JP2021186731A - 脱酸素装置および脱酸素方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶存酸素濃度を顕著に低下できる脱酸素装置の提供。【解決手段】被処理液を脱酸素して処理液として排出する脱酸素槽と、被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する混合装置と、脱酸素槽から被処理液を混合装置に供給する液体供給装置と、不活性ガスを混合装置に供給する気体供給装置とを備え、ファインバブル含有液に気泡径が500nm以下の不活性ガスのバブルが含まれ、混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、貯留室の内面には、被処理液および不活性ガスを貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、ファインバブル含有液を貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、注入口は、貯留室の第一内面に配置され、排出口は、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている、脱酸素装置。【選択図】図1

Description

本発明は、脱酸素装置および脱酸素方法に関する。
金属の腐食や錆を防ぐ目的や、飲食品の保管をする目的で、従来から脱酸素処理を行うことが知られている。
脱酸素処理の方式として、脱酸素剤による化学的処理方法(特許文献1参照)と、真空脱気および/または不活性ガス置換による物理的処理方法(特許文献2および3参照)が知られている。
化学的処理方法として、例えば特許文献1には、メチルジエタノールアミンおよび脱酸素剤を含むボイラー用の防食剤が記載されており、脱酸素剤としてヒドラジンなどが記載されている。ただし、ヒドラジンは毒性があり、飲食品工場では安全性の観点から使用できる脱酸素剤の種類が限定される。また、配管内のスケール発生や排水負荷増大、薬品コストなどの問題もある。そのため、脱酸素処理の方式として、物理的処理方法が注目されている。
真空脱気による物理的処理方法として、例えば、特許文献2には、内部に充填層を有し、真空脱気により被処理原液中の溶存酸素等のガスを除去するための真空脱気塔と、真空脱気塔内を真空にするための真空排気手段などを有する、真空脱気装置が記載されている。ただし、真空脱気装置は、装置のサイズが大きく、広い設置空間が必要である。そのため、物理的処理方法の中でも、真空脱気せずに、不活性ガス置換による物理的処理方法が注目されている。
不活性ガス置換による物理的処理方法として、特許文献3には、水中、又は海水中の溶存酸素を除去することにおいて、窒素ガスを水中でナノバブル状態に流通させて、水中の溶存酸素を窒素と置換することにより、水中の溶存酸素を低減・除去する脱酸素装置であって、被処理水に窒素ガスを注入する窒素ガス注入部と、窒素ガスが注入された被処理水を通水する平面を有するプレートに複数個の穴を配列し、その穴の配列方向にプレート上面部溝とプレート下面部溝を持ちその上・下溝部が穴部分にて交差するよう設置したプレートを複数枚積層体と、を備える溶存酸素除去装置が記載されている。
特開2003−231980号公報 特許第5024693号 特開2015−116555号公報 国際公開第2019/093283号
しかしながら、特許文献3に記載のような散気プレートを用いて窒素ガス置換による脱酸素処理を行う方法は、溶存酸素濃度を低下する効率が悪く、そのために窒素ガス置換に多量の窒素を必要とするなどランニングコストも高かった。
本発明が解決しようとする課題は、不活性ガス置換による物理的処理方法を用いて溶存酸素濃度を顕著に低下できる脱酸素装置を提供することである。
本発明では、被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する際に、ファインバブル含有液に気泡径が500nm以下の不活性ガスのバブルが含まれるような特定の混合装置を用いることにより、上記課題を解決した。
ここで、本発明で用いる特定の混合装置として、特許文献4に記載の混合装置を用いることができる。特許文献4の[0034]には混合装置の代表的な実施形態として、活性汚泥による生物処理において、有機物を分解する活性汚泥(微生物)に酸素を供給するために、被処理液に酸素を混合するものが記載されている。また、[0248]には、汚水に溶解させる気体は限定されるものではなく、汚水の水質改善に適した気体、例えば空気(大気)を溶解させてもよいと記載されている。このように特許文献4では、水中の溶存酸素濃度を高める用途に用いることが主に示唆されており、不活性ガス置換により溶存酸素濃度を低下する脱酸素装置の用途に用いることは全く示唆がなかった。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明の構成と、本発明の好ましい構成を以下に記載する。
[1] 被処理液を脱酸素して処理液として排出する脱酸素槽と、
被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する混合装置と、
脱酸素槽から被処理液を混合装置に供給する液体供給装置と、
不活性ガスを混合装置に供給する気体供給装置とを備え、
ファインバブル含有液に気泡径500nm以下の不活性ガスのバブルが含まれ、
混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、
貯留室の内面には、
被処理液および不活性ガスを貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、
ファインバブル含有液を貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、
注入口は、貯留室の第一内面に配置され、
排出口は、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている、脱酸素装置。
[2] 不活性ガスが、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素である[1]に記載の脱酸素装置。
[3] さらに閉鎖流路を備え、
閉鎖流路から被処理液を脱酸素槽に供給し、
脱酸素槽から処理液を閉鎖流路に排出する[1]または[2]に記載の脱酸素装置。
[4] 閉鎖流路が冷却水を使用する装置の配管であり、不活性ガスが窒素である[3]に記載の脱酸素装置。
[5] 被処理液を脱酸素槽に連続的に供給し、
脱酸素槽から処理液を脱酸素装置の外部に連続的に排出する[1]または[2]に記載の脱酸素装置。
[6] 被処理液が飲料であり、不活性ガスが窒素である[5]に記載の脱酸素装置。
[7] さらに液質測定器および時間測定器のうち少なくとも一方と、
制御装置とを備え、
液質測定器が測定した被処理液の液質、および、時間測定器が測定した時間のうち少なくとも一方に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を制御する[1]〜[6]のいずれか一項に記載の脱酸素装置。
[8] 液質測定器が溶存酸素計および酸化還元電位計のうち少なくとも一方である[7]に記載の脱酸素装置。
[9] 脱酸素槽で被処理液を脱酸素して処理液として排出する工程と、
混合装置で被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する工程と、
液体供給装置で脱酸素槽から被処理液を混合装置に供給する工程と、
る気体供給装置で不活性ガスを混合装置に供給する工程とを含み、
ファインバブル含有液に気泡径500nm以下の不活性ガスのバブルが含まれ、
混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、
貯留室の内面には、
被処理液および不活性ガスを貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、
ファインバブル含有液を貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、
注入口は、貯留室の第一内面に配置され、
排出口は、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている、脱酸素方法。
[10] さらに脱酸素槽から処理液を閉鎖流路に所定のタイミングで排出する工程と、
閉鎖流路から被処理液を脱酸素槽に所定のタイミングで供給する工程を含む[9]に記載の脱酸素方法。
[11] 液質測定器が被処理液の液質を測定する工程、および、時間測定器が時間を測定する工程のうち少なくとも一方を含み、
さらに液質および時間のうち少なくとも一方に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を制御して、処理液の溶存酸素濃度を0.6mg/L以下にする[9]または[10]に記載の脱酸素方法。
本発明によれば、不活性ガス置換による物理的処理方法を用いて溶存酸素濃度を顕著に低下できる脱酸素装置を提供できる。
図1は、本発明の脱酸素装置の一例の概略図である。 図2は、本発明の脱酸素装置の他の一例の概略図である。 図3は、本発明の脱酸素装置の他の一例の概略図である。 図4は、実施例1、比較例1および2の脱酸素装置を用いて脱酸素処理を行った場合における、経過時間と被処理液の溶存酸素濃度との関係を示したグラフである。 図5(A)は、処理液の溶存酸素濃度と、2日間後の処理液の濁度との関係を示したグラフである。図5(B1)、図5(B2)、図5(B3)および図5(B4)は、それぞれ比較例3〜5および実施例2の脱酸素方法で脱酸素処理して得られた処理液を閉鎖系に用いた場合の防錆性の評価における、2日間後の金属片の写真である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[脱酸素装置]
本発明の脱酸素装置は、被処理液を脱酸素して処理液として排出する脱酸素槽と、被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する混合装置と、脱酸素槽から被処理液を混合装置に供給する液体供給装置と、不活性ガスを混合装置に供給する気体供給装置とを備え、ファインバブル含有液に気泡径500nm以下の不活性ガスのバブルが含まれ、混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、貯留室の内面には、被処理液および不活性ガスを貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、ファインバブル含有液を貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、注入口は、貯留室の第一内面に配置され、排出口は、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている。
本発明の脱酸素装置によれば、不活性ガス置換による物理的処理方法を用いて溶存酸素濃度を顕著に低下できる。
本発明の脱酸素装置の好ましい態様によれば、被処理液の溶存酸素濃度を顕著に低下させることにより、金属の腐食や錆を防ぐことや、飲食品の保管をすることもできる。
例えば、配管等の金属部材に予め有機材料や無機材料でコーティングする被覆防食と比較して、本発明の脱酸素装置を用いる場合は既設配管への適用ができる点で優れており、被覆材料に変更する場合の設計の見直し、入替え工事、稼働設備の停止などが不要である。また、既設配管から耐食材料を使用した配管等に変更する場合と比較しても、本発明の脱酸素装置を用いる場合は入替え工事などが不要であり、かつ初期コストも安価である点で優れている。
以下、本発明の脱酸素装置の好ましい態様について説明する。
<脱酸素装置の全体的な構成>
本発明の脱酸素装置の全体的な構成の好ましい態様を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の脱酸素装置の一例の概略図である。
図1に示した脱酸素装置は、被処理液1を脱酸素して処理液2として排出する脱酸素槽11と、被処理液1に不活性ガス3を混合してファインバブル含有液4として脱酸素槽11に排出する混合装置21と、脱酸素槽11から被処理液1を混合装置21に供給する液体供給装置31と、不活性ガス3を混合装置21に供給する気体供給装置41とを備える。
図1に示した脱酸素装置の混合装置21は、ファインバブル含有液4が貯留される貯留室22を有する処理槽を備え、貯留室22の内面には、被処理液1および不活性ガス3を貯留室22内に注入するための注入路の注入口23aが開口するとともに、ファインバブル含有液4を貯留室22内から排出するための排出路の排出口23bが開口している。注入口23aは、貯留室22の第一内面23に配置されている。排出口23bは、貯留室22の第一内面23に対向する第二内面24以外の内面(図1では第一内面23)に配置されている。
図2は、本発明の脱酸素装置の他の一例の概略図である。
図2に示した脱酸素装置は、図1に示した脱酸素装置において、さらに閉鎖流路51を備える。図2に示した脱酸素装置は、閉鎖流路51から被処理液1を脱酸素槽11に供給し、脱酸素槽11から処理液2を閉鎖流路51に排出する。
図3は、本発明の脱酸素装置の他の一例の概略図である。
図3に示した脱酸素装置は、図1に示した脱酸素装置において、さらに液質測定器61および時間測定器62と、制御装置63とを備える。図3に示した脱酸素装置は、液質測定器61が測定した被処理液1の液質、および、時間測定器62が測定した時間のうち少なくとも一方に応じて、制御装置63が液体供給装置31および気体供給装置41を制御する。また、制御装置63は、液質測定器61および時間測定器62の少なくとも一方を制御してもよい。
以下、本発明の脱酸素装置を構成する各部分の好ましい態様を説明する。
<脱酸素槽>
本発明の脱酸素装置は、被処理液を脱酸素して処理液として排出する脱酸素槽を備える。
脱酸素槽としては特に制限はない。例えば、既存のビルまたは工場の排水槽または冷却水貯留槽や、既存の飲食品工場の原料貯留槽などを、脱酸素槽として用いてもよい。一方、新たに脱酸素槽を設けてもよい。
脱酸素槽は、被処理液が連続的に流入する構造であっても、被処理液を断続的に流入させる構造であってもよい。また、脱酸素槽は、処理液を連続的に排出する構造であっても、処理液を断続的に排出する構造であってもよい。すなわち、脱酸素槽は、連続式の脱酸素方法およびバッチ式の脱酸素方法のいずれに対応する構造であってもよい。用途に応じて、適宜、被処理液の流入と処理液の排出を制御してもよい。
(被処理液)
本発明に用いられる被処理液は、特に制限はなく、例えば水道水、ボイラー給水、金型冷却水、半導体用洗浄水、ビルの蓄熱槽用循環水、その他の冷却用循環水、油類(食用、植物油など)、飲料(茶、ジュース、ビール、飲料水など)、産業用海水、化学品原料を、被処理液として用いることができる。
特に、本発明の脱酸素装置は、ボイラー給水や空調用冷却水(赤水)の配管の腐食防止に用いることができる。その他、本発明の脱酸素装置は、ビルの地下に設けられたビルピット、マンホールや工場などの排水(用水)施設に設置することが可能である。また、本発明の脱酸素装置は、例えば水産物・農畜産物の成長促進や鮮度保持、食品の風味・食感の改質、精密機械・電子部品の洗浄や剥離、医療・医薬品、化粧品などの各種用途において好適に利用することができる。
なお、被処理液の溶存酸素濃度は、特に制限はない。
(処理液)
脱酸素槽から排出される処理液は、被処理液よりも溶存酸素濃度が低下した液体となる。
処理液の溶存酸素濃度は、1.0mg/L以下であることが好ましく、0.6mg/L以下であることがより好ましく、0.1mg/L以下であることが特に好ましい。
<混合装置>
本発明の脱酸素装置は、被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する混合装置を備える。
混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備える。
混合装置で不活性ガスの気泡サイズを小さくすることにより、被処理液中の溶存酸素の不活性ガスとの置換が行われる。
脱酸素槽および混合装置の位置関係は特に制限はない。例えば、図1に示すように脱酸素槽の外部に混合装置が配置されていてもよい。脱酸素槽の外部に混合装置が配置される場合には、混合装置の維持管理を容易に行うことができる。
ただし、脱酸素槽の内部に混合装置が配置されていてもよい。
(貯留室および処理槽)
貯留室の内面には、被処理液および不活性ガスを貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口する。
貯留室の内面には、ファインバブル含有液を貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口している。
注入口は、貯留室の第一内面に配置されている。
排出口は、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている。
貯留室、処理槽、注入口および排出口の形状や大きさは限定されるものではなく、要求される処理能力に応じて適宜に設定される。
貯留室および処理槽の形状は、鉛直上方向の頂板、この頂板に対向する底板、およびこれらを接続する側面を備えることが好ましい。
注入口が配置されている貯留室の第一内面は、側面の一つであることが好ましい。
排出口が配置されている、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面は、側面の一つであることが好ましく、第一内面であることがより好ましい。
頂板および底板は、多角形であることが好ましく、四角形であることがより好ましい。すなわち、貯留室および処理槽は直方体状であることがより好ましい。具体的には、処理槽は中空な直方体であり、内部に貯留室が形成されていることが好ましい。処理槽は、上下一対の頂板および底板と、左右一対の左側壁および右側壁と、前後一対の前壁および後壁と、を備えていることが好ましい。
以下、本発明の脱酸素装置に用いられる貯留室および処理槽の好ましい態様を説明するが、本発明の脱酸素装置は以下の好ましい態様に限定されない。本発明の脱酸素装置の他の態様としては、国際公開第2019/093283号の[0035]〜[0252]に記載の態様を挙げることができ、この公報の内容は参照して本明細書に組み込まれる。
−貯留室および処理槽の好ましい態様の一例−
頂板および底板は、水平に配置された長方形の平板である。頂板は底板の直上に配置されている。頂板と底板とは同じ形状であり、前後方向よりも左右方向が長く形成されている。
頂板は、貯留室の頂部を構成するものであり、底板は、貯留室の底部を構成するものである。つまり、頂板の内面は、貯留室の頂部の内面であり、底板の内面は、貯留室の底部の内面である。頂板の内面と底板の内面とは、上下方向に対峙している。
底板の左右の縁部には、左側壁および右側壁がそれぞれ立ち上げられている。左側壁および右側壁は、底板に対して上方に向けて垂直に延びている。左側壁と右側壁とは同じ形状であり、前後方向よりも上下方向が長く形成されている。
底板の前後の縁部には、前壁および後壁がそれぞれ立ち上げられている。前壁および後壁は、底板に対して上方に向けて垂直に延びている。前壁と後壁とは同じ形状であり、左右方向よりも上下方向が長く形成されている。
左側壁、右側壁、前壁および後壁によって角筒状の胴部が形成されている。胴部の下面は底板によって塞がれており、胴部の上面は頂板によって塞がれている。
貯留室は、胴部によって外周が囲まれるとともに、頂板および底板によって上面および下面が塞がれた直方体の空間である。
貯留室の内面には、上下一対の内面と、左右一対の内面と、前後一対の内面とが形成されている。
左側壁の内面(第一内面)と、右側壁の内面(第二内面)とは、貯留室の側部の内面であり、底板の内面に対して立ち上げられている。左側壁の内面と、右側壁の内面とは、左右方向に対峙している。
前壁の内面(第三内面)と、後壁の内面(第四内面)は、貯留室の側部の内面であり、底板の内面に対して立ち上げられている。前壁の内面と、後壁の内面とは、前後方向に対峙している。
左右に対峙する一対の内面と、前後に対峙する一対の内面とは角筒状に配置されている。
この実施形態の混合装置では、左側壁の内面と右側壁の内面との間の距離は、前壁の内面と後壁の内面との間の距離よりも長く形成されている。
このように、この実施形態の貯留室では、左右方向の幅が前後方向の幅(奥行き)よりも大きく形成されている。これにより、貯留室内の空間は、左右方向に幅広で前後方向に狭い扁平な直方体に形成されている。
この実施形態の処理槽には、図1に示すように、被処理液1および不活性ガス3を貯留室22内に注入するための注入路と、ファインバブル含有液4を貯留室22内から排出するための排出路と、が設けられている。
注入路は、左側壁の内面(第一内面23)に開口した注入口23aと、注入口に連通する注入穴と、左側壁の外面に設けられた注入管と、によって構成されている。
注入口23aは、左側壁の内面(第一内面23)に開口している。注入口23aは、円形の開口部である。注入口23aは、左側壁の内面(第一内面23)の下部に配置されている。また、注入口23aは、左側壁の内面の前後方向の中央部に配置されている。
注入穴は、注入口23aに連通する円形の穴であり、左側壁を左右方向に貫通している。
注入管の先端部は、左側壁の外面に取り付けられており、注入管は注入穴に連通している。注入管の基端部は、気体供給装置41および液体供給装置31から延在する配管に連結されており、注入管に被処理液と不活性ガスが一緒に供給される。そして、被処理液および不活性ガスは、注入管から注入穴を通じて、注入口23aから貯留室22内に注入される。
排出路は、左側壁の内面(第一内面23)に開口した排出口23bと、排出口23bに連通する排出穴と、左側壁の外面に設けられた排出管と、によって構成されている。
排出口23bは、左側壁の内面(第一内面23)に開口している。排出口23bは、円形の開口部である。排出口23bは、左側壁の内面(第一内面23)の下部に配置されている。また、排出口23bは、左側壁の内面(第一内面23)の前後方向の中央部に配置されている。
排出穴は、排出口23bに連通する円形の穴であり、左側壁を左右方向に貫通している。
排出管の先端部は、左側壁の外面に取り付けられており、排出管は排出穴に連通している。排出管の基端部は、脱酸素槽への配管に連結されている。そして、貯留室22内からファインバブル含有液4は、排出口23bから排出穴および排出管を通じて、次の脱酸素槽に送られる。
この実施形態の注入口23aおよび排出口23bは、左側壁の内面(第一内面23)の上下方向の中央部よりも下方に配置されている。また、注入口23aおよび排出口23bは、左側壁の内面(第一内面23)の下半分の上下方向の中央部を挟んで配置されている。注入口23aは、排出口23bの上方に配置されている。
本発明の脱酸素装置では、排出口を注入口の下方に配置し、排出口の開口面積が注入口の開口面積の0.25倍以上1.0倍以下に形成することが好ましい。排出口の開口面積が注入口の開口面積の0.25倍以上1.0倍以下である場合、貯留室内に被処理液1および不活性ガス3を注入したときに、貯留室内の被処理液1および不活性ガス3の圧力が高くなる。このようにすると、注入口から貯留室内に注入した被処理液1および不活性ガス3は、下方に流れが変化し難くなるため、貯留室の上部空間に被処理液1および不活性ガス3の渦流を安定して形成することができる。
なお、排出口の開口面積が注入口の開口面積の0.25倍以上1.0倍未満である場合には、貯留室内の被処理液1および不活性ガス3の圧力を効果的に高めることができる。
注入口23aから貯留室22内に被処理液1および不活性ガス3を注入すると、被処理液1および不活性ガス3は右側壁の内面(第二内面24)に当接して流れが大きく変化する。そして、被処理液1および不活性ガス3は、貯留室22内で縦方向に渦流した後に、処理液が左側壁の内面(第一内面23)の排出口23bから排出される。
このとき、この実施形態の貯留室22では、被処理液1および不活性ガス3によって上側の渦流S1と下側の渦流S2とが形成される。
そして、貯留室22内の被処理液1および不活性ガス3は、上側の渦流S1から下側の渦流S2に流れて、ファインバブル含有液4が排出口23bから排出穴に排出される。そして、ファインバブル含有液4は、排出管を通じて、脱酸素槽11に送られる。
この実施形態の混合装置21では、注入口23aと排出口23bとが対峙した二面に形成されていないため、被処理液1および不活性ガス3が渦流に巻き込まれることなく排出口23bから排出され易い、という問題を減少させることができる。これにより、被処理液1および不活性ガス3は、貯留室22内で長い経路を流れることになり、貯留室22内の被処理液1および不活性ガス3の挙動が大きく乱れる。その結果、被処理液1および不活性ガス3とが十分に接触するため、被処理液1および不活性ガス3とを良く混ぜることができる。
また、貯留室22が扁平な空間であるため、渦流の方向ベクトルが二次元的になる。これにより、貯留室22内に形成された渦流を安定させることができる。
したがって、この実施形態の混合装置21では、不活性置換によりファインバブル含有液4の溶存酸素濃度が低くなる。
また、この実施形態の混合装置21では、注入口23aに接続される注入管と、排出口23bに接続される排出管とが処理槽の両側に直線状に配置されない。そのため、混合装置21の設置スペースを小さくすることができ、混合装置21のレイアウトの自由度も高めることができる。
この実施形態の混合装置21では、貯留室22の左右方向の長さが95mmであり、貯留室22の前後方向の長さが28mmである。また、貯留室22の上下方向の長さが140mmである。
つまり、この実施形態の貯留室22では、左側壁の内面(第一内面23)と右側壁の内面(第二内面24)との間の距離(左右方向の長さ)が、前壁の内面と後壁の内面との間の距離(前後方向の長さ)の3.4倍に形成されている。
この実施形態の混合装置21では被処理液1および不活性ガス3が渦流に巻き込まれることなく排出口23bから排出され易いという問題を減少させることができる。そのため、被処理液1および不活性ガス3が貯留室22内で渦流に巻き込まれながら長い経路を流れることになり、貯留室22内において被処理液1および不活性ガス3の挙動が大きく乱れる。
そして、この実施形態の混合装置21は、被処理液1および不活性ガス3とを良く混ぜることができ、かつ、設置スペースを小さくすることができる。そのため、被処理液1および不活性ガス3とを省スペースで効率良く混ぜることができる。
この実施形態の混合装置21では、注入口23aおよび排出口23bを左側壁の内面(第一内面23)の下部に配置しているが、注入口23aおよび排出口23bを左側壁の内面(第一内面23)の上部に配置してもよい。排出口を注入口の下方に配置し、第一内面の下縁部から注入口の中心位置までの高さが、第一内面の高さの0.5倍以上0.9倍以下である態様も好ましい。
この実施形態の混合装置21では、注入口23aおよび排出口23bを左側壁の内面(第一内面23)の前後方向の中央部に配置しているが、注入口23aおよび排出口23bを左側壁の内面(第一内面23)の前部または後部に配置してもよい。また、注入口23aと排出口23bとを前後方向にずらしてもよい。
この実施形態の混合装置21では、左側壁の内面(第一内面23)に注入口23aおよび排出口23bが開口しているが、右側壁の内面(第二内面24)、前壁の内面または後壁の内面に注入口23aおよび排出口23bを開口してもよい。
この実施形態の混合装置21では、貯留室22の左右方向の長さが前後方向の長さの3.4倍に形成されているが、貯留室22の左右方向の長さが前後方向の長さの2倍から4倍の間である場合には、貯留室22内に形成された渦流が安定し易くなる。さらに、貯留室22の左右方向の長さが前後方向の長さの2.5倍から3.5倍の間である場合には、貯留室22内に形成された渦流をより安定させることができるため、被処理液と不活性ガスとを良く混ぜることができる。
(ファインバブル含有液)
一般的にファインバブルとは、気泡径が100μm以下の微細気泡である。ファインバブルの中でも気泡径が1μm以上のものはマイクロバブル、気泡径が1μm未満のものはウルトラファインバブルと呼ばれている。ウルトラファインバブルは、無色透明なため、目視が不可能であり、水中であれば長期に残存し、すなわち、液中安定性が高くて数週間から数か月の寿命があり、水中での上昇速度が非常に遅い。
本発明では、ウルトラファインバブルの中でもバブル径が500nm以下のものを含むファインバブル含有水を用いる。本発明では、ファインバブル含有液に含まれる不活性ガスのバブル径が500nm以下であり、300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましい。ファインバブル含有液に含まれる不活性ガスのバブル径の下限値は特に制限はないが、例えば10nm以上とすることができ、50nm以上であってもよい。
混合装置からファインバブル含有液を脱酸素槽に排出する際の配管は、混合装置から鉛直下方向に延在する部分を有することが好ましい。この配管は、被処理液の水面に到達していなくてもよいが、図1に示すように脱酸素槽の底部に貯留された被処理液の水面に到達していることがファインバブルを可能な限り気相へ放出させずに安定的に水中へ供給できるという観点から好ましい。
<液体供給装置>
本発明の脱酸素装置は、脱酸素槽から被処理液を混合装置に供給する液体供給装置を備える。
液体供給装置は、注入用ポンプと、注入用ポンプに接続された液体供給管を備えることが好ましい。
脱酸素槽および液体供給装置の位置関係は特に制限はない。例えば、図1に示すように脱酸素槽の内部に液体供給装置が配置されていてもよい。また、脱酸素槽の外部に、被処理液を分取する配管を設けて、その配管に液体供給装置が配置されていてもよい。脱酸素槽の内部に液体供給装置が配置されていることが、脱酸素装置の小型化の観点から、好ましい。脱酸素槽の底部に液体供給装置の注入用ポンプが配置されていることがより好ましい。
混合装置の注入管には、液体供給管を介して液体供給装置が連結されるとともに、気体供給管が挿入されていることが好ましい。液体供給装置から注入管に被処理液が供給されるとともに、気体供給管から不活性ガスが注入管に供給される。そして、被処理液および不活性ガスは、注入管から注入穴を通じて、混合装置の注入口23aから貯留室22内に注入される。
注入路には、貯留室22側(注入口23a側)の端部に形成された吐出路と、吐出路に連通する主流路と、主流路の内周面に開口した液体供給口と、が形成されていることが好ましい。
吐出路は、注入路の貯留室22側の端部に内管を嵌め込むことで形成されていることが好ましい。内管は、円筒状の部材であることが好ましい。内管は、注入口23a、注入穴および注入管の端部に嵌め込まれていることが好ましい。内管の外周面は、注入路の内周面に固定されていることが好ましい。
注入路に、貯留室側の端部に形成された吐出路と、吐出路に連通する主流路と、が形成されている場合は、吐出路の軸断面積を、主流路の軸断面積よりも小さく形成することが好ましい。この構成では、主流路よりも吐出路が絞られており、被処理液および不活性ガスが吐出路を通過するときに、被処理液および不活性ガスの流速が速くなる。これにより、本発明の脱酸素装置では、注入路に供給する被処理液および不活性ガスの流量を抑えても、吐出路から貯留室内に注入される被処理液および不活性ガスの流速を速くすることができる。そして、本発明の脱酸素装置では、貯留室内の被処理液および不活性ガスの挙動を大きく乱すことができるため、被処理液および不活性ガスとを良く混ぜることができる。
内管の中心穴の内径は、注入口23a、注入穴および注入管の内径よりも小さく形成されていることが好ましい。つまり、内管の中心穴の軸断面積は、注入口23a、注入穴および注入管内の軸断面積よりも小さく形成されていることが好ましい。
内管の中心穴によって吐出路が形成されていることが好ましい。つまり、吐出路の軸断面積は、注入口23a、注入穴および注入管内の軸断面積よりも小さく形成されていることが好ましい。
主流路は、注入路において吐出路よりも基端側(上流側)の部位である。主流路は、注入管によって形成されている。
注入路では、先端部の吐出路の軸断面積が、主流路の軸断面積よりも小さく絞られていることが好ましい。
液体および流体の流速を確実に速くするためには、吐出路の軸断面積は、主流路の軸断面積の10%から50%の間であることが好ましく、主流路15eの軸断面積の20%から40%の間であることがより好ましい。
液体供給口は、主流路の内周面に形成された円形の開口部である。液体供給口は、主流路に被処理液を供給するための開口部である。
注入管の外周面には、液体供給管の先端部が取り付けられている。液体供給管は、液体供給口に連通している。液体供給管の内径は、主流路の内径と同じ大きさに形成されていることが好ましい。つまり、液体供給管内の軸断面積と、主流路の軸断面積とが同じ大きさに形成されていることが好ましい。
液体供給管の基端部には、液体供給装置が連結されている。そして、液体供給装置から液体供給管を介して主流路に被処理液が供給される。
<気体供給装置>
本発明の脱酸素装置は、不活性ガスを混合装置に供給する気体供給装置を備える。本発明の脱酸素装置は、被処理液に不活性ガスを供給し、被処理液に含まれる溶存酸素を不活性ガスと置換して低減させる脱酸素装置である。
気体供給装置は、気体供給源と、気体供給源に接続された気体供給管とを備えることが好ましい。または、気体供給装置は、高圧の気体供給源と、気体供給源に接続された気体供給管とを備えることが好ましい。
脱酸素槽および気体供給装置の位置関係は特に制限はない。例えば、図1に示すように脱酸素槽の外部に気体供給装置が配置されていてもよい。また、脱酸素槽の内部に、小型の気体供給装置が配置されていてもよい。脱酸素槽の外部に気体供給装置が配置されていることが、気体供給装置に接続する気体供給源(ガスボンベなど)の交換やメンテナンスを容易にする観点から、好ましい。
気体供給装置による不活性ガスの供給方法は特に限定されず、不活性ガス置換式の脱酸素装置の技術分野において通常用いられるあらゆる方法を自由に選択して用いることができる。例えば、被処理液の循環ラインに圧入することにより不活性ガスを注入する方法、エジェクターなどを用いて吸入させる方法、また、ポンプの吸入側は負圧により効率的な注入など不活性ガスを注入する方法などを挙げることができる。
主流路には、不活性ガスを注入する気体供給管が挿入されている。気体供給管は、主流路の基端側から挿入されている。流体供給管は、円筒状の部材であることが好ましく、先端部が開口していることが好ましい。
気体供給管の基端部は、気体供給装置に連結されている。そして、気体供給装置から流体供給管に供給された不活性ガスが、流体供給管の先端部から主流路内に注入される。
気体供給管は、主流路の中心部に配置されていることが好ましい。また、気体供給管の外径は、主流路の内径よりも小さく形成されていることが好ましい。したがって、主流路の内周面と、気体供給管の外周面との間には、環状の隙間が形成されていることが好ましい。
気体供給管の先端部は、吐出路(内管)の基端部と、液体供給口の開口縁部の最先端部との間の領域に配置されていることが好ましい。つまり、気体供給管の先端部は、吐出路よりも基端側で液体供給口よりも先端側に配置されていることが好ましい。
図1では、気体供給管の先端部が吐出路と液体供給口との間の領域の中間部に配置されているが、流体供給管の先端部を領域の中間部よりも先端側または基端側に配置してもよい。
(不活性ガス)
不活性ガスの種類は特に制限はない。本発明では、不活性ガスが、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素であることが好ましい。
不活性ガスを供給するための気体供給源としては特に制限はない。例えば、不活性ガスが窒素の場合は、気体供給源として、ガスボンベ、液体窒素、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置などの気体発生装置を用いることができる。不活性ガスがアルゴンまたは二酸化炭素の場合は、気体供給源として、ガスボンベを用いることができる。
本発明の脱酸素装置では高効率で不活性ガスを溶解させることができ、少量の不活性ガスの投入量で脱酸素や防錆の効果が得られる。そのため、気体供給源としてガスボンベ、特に高圧ボンベを用いる場合、気体供給源の交換頻度および交換コストの低減ができる。また、気体供給源として気体発生装置を用いる場合、運転時間の短縮による消費電力の低減ができ、ガス発生能力の低いスペックの装置で良いためにイニシャルコストや設置スペースの低減ができる。
不活性ガスの流量および注入量は、処理液の溶存酸素濃度や目的に応じて自由に設定することができる。
処理液中の溶存酸素濃度をより低下させるために、被処理液の流量に対する、不活性ガスの流量を0.001倍以上とすることが好ましく、0.01倍以上とすることがより好ましく、0.03倍以上とすることが特に好ましい。
一方、少ない不活性ガスで効率良く処理液中の溶存酸素濃度を低下させるために、被処理液の流量に対する、不活性ガスの流量を0.1倍以下とすることが好ましく、0.08倍以下とすることがより好ましく、0.05倍以下とすることが特に好ましい。
<閉鎖流路>
本発明の脱酸素装置の好ましい一態様では、さらに閉鎖流路を備え、閉鎖流路から被処理液を脱酸素槽に供給し、脱酸素槽から処理液を閉鎖流路に排出することが好ましい。
閉鎖流路としては、特に制限はなく、閉鎖流路の外部に液体が流出しない構造に一時的にすることができる流路であればよい。閉鎖流路としては、例えば、冷却水を使用する装置の配管など(具体的にはボイラーの配管、冷却用循環水の配管など)の錆の発生しやすい配管を挙げることができる。本発明の脱酸素装置を用いることにより、配管のメンテナンスや清掃費用の低減をできる。
この態様では、特に閉鎖流路がボイラーの配管であり、不活性ガスが窒素であることが、錆の発生しやすい配管の防錆または防食をしやすい観点、スケール発生抑止および薬品コスト低減の観点から、好ましい。
<処理液を脱酸素装置の外部に連続的に排出する態様>
本発明の脱酸素装置の別の好ましい一態様では、被処理液を脱酸素槽に連続的に供給し、脱酸素槽から処理液を脱酸素装置の外部に連続的に排出することが好ましい。
この態様では、被処理液を脱酸素槽に一定流量で連続的に供給することが好ましい。
この態様では、被処理液が飲料であり、不活性ガスが窒素であることが、安全性の観点から、好ましい。
<液質測定器、時間測定器、制御装置>
本発明の脱酸素装置は、さらに液質測定器および時間測定器のうち少なくとも一方と、制御装置とを備え、液質測定器が測定した被処理液の液質、および、時間測定器が測定した時間のうち少なくとも一方に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を制御することが好ましい。
本発明では、液質測定器が溶存酸素計および酸化還元電位計のうち少なくとも一方であることが好ましく、溶存酸素計であることがより好ましい。
液質測定器61は、被処理液に接触するように配置されたセンサを備えることが好ましい。溶存酸素計を用いる場合、脱酸素槽11内の底部に溶存酸素濃度センサを配置し、脱酸素槽11内の被処理液の溶存酸素濃度を測定することができる。酸化還元電位計を用いる場合、脱酸素槽11内の底部に酸化還元電位センサを配置し、脱酸素槽11内の被処理液の酸化還元電位を測定することができる。また、溶存酸素濃度センサや酸化還元電位センサは、注入用ポンプと貯留室の注入口との間に配置してもよい。
時間測定器は、脱酸素処理を開始してからの経過時間や、時刻を測定することができる。時間測定器としては特に制限はなく、公知のタイマーや時計を用いることができる。時間測定器62は、制御装置63の一部として設けられていてもよい。
制御装置は、液体供給装置および/または気体供給装置の駆動を制御するコンピュータであることが好ましい。制御装置はさらに記憶部を備えることが好ましい。制御装置の各処理は、記憶部に記憶されているプロクラムをCPU(中央処理装置)が実行することで実現できる。
本発明の好ましい一態様では、液質測定器が測定した被処理液の液質に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を制御することが好ましい。
例えば、制御装置は、溶存酸素計で測定された被処理液の溶存酸素濃度が設定値以上の場合には、液体供給装置(注入用ポンプ)や気体供給装置(ガスボンベに付属する電磁弁やPSA装置)を駆動させることが好ましい。つまり、制御装置は、被処理液の溶存酸素濃度が高くなった場合(例えば、被処理液により他の配管を腐食させ易い状態となった場合)には、液体供給装置や気体供給装置を駆動させる。これにより、混合装置に被処理液および不活性ガスが注入され、被処理液に不活性ガスを溶解させたファインバブル含有水が貯留室から脱酸素槽に排出されて、脱酸素槽内の被処理液にファインバブル含有水が混合される。その結果、被処理液の溶存酸素濃度が低下する。
制御装置は、溶存酸素計で測定された被処理液の溶存酸素濃度が設定値よりも小さくなると、液体供給装置や気体供給装置を停止する。
この制御方法は、液質測定器として酸化還元電位計を用いた場合も同様である。制御装置は、被処理液の酸化還元電位が設定値以上の場合には液体供給装置や気体供給装置を駆動し、設定値よりも小さくなると液体供給装置や気体供給装置を停止することが好ましい。
本発明の他の好ましい一態様では、時間測定器が測定した時間に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を制御することが好ましい。
例えば、制御装置は、時間測定器に予め設定された時間は液体供給装置や気体供給装置を駆動させる。例えば、脱酸素槽内に流入する被処理液が多い時間帯(時間や曜日)には、溶存酸素計などの液質測定器の測定値に拘わらず、液体供給装置および気体供給装置を駆動させることが好ましい。
<その他の装置>
脱酸素装置は、その他の機能を有する部分を備えていてもよい。例えば、制御装置には、脱酸素槽内の被処理液の水位を測定する水位センサ(図示せず)などの各種のセンサが接続されていてもよい。
[脱酸素方法]
本発明の脱酸素方法は、脱酸素槽で被処理液を脱酸素して処理液として排出する工程と、
混合装置で被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として脱酸素槽に排出する工程と、
液体供給装置で脱酸素槽から被処理液を混合装置に供給する工程と、
る気体供給装置で不活性ガスを混合装置に供給する工程とを含み、
ファインバブル含有液に気泡径500nm以下の不活性ガスのバブルが含まれ、
混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、
貯留室の内面には、
被処理液および不活性ガスを貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、
ファインバブル含有液を貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、
注入口は、貯留室の第一内面に配置され、
排出口は、貯留室の第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている。
本発明の脱酸素方法の好ましい一態様では、さらに脱酸素槽から処理液を閉鎖流路に所定のタイミングで排出する工程と、閉鎖流路から被処理液を脱酸素槽に所定のタイミングで供給する工程を含むことが好ましい。
脱酸素槽から処理液を閉鎖流路に所定のタイミングで排出する工程と、閉鎖流路から被処理液を脱酸素槽に所定のタイミングで供給する工程は、液質測定器および/または時間測定器、ならびに制御装置を組み合わせて、所定のタイミングで実施することが好ましい。その場合、脱酸素槽の被処理液ではなく、閉鎖流路内の被処理液の液質を測定できるように、閉鎖流路内に液質測定器を配置することが好ましい。
本発明の脱酸素方法では、液質測定器が被処理液の液質を測定する工程、および、時間測定器が時間を測定する工程のうち少なくとも一方を含み、さらに液質および時間のうち少なくとも一方に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を制御して、処理液の溶存酸素濃度を0.6mg/L以下にすることが好ましい。
例えば、制御装置は、液質測定器の測定値が設定値(例えば、溶存酸素濃度が0.6mg/L)以下であるか否かを判定し、設定値以下である場合は、液質測定器による被処理液の液質の測定を繰り返すことが好ましい。一方、制御装置は、液質測定器の測定値(溶存酸素濃度など)が設定値より大きい場合には、液体供給装置および気体供給装置を駆動し、混合装置での脱酸素処理を行い、溶存酸素濃度が低下したファインバブル含有水として脱酸素槽に戻すことが好ましい。混合装置の貯留室から排出されたファインバブル含有水が脱酸素槽内の被処理液に混合することで、脱酸素槽内の被処理液の溶存酸素濃度が低くなる。
また、溶存酸素計および酸化還元電位計を併用する場合は、溶存酸素計の測定値および酸化還元電位計の測定値がともに設定値より大きい場合に、液体供給装置および気体供給装置を駆動するように制御してもよい。なお、酸化還元電位計の測定値は、酸化剤である酸素の量が多いと、高い値となる。
液質測定器の測定値が設定値よりも大きい状態が複数回に亘って繰り返されたときに、液体供給装置および気体供給装置を駆動するように制御してもよい。
制御装置は、液体供給装置および気体供給装置を駆動した後、液質測定器の測定値が設定値(例えば、溶存酸素濃度が0.6mg/L)以下となった場合には、液体供給装置および気体供給装置を停止させることが好ましい。
液体供給装置および気体供給装置を停止した後は、再び、液質測定器の測定値に基づいて、液体供給装置および気体供給装置の駆動および停止を繰り返すことが好ましい。
液体供給装置および気体供給装置の駆動開始から継続的に被処理液の液質を液質測定器によって測定することが好ましい。
ただし、液体供給装置および気体供給装置の駆動開始から所定時間が経過したことを時間測定器によって計測し、その後に、被処理液の液質を液質測定器によって測定するように制御してもよい。
時間測定器が測定した時間によって液体供給装置および気体供給装置を制御する場合、脱酸素槽内に流入する被処理液が多い時間帯や、所望の時間帯(時間や曜日)をあらかじめ時間測定器に設定することが好ましい。そして、時間測定器に設定された時間帯は、液質測定器の測定値に拘わらず、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を駆動させることが好ましい。
このように、被処理液の溶存酸素濃度が高くなり易い時間を予測して、被処理液に不活性ガスを混ぜることで、被処理液および処理液の水質を安定させることができる。
本発明の脱酸素方法では、混合装置の貯留室内で被処理液と不活性ガスを混ぜるため、被処理液に不活性ガスを効率良く溶解させることができる。
また、本発明の脱酸素方法では、脱酸素槽と混合装置との間で被処理液が循環するため、脱酸素槽内の被処理液全体に不活性ガスを効率良く溶解させることができる。
したがって、本発明の脱酸素方法では、脱酸素槽内の被処理液に不活性ガスを効率良く溶解させることができるため、処理液の溶存酸素濃度を効果的に低下させることができる。
本発明の脱酸素方法では、脱酸素槽と混合装置との間で被処理液が循環することで、脱酸素槽内の被処理液全体が流動するため、脱酸素槽に沈殿物や浮遊物が蓄積され難くなる。これにより、脱酸素槽から沈殿物や浮遊物を除去する作業を減らすことができるため、脱酸素槽の維持管理に係る費用を低減することができる。
本発明の脱酸素方法では、被処理液に不活性ガスを効率良く溶解させることができるため、脱酸素槽内の被処理液全体に撹拌機を用いて直接不活性ガスを供給する場合に比べて、被処理液への不活性ガスの供給量を減らすことができる。
本発明の脱酸素方法の好ましい態様では、被処理液の溶存酸素濃度や酸化還元電位などの水質を測定し、その測定結果に応じて、制御装置が液体供給装置および気体供給装置を駆動させる。この態様では、これらの装置を常時駆動させる場合に比べて、脱酸素装置による脱酸素処理を省エネルギー化することができる。
被処理液の水質を判定する要因は溶存酸素濃度や酸化還元電位に限定されるものではない。例えば、溶存酸素濃度センサおよび酸化還元電位のいずれか一方を設け、溶存酸素濃度または酸化還元電位の一つの要因によって被処理液の水質を判定してもよい。さらに、被処理液や脱酸素槽内の各種の物質を測定することで、被処理液の水質を判定することができる。例えば、硫化水素濃度センサを用いて、脱酸素槽内の硫化水素濃度を測定して、被処理液の水質を判定してもよい。
その他の本発明の脱酸素方法の好ましい態様は、本発明の脱酸素装置の好ましい態様と同様である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
図3に記載の脱酸素装置を準備し、実施例1で用いた。具体的には、脱酸素槽と、混合装置と、液体供給装置と、気体供給装置と、液質測定器と、時間測定器と、制御装置とを備える脱酸素装置を用いた。
実施例1で用いた脱酸素装置で用いた混合装置は、ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、貯留室の第一内面にファインバブル含有液の注入口および排出口が開口している。液質測定器として、溶存酸素計が脱酸素槽に配置されている。
得られた実施例1の脱酸素装置を用いて、以下の試験条件で脱酸素処理を行った。その際、一定流量の被処理液を連続的に、各実施例および比較例の脱酸素装置の脱酸素槽に供給した。
供給気体:窒素
気体の流量:0.45L/min
被処理液:水道水(溶存酸素濃度DOが約9mg/L)
被処理液量:30L
被処理液の流量:300mL/min
脱酸素槽における滞留時間:100分間
実施例1の脱酸素装置を用いた場合、ファインバブル含有液に含まれるガス(気泡)のバブル平均径は約100nmであった。バブル平均径は、例えば、マルバーン社製NanoSightなどで測定することができる。
溶存酸素計を用いて脱酸素槽における被処理液の溶存酸素濃度を経時的に測定した。得られた結果を図4に示した。
[比較例1]
実施例1の脱酸素装置において、混合装置と、液体供給装置と、気体供給装置を配置しない代わりに、市販のエアレーション装置(金魚飼育用のエアストーン)を配置して、比較例1の脱酸素装置とした。
得られた比較例1の脱酸素装置を用いて、実施例1と同様の試験条件で脱酸素処理を行い、脱酸素槽における被処理液の溶存酸素濃度の結果を図4に示した。なお、比較例1では、気体の1分間当たりの流量を実施例1と同様の0.45L/minに揃えた。
比較例1の脱酸素装置を用いた場合、エアレーション装置から供給されるガス(気泡)のバブル径は約1〜10mmであった。
[比較例2]
実施例1の脱酸素装置において、混合装置の代わりに、エジェクター式のファインバブル発生ノズルを配置して、比較例2の脱酸素装置とした。
得られた比較例2の脱酸素装置を用いて、実施例1と同様の試験条件で脱酸素処理を行い、脱酸素槽における被処理液の溶存酸素濃度の結果を図4に示した。なお、比較例2では、気体の1分間当たりの流量を実施例1と同様の0.45L/minに揃えた。
比較例2の脱酸素装置を用いた場合、バルブから供給される気液混合水に含まれるガス(気泡)のバブル径は約1〜100μmであった。
図4に示した結果より、本発明の脱酸素装置によれば、不活性ガス置換による物理的処理方法を用いて溶存酸素濃度を顕著に低下できることがわかった。具体的には、被処理液が連続して流入する系において、本発明の脱酸素装置は、エアレーションや市販のノズルを用いた気液混合では達成できない濃度(0.6mg/L以下)まで被処理液の溶存酸素濃度を低下させることができた。また、本発明の脱酸素装置は、エアレーションや市販のノズルを用いた気液混合と比較して、溶存酸素濃度を低下させる速度が速く、高い効率かつ短時間で脱酸素処理ができることがわかった。
[実施例2]
脱酸素装置によって脱酸素処理して得られた処理液を、閉鎖系に用いた場合の防錆性の評価を行った。具体的には、実施例1の脱酸素装置を用いて、以下の試験条件で脱酸素処理を行った。その際、被処理液は脱酸素槽に貯留し、バッチ式で脱酸素処理を行った。
供給気体:窒素
被処理液:水道水(溶存酸素濃度DOが8mg/L)
気体の注入量:0.15L/min
被処理液量:30L
溶存酸素計を用いて脱酸素槽における被処理液の溶存酸素濃度を測定し、溶存酸素濃度1mg/Lの処理液を得られたことを確認した。
実施例2で得られた溶存酸素濃度1mg/Lの処理液および金属片を密封容器に入れて蓋をして密閉し、2日間、静置した。金属片として、鉄片を用いた。密封容器として、ガラス製のバイアルを用いた。
2日間後の処理液の濁度を濁度計により測定した。得られた結果を図5(A)の1mg/Lの欄に示した。図5(A)は、処理液の溶存酸素濃度と、2日間後の処理液の濁度との関係を示したグラフである。
2日間後の処理液の色度を色度計により測定した。その結果、色度は35度であった。
また、2日間後の金属片の状態を、目視および写真撮影により観察した。得られた結果を図5(B4)に示した。図5(B4)は、実施例2における、2日間後の金属片の写真である。
[比較例3]
比較例3では、脱酸素処理していない被処理液(溶存酸素濃度8mg/L)と金属片を密封容器に入れた以外は、実施例2と同様にして、防錆性の評価を行った。得られた結果のうち、濁度を図5(A)の8mg/Lの欄、観察結果を図5(B1)に示した。色度は160度であった。
[比較例4および5]
比較例4および5では、比較例2の脱酸素装置を用い、脱酸素処理の時間を調整して、それぞれ溶存酸素濃度4mg/Lおよび2mg/Lの処理液を得た。得られた溶存酸素濃度4mg/Lまたは2mg/Lの処理液と金属片を密封容器に入れた以外は、実施例2と同様にして、防錆性の評価を行った。
比較例4で得られた結果のうち、濁度を図5(A)の4mg/Lの欄、観察結果を図5(B2)に示した。色度は50度であった。
比較例5で得られた結果のうち、濁度を図5(A)の2mg/Lの欄、観察結果を図5(B3)に示した。色度は36度であった。
図5(A)および図5(B1)、図5(B2)、図5(B3)および図5(B4)に示した結果より、本発明の脱酸素装置によれば、不活性ガス置換による物理的処理方法を用いて溶存酸素濃度を顕著に低下できたことにより、閉鎖流路の防錆性も高められることがわかった。
具体的には、図5(A)より、本発明の脱酸素装置で得られた処理液(溶存酸素濃度1mg/L)を閉鎖系に用いた場合、金属片の錆に起因する濁度が、比較例3〜5よりも顕著に減少することがわかった。また、図5(B4)より、本発明の脱酸素装置で得られた処理液を閉鎖系に用いた場合、比較例3〜5の結果である図5(B1)、図5(B2)および図5(B3)と比較して、目視で明らかにわかる程度に金属片への錆の付着が少なく、金属片の光沢が維持され、処理液の色付きも少ないことがわかった。
したがって、処理液を閉鎖流路に供給する閉鎖系において、本発明の脱酸素装置は、市販のノズルを用いた気液混合では達成できない濃度(約1mg/L)まで被処理液の溶存酸素濃度を低下させることができ、顕著に防錆性を高められることがわかった。そのため、本発明の脱酸素装置は、図2に示すような閉鎖流路との循環への応用ができることがわかった。
また、本発明の脱酸素装置によれば、不活性ガス(窒素)の投入量が少量であっても、脱酸素の効率が良く、防錆性も高いことがわかった。本発明の脱酸素装置は不活性ガスの投入量が少量であるため、以下のような気体供給装置(ガス供給源)のメリットがある。
気体供給装置が高圧ボンベを用いる場合、高圧ボンベの交換頻度および交換コストの低減ができる。
気体供給装置が気体発生装置である場合、運転時間を低減でき、それに伴う消費電力の低減ができる。
気体供給装置の気体発生能力が低くてもよいため、安価な気体供給装置を用いて初期の製造コストを低減でき、また設置スペースの低減ができる。
1 被処理液
2 処理液
3 不活性ガス
4 ファインバブル含有液
11 脱酸素槽
21 混合装置
22 貯留室
23 第一内面
23a 注入口
23b 排出口
24 第二内面
31 液体供給装置
41 気体供給装置
51 閉鎖流路
61 液質測定器
62 時間測定器
63 制御装置

Claims (11)

  1. 被処理液を脱酸素して処理液として排出する脱酸素槽と、
    前記被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として前記脱酸素槽に排出する混合装置と、
    前記脱酸素槽から前記被処理液を前記混合装置に供給する液体供給装置と、
    前記不活性ガスを前記混合装置に供給する気体供給装置とを備え、
    前記ファインバブル含有液に気泡径500nm以下の前記不活性ガスのバブルが含まれ、
    前記混合装置は、前記ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、
    前記貯留室の内面には、
    前記被処理液および前記不活性ガスを前記貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、
    前記ファインバブル含有液を前記貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、
    前記注入口は、前記貯留室の第一内面に配置され、
    前記排出口は、前記貯留室の前記第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている、脱酸素装置。
  2. 前記不活性ガスが、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素である、請求項1に記載の脱酸素装置。
  3. さらに閉鎖流路を備え、
    前記閉鎖流路から前記被処理液を前記脱酸素槽に供給し、
    前記脱酸素槽から前記処理液を前記閉鎖流路に排出する、請求項1または2に記載の脱酸素装置。
  4. 前記閉鎖流路が冷却水を使用する装置の配管であり、前記不活性ガスが窒素である、請求項3に記載の脱酸素装置。
  5. 前記被処理液を前記脱酸素槽に連続的に供給し、
    前記脱酸素槽から前記処理液を前記脱酸素装置の外部に連続的に排出する、請求項1または2に記載の脱酸素装置。
  6. 前記被処理液が飲料であり、前記不活性ガスが窒素である、請求項5に記載の脱酸素装置。
  7. さらに液質測定器および時間測定器のうち少なくとも一方と、
    制御装置とを備え、
    前記液質測定器が測定した前記被処理液の液質、および、前記時間測定器が測定した時間のうち少なくとも一方に応じて、前記制御装置が前記液体供給装置および前記気体供給装置を制御する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱酸素装置。
  8. 前記液質測定器が溶存酸素計および酸化還元電位計のうち少なくとも一方である、請求項7に記載の脱酸素装置。
  9. 脱酸素槽で被処理液を脱酸素して処理液として排出する工程と、
    混合装置で前記被処理液に不活性ガスを混合してファインバブル含有液として前記脱酸素槽に排出する工程と、
    液体供給装置で前記脱酸素槽から前記被処理液を前記混合装置に供給する工程と、
    る気体供給装置で前記不活性ガスを前記混合装置に供給する工程とを含み、
    前記ファインバブル含有液に気泡径が500nm以下の前記不活性ガスのバブルが含まれ、
    前記混合装置は、前記ファインバブル含有液が貯留される貯留室を有する処理槽を備え、
    前記貯留室の内面には、
    前記被処理液および前記不活性ガスを前記貯留室内に注入するための注入路の注入口が開口するとともに、
    前記ファインバブル含有液を前記貯留室内から排出するための排出路の排出口が開口しており、
    前記注入口は、前記貯留室の第一内面に配置され、
    前記排出口は、前記貯留室の前記第一内面に対向する第二内面以外の内面に配置されている、脱酸素方法。
  10. さらに前記脱酸素槽から前記処理液を閉鎖流路に所定のタイミングで排出する工程と、
    前記閉鎖流路から前記被処理液を前記脱酸素槽に所定のタイミングで供給する工程を含む、請求項9に記載の脱酸素方法。
  11. 液質測定器が前記被処理液の液質を測定する工程、および、時間測定器が時間を測定する工程のうち少なくとも一方を含み、
    さらに前記液質および前記時間のうち少なくとも一方に応じて、制御装置が前記液体供給装置および前記気体供給装置を制御して、前記処理液の溶存酸素濃度を0.6mg/L以下にする、請求項9または10に記載の脱酸素方法。
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