定部から出力された複数の信頼度の中から最も高い信頼度を選定し、前記変倍STI生成部で生成した複数の変倍STIそれぞれについて前記推定部から出力された複数の斜めパターンの角度の中から、前記選定した最も高い信頼度に対応する斜めパターンの角度を選定し、前記選定した斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める。好ましくは、上述の河川水流測定装置において、前記変倍STIは、STIの中央における所定の大きさの領域に基づいて生成される。
このような河川水流測定装置は、複数の変倍STIを生成し、最も高い信頼度に対応する斜めパターンの角度を用いるので、水流測定(ここでは表面流速測定)の精度をより向上できる。
他の一態様では、上述の河川水流測定装置において、前記STI生成部で生成したSTIに、フーリエ変換し、輝度値の対数を求め、定常成分を除去する前処理を施したSTIを生成する前処理部をさらに備える。
このような河川水流測定装置は、STI生成部で生成したSTIに前処理を施したSTIを生成するので、推定部が前処理を施したSTIを用いて斜めパターンの角度を出力できるから、水流測定(ここでは表面流速測定)の精度をより向上できる。
他の一態様では、上述の河川水流測定装置において、前記所定の検査線は、1または複数であり、前記流速処理部で求めた前記1または複数の検査線での1または複数の表面流速、前記河川の横断面の形状、および、前記河川の水位に基づいて、前記河川の流量を求める流量処理部をさらに備える。
このような河川水流測定装置は、流量処理部をさらに備え、精度の向上した表面流速を用いて流量を求めるので、水流測定の他の一例である流量測定の精度を向上できる。
本発明の他の一態様にかかる河川水流測定方法は、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する方法であって、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成工程と、機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成工程で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定工程と、前記推定工程から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理工程とを備える。本発明の他の一態様にかかる河川水流測定プログラムは、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定するプログラムであって、コンピュータに、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成工程と、機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成工程で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定工程と、前記推定工程から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理工程とを実行させるためのプログラムである。
このような河川水流測定方法および河川水流測定プログラムは、機械学習後の推定モデルを用いる推定工程を備えるので、より精度よく斜めパターンの角度を出力できるから、水流測定(ここでは表面流速測定)の精度を向上できる。
本発明の他の一態様にかかる記録媒体は、上述の河川水流測定プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体である。
これによれば、前記河川水流測定プログラムを記録した記録媒体が提供できる。
本発明にかかる河川水流測定装置、河川水流測定方法および河川流量測定プログラムは、水流測定の精度を向上できる。本発明によれば、前記河川水流測定プログラムを記録した記録媒体が提供できる。
実施形態における河川水流測定装置の構成を示すブロック図である。 前記河川水流測定装置におけるオルソ補正を説明するための図である。 STIの生成手法を説明するための図である。 前記河川水流測定装置の動作を示すフローチャートである。 前記河川水流測定装置におけるSTI生成処理、サイズ調整処理および前処理の各処理結果の一例を示す図である。 前記河川水流測定装置における変倍STI生成処理および推定処理の各処理結果の一例を示す図である。 STIの斜めパターンの一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における河川水流測定装置は、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する装置である。この河川水流測定装置は、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成部と、機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成部で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定部と、前記推定部から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理部とを備える。以下、より具体的に説明する。
図1は、実施形態における河川水流測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、前記河川水流測定装置におけるオルソ補正を説明するための図である。図2Aは、河川を斜め上方から撮像した表面画像の一例であり、図2Bは、図2Aに示す表面画像の模式図である。図2Cは、オルソ補正に変換された、図2Aを河川の河川を真上から見た表面画像であり、図2Dは、図2Cに示す表面画像の模式図である。図2Aないし図2Dには、検査線DLも図示されている。図3は、STIの生成手法を説明するための図である。図3Aないし図3Eは、表面画像の模式図であり、図Fは、STIの模式図である。
実施形態における河川水流測定装置Dは、例えば、図1に示すように、表面画像取得部1と、制御処理部2と、入力部3と、出力部4と、インターフェース部(IF部)5と、記憶部6とを備える。
表面画像取得部1は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像を取得する装置である。前記表面画像は、河川の表面を真上から撮像することによって生成された画像であってよい(この場合、後述のオルソ補正が省略できる)が、前記真上の撮像は、一般的に、容易ではないので、前記表面画像は、通常、河川の表面を斜め上方から撮像することによって生成された画像となる。この場合、図2Aおよび図2Bに示すように、オルソ補正するための標定点となる複数のマーカMKが表面画像に写り込むように河川周辺に設置される。前記標定点(マーカMK)は、3次元座標が既知な点である。図2Aには、河川RV、手前の岸LA1、対岸LA2、ならびに、手前の岸LA1に設置された第1および第2マーカMK1、MK2等が写り込んでいる。前記複数のマーカMKは、オルソ補正の係数を求めるために、例えば焦点距離等のカメラパラメータが既知である場合には、例えば、河川の手前に2個、設置され、河川の対岸に2個、設置されてよいが、本実施形態では、前記カメラパラメータも推定するために、河川の手前に3個、設置され、河川の対岸に3個、設置される。図2Aおよび図2Bでは、検査線DLを明瞭に示すために、2個の第1および第2マーカMK1、MK2が図示され、残余のマーカMKが写り込んでいない(図略されている)。
表面画像取得部1は、例えば、河川の表面を撮像することによって時系列に連続した複数の表面画像を生成する撮像装置である。前記複数の表面画像は、予め設定された所定の撮像時間間隔(サンプリング間隔)で河川の表面を撮像することによって生成された複数の静止画であってよいが、所定のフレームレート(例えば24fpsおよび30fps等)で河川の表面を撮像することによって生成された動画の各フレームである。前記撮像装置は、例えば、可視光の画像を生成する可視カメラ、および、赤外線(赤外光)の画像を生成する赤外線カメラ等である。この表面画像取得部1としての撮像装置は、有線または無線によって制御処理部2に接続されてよい。あるいは、表面画像取得部1は、例えば、外部の機器との間でデータを入出力するインターフェース回路である。前記外部の機器は、前記複数の表面画像を記憶した、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリおよびSDカード(登録商標)等の記憶媒体である。あるいは、前記外部の機器は、前記複数の表面画像を記録した、例えばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)およびDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)等の記録媒体からデータを読み込むドライブ装置である。この表面画像取得部1としてのインターフェース回路は、有線または無線によって前記外部の機器に接続されて良い。あるいは、表面画像取得部1は、例えば、外部の機器と通信信号を送受信する通信インターフェース回路であって、前記外部の機器は、ネットワーク(WAN(Wide Area Network、公衆通信網を含む))あるいはLAN(Local Area Network)を介して前記通信インターフェース回路に接続され、前記複数の表面画像を管理するサーバ装置である。なお、表面画像取得部1がインターフェース回路や通信インターフェース回路である場合では、表面画像取得部1は、IF部5と兼用されても良い(すなわち、IF部5が表面画像取得部1として用いられても良い)。
入力部3は、制御処理部2に接続され、例えば水流の測定開始を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば前記複数の表面画像における河川の名称等の、河川水流測定装置Dの稼働を行う上で必要な各種データを、河川水流測定装置Dに入力する装置であり、例えば、所定の機能を割り付けられた複数の入力スイッチ、キーボードおよびマウス等である。出力部4は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、入力部3から入力されたコマンドやデータ、および、河川水流測定装置Dによって求められた流速および流量等を出力する装置であり、例えばCRTディスプレイ、LCD(液晶表示装置)および有機ELディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
なお、入力部3および出力部4は、タッチパネルより構成されてもよい。このタッチパネルを構成する場合において、入力部3は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置であり、出力部4は、表示装置である。このタッチパネルでは、表示装置の表示面上に位置入力装置が設けられ、表示装置に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置に触れると、位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として河川水流測定装置Dに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い河川水流測定装置Dが提供される。
IF部5は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、例えば、外部の機器との間でデータを入出力する回路であり、例えば、シリアル通信方式であるRS−232Cのインターフェース回路、Bluetooth(登録商標)規格を用いたインターフェース回路、および、USB規格を用いたインターフェース回路等である。また、IF部5は、例えば、データ通信カードや、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路等の、外部の機器と通信信号を送受信する通信インターフェース回路であってもよい。
記憶部6は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、制御処理プログラムが含まれ、前記制御処理プログラムには、河川水流測定装置Dの各部1、3〜6を制御する制御プログラムや、オルソ補正するオルソ補正プログラムや、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成プログラムや、STIのサイズを調整するサイズ調整プログラムや、前記STI生成部で生成したSTIに、フーリエ変換し、輝度値の対数を求め、定常成分を除去する前処理を施したSTIを生成する前処理プログラムや、前記STI生成プログラムで生成したSTIに基づいて、互いに倍率の異なる複数の変倍STIを生成する変倍STI生成プログラムや、機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成プログラムで生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定プログラムや、前記推定プログラムから出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔(本実施形態ではフレームレート)および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理プログラムや、前記流速処理部で求めた前記1または複数の検査線での1または複数の表面流速、前記河川の横断面の形状、および、前記河川の水位に基づいて、前記河川の流量を求める流量処理プログラム等が含まれる。このような各プログラムは、例えば、前記各プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体によって提供され、記憶部6に記憶される。前記各種の所定のデータには、前記複数の表面画像、前記推定プログラムによって求められた斜めパターンの角度、前記流速処理プログラムによって求められた前記検査での流速、前記流量処理プログラムによって求められた前記河川の流量、および、前記河川に関する所定のデータを表す河川情報等の、これら各プログラムを実行する上で必要なデータが含まれる。このような記憶部6は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部6は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部2のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。また、記憶部6は、比較的記憶容量の大きいハードディスク装置を備えて構成されてもよい。
そして、記憶部6は、前記河川情報を記憶する河川情報記憶部61を機能的に備える。前記河川情報は、本実施形態では、例えば、前記河川の流量を求める上で必要となるデータを表す情報であり、前記河川の横断面の形状を表す横断面形状情報、および、前記河川の水位を表す水位情報等である。前記河川情報は、公知の常套手段により予め実測され、例えば、入力部3から入力され、河川情報記憶部61に記憶される。あるいは、例えば、前記複数の表面画像が前記記憶媒体、前記記録媒体および前記サーバ装置から表面画像取得部1で取得される場合に、前記複数の表面画像に付随して前記河川情報が、前記記憶媒体、前記記録媒体および前記サーバ装置に格納され、表面画像取得部1で取得され、河川情報記憶部61に記憶される。
制御処理部2は、河川水流測定装置Dの各部1、3〜6を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、流速や流量等の、河川の水流を測定するための回路である。制御処理部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部2は、制御処理プログラムが実行されることによって、制御部21、オルソ補正部22、STI生成部23、サイズ調整部24、前処理部25、変倍STI生成部26、推定部27、流速処理部28および流量処理部29を機能的に備える。
制御部21は、河川水流測定装置Dの各部1、3〜6を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、河川水流測定装置Dの全体制御を司るものである。
オルソ補正部22は、表面画像取得部1で取得した、河川を斜めから撮像した前記複数の表面画像それぞれについて、当該表面画像が河川を真上から見た平面の表面画像(オルソ補正後の表面画像)となるように、いわゆるオルソ補正(幾何補正)を実行するものである。例えば、標定点(マーカMK)の3次元座標等の、オルソ補正に必要な情報は、前記河川情報と同様に、例えば、入力部3から入力され、あるいは例えば、前記複数の表面画像に付随して表面画像取得部1で取得され、記憶部6に記憶される。一例では、図2Aおよび図2Bに示す、河川を斜めから撮像した表面画像およびその模式図は、オルソ補正によって、図2Cおよび図2Dに示す、オルソ補正後の表面画像およびその模式図に変換される。
STI生成部23は、前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線DLに関するSTI(Space−Time Image)を生成するものである。より具体的には、まず、オルソ補正部22でオルソ補正されたオルソ補正後の表面画像に、前記河川の主流方向に沿って、所定の幅であって所定の長さである帯状(線状、リボン状)の検査線DLが設定される。検査線DLは、表面流速を求める所望の箇所に、1個でもよいが、本実施形態では、表面流速だけでなく、より精度よく流量も求めるので、複数である。例えば、図2Cに示すように、オルソ補正後の複数の表面画像の中から任意の1個のオルソ補正後の表面画像がSTI生成部23によって出力部4に表示され、ユーザ(オペレータ)によって入力部3から複数の検査線DLが入力される。なお、ユーザによって入力部3から1個の検査線DLが入力されると、前記入力された1個の検査線DLを含むように、河川における幅方向の一方端から他方端までに、予め設定された所定の間隔で平行に複数の検査線DLがSTI生成部23によって自動的に設定されてもよい。そして、STI生成部23は、前記複数の検査線DLそれぞれについて、前記オルソ補正後の複数の表面画像それぞれから、当該検査線DLに対応する複数の帯状部分画像を抽出し、これら抽出した複数の帯状部分画像を各一方端を揃えて時系列順に並置し、これによって当該検査線DLのSTIを生成する。
例えば、1個の検査線DLのSTIを生成する場合、STI生成部23は、図3Aないし図3Eに示すように、300個のオルソ補正後の表面画像PC(0)〜PC(299)それぞれから300個の検査線DL(0)〜LD(299)それぞれに対応する300個の帯状部分画像DLk(0)〜DLk(299)を抽出する。そして、STI生成部23は、図3Fに示すように、これら300個の帯状部分画像DLk(0)〜DLk(299)を各一方端を揃えて時系列順に並置する。これによって前記1個の検査線DLに対するSTIが生成される。このため、STIの横方向の長さは、検査線DLの帯状部分画像DLkの長さに応じて決まり、STIの縦方向の長さは、表面画像の個数に応じて決まる。ここで、4個の帯状部分画像DLk(0)〜DLk(3)それぞれに4個の特徴点SMk(0)〜SMk(3)が存在すると、これら4個の特徴点SMk(0)〜SMk(3)は、STIでは、図3Fに示すように、河川の流れによって、斜めに連なり、斜めパターンを形成する。この斜めパターンの角度(傾斜角)は、表面流速に依存するので、この斜めパターンの角度を検出することによって河川の表面流速が求められる。なお、図3Aないし図3Eに示す300個のオルソ補正後の表面画像PC(0)〜PC(299)は、例えば、30fpsで生成された10秒間の動画における各フレームであり、オルソ補正後の表面画像PC、検査線DL、帯状部分画像DLkおよび特徴点SMkそれぞれに、括弧書きで付された数字は、フレーム番号0〜299である。例えば、オルソ補正後の表面画像PC(0)、検査線DL(0)、帯状部分画像DLk(0)および特徴点SMk(0)は、それぞれ、最初の時刻0秒におけるフレーム番号0のオルソ補正後の表面画像PC、検査線DL、帯状部分画像DLkおよび特徴点SMkであり、オルソ補正後の表面画像PC(1)、検査線DL(1)、帯状部分画像DLk(1)および特徴点SMk(1)は、それぞれ、次の時刻1/30秒におけるフレーム番号1のオルソ補正後の表面画像PC、検査線DL、帯状部分画像DLkおよび特徴点SMkである。なお、この例では、10秒間の30fpsの動画(300個の表面画像)であるが、動画の時間長やフレームレート(表面画像の個数)は、特に制限されず、表面流速を所望の精度で測定できる程度で、適宜に設定される。
サイズ調整部24は、STIのサイズ(大きさ)を調整するものである。本実施形態では、サイズ調整部24は、STI生成部23で生成した複数のSTIそれぞれについて、当該STIのサイズを調整する。STIのサイズは、表面画像の解像度、検査線の長さおよび表面画像の個数(本実施形態では動画の時間長およびフレームレート)に依存する一方、推定部27で用いられる推定モデルの入力サイズは、固定であるため、サイズ調整部24は、STI生成部23で生成したSTIのサイズを前記推定モデルの入力サイズとなるように、例えば画素の補間、画素の間引きおよび隣接する複数画素の統合等の画像処理によって、調整する。このため、STIのサイズが前記推定モデルの入力サイズに一致する場合には、STIのサイズ調整は、省略できる。そして、本実施形態では、サイズ調整部24は、サイズ調整後のSTIにおける輝度を標準正規化する。より具体的には、例えば、サイズ調整部24は、サイズ調整後のSTIにおける輝度値の分布を、平均0であって分散1のガウス分布となるように調整する。
前処理部25は、前記STI生成部で生成し、サイズ調整部24で調整した調整後のSTIに、フーリエ変換し、輝度値の対数を求め、定常成分を除去する前処理を施したSTIを生成するものである。フーリエ変換は、表面流速の測定に寄与しない、時間的に変動しない成分を除去し、平均表面流速と異なる重力波に起因するパターンと区別するために実施される。高周波領域に対して低周波領域の振幅が大き過ぎるために、輝度値が対数化される。対数は、底を10とする常用対数であってよく、底をネイピア数e(≒2.718)とする自然対数であってよい。本実施形態では、常用対数が用いられる。定常成分の除去は、表面画像に写り込む障害物等(ノイズ)を取り除くために実施される。前記障害物等は、時間的に固定であるため、定常成分(周波数0に当たる成分、すなわち、フーリエ変換後のSTIでx軸およびy軸に相当する部分)を取り除くことで、除去できる。フーリエ変換前のSTIにおける斜めパターンは、フーリエ変換後のSTIでは、原点を通る斜めパターンとなる。
変倍STI生成部26は、STI生成部23で生成したSTIに基づいて、互いに倍率の異なる複数の変倍STIを生成するものである。本実施形態では、変倍STI生成部26は、前処理部25で前処理した前処理後のSTIにおける、予め設定された所定サイズの中央の領域を、互いに異なる複数の倍率それぞれで変倍することによって、前記複数の変倍STIを生成する。上述したように、フーリエ変換後のSTIにおける斜めパターンは、中央の原点を通るために、前記中央の領域が変倍される。前記複数の変倍率は、例えば、等倍、1.5倍、2倍および3倍等の数倍の変倍範囲内で、予め適宜に設定されてよく、あるいは例えば、予め設定された変倍範囲内で無作為(ランダム)に設定されてよい。なお、情報処理量を低減するために、中央の領域だけを変倍したが、前処理後のSTI全体を変倍した後に、中央の領域が切り出されてもよい。
推定部27は、機械学習後の推定モデルを用いることによって、STI生成部23で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力するものである。すなわち、推定部27は、前記推定モデルを備えて構成される。本実施形態では、推定部27は、前記斜めパターンの角度と共に、さらに、前記角度に対する信頼の度合いを表す信頼度を出力する。より具体的には、本実施形態では、推定部27は、変倍STI生成部26で生成した複数の変倍STIそれぞれについて、機械学習後の推定モデルを用いることによって、当該変倍STIにおける斜めパターンの角度およびその信頼度を出力する。すなわち、変倍STIが入力されると、推定部27は、機械学習によって獲得した能力(斜めパターンの角度検出能力およびその信頼度演算能力)に従って、前記変倍STIに基づいて、斜めパターンの角度およびその信頼度を出力する。前記推定モデルは、深層学習モデルであり、前記深層学習モデルは、例えば畳み込みニューラルネットワーク(CNN(Convolution Neural Network))等の深層学習に利用されるニューラルネットワークである。本実施形態では、0度から180度の角度範囲を、例えば0.5度刻みや1度刻み等の所定の角度刻みで、複数のクラスに分類するとともに分類確率を出力する分類問題として、多数の教師データを用いてCNNが、機械学習される。本実施形態では、前記分類確率が前記信頼度として利用される。
流速処理部28は、推定部27から出力された斜線パターンの角度、複数の表面画像における撮像時間間隔(本実施形態ではフレームレート)および検査線DLの実長に基づいて、前記検査線DLでの表面流速を求めるものである。本実施形態では、流速処理部28は、複数の検査線DLそれぞれについて、当該検査線DLに対応する、変倍STI生成部26で生成した複数の変倍STIそれぞれについて推定部27から出力された複数の信頼度の中から最も高い信頼度を選定し、前記変倍STI生成部26で生成した複数の変倍STIそれぞれについて前記推定部27から出力された複数の斜めパターンの角度の中から、前記選定した最も高い信頼度に対応する斜めパターンの角度を選定し、この選定した斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および当該検査線DLの実長に基づいて、当該検査線DLでの表面流速を求める。この撮像時間間隔は、前記横断面形状情報と同様に、例えば入力部3から入力され、あるいは例えば前記複数の表面画像に付随して表面画像取得部1で取得され、記憶部6に記憶される。前記検査線DLの実長は、オルソ補正後のSTIに検査線DLを設定する際に、例えば入力部3から入力され、あるいは例えばオルソ補正後のSTIに設定された検査線DLから算出され、記憶部6に記憶される。なお、STI生成部23で生成したSTIがサイズ調整部24でサイズ調整されている場合には、サイズ調整の際のアスペクト比に基づいて、推定部27で求められた斜めパターンの角度がサイズ調整前のSTIでの角度に換算される。
流量処理部29は、流速処理部28で求めた前記1または複数の検査線DLでの1または複数の表面流速、前記河川の横断面の形状、および、前記河川の水位に基づいて、前記河川の流量を求めるものである。1個の検査線DLでの表面流速で流量を求めてもよいが、より精度よく求めるために、本実施形態では、複数の検査線DLでの複数の表面流速で流量が求められる。すなわち、本実施形態では、流量処理部29は、流速処理部28で求めた前記複数の検査線DLそれぞれでの複数の表面流速、前記河川の横断面の形状、および、前記河川の水位に基づいて、前記河川の流量を求める。前記河川の横断面の形状および前記河川の水位は、河川情報記憶部61に記憶された河川情報で表される横断面形状および水位である。より具体的には、例えば、流量処理部29は、まず、前記河川の水位までにおける前記河川の横断面を、複数の区画に区分けし、前記複数の検査線DLそれぞれでの複数の表面流速に基づいて、前記複数の区画それぞれの平均流速を推定する。一般に、鉛直水深の流速分布は、対数分布や指数分布で表すことができるから、各水深の流速(各区画の流速)は、表面流速から推定できる。続いて、流量処理部29は、前記複数の区画それぞれについて、当該区画の面積に、当該区画の平均流速を乗算することによって、当該区画の流量を求める。そして、流量処理部29は、前記複数の区画の各流量を総和することによって、前記河川の流量を求める。前記区画のサイズを微小サイズとすれば、前記総和は、積分となる。
そして、制御処理部2は、流速処理部28および流量処理部29それぞれで求めた各検査線DLでの各流速および前記河川の流量を出力部4に出力する。
これら制御処理部2、入力部3、出力部4、IF部5および記憶部6は、例えば、デスクトップ型やノート型やタブレット型等のコンピュータによって構成可能である。
次に、本実施形態の動作について説明する。図4は、前記河川水流測定装置の動作を示すフローチャートである。図5は、前記河川水流測定装置におけるSTI生成処理、サイズ調整処理および前処理の各処理結果の一例を示す図である。図5Aは、STI生成処理の処理結果であるSTIの一例を示し、図5Bは、図5Aに示すSTIに対するサイズ調整処理の処理結果の一例を示し、図5Cは、図5Bに示すサイズ調整処理の処理結果に対する前処理の処理結果の一例を示す。図6は、前記河川水流測定装置における変倍STI生成処理および推定処理の各処理結果の一例を示す図である。図6A、図6Cおよび図6Eは、図5Cに示す前処理の処理結果に対する、互いに異なる倍率で変倍した3個の第1ないし第3変倍STIを示し、図6B、図6Dおよび図6Fは、図6A、図6Cおよび図6Eに示す3個の第1ないし第3変倍STIに対する、推定モデルで求められた各信頼度分布(各分類確率分布)を示す。図6B、図6Dおよび図6Fの各横軸は、角度であり、その各縦軸は、信頼度(分類確率)である(0<PR1<PR2)。図7は、STIの斜めパターンの一例を示す図である。
上記構成の河川水流測定装置Dは、その電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。河川水流測定装置Dでは、その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部2には、制御部21、オルソ補正部22、STI生成部23、サイズ調整部24、前処理部25、変倍STI生成部26、推定部27、流速処理部28および流量処理部29が機能的に構成される。
図4において、まず、河川水流測定装置Dは、制御処理部2によって、表面画像取得部1で、河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像を取得し、記憶部6に記憶する(S1)。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2のオルソ補正部22によって、処理S1で表面画像取得部1によって取得した前記複数の表面画像それぞれについて、当該表面画像が河川を真上から見た平面の表面画像となるように、いわゆるオルソ補正(幾何補正)を実行し、オルソ補正後の表面画像を記憶部6に記憶する(S2)。
次に、処理S2でオルソ補正部22によってオルソ補正したオルソ補正後の表面画像に、複数の検査線DLが設定され、河川水流測定装置Dは、制御処理部2のSTI生成部23によって、前記複数の検査線DLそれぞれについて、オルソ補正後の複数の表面画像それぞれから、当該検査線DLに対応する複数の帯状部分画像を抽出し、これら抽出した複数の帯状部分画像を各一方端を揃えて時系列順に並置し、これによって当該検査線DLのSTIを生成し、この生成したSTIを記憶部6に記憶する(S3)。この処理S3によって、例えば、図5Aに示すようなSTIが生成される。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2のサイズ調整部24によって、処理S3でSTI生成部23によって生成したSTIのサイズを、推定部27の推定モデルの入力サイズとなるように調整し、標準正規化し、調整後のSTIを記憶部6に記憶する(S4)。この処理S4によって、例えば、図5Aに示すSTIは、図5Bに示す調整後のSTIとなる。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2の前処理部25によって、処理S4でサイズ調整部24によって調整した調整後のSTIに、フーリエ変換し、輝度値の対数を求め、定常成分を除去する前処理を施したSTIを生成し、この生成した前処理後のSTIを記憶部6に記憶する(S5)。この処理S5によって、例えば、図5Bに示す調整後のSTIは、図5Cに示す前処理後のSTIとなる。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2の変倍STI生成部26によって、処理S5で前処理部25によって前処理した前処理後のSTIに基づいて、互いに倍率の異なる複数の変倍STIを生成し、これら生成した複数の変倍STIを記憶部6に記憶する(S6)。この処理S6によって、例えば、図5Cに示す前処理後のSTIから、図6A、図6Cおよび図6Eに示す第1ないし第3変倍STIが生成される。図6は、3個の第1ないし第3変倍STIを図示するが、より多くの変倍STIが生成され、紙面の都合上、残余の各変倍STIは、その図示が省略されている。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2の推定部27によって、処理S6で変倍STI生成部26によって生成した複数の変倍STIそれぞれについて、機械学習後の推定モデルを用いることによって、当該変倍STIにおける斜めパターンの角度およびその信頼度を求め、この求めた斜めパターンの角度およびその信頼度を記憶部6に記憶する(S7)。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2の流速処理部28によって、複数の検査線DLそれぞれについて、当該検査線DLに対応する、処理S6で変倍STI生成部26によって生成した複数の変倍STIそれぞれについて処理S7で推定部27によって求めた複数の信頼度の中から最も高い信頼度を選定し、処理S6で変倍STI生成部26によって生成した複数の変倍STIそれぞれについて処理S7で推定部27によって求めた複数の斜めパターンの角度の中から、前記選定した最も高い信頼度に対応する斜めパターンの角度を選定し、この選定した斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および当該検査線DLの実長に基づいて、当該検査線DLでの表面流速を求め、この求めた当該検査線DLでの表面流速を記憶部6に記憶する(S8)。
例えば、図6Aに示す変倍STIに対し、処理S7によって、図6Bに示す信頼度分布(分類確率分布)が求められ、図6Cに示す変倍STIに対し、処理S7によって、図6Dに示す信頼度分布(分類確率分布)が求められ、図6Eに示す変倍STIに対し、処理S7によって、図6Fに示す信頼度分布(分類確率分布)が求められる。図6Dに示す信頼度(信頼度分布のピーク値)が、残余の各信頼度より高い場合、処理S8によって、図6Dに示す信頼度が選定され、この選定された図6Dに示す信頼度に対応する図6Cに示す変倍STIから求められた斜めパターンの角度が選定され、この選定した斜線パターンの角度に基づいて、表面流速が求められる。図7には、一例として、図5Aに示すSTIでの斜めパターンが示されている。
次に、河川水流測定装置Dは、制御処理部2の流量処理部29によって、処理S8で流速処理部28によって求めた前記複数の検査線DLそれぞれでの複数の表面流速、ならびに、河川情報記憶部61に記憶された河川情報で表される、前記河川の横断面の形状および前記河川の水位、に基づいて、前記河川の流量を求め、この求めた前記河川の流量を記憶部6に記憶する(S9)。
そして、河川水流測定装置Dは、制御処理部2によって、処理S8で流速処理部28によって求めた各検査線DLでの各流速、および、処理S9で流量処理部29によって求めた前記河川の流量を、出力部4に出力し、本処理を終了する(S10)。なお、必要に応じて、制御処理部2は、これら各検査線DLでの各流速および前記河川の流量をIF部5から出力しても良い。
以上説明したように、実施形態における河川水流測定装置Dならびにこれに実装された河川水流測定方法および河川水流測定プログラムは、機械学習後の推定モデルを用いる推定部27を備えるので、より精度よく斜めパターンの角度を出力できるから、流速測定や流量測定等の、水流測定の精度を向上できる。特に、上記河川水流測定装置D、上記河川水流測定方法および上記河川水流測定プログラムは、精度の向上した表面流速を用いて流量を求めるので、流量測定の精度が向上される。
上記河川水流測定装置D、上記河川水流測定方法および上記河川水流測定プログラムは、複数の変倍STIを生成し、最も高い信頼度に対応する斜めパターンの角度を用いるので、水流測定の精度をより向上できる。
上記河川水流測定装置D、上記河川水流測定方法および上記河川水流測定プログラムは、前処理を施したSTIを生成するので、推定部27が前処理を施したSTIを用いて斜めパターンの角度を出力できるから、水流測定の精度をより向上できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
D 河川水流測定装置、1 表面画像取得部、2 制御処理部、6 記憶部、21 制御部、22 オルソ補正部、23 STI生成部、25 前処理部、26 変倍STI生成部、27 推定部、28 流速処理部、29 流量処理部、61 河川情報記憶部

Claims (7)

  1. 河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する河川水流測定装置であって、
    前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成部と、
    機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成部で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定部と、
    前記推定部から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理部とを備える、
    河川水流測定装置。
  2. 前記STI生成部で生成したSTIに基づいて、互いに倍率の異なる複数の変倍STIを生成する変倍STI生成部をさらに備え、
    前記推定部は、前記斜めパターンの角度と共に、さらに、前記角度に対する信頼の度合いを表す信頼度を出力し、
    前記流速処理部は、前記変倍STI生成部で生成した複数の変倍STIそれぞれについて前記推定部から出力された複数の信頼度の中から最も高い信頼度を選定し、前記変倍STI生成部で生成した複数の変倍STIそれぞれについて前記推定部から出力された複数の斜めパターンの角度の中から、前記選定した最も高い信頼度に対応する斜めパターンの角度を選定し、前記選定した斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める、
    請求項1に記載の河川水流測定装置。
  3. 前記STI生成部で生成したSTIに、フーリエ変換し、輝度値の対数を求め、定常成分を除去する前処理を施したSTIを生成する前処理部をさらに備える、
    請求項1または請求項2に記載の河川水流測定装置。
  4. 前記所定の検査線は、1または複数であり、
    前記流速処理部で求めた前記1または複数の検査線での1または複数の表面流速、前記河川の横断面の形状、および、前記河川の水位に基づいて、前記河川の流量を求める流量処理部をさらに備える、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の河川水流測定装置。
  5. 河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する河川水流測定方法であって、
    前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成工程と、
    機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成工程で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定工程と、
    前記推定工程から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理工程とを備える、
    河川水流測定方法。
  6. 河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する河川水流測定プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成工程と、
    機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成工程で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定工程と、
    前記推定工程から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理工程とを実行させるための、
    河川水流測定プログラム。
  7. 河川の表面を撮像した時系列に連続した複数の表面画像に基づいて前記表面の流速を測定するSTIVを用いた河川の水流を測定する河川水流測定プログラムは、
    コンピュータに、
    前記複数の表面画像に基づいて、前記河川の表面の中で測定対象として設定される所定の検査線に関するSTIを生成するSTI生成工程と、
    機械学習後の推定モデルを用いることによって、前記STI生成工程で生成したSTIに基づいて、斜めパターンの角度を出力する推定工程と、
    前記推定工程から出力された斜線パターンの角度、前記複数の表面画像における撮像時間間隔および前記検査線の実長に基づいて、前記検査線での表面流速を求める流速処理工程とを実行させるためのプログラムであって、
    前記河川水流測定プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

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