JP2021186961A - ロボットの関節構造 - Google Patents

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善久 井尻
Yoshihisa Ijiri
一敏 田中
Kazutoshi Tanaka
フォン ドリガルスキ フェリクス
Von Drigalski Felix
政志 ▲濱▼屋
Masaya Hamaya
義也 柴田
Yoshiya Shibata
千智 中島
Chie Nakajima
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Abstract

【課題】シンプルかつコンパクトな構造で、ロック状態と大きな可動範囲をもつ自由状態とを切り替え可能な、ロボットの関節構造を提供する。【解決手段】ロボットのマニピュレータの第1要素と第2要素の間を連結する関節構造であって、第2要素が第1要素から独立して運動自在となる自由状態と、第2要素が第1要素に固定されるロック状態との切り替えを行うロック機構を有し、ロック機構は、第1要素に接合する第1部材と、第2要素に接合する第2部材と、一端が第2部材に取り付けられ、第1部材に設けられた貫通孔を通って他端が関節構造の外側に引き出される、可撓性を有する線状部材と、を有し、線状部材を引っ張り第2部材を第1部材に接触させることにより、ロック状態となり、線状部材を伸ばして第2部材を第1部材から離間させることにより、自由状態となる。【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットの関節構造に関し、特にソフトロボット(柔らかいロボット)のマニピュレータに好適な関節構造に関する。
産業用ロボットは、マニピュレータを剛性の高い機構で構成し、センサによって状態計測を行いながらエンドエフェクタの3次元位置を制御する、というものが一般的である。しかしながら、剛性の高い機構のみで構成されるロボットは、例えば、対象物に対する接触を伴う動作や、センサの計測誤差よりも高い精度が要求される動作などが困難である。このような課題を解決する方法として、いわゆるソフトロボット(柔らかいロボット)というアプローチが提案されている。例えば、ロボットの一部に、外力を受けて変位ないし変形する柔らかい機構を設け、対象物の形状などに自動的に追従するようにする。特許文献1、2に記載されているコンプライアンス機構もその一例である。
特開平5−192892号公報 特開平8−118281号公報
剛性の高い機構と柔らかい機構にはそれぞれメリット/デメリットがある。それゆえ、本発明者らは、剛性の高い機構と柔らかい機構の間で切り替え自在なハイブリッド機構の実現に向け、検討を進めている。なお、特許文献1、2で提案されているコンプライアンス機構においても、コンプライアンス動作が可能な自由状態と、コンプライアンス動作ができないロック状態とを切り替える機能が搭載されている。しかしながら、特許文献1、2のコンプライアンス機構は可動範囲が非常に狭く(水平面内の微小な変位を可能とする程度)、適用できる場面や用途が限定的であった。また、関節やリンクの内部にロック機構を駆動するアクチュエータ(エアシリンダなど)が設けられているため、関節やリンクの構造が複雑化・大型化を招くという不利もある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、シンプルかつコンパクトな構造で、ロック状態と大きな可動範囲をもつ自由状態とを切り替え可能な、ロボットの関節構造を提供することを目的とする。
本開示は、ロボットのマニピュレータの第1要素と第2要素の間を連結する関節構造であって、前記第2要素が前記第1要素から独立して運動自在となる自由状態と、前記第2要素が前記第1要素に固定されるロック状態との切り替えを行うロック機構を有し、前記ロック機構は、前記第1要素に接合する第1部材と、前記第2要素に接合する第2部材と、一端が前記第2部材に取り付けられ、前記第1部材に設けられた貫通孔を通って他端が前記関節構造の外側に引き出される、可撓性を有する線状部材と、を有し、前記線状部材を引っ張り前記第2部材を前記第1部材に接触させることにより、前記ロック状態となり、前記線状部材を伸ばして前記第2部材を前記第1部材から離間させることにより、前記自由状態となることを特徴とする関節構造を含む。
この構造によれば、線状部材を引っ張り第2部材を第1部材に接触させる/線状部材を
伸ばして第2部材を第1部材から離間させる、という極めてシンプルな構造により、ロック状態/自由状態の切り替えが実現できる。また、線状部材の他端を関節構造の外側に引き出したことで、線状部材の駆動源を関節構造の外部に配置することができる。それゆえ、関節構造そのものをコンパクトかつ軽量に構成することが可能となる。加えて、線状部材の延伸量(ストローク)によって第1部材と第2部材の離間距離を調整できるため、必要に応じて第1要素と第2要素の間の可動範囲を大きくとることも容易に実現できる。
例えば、前記自由状態では、前記第2要素が前記第1要素から独立して6自由度に運動自在となる可動範囲を形成する程度に、前記第2部材が前記第1部材から離間してもよい。6自由度の運動は、x方向,y方向,z方向の並進と、x軸周り,y軸周り,z軸周りの回転である。「第2要素が第1要素から独立して6自由度に運動自在となる可動範囲を形成する程度に」は、例えば、「第1要素を固定した状態で第2要素に6自由度の運動を与えた場合に、第2要素が第1要素の拘束を受けたり第1要素と物理的な干渉をしない程度に」という意味である。本開示のロック機構によれば、線状部材の延伸量(ストローク)や第1部材と第2部材の形状を適宜設計することで、このような大きな可動範囲の形成を容易に実現することができる。
前記第1部材と前記第2部材の間を接続する弾性部材をさらに有してもよい。弾性部材の復元力の作用により、自由状態においても、第1要素と第2要素の相対的な姿勢が安定する。その一方で、第2要素に外力が作用した場合には、弾性部材が変形するため、第2要素の動きを阻害することがない。それゆえ、例えば、第2要素の先端を凹凸のある表面に沿わせながら動かす、というような柔らかい動作を容易に実現できる。
前記弾性部材は、非線形ばね要素を含み、前記線状部材の引っ張り量によって前記第1部材と前記第2部材の間の距離を変えることにより、前記弾性部材の剛性が可変であってもよい。これにより、自由状態における関節構造の堅さ(柔らかさ)を制御することができる。
前記第1部材と前記第2部材のうちの一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられ、前記ロック状態では、前記凸部が前記凹部に嵌合することによって、前記第1部材と前記第2部材との間が固定されてもよい。このような嵌合方式は、強い固定力を得たい場合に適している。
前記凸部は錐形状又は錐台形状を有してもよい。すなわち、凸部の先端に行くほど窄まるように側面が傾斜しているとよい。なお、凹部も凸部の形状に対応した形状を有しているとよい。このような凸部及び凹部による嵌合構造によれば、線状部材を徐々に引っ張り第1部材と第2部材を近づけていくと、凸部が凹部の内面にガイドされて、凸部と凹部の軸が一致するように自動的に誘引される。したがって、嵌合の失敗(ロック状態への切り替えの失敗)を抑制することができる。
前記凸部は円錐形状又は円錐台形状を有するとなおよい。回転対称形状の凸部を用いることにより、第1部材(第1要素)と第2部材(第2要素)の間の角度ずれ(凸部の軸周りの回転)が許容されるので、嵌合の失敗をより一層抑制することができる。なお、この場合に、前記凸部の側面に突起を設け、前記凹部に前記突起をガイドするガイド溝を設けてもよい。この構造によれば、凸部が凹部に挿入されるときに、突起がガイド溝にガイドされて、凸部と凹部の間の角度ずれが自動的に補正される。したがって、嵌合の失敗の抑制と角度ずれの防止を両立することができる。
前記凸部及び前記凹部は1組のみ設けられていてもよいし、前記凸部及び前記凹部が複数組設けられていてもよい。
前記第1部材と前記第2部材のそれぞれに互いに平行な面が設けられ、前記ロック状態では、前記第1部材と前記第2部材とが面接触して摩擦が作用することによって、前記第1部材と前記第2部材の間が固定されてもよい。このような摩擦方式は、関節構造をよりコンパクトにしたい場合に適している。
本発明は、上記構成の少なくとも一部を有するロボットの関節構造として捉えてもよいし、ロボットのマニピュレータの要素を固定するロック機構や、ロボットのマニピュレータの要素の自由状態とロック状態を切り替える状態切替装置として捉えてもよい。また、そのような関節構造、ロック機構、もしくは、状態切替装置を有するロボットのマニピュレータないしロボットとして捉えてもよい。また、本発明は、上記構成の関節構造によってロボットのマニピュレータの要素を固定するロック方法や、ロボットのマニピュレータの要素の自由状態とロック状態を切り替える状態切替方法などとして捉えることもできる。なお、上記構成の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、シンプルかつコンパクトな構造で、ロック状態と大きな可動範囲をもつ自由状態とを切り替え可能な、ロボットの関節構造を提供できる。
図1はロック機構を有する関節構造の模式図である。 図2はロボットの全体構成を示す模式図である。 図3Aは関節構造の平面図であり、図3Bは図3AのA−A断面(ロック状態)であり、図3Cは図3AのA−A断面(自由状態)であり、図3Dは自由状態の場合にエンドエフェクタに外力が作用したときの動きを示す図である。 図4は変形例1で用いられる非線形ばねの特性を示す図である。 図5は変形例2を示す図である。 図6は変形例3を示す図である。 図7は変形例4を示す図である。
<適用例>
図1を参照して、本発明の適用例の一つについて説明する。図1は、ロック機構を有するロボットの関節構造の模式図である。
この関節構造1は、ロボットのマニピュレータRMを構成する第1要素11と第2要素12の間を連結する装置である。マニピュレータRMは多関節のマニピュレータであり、第1要素11はマニピュレータRMの基端側にある要素、第2要素12は第1要素11よりも先端側にある要素である。
関節構造1は、第2要素12が第1要素11から独立して運動自在となる自由状態と、第2要素12が第1要素11に固定されるロック状態をとり得る。この自由状態とロック状態の切り替えは、ロック機構10によって実現される。
ロック機構10は、概略、第1要素11に接合する第1部材110と、第2要素12に接合する第2部材120と、可撓性をもつ線状部材130と、第1部材110と第2部材120の間を接続する複数の弾性部材140と、を有する。
第2部材120の中央部には凸部121が設けられ、第1部材110の中央部には凸部
121に対応する形状の凹部111が設けられている。凹部111の底部と第1部材110の側壁とにそれぞれ線状部材130を通すための貫通孔113及び引き出し孔115が形成されている。線状部材130は、その一端が第2部材120の凸部121の頂点(上底の中心)に固定され、貫通孔113及び引き出し孔115を通って他端が関節構造1の外側に引き出され、駆動源Mに接続されている。
駆動源Mによって線状部材130を引っ張ると、凸部121が凹部111に嵌合して、第2部材120が第1部材110に固定され、ロック状態となる。このロック状態では、第1要素11と第2要素12が一つの剛体として振る舞う。
駆動源Mをオフにして(又は駆動源Mによって線状部材130を送り出して)線状部材130を伸ばすと、第2部材120が第1部材110から離間し、自由状態となる。線状部材130を伸ばすというのは、線状部材130にかける張力を緩めたときに、第2要素12の自重およびロック状態において圧縮されている後述の弾性部材140の復元力の少なくともいずれかによって線状部材130が貫通孔113から第2部材120の方に引き出される長さが増加することを意味する。自由状態では、第2要素12が第1要素11から独立して運動自在となる。これにより、ソフトロボットやコンプライアンス機構と呼ばれる、いわゆる「柔らかいロボット」が実現できる。
駆動源Mは、リニアモータまたは回転モータであってよい。駆動源Mは、電気的にまたは流体圧力によって駆動されるものであってよい。駆動源Mは、線状部材130に引っ張り力を与える代わりに、線状部材130の引き込み長さを決めるように線状部材130を駆動してもよい。
この構造によれば、線状部材130を引っ張り第2部材120を第1部材110に接触させる/線状部材130を伸ばして第2部材120を第1部材110から離間させる、という極めてシンプルな構造により、ロック状態/自由状態の切り替えが実現できる。また、線状部材130の他端を関節構造1の外側に引き出したことで、線状部材130の駆動源Mを関節構造1の外部に配置することができる。それゆえ、関節構造1そのものをコンパクトかつ軽量に構成することが可能となる。加えて、線状部材130の延伸量(ストローク)によって第1部材110と第2部材120の離間距離を調整できるため、必要に応じて第1要素11と第2要素12の間の可動範囲を大きくとることも容易に実現できるという利点もある。
<実施形態>
図2を参照して、本発明の実施形態に係るロボット及びその関節構造について説明する。図2はロボットの全体構成を示す模式図である。
本実施形態では、垂直多関節ロボットRのマニピュレータRMに対し、前述のロック機構を備えた関節構造1を介してエンドエフェクタE2を取り付けた例を示す。ただしこれはあくまで一例であり、ロボットRの構成・種類は図2の例に限られない。具体的には、ロボットRは、少なくとも1つ以上のマニピュレータを備えるロボットであれば何でもよく、産業用ロボット、ヒューマノイドロボット、介護ロボット、搬送ロボット、家庭用ロボット、手術支援ロボットなど、さまざまな種類のロボットに適用可能である。その中でも産業用ロボットは、剛性ロボットとソフトロボットの切り替えが有用な場面が多いため、関節構造1を好ましく適用できるロボットの一つである。なお、産業用ロボットには、垂直多関節ロボットの他、水平多関節ロボット(スカラロボット)、パラレルリンクロボット、直交ロボットなどが含まれる。また、関節構造1の適用位置は、エンドエフェクタE2の連結部に限られず、リンク同士の連結部に適用してもよい。
本実施形態のロボットRは、主な構成として、マニピュレータRM、コントローラRC、及び、駆動源Mを有する。マニピュレータRMは、複数のリンクとリンク同士を連結する関節(ジョイント)を有し、サーボモータによって駆動される多関節マニピュレータである。コントローラRCは、マニピュレータRMのサーボモータ及び駆動源Mを制御する制御装置である。
マニピュレータRMの先端のリンクE1には、関節構造1を介してエンドエフェクタE2が連結されている。この例において、リンクE1が図1の第1要素11に相当し、エンドエフェクタE2が図1の第2要素12に相当する。駆動源Mは、関節構造1のロック機構を駆動するための装置である。駆動源Mは線状部材130を引っ張る動作と送り出す動作ができればどのような種類・構造でもよいが、関節構造1がロック状態のときの剛性(リンクE1とエンドエフェクタE2の間の固定力)を担保できる程度の引っ張り力と、関節構造1が自由状態のときのエンドエフェクタE2の可動範囲を担保できる程度のストロークとが必要である。例えば、モータ、油圧アクチュエータ、気圧アクチュエータなどを駆動源Mとして用いてもよい。
図3A〜図3Dに関節構造1の詳細を示す。図3AはリンクE1側からみた関節構造1の平面図であり、図3Bは図3AのA−A断面(ロック状態)であり、図3Cは図3AのA−A断面(自由状態)であり、図3Dは自由状態の場合にエンドエフェクタE2に外力が作用したときの動きを示す図である。
関節構造1は、略円筒形状の第1部材110と略円盤形状の第2部材120とが複数の弾性部材140によって連結された構造を有する。本実施形態の例では、第1部材110と第2部材120が同心配置され、周方向等間隔に配置された3本のコイルばねによって2つの部材110、120が連結されている。ロック状態において、弾性部材140は圧縮状態となっていて第1部材110と第2部材120とを離そうとする復元力を発生させる。第2部材120が第1部材110の下方にあるときは、第1部材110と第2部材120とを離そうとする力は、第2部材120の自重によっても発生する。
第2部材120の中央部には円錐台形状の凸部121が設けられ、凸部121の側面には突起(ロッキングピン)122が設けられている。凸部121の上底には貫通孔123が形成され、線状部材130の一端が貫通孔123に挿入され固定されている。本実施形態では、金属製のワイヤを線状部材130として用いる。ただし線状部材130としては、化学繊維や天然繊維からなるケーブル(ロープ)を用いてもよい。
第1部材110の中央部には凸部121に対応する形状の凹部111が設けられ、凹部111の側面には突起122をガイドし位置決めするためのガイド溝112が設けられている。凹部111の底には貫通孔113が形成されている。線状部材130は、貫通孔113を通り、第1部材110の中空内部に設けられたプーリ114に巻回され、第1部材110の側壁に形成された引き出し孔115から、関節構造1の外部に引き出されている。なお、線状部材130は、第1部材110の外壁に取り付けられた可撓性チューブ(アウターケーシング)116の内部を通り、駆動源Mに接続される。関節構造1と駆動源Mとの間の線状部材130の経路の内、少なくとも曲線となる部分の線状部材130は両端の位置が固定された非伸縮性の可撓性チューブ116の中を通っており、線状部材130に張力がかかっている状態では、駆動源Mにおける線状部材130の変位に応じて関節構造1における線状部材130が変位するようになっている。
ロボットRの運転中、駆動源Mによって線状部材130を引っ張り、第2部材120が第1部材110に接触する(突き当たる)まで第2部材120を第1部材110側に引き寄せる。そうすると、凸部121が凹部111に嵌合して、第2部材120が第1部材1
10に位置決め固定され、ロック状態となる(図3B)。このロック状態では、リンクE1とエンドエフェクタE2が一つの剛体として振る舞う。
一方、駆動源Mをオフにして(又は駆動源Mによって線状部材130を送り出して)線状部材130を伸ばすと、第2部材120とエンドエフェクタE2の自重または弾性部材140の復元力によって、第2部材120が第1部材110から離間し、自由状態となる(図3C)。自由状態では、エンドエフェクタE2が3本のコイルばねによって吊り下げられた状態または支持された状態となり、リンクE1から独立して6自由度に運動自在となる。6自由度の運動は、x方向,y方向,z方向の並進と、x軸周り,y軸周り,z軸周りの回転である(関節構造1のxyz座標系は、例えば、第1部材110(すなわちリンクE1)の軸方向がz軸となるようにとればよい。)。このとき、エンドエフェクタE2に外力が作用すると、図3Dに示すように、エンドエフェクタE2のみ位置や姿勢が変化し得る。これにより、ソフトロボットやコンプライアンス機構と呼ばれる、いわゆる「柔らかいロボット」が実現できる。
以上述べた本実施形態の関節構造1によれば、極めてシンプルな構造により、ロック状態/自由状態の切り替えが実現できる。また、線状部材130の駆動源Mを関節構造1の外部に配置しているため、関節構造1そのものをコンパクトかつ軽量に構成することが可能となる。また、自由状態におけるエンドエフェクタE2の可動範囲を大きくとることが容易に実現できる。
また、弾性部材140の復元力の作用により、自由状態においても、リンクE1とエンドエフェクタE2の相対的な姿勢が安定する。その一方で、エンドエフェクタE2に外力が作用した場合には、弾性部材140が変形するため、エンドエフェクタE2の動きを阻害することがない。それゆえ、例えば、エンドエフェクタE2の先端を凹凸のある表面に沿わせながら動かす、というような柔らかい動作を容易に実現できる。
また、円錐台形状の凸部121と凹部111による嵌合構造によれば、線状部材130を徐々に引っ張り第1部材110と第2部材120を近づけていくと、凸部121が凹部111の内面にガイドされて、凸部121と凹部111の軸が一致するように自動的に誘引される。したがって、嵌合の失敗(ロック状態への切り替えの失敗)を抑制することができる。そして、凸部121と凹部111が嵌合すれば、強い固定力を得ることができる。
さらに、凸部121と凹部111に突起122とガイド溝112を設けたことで、凸部121が凹部111に挿入されるときに、突起122がガイド溝112にガイドされて、凸部121と凹部111の間の角度ずれが自動的に補正される。したがって、嵌合の失敗の抑制と角度ずれの防止を両立することができる。
<変形例>
上記実施形態は、本発明の構成例を例示的に説明するものに過ぎない。本発明は上記の具体的な形態には限定されることはなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
変形例1では、弾性部材140として、非線形ばね要素を用いる。図4は、線形ばねと非線形ばねの特性の違いを示すグラフであり、横軸が変位(たわみ)、縦軸が荷重を示している。線形ばねは、荷重と変位が正比例の関係となり、変位によらず剛性(ばね定数)が一定であるのに対し、非線形ばねは、変位が大きくなるほど剛性(ばね定数)が増すという特性を示す。このような非線形特性は、例えば、コイルばねのコイル径を不均一にする、コイルばねのピッチを不等間隔にする、コイルばねの線径を不均一にする、などの方
法により実現できる。
例えば、駆動源Mの制御により、自由状態における線状部材130の延伸量をs1[mm]、s2[mm]、s3[mm](s1<s2<s3)のように多段階に切り替え、第1部材110と第2部材120の間の離間距離(すなわち、ばねの変位)を変えられるようにしてもよい。これにより、自由状態における関節構造1の堅さ(柔らかさ)を制御することができる。例えば、ロボットの動作やシーンに合わせて、適した堅さ(柔らかさ)になるように調整することにより、ロボットの応用範囲の拡大や効率的な動作を実現できると期待できる。
図5に変形例2を示す。変形例2では、凸部121と凹部111による嵌合構造が複数組設けられている。複数個所で第1部材110と第2部材120のかみ合わせを行うことにより、第1部材110と第2部材120の相対的な位置決めの精度の向上や、第1部材110と第2部材120の間の固定力の向上などを期待できる。なお、凹凸の形状や大きさは、全ての嵌合構造で共通でもよいし、異ならせてもよい。
図6に変形例3を示す。変形例3では、実施形態とは嵌合構造の凹凸が逆になっている。すなわち、第1部材110に凸部121が設けられ、第2部材120に凹部111が設けられている。このように凹凸が逆であっても、実施形態と同じ作用効果を奏することができる。なお、変形例2のように複数の嵌合構造を設ける場合には、凹凸の向きが異なる嵌合構造を混在させてもよい。
図7に変形例4を示す。変形例4では、嵌合方式ではなく、摩擦方式のロック機構を採用している。具体的には、第1部材110と第2部材120のそれぞれに互いに平行で且つ対向する面117、127が設けられており、ロック状態では、第1部材110の面117と第2部材120の面127とが面接触して摩擦が作用することによって、第1部材110と第2部材120の間が固定される。このような摩擦方式によれば、第1部材110と第2部材120をかみ合わせるための凹凸を設ける必要がないため、関節構造1をよりコンパクトにすることができる。なお、十分な摩擦力を得るために、面117、127の部分に静摩擦係数の高い材料を選択するか、面117、127に対して静摩擦係数を高めるための表面処理を施すとよい。
上記実施形態では弾性部材140としてコイルばねを用いたが、他の種類の弾性要素(例えばダンパーなど)を用いてもよい。あるいは、第1部材110と第2部材120の間に弾性部材140を設けない構成としてもよい。その構成の場合に、ある程度の硬さをもつ線状部材130を用いることにより、線状部材130によって自由状態における第2部材120の姿勢を安定させてもよい。
<付記1>
(1)ロボット(R)のマニピュレータ(RM)の第1要素(11)と第2要素(12)の間を連結する関節構造(1)であって、
前記第2要素(12)が前記第1要素(11)から独立して運動自在となる自由状態と、前記第2要素(12)が前記第1要素(11)に固定されるロック状態との切り替えを行うロック機構(10)を有し、
前記ロック機構(10)は、
前記第1要素(11)に接合する第1部材(110)と、
前記第2要素(12)に接合する第2部材(120)と、
一端が前記第2部材(120)に取り付けられ、前記第1部材(110)に設けられた貫通孔(113)を通って他端が前記関節構造(1)の外側に引き出される、可撓性を有する線状部材(130)と、を有し、
前記線状部材(130)を引っ張り前記第2部材(120)を前記第1部材(110)に接触させることにより、前記ロック状態となり、
前記線状部材(130)を伸ばして前記第2部材(120)を前記第1部材(110)から離間させることにより、前記自由状態となる
ことを特徴とする関節構造(1)。
1:関節構造
10:ロック機構、11:第1要素、12:第2要素
110:第1部材、111:凹部、112:ガイド溝、113:貫通孔、114:プーリ、115:引き出し孔、117:面
120:第2部材、121:凸部、122:突起、123:貫通孔、127:面
130:線状部材、140:弾性部材
E1:リンク、E2:エンドエフェクタ
R:ロボット、RM:マニピュレータ、RC:コントローラ、M:駆動源

Claims (10)

  1. ロボットのマニピュレータの第1要素と第2要素の間を連結する関節構造であって、
    前記第2要素が前記第1要素から独立して運動自在となる自由状態と、前記第2要素が前記第1要素に固定されるロック状態との切り替えを行うロック機構を有し、
    前記ロック機構は、
    前記第1要素に接合する第1部材と、
    前記第2要素に接合する第2部材と、
    一端が前記第2部材に取り付けられ、前記第1部材に設けられた貫通孔を通って他端が前記関節構造の外側に引き出される、可撓性を有する線状部材と、を有し、
    前記線状部材を引っ張り前記第2部材を前記第1部材に接触させることにより、前記ロック状態となり、
    前記線状部材を伸ばして前記第2部材を前記第1部材から離間させることにより、前記自由状態となる
    ことを特徴とする関節構造。
  2. 前記自由状態では、前記第2要素が前記第1要素から独立して6自由度に運動自在となる可動範囲を形成する程度に、前記第2部材が前記第1部材から離間する
    ことを特徴とする請求項1に記載の関節構造。
  3. 前記第1部材と前記第2部材の間を接続する弾性部材をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の関節構造。
  4. 前記弾性部材は、非線形ばね要素を含み、
    前記線状部材の引っ張り量によって前記第1部材と前記第2部材の間の距離を変えることにより、前記弾性部材の剛性が可変である
    ことを特徴とする請求項3に記載の関節構造。
  5. 前記第1部材と前記第2部材のうちの一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられ、
    前記ロック状態では、前記凸部が前記凹部に嵌合することによって、前記第1部材と前記第2部材との間が固定される
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の関節構造。
  6. 前記凸部は錐形状又は錐台形状を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の関節構造。
  7. 前記凸部は円錐形状又は円錐台形状を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の関節構造。
  8. 前記凸部の側面に突起が設けられ、前記凹部に前記突起をガイドするガイド溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項7に記載の関節構造。
  9. 前記凸部及び前記凹部が複数組設けられている
    ことを特徴とする請求項5〜8のうちいずれか1項に記載の関節構造。
  10. 前記第1部材と前記第2部材のそれぞれに互いに平行な面が設けられ、
    前記ロック状態では、前記第1部材と前記第2部材とが面接触して摩擦が作用することによって、前記第1部材と前記第2部材の間が固定される
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の関節構造。
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