JP2021186337A - 緩衝材、靴底および靴 - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材を提供する。【解決手段】緩衝材1Aは、並行する一対の平面または曲面によって外形が規定される壁10にて形作られた立体的形状を単位構造体Uとし、単位構造体Uが少なくとも一方向において規則的にかつ連続的に繰り返し配列されてなる立体構造物Sを含むものである。緩衝材1Aにあっては、単位構造体Uの各々が占有する六面体形状の空間を単位空間と称した場合に、立体構造物Sが、単位構造体Uとして上記単位空間の外形寸法が異なるものを含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃を緩和する緩衝材、当該緩衝材を備えた靴底、および、当該靴底を備えた靴に関する。
従来、衝撃を緩和するための各種の緩衝材が知られており、これら各種の緩衝材が用途に応じて使用されている。たとえば、靴においては、着地時に生じる衝撃を緩和する目的で、靴底に緩衝材が設けられる場合がある。この靴底に設けられる緩衝材としては、一般に樹脂製またはゴム製の部材が利用される。
近年においては、靴底に格子構造やウェブ構造を有する部位を設け、材料的にのみならず、構造的に緩衝性能を高めた靴も開発されている。格子構造を有する部位が設けられた靴底を備えた靴が開示された文献としては、たとえば米国特許公開公報第2018/0049514号明細書(特許文献1)がある。
一方で、特表2017−527637号公報(特許文献2)には、三次元積層造形法を用いて製造される三次元物体として、内部に空洞を有する多面体や三重周期極小曲面等の幾何学的な面構造を基準にこれに厚みを付けたものが製造可能であることが記載されており、当該三次元物体を弾性材料にて構成することにより、たとえばこれを靴底に適用できることが開示されている。
米国特許公開公報第2018/0049514号明細書 特表2017−527637号公報
ここで、上述した如くの幾何学的な面構造を基準にこれに厚みを付けた構造を有する緩衝材は、格子構造やウェブ構造を有する部位を含む緩衝材に比べて、高い圧縮剛性を実現し易いという構造上の特徴を有している。
しかしながら、当該構造を有する緩衝材において高い圧縮剛性を得ようとした場合には、壁の厚みが大きくなることに伴って占積率も上昇してしまうため、緩衝材の重量が大幅に増加してしまう問題がある。特に、緩衝材の一部のみの圧縮剛性を局所的に高めたいような場合に当該部分の壁の厚みを大きくした場合には、当該部分における重量の増加が顕著となり、緩衝材全体としての重量の増加が避けられず、軽量化の大きな障害となる。
したがって、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材を提供することを目的とし、また、当該緩衝材を備えた靴底、および、当該靴底を備えた靴を提供することを目的とする。
本発明に基づく緩衝材は、並行する一対の平面または曲面によって外形が規定される壁にて形作られた立体的形状を単位構造体とし、当該単位構造体が少なくとも一方向において規則的にかつ連続的に繰り返し配列されてなる立体構造物を含むものである。上記本発明に基づく緩衝材にあっては、上記単位構造体の各々が占有する六面体形状の空間を単位空間と称した場合に、上記立体構造物が、上記単位構造体として上記単位空間の外形寸法が異なるものを含んでいる。
本発明に基づく靴底は、上述した本発明に基づく緩衝材を備えてなるものである。
本発明に基づく靴は、上述した本発明に基づく靴底と、上記靴底の上方に設けられたアッパーとを備えてなるものである。
本発明によれば、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材を提供することが可能になり、また、当該緩衝材を備えた靴底、および、当該靴底を備えた靴を提供することが可能になる。
実施の形態1に係る緩衝材の一部破断斜視図である。 図1に示す緩衝材の正面図である。 図1に示す緩衝材の断面図である。 検証例1,2に係る緩衝材の緩衝性能をシミュレーションした結果を示すグラフである。 曲面を基準とした幾何学的な面構造の他の一例の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。 曲面を基準とした幾何学的な面構造のさらに他の一例の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。 実施の形態2に係る緩衝材の一部破断斜視図である。 検証例3,4に係る緩衝材の緩衝性能をシミュレーションした結果を示すグラフである。 平面を基準とした幾何学的な面構造の他の一例の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。 平面を基準とした幾何学的な面構造のさらに他の一例の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。 実施の形態3に係る靴底およびこれを備えた靴の斜視図である。 図11に示す靴底の側面図である。 図11に示す靴底の構成を示す模式平面図である。 図11に示す靴底の断面図である。 図11に示す靴底における緩衝材の単位構造体の配置例を表わした模式図である。 実施の形態4に係る靴底の構成を示す模式平面図である。 図16に示す靴底の断面図である。 第1変形例に係る靴底の断面図である。 第2変形例に係る靴底の断面図である。 第3変形例に係る靴底の断面図である。 第4変形例に係る靴底の構成を示す模式断面図である。 第5変形例に係る靴底の構成を示す模式断面図である。 実施の形態5に係る靴底の構成を示す模式平面図である。 図23に示す靴底の断面図である。 第7変形例に係る靴底の断面図である。 第8変形例に係る靴底の断面図である。 実施の形態6に係る靴底の構成を示す模式平面図である。 図27に示す靴底の構成を示す模式断面図である。 図27に示す靴底の構成を示す模式断面図である。 実施の形態7に係る靴底の構成を示す模式平面図である。 図30に示す靴底の構成を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る緩衝材の一部破断斜視図である。図2は、図1中に示す矢印II方向から見た緩衝材の正面図である。図3は、図1中に示すIII−III線に沿った緩衝材の断面図である。以下、これら図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る緩衝材1Aについて説明する。
図1ないし図3に示すように、緩衝材1Aは、複数の単位構造体U(特に図1参照)を有する立体構造物Sを含んでいる。複数の単位構造体Uの各々は、並行する一対の曲面によって外形が規定される壁10にて形作られた立体的形状を有している。
ここで、図1においては、理解を容易とするために、参照符号Uを厳密な意味においては単位構造体に付しておらず、当該単位構造体が占有する空間である六面体形状(本実施の形態においては、特に直方体形状)の単位空間に付している。
複数の単位構造体Uは、幅方向(図中に示すX方向)、奥行き方向(図中に示すY方向)および高さ方向(図中に示すZ方向)の各々に沿って規則的にかつ連続的に繰り返し配列されている。図1ないし図3においては、幅方向および奥行き方向においてそれぞれ隣接する4つの単位構造体Uと高さ方向において隣接する3つの単位構造体Uとを抜き出して示している。
なお、本実施の形態においては、幅方向、奥行き方向および高さ方向においてそれぞれ多数の単位構造体Uが設けられてなる緩衝材1Aを例示して説明を行なうが、幅方向、奥行き方向および高さ方向における単位構造体Uの繰り返しの数は、特にこれが制限されるものではなく、これら3つの方向のうちの少なくとも一方向に沿って2つ以上配列されていればよい。
ここで、本実施の形態に係る緩衝材1Aは、高さ方向(図中に示すZ方向)において緩衝機能が発揮されるように企図されたものである。そのため、緩衝材1Aが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する方向である軸方向は、上述した高さ方向に合致することになる。
上述したように、複数の単位構造体Uの各々は、壁10によって形作られた立体的形状を有している。そのため、これら複数の単位構造体Uが互いに連続して接続されることにより、立体構造物Sもまた、これら壁10の集合体によって構成されている。
ここで、緩衝材1Aに含まれる立体構造物Sは、幾何学的な面構造を基準にこれに厚みを付けた構造を有している。本実施の形態に係る緩衝材1Aにおいては、当該面構造は、数学的に定義される三重周期極小曲面の一種であるシュワルツP構造である。なお、極小曲面とは、与えられた閉曲線を境界にもつ曲面の中で面積が最小のものと定義される。
図3に示すように、シュワルツP構造を基準にこれに厚みを付けた立体構造物Sは、これを特定の平面に沿って切断した場合に蛇行状に延在する断面形状が現れる部位である蛇行部11を有している。当該特定の平面は、本実施の形態においては、図1において紙面と直交しかつIII−III線と平行な平面である。
蛇行部11は、立体構造物Sの構造上、幅方向に沿って延在するもの、奥行き方向に沿って延在するもの、および、高さ方向に沿って延在するものの合計で3種類が存在することになるが、ここでは、図3に示す断面において現れる、高さ方向(すなわちZ方向)に沿って延在する蛇行部11に着目している。
この高さ方向に延在する蛇行部11は、当該高さ方向に沿って位置する複数の方向転換点12を有しており、当該方向転換点12においては、入隅部13と出隅部14とがそれぞれ設けられている。このうち、入隅部13は、上記断面形状において、壁10の表面上において凹状の形状を有するように現れる部位であり、出隅部14は、上記断面形状において、壁10の表面上において凸状の形状を有するように現れる部位である。ここで、この高さ方向に延在する蛇行部11は、隣り合う蛇行部との間の距離が当該高さ方向における位置によって異なっており、上述した距離は、高さ方向に沿って移動するにつれて周期的に大きくなったり小さくなったりする。
図1ないし図3に示すように、本実施の形態に係る緩衝材1Aは、単位構造体Uとして、外形の異なる2種類の単位構造体UA,UBを含んでいる。単位構造体UAは、当該単位構造体UAが占有する単位空間が正六面体形状のものであり、単位構造体UBは、当該単位構造体UBが占有する単位空間が高さ方向において細長の六面体形状のものである。
単位構造体UAは、その単位空間を規定する互いに直交する3つの辺のうち、高さ方向(すなわちZ方向)に延在する辺を第1辺とし、幅方向(すなわちX方向)に延在する辺を第2辺とし、奥行き方向(すなわちY方向)に延在する辺を第3辺とした場合に、これら第1ないし第3辺がいずれも同じ長さとなるように構成されたものである。すなわち、図1を参照して、単位構造体UAの幅方向の寸法をLx1とし、単位構造体UAの奥行き方向の寸法をLy1とし、単位構造体UAの高さ方向の寸法をLz1とした場合に、Lx1=Ly1=Lz1の関係を満たしている。なお、図1においては、この単位構造体UAは、立体構造物Sの上部側の2層(参照符号LY1で表わされる範囲の層)に配列されている。
単位構造体UBは、その単位空間を規定する互いに直交する3つの辺のうち、高さ方向(すなわちZ方向)に延在する辺を第1辺とし、幅方向(すなわちX方向)に延在する辺を第2辺とし、奥行き方向(すなわちY方向)に延在する辺を第3辺とした場合に、第2辺と第3辺とが同じ長さとなり、第1辺が第2辺および第3辺の長さの2倍になるように構成されたものである。すなわち、図1を参照して、単位構造体UBの幅方向の寸法をLx2とし、単位構造体UBの奥行き方向の寸法をLy2とし、単位構造体UBの高さ方向の寸法をLz2とした場合に、Lx2=Ly2=Lz2/2の関係を満たしている。なお、図1においては、この単位構造体UBは、立体構造物Sの下部側の1層(参照符号LY2で表わされる範囲の層)に配列されている。
これにより、本実施の形態に係る緩衝材1Aにあっては、単位構造体Uのうちの単位空間の外形寸法が異なるもの(すなわち、上述した外形の異なる2種類の単位構造体UA,UB)同士が、当該緩衝材1Aが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向(すなわち高さ方向)に位置することになる。
このように、立体構造物Sが、単位構造体Uとして単位空間の外形寸法が異なるものを含んでいることにより、軽量で緩衝性能に優れた緩衝材とすることができるが、その詳細については後述することとする。
なお、単位構造体Uの上述した寸法のうち、緩衝機能が発揮されることが企図された軸方向である高さ方向の寸法をL1とし、残る幅方向の寸法および奥行き方向の寸法のうちの長い方をL2とした場合に、上述した単位構造体UA,UBの少なくとも一方が、1.1≦L1/L2≦4.0の条件を満たしていれば、当該条件を満たす部分において、高い圧縮剛性を得ることができる。一方、上述した単位構造体UA,UBの少なくとも一方が、0.1≦L1/L2≦0.9の条件を満たしていれば、当該条件を満たす部分において、圧縮剛性が低くなることで高い変形能を得ることができる。ただし、上述した単位構造体UA,UBが必ずしも当該条件を満たしている必要はなく、これを満たすか否かは任意である。
緩衝材1Aの製造方法は、特にこれが制限されるものではないが、緩衝材1Aは、たとえば三次元積層造形装置を用いた造形によって製造することができる。
緩衝材1Aの材質としては、弾性力に富んだ材料であれば基本的にどのような材料であってもよいが、樹脂材料またはゴム材料であることが好ましい。より具体的な材質としては、緩衝材1Aを樹脂製とする場合には、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂とすることができ、また、たとえばポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂とすることができる。一方、緩衝材1Aをゴム製とする場合には、たとえばブタジエンゴムとすることができる。
緩衝材1Aは、ポリマー組成物にて構成することもできる。その場合にポリマー組成物に含有させるポリマーとしては、たとえばオレフィン系エラストマーやオレフィン系樹脂等のオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーとしては、たとえばポリエチレン(たとえば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、1−ブテン−4−メチル−ペンテン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、プロピレン−酢酸ビニル共重合体のポリオレフィン等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばアミド系エラストマーやアミド系樹脂等のアミド系ポリマーであってもよい。アミド系ポリマーとしては、たとえばポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばエステル系エラストマーやエステル系樹脂等のエステル系ポリマーであってもよい。エステル系ポリマーとしては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばウレタン系エラストマーやウレタン系樹脂等のウレタン系ポリマーであってもよい。ウレタン系ポリマーとしては、たとえばポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばスチレン系エラストマーやスチレン系樹脂等のスチレン系ポリマーであってもよい。スチレン系エラストマーとしては、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、SBSの水素添加物(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS))、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、SISの水素添加物(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS))、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン(SBSB)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン(SBSBS)等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、たとえばポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)等が挙げられる。
また、上記ポリマーは、たとえばポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系ポリマー、ウレタン系アクリルポリマー、ポリエステル系アクリルポリマー、ポリエーテル系アクリルポリマー、ポリカーボネート系アクリルポリマー、エポキシ系アクリルポリマー、共役ジエン重合体系アクリルポリマーならびにその水素添加物、ウレタン系メタクリルポリマー、ポリエステル系メタクリルポリマー、ポリエーテル系メタクリルポリマー、ポリカーボネート系メタクリルポリマー、エポキシ系メタクリルポリマー、共役ジエン重合体系メタクリルポリマーならびにその水素添加物、ポリ塩化ビニル系樹脂、シリコーン系エラストマー、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレン(CR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等であってもよい。
上述したように、本実施の形態に係る緩衝材1Aは、軽量で緩衝性能に優れた緩衝材となる。これは、緩衝材1Aの構造的特徴(形状的特徴)によるところが大きい。以下、この点について、本発明者が行なった第1検証試験の結果に基づいて詳細に説明する。
図4は、検証例1,2に係る緩衝材の緩衝性能をシミュレーションした結果を示すグラフである。
第1検証試験においては、検証例1,2に係る緩衝材のモデルをそれぞれ具体的に設計し、これらモデルに対して所定方向に沿って外力が加わった場合を想定し、その場合の挙動についてシミュレーションによって個別に解析を行なった。より具体的には、これらモデルのそれぞれについていわゆる応力−歪み曲線を得た。
ここで、検証例1に係る緩衝材は、その立体構造物Sのすべてが上述した単位構造体UAによって構成されたものである。より詳細には、検証例1に係る緩衝材は、単位構造体UAの幅方向の寸法Lx1、奥行き方向の寸法Ly1および高さ方向の寸法Lz1をそれぞれ10mmとしたものであり、上述したL1およびL2によって表わされるアスペクト比L1/L2は、1.0である。なお、壁10の厚みは、2.36mmであり、その場合の占積率Vは、約50%である。
一方、検証例2に係る緩衝材は、その立体構造物Sのすべてが上述した単位構造体UBによって構成されたものである。より詳細には、検証例2に係る緩衝材は、単位構造体UBの幅方向の寸法Lx2および奥行き方向の寸法Ly2をそれぞれ5mmとし、高さ方向の寸法Lz2を10mmとしたものであり、上述したL1およびL2によって表わされるアスペクト比L1/L2は、2.0である。なお、壁10の厚みは、1.36mmであり、その場合の占積率Vは、約50%である。
また、検証例1,2に係る緩衝材に加える外力の方向は、いずれも上述した軸方向である高さ方向とした。なお、検証例1,2に係る緩衝材の材質は、いずれも弾性率が0.5MPaのウレタン系アクリルポリマーを想定した。
ここで、通常、圧縮剛性を高める場合には、単位構造体Uの壁10の厚みを増加させることが考えられる。しかしながら、壁10の厚みを増加させた場合には、これに伴って占積率Vも増加することになるため、壁10の厚みが大きいほど占積率Vも増加し、緩衝材が重くなってしまう。すなわち、圧縮剛性の確保と軽量化とはいわゆるトレードオフの関係を有していることになる。
しかしながら、図4に示すように、検証例2に係る緩衝材は、検証例1に係る緩衝材と占積率が同じであるにも拘わらず、検証例1に係る緩衝材よりも高い圧縮剛性を有している。これは、検証例2に係る緩衝材において単位構造体の幅方向の長さを短くしたことに伴い、当該壁10がより衝立状に作用することで圧縮剛性が高まったためと考えられる。
そのため、上述した第1検証試験の結果に基づけば、局所的に高い圧縮剛性を得るために、当該部分の壁10の厚みを全体的に増すように構成する場合よりも、外形寸法が異なる単位構造体を含む上述した如くの緩衝材1Aとすることにより、緩衝材の重量の増加を大幅に抑制できることが理解できる。
したがって、上述した本実施の形態に係る緩衝材1Aとすることにより、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材とすることができる。
なお、本実施の形態においては、上述したように、単位構造体Uのうちの単位空間の外形寸法が異なるもの同士を、当該緩衝材1Aが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向に配置するように構成した場合を例示して説明を行なったが、これらを、当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向と交差する方向に配置することとしてもよい。このように構成した場合にも、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材とすることができる。
ここで、並行する一対の曲面によって外形が規定される壁にて形作られた立体的形状としては、上述したシュワルツP構造を基準にこれに厚みを付けたものの他にも、ジャイロイド構造を基準にこれに厚みを付けたものや、シュワルツD構造を基準にこれに厚みを付けたもの等がある。これらジャイロイド構造およびシュワルツD構造も、上述したシュワルツP構造と同様に、数学的に定義される三重周期極小曲面の一種である。
図5は、ジャイロイド構造の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。当該図5においては、幅方向および奥行き方向においてそれぞれ隣接する4つの単位構造体Uと、高さ方向において隣接する2つの単位構造体Uとを抜き出して示している。なお、図5に示す単位構造体Uは、当該単位構造体Uが占有する単位空間が高さ方向において細長の六面体形状に構成されたものである。
図6は、シュワルツD構造の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。当該図6においては、幅方向および奥行き方向においてそれぞれ隣接する8つの単位構造体Uと、高さ方向において隣接する4つの単位構造体Uとを抜き出して示している。なお、図6に示す単位構造体Uは、当該単位構造体Uが占有する単位空間が高さ方向において細長の六面体形状に構成されたものである。
ここで、それらの具体的な図示は省略するものの、これらジャイロイド構造やシュワルツD構造を基準にこれに厚みを付けた立体構造物Sを緩衝領域として含む緩衝材において、上述したように、当該立体構造物Sが、単位構造体Uとして単位空間の外形寸法が異なるものを含むように構成することとしてもよい。このように構成した場合にも、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材とすることができる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る緩衝材の一部破断斜視図である。以下、この図7を参照して、本実施の形態に係る緩衝材1Bについて説明する。
図7に示すように、緩衝材1Bは、複数の単位構造体Uを有する立体構造物Sを含んでいる。複数の単位構造体Uの各々は、並行する一対の平面によって外形が規定される壁10にて形作られた立体的形状を有している。
ここで、図7においては、理解を容易とするために、参照符号Uを厳密な意味においては単位構造体に付しておらず、当該単位構造体が占有する空間である六面体形状(本実施の形態においては、特に直方体形状)の単位空間に付している。
複数の単位構造体Uは、幅方向(図中に示すX方向)、奥行き方向(図中に示すY方向)および高さ方向(図中に示すZ方向)の各々に沿って規則的にかつ連続的に繰り返し配列されている。図7においては、幅方向および奥行き方向においてそれぞれ隣接する4つの単位構造体Uと高さ方向において隣接する3つの単位構造体Uとを抜き出して示している。
上述したように、複数の単位構造体Uの各々は、壁10によって形作られた立体的形状を有している。そのため、これら複数の単位構造体Uが互いに連続して接続されることにより、立体構造物Sもまた、これら壁10の集合体によって構成されている。
ここで、緩衝材1Bに含まれる立体構造物Sは、幾何学的な面構造を基準にこれに厚みを付けた構造を有している。本実施の形態に係る緩衝材1Bにおいては、当該面構造は、内部に空洞を有することとなるように、互いに交差するように配置された複数の平面からなるオクテット構造である。
図7に示すように、本実施の形態に係る緩衝材1Bは、単位構造体Uとして、外形の異なる2種類の単位構造体UA,UBを含んでいる。単位構造体UAは、当該単位構造体UAが占有する単位空間が正六面体形状のものであり、単位構造体UBは、当該単位構造体UBが占有する単位空間が高さ方向において細長の六面体形状のものである。
ここで、単位構造体UAは、上述した実施の形態1の場合と同様に、単位空間を規定する第1ないし第3辺がいずれも同じ長さとなるように構成されたものである。すなわち、単位構造体UAの幅方向の寸法をLx1とし、単位構造体UAの奥行き方向の寸法をLy1とし、単位構造体UAの高さ方向の寸法をLz1とした場合に、Lx1=Ly1=Lz1の関係を満たしている。なお、図7においては、この単位構造体UAは、立体構造物Sの上部側の2層(参照符号LY1で表わされる範囲の層)に配列されている。
一方、単位構造体UBは、上述した実施の形態1の場合と同様に、単位空間を規定する第1ないし第3辺のうち、第2辺と第3辺とが同じ長さとなり、第1辺が第2辺および第3辺の長さの2倍になるように構成されたものである。すなわち、単位構造体UBの幅方向の寸法をLx2とし、単位構造体UBの奥行き方向の寸法をLy2とし、単位構造体UBの高さ方向の寸法をLz2とした場合に、Lx2=Ly2=Lz2/2の関係を満たしている。なお、図7においては、この単位構造体UBは、立体構造物Sの下部側の1層(参照符号LY2で表わされる範囲の層)に配列されている。
これにより、本実施の形態に係る緩衝材1Bにあっても、単位構造体Uのうちの単位空間の外形寸法が異なるもの(すなわち、上述した外形の異なる2種類の単位構造体UA,UB)同士が、当該緩衝材1Bが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向(すなわち高さ方向)に位置することになる。
なお、単位構造体Uの上述した寸法のうち、緩衝機能が発揮されることが企図された軸方向である高さ方向の寸法をL1とし、残る幅方向の寸法および奥行き方向の寸法のうちの長い方をL2とした場合に、上述した単位構造体UA,UBの少なくとも一方が、1.1≦L1/L2≦4.0の条件を満たしていれば、当該条件を満たす部分において、高い圧縮剛性を得ることができる。一方、上述した単位構造体UA,UBの少なくとも一方が、0.1≦L1/L2≦0.9の条件を満たしていれば、当該条件を満たす部分において、圧縮剛性が低くなることで高い変形能を得ることができる。ただし、上述した単位構造体UA,UBが必ずしも当該条件を満たしている必要はなく、これを満たすか否かは任意である。
図8は、検証例3,4に係る緩衝材の緩衝性能をシミュレーションした結果を示すグラフである。以下、この図8を参照して、本実施の形態に係る緩衝材1Bとした場合に得られる効果を検証した第2検証試験について説明する。
第2検証試験においては、検証例3,4に係る緩衝材のモデルをそれぞれ具体的に設計し、これらモデルに対して所定方向に沿って外力が加わった場合を想定し、その場合の挙動についてシミュレーションによって個別に解析を行なった。より具体的には、これらモデルのそれぞれについていわゆる応力−歪み曲線を得た。
ここで、検証例3に係る緩衝材は、その立体構造物Sのすべてが上述した単位構造体UAによって構成されたものである。より詳細には、検証例3に係る緩衝材は、単位構造体UAの幅方向の寸法Lx1、奥行き方向の寸法Ly1および高さ方向の寸法Lz1をそれぞれ20mmとしたものであり、上述したL1およびL2によって表わされるアスペクト比L1/L2は、1.0である。なお、壁10の厚みは、1.6mmであり、その場合の占積率Vは、約50%である。
一方、検証例4に係る緩衝材は、その立体構造物Sのすべてが上述した単位構造体UBによって構成されたものである。より詳細には、検証例4に係る緩衝材は、単位構造体UBの幅方向の寸法Lx2および奥行き方向の寸法Ly2をそれぞれ10mmとし、高さ方向の寸法Lz2を20mmとしたものであり、上述したL1およびL2によって表わされるアスペクト比L1/L2は、2.0である。なお、壁10の厚みは、0.8mmであり、その場合の占積率Vは、約50%である。
また、検証例3,4に係る緩衝材に加える外力の方向は、いずれも上述した軸方向である高さ方向とした。なお、検証例3,4に係る緩衝材の材質は、いずれも弾性率が9MPaのウレタン系アクリルポリマーを想定した。
図8に示すように、検証例4に係る緩衝材は、検証例3に係る緩衝材と占積率が同じであるにも拘わらず、検証例3に係る緩衝材よりも高い圧縮剛性を有している。これは、検証例4に係る緩衝材において単位構造体の幅方向の長さを短くしたことに伴い、当該壁10がより衝立状に作用することで圧縮剛性が高まったためと考えられる。
そのため、上述した第2検証試験の結果に基づけば、局所的に高い圧縮剛性を得るために、当該部分の壁10の厚みを全体的に増すように構成する場合よりも、外形寸法が異なる単位構造体を含む上述した如くの緩衝材1Bとすることにより、緩衝材の重量の増加を大幅に抑制できることが理解できる。
したがって、上述した本実施の形態に係る緩衝材1Bとすることにより、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材とすることができる。
ここで、並行する一対の平面によって外形が規定される壁にて形作られた立体的形状としては、上述したオクテット構造を基準にこれに厚みを付けたものの他にも、キュービック構造を基準にこれに厚みを付けたものや、キュービックオクテット構造を基準にこれに厚みを付けたもの等がある。これらキュービック構造およびキュービックオクテット構造も、上述したオクテット構造と同様に、内部に空洞を有することとなるように、互いに交差するように配置された複数の平面から構成されている。
図9は、キュービック構造の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。当該図9においては、幅方向および奥行き方向においてそれぞれ隣接する2つの単位構造体Uのみを抜き出して示している。なお、図9に示す単位構造体Uは、当該単位構造体Uが占有する単位空間が高さ方向において細長の六面体形状に構成されたものである。
図10は、キュービックオクテット構造の基本的な構成を示す一部破断斜視図である。当該図10においては、幅方向および奥行き方向においてそれぞれ隣接する2つの単位構造体Uのみを抜き出して示している。なお、図10に示す単位構造体Uは、当該単位構造体Uが占有する単位空間が高さ方向において細長の六面体形状に構成されたものである。
ここで、それらの具体的な図示は省略するものの、これらキュービック構造やキュービックオクテット構造を基準にこれに厚みを付けた立体構造物Sを緩衝領域として含む緩衝材において、上述したように、当該立体構造物Sが、単位構造体Uとして単位空間の外形寸法が異なるものを含むように構成することとしてもよい。このように構成した場合にも、各種の用途に使用することが可能な軽量で緩衝性能に優れた緩衝材とすることができる。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係る靴底およびこれを備えた靴の斜視図である。図12は、図11に示す靴底の側面図である。図13は、図11に示す靴底の構成を示す図12に示す矢印XIII方向から見た場合の模式図である。図14は、図13に示すXIV−XIV線に沿った靴底の断面図である。また、図15は、図11に示す靴底における緩衝材の単位構造体の配置例を表わした模式図である。ここで、図15(A)は、図12中に示すXVA−XVA線に沿った靴底の模式的な断面図である。以下、これら図11ないし図15を参照して、本実施の形態に係る靴底110Aおよびこれを備えた靴100について説明する。なお、本実施の形態に係る靴底110Aは、上述した実施の形態1に係る緩衝材1Aを具備してなるものである。
図11に示すように、靴100は、靴底110Aと、アッパー120とを備えている。靴底110Aは、足の足裏を覆う部材であり、略偏平な形状を有している。アッパー120は、挿入された足の甲側の部分の全体を少なくとも覆う形状を有しており、靴底110Aの上方に位置している。
アッパー120は、アッパー本体121と、シュータン122と、シューレース123とを有している。このうち、シュータン122およびシューレース123は、いずれもアッパー本体121に固定または取り付けられている。
アッパー本体121の上部には、足首の上部と足の甲の一部とを露出させる上側開口部が設けられている。一方、アッパー本体121の下部には、一例としては、靴底110Aによって覆われる下側開口部が設けられており、他の例としては、当該アッパー本体121の下端が袋縫いされること等で底部が形成されている。
シュータン122は、アッパー本体121に設けられた上側開口部のうち、足の甲の一部を露出させる部分を覆うようにアッパー本体121に縫製、溶着あるいは接着またはこれらの組み合わせ等によって固定されている。アッパー本体121およびシュータン122としては、たとえば織地や編地、不織布、合成皮革、樹脂等が用いられ、特に通気性や軽量性が求められる靴においては、ポリエステル糸を編み込んだダブルラッセル経編地が利用される。
シューレース123は、アッパー本体121に設けられた足の甲の一部を露出させる上側開口部の周縁を足幅方向において互いに引き寄せるための紐状の部材からなり、当該上側開口部の周縁に設けられた複数の孔部に挿通されている。アッパー本体121に足が挿入された状態においてこのシューレース123を締め付けることにより、アッパー本体121を足に密着させることが可能になる。
図11ないし図14に示すように、靴底110Aは、ミッドソール111と、アウトソール112と、緩衝材1Aとを有している。ミッドソール111は、靴底110Aの上部に位置しており、アッパー120に接合されている。アウトソール112は、その下面に接地面112a(図12および図14参照)を有しており、靴底110Aの下部に位置している。緩衝材1Aは、これらミッドソール111とアウトソール112との間の所定位置に介装されている。
ミッドソール111は、適度な強度を有しつつも緩衝性に優れていることが好ましく、当該観点から、ミッドソール111としては、たとえば樹脂製またはゴム製のフォーム材とすることができ、特に好適にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂、ブタジエンゴム等からなるフォーム材とすることができる。
アウトソール112は、耐摩耗性やグリップ性に優れていることが好ましく、当該観点から、アウトソール112としては、たとえばゴム製とすることができる。なお、アウトソール112の下面である接地面112aには、上述したグリップ性を高める観点から、トレッドパターンが付与されていてもよい。
図12および図13に示すように、靴底110Aは、平面視した状態における長軸方向である前後方向(図12中の左右方向、図13中の上下方向)に沿って、足の足趾部と踏付け部とを支持する前足部R1、足の踏まず部を支持する中足部R2、および、足の踵部を支持する後足部R3に区画される。また、図13および図14に示すように、靴底110Aは、平面視した状態における長軸方向と交差する方向である足幅方向に沿って、足のうちの解剖学的正位における正中側(すなわち正中に近い側)である内足側の部分(図中に示すS1側の部分)と、足のうちの解剖学的正位における正中側とは反対側(すなわち正中に遠い側)である外足側の部分(図中に示すS2側の部分)とに区画される。
図13に示すように、靴底110Aの前足部R1のうちの内足側(S1側)の部分には、足の母趾を支持する部位Q1が含まれている。また、靴底110Aの前足部R1のうちの外足側(S2側)の部分には、足の小趾を支持する部位Q2が含まれている。一方、靴底110Aの内足側(S1側)および外足側(S2側)に跨がる部分の後足部R3には、足の踵骨を支持する部位Q3が含まれている。
ここで、本実施の形態に係る靴100にあっては、ミッドソール111に所定形状の切り欠き部が設けられており、当該切り欠き部に緩衝材1Aが収容されることにより、緩衝材1Aが靴底110Aの厚み方向においてミッドソール111とアウトソール112とによって挟み込まれた状態で固定されている。
具体的には、図12ないし図14に示すように、ミッドソール111には、靴底110Aの周縁に沿うように中足部R2と後足部R3に跨がって平面視略U字状の切り欠き部が設けられており、当該切り欠き部を埋め込むように全体として平面視略U字状に形成された緩衝材1Aが配置されている。より詳細には、緩衝材1Aは、概ね、中足部R2の内足側の縁部、後足部R3の内足側の縁部、後足部R3の後方側の縁部、後足部R3の外足側の縁部、および、中足部R2の外足側の縁部に沿って配置されている。なお、図13においては、理解を容易とするために、靴底110Aを平面視した場合における緩衝材1Aの配置領域に薄い色を付している。すなわち、緩衝材1Aは、上述した靴底110Aの縁部のみならず、その内側の領域の一部にも緩衝領域を有している。
緩衝材1Aの材質としては、上述した実施の形態1において説明したように、特にこれが制限されるものではないが、たとえば樹脂材料またはゴム材料とすることができ、特に好適にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂、ブタジエンゴム等とすることができる。また、オレフィン系ポリマー、アミド系ポリマー、エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー等のポリマー組成物とすることもできる。
緩衝材1Aの立体構造物Sを構成する壁10の厚みとしては、特にこれに制限されるものではないが、好ましくは、0.1mm以上10mm以下とされ、さらに好ましくは、1mm以上5mm以下とされる。
ここで、図12および図14に示すように、緩衝材1Aは、上述した軸方向であるその高さ方向(図中に示すZ方向)が靴底110Aの接地面112aと直交するように配置されている。このように構成することにより、着地時において足裏および地面から靴底110Aに付与される荷重は、緩衝材1Aが大きい変形量をもって変形することによって吸収され、靴底110Aから足裏に対して印加される荷重が減少し、高い緩衝性能が得られることになる。
なお、本実施の形態においては、緩衝材1Aが、靴底110Aのうちの足の踵骨を支持する部位Q3を取り囲むように配置されているため、当該部分において特に高い緩衝性能が得られることになる。
また、図14に示すように、緩衝材1Aは、複数の単位構造体UA(図1等参照)が配列されることで構成された層LY1が靴底110Aの上部側に配置されるとともに、複数の単位構造体UB(図1等参照)が配列されることで構成された層LY2が靴底110Aの下部側に配置されるように、ミッドソール111とアウトソール112との間に介装されている。
ここで、複数の単位構造体UAが配列されることで構成された層LY1は、相対的に圧縮剛性が低く、複数の単位構造体UBが配列されることで構成された層LY2は、相対的に圧縮剛性が高い。そのため、層LY1は、相対的に軟質な部位となり、層LY2は、相対的に硬質な部位となる。
そのため、このような構成を採用することにより、相対的に硬質な部位である層LY2が靴底110Aに設けられることにより、着地時において特に中足部R2および後足部R3において足が安定的に支持できることになるとともに、当該層LY2の上側の位置に相対的に軟質な部位である層LY1が位置することにより、足当たりが大幅に改善できることになる。
したがって、本実施の形態に係る靴底110Aおよびこれを備えた靴100とすることにより、軽量で緩衝性に優れた靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
なお、緩衝材1Aは、互いに独立した複数の部材が組み合わされて相互に接合等されることによって全体として上述したような平面視略U字状の形状に形成されていてもよいが、より好ましくは、その全体が一部材として構成されることで上述した平面視略U字状の形状に形成されていることが好ましい。特に後者の構成を採用する場合には、直方体形状からなる単位構造体Uを複数備えた緩衝材1Aを、部位毎における緩衝性能の不必要な偏りを排除しつつ、如何に非直方体形状の切り欠き部に対してレイアウトするかが重要となる。
以下、図15(A)ないし図15(E)を参照して、立方体形状の単位空間を占有する単位構造体Uを複数備えた緩衝材を、当該複数の単位構造体Uの一部または全部を、大きな形状変更を伴わずに僅かに形状変更させることのみにより、部位毎における緩衝性能の不必要な偏りを排除しつつ非直方体形状の領域にレイアウトすることを可能にする、具体的な設計の一手法について説明する。
まず、図15(A)に示すように、緩衝材が配置される領域のうち、単位構造体Uの大きさを調整しつつ、当該単位構造体Uの数を、幅方向、奥行き方向および高さ方向の少なくともいずれかにおいて増減させることでそのまま配列させることが可能な領域A1と、それが困難な領域A2とに分ける。具体的には、本実施の形態においては、緩衝材1Aが配置される領域のうち、靴底110Aの内足側および外足側の周縁に沿って直線状に延在する領域が、上記領域A1に該当し、靴底110Aの後端側の周縁に沿って曲線状に延在する領域が、上記領域A2に該当する。
ここで、領域A1においては、図15(B)に示す如くの3つの辺の長さがそれぞれLx,Ly,Lzに調整された立方体形状からなる単位空間を占有する単位構造体Uを互いに隣り合うように複数配列することとする。これにより、当該領域A1は、大きさが調整された複数の単位構造体Uによって隙間なく敷き詰められることになる。
一方、領域A2においては、図15(C)に示す如くの、対向する三組の面のうち、特定の一組の面が互いに非平行になるように形状変更された単位空間を占有するように構成された単位構造体U’を互いに隣り合うように複数配列することとする。ここで、当該単位構造体U’は、たとえば幅方向に延在する単位空間の4つの辺のうちの隣り合う一対の辺が他の辺の長さLxよりも僅かに短いLx’になるように調整した、当該調整後の単位空間を占有するように形状変更したものである。このような僅かな形状変更は、単位構造体の緩衝性能を大きく異ならしめるものとはならない。
なお、このような形状を有する単位構造体U’は、その大きさや向きを個別に調整しつつこれを並べて配置することにより、上述した曲線状に延在する領域である上記領域A2に沿って概ね隙間なくこれを敷き詰めることができる。そのため、このような僅かな形状変更を加えるのみにより、当該領域A2においても上述した領域A1と同等の緩衝性能が発揮されるようになる。
したがって、このような設計方法を採用することにより、立方体形状の単位空間を占有する単位構造体Uを複数備えた緩衝材を、当該複数の単位構造体Uの一部または全部を、大きな形状変更を伴わずに僅かに形状変更させることのみにより、部位毎における緩衝性能の不必要な偏りを排除しつつ非直方体形状の領域にレイアウトすることが可能になる。
そのため、当該設計方法に従って緩衝材を設計し、これに基づいて三次元積層造形装置を用いて当該緩衝材を製造することとすれば、その全体が一部材として構成された外形が様々な形状の緩衝材を容易に得ることができる。
なお、上述した設計方法において、さらに複雑な湾曲形状の領域に緩衝材を敷き詰める場合には、図15(D)に示す如くの、対向する三組の面のうち、特定の二組の面が互いに非平行になるように形状変更された単位空間を占有するように構成された単位構造体U1を互いに隣り合うように複数配列することとすればよい。
ここで、当該単位構造体U1は、たとえば幅方向に延在する単位空間の4つの辺のうちの隣り合う一対の辺が他の辺の長さLxよりも僅かに短いLx’になるように調整するとともに、さらにたとえば高さ方向に延在する単位空間の4つの辺のうちの隣り合う一対の辺が他の辺の長さLzよりも僅かに短いLz’になるように調整した、当該調整後の単位空間を占有するように形状変更したものである。このような僅かな形状変更は、単位構造体の緩衝性能を大きく異ならしめるものとはならない。
なお、このような形状を有する単位構造体U1は、その大きさや向きを個別に調整しつつこれを並べて配置することにより、上述した複雑な湾曲形状の領域に沿って概ね隙間なくこれを敷き詰めることができる。そのため、このような僅かな形状変更を加えるのみにより、当該領域においても上述した領域A1と同等の緩衝性能が発揮されるようになる。
また、上述した設計方法において、直線状に延びる領域に緩衝材を敷き詰める場合には、図15(B)に示す如くの単位構造体Uに代えて、図15(E)に示す如くの単位構造体U2を互いに隣り合うように複数配列してもよい。ここで、当該単位構造体U2は、対向する三組の面が平行である一方、特定の一組の面の形状が平行四辺形となるように調整した、当該調整後の単位空間を占有するように形状変更したものである。
なお、図示する単位構造体U2においては、たとえば高さ方向に位置する一組の面の各々を角度θだけ幅方向に沿って傾斜させることにより、当該一組の面の形状を平行四辺形にしている。このような僅かな形状変更は、単位構造体の緩衝性能を大きく異ならしめるものとはならない。したがって、当該単位構造体U2を敷き詰めた場合にも、部位毎における緩衝性能の不必要な偏りを排除しつつ緩衝材を隙間なくレイアウトすることが可能になる。
(実施の形態4)
図16は、実施の形態4に係る靴底の構成を示す模式平面図である。また、図17は、図16中に示すXVII−XVII線に沿った靴底の断面図である。以下、これら図16および図17を参照して、本実施の形態に係る靴底110Bについて説明する。なお、本実施の形態に係る靴底110Bは、上述した靴底110Aに代えて、実施の形態3に係る靴100に具備されるものである。
図16および図17に示すように、靴底110Bは、ミッドソール111とアウトソール112と緩衝材1Aとを備えている点において、上述した実施の形態3に係る靴底110Aと同様の構成を有しているが、緩衝材1Aの形状が相違している。具体的には、ミッドソール111には、中足部R2の後足部R3寄りの部分および後足部R3のすべての部分に対応した位置に切り欠き部が形成されており、当該切り欠き部を埋め込むように平面視略D字状の外形を有する緩衝材1Aが配置されている。なお、図16においては、理解を容易とするために、靴底110Bを平面視した場合における緩衝材1Aの配置領域に薄い色を付している。すなわち、緩衝材1Aは、靴底110Bの縁部のみならず、その内側の領域にも緩衝領域を有している。
ここで、靴底110Bに具備された緩衝材1Aは、上述したように、複数の単位構造体UAが配列されることで構成された層LY1が靴底110Bの上部側に配置されるとともに、複数の単位構造体UBが配列されることで構成された層LY2が靴底110Bの下部側に配置されるように、ミッドソール111とアウトソール112との間に介装されている。
そのため、このように構成した場合にも、上述した実施の形態3の場合と同様に、軽量で緩衝性に優れた靴底およびこれを備えた靴とすることができ、着地時において特に後足部R3において足が安定的に支持できるようになる。
(第1ないし第5変形例)
図18ないし図20は、それぞれ第1ないし第3変形例に係る靴底の断面図である。また、図21および図22は、それぞれ第4および第5変形例に係る靴底の構成を示す模式断面図である。なお、図21および図22においては、緩衝材に配列された複数の単位構造体U(厳密には上述した単位空間)の境界を模式的に線を用いて表わしている。以下、これら図18ないし図22を参照して、第1ないし第5変形例に係る靴底およびこれに具備される緩衝材1A1〜1A5について説明する。
図18および図19に示すように、第1および第2変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A1,1A2は、上述した実施の形態4に係る靴底110Bに具備された緩衝材1Aと同様に、複数の単位構造体UAが配列されることで構成された層LY1と、複数の単位構造体UBが配列されることで構成された層LY2とを有している。一方で、第1変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A1,1A2は、上述した実施の形態4に係る靴底110Bに具備された緩衝材1Aと異なり、層LY1,LY2の厚みが部位毎に異なっている。
すなわち、第1変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A1にあっては、層LY1の厚みが、内足側(S1側)から外足側(S2)側にかけて徐々に増すように構成されており、これとは反対に、層LY2の厚みは、内足側から外足側にかけて徐々に減じるように構成されている。
このように構成した場合には、着地時において特に内足側の部分において足をより安定的に支持することが可能になるため、着地時において踵部が必要以上に内側に倒れ込んでしまういわゆるオーバープロネーションの発生を抑制することが可能になる。したがって、本変形例に係る靴底およびこれを備えた靴とすることにより、オーバープロネーションが発生し易い人に適した靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
一方、第2変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A2にあっては、内足側と外足側との中央部において層LY1の厚みが大きく構成されており、これとは反対に、内足側と外足側との中央部において層LY2の厚みが小さく構成されている。
このように構成した場合には、着地時において緩衝材の中央部がより大きく変形することになるため、特に踵部に対するホールド感が増すことになる。したがって、本変形例に係る靴底およびこれを備えた靴とすることにより、足当たりを向上させつつ踵部を安定的に支持することが可能な靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
図20に示すように、第3変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A3は、上述した実施の形態4に係る靴底110Bに具備された緩衝材1Aとは異なり、互いに異なる外形寸法を有する3種類の単位構造体が高さ方向(すなわちZ方向)において配置されてなるものである。
ここで、最上部に位置する層LY1に配列された単位構造体の高さ方向の外形寸法は、中間部に位置する層LY2に配列された単位構造体の高さ方向の外形寸法よりも小さく構成されており、また、中間部に位置する層LY2に配列された単位構造体の高さ方向の外形寸法は、最下部に位置する層LY3に配列された単位構造体の高さ方向の外形寸法よりも小さく構成されている。
これにより、最上部に位置する層LY1は、相対的に圧縮剛性が低く、最下部に位置する層LY3は、相対的に圧縮剛性が高く、中間層に位置する層LY2の圧縮剛性は、これら層LY1,LY2の圧縮剛性の間の大きさをとることになる。そのため、層LY1は、相対的に軟質な部位となり、層LY3は、相対的に硬質な部位となり、層LY3は、それらの間の硬さを有することになる。
したがって、このように構成した場合にも、上述した実施の形態4の場合と同様に、軽量で緩衝性に優れた靴底およびこれを備えた靴とすることができ、着地時において特に後足部R3において足が安定的に支持できるようになる。
図21および図22に示すように、第4および第5変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A4,1A5は、上述した実施の形態4に係る靴底110Bに具備された緩衝材1Aとは異なり、互いに異なる外形寸法を有する複数種類の単位構造体が高さ方向(すなわちZ方向)と直交する方向において配置されてなるものである。
ここで、第4変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A4は、複数の単位構造体U(厳密には上述した単位空間)の境界が傾斜するように構成されることにより、互いの外形寸法が異なるように単位構造体Uが構成されたものである。一方、第5変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A5は、複数の単位構造体U(厳密には上述した単位空間)の境界が湾曲するように構成されることにより、互いの外形寸法が異なるように(特に、図中に示す両端部に位置する単位構造体と中央部に位置する単位構造体において外形寸法が異なるように)単位構造体Uが構成されたものである。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態4の場合と同様に、軽量で緩衝性に優れた靴底およびこれを備えた靴とすることができ、着地時において特に後足部R3において足が安定的に支持できるようになる。さらには、当該構成を採用することにより、部位毎に緩衝性能を様々に調整することも可能になる。
(実施の形態5)
図23は、実施の形態5に係る靴底の構成を示す模式平面図である。また、図24は、図23中に示すXXIV−XXIV線に沿った靴底の断面図である。以下、これら図23および図24を参照して、本実施の形態に係る靴底110Cについて説明する。なお、本実施の形態に係る靴底110Cは、上述した靴底110Aに代えて、実施の形態3に係る靴100に具備されるものである。
図23および図24に示すように、靴底110Cは、緩衝材1Aの形状が上述した実施の形態3に係る靴底110Aと相違しており、ミッドソール111の全体が緩衝材1Aによって構成されたものである。すなわち、本実施の形態に係る靴底110Cにあっては、緩衝材1Aとは別部材からなるミッドソールが設けられておらず、緩衝材1A自体がミッドソール111を構成している。そのため、ミッドソール111は、アウトソール112の上部を覆うように構成されており、その上部がアッパー120(図11等参照)に接合されている。なお、図23においては、理解を容易とするために、靴底110Cを平面視した場合における緩衝材1Aの配置領域に薄い色を付している。すなわち、緩衝材1Aは、靴底110Cの縁部のみならず、その内側の領域にも緩衝領域を有している。
ここで、靴底110Cに具備された緩衝材1Aは、上述したように、複数の単位構造体UAが配列されることで構成された層LY1が靴底110Bの上部側に配置されるとともに、複数の単位構造体UBが配列されることで構成された層LY2が靴底110Bの下部側に配置されるように、アウトソール112上に設けられている。
そのため、このように構成した場合にも、上述した実施の形態3の場合と同様に、軽量で緩衝性に優れた靴底およびこれを備えた靴とすることができ、着地時において特に足の全体(すなわち、前足部R1、中足部R2および後足部R3のすべての領域)が安定的に支持できるようになる。
(第6および第7変形例)
図25および図26は、それぞれ第6および第7変形例に係る靴底の断面図である。以下、これら図25および図26を参照して、第6および第7変形例に係る靴底およびこれに具備される緩衝材1A6,1A7について説明する。
図25および図26に示すように、第6および第7変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A6,1A7は、上述した実施の形態5に係る靴底に具備された緩衝材1Aと同様に、当該緩衝材1A6,1A7自体がミッドソール111を構成してなるものであるが、当該緩衝材1A6,1A7の内部の構成が、上述した実施の形態5に係る靴底に具備された緩衝材1Aと異なっている。
すなわち、第6変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A6にあっては、靴底の上部側に配置されることになる層LY1が、複数の単位構造体UB(図1等参照)が配列されることで構成されており、靴底の下部側に配置されることになる層LY2が、複数の単位構造体UA(図1等参照)が配列されることで構成されている。これにより、靴底の上部側に配置された層LY1が、相対的に圧縮剛性が高く構成されているとともに、靴底の下部側に配置された層LY2が、相対的に圧縮剛性が低く構成されている。そのため、層LY1は、相対的に硬質な部位となり、層LY2は、相対的に軟質な部位となる。
このように構成した場合には、走行時における靴底の反り形状が維持され易くなるため、蹴り出し時の足関節の仕事量の軽減が図られることになり、エネルギーセーブ型の靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
一方、第7変形例に係る靴底に具備された緩衝材1A7は、上述した実施の形態5に係る靴底に具備された緩衝材1Aと同様に、複数の単位構造体UAが配列されることで構成された層LY1と、複数の単位構造体UBが配列されることで構成された層LY2とを有しているものの、これに加えて、これら層LY1,LY2の間の位置に、板形状の隔壁部50を有している。
この板形状の隔壁部50は、緩衝材1A7に含まれる単位構造体UA,UBを規定する壁10(図1等参照)には該当しない部位ではあるものの、当該単位構造体UA,UBと一体化されている。これにより、緩衝材1A7の内部に埋設された当該板形状の隔壁部50により、単位構造体のうちの外形寸法が異なるもの同士が隔てられることになる。
そのため、このように構成した場合には、緩衝材1A7の内部に隔壁部50が設けられることにより、靴底全体としての曲げ剛性や捩れ剛性が向上し、高速での走行やターン動作を必要とする競技に特に適した靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
(実施の形態6)
図27は、実施の形態6に係る靴底の構成を示す模式平面図である。また、図28および図29は、それぞれ図27中に示すXXVIII−XXVIII線およびXXIX−XXIX線に沿った靴底の断面図である。なお、図28および図29においては、緩衝材に配列された複数の単位構造体U(厳密には上述した単位空間)の境界を模式的に線を用いて表わしている。以下、これら図27ないし図29を参照して、本実施の形態に係る靴底110Dについて説明する。なお、本実施の形態に係る靴底110Dは、上述した靴底110Aに代えて、実施の形態3に係る靴100に具備されるものである。
図27ないし図29に示すように、靴底110Dは、上述した実施の形態3に係る靴底110Aが具備していた緩衝材1Aと異なる構成の緩衝材1Cを具備している。具体的には、緩衝材1Cは、平面視した場合の靴底110Dの全領域(すなわち、前足部R1、中足部R2および後足部R3のすべて)に位置するように、ミッドソール111とアウトソール112との間に介装されている。なお、図27においては、理解を容易とするために、靴底110Dを平面視した場合における緩衝材1Cの配置領域に薄い色を付している。
ここで、靴底110Dに具備された緩衝材1Cは、平面視した場合にその全域において上述した立体構造物Sからなる緩衝領域を有しており、図28および図29に示すように、当該立体構造物Sは、上部側の層LY1と下部側の層LY2とを備えている。上部側の層LY1および下部側の層LY2においては、それぞれ高さ方向(図中に示すZ方向)と交差する方向に単位構造体Uが並んで配置されている。
緩衝材1Cは、平面視した場合に、その構成の差に基づいて大別して3つの区域SC1〜SC3に区画される。より具体的には、区域SC1は、中足部R2の内足側の部分に対応しており、区域SC2は、後足部R3の外足側の部分、および、中足部R2の外足側の後方の部分に対応しており、区域SC3は、これら区域SC1,SC2を除く部分に対応している。
図28に示すように、区域SC1は、区域SC2に比較して硬質の部位となるように構成されており、具体的には、区域SC1に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法と異なっている。より詳細には、緩衝材1Cが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する方向である軸方向(図中に示すZ方向)と交差する方向において、区域SC1に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法よりも小さく構成されている。
図29に示すように、区域SC3は、区域SC2に比較して軟質の部位となるように構成されており、具体的には、区域SC3に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法と異なっている。より詳細には、緩衝材1Cが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する方向である軸方向(図中に示すZ方向)において、区域SC3に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法よりも大きく構成される一方で、当該軸方向と交差する方向において、区域SC3に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法よりも大きく構成されている。
したがって、このように構成することにより、緩衝材1Cにおける圧縮剛性を区域ごとに変更することができ、相対的に、区域SC2、区域SC3、区域SC1の順で圧縮剛性を高めることができる。
そのため、靴底110Dのうち、足の踵骨を支持する部位Q3の周囲において、中足部R2の内足側の部分の圧縮剛性が相対的に高くなるとともに、中足部R2の外足側の後方の部分および後足部R3の外足側の部分の圧縮剛性が相対的に低くなる。
このように構成することにより、着地時において踵部が必要以上に内側に倒れ込んでしまういわゆるオーバープロネーションの発生を抑制することが可能になる。すなわち、オーバープロネーションが発生し易い人が本実施の形態に係る靴底110Dを備えた靴100を装着することにより、中足部R2の内足側の後方の部分において足裏を安定的に支持することが可能になるため、これに伴ってミッドソール111に作用する圧力を分散させることが可能となってミッドソール111に過度な変形が発生することが抑制でき、結果としてオーバープロネーションの発生を抑制することができる。
また、このように構成することにより、上述のとおり中足部R2の内足側の後方の部分において足裏を安定的に支持することが可能になるため、これに伴ってミッドソール111に作用する圧力を分散させることが可能となってミッドソール111に過度な変形が発生することが抑制できることになり、外反偏平足の人が本実施の形態に係る靴底110Dを備えた靴100を装着することにより、着地時において足の内足側の部分に負担が集中してしまうことを回避することができる。
一方で、上記のように構成することにより、中足部R2の外足側の後方の部分および後足部R3の外足側の部分において着地時に緩衝材1Cがより大きく変形することにより、着地時に足裏に加わる衝撃を大幅に緩和させることが可能になる。
したがって、本実施の形態に係る靴底110Dおよびこれを備えた靴100とすることにより、オーバープロネーションが発生し易い人や外反偏平足の人に特に適した、着地時の安定性に優れるとともに、足当たりが良好でかつ軽量化が図られた靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
(実施の形態7)
図30は、実施の形態7に係る靴底の構成を示す模式平面図である。また、図31は、それぞれ図30中に示すXXXI−XXXI線に沿った靴底の断面図である。なお、図31においては、緩衝材に配列された複数の単位構造体U(厳密には上述した単位空間)の境界を模式的に線を用いて表わしている。以下、これら図30および図31を参照して、本実施の形態に係る靴底110Eについて説明する。なお、本実施の形態に係る靴底110Eは、上述した靴底110Aに代えて、実施の形態3に係る靴100に具備されるものである。
図30および図31に示すように、靴底110Eは、上述した実施の形態3に係る靴底110Aが具備していた緩衝材1Aと異なる構成の緩衝材1Dを具備している。具体的には、緩衝材1Dは、平面視した場合の靴底110Eの全領域(すなわち、前足部R1、中足部R2および後足部R3のすべて)に位置するように、ミッドソール111とアウトソール112との間に介装されている。なお、図30においては、理解を容易とするために、靴底110Eを平面視した場合における緩衝材1Dの配置領域に薄い色を付している。
ここで、靴底110Eに具備された緩衝材1Dは、平面視した場合にその全域において上述した立体構造物Sからなる緩衝領域を有しており、図30に示すように、当該立体構造物Sは、上部側の層LY1と下部側の層LY2とを備えている。上部側の層LY1および下部側の層LY2においては、それぞれ高さ方向(図中に示すZ方向)と交差する方向に単位構造体Uが並んで配置されている。
緩衝材1Dは、平面視した場合に、その構成の差に基づいて大別して2つの区域SC1,SC2に区画される。より具体的には、区域SC1は、前足部R1の外足側の後方の部分、中足部R2の外足側の部分、および、後足部R3の外足側の前方の部分に対応しており、区域SC2は、この区域SC1を除く部分に対応している。
図31に示すように、区域SC1は、区域SC2に比較して硬質の部位となるように構成されており、具体的には、区域SC1に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法と異なっている。より詳細には、緩衝材1Dが荷重を受けることで緩衝機能を発揮する方向である軸方向(図中に示すZ方向)と交差する方向において、区域SC1に含まれる単位構造体Uの外形寸法が、区域SC2に含まれる単位構造体Uの外形寸法よりも小さく構成されている。
したがって、このように構成することにより、緩衝材1Dにおける圧縮剛性を区域ごとに変更することができ、相対的に、区域SC2、区域SC1の順で圧縮剛性を高めることができる。
そのため、靴底110Eのうち、足の踵骨を支持する部位Q3および足の小趾を支持する部位Q2の周囲において、前足部R1の外足側の後方の部分、中足部R2の外足側の部分および後足部R3の外足側の部分の圧縮剛性が相対的に高くなるとともに、前足部R1の内足側の部分の圧縮剛性が相対的に低くなる。
このように構成することにより、着地時において踵部が十分には内側に倒れ込まないいわゆるアンダープロネーションの発生を抑制することが可能になる。すなわち、アンダープロネーションが発生し易い人が本実施の形態に係る靴底110Eを備えた靴100を装着することにより、外足側の部分において足裏を安定的に支持することが可能になり、これに伴ってミッドソール111に作用する圧力を分散させることが可能となってミッドソール111に過度な変形が発生することが抑制でき、結果としてアンダープロネーションの発生を抑制することができる。
また、このように構成することにより、上述のとおり外足側の部分において足裏を安定的に支持することが可能になり、これに伴ってミッドソール111に作用する圧力を分散させることが可能となってミッドソール111に過度な変形が発生することが抑制できるため、O脚の人が本実施の形態に係る靴底110Eを備えた靴100を装着することにより、着地時において足の外足側の部分に負担が集中してしまうことを回避することができる。
一方で、上記のように構成することにより、内足側の部分において着地時に緩衝材1Dがより大きく変形することにより、着地時に足裏に加わる衝撃を大幅に緩和させることが可能になる。
したがって、本実施の形態に係る靴底110Eおよびこれを備えた靴100とすることにより、アンダープロネーションが発生し易い人やO脚の人に特に適した、着地時の安定性に優れるとともに、足当たりが良好でかつ軽量化が図られた靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
(実施の形態等における開示内容の要約)
上述した実施の形態1ないし7およびそれらの変形例において開示した特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
本開示のある態様に従った緩衝材は、並行する一対の平面または曲面によって外形が規定される壁にて形作られた立体的形状を単位構造体とし、当該単位構造体が少なくとも一方向において規則的にかつ連続的に繰り返し配列されてなる立体構造物を含むものである。上記本発明に基づく緩衝材にあっては、上記単位構造体の各々が占有する六面体形状の空間を単位空間と称した場合に、上記立体構造物が、上記単位構造体として上記単位空間の外形寸法が異なるものを含んでいる。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記単位構造体のうちの上記単位空間の外形寸法が異なるもの同士が、少なくとも当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向に位置していてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記単位構造体のうちの上記単位空間の外形寸法が異なるもの同士が、少なくとも当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向と交差する方向に位置していてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記単位構造体を規定する上記壁には該当しない隔壁部が、上記単位構造体のうちの上記単位空間の外形寸法が異なるもの同士の間に設けられていてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向における上記単位空間の外形寸法をL1とし、上記軸方向と直交する二軸方向における上記単位空間の外形寸法のうちの大きい方の外形寸法L2とした場合に、上記単位構造体のうちの上記単位空間の外形寸法が異なるもののうちの少なくともいずれかが、1.1≦L1/L2≦4.0の条件を満たしていてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向における上記単位空間の外形寸法をL1とし、上記軸方向と直交する二軸方向における上記単位空間の外形寸法のうちの大きい方の外形寸法L2とした場合に、上記単位構造体のうちの上記単位空間の外形寸法が異なるもののうちの少なくともいずれかが、0.1≦L1/L2≦0.9の条件を満たしていてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記立体構造物が、三重周期極小曲面を基準にこれに厚みを付けたものにて構成されていてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記立体構造物が、シュワルツP構造、ジャイロイド構造、または、シュワルツD構造を有していてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記立体構造物が、内部に空洞を有することとなるように、互いに交差するように配置された複数の平面を基準にこれに厚みを付けたものにて構成されていてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、上記立体構造物が、オクテット構造、キュービック構造、または、キュービックオクテット構造を有していてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材にあっては、樹脂材料およびゴム材料のいずれかにて構成されていてもよい。
上記本開示のある態様に従った緩衝材は、オレフィン系ポリマー、アミド系ポリマー、エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー、および、メタアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる1種以上を含有するポリマー組成物にて構成されていてもよい。
本開示のある態様に従った靴底は、上述した本開示のある態様に従った緩衝材を備えてなるものである。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向が接地面と直交するように、上記緩衝材が配置されていてもよい。
本開示のある態様に従った靴は、上述した本開示のある態様に従った靴底と、上記靴底の上方に設けられたアッパーとを備えてなるものである。
(その他の形態等)
上述した実施の形態1ないし7およびそれらの変形例においては、緩衝領域としての立体構造物のみによって緩衝材が構成されてなる場合を例示して説明を行なったが、緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向に位置する立体構造物の端部に、たとえば板形状からなる支持部を別途設けることとしてもよい。当該支持部は、上記軸方向に位置する一対の端部のうちの一方にのみ設けられてもよいし、これらの双方に設けられてもよい。その場合、支持部は、立体構造部とは別部材にて構成されたものが接着等によって立体構造物に組付けられてもよいし、立体構造物と一体的に成形されてもよい。
ここで、上述した実施の形態3ないし7およびそれらの変形例に示す如くの靴底および靴において、上記のとおりに支持部を設ける場合には、当該支持部を、これに対向配置されることとなるミッドソール、アウトソールまたはアッパー本体等に接着等によって固定してもよい。その一方で、緩衝材の接地面側の部分に上述した如くの支持部を設ける場合には、当該支持部自体にアウトソールの機能をもたせることにより、別部材からなるアウトソールの設置を廃止してもよい。
また、緩衝領域としての立体構造物に、単位構造体を規定する壁には該当しない異形部を局所的に設けることとしてもよい。この異形部を設けることにより、緩衝材の部位毎に圧縮性能や変形能を種々調整することができる。この異形部は、緩衝材の端部に設けられていてもよいし、当該端部よりも内側の領域に設けられていてもよい。たとえば緩衝材の端部に異形部を設ける場合には、緩衝材の端部に位置する複数の開口部のうちの一部または全部を閉塞するようにカバー状の異形部を設けることができる。このように構成すれば、緩衝材の端部において圧縮性能や変形能を種々調整することができる。
したがって、緩衝材の部位毎に単位構造体の外形寸法を調整しつつ、さらに緩衝材の特定の部位に異形部を設けることとすれば、それらの組合わせを種々変更することにより、様々な緩衝機能を有する緩衝材を高い設計自由度をもって製作することができる。特に、靴底に具備される緩衝材においては、当該緩衝材の部位毎に単位構造体の外形寸法を調整するとともに、当該緩衝材の端部において上述したカバー状の異形部の有無や形状、厚み等を種々変更することにより、所望の緩衝機能を備えた緩衝材を容易に製作することが可能になる。
また、上述した実施の形態3ないし7およびそれらの変形例においては、平面視した場合における靴底の一部または全部に緩衝材を配置した場合を例示して説明を行なったが、緩衝材を設ける位置はこれら実施の形態ならびに変形例において具体的に例示したレイアウトに限定されるものではない。たとえば、当該靴が使用される競技の種類や用途に応じて、靴底の内足側の部分および外足側の部分のいずれかのみに緩衝材が配置されてもよいし、靴底の縁部に沿った一部の領域(当該一部の領域は、互いに独立して複数設けられてもよい)にのみ緩衝材が配置されてもよい。また、緩衝材は、ミッドソールとアッパーとの間に設けることとしてもよい。ここで、靴底の全面に緩衝材を設けるようにする場合には、ミッドソールに代えてその全体を緩衝材に置き換えることとしてもよい。
また、上述した実施の形態3ないし7およびそれらの変形例においては、単位構造体が行列状に敷き詰められることで構成された層が、緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向において、複数層にわたって積層されるように構成されてなる緩衝材を靴底およびこれを備えた靴に適用した場合を例示して説明を行なったが、当該層が上記軸方向に沿って積層されることなく一層のみにて構成された緩衝材を靴底およびこれを備えた靴に適用することもできる。その場合には、当該一層のうちで部分的に外形寸法が異なる単位構造体を含んでいればよい。一例としては、靴底の内足側と外足側とで単位構造体の外形寸法が異なるように構成してもよいし、靴底の前足部、中足部および後足部で単位構造体の外形寸法が異なるように構成してもよい。
また、特に上述した第4,5変形例および実施の形態6,7においては、緩衝材に配列された複数の単位構造体の境界がいずれも直線状に構成されてなる場合(図21,図22,図28,図29,図31等参照)を例示して説明を行なったが、当該境界は直線状である必要は必ずしもなく、緩衝材の用途やデザイン(特に靴に適用される場合には靴底のデザイン)に合わせて様々に変更が可能であり、一例としては、これを曲線状にすることができる。
また、靴底に対する配置位置に応じて緩衝材の壁の厚みを異ならしめてもよいし、靴底に対する配置位置に応じて緩衝材の面構造を異ならしめてもよい。たとえば、靴底のある部分には、面構造がシュワルツP構造である緩衝材を配置し、靴底の他のある部分には、面構造がジャイロイド構造である緩衝材を配置することとしてもよい。
また、上述した実施の形態3ないし7およびそれらの変形例においては、シュータンおよびシューレースを備えてなる靴に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、これら備えない靴(たとえばソック状のアッパーを備えてなる靴等)およびこれに具備される靴底に本発明を適用してもよい。
さらには、上述した実施の形態3ないし7およびそれらの変形例においては、本発明に係る緩衝材を靴の靴底に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明に係る緩衝材は、他の緩衝用途に使用することができる。たとえば、本発明に係る緩衝材は、梱包材や、建築物(たとえば住宅等)の床材、舗装路の表面材、ソファーや椅子等の表面材、タイヤ等、様々な用途に使用することができる。
また、上述した実施の形態1ないし7およびそれらの変形例において開示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、相互に組み合わせることが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびそれらの変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1D,1A1〜1A7 緩衝材、10 壁、11 蛇行部、12 方向転換点、13 入隅部、14 出隅部、50 隔壁部、100 靴、110A〜110E 靴底、111 ミッドソール、112 アウトソール、112a 接地面、120 アッパー、121 アッパー本体、122 シュータン、123 シューレース、Q1 母趾を支持する部位、Q2 小趾を支持する部位、Q3 踵骨を支持する部位、R1 前足部、R2 中足部、R3 後足部、S 立体構造物、U,U’,UA,UB,U1,U2 単位構造体。

Claims (15)

  1. 並行する一対の平面または曲面によって外形が規定される壁にて形作られた立体的形状を単位構造体とし、当該単位構造体が少なくとも一方向において規則的にかつ連続的に繰り返し配列されてなる立体構造物を含む緩衝材であって、
    前記単位構造体の各々が占有する六面体形状の空間を単位空間と称した場合に、前記立体構造物が、前記単位構造体として前記単位空間の外形寸法が異なるものを含んでいる、緩衝材。
  2. 前記単位構造体のうちの前記単位空間の外形寸法が異なるもの同士が、少なくとも当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向に位置している、請求項1に記載の緩衝材。
  3. 前記単位構造体のうちの前記単位空間の外形寸法が異なるもの同士が、少なくとも当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向と交差する方向に位置している、請求項1または2に記載の緩衝材。
  4. 前記単位構造体を規定する前記壁には該当しない隔壁部が、前記単位構造体のうちの前記単位空間の外形寸法が異なるもの同士の間に設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の緩衝材。
  5. 当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向における前記単位空間の外形寸法をL1とし、前記軸方向と直交する二軸方向における前記単位空間の外形寸法のうちの大きい方の外形寸法L2とした場合に、前記単位構造体のうちの前記単位空間の外形寸法が異なるもののうちの少なくともいずれかが、1.1≦L1/L2≦4.0の条件を満たしている、請求項1から4のいずれかに記載の緩衝材。
  6. 当該緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向における前記単位空間の外形寸法をL1とし、前記軸方向と直交する二軸方向における前記単位空間の外形寸法のうちの大きい方の外形寸法L2とした場合に、前記単位構造体のうちの前記単位空間の外形寸法が異なるもののうちの少なくともいずれかが、0.1≦L1/L2≦0.9の条件を満たしている、請求項1から4のいずれかに記載の緩衝材。
  7. 前記立体構造物が、三重周期極小曲面を基準にこれに厚みを付けたものからなる、請求項1から6のいずれかに記載の緩衝材。
  8. 前記立体構造物が、シュワルツP構造、ジャイロイド構造、または、シュワルツD構造を有している、請求項7に記載の緩衝材。
  9. 前記立体構造物が、内部に空洞を有することとなるように、互いに交差するように配置された複数の平面を基準にこれに厚みを付けたものからなる、請求項1から6のいずれかに記載の緩衝材。
  10. 前記立体構造物が、オクテット構造、キュービック構造、または、キュービックオクテット構造を有している、請求項9に記載の緩衝材。
  11. 樹脂材料およびゴム材料のいずれかからなる、請求項1から10のいずれかに記載の緩衝材。
  12. オレフィン系ポリマー、アミド系ポリマー、エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー、および、メタアクリル系ポリマーからなる群より選ばれる1種以上を含有するポリマー組成物からなる、請求項11に記載の緩衝材。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の緩衝材を備えてなる、靴底。
  14. 前記緩衝材が荷重を受けることで緩衝機能を発揮する軸方向が接地面と直交するように、前記緩衝材が配置されている、請求項13に記載の靴底。
  15. 請求項13または14に記載の靴底と、
    前記靴底の上方に設けられたアッパーとを備えてなる、靴。
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