JP2021188453A - スリーブ継手用プラグ - Google Patents
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Description
スリーブ継手10の両端の鉄筋挿入口10Aの径は挿入する鉄筋径より大きなものであり、また、鉄筋は一様な円形断面でなく表面にラセン突起や竹節などの凹凸が形成された異形鉄筋が通常使用されるので、スリーブ継手10と鉄筋Rの間には間隙が存在する。鉄筋Rを挿入したスリーブ継手10にコンクリート構造体を構成するためのコンクリートを打設するとき、スリーブ継手10と鉄筋Rとの間隙からコンクリート(ノロ)がスリーブ継手10の内部に侵入し、スリーブ継手10内部の鉄筋を接合するためのモルタルの注入に悪影響を及ぼし、スリーブ継手の強度を低下させる恐れがあるため、スリーブ継手の鉄筋挿入口10Aには鉄筋表面に密着してモルタルの流出を阻止するシール3を有するプラグ1が装着されており、鉄筋Rはこのプラグ1の中心に形成された穴を通してスリーブ継手10の中央部にまで挿入される。
プラグ1は、ゴム製または合成樹脂製であり、種々の形状のプラグが提案されており、シール3が鉄筋Rの表面に密着してモルタルが漏出しないようにしている。
プラグ1は、スリーブ継手10の一方または両端部の開口に装着されて固定されており、プラグ1のスリーブ継手10への固定方式としては、図8、図9に示すスリーブ継手10の端部開口10Aの内壁に嵌合溝10Dを形成し、プラグ1にはこの嵌合溝10Dに嵌め込まれるリング状の嵌合突起2が形成されている。
また、図10、図11に示すスリーブ継手10のように、端部開口の内壁にラセン溝10Sを形成し、プラグ1の外周にはラセン突起20を形成してスリーブ継手10にネジ込んで固定する方式のものがある。図10の10Eはスリーブ継手10の中央部に設けたストッパーであって、挿入した鉄筋Rがスリーブ継手10の中央より先に行き過ぎないようにするものである。
嵌合方式は、嵌め込むとき及び取り外す際にはプラグ1の嵌入突起2を変形させなければならず、大きな力を必要とするが、ネジ込み方式はプラグ1を回転させてネジ込むものであるので比較的着脱が容易である。
従って、特定の鉄筋径に対応するプラグ1は、異なる鉄筋径に対してはモルタルの漏出防止を期待できないので使用することができなかった。そのため、鉄筋径ごとに異なる直径の円形穴のシールのプラグを準備する必要があり、現場において複数の種類のプラグを用意しておくのは不経済であり、複数の鉄筋径に適合するプラグが望まれていた。
本発明は、この課題を解決するものであり、異なる径の鉄筋に対応可能なスリーブ継手用のプラグを提供するものである。
また、スリーブ継手用プラグは、ロート状基体の内側斜面に沿って間隔をあけて斜面に対して所定角度で突出させてある環状突起を形成してシールとしてあり、プラグの鉄筋挿入口から内部に向かってシールの穴の径が順に小さくなるようにしたスリーブ継手用プラグである。
ロート状の基体の外側に逃げ空間を介して円筒外壁が設けてあり、円筒外壁の外周面にラセン突起が形成してあるスリーブ継手用プラグである。
また、ロート状の基体の外壁面にラセン突起を形成したものにおいては、スリーブ継手への装着は、スリーブ継手の入口内周面に形成したラセン溝に本発明のプラグを捻じ込んで装着固定することができるので、装着作業が簡単であり、施工時間の短縮につながることになり、施工コストを削減することができる。
更に、本発明のプラグを装着したスリーブ継手に鉄筋を挿入する際、図4に示すように、鉄筋をスリーブ継手の挿入口からスリーブ継手の中央に向かってシールの穴の径が順に小さくなるようにしてあるので、一番奥の穴の径が最小であり、スリーブ継手の開口から鉄筋の挿入方向を見ると、同心円からなる的(マト)として作業員に見えるため、開口の中心を容易に視認することができ、従来の同一径の穴と場合と比較すると心理的にスリーブ継手の中心を狙い定め易いものとなる。
従来の同一内径の円板を並列させたプラグに比較して容易に鉄筋をスリーブ継手の穴の中心にめがけて挿入することができるので、鉄筋の挿入方向がスリーブ継手の軸に対して傾斜することが少なくなり、鉄筋の挿入方向がずれることによる鉄筋のセット作業のやり直しが少なくなり、トータルの鉄筋の挿入作業時間を短縮することができ、作業効率が上がると共に挿入されて接続された鉄筋の直線性が向上するので構造的にも好ましいものであり、継手の強度のばらつきを小さなものとすることができる。
プラグ1は、ゴムまたは、合成樹脂製であって、スリーブ継手10の鉄筋挿入口の内壁に形成されている環状の嵌入凹部に嵌め込んでプラグ1をスリーブ継手10に固定する環状の嵌入突起2とこの嵌入突起2の下側に一体的に形成されている円筒状の基体21とからなり、嵌入突起2と基体21には中心に穴Hが形成されたシール3(31、32、33)が間隔をあけて設けてある。シール3は、図1において、上側がスリーブ継手10にプラグ1をセットした状態でスリーブ継手1の鉄筋が挿入される挿入口であり、図示のように、上から順に中央部にそれぞれ直径r1、r2、r3の穴Hが形成してある。シールの穴Hの直径(r1〜r3)は順に径が小さくしてある。シール3は一様な厚さとしてあり、必要があれば穴Hの縁の部分には丸みを付しておく。
シール3の枚数及びシール3の中央の穴Hの径は、使用する鉄筋の径及び種類(対象鉄筋表面に形成された突起の形状)に応じて適宜定める。
このフランジ4がプラグ1をスリーブ継手10に捻じ込んだ時のストッパーとなってスリーブ継手1の挿入口の端部に密着しており、コンクリートを打設領域に均一に行きわたらせて充填するためにバイブレーターを使用してスリーブ継手1に振動が与えられても、プラグ1の締め付け度合いが緩むことがなく、また、抜け出すことがない。
フランジ4を設けたことによって、プラグ1をスリーブ継手10に取付ける場合にフランジ4を手で保持することが容易であって大きな回転力をプラグに与えることができ、取り付けが容易となり、かつ、迅速に行うことができる。捻じ込みの最終段階ではフランジ4がストッパーとなり、プラグのネジ込み前進を止めると共にプラグ1をスリーブ継手10に強固に固定することになる。
図4は、スリーブ継手10の開口から鉄筋を挿入する方向を見た状態であり、中心部は開口Hである。シール31〜33の円形の縁が同心円となって的(マト)のように見えることから、鉄筋を作業員が挿入する際、心理的にスリーブ継手の中心を狙いやすくなり、鉄筋の挿入作業において、作業員の視線は必然的に中央の一番小さな穴Hに導かれ、鉄筋をスリーブ継手の中心に配設することが極めて容易となる。
中心に穴が形成してある円板状のフランジ4の下側にはロート状基体22がフランジ4と一体的に形成してある。このロート状基体22の斜面の内面側には3個の円環状のシール31〜33が適宜の間隔を空けて形成してある。図に示すようにシール31〜33はロート状基体22と一体的に形成してあり、水平方向より上側に向かって延びている。シール31〜33の断面は根元が太く先端に向かって小さくしてあり先細りとしてある。各シール31〜33の先端部には丸みが付してある。シール31〜33は、ロート状基体22から水平に対して所定の角度で突出させてあり、その突出量と水平に対する角度は0〜20度程度である。シール3の数は、対応可能とする鉄筋径に応じて増減可能である。シール3(31〜33)の中心の穴の径は鉄筋の挿入口側から奥に向かって段階的に小さくなるようにしてあり、多種類の直径の鉄筋に対応できるようにしてある。
穴の径が一番小さな奥側に位置するシール33(図において一番下)は、図示のように水平方向に延ばして挿通する鉄筋Rに対してシール33が直角に接触するようにしてもよい。
図示の例では、空間Sは頂部に丸みを付した断面三角形であり、鉄筋挿入時のシール31〜33の変形によって空間Sの頂部に亀裂が生じないようしてある。
また、必要に応じて断面概略三角形の環状空間Sにロート状基体22の外周面と外筒23を連結する補強用のリブを周方向に適宜の間隔で設けてもよい。
2 嵌入突起
2B 嵌入凹部
20 ラセン突起
21 基体
22 ロート状基体部
23 外筒
3(31〜33) シール
4 フランジ
10 スリーブ継手
10A 挿入口
10B モルタル注入口
10C 排出口
H 穴
R 鉄筋
S 環状空間
Claims (7)
- 鉄筋接続用スリーブ継手の鉄筋挿入口に取り付けるプラグであって、開口を有する弾性部材からなる複数のシールが基体に間隔をあけて設けてあり、これらのシールに設けてある開口の径がスリーブ継手の奥に向かって順に小さくしてあるスリーブ継手用プラグ。
- 請求項1において、プラグの基体の上面にはスリーブ継手の外径より大きな径のフランジが設けてあり、基体の外周にはスリーブ継手にネジ込むためのラセン突起が形成してあるスリーブ継手用プラグ。
- 請求項2において、プラグの基体にはロート状基体部が設けてあり、ロート状基体部の内周面に環状シールが設けてあるスリーブ継手用プラグ。
- 請求項3において、環状シールは、鉄筋挿入口側に向かって水平に対して傾斜させてあるスリーブ継手用プラグ。
- 請求項3〜4のいずれかにおいて、ロート状基体と外筒の間には断面概略三角形の環状空間が形成してあるスリーブ継手用プラグ。
- 請求項5において、環状空間には適宜間隔でリブが設けてあるスリーブ継手用プラグ。
- 請求項3〜4のいずれかにおいて、環状シールの根元の断面が先端より大きなものとしてあるスリーブ継手用プラグ。
Priority Applications (1)
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JP2020097164A JP6777959B1 (ja) | 2020-06-03 | 2020-06-03 | スリーブ継手用プラグ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP6777959B1 JP6777959B1 (ja) | 2020-10-28 |
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