JP2021188504A - 居住施設 - Google Patents

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JP2021188504A JP2021089336A JP2021089336A JP2021188504A JP 2021188504 A JP2021188504 A JP 2021188504A JP 2021089336 A JP2021089336 A JP 2021089336A JP 2021089336 A JP2021089336 A JP 2021089336A JP 2021188504 A JP2021188504 A JP 2021188504A
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Nobumitsu KAWAGUCHI
茂一 野口
Shigekazu NOGUCHI
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Abstract

【課題】生活インフラストラクチャ等への依存度をより抑えられる居住施設を提供すること。【解決手段】居住施設Hは、発電により電力を供給する発電システムSY1と、蓄電が可能な蓄電システムSY2と、飲料水を生成可能な飲料水生成システムSY3と、生活排水をリサイクルするむずリサイクルシステムSY4と、のうち、飲料水生成システムSY3と水リサイクルシステムSY4のうち少なくとも一方と、発電システムSY1と蓄電システムSY2のうち少なくとも一方とを含む2つ以上のシステムが循環又は相互連携されて配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、居住施設に関する。
従来より、災害によりライフラインが絶たれた場合等に、貯水した雨水を浄化して工業用水や家庭用水として家屋内で利用する技術(例えば、特許文献1)が提案されている。また、電力会社による電力供給に依存せず自身で電力供給をなし得るようにする技術(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開2011−106200号公報 特開2002−194912号公報
しかしながら、上述の特許文献1及び2に記載の技術を含む従来技術のみでは、例えば天候により、雨水を貯水できない場合や電力を発生させることができない場合には、水や電力の供給を生活インフラストラクチャ等に依存せざるを得ない。また、発生した排水や汚水についても生活インフラストラクチャ或いはその他の所定の方法等で廃棄、或いは処理せざるを得ない状況である。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、生活インフラストラクチャ等への依存度をより抑えられる居住施設を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様の居住施設は、
発電により電力を供給する第1システムと、
蓄電が可能な第2システムと、
飲料水を生成可能な第3システムと、
生活排水をリサイクルする第4システムと、
のうち、前記第3システムと前記第4システムのうち少なくとも一方と、前記第1システムと前記第2システムのうち少なくとも一方とを含む2つ以上のシステムが循環又は相互連携されて配置されている。
本発明によれば、生活インフラストラクチャ等への依存度をより抑えられる居住施設を提供することが可能になる。
本発明の居住施設の一実施形態、及びその居住施設を提供するサービスの概要を説明する図である。 本発明の居住施設の一実施形態、及びその居住施設に実際に配置されたシステムの例を示す図である。 本発明の居住施設の一実施形態としてのモバイルホームの例を示す図である。 本発明の居住施設の一実施形態に配置するシステムの組み合わせ例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の居住施設の一実施形態、及びその居住施設を提供するサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を説明する図である。
図1には、本サービスで提供可能な居住施設Hに設備として配置されるシステムの組み合わせ例が示されている。
この居住施設Hには、図1に示すように、発電システムSY1、蓄電システムSY2、飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4が配置されている。
ここで、複数のシステムが循環又は相互連携されて配置されるとは、次のようなことを意味している。即ち、複数のシステムが循環される配置とは、そのうちの1つのシステムで処理される対象物が、そのシステム、及び他のシステムによる処理を通して再び生成される依存関係を複数のシステムの間で形成させる配置のことである。それにより、対象物は、複数のシステムによって繰り返し生成させることが可能である。図1の例では、飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4が循環されて配置される関係の場合がある。
一方、複数のシステムが相互連携される配置とは、1つ以上のシステムによる生成物がそれらとは別のシステムに供給されることによって、その別のシステムを動作可能にさせる配置のことである。図1の例では、発電システムSY1、及び蓄電システムSY2と、飲料水生成システムSY3、或いは水リサイクルシステムSY4とが夫々相互連携される配置である。
発電システムSY1は、発電により電力を供給するシステムである。発電システムSY1に採用する発電方式は、特に限定されるものではなく、採用される種類の数も任意でよい。つまり発電システムSY1は、1種類の発電方式が単独で採用されたものでもよいし、複数種類の発電方式が組み合わされて採用されたものでもよい。
発電方式の種類としては、例えば、太陽光、風力、水力、小水力、雪氷、空気熱、流水、波力、潮力、潮汐、地熱、地中熱、及びバイオマス等の再生可能エネルギーを用いたものが採用可能である。音、床衝撃、摩擦、植物、生命、廃棄物、シロアリなどを用いた任意の方式も採用可能である。また例えば、発電システムSY1として、燃料電池を用いる方式、温度差熱による熱電発電を用いる方式も、夫々発電方式の一例として採用しても良い。
サービス利用者は、発電システムSY1を備えるか否かについて、居住施設Hの設置場所を考慮して決定すれば良い。
また、電力網等からの電力供給を想定しているのであれば、発電システムSY1は備えなくとも良いが、電力網等からの電力供給が途絶える場合を想定して後述の蓄電システムSY2を備える必要がある。さらに、電力網等からの電力供給の途絶える期間が長期になる場合を想定するならば、発電システムSY1を備えた方が好適である。
発電システムSY1の種類、つまり発電方式、及び発電量は、居住施設Hの設置場所として想定される場所、及びサービス利用者の生活内容を考慮して決定すれば良い。例えば河川の近くに居住施設Hを設置する予定であれば、サービス利用者は、流水により発電を行うタイプの発電システムSY1を選択しても良い。比較的に安定的に風が吹く場所への設置を予定しているのであれば、サービス利用者は、風力発電を行うタイプの発電システムSY1を選択しても良い。太陽光発電を行うタイプの発電システムSY1を併せて選択するようにしても良い。
また、利用を想定する家電製品が多くなるほど、サービス利用者は、より発電量の大きい発電システムSY1を選択する必要がある。蓄電システムSY2を備えないのであれば、使用電力量が大きくなる時間帯に、大きい発電量が期待できるか、発電量が安定したタイプの発電システムSY1を選択する必要がある。
蓄電システムSY2は、原則として発電システムSY1により供給される電力を蓄電することが可能なシステムである。
原則として記載したのは、上述したように、発電システムSY1が居住施設Hに配置されない場合もあるからである。ただし、以下の説明においては、特に断りのない限り、発電システムSY1及び蓄電システムSY2の両方が配置されているものとする。
蓄電システムSY2には、例えば二次電池、発電システムSY1から供給される電力を二次電池に充電させるための充電回路、及び二次電池に蓄電された電力を家庭用の電力に変換する変換回路が含まれる。蓄電用として採用する二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池(NAS電池)、全固体電池、及び空気電池等がある。
サービス利用者は、蓄電システムSY2を備えるか否か、及び容量について、発電システムSY1の有無、その発電方式、及び自身の生活内容等を考慮して決定すれば良い。例えば電力網等からの電力供給を想定し、発電システムSY1を備えないのであれば、蓄電システムSY2は備えなくとも良い。電力供給が途絶えることを想定して、蓄電システムSY2を備えるようにしても良い。電力供給が途絶える期間を想定し、蓄電システムSY2を備えるか否か、備えるのであれば、その容量を判断するようにしても良い。
また、発電システムSY1を備えるのであれば、その発電システムSY1の発電量の安定度を考慮し、蓄電システムSY2を備えるか否か検討するのが望ましい。例えば発電量が安定しない、或いは最大の消費電力量以上の発電量を必ずしも得られない発電システムSY1であれば、安定した電力供給の実現のために、蓄電システムSY2を備えるのが望ましい。容量は、発電システムSY1の発電量、その発電量の変動傾向、最大の消費電力量等を考慮して決定することが考えられる。
飲料水生成システムSY3は、安全、安心な水を生成するシステムである。この飲料水生成システムSY3が生成する安全、安心な水とは、飲用とすることが可能な水質の水のことである。ここでは、そのような水質の水を「飲料水」と定義している。
このような飲料水は、例えば水道水と同等以上の水質であるのが望ましい。水道水と同等以上の水質とは、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合する水質のことである。
飲料水生成システムSY3における飲料水の生成手法のタイプとしては、例えば空気から水を分離することで飲料水を生成するタイプ、飲料水としては不適切な水を浄化して飲料水を生成するタイプ、等がある。後者のタイプは、例えばろ材(ろ紙、ろ布、膜など固液分離用多孔質素材)を使用し、ケークろ過器、ケークレスろ過器、或いは清澄ろ過器などを用いて生活水として利用可能な飲料水を生成する手法を採用するタイプである。
飲料水生成システムSY3には、飲料水を生成する部分だけでなく、例えば生成した飲料水を貯水する部分(貯水タンク等により構成される部分)も含まれる。この部分に、生成された飲料水を貯めることにより、例え比較的に飲料水の生成能力が低くとも、飲料水を安定的に供給することが可能となる。また、紫外線等を用いて水の殺菌を行う部分を含んでいても良い。
飲料水生成システムSY3も他のシステムSY1、SY2と同様に、必須のシステムではない。水道水、或いは水道水以外の飲料水が得られるのであれば、飲料水生成システムSY3は備えなくとも良い。しかし、飲料水が得られない非常時を想定して、飲料水生成システムSY3を備えるようにしても良い。飲料水が得られない、或いはその飲料水が十分な量、確保できないと予想されるのであれば、飲料水生成システムSY3を備えるのが望ましい。なお、水道水以外の飲料水とは、例えば地下水、湧き水、沢の水などである。
水道水以外の飲料水を外部から確保可能な場所では、生活排水を処理する生活インフラストラクチャの存在はあまり期待できない。そのような生活インフラストラクチャが存在しない場合、生活排水は、環境への影響を考え、処理する必要がある。このことから、多くの場合、後述する水リサイクルシステムSY4を備えるのが望ましい。以下、生活インフラストラクチャは、「生活インフラ」と略記する。ここでは、特に断らない限り「生活インフラ」とは電力網、水道(上水道)、下水道、或いはそのうちの2つ以上を指す意味で用いる。
飲料水生成システムSY3の飲料水の生成能力は、用途、居住施設Hの居住人数、生活内容、水のリサイクル(後述する水リサイクルシステムSY4)の有無等を考慮して決定すれば良い。例えば居住施設Hで生活することにより発生する生活排水を処理してリサイクルするのであれば、生活排水をリサイクルしない場合と比較して、要求される生成能力は小さくなる。非常時を想定した用途で飲料水生成システムSY3を備える場合も、生成能力は小さくて良い。要求される生成能力は、居住人数が少なくなるほど、小さくなる。また、生活に利用する水量が大きくなるほど、要求される生成能力は大きくなる。
水リサイクルシステムSY4は、生活排水をリサイクルするシステムである。水リサイクルシステムSY4は、生活排水を処理し、その結果として得られる処理水を再利用可能にさせる。この処理水とは、例えば飲用には適さないが、飲用以外の用途に使用できる中水程度の清浄度まで浄化した水のことである。そのため、処理水は、環境に優しい水であり、上記のように、リサイクルするのではなく、環境に放出させても良い。
生活排水は、し尿を含む排水である汚水と、それ以外の排水である雑排水とに分けることができる。
多くの場合、汚水を処理して得られる処理水は、飲用には不向きと見なされ、トイレ等にのみ、再利用されるのが普通である。一方、雑排水を処理して得られる中水程度の処理水は、さらに浄化する必要はあるが、飲用の対象として扱うことが可能である。このことから、水リサイクルシステムSY4には、雑排水を処理するタイプと、汚水を処理するタイプと、に大別することができる。ここでは、便宜的に、前者を「第1水リサイクルシステムSY41」、後者を「第2水リサイクルシステムSY42」と呼ぶ。
雑排水は、人が生活するうえで必ず発生する。そのため、下水道等の生活インフラを利用できない場合、第1水リサイクルシステムSY41を備えるのは必須となる。雑排水を貯める設備、及び処理水を貯める設備も必須となる。
一方、第2水リサイクルシステムSY42は、必ずしも必須とはならない。これは、バイオトイレ等の汚水を発生させないトイレも存在するからである。バイオトイレで便の処理に用いるオガクズなどは、使用後、堆肥として利用することができる。しかし、汚水が発生するタイプのトイレを居住施設Hに設けた場合、第1水リサイクルシステムSY41、及び第2水リサイクルシステムSY42はともに必須となる。
上記のように、下水道等の生活インフラが利用できないような場所では、飲料水の確保が比較的に容易である。このことから、飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4の両方を備えることは必須とはならない。しかし、その2つのシステムSY3、SY4は、必要となる環境が異なる。そのため、それらのうちの一方が必須となる場合が多いのが実情となっている。
本サービスでは、上記のように、発電システムSY1、蓄電システムSY2、飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4を居住施設Hに設備として選択的に備えさせる対象として想定する。しかし、発電システムSY1、及び蓄電システムSY2のうちの少なくとも一方、飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4のうちの少なくとも一方の選択を必須とさせている。
発電システムSY1、及び蓄電システムSY2のうちの少なくとも一方を備えることにより、設置場所に係わらず、サービス利用者が要望する電力の確保が可能になる。
発電システムSY1を備えた場合、サービス利用者にとっては、電力網等の外部からの電力供給に依存しないようにすることが可能となる。つまり、サービス利用者にとっては、電力網等の外部からの電力供給に依存しないで電力の確保を要望する場合には、少なくとも発電システムSY1を備えることによりその要望が叶うことになる。なお、より安定的な確保を考慮するならば、発電システムSY1と共に蓄電システムSY2を備えた方が好適なことは言うまでもない。
一方、サービス利用者にとっては、電力供給が途絶えても電力が確保できることを要望する場合には、少なくとも蓄電システムSY2を備えることによりその要望が叶うことになる。なお、電力供給の途絶える期間が長期になることも考慮するならば、蓄電システムSY2と共に発電システムSY1を備えた方が好適なことは言うまでもない。
このようにして、発電システムSY1と蓄電システムSY2とのうち少なくとも一方を備えることで、サービス利用者は、自然災害等で電力供給が一時的に途絶えやすいような地域にも、安心して住めるようになる。このことから、居住施設Hの設置場所における電力を考慮した制約は生じないようにできるか、或いはその制約はより小さいものとなる。
飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4のうちの少なくとも一方を備えることにより、サービス利用者が要望する水を得ることが可能になる。
飲料水生成システムSY3を備えた場合、サービス利用者にとっては、水道等の外部から得られる飲料水に依存しないようにすることが可能となる。つまり、サービス利用者にとっては、水道等の外部からの飲料水に依存しないで飲料水の確保を要望する場合には、少なくとも飲料水生成システムSY3を備えることによりその要望が叶うことになる。なお、より安定的な確保を考慮するならば、飲料水生成システムSY3と共に水リサイクルシステムSY4を備えた方が好適なことは言うまでもない。
一方、サービス利用者にとっては、使用する飲料水の量を減らしたい、或いは下水道等の生活インフラを利用できない場所に住みたいといったことを要望する場合がある。そのような要望をする場合には、少なくとも水リサイクルシステムSY4を備えることによりその要望が叶うことになる。これは、水リサイクルシステムSY4により、飲料水は得られなくとも、飲料水の代わりに使用可能な水が得られる、或いは環境に放出可能な水が得られるからである。なお、飲料水が足りなくなるようなことも考慮するならば、飲料水生成システムSY3と共に水リサイクルシステムSY4を備えた方が好適なことは言うまでもない。
このようにして、飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4のうち少なくとも一方を備えることで、サービス利用者は、飲料水の確保が困難、或いは生活排水の処理が必要な地域にも住めるようになる。このことから、居住施設Hの設置場所における水(飲料水、或いは生活排水)を考慮した制約は生じないようにできるか、或いはその制約はより小さいものとなる。
このような結果、サービス提供者にとっては、購入を考えるサービス利用者に対し、環境に優しく、且つ設置場所における制約がより小さい居住施設Hを提供することができる。
本サービスは、上記のように、水道、及び電力網等に代表される生活インフラへの依存度をより抑えられる居住施設Hの提供を想定したものである。本サービスにより、居住施設Hを提供するサービス提供者は、個人、或いは組織等であるサービス利用者の要望に合った居住施設Hを製造して販売するか、或いは既存の居住施設Hを賃貸するサービスを提供する。そのようにして、サービス提供者は、サービス利用者に居住施設Hを提供する。
販売、或いは賃貸等の対象となる居住施設Hは、生活インフラへの依存度を抑えることを可能にする設計により構築される。特に、水は、居住する人にとって必須である。このことから、居住施設Hでは、生活インフラに依存することなく、飲料水を確保できることを重視し、飲料水を安心して持続的に得られるようにしている。これは、外部から飲料水を確保できない状況であっても、飲料水生成システムSY3か、或いは飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4の両方を備えることで実現できる。
電力は、飲料水の次に重要と言える。電力が供給できなければ、携帯電話網を含む各種ネットワークを使用できない。それにより、緊急時に外部と連絡を取るのも困難となる。また、電力は、熱エネルギーに変換することにより、ガス、或いは石油等の代わりに使うこともできる。このようなことから、電力は、利便性の高いエネルギーと言える。
飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムSY4のうちの一方が電力を必要とするか、或いは水の移動に電力を必要とするのであれば、電力供給が途絶えることにより、飲料水も確保できなくなることも予想される。このような予想が可能な場合、電力はより重要なものとなる。
居住施設Hは、このように水の確保等による生活インフラへの依存度が抑制されるので、設置可能な場所の選択肢が広がる。その結果、居住施設Hに居住する人が取り得る選択肢も広がることになる。以下、特に断らない限り、居住施設Hに居住する人はサービス利用者であると想定する。
例えば生活インフラが整備されていない場所に居住施設Hが設置されたとしても、サービス利用者はその居住施設Hに住み続けることができる。当然ながら、居住施設Hは、生活インフラが整備された場所に設置しても良い。居住施設Hの設置場所の具体例は後述する。
生活インフラが整備されている場所に設置された場合には、例え地震等の自然災害等によって当該生活インフラが利用できなくなったとしても、サービス利用者は居住施設Hに住み続けることが可能となる。
自然災害等によって生活インフラの何れかが利用できなくなったとしても、居住施設Hの生活インフラへの依存度は低いことから、生活インフラが利用できなくなることによる影響の度合いはより小さいものとなる。それにより、居住施設Hに住み続けたとしても、生活のために要求される負担の程度はより軽いものとなる。
このようなことから、生活インフラへの依存度を抑えることにより、居住施設Hの設置場所における選択肢の他に、サービス利用者が取り得る生活のための選択肢も広がることになる。そのため、サービス利用者にとっての利便性はより高いものとなり、望む場所での生活をより容易に行えるようになる。
サービス利用者にとって住みたい場所が変化する場合がある。例えば季節によって住みたいと望む場所が変化することが考えられる。また、自然災害により生活インフラが利用できなくなった場合、例え居住施設Hに住み続けられるとしても、住環境が著しく悪化し、住む場所を移動させなければならなくなることも考えられる。このようなこともあり、本サービスでは、居住施設Hは、基本的に、モバイルホームとしている。
モバイルホームは、トレーラー等により移動可能な居住施設(家屋)である。モバイルホームは、普通の家屋とは異なり、基礎等により土地に固定させることなく設置することが想定される。そのため、モバイルホームでは、設置場所を随時、容易に移動させることが可能である。それにより、居住施設Hをモバイルホームのかたちで提供する場合、サービス利用者は、自身の希望、或いは住環境の変化等により、居住施設Hの設置場所を容易に移動させることができる。つまり、サービス利用者は、住みたい場所に随時、居住施設Hを移動させる、より望ましい住環境が得られる場所に居住施設Hを移動させる、といったことをより容易に行うことができる。
従来のモバイルホームは、電力、及び水のうちの少なくとも一方を外部、例えば生活インフラからの供給に依存している。そのため、必要な電力、或いは水を得るために、設置場所の選択に大きな制約が存在する。
キャンピングカーなども、電力、及び水のうちの少なくとも一方を外部からの供給に依存している。キャンピングカーは、居住空間が狭く、住み続ける場所としては望ましくないといった面もある。
なお、キャンピングカーは、自力で移動可能である点がモバイルホームと異なっている。税制面では、キャンピングカーは無条件で動産(自動車)と見なされるのに対し、モバイルホームでは動産と見なされるための条件を満たす必要がある。動産と見なされるためには、生活インフラから極めて容易に切り離せるようにしなければならない。キャンピングカーとモバイルホームとの間には、このような相違がある。
しかし、居住施設Hは、キャンピングカーと比較し、より広い居住空間が実現できる。電力、及び水の外部からの供給に依存しなくとも済む。そのため、サービス利用者にとっては、居住施設Hへの居住が前提であっても、設置場所、及び住環境を考慮しての選択肢がより広がることになる。居住施設Hの移動コストも抑えられる。それにより、本サービスは、移動先を含む設置場所の選択肢がより広くなるように利便性を向上させた居住施設Hを提供することであるとも言える。モバイルホームは動産とすることができるので、税制面での利点も得られる。
図2は、本発明の居住施設の一実施形態、及びその居住施設に実際に配置されたシステムの例を示す図である。
図2には、本サービスで提供された居住施設Hに設備として配置されているシステムの例に加え、その構造、及び備えられた各種電気製品の例が示されている。
図2に例を示す居住施設Hは、人が住む住宅として用いられることを想定したものである。そのため、居住施設Hには、トイレ、風呂場、キッチン等が設けられている。また、居住施設Hには、電気製品として、複数の照明器具SMが設けられ、複数の家電製品KDが設置されている。家電製品KDとしては、エアーコンディショナー、洗濯機、電磁調理器、換気扇、トイレの便座、等が設置されている。便座は、例えば暖房便座である。電磁調理器は、キッチンに設置された調理設備に設けられている。換気扇もキッチンに設けられている。
居住施設Hには、2種類の飲料水生成システムSY3が設置されている。一方は、空気中の水を分離することで飲料水を生成するタイプであり、他方は、飲料水としては不適切な水を浄化して飲料水を生成するタイプである。ここでは、前者を「飲料水生成システムSY31」、後者を「浄水システムSY32」と呼び、区別する。「飲料水生成システムSY3」は、区別する必要の場合等に総称として用いる。
飲料水生成システムSY31は、電力を用いて、飲料水を生成する。そのため、飲料水生成システムSY31は、家電製品KDの一つとして、居住施設Hに設置されている。浄水システムSY32は、例えばろ材を使用して、飲用に不適切な水を浄化して飲料水を生成するものである。ここでの飲料水とは、飲用に適した水質の水のことであり、実際に飲用されるか否かにより区別される水のことではない。より具体的には、飲料水とは、例えば上記のように、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合する水のことである。
各照明器具SM、各家電製品KD、及び飲料水生成システムSY31への電力供給を可能にするために、居住施設Hには発電システムSY1が配置されている。安定した電力供給を可能にするために、発電システムSY1の発電によって得られた電力を蓄電する蓄電システムSY2が設置されている。それにより、飲料水生成システムSY31は、蓄電システムSY2により蓄電されている電力の少なくとも一部を用いて飲料水を生成する。蓄電システムSY2からの電力は、居住施設Hに設けられた各タップにも供給される。タップは、洗面化粧台SKにも設けられている。タップにより、蓄電システムSY2は、非常用電源として、外部への電力供給を行うことができる。
飲料水生成システムSY31によって生成された飲料水は、配管等を通して、各部に供給することが可能である。飲料水の供給が可能な設備には、便器TL、浴槽FR、洗面化粧台SK、洗濯機、調理設備KC、及び水蓄熱床暖房システムDSが含まれる。
水蓄熱床暖房システムDSは、例えば床下に水が入った袋をおき、その水を蓄熱に用いて、快適な居住空間を確保するためのシステムである。水に蓄熱させる熱源として、太陽エネルギーを利用することができる。水を入れる袋は、非常用の飲料水を貯める容器としても用いることができる。それにより、非常時には、飲料水生成システムSY31が生成する飲料水の他に、水蓄熱床暖房システムDSに存在する水を飲料水として供給することもできる。
便器TLにも飲料水が供給可能なのは、便器TLが水洗便器だからである。そのため、トイレの使用により、汚水が発生する。一方、浴槽FR、洗面化粧台SK、洗濯機、及び調理設備KCへの飲料水の供給により、雑排水が発生する。
居住施設Hには、雑排水をリサイクルするために、濾過システムSY41が配置され、汚水をリサイクルするために、汚水処理システムSY42が配置されている。濾過システムSY41は、上記第1水リサイクルシステムSY41に相当し、汚水処理システムSY42は、上記第2水リサイクルシステムSY42に相当する。このように、図2では、符号により、対応関係を明確にさせている。
濾過システムSY41は、濾過方式により、雑排水を浄化し、中水レベルの水を生成する。生成された水は、貯水タンクWTに貯められる。この貯水タンクWTには、中水レベル以上の水質の水、例えば雨水、河川の水、湧き水等を貯めるようにしても良い。
貯水タンクWTに貯めた水は、浄水システムSY32に供給されて浄化され、飲料水となる。このため、貯水タンクWTに貯められる水の量をより大きくさせることにより、浄水システムSY32が生成可能な飲料水の量もより大きくさせることが可能になる。このこともあり、貯水タンクWTには、雑排水から得られる水以外の水を貯めることを可能にするのが望ましい。
貯水タンクWTから浄水システムSY32への水の供給には、位置エネルギーを利用することが考えられる。位置エネルギーは、浄化することで得られる飲料水、及び飲料水生成システムSY31により生成された飲料水の供給にも利用することが考えられる。飲料水の供給に、ポンプ等の電気機器を用いても良い。
それらの全てに位置エネルギーを利用する場合、濾過システムSY41により浄化された水は、ポンプ等を用いて貯水タンクWTに貯める必要がある。これは、貯水タンクWTは、濾過システムSY41が浄化された水を出す出口の位置よりも高い位置に設ける必要があるためである。雑排水が供給される濾過システムSY41の位置では、位置エネルギーを利用することができない。
貯水タンクWTは、例えば浄水システムSY32への水の供給が可能な高さにする必要がある。飲料水を貯める貯水タンクも貯水タンクWTとは別に必要となる。これは、浄水システムSY32により浄化された水を貯めるようにすることにより、浄水システムSY32をより効率的に使用できるようになるからである。位置エネルギーにより、その貯水タンクから各部に飲料水を供給することを想定するのであれば、貯水タンクWTの高さは、より高くする必要がある。
図2では、破線と実線により、飲料水生成システムSY31が生成した飲料水と、浄水システムSY32が生成した飲料水とが別々に扱われることを示している。そのため、貯水タンクWTとは別の貯水タンクは、少なくとも2つ必要となる。つまり、飲料水生成システムSY31、浄水システムSY32の夫々で少なくとも1つの貯水タンクが必要となる。
しかし、飲料水生成システムSY31が生成した飲料水は、飲料水生成システムSY31を設置する位置を工夫することにより、位置エネルギーを利用し、貯水タンクに貯まるようにすることができる。
このようなことから、雑排水を浄化して得られる飲料水を供給可能にするには、電力を用いて水を移動させる必要がある。
汚水処理システムSY42により処理された水の便器TLへの供給にも電力が必要である。また、処理された水を貯める貯水タンクも必要である。その電力は、浄水システムSY32により生成された飲料水の供給と同様に、貯水タンクから便器TLに水を供給可能にするために用いられる。
図2に示すような居住施設Hでは、発電システムSY1は、必要な電力を確保することが可能とし、蓄電システムSY2は、確保された電力の安定供給を可能にする。そのため、電力網等の生活インフラは必須としない。その生活インフラを利用していたとしても、その生活インフラが何らかの理由によって利用できなくなった状況にも対応することができる。このことから、居住施設Hの設置場所における電力確保のための制約は無くなるか、例え無くならないとしても、その程度は非常に抑えられる。
一般的な家庭の1日当たりの使用電力量は約10kWhである。このことを考慮し、発電システムSY1としては、例えば2.0kWh〜2.4kWhの発電が可能なものを採用することが考えられる。この発電量は、太陽光発電であれば、最大出力が405Wの太陽光パネルを5〜6枚、設置することで可能である。このような太陽光パネルは、居住施設Hの屋根部分に設置しても良く、居住施設Hとは別に設置場所等を設けて設置しても良い。
一方、蓄電システムSY2としては、6kWh〜10kWhの容量のものを採用することが考えられる。このような容量は現在、リチウムイオン電池を用いたポータブル電源でも実現されている。このことから、蓄電システムSY2は、このようなポータブル電源を採用したものであっても良い。そのような蓄電システムSY2は、比較的に小型、軽量であることから、居住空間を狭めることなく、居住施設Hへの設置を容易に行うことができる。
また、飲料水生成システムSY31は、生活インフラが利用できないだけでなく、飲用に適した水を外部から確保できないとしても、必要な量の飲料水の確保を可能にする。浄水システムSY32は、雑排水を浄化して得られる水だけでなく、雨水、湧き水等からも飲用に適した水を生成する。このようなことから、飲料水生成システムSY31、及び浄水システムSY32をともに備えることにより、飲料水の確保に生活インフラが不要になるだけでなく、より大量の飲料水を確保できるようになる。このことから、居住施設Hの設置場所における飲料水確保のための制約は無くすことができる。
飲料水生成システムSY31としては、例えば1日当たりに飲料水を15〜20リットル生成可能なものとすることが考えられる。浄水システムSY32としては、毎時15リットル程度の浄水性能を有するものが考えられる。このような性能の飲料水生成システムSY31、及び浄水システムSY32を採用し設置することにより、必要な飲料水を確保することができる。それにより、飲料水を確保することを考慮することなく、居住施設Hの設置場所を決定できるようになる。
濾過システムSY41は、雑排水を浄化し、中水レベルの水にする。この水は、飲料水の生成に用いることが可能なだけでなく、環境にも優しい水となる。このことから、濾過システムSY41を備える場合、飲料水生成システムSY31に求められる飲料水の生成能力をより小さくする、雑排水を環境に放出可能にする、といった利点が得られる。この利点により、雑排水による環境への影響を考慮し、居住施設Hの設置場所の選択肢を狭めるような必要性は回避可能となる。
汚水処理システムSY42は、汚水を処理し、中水レベルの水にする。この水は、トイレにのみ使用される。しかし、トイレにのみ使用するとしても、生成した飲料水をトイレに使用する量は抑えられる。処理された水は、雑排水を浄化して得られる水と同じく、環境に優しい水である。このようなことから、汚水処理システムSY42を備える場合、飲料水をより利用できるようにする、汚水を環境に放出可能にする、といった利点が得られる。この利点により、汚水による環境への影響を考慮し、居住施設Hの設置場所の選択肢を狭めるような必要性は回避可能となる。
このようなことから、居住施設Hは、生活インフラが未整備であり、且つ環境への高い配慮が必要な場所であっても設置することができる。例えば都市から遠く離れた山奥、或いは僻地、砂漠、水上など、地球上の大部分の場所に居住施設Hは設置することができる。設置場所の選択肢が広がることにより、居住施設Hの新たな利用方法、新たなサービスの提供の実現も期待できる。
図3は、本発明の居住施設の一実施形態としてのモバイルホームの例を示す図である。
モバイルホームの例として、図3(A)には基軸組立タイプ、つまり在来工法により建設するタイプ、図3(B)にはコンテナタイプ、図3(C)にはトレーラータイプを夫々示されている。
コンテナタイプ、つまりコンテナハウスは、コンテナを利用し、人が住む住居とした建築物である。コンテナは、海上輸送、重量物の輸送を想定した構造物である。そのため、コンテナハウスは、移動可能な他に、頑強、塩害に強い、長期間の使用に耐えられる、といった特徴を有している。コンテナハウスに用いるコンテナは1つのみに限定されない。図3(B)では、1つのコンテナを利用したコンテナハウスの例を示している。
トレーラータイプ、つまりトレーラーハウスは、自動車により移動させることが可能なモバイルホームである。自動車による移動が可能なように、本体部分の建築物は、図3(C)に示すように、タイやのついたシャーシの上に置かれる。そのため、機軸組立タイプのモバイルホームはもとより、コンテナハウスよりも移動が容易となっている。
コンテナハウス、及びトレーラーハウスには、通常の建築物における基礎といえるものが存在する。コンテナハウスでは、利用するコンテナであり、トレーラーハウスでは、シャーシである。機軸組立タイプの建築物は、基礎の代わりとする構造物上に土台を設けることにより、モバイルホーム化することができる。
図3(A)〜(C)に示すタイプのモバイルホームは全て平屋形式である。平屋形式を採用した場合、居住施設Hの高さが抑えられる、強度の確保がより容易となる、単位面積当たりの重量がより抑えられる、といった利点がある。単位面積当たりの重量をより抑えることで、居住施設H全体の重量も抑えられるようになる。これらは何れも、居住施設Hの移動をより容易にさせる。
図3(A)に示すタイプは、日本家屋仕様であり、木材が多く使われている。
木材は、他の建築材料と比較し、軽くて強いという特徴を有している。また、木材には、湿気を調節する働きもある。このようなことから、木材を使用することにより、必要な強度を達成しつつ、居住施設Hの重量を抑えられるようになる。湿気を調節する働きは、湿気の多い場所に設置するうえでの利点となる。また、日本家屋仕様とすることにより、より落ち着いた印象を与える居住空間を実現できるようになる。
次に、モバイルホームとして実現させる居住施設Hの利用方法の例について説明する。
(1)移動可能な居住拠点(究極のモバイルハウス)
図2に示す居住施設Hは、生活に特に必須の電力、及び飲料水の供給、並びに生活排水の処理が居住施設H内で完結されている。そのため、生活インフラとの接続を不要とすることができる。
このような居住施設Hを例えば図3(A)〜(C)の何れかに示すタイプのモバイルホームとして提供した場合、生活インフラに依存することなく、居住施設Hの移動、及び設置がともに可能である。このため、居住施設Hでは、従来のモバイルホームが生活インフラに依存することで抱える移動範囲、移動距離、移動期間、設置場所等の制限がなくなるか、例え制限がなくならなくとも、その制限は限りなくゼロになる。そのことによって、例えば都市から離れ、生活インフラに依存しない移動生活を居住施設Hにより実現することができる。図3(A)〜(C)に示すタイプのモバイルホームのうちでは、居住施設Hを図3(C)に示すようなトレーラーハウスとして提供することにより、移動(運搬)、及び設置がより容易に行えるようになる。
(2)景勝地や秘境等での宿泊施設
このような場所では、生活インフラが未整備なのが普通である。そのため、生活インフラに依存しないことが可能な居住施設Hを宿泊施設として設置する。それにより、宿泊客は、景勝地、秘境等の宿泊が困難な場所に宿泊して、自然の景色を楽しむ、経験するのが困難な経験をする、といったことが行えるようになる。宿泊客は、魅力的な自然環境の中で、家にいるかの様にリラックスすることもできる。宿泊施設を設置する側にとっては、宿泊施設を容易、且つ短期間に設置することができる。また、居住施設Hは、不動産ではなく動産として設置が可能なため、税制面での利点もある。
居住施設Hは、宿泊施設では無く、別荘、ワーケーション拠点、合宿所、アトリエ、或いは療養施設などとして設置しても良い。
(3)観光地等の季節性需要変動への対応
観光地のうちには、季節による需要変動が大きい場所も存在する。このことから、その需要変動への対応のために居住施設Hを利用する。
自然豊かな観光地等は、手つかずの自然が人を惹きつける。しかし、それ故に、生活インフラの整備が困難である。それにより、普通の店舗や事務所等の整備も困難である。このようなことから、観光地等における需要変動への対応も困難である。
居住施設Hは、移動が容易であり、電力、水の面で生活インフラに依存しないようにすることができる。そのため、生活インフラが整備されていない観光地等では、需要が大きい季節は居住施設Hを店舗、或いは事務所等として設置し、需要が小さい季節は居住施設Hを移動させるというようなことも比較的に容易に行うことができる。環境負荷も非常に抑えることができる。このことから、自然を傷つけることなく、観光地等での需要変動への対応もより容易に行えるようになる。居住施設Hは、開催するイベントへの対応として設置するようにしても良い。需要変動への対応であり、基本的に、居住施設Hは移動させるのが前提となる。このことから、居住施設Hとしては、特に移動が容易なトレーラータイプが望ましい。
(4)山村部や僻地での老人等の介護施設
山村部や僻地では、通常の介護施設を設けるのが困難である。これは、介護施設を設けるためのコストが割高になるということの他に、介護の対象となる人が少なく、且つその人は減っていく傾向であるのが普通だからである。通常の介護施設を設けた場合、何れ使用されなくなる可能性を考慮しなければならない。
しかし、居住施設Hでは、移動が容易であり、介護対象となる人の数の変動にも容易に対応可能である。環境負荷も非常に抑えることができる。税制面での利点もある。このようなことから、介護サービスを提供する側にとっては、居住施設Hを介護施設として利用することにより、コストを抑えつつ、より広い地域で介護サービスを柔軟に提供することができる。居住施設Hは、介護施設としてではなく、児童福祉施設、保育園、幼稚園、各種学校、医療施設、コンビニエンスストアなどの店舗、などの用途で設置しても良い。移動させるのが前提であることから、居住施設Hとしては、特に移動が容易なトレーラータイプが望ましい。
(5)大規模災害発生時の自立可能な防災拠点
大規模災害の発生により、生活インフラが利用できなくなる場合が多い。生活インフラが復旧するには、ある程度の時間が必要である。その時間が非常に長くなることもある。生活インフラが利用できなくなった地域、例えば被災地の住民のうちには、住む家を失った住民が生じることもある。
居住施設Hは、家を失うことも含め、生活インフラが利用できなくなった住民が避難する、或いは一時的に居住する家といった防災拠点として用いることができる。
居住施設Hは、電力、水の面で生活インフラに依存させないようにすることができ、且つ移動が可能である。そのため、自立的な防災拠点として迅速に設置することができる。設置場所を選ばないことから、公園や広場、空き地、駐車場等も設置場所として利用することができる。このようなこともあり、大規模災害の発生による防災拠点の設置は、迅速、且つ容易に行うことができる。防災拠点として利用する居住施設Hは、移動を想定したものであることから、特に移動が容易なトレーラータイプであるのが望ましい。
大規模災害の発生が想定されるような地域では、居住施設Hは、大規模災害の被災に備えて予め設置しておくようにしても良い。その場合、設置した居住施設Hは、実際に災害が発生するまで、防災拠点以外の用途で利用するようにしても良い。例えば普段は店舗、事務所等として活用し、被災時には即時、防災拠点として運用するようにしても良い。 居住施設Hは、国際的行事での仮設拠点、例えば滞在施設、パンデミック時の臨時医療隔離施設などとして設置するようにしても良い。
居住施設Hは、移動が困難な被災者の下に、防災拠点として届けるようなことも可能である。このことに着目し、居住施設Hは、利用者が居る場所に移動させる図書館、美容室、店舗、事務所、飲食店、宿泊施設等として用いるようにしても良い。このような用途でも、居住施設Hとしては、特に移動が容易なトレーラータイプであるのが望ましい。
(6)新たな都市構造を実現する自立型居住施設
都市に整備された生活インフラは、何れ老朽化し、メンテナンスに要する金銭的・人的コストが増大する。そのようなコストを抑えるために、居住施設Hを設置する。
居住施設Hは、電力、水の面で生活インフラに依存させないようにすることができる。それにより、居住施設Hが設置されたエリアでは、電力、水の生活インフラをメンテナンスしなくとも済むようになる。このため、居住施設Hを設置することにより、生活インフラをメンテナンスすべき範囲をより小さくさせることができる。それにより、メンテナンスに要する金銭的・人的コストも低減される。それは環境負荷の低減にも繋がり、地球規模での持続可能な社会実現にも繋がって行く。
全ての建築物が居住施設Hであれば、生活インフラ自体を不要にすることも可能である。このことから、居住施設Hは、人類が効率的な開発と発展の為に、都市という社会空間を構築して、大規模な生活インフラを整備するという手法を過去のものとする可能性がある。例えば、居住施設Hは、都市と暮らしの在り様を変革するパラダイムシフトを実現させるものとなる可能性がある。つまり、居住施設Hは、オフグリッドタウンの実現、既存都市空間の更新、等にも貢献できる。
以上、本発明の一実施形態について説明した、しかし、本発明が適用される実施形態は、例えば以下のようなものであっても良い。
例えば居住施設Hは、必要なものを全て備えた1つの建築物として利用するのではなく、建築物の一部として利用できるようなものとしても良い。具体的には、居住施設Hは、入浴施設、トイレ、キッチン、等に特化させたものであっても良い。それらのうちの2つ以上を備えたものとしても良い。そのようにして、既存の建築物、若しくは特定の場所では不足した部分、或いは新たに必要となった部分を補うものとして用いるようにしても良い。複数の居住施設Hを組み合わせて、より広い居住空間を実現させるようにしても良い。
使用する水、特に飲料水については、常時、或いは定期的に水質を自動的に検査するようにして、その検査結果を居住者(例えばサービス利用者)に提示するようにしても良い。必要に応じて、居住者が手動で検査させることができるようにするのが望ましい。
図4は、本発明の居住施設の一実施形態に配置するシステムの組み合わせ例を説明する図である。
図4には、図1、及び図2に示したシステムの組み合わせを含め、システムの組み合わせの例が示されている。
図4に示すように、図1、及び図2に示すようなシステムの組み合わせの他にも様々な組み合わせが可能である。何れの組み合わせも、複数のシステムが循環又は相互連携されて配置されるものである。以下、図4に示す各パターンにおける、図1、及び図2に示すようなシステムの組み合わせとの相違について説明する。ここでは便宜的に、水リサイクルシステムSY4が処理する生活排水としては、雑排水のみを想定する。
図4において、パターン1は、図1、及び図2に示す居住施設Hで採用されたシステムの組み合わせか、或いはそれに準じる組み合わせである。
パターン2では、水リサイクルシステムSY4→飲料水生成システムSY3、の組み合わせとなっている。これは、外部から得た飲料水によって発生した生活排水、或いは外部から得た生活排水レベルの水を水リサイクルシステムSY4で処理し、その処理した水を飲料水生成システムSY3で浄化して飲料水を生成する流れであることを示している。それにより、パターン2では、飲料水生成システムSY31のような設備は存在しない。これは、パターン4でも同様である。
図1、及び図2に示す居住施設Hで採用されたシステムの組み合わせでも、水リサイクルシステムSY4→飲料水生成システムSY3の組み合わせは、濾過システムSY41、浄水システムSY32によって実現される。しかし、図1、及び図2に示す居住施設Hで採用されたシステムの組み合わせでは、飲料水生成システムSY31の存在により、外部から飲料水を確保しなくとも良い。このことから、飲料水生成システムSY3→水リサイクルシステムSY4、の組み合わせとなっている。
パターン3では、蓄電システムSY2→発電システムSY1の組み合わせとなっている。このパターン3では、外部からの電力供給が前提であり、蓄電システムSY2は、外部から供給された電力を蓄電する。発電システムSY1は、蓄電された電力を発電に必要とするシステムである。例えば発電システムSY1は、燃料電池を用いたシステムであり、蓄電された電力は、発電に必要な燃料の生成に用いられる。発電システムSY1による発電が開始された後の外部からの電力供給は、必ずしも必要とするものではない。これは、パターン4でも同様である。
パターン5では、飲料水生成システムSY3→水リサイクルシステムSY4→発電システムSY1→蓄電システムSY2、の組み合わせとなっている。
この組み合わせから、飲料水生成システムSY3は、電力を必要とせずに、飲料水を生成するシステム、例えば浄水システムSY32のようなものである。発電システムSY1は、例えば水リサイクルシステムSY4によって処理された水を利用し、発電が可能なものである。そのような発電システムSY1としては、例えば水の流れで発電を行うものが挙げられる。それにより、パターン5では、比較的に大量の水が確保可能であることが想定されている。その想定から、水リサイクルシステムSY4は、生活排水を環境に放出するのを想定した用途であっても良い。
パターン6では、水リサイクルシステムSY4→飲料水生成システムSY3→発電システムSY1→蓄電システムSY2、の組み合わせとなっている。
この組み合わせから、水リサイクルシステムSY4は、電力を必要とせずに、例えば生活排水レベルの水を処理できるものである。この雑排水レベルの水としては、例えば雑排水だけでなく、外部から得られるものも含まれる。このことから、パターン6も、外部から水が確保可能であることが想定されている。
パターン7では、蓄電システムSY2→飲料水生成システムSY3→水リサイクルシステムSY4→発電システムSY1、の組み合わせとなっている。
この組み合わせから、蓄電システムSY2は、外部から供給される電力を蓄電することを想定したものである。飲料水生成システムSY3、及び水リサイクルシステムのうちの少なくとも一方は、電力を用いるものであっても良い。発電システムSY1は、例えば水リサイクルシステムSY4で処理された水を含む比較的に大量の水により発電を行うものである。大量の水が外部から得られるのであれば、水リサイクルシステムSY4は、生活排水を環境に放出するのを想定した用途であっても良い。
パターン8では、蓄電システムSY2→水リサイクルシステムSY4→飲料水生成システムSY3→発電システムSY1、の組み合わせとなっている。
この組み合わせから、パターン2と同様に、水リサイクルシステムSY4は、外部から得た飲料水によって発生した生活排水、或いは外部から得た生活排水レベルの水を処理する。水リサイクルシステムSY4、及び飲料水生成システムSY3のうちの少なくとも一方には、電力を用いるものが採用可能である。発電システムSY1は、例えばパターン5と同様に、水リサイクルシステムSY4によって処理された水を利用し、発電が可能なものである。そのため、水リサイクルシステムSY4は、生活排水を環境に放出するのを想定した用途であっても良い。
パターン9では、飲料水生成システムSY3→発電システムSY1→蓄電システムSY2→水リサイクルシステムSY4、の組み合わせとなっている。
この組み合わせから、飲料水生成システムSY3は、電力を必要とせずに、飲料水を生成可能なものである。発電システムSY1は、例えば飲料水の生成を条件に、発電を行うように制御されるものである。例えば飲料水の生成のために浄化する対象となる水の供給により、発電を行うものである。これは、人が生活するうえで飲料水が必要であることに着目したものである。つまり飲料水が生成されない状況では、居住施設Hは使われていないと見なし、発電を行わないようにしたものである。設置環境としては、比較的に大量の水が確保可能であることが想定されている。
パターン10では、水リサイクルシステムSY4→発電システムSY1→蓄電システムSY2→飲料水生成システムSY3、の組み合わせとなっている。
この組み合わせは、例えばパターン5と同様に、比較的に大量の水が確保可能であることを想定したものである。水リサイクルシステムSY4は、例えば生活排水だけでなく、外部から得られた生活排水レベルの水を処理するものである。比較的に大量の水を外部から得られる環境であることから、発電システムSY1としては、水を利用して発電を行うものを採用することができる。飲料水生成システムSY3としては、水リサイクルシステムSY4が処理した水を浄化するもの、及び電力を用いて飲料水を生成するものの両方が採用可能である。
パターン11では、発電システムSY1→飲料水生成システムSY3、の組み合わせとなっている。
パターン11では、生活排水の処理に生活インフラ等を利用するのが前提となっている。また、蓄電システムSY2が存在しない。このようなことから、パターン11は、非常事態等を主に想定し、生活インフラが一時的に利用できなくなる状況に対応可能にすることを重視したものである。
パターン12も、パターン11と同様に、非常事態等を主に想定したものである。パターン1と異なり、飲料水生成システムSY3が存在しないことから、非常事態であっても飲料水が確保される想定となっている。
パターン13では、蓄電システムSY2→飲料水生成システムSY3→発電システムSY1、の組み合わせとなっている。
この組み合わせから、パターン13では、外部からの電力供給、及び生活排水の処理に生活インフラ等の利用が想定されている。飲料水生成システムSY3は、例えば非常時の飲料水の確保、或いはより安全な飲料水の確保のために設置されている。発電システムSY1は、例えば常に発電を行わせるのではなく、非常時等に、蓄電された電力を用いた発電を可能にするために設置されていても良い。
パターン14では、パターン13における飲料水生成システムSY3の代わりに水リサイクルシステムSY4が組み合わされている。それにより、パターン14では、パターン13とは異なり、非常時であっても飲料水の確保が可能である、生活排水の処理ができなくなる恐れがある、といったことが想定されている。
パターン15では、飲料水生成システムSY3→発電システムSY1、の組み合わせとなっている。
このことから、飲料水生成システムSY3は、電力を必要とせずに、外部から得られる水を浄化するものである。発電システムSY1は、例えばパターン9と同様に、例えば飲料水の生成を条件に、発電を行うように制御されるものである。
パターン16では、水リサイクルシステムSY4→発電システムSY1、の組み合わせとなっている。
このことから、水リサイクルシステムSY4は、電力を必要とせずに、例えば生活排水、及び外部から得られる水を処理するものである。処理した水は、飲料水以外の用途に用いるのを想定したものである。その用途としては、生物の飼育用であっても良く、発電システムSY1の発電用であっても良い。
上記のような居住施設Hは、地球上のあらゆる場所で、従来型の生活インフラ設備が無いか、例え有っても整備しなくとも、設置するだけで持続的な居住環境を実現できる。
そのことにより、従来型の大規模な生活インフラ(電力網・上下水道)の構築や構築後のメンテナンスが不要になって、移動型居住を容易にし、生活インフラ構築の困難な僻地等での持続可能な居住を実現できる。また、大規模災害により生活インフラが破壊・損壊しても安心・安全な自立型防災拠点を短期間で設置・可動させることが可能となる。
故に、居住施設Hの提供対象は既存の居住環境のほとんど全てに及び、この居住施設Hの一般化が進めば、既存の都市構造に変革をもたらし、都市開発、都市のメンテナンスの手法を根本から変える可能性もある。
居住施設Hでは、発電システムSY1、蓄電システムSY2、飲料水生成システムSY3、水リサイクルシステムSY4の4要素の一部、或いは全部を相互作用が働くように繋げ、循環するような一体的なシステムとして構築している。システムの構築は、一般的な運搬可能なサイズの居住施設Hで行うことにより、どんな場所に設置しても全てのシステムが機能するようにパッケージ化している。
システムの構築上、最も重要な工夫は、一般的な人の居住環境に必須な飲料水の生成、そのリサイクルを実現し、地球上のいかなる場所にも設置可能とした点である。地球上において、安心・安全な水の確保は最優先課題であり、現時点においてそれが実現できているのはごく一部の限られた国・地域にとどまる。水の確保に重点を置き、水を安全・安心な形で持続的に供給できるようにした点が、地球上のいかなる場所にも設置可能としたという効果を最大化する為の最重要な工夫である。
従来のいわゆる「オフグリッド」とは、電力の大規模供給発電所と送電網(電力網)から独立して、居住施設単体での電気的自給自足の実現を意味する。この時、居住環境として最重要な水資源の供給と排水処理は大規模な生活インフラとの接続が必須で、既存インフラに対しての「オフグリッド」は実現されていなかった。よって、水の確保と排水処理を自立して実現することが、従来の「オフグリッド」を「完全オフグリッド」にする為の必須課題である。
ここで、運搬可能という点で、コンテナハウス等のモバイルハウス、キャンピングカーなどの従来の手法による移動可能な居住施設における課題を定義する。
従来の移動可能な居住施設では、電力、水はある一定期間に必要な量を、外部の供給源から蓄電池や貯水タンクに予め供給することによってその自立性を確保し、移動可能としている。従って、搭載可能な量を超えた電力、水の使用は不可能であり、その搭載可能な範囲内でのみ移動可能と言える。また、使用済みの水である生活排水の処理も排水タンクに一時貯蔵し、外部の処理施設でその処理を実施する必要があるので、それを超える量の移動は実質不可能である。
よって、従来の移動可能な居住施設は、移動可能な距離と範囲、期間において、限定的にしか機能せず、自立性と持続性の面で課題がある。
端的に言えば、既存の生活インフラの存在を前提にすることでのみ成立する手法である点が課題である。
これに対し、居住施設Hは、発電システムSY1、蓄電システムSY2、飲料水生成システムSY3、水リサイクルシステムSY4の4要素を組み合わせたシステムにより、一般的な生活に必須である電力と水の自給自足が可能である。それにより、既存の生活インフラを利用する必要がなく、その生活インフラに依存することなく、自立的で持続的な生活を営むことが可能である。このため、居住施設Hは、従来は困難であった、都市から遠く離れた山奥や僻地、砂漠や水上など地球上のほぼ全ての場所に設置が可能であり、設置するだけで居住環境を整備することが可能である。このような点が、既存商品・サービスと一線を画す新規性である。
居住施設Hは、運搬可能な居住環境という面において既存商品・サービスと捉えることができるが、電力、水の供給(確保)と循環そして処理の観点から、既存商品・サービスとは一線を画す差異がある。
つまり、居住施設Hは、既存商品・サービスとは異なり、それ単体での自立した電力、水の供給も可能で、且つ生活排水の処理も再利用も可能である。つまり水は循環させることが可能である。仮に、リサイクルする水を貯める貯水タンクに水を貯められなくなったとしても、その水は最低限、雨水程度の水質となっているので、外部へ放出しようとも環境への影響は無い。
このことから、居住施設Hは、従来の移動可能な居住施設だと課題になり得る距離・範囲の限定と外部の供給源・処理設備への依存を克服し、より新たな利用方法、サービスの展開を実現できる新規性を備えている。
以上まとめると、本発明が適用される、本サービスにより提供可能な居住施設は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を採ることができる。
即ち、本サービスにより提供可能な居住施設(例えば図1に示す居住施設H)は、
発電により電力を供給する第1システム(例えば図1に示す発電システムSY1)と、
蓄電が可能な第2システム(例えば図1に示す蓄電システムSY2)と、
飲料水を生成可能な第3システム(例えば図1に示す飲料水生成システムSY3)と、
生活排水をリサイクルする第4システム(例えば図1に示す水リサイクルシステムSY4)と、
のうち、前記第3システムと前記第4システムのうち少なくとも一方と、前記第1システムと前記第2システムのうち少なくとも一方とを含む2つ以上のシステムが循環又は相互連携されて配置された
居住施設。
これにより、居住施設では、設置場所に係わらず、第1システムによって電力が確保可能になるか、或いは第2システムにより、外部から供給される電力が途絶えても電力供給を一定時間、継続できる。それにより、居住施設の設置場所における電力を考慮した制約はより小さくなる。
また、居住施設では、第3システムによって飲料水が確保可能になり、第4システムによって、生活排水のリサイクルが可能になる。リサイクルが可能な水は、環境に優しい水として、環境への放出が可能である。それにより、居住施設の設置場所における水、及び環境を考慮した制約はより小さくなる。
結果、サービス利用者に対し、環境に優しく、且つ設置場所における制約がより小さい居住施設を提供できるようになる。
上記居住施設は、
前記第1システム、前記第2システム、前記第3システム、及び前記第4システムを備え、
前記第2システムは、前記第1システムにより供給される前記電力を蓄電し、
前記第3システムは、前記第2システムにより蓄電されている前記電力の少なくとも一部を用いて前記飲料水を生成し、
前記第4システムは、前記第3システムにより生成される前記飲料水の使用により発生する前記生活排水をリサイクルする、ようにできる。
そのようにすることにより、居住施設の設置場所に係わらず、安定した電力の確保、及び飲料水の確保がともに可能となる。生活排水は環境に放出する必要がなくなるか、或いは環境に放出するとしても、少なくとも環境に優しい水を放出することになる。そのため、サービス利用者に対し、環境に優しく、且つ設置場所における制約がさらに小さい居住施設を提供できるようになる。
上記居住施設は、モバイルホームである、ようにすることができる。
居住施設をモバイルホームとして実現させることにより、サービス利用者は、随時、居住移設を望む場所に移動させることをより容易、且つより低コストに行えるようになって、より高い利便性が得られる。
上記モバイルホームは、木軸組立タイプの家屋、コンテナハウス、又はトレーラーハウスである、ようにすることができる。
何れであっても、設置場所の移動を容易に行うことができる。
上記モバイルホームは、平屋形式の日本家屋仕様である、ようにすることができる。
平屋形式を採用した場合、強度の確保がより容易となり、単位面積当たりの重量は抑えられるようになる。日本家屋仕様とすることにより、言い換えれば木材をより多く使用することにより、軽く、強度の高い居住施設をより容易に建設できるようになる。
H 居住施設、KD 家電製品、SM 照明器具、SY1 発電システム、SY2 蓄電システム、SY3、SY31 飲料水生成システム、SY32 浄水システム、SY4 水リサイクルシステム、SY41 濾過システム、SY42 汚水処理システム

Claims (5)

  1. 発電により電力を供給する第1システムと、
    蓄電が可能な第2システムと、
    飲料水を生成可能な第3システムと、
    生活排水をリサイクルする第4システムと、
    のうち、前記第3システムと前記第4システムのうち少なくとも一方と、前記第1システムと前記第2システムのうち少なくとも一方とを含む2つ以上のシステムが循環又は相互連携されて配置された
    居住施設。
  2. 前記第1システム、前記第2システム、前記第3システム、及び前記第4システムを備え、
    前記第2システムは、前記第1システムにより供給される前記電力を蓄電し、
    前記第3システムは、前記第2システムにより蓄電されている前記電力の少なくとも一部を用いて前記飲料水を生成し、
    前記第4システムは、前記第3システムにより生成される前記飲料水の使用により発生する前記生活排水をリサイクルする、
    請求項1に記載の居住施設。
  3. 前記居住施設は、モバイルホームである、
    請求項1又は2に記載の居住施設。
  4. 前記モバイルホームは、木軸組立タイプの家屋、コンテナハウス、又はトレーラーハウスである、
    請求項3に記載の居住施設。
  5. 前記モバイルホームは、平屋形式の日本家屋仕様である、
    請求項3又は4に記載の居住施設。
JP2021089336A 2020-05-27 2021-05-27 居住施設 Pending JP2021188504A (ja)

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