JP6977533B2 - 混合装置 - Google Patents

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本発明は、液体に流体を混合するための混合装置に関する。
近年、化学工業や生物工業等の分野では、液体中にファインバブルと呼ばれる直径100μm以下の気泡を生成させている場合がある。微細化された気泡は、水面に浮上して破裂することなく、水中に長期間に亘って残存する。そして、気泡が液体に効率良く混合、拡散、溶解されることで、様々な機能を液体に付加することができる。
従来、例えば、汚水処理において、活性汚泥による生物処理を行う場合には、有機物を分解する活性汚泥(微生物)に酸素を供給するために、曝気槽で被処理水(汚水)に酸素を混合している。
そして、各種の水処理において、被処理水に気体を混合するための混合装置を槽内に設けているものがある。このような混合装置としては、貯留室の内面に注入路が開口し、その内面に対峙する他の内面に排出路が開口しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような混合装置では、被処理水と気体とを注入路から貯留室内に注入し、貯留室で被処理水と気体とを混合した後に、貯留室内の処理水(混合体)を排出路から例えば曝気槽内に排出している。
注入路から貯留室内に被処理水および気体を注入すると、キャビテーション効果により、気体が微細気泡化する。このように、被処理水中の気体を微細気泡化することで、被処理水から大気中に気散する気体の量を少なくすることができる。
特開2000−000563号公報
前記した従来の混合装置では、注入路から貯留室内に被処理水および気体を注入すると、被処理水および気体が貯留室内で渦流する。このとき、貯留室内で被処理水および気体を十分に渦流して、被処理水と気体とを接触させることで、処理水の酸素濃度を高めることが好ましい。
被処理水などの液体に酸素などの流体を良く混ぜるためには、貯留室内で液体および流体を大きく渦流させて、液体および流体の挙動を大きく乱すことが好ましい。
しかしながら、従来の混合装置において、貯留室内の液体および流体を大きく渦流させるためには、吐出量の大きなポンプを用いる必要があるため、消費エネルギーが大きくなるという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、省エネルギー化しつつ、液体と流体とを良く混ぜることができる混合装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、液体に流体を混合するための混合装置であって、前記液体および前記流体の混合体が貯留される直方体の空間である貯留室を有する処理槽を備えている。前記処理槽には、前記液体および前記流体を前記貯留室内に注入するための注入路と、前記混合体を前記貯留室内から排出するための排出路と、が設けられている。前記注入路には、前記貯留室側の端部に形成された吐出路と、前記吐出路に連通する主流路と、が形成されている。前記吐出路の軸断面積は、前記主流路の軸断面積よりも小さく形成されている。前記注入路の注入口および前記排出路の排出口は、前記貯留室の側部の内面の下半分の領域に配置されている。前記注入口は、前記排出口よりも上方に配置されている。前記貯留室内の上部まで前記混合体を貯留させた状態で、前記注入口から前記液体および前記流体を前記貯留室内に注入するとともに、前記排出口から前記混合体を排出することで、前記貯留室内の前記混合体に上下二つの渦流を生じさせる。
本発明の混合装置では、主流路よりも吐出路が絞られており、液体および流体(気体または液体)が吐出路を通過するときに、液体および流体の流速が速くなる。これにより、本発明の混合装置では、注入路に供給する液体および流体の流量を抑えても、吐出路から貯留室内に注入される液体および流体の流速を速くすることができる。そして、本発明の混合装置では、貯留室内の液体および流体の挙動を大きく乱すことができるため、液体と流体とを良く混ぜることができる。
なお、液体および流体の流速を確実に速くするためには、吐出路の軸断面積は、主流路の軸断面積の10%から50%の間であることが好ましく、主流路の軸断面積の20%から40%の間であることがより好ましい。
前記した混合装置において、前記主流路の内周面には、前記主流路に前記液体を供給するための液体供給口が開口している。また、前記主流路には、先端部から前記流体を注入する流体供給管が挿入されている。前記流体供給管の先端部は、前記吐出路と前記液体供給口との間に配置されている。
この構成では、流体供給管によって吐出路内の空間が減少するのを防ぐことができるため、貯留室内を液体および流体で満たすために十分な流量の液体および流体を吐出路から貯留室内に注入することができる。
また、流体供給管の先端部は、液体供給口よりも下流側に配置されるため、流体供給管の先端部から注入された流体が液体供給口からの液体の流れに妨げられるのを防ぐことができる。
したがって、前記した混合装置では、貯留室内を液体および流体で確実に満たして渦流を生じさせるとともに、貯留室内に流体を安定して注入することができるため、液体と流体とを良く混ぜることができる。
前記した混合装置において、注入口および排出口対峙しない二面に開口させてもよい。この構成では、注入口が開口する第一内面に対峙する第二内面以外の内面に排出口が開口しているため、貯留室に注入された液体および流体が渦流に巻き込まれることなく、排出路から排出され易いという問題を減少させることができる。これにより、液体および流体は、貯留室内で長い経路を渦流に巻き込まれながら流れることになり、液体および流体の挙動を大きく乱すことができるため、液体と流体とを良く混ぜることができる。
本発明の混合装置では、省エネルギー化しつつ、液体と流体とを良く混ぜることができるため、液体および流体を効率良く処理することができる。
本発明の実施形態に係る混合装置を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る混合装置を示した断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされるものであるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
代表的な本実施形態では、生活排水などの被処理水(汚水)を浄化する汚水処理に用いられる混合装置について説明する。
本実施形態の混合装置は、活性汚泥による生物処理において、有機物を分解する活性汚泥(微生物)に酸素を供給するために、被処理水(特許請求の範囲における「液体」)に酸素(特許請求の範囲における「流体」)を混合するものである。
本実施形態の混合装置1Aは、図1に示すように、貯留室10を有する処理槽2Aと、処理槽2Aに設けられた注入路15および排出路16と、を備えている。
混合装置1Aでは、注入路15から貯留室10に被処理水および酸素を注入し、貯留室10内で被処理水に酸素を混合した後に、被処理水および酸素を混合した処理水(特許請求の範囲における「混合体」)を貯留室10内から排出路16を通じて曝気槽や調整槽(排水槽)などの外槽(図示せず)に排出する。
処理槽2Aは、中空な直方体であり、内部に貯留室10が形成されている。処理槽2Aは、上下一対の頂板20および底板30と、左右一対の左側壁40および右側壁50と、前後一対の前壁60および後壁70と、を備えている。
頂板20および底板30は、水平に配置された長方形の平板である。頂板20は底板30の直上に配置されている。頂板20と底板30とは同じ形状であり、前後方向よりも左右方向が長く形成されている。
頂板20は、貯留室10の頂部を構成するものであり、底板30は、貯留室10の底部を構成するものである。つまり、頂板20の内面21は、貯留室10の頂部の内面であり、底板30の内面31は、貯留室10の底部の内面である。頂板20の内面21と底板30の内面31とは、上下方向に対峙している。
底板30の左右の縁部には、左側壁40および右側壁50がそれぞれ立ち上げられている。左側壁40および右側壁50は、底板30に対して上方に向けて垂直に延びている。左側壁40と右側壁50とは同じ形状であり、前後方向よりも上下方向が長く形成されている。
底板30の前後の縁部には、前壁60および後壁70がそれぞれ立ち上げられている。前壁60および後壁70は、底板30に対して上方に向けて垂直に延びている。前壁60と後壁70とは同じ形状であり、左右方向よりも上下方向が長く形成されている。
左側壁40、右側壁50、前壁60および後壁70によって角筒状の胴部80が形成されている。胴部80の下面は底板30によって塞がれており、胴部80の上面は頂板20によって塞がれている。
貯留室10は、胴部80によって外周が囲まれるとともに、頂板20および底板30によって上面および下面が塞がれた直方体の空間である。
貯留室10の内面には、上下一対の内面21,31と、左右一対の内面41,51と、前後一対の内面61,71とが形成されている。
左側壁40の内面41と、右側壁50の内面51とは、貯留室10の側部の内面であり、底板30の内面31に対して立ち上げられている。左側壁40の内面41と、右側壁50の内面51とは、左右方向に対峙している。
前壁60の内面61と、後壁70の内面71とは、貯留室10の側部の内面であり、底板30の内面31に対して立ち上げられている。前壁60の内面61と、後壁70の内面71とは、前後方向に対峙している。
左右に対峙する一対の内面41,51と、前後に対峙する一対の内面61,71とは角筒状に配置されている。
本実施形態の混合装置1Aでは、左側壁40の内面41と右側壁50の内面51との間の距離は、前壁60の内面61と後壁70の内面71との間の距離よりも長く形成されている。
このように、本実施形態の貯留室10では、左右方向の幅が前後方向の幅(奥行き)よりも大きく形成されている。これにより、貯留室10内の空間は、左右方向に幅広で前後方向に狭い扁平な直方体に形成されている。
本実施形態の処理槽2Aには、図2に示すように、被処理水および酸素を貯留室10内に注入するための注入路15と、被処理水および酸素の混合体を貯留室10内から排出するための排出路16と、が設けられている。
注入路15は、左側壁40の内面41に開口した注入口15aと、注入口15aに連通する注入穴15bと、左側壁40の外面に設けられた注入管15cと、によって構成されている。
注入口15aは、左側壁40の内面41に開口している。注入口15aは、円形の開口部である(図1参照)。注入口15aは、左側壁40の内面41の下部に配置されている。また、注入口15aは、左側壁40の内面41の前後方向の中央部に配置されている(図1参照)。
注入穴15bは、注入口15aに連通する円形の穴であり、左側壁40を左右方向に貫通している。注入穴15bの軸断面積は、注入口15aの開口面積と同じである。
注入管15cの先端部は、左側壁40の外面に取り付けられており、注入管15cは注入穴15bに連通している。注入管15cの軸断面積は、注入穴15bの軸断面積と同じである。
注入管15cには、後記する液体供給管17を介して液体供給装置(図示せず)が連結されるとともに、後記する流体供給管18が挿入されている。液体供給装置から注入管15cに被処理水が供給されるとともに、流体供給管18から高濃度の酸素が注入管15cに供給される。そして、被処理水および酸素は、注入管15cから注入穴15bを通じて、注入口15aから貯留室10内に注入される。
本実施形態の注入路15には、貯留室10側(注入口15a側)の端部に形成された吐出路15dと、吐出路15dに連通する主流路15eと、主流路15eの内周面に開口した液体供給口15fと、が形成されている。
吐出路15dは、注入路15の貯留室10側の端部に内管19を嵌め込むことで形成されている。内管19は、円筒状の部材である。内管19は、注入口15a、注入穴15bおよび注入管15cの端部に嵌め込まれている。内管19の外周面は、注入路15の内周面に固定されている。
内管19の中心穴19aの内径は、注入口15a、注入穴15bおよび注入管15cの内径よりも小さく形成されている。つまり、内管19の中心穴19aの軸断面積は、注入口15a、注入穴15bおよび注入管15c内の軸断面積よりも小さく形成されている。
内管19の中心穴19aによって吐出路15dが形成されている。つまり、吐出路15dの軸断面積は、注入口15a、注入穴15bおよび注入管15c内の軸断面積よりも小さく形成されている。
主流路15eは、注入路15において吐出路15dよりも基端側(上流側)の部位である。主流路15eは、注入管15cによって形成されている。
本実施形態の注入路15では、先端部の吐出路15dの軸断面積が、主流路15eの軸断面積よりも小さく絞られている。
吐出路15dの軸断面積は、主流路15eの軸断面積の10%から50%の間であることが好ましく、主流路15eの軸断面積の20%から40%の間であることがより好ましい。
液体供給口15fは、主流路15eの内周面に形成された円形の開口部である。液体供給口15fは、主流路15eに被処理水を供給するための開口部である。
注入管15cの外周面には、液体供給管17の先端部が取り付けられている。液体供給管17は、液体供給口15fに連通している。液体供給管17の内径は、主流路15eの内径と同じ大きさに形成されている。つまり、液体供給管17内の軸断面積と、主流路15eの軸断面積とが同じ大きさに形成されている。
液体供給管17の基端部には、液体供給装置(図示せず)が連結されている。そして、液体供給装置から液体供給管17を介して主流路15eに被処理水が供給される。
主流路15eには、酸素を注入する流体供給管18が挿入されている。流体供給管18は、主流路15eの基端側から挿入されている。流体供給管18は、円筒状の部材であり、先端部が開口している。
流体供給管18の基端部は、流体供給装置(図示せず)に連結されている。そして、流体供給装置から流体供給管18に供給された高濃度の酸素が、流体供給管18の先端部から主流路15e内に注入される。
流体供給管18は、主流路15eの中心部に配置されている。また、流体供給管18の外径は、主流路15e(注入管15c)の内径よりも小さく形成されている。したがって、主流路15eの内周面と、流体供給管18の外周面との間には、環状の隙間が形成されている。
流体供給管18の先端部は、吐出路15d(内管19)の基端部と、液体供給口15fの開口縁部の最先端部との間の領域Lに配置されている。つまり、流体供給管18の先端部は、吐出路15dよりも基端側で液体供給口15fよりも先端側に配置されている。
本実施形態では、流体供給管18の先端部が吐出路15dと液体供給口15fとの間の領域Lの中間部に配置されているが、流体供給管18の先端部を領域Lの中間部よりも先端側または基端側に配置してもよい。
排出路16は、左側壁40の内面41に開口した排出口16aと、排出口16aに連通する排出穴16bと、左側壁40の外面に設けられた排出管16cと、によって構成されている。
排出口16aは、左側壁40の内面41に開口している。排出口16aは、円形の開口部である(図1参照)。排出口16aは、左側壁40の内面41の下部に配置されている。また、排出口16aは、左側壁40の内面41の前後方向の中央部に配置されている(図1参照)。
排出穴16bは、排出口16aに連通する円形の穴であり、左側壁40を左右方向に貫通している。
排出管16cの先端部は、左側壁40の外面に取り付けられており、排出管16cは排出穴16bに連通している。排出管16cの基端部は、次の工程(例えば、曝気槽や調整槽などの外槽)への配管に連結されている。そして、貯留室10内の処理水は、排出口16aから排出穴16bおよび排出管16cを通じて、次の工程に送られる。
本実施形態の注入口15aおよび排出口16aは、左側壁40の内面41の上下方向の中央部(境界線L1)よりも下方に配置されている。また、注入口15aおよび排出口16aは、左側壁40の内面41の下半分の上下方向の中央部(境界線L2)を挟んで配置されている。注入口15aは、排出口16aの上方に配置されている。
次に、本実施形態の混合装置1Aを用いて、被処理水と酸素とを混合する処理について説明する。
まず、図2に示すように、液体供給装置(図示せず)から液体供給管17に被処理水を供給するとともに、流体供給装置(図示せず)から流体供給管18に高濃度の酸素を供給する。
液体供給装置から液体供給管17に供給された被処理水は、液体供給口15fから主流路15e内に供給され、流体供給管18の周囲を主流路15eの先端側に向けて流れる。そして、被処理水は、吐出路15dを通過して注入口15aから貯留室10内に注入される。
流体供給装置から流体供給管18に供給された酸素は、流体供給管18の先端部から主流路15e内に注入される。そして、酸素は、被処理水とともに、吐出路15dを通過して注入口15aから貯留室10内に注入される。
注入口15aから貯留室10内に被処理水および酸素を注入すると、被処理水および酸素は右側壁50の内面51に当接して流れが大きく変化する。そして、被処理水および酸素は、貯留室10内で縦方向に渦流した後に、処理水が左側壁40の内面41の排出口16aから排出される。
このとき、本実施形態の貯留室10では、被処理水および酸素によって上側の渦流S1と下側の渦流S2とが形成される。
そして、貯留室10内の被処理水および酸素は、上側の渦流S1から下側の渦流S2に流れて、排出口16aから排出路16に排出される。そして、処理水は、排出路16を通じて、次の工程に送られる。
本実施形態の混合装置1Aでは、主流路15eよりも吐出路15dが絞られており、被処理水および酸素が吐出路15dを通過するときに、被処理水および酸素の流速が速くなる。
これにより、本実施形態の混合装置1Aでは、注入路15に供給する被処理水および酸素の流量を抑えても、吐出路15dから貯留室10内に注入される被処理水および酸素の流速を速くすることができる。
そして、本実施形態の混合装置1Aでは、被処理水および酸素を貯留室10内で大きく渦流させることができ、被処理水および酸素の挙動を大きく乱すことができるため、被処理水と酸素とを良く混ぜることができる。
本実施形態の混合装置1Aでは、処理水の酸素濃度が高くなるため、活性汚泥による有機物の分解能力を高めることができる。
なお、吐出路15dの軸断面積を主流路15eの軸断面積の70%に絞った場合には、注入路15に吐出路15dを形成することなく、注入路15全体が同じ軸断面積である場合に比べて、被処理水に酸素が溶けた割合を示す酸素溶解効率が約1.6倍に向上した。
本実施形態の混合装置1Aでは、流体供給管18が吐出路15dに挿入されておらず、流体供給管18によって吐出路15d内の空間が減少するのを防ぐことができる。これにより、貯留室10内を被処理水および酸素で満たすために十分な流量の被処理水および酸素を吐出路15dから貯留室10内に注入することができる。
また、流体供給管18の先端部は、液体供給口15fよりも下流側に配置されるため、流体供給管18の先端部から注入された酸素が液体供給口15fからの被処理水の流れに妨げられるのを防ぐことができる。これにより、流体供給管18の先端部から酸素を一定の流量で連続して主流路15e内に供給することができる。
したがって、本実施形態の混合装置1Aでは、貯留室10内を被処理水および酸素で確実に満たして渦流を生じさせるとともに、貯留室10内に酸素を安定して注入することができるため、被処理水と酸素とを良く混ぜることができる。
なお、本実施形態の混合装置1Aのように、流体供給管18の先端部を吐出路15dと液体供給口15fとの間に配置した場合には、流体供給管18の先端部を吐出路15d内に挿入した場合に比べて、酸素溶解効率が約1.6倍に向上した。
また、本実施形態の混合装置1Aのように、流体供給管18の先端部を吐出路15dと液体供給口15fとの間に配置した場合には、流体供給管18の先端部を液体供給口15fに対峙する位置に配置した場合に比べて、酸素溶解効率が約1.6倍に向上した。
以上のような本実施形態の混合装置1Aでは、貯留室10内に注入する被処理水および酸素の流量を抑えても、貯留室10内において被処理水および酸素の挙動が大きく乱れる。そのため、本実施形態の混合装置1Aでは、被処理水と酸素とを良く混ぜることができ、汚水処理を省エネルギー化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態では、図1に示すように、汚水処理に用いた混合装置1Aについて説明したが、本発明の混合装置を用いて混合可能な液体および流体の種類は限定されるものではない。例えば、液体に他の液体を混合してもよい。
本実施形態の混合装置1Aにおいて、貯留室10の形状や大きさは限定されるものではなく、要求される処理能力に応じて適宜に設定される。また、注入路15および排出路16の断面形状や大きさも限定されるものではなく、例えば、軸断面が四角形や楕円形に形成されていてもよい。
本実施形態の混合装置1Aでは、図2に示すように、注入路15に内管19を嵌め込むことで、吐出路15dが形成されているが、吐出路15dの構成は限定されるものではなく、例えば、注入路15自体を縮径することで吐出路15dを形成してもよい。また、貯留室10側の端部に向かうにつれて注入路15を漸次縮径してもよい。
本実施形態の混合装置1Aでは、図1に示すように、注入口15aおよび排出口16aを左側壁40の内面41に配置しているが、注入口15aおよび排出口16aの位置は限定されるものではない。例えば、注入口15aおよび排出口16aを右側壁50の内面51、前壁60の内面61または後壁70の内面71に配置してもよい。また、本発明の参考例としては、注入口15aおよび排出口16aを頂板20の内面21に配置してもよい。
また、本実施形態の混合装置1Aでは、注入口15aおよび排出口16aを同じ内面41に配置しているが、注入口15aと排出口16aとを異なる内面に配置してもよい。この場合には、排出口16aを貯留室10の内面において、注入口15aが開口している内面に対峙する内面以外の内面に開口させることが好ましい。
本発明の混合装置によれば、例えば、ビルの地下に設けられたビルピット、マンホールや工場などの排水(用水)施設に設置することが可能である。また、微細気泡化を活用する分野では、例えば水産物・農畜産物の成長促進や鮮度保持、食品の風味・食感の改質、精密機械・電子部品の洗浄や剥離、医療・医薬品、化粧品などの各種用途において好適に利用することができる。
1A 混合装置
2A 処理槽
10 貯留室
15 注入路
15a 注入口
15b 注入穴
15c 注入管
15d 吐出路
15e 主流路
15f 液体供給口
16 排出路
16a 排出口
16b 排出穴
16c 排出管
17 液体供給管
18 流体供給管
19 内管
20 頂板
30 底板
40 左側壁
50 右側壁
60 前壁
70 後壁
80 胴部

Claims (2)

  1. 液体に流体を混合するための混合装置であって、
    前記液体および前記流体の混合体が貯留される直方体の空間である貯留室を有する処理槽を備え、
    前記処理槽には、
    前記液体および前記流体を前記貯留室内に注入するための注入路と、
    前記混合体を前記貯留室内から排出するための排出路と、が設けられ、
    前記注入路には、
    前記貯留室側の端部に形成された吐出路と、
    前記吐出路に連通する主流路と、が形成されており、
    前記吐出路の軸断面積は、前記主流路の軸断面積よりも小さく形成され、
    前記注入路の注入口および前記排出路の排出口は、前記貯留室の側部の内面の下半分の領域に配置され
    前記注入口は、前記排出口よりも上方に配置されており、
    前記貯留室内の上部まで前記混合体を貯留させた状態で、前記注入口から前記液体および前記流体を前記貯留室内に注入するとともに、前記排出口から前記混合体を排出することで、前記貯留室内の前記混合体に上下二つの渦流を生じさせることを特徴とする混合装置。
  2. 請求項1に記載の混合装置であって、
    前記主流路の内周面には、前記主流路に前記液体を供給するための液体供給口が開口するとともに、
    前記主流路には、先端部から前記流体を注入する流体供給管が挿入されており、
    前記流体供給管の先端部は、前記吐出路と前記液体供給口との間に配置されていることを特徴とする混合装置。
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