JP2021186957A - 保持面の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持面の形状を容易に測定することができる保持面の検査方法を提供すること。【解決手段】保持面の検査方法は、被加工物をインフィード研削する研削装置において、円錐状のチャックテーブルの保持面の形状を検査する方法であって、チャックテーブルの保持面で評価用被加工物を保持する評価用被加工物保持ステップ1001と、チャックテーブルの回転を停止した状態で評価用被加工物を研削ホイールで研削し、チャックテーブルの回転中心を通る研削砥石の移動軌跡に沿った円弧状の研削溝を評価用被加工物に形成する研削溝形成ステップ1002と、研削溝に対応した研削残し部の厚さを複数の位置で測定し、円錐状の保持面の形状を算出する保持面形状算出ステップ1003と、算出された保持面の形状が、許容範囲内か否かを判定する判定ステップ1004と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、研削装置におけるチャックテーブルの保持面の検査方法に関する。
半導体ウェーハなどの板状の被加工物を研削し、全体的に厚さを薄くするため、研削砥石が環状に配された研削ホイールをスピンドルに装着する研削装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5841846号公報
研削装置は、一般的にインフィード研削が用いられ、スピンドルの回転軸に対してチャックテーブルの回転軸が傾けられ、回転軸回りに回転するチャックテーブルに保持した被加工物の半径部分のみを研削する。チャックテーブルが被加工物を保持する保持面は、スピンドルに装着された研削ホイールによって削られて、非常の低い円錐形状に形成される。円錐形状のうち、保持した被加工物に研削砥石が接触する加工領域は、研削砥石の下面とほぼ並行で、保持した被加工物に研削砥石が接触しない非加工領域は、加工領域よりも
低くなるように調整される。研削装置は、保持面の円錐形状(高さ)が変化すると、研削後のウェーハの厚さが一様とならないばらつきが生じる、即ち、面内厚さばらつきの原因となってしまう。
そこで、研削装置は、保持面の形状を検査する必要があり、従来、オペレータが研削ホイールを外し、スピンドルに測定器を装着し、測定器のメモリをみながら保持面の高さを測定するという熟練と時間のかかる作業を実施していた。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、保持面の形状を容易に測定することができる保持面の検査方法を提供する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の保持面の検査方法は、被加工物を保持面で保持し回転可能なチャックテーブルと、研削砥石が環状に配された研削ホイールを先端に装着し回転可能な研削ユニットと、該チャックテーブルに向かって研削ユニットを移動させる研削送りユニットと、該チャックテーブルの回転軸と該研削ユニットの回転軸の傾きを相対的に調整する傾き調整ユニットと、を備え、被加工物をインフィード研削する研削装置において、円錐状の該チャックテーブルの保持面の形状を検査する保持面の検査方法であって、該チャックテーブルの該保持面で評価用被加工物を保持する評価用被加工物保持ステップと、該チャックテーブルの回転を停止した状態で該評価用被加工物を該研削ホイールで研削し、該チャックテーブルの回転中心を通る該研削砥石の移動軌跡に沿った円弧状の研削溝を該評価用被加工物に形成する研削溝形成ステップと、該研削溝に対応した研削残し部の厚さを複数の位置で測定し、円錐状の該保持面の形状を算出する保持面形状算出ステップと、算出された該保持面の形状が、許容範囲内か否かを判定する判定ステップと、を備えることを特徴とする。
また、前記保持面の検査方法において、該研削溝形成ステップでは、該研削砥石が切り込む該評価用被加工物の周縁部から、該チャックテーブルの回転中心を通り、該研削砥石が切り抜ける該評価用被加工物の周縁部まで続く該研削溝を形成しても良い。
また、前記保持面の検査方法において、評価用被加工物保持ステップの前に、該チャックテーブルを回転させながら該保持面を該研削ホイールで研削する保持面修正ステップを備え、該研削溝形成ステップでは、該保持面を研削した該研削ホイールを使用し、修正された該保持面の形状を検査しても良い。
本願発明の保持面の検査方法は、保持面の形状を容易に測定することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る保持面の検査方法により保持面の形状が検査される研削装置の要部を一部断面で模式的に示す側面図である。 図2は、図1に示された研削装置の加工対象の被加工物の一例を示す斜視図である。 図3は、図1に示された研削装置のチャックテーブル、研削ユニット及び傾き調整ユニットの高さ微調ユニットの位置関係を示す平面図である。 図4は、実施形態1に係る保持面の検査方法の流れを示すフローチャートである。 図5は、図4に示された保持面の検査方法の評価用被加工物保持ステップを示す側面図である。 図6は、図4に示された保持面の検査方法の研削溝形成ステップのチャックテーブル、研削ユニット及び傾き調整ユニットの高さ微調ユニットの位置関係を示す平面図である。 図7は、図6中の矢印VII方向から見た側面図である。 図8は、図6中の矢印VIII方向から見た側面図である。 図9は、図6中の矢印IX方向から見た側面図である。 図10は、図4に示された保持面の検査方法の保持面形状算出ステップにおいて研削残し部の厚さが測定される研削溝が形成された評価用被加工物の平面図である。 図11は、実施形態2に係る保持面の検査方法の流れを示すフローチャートである。 図12は、図11に示された保持面の検査方法の保持面修正ステップの開始時の一例を示す側面図である。 図13は、図11に示された保持面の検査方法の保持面修正ステップの終了時の一例を示す側面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る保持面の検査方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る保持面の検査方法により保持面の形状が検査される研削装置の要部を一部断面で模式的に示す側面図である。図2は、図1に示された研削装置の加工対象の被加工物の一例を示す斜視図である。図3は、図1に示された研削装置のチャックテーブル、研削ユニット及び傾き調整ユニットの高さ微調ユニットの位置関係を示す平面図である。図4は、実施形態1に係る保持面の検査方法の流れを示すフローチャートである。
実施形態1に係る保持面の検査方法は、図1に示す研削装置1の保持面11の形状を算出する方法である。図1に示す研削装置1は、図2に示す被加工物200をインフィード研削する加工装置である。まず、研削装置1の加工対象である被加工物200を説明する。
(被加工物)
図1に示された研削装置1の加工対象である被加工物200は、実施形態1ではシリコン、サファイア、ガリウムヒ素などを基板201とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハである。被加工物200は、図1に示すように、基板201の表面202の交差(実施形態1では、直交)する複数の分割予定ライン203によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス204が形成されている。
デバイス204は、例えば、IC(Integrated Circuit)、あるいやLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等である。被加工物200は、基板201の表面202側に保護部材210が貼着され、保護部材210を介して表面202側が保持面11に吸引保持されて、表面202の裏側の裏面205がインフィード研削される。次に、被加工物200を研削する研削装置1を説明する。
(研削装置)
研削装置1は、図1に示すように、被加工物200の基板201の裏面205側を研削し、被加工物200を所定の仕上げ厚さまで薄化する加工装置である。研削装置1は、図1に示すように、装置基台2と、チャックテーブル10と、研削ユニット20と、研削送りユニット30と、傾き調整ユニット40と、制御ユニット100とを備える。
チャックテーブル10は、被加工物200の表面202側を保持面11で保持し、保持面11の中心111(回転中心に相当)を通る図1に一点鎖線で示す回転軸112回りに回転可能なものである。実施形態1において、チャックテーブル10は、保持面11がポーラスセラミック等で構成され、保持面11の下に形成された真空吸引経路(不図示)を介して真空吸引源(不図示)と接続されている。チャックテーブル10は、保持面11に被加工物200の表面202側が保護部材210を介して載置され、保持面11が真空吸引源により吸引されることで、保持面11に載置された被加工物200を吸引、保持する。
また、実施形態1において、チャックテーブル10は、図示しないX軸移動ユニットにより水平方向と平行なX軸方向に移動される移動テーブル3に設けられている。チャックテーブル10は、回転駆動源4により回転軸112回りに回転される。移動テーブル3は、チャックテーブル10に保持した被加工物200が研削ユニット20により研削される加工位置と、チャックテーブル10に被加工物200が搬入又はチャックテーブル10から搬出される搬入出位置とに位置するように、X軸移動ユニットによりX軸方向に移動される。
保持面11は、平面形状が円形に形成され、外縁113が中心111に比べて僅かに低い円錐状に形成されている。即ち、保持面11は、中心111を頂点とした円錐面に形成されて、中心111から外縁113に向けて下降する傾斜を有する斜面に形成されている。チャックテーブル10は、加工対象の被加工物200を保持面11の円錐面にならって保持する。なお、図1は、保持面11の円錐面の傾斜を誇張して示しているが、保持面11の円錐面の傾斜は、実際には肉眼では認識できないほどの僅かな傾斜である。
チャックテーブル10の回転中心である回転軸112は、鉛直方向に対して僅かに傾いて配置される。実施形態1では、加工位置のチャックテーブル10の保持面11の研削ユニット20の研削砥石25と鉛直方向に沿って対面し中心111を含む加工領域114(図3及び図6中に平行斜線で示す)は、研削装置1が研削後の被加工物200の厚さを一様(厚さのばらつきを極力抑制すること)にする場合、図3に示すように、水平方向と平行に配置される。また、実施形態1では、加工位置のチャックテーブル10の保持面11の研削ユニット20の研削砥石25と鉛直方向に対面しない非加工領域115は、研削装置1が研削後の被加工物200の厚さを一様にする場合、加工領域114よりも低くなり、外縁113に向かうにしたがって徐々に低く配置される。なお、図1は、回転軸112の鉛直方向に対する傾き120を誇張して示しているが、回転軸112の鉛直方向に対する傾き120は、実際には肉眼では認識できないほどの僅かな傾きである。
研削ユニット20は、研削ホイール21を先端である下端に装着しX軸方向に対して直交しかつ鉛直方向と平行な回転軸221回りに回転可能なスピンドル22を有し、研削ホイール21の研削砥石25でチャックテーブル10に保持された被加工物200の基板201の裏面205側を研削するものである。研削ユニット20は、研削送りユニット30を介して装置基台2に支持されている。研削ユニット20は、研削ホイール21と、スピンドル22と、スピンドルモータ23とを備える。
研削ホイール21は、チャックテーブル10に保持された被加工物200を研削するものである。研削ホイール21は、円盤状のホイール基台24と、ホイール基台24の下面の外縁に環状に配された研削砥石25とを備える。即ち、研削ホイール21は、研削砥石25が環状に配されている。
研削砥石25は、ホイール基台24のチャックテーブル10に対向する下面に周方向に等間隔に配置されている。実施形態1において、研削砥石25は、金属、セラミックス又は樹脂等により構成される結合材(ボンド材ともいう)に、ダイヤモンド、又はCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒を混合して一つの塊に形成された一つの所謂セグメント砥石として構成される。
研削ホイール21は、スピンドルモータ23によりスピンドル22が回転軸221回りに回転されることで、研削砥石25がチャックテーブル10に保持された被加工物200の裏面205側を研削する。
スピンドル22は、研削ホイール21を下端に固定して支持する。スピンドル22は、研削送りユニット30により鉛直方向に移動自在に支持されたスピンドルハウジング26内に回転自在に収容されている。研削ユニット20のスピンドル22の回転軸221は、X軸方向に対して直交しかつ鉛直方向と平行なZ軸方向に沿って配置されている。スピンドルモータ23は、スピンドル22を回転軸221回りに回転させるものである。
実施形態1では、研削ユニット20の回転軸221は、チャックテーブル10の回転軸112と水平方向に離れており、スピンドル22回転時の研削ホイール21の研削砥石25の移動軌跡が、チャックテーブル10の中心111上に位置する。また、実施形態1では、研削装置1が研削後の被加工物200の厚さを一様(厚さのばらつきを極力抑制すること)にする場合、研削砥石25の下面は、チャックテーブル10の保持面11の加工領域114と平行である。
研削送りユニット30は、装置基台2に設置され、研削ユニット20のスピンドル22を研削送り方向であるZ軸方向に移動させるものである。研削送りユニット30は、研削ユニット20のスピンドル22を下降させて、加工位置のチャックテーブル10に向かって研削ユニット20を移動させる。研削送りユニット30は、研削ユニット20のスピンドル22を上昇させて、加工位置のチャックテーブル10から研削ユニット20を遠ざける。
研削送りユニット30は、Z軸方向と平行に配置されかつ軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ31とボールねじ31を回転軸回りに回転させてスピンドルハウジング26を介してスピンドル22をZ軸方向に移動させるモーター32と研削ユニット20をZ軸方向に移動自在に支持する周知の図示しないガイドレールとを備える。
傾き調整ユニット40は、チャックテーブル10の回転軸112と、研削ユニット20の回転軸221との傾き120を相対的に調整するものである。実施形態1では、傾き調整ユニット40は、チャックテーブル10に取り付けられて、チャックテーブル10の回転軸112の向きを調整(変更)する。傾き調整ユニット40は、図1に示すように、支持台41と、高さ微調ユニット42とを備える。支持台41は、図示しない軸受を介してチャックテーブル10を回転軸112回りに回転自在に支持する円筒状に形成された支持筒部411と、支持筒部411の下端から拡径したフランジ部412とを備える。傾き調整ユニット40は、フランジ部412の傾きを調整することにより、回転軸112の傾き120を調整する。
高さ微調ユニット42は、フランジ部412の径方向に間隔をあけて2つ以上設けられている。実施形態1において、傾き調整ユニット40は、図3に示すように、フランジ部412の下面に径方向に間隔をあけて3つの高さ微調ユニット42を設けている。
高さ微調ユニット42は、図1に示すように、移動テーブル3に固定された筒部421と、筒部421を貫通するシャフト422と、シャフト422の下端に連結された駆動部423と、シャフト422の上端においてフランジ部412に固定された固定部424とを備える。駆動部423は、シャフト422を回転させるモータ425と、シャフト422の回転速度を弱めるとともに移動テーブル3に固定された減速機426とを備える。
固定部424は、シャフト422の上端部に形成された図示しない雄ねじが螺合する。高さ微調ユニット42は、モータ425が減速機426を介してシャフト422を軸心回りに回転することで、フランジ部412に固定された固定部424の高さを変更し、回転軸112の傾き120を調整する。
制御ユニット100は、研削装置1を構成する上述した各機構からの複数種類の信号を処理して、各機構をそれぞれ制御するものである。即ち、制御ユニット100は、被加工物200に対する加工動作を研削装置1に実行させるものである。制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インタフェース装置とを有し、コンピュータプログラムを実行可能なコンピュータである。
制御ユニット100の演算処理装置は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムをRAM上で実行して、研削装置1を制御するための制御信号を生成する。制御ユニット100の演算処理装置は、生成した制御信号を入出力インタフェース装置を介して研削装置1の各構成要素に出力する。
また、制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示手段や、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力手段と接続されている。入力手段は、表示手段に設けられたタッチパネルと、キーボード等とのうち少なくとも一つにより構成される。
前述した研削装置1は、チャックテーブル10の保持面11に被加工物200の表面202側を保護部材210を介して吸引保持し、チャックテーブル10を加工位置に位置付け、被加工物200に研削液を供給しながらスピンドル22により研削ホイール21を回転軸221回りに回転しかつチャックテーブル10を回転軸112回りに回転させる。研削装置1は、研削ホイール21の研削砥石25を被加工物200の基板201の裏面205に当接させて研削送りユニット30で研削ユニット20をチャックテーブル10に所定の送り速度で近づけて、研削砥石25で被加工物200の裏面205を研削して、被加工物200を薄化する。このように、実施形態1に係る研削装置1は、水平方向の位置が加工位置に維持されて被加工物200を保持したチャックテーブル10を回転軸112回りに回転させつつチャックテーブル10に保持された被加工物200に対してスピンドル22により回転軸221回りに回転した研削ホイール21の研削砥石25を上から下に向けて移動させて、被加工物200を薄化する所謂インフィード研削を実施する。研削装置1は、被加工物200の厚さが、仕上げ厚さで一様になるように被加工物200を薄化する。次に、保持面の検査方法を説明する。
(保持面の検査方法)
実施形態1に係る保持面の検査方法は、図1に示す円錐状の保持面11の中心111と、外縁部の2箇所113−1,113−2(図3等に示し、以下、第1外縁部及び第2外縁部と呼ぶ)とのZ軸方向の高さの差を算出して、円錐状の保持面11の形状を検査する方法である。本発明でいう、円錐状の保持面11の形状を検査するとは、円錐状の保持面11の中心111と、外縁部113−1,113−2とのZ軸方向の高さの差を算出し、保持面11の形状を算出する方法である。また、実施形態1では、第1外縁部113−1は、一つの高さ微調ユニット42上に位置し、第2外縁部113−2は、他の一つの高さ微調ユニット42上に位置する。保持面の検査方法は、図4に示すように、評価用被加工物保持ステップ1001と、研削溝形成ステップ1002と、保持面形状算出ステップ1003と、判定ステップ1004とを備える。
(評価用被加工物保持ステップ)
図5は、図4に示された保持面の検査方法の評価用被加工物保持ステップを示す側面図である。評価用被加工物保持ステップ1001は、チャックテーブル10の保持面11で評価用被加工物220を保持するステップである。なお、実施形態1では、評価用被加工物220は、表面202にデバイス204が形成されていないものであり、例えば、ダミーウェーハである。実施形態1では、評価用被加工物220は、基板201を構成する材料、外径及び厚さが研削前の被加工物200と等しいダミーウェーハである。また、本発明では、評価用被加工物220は、デバイス204が形成された製品ウエーハ(被加工物200)でも良く、その場合、検査の際の研削量は、仕上げ厚さに至らない程度である。
評価用被加工物保持ステップ1001では、評価用被加工物220がチャックテーブル10の保持面11に載置され、研削装置1が、評価用被加工物220をチャックテーブル10の保持面11に吸引保持する。なお、評価用被加工物220の被加工物200の同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
(研削溝形成ステップ)
図6は、図4に示された保持面の検査方法の研削溝形成ステップのチャックテーブル、研削ユニット及び傾き調整ユニットの高さ微調ユニットの位置関係を示す平面図である。図7は、図6中の矢印VII方向から見た側面図である。図8は、図6中の矢印VIII方向から見た側面図である。図9は、図6中の矢印IX方向から見た側面図である。
研削溝形成ステップ1002は、チャックテーブル10の回転軸112回りの回転を停止した状態で評価用被加工物220を研削ホイール21で研削し、チャックテーブル10の中心111を通る研削砥石25の移動軌跡に沿った円弧状の研削溝230を評価用被加工物220に形成するステップである。
研削溝形成ステップ1002では、研削装置1が、チャックテーブル10を加工位置に位置付け、チャックテーブル10を回転軸112回りに回転させることなく、評価用被加工物220に研削液を供給しながらスピンドル22により研削ホイール21を回転軸221回りに回転させる。研削溝形成ステップ1002では、研削装置1は、研削ホイール21の研削砥石25を評価用被加工物220の基板201の裏面205に当接させて研削送りユニット30で研削ユニット20をチャックテーブル10に所定の送り速度で近づけて、研削砥石25で評価用被加工物220の裏面205を研削して、図6、図7、図8及び図9に示すように、チャックテーブル10の中心111を通る研削砥石25の移動軌跡に沿った平面形状が円弧状の研削溝230を被加工物200の裏面205に形成する。
実施形態1では、研削溝形成ステップ1002では、研削装置1が、研削砥石25が評価用被加工物220の裏面205に当接してから研削送りユニット30で研削ユニット20をチャックテーブル10に向かって、評価用被加工物220の厚さよりも少ない移動距離、Z軸方向に移動させて、底に基板201の一部(以下、研削溝230の底に残存した基板201の一部を研削残し部231と記す)が残存した研削溝230を形成する。なお、研削溝230の各位置の底の研削残し部231のZ軸方向の厚さ232は、各位置の保持面11と研削砥石25との距離に応じた値、即ち、保持面11の各位置のZ軸方向の高さに応じた値であって、保持面11の形状に応じた値となる。こうして、研削溝形成ステップ1002では、研削砥石25が切り込む評価用被加工物220の第1外縁部113−1上の周縁部224からチャックテーブル10の中心111を通り研削砥石25が切り抜ける評価用被加工物220の第2外縁部113−2上の周縁部225まで続く研削溝230を形成する。
(保持面形状算出ステップ)
図10は、図4に示された保持面の検査方法の保持面形状算出ステップにおいて研削残し部の厚さが測定される研削溝が形成された評価用被加工物の平面図である。保持面形状算出ステップ1003は、研削溝230に対応した研削溝230の底の研削残し部231の厚さ232を複数の位置で測定し、円錐状の保持面11の形状を算出するステップである。
実施形態1において、保持面形状算出ステップ1003では、図10に示す研削溝230のチャックテーブル10の中心111に重ねられた評価用被加工物220の中心223と、周縁部224,225の研削残し部231の厚さ232を測定する。なお、本発明では、研削残し部231の厚さ232を測定する位置は、中心223、周縁部224,225に限定されない。
また、保持面形状算出ステップ1003では、研削残し部231の厚さ232を測定する位置のいずれか一つの位置の研削残し部231の厚さ232を基準(ゼロ)とし、他の位置の研削残し部231の厚さ232の基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232との差を算出する。例えば、基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232よりも薄い研削残し部231の厚さ232の基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232との差をマイナスで示し、基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232よりも厚い研削残し部231の厚さ232の基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232との差をプラスで示す。なお、実施形態1では、中心223の研削残し部231の厚さ232を基準(ゼロ)として、周縁部224の厚さ232が零、周縁部225の厚さ232が+30μmである。こうして、実施形態1では、保持面形状算出ステップ1003において、保持面11の中心111と、外縁部113−1,113−2とのZ軸方向の高さの差を算出する。
(判定ステップ)
判定ステップ1004は、算出された保持面11の形状が、許容範囲内か否かを判定するステップである。実施形態1において、判定ステップ1004では、基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232との差のうち最も大きな差が、所定の許容範囲内(下限値以上でかつ上限値以下)であると、保持面11が被加工物200の研削に適していると判定する。また、判定ステップ1004では、基準とされた一つの位置の研削残し部231の厚さ232との差のうち最も大きな差が、所定の許容範囲外(下限値未満または上限値を超える)であると、保持面11が被加工物200の研削に不適であると判定する。保持面11が被加工物200の研削に不適であると判定した場合、傾き調整ユニット40の高さ微調ユニット42により回転軸112の傾き120を調整する。具体的には、所定の許容範囲は、周縁部224における保持面11と中心223における保持面11との高さの差が3μm以下、周縁部225における保持面11が中心223における保持面11よりも低く、それらの高低差が20μm以上でかつ40μm以下という設定が考えられる。
以上のように、実施形態1に係る保持面の検査方法は、評価用被加工物220を保持したチャックテーブル10を回転軸112回りに回転させずに研削し、評価用の研削溝230を評価用被加工物220に形成するので、チャックテーブル10の保持面11の各位置の高さを研削溝230の底の研削残し部231の厚さ232として評価用被加工物220に転写することができる。このために、実施形態1に係る保持面の検査方法は、研削溝230の底の研削残し部231の厚さ232を測定するだけで、保持面11の高さを実際に測定せずに保持面11の高さ、即ち形状評価が出来るという効果を奏する。その結果、実施形態1に係る保持面の検査方法は、保持面11の形状を容易に測定することができるという効果を奏する。
また、実施形態1に係る保持面の検査方法は、評価用被加工物220の周縁部224から中心223を通り周縁部225まで続く研削溝230を形成するので、評価用被加工物220に保持面11全体の各位置の高さが研削残し部231の厚さ232として転写されることとなる。その結果、実施形態1に係る保持面の検査方法は、研削溝230の底の研削残し部231の厚さ232を測定することにより、保持面11の中心111から外縁13にかけての保持面11全体の形状を測定することができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る保持面の検査方法を図面に基づいて説明する。図11は、実施形態2に係る保持面の検査方法の流れを示すフローチャートである。図12は、図11に示された保持面の検査方法の保持面修正ステップの開始時の一例を示す側面図である。図13は、図11に示された保持面の検査方法の保持面修正ステップの終了時の一例を示す側面図である。なお、実施形態2の説明において、図11、図12及び図13等に実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る保持面の検査方法は、図11に示すように、評価用被加工物保持ステップ1001の前に実施する保持面修正ステップ1010を備えること以外、実施形態1と同じである。保持面修正ステップ1010は、評価用被加工物保持ステップ1001の前に、チャックテーブル10を回転軸112回りに回転させながら保持面11を研削ホイール21で研削するステップである。
実施形態2において、保持面修正ステップ1010では、研削装置1が、チャックテーブル10を加工位置に位置付け、チャックテーブル10の保持面11に研削液を供給しながらスピンドル22により研削ホイール21を回転軸221回りに回転しかつチャックテーブル10を回転軸112回りに回転させる。保持面修正ステップ1010では、研削装置1は、研削ホイール21の研削砥石25を図12の矢印で示すように下降させて、チャックテーブル10の保持面11に当接させて研削送りユニット30で研削ユニット20をチャックテーブル10に所定の送り速度で近づけて、図13に示すように、研削砥石25でチャックテーブル10の保持面11を研削する。
実施形態2において、保持面修正ステップ1010では、研削装置1が、保持面11の加工領域114全体が研削砥石25に当接するまで、保持面11を研削する。実施形態2に係る保持面の検査方法は、保持面修正ステップ1010実施後、評価用被加工物保持ステップ1001と、研削溝形成ステップ1002と、保持面形状算出ステップ1003と、判定ステップ1004とを実施形態1と同様に順に実施する。また、実施形態2に係る保持面の検査方法は、研削溝形成ステップ1002では、保持面11を研削した研削ホイール21を使用して、保持面修正ステップ1010において修正された保持面11の形状を検査することとなる。
実施形態2に係る保持面の検査方法は、評価用被加工物220を保持したチャックテーブル10を回転軸112回りに回転させずに研削し、実施形態1と同様に、評価用の研削溝230を評価用被加工物220に形成するので、研削溝230の底の研削残し部231の厚さ232を測定するだけで、保持面11を実際に測定せずに保持面11の形状評価が出来、保持面11の形状を容易に測定することができるという効果を奏する。
また、実施形態2に係る保持面の検査方法は、保持面修正ステップ1010を備えるので、研削後の被加工物200の厚さのばらつきを抑制できるように修正された保持面11の形状を測定することとなり、保持面11の回転軸112の傾き120を調整する手間を抑制することができる。
また、実施形態2に係る保持面の検査方法は、研削溝形成ステップ1002では、保持面修正ステップ1010において保持面11を研削した研削ホイール21を使用するので、研削溝230の底の研削残し部231の厚さ232を測定することで、保持面11を実際に測定せずに保持面11の形状評価を確実にすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明では、保持面11の加工領域114は、研削砥石25の下面と平行でなくても良く、例えば、外縁113から中心111に向かうにしたがって保持面11の研削砥石25の下面との距離が徐々に増加しても良い。また、本発明では、評価用被加工物220の厚さが一様である場合、保持面形状算出ステップ1003において、研削残し部231の厚さ232を測定する代わりに、研削溝230の深さを測定しても良い。また、本発明では、図7、図8及び図9などに示したチャックテーブル10とスピンドル22の回転軸112,221の傾き120の関係に対し、スピンドル22及びチャックテーブル10の回転方向が反対になる場合がある。これは、評価用被加工物220を研削する場合だけでなく、デバイス204のある被加工物200を研削する場合も同様である。
1 研削装置
10 チャックテーブル
11 保持面
20 研削ユニット
21 研削ホイール
22 スピンドル
25 研削砥石
30 研削送りユニット
40 傾き調整ユニット
111 中心(回転中心)
112 回転軸
120 傾き
200 被加工物
220 評価用被加工物
221 回転軸
224,225 周縁部
230 研削溝
231 研削残し部
232 厚さ
1001 評価用被加工物保持ステップ
1002 研削溝形成ステップ
1003 保持面形状算出ステップ
1004 判定ステップ
1010 保持面修正ステップ

Claims (3)

  1. 被加工物を保持面で保持し回転可能なチャックテーブルと、研削砥石が環状に配された研削ホイールを先端に装着し回転可能な研削ユニットと、該チャックテーブルに向かって研削ユニットを移動させる研削送りユニットと、該チャックテーブルの回転軸と該研削ユニットの回転軸の傾きを相対的に調整する傾き調整ユニットと、を備え、被加工物をインフィード研削する研削装置において、円錐状の該チャックテーブルの保持面の形状を検査する保持面の検査方法であって、
    該チャックテーブルの該保持面で評価用被加工物を保持する評価用被加工物保持ステップと、
    該チャックテーブルの回転を停止した状態で該評価用被加工物を該研削ホイールで研削し、該チャックテーブルの回転中心を通る該研削砥石の移動軌跡に沿った円弧状の研削溝を該評価用被加工物に形成する研削溝形成ステップと、
    該研削溝に対応した研削残し部の厚さを複数の位置で測定し、円錐状の該保持面の形状を算出する保持面形状算出ステップと、
    算出された該保持面の形状が、許容範囲内か否かを判定する判定ステップと、
    を備える保持面の検査方法。
  2. 該研削溝形成ステップでは、該研削砥石が切り込む該評価用被加工物の周縁部から、該チャックテーブルの回転中心を通り、該研削砥石が切り抜ける該評価用被加工物の周縁部まで続く該研削溝を形成する請求項1に記載の保持面の検査方法。
  3. 評価用被加工物保持ステップの前に、該チャックテーブルを回転させながら該保持面を該研削ホイールで研削する保持面修正ステップを備え、
    該研削溝形成ステップでは、該保持面を研削した該研削ホイールを使用し、修正された該保持面の形状を検査する請求項1または請求項2に記載の保持面の検査方法。
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