JP2021186627A - 紫外線マスク - Google Patents

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【課題】 呼吸器官に装着可能なマスクにおいて、細菌又は感染症ウイルス等の人から人への飛沫感染を予防し、細菌又は感染症ウイルス等の付着に伴う接触感染を予防し、着用者の顔の表情が認識可能な、着用者の呼吸性や会話等を制約が少ない安全で低コストのマスクを提供する。【解決手段】 着用者の少なくとも呼吸器官(鼻及び口)を覆う第1の空間部を有する「マスク本体部」と、前記第1の空間部と周辺空気との間で空気が通過し又は一時停滞する第2の空間部を有し、前記第2の空間部内に紫外線発光装置を設置した「空気清浄装置」とから成り、前記紫外線発光装置を点灯することにより、前記第2の空間部から前記第1の空間部へ流入し、又は前記第2の空間部から周辺空気へ流出する空気が清浄化されること。【選択図】図1

Description

本発明は、主として防疫などを目的として利用されるマスクに関する。
感染症の他者への感染又は他者からの感染を予防するために、マスクの着用が一般的であり限定的ではあるが予防効果が認められている。一般に人顔に装着されて使用されるマスクは、微小異物に対する捕捉性を確保しつつ、着用者の呼吸を妨げないように、ガーゼなどの天然繊維の織布や不織布をフィルタとして構成されている。しかしながら、ウイルスや細菌といった微小異物を、前記の材質のフィルタで完全に除去することは不可能である。
一方でマスクの着用は,感染者の咳やくしゃみに伴う唾液・鼻水の飛沫が未感染者まで飛ばないようにする効果が期待できるが、フィルタ機能を高めるためにフィルタの目を細かくするに従って着用者の呼吸が妨げられることになる。特に医療従事者においては、医療に従事している間は常時マスクを着用する必要があり、呼吸や会話を制限するといった制限が生じてくる。又、感染症が流行した場合、一般の生活者もマスク着用が推奨されているが、密着型のマスクにおいては、上記のような制限事項から生じる煩わしさから、必ずしも着用されなかったり、又正しく着用されなかったりすることが多い。
感染症ウイルス等により感染を拡大する原因として、感染者からのウイルスを含む飛沫の浮遊物が他者の呼吸器官により吸気される飛沫感染と、マスク等に付着したウイルスが、手などを媒体にして体内に入り込む接触感染とが考えられる。近年、ある一定の波長を有する紫外線を照射することによる殺菌やウイルス不活性化効果が認められており、紫外線による殺菌効果を利用した空気清浄装置、殺菌装置等が実用化されているが、人顔装着用マスクに応用した例はない。一方、抗ウイルス性を有するマスクは、特許文献1等で紹介されている。
しかしながら、飛沫感染及びマスクからの接触感染の両方を予防し、着用者の呼吸性を確保し、外部から着用者の表情を確認可能とするといった、現在のマスクに対する課題を総合的に解決したマスクの例はない。
特開2011−72677号公報
呼吸器官に装着可能なマスクにおいて、細菌又は感染症ウイルス等の人から人への飛沫感染を予防し、細菌又は感染症ウイルス等の付着に伴う接触感染を予防し、着用者の顔の表情が認識可能な、着用者の呼吸性や会話等を制約が少ない安全で低コストのマスクを提供する。
本発明は、着用者の少なくとも呼吸器官(鼻及び口)を覆う第1の空間部を有する「マスク本体部」と;前記第1の空間部と周辺空気との間で空気が通過し又は一時停滞する第2の空間部を有し、前記第2の空間部内に紫外線発光装置を設置した「空気清浄装置」と;から成り、前記紫外線発光装置を点灯することにより、前記第2の空間部から前記第1の空間部へ流入し、又は、前記第2の空間部から周辺空気へ流出する空気が清浄化される手段を有する。
具体的には、前記マスク本体部において、前記第1の空間部の空気が流通する少なくとも1つの通気孔を有し、前記空気清浄装置において、前記マスク本体部の前記通気孔と接続する少なくとも1つの第1の通気孔と、周辺空気との間で流入又は流出可能な少なくとも1つの第2の通気孔とを有し、前記第1及び第2の通気孔の間で空気が通過し又は一時停滞する前記第2の空間部を構成する手段を有するため、前記紫外線ランプを点灯することにより、着用者の呼気及び吸気共に、常に前記第2の空間部において浮遊異物を殺菌又は不活性化し、着用者と対向者等との間における細菌又は感染症ウイルス等の浮遊異物の飛沫感染を予防することができる。
又本発明は、少なくとも前記マスク本体部表面に、抗菌又は抗ウイルス効果を有する材料を貼り付け又は合成する手段を有するため、着用者のマスクへの前記浮遊異物の付着に伴う接触感染を予防することができる。
又本発明は、前記マスク本体部の少なくとも鼻及び口を含む顔の前面部を、外部より見ることが可能な透明な素材から成る手段を有するため、着用者の顔の表情を対向者等が認識することができる。
又本発明は、前記マスク本体部の前記通気孔、並びに前記空気清浄装置の前記第1及び第2の通気孔が、着用者の呼気又は吸気の流量と同等以上の流量の通気が可能な大きさを有する手段を有するため、着用者の呼吸に伴う前記マスク内の気圧低下を抑止することになり、良好な呼吸や明瞭な会話が可能となる。
又本発明は、少なくとも前記マスク本体部の前記着用者の顔と接する部分を、粘着剤を塗布したテープで固定する手段を有するため、前記マスク本体部と着用者の顔との密着性が高まり、前記浮遊異物の飛沫感染を予防することができる。
又本発明は、前記空気清浄装置には、前記紫外線ランプと人体との間に遮蔽壁を設置する手段を有するため、前記紫外線ランプによる紫外線の着用者への悪影響を防ぐことができる。
さらに、本発明は、前記マスク本体部と前記空気清浄装置が分離可能である手段を有するため、前記マスク本体部のみを交換することができるため、低コストに安全性を維持することが可能である。
本発明の紫外線マスクによれば、呼吸器官に装着可能なマスクにおいて、細菌又は感染症ウイルス等の人から人への飛沫感染を予防し、細菌又は感染症ウイルス等の付着に伴う接触感染を予防し、着用者の顔の表情が認識可能な、着用者の呼吸性や会話等を制約が少ない安全で低コストのマスクを提供することが可能となる。
本発明による紫外線マスクを示す全体図 本発明による紫外線マスク内部の断面図
次に、本発明の紫外線マスクについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による紫外線マスクを示す全体図である。図1において、紫外線マスク1は、マスク本体部10と空気清浄装置20とで構成される。前記マスク本体部10は、主として、着用者の少なくとも呼吸器官(鼻及び口)を覆う透明カバー11で構成され、前記空気清浄装置20は、前記マスク本体部10の下部に位置し、内部に紫外線ランプ21を設置し、電源端子22により外部電源(図示せず)等に接続し駆動するものである。
本実施例において前記紫外線マスク1は、耳掛け30により人顔に装着可能な例を示したものである。
図2は、本発明による紫外線マスク内部の断面図を示したものであり、図2にて、前記紫外線マスク1の内部の構成を詳細に説明する。
前記マスク本体部10は、前記透明カバー11により、着用者の呼吸器官(鼻及び口)を覆うに十分な第1の空間部12を形成し、前記空気清浄装置20と通気を可能とする少なくとも1つの通気孔13を有する。
前記空気清浄装置20は、前記マスク本体部10の下部に位置し、前記マスク本体部10の前記通気孔13と接続する少なくとも1つの第1の通気孔25と、周辺空気との間で通気を可能とする少なくとも1つの第2の通気孔26とを有するケース23から成り、前記第1及び第2の通気孔25、26の間で空気が通過し、又は一時保有される第2の空間部24とを有し、前記第2の空間部24内に紫外線ランプ21を設置したものである。
又、前記マスク本体部10と前記空気清浄装置20とは、接着シート31により接続されている。前記接着シート31は、着脱が可能であることが望ましい。
着用者の吸気時において、吸気による前記マスク本体部10の前記第1の空間部12の気圧の低下に従って、周辺空気が前記空気清浄装置20の前記第2の通気孔26から流入し、前記第2の空間部24に一時保有される。前記第2の空間部24の空気に浮遊菌等の異物が含まれている場合、前記紫外線ランプ21から発光する紫外線により異物が殺菌又は不活性化され、空気が浄化される。浄化された空気は、前記空気清浄装置20の前記第1の通気孔25、及び前記マスク本体部10の前記通気孔13を経由し、前記第1の空間部12に蓄積され、着用者の呼吸器に吸気される。
一方、着用者の呼気時の場合、呼気が前記マスク本体部10の前記第1の空間部12に流入し、前記第1の空間部12の気圧の上昇に従って、呼気が前記マスク本体部10の前記通気孔13、及び前記空気清浄装置20の前記第1の通気孔25を経由し、前記第2の空間部24に一時保有される。前記第2の空間部24の呼気に浮遊菌等の異物が含まれている場合、前記紫外線ランプから発光する紫外線により、異物が殺菌又は不活性化され、呼気が浄化される。浄化された呼気は、前記空気清浄装置20の前記第2の通気孔26から周辺に排気される。
以上の一連の動作により、着用者の呼気、吸気共に常に前記第2の空間部24において浄化されるため、感染症ウイルス等の有害物の人体への侵入及び人体からの排出を予防することが可能である。
又、前記マスク本体部10は、前記透明カバー11で構成されているため、顔の表情を認識することができる。
さらに、図1に示すように、前記透明カバー11と顔との接触部を、粘着テープ32で固定することにより密着性が高まり、前記有害物の人体への侵入及び人体からの排出をより確実に予防することができる。前記粘着テープ32は、例えば医療用のプラスチックテープ等が望ましい。
又、少なくとも前記マスク本体部10の前記透明カバー11の表面に、抗菌又は抗ウイルス効果を有する材料を貼り付け又は合成することにより、前記着用者のマスクへの前記浮遊異物の付着に伴う接触感染を予防することができる。例えば、銀イオン化合物などの無機系・酸化チタンなど光触媒系材料を抗菌剤としたものを、ポリプロピレンフィルム等に貼り付ける方法が一般的である。
又、図1に示すように、前記紫外線ランプ21が着用者の顔に対して水平方向に長い発光面を有するランプを選定することにより、前記通気孔13、並びに、第1及び第2の通気孔25、26を、前記紫外線ランプ21に沿って、水平方向に長い開口部を有する通気孔とすることが可能なため、異物に対する殺菌又は不活性化効果を低下させることなく、着用者の呼気又は吸気の流量と同等以上の流量の通気が可能な大きさを確保することができ、良好な呼吸や明瞭な会話が可能となる。
又、前記空気清浄装置20には、前記紫外線ランプ21と人体との間に遮蔽壁27を設置することにより、前記紫外線ランプ21による紫外線の着用者への悪影響を防ぐことができる。
さらに、前記マスク本体部10と前記空気清浄装置20が、分離可能な前記接着シート31で接続することにより、前記マスク本体部10のみを交換することができるため、低コストに安全性を維持することが可能である。
以上説明した本発明による紫外線マスクによれば、呼吸器官に装着可能なマスクにおいて、細菌又は感染症ウイルス等の人から人への飛沫感染を予防し、細菌又は感染症ウイルス等の付着に伴う接触感染を予防し、着用者の顔の表情が認識可能な、着用者の呼吸性や会話等を制約が少ない安全で低コストのマスクを提供することができる。
防疫などを目的として利用されるマスクに利用することができる。
1 紫外線マスク 10 マスク本体部 11 透明カバー 12 第1の空間部
13 通気孔 20 空気清浄装置 21 紫外線ランプ 22 電源端子
23 ケース 24 第2の空間部 25 第1の通気孔 26 第2の通気孔
27 遮蔽壁 30 耳掛け 31 接着シート 32 粘着テープ

Claims (9)

  1. 着用者の少なくとも呼吸器官(鼻及び口)を覆う第1の空間部を有する「マスク本体部」と;
    前記第1の空間部と周辺空気との間で空気が通過し又は一時停滞する第2の空間部を有し、前記第2の空間部内に紫外線発光装置を設置した「空気清浄装置」と;
    から成り、
    前記紫外線発光装置を点灯することにより、前記第2の空間部から前記第1の空間部へ流入し、又は、前記第2の空間部から周辺空気へ流出する空気が清浄化されること、
    を特徴とする紫外線マスク。
  2. 前記マスク本体部において、前記第1の空間部の空気が流通する少なくとも1つの通気孔を有し、
    前記空気清浄装置において、前記マスク本体部の前記通気孔と接続する少なくとも1つの第1の通気孔と、周辺空気との間で流入又は流出可能な少なくとも1つの第2の通気孔とを有し、前記第1及び第2の通気孔の間で空気が通過し又は一時停滞する前記第2の空間部を構成すること、
    を特徴とする請求項1記載の紫外線マスク。
  3. 少なくとも前記マスク本体部表面に、抗菌又は抗ウイルス効果を有する材料を貼り付け又は合成したこと、
    を特徴とする請求項1又は2記載の紫外線マスク。
  4. 前記マスク本体部の少なくとも鼻及び口を含む顔の前面部を、外部より見ることが可能な透明な素材から成ること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の紫外線マスク。
  5. 前記マスク本体部の前記通気孔、並びに前記空気清浄装置の前記第1及び第2の通気孔が、着用者の呼気又は吸気の流量と同等以上の流量の通気が可能な大きさを有すること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れか記載の紫外線マスク。
  6. 少なくとも前記マスク本体部の前記着用者の顔と接する部分を、粘着剤を塗布したテープで固定したこと、
    を特徴とする請求項1乃至5の何れか記載の紫外線マスク。
  7. 前記空気清浄装置において、前記紫外線ランプと人体との間に遮蔽板を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至6の何れか記載の紫外線マスク。
  8. 前記マスク本体部と前記空気清浄装置が分離可能であること、
    を特徴とする請求項1乃至7の何れか記載の紫外線マスク。
  9. 着用者の耳若しくは頭部、又は首部の何れかに装着可能であること、
    を特徴とする請求項1乃至8の何れか記載の紫外線マスク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021194235A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 ニプロ株式会社 ウイルス除去装置

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