JP2021187459A - 包装用容器の蓋体 - Google Patents

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Abstract

【課題】どの角度からも収容物の視認性が阻害されず、全体的に優れた透明感を有する包装用容器の蓋体を提供する。【解決手段】収容物を収容する容器本体に嵌合し、熱可塑性樹脂製のシート材を成形して成る蓋体であって、少なくとも一対の対辺間領域を平面で構成した平面視多角形状の天板部と、該天板部の周囲に連設される一定高さの側壁部とを備え、周方向に隣接する前記側壁部同士は、外形が曲面をなすアール状縦出角部によって連設される一方、前記天板部と前記側壁部のみが、水平方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部によって連設した。【選択図】図19

Description

本発明は、熱可塑性樹脂製のシート材を成形してなる包装用容器の透明な蓋体に係り、収容物の視認性を高める構成に関するものである。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで陳列販売されている弁当や寿司、惣菜等の包装用容器として、容器本体と蓋体とを熱可塑性樹脂製のシート材によって成形し、これらを嵌合して閉蓋する構造とすると共に、蓋体を透明として、収容物である食品等の視認性を確保した包装用容器は周知である。
この種の包装用容器は、視覚に訴えて購買意欲を喚起することが重要であるところ、特許文献1の蓋体では、天板部の隅部に設けたズレ防止用突起の存在によって、ここを通る角度からの視認性が失われ、特許文献2の蓋体においても、コーナー部に設けた凹部によって、収容物が歪んで見えるという課題がある。
特開2013−14370号公報 特開2018−135111号公報
ところで、蓋体において収容物を保護する部分が天板部と側壁部とで構成される場合、これら部分が収容物の視認性に大きく影響することから、天板部と側壁部のそれぞれを凹凸がない平滑な面で構成すれば、商品を真上から見たときは天板部を通じて、商品を真横から見たときは側壁部を通じて、面単位での視認性は良好となる。
これに対して、消費者が商品を選ぶときは、真上や真横から見るよりも、むしろ斜め上から見ることで収容物を立体的に観察することが多い。これに応じて店舗側も、消費者の目線が斜め上となるように商品を陳列することがある。何れにしても消費者が商品を見る角度は一定ではない。したがって、どの角度からも収容物をありのままに視認できることが理想である。
しかしながら、従来の蓋体では、面の方向が切り替わる天板部・側壁部間のコーナー部や、隣接する側壁部間のコーナー部が、往々にしてアール形状に形成されている。言い換えれば、各コーナー部はそれ自体が細幅でありながら、一種の曲面を構成している。このため、いくら天板部や側壁部を平滑な面で構成したとしても、商品を斜め上から見たときは、各コーナー部で収容物が歪んだりぼやっと見えるなど視認性が阻害され、全体として蓋体の透明感に欠けるという課題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、どの角度からも収容物の視認性が阻害されず、全体的に優れた透明感を有する包装用容器の蓋体を提供することにある。
上述した目的を達成するために本発明では、収容物を収容する容器本体に嵌合し、熱可塑性樹脂製のシート材を成形して成る蓋体であって、少なくとも一対の対辺間領域を平面で構成した平面視多角形状の天板部と、該天板部の周囲に連設される一定高さの側壁部とを備え、周方向に隣接する前記側壁部同士は、外形が曲面をなすアール状縦出角部によって連設される一方、前記天板部と前記側壁部のみが、水平方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部によって連設されるという手段を用いた。
上記手段によれば、蓋体は、天板部が平面を有し、天板部と側壁部との連設部が角張った横出角部によって構成されているため、斜め上から観察した場合でも横出角部で収容物の視認性が阻害されず、ガラス張りのように透明感に優れた蓋体とすることができる。
また、側壁部同士の連設部は外形が曲面をなすアール状縦隅部で構成しているため、側壁部があたかも一枚の側壁部で構成されたものように看取され、側壁部を通じた視認性も良好となる。
なお、天板部について「少なくとも一対の対辺間領域を平面で構成した」とは、平面で構成される天板部の面積割合が、平面で構成されない天板部の面積割合よりも高いことを意味するものであり、全面を平面で構成されなければならないことを意味するものでは無い。また、蓋体は透明が好ましい。しかし、語義上の完全な透明体のみならず、本発明の視認性の向上という目的を達成できる範囲であれば半透明も含む。
さらに、本発明の課題を解決する手段として以下を付記する。
(付記1A)
シート成形によって形成される蓋体と容器本体からなり、前記蓋体に前記容器本体を積載することで複数個を積み重ね可能な包装用容器であって、
前記蓋体は、
全面が平面で構成される天板部と、
該天板部の周囲に直線状の連設部を介して下向きに連設され、少なくとも前記連設部と連続する部分を平面で構成した側壁部とを備え、
前記連設部の表面側の曲率半径は0.6mm以下であり、
前記容器本体は、
底板部と、
該底板部の周囲から下向きに突出する脚部とを備え、
前記底板部と前記脚部とで、前記蓋体に対して、下面が開口した断面凹状の積載用凹状部を形成した
ことを特徴とする包装用容器。
(付記2A)
積載用凹状部において底板部と脚部とがなす内角部の曲率半径は0.6mm以下である包装用容器。
(付記3A)
積載用凹状部の深さを規定する脚部の突出長は5mm以下である包装用容器。
(付記4A)
積載用凹状部は、底板部の周囲のうち隅部を避けた位置に、複数の脚部を形成することにより、前記底板部の隅部に対応する角部が開放されている包装用容器。
(付記5A)
容器本体は、さらに、底板部の外周側で上方に立ち上がる本体周壁部と、該本体周壁部から外向きに延びる本体フランジ部と、該本体フランジ部から下向きに延出するスカート部とを備え、前記スカート部は、その下端縁が前記底板部と前記本体周壁部との間に形成される脚部の下端部と同じレベル位置か、それよりも下方まで延出されている包装用容器。
(付記6A)
底板部は、上げ底部と、該上げ底部の周囲に段差部を介して一段低く形成される基底部とからなり、前記上げ底部の前記段差部の近傍には、前記段差部の高さ以下の突出長を有して前記上げ底部から下向きに突出するリブを設けた包装用容器。
(付記7A)
リブは、上げ底部の隅部を隅切状に横断して、両端を基底部の隣合う二辺に連結した平面視直線状である包装用容器。
(付記1B)
熱可塑性樹脂製のシート材を成型してなる包装用容器の蓋体において、
平面視が多角形である天板部と、
該天板部の周囲に連設される一定高さの側壁部とを備え、
前記天板部は、平面で構成され、
前記側壁部は、前記天板部及び隣合う側壁部と直線状の連設部を介して連設する平面部を有し、
前記天板部と前記側壁部とがなす二面角θはθ>90°であり、
前記連設部における表面側の曲率半径RはR≦0.6mmである
ことを特徴とした包装用容器の蓋体。
(付記2B)
天板部と側壁部とがなす二面角θは90°<θ≦105°である包装用容器の蓋体。
(付記3B)
シート材は、PET樹脂製であり、
前記PET樹脂のIV値(JIS K7367−1に準拠)は0.70〜0.85であり、
前記シート材の水分率(JIS K0113に準拠したカールフィッシャー電量滴定法)が1500PPM未満であり、
前記シート材の厚みが0.10〜0.80mmである包装用容器の蓋体。
(付記4B)
シート材の厚みは0.20〜0.50mmである包装用容器の蓋体。
(付記5B)
包装用容器の蓋体の成型方法であって、
シート材を雄型側に真空引きする真空成型法である包装用容器の蓋体の成型方法。
本発明によれば、蓋体を構成する天板部と側壁部の各面が大きく変化する連設部が、線状の稜線で示される角張った出角部で構成されているため、容器本体に収容される収容物の視認性を、視線の方向を問わず妨げない。
本発明の一実施形態に係る包装用容器の斜視図 同、蓋体の平面図 同、蓋体の側面図 図2におけるA−A線端面図 図2におけるB−B線端面図 本発明の成型方法を示す工程図 同、容器本体の平面図 同、容器本体の側面図 図7におけるC−C線端面図 同、包装用容器を積み重ねた際の蓋体と容器本体の関係を示す説明図 同、位置ズレを起こして容器本体が傾いた状態を示す説明図 同、傾いた容器本体を元の位置に修正する手順を示した説明図 別実施形態に係る容器本体の平面図 図13におけるD−D線端面図 同、傾いた容器本体を元の位置に修正する手順を示した説明図 リブの変形例を示す容器本体の要部平面図 実施形態を変形した実施例1に係る蓋体の斜視図 同、実施例2に係る蓋体の斜視図 同、実施例3に係る蓋体の斜視図 同、実施例4に係る蓋体の斜視図 同、実施例5に係る蓋体の斜視図 同、実施例6に係る蓋体の斜視図 同、実施例7に係る蓋体の斜視図 同、実施例8に係る蓋体の斜視図 同、実施例9に係る蓋体の斜視図 同、実施例10に係る蓋体の斜視図 本発明の蓋体の成型に係る蓋体の説明斜視図
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る包装用容器の斜視図であり、蓋体10と容器本体20を分離して示したものであり、以降、蓋体10、容器本体20の順に、それぞれの構成を詳述する。
まず蓋体10の構成を詳説すると、当該蓋体10は透明である。そして、図2・3は、蓋体10のみを示した平面図と側面図であり、容器本体20の開口縁部に外側から装着するフランジ部11を有し、さらに、フランジ部11の側面には本体嵌合部21に嵌合する凹状の蓋体嵌合部12を有する。そして、容器本体20に収容した収容物を保護する部分を、天板部1と、その周囲に連設される一定高さの側壁部2とで構成している。
天板部1は全面が平面で構成される平面視長方形である。そして、当該天板部1の四辺それぞれには、連設部3を介して側壁部2が連設している。連設部3それぞれは天板部1の四辺に沿った水平方向に直線的な稜線を形成する角張った横出角部で構成されており、全体的に見れば、天板部1と同じ平面視長方形をなす。なお、この実施形態では、天板部1として平面視形状が長方形を例示し、その全面を平面として説明するが、天板部1が他の平面視多角形状である場合は、平面で構成される天板部1の面積割合が、平面で構成されない天板部1の面積割合よりも高いものであれば、少なくとも一対の対辺間領域を平面とすることで、視認性に関する本発明の目的を達成することができる。
側壁部2は、この実施形態の場合、図3によく示されるように、上段平面部4と下段平面部5を境界部6を介した二段構成としている。このうち上段平面部4は、上述した水平方向の連設部3を介して天板部1に連設されつつ、左右に隣合う上段平面部4同士は上下方向に直線状をなす連設部7で連設されている。つまり、この連設部7は、高さ方向に線状の稜線を形成する角張った縦出角部によって構成されている。一方、下段平面部5は境界部6を介して上段平面部4と連設しつつ、左右に隣合う下段平面部5同士は三角形状の面取り部8を介して連設している。ここで、上段平面部4と下段平面部5は、フランジ部11側から天板部1側に向かう立ち上がり角度が同一であって、いわゆる面一であるから、実際には図示のように直線状の境界部6は存在しないのであるが、隣合う同士の連設構成が、上段平面部4では直線状の連設部7、下段平面部5では三角形状の面取り部8という違いがあるため、説明の便宜上、境界部6とした。したがって、面取り部8の頂角に向かう斜辺についても、連設部7と同様に、高さ方向に線状の稜線を形成する角張った縦出角部によって構成されている。
なお、側壁部2には、下段平面部5とフランジ部11にまたがって、容器外側に膨出するスタック用突部9を形成している。これによって蓋体10同士を重ね合わせたときに、蓋体同士が完全に嵌り込んでしまうことを防止し、収容物(食材等)を収容した容器本体20への閉蓋作業時に、蓋体10を一つずつ取り出しやすくしている。このスタック用突部9を除けば、側壁部2は天板部1と同様に全面を平面で構成しているといえ、本発明の特徴的構成の一つである。
上記蓋体10のさらなる特徴的構成を、図4・5にしたがって説明すると、まず、天板部1と側壁部2(上段平面部4)とがなす二面角は、剛性を確保するための好ましい例として、蓋体10の長辺側、短辺側とも90°超、105°以下に設定している。具体的には、長辺側の二面角θ1は、図4に示すように、97.0°に設定しており、短辺側については図示を省略するが、やはり90°超、105°以下に設定している。また、蓋体10のコーナー部における天板部1と連設部7とのなす角θ2は、図5に示すように、100.0°に設定している。なお、長辺側と短辺側の二組の二面角は、上述した範囲であれば、異なる角度に設定することができる。このように角度を異にすることで、収容物を収容した容器を陳列した際に、角度が同一のものより陳列の見栄えに変化を持たせることができ、顧客吸引性を高めることができる。
さらに、天板部1と側壁部2(上段平面部4)との連設部3、及び側壁部2(上段平面部4)同士の連設部7において、その表面側の曲率半径Rは全て0.4mmに設定している。この数値も一例であり、より小さく設定することが好ましいが、0.6mm以下であれば、本発明の目的は達成することができる。要するに本発明で重要なことは、連設部3・7を水平方向及び高さ方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部及び縦出角部によって構成することである。
天板部1と側壁部2とを上述した構成とすることで、剛性を保持しつつ、視認性が良好な蓋体10となる。つまり、剛性については、天板部1を側壁部2によってほぼ垂直に支持するため、耐荷重が高まり、連設部3・7を曲率半径が極めて小さい角張った形状に形成することで、曲げや捻りに対する耐力が高まる。
視認性については、天板部1は全面が平面であり、側壁部2も、上段平面部4が全面的に平面であって、下段平面部5ではスタック用突部9を除けば平面で構成されており、しかも、連設部3・7が水平方向及び高さ方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部及び縦出角部によって構成されているため、真上や真横からはもちろん、斜め上からも、収容物を歪みがない状態で鮮明に見ることができる。さらに、この実施形態では、天板部1と隣接する二面の側壁部2の三面がなす頂点、即ち天板部1の四隅Fが、連設部3・7の交点と先端が一致するピン角形状(稜角)によって構成されているため、天板部1の四隅Fのうちの一の隅Fに向かって斜視したときでも、その部分での視認性が妨げられず、蓋体10全体の透明感が高まる。
なお、蓋体10は、無色透明であることが、最も視認性を高めることができるが、色彩や透明度について限定するものではない。また、成型素材、即ちシート材については、従来公知の熱可塑性樹脂から選択することができるが、PBT樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PETG樹脂、SPG樹脂などの熱可塑性ポリエステル系樹脂が好適である。とりわけ、作業性、成型性、コストに優れたPET樹脂を選択することが好ましい。
さらに、PET樹脂製のシート材を素材として蓋体10を成型する場合は、IV値(JIS K7367−1に準拠)が0.70〜0.85のPET樹脂により、水分率(JIS K0113に準拠したカールフィッシャー電量滴定法)が1500PPM未満で、厚みが0.10〜0.80mmのシート材を用いることが好ましい。なお、シート厚は0.20〜0.50mmの範囲であれば、上述した剛性と視認性をより高度な次元で両立することができる。
次に、上記蓋体10の成型方法を、図6にしたがって説明する。同図の(a)〜(e)は、蓋体10の成型工程を示す概念図であり、まず、上述した熱可塑性樹脂製のシート材30を両面ヒータ31により加熱して軟化させる(図6(a))。そして、軟化状態にあるシート材30を金型(雄型)32とプラグ33の間に搬送し(図6(b))、金型32を上昇させて、その成型面をシート材30に押し当てる(図6(c))。この状態で、シート材30を金型32との間で密封するようにプラグ33を作動させ、金型32に貫通して設けた多数の吸引孔32aを通じて真空引きを行う(図6(d))。そして、金型32とプラグ33を元の位置に戻して離型し(図6(e))、その後、余剰部をカットし、トリミングを行うことで蓋体10を得ることができる。
ここでは、蓋体10の成型方法として真空成型法を説明したが、軟化したシート材を圧縮空気によって金型に密着させる圧空成型法を採用してもよく、これら真空成型法と圧空成型法を同時に採用することも可能である。なお、真空成型法によって上述した角張った横出角部及び縦出角部によって連設部3・7を有する蓋体10を成型することができるのであるが、天板部1をより平滑に、且つ透明度を維持して成型するための吸引孔32aの配置については最後尾にて詳説する。
続いて、容器本体20の構成を詳説する。この実施形態における容器本体20は、図1と共に図7・8に示すように、底板部22と、その外周側で上方に立ち上がる本体周壁部23と、該本体周壁部23から外向きに延びる本体フランジ部24と、該本体フランジ部24から上述した本体嵌合部21を介して下向きに延出するスカート部25を備えている。底板部22は蓋体10の天板部1とほぼ同じ面積を有する平面視長方形である。そして、底板部22に食材等の収容物を載置した後、蓋体10を被せ、両者の蓋体嵌合部12と本体嵌合部21とを嵌合することで閉蓋作業が完了する。このように閉蓋した包装用容器における剛性と視認性については既に詳述したとおりである。
なお、この実施形態では、底板部22を上げ底状としている。即ち、底板部22は、内方側を上げ底部22aとして、その周囲を取り巻いて段差部22bを介し一段低い基底部22cを形成している。このうち上げ底部22aは収容物を載置する主要部であり、その回りの基底部22cは食材等から染み出たドリップや余分な油を受けると共に、必要に応じて添付される醤油やわさび等の小物を添え置く部分としても機能する。
そして、底板部22(基底部22c)の外周であって、本体周壁部23の内側には、複数の脚部26を間欠的に設けている。この実施形態の場合、脚部26は、容器本体20の長辺部分と短辺部分それぞれに二つずつ、合計8箇所に平面視直線状のものを設けている。ここで、各脚部26を意図的に底板部22の隅部22dを避けて設けていることも本実施形態の特徴の一つである。なお、この脚部26は、必ずしも文字通りに容器本体20(包装用容器)を支持する部分ではなく、上述したスカート部25の延出長が十分長い場合は、当該スカート部25が実質的に容器本体20の脚として機能する場合もある。
そして、脚部26は、図9に示すように、底板部22から下向きに突出して形成しており、当該脚部26の内側には底板部22とによって、下面が開口した断面凹状の積載用凹状部27を構成している。この実施形態では、脚部26を間欠的に設けている結果、積載用凹状部27は、厳密には、当該脚部26を通る断面のみが凹状となるが、後述するように、蓋体10を嵌め込む機能は達成される。また、底板部22が上げ底状であることに対応して、積載用凹状部27の天面部分は二段構成となるが、この実施形態では、基底部22cを基準面として天面を構成している。そのうえで、脚部26と基底部22cとで形成される積載用凹状部27の内角部27aの曲率半径R1を、蓋体10の連設部3の表面側の曲率半径Rに対応して、0.6mm以下に設定している。なお、前記内角部27aの角度は限定しないが、蓋体10における天板部1と側壁部2(上段平面部4)とがなす二面角に対応させることが、嵌め込みやすさと水平方向のズレを防止する点で有効である。
そして、上述した容器本体20を備えた収容物入りの包装用容器を何段か平積みの状態で積み重ねるときは、図10に示すように、下段容器の蓋体10に積載用凹状部27を嵌め込むようにして上段容器の容器本体20を積載する。このように積み重ねた場合、本発明では、蓋体10の嵌め込まれる上部と、容器本体20の積載用凹状部27の内面の立体形状がほぼ一致しており、特に、蓋体10における連設部3の表面側の曲率範囲Rと、容器本体20における積載用凹状部27の内角部の曲率半径R1とが一致、若しくは近似した対応関係にあるため、堅固に積み重ね状態を保持することができる。
なお、脚部26の突出長によって積載用凹状部27の深さが決定され、当該深さが深ければ深いほど嵌め込み状態の保持力が高まるが、本発明では、上述したように、蓋体10については天板部1と側壁部2を平面で構成したこと、及び、蓋体10における連設部3の表面側の曲率範囲Rと、容器本体20における積載用凹状部27の内角部27aの曲率半径R1を一致、若しくは近似させた対応関係とすることによって、堅固に積み重ね状態を保持することができるため、積載用凹状部26の深さを極限まで小さくすることができる。具体的には、基底部22cを基準として脚部26の突出長は5mmあれば十分であり、より短くすることで、容器本体20の成形性を良好にして、生産性の向上に寄与する。
また、この実施形態では、脚部26について、上述したように、底板部22の隅部22dへの配置を回避し、意図的に積載用凹状部27は角部(コーナー部)が開放された態様(角部がない態様)としている。当該態様によって、蓋体10の設計自由度が高まり、視認性を優先した構成とすることができるので、より好ましい構成である。これに対して、底板部22の隅部22dに沿って例えばL字状の脚部26を設け、積載用凹状部の角部を形成した場合は、蓋体10の天板部1も積載用凹状部の前記角部に正確に合う形状としなければならず、蓋体10の成形性に制約が生じる。ただし、本発明において、このような構成を完全に排除することまでは予定しておらず、任意に採用すればよい。
このように、本発明では、平積みした包装用容器に横からの外力や多少の振動が加わっても堅固に積み重ね状態(積載用凹状部への嵌め込み状態)を保持するのであるが、例えば、消費者が容器を手に取った後などは、正規の状態から位置ズレを起こし、積載用凹状部27の嵌め込みが外れたまま、上段容器の容器本体20が下段容器の蓋体10に斜めの状態となることがある。図11は、何らかの原因で、積載用凹状部27の嵌め込みが外れて、上段容器の容器本体20が下段容器の蓋体10に斜めの状態となったところを示している。このように上段容器が傾くと、従来の構成では歯止めが効かず、そのまま上段容器が雪崩れてしまうおそれがあった。しかし、本発明によれば、容器本体20のスカート部25の延出長を十分長くとっているため、容器本体20が傾いても、スカート部25の下端縁25aが下段容器の蓋体10の上角部(側壁部2)に引っ掛かり、上段容器が崩落することを防止することができる。特に、蓋体1の連設部3・7を曲率半径が極めて小さい角張った形状に形成しているので、この部分も含めてスカート部4の下端縁25aが引っ掛かりやすくなっている。この場合のスカート部25の延出長は、蓋体10の大きさ等にもよるが、少なくとも脚部26の下端部26aと同じレベル位置とし、より好ましくは、脚部26の下端部26aよりも下方に飛び出る延出長とする。
一方、上述のように傾いた上段容器を元に戻すには、図12に示すように、容器本体20を傾きを解消する方向に少しずつスライドさせればよい(同図(a)・(b))。しかし、容器本体20の収容物の重さ等によっては、途中で下段容器の蓋体10の上角部(連設部3に相当)に上段容器の段差部22bが引っ掛かってしまい、それ以上、上段容器をスライドさせることが難しくなることがある。
この点を改良した容器本体40の別実施形態を図13・14にしたがって説明すると、当該容器本体40においても、底板部41について、内方側を上げ底部42とし、その周囲に段差部43を介して一段低い基底部44を形成した構成は上記実施形態と同じであるが、ここでは、段差部43の近傍に、前記上げ底部42から下向きに突出する、平面視矩形状のリブ45を設けている。より具体的には、リブ45は、上げ底部42の四隅に位置して設けており(図13)、その突出長H1は段差部43の高さH0とほぼ同じ長さに設定している。
このようなリブ45を設けた容器本体40によれば、上段容器が傾いたとしても、下段容器の蓋体10の上角部にリブ45が乗り上げ(図15(a))、上段容器を傾きが解消する方向にスライドさせる間も、リブ45がガイドとなって下段容器の蓋体10の天板部1を摺接し(図15(b))、その外側に位置する段差部43が一度も蓋体10の上角部に引っ掛かることなく、上段容器を元の位置にスムーズに戻すことができる(図15(c))。
なお、このリブ45は、上述したガイド機能の他、底板部41を補強する機能も発揮するが、その突出長H1をあまり大きくすると、元ある段差部43とは別に、下段容器の蓋体10の上角部が引っ掛かってしまうような新たな段差部が生じるうえ、容器本体40の成形性にも影響する。このため、本発明では、リブ45は、その突出長H1を段差部43の高さH0以下に設定することとした。
この点、図16に示す変形例では、リブ50について、上げ底部51の隅部52を隅切状に横切り、しかも、その両端を段差部53を介して隣合う長辺側の基底部53aと短辺側の基底部53bそれぞれに連結した平面視直線状に形成している。したがって、当該リブ50を比較的小さい突出長としながらも、上げ底部51の撓みや捻れをより確実に防止する補強機能を発揮する。もちろんリブ50は上述したガイド機能によって、崩れかかった上段容器をスムーズに元の位置に戻すことができるのである。
続いて、上記実施形態に係る蓋体10について、高い視認性と透明感を担保しつつ、構成を変更した実施例1〜10を図17〜図26に基づいて説明する。なお、上記実施形態の蓋体10と同じ構成部分については同一の符号を付している。また、実施例同士についても、同一構成部分は同一符号にて説明する。
図17は、実施例1に係る蓋体100の斜視図である。この実施例1では、側壁部2同士の連設部7を構成する縦出角部に関して、上記実施形態と同様に、連設部7の下側に平面状の面取り部8を形成すると共に、追加的に、連設部7の上側にも逆三角形からなる平面状の面取り部101を形成している。言い換えれば、この実施例1では、上記実施形態において天板部1の四隅のピン角形状(稜角)を逆三角形に隅切りして面取り部101を形成したものである。したがって、収容物の視認性と全体の透明感について、上記実施形態と同等の作用効果が得られる。
また、この実施例1では、連設部7は上下の面取り部101・8の頂角間に形成されている。言い換えれば、上下の面取り部101・8は、連設部7の高さ方向の長さ分、上下に離間している。したがって、面取り部101・8を側壁部2の四隅に集約することで、蓋体100の強度の向上を図っている。
図18は、実施例2に係る蓋体200の斜視図である。この実施例2では、実施例1と同じく、側壁部2の四隅に上下一対の面取り部101・8を構成している。ただし、この実施例2では、側壁部2の連設部201がX字状に交差して形成されており、面取り部101・8を離間させず、頂角を共通にして形成している。そして、この実施例2においても、実施形態と同様の視認性と透明感が得られるうえ、実施例1と同様の強度を確保することができる。
図19は、実施例3に係る蓋体300の斜視図であり、本願の特許請求の範囲に記載した発明に対応している。この実施例3において上記実施形態からの変更点は、側壁部2同士の連設部301を外形が曲面をなすアール状縦出角部によって構成した点にある。この実施例3に係る蓋体300についても、天板部1周囲の連設部3は水平方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部によって構成されているため、より一般的な観察方法として斜め上から観察した時に、連設部3によっては視認性が阻害されず、また、連設部3がアール角に形成された従来の蓋体よりも高い透明感が得られる。
図20は、実施例4に係る蓋体400の斜視図である。この実施例4では、側壁部2同士の連設部7を介して、その上下に面取り部401・8を連設部7の長さ分、離間して、隅切りした点で、上述した実施例1と共通している。一方、この実施例4では、上側の面取り部401が球面三角形となっており、実施例1において平面状とした面取り部101とは構成を異にしている。なお、上下の面取り部のうち、何れを球面三角形とするは任意であり、また、上下の面取り部とも球面三角形とすることもある。また、内方へ膨出する内方球面で構成されていても良い。また一方のみ下方の面取り部8が内側へ膨出する内方球面で構成されていても良い。そして、この実施例4においても、実施例1と同じく、面取り部401・8を側壁部2の四隅に集約することで、蓋体400の強度を向上させることができる。
ここまで、実施形態及び実施例1〜4に係る蓋体は、少なくとも天板部と側壁部の連設部が、水平方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部によって構成されているため、天板部を底にして当該蓋体を盛付台などに載置、あるいは、棚などに載置した際、当該連設部の角張りによって、いわゆるエッジがきいて、傾いたりすることなく、安定性が向上するという効果が得られる。
また、上述したエッジ効果によって、指が引っ掛かって蓋体を掴みやすくなるうえ、このように蓋体を掴んだ際に連設部に対する指の接触面積も小さいことから、指紋等が付きにくく、指紋等による視認性への影響も最小限に抑えることができる。
なお、当該蓋体を容器本体として転用した場合には、連設部が角張った出角部で構成されていることにより、収容量を増量させることができるという効果も期待できる。
ここまで角形状の蓋体を例示してきたが、、図21に示す実施例5に係る蓋体500のように、ドーム状とすることも可能である。即ち、この実施例5では、天板部501が断面半円弧状を成す平面視方形とされ、その左右両端に半円状の側壁部502を一対備えている。そして、天板部501と側壁部502とは、半円状の稜線を形成する角張った半円状出角部503によって連設されている。この実施例5においても、連設部を構成する半円状出角部503が角張っているため、斜め上から観察したとき、半円状出角部503で視認性が阻害されることがない。なお、天板部501はその全体を湾曲面としたが、湾曲面で構成される天板部501の面積割合が、湾曲面で構成されない天板部501の面積割合よりも高いものであれば、視認性に関する本発明の目的を達成することができる。
図22は、実施例6に係る蓋体600の斜視図であり、天板部601がドーム状である点は実施例5と共通するものであるが、実施例5では半円状の天板部501によって前後に側板部を備えないのに対して、この実施例6では、天板部601は半円弧に満たない断面円弧状となっており、当該天板部601の前後には矩形状側壁部602を一対備えている。また、天板部601の左右両端には上縁を円弧状とした山型状側壁部603を一対備えている。そして、前後の矩形状側壁部602は、水平方向に直線的な線状の稜線を形成する角張った横出角部604によって天板部601の前後に連設され、左右の山型状側壁部603は、円弧状の稜線を形成する角張った円弧状出角部605によって天板部601の左右に連設されている。そして、矩形状側壁部602と山型状側壁部603とは、高さ方向の直線的な線状の稜線を形成する角張った縦出角部606によって連設している。したがって、この実施例6に係る蓋体601においても、実施例5と同じく、円弧状出角部605で視認性が阻害されることがなく、縦出角部606での視認性も良好となる。さらに、天板部601の四隅Fは、上述した円弧状の稜線(円弧状出角部605)、水平方向の稜線(横出角部604)、及び高さ方向の稜線(縦出角部606)の交点と先端が一致するピン角形状によって構成されているので、天板部601の四隅Fのうちの一の隅Fに向かって斜視したときでも、その部分での視認性が妨げられず、蓋体600全体の透明感が高まる。なお、この実施例6では、矩形状側壁部602と山型状側壁部603との連設部は、2本の縦出角部606が斜辺を形成する三角形に隅切りされているが、この部分は、隅切りを割愛して、1本の縦出角部606とすることも可能である。また、縦出角部606が斜辺の角度を異ならせて実施例1と同じように連設部(実施例1の連設部7)を形成し、連設部の下側に平面状の面取り部8を形成するようにしても良い。
図23は、実施例7に係る蓋体700の斜視図であり、図1の実施形態に係る蓋体に対して、値段や原材料名、生産地や賞味期限等の情報を印字したラベルを貼付する領域を設けたものである。即ち、天板部1と側板部2の長辺側の連設部3が水平方向に直線的な稜線を形成する角張った横出角部によって構成されている点は上記実施形態と同じであるが、この実施例7では、当該連設部3の中途は横出角部が形成されずに分断されて、湾曲面701を形成している。したがって、この湾曲面701を跨いで、天板部1と側板部2とにかけてラベルを貼付した場合、ラベルが角張りによって破けることがない。さらに、この実施例では、図1の実施形態と同様に、天板部1と隣接する二面の側壁部2の三面がなす頂点、即ち天板部1の四隅Fが、連設部3・7の交点と先端が一致するピン角形状(稜角)によって構成されているため、天板部1の四隅Fのうちの一の隅Fに向かって斜視したときでも、その部分での視認性が妨げられず、蓋体10全体の透明感が高まる。つまり、この実施例7では、ラベル貼付部分を除けば、視認性や透明感については、上記実施形態と同じ作用効果が得られる。
図24は、実施例8に係る蓋体800の斜視図であり、実施例7と同様に、ラベル貼付可能領域を設けたものであるが、この実施例8では連設部3に係る横出角部を平面状に隅切りした斜面801に変更している。ただし、これによる作用効果は実施例7と何等変わるところがなく、視認性や透明感についても実施例7と同じ作用効果が得られる。本発明において必要なことは、ラベル貼付可能領域を確保する場合、天板部周囲の横出角部の角張りを解消することである。なお、実施例7・8では湾曲面701・斜面801をラベル貼付可能領域として説明したが、この領域に包装帯などを巻き付けることも可能であり、本発明では附帯領域という広い概念を有する部分である。。
図25は、実施例9に係る蓋体900の斜視図であり、この実施例9における特徴点は、天板部1の四隅において、側壁部2同士を内方に窪む凹湾曲状の縦入隅部901を介して連設したことにある。つまり、上記実施例8までは、この部分は縦出角部等によって基本的に外方に出っ張っていたが、この実施例9では内方に窪ませているのである。ただし、天板部1と側板部2との連設部3は水平方向に直線的な線状の稜線を形成する角張った横出角部によって構成され、また、縦入隅部901の両側に形成される側壁部2同士の連設部902それぞれも高さ方向の直線的な線状の稜線を形成する角張った縦出角部によって構成されているため、これら連設部3・902を通る視線の視認性は阻害されず、縦入隅部901が蓋体900の審美性に従来にはない変化を醸すと共に、蓋体900の圧縮方向の剛性を高めるものである。
図26は、実施例10に係る蓋体1000の斜視図である。この実施例10における特徴点は、天板部1と側壁部2とを内方に窪む凹湾曲状の横入隅部1001を介して連設したことにある。つまり、実施例6を除く上記実施例8までは、この部分は横出角部等によって基本的に外方に出っ張っていたが、この実施例10では内方に窪ませているのである。ただし、側板部2同士の連設部7は高さ方向に直線的な線状の稜線を形成する角張った横出角部によって構成され、また、横入隅部1001の上下に形成される天板部1及び側壁部2との連設部1002それぞれも横方向の直線的な線状の稜線を形成する角張った横出角部によって構成されているため、これら連設部7・1002を通る視線の視認性は阻害されないうえ、横入隅部1001が蓋体1000の審美性に従来にはない変化を醸すものである。
本発明に係る蓋体の要旨は、主要な面を構成する天板部と側面部について、これら面の方向が大きく切り替わる縦横の連設部を線状の稜線を形成する角張った出角部で構成することであり、これによって連設部における視認性が阻害されずに、全体の透明感を高めることができる。そして、このような角張った連設部を成型する方法として、図6に従って真空成型法を説明したが、いくら連設部を角張った状態で成型できたとしても、天板部そのものが凹凸を有していれば、天板部の透明度が大きく失われるため、当該真空成型法において、天板部を凹凸がない平滑な面として成型するための金型(雄型)の条件を以下に説明する。
まず、図6に示した雄型32は、蓋体の天板部を形成する部分である天面が限りなく平滑に仕上げられていることを前提として、真空引きを行う吸引孔32aを次のように配置することが条件となる。つまり、吸引孔32aは、図27の成型済み蓋体の吸引跡m1〜m4で示すように、天板部1の中央付近には設けず、可能な限り天板部1の外周縁(連設部3)に近い部分に対応して設けることが第一の条件である。言い換えれば、天板部の稜線から中心側に向けて僅かにずらして吸引孔を設けることが必要である。
凹型の例であるが、天板部1の中央付近に対応する部分に吸引孔を設けた金型の場合、まず軟化したシート材は、その中央部分が真空引きによって容易に吸引孔に向かって吸引される。その後、周辺部分が金型に密着しようとするが、先にシート材の中央部分が金型に密着することで、その中央部分の硬化が始まり、尚かつ、吸引孔を閉塞してしまう。このため、その後の周辺部分の真空引きが遅れてしまい、このような時間差によって、天板部が「でこぼこ」して成型されることがある。
これに対して、天板部1の外周縁に近い部分に吸引孔を設けた金型によれば、各辺近傍に真空孔を設けることで、金型の天面とシート材の間に溜まったエアーを吸引することで、成形を素早く行い、さらに吸引することで、真空孔付近がシート材と密着し、それ以上吸引ができない事で、わずかに残った空気の効果で天面の金型とシートが密着することを防ぎ、シートの透明度を保ったまま、成形ができる。つまり、シート材が金型に密着すれば、いくら平滑面に仕上げた金型の天面であっても、その微細な凹凸等が成形品に反映されて、透明度が失われるのである。
上記のように吸引孔を天板部1の外周縁近くに配置する以外の条件として、吸引孔の直径は1mm以下が好ましく、0.5mm以下であることがより望ましい。
また、吸引孔の数は少ない方が良い。具体的には、吸引孔同士の間隔は、少なくとも5mm以上離れていることが条件であり、出願人による実施では、40mm以上離すこともある。
この点、天板部が多角形の場合、各辺ごとに必ずしも1つの吸引孔を設ける必要はないが、長方形では、短辺に1つの吸引孔を設けた場合は、長辺にも1つの吸引孔を設けることが条件となる。
一方、天板部が円形ならばおよそ均等な間隔、多角形ならば各辺に対しておよそ均等に分割できるように吸引孔を配置する。つまり、吸引孔が密に偏るような配置は望ましくない。
さらに、天板部が多角形の場合は、その隅角(四角形であれば四隅)の近傍に吸引孔を設けることも可能である。ただし、隅角のみに吸引孔を設けることは効果的ではなく、外周縁の近傍に配置することが必須条件となる。
1、501、601 天板部
2、502 側壁部
3 連設部(横出角部)
4 上段平面部
5 下段平面部
6 境界部
7 連設部(縦出角部)
8、101、401 面取り部
9 スタック用突部
10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、100 蓋体
20、40 容器本体
21 本体嵌合部
22、41 底板部
22a、42、51 上げ底部
22b、43、53 段差部
22c、44、53a・53b 基底部
23 本体周壁部
24 本体フランジ部
25 スカート部
26 脚部
27 積載用凹状部
30 シート材
31 ヒータ
32 金型(雄型)
32a 吸引孔
33 プラグ
45、50 リブ
301 連設部(アール状縦出角部)
503 半円状出角部
602 矩形状側壁部
603 山型状側壁部
604 横出角部
605 円弧状出角部
606 横出角部
701 湾曲面
801 斜面
901 縦入隅部
902 連設部(縦出角部)
1001 横入隅部
1002 連設部(横出角部)
m1〜m4 吸引跡

Claims (1)

  1. 収容物を収容する容器本体に嵌合し、熱可塑性樹脂製のシート材を成形して成る蓋体であって、
    少なくとも一対の対辺間領域を平面で構成した平面視多角形状の天板部と、
    該天板部の周囲に連設される一定高さの側壁部とを備え、
    周方向に隣接する前記側壁部同士は、外形が曲面をなすアール状縦出角部によって連設される一方、
    前記天板部と前記側壁部のみが、水平方向に線状の稜線を形成する角張った横出角部によって連設される
    ことを特徴とする蓋体。
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