JP6977533B2 - 混合装置 - Google Patents
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従来、例えば、汚水処理において、活性汚泥による生物処理を行う場合には、有機物を分解する活性汚泥(微生物)に酸素を供給するために、曝気槽で被処理水(汚水)に酸素を混合している。
注入路から貯留室内に被処理水および気体を注入すると、キャビテーション効果により、気体が微細気泡化する。このように、被処理水中の気体を微細気泡化することで、被処理水から大気中に気散する気体の量を少なくすることができる。
しかしながら、従来の混合装置において、貯留室内の液体および流体を大きく渦流させるためには、吐出量の大きなポンプを用いる必要があるため、消費エネルギーが大きくなるという問題がある。
なお、液体および流体の流速を確実に速くするためには、吐出路の軸断面積は、主流路の軸断面積の10%から50%の間であることが好ましく、主流路の軸断面積の20%から40%の間であることがより好ましい。
また、流体供給管の先端部は、液体供給口よりも下流側に配置されるため、流体供給管の先端部から注入された流体が液体供給口からの液体の流れに妨げられるのを防ぐことができる。
したがって、前記した混合装置では、貯留室内を液体および流体で確実に満たして渦流を生じさせるとともに、貯留室内に流体を安定して注入することができるため、液体と流体とを良く混ぜることができる。
代表的な本実施形態では、生活排水などの被処理水(汚水)を浄化する汚水処理に用いられる混合装置について説明する。
本実施形態の混合装置は、活性汚泥による生物処理において、有機物を分解する活性汚泥(微生物)に酸素を供給するために、被処理水(特許請求の範囲における「液体」)に酸素(特許請求の範囲における「流体」)を混合するものである。
混合装置1Aでは、注入路15から貯留室10に被処理水および酸素を注入し、貯留室10内で被処理水に酸素を混合した後に、被処理水および酸素を混合した処理水(特許請求の範囲における「混合体」)を貯留室10内から排出路16を通じて曝気槽や調整槽(排水槽)などの外槽(図示せず)に排出する。
頂板20は、貯留室10の頂部を構成するものであり、底板30は、貯留室10の底部を構成するものである。つまり、頂板20の内面21は、貯留室10の頂部の内面であり、底板30の内面31は、貯留室10の底部の内面である。頂板20の内面21と底板30の内面31とは、上下方向に対峙している。
貯留室10の内面には、上下一対の内面21,31と、左右一対の内面41,51と、前後一対の内面61,71とが形成されている。
前壁60の内面61と、後壁70の内面71とは、貯留室10の側部の内面であり、底板30の内面31に対して立ち上げられている。前壁60の内面61と、後壁70の内面71とは、前後方向に対峙している。
本実施形態の混合装置1Aでは、左側壁40の内面41と右側壁50の内面51との間の距離は、前壁60の内面61と後壁70の内面71との間の距離よりも長く形成されている。
このように、本実施形態の貯留室10では、左右方向の幅が前後方向の幅(奥行き)よりも大きく形成されている。これにより、貯留室10内の空間は、左右方向に幅広で前後方向に狭い扁平な直方体に形成されている。
注入穴15bは、注入口15aに連通する円形の穴であり、左側壁40を左右方向に貫通している。注入穴15bの軸断面積は、注入口15aの開口面積と同じである。
吐出路15dの軸断面積は、主流路15eの軸断面積の10%から50%の間であることが好ましく、主流路15eの軸断面積の20%から40%の間であることがより好ましい。
注入管15cの外周面には、液体供給管17の先端部が取り付けられている。液体供給管17は、液体供給口15fに連通している。液体供給管17の内径は、主流路15eの内径と同じ大きさに形成されている。つまり、液体供給管17内の軸断面積と、主流路15eの軸断面積とが同じ大きさに形成されている。
液体供給管17の基端部には、液体供給装置(図示せず)が連結されている。そして、液体供給装置から液体供給管17を介して主流路15eに被処理水が供給される。
流体供給管18の基端部は、流体供給装置(図示せず)に連結されている。そして、流体供給装置から流体供給管18に供給された高濃度の酸素が、流体供給管18の先端部から主流路15e内に注入される。
本実施形態では、流体供給管18の先端部が吐出路15dと液体供給口15fとの間の領域Lの中間部に配置されているが、流体供給管18の先端部を領域Lの中間部よりも先端側または基端側に配置してもよい。
排出穴16bは、排出口16aに連通する円形の穴であり、左側壁40を左右方向に貫通している。
まず、図2に示すように、液体供給装置(図示せず)から液体供給管17に被処理水を供給するとともに、流体供給装置(図示せず)から流体供給管18に高濃度の酸素を供給する。
そして、貯留室10内の被処理水および酸素は、上側の渦流S1から下側の渦流S2に流れて、排出口16aから排出路16に排出される。そして、処理水は、排出路16を通じて、次の工程に送られる。
これにより、本実施形態の混合装置1Aでは、注入路15に供給する被処理水および酸素の流量を抑えても、吐出路15dから貯留室10内に注入される被処理水および酸素の流速を速くすることができる。
そして、本実施形態の混合装置1Aでは、被処理水および酸素を貯留室10内で大きく渦流させることができ、被処理水および酸素の挙動を大きく乱すことができるため、被処理水と酸素とを良く混ぜることができる。
本実施形態の混合装置1Aでは、処理水の酸素濃度が高くなるため、活性汚泥による有機物の分解能力を高めることができる。
また、流体供給管18の先端部は、液体供給口15fよりも下流側に配置されるため、流体供給管18の先端部から注入された酸素が液体供給口15fからの被処理水の流れに妨げられるのを防ぐことができる。これにより、流体供給管18の先端部から酸素を一定の流量で連続して主流路15e内に供給することができる。
したがって、本実施形態の混合装置1Aでは、貯留室10内を被処理水および酸素で確実に満たして渦流を生じさせるとともに、貯留室10内に酸素を安定して注入することができるため、被処理水と酸素とを良く混ぜることができる。
また、本実施形態の混合装置1Aのように、流体供給管18の先端部を吐出路15dと液体供給口15fとの間に配置した場合には、流体供給管18の先端部を液体供給口15fに対峙する位置に配置した場合に比べて、酸素溶解効率が約1.6倍に向上した。
本実施形態では、図1に示すように、汚水処理に用いた混合装置1Aについて説明したが、本発明の混合装置を用いて混合可能な液体および流体の種類は限定されるものではない。例えば、液体に他の液体を混合してもよい。
2A 処理槽
10 貯留室
15 注入路
15a 注入口
15b 注入穴
15c 注入管
15d 吐出路
15e 主流路
15f 液体供給口
16 排出路
16a 排出口
16b 排出穴
16c 排出管
17 液体供給管
18 流体供給管
19 内管
20 頂板
30 底板
40 左側壁
50 右側壁
60 前壁
70 後壁
80 胴部
Claims (2)
- 液体に流体を混合するための混合装置であって、
前記液体および前記流体の混合体が貯留される直方体の空間である貯留室を有する処理槽を備え、
前記処理槽には、
前記液体および前記流体を前記貯留室内に注入するための注入路と、
前記混合体を前記貯留室内から排出するための排出路と、が設けられ、
前記注入路には、
前記貯留室側の端部に形成された吐出路と、
前記吐出路に連通する主流路と、が形成されており、
前記吐出路の軸断面積は、前記主流路の軸断面積よりも小さく形成され、
前記注入路の注入口および前記排出路の排出口は、前記貯留室の側部の内面の下半分の領域に配置され、
前記注入口は、前記排出口よりも上方に配置されており、
前記貯留室内の上部まで前記混合体を貯留させた状態で、前記注入口から前記液体および前記流体を前記貯留室内に注入するとともに、前記排出口から前記混合体を排出することで、前記貯留室内の前記混合体に上下二つの渦流を生じさせることを特徴とする混合装置。 - 請求項1に記載の混合装置であって、
前記主流路の内周面には、前記主流路に前記液体を供給するための液体供給口が開口するとともに、
前記主流路には、先端部から前記流体を注入する流体供給管が挿入されており、
前記流体供給管の先端部は、前記吐出路と前記液体供給口との間に配置されていることを特徴とする混合装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2017240681A JP6977533B2 (ja) | 2017-12-15 | 2017-12-15 | 混合装置 |
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- 2017-12-15 JP JP2017240681A patent/JP6977533B2/ja active Active
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